須賀京太郎は静かに暮らしたい 咲「α章?いつの話?」【咲-Saki-安価】 (425)

このスレは京太郎の奇妙な冒険(1~4章)の続編、須賀京太郎は静かに暮らしたい(現行第10章)の平行世界的な設定のスレです。

本編がインハイ期間中で麻雀漬けなので、こちらで小ネタだとかifだとかをやります。

時期も京太郎が2軍だった時だとか、宮永家の闇を解決した直後だとか、2回戦の直後だとか、色々飛ばせる感じでいきます。

このスレで起こった出来事は本編にフィードバックされるので、

本編の時間が足りない分、ここで京太郎を強化するなり、ヒロインと交流するなりできます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1560616660

[小ネタ・ifストック]

・旧い記憶を取り戻したAislinn Wishartの襲撃

・復刻、幼児退行のどか

・やきうスレ並みの狂った自由安価モード

・六女仙+姫様による同輩・菫さんのお祓い(第8章だかの>>1000ボーナス)

・京太郎と遊びたがるあわあわ(第9章の>>1000ボーナス)

・捨てなるカッス、京太郎に拾われる(第7章の>>1000ボーナス曲解)

・原村家にお呼ばれ

・獅子原爽、同輩を弟子に取るの巻

・もしも明華が常識人だったら

・もしも亦野誠子さんが常識人だったら

・花田煌、すばらな男性と出会う

・愛宕ネキ、軟弱な未成年男性(16)と出会う

・凡人と天才の奇妙な邂逅

・もしも鳥谷敬が金本の代わりに虎星メンバーだったら

・もしも京太郎の性癖が「殺人・手首を愛でる」ではなく、普通に性行為をすることだったら

・白糸台麻雀番長・亦野誠子さんによる自由安価モード


他にも色々募集中です

ネタ出しだけでも良いならば

・水道橋から1つ隣の飯田橋を降りた神楽坂で表通りの学生や会社員に混じって高めの店に入りディナーをとろうとしたら
偶然政治家が路地入った花街に出入りするのを目撃して彼らの弱みゲット
・水道橋から2つ隣の市ヶ谷にある釣り堀で亦野誠子さん
持ち前のスキルを活かして無双するもうっかりマタンゴと化して釣り堀へドボン
・水道橋から3つ隣の四ッ谷で上智を始めとしたキリスト教関連に触れようと積極的なシスターユキコと連れの有珠山メンバーに遭遇

四ッ谷は確か以前明華と遭遇した地だし
ひと波乱起きるには絶好の場所なのかもしれんね

>>17
政治家の弱み握ったら逆に消されてまう……

マタンゴ・ユキコネタはストックに入れさせてもらいます、あざす!


このコンマだと、「京太郎を好き(ダブルミーニング)にできるアプリを手に入れた咲キャラ」になりますね

誰にしようかなあ……

ぱっと思いついたのはクロチャー、ヒッサ、池田、エイスリン、豊音、ネキ、末原さん、怜だけど……ここはやっぱりクロチャーで!

8月のいつか……

京太郎・アナザーワンが「1巡前」の記憶を取り戻した後……宮永家の闇解決に奔走していた頃の話…


―赤土家―


晴絵「ふんふむ……」

晴絵「つまり、だ……」

晴絵「私がお茶の間で婚活サイト見ながら酒飲んでたとき、急にどてっ腹に風穴がブチ開いたのは小鍛治健夜のせいで……」

晴絵「気が付いたら……というか、物心ついたらがきんちょの頃に戻ってたのは……世界が「1巡」したからだったのか」

京太郎「……そういうことだ」

京太郎「もう、十分か……?家に帰してくれ、晴絵…!」

京太郎「俺には、やらねばならぬことがあるのだ…!!」

晴絵「まぁまぁ、しばらく阿知賀でゆっくりしていきなよ」

京太郎「そんな暇はッ!!」

晴絵「はい、「お前はしばらく阿知賀に滞在していたくなる」」

京太郎「!!」 ギュギュウウウン

京太郎「……そうだね。うだるように暑い東京で夏を終えるより……この片田舎で旅行気分を楽しむとするかな…」

晴絵「……よしよし、完璧だな」

晴絵「私の作ったレジェンドアプリ第4号……「須賀京太郎を好きにできるアプリ」は!!」

~翌日~

―阿知賀女子・麻雀部部室―


晴絵「……さて!」

晴絵「いよいよインハイも本格的に近づいてきている……」

晴絵「基礎雀力を上げる期間はこれくらいにしておいて……」

晴絵「こっからは各校の対策とかを中心にやっていきつつ、サブの目的として弱点の補強とかもやっていきたいんだけど……」

晴絵「よし、シズ!」

穏乃「はい!!」

晴絵「この大会……決勝まで勝ち上がっていけば、絶対に当たる高校が1つある。それはどこだと思う?」

穏乃「え……っと…どこだろう??」

晴絵「おいおい、何言ってんだ。そもそも何のためにインハイ目指してたんだよ」

憧「あっ、和?」

穏乃「!! そっか!!和のいる、白糸台高校だっ!!」

晴絵「正解!」


晴絵「と、いうわけで……まずは絶対に当たる強豪、白糸台の対策から始めていく」

玄「白糸台といえば、和ちゃんもそうだけど……インハイチャンプの宮永さんがいるところだよね」

宥「怖いね…」 ブルルッ

晴絵「そんなに恐れるなって。今日からはインハイチャンプ・宮永照よりも手強い白糸台の化け物の対策をやってくんだからさ」

灼「インハイチャンプ以上……?」

憧「えっ、待って?そんなのいるの??」

晴絵「ああ。今連れてきてるよ」

穏乃「連れて……?」

晴絵「京太郎、「入ってこい」!」


ガチャッ


京太郎「……」 ツカツカ


憧「男子!!??」 ビクゥッ


晴絵「ほら、「自己紹介しな」」

京太郎「!!」 ギュギュウウン

京太郎「俺の名は須賀京太郎……。年齢15歳」

京太郎「自宅は白糸台高校付近の住宅街にあり、彼女はいない」

京太郎「「白糸台高校」の1年生で麻雀部に所属していて、 毎日遅くとも夜8時までには帰宅する」

京太郎「タバコは吸わない。酒も嗜む程度……夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている…」

京太郎「寝る前にあたたかいミルクを飲み20分ほどのストレッチで身体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡さ……」

京太郎「赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに目を覚ませるんだ…健康診断でも異常なしと言われたよ」

晴絵「と、いうヤツだ!」

憧「え……なに、この人…」

灼「自己紹介なが…」

穏乃「この人が、インハイチャンプより手強いんですか!!??」

晴絵「ああ」

晴絵「ただ、ちょっと想定外のことがあってさ」

玄「想定外?」


晴絵「うん。幸いっちゃ幸いな話なんだけどね」

宥「??」

晴絵「いやさ。なんかこいつ、二重人格だったみたいで」

灼「なにそれ…」

晴絵「私の知ってる方の人格なら、旧い付き合いだから対策のしようもあったんだけど……」

晴絵「対策してもどうにもならない強さだから、結局はどうしようもなかったんだよね」

穏乃「対策できない強さ!!??」

晴絵「でも、今表に出てきてるこの人格。こっちは私は全然知らなくってさー。調べないことには対策も何もできないんだ」

晴絵「試しに何回か打ってみたんだけど……こっちの人格に関しては、高校生でも上手くやれば対応できるかな…って感じ」

憧「どっちみち強いのね……」

晴絵「そういうことだ。ただ、私の知ってる方の人格なら狂った高打点を連発したり、振り込んでも『スタンド』でなかったことにしてきたりするし……」

穏乃「え?」

晴絵「時間を止めてイカサマで役満和了ったり、和了ったときに身体を爆発させてきたり、その残骸で襲ってきたりもするから」

玄「??」

晴絵「そういうのがないぶん、全然やりやすいんじゃないのかな」

灼「……意味がわからな……」


玄「というか……インハイで戦うかもしれないのに、よく阿知賀まで来てくれましたね…」

京太郎「いや、俺は……」

晴絵「ああ、こいつは今、私に逆らえなくなってるんだ」

憧「え、なにそれ……。弱みでも握ってんの?」

晴絵「や、違う違う!私が開発したレジェンドアプリ第4号、「須賀京太郎を好きにできるアプリ」の効果さ!」

穏乃「なんですかそれ!!??」

晴絵「ふっふっふ……説明しよう!」

晴絵「こいつはスマホのアプリなんだけど……」

晴絵「アプリに自分の波紋の波長と声質を登録しておくと、アプリを介して京太郎につけてある首輪に波紋が伝わって、京太郎に何でも好きなことを命令できるようになるんだ」

憧「どういう理屈よそれ?!」

晴絵「『実現した伝説』を使ってなんやかんや試行錯誤してたらできるようになった」

灼「なんやかんやって……」

玄「発明家だね~!」

晴絵「ま、阿知賀のレジェンドたるこの私!「できて当然と思うことで何だってできる」からな!」 ドヤァ

宥「すご~い」 

京太郎「フン……」


玄「でも……そのアプリで無理やり連れてきたんだったら、ちょっとかわいそうですね…」

晴絵「……」 チラッ

京太郎「いえ、「阿知賀にしばらく滞在していたい」のでお気になさらず」

玄「あ、そうなんだー!それならよかったのかなっ?」

宥「そうだね~」

灼(……これも、ハルちゃんに操られて言わされてるんじゃ……?)

晴絵「そういうわけだから、これからしばらくの間は京太郎と打って対策を練ろうか」

憧「え、アプリで「弱点を教えろ!」とか「クセがあるなら教えろ!」とかじゃダメなの?」

晴絵「いや、それは聞いたよ。でも無意味だった」

穏乃「無意味?どういうことですか?」



晴絵「……京太郎、「クセとか弱点とかあるなら教えてくれ」」

京太郎「!!」 ギュギュウウウン

京太郎「……俺に弱点はないし、クセも自分で気づいているようなものはない。俺は天才なのでね……」

晴絵「って、具合なんだ」

穏乃「な、なるほど……」

玄「す、すごい自信だね……」

晴絵「その自信がどれほど実力に見合ったものか、ちょっと見てみるといいよ」

晴絵「京太郎、「みんなと2半荘打ってみてくれ」」

京太郎「いいだろう」 ギュギュウウン

晴絵「じゃ、まずはシズ、憧、玄!」

晴絵「次は憧と玄が抜けて灼と宥な!」

穏乃「よっし!!腕試しだーーーーっ!!!」

2時間後……


        . . :´:_: : : : : : : :`\: : : \
       /: : : : : : : : ̄: : 、:/: /: :ヽ: : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : :\: : : :/: V : : : \
     /: /: : : : : \/ヽ: : : : :ヽ: :/: : :ヽ: : : : : ヽ
    /: :.{: : ハ: : :イVハ-、ヽ: : }-、: : : :ハ: : : : : ハ

    /: : :i: : :i ヽ: :}-r⌒ヽ VV  }: : : } V: : : : :ハ
   /i: : : V: rく レV  \::ノ ハ:} イ: : : }  /: : : : :ハ}
   ハ: : : V:ハ rへ    ''/ i: }  ヘ∠、/: : : : : ハ!

   { ヽ: :ハ: :ヽ\:)     ′}: ! /://: : : : : /――-...、
       八ハ:ゝゝ\,,′ っ j://::/::::/: : : : :/::::::::::::::::::::\
       ` `  V:}  、_ ///::::::/: i: : : V::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ
           ノ:ノ      レ 〉:::/::::::V: : :ヽ:::::::::::::::::::::::::::';:::::ヽ
            //       /:::::(::::::::::::\: : :ミー::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
         (          /:::::::::::::::::::::::::::`ヾミゝ:::::::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ
                  i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ




京太郎「……フン、他愛ないな……」

憧「ぜ、全員トバされた……つ、強すぎでしょ…!!」

灼「あ、ありえな……」

玄「ぜ、全然歯が立たないよぉ……」

宥「」 ブルブルブルブル

晴絵「ふぅー……。やっぱ25000点持ちならこんなもんか」

京太郎の自己紹介で、未成年飲酒に
ついて誰もとがめてないのはなぜだ?


晴絵「打ってみて、何か掴めるものはあったか?」

憧「いや……フツーに強すぎてなんも……」

晴絵「……だよなぁ。こればっかりは仕方ない」

晴絵「何十回も何百回も打って、その様子を動画で撮りつつ……何かしら見つけ出していくしかないな」

灼「骨が折れそ……」

晴絵「頑張るしかないさ。それに、京太郎と打つのは、弱点探しだけじゃなく、みんなのレベルアップも目的でやってるわけだからな」

晴絵「京太郎。「これから毎回、打つたびに皆の打ち筋で問題があったところを指摘して、アドバイスをしてやってくれ」」

京太郎「わかった」 ギュギュウウウン

京太郎「新子憧。君は鳴きの速攻を得意としているようだが……俺には通用しない。判断力が低すぎるのだ…手牌のケアがお留守になりすぎだぞ」

憧「……っ!!むかつく~!!……てか、なんでアタシの名前知ってるわけ?」

晴絵「あっ。……そ、それはだな。前もって教えといたんだ。「そうだよな?」京太郎」

京太郎「そういうことだよ」 ギュギュウウウン

憧「ふぅん……」

晴絵(世界が「1巡」した話とかは……私も聞いたばっかでびっくりしてるとこだし、ややこしいから話さないでおこう)



>>28
田舎もんは「はえ~東京の高校生は進んでんだべなぁ」くらいにしか思ってない説


晴絵「あっ、そうだ。京太郎、「東京に戻ってからウチの生徒の弱点とか特徴とかは話すなよ?」」

京太郎「分かった」 ギュギュウウン

穏乃「あっ!!でも、それズルくないですかー?!」

京太郎「構わないさ。真の強者は相手がどういう打ち手だとかどこが弱点だとか…そういう小賢しいところに考えを巡らせずとも強者たり得るのだ」

憧「な、なんて傲慢なヤツなの……」

晴絵「……ちなみに、こう言えっていう風には命令してない。元からこういう考え方してるってワケだな」

宥「い、色々とすごい人なんですね……」

晴絵「ま、そういうことだ」

晴絵「性格は悪いけど慣れたらかわいいもんだし、私がいない間も仲良くしとくんだぞ!」

灼「えっ?」

穏乃「え?!赤土先生、どこかに行っちゃうんですか?!」

晴絵「あれ、言ってなかったっけ」


晴絵「明日からちょっと奈良市の教育委員会まで出張でさ」

晴絵「ついでに色々ツテを辿って、京太郎以外の白糸台の選手の対策練るためにあれこれやっとこうと思って」

晴絵「1週間くらい、部活に顔出せないんだよ。もしかして、言うの忘レジェンド?」

玄「き、聞いてなかったです……」

憧「ちょ、そういうの早めに言ってよね~」

晴絵「あはは、ごめんごめん」

灼「……気になるんだけど、その間この人…須賀くん?はどうするの……」

晴絵「ん?ああ……」

晴絵「いや、最初はウチに置いておこうかと思ったんだけどな。「おとなしくしとけ」って命令するのも監禁してるみたいでかわいそうだし、どうしようかと思って」

憧「考えてないんだ……」

晴絵「誰か、京太郎を家に連れて帰って面倒みてあげられるやついないか?」

憧「え、ムリムリムリ!!!男子と1週間一緒に住むとかむりーっ!!」

穏乃「うーん、私んちはどうだろ……」

灼「うちは……おばあちゃんになんて説明しよ…」

穏乃「そこですよねっ!!問題はっ!!」

晴絵「むむむ」


晴絵「京太郎、かわいそうになぁ。誰か飼い主になってくれたらいいのになぁ」

京太郎「いや、俺は別に……。ホテル暮らしでも構わないのだが」

晴絵「京太郎、「かわいそうな子犬のアピールをしてみ」」

京太郎「えっ」 ギュギュウウン

京太郎「く、クゥーン……」 シュン

穏乃「プッ」

玄「ふふっ」 クスクス

憧「ちょ、かわいそうでしょ!!やめなよハルエ~!!」 ケラケラ

晴絵「わっはっは」

京太郎「く、屈辱だぁ……!!」 ワナワナ

宥「あっ、そうだぁ~!うちに…お泊りすればいいんじゃないかな~?」

玄「あ、それ!いいかもしれないね、おねーちゃん!」

憧「え、マジ?!」


憧「マジで言ってんの?!玄、宥姉!?」

宥「うん……。ちょっとおうちのお手伝いとかしてくれるなら、お父さんもいいよって言うかなって」

玄「そうだね~」

晴絵「おー、いいじゃん!住ませてくれるとこが見つかって良かったな、京太郎!」

京太郎「いや俺は……」

晴絵「じゃ、私がいない間は「松実館で手伝いとかしながら、ウチの麻雀部のレベルアップを助けてくれよ!」」

京太郎「分かった」 ギュギュウウン

晴絵「玄、宥。もし私の命令の効果が誤動作で切れたりしたら困るし…アプリ送っとくから、そこに声と波紋を登録しといて」

晴絵「玄たちも二重で命令かけて、ちゃんと京太郎がうちの麻雀部に協力してくれるようにしてくれな」

玄「おまかせあれ!」

宥「わかりました……」

京太郎「え……本当に1週間も協力させられるのか?」

晴絵「「頼むぞ」、京太郎!」

京太郎「はい」 ギュギュウウン

こうして、京太郎の奇妙な阿知賀滞在が始まった……。


ってとこで友達が襲撃してきたので一旦中断

小ネタにしては導入なげーぞ……

アナザーってレジェンドより年上なんだよな

>>40
いや、レジェンドの方が年上ですよ

アナザーワンは中身41歳だけど、

レジェンドは御身所有者だから「1巡前」の時点で51歳、「1巡後」も記憶持ってるから+26で77歳……ってめっちゃババアじゃん!!

実際中身が何歳かちゃんと考えてはなかったけど、計算してみると記憶受け継いでないトシさんより年取ってんぞ……


てかこの話、超短編小ネタのつもりだったのに結構長くなりそう……

ちょっと書き溜めた分投下します

―松実館―



玄「ただいま~」 ガラララッ

松実父「おお、二人ともおかえり……って誰だ彼は」

京太郎「こんばんは」

宥「あのね、お父さん。赤土先生のお知り合いの方で……須賀くんっていうんだけど、行くところがないみたいで…」

松実父「えっ?家がないのか?」

京太郎「いえそういうわけでは――玄「だから、1週間だけうちのお手伝いしてもらう代わりに、泊らせてあげられないかなぁ…?」

松実父「ええ……?う、うーん……それはかわいそうな話だが……1週間後に家のあてはあるのか?」

玄「うん!赤土先生が何とかしてくれるそうなのです!」

松実父「まぁ、1週間くらいなら構わないが……須賀くん、と言ったね?」

京太郎「はい、須賀京太郎です」

松実父「若いのに大変だな。こんな田舎の旅館だが、ゆっくりしていきなさい」

玄「やったぁ!」

宥「よかったね、須賀くん」

京太郎「あ、はい」

松実父「夏休みシーズンでお客さんも多くてね。仕事を手伝ってくれるというならむしろありがたいよ。気兼ねせずにな」

京太郎「……ありがとうございます」

京太郎(人がいいな……)

―客間―


玄「ここが須賀くんのお部屋なのです」 ガラララッ

京太郎「ふぅん……。普通に旅行客が泊まる部屋じゃあないですか」

京太郎「いいんですか?こんなところを使わせていただいても」

玄「うん!須賀くんにはうちでも部活でも助けてもらうわけだし、おもてなしできるところはしなきゃ!と思って」

京太郎「へぇ……。そいつはありがたいですね」

玄「どうかな?別のお部屋が良ければ、もう少し回ってみる?」

京太郎「いえ……ここで構いませんよ」

京太郎「味がある。滞在する上で何の不満もありません」

玄「そっかぁ!よかったぁ」 ニコッ

京太郎「ところで……旅館の業務内容というのを教えていただけませんかね」

玄「あっ、そんなにやる気出してくれてるの?」

京太郎「いや……働きたくないはずなんですが、晴絵に受けた命令のせいか働かずにはいられない気分なんです」

玄「そ、そっかぁ……なんだか申し訳ないなぁ……」

京太郎「成行き上仕方がない。お気になさらないでください」

京太郎「そして、やらなくっちゃあならないことなら、完璧にこなしたいので」

玄「わ、わかったよ。じゃあ説明するね」

京太郎「ええ、お願いします」

アナザー京『なんだ、思ったよりマジメにやる気じゃあねえか。相棒』

京太郎(フン……松実館の仕事を手伝わなくてはいけない…そんな気持ちに無性に駆られているのだ)

京太郎(止める必要はないぞ、アナザーワン。俺がやりたくてやるのだからな)

アナザー京『ああ。ハナっからその気はねえよ』

アナザー京『宝くじが当たっちまってバイトの一つもする必要がなくなったことを心配してたんだがな。ちょうどいい社会経験ができそうで何よりだぜ』

アナザー京『それに、止めたくても止められねえ。晴絵のかけた催眠の効果は、別人格のおれにまで及んでるみてえだからな』

京太郎(なに?そうだったのか)

アナザー京『ああ。だからおれも、阿知賀の波紋雀士たちのレベルアップに協力しようとするてめーを止められねえし、阿知賀から去らせることもできねえ』

京太郎(……ん?それは少し…マズいんじゃあないのか?)

アナザー京『なんでだ?』

京太郎(……いや。何か、俺たちにはやらなくてはならないことがあった気がするのだが……)

アナザー京『……ああ。おれも何か大切なことを忘れている気はするぜ』

京太郎(……参ったな。何だったかまるで思い出せん)

京太郎(アナザーワン。晴絵が俺にアプリを使用しようとしたとき、お前が阻止してくれればよかったものを……)

アナザー京『いや……それもできたが、敢えてやらなかった』

京太郎(なに?何故だ)

アナザー京『そりゃあ……晴絵には負い目があるからな』

アナザー京『「1巡前」にスコヤを倒す旅を続けている時……須賀京太郎はあいつのおかげでスコヤを倒せるところまで成長できた』

アナザー京『しかし……最終決戦の時によ…。スコヤをビビらせるついでに晴絵を助けようと、ヤツの腸を引きちぎって晴絵に移植しちまったばっかりに……』

アナザー京『「1巡」する直前にスコヤは復活しちまって、晴絵はまたしても腹に風穴ブチ開けられて死んじまったわけだからな』

京太郎「……」

アナザー京『それを思うと、おれは晴絵に何をされても文句は言えねえ。今回のことだって、晴絵の気が済むまで操られてやるつもりだぜ』

京太郎(……そうか)

アナザー京『相棒。てめえにもちっとはそういう気持ちがあったんじゃあねえのか?』

アナザー京『じゃなきゃ、晴絵がアプリを使う素振りを見せたところでスマホを破壊しちまえばよかったわけだからな。違うか?』

京太郎(……俺はただ、「1巡」ぶりにあった晴絵との間でトラブルを起こしたくなかっただけだが……そういう気持ちもあったかもしれんな)

アナザー京『だろ。なに、心配はいらねーさ』

アナザー京『晴絵だって鬼じゃあねえ。1週間もすりゃ催眠を解除して元の生活に戻らせてくれるぜ』

アナザー京『それまでは阿知賀の波紋雀士たちのレベルアップに協力するなり、旅館の手伝いなり、なんでもしてやろうぜ』

京太郎(……ああ。元よりそのつもりだよ)

京太郎(それに、逆らおうと思ったところで既に逆らえない段階にきているからな)

アナザー京『ハハハ。違いねえ』



こうして須賀京太郎の奇妙な阿知賀滞在が始まった……。

住み込みで仕事を手伝うことになった京太郎の朝は早い

~AM5:30~


京太郎「おはようございます、玄さん」

玄「須賀くんもおはようございます!」

玄「あれっ、身支度はもう済んでるんだ?」

京太郎「ええ。いつも6時には起きているのでね。1時間ほど起床時間をズラせば身だしなみくらいは整えられます」

玄「そっかぁ……。じゃあ、早速お仕事をお願いしてもいいかな?」

京太郎「ええ。ただ、今朝到着予定の3組の部屋については、既に掃除を済ませておきました」

玄「え?!ほ、ほんと?」

京太郎「ええ。ですが素人の仕事なのでね。念のため、後からチェックをしておいてください」

玄「わ、分かったよ」

玄「そ、そっかぁ……。じゃあ、お願いしようと思ってたお仕事もそれで済んじゃったし……あっ、おねーちゃんを起こしてもらってきてもいい?」

京太郎「分かりました。……ですが、女性の部屋に男の俺が立ち入ってもいいんでしょうか?」

玄「え?あ……でも、須賀くんならいいんじゃないかな?おねーちゃん、ちょっと恥ずかしがるかもだけど」

京太郎「そういうものですか」

―宥の部屋―

京太郎「宥さん、起きてください。宥さん」 コンコンコン

京太郎「……」

京太郎「……仕方がないな」 ガララララッ


宥「むにゃ……あと30分…」 ゴロン

京太郎「強欲だな」

京太郎「そんなことを言っていないで、起きてくださいよ。宥さん」 ユサユサ

宥「んぅ……玄ちゃん、もうちょっとだけぇ……」 ムニャムニャ

京太郎「俺は玄さんじゃあない。須賀京太郎ですよ」 ユサユサ

宥「うぇっ?!」 ガバッ

京太郎「おっ…やっとお目覚めですか」

宥「す、須賀くん……?な、なんでここに……」 カァッ

京太郎「玄さんに頼まれたんですよ。宥さんを起こしてくるようにと」

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ム、 V: : : : -‐ 、  ヽ、 ̄|//////////////////////ヽ  、`‐-、    うぅ……。は…恥ずかしい……
  ヽ \: 」 、 \  ヽ  |/////////////////////// > }ヽ  ヽ
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京太郎「低血圧なんですか?なら、早く日光を浴びた方がいいでしょう」

京太郎「あとはヨーグルトだのチェダーチーズだのを食事に取り入れるだとか……」

宥「わ、分かったよ~……と、とりあえず…お着替えするから…」

京太郎「ああ、失礼しました」 スタコラサッサ

朝の仕事を終えれば、松実姉妹と共に麻雀部へ向かう


―阿知賀女子・麻雀部―



憧「チィッ!!」 カシャッ

京太郎「遅いな……。門前の俺の方が……ずっと速いッ!!」

憧「むっ」

穏乃「え、えー?も、もう聴牌してたり……?」 タンッ

京太郎「ご名答……。ロン、16000……」

穏乃「うぎゃー!!」

玄「うーん……須賀くんはいい牌ばっかり引いてくるね……」

宥「聴牌速度がすごく速い……」

京太郎「俺は基本的に有効牌しか引かないので」

憧「ズルすぎでしょっ!!」

京太郎「……それより、ずっと撮影するのはやめていただきたいものですが……」

灼「ハルちゃんの指示だから……」 ジーッ

京太郎「……」

玄「須賀くん、「がまんしてもらえる」……?ごめんねっ!!」

京太郎「仕方がないですね」 ギュギュウウン

憧(人権蹂躙じゃないのこれ)

夕方、松実館に帰ってからは忙しい仕事に追われる


玄「わ~、忙し忙し!」 バタバタ

京太郎「玄さん」

玄「あ、す、須賀くん!」

玄「えっとね、素泊まりのお客さんが2名いて――京太郎「部屋は掃除してお茶・お菓子の補充もしておきました」

玄「ほ、ほんと?!それと、食材が足りなくなっちゃってて――京太郎「すみません。俺のポケットマネーで間に合わせの量なら買ってきました」

玄「えっ?!そ、そこまでしなくても――京太郎「いえ、俺が急に滞在することになったので消費が増えたんでしょう。俺の宿代分ということで、ここは」

玄「え、いやそれは――京太郎「玄さんは仕入れの確認をお願いします。俺は調理場に届けてそのまま料理のお手伝いをするので」

玄「え?でもお父さんがいるから大丈夫――京太郎「ああ、客に出す分は素人の俺は何もできませんが、ご家族の分を俺がやっておきます」

京太郎「それじゃ……」 スタスタ

玄「す、須賀くん……。初日で私よりそつなく仕事をこなしてる……」 アゼン

そして……


―食卓―


松実父「うぅーん、須賀くんの作った料理は美味いなぁ!」 モグモグ

宥「ほんとだ~!私よりお上手…」 モグ

玄「す、すごいね……」 

京太郎「ありがとうございます」

松実父「やれやれ……普段より2倍早く仕事が終わったぞ」

松実父「どうだ、須賀くんも一杯」 グイッ

玄「あっ!おとーさん!ダメだよ~!須賀くんは高校生なんだから~」

京太郎「そうですね……遠慮しておきますよ」

松実父「まぁまぁ、そう言わずに」 スッ

京太郎「そうおっしゃるなら……」 グビッ

宥「あぁ~!飲んじゃった……大丈夫?お酒飲んでも…」

京太郎「このくらいはなんとも……」

松実父「ワッハッハ!どうだ、仕事終わりのビールは格別だろ?!」

京太郎「ええ。全くですね」 ゴクゴク

松実父「うぅーん、須賀くんはまっこといい男だなぁ!」

松実父「若い頃のボウイ似のハンサムで、仕事もデキるし料理も上手い!」

松実父「どうだ、玄か宥をもらってくれんかね?」 

宥「えっ」 ポッ

玄「お、おとーさん!やめてよ~!」 カァッ

京太郎「ははは……。俺のような若輩者ではとても分不相応ですよ」

京太郎「見目麗しい旅館の看板娘を貰ってしまってはお客さんの嫉妬を買ってしまうんじゃあないでしょうか」

宥「須賀くん、お上手……」 カァッ

玄「も、も~!須賀くんもやめてよ~!」 テレッ

松実父「はっはっは!謙虚なのはいいが、君は最近流行の草食系なのか?それはいかんなぁ~」

松実父「どうだ、玄。宥。1週間のうちに須賀くんをモノにしてしまっては」

宥「え、えぇ~……」 カァッ

玄「へ、変なこと言わないでよ~!」 ポカッ

松実父「わはは!須賀くんになら、ウチの娘をくれてやっても構わんのだぞー!」

京太郎「ふふ……少しお酒が回ってきたんじゃあないですか」

松実父「ヒック……そ、そんあことはないぞ~」

玄「もう……弱いのに、調子に乗るからだよ~」


宥「ごめんね、須賀くん…。だる絡みしちゃって~……」

京太郎「いえ……お気になさらず。それにお二人とももらえるものならもらいたいくらい美しいですしね」

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   /:|: : : : :|. !: : : : !   ゝー''´         ゝ _.ノ /::::/:ノ'  '
   /: :|: : : : :|ゝi: : : ::|  \ \ \ \ \ \ \ \ \/::ノ: ::|:イ
   〈: :|: : : : ::|: :|: : : ::|                   ´ i: : ::j::|    えっ
   .ゝ:::|: : : : :|: :ヽ: : : |、       / ̄ ̄ ̄ヽ     ノ: : :ノ::|
    ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、     ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
    〉::!: : : : :|: : :>: : ::i  ` ヽ------- ' ´  __, --/: : :/: : : : : :ヽ
    /: !: : : : :i: :/ ヽ: ::i、        __ - '   ,,ノ::/::<: : : : : : :i:::ヽ
   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ

 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ



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         イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧   な、ななななななななななに言ってるの!!???
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京太郎「いえ、本当のことを言ったまでですよ…」

京太郎(本当に……「手」はもらいたいと思うね…嫁にはいらんが…)

玄「も、もう……や、やめてよ~」 ドキドキ…

京太郎(特に松実玄……。彼女の手は……「強さ」があるッ)

京太郎(皿洗いやら掃除やらで酷使してもなお、美しさを保つ白魚のようなきめ細かい肌…)

京太郎(きっとどこか……精神的に強いところがあって、それが「肌の強さ・美しさ」に現れているのだ……)

京太郎(是非とも……お持ち帰りしたいところだな…)

京太郎(……持ち帰り?)

京太郎(…………どこへ、持ち帰るつもりだったのかな……?)

京太郎(……あれ?俺は今……何故阿知賀に……)

京太郎(ん…?俺が滞在したいと思っていたからじゃあなかったか……?)

京太郎(あれ……。だが、俺にはやるべきことが……)

京太郎(ああ、そうだ……。やるべきことがあったが、晴絵に命令されて旅館の手伝いなんかをしているのだったな……)

京太郎(やるべきこと……?……やるべきこととは…なんだったかな……)

京太郎(……まぁ、いいか……)

京太郎「玄さん、宥さん……。俺も少し酒が回ってきたようです。お先に床に就いても構いませんかね」

玄「う、うん。お、おやすみなさい」

宥「お、おやすみ~」

京太郎(……何か大切なことを忘れている気がするが……なんだったろうか…本当に思い出せん…) フラフラ…

~翌日~

―阿知賀女子・麻雀部―

玄「それでね~!須賀くんって、お料理まで上手で!」

宥「お仕事もすっごくてきぱきとしてて、大助かりなんだ~」

穏乃「へぇ~!!麻雀以外もそんなにすごいんですね!!須賀さんって!!」

憧「完璧超人じゃない」

灼「いるんだ…そういう人…」

京太郎「……」

京太郎(……しまったな……)

京太郎(旅館の仕事を「そつなく」こなしたつもりだったが……)

京太郎(何故か「松実館での手伝い」を頑張らねばならないような強迫観念に駆られて……「そつなくこなす」という以上の仕事ぶりを見せてしまった……)

京太郎(こんなつもりじゃあなかったのだが……俺としたことが、どうしたのだ?)

京太郎(今までなら、目立たないようにバランスを考えて手を抜くことができたのに……)

京太郎(こうなったら、どこかで失敗をして釣り合いをとらねば……)

憧「そういえばさー、須賀くんに他にどんな命令してんの?」

憧「お客さんの前で宴会芸させたりとか?」

玄「し、しないよ~!そ、そんなかわいそうなことー!」

穏乃「え、でも面白そう!!私もやってみたいかも、宴会芸!!」

憧「シズは勝手にやってなさい」

穏乃「え~」

京太郎「……」

憧「せっかく人に好きな命令できるなんて面白いことになってるんだし、もっと色々使ってみたらいいんじゃないの?」

玄「え~……でも、須賀くんはお仕事も頑張ってくれてるし、私たちの練習にも付き合ってくれてるし……ちょっと悪いよぉ」

憧「んー……そうだ!」 ピコーン

憧「ねぇ、シズの夏休みの宿題手伝ってあげてよ」

穏乃「えっ!!」

京太郎「宿題?」

京太郎「なに……?8月のアタマなのに、まだ終わっていないのか」

穏乃「そ、そりゃそうだよ~!だってまだ8月のアタマだしっ!!インハイもあるしっ!!」

京太郎「大会があるのなら、なおさら7月中に終わらせておけばよかったものを」

憧「おっ、話が分かる人発見~やっぱそうだよねフツー」

穏乃「そりゃ、憧は頭いいからそう思うだけでさー」

穏乃「フツーは夏休みの最終日に全部やるよ~……」

灼「それはだらしな……」

玄「う~ん……7月中に、とは言わなくてもコツコツ終わらせておかなきゃだと思うよ~」

宥「そうだね~」

穏乃「えぇー……みんなマジメタイプですか……」 ガクッ

憧「でさ、チームメイトとしてもシズ心配だしー。玄、須賀くんに命令して手伝わせてみてよー」

玄「えー」

京太郎「……!」 ピコーン

京太郎(……これはチャンスなんじゃあないのかッ?)

京太郎(脳足りんのフリを装って評価を下げ……上がり過ぎてしまった評価との釣り合いをとる……ッ!)

京太郎(バカだと思われるのは癪だが……万能のイメージを崩しておく方が優先だッ!!)

京太郎「よし、いいだろう。高鴨穏乃、宿題を一部寄越してくれ」

穏乃「えっ!!??ほ、ほんとにいいのっ?!」

憧「おー!よかったね、シズ~」

玄「えっ、私そんな命令出してないよ?」 アセアセ

京太郎「いや、これは命令を受けてやるんじゃあなく……自分の意志でやろうとしているだけですよ」

穏乃「やさしー!!須賀さん、マジで感謝ですっ!!」 ペコペコ

京太郎「……」

灼「普通にいい人…」

玄「じゃあ、今からちょっとお勉強の時間にしようよ~!」

宥「そうだね~……私たちも、宿題を進めちゃお……」

憧「じゃ、あたしは自分の終わってるし……シズ、あたしも手伝ってあげるわよ」

穏乃「おおー!!憧、信じてたぞー!!」

憧「ジュース2本ね。あたしと須賀くんに、1本ずつ」

穏乃「なー?!ぐ、ぐぐぐ……しょ、しょうがないっ!!もちろん相応の対価は払おうっ!!」

憧「まいどあり~!」

京太郎(呑気な奴らめ……)

京太郎(ま……高校の勉強くらい、古文・漢文以外はそつなくこなせるが……無能のフリをしてやるとするか…)

穏乃「じゃあ、須賀さん!!古典の問題集のこっからここまで、ノートにお願いします!!」

京太郎「え」

~30分後~


穏乃「む、むむむむむむ~~!!!」

             _ ,. .‐:´: : : : : : : : : : :`: : . 、
           /:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ

          /:/: : : : : : : : : : : : : :;ヽ: : : : : : : : : :\
            / : /: : : /: : : : : : /: :/: :'  ヽ: : : : : : : : : : ヽ
          /: : / : :、:/: : : : :/: ! : ハ: :{   '; :、: ヽ: : ヽ: :ヽヽ
       /: : : ': : : :/:/: :\: :ハ: :ハ: {   ';.ハ: ハレ: :i : :ヽ:',

       l/: : :!:、: : :{:/ : : ハ`ト'、:{ V    }:レiイ }: : }: : :ハ:.!
       /: : : ハ: :\:iハ: : :{ ,z==ミゞー'    彡zzx ハ :ノ: : :ハj
        /: : : : ∧: : : i: :ヽ:i〃           ゙{イ !:ノ
     /: : : : : : : ヽ/´!: : ハ! ヽヽ     `  ヽヽi: ヽレ

      /: :/: : : : : : : { { : {                ト; :.ヘ
.    /: :/: : : : : : :/: ヽ{: :{__   /ニー ―‐_ァ  ノ ヽ: }    あ~!!二次関数ってなんなんだよ~!!
   /: :/i: : : : : : :ハ: :{ ヽ: !  ヽ,  ̄ ̄  ̄ ̄ イ   ヽ:!
   {: / {: : /: : : ハ: :{ ヽ:!  「::::::エ=--、zz彡}     i:}
   i: { ヽ: !: : : :{ /⌒TV::::く:`===:::zl゚}:::=〈__   i!
.   V   ヽヽ: :/    ヽ::::::::::`::-:::_::《::_:ノ:::::::::', \
    /つ/ノ/ 7 r,     }::::::::::::::::::::::::::::》:::::::::::::::::::::i  ヽ
   ハ 〈 / / / / ハ   j:::::::::::::::::::::::::::::{{::::::::::::::::::::::i  ヽ
  〈ヽ ´ Lノ / ノ ノ   /::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::i   ヽ
.   \`     /  / /::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::ト    \


憧「えーそこからー?」 ガクッ

憧「どの問題でつまずいてるわけ?……え、なによ。普通に因数分解してから解けばいいだけじゃない」

穏乃「因数分解ってなに!!なんで分解するのさっ!!」

憧「は~?」

穏乃「分解なんてしなくていいよ~!こんな山なりの曲線、山と同じで自然のままがいいに決まってるっ!!」

憧「じゃあ一生解けないわね」

穏乃「うぅ~」

憧「まったく、あたしはあんたの英語の課題もう4割くらい終わってるってのに……」

憧「須賀くんも……」 チラッ

京太郎「…………」 アセアセ…

憧「……え?……最初のページから進んでなくない?」

京太郎「……」 コクリ

穏乃「えっ!!??ほんと?!!」

京太郎「……古典は、苦手なのだ……」

憧「……マジ?文法も1問も解けないレベルで?」

灼「え……なんか意外…」

穏乃「おぉー!!私の宿題が進んでないってのに、仲間が見つかったことの喜びの方が大きいぞーーーっ!!」

京太郎「こ、古典世界はッ!!この須賀京太郎にとって理解したくもない不衛生な時代だからだッ!!」

京太郎「ゴミだめに吐き捨てられたタンカスのように不潔できったない身体で過ごしている人間の言葉など、分かりたくもないからできないだけだッ!!」

憧「プッ……な、なによ、その言い訳……」 クスクス

宥「へぇ~……須賀くんにも、苦手なものはあるんだね~」 フフッ

玄「なんだかかわいいね~」 フフフ

灼「そういうところもある方が、よっぽど人間らしいと思…」

京太郎「な……」

穏乃「」 ポン

京太郎「?」

                           _. .―. .. . . 、
              lヽ          , . :´: : : : : : : : : : : :`: .、
             _| }        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
          / ニ⌒)     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
          /   ̄ヽ)    /:/: : : : : : : : : : : : :ハ: : : : : : : : : : : :ヽ
         /   、\ノ    /:/: : : : : /: : : : : /:/  !:}: : : : : : : : : : : :',
           _,'    イノ   /:/: : : : /:/: : : : : ://  !:ハ: : : : : !: : : : : :ヘ
        ィ::ー..._ノ    /i/: /: : :`ト/:{: : : ://   }:i }: : : : : }: : : : : : ハ
      __/::\.二..::フ   /:/:从: : : ハハ`ト:、_ハ   !ハ: : : レi: : ノ: : : :ハ
     /::::\::_:::ィ     /:/: !: :ハ: :/ ヾx、\:!`   ノ__レイ ノノ: :/: : : : ハ!
     /::::::::::::::::::::::}    /:/: : i :/: V _,z≧       ´__,z レイ: : : //:ノ
    ノ:::::::::::::::::::::::ノ   /:/: : : Vi: : ! " ̄         ≦, ̄   /: :/:ノノ
  /:::::::::::::::::::::/    /:/: : : : V: ハ  ""            ゙ヾ  /:イ
  /:::::::::::::::::::::::/     /:/: : : : : l :ハ    、          ""  /: :/
 /:::::::::::::::::::::::/    /:/: : : : : :i :i : ヽ      ̄´`ー一     //:/    大丈夫!ひとりじゃない!
./:::::::::::::::::::::::::ヘ    /:/: : : : : : :V: : : : \          ノ´l:/
'::::::::::::::::::::::::ノ:::\:⌒\/⌒i:⌒\: : : /:`:エヽ   _   ´  〃
::::::::::::::::::::/::::::::::::ヽ::::::::ヽ::::::::}::::::::::\/ニ ー:::: ̄r:::┴┐   /
、:::::::::: ̄::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::}:::::::::::::::::\:::::ヽコ_〉ニ'┤  ´

 `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::}}::::::::::}`ヽ、           ___
    `ヽ、::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}:: ̄:::::::::::::::::\     ,< ___ >,

       `ヽ、::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::::::::::/:ヽ      !          !
          `ヽ、:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::/:::::ヽ     |    (´ )    !
              `ヽ、::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::i::/::::::::::',    |    ,L_|_ │
                  i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::}:/::::::::::::ヽ  |  (`Y、__ } |
                  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::}'::::::::::::::::::l   !   (`(___ ) !


京太郎「な…慰めはいらんッ!!」

阿知賀女子一同「あははははっ!」

京太郎「ぐ、ぐぐぐ……!!」

京太郎(おのれ……!わざとできないところを見せるつもりが、本当にダメなところを見せてしまった……!)

京太郎(これにはプライドが傷ついたぞ……)

京太郎(それに、美点と欠点で釣り合いをとるつもりが……そこまで馬鹿にされもしない特徴のひとつとして捉えられてしまった…!)

京太郎(お人よしどもめ……!そんなに甘っちょろい性格をしていると、将来苦労するぞ……!)

アナザー京『アットホームな部活だな。なんだか随分昔……清澄高校に通ってた頃を思い出すぜ』

京太郎(ん……。ああ、そういえばそんなこともあったな……)

アナザー京『こういういい子たちを相手にしてると、催眠なんざかけられなくったって色々と助けになってやりたい気がしてこねえか?』

京太郎(いや、それはない。……が、居心地が悪いわけじゃあないな)

アナザー京『いいことだぜ』

京太郎(ふん、やれやれ、だがね…)

ではちょっと書き溜めタイムに戻ります

多分ヒッサなら自分にしかジュース奢らせてない

その夜……

―松実館―


京太郎「……ふぅ」

京太郎(さて、と……。今日の業務も終わったことだ。床に就いて身体を休めるかな……)


「キャーーーーーーーーーーーー!!!!ゴキブリー!!!」

「きもいいいいい!!追い出してよパパーーーー!!」

「お、俺は触れねえーーーーーッ!!!!おい、仲居さぁーん!!」


京太郎(……なんだ?ゴキブリが客の部屋に現れたのか…)

京太郎(……仕方ない。少し様子を見に行くか…) ツカツカ


玄「は、はーい!!今行きますのだっ!!」 ドタドタ


京太郎(ん、玄さんが気づいた……。俺は特に助ける必要はないか…?)

京太郎(まぁいい、見に行くだけ行くか…) ツカツカ

―客間―


玄「ど、どうされましたかっ?!」 ガラララッ

妻「ご、ゴキブリが出たのよぉ!!」

夫「そこの布団の下に潜り込んでるっ!!早く処理してくれっ!!あと部屋を変えてくれっ!!」

息子「うぉえええーーーーん!!!気持ち悪いよーーーー!!」 ビエーン

玄「えっ、えっ、は、はい!」 アタフタ

玄(あ、ど、どうしよう?私も虫は苦手なんだけど、おとーさんを呼びに行くわけにもいかないし……) 

玄(というか、今夜は満室だから替えの部屋がないよー!!ど、どうしよう…) アセアセ


京太郎「……」 チラッ

京太郎(なるほど……少しばかり面倒なトラブルだな)

京太郎(ゴキブリを始末したところで、確か俺の確認した限りだと、部屋の空きはなかったはず……)

京太郎「……」

京太郎(やれやれ……もう一仕事しなくてはね……)

京太郎(アナザーワン。君にも手伝ってもらう)

アナザー京『なに?ゴキブリの処理はともかく、相手は客だ』

アナザー京『虫が出て気持ちワリイって言ってるヤツをブチのめすのも言い負かすのも、得策じゃあねえぜ』

京太郎(君は荒っぽすぎる……。俺はもっとスマートに解決するよ)

アナザー京『ふぅん…?どうやって』

京太郎「~~~~~~~」

アナザー京『……なるほどな。分かったぜ』

アナザー京『トラブルを穏便に処理することにかけては、てめーの右に出る者はいねえな!相棒!』

京太郎(減らず口を叩いていないで、早く手伝ってくれ)

アナザー京「おうよ」 ドン☆

1秒後……


―客間―


京太郎「……何かお困りのようですが、どうなされましたか?」 ガラララッ

玄「あっ、す、須賀くん!」

妻「ゴキブリが出たのよぉ!!もう気持ち悪くってぇ!!」

夫「は、早く処理してくれー!!あと、部屋も変えてくれよー!!」

息子「ぼくゴキブリやだあああああああああああああ!!!!!」


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    /::ヽ.   「::::l /}  /:::/ /´::::/     /´::::> ,.-.、_        __,,..、
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                            ∧_,. --- 、∧
                       レ': :_ : : : :_: : :}
                         {: (__,>: :<.__) j
                       __ ___|: : : : : : : : :___|_ __ _
                       (ノー':{\\ : : : : : ///:::‘ー'ヽ)
                     (Y⌒ヽ\:\}/ ̄∨ / Y⌒ヾく)
                   ,ィ八しjク::::::\/ : : : ∨:::::::乂フリ‐{)
             ,__|Vレく(、トヘハ:::彡三入: : : 〈三o\::r'/
           /ト、ヽ==ミ、} l 〉〉}ノ):::::(_\:/:):::l\oV⌒7ヽ

          / N二Y⌒ソリノノ//ィ\:::::\:/:/::::/l/`::/://
.          /::<_/./从_(`"'''"´V{\:\/`:<::::/ |::|\:l :l/ : :
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.         i: : : : :〈ト{、 ftゥぅ ftァラ{リ:´: : : : : ∨∧/: : : : : : : : \
.         人: : /: :ーl ヽ   j リ //: : : : : : : : ∨:/ : ヽ:_:_: : : : : :
            ヽ{: : : :「\ ー= ‐ / :__ : : : : : : : V: : : : : : : : ̄ : __
          \:./|\ ヽ_/ト、: : :`ヽ: : : : /\: : : : : : : : /:::::

           _x≦/│ >==<。j ≧-  _: / : : : `: <: : : :{:::::::   なるほど、承知しました。直ちに駆除いたします……。
   r─‐ァ≦   / |/ \__/ヽハ ∧    ̄ ̄∧: : : : :`: ーヽ-

   /  /     /  |、   | |  l _∧      / 〉: : : : : : : : /
   V  ',    `フ | ヽ |「 |  , |  ̄|    {/7 : : : : : /
   V  ヽ    〈  ! \ lr‐| / l   |    l /、: : : : :./
    ∧  {     V∧   ゙|\|  |.  |二二}/|/ ∧: : : :/
.  〈    |     V∧  |/,!   |  l   / j   /: : :∧
   ) \ ヽ.     V∧ノ|┌_|  l   |    /  /|: : : : : ヽ
   /    ヽ 〉\   l\V|└_」  | │    {  / : : : : : : 〉

妻「そこに敷いてあるお布団の下に逃げ込んだわっ!!」

京太郎「かしこまりました」 スッ


屈んだ京太郎は……敷布団の下に手を突っ込んだッ!!


玄「わわっ!!??」

夫「げぇっ!!??す、素手でぇっ!!??」

妻「うぇー……」

息子「よく触れるね……お兄ちゃん……」

京太郎「……」


京太郎「……捕まえました」 スッ…

玄・妻「」 ホッ

夫「ふぅー……良かった…。じゃ、さっさとどっか持ってって殺してくれ…で、部屋の交換も頼む」

京太郎「ええ……かしこまりました」

京太郎「しかし……お客様、どうやらこれはゴキブリではありませんね……」

妻「えっ?」

玄「???」

夫「何言ってんだ。不衛生なのを誤魔化そうったってそうはいかんぞ」

京太郎「いえ……。そうではありません」

京太郎「当旅館は衛生面には殊に気を遣っておりますので……時節柄、もしや…とは思ったのですが」 パッ


京太郎は、ゴキブリを捕らえているという右手を開いて見せたッ!!


夫「うおっ!!??」

玄「えっ!!??」

妻「に、逃げるでしょっ!!なにしてんのっ!!??」

京太郎「いえ……よくご覧ください」

息子「あ……!」


           ,.、 ,.、
           ヽ'::':/
            }:::{
            l:::|
           i:yァ|:::l
          l:(.ノ:::l

        ,.r:::'':::!:::ヽ゚;~   __,
       .〈;;;:::::::::::::::゙:i,,__,〃 `
      /~:::y'''::::-:::〈ー‐"

      /::::::/:::::::::::::〈:、
      /:::::/:::::::::::::/ ヾ!
    ,:'!::::/:::::::::::::〈:、 l:!

.   〃ゝ〈_:::;;;:::ノ .l:l  ヽ、
  _〃         l:!
  ´          ヽ、



息子「カブトムシだぁーーーーっ!!!」 キラキラ

玄・妻・夫「!!???」

京太郎「どうやらお客様……虫が部屋に現れたことで動揺するあまり、見間違えてしまったご様子…」

妻「え、えぇっ!!??そ、そんなはずないわよぉ!!」

夫「だ、だってあんなに速く動き回ってたんだぞ!あんな速度で移動するカブトムシがいるかっ!!」

京太郎「よほど腹が空いていたのかもしれません……布団の下にゼリーのカップが押し込められていたので、それに反応していたんじゃあないでしょうか」 スッ

妻「あっ!!このごみは……息子がさっき食べていたッ!?」

夫「コラ!!ごみはゴミ箱に捨てろっていつも言ってるだろ!」 ガツン

息子「いてっ!!え、えー?!ちゃんと捨てたはずなんだけどなぁ……」

京太郎「夏も真っ盛りです。甘い匂いにつられて、開いていた襖から入り込む……ということも…滅多にはないことですが、あるのかもしれません」

玄「」 ポカーン

妻「いや、あはは……すみません、お騒がせしました…」 ペコリ

京太郎「いえ、お気になさらず……」

京太郎「カブトムシとは言え、虫が出た部屋では寛げませんでしょう。お部屋替えを致しましょうか?」

玄「あっ!す、須賀くん!今、空きのお部屋は……」

京太郎「一室だけありますが……いかがいたしましょうか」

夫「あー……ど、どうする?」

息子「えー、ぼく別にこの部屋でいいよぉ」

妻「え、う、うぅん……そうね。ゴキブリだったら気持ち悪いけど、カブトムシくらいなら追い出せば良かっただけだし……」

夫「だ、だよな。……そういうことなんで、大丈夫です…。すみません、カブトムシぐらいで大騒ぎして…」

京太郎「いえいえ……お気持ちはよく分かります。色も大きさもゴキブリとそっくりですからね……」

京太郎「それでは、ごゆっくり……。……いきましょう、玄さん」

玄「あ、う、うん!」

玄「ごゆっくりどうぞ!また何かありましたら、お気軽にお声掛けください!」 ペコリ

夫「あ、はい……」

―廊下―


京太郎「……」 ツカツカ

玄「ね、ねぇ須賀くん?」

京太郎「なんです?」

玄「かぶとむし、捕まえてくれてありがとうね……。庭先から虫が入ってきちゃうトラブルってたまにあるんだけど、私も焦っちゃってたから助かったのです…」

京太郎「どういたしまして……」

玄「でも、お部屋に空きはなかったはずだよ~?それは私の確認不足だったかなぁ」

京太郎「いいえ。その通りです。空室なんてありませんよ」

玄「えっ?」

京太郎「向こうは害虫のゴキブリが出たと騒ぎ立てたのに、実際に出てきたのはカブトムシに過ぎなかった」

京太郎「それも、息子さんが布団の下に捨てたゼリーのゴミが原因だった可能性が高い……」

京太郎「と、なれば……罪悪感で部屋を替えろなどとは言わないと踏んでいたんです」

玄「えぇっ?!」

京太郎「こちらも客商売ですから…「本当は部屋を替えるつもりはなくても」……「建前上は部屋を替える意思がある」ことくらいは示しておかなくっちゃあならない」

京太郎「何から何まで誠意を持って接してくる相手に、それ以上の傲慢は発揮できないものと思いましてね」

京太郎「むろん、それでも「部屋を替えろ」と言い張るのなら……俺のお借りしている部屋を片付けて提供していましたがね」

玄「そ、そこまで考えてたんだ……」

/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

:.:.:/.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:人:.:.:.:.:.:.:.:./   だ な な そ
:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.(___):.:. |:.:.: ′   ね か .か れ
:.:i:.:.:.:.: :/:. 斗‐/┼‐- イ : |:.:.:.: | |:.|:.|:.:.:|     : .な な は
:.:|:.:.:.:.:.: :':.:.:.|:/ :|:././/|:.:.:.: |_|人|:.:.:|     : .か か
:.:l:./⌒i:.:.:.:斗芋示ミ/  |:.:.:抖弌ミ:.:八         の
:.o{   |:.爪 んノ::::ハ     :|/んハ 犲:.:,ト 、
//: ヽ_|: :|:|弋:::::::ソ      V:ソ.ノノ:./|:|. \           /
:.i:.:.:.:.: |: :|:| ::::::::::     ,  ::::::/:.:.:/ :|:|  ノノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
人: : :.:|: :|:|             /:.:.:/  |:|  ∧
  ヽ:.八:.|:| `        °  イ:.:.:./   :|:| (__)
/.  \: ヽ{ ̄\ /‐--<:.:.:.:.|:.:./    ;リ
    \:.:\ .}}_ /}}  .}ヽ:.: |:/|   /

玄「須賀くんって、そんなにやり手だったんだ~!すごいなぁ~!」

京太郎「いえ、それほどでも……」

玄「それにしても、かぶとむしで良かったね~!ゴキブリだったらどうしようかと思ったよ~!」

京太郎「え?ああ……フフフ」

                       __
 ┌┐.┌i   ┌┐  __ ┌┐  | | [][]
 |└[][]L.ロロ | [][] | | ロロ |.[][] l└─┐

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 二 `丶、`丶、_\__\〉-<⌒
`‐-、 二. `ヽ、 ミ ̄ /⌒シ \

二‐/,ィ┐|=ミ=|  /|_,/l_イ| \  \_
‐ニ| i<  i ,.{  | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
二‐ヽ ┘ |     lヾ. } } /从}
ニ ‐'"/   /    |_{;)} レ' ∧{
'  /   /     '" ` `゙ / `
  /    ,      F'′
  ヽ.    \、 L`___l
 _\    ヽ._>┘    そうですね……。布団の下から出てきたのがイメージの良いカブトムシで本当に良かった……。
 /了\_ノ

 ◆(
 門|



                    ____
               ,, :´ : : : : : `: ..
               ≦: : : : : : : : : : :\
          .  .ク:.:::.: : : : : : : : : : : :.ヽ
           /::.::.::.:. : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い
         ./. __.ヾ:. :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚.
        .,/..../::.!.―:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚
          ′::::i::..丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :
       |:: '::: i:. : :{,x≠ミ: :{\: : vr≠ミ.}::.:.|: : : :|: :.゚

       |::|l:::::i:.:.:〃んrハ^\  ーんrハ |::...|: : : :|: : i
       |::|l::::ハ.:.:.} 乂_ノ      乂_ノ. ,i::: : : : :|: : |
       |::|l::/.::::...|.  ,_   、    __   : :.|: : : |: : |
       |::|l:{.i:::::.:八          ,ハ}: :..:.: :...|: : |
        `O′:::.(: 介o。,  ‘`   イ : /: :..|: : : |: : |    …………?
        /::j |:::::_≧=ー : 〕     {  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Ⅵ /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/



この京太郎の意味深な笑みに……松実玄はひとつの疑問を抱いた

玄「……ねぇ、須賀くん?」

京太郎「はい?」

玄「私、やっぱりちょっと気になったんだけど……ゴキブリとかぶとむしを見間違えるなんてこと…あるのかなぁ?」

京太郎「……フッフッフ」

京太郎「あるんじゃあないですか…?」

京太郎「現に、布団の下から出てきたのはカブトムシだった…。ならば布団に潜り込んだ俊足の害虫もカブトムシだ」

玄「えっ?」

京太郎「しかし…同じようなトラブルが発生しないよう、対策を講じておく必要はある……」

京太郎「ちょっと外出して、ゴキブリホイホイをいくつか買ってきますよ…」

玄「え……」

京太郎「それと……ごみ処理はきちんとしているから発生源がこの松実館じゃあないとは思いたいが、念のため館内を粗方探してみましょう」

京太郎「買い物のついでに、旅館周辺も見回ってきます」

京太郎「隣家が夜だというのにゴミを捨てていたりしたら、そこから湧いているのかもしれませんしね……」

玄「!!」

玄「じゃ、じゃあ……や、やっぱり、お部屋に出てきたのはゴキブリだったの?!」

京太郎「いいえ、違いますよ。「カブトムシ」です」

玄「え?で、でも……」

京太郎「箱の中の猫も、開けてみれば虎に化けていることだってあるかもしれない。となれば、箱に入れたのは虎の子だったも同然…」


京太郎「ゴキブリも同じ……。嫌われ者が布団の中で人気者へと生まれ変わったのかもしれない……」

京太郎「だったら最初からそれは昆虫の王様…。子供も大人もなじみ深い、カブトムシだったのだ」


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              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/   ま……。ある種の魔法のようなものですよ、玄さん…
           / / \ ヽ__      __/ー一
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
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       | { 〈_/ <_ノ     | ̄〉       r‐、ヘ
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                            凵
       ≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ

      ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
     /  ヾ:::::::::::i i:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::ヒ.i
    /ソ|`::::::::::∥::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
 .  ∥ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::|  ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|

      |::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ハ ィ.爪ハ  .ヾ:i  イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
.     |::::::::::::i 弋っリ       込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|   …………!!
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|

        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|



この問答を経てようやく……!松実玄は確信したッ!!

玄(やっぱり……!お部屋に出たのは、かぶとむしじゃなくて……ゴキブリだったんだ…!!)

玄(それを……どうやったのかわからないけど、かぶとむしにすり替えた…!!!???)

玄(でも、どうやって……?!手品なのかな…?!それとも、本当に魔法…!?)


その結論は正しかった……。が、京太郎の取った手法は手品でも魔法でもない


京太郎(俺の『キラークイーン』とアナザーワンの『ザ・ユニバース』の合わせ技さ……)

アナザー京『おれが時を止め……その間に、ゴキブリと似た昆虫を探しに行く……』

アナザー京『これはともすればゴキブリと見間違えるような虫ならなんでも良かった……』

アナザー京『茶色いカナブンだとか…そういう虫でも良かったんだが、イメージを考慮すりゃあやはりカブトムシが最適解だったな』

京太郎(コオロギだとかじゃあ少し気持ちが悪いし……カナブンも微妙。結局、昆虫の王様が飛び回ってるこの季節に助けられたというわけだな……)

アナザー京『そしてカブトムシを回収したら……問題の部屋に突入して、カブト虫が好きそうな甘いお菓子のゴミを探す……』

京太郎(ここで見つかったのが「ゼリーのゴミ」というのがツイていた)

京太郎(ゼリーだったからこそ…「昆虫ゼリーを食すカブトムシ」のイメージが定着しているおかげで、不自然さを緩和できた…)

京太郎(やはりこの須賀京太郎に運は味方しているというのがよく分かる一幕だったな……)

アナザー京『全くだな……。そして、ゴミを布団に突っ込んだところで時間停止のタイムリミットが来たから廊下に戻って相棒と交代し……』

京太郎(俺は何食わぬ顔で部屋に入り、布団の下に手を突っ込んで……)

京太郎(『キラークイーン』でゴキブリに触れると同時に爆破……。触覚1本残らず消し飛ばしてやった……)

京太郎(そして「カブトムシ」と「ゼリーのゴミ」を布団の下で見つけたかのように取り出してオワリ……)

アナザー京『トコトン戦闘に向いたおれたちの『スタンド』を…よくもまぁ、こうも上手くトラブル解決に使ったもんだぜ』

京太郎(どんなトラブルも切り抜けてきたこの須賀京太郎にとっては容易いことさ……)


しかし……

流石の京太郎も、この一件が新たな波乱…彼にとってはちょっぴり厄介な事態を招くことまでは予見していなかった

そう……

松実玄は……恋をしたッ!!


                 _   _,-、                  /| ./^!
      _      / / 〈 ‘,_,〉          /\     ||||
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  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| :ト.、 | |.!
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...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
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玄(須賀くん……。お仕事もできて、俳優さんみたいな顔立ちで、お上品で、でもお勉強が苦手な一面もあって、なんかいいな~って思ってたけど…)

玄(いま……すっごく胸にズキューン!ってきたよっ!!)

玄(なんだかとってもミステリアスなところが…たまらないのです!!) ドキドキ

玄(すごく胸がドキドキするよ……こんな気持ち、初めてかも…)

玄(だって、阿知賀は女子高だから……男の子とこんな風にたくさん接する機会なんてなかったし……)

玄(でも……なんとなくわかる…っ)


.                                                     _r‐v'⌒i
                                                /\(   }__ノ
.                                                 \  \,ノ\
.                                                  \  ___〉
.                                                   \ \    __
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                 /:::::::::/::::::::::::::::::f',:::::{::::::::::::| 〃,:ぅ/:_:://::/ /             \ \ >  /7
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              /:::::::::::::::::::/´   `、   |:::',、 \:|_ γ' (/ / ヽ 
         ,....:´::::::::::::::::::/  -- 、   `、  乂| ト、   j  {/_/ソ   (私……須賀くんのことが……好きになっちゃった?!)
        /:::::::::::::::::::::/ /    ヽ  f⌒ヽノ_!_ i /{     /
       /::::::::::::::::::::::::,' /       } |-_-_j_)-/| j  \ _入
     ,.:´::::::::::::::::::::::::::/ /          ¦乂_シ、_-}:レ′     /
   /:::::::::::::::::::::::::::::/ y          , /-_-_| |Y ,′       /
  /:::::::::::::::::::::::::::::::, '   |           ∥ ``~' ヾ/      ,
 :::::::::::::::::::::::::::::::::::/   l        /     ¦        /
 ::::::::::::::::::::::::::::::::/     !  、       ,       }      /
 :::::::::::::::::::::::::::::,      j  :'、   ∥    : : :ハ     ,
 :::::::::::::::::::::::::, '     ;    ',.   ∥  : :_; : :イ     /
 ::::::::::::::::::::::/      |     ',  ,  / i   l}       '
 :::::::::::::::::::/         |      ',  j/  |   j!   /
 ::::::::::::::::/ {``~;、、  |     ', {    八    /
 ::::::::::/  ``~;、、:} |       j     ` ー ´
 ::::/          |      /


京太郎「さて、と……」

京太郎「それじゃあ、寝る前に買い物に行ってきますね」

京太郎「あ……百均はまだ開いているかな…?」

玄「う、うん。もう少しで閉まっちゃうけど、急げば間に合うと思うよっ」

京太郎「そうですか。じゃあ行ってきます」

玄「あっ、待って!」

京太郎「?」

玄「そ、その……私もついていくねっ」 ドキドキ

京太郎「? いえ、俺一人で十分ですよ」

玄「でも、須賀くんにばっかりお任せするの悪いし……」

京太郎「……ふっ。変わってますね、玄さん。命令できる立場なのだから、こき使えば良いものを」

玄「そ、そんなことしないよ~」

京太郎「それじゃ……急ぎましょうか」

玄「うんっ!」

―夜道―


玄「あ、そうだ……。あのね、須賀くん……」

京太郎「なんですか?」

玄「その……す、須賀くんのこと……下のお名前でお呼びしてもよろしいでしょうかっ」 ドキドキ

玄「あっ、こ、これは命令とかじゃなくってね?!」

京太郎「え?構いませんが」

玄「!! やったぁ!」

                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  /
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:     それじゃあ、明日からもよろしくねっ!京太郎くんっ!
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|



 二 `丶、`丶、_\__\〉-<⌒
`‐-、 二. `ヽ、 ミ ̄ /⌒シ \

二‐/,ィ┐|=ミ=|  /|_,/l_イ| \  \_
‐ニ| i<  i ,.{  | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
二‐ヽ ┘ |     lヾ. } } /从}
ニ ‐'"/   /    |_{;)} レ' ∧{
'  /   /     '" ` `゙ / `
  /    ,      F'′
  ヽ.    \、 L`___l
 _\    ヽ._>┘    ええ……。…………ん?
 /了\_ノ

 ◆(
 門|

玄「ふぅ~……緊張したよ~」

玄「でも、言えてよかったぁ」 ホッ


                  -─………‐-

                  ´              `丶、
              /                    \
           /                     \
           ,′.: .: .: .: .:/ .: .: .: .: .: .: .: .: .:\ .: .: .: .: .: .:ヽ
            .: .: .: .: .: .: .: .: .: :/ .: .: .: .:| .: .: .: .: .: | .: .: .: .:ハ
           i.: .: .: .:i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:│i .: .: .: |.: : | . : | .: .: i
           | .:| .: : i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:∧| .: .: .:i|⌒:ト: |│.: .:i|
           | .:| .: : i .: i | .: .: :|.:'⌒:/ :| :|.: .:八.::│.: リ.:.: .:i|
           | .:| .: : i .: i | .: ´.:|/|/  |/|/ _∨l/|/.: .:∨|
           | .:| .: : i .: N .: .: :| ,..二.      ,..‐=ミ│ .: : iリ
           | .:| .: : ii.:.:N: .: .:≠^⌒`        | .: .: :|
           | .:| .: i八:.:ト| .: .: :|        、 /::/::. .: .:|
           | .:| .: i.:.iヘ:|.| .: .: :| ::/:::/  ____    j.: .: .:|
           | .:| .: i.:.!.: o|: .: .: |     {  ∨   .:'|.: .: .:|   これで明日からも、お仕事も麻雀も頑張れそうだよ~!
           | .:| .: i: ∨八|.: .: |> .   __ノ  イi |.: .: .:|
            j.:│ .: .:│ .:∧| .:{__`_ ┬<: .:Vi |.: /| |
          ,'.: .: : .: .: |/l人人 :∨゙   \ト∧.: .: :i |:/ :|/
           / .: .: .\.: .: .: .: \ヽ{     「∨トヘ: .: ∨
        /.: .: .: .: .:.i\.: .: .: .: ヽ \.  |_」儿_∧.: .: :.

          /.: .: .: .: .: .:i/\ . : .: . ヽ \人≫、}レ'ヘ:.: .: :.
.         / .: .: .: .: .: :/ ___ \ . : .: .ヽ  〈  ,z={}∧.: .: :.
        / .: .: .: .: .: :/{/   `ヽ \ . : .: :.  マ´ _八_.ム.: .: :.
.       / .: .:. .: .: .: /:V       \.:.: .: :. ゙T   |\∨.:.|
      / .: .: .: .: .: :/.: .|       |   ∨ .: |  L........|\「|.:丿



京太郎(……この態度、何か……「妙」だッ!!)

京太郎(一体どうしたのだ…?)

京太郎(何か……さっきのトラブルの前後で、態度に変化が生じているのが分かる……)



                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、    …………。
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、

/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:‘,:.
:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.‘:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:斗‐:.:.才:.:.://:.:.:.:.:.ィ:.:7卜:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:/ // /:.:.:.:.:./i:.:/ |:.ィ:.:.:.:.:.:
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:.:.:. /|:.:.:.:.:.|γ⌒ヽ  ̄      γ⌒ヽレ:.:.:.:.:
:.: /:.:|:.:.:.:.:.|弋  丿       弋  丿 |:.:.:.:.
:./:.:/|:.:.:.:.:.|   ¨             ¨  |:.:.:.:.
O:.:{ !:.:.:.:.:| ヽヽ   、____,   ヽヽ ヽ:.:.:    ? 京太郎くん、どうかしたの~?
:.|:.:.ゝ.!:.:.:.:.:|      ′  :.        丿:.:.
トヽ:.:.:.i:.:.:.:.:.ト.._    乂 __ 丿   _...ィ:.:.:.:.:.:.
|:.ヾ:.:.:‘,:.:.:斗‐≧‐------‐≦:.:.:.:.:.|:.:.:.:./:.

:.:.:.:.:.:.:.:.:〉、:.:.、  {: : : :{: :}: : : }  ヽ:.:.!:.:../:.:.:



                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
____∧,、__/{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |_ ______

 ̄ ̄ ̄ ̄'`'`´ ̄/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、       …………!
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、


                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
/ ̄ ̄ ̄ ̄\ __/ /´    /    ∨   \
       惚 .|ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
 :. し れ |  /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
 :. ま て |/_///,  | |从∧. |    } | | | | |
 :  っ    .|   / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
   た   >、 / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |

    ね    .|  ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
\____/..     \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /   ボソリ
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、 
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、



玄「えっ?」

京太郎「……」

玄「ごめんね、なんて言ったか聞こえなかったんだけど……」

京太郎「いえ……なんでもないです」

玄「……?」

京太郎(この手の経験は豊富な俺…!!態度と表情ですぐに分かる……ッ!!)

京太郎(いるのだ…!男慣れしていないタイプの女には…!こういう!割とストレートに態度と表情に好意が表れるヤツがッ!!)

京太郎(松実玄…!この女……俺に「惚れている」ぞッ!!)

京太郎(しまった……。「デキる」ところを見せすぎたか…?!)

アナザー京『相棒も罪な男だな。これはちとマズいんじゃあねえのか?』

京太郎(なに……?そ、そこまでマズい事態かな…?少し厄介ではあるが……)

アナザー京『いや……晴絵が帰ってきた時の反応を考えるとな』

京太郎「……?」


アナザー京『晴絵は精神的には77歳の婆さんだ。もはや結婚できねえことに焦りを感じる年齢じゃあねえし…生徒の恋心に嫉妬はしねえ。むしろ応援するだろう』

京太郎(……応援されると何かマズいのか?俺が拒絶してしまえばいいだけじゃあないか)

アナザー京『ここで問題を出すぜ…』

アナザー京『あるところに、生徒の恋心を応援するために老婆心を働かせて、生徒の意中の相手を監禁しようとしたババアがいます。それは誰でしょう?』

京太郎「!!!!!」

京太郎(く…熊倉トシッ!!??)

アナザー京『正解だ。トシさんは『アトム・ハート・ババア』で「1巡前の須賀京太郎」を姉帯さんの家に閉じ込めようとしたことがあったよなァ』

アナザー京『晴絵の場合、『スタンド』じゃあねえが……同じことができる「アプリ」を持っているんだぜ…』

京太郎(はぐァーーーーーーッッ!!!!そ、それはヤバすぎるぞッ!!アナザーワンッ!!!)

アナザー京『ま……「1巡前」のトシさんのように手荒なことをしてくるとは限らねえし……』

アナザー京『玄さんと結ばれたところで、一生阿知賀から出られなくなるなんてこともねえとは思うが……』

アナザー京『運命の女(ひと)は決まっちまったのかもしれねえな』

京太郎(な、なにィィィィ…………ッッ!!!!!) ガタガタ…

                 ____             ___
            ,, :´ : : : : : `: .          /    \
            . : : : : : : : : : : : :\     {___j⌒ヽ  ゚。
          /: : : : : : : : : : : : : :.ヽ     ___,ノ  ノ
       { : : /: : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い   /  --- ´
.       / \__/: : :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚. 乂,ノ
      /ー―――:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚◯
.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
    i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i

    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |

    || |: |: : : |〈 _)トJi:|    `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |   
    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |

.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |    京太郎くん、どうしたの?すごく汗かいてるよ?
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
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     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|





                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
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        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
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          ´/イ}lムヽ从 、---、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´、_ン /ノ  \
             /l l  i u   ! .ノ .i ) U/
            / /i !.u |! U 弋ヽ-/  /
          // i ヽ \ u -‐‐、ニ´ u/     な…なんでもない…です……
         //  .l  \ ヽU ゙ー--‐ ./、
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、

玄「えぇ~?そう……?」

玄「心配だよ…早く帰って、今日はゆっくり寝よう?」

京太郎「そ、そうですね……そうしましょ…う…」

京太郎(嘘だろう……?!)

京太郎(この須賀京太郎の人生に…!彼女は勿論…!妻なんていらない…ッ!!)

京太郎(誰かと暮らしてもストレスが溜まるだけだッ!!自分の思うよーに生活することができなくなるのだからッ!!)

アナザー京『ちなみにおれ自身は相棒が恋愛する分にはいいことだと思うぜ』

アナザー京『照さんはおれのもんだしおれは照さんのもんだが、相棒は勝手に誰かと結ばれてくれても構わねえ。いい経験になるしな』

京太郎(貴様ッ!!同じ「須賀京太郎の片割れ」が窮地に陥っているというのにッ!!他人事かッ!!!!)

アナザー京『ま……ガンバレ。おれからはそれしか言えねー』

京太郎「くっ!!!」


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おれは京エイをやめるぞっ!!ジョジョーーーッ!!!


なんか思いつくままに書いてたらすげー長くなったしこんな展開になったが後悔はしていない

それではまた

最初は晩世威団(前作のネタ)に絡まれたクロチャーを京太郎が助ける……みたいなありきたりな話にしようかと思ったけど、

明華のときに同じようなの書いたしこっちの方が吉良京太郎っぽいかと思ってやめました


てか小ネタのくせにマジで長くなるな……阿知賀は1部から関りあるししゃーないか

これが1部でも2部本編でも絡みのないなるカッスとかだともっとささっと終わらせられるんだけど……咲原作並みに本筋進まなくなってすません

時間がねえ!お金もねえ!SS書いてる場合じゃねえ!

テストの勉強 職場の環境 色々解決せにゃならねえ!

だけどやりたい準決勝! それでも書きたい玄との逢瀬!

しゃにむに更新するっきゃねえ! YO!


というわけでちょっとだけやります ガチで更新してる場合じゃないんだがまあええか

京太郎(次の日から……俺の懸念は段々と現実味を帯びていった…)

京太郎(松実玄は異性経験が少なかったのだろう……まるで…好意を寄せる異性との接し方というのを心得ていなかったのだ…)



―翌日・阿知賀女子麻雀部―


京太郎「ロン、6400」 パタッ

憧「っ……」

京太郎「せっかくの親番で張り切るのは分かるがね……些か攻めが拙すぎるんじゃあないのかね?」

京太郎「俺の存在をもう少しばかり意識した方がいい。俺は焦って鳴きにくることくらい読んで待ちを作っているのだ」

憧「意識してるから速攻を頑張ってんだけどねー……」

京太郎「俺を相手にして配牌四向聴以下で和了りを目指すのは無謀だよ…」

憧「んん~……」

京太郎「それに…ここ数日見ていて思うのだが、攻撃に使うスペースが広すぎるんじゃあないかい?」

憧「スペースねぇ……」

京太郎「最大限鳴きの可能性を上げにいくというのは下手な打ち手のやることだろう」

京太郎「友人に優れたデジタル打ちがいるのだが、彼女の場合は第一ツモの時点で和了可能性をキッチリ計算してオリる時は完璧にオリてくるよ」

穏乃「えっ、それってもしかして……」

京太郎「ん……。君たちも知っているだろう。原村和だ」

憧「!! の、和……」


穏乃「えっ!?須賀さんって和と仲良かったんですかっ!!??」

京太郎「……そうだね。最近仲良くなったよ」

穏乃「へぇぇーー!!!!」

憧「そ、そうよね……。同じ学校の同じ部活だもんね……」

穏乃「えっ、和って向こうではどんな感じなんですか!!??めっちゃ気になるっ!!」

京太郎「ん……そうだな…」

玄「え~!私も、和ちゃんのお話聞いてみたいなぁ~!」 ムギュッ

憧・穏乃「!!??」

京太郎「……玄さん。暑いので、後ろからくっつかないでいただきたい」

玄「あっ、ご、ごめんね!おねーちゃんにやってあげると、いつも喜ぶから…つい……」

宥「玄ちゃんはあったかいからね~」 ポヤーン

灼「……」


灼「なんか玄……。今日…全体的に、須賀くんとの距離が近くな…?」

玄「えっ?そ、そうかなぁ?」

憧「やっぱそうよねー。今のだけじゃなくってさ、今日部室来た時もやけに距離近いなぁって思ったし」

玄「えっ、えぇ~?そ、そうだったかなぁ……」

京太郎(そうなのだ。俺のパーソナルスペースは1メートル13センチ……それを1メートル以上侵していたッ)

京太郎(俺のパーソナルスペースが人より若干広いというのもあるが……あまりに侵略しすぎ…)

京太郎(俺がさり気無く距離をとっても……無意識なのかどうなのかは知らんが、自然と距離を詰めてくるというのが厄介…)

京太郎(例えばこうやって……6度ほど前かがみになると……) ススッ

玄「そんなことないと思うんだけどなぁ~……ねえ、京太郎くん?」 ススッ

京太郎(やはりッ!!6度こちら側に寄ってくるッ!!)

穏乃「あーっ!!」

憧「? どうしたのよ、急に大声出して」


穏乃「なんかさっきから変に思ってたんだけど……!」

穏乃「須賀さんがちょっと動くと、玄さんもその方向にちょっとずつ動いてるっ!!」

京太郎「!!」

憧「は?なにそれ」

穏乃「いや、磁石みたいな感じっていうか!!とにかくそんな感じで!!」

玄「え~?それはないよ~」

宥「あ、でも分かるかも~」

玄「ええ~?」

京太郎(こいつ…!一見鈍感そうに見えて……観察眼が鋭いぞッ!!)

京太郎(案外…!デキる…?!)

憧「や、でもそんな感じで動きが連動してるかどうかはともかくとして……今日の玄はちょっと様子違うわよね」

玄「うぅん……そんなはずないんだけどなぁ」


灼「……何かあったの?」

玄「え~?特になにもないよ~」

憧「………」

憧「……!」 ピコーン

憧「……あー、そういうことね」

穏乃「え?どういうこと?」

憧「シズ、灼さん、宥姉、ちょっと廊下に集合!」

穏乃・宥「??」

玄「え、私と京太郎くんは仲間外れなの……?」

京太郎「……」

憧「ちょっとね~あ、悪口とかそーいうのじゃないから!」 ガチャッ バタン

―廊下―


灼「どうしたの……なんでわざわざ廊下…」

憧「やー、本人たちの前で話すのもなって」

穏乃「??何を?」

憧「えー、あそこまで露骨だったら気づかない?」

憧「玄……絶対須賀のこと好きになってるわよ!」

灼「!!」

穏乃「!?!!?!」

宥「あ、そうだったんだ~」

穏乃「え、ま、マジっ!!??」

憧「マジマジ。だって乙女の顔してるもん」

穏乃「お…乙女の顔っ!!こんな感じっ!?」 ニヘラ

憧「いや、それは違うけど」

穏乃「ウェヒヒ」


灼「そういうことだったんだ……でも、確かにそれなら納得もいく…」

宥「玄ちゃんに好きな男の子ができるなんて、初めてかもね~」

憧「そうそう。初めてだから、あんな感じで好き好きオーラ出しまくっちゃうわけ」

憧「ホントならもうちょっと恋の駆け引きってもんがあるはずなんだけどなぁー」

穏乃「え?恋の駆け引きって……どんな感じなの?!!」

憧「……いや、パっとは出てこないわ。……うちら女子高の民には難しいのかもね」

穏乃「なんだぁ」

憧「……で!みんなで廊下に集まったのはそれを確認しておきたかったのと……」

憧「どうやったら玄と須賀をくっつけられるか?!を考えるためよっ!」

穏乃「おぉー!!」

灼「え、くっつけにいくの……」

憧「だって、ハルエが帰ってきたら須賀も東京に帰っちゃうかもしれませんし。時間はないですから!」

灼「そのモチベーションはなに……」

憧「え?だって……面白いでしょっ!?」 ニヤ

灼「……女子高生っぽ…」

憧「JKですから!」


穏乃「でもでも、確かに名案かもっ!!」

穏乃「玄さんに彼氏ができたら、すっごくおめでただしっ!!」

憧「おめでたって言ったらなんかニュアンス変わる気もするんだけど、そういうことよね」

宥「私も賛成だよ~」

憧「じゃあ、須賀&玄のカップル成立のために何ができるか、だけど……」

憧「……どうすればいいと思う?」

灼「……わかんな」

穏乃「えっ……難しいなぁ」

宥「うぅん……すぐには思いつかないよ…」

憧「……まぁ、そうよね……あたしもイマイチどうすればいいのかよくわかんないし」


憧「あ、そうだ。うちらが今から理由付けて帰っちゃって、二人っきりにするとか」

穏乃「お!!いいね!!」

灼「私はできるけど……宥さんは?」

宥「あ……私が帰ることになったら、玄ちゃんたちも帰っちゃうよね……」

憧「でも、学校の用事で、とか言えば……あ、でも今夏休みだしそれもヘンよね……」

灼「……この案は無理」

宥「そうだね~……」

憧「うーん……結構いいアイデアだと思ったんだけどね」

穏乃「……!!」 ピコーン

穏乃「そうだーっ!!いいこと思いついたっ!!」

憧「なによ、言ってみて」

穏乃「アプリだよっ!!」

憧「!」


穏乃「アプリで、須賀さんに玄さんと仲良くなってもらえばいいんじゃないかなっ!!??」

灼「あ……存在を忘れてた……」

憧「確かに……。一番手ごろなツールがあったじゃない…!」

宥「名案だね~!」

憧「玄は初めて好きな人ができて舞い上がってるカンジだし……調子よくポンポン命令して、二人の仲は急接近…的なカンジになるかもっ!!」

穏乃「よーしっ!!それでいこうっ!!」

灼「というか……それで「玄を好きになるように」命令すればいいんじゃないの…」

宥「え~?それはダメだよ~」

灼「なんでですか?」

宥「アプリの効果で須賀くんが玄ちゃんを好きになってくれても……それはちょっと違う気がするし…」

憧「まぁ、それはそうよね」

穏乃「うん……。でも、アプリで色々してもらってるうちに須賀さんが玄さんを好きになったならそれは問題ないよっ!!」

憧「うんうん!じゃ、戻ってそーいう流れにしてみましょうか!」

穏乃「おー!!」

―部室―


憧「やっほー」 ガラララッ

穏乃「ふぃー」 

玄「あっ、みんなー!廊下で何してたの?」

憧「いやいや、そんな大したことじゃないんだけどね」

玄「えー?気になるのです……」

京太郎「……」

玄「ねぇねぇ灼ちゃん、何を話してたの?」

灼「……えーと……ハルちゃんの作ったアプリ……便利そうだね…って話…」

玄「えぇ?そんな話なら、ここでしてもよかったんじゃ」

灼「……」

穏乃(灼さん、嘘下手っ!!)


憧(もう……)

憧「いや、そりゃあれよ。男子には聞かせられない乙女の会話ってのがあるでしょ?」

京太郎「……?」

玄「私は乙女じゃないの……」

憧「いや、玄が須賀を見張ってないと、部室で何されるか分かんないしね」

京太郎「どういう意味だ」

憧「だって、小学校の時とかいたじゃない。好きな子のリコーダー舐めるキモいヤツとか」

穏乃「あー!!いたいた!!」

京太郎「おい……。俺がそーいう類のことをするとでも言いたいのかね?」

憧「いやぁ……念のため、ね?あたしのカバンの持ち手とか舐められてたら発狂するわ」

京太郎「舐めるかッ!!汚らしいッ!!」

憧「あら失礼」 オホホ


憧「ところでさー、なんかヒマね」

京太郎「……君たちはインハイに向けて練習しなければならないんじゃあないのか?」

憧「いや、息抜きも必要でしょ」

憧「と、いうわけでさ。須賀、なんか面白い話してよ」

京太郎「なんという無茶振りを……。いきなりそう言われてもね……」

穏乃「えー、聞いてみたいなぁ。須賀さんのすべらない話!」

京太郎「嫌だ……」

宥「私も聞きたいかも……」

京太郎「そう言われましても……」

灼「あ……そうだ。玄、アプリで須賀くんに命令してみたらどう…?」

京太郎「なにッ」

玄「えぇ~?うーん……」


玄「でも、須賀くんが嫌がってることを命令するのはちょっと……」

玄「それに、私はこのアプリあまり好きじゃないのです……命令する、っていうのがあんまり……」

憧「そうね……あー、じゃあ「命令」じゃなくて「お願い」だと思えばいいんじゃない?」

玄「「お願い」?」

憧「そうそう。嫌がることを無理やり命令してる、って言うより「お願い」してやってもらうって言うんなら別に問題ないでしょ」

京太郎(いや……拒否権がないのだから同じではないか…?)

憧「なんか「お願い」したら、その見返りに玄がなんかしてあげるとかさー。そういうのだったらいいんじゃない?」

玄「!」

玄「……なるほど……」

京太郎(あっ、この女……余計なことを付け加えてくれたなッ!?)

玄「……確かに……。そういうことなら、アリかもしれないのです……」 ムムム

憧「でしょー!じゃあ早速、須賀に「すべらない話」をさせてみてっ!!」

憧「後で玄がお礼になんかするって条件で!」

玄「……そうだねっ!じゃあ須賀くん、何か面白い話をしてみてくれる…?お願いっ!」

京太郎「!!」 ギュギュウウン


京太郎「面白い話…すべらない話…か」

京太郎「……短くて構わないか?」

憧「モチ」

京太郎「なら……そうだね。この須賀京太郎……「心の平穏」を保つことを心掛けて日々を過ごしているが…」

京太郎「その平穏が乱されるトラブルというのは残念ながらある程度起きてしまうものだ……」

京太郎「これはその一例なのだが……」

穏乃「おーっ!!なんか始まったっ!!」

京太郎「俺はハイブラ趣味でね。アパレルは全てお気に入りのブランドで固めると決めているのだが……」

憧「うわー、いるいる。そういう人」

灼「お金持ちにしかできな……」

京太郎「まぁ…わけあって金に不自由はしていないんです。そちらの話については省きますがね」


京太郎「それで、学校に行くときの鞄はルイヴィトン。休日に外出するときはヴァレンティノ…といった具合に使い分けたりもしているのだが……」

穏乃「うひゃー、何語か全くわかんないや!」

京太郎「先週……ちょっとした用事で日曜日に出かけることになってね」

京太郎「その日は少し浮かれた気分だったので、グッチのね……赤と緑のラインが入ったものを使おうと、戸棚を開いたのだ」

宥「うんうん」

京太郎「その時は何も違和感を覚えなかった。普通にバッグを持ち出して外出したよ」

京太郎「しかし、電車に揺られて、膝の上にバッグを抱えているときに……妙に思った…」

灼「何が…?」

京太郎「女性は革の良し悪しに敏感だと言いますが……俺もある程度の目利きくらいはできるんです」

京太郎「そして気付いたのが……「持ち手」の部分と鞄本体で……それぞれ、革の劣化の度合いが違うように思えたッ!」

憧「? それって、持ち手の部分はよく触るとこだからとかじゃなくて?」

京太郎「そうだろう……。普通はそう考える……「持ち手」の方が革が劣化していたと考えるだろう……」

京太郎「だがそれが……逆だったのだッ!!」

憧「逆??」

京太郎「「持ち手」の革よりも……「本体」の革の方が劣化していたのだッ!!」

玄「へぇ~……なんでだろう?」


京太郎「俺が今……この話をしたのには理由がある」

京太郎「新子憧……先ほど「小学校で好きな子のリコーダーを舐める輩がいた」という話をしていたね……」

憧「え?うん。それがどうかしたの?」

京太郎「ここで追加の情報を出しておくと……俺にはひとり、厄介なストーカーがいるのだがね」

玄「えっ……」

憧「いきなりとんでもない話ぶっこんできたわね」

穏乃「そんなポンって出す情報それ?!!」

宥「な、なにそれ……」 ブルブル

灼「こわ……」

京太郎「もうお分かりいただけただろうか……?」

憧「え……?いや、全然分かんないんだけど……」

京太郎「……「それ」だったのだッ!!」

京太郎「俺のストーカーは……「好きな子のリコーダーを舐める」というのと同じことを……俺の鞄の「持ち手」にしていたッ!!」

玄「えぇぇぇっ!!???」 ゾゾゾゾッ

宥「ひぃっ……」 ブルブルブルブル


憧「え、まってまって……わけわかんないんだけど……」

憧「カバンの「持ち手」を舐められてたってわけ??」

京太郎「そういうことだ…」

憧「うわキモ……」

穏乃「へぇー……いるんだ、そういう人って……」

京太郎「ただ、そのストーカーとは以前キチンと話し合いをしていてね。基本的に俺に迷惑をかけないように誓わせている」

灼「いや十分迷惑でしょ……」

京太郎「……まぁ、そうなんですが。しかし、俺としては許容範囲だった」

宥「心が広いんだね……」

京太郎「そうじゃあありません。なぜなら、俺に特に害はなかったし……舐められた「持ち手」を持たなくっちゃあならなかったわけじゃあない」

玄「??」


穏乃「どゆこと??」

京太郎「「革の劣化」の度合いが違ったという話をしたね。なぜか「持ち手」の方が劣化していないと……」

穏乃「うん」

京太郎「それは……「取り換えられていたから」だったのだッ!!」

阿知賀女子一同「?!!」

京太郎「俺のストーカーは…ッ!自分が舐めた「持ち手」を持った俺が不愉快な思いをしないよう…!「持ち手」を新品のものに「取り換えていた」ッ!!」

穏乃「なんじゃそりゃーっ!!??」 ズコー

京太郎「どうやったのかは分からないッ!!まさに職人技だったッ!!グッチの名匠が取り付けたのと同じように本体と持ち手が接合されていたのだッ!!」

憧「えぇ……」

京太郎「そもそも……戸棚の中に置いてある俺の鞄をいつの間にどうやって持ち出したのかも分からないのだがね」

宥「こわいよ…」 ブルブル…

京太郎「ま……以前ならこれでも発狂していた俺だろうが…耐性がついたのか、むしろ新品の同じ製品を買って職人技で持ち手を取り換える根性に感心したものです」

京太郎「以上、須賀京太郎のすべらない話でした」

憧「いやいやいや……すべらない話じゃなくて怖い話だったんだけど…」

京太郎「む……。確かにそれもそうか……」


京太郎「いや……面白い話をしろ、というのは難しいものだな」

京太郎「パッと思い浮かぶのはそのストーカーのエピソードばかりでね」

京太郎「以前も同じような機会があったのだが、怖がられてしまったよ」 フフフ

穏乃「慣れ切っちゃってる須賀さんももはや怖いよー…」

灼「大変なんだね……」

玄「け、警察とかには言わないの?」

京太郎「いや……。詳しくは言えませんが、なかなか立件が難しそうなんですよ」

京太郎「脅迫だとかそういう類のことはないし、恐らく警察は取り合ってくれない……。俺が男性というのもありますが」

宥「かわいそう……」

京太郎「それに、首尾よく警察が捕まえてくれたとしても……裁判所の接近禁止命令など無視しそうなものだし、刑務所に入ったところで脱獄してきそうな女なので」

玄「えぇ……。どんな人なの……」

京太郎「ま…そういう人間はいるのでね。俺はもう割り切って捉えている」

京太郎「俺が不愉快にならない範囲…「平穏」が乱されない程度なら…まぁいいか、と……」

京太郎「なので、「平穏」の裏で暗躍している彼女の存在にはノータッチを決め込んでいるんです」

玄「うぅ……。ほんとにかわいそうになってくるよ…」


憧「いやぁ……なんか…夏にぴったりな背筋の冷える話だったわね…」

穏乃「須賀さんも苦労してるんだね……」

京太郎「ま、そうなのだよ」

玄「うぅ……。辛くなったら、誰かに打ち明けたりとか、警察の人に強くお願いしてみたりとかしようね?」

京太郎「その必要はないですね。心配はいりませんよ。平気なので」

宥「須賀くんは心が強いね……」

灼「メンタル強者……」

京太郎「それは自負してますよ(精神力値145)」

憧「あっ、そうだ。玄、須賀へのお礼ってどうするの?怖い話してくれたお礼」

玄「あ……そうだね。どうしようかな……」 ウーン

京太郎「いや……いりませんよ。あまり面白くもなかったですし」

玄「代わりに怖かったからね……」


玄「……あっ!!そうだっ!」 ピキーン

玄「ストーカーの人にも負けずに頑張ってる京太郎くんを……たくさん褒めてあげるのです!!」

京太郎「は……?」

京太郎「いや、別にそんなもの……」

玄「京太郎くん、えらいね~。よく頑張ってるよ~!すごいね~」

京太郎「はぁ……。ありがとうございます」

憧「!」 

憧「玄さー、言葉だけじゃなくって……頭撫でてあげたりとかしたら?」 ニヤリ

玄「えっ!!」

京太郎「!!!!!」

京太郎(な゛ッ!!な゛にィィィィィィィィィィィッ!!!!????)

京太郎(松実玄のカワイイ手で…!!頭を……撫でるッ!!!???)

京太郎(そッ!!それは……それはマズいッ!!)




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        : : : ::::}}  : : /:...  {ニニニ|i:i:i:i:| |:....∠,   /. ........:::::://. :/ ..::{::      }   | ..:::}ニ`二二¨´
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玄「そ、そうだねっ!そのくらいしないと、褒めてあげてる感じしないもんね~!」

京太郎「まっ、待って――玄「よしよし、えらいね~」 ナデナデ

京太郎「ふぐぅッ!!??」 ビクゥッ


憧「……?!」


玄「京太郎くんはとってもえらいのです」 ナデナデ

京太郎「あ、あ、あ……!!」 プルプル…


灼「え、なんか様子が……」


玄「なでなで~」 ナデナデ

京太郎「あ、ぐ、が、ぎ……!!」 プルプルプル…


宥「ど、どうしたの?須賀くん…」

穏乃「!! 様子が変だッ!!玄さん、今すぐナデナデを中止するんだーーーーッ!!!!」


玄「えっ?」 ナデナデ

京太郎「は、ふ、は、お、ぁ……!!!!」 プルプルプルプルプル


穏乃「玄さんッ!!手を動かし続けちゃあダメだァーーーーーーーッッ!!!!!!」



憧「な、なんか須賀が変よっ!?」

灼「震えてる……」

宥「だ、大丈夫……?」

穏乃「須賀さんの表情がおかしいッ!!今すぐ頭を撫でるのを止めなきゃダメだーーーーッ!!!」


玄「え、きょ、京太郎くん?」 ナデナデ

京太郎「う―――――――!!!」 ビクンッ

穏乃「!! す、須賀さんの顔がーーーーーッッ!!!!」




      ∩.⊂⊃     ___   n n
  .     l | ⊆⊇ __  └ーtノ   l」 l l
 ..    Ll(⊆广  つ)  广ー┐   .rリ
                 ̄ ̄

        ,..-―へ/ . : : :ヽー- 、

        彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
         //: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
   ー--‐':´: : : : |: : : | |   ゙、: ! И人ト、
   \__: : : /: :ヽ!、: |!    V     ハ
       / : /: : :/   r- 、 __, -‐'   !
        !:∠:イ´   丶、 _     _,..ノ
        |ハ:(        U   ̄ ̄   /    はぅぁ~~~…………
        |;ヘー\            /
            \: ;ヽ、   r--‐'′
           r―┴┐ ├┬┐
          ノ::::::::::::::|i  ! _|O|_
          /:: ̄ ̄ ̄\「:::: ̄:::::::\




穏乃「あの顔は!さっきまでの不機嫌そうな難しい顔じゃあないッ!母親と会話する息子のようにやすらいでいる顔だ!」

憧「よだれ垂れてるしっ!!??」


京太郎「フゥゥゥゥゥ~~~~~~~~~」 ウットリ

京太郎「ハァァァ~~~~~~~落ち着くゥ~……」

京太郎「もっと…もっと撫でてください…」

玄「えっ……だ、大丈夫?」

京太郎「大丈夫です……。手を止めないで…一定のリズムで動かしていてくれればそれで…」

玄「う、うん……わ、わかったよ?」 ナデナデ

京太郎「アフゥゥゥゥゥ~~~……」


憧「え、えぇぇ……」

灼「す、須賀くん……。こ、こんな顔するんだ……」

憧「クールぶってる普段のカンジからは想像もできなかった光景ね……」

宥「気持ちよさそうだね~」 ポヤーン


玄「きょ、京太郎くんは……頭を撫でられるのが好きなの?」 ナデナデ

京太郎「ええ……。大好き…大好きです…」 ウットリ

玄「!」 ドキッ

玄「そ、そっか~!それなら、これからもしてあげるねっ!」 ナデナデ

京太郎「ぜひ…!是非とも…!お願いしたい…!」 


京太郎(この時から俺は……アプリの命令に抗おうだとか…松実玄が厄介だとか…そういった考えを捨て去った…)

京太郎(完全に虜にされてしまったのだ……。松実玄のカワイイ「手」に……)

京太郎(一瞬殺意も湧いた。松実玄を殺してこの手を奪い取ってやりたい衝動も湧き上がってきたが……キチンと抑えた…)

京太郎(アルコールが回っているときと同じ……)

京太郎(理性と欲望の境界線がぼやけていると……普段は理性に抑制されてやらないようなことだってしてしまう……)

京太郎(涎だって垂れてくるのに気づくのが遅れるし……立ち小便くらいいいか、と思ってしてしまうとはいえ……)

京太郎(室内で放尿してしまおうなどとは考えない……。そのくらいの理性は残っているからだ……)

京太郎(それと同じで……松実玄を殺害してしまえば、晴絵との間で何か問題が生じかねないと思われるからヤメだ……)

京太郎(それに……冷たくなった「手」を愛でるのは普段から小鍛治健夜の「左手首」で堪能しているが……)

京太郎(「あたたかい手」というのはそれとはまた違った良さがあるじゃあないか……)

京太郎(少なくとも今……殺してしまうのは惜しいぞ…)

京太郎(だから殺さん……。今はただ……この「あたたかい手」を堪能するのみ……っ) ホッコリ


アナザー京『そもそも殺人衝動抱くのが狂ってんだがな……』

アナザー京『それに、阿知賀の波紋雀士らの前で松実玄殺害が頭をよぎってること自体理性がやべえことに気付けよ』

京太郎(あ……それもそうか…)

玄「なでなで~」 ナデナデ

京太郎(まあなんでもいいか) ウットリ

話進まねえ!短編っていったら5~10レスくらいで終わらせるつもりだったのに

ちょっと休憩してから再開します


京太郎(その日から……松実玄は弾けた)




~帰宅後~

―松実館―



玄「あっ、京太郎くん!」

京太郎「なんです?玄さん」

玄「ちょっと「お願い」したいんだけど……松の間のお客様と麻雀のお相手務めてもらえないかなっ?」

京太郎「構いませんよ」 ズギュウウン

玄「ありがとう~!私もおねーちゃんも、今手が離せなくって……」

玄「あっ、お客様相手だから、ほどほどにね?」

京太郎「ええ。俺は手加減は得意なので……波風の立たないように打ってきますよ」

玄「流石京太郎くんなのです!」 ナデナデ

京太郎「はふぅ……」 ウットリ



京太郎(これはただの仕事の依頼であって……初日に説明されていた業務の一環ではある……)

京太郎(撫でられることで俺の心が安らぐというオマケがついただけ…)

京太郎(無論この程度は序の口に過ぎない……)


その夜…


―玄の部屋―


京太郎「玄さん、俺です」 コンコン


玄「あ、京太郎くん!入って~」


京太郎「はい、失礼します」 ガラララッ



                        .  -‐……‐-
                      /:::::::::::::::/:::::::::::::::::\
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                     |:l::::|:::::::::|:::::|::::::::|::::厶 j/ fれ::|i:::|
                     |:l::::|::::::八::::|::::::::レf: r}  りハノレ′
                     |:l::::|:::i::| ∧:|::::::::找, ,ン   `Г
                       八:::∨ |/:::∧::::::八 rvヘヘ n从    京太郎くん、今日もおつかれさまでした!
                   //∧:::∨::::∧ 〈:::::::: '| | | |∨:::}
                   |::::|:∧:::∨:::小‐',:::::::\/ /__}:乂
                   !-|:::∧:::∨::|小 |\:::::::::`¨¨ア㍉
                  /  | :::∧:::∨|::|:: |:::::|\_彡'′ \
                   |   | :::|:∧:::∨:|:: |:::::|\:::∨    ノヘ
                   |\ | :::|:::∧::::Ⅵ:::|:::::|  |::::| {  /  }
                   ∧ }| :|:/::∧:::Ⅵi|:::::|  |::::| ∨/  ハ
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京太郎「玄さんこそ、お疲れさまです」


京太郎「ところで、何の御用ですか?仕事が終わったら部屋に来るようにとのお話でしたが」

玄「えっとね……京太郎くんに「お願い」があって……」

京太郎「……なんです?」

玄「今日はお客様が多くてちょっと疲れちゃったから……肩もみしてもらおうかなーって!」

京太郎「肩もみ…ですか」

玄「うん!もちろん、私もお礼に京太郎くんの肩もむよ~」

京太郎「はぁ……なるほど」

玄「揉み合いっこしようってことだったんだけど……ダメかな?」

京太郎「うーん……」

玄「「お願い」!京太郎くん!」

京太郎「分かりました」 ズギュウウン


京太郎「何を隠そう……この須賀京太郎は健康オタクでしてね…」

京太郎「血行を良くする揉み方くらいは心得ているんです」

玄「おぉ~!そうだったんだ~!」

玄「じゃあ、期待しちゃってもいいのかなっ?」

京太郎「ハードルは越えますよ」

玄「それは楽しみかも!じゃあ、お願いしますっ!」



   _   r'^>/^ゝ      r-、  ,、    _   r'^>/^ゝ      r-、  ,、
  |  `l / // /      / / く ヽ  |  `l / // /      / / く ヽ
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   '!  ,、_7    i  ``゙''ー、      .'!  ,、_7    i  ``゙''ー、
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  「`L_  'ー-' く_/   '!  Lニ_`''  「`L_  'ー-'   `ー''
   i  ``゙''ー、      .'!  ,、_7    i  ``゙''ー、
   |  l` ̄`''        1  |       |  l` ̄`''
   'L_」           i_」       'L_」


                            ∧_,. --- 、∧
                       レ': :_ : : : :_: : :}
                         {: (__,>: :<.__) j
                       __ ___|: : : : : : : : :___|_ __ _
                       (ノー':{\\ : : : : : ///:::‘ー'ヽ)
                     (Y⌒ヽ\:\}/ ̄∨ / Y⌒ヾく)
                   ,ィ八しjク::::::\/ : : : ∨:::::::乂フリ‐{)
             ,__|Vレく(、トヘハ:::彡三入: : : 〈三o\::r'/
           /ト、ヽ==ミ、} l 〉〉}ノ):::::(_\:/:):::l\oV⌒7ヽ

          / N二Y⌒ソリノノ//ィ\:::::\:/:/::::/l/`::/://
.          /::<_/./从_(`"'''"´V{\:\/`:<::::/ |::|\:l :l/ : :
.        ;: : : /イV.ヒjト、 })  _,ノjn: : /`ヽ o V jノ: : '⌒ヽ :
.         i: : : : :〈ト{、 ftゥぅ ftァラ{リ:´: : : : : ∨∧/: : : : : : : : \
.         人: : /: :ーl ヽ   j リ //: : : : : : : : ∨:/ : ヽ:_:_: : : : : :
            ヽ{: : : :「\ ー= ‐ / :__ : : : : : : : V: : : : : : : : ̄ : __
          \:./|\ ヽ_/ト、: : :`ヽ: : : : /\: : : : : : : : /:::::

           _x≦/│ >==<。j ≧-  _: / : : : `: <: : : :{:::::::
   r─‐ァ≦   / |/ \__/ヽハ ∧    ̄ ̄∧: : : : :`: ーヽ-    ご期待には沿いますよ…

   /  /     /  |、   | |  l _∧      / 〉: : : : : : : : /
   V  ',    `フ | ヽ |「 |  , |  ̄|    {/7 : : : : : /
   V  ヽ    〈  ! \ lr‐| / l   |    l /、: : : : :./
    ∧  {     V∧   ゙|\|  |.  |二二}/|/ ∧: : : :/
.  〈    |     V∧  |/,!   |  l   / j   /: : :∧
   ) \ ヽ.     V∧ノ|┌_|  l   |    /  /|: : : : : ヽ
   /    ヽ 〉\   l\V|└_」  | │    {  / : : : : : : 〉


京太郎(この須賀京太郎は独自のマッサージを確立している……!)

京太郎(俺の両手と『キラークイーン』の両手……4つの手で力加減を変えながら解すのだッ!!) モミモミ

キラークイーン『……』 モミモミ

玄「わっ、わわっ??!きょ、京太郎くん……なんだか手がたくさんあるみたいに揉むのが早いね……」

京太郎「ええ。痛くはないですか?」

玄「うぅん、気持ちいいよ」 

京太郎「それは良かった」 モミモミ

キラークイーン『……』 モミモミ

京太郎(一般的女子中学生程度しかない俺の握力と近距離パワー型の『キラークイーン』の力……言うまでもなく『キラークイーン』は加減して使うが…)

京太郎(揉む力に大きな差があることで、一定の力で揉み続けるよりも血流が良くなるのだ…)

京太郎(そして4つの手でもみほぐすということは通常の2倍の速度で揉んでいるも同じ……つまり血行を良くする効率も2倍ッ!!)

玄「うっ……ぁっ……す、すごい……京太郎くん、とってもお上手……」 ホッコリ

京太郎「フフ……まだこんなものじゃあないですよ…」 モミモミ


京太郎(そう…!)

京太郎(ここからが、この須賀京太郎の『キラークイーンマッサージ』の真の効能なのだッ!!)

京太郎(『キラークイーン』の左手の甲に内蔵されている第二の爆弾、『シアー・ハート・アタック』ッ!!!)

         __      __   _      __
    /::ヽ.   「::::l /}  /:::/ /´::::/     /´::::> ,.-.、_        __,,..、
    〈:::::::ハ  |:::::j '´   |:::::/ /:::::::/./!   /:::::/ /:::::/      /::::::::j__
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     V:::::l /::::}.   l:::::!ヽ一' l/   /::::::< └-' 〈_:/  /::::://:::::::/,.ヘ.  /:::::/
     V:::レ::::::::r'  .l:::::l       /:::;へ::::\      /:::::<  ー-'<:://::::::://:ヽ
       .';:::::::::/   ;:::::└‐:::ァ    ∨  丶;::::>.    ,'::::;ヘ::丶、  ´ /::::::::/':::::::/
       .';::::〈     !::::;_:::::::/          `     レ'   `¨   /:::::::< ヽ;;/::::>
       ヽ::::〉    |::/  ̄                        /::::;::::::::\ ヽ'
          .V     U                             〈:::/ \/

                   / ̄ ̄ ` 、
                 /  _  ── ┐
                    {/  _  ‐=二ニ=─  __
              /   厂           ⌒` 、
               人 ( )′      _  ‐   ̄   、
               / /\{_  ‐  ̄            \         コッチヲ見ローッ
          / >    ヽ               _ ─==──===ミ
           }\/  }      ',          _ ‐   '゙´        \
           } 厂  ノー ァ  ', _  ‐   ̄                      ',
           }ノ  _j{_ h     v',           _ ‐=ミ、      __j{
          ノ__ (i:i:i:i:i:i:i:) 廴  ノ{ ,       _ イ  {L__ 人 _ ‐=ニ「ニ{f心',
        fi:i:i)个=‐=彡}ー  ノ{  ,      厂 L ‐=ニニ厂7ヘ(心マ心vL(O)ハ
         > ⌒)ー= ⌒Lnィ ノ{ __',    _ ⌒厂こここ{こ{O 心v∧(h夊こソノ
          ̄[ ̄nnnnnhLシh! 人⌒ヽ  /´   !にこここ{にV(〔))ハも)fソニ=‐
           寸⌒ 厂_ ィhシ   」   V     |にににに、こ夊Oソこニ=‐ ̄
        厂  、 rnnL!/  /^ 、  |      Vにににに\にニ=‐ ̄
          {/⌒_vハ ̄   イ    \ノ_ ‐  ̄  \にこここニ=‐ ̄
         ∠(ニ=⌒`   ̄   ノ    /      、丶`   ̄ ̄
        厂に{こ{{うぅs。<(_ /   、丶`

         {にこ{こ夊O)(Oソ≧=‐ァ冖^
        vここ\に≧=≦に、丶

         \にに≧=‐  ̄
             ̄ ̄


京太郎(この無敵の爆弾戦車は人間の体温を感知して自動操縦で標的を攻撃するッ!!)

京太郎(だが当然……この場面で爆破は行わない。爆弾の回路は予め切っておく……)

シアーハートアタック『コッチヲ見ローッ』 キュラキュラキュラ

京太郎(この『シアー・ハート・アタック』が……「戦車」であるということが重要なのだッ!!)

シアーハートアタック『コッチヲ見ローッ』 キュラキュラキュラ

玄「!!??」

京太郎(「戦車」の「キャタピラ」ッ!!これがローラーの役割を果たし、自動で背中のマッサージを進行してくれるのだッ!!)

玄「え、あれっ!?きゅ、急に背中も?」

京太郎「背中のマッサージ……これも欠かせない。肩こりというのは肩周辺だけを解しておけばいいわけではない…」

京太郎「人間の体は繊細ですからね……。僧帽筋や広背筋も同時にケアしておくことで、上半身全体の血流を良くして疲労回復を促せる…」

玄「そ、そっか……。で、でもどうやってやってるの??こっちからじゃ見えないけど……すごい速さで手を動かしてるの??」

京太郎「フフ……。さてね……企業秘密ですよ」 モミモミ

玄「えぇ~?気になるよ~」

京太郎「気持ち良ければ……それでいいんじゃあないですか…」 モミモミ

玄「それはそうだね~」 ホッコリ

シアーハートアタック『ニンゲンナノニ爆発サセテクレネー』 キュラキュラキュラ

キラークイーン『……』 モミモミ


そして……


                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
         .   ――  ..
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    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′     ふぅ~!京太郎くんのおかげですっかり疲れがとれたよ~!
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|



京太郎「今夜は熟睡できるでしょう。翌朝に疲れを一切残さずにね……」

玄「ありがとう~!今までしてもらった肩もみのなかで一番気持ちよかったよ~!」

京太郎「それは光栄ですね」


玄「それじゃあ、今度は私の番だねっ!」

京太郎「いや、大丈夫ですよ。このマッサージは自分にもできるので」

玄「ええっ?そうなの?」

京太郎「ええ、まあ」

玄「え~……でも、それじゃあ私だけマッサージしてもらって申し訳ないし……私も全力で京太郎くんを気持ちよくさせるよっ!!」

京太郎「いえ、気にしないでください。折角肩を揉んだ後なのにまた疲れるようなことをしてはね」

玄「うぅん、それじゃだめっ!私にもやらせて!「お願い」!」

京太郎「ならお願いします」 ズギュウウウン


                      -――-
                . . : : : : : : : : : : : : `丶、

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            ,'::/::.::.: i:.::.:: / │::.::.::.::|\| .:: |::.| ::.i
             |::i::.::.:|::.|::`ト|  | :|::.::.::.L イ::.::|::.| ::.|
             |::i::.::.:|::从≫=ミ|八 .::. 抖=ミ从::| ::.|    おまかせあれ!
             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
            /Ⅵ:|::.:|'. ::、::、  '   ::、::、 /|: | ::.|
             ,::/゚|::.l :.仏     __     厶|: | ::.|
            .:/::.:|::.| :.|:个: . .  ‘ ’   . :介/::/::八
          /::{/{∧::.::.i.::|〈  {≧ ‐≦}  |/::.::.: /ヽ::..
            / ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
.           / ::.::.」 // \く>、∨|  /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
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/:.:.:.: ´  ハ 。:.:.八      /ー―‐1      {::::::/ :|
:.:.:./   、|::ヘ ゚。:.:/ )、   {      }     ィ:::: ∧; ┐   それじゃあ、頑張るよ~!
:. /     / ̄)/ /:.:、 > ゝ--- ′< ノ:::::///:
: ′  _ | 丁 | |` ミ  \ ̄/,,_  |彡"彳/ /::::::::.___
:   | 、__) ー  | ,.:┐t'⌒{ }   入 |  r v // r―::′
! r‐、} '^    | | {ニ=- ∨ _ノ┴ュ'′/ }   〈_/ \

  し        ー  |ニニニ{ニ}ニニニニ} / ,ノ、     rヘ,_〉
   }       /    ニニニィ¨ト=ニニ7 {   ‘,      ̄}::.
. イ∧        /ニニニ/ マニニニ\ :,        /し':::::::.
  / ゝ     /'⌒ヽ/   マ> ´  \     /::::::::::::i::}



京太郎「お願いします」

玄「えいっ、えいっ」 モミモミ

京太郎「フフ…なんですか、その掛け声は……」

玄「声を出した方が、力を出せるかなって!」 モミモミ

玄「力加減はどう~?」 モミモミ

京太郎「ああ……。いいですね、とても気持ちいい……」 

京太郎「玄さん、あなたの手つきは最高です……」 ウットリ


京太郎「しっかりとカルシウムを摂っているから骨の硬さは十分……」

京太郎「それでいて指の肉付きも程よい弾力を示している……」

京太郎「骨がスカスカの中高年のマッサージ師や、不摂生で指に肉が付きすぎている人間じゃあこうはいかない…」

京太郎「まるで肩もみをするために育てられてきたかのよう……」 ウットリ

玄「そ、そうなのかな?自分ではよくわからないのです……」 モミモミ

京太郎「きっとお父さんの育て方が良かったのでしょうね……」

京太郎「蝶よ花よと育てるだけじゃあこうはならない。「強さ」を併せ持った「手」を育てるというのは、ぬるま湯に浸からせるだけの甘ったれた親にはできない…」

玄「う~ん……あんまりわからないけど、お父さんを褒めてくれるのは嬉しいなっ!」 モミモミ

京太郎「ぁっ……うっ……おほぉ…」 ホッコリ

玄「えへへ、京太郎くんが気持ちよさそうで良かった~!」 モミモミ

京太郎(う……。これも……幸せの一つの形なのか……)

京太郎(求めていなかった形で……「幸福」を手にすることになるとは……)

京太郎(晴絵に感謝せねばな……。「命令」だろーと…なんだろーと…こういうことは……悪くない。悪くないぞ…!)



京太郎(そして俺の心は……「幸福」に蝕まれていった…)


京太郎(敢えて「蝕む」と言おう……)

京太郎(なぜならこの「幸福」は……アプリの「命令」が連鎖的に生み出している虚構に過ぎないからだ…)

京太郎(しかしそれでも……幸せは幸せ…)

京太郎(俺の心を満たしていることは事実だった……)


~阿知賀滞在4日目・朝~

―通学路―


宥「うぅ……。今日は曇ってて寒いね…」 ブルブル…

京太郎「どこがですか……。これでも28℃はありますよ…」

玄「夏のおねーちゃんは37℃くらいで一番元気になるからね~」

京太郎(それじゃあまるで亜熱帯に生息する変温動物だな……)


宥「あ……手袋、忘れてきちゃった……」

玄「えっ、取りに戻る?」

宥「うぅーん……。でも、今から帰ったら時間ももったいないし……」

宥「玄ちゃん、手つなごう?」 スッ

玄「うん、いいよ~」 ギュッ

京太郎(それじゃあ玄さん、あなたが暑いだろう……)

玄「……あ」 ピコーン

京太郎(何かを思いついた顔をしている)

玄「……ねえ、京太郎くん?」

京太郎「……はい?」


玄「あの、その……」 モジモジ

京太郎「……なんです?」

京太郎(俺は既に予見している。彼女は……どストレートなアプローチをかけてくると…)


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        | .:.:.!:.:..:.:!.  Vrツ    \|  {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::.  ;
        | .:.:,|:.:.::.:.:, :.:.:.:          Vrツ  /. .:.:.:.:.;. :..:  :
        `O:.|:.:.::.:...     '      :.:.:.:   /. .:.:.:.:.:;. :.: ; !
         |:.|:.!:.:.:.:八              ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; |
      イ  !:.!:V:.:.:.:个 、            人. .:.:.:.;. :.:  ; |   その……私たちも手繋いでみたりとか……ダメかなっ?
    / l   /ト:.!:.V::.:.:.:.|  ト、 `  ̄    イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ;  !
.    ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
.    ;  ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.!   ヽ ィ ´   ./. .:.:.:.:.;. :.::..: /   ヽ
.    ;    |jr-―二___ヽ / ` ´¨l   __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/     ∧
    ;    ',.!   ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/  ,  '   |
   ;    !  ___ ヽ」'ノl__ノ l_______   ` 、:.:.:.//      .;
   ;    |   __ .ヽ」  / !\!,----     l:.:/ /     ∨
.   ,   7|   (__ノ!___/ .!  !、        !:ノ/      /
    ,  ! l::!      /:7`!  .! 〉-l      /ヽ       ./
.    ,  V≧ 、___/イ  !  ノ/ l::::::!     .j::/ |      ハ
    ,  V         !_/ V \.:!    l:イ .!       l
.    ,  /ト、____ イ!   !    ` ‐‐‐´  !、      /
     ,  !        V   l ヽ       / l      /



京太郎(……やはりなッ)


京太郎「……暑いんじゃあないですかね」

玄「で、でも曇ってるよっ!」

玄「わ、私もおねーちゃんと同じで、ちょっと寒かったり……?」 メソラシ

京太郎(嘘が下手くそな女め…)

玄「ダメ…かな?」

京太郎「……」

玄「…………「お願いします」っ!」

京太郎「いいですよ」 ギュギュウウン

玄「やったぁ!」

京太郎(「手」ッ!!繋がずにはいられないッ!!) ギュッ

玄「あ……」 カァッ

宥「ふふっ、二人とも、仲良しさんだね~」

京太郎「……」



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        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘   ……えへへっ
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.

       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.


京太郎「……」 テクテク

玄「ふふっ」 ルンルン

宥「」 ニコニコ


京太郎(「昼間から素面の高校生3人が手を繋いで歩く」……か)

京太郎(東京ではとてもできんな……。目立ちすぎて発狂ものだよ……。ド田舎で良かった…)

京太郎(大して目立たずに済むのなら……むしろこの「命令」は……興奮する…ッ) ムクムク

京太郎(柔らかい…。柔らかいぞ…!!松実玄の……「左手」ッ!!) ムクムクムクッ

京太郎(うっ、股間が……) ギンギン

京太郎(はぁ…!はぁ…!)

京太郎(実際に…!手で触れてみると…!想像以上だ…ッ!!) ハァハァ

京太郎(滑らかな皮膚をしているゥ~…ッ!!) ハァハァ

京太郎(母指球の肉厚具合が……絶妙でたまらん…ッ!!) ハァハァ

京太郎(指の腹も柔らかくって気持ちがいいぞォ~…!!) ハァハァ


京太郎(水かき……水かきは……どういう感触をしているのかな…?!) ハァハァ…

京太郎(……多少……)

京太郎(多少恥ずかしいし……松実玄に要らぬ誤解を与えかねないが…)

京太郎(この好奇心・探求心・性的欲求の前には……抑えられんッ!!) ギュッ


                 ____             ___
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    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |
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    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |

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        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
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       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|


玄(京太郎くんが……指と指を絡めてきた…?)


玄「!!」 ハッ

玄(こ、こ、こ、これって……!!!!)



              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
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              /.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、  | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ
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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧
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      /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
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              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/     (「恋人繋ぎ」…ッ!!躊躇はしない…ッ!!)
           / / \ ヽ__      __/ー一
              / /    ≧ニ=一 二´∧            
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ


京太郎(どうせ「命令」で「手を繋がなければならない」というのなら……)

京太郎(その状況でベストを尽くし、得られるものを得られるだけ得るッ!!)

京太郎(この須賀京太郎は躊躇わないッ。「やれる機会」は「逃さない」ッ!!)


玄(きょ、京太郎くん…!!だ、大胆…!!大胆だよ~!!) カァァァァァァ


京太郎(……などと考えているのだろうが、彼女はそもそも自分が積極的すぎるということを忘れているのだろうな)

京太郎(まあいい。松実玄にどう思われようと……俺は自分の満足を追求するのみだ……ッ!!) ギュッ

玄「うぅ~」 ギュッ

京太郎「!」

京太郎(今握り返してくれたおかげでわかったよ…)

京太郎(彼女の「水かき」は……俺の「水かき」より若干柔らかい…!) ハァハァ

京太郎(俺の手の甲の皮膚を指でつまんだくらいの感触だろうか…)

京太郎(少なくとも……妙に硬い小鍛治健夜の「手」より…!どの部位も柔らかいことが分かったぞ…ッ!!) ハァハァ

京太郎(あぁ…!!天にも昇る心地だ…!!) ハァハァ

京太郎(学校に着く前に射精してしまわないかッ!!それだけが懸念ッ!!) ギンギン


玄(うぅ……自分から手繋ごうって言ったのに、恥ずかしいよ~…) カァァァァ



            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
     . '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| `ト-  | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l

. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|.〒弐オ`\.l/〒テ...|./|.:i

...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリ .|:ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー'     .゙-' |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|  xxx    ` xx',.!.:}
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.      _ _  _,ノ./|.    (でも……すっごく幸せだなぁ……)
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{

  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{



玄(京太郎くん……♥ )

京太郎「ハァ…ハァ…」 ギンギン



京太郎(しかしこの時の俺は気づいていなかった)

京太郎(メイク・ザ・ベスト・オブ・アンダーコントロール……)

京太郎(そのつもりで踏み切った「恋人繋ぎ」が……彼女との関係性を決定づけてしまうことになるとは……。)


それではここまで。

あと2回くらいの更新で終わるかな

これ終わったら本編戻るのかな?それともα章続行?

どっちにしろしばらく前みたいな頻度では更新できないんですが……α章なら、やきうスレレベルのキチガイ安価モードやってみたいなぁ

結構昔に京太郎「なんでもいいから行動しなきゃ」みたいなスレあった気がするんですが、そういう感じのやつ

あと、いつだったか忘れたけど 池田「天江衣リベンジ!」っていう自由安価のスレ立てたけどあれみたいに京太郎以外を自由安価で動かすのもいいですね

あれは飽きたからすぐやめたんだっけかな?覚えてないや


それではまたー

京太郎(翌日の夜……松実玄は踏み越えた)

京太郎(そう……俺と彼女の関係を確定させてしまう一線を……。)

~阿知賀滞在・5日目~

―玄の部屋―


玄「……」

玄(昨日の朝……学校に行く途中の京太郎くんは……)

玄(私が「手を繋ごう」って言ったら恋人繋ぎして応えてくれたけど……)

玄(あれからは、特に何もないのです……)

玄(もしかしたら、京太郎くんも私のことが……って思ったのに…)

玄(実際のところ……どうなのかな……)

      ,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
.     /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
    /:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
   ,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!

   {:| |:l: : :|:i:斥寸    弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
   ヾ !:|: : :抖乂ソ    `""  !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
     | !: : :l:! ,, ",         ""|: : : :| |!: : : : .!: . l
     |λ: :l:l            |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
      jt |: : |l   _ っ        !: : : j´:|: : : : : |: . .!   …………。
    / :| ゙: : |:ヽ/ノ      .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .|

    ,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ ..  ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ
    lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :}   //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
         ,'  ´-ヽ:.:|: : :|    "  У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
          l   -テ!:,': _ノ     /: /        \ ハ
       /|   l´/ニ__   /: : ,'          ヽ∧
     ,'  !   !'   `  ,.': : : : :|           ,'. . ヘ
     l.  ノ   ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ             /: . . . \


玄(……本人に直接聞いてみるのが……一番だよねっ)

そして……


京太郎「玄さん」 コンコン


玄「はーい」


京太郎「失礼しますよ」 ガラララッ

玄「お待ちしてました!」

京太郎「で……お話とはなんです?」

京太郎「また、肩もみですか?」

玄「ううん、違うの……」

京太郎「……?」


玄「あの、ね……」

玄「京太郎くんに……教えて欲しいんだけど……」

京太郎(……この雰囲気はッ)


          /      . . : : : : : : : : . . . .      \
         /    .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .      ヽ

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.         /  /   .:.:.:.:.:.::.:.| .:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.   .
       / ./  // .:.:.:|.:.::斗| .:.:.:.:.:.:.:.:i .:.!:.:.:.:.:.: .:.‘. .:.:.:.:.: .:.:.  .!
.        / | .:.!.!.:. .:.:.|:.::./|:.| .:.:.:.:.:.:.:..! .:!:.:.:.:.:.: .:.:‘. .:.:.:.:.:..; :.. .:

       ;. / .:.|.:.:!.! .:.:.:/!:./ |:.! .:.:.:.:.:.!:|l:.:ト:..!:!:!:.:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:.; :.:. |
       |/! .:.:|.:.!!|:.:.:./ |/  !ハ .:.:.:.:..!:||:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:.; :.  |
       |i ! .:.:|.:.从:./x==ミリ ∨:.:.:||:.|:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:; :.:  |
       {;.| .:.:.!:.:.: |}|《 {h//}   ∨:.:|V x==ミ .:.:‘. .:.:.:.:.:; :.   |
        | .:.:.!:.:..:.:!.  Vrツ    \|  {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::.  ;
        | .:.:,|:.:.::.:.:, :.:.:.:          Vrツ  /. .:.:.:.:.;. :..:  :
        `O:.|:.:.::.:...     '      :.:.:.:   /. .:.:.:.:.:;. :.: ; !
         |:.|:.!:.:.:.:八              ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; |
      イ  !:.!:V:.:.:.:个 、            人. .:.:.:.;. :.:  ; |
    / l   /ト:.!:.V::.:.:.:.|  ト、 `  ̄    イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ;  !    京太郎くんって……私のことどう思ってるのかな…?
.    ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
.    ;  ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.!   ヽ ィ ´   ./. .:.:.:.:.;. :.::..: /   ヽ
.    ;    |jr-―二___ヽ / ` ´¨l   __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/     ∧
    ;    ',.!   ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/  ,  '   |
   ;    !  ___ ヽ」'ノl__ノ l_______   ` 、:.:.:.//      .;
   ;    |   __ .ヽ」  / !\!,----     l:.:/ /     ∨
.   ,   7|   (__ノ!___/ .!  !、        !:ノ/      /
    ,  ! l::!      /:7`!  .! 〉-l      /ヽ       ./
.    ,  V≧ 、___/イ  !  ノ/ l::::::!     .j::/ |      ハ
    ,  V         !_/ V \.:!    l:イ .!       l
.    ,  /ト、____ イ!   !    ` ‐‐‐´  !、      /
     ,  !        V   l ヽ       / l      /



                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、     (…………やはり、な……)
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、


京太郎(そういうことだろうと思ったよ…)

京太郎(雰囲気…流れからしてそうとしか思えなかった……)

京太郎「それは……単なる人物評とかじゃあなく……」

京太郎「異性として…どう思われているかを知りたいということですよね…」

玄「……うん」

京太郎「……でしたら、ハッキリとさせておきますが」



                          /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
                        /´> ´   ,    }      \
                        , ´    /     :    、   ヽ
                       /     /  '      |  |   ∨    :.
                     ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
                           / '   ' / |{ |    / /| }  l  |    |
                      // / { | { .|、 |  , }/ }/  /  }    {
                     / ,..イ , } |\{::/{_/  /   乂__ ..`ニ=ミ∨
                        ̄´  |∧ 「{{`fッミ} ,_...:厶斗匕  {彡/⌒i }ノ
                          八}`¨ニノ ⌒K¨亙>  `´ノ⌒} |´
                             /::...   ゙^    .:/ _}:;ノ ノ    
                              ', 〈、_,        /  (__,彡′
                                  __      /   /{//        
                                 i ‐-`丶    / レヘ
                               }        / // ノ{     この須賀京太郎に……貴女への好意は一切ない…
                                 \__ ..   < ///: :〉
                            厂\ __///   /⌒\__
                              . -‐/}/⌒⌒ヽニニ. /   ,//⌒ー-->‐-
                           / /〈_/::::::::::::ノ }ニ/    /    ,/     .
                     / /   >ー=彡八/  ___,/  .....::/     ____゚,
                    く /   /::::/'ニ  /   \  .::::/     /
                   _/ {   / }}:::/^) ,//     / ...:::/   /       i
                    /}   /  /:=彡::/__/ /     / .::: /          |
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   |  i::::::::::i:::::::::::::::| く  i:::::::::::::::::::ii   `       i i..:::::::::::::::::ii  ,ゝ i.:.:.:i:::::::::::::::::::::::::::|
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       ○ |:::::::::::::::i i    xxxx               xxxxxx   .i |.:.:.:.:.:...::ハ:::::::::::::::::::|
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        i:::::::i::i::::::::::::::| 、                       u  i.:.:.:.:.:....:::::::::i::::::::::::::::::|
      |:i:::::::|:i::::::::::::::i:::::ヽ u          , _   , 、          ,/.:.:.:.:.i..i.:::::::::::|::::::::::::::::::|
.       i:|:::::::|;;|:::::::::::::|:::::::::ヽ         (   ̄  )           . ノ:::.:.:.:.:...:::::::::::::::::i::::::::::::::::::i
      | i:::::|;;;;i:::::::::::::i:::::::::::::::ヽ      ` ⌒` ′       ≦:::.:.:.:.:..i...i:::::::::::::::::|:::::::ハ::::::|
       |::::|;;;;;;i::::::::::::|:::::::::::::::::::::`              r:::::::::::::::i.:.:.:.:....::::::::::::::::::::i:::::/:::::i:::::i



京太郎「このような質問をされている時点で、貴女が俺のことをどう思っているのか……それは明白ですが」

京太郎「今後……俺が貴女に愛情を持つようになることはないと断言できるし……」

京太郎「男女の付き合いをする…というようなこともあり得ないと言っておきます」

京太郎「なぜなら……俺が貴女を愛するということはないから……」




   /::..::..::..::..::..::..::../::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..\ヽ
   ,'::..::..::..::..::..::..::../::..::..::..::..::..::..::ハ::..::..::..::!、::..::..::..::..::..ハヽ
  ,..::..::..::..::..::..::..::/..::..::..::..::..::..::..::., ::..::..::..::| ,..::..::..::..::..::..:l ヾ
  ,..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::./::..::..::〃:,'_|::..::..::..::! ',..::..::..::..::..::..| ヽ
 .!..::..::..::..::..::..::..,'::..::.--/-::‐/::/ l::..::..::..:l \::..::!,::..::..:}.:|  ',
  ..::..::..::..::..::..::..'::..::..::..,..::.///  '::..::..:// /::..:リト:..::/::.!   '
 l..::..::..::..::..::..::..l::..::.., x=示芸x、 /::..//_,_ム///:/::.::,   }
 l..::..::..::..::..::..::..|::..::..l《 ん::刈   ̄    ん沁ヾヤ::..::..::|   ,'
 |..::..::..::..::..::..::..|::..::..| とつ ー'      匕::_リ //::..::..::..l  /
 |..::..::..::..::..::..::..|::..::..|  ヽヽヽ    , ヽヽヽ /::..::..::..::| /

 |::..::..::..::..::..::.( !::..::..!              ,'.::..::..::..::..!
 |.::..::..::..::..::../:::!::..::.:!}\     ,-‐-,     .ム..::..::..::..::|
 |::.∧::..::..::./::..l!::..::..|、 >    ̄  ....<!::..:リ::..::/!::..:!   そ、そんな……
 |::..:∧::..::/:!::..|.',::..::.| \   7 = 爪::..::..::.|::../:::../ .!::..:!

 |::..>'',:::.{/!::..{∧::..:!  ,ヽ_ / .n  |∨::..::.|:/::./:! .|::..:!
/   .∧::八.::| ∧::.!    ヽ_ハ | ∨::..::!/::..::| |::..:!
      ∨::.ト!  ',|へ\  | / | ∨::..l  \:| |::..:|

         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.

    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘
    {: /.! :|.:.:..::|:/.⌒. _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:.斗‐…r    ⊥...」:..|:/|:.ト{
   /:{ V:|::.|::.:.|´iヒぅ:ツ   ..ヒ::rツ〉.:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :| U      ̄ / |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __    '^`   ..ィ}:リ|:   な、なんで……
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|




京太郎「理由を聞かれても……俺がそーいう人間だから、としか言えませんね……」

京太郎「希望を持たせるようなことをしたのはマズかったかもしれない。申し訳ないです」

京太郎「ですが、今後一切望みはないと思っていただきたい」

京太郎「お試しで付き合って、そのうちに俺が好意を抱く…などということも絶対にない」





                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/
           / / \ ヽ__      __/ー一    残念ですが……諦めていただこう
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ

              /  .:.:.:.:.:    ...................  ` .
             ,  .:.:.:.:.:.:.    .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  \
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            }::::八:人 i:::::::::|とぅ__:ツ.................`.てつ爪:::::{
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        __.′::::::{::`{  }::::::{、u         u 八:::/\
    i´ ̄    /:/{ ::八:::乂∧::::{个 .   rー~ぅ  .イ::.:.::::′ ハ    …………。
    |!     // 人 ::::::\:ド. }:. V \>´.__ . < { .|::.:.::::{  / }
    li     /::′  \:::::::: ヽ从 乂 r` 丁 }乂____V} ::::::::}/ |
    |i    /:::::{斗-  . \::::::::ヽ ≧.厶=\_.ノ'≦ ̄} |:::::::::′  {
    |!  /::::::::|    ` \::.:.:.:\   `} )=  《 |::. :./   .′

    |!. /::::::::八       ヽ:.:.:.:.:∨   .爪\   }':.: ∧   ∧




京太郎「ショックなお気持ちはお察しします……」

京太郎「だが……慰め程度にしかならないとは思いますが、言っておくと…」

京太郎「貴女は普通の視点で見れば十分に魅力的な女性だと思います」

玄「……」 グスッ

京太郎「ただ俺は……どんな女性が相手だろうと、「一般的な」男女の付き合いというのが苦手な性分でね…」

京太郎「こればっかりは俺の方の問題ですから、仕様がない」

玄「うぅ……っ」 ポロポロ…


京太郎「何かしらの奇跡でも起きて、俺が貴女に好意を抱かない限りは……俺と貴女の関係が発展することはない」

玄「……っ」 グスッ

京太郎「しかし……ま…そんな可能性は万に一つもないのだから……諦めるのが得策だと、親切心から言っておきますよ」

玄「うぅぅぅぅ……」 ポロポロ…

玄「…………!!」 ハッ

京太郎「……?」

玄「……京太郎くんが……私のこと、好きになってくれれば問題ないの…?」 グスッ

京太郎「? ええ、そうですね。そんなことは起きようもありませんが……」

玄「……」 スッ


『須賀京太郎を「好きに」できるアプリ! made by Legend』


京太郎「…………!!!」 ハッ


京太郎「く、玄さんッ!!ま、まさかッ!!」

玄「……ズルだよね、こんなの……」

玄「でも……がまんできないの……」

京太郎「やめろッ!!アナザーワン、時を止めろーーーーッ!!!松実玄に「アプリ」を使わせるなーーーーーッ!!!!!」

アナザー京『なッ、だが「事象の地平層」の生成浸透は間に合わ―――』


         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.

    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘
    {: /.! :|.:.:..::|:/.⌒. _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:.斗‐…r    ⊥...」:..|:/|:.ト{
   /:{ V:|::.|::.:.|´iヒぅ:ツ   ..ヒ::rツ〉.:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :| U      ̄ / |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __    '^`   ..ィ}:リ|:   ごめんね、京太郎くんっ!!でも…私のこと…「好きになって」!!お願いっ!!
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|





           ,.      _  ,ィ  ;'!
         /| /|    l;| f;;| /;;|       _,,,,
     ハ   };;! /;;|.    i,;| };;レ;;;;{   __.,,,ィ;;;;;;;/
     };;!  |;;レ;;;;;}    j;;;-‐;;lク;/   ゙ー‐'¨コ;;;;/
      |;;i /;;;冂;;| -=┐匚l;;/   _,,ィ;´;;;;;;;;;二ニニ=━ ,イ
     };;レ;;/!;;ニ;;;|   /;;;;;/     `´  ̄ ̄     ,イ! |;/__,、
    /;;;;;i/;;;;| |;;| /;;イ;;|               j;;;;二-ァ;;;;;;/

   /;;/!;;;;/V |;;! '¨´  l;;;!               j;;/   /;;;/
  ///,;;;|    ´    |;;|               l;;I //
/¨´/'"´|;;|           l;;!               `’/;;/
        !;;!                      ,ィ}   ,'/
       l;;|                      ,┐  /;;/__,、
         |;!                {;;;二´;;;;;;;;;;;;;;;/
                          j;;{   ̄};;;;;;/
                        ム′   j;;;;/
                           //

                          ∠/



                         / ̄ ̄¨¨ ニ=ミ__r=ミ-- 、
                         ___/==一  ー=ミ  \ < ⌒\ 
                   厂 ̄ -―====ミ \ {  ヽ ̄ ̄ヽ- 、

                  // >―‐===ミ \ ヽ}   } }} /
                     / ー=彡  _____  \ \ } ノ /ハ¨¨>
                 /-‐=ニ二. ___ \  ヽ ∨ //' }-<
                    / 厂 ¨二ニ=‐====ミ\ }  }} } //⌒ ー‐=、___
                ∨ >‐一  / ̄ ̄ミ /⌒ー=ミ /⌒ ー―=ミ   /
                〈〈ー=ニ二 .. _/⌒)八 </´   ∧ /八  \_,/
                   }乂________彡' /  } {从  } | / :::/イリ\ \
           -‐==〈ニ二¨¨⌒ ー==彡' _ノ / ∧ リ :l/J:: {_∧}  ̄´

        ´     -‐=〕 ー=ミ ー=ニ .. ____/  :::.∨ U ::.. ノ}  リ
     /    ,/    ,八{{ Y⌒\ー=ミ}厂}  U u ⌒ヽ  ,:://{⌒〉
    /    ,/    /  乂| {\ V=彡  〉-‐=ミ、_   :. }|_,ノ},}: : |
. /    ,/       l    八八(〈_ \}   /'⌒二≧=ミ辷} |f)ノ{: :|
-‐==ミ,/        |   |:ニ\\_      厂{rf)ノ...:::  〈'゙ |: : |               ぶげーーーーーーーーーーーッッ!!!!!
      \        |   |ニニ{\_,) \  .:`¨¨´‐'.:::..   ..::. 八: }         ヘ、
                |   lニニ八   ゚,   \    u  u 、__/ ,′}/        /   /  /\
.        }       |   |ニニニニ\__∧   :. lj U __ ..ィ ′:/       ノ: .  / /ヘ  冫
‐-        \、 : : . . |   人ニニニニ/《_込   :}    /`二フノ{丶>      /  ¨7´ {{__//
      く: : : : :..\ : : }     \ニニ/{i:i:i:i:i:i}|> .    ー=彡'八/   __/    :厂  ̄「  , -―=ミ
      \: : : : ::::.   {__    }\} }《__》{ |   >   __ノ: ..:}  /广¨}:.     ..::/  i  .::{ ̄{[ ̄]  }
        : : : ::::}}  : : /:...  {ニニニ|i:i:i:i:| |:....∠,   /. ........:::::://. :/ ..::{::      }   | ..:::}ニ`二二¨´
        }: :.::/.:    /:::....   {ニニニ|《__》| |:::::.../   /. :....:::::::::/ノ : /...::::::::}    . :   / |..:::::::} {[ ̄]  }
         /. :     \::::.....::{ニニニ|i:i:i:i:| l:::: /::...../. : ...::://{  :/    {  . :/ / {  ...:厂〔匚} ̄〉


京太郎「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」


    |\_     \   /´  __r― r‐ r‐、.ト ..       なんてことをしてくれたんだッ!!このクソアマがッ!!
   <    /_  /乂   f i |  !  i ∨::.::.::ミ:.、
    |/\| 二 ミ 、 ..:..:\ 八}  {   }  }  }::.:.:.:.:.:.::.::\
            ,   ..:..:..:.:.:\   ' __,.. -- ':.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:\
          /  ..:..:..:.:.:.:.:.:.:.:.` ¨¨´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.::.::.::ヽ
         /  :..:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i  ..:..:.. ヽ:.:.:.:..:.. ‘,:.::.::.ハ
      / /   .:/ :.:.:.:./ ..:.:.:.:.:.:.:.:| ..:.:.:.:.:.:..i:.:.:. :. . i    ’
      .′′...... /   /    ..} ..:.′ :.:.:.:.:.:. |:.....‘. ..:.|....:.::.::.::..|
      i..:.i ..:.:.:/ ..:.:.:′.:.:.:./:.′/| .:.:.:.:.:.:.:.:.:}i:.:.:.:.|:.::.}:..:.::.::.:i::.}
      ..:.::. ..:.:.:′ ..:.:.i.:\,.ィ:./}.:./ }.:.i..:.:.:.:.:.:}:ハ:. イ::;′.::.::.::}::′
       | ..| ..:.::i   :.:.:i:/ /`/>ー}:/:.:.:.::/斗イ}:/ }:/,!::.::.}::.//
     ノノ| ..:/′..:.:.:.::|   ノ'   /' }:.:.:/ノ}ノ ノ' ノ /}::. /イノ′
    //´ }.:/ |r‐ 、 .::|z==ミ、  /イ ノ,斗==ミ /:ノイヽ{
.  / .:/  ,o'>{  ハ::.: !  xxx  `      ^´ xxx {::.:.:./⌒ヽ
/ . .:././:r‐{  |__ノr‐込         '      厂/  | |\      っ!!
 .. .:.//r‐ミ! 廴ノ 人 \ r .   n  ,      イ::厶イ)、_.厂}:ヽ
. .:.:/{ {∧ }ー′   /` ノ {   ≧=r`〒 ≦爪   /  /  {_.ノヽ:’.
..:.:.{   |爪    /     }.八__  イ厂ト . __}   /   }     { ∧:ハ
.:.::ノ ィ 7~入      ノ く   ./ ./|   》   /{        `{ ノ:.ト}




京太郎「!!!」

京太郎(な…なにッ!!)

京太郎(激高してブン殴ったはずが……無意識のうちに力を大幅に弱めていた…だと…!!??)

玄「ご、ごめんね……」

京太郎(こ…これじゃ…!ほ…!本当に…!!) ドキドキ


玄「あ、あの……。きょ、京太郎くん……」

京太郎「……」 ドキドキ…

玄「そ、その……。き、効き目の方は……」 ドキドキ

京太郎「……よくもやってくれたね……この阿婆擦れが…!!」 ギロリ

玄「ひっ」 ビクッ

玄(さ、流石に……こ、この「お願い」は効かなかったのかな…?)


             }{ { / / / ノ   ,ノ }| 八{ `丶、ー=彡く    /〃 /
           / ___} {/ /〃/}} / 八〈 r‐=ミ \ー=ミ゙\___,// |  |
        .///:} { 〈〈(〈 ,ノハ/ ./.イ }} ヽ__(ヽ: : }⌒^^^^^゙7}{ |  |
.       -=二 ./ ノ人 ハ}}}〈(_ノ//ノノノ〉 ⌒ヽ}:...八       }{ |  |
         ./ イ(___/ {/,}厂 ̄`^ー=彡      し::.. \   | }{ |  |
          ..'/乂___ {{  }〃:......: ...: : .   :.      \:::...丶  | }{ |  |
.        ..'/ '└‐=ミ) 《{K:...:^{V::.. u  u:.      \::...  | }{ |  | . : .
.        }'  / =彡ヘ,_}{ :... }}.::,ハ     \__       ヽ:. | }{ |  |: : : : : .
         // イ⌒ハー=ミ  ヽ{{ :{{ ,  ij   u         :... | }{ |  : : : : :
            { / レ}从八\i八V{{ぅ」::...      U    |:. :| }{ | ..::ヽ: : :/
           '′   レ} V八\ヽ) ^゙⌒ヽ    ,     |:: :| }{ | ...::::八}/
                 {/     ーヘ  ...::..   ./  ij u l:: :| }{ | :.::/ {{
                           ゚, 〃  .:/  /     /{|/⌒|    〉
                           }__/^ーヘ _/       仄|_}}i:i|     {
                               ⌒ ー‐く{ : |]{:i:i:|     |: /
                                   } トくi〈|     |/
                                   | |{/=}|     | /
     君を想う気持ちが……ッ!!           / ,ノ{i:i:i}|     |{/
                                     / { /i:i:i}|    // ,
     とめどなく溢れてくる……ッ!!         {:... |i{__}}:i:|  ...:{ { /

                                  7 :|i{[]{i:i:|  : ::} l//
     こんなことは……初めてだぞ…ッ!!!        |i}:i:i:i:i:| . . ..:|//
                                      i  |{i:i:i:i:i:|. : . ...:|/
                                      |  |{i:===|. : : ::::|.:::.. /
                                      | .: |{i:i:i:i:i:|: : : ::/ ::/
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|:.:.:.:.:.:.,‘ :.|:.:.:.:.K|  > ..     イ:.:.:.|:.:.:.:.∧: :|    …………!!
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玄「ほ…ほんとにっ!?」 パァァッ

京太郎「ああ…!本当だ…!!」 ドキドキ

京太郎「くそったれっ!!人を「好きになってしまった」ッ!!」 ドキドキ

京太郎「ぐ、ぐぐぐッ!!ど、どうすればいいッ!!こんなことは初めてだッ!!く、くそッ!!」 ドキドキ

玄「だ、大丈夫?」

京太郎「ぐぅぅ~~ッ!!!松実玄ォ~~ッ!!や、やってくれたなァ~~~~ッ!!!」

玄「ご、ごめんなさい……」

京太郎「くッ!!君のことを愛するあまり…!!君からの愛情を求めてやまないッ!!愛情の枯渇が苦しいッ!!!」 ハァハァ

玄「きょ、京太郎くん……!」 ポッ

                          /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
                        /´> ´   ,    }      \
                        , ´    /     :    、   ヽ
                       /     /  '      |  |   ∨    :.
                     ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
                           / '   ' / |{ |    / /| }  l  |    |
                      // / { | { .|、 |  , }/ }/  /  }    {
                     / ,..イ , } |\{::/{_/  /   乂__ ..`ニ=ミ∨
                        ̄´  |∧ 「{{`fッミ} ,_...:厶斗匕  {彡/⌒i }ノ
                          八}`¨ニノ ⌒K¨亙>  `´ノ⌒} |´
                             /::... u ゙^     .:/ _}:;ノ ノ     こ…事、ここに至っては仕方ないッ!!
                              ', 〈、_,      u /  (__,彡′
                                  __      /   /{//       松実玄さん……貴女を「愛して」しまっているッ!!
                                 i ‐-`丶  ij  / レヘ
                               }        / // ノ{       お…俺と…男女の交際をしてくれないだろうか…ッ!!??
                                 \__ ..   < ///: :〉
                            厂\ __///   /⌒\__
                              . -‐/}/⌒⌒ヽニニ. /   ,//⌒ー-->‐-
                           / /〈_/::::::::::::ノ }ニ/    /    ,/     .
                     / /   >ー=彡八/  ___,/  .....::/     ____゚,
                    く /   /::::/'ニ  /   \  .::::/     /
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          ′::::i::.. 从 :乂:.ヾ:::::ハ.i|≧ミ∧..`:|: : : :|: :
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       |::|l:::::i:.:.:.圦 vツ       vツノ |::...|: : : :|: : i
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       |::|l::/.::::..小.   r―      イ. : :.|: : : |: : |
       |::|l:{.i:::::.: 込.     ..ノ    .イ. }: :..:.: :...|: : |    よ…よろこんでっ!!
        `O′:::.(:. ノ介ト __  <{从 /: :..|: : : |: : |
        /::j |:::::_≧=ー : 〕  .....{  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Ⅵ /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/


京太郎「う、おぉぉぉぉぉ……ッ!!!!」 ワナワナ…

玄「え、えへへ……」

玄「こ、これで…恋人どうし、なんだよね…」 モジモジ

京太郎(殺したい…!彼女に俺の本性を打ち明けたい…!)

京太郎(愛する彼女の首を絞めてやりたい…!背中を掻っ切ってやりたい…!腹を掻っ捌いて内臓を引きずり出してみたい…!) ワナワナワナ…

アナザー京『相棒ッ!!落ち着けッ!!』

京太郎(首を絞めたい首を絞めたい首を絞めたい背中を裂きたい背中を裂きたい背中を裂きたい背中を裂きたい首を絞めたい) ガタガタガタガタ

アナザー京『こ…これはッ!!今まで…!相棒と付き合ってきて一番やべえことになったッ!!』

京太郎(ああああああああああああああああああ殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい) ガタガタガタガタ

玄「きょ、京太郎くん?」 キョトン

アナザー京『ただでさえ女を殺したがる相棒がッ!!ひとりの女性に対して愛情を抱くとこうなっちまうのかッ!!』

アナザー京『こいつはマズいことになったッ!!おれの存在が抑止力として機能していないッ!!』

京太郎「ハァーハァーハァーハァーハァーハァー」

        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´              (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                  `ー-、__,|    `"

                            ∧_,. --- 、∧
                       レ': :_ : : : :_: : :}
                         {: (__,>: :<.__) j
                       __ ___|: : : : : : : : :___|_ __ _
                       (ノー':{\\ : : : : : ///:::‘ー'ヽ)
                     (Y⌒ヽ\:\}/ ̄∨ / Y⌒ヾく)
                   ,ィ八しjク::::::\/ : : : ∨:::::::乂フリ‐{)
             ,__|Vレく(、トヘハ:::彡三入: : : 〈三o\::r'/
           /ト、ヽ==ミ、} l 〉〉}ノ):::::(_\:/:):::l\oV⌒7ヽ

          / N二Y⌒ソリノノ//ィ\:::::\:/:/::::/l/`::/://
.          /::<_/./从_(`"'''"´V{\:\/`:<::::/ |::|\:l :l/ : :
.        ;: : : /イV.ヒjト、 })u _,ノjn: : /`ヽ o V jノ: : '⌒ヽ :
.         i: : : : :〈ト{、 ftゥぅ ftァラ{リ:´: : : : : ∨∧/: : : : : : : : \
.         人: : /: :ーl ヽ.u j リ //: : : : : : : : ∨:/ : ヽ:_:_: : : : : :
            ヽ{: : : :「\ ー= ‐ / :__ : : : : : : : V: : : : : : : : ̄ : __
          \:./|\ ヽ_/ト、: : :`ヽ: : : : /\: : : : : : : : /:::::

           _x≦/│ >==<。j ≧-  _: / : : : `: <: : : :{:::::::
   r─‐ァ≦   / |/ \__/ヽハ ∧    ̄ ̄∧: : : : :`: ーヽ-

   /  /     /  |、   | |  l _∧      / 〉: : : : : : : : /     く、玄さん……。
   V  ',    `フ | ヽ |「 |  , |  ̄|    {/7 : : : : : /
   V  ヽ    〈  ! \ lr‐| / l   |    l /、: : : : :./
    ∧  {     V∧   ゙|\|  |.  |二二}/|/ ∧: : : :/
.  〈    |     V∧  |/,!   |  l   / j   /: : :∧
   ) \ ヽ.     V∧ノ|┌_|  l   |    /  /|: : : : : ヽ
   /    ヽ 〉\   l\V|└_」  | │    {  / : : : : : : 〉



玄「なぁに?京太郎くん」 ニコニコ

京太郎「お…俺という人間が……ど…どういう人間なのか…ッ」 プルプル

京太郎「恋人の貴女には…!知っておいていただきたいのですがね……」 ジリッ

玄「……?」

アナザー京『やめろッ!!相棒ーーーーーッッ!!!!』



京太郎「こればかりは親しい友人にさえも打ち明けていないし…!これから先の人生でも誰にも知られることはない俺の本性がある…!!」 プルプル

玄「本性……?」 キョトン


         __      __   _      __
    /::ヽ.   「::::l /}  /:::/ /´::::/     /´::::> ,.-.、_        __,,..、
    〈:::::::ハ  |:::::j '´   |:::::/ /:::::::/./!   /:::::/ /:::::/      /::::::::j__
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     V:::::l /::::}.   l:::::!ヽ一' l/   /::::::< └-' 〈_:/  /::::://:::::::/,.ヘ.  /:::::/
     V:::レ::::::::r'  .l:::::l       /:::;へ::::\      /:::::<  ー-'<:://::::::://:ヽ
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       ヽ::::〉    |::/  ̄                        /::::;::::::::\ ヽ'
          .V     U                             〈:::/ \/

                   ,..-、,、_,,_
                ,__,.ケ,、ィイYハソュ、,,     ト、      ,イ|

               <_/./从/イソ{"´`ヾh     | LY´ ̄ ̄`7/ !
                    /イ.Vヒリ'rェzjゞ _,,,,jカ}    | | ``ー‐'"´; |
                 リ^j゙',  "´V'''''~jミi!    l |        ', |
                 トレ' ,'ij  ‐-、,, /ソ'     V       _} !
                 ヾト、. u `` ,゙/       {「::i!;ヽ ,ィ;;i!:7 |
                 /j  ヾ:;;;;;;:.:,イ´        l ゞ=''゙; ;ゞ='',' |     あなただけだ…!
                , イ〈    .:;;;;;:.:/     _ _」 ',     ,' i!
               ,イ / !    ,.'´ト、   ,r'´子タ ト、 ‐=- /:.!L,.-──- 、  俺の正体を知る者はあなただけになる…!!
         _,.-‐''´ / ! ,jr‐<´   ,イ `ヽ/。 。 。  _」;;:ヽ __,ィ ,r'´  ,r''"´ ̄`フ\
     ,r─''"´     /  |/L_ハ。/// ̄ノ   ,rュ_」7,イj!;:;:;:;:;::.:.:,ノ, イ7′  , '´/7rェヽ
    / i         `フ ! /;.;i   ,//  ,/q /ハ レ'ヾヾ\;;:;:.:.:: .: . ./´ー==イ、, 弋夲/i
    ! |       「 ̄  l i;;;;;|   リ  ,イl   L_」l  レ'´     _ノ二ニヽ ヾヽ  `¨7
    | ゙i       i   | |;;:;;| _,ハ__ノ^|」 o o oト、/  ,.-‐'"´\  _」」_」_」、  /
    ,〉、 ゙i、       |   ,| ,!;;;::;|ノ-、/, イ:; ̄ ̄`¨`Y;:,r'"´二ニヽ,.-‐''"´`ヽ  ヽi| /
   ,ハ \ト、     l    !,!;;::;/ー-/  / .:.:    _,リ´   ̄`\\   ヽ \  ,j!,イ
   / iヽ  ハ    |   i!;r'ー=,/  /  .:.:  _/        / ゙i\   `,   !/.:;:;!
  ,/  ! \,! ト、   l   ,r'´  ̄i  i  / ̄         /  |  !   i /   /
 /    !ヽ   iト、.   |,イ     |  \/       _,, '´ ヾ  | ,/;:::.:.:.,r'"´  ,/
,/    |  \ | ゙、  ,l ハ、    \  ,/__    , '´      ≧j/;;;:r:;"´    ,/
i     / ̄`` ー!  ! iリ  `'ー--‐ュj ,/,r─-、ヽ/      ,r''" ̄ ̄``ヽ::;:;:.:. ../
|    ,/       |  i  ヽ       /;:;i 1   ,! l  ,.-‐'"´!\;;:.:. :.:. :. :.:l:::::.:/
ヽ        l   ハ  \__」;;;:.:.:\_ノ,/, イ77;;:.:r=ュ!_\.:.:.:.:.,r''"¨´
 \__ o o   !   i    \  `>:;:;:;:;>!三二二>;:;〉j戉7!:; .::;i.::.::〈
      ̄ ̄`¨ヾ  |    /i ,/;;;;;;:;:;:;:| !/r=、ヾ;;;:;://.:.:.:.ノィィィィbb7

          `7 /    /,イ /;;;;;;;:;:;:;:;:|」〈戉7/;:;:;:;ヾ.:.:./「「「「「!!!!!L




アナザー京『てめー…!!その『キラークイーン』をしまえッ!!』

アナザー京『身体の支配を奪って無理やり止めてやってもいいが…!!おれはお前に自主的に踏みとどまってほしいんだぜッ!!』

京太郎(悪いな……。アナザーワン…)


京太郎(俺には……もう自分を抑えられないよ…!!)

京太郎(彼女への愛情が…!心臓から送り込む血液を陰茎に集中させている…ッ!!) ギンギン

京太郎(もう理性では歯止めが効かない。脳で考えられる次元を突破してしまっているのだッ!!)

アナザー京『ならおれは…身体の支配権を奪ってでも止めてやるぞッ!!』

京太郎(アナザーワン。君は気づいていないようだが……昔の俺と今の俺は違う…!)

アナザー京『なに…?』

京太郎(精神的に成長したんだよ…!!)

京太郎(君が俺の身体を乗っ取ろうとしても…!!ほんのわずかの間なら抵抗できる…!!)

アナザー京『!!!』

京太郎(支配権の移行にタイムラグがあれば…!俺はその間彼女腹に拳を突き刺すくらいはできるぞ…!!)

京太郎(そうなれば…!!君が止めても…!!無駄だということだ…!!)

アナザー京『て…!てめえ…!!』


アナザー京(相棒の精神的な成長ッ!!これは確かにおれの望んだことだったッ!!)

アナザー京(しかし…!愛する人に対する殺意の自制…!ここまではまだ到達していない…!!)

アナザー京(だというのに…!!急激な愛情の獲得によって…!心の成長が追い付けないでいる…ッ!!)

アナザー京(こいつはヘヴィな状況になってきやがった…!!)

アナザー京(相棒はこれから松実玄を殺害するッ!!おれが身体を奪おうとすればすぐさま…!!)

アナザー京(かと言って静観していられるものでもねえ…!!黙って見ていても、どの道殺すだけだ…!!)

アナザー京(どうする…?!) アセッ


京太郎「玄さん……。」 ジリッ

玄「きょ、京太郎くん?そ、そんなに近づくと…その…照れくさいのです…」 カァッ

京太郎「今から俺は……貴女を俺だけのものにする…」

玄「……?」

京太郎「生きていればいずれは訪れる別離……。それは苦しいだろう…」

京太郎「しかし…!お互いに愛し合っているこの瞬間を「切り取って」永久に保存しておけば…!!」

京太郎「その愛は永遠となる…!!俺と貴女だけの愛の形…!!それを表現する唯一無二の方法があるのだ…!!」 ハァハァ

玄「???」


アナザー京(……こうなれば、相棒を「説得」するしかねえッ!!)

アナザー京(僅かに残っているかもしれねえ…相棒の「理性」に賭けるッ!!)

アナザー京『相棒…!待つんだ。殺すのをやめろ…!!』

京太郎(……アナザーワン。もう君に俺は止められないと言ったろう)

京太郎(後は静かに俺の殺人を見届けているだけでいてくれると嬉しい……)

京太郎(できることなら、俺はゆっくりと彼女と語らった後で…!その命を奪いたいのでね…!!) 

アナザー京『相棒。松実玄を殺せば、晴絵はどうなる?』

京太郎「……」

アナザー京『確かにこの場では誤魔化せる。てめーが松実玄を殺そうが、『キラークイーン』で証拠を消せばいいだけのこと……』

アナザー京『警察からは絶対に捕まらないし、阿知賀の波紋雀士たちもどうにか言い訳すれば欺けるだろう……』

アナザー京『だが晴絵は間違いなくてめえの犯行に気付くぜ』

アナザー京『どう言い繕ったところで、松実玄の姿が見えなくなった時の状況……玄さんのLINEにてめえを呼び出した痕跡がある以上、怪しさは拭えねえ』

アナザー京『それに晴絵にアプリを使われて色々聞きだされた時に、相棒の『スタンド』がおれの『宇宙』と異なる旨についても話した』

京太郎(……そうだったな……)

アナザー京『松実玄が失踪した後なら、晴絵は『キラークイーン』が殺人の証拠隠滅に限りなく向いているスタンドだと気が付くはずだ』

アナザー京『気が付かねえワケがねえよな?アイツは「1巡前」、スコヤの『世界』の正体に気が付くほど頭が回る女なんだからよ…!!』

京太郎「……!!」


アナザー京『そうなった後はどうする気だ?晴絵のことも殺すか?』

京太郎「……」

アナザー京『おれはてめーが晴絵を殺せるかどうかは分からねえ……が、絶対に晴絵は殺させねえ』

アナザー京『少なくともおれは絶対にてめえを助けねえし、可能な限り身体を奪って晴絵に利するような状況に持ち込む』

アナザー京『もしも晴絵が爆殺されるようなことになれば……いや、その前に俺は身体を奪って自殺する。晴絵だけは絶対に殺させない』

京太郎(貴様…!)

アナザー京『それでも今この場で松実玄を殺るのか?)

アナザー京(晴絵の気持ちも考えろ。「1巡前」あれだけ苦労し続けたアイツの気持ちを…!!)

アナザー京(この「1巡後」の世界で愛弟子の命を奪われ、「須賀京太郎の片割れ」であるてめーと戦わざるを得なくなったら…!!)

アナザー京(そんな悲劇があるか…?!到底許されることじゃあねえぜ…!!)

京太郎「……っ」

アナザー京(殺意に駆られている今のてめえにも少しは人の心が残っていると信じてえし……)

アナザー京(この先、どう足掻いても破滅しか残ってねえことが分かっているなら……!)

アナザー京(今この場で殺意に身を任せて松実玄を殺すのが愚策でしかねえことが分かるはずだ……!!)

京太郎「ぬ…!!ぬぅぅぅぅぅぅ~~……ッッ!!!!」 ワナワナ…

玄「……?」


京太郎「はぁ…!はぁ…!!」

京太郎(ならば俺は、どうすればいいッ!!この滾る殺意と溢れる愛情を、どこにぶつければいいッ!!??)

アナザー京『……愛情は松実玄に向ければいい。殺意は……自制して誤魔化せ』

京太郎(ぐッ!!適当なことを言いやがる……ッ!!邪魔者がァァァァァアァ~~~~ッッ!!!!)

アナザー京『大好きな松実玄の大好きな「手首」を愛でて満足する…それくらいしか方法はねえんじゃねえのか?』

京太郎(ちっ!!!)

京太郎「ハァ…!ハァ…!ハァ……!」

玄「きょ、京太郎くん?ど、どうしたの……?さっきから、様子が変だよ?」

京太郎「ハァーハァーハァーハァー……」

京太郎「玄さん……あなたの「手」…」 ハァーハァー

京太郎「とてもなめらかな関節と皮膚をしていますよね…」 ハァーハァー

京太郎「白くってカワイイ指だ」 ハァーハァー

玄「そ、そうかな?」
         ・ ・ ・ ・
京太郎「……ほおずり……」

玄「えっ?」

京太郎「……してもいいですか?「ほおずり」…するととても落ち着くんです…」

玄「え?う、うん……」

京太郎「アフゥゥゥ~~~~~~~~~~」 スリスリスリスリ

玄「……????」


京太郎「フゥゥゥゥ~~~~~~~」 スリスリスリスリ

京太郎「いやはや……危ないところでした…」

玄「?」

京太郎「俺という人間はね……頭もキレるし降りかかってきた目先の「トラブル」を回避するのは上手いんですがね…」

京太郎「ちょっぴり感情的になりがちで…自分を抑制するのがヘタなんです…」

京太郎「「目立つ」のも自分のことを知られるのもイヤなんですが、一方で自分の本性を打ち明けたいという矛盾した欲望も抱えている…」 スリスリ

京太郎「自分でも難儀な性格をしていると思う……。ですがここはあくまでも「ポジティブ」に……ちょっぴりだけ、俺の本当の姿を知ってもらおうかと思います…」

玄「う、うん……。なんでも話してみて大丈夫だよっ!」

京太郎「……いえね、俺の子供の頃のエピソードなんかも交えながら…俺の性というやつを説明しようかと思ったのですが…ここは自粛して…」

玄「え?遠慮しなくてもいいのに……」

京太郎「いえ……もうひとつ「お願い」させてもらうので、そこで多少は分かってもらえるんじゃあないかな…と思います…」

玄「「お願い」?うん、いいよっ!!」
            ・ ・ ・ ・ ・
京太郎「では……「おしゃぶり」……」

玄「……え?」

京太郎「……してもいいですか?玄さんのカワイイ指を「おしゃぶり」したくてたまらないんです…」

玄「そ、そうなの?」

京太郎「ええ……。ちょびっとばかりヘン…人とは違う欲望だとは思います…変態的…ではありますよね…」


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:.:i:.:.:.:.: :/:. 斗‐/┼‐- イ : |:.:.:.: | |:.|:.|:.:.:|     : .な な は
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:.:l:./⌒i:.:.:.:斗芋示ミ/  |:.:.:抖弌ミ:.:八         の
:.o{   |:.爪 んノ::::ハ     :|/んハ 犲:.:,ト 、
//: ヽ_|: :|:|弋:::::::ソ      V:ソ.ノノ:./|:|. \           /
:.i:.:.:.:.: |: :|:| ::::::::::     ,  ::::::/:.:.:/ :|:|  ノノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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  ヽ:.八:.|:| `        °  イ:.:.:./   :|:| (__)
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             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
            /Ⅵ:|::.:|'. ::、::、  '   ::、::、 /|: | ::.|     で、でも大丈夫っ!
             ,::/゚|::.l :.仏     __     厶|: | ::.|
            .:/::.:|::.| :.|:个: . .  ‘ ’   . :介/::/::八     好きな人の「お願い」なら、なんだって聞き入れちゃうのです!
          /::{/{∧::.::.i.::|〈  {≧ ‐≦}  |/::.::.: /ヽ::..
            / ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
.           / ::.::.」 // \く>、∨|  /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
          /::.::. 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 .::.::.:\
       /::.::.:/       〈  -={_}=ー 〉`     \ .::.::.::.::\
.      /.::.::/{          人_,/| |\_人       ト、.::.::.::.::.: \



京太郎(……愛しい……殺したい。)

京太郎(だが、ここは……「おしゃぶり」でガマンする…)

京太郎「そうですか…ありがとうございます…」

京太郎「では……遠慮なく…」 ペロッ

玄「んっ」 ビクッ


京太郎「シャブシャブ チュパチュパ ペロン ペロンペロン」

玄「あ……っ」 ピクピクッ

京太郎「ああ……美味しい…」 ウットリ

京太郎「ちょっぴり塩気がありますね…夏だからか…気付かないうちにかいた汗…やはり…染み込んでいるのでしょう…」 ペロペロ

玄「そ、そんなこと言わないで……恥ずかしいよ~~…」 カァッ

京太郎(やはり生きた人間の「手」だと、オーガニックな味わいがある……) レロレロ

京太郎(小鍛治健夜の手をしゃぶっているのとは違うし、殺さずにいることでのメリットもある、か…) ペロリ

玄「っ」 ピクッ

京太郎「チュパッチュピッチュプッ クチュクチュチュパチュパ」

京太郎(美味しい…美味しい…) ペロペロペロ

京太郎(涎を拭き取るように舐め続け…一舐めごとに汗腺の奥底に近づいていくイメージで舐めとる…) ジュポジュポジュポ

玄「な、なんか変なかんじがするよぉ~……」 プルプル


京太郎「カプリ ペロペロッ」

京太郎(軽く甘噛みしてその部位を舐めとると……まるで肉汁が染み出してくるのじゃあないかと思う…) ペロペロ

京太郎「チュポッチュポッチュポッチュポッ」

京太郎(今度は小鳥がついばむような…蛸が吐き出した煙幕を吸い戻すようなイメージで……) チュポチュポ

京太郎「ジュボッ!ジュルルルルルルルルッ!!ジュルルジュボジュボジュボジュボ」

京太郎(そしてとにかく吸うッ!!とにかくッ!!) ジュポジュポジュポジュポ

玄「か、緩急つけないで~」 プルプル

京太郎「レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」

京太郎(サクランボを舌の上で転がすように舐めまわすと……自分の目で、涎でてかてかとしている指が見て取れて…幸せだ) レロレロ

京太郎「ペロッ ペロペロリ チュルルルルルル ズチュッ ブビュビュビュビュビュビュビュ」 

京太郎(手首を舐めると筋があるから感触が面白いなぁ…!筋に吸い付くのも楽しい楽しい…!!) プチュプチュ

京太郎「ハミハミ ハミハミハミハミ カプカプ レロレロ」

京太郎(母指球美味いッ!!噛んで良し、舐めて良し!人間の最高級部位に違いない!!焼いて食べたらきっと頬が落ちるぞッ!!) ハムハム

玄「う、うぅぅ~」


京太郎「レロォ~~~レロォ~~レロレロォ~~~~」

京太郎(手相をなぞるように舐めるのも趣がある。全ての線を何周も何周も舐めたい…) レロレロォー

玄「く、くすぐったいよぉ~」

京太郎「ハムハム カツカツ チュッチュッ チュパチュパ」

京太郎(爪ッ!!噛むと感触が皮膚より硬くて面白いし、吸い付いて離すのもクセになりそうだッ!!)

京太郎「レ~ロレ~ロ チュッチュッチュッ」

京太郎(指と指の間もうンまいなァ~~~~~水かきに到達したところで吸い付くのも最高だ!!)

京太郎「レレレレレレ ロロロロロロロロ レレレレレレッ!!!」

京太郎(MP関節を何往復も舐めるのも良し!まるでそろばんをひいているかのようッ!!)

京太郎「フゥーハ フハフハ ガジガジガジ チュチュチュチュチュチュッ」

京太郎(手刀に口を押し付けて小指球を上顎で噛みながら、若木と肉の間に舌を押し付けるのも絶妙な感触を味わえるな…!!)

玄「きょ、京太郎くぅ~ん……」 プルプル


玄「そ…そろそろ満足した?」

京太郎「ん……。チュパッ あと30分ほどしゃぶらせていただければ……ペロッ 満足できるかと…ジュポッ」


            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
     . '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| :ト.、 | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l

. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|.〃⌒ヾ \.l.〃.ヾ ..|./|.:i

...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::|.{{   }}   {{  } |:ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー='"     `ー.'".|/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|             ,!
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.     .(_`チ._,ノ./|.     さ、30分……?
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{

  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{



京太郎「いえね……玄さんの時間を奪うようで申し訳ないんですが……俺も「溜まって」いるのです」

玄「た、たまる?」

京太郎「フフ……。誰かのね…手をしゃぶるというのが…阿知賀に来てからはなかったもので……ペロッ」

玄「えっ!!??京太郎くん、こっちにくる前もこんなことしてたの?!」

京太郎「ええ、まぁ……(小鍛治健夜の手で)」 ペロペロ

玄「」 ガーン


玄(そ、そんな……。京太郎くんに手をしゃぶらせてあげる人が、東京にはいたってことなのかな…) シュン

玄「そ、それって……女の人?」 

京太郎「そりゃあそうですよ。ペロペロ 同性の手に興味はない レロン」


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玄(もしかして……京太郎くん、向こうにもう彼女さんがいたり……?)

京太郎「ですが……玄さんの手が…一番おいしいかな……レロレロ」

玄「そ、そうなの?」

京太郎「ええ……。レロッ 愛する人の手だからかもしれない……。 ペロペロ」

玄「!」 ドキリ

京太郎「今まで…ペロッ 誰かを好きになったことなど…チュパッ 一度もなかったものですしね……レロレロ」

玄「そ、そっかぁー!」 パァァァ

玄「じゃ、じゃあ……私以外の人の手は、もうしゃぶらない??」

京太郎「ええ。その必要もなさそうですしね ペロンペロン」

玄(そ…それなら……嬉しい…かも)

 


京太郎「玄さん レロレロ」

玄「なぁに?京太郎くん」

京太郎「不本意な形でね……ペロッ あなたを愛することになりはしましたが……レロレロ」

京太郎「強制的に愛さなければならなくなったのが……ペロリ あなたで良かったと思いますよ…チュポン」

玄「えっ」

京太郎「実はですね…その…フフ…」

京太郎「あなたと麻雀を打っているときから……興奮してはいたんですよ…」

玄「えっ……そ、そうだったの?」

京太郎「ええ……」

京太郎「玄さんあなた……牌を切る時…対面が見やすいように…牌の向きを通常とは逆に揃えて切るでしょう…?」

京太郎「所謂「お嬢様切り」……というやつ…」

玄「う、うん」

京太郎「あれが……ハッキリ言えば好みだった…」



京太郎「玄さんの人柄がよく表れていて好感だったし……」

京太郎「人によっては叩きつけるように打牌する者もいるが、スッ…と静かにお嬢様切りをする貴女のことは嫌いじゃあなかった…」

玄「そ…そうだったんだ……」 

玄「な、なんだか嬉しいなぁ……」 ドキドキ

京太郎「ま……どんな経緯で好きになってしまおうが、一旦好意を抱いてしまった以上は……この状況は覆しようがない」

京太郎「「貴女を愛している」という事実を甘んじて受け入れ……貴女と共に幸せになってみますよ…ペロペロペロチュパッ」

玄「……!!」

京太郎「そういうことなので……こーいった性癖の俺ですが……今後ともよろしくお願いします……ペロペロ」


            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
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            / :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
         / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘     こちらこそ、よろしくお願いいたしますっ!
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘   
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.

       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.

クロチャーと結ばれてよかったね、京太郎

第2部、カン!

これには温厚な明華もブチ切れ

>>183-184
これでなんか笑ってしまって更新しなきゃ(使命感)と思えた

今日は阪神勝ったしSS書いても許されるやろ、うん

大和ファンとしてはタイムリー打つ活躍もしてたし結果的に阪神は勝ったしで満足 なおスクイズ失敗

翌日……

~阿知賀滞在・6日目~

―阿知賀女子麻雀部―


玄「ねぇねぇ京太郎くん~♥ 」 イチャイチャ

京太郎「なんです、玄さん」

玄「えへへ、呼んでみただけなのです」 ニコッ

京太郎「……フフフ」



                -―――-

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              /: : /: : :| : : : : : |:|: : : : :.\__
           /:./: : l: : : :l: : : : : |:|: -‐:.(厂\: \
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          / : |:l:|: | ト、: : |/\ N:| : /:| : : :|:.:l \: :.
           |: |:.|:l:|八{ \{x仡心 |:lY: :_:_| : : :l: :|   '; ::.
         八{:.|从x心    乂炒 |:|ル' / | : : :|:.:.|  | |:.
          .: Ν:∧ 炒    ,,,, |:|    | : : l|:.: l   |: :| |
.          .: / |: 沁 ,, ′     u|:|  _,ノ| : : l|: : l  :|: :| |
         |: |  |: |从     _   |:| /: : l| : : l|:.:.:.|  |: :| |
         |: |  |: | l込、 ´     |:| `1.:リ : : リ: :.:.l   |: :| |
         |: |  |: | |: : : 〕iト ... イノ'____|/: : :./:|: : :.l  :|: :|ノ:
         |: | 八{└‐ ┴v'´ ̄`丶_/:./: /: :| : : :|  |: :|: :|
         |: | /   ==/====    ∨:./ ̄ \ : | :|: :|: :|    ね、ねえ……
         |: /   ===/===        ∨ / ̄ ̄ ':.l :!: :!: :!
         |/   ===/>┬┬ァ      ∨/    l:| l: : : :|
       / く>‐=チ:.:./「/人      {/      l:| /:/}:.:.|
        /   / /7´:.:./ {:.:.:.:{\    〉      ,:.|{:/八: |
.       /    {/{<_/ /|:.:.:.:|     ∧    /: |{   }:|
      /   / /   l /  ̄|    ,/       /: : l    }:|
.     /       /   0 /    l|   /  |   /: : : |   ノ'
    |     i    {     |    |   l   /: : |: :|
    |     |    {     |    l    \{: : : |: :|
    |     八   人   八         〉: : :|: :|
.     \       }   0       \ {    /〉: : :|: :|



             . .――┴: <: : : `ヽ、
         , . : :´: : : : : : : : : : : : : <: : : `ヽ

          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: 、: : : \
.       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : \: : : :\
      .´: : : : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : : : :ヽ: : jヽ: : : : ヽ
    ´: : : : : : : : : : : / ヽ : : : : : :ヽ : : : : ヽ:/: ハ: : : : : ヽ

   /: : : : : : : /: : :/:/  ヽ: : : : :}:ハ: : : : : :V: :ハ : : : : : ヽ

   /: : : : : : : :ハ:_:{:{   i:イ: ̄:7ート、: : : : ': /: :}: : : : : : :ハ
   {:{: : : : : :ィl´V: :ハ:{   jノj:/j:ノ }:ハ: : : :!/: : }: : : : : : : : ,
.  {:{; : : : :/: :.{ ヽ:ヽゝ  ノノ  ノニzzj_ V: : }: : 〃: : : : : : : : :',
   iハ: : : : : N _三_       "ん/:心ヾ}: :N:ノ:/ : : : : : : : : : ハ
   ヽ ヽ:ト: i:ヽ〃ん/心      込//ソ "!: } V1: : : : : : : : : : :ハ
    ヽ ヽ\: ゝ弋//:ソ          ̄  }: } ノ } : : : : : : : : : : : '
         {: :ハ   ̄   '      :':':':   }: }イ::::\: : : : : : : : : :!:',
       l: :.ハ :':':':  、__ ー一、   U :/::::::::::::::::::\: : : : : : }:.}    う、うん……

          !: :{::ヽ     (    )   イ:./:::::::::::::::::::::::::ヽ: : : : ハ:}
.         ∧: :{::::> _  ー―  イ:://:/:::::::::::::::::::::::::::::::ヘ: : :ハ}
      /::::i: :{::::::::::::::\::::ニ_彡::/彡/::::::::::::::::::::::::/:::::::i: :/ }}

      {::::::Vヘ:::::::::::::::::::ー=ハ彡::":::レ::::::::::::::::::::::;:´:::::::::::::∨ 〃
      {:::::::::ヾゝ::::::::::::::::::::ヽイ:::::::::::::::::::::::::i:::::::::/:::::::::::::::::::} /
      ヽ::::::::::::、::::::::::::::::::::::{ {::::::::::::::::::::::::::i::::::/:::::::::::::::::::::j /

        〈::::::::::::ヘ::::::::::::::::::::::{{:::::::::::::::::::::::::ヽ:/:::::::::::::::::::::::/
         ハ::::::::::::ヘ::::::::::::::::::::{{:::::::::::::::::::::::::::Y:::::::::::::::::::::::/


憧「な、なんか……明らかに、今日のふたり…おかしくない…?」 ヒソヒソ

穏乃「だ、だよね……」 ヒソヒソ

灼「距離感がおかし…」 ヒソヒソ

宥「そうかなぁ~?前からずっと仲良しさんだと思うけど…」

憧「いや……なんか今日はレベチって言うか…」 ヒソヒソ

穏乃「いつもはめんどくさそうにしてる須賀さんが全然嫌そうな顔してないですし……」 ヒソヒソ

灼「確かに……。……何かあった?」 ヒソヒソ

宥「あ……。そういえば、昨日からふたりはお付き合いしてるんだよ~」 ポヤーン

: |: : |: : : |: : :____: : : : : :/: :. : :./ :}ア∧:\:. : : :. : : :.|

: |: : |: : : |/:. : : : :.X :/}: :/:. :.://}:./  〈 : /| : : : i : |、
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: |ミ |: : : |//ア⌒ヾ  / :}: /   '|: r :|   : :.| : : : l: /\: :\
: |、 |: : : |   : 「 :|   }/    | 」:l   {: :| : : /|/  丶: :丶
: |  |: : : |   |  」 :|         乂シ  {: :| : /: |     : : ::
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: |ゞ |: : : |       ~ ー~ヘ⌒        从: |: : :|     |: : :|
: l:.〕i|: : : |      .′       \|    /:. : :.|: : :|     |: : :|
八:.:.|: : : ト      l           |   /:|: : : : :|: : :|     |: : :|
: : \: : 八   〕ト !          ノ. . : : : |: : : : :|: : :|\   |: : :|
: :. : :.\: : \    ≧=-  r<:. : : : : : :.|: : : : :|: : :|:. :.\  |: : :|



    /:/ /: :/: : :イ\:// /    /:/ : : : : : ノ: : : : : : :

    {/ {: : {: : /ハ:ハ:\ {     /:/: : : : :ノ:ノ: : : : : : : :
      l  i: :ハ:/:!/7c=ミヽ   ノ/: : : :ノ:ノ:ノ: : : : : : : :/
      ∨ V:ハ ん///゙    zヒ三/ァ'-<: : : : : : //
          /:/ 辷:ソ     7C≧、ノ /: : /://: :
          /:/ ""        ん///ハ /ィイ彡: /:/:
        _{:ハ     ´      辷z:ソ ノ /:/⌒Yイ: : :
      /::/.{:{..\            ""   /:/   ノ/: ;/: :  
    イ:::::::i....{{.../r\ ヽニ>     u  ,.、/:/..イ /:/'/: :    えっ!!???
  /:::{:::::::i.....i{...{::{ヾ::ヽ.._.........―::::´:::/:/:::::::\:/ /: :

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| .::::::::::|l::::::::N十十v|/´^ィf芹|:::::イ

| :::::::::::リヽ::ィ斥//i     Vリ|::::::::.
| :::::::::::|:::::::ゝ弋cり     ,,, ::::::::::.
| ::::::::f^|:::::::::| ,,,        从::::ヽ    は…初耳…
| |:::::人j::::::::::: υ  r  ,  /:|:::::::/
リ\:::::::ヽ:::::::ト   __ <:;:::/}::/
   ー=─-ト   |_,、_,、_

   /  ̄ | \__/ //   ヽ
  /     ` ー─イ/   /
/          //  V    :.


憧「え、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとまって!!」

憧「付き合ったの!!???玄と須賀って!!???」

玄・京太郎「!!」 ビクッ

京太郎「んなッ!!だ、誰がそのことをッ!!??」

穏乃「い、今宥さんが……」

玄「お、おねーちゃ~ん!!京太郎くんが秘密にしたがるから、言わないでねって言ったのに~!」

宥「あ……」

宥「ごめんなさい……忘れちゃってた…」

京太郎「だーーーーーーーーッッ!!!!なんてことを暴露してくれたんだッ!!!」

灼「い、いや……。宥さんに言われなくても、直に気付いてたと思…」

穏乃「二人の距離感が明らかに前と違いますしね……」

京太郎「えッ」

玄「そ、そうかな~?」 テレッ


憧「ちょっともう、玄~!!」

憧「なんでそんな大事なこと秘密にしようとするのよ~!!」 

玄「ご、ごめんね~……私は、みんなに「重大発表があります!」って言って堂々と知らせたかったんだけど……」

京太郎「……」 ムスッ

玄「京太郎くんが、からかわれるのが嫌だから隠したいって……」

憧「や~そんなこと言っても、それは言わなきゃダメでしょ~」

玄「ご、ごめんなさい」

穏乃「いや、謝らなくていいんですけど……」

穏乃「えっ、ホントに付き合ってるんですか?お二人……」

玄「うんっ!ね、京太郎くん?」

京太郎「……」 コクリ

穏乃「うおおおおおおおおお!!!!!!マジでかーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!」

憧「ヒューヒュー!!」

灼「おめでと……」

宥「二人とも仲良しでなによりだよ~」 パチパチパチパチ



京太郎「ああああああああああああ!!!!!こうなることを予見していたから知られたくなかったのだッ!!」


玄「ご、ごめんね……でも、おねーちゃんには言っておかないと、と思って…」 ウルッ

京太郎「!」 ドキッ

京太郎「……ま、許しますがね」 

玄「うぅ……ありがとう…」

京太郎「……」 ナデナデ

玄「……えへへっ」 ギュッ

京太郎「ちょっ、み、みんなが見ているんですよッ」 アセアセ



憧「ちょっ!!見せつけすぎでしょっ!!!」

穏乃「うわああああ……し、刺激が強いぞーーーーーー!!!!」 カァァァァ

灼「ラブラブすぎな…?」

京太郎「いや……。これはただ自責の念に駆られている玄さんを慰めようとしただけで……」 アセアセ

憧「またまたー!」 ヒューヒュー

穏乃「はぇ~……付き合うってこんな感じなんだ~……」

灼「なんか…異次元感…」

京太郎「ぐぎぎ……」 プルプル


憧「へぇ~……それにしてもこんなに早くくっつくとはねえ……」

穏乃「赤土さんが戻ってくるまでにカップル成立するとは思わなかったよ~」

灼「意外な結末…」

宥「妥当だよ~」

玄「えへへ」 テレテレ

京太郎「……フン」

憧「ねえねえ、告白はどっちからしたわけ?」

憧「やっぱ玄?それとも意外に須賀の方から?」

玄「あ、それは……」

穏乃「というか、須賀さんが玄さんと両想いだったことにまず驚きだよ~」

京太郎「両想いに「させられた」のだ」

憧・穏乃「え?」


京太郎「君たちのところの監督が作った「アプリ」の効果でね……玄さんを「好きに」させられてしまったんだよ」

憧・穏乃・灼「!!????」

憧「ちょ、えええええええっ!!!????」

穏乃「あ、「アプリ」使っちゃったんですかっ!!??玄さんっ!!????」

玄「う…うん……」 シュン

憧「な、なるほど……「自分を好きになるように」…って「お願い」しちゃったわけね…」

灼「え……それはいいの…?」

穏乃「えっ、えぇ~……そ、それはちょっとやりすぎじゃあ」

玄「や…やっぱりそうだよね…」

憧「う、う~ん……」


憧「や~……玄のこと応援したい気持ちはあったんだけど、恋の公取委とかあったら捕まるヤツよそれ」

穏乃「え?どういう意味?」

憧「いや……反則でしょそれは~…ってこと」

玄「つ…つい魔が差しちゃって……」 シュン

宥「魔が差したなら仕方ないね~」

憧「いやいやいや……須賀的にはどうなのよ、それ…」

京太郎「ん?俺か…。俺は別段気にしていないよ」

穏乃「えっ、そんな軽い感じなの須賀さん」

京太郎「いや……初めは「やってくれたな」と怒りが湧いてきたがね」

京太郎「次第に……その…気持ちが伴ってきたので……許した」

灼「許すんだ…」

憧「まぁ確かに、「惚れたら負け」ってとこはあるけど……」


京太郎「まぁ……基本的に俺はポジティブな性格なのだ」

京太郎「考えてみるといい……。そもそも阿知賀で君たちの練習相手を務めてやったり、松実館で働いたり…なんてことは最初から望んでいたわけじゃあない」

京太郎「「アプリ」の効果で強制的に「そういう気持ち」にさせられているというだけだ」

灼「確かに…」

穏乃「赤土さんに無理やり連れてこられたわけだしね……」 ハハハ

京太郎「そして…「そういう気持ち」になってしまっている以上、反発心を揺り起こしてアンビバレンスを抱えたところでストレスを感じるだけだろう」

京太郎「その「気持ち」が不可逆である以上、俺はその状態で普段通りに生きていくだけだよ」

穏乃「お~!確かにすっごいポジティブ思考!!見習いたいっ!!!」

宥「穏乃ちゃんもそんな感じだよ~」

穏乃「えっ、そうですかねっ!!??やったっ!!」

憧「ふぅ~ん………まぁ、本人が納得ずくならいいとは思うけど…」

京太郎「納得しているさ」


京太郎「だから、あまり玄さんを責めないでやってくれるかい?彼女がかわいそうになる」

玄「きょ、京太郎くん…」

憧「ま、まぁ別に責めようってつもりじゃなかったんだけど……」

灼「……でも、本当にいいの?」

玄「……私も、そこはちょっと……ううん、すごく申し訳ないと思ってるよ……」 シュン

京太郎「いいと言っているじゃあないですか……」

京太郎「今俺が玄さんへの好意を消し去りたいと思うとすれば……それはまるで中学生に戻りたいと考えるのと同じこと…」

京太郎「不可逆的な状態を逆行させたいと思い悩むのはシンプルに無駄な行為ですし……」

京太郎「そもそも……今この時を納得して生きているのに……どうして思い悩む必要がありましょうか」

京太郎「仮に中学生に戻れるマシーンがあったとすれば使いますか?使わないでしょう」

灼「……まぁ、それは」

京太郎「中学時代を偲ぶ気持ちが多少あったところで……現状に満足できているのならそれでいいと考えるでしょう?そういうことなんですよ」

灼「……」


憧「ま……キッカケがどうあれ、ふたりが納得しててそれで幸せってならいいと思うけどね」

京太郎「その通りだ」

京太郎「だから玄さん、負い目に感じることなどありませんよ」

玄「わ…分かったよっ」

穏乃「はぇ~……須賀さんって性格もすっごくイケメンだなぁ……」

京太郎「……よしてくれ。俺はいつだって自分本位だ」

穏乃「って言いきりながら玄さんのことフォローするのもカッコイイ!!」

憧「いい男取られちゃったわね~、シズー」 フフッ

穏乃「ほんとねっ!!」 アハハ

京太郎「やかましいッ」




     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
    /: : : /: : : : :!: : : : !: : : : :`,: :,: :',
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   i !: !:!:j ィ'芹ミ ヽ: ! ィ'芹ミ 'i: !: : : !

   ' i; ;!; !',〈 ゞソ  `  ゞソ" j: :!: : !:!
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    oハ: :!: ヘ     __    ,イ: :!: : :!:.ハ   …………。
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   /: :レ: !: !: :!: : //i|    i〉: : /:イ: : :!: :i !
   {ハ!: : !: ヽjr''7  >=.<''" ゞ,,/!: : : !: :!: !
   ` 〉"7: : : /r===ミ_,_ィイ===ト !: : : ト、: :!
   / V: : : / .}三三}={三三〈 ,': : :,' ∧: :',

   イ /: : :/ ト==''7 〉ゞ==j!./: : :/ / ',: :i

~夕方~

―松実館・玄の部屋―



京太郎「ふぅ……。今日は客足が少なくて仕事も少ないのでありがたいですね」

玄「そうだね~」

京太郎「っと、旅館としては繁盛している方がいいですよね。すみません」

玄「うぅん。私も、こうやって京太郎くんとの時間をたくさんとれるから嬉しいよ~!」

京太郎「……フフフ。そうですか」

京太郎「あ……そうだ」

玄「?」

京太郎「今夜は晴れの予報ですし……今外を見ても雲一つない。折角ですし、星でも見に行きませんか」

玄「あっ、それいいね~!!」

京太郎「阿知賀の高校と逆の方向に進んでいくとおあつらえ向きの高台があって……地元民の玄さんなら場所もなんとなくわかるでしょうけど」

玄「うん、ちょっと晩成よりのところだよね~」

京太郎「そう…。それです……」


京太郎「ま…星を見ると言っても、こっちに長く住んでいる玄さんなら見飽きているかもしれませんが……」

京太郎「東京住みの俺からすれば、少し珍しいんですよ。綺麗な星空というのは」

玄「そうだよね~、都会だとビルの明かりで夜も明るそうだもん」

京太郎「なので、少し付き合っていただきたいのですが……」

玄「全然付き合うよ~!」

京太郎「フフ……ありがとうございます」

玄「京太郎くん、ロマンチストなところもあるんだね~」 フフッ

京太郎「須賀京太郎はロマンチックに暮らしたい。そう思う日もあるんですよ」

玄「えへへ、楽しみだなぁ~」


京太郎「夕食を済ませたら、その後にでも行きましょうか」

玄「うんっ!」

京太郎「そうそう……。それで、その夕食までも……まだ小一時間ほどありますよね」

玄「うん、そうだね~」

京太郎「そこでひとつ……。今回はこの須賀京太郎の方から「お願い」をしても…いいですか…?」

玄「えっ!!いいよ~!!」

玄「どんなお願い??京太郎くんの方からお願いされるなんて、珍しいから嬉しいな~!」 ワクワク

京太郎「……これを使うのですが」 スッ

玄「……???」

                 ____             ___
            ,, :´ : : : : : `: .          /    \
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.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
    i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i

    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |
    || |: |: : : |〈 _)トJi:|    `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |
    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |

.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !   これは……なに??
      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
       |: ||: :゚。: :゚。: : i r‐|     |┐: : }/: :/: : : :ハ
       |: ||: : :゚。: :゚。/ \   / \:/: :/: : : :.,゚: :゚,
       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|



京太郎「「耳もみ」用のジェルですよ」

玄「あっ、お耳のマッサージに使うのっ!?」

京太郎「そういうことです」

玄「へぇ~!そんなのあるんだ~!!初めて見たよ~!」


玄「というか……京太郎くん、そんなもの持ってたの?」

京太郎「ああ……買っておいたんですよ」

玄「えっ、いつの間にっ?」

京太郎「……ま、隙間時間を見つけて…ですかね」

玄「へぇ~」

アナザー京『ウソ言うなよ。松実玄との下校中におれと交代して「時を止めて」買ってきたくせに』

京太郎(君に身体の支配権を譲るだとか、『宇宙』の「ビギニング・オブ・ザ・ワールド」だとかを話したらややこしくなるだろう…)

アナザー京『そもそも、おれの『ユニバース』をそんなことに使うのもワケわかんねえがな』

アナザー京『下校中に松実玄と一旦分かれて買い物に行けばいいだけのことを……そこまでして松実玄と離れていたくなかったのか?』

京太郎(………)

アナザー京『げッ!!図星かよッ!!』

京太郎(……やかましいッ!!第一、君も「須賀京太郎」の片割れなんだからそういう気持ちくらい分かりそうなものだがねッ)

アナザー京『ワリいがおれは今でも照さん一筋だぜ。どうやらおれに「アプリ」の効果は効いていないらしい』

京太郎(なに?全くか)

アナザー京『ああ、全く。松実玄のことなんざ年の離れた若い女の子程度の認識でしかねえよ』

京太郎(なに……?なぜだ?晴絵の「命令」は君にも効果が及んでいただろう)

アナザー京『恐らく……それは晴絵がおれもてめーもひっくるめた「須賀京太郎」に「命令」をしていたからだな』

アナザー京『それに対して、松実玄の「お願い」はおれじゃあなく……相棒。てめーという人格それ自体だけに好かれたいと思っていたから、おれには効果が及んでねえんだろう』

京太郎(……なるほど)

アナザー京『おれの方の人格については、松実玄は存在しか知らねえだろ。こっちにいる間に表に出て話したわけでもねえしな』

京太郎(……それもそうか。上手くできているものだな……晴絵の「アプリ」は…)

アナザー京『全くだぜ』

阪神負けたけどあとちょっとだし頑張るか…

   / :/  ...:/:′::/ :.:.:.....:./.:/:!:.:.:.i:..!:.:.....:{:.:.:.:.:.:ハ    /
.  /.〃/:...../:′'.::|:: i .::.:.:.:| :i:_{__|:.|:.:.:.i :|:.:.../  ̄`ヽ/      ふ
  '://:′::/斗:十 |::.::.::.:.:.:.: :}}ハ ::ハ:{:≧ト|:::/  な       な な  ぅ
 {//::{: /|i:八::{=从:{ i::::: :N孑弐{ミト∨:::|::′  る.     る .る (
.  i :从 ::::{イァ:う{ミト爪ト::::. ! ん):::::ハヽト、:{:|    ほ      ほ ほ  )
.  |.::| : \《 { ::::::: }  ヽ\{ { ::::::::: リ | :::ヽ!   ど     ど ど む
.  | ::!::|ハト.乂__ノ       ー '  | :::<    |
 八::| :|::::i /i, ,     ,     /i/ , }:::}i::人   __ ノ\
  (__):::l:::::.                 i.:/::::::::厂「{:::::::{    ` ー― ´
 / :{ | :V:入     { ̄`ソ      }/}::::}/::::::l.|:::::::|
 { ::|人::∨::::>...   `      . ィ升|:::/::::::::八::::::{



玄「使い方はばっちりわかったのです!」

京太郎「それじゃあ、お願いしてもいいですか?」

玄「おまかせあれ!」

玄「さっそく、ここに頭をお預けください!」 ポンポン

京太郎「……?」

京太郎「太腿?」

玄「うん!」

京太郎「……??」

京太郎「それは…どういう…?」


                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
              /    . . . . . . . . . . . .   \
         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ

        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,

          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
.      |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,.     `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧      ひざまくら!だよっ!
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧


京太郎「いや……それは分かりますが」

京太郎「膝枕の体勢でどうやって「耳もみ」してもらえばいいものかな…と」

玄「えーと、まずは私に背中を向けてください!」

京太郎「はい」 クルッ

玄「そして、そのまま仰向けに寝転ぶ感じで頭を乗せてみて!」

京太郎「こうですか」 ポスッ

玄「うん!こんな感じだねっ」

京太郎「縦向きの膝枕…ということですか。珍しいですね」

玄「これなら、両耳を一緒にマッサージできるでしょ?」

京太郎「なるほど?確かにそうですね」

玄「この方が、気持ちいいかなーって思って」

京太郎「違いない」

玄「それに……京太郎くんのお顔を見ながらできるしっ」

京太郎「!」



 二 `丶、`丶、_\__\〉-<⌒
`‐-、 二. `ヽ、 ミ ̄ /⌒シ \

二‐/,ィ┐|=ミ=|  /|_,/l_イ| \  \_
‐ニ| i<  i ,.{  | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
二‐ヽ ┘ |     lヾ. } } /从}
ニ ‐'"/   /    |_{;)} レ' ∧{
'  /   /     '" ` `゙ / `
  /    ,      F'′
  ヽ.    \、 L`___l
 _\    ヽ._>┘     ……フフフ
 /了\_ノ

 ◆(
 門|



            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
     . '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| :ト.、 | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l

. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|〒弐オ`\.l/〒テト.|./|.:i

...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー'     .゙-'l |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|   ゙゙゙゙    ` ゙゙',!.:}
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.    (_`チ  _,ノ./|.    えへへっ
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{

  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
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        }     ∥ Ⅴ/::::::;::::::::::::::::::::::::::γ…' /:::::::/   /:/ /   `、
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         /      ,'   レ八::{::::::::::/   /_ -/:::::::∧/ 〃    !      `、
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           /::::::::::::::::::::: 八: : : : : : .  ゝ: : : : : : : :   )/   /::::::::/  ',             /
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           {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}            -「¨          ,、丶`



京太郎「お願いします」

玄「まずはジェルを手に垂らして……」 ツー

玄「ちょっと手で揉んであっためるね~」 スリスリ

京太郎(気の利く女だな……)

玄「さわりま~す」 モミッ

京太郎「うぁっ」 ビクンッ


玄「つめたくな~い?」 モミモミ

京太郎「あっ、いえっ……ちょうどいい…です…」 

玄「そっか~、よかった~」 モミモミ

京太郎(玄の手…!やはりすべすべしていて気持ちがいい…!) ウットリ

京太郎(「ジェル」を使ってみるというのも……やはり正解だったな…)

玄「まずは、耳全体を手でくるんで~……軽く引っ張りながら上下左右に動かしていくよ~」 クイックイックイッ

京太郎「う…あ…」 ビクンビクン

玄「お耳の皮膚も色んなところをつまんでいきま~す」 チョイチョイ

京太郎「っ……」

玄「耳たぶも指で挟んでもみほぐすね~」 モミモミ

京太郎「うぉぁぁ……!!」 ビクンビクンッ

玄「ふふっ、京太郎くんすごく気持ちよさそう~」 ニコニコ


玄「耳たぶを揉むのって身体にいいんだよね?テレビか何かで観たよ~」

京太郎「ええ……そうなんですよ」

京太郎「耳たぶを揉むと耳の外側に分布している交感神経繊維のβ受容体が刺激されるので身体が温まるんです」

玄「へぇ~!そうなんだー!あとで、おねーちゃんに教えてあげなきゃ!」

京太郎「ええ、それがいい」

玄「京太郎くん、物知りさんだね~」

京太郎「健康オタクなのでね」

京太郎「ところで玄さん、耳の穴周辺も……お願いできますか?」

玄「うん、いいよ~」

京太郎「それはありがたい。耳の穴の辺りには副交感神経線維が広がっているので、刺激するとリラックスできるんです」

玄「そうなの?知らなかった~」

京太郎「耳掃除はしているので、汚くはないと思いますが……」

玄「そんなの元々気にしないからだいじょうぶっ!」

玄「むしろ、これからは私が耳掃除してあげたいな~」

京太郎「フフ……そうですか。じゃあ…次からは玄さんにお願いしようかな」

玄「任されました!」 フンス


玄「それじゃあ、耳の穴もマッサージしていきたいんだけど……どんな感じでやればいいの?」

京太郎「耳の穴の前にあるかたい出っ張りがあるでしょう……」

京太郎「その内側に、手の親指の腹を当て、奥まで入れてください」

玄「こーぉ?」 ズポッ
 
京太郎「ええ。これ以上入らないというところまで入れてください」

玄「このくらい…かな?」 ググッ

京太郎「そうです、そうです……」

京太郎「今度は、耳の穴の周囲を押し広げながら…親指を360度移動させてください」

玄「こんな感じ~?」 クイー

京太郎「あッ!!そこです。そこで親指を止め、10秒程度押し続けてください」

玄「わかったよ~」 グググ…

京太郎「う……。……ふぅ……」 ホッコリ


京太郎「今度は親指を抜いて、手の小指でお願いします」

玄「うん」 ズポッ

京太郎「これも同じく、ギリギリのところまで入れて…周囲を押し広げながら360度移動させて…」

玄「は~い」 クイー

京太郎「あっ、そこをまた10秒程度押してください」

玄「りょうかいで~す」 グググ…

京太郎「う……ハァァ~~~……」 

玄「気持ちいい?」 ニコニコ

京太郎「ええ…とても…」


京太郎「そうしたら…これを両耳に2セットほどやっていただけたら……」

玄「おまかせあれ!」

玄「今度は左耳でやるね~」 ズポッ

京太郎「あっ…はい…」

玄「どう~?」 グググ…

京太郎「気持ちいいです……。身体が温まってくるのを感じる…ッ」 ポカポカ

京太郎(確実に自律神経が調整されている…ッ!全身の血流が改善していく感覚がある……ッ)

玄「今度は右だね~」 ズポッ グググ…

京太郎「落ち着く…やすらぐ…」

京太郎「う……」 ウトウト

京太郎(いかん……。眠くなってきたぞ…)

玄「今度はもういっかい左~」 ズポッ グググ…

京太郎(睡魔に歯向かうのは……ストレスを感じるから苦手なんだ…) ウトウト…


京太郎(抗うことなく…落ちていく…ッ) ウトウト

京太郎(眠りに……) 

玄「はい!おわったよ~!」

京太郎「」 スヤスヤ…

玄「って……あれっ?寝ちゃってる?」

京太郎「」 スースー

玄「あらら……そんなに気持ち良かったのかなあ。ふふっ」

京太郎「」 スースー

玄「京太郎くん、寝顔もかっこいいなぁ……」 キュンッ


玄「京太郎く~ん」 ヒソヒソ

京太郎「」 スースー

玄「京太郎くんの彼女の松実玄だよ~」 ヒソヒソ

京太郎「」 スースー

玄「京太郎くんはすごいんだよ~」 ヒソヒソ

京太郎「」 スースー

玄「麻雀がとっても強くて、やさしくて、お上品で、かっこよくて、かしこくて、なんでもそつなくこなせちゃうの」 ヒソヒソ

京太郎「」 スースー

玄「私はね~、そんな京太郎くんがとっても大好きなのです」 ヒソヒソ

京太郎「」 スースー

玄「京太郎くんは私のこと好きかな~?」 ヒソヒソ

京太郎「ん…むにゃ…」 ゴロリ

玄「あっとと、危ない危ないっ。床に落ちちゃうのです」 ササッ

京太郎「むにゃむにゃ…」



                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  /
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|    でも、反応してくれたってことは……やっぱ私のこと好きでいてくれてるのかな~?
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:       うれしいな~
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|



玄「えへへっ。京太郎くーん、玄だよ~」 ヒソヒソ

京太郎「うーん……同輩…」 ムニャ

玄「え……同輩…?」

玄「誰だろう……。……京太郎くんのお友達かな……?」

京太郎「マヌケめ、同輩……。そんなことじゃあ…和や金本先輩にすら及ばんぞ…」 ムニャムニャ

玄「!!」

玄(和って……和ちゃんのこと…!?)

玄(仲良くなったって言ってたし、きっとそうだよね……)

玄(金本先輩、って人も部活の先輩か誰かかな……)

京太郎「むにゃむにゃ…」

玄(……そうだよね……)

玄(今までちゃんと考えてこなかったけど……)


     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
    /: : : /: : : : :!: : : : !: : : : :`,: :,: :',
    /: : : /: : : : : !: : : : !: : : :!: : i: :!: :',
   ,': : i: :!: : : :_,,,j,,_: : : !`,,,,__',: : !: !: : ,
   i:/!:.i: !ィ'''"!',: ! !: : :! `,ヽiヽj: :!: : :!
   i !: !:!:j ィ'芹ミ ヽ: ! ィ'芹ミ 'i: !: : : !

   ' i; ;!; !',〈 ゞソ  `  ゞソ" j: :!: : !:!
     !::!: :ト} ......   ,  ....... j: :!: : !ハ   (今ここにいてくれてる京太郎くんにも……
    oハ: :!: ヘ     __    ,イ: :!: : :!:.ハ   
    /:!∧:.!: : !:>ュ、 __ ィ"j: :!:/: : : !: :!!      東京での生活があるんだよね……)
   /: :レ: !: !: :!: : //i|    i〉: : /:イ: : :!: :i !
   {ハ!: : !: ヽjr''7  >=.<''" ゞ,,/!: : : !: :!: !
   ` 〉"7: : : /r===ミ_,_ィイ===ト !: : : ト、: :!
   / V: : : / .}三三}={三三〈 ,': : :,' ∧: :',

   イ /: : :/ ト==''7 〉ゞ==j!./: : :/ / ',: :i


玄(京太郎くんのことを好きになっちゃって、他のことはあんまり考えられてなかったけど……)

玄(京太郎くんだって、いつまでも阿知賀にいてくれるわけじゃないんだよね…)

玄(帰らなきゃいけない場所も、帰りを待ってるお友達もいるよ……それはそうだよ…)

京太郎「さ…き…」 ムニャ

玄「さき…?」

京太郎「てる…さん……」 ムニャ

玄「てるさん……照さん…?」

玄(もしかして……宮永照さんのこと…?)

京太郎「必ず……解決…してみせるぞ…」 ムニャムニャ…

玄「解決……?」 キョトン

京太郎「咲…照さん…」

京太郎「君たちは……心の故郷も同然…なのだっ……」 ムニャムニャ…




                    ____
               ,, :´ : : : : : `: ..
               ≦: : : : : : : : : : :\
          .  .ク:.:::.: : : : : : : : : : : :.ヽ
           /::.::.::.:. : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い
         ./. __.ヾ:. :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚.
        .,/..../::.!.―:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚
          ′::::i::..丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :
       |:: '::: i:. : :{,x≠ミ: :{\: : vr≠ミ.}::.:.|: : : :|: :.゚

       |::|l:::::i:.:.:〃んrハ^\  ーんrハ |::...|: : : :|: : i
       |::|l::::ハ.:.:.} 乂_ノ      乂_ノ. ,i::: : : : :|: : |
       |::|l::/.::::...|.  ,_   、    __   : :.|: : : |: : |
       |::|l:{.i:::::.:八          ,ハ}: :..:.: :...|: : |      !!!
        `O′:::.(: 介o。,  ‘`   イ : /: :..|: : : |: : |
        /::j |:::::_≧=ー : 〕     {  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Ⅵ /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/


そして……


~30分後~


京太郎「」 スースー

玄「……」 ナデナデ

京太郎「んぅ…………ハッ!!」 ガバッ

玄「わわっ」 ビクッ

京太郎「く、玄さん…?なぜ……」

玄「お、おはよう~…京太郎くん…。と、言ってももう夜だけど……」

京太郎「……あッ!!そうか……そういえば、「耳もみ」をしてもらっていたんでしたね…」

京太郎「その最中に寝てしまったのか……すみません」

玄「……うぅん。謝らなくていいよ」

玄「それより、もうお夕飯できてるから食べよっか」

京太郎「あ……もうそんな時間でしたか……」

京太郎「そうですね。召し上がるとしましょう」

玄「うん……」

~夕食後~

―夜道―



京太郎「フフフ……。変わらず雲一つないままで良かった」 スタスタ

京太郎「これなら、民家のあるこの辺りを離れれば……だいぶ綺麗に星が視えそうですね」 スタスタ

玄「うん…そうだね」 テクテク

京太郎「道は……確か、こちらであっていたかな…」 スタスタ

玄「そういえば、ちょっと気になったんだけど……」 

京太郎「?」

玄「京太郎くん、阿知賀に来るのは初めてじゃないの?」

京太郎「え?」

玄「高台までのこの道もそうだし、他のところでも地理が分かってる感じだったから…来たことあるのかなー、って」

京太郎「……ええ、そうですね……」

京太郎「昔…ずっと昔に、2か月ほど滞在していたことがありますからね」

玄「えっ!?そうだったのっ?!」

京太郎「ええ、まぁ。ですから、勝手知ったる町ですよ。阿知賀は」 スタスタ

玄「そうだったんだ~……」 テクテク


玄「昔って、いつ?」

京太郎「……遠い遠い昔ですよ…。本当に、昔……」

玄「??」

玄「小さい頃?」

京太郎「いや……そんなこともないですよ」

玄「えー?じゃあ、最近じゃないの?」

京太郎「いや……そうじゃあないんですよ」

玄「どういうこと??」

京太郎「宇宙が終焉を迎えて……新しい宇宙が誕生して、今に至るまでは…どれくらい時間がかかるんでしょうね」

玄「????? いきなり、何の話?」

京太郎「フフ……。何の話でしょうね……」

玄「えー、さっぱりだよ~」

京太郎「フフフ……」

そして……


―高台―


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: ... ::;;;:.. |      /::ゝ'⌒~        ~/;ヽ_,,,,ノ/⌒⌒// / ll|   |ll  l
;ii;:: , .::;ii;: .| ""  "/:: .            /;;;;/    ~    ヽ_人;;,ノ    ノ_ノ
_i;::;.ii:.; ヾii.|     /::.. . .      ,, ,,   ヽノ    ,,,  ,, ,    'ヽ'''i /^/  ii  /ii
; ; ..;ii;.::;;;il.;|      ::..                           ヽ|~ _|ll ll|
;iiii;,,;i ; ,  ;|""      ""          ,,, ,, ,,,             ⌒  ヽ,,l__

;i;;iii::iiiii;: ;;ヾ."""" ""      "
i;;ノiiiiii;i;i::..ヘ; ヽ,..""     ""                     ,, ,,, ,
"""",,""",,,,"""",,,, """ ""     ,,,, ,         ,, ,
",,,,""",,,, """""   ""



京太郎「っと、着きましたね」

玄「うん……」

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京太郎「案の定……。案の定だッ」

京太郎「やはり……明かりの少ないところまで来ると星が綺麗だ…!」

京太郎「空気が澄んでいるというのもあるだろうが……都会ではとても見られん光景だぞッ!!」

玄「……」

京太郎「っと。すみません、慣れない星空に少し興奮してしまいましてね……」


京太郎「玄さんにとっては見慣れているものだろうに、おかしいですよね」 フフフ

玄「……ううん。そんなことないよ」

玄「普段はゆっくり星を見ようなんて考えないから……すごくきれいだな、って思う」

京太郎「……!!」

京太郎(……今の受け答えッ)

京太郎(遥か昔…精神が分裂する前の「須賀京太郎」が、「1巡前」に高校生だった頃…小鍛治健夜を倒すために旅をしていた頃…!)

京太郎(阿知賀で「波紋法」の修行をしていたとき……町を去る前に、この場所で玄と交わした会話と同じじゃあないか…!!)

アナザー京『……確かにそうだ。懐かしいな…』

アナザー京『あの時と同じように松実玄とこの場所で星を見る日が来るとは……考えもしなかったぜ』

京太郎(……全くだな。「星空が綺麗な場所」としてこの高台を覚えてはいたが……)

京太郎(前にここを訪れた時も、玄と2人きりだったのだな……。体感では40年以上も前のことだからすっかり忘れていた…)

アナザー京『なんだ。てっきり相棒は覚えているのかと思っていたぜ』

京太郎(いや…全くの偶然だよ…。……だが、運命的な「巡り合わせ」を感じる)

アナザー京『「巡り合わせ」、か』


京太郎(世界が「1巡」したことで……この場所を彼女と再び訪れることになったのだからな…。しかも、恋人として…だ)

アナザー京『確かに、「1巡」しなけりゃああり得なかったことだからな』

アナザー京『「1巡前」は照さんと恋仲だったし……』

アナザー京『松実玄と最後に会ったのも…いつだったか。火星探索に出発する前、晴絵の顔を見に行った時には会ってねえし……覚えてねえくらい前のことだ』

京太郎(そうだな……)

アナザー京『ま……なら今は、この「巡り合わせ」を喜べよ』

アナザー京『おれは今でも照さん一筋だからすっこんでおくが……愛する松実玄とこの場所を再訪できた幸せを噛みしめておくこったな』

京太郎(フフ……。言われずとも、そうするつもりさ)


京太郎「玄さん」

玄「……なぁに?」

京太郎「月もまだ高くはないというのが幸運ですね。おかげで空の星が霞んでいない」

玄「……そうだね……」

京太郎「……?」

京太郎(……妙だな。こうもロマンチックな風景を目にしているというのに、どこか上の空だ)

京太郎(やはり田舎者の彼女には見飽きた星空なのか?)

玄「……」

京太郎(……いや、違うな……)


京太郎「……玄さん」

玄「……どうしたの?京太郎くん」

京太郎「……なんだか、元気がありませんね」

玄「……えっ。そ、そうかな…」

京太郎「何かあったんですか?それとも…俺が何かしてしまいましたか?」

玄「なっ、なにもないよっ!京太郎くんも何もしてないしっ!」 ブンブン

京太郎「それにしては様子が妙だ」

玄「そ、そんなことないよ~!元気、元気だよ~!」 フンス

京太郎「……」

玄「……」

玄(……やっぱり、京太郎くんはすごいなぁ……。隠してるつもりでも、気づかれちゃうんだね……)

京太郎「……」

玄「……あのね……」

京太郎「……はい」


玄「京太郎くんって……その…」

京太郎「……」

玄「東京での……暮らしって、どうだったのかな…って」

京太郎「東京での暮らし?」

京太郎「それがどうかしたんですか?」

玄「いや…ちょっぴり気になっちゃって……」

京太郎「……どう、と言われましても……「平穏な生活」を心掛けて暮らしていただけですが…」

玄「……お友達とかはいる…んだよね…?」

京太郎「え?ああ、いますよ。友人と言える親しい間柄の人間は二人くらいなものですが」

玄「そう…だよね」

京太郎「…………あれ?」

京太郎(久しぶりに同輩や和のことを思い出した……)

京太郎(こちらに来てから……何故かは知らんが…完全に彼らのことを忘れていたぞ…)


玄「お友達とは仲いーい?」

京太郎「……ええ、いいんじゃあないでしょうか」

京太郎「彼らくらいなものです。友人と言える…思えるのは」

玄「そう……」

玄「……会いたい?」

京太郎「え?」

京太郎(会いたい…か。どうだろう…。自分の気持ちが…よく分からないな…)

京太郎(そういえば……彼らは今、どうしているのだろう……。考えてもみなかった……)

京太郎(普段通り…全国大会に向けて部活動に勤しんでいるのだろうか……)

京太郎(俺はと言えば、忙しくて部活動どころじゃあなかったが……)


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       / /     l    \.\  ノ /  \丶、   …………?!
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京太郎(「忙しい」……?)

京太郎(「忙しかった」…のか…?俺は……)

京太郎(……「何」で…?)

京太郎(「何故」…忙しかった……?)

京太郎(なにか…部活動よりも優先して…「やらねばならない」ことがあったのだろうか…?)

京太郎(……何を「やらねばならなかった」んだ…?!)

玄「……京太郎くんって、何か「トラブル」でも抱えてるの……?」

京太郎「え……?」

玄「いや……さっきね。寝言で「解決しなきゃ」とか言ってたから…何かあるのかな、と思って……」

京太郎「「解決」……?」

玄「うん……。」

京太郎「え……?俺が「トラブル」を「解決」……??誰との……?」

玄「京太郎くんと誰かの間の問題っていうより……「さき」と「照さん」の間のトラブル、って感じの口ぶりだったけど……」

                「l

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-‐==ミ,/        |   |:ニ\\_      厂{rf)ノ...:::  〈'゙ |: : |            \丶
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‐-        \、 : : . . |   人ニニニニ/《_込   :}    /`二フノ{丶>      /  ¨7´ {{__//
      く: : : : :..\ : : }     \ニニ/{i:i:i:i:i:i}|> .    ー=彡'八/   __/    :厂  ̄「  , -―=ミ
      \: : : : ::::.   {__    }\} }《__》{ |   >   __ノ: ..:}  /广¨}:.     ..::/  i  .::{ ̄{[ ̄]  }
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京太郎(え……!!!??)

京太郎(「咲と照さん」の間の「トラブル」を「解決」……!!??)

京太郎(俺が……!!??)

京太郎(何故…!!??)

京太郎(それに……その「トラブル」とは何だッ!!??)

京太郎(……分からんッ!!思い出せんッ!!)

アナザー京『……そんなもんあったか?咲と照さんの間に…問題なんざ…』

アナザー京『……しかし妙だ。おれや相棒が…「やらなくっちゃあならないこと」と思いつつも忘れている「何か」と関係がある気がするぜ…』

京太郎(「やらねばならないこと」…?「咲」…?「照さん」…?「トラブル」…?)

京太郎「う…ぐッ。頭が……」 ズキズキ…

玄「だ、だいじょうぶっ?!」 アセアセ

京太郎「え、ええ。心配いりません……」 フラッ

玄「……」


玄「……あのねっ」

京太郎「は、はい……なんです?」

玄「京太郎くんにも待ってくれてる人たちがいて…帰るべきところがあって…やらなくちゃいけないことがあるなら……」

玄「阿知賀にいないで……帰らなきゃダメなんじゃないかな、って思う…」

京太郎「……」

玄「赤土さんに連れられてきた京太郎くんを追い出そう、とかじゃないんだけど…」

京太郎「それは分かっていますよ」

京太郎「確かに……この、「何か」を忘れているような感覚は心地悪いし…」

京太郎「白糸台には友人がいることも確かではあるんですが……」

玄「うん……」

京太郎「しかしそれでも……今は阿知賀に滞在していたい」

玄「!!」


玄「な、なんで?」

京太郎「いや……恐らく晴絵の「アプリ」の効果でしょう」

京太郎「「阿知賀に滞在していたい」と思わせるために……」

京太郎「俺に……東京にいたい気持ち、東京に留まらなければならない理由を忘れさせたんじゃあないでしょうか」

玄「!!」

京太郎「それに、今は「玄さんを愛している」という気持ちもありますから……猶のことです」

玄「……!!」

京太郎「勿論…夏休みが終われば、東京には帰らなくっちゃあならないが……」

京太郎「それまではこちらで貴女と共に過ごしていたいと思っている……」

京太郎「別に……「やらねばならぬこと」というのも急務ではないだろうし……東京に戻ってから思い出すのでもいいかな、と…」

玄「………それはだめだよ…」

京太郎「えっ?」


玄「それはだめ……」

玄「赤土さんと私が「アプリ」を使ったせいで、元々の京太郎くんの生活に影響が出るのはだめだよ…」

京太郎「え?構いませんよ。今はこの阿知賀での生活が大切ですし……」

玄「だめっ!!」

京太郎「!!」 ビクッ

京太郎「な、なぜです。どうしてそうムキになっているんですか?」

玄「……だって……」 ウルッ


                -‐‐…‐‐- ..

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      i: : : :{: :|: : : :^T:フ/   |: : :八「 T}:‐: ハ: : : :l
      |: : : :|: :|: : : : .:|斗‐…r }/ ⊥...」:イ!: : :.|: :|
      |: : : :|: :|{: : : :.と ヒぅ:ツ      ヒ::rツ〉 }: : : }ハ}
      |: : :八: :fi: : : :.|  ̄^       ̄ し′: :.:| ′
      |: :i: : :.V l : : : | ' ' '      '   ' ' ' {: : : : :|
      |: :l: : :人」.: : :.:|      _     爪: : : |    「アプリ」でお願いして……
       } : |: :i: : :|: : : :.|、   '´  `     :个: : : :.|
      /: :.{: :|: i: |: :i: : { > 。.       <i: : |: : : : ノ    それで京太郎くんの気持ちが変わっちゃったんだから……  
    ./: : :∧j:人{:.八:八     T〔 :| : : |: : |: :.:イ
     ′: : : ハ: : : :.iノ\{ー-    l }∨ : |: :ノ: : : {      それは「作り物」の気持ちだもん…!   
    };  -‐‐…V: :.:{       /^ー|く  ` r一|: : :|‐-ミ
   /   、    |: : :|\__ ,∧    \__{__ .|: : :|   ',
   .′       |: : :|  {    \rく     }: : :.|   i ,
       ', .|: : :|  ハ     {⌒Y   {|: : :|   |  i
  i      ', |: : :l    } __ ノ} ├一く: : :.:|  ノ  :i
. /|       . |: : :l   ∠ _   ノ\j\_〉.: :.|     |
: : |           |: : :|       ̄       |: : :|     {
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        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
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          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
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            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /      ………「作り物」………
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
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京太郎「俺が「阿知賀に滞在したい」……そう考える気持ちも…」

京太郎「この……玄さんへの「愛」も…」

京太郎「どちらも「作り物」…つまりは「偽」の感情、嘘、虚構に過ぎない…というわけですか」

玄「……うん……」 グスッ

京太郎「なるほど。一見するとそれは正しいように思える…」

玄「……」 ウルッ

京太郎「だが……本当にそうでしょうか…?」

玄「え……?」

京太郎「確かに、「アプリ」で「命令」やら「お願い」という名の「命令」やらをされる前……」

京太郎「そして「命令」を耳にしている最中は……そんな気持ちは俺にはないし、そういう気持ちになるのは「不本意」だった」

京太郎「だからその時点では確かに「偽の感情」だし、「作り物」の気持ちを俺の心に無理やり嵌め込んでいるも同然ですね……」

玄「うん……」 グスッ


京太郎「しかし……その「偽の感情」というヤツは、いつまでも「偽物」でしょうか?「作り物」に過ぎないんでしょうか?」

玄「え……?」

京太郎「違うんじゃあないですか……?」



                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /    俺は今このとき…「貴女を愛している」…
            _/{      `   / ∠ノノ/    
           / / \ ヽ__      __/ー一      俺が「そう感じている」というのは揺るぎない事実なのだ…。
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
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 l..::..::..::..::..::..::..l::..::.., x=示芸x、 /::..//_,_ム///:/::.::,   }
 l..::..::..::..::..::..::..|::..::..l《 ん::刈   ̄    ん沁ヾヤ::..::..::|   ,'
 |..::..::..::..::..::..::..|::..::..| とつ ー'      匕::_リ //::..::..::..l  /
 |..::..::..::..::..::..::..|::..::..|  ヽヽヽ    , ヽヽヽ /::..::..::..::| /

 |::..::..::..::..::..::.( !::..::..!              ,'.::..::..::..::..!  
 |.::..::..::..::..::../:::!::..::.:!}\     ,-‐-,     .ム..::..::..::..::|     ……京太郎くん……
 |::.∧::..::..::./::..l!::..::..|、 >    ̄  ....<!::..:リ::..::/!::..:!
 |::..:∧::..::/:!::..|.',::..::.| \   7 = 爪::..::..::.|::../:::../ .!::..:!

 |::..>'',:::.{/!::..{∧::..:!  ,ヽ_ / .n  |∨::..::.|:/::./:! .|::..:!
  ´  ∧::八.::| ∧::.!    ヽ_ハ | ∨::..::!/::..::| |::..:!
      ∨::.ト!  ',|へ\  | / | ∨::..l  \:| |::..:|


京太郎「たとえそれが…「命令」の時点では「作り物」…「似非」…「虚構」だとしても…!」

京太郎「俺の心に嵌めこまれ…俺がその気持ちを確かに感じ始めた…その時点で…!」


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         // イ⌒ハー=ミ  ヽ{{ :{{ ,                 :... | }{ |  : : : : :
            { / レ}从八\i八V{{ぅ」::...            |:. :| }{ | ..::ヽ: : :/
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                           ゚, 〃  .:/  /     /{|/⌒|    〉
                           }__/^ーヘ _/       仄|_}}i:i|     {
                               ⌒ ー‐く{ : |]{:i:i:|     |: /
                                   } トくi〈|     |/
                                   | |{/=}|     | /
  「不本意」は「本意」に……                / ,ノ{i:i:i}|     |{/
                                     / { /i:i:i}|    // ,
  「虚構」は「真実」に……                 {:... |i{__}}:i:|  ...:{ { /
                                  7 :|i{[]{i:i:|  : ::} l//
  「作り物」は「本物」になったのだッ!!          .|i}:i:i:i:i:| . . ..:|//
                                      i  |{i:i:i:i:i:|. : . ...:|/
                                      |  |{i:===|. : : ::::|.:::.. /
                                      | .: |{i:i:i:i:i:|: : : ::/ ::/
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                    / : : : : : :.:/:/: : /.: : : : : : : :| : : : : : : : | : : : : : : : :ヽ
                /.::.::./ :.::. /:/.::.:/| ::.::.::.::.::.::.: |.::.::.|.::.::. |.:| .::i.::.::.::.i::.::.::.:.
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  rュ             φ:.::./:.::.i::.::.:i::斗テ宀ミ .::.::.:\.::.∨斗宀弌ミ:/j|::.::.: j :.::i::.:.|   \) ∩
┌─ 、        ○ o:.::./i ::.::i::.::.:〃 んuノハ \|\|\| んuノハ ∨|.::.::.リ.::.::i::.:.|   ⊂ニ  ⊃
  ̄)丿         {.::.:;.: i .::人 ::.:{i {::.. ..:::}       {::.. ..:::} レ.::.::.::.i.::.::i::.:.|   ( ○ |
  /> __     __ xく>'|:.::i::.::.::.::.ト、| とつ_ノ         ゝ._(つo厶ィj .:: i.::.::i :八      ̄∪
  \> ゙っ) /::.::.::.::.:/ |:.::i::.::.::.::.i:|////   ′    ////|:! ::.:i.::.::i::.::.::.:、
       '⌒ア.::.::.ノ  ノ:.::i::.::.::.::从                   从:: ノ.:: 八:.::.::.:\


京太郎「それを今更…「作り物」だったという過去を蒸し返す必要はありませんよ……」

京太郎「俺は「阿知賀に滞在していたい」し……」



                       ___
                   ,.ィ'f爪^ \㍉、
                       {乂x≦”ヽ//}ト、
                  r㍉r=ミ、 !i! } / イノ }
.              <_/./从/イソトトW〃^}辷}

                /イV.ヒ气、    _,.斗/}
                 Vf{弋fzx ィfzァ . /

                  ー:   i}  ' ´
                    }、 _ `  _ .′     玄さん。貴女のことを愛してやまない……!
                x≦”{ .ヽ  ̄ .イ㍉、

            ___  -‐ /  {「\_ `ー__/  }. `ー= ..,,, __
        {      /   .{   /⌒V    }  }       ヽ
         /}      .{_/  ! o./、 . くト、o /⌒ヽ.,_      }
        ./  、__   /   }ゝ'′}   { i/{     ./ }    .}
       /   ”㍉、 \    }  ./.   ',   {    /  ′./  ヽ
      .{      く:i:i}   v   }  ′   , i{.   /  {/     /
       ノヽ    }:i:}    V .}      } i{  /  ./      .′
     {   V   }Y     V .} i {      } i{       {      {
     {   V   i ! .′    } i {      } i{ .′   ./     {
      .ノ    ∨ / ∨ .′ } } i {      } i{ {    {      {
     {   ”ミ*、.{  l /    } i {      } i{ {    {x≦”
     {.′   ⌒“''*、 { /  .} i {      } i{   /        }
     .\       \{  ◯} i {      }:i:i:i:i:i:/       ノ
        \         .\ :i} i {      }:i:i:/   ‐-‐=   _/
          .\       \:i:i:{      }/          /
             \        \!   x≦  ヽ   .斗*''”
               }\     ,.斗*''”ミ*、 \ i} /:i:i:  }
           /  \  /        _∨ }_∧:i:i:i:i  }
             /   :i:i:i:i/        ノ⌒“''*、∧:i:i:i  }
         /   :i:i:i:i:/  ゝ、     ./      .\:i:i:  }
           /   :i:i::i:i:i\i{ / ≧彡、        >:i
        {   :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ー=彳:i:i:i:i:i:`ー    ‐=彡:i:i  }



京太郎「そういうことなんですから…!!」

玄「……」 ポロポロ…


京太郎「それで十分じゃあありませんか……」

京太郎「だから……俺に「アプリ」を使ったことで負い目を感じるのも、東京での俺の事情を心配するのもやめてください」

京太郎「俺は今幸せだから……それでいいんです」

玄「……うん」 ゴシゴシ

京太郎「……」 ホッ



            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
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            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `}{| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ i             ij| :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :|.  °     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘    私は……京太郎くんのその言葉だけで十分だよっ!
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.

       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.



京太郎「え…………」


玄「私のわがままで押し付けちゃった「作り物」の気持ちなのに、今の京太郎くんが「本当に私を好きでいてくれる」のはすごく嬉しいよ…」

京太郎「玄さん……」

玄「けどね……それでもだめなの…」

玄「私、寝言で聞いちゃったことが…他にもあって…」

京太郎「……?」

玄「京太郎くんにとって、「さきさん」と「照さん」は「心のふるさと」だったみたい…」

京太郎「!!」

玄「そのくらい大切に思ってる人がいて…その人たちの「トラブル」を「解決したい」っていうふうに、前の京太郎くんは思ってたんだよ…」

玄「けど……私がその気持ちを消しちゃった…」

京太郎「……待ってくれ。自分を責めないでくれ…!」

玄「責めるよ…。そんなこと言ったって……」 グスッ

京太郎「構わないのだッ!!」

京太郎「今貴女を想っている気持ち!!「真実」となったこの気持ちのおかげで、俺は幸福を感じているッ!!」

京太郎「それで帳消しでいいんだッ!!相殺されるさッ!!そのくらいのことはッ!!」

玄「うぅん……。できないよ…」 ウルウル…

京太郎「玄さんッ!!」 




玄「京太郎くんは……私が「消しちゃった」気持ちを思い出さなきゃだめ…」 ウルウル

玄「元々の京太郎くんの気持ちを「うそ」にしちゃだめ……!」 ポロッ

玄「思い出さなきゃ、だめなんだよ…!!」 ポロポロ…

京太郎「……ああ、そうかもしれない。だが、それは今じゃあないね?今じゃあないと言ってくれッ!!」

玄「……」 ポロポロ…

京太郎「時が来て東京に戻ることになったときでもいいだろう?今思い出す必要はないし……!」

京太郎「ましてや…そのために…!」

京太郎「俺の感情を…!再改変するなんてことはしないだろうねッ!!???」 ビシッ

玄「……」 ポロポロ…

玄「私は……今すぐ、じゃなきゃだめだと思うよ……」 ポロポロ…

京太郎「なぜだッ!!」

              /  .:.:.:.:.:    ...................  ` .
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           :::::: i:::::}ハ ::: /:《 f!:f:;:(_iノ'............{:::::j:ソノ}:::::::::|

            }::::八:人 i:::::::::|とぅ__:ツ.................`.てつ爪:::::{
             ;::::::: (__){>::::::::|  ///     ,  /// '::::::V:!   だって私…!
        __.′::::::{::`{  }::::::{、u         u 八:::/\
    i´ ̄    /:/{ ::八:::乂∧::::{个 .   rー~ぅ  .イ::.:.::::′ ハ   元々の京太郎くんの気持ちを「消しちゃった」ままじゃ…!
    |!     // 人 ::::::\:ド. }:. V \>´.__ . < { .|::.:.::::{  / }
    li     /::′  \:::::::: ヽ从 乂 r` 丁 }乂____V} ::::::::}/ |  申し訳なさすぎるよ…!!
    |i    /:::::{斗-  . \::::::::ヽ ≧.厶=\_.ノ'≦ ̄} |:::::::::′  {
    |!  /::::::::|    ` \::.:.:.:\   `} )=  《 |::. :./   .′

    |!. /::::::::八       ヽ:.:.:.:.:∨   .爪\   }':.: ∧   ∧



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              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i u   ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´ u/     「構わない」と…!
         //  .l  \ ヽU ゙ー--‐ ./、  
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、   そう言っているだろう…!?
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \ .
        /     l o _.. -‐ てマi   l       
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_ 
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、 
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、  


玄「だめなのっ!!」 ポロポロ

京太郎「ッ!!!」


玄「そんな後ろめたい気持ちのまま…京太郎くんと付き合えないよっ!!」 ポロポロ

京太郎「後ろめたいと思わなくていいッ!!罪悪感など忘れてしまっていいのだッ!!」

玄「むり…。無理だよ…」 ポロポロ…

京太郎「っ……!!な…ならばッ!!その「アプリ」で…何を「命令」する気だッ!!」

玄「……はじめに戻すの……」 ポロポロ

京太郎「……!!」

玄「京太郎くんが私を好きになる前…うぅん、私たちが出会う前まで…京太郎くんの気持ちを戻すよ…」 ポロポロ…

京太郎「ッ!!そ…そういうことだろうと思ったよ…!!」

玄「……」 ポロポロ…

京太郎「だがお断りだッ!!断じて認めないッ!!」

玄「そんなこと言っても……」 ポロポロ…

京太郎「絶対にイヤだッ!!君を愛するこの気持ちが……なかったことになるなどッ!!」

玄「……大丈夫。元に戻っちゃえば、「私のことを好きでいたい」とも思わなくなるよ…」 ポロポロ…

京太郎「それがイヤだと言っているのだッ!!」


玄「ごめんね……ふりまわしちゃって、ほんとうにごめんなさい……」 ポロポロ…

京太郎「そう思うのならッ!!これ以上振り回すんじゃあないッ!!」 

玄「これが…最後の「お願い」だから…っ!」 グスッ

京太郎「やめろーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!」




                         / ̄ ̄¨¨ ニ=ミ__r=ミ-- 、
                         ___/==一  ー=ミ  \ < ⌒\ 
                   厂 ̄ -―====ミ \ {  ヽ ̄ ̄ヽ- 、

                  // >―‐===ミ \ ヽ}   } }} /
                     / ー=彡  _____  \ \ } ノ /ハ¨¨>
                 /-‐=ニ二. ___ \  ヽ ∨ //' }-<
                    / 厂 ¨二ニ=‐====ミ\ }  }} } //⌒ ー‐=、___
                ∨ >‐一  / ̄ ̄ミ /⌒ー=ミ /⌒ ー―=ミ   /
                〈〈ー=ニ二 .. _/⌒)八 </´   ∧ /八  \_,/
                   }乂________彡' /  } {从  } | / :::/イリ\ \
           -‐==〈ニ二¨¨⌒ ー==彡' _ノ / ∧ リ :l/J:: {_∧}  ̄´

        ´     -‐=〕 ー=ミ ー=ニ .. ____/  :::.∨ U ::.. ノ}  リ
     /    ,/    ,八{{ Y⌒\ー=ミ}厂}  U u ⌒ヽ  ,:://{⌒〉            イヤだッ!!忘れたくないッ!!
    /    ,/    /  乂| {\ V=彡  〉-‐=ミ、_   :. }|_,ノ},}: : |
. /    ,/       l    八八(〈_ \}   /'⌒二≧=ミ辷} |f)ノ{: :|            この気持ちが「嘘」に戻るなんてイヤだーーッッ!!
-‐==ミ,/        |   |:ニ\\_      厂{rf)ノ...:::  〈'゙ |: : |
      \        |   |ニニ{\_,) \  .:`¨¨´‐'.:::..   ..::. 八: }         ヘ、      貴女を愛していたいのだッ!!玄さんッ!!
                |   lニニ八   ゚,   \    u  u 、__/ ,′}/        /   /  /\
.        }       |   |ニニニニ\__∧   :. lj U __ ..ィ ′:/       ノ: .  / /ヘ  冫 なかったことにしちゃあいけないッ!!
‐-        \、 : : . . |   人ニニニニ/《_込   :}    /`二フノ{丶>      /  ¨7´ {{__//
      く: : : : :..\ : : }     \ニニ/{i:i:i:i:i:i}|> .    ー=彡'八/   __/    :厂  ̄「  , -―=ミ  この愛を!「真実」ッ!!
      \: : : : ::::.   {__    }\} }《__》{ |   >   __ノ: ..:}  /广¨}:.     ..::/  i  .::{ ̄{[ ̄]  }
        : : : ::::}}  : : /:...  {ニニニ|i:i:i:i:| |:....∠,   /. ........:::::://. :/ ..::{::      }   | ..:::}ニ`二二¨´    永遠に「真実」のままでいさせてくれッ!!
        }: :.::/.:    /:::....   {ニニニ|《__》| |:::::.../   /. :....:::::::::/ノ : /...::::::::}    . :   / |..:::::::} {[ ̄]  }
         /. :     \::::.....::{ニニニ|i:i:i:i:| l:::: /::...../. : ...::://{  :/    {  . :/ / {  ...:厂〔匚} ̄〉





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 l..::..::..::..::..::..::..l::..::.., x=示芸x、 /::..//_,_ム///:/::.::,   }
 l..::..::..::..::..::..::..|::..::..l《 ん::刈   ̄    ん沁ヾヤ::..::..::|   ,'
 |..::..::..::..::..::..::..|::..::..| とつ ー'      匕::_リ //::..::..::..l  /
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 |::..::..::..::..::..::.( !::..::..!              ,'.::..::..::..::..!
 |.::..::..::..::..::../:::!::..::.:!}\     ,-‐-,     .ム..::..::..::..::|     ごめんなさい……っ!
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            |:l|:::: |l:::::::::: l|斗匕\:: : \    \|:::::::::: l|::::::::::: |!::::.
            |Λ:: |l:::::::::: l|     \:Г _____ノ―-=ミ|].::::::::::|l:::::.
              八 Ⅵl::::::::::八抖芋ぅ  /   /     ヽ:::::::::|!!:::::.    
                   |八ハ八Λ////// /_____|. .   \___ノ\::: |||::::::.    京太郎くん……!
                   |: /|::::::::::Λ 。J   \))) |: : : \/     ∨||:::::::.
                  (__) |:::::: /:.込、о  _____  \___ノ.        Ⅶ:::::::::.   阿知賀に来てからのことは……全部忘れてっ!!「お願い」っ!!
              从 |::::::::::::::: 个o。  `⌒′  Jl{: :  .:    V:::::::::::.
                /:/ハ|::::::::::::::::: |l:::::::: ≧ー-<_..ノ八: : . /       V:::::::::::. 
             /:/{ |::::::::::::::::: |l:::::::: : /〉}__厂 /: : \/.      --=ミ:.
            {Λ{ |::::::::::::::::: |l:::::::: /,仏{⌒ヽ::::::::::: /:        V    \
.              丿    |::::::::::::::厂 ̄ Λ:|  /:Λ___/!: :       V  . . ハ
               /|:::::::::::/  | ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄|: :.         V⌒ : : :|

                      ,.      _  ,ィ  ;'!
                    /| /|    l;| f;;| /;;|       _,,,,
                ハ   };;! /;;|.    i,;| };;レ;;;;{   __.,,,ィ;;;;;;;/
                };;!  |;;レ;;;;;}    j;;;-‐;;lク;/   ゙ー‐'¨コ;;;;/
                 |;;i /;;;冂;;| -=┐匚l;;/   _,,ィ;´;;;;;;;;;二ニニ=━ ,イ
                };;レ;;/!;;ニ;;;|   /;;;;;/     `´  ̄ ̄     ,イ! |;/__,、
               /;;;;;i/;;;;| |;;| /;;イ;;|               j;;;;二-ァ;;;;;;/

              /;;/!;;;;/V |;;! '¨´  l;;;!               j;;/   /;;;/
             ///,;;;|    ´    |;;|               l;;I //
           /¨´/'"´|;;|           l;;!               `’/;;/
                   !;;!                      ,ィ}   ,'/
                  l;;|                      ,┐  /;;/__,、
                    |;!                {;;;二´;;;;;;;;;;;;;;;/
                                     j;;{   ̄};;;;;;/
                                   ム′   j;;;;/
                                      //

                                     ∠/
                         / ̄ ̄¨¨ ニ=ミ__r=ミ-- 、                          }}
                         ___/==一  ー=ミ  \ < ⌒\                       __,==,.'
                   厂 ̄ -―====ミ \ {  ヽ ̄ ̄ヽ- 、                  //

                  // >―‐===ミ \ ヽ}   } }} /                   //
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                    / 厂 ¨二ニ=‐====ミ\ }  }} } //⌒ ー‐=、___               ||
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. /    ,/       l    八八(〈_ \}   /'⌒二≧=ミ辷} |f)ノ{: :|            i {
-‐==ミ,/        |   |:ニ\\_      厂{rf)ノ...:::  〈'゙ |: : |            \丶
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                |   lニニ八   ゚,   \    u  u 、__/ ,′}/        /   /  /\    あああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!!!
.        }       |   |ニニニニ\__∧   :. lj U __ ..ィ ′:/       ノ: .  / /ヘ  冫
‐-        \、 : : . . |   人ニニニニ/《_込   :}    /`二フノ{丶>      /  ¨7´ {{__//
      く: : : : :..\ : : }     \ニニ/{i:i:i:i:i:i}|> .    ー=彡'八/   __/    :厂  ̄「  , -―=ミ
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                        , ´    /     :    、   ヽ
                       /     /  '      |  |   ∨    :.
                     ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
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                      // / { | { .|、 |  , }/ }/  /  }    {
                     / ,..イ , } |\{::/{_/  /   乂__ ..`ニ=ミ∨
                        ̄´  |∧ 「{{`fッミ}u,_...:厶斗匕  {彡/⌒i }ノ
                          八}`¨ニノ ⌒K¨亙>  `´ノ⌒} |´
                             /::... u ゙^     .:/ _}:;ノ ノ     俺は諦めんぞッ!!
                              ', 〈、_,      u /  (__,彡′
                                  __   U   / u /{//        たとえこの気持ちが「嘘」に回帰しようとッ!!
                                 i ‐-`丶  ij  / レヘ
                               } u       / // ノ{        必ず再び、「真実」の愛へと帰り付いてやるッ!!
                                 \__ ..  u< ///: :〉
                            厂\ __///   /⌒\__
                              . -‐/}/⌒⌒ヽニニ. /   ,//⌒ー-->‐-
                           / /〈_/::::::::::::ノ }ニ/    /    ,/     .
                     / /   >ー=彡八/  ___,/  .....::/     ____゚,
                    く /   /::::/'ニ  /   \  .::::/     /
                   _/ {   / }}:::/^) ,//     / ...:::/   /       i
                    /}   /  /:=彡::/__/ /     / .::: /          |
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  rュ             φ:.::./:.::.i::.::.:i::斗テ宀ミ .::.::.:\.::.∨斗宀弌ミ:/j|::.::.: j :.::i::.:.|  
┌─ 、        ○ o:.::./i ::.::i::.::.:〃 んuノハ \|\|\| んuノハ ∨|.::.::.リ.::.::i::.:.|  
  ̄)丿         {.::.:;.: i .::人 ::.:{i {::.. ..:::}       {::.. ..:::} レ.::.::.::.i.::.::i::.:.|  
  /> __     __ xく>'|:.::i::.::.::.::.ト、| とつ_ノ         ゝ._(つo厶ィj .:: i.::.::i :八    
  \> ゙っ) /::.::.::.::.:/ |:.::i::.::.::.::.i:|////   ′    ////|:! ::.:i.::.::i::.::.::.:、          京太郎くん……!
       '⌒ア.::.::.ノ  ノ:.::i::.::.::.::从                   从:: ノ.:: 八:.::.::.:\


京太郎「だからその時まで…!この須賀京太郎のことを忘れるんじゃあ―――」

玄「きょ―――」


          ∧
            /  \   / ̄\
            \   \/     \
             \     /\   \
            \   、  \   \
                /  ,  \  \   〉     /|
            /  /\   \  \/ く\く\ |  |
              /  /   \   \    V ∨ |  |
              \/       \   〉       |/
                      \/



京太郎「……ハッ!!」

玄「!!」 ビクッ

京太郎「………!!??!?!?!」 キョロキョロキョロキョロ

京太郎(え……ここはどこだ…!!??)

京太郎(確か俺は……家を訪問してきた晴絵と談笑に興じていたはずだが……)

アナザー京『……相棒。ここは阿知賀だぜ…』

京太郎(……阿知賀~~~ァッ!!??)


京太郎(何をバカなことを言っているッ!!俺はさっきまで自宅にいたのだぞッ!!??)

アナザー京『……色々あったんだ。色々…な』

京太郎(はぁ…?まるで意味が分からんぞッ!!)

アナザー京『この高台。てめーも知ってるだろ』

京太郎(え……?……確かに、見覚えがあるような……) キョロキョロ

京太郎「!!」

玄「……」 ウツムキ

京太郎(彼女は……確か、晴絵の弟子の…松実玄?)

京太郎(なぜここに…?)

京太郎(というか、俺と一緒に…この高台に…??……?????????)

アナザー京『相棒。てめーはしばらく晴絵の『実現した伝説』の実験に付き合わされてたんだ』

京太郎(なにッ?)


京太郎(おい…それはどういうことだ?)

アナザー京『さあな。おれもアイツの『スタンド』の効果で操られてたせいか、イマイチ覚えちゃいねえや』

京太郎(なんだそれは…!ふざけているのか…?!晴絵のヤツ、なんてことをしてくれたんだ…ッ!!)

京太郎(俺は今こんなクソ田舎で遊び惚けている暇はないのだぞ…!!)

京太郎(一刻も早く、宮永家の闇を解決せねばならんというのに…!)

アナザー京『……ああ。そうだったな』

京太郎(ちぃっ……。明日の昼までに東京に戻れるのか…?せっかく予約した長野行の新幹線のチケットが無駄になってしまうぞ…!)

アナザー京『……あー、それなら多分とっくの疾うに日程が変わってるからどの道無駄だぜ』

京太郎(なにッ!!!??)

アナザー京『おれたちは阿知賀に来て今夜で6日目みてえだからな。仕方ねえ』

京太郎(なんだとーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!????)

京太郎(は…!晴絵のヤツッ!!次会ったとき、必ず文句を言ってやるッ!!!そうでもしなきゃこのムカつきが収まらんッ!!!)

アナザー京『ああ、そうするといい…。とりあえず今夜は、ビジネスホテルにでも泊まって……明日の朝にでもここを発つか』

京太郎(当然だッ!!俺には時間がないのだからなッ!!) イライラ


玄「……」 ウツムキ

京太郎(というか……何故かここに一緒にいる松実玄。操られていた(?)間に何があって彼女とここにいるのかまるで分からん)

京太郎(会釈くらいして……そのままフェードアウトしてしまえばいいか…?) ペコリ

玄「……っ!!」

アナザー京『……相棒。早歩きで行け。急げ』

京太郎(ん?あ、ああ……) スタスタスタスタ

アナザー京(……わりいが、おれには何もフォローはできねえ……)

アナザー京(世界が「1巡」しても……松実玄とは、ここで別れる運命だったか……)

アナザー京(やれやれ、だぜ……)




玄「……さよなら……」 ウルッ

玄「さよなら、京太郎くん……」 ウルウル…

玄「大好きだったよ…。短い間だったけど…恋人になれて…っ……幸せだったよ…っ」 ポロ…

玄「また会える日が…っ。う…く…っ、来ると……いいなぁ……っ」 ポロポロ…

玄「……ぐすっ……っ…うっ……!」 ポロポロ…


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       l!':::乂!:::::::':,::::::::',:::::|:::|::::::::::::::::|    ̄ ̄    |:::::::::::::::::::::::,::::::::::::/:::::::::::::::::::::|

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後は後日談を書いて終わりだけどそれはまた後で

確かにこのままクロチャーが命令上書きせずに
京太郎と結ばれるんでも良くね?とは一瞬思ったんですけど、
それだと宮永家の闇解決されずに京太郎が阿知賀に永住しちゃうifストーリーになるな、と思ってやめました
最終的には本編に繋げたくて·····。
でも、ちょっと真面目に考えてみると、
最後までクロチャーがワガママを通してしまうと、
それこそ考え方の上で人間やめちゃってると思うんですよね
「なんでも命令できるアプリ」っていうギャグテーマが始まりではあるけど、
「愛」みたいな人間らしさが絡んでしまったので、
そこでクロチャーが人間やめた考え方しちゃうと、
人情の複雑さゆえの悲劇も生まれなくなっちゃうし、
人間の素晴らしさとかも霞んでしまうのかなと
後味の良くないものを抱えたまま京太郎と交際していくより、
切なくて辛い選択だとしても、最終的には自分の欲求だけじゃなく、
京太郎を想う選択をできたクロチャーは、
真実の愛を体現した素晴らしい人間ということになるんじゃないかと思いました

ギャグ貫いてハッピーエンドより、
カーズDIOすこやんとかとは違う人間らしさを見せるクロチャーが書けたのでまあ満足です
何が言いたいかと言うと>>1はクロチャーがだいすき

やっと帰ってこれたんで更新するでー

出先で書き込みすると改行ないから糞読みづらくて草だ

~翌日~

―阿知賀女子・麻雀部―


晴絵「……なるほどね」

晴絵「帰ってきてみたら京太郎がいないと思えば……1週間の間に、そんなことがあったんだ…」

玄「……ごめんなさい。私のわがままのせいで……」 グスッ

宥「玄ちゃん……」

玄「結局最後まで……私の勝手で京太郎くんを振り回しちゃって…「アプリ」を開発した赤土さんも不本意な結果になっちゃって…」 ポロポロ…

晴絵「いや……こうなることを予測できなかった私も悪かったよ」

晴絵「アイツは水も滴るイイ男だからな~。年頃の女の子が好き放題できることになっちゃったらそーなるのもうなずける。うん」 ウンウン

玄「……」 ウツムキ

灼「……」

穏乃「……」

憧「……」

宥「……」

晴絵「……アハハ。なんつって」

憧「ハルエ……」 ジトッ

晴絵「いや…めんごめんご」


晴絵「でも、まぁ……そうだな……」 ゴホン

晴絵「私はね。多分皆が想像してるより3倍は長く生きてるけど……」

宥「3倍……?」

穏乃「普通に26歳じゃないんですか」

灼「またハルちゃんが変なこと言い始めた……」

憧「ハルエ、そういうこと言う場面じゃないって分かりなよ…」

晴絵「……いやゴメン。でも大真面目な話な?」

晴絵「長く生きてると、色んな人との出会いと別れを繰り返すもんなんだよ。中には辛い別れだってたくさんある」

晴絵「皆だってもちろん今までの人生の中でそーいう経験はあるだろ」

宥「……はい」

晴絵「もちろん、中には再会が期待できる別れもあるし…また会うのを楽しみに思えるものだってあるよね」

憧「……うん」

穏乃「そうですね……」

玄「……」


晴絵「私の場合、特に珍しいとは思うんだけど……1度、今までの人間関係が完全にリセットされちゃったことがあってさ」

灼「……?」

晴絵「会う人会う人が初対面みたいな感じになっちゃってさ。そりゃあもう最初は困惑したし、辛いこともあった……」

晴絵「何の因果か、まだ再会できてない人だってたくさんいるし……前とは違う出会い方をした人だっている」

晴絵「前と同じような出会い方をして、昔みたいな関係を築けてる人たちもいる。……皆のことなんだけどね」

穏乃(……どういう意味だろう……?)

憧(こども麻雀クラブが解散になったときの話…?)

晴絵「けどさ。そういう体験をしてるからこそ……分かるんだ」

晴絵「玄。今回の辛い別れは、間違いなく玄を成長させてくれるんだよ」 ポン

玄「……」 ウルッ

晴絵「京太郎っていう非日常の存在が舞い込んできて、いろんなことを経験したろ?」

晴絵「楽しかった思い出もできただろうし、最後は辛い思い出になっちゃったりもして……」

晴絵「話を聞く限りだと、舞い上がっちゃってワガママ通しちゃったりもしたみたいだね」

玄「はい……」 


晴絵「けど……最後には、京太郎のことを考えて、自分のワガママを曲げられたんだよな?」

晴絵「私は、そこが一番偉いと思う」

玄「……っ」 ポロポロ…

晴絵「最後の最後までワガママを通しちゃうっていうのはな……それは子供のやることなんだ」

晴絵「子供のやること、ってことは……まだまだ人として未熟なヤツのやること、って意味にもなるし…」

晴絵「時と場合によっちゃあ、人の心を捨てた外道のやることと変わらないことだってある」

晴絵「特に今回の場合はそうだ……」

晴絵「もし…京太郎の事情を全く勘案せずに…アイツの言葉に甘えて自分の好意を押し通しちゃってたら……それは「悪党」のやることだったよ」

玄「……」

晴絵「本当の意味で誰かを「愛する」ってことは、自分の不本意な結果になろうと…なんだろうと、「最後まで相手を思いやりきる」ことだ」

晴絵「玄はそれができた。上っ面の愛に溺れて京太郎の人生を支配して満足する…なんてことはしなかった」

晴絵「その意味で…玄はすごく人間として「できた」ヤツだなぁ、って感心してるよ」

玄「……赤土さん……」 ポロポロ…


晴絵「でも、ここで一つ…人生の先輩からアドバイスを送らせてもらうとさ」

玄「……」 ポロポロ…

晴絵「この悲しみを引きずっちゃあいけない。悲しみ続けるのはダメだ」

玄「そう…言われましても…」 ポロポロ…

晴絵「何を泣いてんだ、って話だよ!」 ポン

晴絵「何も今生の別れじゃあない。長い人生、生きていればまたどこかで会う日が来るよ」

晴絵「私の旧い弟子なんだから、また何かしらの理由をつけて呼びつけることだってできる!会う方法はいくらでもあるんだ」

玄「……」 ポロポロ…

灼「……でも……」

晴絵「……そういう問題じゃない、ってか」

晴絵「確かに……次に会う京太郎は…玄と愛し合った京太郎じゃあないよな」

玄「っ…!!」 ポロポロ…


晴絵「けどさ……いつかは玄にも「運命の相手」ってヤツが現れるだろーけど…」

晴絵「もしかすると……再会した京太郎その人が「運命の相手」」かもしれないだろっ?」

玄「……」 ポロポロ…

晴絵「これについては、まぁ……保証しかねるんだけどね…」

晴絵「なんたって、運命の女神ってヤツはイタズラが大好きみたいだから……」

晴絵「私は「運命の相手」を待って何十年にもなるけど……未だに出てきやしないから待つのはもうやめたくらいだしさ」 ハハハ

灼「ハルちゃん……」

穏乃「……だ、大丈夫ですよ!まだまだ赤土さんは若いですし!!」

晴絵「うん、まぁ、見た目はね?」

憧(確かに中身はよぼよぼよね……。センスも古いし……)


晴絵「……で、玄!」 ゴホン

玄「……はい」 ゴシゴシ

晴絵「運命の女神はね。頑張ってる子とかマジメな子…玄みたいないい子のことは大好きらしい」

晴絵「もしかしたら、再会した京太郎のヤツを「運命の相手」に選んでくれるかもしれないだろ?」

玄「……」

晴絵「とにかく、今はくよくよしないことだ」

晴絵「ヘコんだままだと、女神がくれたチャンスもフイにしてしまうかもしれない」

晴絵「前向きに前向きに……進んでいった者だけが、チャンスを掴み取れるんだからね!」

玄「……はい」

晴絵「玄の人生は恋愛だけじゃないはずだよ」

晴絵「まずはインハイ。ずっと会いたかった和との再会を果たすためにも、勝ち上がる力を身につける」

晴絵「応援してくれてる人たちの期待にも応えなきゃだしさ」

晴絵「落ちこんでるときは、ひとつひとつ……。やらなきゃいけないことをこなしていけば、おのずと何とかなるもんだよ」

玄「……はいっ」


晴絵「それに白糸台と当たるってことは京太郎とも当たるんだから……情けないところ見せられないだろ?」

玄「……!!」

晴絵「これは珍しいパターンかもしれないよな」

晴絵「やるべきことをこなしているうちに訪れる「チャンス」ってのが明確になってるってのは……そうそうない」

玄「……インハイで、京太郎くんと会える……」

晴絵「そうだ。立ち直って前向きに走り出したら……その先には「チャンス」が転がってることが保証されてるんだぞ?」

晴絵「どう?くよくよしてもいられなくなってきたろ?」

                      -――-
                . . : : : : : : : : : : : : `丶、

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            /::/::.:: /::.::.::./:|::.::.::.::.:|::.::.::.::.:i.::. ::.:

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             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
            /Ⅵ:|::.:|'. ::、::、  '   ::、::、 /|: | ::.|    ……はい!!
             ,::/゚|::.l :.仏     __     厶|: | ::.|
            .:/::.:|::.| :.|:个: . .  ‘ ’   . :介/::/::八
          /::{/{∧::.::.i.::|〈  {≧ ‐≦}  |/::.::.: /ヽ::..
            / ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
.           / ::.::.」 // \く>、∨|  /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
          /::.::. 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 .::.::.:\
       /::.::.:/       〈  -={_}=ー 〉`     \ .::.::.::.::\
.      /.::.::/{          人_,/| |\_人       ト、.::.::.::.::.: \


宥「玄ちゃん…!」 ホッ

憧(ふぅ……良かった。流石にまだまだ傷心だろーけど……)

穏乃(立ち直っていけそうで、何よりだねっ!!)

灼(……やれやれ……)







晴絵「じゃ、久しぶりに皆に指導しなくっちゃあね!」

晴絵「練習再開だ!!」

阿知賀女子一同「はい!!」


玄(京太郎くん……)

玄(お別れはさみしいし……今もまだ、辛いけど…)

玄(京太郎くんが今やらなきゃいけないことをやるために帰ったんだから……私も目の前のことをひとつずつ頑張っていくよ…)

玄(京太郎くんはすごいもん……。きっと、今も自分の道をまっすぐに進んでいるはずだよね……)

玄(だったら……私がへこまないでいたら…ふたりとも、前を向いて歩いていくんだから…)



                                        __
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                {:(       /" ̄ ̄ ̄ ̄/::/::::::/::|:::::!__/;イ::/l:::斗!|:{ |:| l:「!i:}
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                       ` `ー――- __ , イ/::/::::/:,. 、::l:::::l伝丁` ム '乏灯ハn /.ハ
                       `二ニ=‐-::::::::::::::::::::/:/:: {⌒゚l :::代ツ     ゞ' ハ::〈イ ヾ {
               , -‐:::二_____:::::::::__//::::::::人___l:::::|""    ` ".::l::::::ヽ_  У`ー-   (いつかまた……きっと会えるよね―――!!)
. __       \、  // ̄  , ィ´:::::::::::::::::::::::::ア::://__  イ l:::::|  ( ̄ア  イ:::|:::::::|入 ̄       `ヽ
_ヽ\マ、      `ー//===テ´:::::::::::::::::::::,、::::>-‐´ ̄ ̄    八 l:::::ト` x _´ .イ .l::::|:::::ⅰ `ト         \
.\`   `>==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _  \     |     ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ::ハ  `  、         }
.r- `  /ミ             ` ー _      - _ \  .|     ヾ「 ̄`r{:.:.:.:.{ { 彡イ::::::ヽ_  ヘ      __ノ
. `  ̄└- _                   ―       ` /        入:.:.:水\__ト |  ̄ ヽ:::::ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄
          アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐--   ____/        ー、:.`:./ λ:.:/ :.    }::::::|ヽ.
          //  {::::/_ イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/ `ヽ、.      ヽ∧/  ´  |     l:j::::| リ
       `ー=ニ二二__::::::::::::イ:::::::::::::::/_r‐く    `       o      丿  ノイ:::ノ
        `ー―一'::::::::::::::/| ̄`>‐  ̄      ヽ、    ィ __    ´   ー‐ '
           ` ー―一「 ̄ ̄:.:/   くヽ         ー一o  /
                マ:.:.:.:.:./    \\       o   r´
                      }:.:.:.:ハ      ー`   -―一 ´ r'ーf
                rー ´:.:.:.ヽ      \    o __ィ  /__:.:|
                 ヽ:.:.:.:.:.:.:/\__      ` 大o  /:.:.:.:`ヽ
                     \:.:/:./:.:.:.:.:.:`ヽ   /{:.:|ヽ/:.:.ヽ:.:.:./
                      `У:.:.:.:.:.:.:.:ハ`´:.:.:.:ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:〉´|
                    ィ'`ー、:.:.:.:.:{:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:\_/ λ
                   {三三三天 ̄ ̄|:.:.:.:.:.:._イト----一 /|
                     ` ̄` <_入    ̄ ̄_ハ|////////|
                          `マ ̄ ̄///ハ.////////|
                           V//////∧///////
                           ∨/////.∧//////’

                              ヽ//////ハ/////.j

~数日後~


―東京・白糸台高校……西棟・屋上―




                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/    …………。
           / / \ ヽ__      __/ー一
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ



同輩「須賀!須賀!」

京太郎「……同輩」


同輩「探したぜ~!昼飯、食いに行かねーか?」

京太郎「……いや、遠慮しておくよ。食欲がないんだ」

同輩「はぁ~?」

同輩「真っ昼間からこんなとこでなにを黄昏てんのかと思えば……」

同輩「健康には気を遣うおめーが食欲ねーって……大丈夫か?」

京太郎「……どうだろうね」

同輩「どうだろうって…おいおい…」

京太郎「……」 ジーッ

同輩「……空になんかあるのか?」

京太郎「……いや。今は…ないね」

京太郎「星が……見えない」

同輩「え?昼なんだから、当然だろ?」

京太郎「……ああ。当然と言えば当然のことなのだ」

京太郎「しかしね……。何故か無性に……満天の星空を拝みたい気分なんだよ…」

同輩「点」

……みす

同輩「探したぜ~!昼飯、食いに行かねーか?」

京太郎「……いや、遠慮しておくよ。食欲がないんだ」

同輩「はぁ~?」

同輩「真っ昼間からこんなとこでなにを黄昏てんのかと思えば……」

同輩「健康には気を遣うおめーが食欲ねーって……大丈夫か?」

京太郎「……どうだろうね」

同輩「どうだろうって…おいおい…」

京太郎「……」 ジーッ

同輩「……空になんかあるのか?」

京太郎「……いや。今は…ないね」

京太郎「星が……見えない」

同輩「え?昼なんだから、当然だろ?」

京太郎「……ああ。当然と言えば当然のことなのだ」

京太郎「しかしね……。何故か無性に……満天の星空を拝みたい気分なんだよ…」

同輩「……」


同輩「……どうしたんだ?おめー…」

同輩「何か悩みでもあんのか?」

京太郎「……悩み、か…」

同輩「先週、部活を1週間休んでたのもヘンだけどよ…」

同輩「その前も、帰ってきてからも、なんかおめー……焦ってたっつーか、思いつめてるカンジがしたけど…」

同輩「それと何か……関係があるのか?」

京太郎「……いや。それについては、既に「解決した」んだ」

同輩「そうなのか?」

京太郎「ああ。ちょっとした…「トラブル」を抱えていたのだがね」

同輩「「トラブル」……」

京太郎「難儀したよ。だが、俺は俺のやらねばならないことをやり…できる限りを尽くして、最善の結果を導き出せた」

京太郎「その件に関しては何も問題はないし……スッキリとしている。「トラブル」を解決した日の晩は久々に熟睡できたさ」

同輩「そりゃあ良かったじゃねーか」


同輩「けどよ……じゃあおめーは、なんで泣いてんだよ」


                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ }/゚ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i i   ! .ノ .i ) }j/
            / /i !  |! ° 弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /    え…………。
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、



京太郎「……ちぃっ。またか…」 ゴシゴシ…

同輩「……」

京太郎「最近、少し身体がおかしいんだ…」 ポロポロ…

京太郎「ふ…とした瞬間、気づいたら……悲しくもないのに涙が零れてきて…」 ポロポロ…

京太郎「それが、止まらないんだよ…」 ポロポロ…

同輩「な……」

京太郎「真剣に、医者にかかることを考えているくらいさ……」 ゴシゴシ

京太郎「拭いても拭いても…ワケもなく涙が溢れてくるだなんて…っ……おかしいだろう…?」 ポロポロ…ゴシゴシ

同輩「須賀……」


京太郎「俺は…どうしてしまったのだろうね……」 ポロポロ…

京太郎「辛いことがあったわけでも…悲しいことがあったわけでもないのに…」 ポロポロ…

京太郎「なんだって……っ。こうも…っ……泣けてくるんだろう……?」 ポロポロ…

同輩「……ホントに、なんもねーのかよ?」

京太郎「……それすらも……っ。……分からんのだ……っ」 ポロポロ…

京太郎「何か…何か大事なことを忘れてしまっている…っ。そんな虚無感だけしかないんだ…っ」 ポロポロ…

同輩「……」

京太郎「何だろう…?何を忘れているのだろう…?この心の空洞にあったはずの何かは…何なのだろう…?」 ポロポロ…

同輩「須賀…」

京太郎「大事なこと…大事だった気はするんだ。でも、本当に大事なことを…忘れてしまうものだろうか…?」 ポロポロ…

同輩「……」

京太郎「分からない……。分からないんだよ、同輩……。」 ポロポロ…

京太郎「何を忘れてしまったのか……。なぜ忘れてしまったのか……。何も、何も分からないよ…」 ポロポロ…

同輩「……やめとけ!やめとけ!」

京太郎「……」 ポロポロ…


同輩「何で辛いのかも分かんねーのに泣いちまうってのは……」

同輩「きっと、思い出そうと必死になりすぎて……その焦りでストレスを感じてるからじゃねーのかよ」

京太郎「……焦り……」 ポロポロ…

京太郎「俺は……焦っている…のか…?」 ポロポロ…

同輩「ああ。きっとそうだ」

同輩「ホントに大事なことなのに忘れちまうなんて……そんなことは滅多にねえよ」

同輩「滅多にねえからこそ、焦っちまってるんだろうぜ」

京太郎「そう、か…」 ポロポロ…

同輩「どうしても思い出せないってなら、そりゃ割り切るしかねえって」

同輩「俺たちゃちっぽけな存在だからなー。ワケもわかんねえことが自分の身に起きてたら、どうしようもなくなっちまうこともあるぜ」

京太郎「……」 ポロポロ…


同輩「けどよ!それにしても……どうした?!どうした?!」

同輩「全っ然須賀らしくねぇぜッ!?」

京太郎「なに……?」

同輩「「須賀京太郎」15歳、彼女はいない」

同輩「部活は真面目でそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男…」

同輩「なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため女子マネージャーにはもてるが」

同輩「先輩や顧問からは買い出しとか使いっぱしりばかりさせられている」

同輩「……何も知らねーヤツ…。中学の同級生とかからすれば、お前の印象なんてこんなもんだ」

京太郎「……」

同輩「けど、俺は知ってる……。」

同輩「須賀!おめーはとことん…クールなヤツなんだぜっ!!」

京太郎「……」


同輩「おめーは……どんな不幸な「トラブル」に見舞われようと……冷静に物事に対処し、最後には切り抜けちまうようなヤツだろ?」

京太郎「……」

同輩「そんなおめーが…ちょっとした理不尽にも対処しきれず、焦って泣きまくっちまって……それでどーすんだよッ!!」

京太郎「……!!」

同輩「俺の知ってる須賀なら……自分の身にワケわかんねーことが起きちまったところで、ポジティブにポジティブに何とか乗り切っちまいそうなもんだがな」

京太郎「……ク、フフ…」 ゴシゴシ…

京太郎「……同輩。やはり君は…怖いくらい、俺のことをよく分かっているね…」 ゴシゴシ

同輩「……へへっ。そりゃー、俺は「須賀の同輩」だからな!」

京太郎「……君の言う通りじゃあないか」

京太郎「俺が何か…大切なことを忘れてしまっているのだとしても…」

京太郎「どうしても思い出せない」というのなら…それはそれとして割り切って…受け容れるしかないな…」

京太郎「「何かを忘れてしまっている」この状況を放置したところで……直ちに影響が出るとも思えん。もしそうなら、それはその時に対処すればいいだけだ…」

同輩「須賀……!」


京太郎「ならば今は……とにかく、「忘れた何か」には触れずに暮らしていけばいい…それだけのことだ…」

京太郎「虚無感とて……時間経過でいつかは和らぐ」

京太郎「いつも通りの…穏やかな生活を送っていけば……次第に日常へと還っていけるか…」

同輩「……ああ!そうそう、きっとそうだぜ!」

京太郎「フフ……。同輩、感謝するよ…」

京太郎「慣れない事態に少し戸惑って…対処法を見いだせずにいたが……君という理解者がいたおかげで、助かった…」

同輩「まぁな!」

京太郎「やはりこの須賀京太郎に運は味方している」

京太郎「このタイミングで君が俺を屋上まで探しに来たという時点で、運命が俺を立ち直らせようとしていた…そう思えてくるよ」

同輩「お!そのポジティブ思考……いつもの須賀じゃねーか!」

京太郎「フフフ。きっとそうさ…。悩みを抱えてストレスを感じ続けるというのは、俺の性に合わんからね……」


同輩「よしっ!じゃあ、立ち直ったところで……ラーメン食いに行こうぜっ!!」

京太郎「ラーメン…?ラーメンか…」

同輩「家系な!今は豚骨に飢えてんだッ!!俺ッ!!」

京太郎「いや、折角の誘いだが遠慮しておくよ。家系ラーメンなど、健康を害すだけだし…匂いも染みつく。何もいいことがない」

同輩「なぁーッ!!いつもの調子に戻ったと思ったら、やっぱり付き合いは悪いのなーッ!!」

京太郎「フ……。それが、この須賀京太郎だ」

同輩「ったく……。しゃーねーなっ。一人で行ってくっか~」

京太郎「ああ、そうするといい」

京太郎「それじゃ…また」

同輩「ああ。明日の部活でな!」

同輩「明日もインハイに向けて……頑張ろーぜ!」

京太郎「ああ……そうだね…」

京太郎(……そうだ。俺は決して……挫けない…折れない…落ち込まない…悩まない…!)

京太郎(ストレスを感じないことが健康…ひいては「幸福」の秘訣だからね……)



             }{ { / / / ノ   ,ノ }| 八{ `丶、ー=彡く    /〃 /
           / ___} {/ /〃/}} / 八〈 r‐=ミ \ー=ミ゙\___,// |  |
        .///:} { 〈〈(〈 ,ノハ/ ./.イ }} ヽ__(ヽ: : }⌒^^^^^゙7}{ |  |
.       -=二 ./ ノ人 ハ}}}〈(_ノ//ノノノ〉 ⌒ヽ}:...八       }{ |  |
         ./ イ(___/ {/,}厂 ̄`^ー=彡      し::.. \   | }{ |  |
          ..'/乂___ {{  }〃:......: ...: : .   :.      \:::...丶  | }{ |  |
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.        }'  / =彡ヘ,_}{ :... }}.::,ハ     \__       ヽ:. | }{ |  |: : : : : .
         // イ⌒ハー=ミ  ヽ{{ :{{ ,                 :... | }{ |  : : : : :
            { / レ}从八\i八V{{ぅ」::...            |:. :| }{ | ..::ヽ: : :/
           '′   レ} V八\ヽ) ^゙⌒ヽ    ,     |:: :| }{ | ...::::八}/
                 {/     ーヘ  ...::..   ./       l:: :| }{ | :.::/ {{
                           ゚, 〃  .:/  /     /{|/⌒|    〉
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                                  / ,ノ{i:i:i}|     |{/
.     俺は……                          / { /i:i:i}|    // ,
                                 {:... |i{__}}:i:|  ...:{ { /

.      「幸福に生きてみせるぞ!」           7 :|i{[]{i:i:|  : ::} l//
                                    |i}:i:i:i:i:| . . ..:|//
                                      i  |{i:i:i:i:i:|. : . ...:|/
                                      |  |{i:===|. : : ::::|.:::.. /
                                      | .: |{i:i:i:i:i:|: : : ::/ ::/
                                      |: : |{__}}i:i:|: : /{...:/

〇京太郎から玄への内部好感度が「200」になった!(もし京太郎が本編で記憶を取り戻すようなことがあれば、この値から好感度を計上します。)

〇【真実だった虚構】を習得した!

【真実だった虚構】(自動)
・和了コンマ或いは打点コンマが96だった場合、発動する。
├ この局から2局の間、自分の使用する点数計算表は「ドラゴンロード版」になる。
└ 次の局、和了判定値+96


〇精神力値が5上がった!(逆境補正込みで145(S)→150(SS))

〇精神力値のランクアップに伴い、[幽波紋]による麻雀力補正が10上がった!

〇攻撃力・防御力・速度経験値が15上がった!

〇麻雀センスが5上がった!

2週間くらいこのα章でクロチャー小ネタをやってたのか……長かったですね

最初は京太郎に好きな命令をできるだけのアプリのつもりだったので、鬼畜ヒッサに飲尿させられたり、怜の尿瓶を取り返させられたりとか、

純粋にネタに走ろうかと思ってたのですが、「好き(ダブルミーニング)にできるアプリ」とのことだったので、純愛要素を盛り込んだら鬼のように長くなってしまいました

何気に、今まで短編とかあんまり書いたことなかったと思うんですが……


       /: : :______/ / : : : : : / /: /  |: : : : : :|ヽ: : : : :ヽ\
       /: ''7´: : ∧: : :/:/ : : : : : /  ∨ /   :|: : : : .:.: ||',: : : : :‘,\
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    (:(  /: : : : : |: >┘|: : :.:/ _,,x====ミ \ ′ : //  :リ ': : : : : :.|ヽ |
     \/_: : : /: : _: :∧: : |⌒ん::::::l |    /: : /厶斗<| : : : | ト | |、
.      / ̄: : : / : / |: :|V\|  | {::::: リ  ,厶イ  宍ミ、  |: : : : :| |: |∧ヽ
     /: : : :.:.:八: 圦 |: :|:     乂_少'        ん::l|\./|: : : : :| |ノ  ': i
.    /: : : : : : : :.:\(ヽ|: :|   //////          | {:::リ  {/: : : :./l/    }ノ
   / : : : : : : : : : / \|: :|ヘ                 ヒ少 _/ : : :/ノ  _/
  /: : : : : : : : : :./ __.|: :「`,>、   l⌒    、   //// TTТヽ\
/: : : : : : : : : : :/    |: :|Y \ ., 乂    \      ||:|  ) )
: : : : : : : : : :.:〃     八::l |   \≧x._ ‐---‐'     ,.ィ: |:| /
: : : : : : : : :/{___      | |  /     \ニニ===ニ二    :|:|      どやった?!
: : : : : : / ̄          |  ′      ', ) /\´ ̄\:|:|
: : : : /_           ∨       ├{ { 、 }    /:/
: :/{    \         /|        | ノ }/  T   /|


>>1的には満足のいく出来のものが書けたと思うんですが、いかがでしたでしょうか

評価とか感想とかいただけたら幸いです。今後の励みにします

ちなみに>>1は現実で「やらねばならないこと」に相当追い詰められてるので、7月27日までは多分ホントにほとんど更新できません

気晴らしに更新するとかそういうのはあるかもしれませんが……

まぁこのクロチャー短編に熱意注げるくらいモチベはちゃんと保ててるので、その点については安心してください

7月27から先についても、やらなくっちゃあならないことが色々あるので以前のような更新頻度では更新できないとは思うんですが、

今回短編書き切って、尚更ちゃんと完結させるぞーという意志が強まったので良かったです

それではまた!



             _
           \ヽ, ,、
                `''|/ノ
                |
         __     |
         \`ヽ、|

           \, V
              `L,,_
             |ヽ、)        ,、
             /        ヽYノ
               /       r''ヽ、|
            |        `ー-ヽ|ヮ
            |              `|
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           / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
         /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.

         /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘
         {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
        rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{
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        {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
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     イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{         ┼ヽ  土  十
     ://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{          d⌒)   し   つ


『須賀京太郎の奇妙な冒険 第二部「須賀京太郎は静かに暮らしたい」

幕間:「京太郎を好き(ダブルミーニング)にできるアプリを手に入れたクロチャー」』 完

だいぶ久々ですが、更新再開します!

同輩が爽に弟子入りする的なやつでしたよね?日付変わるくらいまでしかやれないんでぱぱっとね

これは1回戦後…あったかもしれない話…(ただし結果は本編にフィードバックされる)



―四谷―


京太郎「はぁ……」 イライラ

同輩「いい加減機嫌直せよ~須賀~」

京太郎「そいつは……人の気分を害した君に許される台詞だろうか?」 ギロリ

同輩「う……だからゴメンって言ってるだろ~」

同輩「でもしょうがねーだろー!個人でやってる回らない寿司屋なんていつ休みになるか分かったもんじゃねーしさー」

京太郎「……はぁ。極上だの絶品だの言う君の口車に乗せられて、わざわざこんなところまで出向いてしまった俺が馬鹿だったな…」

同輩「しょうがねーし、別の店探すか~」

京太郎「いや、もう帰る。……片道1時間かけて」

同輩「げーっ!!嫌味なヤツ~!!」

京太郎「ふんっ」


由暉子「……あ」

爽「おろ?」


同輩「!」

京太郎「……ン」


同輩「おーっ!!有珠山の!!」

爽「そういう二人は白糸台の」

同輩「えーっと……真屋さんと、獅子原さんでしたよね?」

由暉子「はい、そうです。こんにちは」 ペコリ

同輩「あ、ども…こんちは」 ペコ

爽「高久田と須賀…だったよね。この前の試合はお疲れっした」

京太郎「……」 ペコ

同輩「お疲れさまでした!いや~、有珠山の中でもお二方は飛びぬけてヤバかったっすね!」

由暉子「いえ、それほどでも…」

爽「あはは、褒められるのは素直に嬉しいな」

同輩「真屋さんとか火力鬼ヤバかったですし、獅子原さんも前半戦の追い上げとかすごかったですもん!」

同輩「一時は宮守抜いて2位に上がってましたし!!」

爽「サヨナラ負けしちゃったのが悔しいとこなんだけどねー」

爽「でも、うちのユキも凄かったけど、そっちの須賀もバケモン強かったっしょ」

京太郎「……」


同輩「まぁ須賀はね。大したもんっすよ!部内でも宮永先輩と同格!って感じですし!」

由暉子「インハイチャンプの宮永さんと……」

爽「へぇー、そいつは凄いなぁ。そんじゃあユキの代わりに私がやっても敵わなかったかもなー」

京太郎「……」

同輩「お二人は何してたんですか?やっぱ東京観光的な?」

爽「いやー、そういうのは1回戦の前に部の皆で済ましてたからさ」

由暉子「今日は、私がこの近くの大学のオープンキャンパスに行く予定だったので」

爽「私はその付き添い的なヤツさ」

同輩「え!真屋さんって1年生ですよね?もうオーキャンとか行ったりするんですか!!」

由暉子「ええ、ちょうどいい機会だと思ったので……」

同輩「へぇ~!すごいなぁ、ちゃんと進路のこと考えてて」

同輩「俺たちなんかなぁ。なんも考えてないよな?」

京太郎「いや、そんなこともない」

同輩「え、そうなのか?志望校とか決めてんのかよ、おめー」

京太郎(東北学院大学文学部)




爽「まー3年の夏になっても決めてないようなのもいるからね~」

爽「ユキみたいなのはすげーよ、うん」

同輩「そんな人いますかね?」

由暉子「……爽先輩なんです」

同輩「え」

爽「あはは」

京太郎(大丈夫か?彼女……)

爽「いやまぁ、色々考えることを始める準備をしようかと思ってる段階かな!」

同輩「まだ考え始めてすらいないんすか?!しかも考え始めるまでのステップ多いしッ!!」

爽「おおー、東京モンはツッコミが鋭いなぁ。いいモン持ってるよ!高久田!」

同輩「はぁ……ありがとうございます」

爽「ところで……実は私、ホントに君はいいモン持ってると思っててさ」

同輩「え?」


爽「高久田君……中堅戦の前半オーラスでさ、なんかやべーことしたっしょ」

同輩「え……不正行為とか?してませんよ!!」

爽「いやそうじゃなくて」

爽「ぶっちゃけトークになるけど……私が揺杏に送り込んだフリカムイ…従えてたじゃん?あれのことだよ」

同輩「フリカムイ…?……!!あのバカデカい鳥のことすか?!!」

爽「そうそう」

同輩「え、あれ獅子原さんが送り込んでたんですか…?ベンチから…?」

爽「うん。ベンチと卓の距離が近いと、あーいう風な援護もできちゃうんだよね」

同輩「へぇ~……そうだったのか…」

爽「でも、フリカムイが高久田君に懐いて従っちゃうっていうまさかの展開になって……いやー、あれにはホント焦ったよ」

爽「どうやったの?アレ。高久田君もカムイモシリに片足突っ込んでる感じ?」

同輩「カムイモシリ……?なんすかそれ」

爽「神々の住まう地。私らの生活圏のアイヌモシリじゃないとこ」

同輩「いやいや……いきなりすぎてわけわかんないすけど、そういうのじゃないと思いますよ」


同輩「あれはなんつーか……なんか俺、いつの間にか山と一体化できるようになってたんで…それでなんとかしたっつーか…」

爽「……へぇー」

京太郎(山と一体化って……。傍から聞くと訳の分からん会話だな)

爽「なるほどね。そういうことなら、尚更素質あると思う」

同輩「素質?」

爽「高久田くん!」 ガシッ

同輩「な、なんすか?」

爽「君もアイヌモシリを超越して、カムイたちと交流してみよーか!!」

同輩「は、はぁ??」

同輩「いや、えぇ??ど、どういうことすか……」

爽「私について来れば分かる!」

同輩「ど、どこへ??」

爽「北海道!!」

同輩「北海道ゥーッ!!??」


同輩「えぇ……。まぁ、いつかは北海道行ってみたいなぁと思うんで……行くのは悪くないんですけど…」

爽「いや、「いつか」じゃなくて「明日から」行こう!」

同輩「!!??」

京太郎(なんだ、この女。強引なヤツだな……)

同輩「いやいやいや……い、いきなりんなこと言われましても。俺、まだ大会もあるんでキツいっすよ!!」

爽「いや、大丈夫だよ。私も個人戦あるからまたこっちには戻ってくるし」

同輩「そ、そうは言っても21には2回戦があるんですけど!!??」

爽「白糸台なら決勝まで勝ち上がれるっしょ。決勝の時にカッコよく戻ってくればいーんじゃない?」

同輩「よ、良くねえーーーッ!!全然良くないっす!!」

爽「まぁまぁ、そう言わずに~」

同輩「え、えぇーーー……」


京太郎「……」

由暉子「すみません……。お二人でお出かけしているところを、邪魔してしまっているようで…」

京太郎「……いえ。お気になさらず……」


京太郎「どうせ、これから帰るところだったのでね……」

由暉子「あ、そうだったんですか?」

由暉子「お二人はこちらで何をなさってたんですか?」

京太郎「いや……彼がね。お勧めの鮨屋があると言うものだから、ここまで足を伸ばしたのだが……生憎閉まっていて」

由暉子「……それはお気の毒に」

京太郎「「大将と仲が良いから休みの日でも開けてくれるぜ!」などとほざいていたが、店主が出かけていたのでは意味がない」

由暉子「……回らないお寿司ですか?」

京太郎「ハハハ……。回転寿司なんかのために四谷まで来るほど暇じゃあないさ(そもそもチェーン店なんぞ行かん)」

由暉子「すごいですね……。私は、回らないお寿司……食べたことないです…」

京太郎「? いや……別にすごくもないが…」

由暉子「東京だと、お値段も結構しそうですよね…」

京太郎「……ああ。俺は別に金持ちというわけじゃあないが……懐がちょっぴり温かいのでね」

京太郎「あと、彼は家が裕福らしいのでね。少しばかり高校生には過ぎた贅沢もしてしまう」

由暉子「そうなんですか」

京太郎「ああ。ところで海産物なら北海道の方が美味しそうなものだが……」

由暉子「あ、そうですね。回ってるお寿司でもすごく美味しいですよ。東京では食べないので比較はできませんが……」

京太郎「へぇ。やはりそうなのかい」


京太郎「一度は旅行してみたいものだな。北海道…」

由暉子「是非来てください。いいところですよ」

京太郎「考えておこうかな……」

京太郎(……案外、普通に会話できるものだな。シスターユキコ…)

アナザー京『そうだな。どうも危なっかしい思想が見え隠れするというような様子もねえし……』

アナザー京『この付近の大学のオープンキャンパスと言えば……ミッション系の大学のことだろうから、少し警戒しちまうが……』

アナザー京『「1巡」直前のシスターユキコは、この「1巡後」に須賀京太郎を連れていかないために殺害しようとしていた』

アナザー京『しかし逆に、「1巡前の須賀京太郎」はシスターユキコを殺すことに成功したからな』

京太郎(やはり、「世界が1巡する前」に死んだ人間であるシスターユキコと、今目の前にいる彼女は別人だと考えていいのか)

アナザー京『恐らくな。外見や性格がよく似ているだけの別人だろう。今のところ、スコヤの友人…というわけでもないはずだ』

京太郎(ま…それもそうか。再びあの恐ろしい『メイド・イン・ヘブン』と対峙したくはないものだが……別人であれば、そうなる心配もないのだろうか?)

アナザー京『そう思いてえとこだぜ』


爽「っと、ごめんごめん!ユキも須賀もほっぽり出して話に夢中になっちゃってたわ!」

由暉子「いえ、私は大丈夫ですよ」

同輩「須賀……」

京太郎「ん?」


同輩「俺、決めたぜ……」

京太郎「何をだ?」

同輩「獅子原さんと話してよ……チームのために自分が何をできるか、ってことを考えたら…」

同輩「やっぱり、もっと強くなんなくっちゃあいけねえよな、って思ったんだ」

京太郎「? そうか。頑張るといい」

同輩「ああ……。俺、頑張ってくるぜッ!!」

同輩「北海道でッ!!」

京太郎「……はぁ?何故そうなる」

爽「彼には素質があるッ!!アイヌモシリを超越し、カムイモシリに足を踏み入れる素質がッ!!」

同輩「だからよッ!!向こうでカムイ手懐けられるように修行してきて、チームのために活躍してーんだ!!」

京太郎「ふぅん……。まぁ、好きにすればいいんじゃあないのか?」


同輩「ま、監督にも話通さなきゃいけねーし……ちちう…父さんが東京を離れるのを許可してくださるかわかんねーけど」

同輩「とりあえず、俺の気持ちとしてはッ!!北海道で修行してきたいッ!!」

京太郎「そうか。いつからいつまで行くんだい?」

同輩「出発は明日だッ!!」

京太郎「随分と急だな……帰りはいつになる?」

同輩「それは……」



A 8月27日の朝だ!!(同輩は準決勝に出場できます)

B 8月30日の朝だ!!(同輩は決勝戦には間に合いますが、準決には出場できなくなります)



同輩は北海道で、爽のようにカムイと交流するための能力を身につける修行をしてきます。

Bの方が、Aよりも修行期間が長いので、確率的には能力を身につけられる可能性が高いです。

ただし京太郎は同輩が準決のときにいないのでちょっとさみしいです。もちろん準決のオーダーにも同輩は組み込めません。


↓1~ 多数決。先に3票集まったもの

天気の子見てきました!あれは面白いっすねーまた見に行きたいです

では再開します


同輩「……8月30日の朝だ!!」

京太郎「……8月30日だと?」

京太郎「おいおい……。何を言っているんだい?同輩…」

京太郎「それじゃあ君は、2回戦も3回戦も準決勝もブッ飛ばして北海道に旅行に行くって言ってるわけかい?」

爽「旅行じゃない、修行だよ」

同輩「……そうだぜ。俺は断じて遊びに行くわけじゃあねえ!!」

京太郎「……」

同輩「このままだと、チームに迷惑をかけて足を引っ張り続けるような未来が待ってる気がしてよ…」

同輩「そうはなりたくねえんだよ、俺……」

京太郎「何だ、その悲観的な予測は。足を引っ張らなければいいだけのことだろう」

同輩「このままでもそう上手くいくってなら問題はねえさ……」

夏休み入っても意外と暇じゃない説 再開します


同輩「けどよ……1回戦では結構なマイナス引いちまってダメだったし……」

京太郎「……」

同輩「気持ちだけなら、宮永先輩にだって稼ぎ負けねえつもりで臨んださ……でもダメだった」

同輩「気持ちだけじゃあなく……!実力が伴っていなくっちゃあな……」

京太郎「……」

同輩「だから俺は……!北海道で修行して…!王者白糸台の1軍レギュラーチームに相応しい実力を身につけてくるッ!!」

同輩「そう決めたんだッ!!」

京太郎「……そうかい。なら好きにするがいいさ」 クルッ

同輩「須賀……」

京太郎「それじゃ、また……」 スタスタスタ

由暉子「あ……」

京太郎「……フン」 スタスタスタスタ


同輩「……」

爽「え、あっさり行っちゃったけど……いいの?」

同輩「いいんですよ。多分アイツは……俺が北海道に行くのがなんとなくイヤなだけなんで」

由暉子「寂しがり屋なんですか?」

同輩「へへっ。俺に対してだけですけどね!」

爽「仲良いんだなぁ」



〇同輩が北海道での修行へ旅立ちました!8月30日の朝に同輩は帰ってきて、その時に修行の成果をコンマで判定します。

再開しようとした途端に部屋が襲撃されること多くて全然進まんなぁ

多分また後で襲われるとは思うんですが、それまでは更新します とりま本編へGO!

エタることはないですぞ

ちゃんと恭子イベの中身も既に考えてるし!

合間に更新していくスタイル

準決勝後のある日のこと……



京太郎「……フフ」 ツカツカ

京太郎(今日は混んでいなくて良かった……おかげで、売り切れる前にサンジェルマンのサンドウィッチを買えたぞ…) ゴソッ

京太郎(しかも冷めていない…ホカホカさ…)

京太郎(折角だから…木陰で食べることにしようかな…)

京太郎(今日は幸いそこまで暑くないし……)

京太郎(お。あの公園の芝生の上なんか、いいんじゃあないか……?) 

京太郎(よし、行ってみよう……) ツカツカ


―公園―


京太郎(うん……悪くはない場所だ…)

京太郎(できれば、もう少し…都会の喧騒とは無縁の場所がいいんだがね…)

京太郎(大学は……ちょっぴり田舎風情のあるところがいいな…)

京太郎(田舎すぎるのも不便だからイヤだが……)

京太郎(と、なると……地方都市…一応政令指定都市にはなっているくらいの町かな…)

京太郎(東北なら…仙台だとか、その辺りが良さそうだ…)

京太郎(しかし東北大学だと人の妬み嫉みを買いかねないから……東北学院大学がやはり最善か…) テクテク

恭子「……」

京太郎「…………!!??」 ビクッ

恭子「……どうも」

京太郎(す、末原恭子ッ!!??な、なぜここにッ!!??)

恭子「……何驚いとんのですか。私がおったから話しかけに来たんかと思ったんやけど…」

京太郎「い、いや……そ、そうではなく」

京太郎(ちぃっ!!考え事をしていたせいで、気づかなかったじゃあないかッ!!)


京太郎(……くっ。迂闊だったな…)

京太郎(少し不自然だが……このまま立ち去るか…?)

京太郎「そ、それじゃあ……」 スタスタ

恭子「ちょ、行くんかいな!」

京太郎「ぐっ!!」

京太郎(つ、ツッコんできたッ!!この…!関西人が…!!)

京太郎「いや、忙しいので……」

恭子「見るからにここでランチしようとしてた感じですけど」

京太郎「う……」

京太郎(なんだ…?ここで俺にツッコミを入れてどうする…?)

京太郎(関西人の本能というヤツがそうさせているのか…?それとも、何か俺に用でもあるのか…?)

恭子「……まぁ私もヒマやから。ちょっと話しながら食べればええんとちゃいますか」

京太郎(……ちっ!後者か!!)


京太郎(……仕方ない。ここでこれ以上食い下がるのも面倒だ…)

京太郎(さっさと食べ終えて立ち去るとするか…)

京太郎「それじゃ…隣…失礼します…」 ストン

恭子「はい」

京太郎「……」 モグモグ

恭子「……」

京太郎「あの…」

恭子「なに?」

京太郎「なぜ…こんな公園なんかに…?」

恭子「……ヒマやからです」

京太郎「はぁ…。そうですか…」

恭子「……そうなんです」

京太郎「……」 モグモグ

恭子「……」

京太郎(……気まずいなッ!!??)


京太郎(末原恭子…!敗退が確定したからって、完全に落ち込みムードじゃあないかッ!!) モグモグ

京太郎(そんな状態で人を引き留めてくるとは……迷惑千万にもほどがあるぞ…!) イライラ

京太郎(ちっ……。パンを千切って鳩にでもくれてやるか…) ポイッ

京太郎(その方が早く食べ終えられるしね……) ポイッ ポイッ

恭子「……何してはるんですか」

京太郎「……鳩に餌をやっているんです」 ポイッ ポイッ

恭子「そーいうの禁止されてたりするんとちゃうんかな」

京太郎「さあ……」 ポイッ ポイッ

恭子「……」

京太郎「……」 モグモグ ポイッ ポイッ

恭子「……麻雀みたいやな」 ボソッ

京太郎「え?」


恭子「いや……」

恭子「鳩に餌やるんが、麻雀みたいやな…と思ったんです」

京太郎「……配役は?」

恭子「鳩が打ち手で…須賀くんは神かなんかとちゃいますか」

京太郎「……なるほどね」

京太郎「麻雀打ちというのは…所詮…パンに群がる鳩に過ぎないってわけですか…」 ポイッ

恭子「うん…」


鳩A「」 チュンチュン

鳩B「クルッポー」 チュンチュン




恭子「どの鳩に餌をやるかなんて、ただの気まぐれやろ?」

京太郎「ええ、そうですね」 ポイッ

京太郎「適当なところに投げて……そこにいる鳩がついばむ…」 ポイッ

鳩C「ポッポー」 チュンチュン

京太郎「しかしその投げる場所というのも…偏りはあるし…」 ポイッ

鳩B「クルッポー」 チュンチュン

京太郎「俺が投げるところに…たまたま何度もいるような鳩は幸運だろう…」 ポイッ

鳩B「ポッポー」 チュンチュン

恭子「須賀くんの視界の外にいるような鳩は不運やね」

京太郎「そうなりますね…」

鳩E「……」


京太郎「鳩と鳩の間に投げれば……」 ポイッ

鳩A「」 トテトテ

鳩B「」 トテトテ

京太郎「奪い合いが発生する……」

恭子「競い合った結果、パンにありつける鳩は強い鳩…強い打ち手やんな」

京太郎「ええ…」

恭子「まぁ、鳩同士やったらそんなに変われへんけど……。それが普通の麻雀やとすると…」

恭子「こん中に猫やら犬やら……なんやったら虎やとか鷹みたいなのが混じってるのがインハイやった…」

京太郎「……」

恭子「須賀くんなんか……虎みたいなモンの最たる人やろ」

京太郎「……いや……」


京太郎「俺は……鳩ですよ」

恭子「……ウソやん」

京太郎「嘘じゃあない……」

京太郎「ただし…鳩は鳩でも、飛びぬけて運が良くて…犬猫は言うまでもなく、虎や鷹でさえ殺せる鳩なんです」

恭子「……なんやそれ。虎や鷹と何がちゃうんですか」

京太郎「別に俺は……連続で和了れば打点が上昇していくわけでも、嶺上牌や海底牌が分かるわけでもないのでね…」

恭子「……」

京太郎「ま…言うなら…「天才の鳩」というところですか…」

恭子「……言うやないですか。嘴に見合った実力はあると思いますけどね…」

京太郎「……フフ」


京太郎「しかしまぁ……タダの鳩でも…末原さん、貴女のように…虎や鷹と渡り合える鳩もいるというのは…驚きましたがね…」

恭子「……」

京太郎「別に天賦の才があるというわけでもなく…「必死に喰らいつく」という…それだけのことで…」

京太郎「「捕食されるかもしれない」という恐怖…プレッシャーに打ち勝って……虎の目潰しくらいはやれる鳩だった」

恭子「……結局噛み殺されてもうたわけやけどね」

京太郎「……」

京太郎「ま…それでも…」

京太郎「同じ鳩同士……見習うべきところはあるし…見上げた精神力だとは思いましたよ…」

恭子「……」

京太郎「」 モグモグ ゴクン

京太郎「それじゃ……俺は行きます」 スクッ

恭子「あ…そうですか」


京太郎「さよなら……」 スタスタスタ

恭子「……」

恭子(同じ鳩でも、向こうは天才か……)

恭子(……羨ましくもないねんな)

恭子(羨んだところで私は凡人やし……)



                               _ ,, ...:::‐::..-......、    ,,,,ィ::;z
                            , イ´: : : : : : : : : : : .:::`ヾ;´:::;;;<
                             /: : : : : :., 、: : : : : : : : : : .:::ヾ;;:::::;;;ミ
                           ,:': : : : : :// ヾ、:::::ヽ、:::. : : :.::::ヘ;;::ヾ
                        /: :::: : : ://´   `\ヾヘ::: :.:.:.:::::::iゞ;ヘ

                       /::::::::.: : :/_'_    , ィ'  ゙´ }:;.:.:.:.::::::::l!;'
                       `>:::. : :,'   `゙  " ィヤ壬ア;:.:.:::::;イ;;;!'
                        \:::. : : iィャ心   弋_叨,'.:.:::::;' i;;;;i
                         i: : : 人弋タ      ::::::/.:::::::::!ノ;;;;;l
                          l: .:.:.:.:;;ヘ ::::  '     ,'.:.::::::::i';;;;;;;;!    (普通の鳩なりに……頑張ればええねん)
        _ ,, 、               l|::.:.:.:゙、:;;iヽ、   -   !: :::::::::l;;;;;;;;;l
  ,z―--;,'"    ヽ               il::::.:.:.ヽヘ .i≧.-,イ´i: :.::::::::i;;;;;;;;;l
. /    /   ,イ   ヽ                ヾ::::.:.:.:.:.ヘ´;;;;;;;;;ノ| .λ: :.::::::ヾ;;;;/\
.l    , 'ノ;:;:;:        ヽ            ヾ::::.:.:.:.::`:;;∠ォ'v〈 ヾ;.:.:::;;;シ´::::::::ヘ
.!;:;:;:  /             ヽ                `ナー'" o/∧|O`ー' ̄::/   :::::い、
l.   /        ,_z-.   ヽ            { ノ.  ,l/ |!    ::::i    ::::::::ヘ、
!   /      ./.: : : .     ∧             ,ィ'"´   .;'       ..::l!    ::::::::::::ヽ、
.  /     .:λー..-..‐:::'':":::ヘ.         /     ..:::i         ..::::;イ     :::::::::::::::/
 /.      .:::/:::i:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ        {     .:::::::;゙:....    ...::::ノ:::!    :::::::::::ノ
../     .:::/:::::.!:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ.         ヽ;;;;z=='';""''==ー.'::´:::::::::!  _ _,zイ
/     .:::/::::::::l:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ       _,,ィ´   /          ..:::/ `T"  .: : : :!
     .:::/:::::::::::i:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘー '' ´   _ z.´        .:::/   i   .: : : :l
    .::/::::::::::::::l::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ`;-.┬ ' ´          .::/     !  : : : : !

    ;,'i:::::::::::::::::!:::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:``:\              ..:::/        |   : : : :l
.    ,;' l:::::::::::::::::!:::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.:.`:、           ..::::;'       ,〆   : : : :l
   /  l:::::::::::::::::l;::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.ヽ、     ...:::::::;'    ,,..イ´    . : : : l
  ..;'    l::::::::::::::::;:i::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:.:.ヘヽ、  ....:::::::;/ ,. イ´    . . : : : ;_; ‐´
  .:i   ヘ::::::::::::::;.:ヘ:::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::l ::l..::::::::::;;ィz'´   . . : : ;_; z -‐´
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 /                             ヾ!ノ `'
´


京太郎「……」 スタスタスタ

京太郎(末原恭子…ヤツは凡夫ならぬ…「凡鳩」だ…)

京太郎(だがしかし…。天に…運に…才能に愛されているこの須賀京太郎と比べても…)

京太郎(それでも尚…。ひとつだけ…)

京太郎(ひとつだけ…俺に勝るとも劣らないところがある……)

京太郎(窮地に陥ったときの精神力…!)



                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/    (あればかりは……見習ってやってもいいくらいだな…)
           / / \ ヽ__      __/ー一
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ




〇【Under Pressure】を獲得できるようになりました!(麻雀センスを50消費して、チャンス◎と逆境〇を合併・進化させる形で取得できます)


【Under Pressure】(自動)
・精神力値+20
・南場以降、2位の時、和了判定値+10、3位の時は+15、4位の時は+20
・南場以降、2位以下の時に自分が和了する場合、最低打点は満貫になる。
・南場以降、手変わり判定時に発動する。
├ コンマが7の倍数の時、手変わりによる和了判定値-補正を無視できる。
├ コンマが70以上の時、攻撃力ランクが1ランクアップする。
└ コンマがゾロ目の時、低下しているステータスを1局の間だけ元に戻す。

じゃあ凡人と天才オワリで

続きとか考えてないけど作れそうっちゃ作れそうだな……でもそれ1本でスレ立てできそうな内容になりそうだからやめとこう…

~12月25日~

―須賀家・リビング―


京太郎「今日はクリスマスか……」

アナザー京『相棒は誰かと過ごさねえのか?照さんとか原村和とかよ』

京太郎「いや……あらぬ誤解を招いたり勘違いされたりしても困る。今日は「彼女」と一緒に過ごすよ」 ペロリ

唾液に塗れたスコヤの手首「」 ネットォォ…

アナザー京(相変わらず気色のワリイ野郎だぜ)

明華「彼女というのは私のことですか?京太郎さんっ」 ヒョコッ

京太郎「げぇっ!!ちぇ、雀明華ッ!!!!???」

明華「嬉しいです、京太郎さん……私、こうして貴方と聖夜を過ごせる日が来るのを待ちわびて……」 ウットリ

京太郎(こ、こいつ…!普段は禁じている直接的な接触を…!!クリスマスだからと言って許されるとでも思っているのかッ!??)

ピンポーン

京太郎「!」

明華「あら?来客でしょうか……」

京太郎(こ、今度は誰だッ?!)


焦った京太郎がモニターを見ると、そこには白糸台麻雀部の虎星メンバーが集まっていた


同輩『須賀ー!!クリスマスなんだ、どこかに行こうぜ!!』

京太郎(同輩、みんな…!た、助かったぞ……) タタタタッ ガチャッ

京太郎「や、やあ……。どうも、みんな……」

和「こんばんは、京太郎くん」

照「メリークリスマス、京ちゃん」

菫「すまないな、いきなり来て」

誠子「亦野誠子さんが来てやったんだ、感謝しろよー!!」

京太郎「……呼んでいませんが?」

尭深「亦野ちゃんが、須賀くんの家は大きいからみんなでパーティーしようって」

京太郎「えぇ……突然すぎる」


同輩「俺とか部長はどこかに行くんでもいいって言ってるんだけどさ、亦野先輩が無理やり押しかけたいってうるさくて」

京太郎(迷惑な女だ)

誠子(ヘヘヘ……須賀は金持ちらしいしな、私の『ビーチボーイ』で金目のモノを探し当てて……)

誠子(性夜は歌舞伎町でホストでも大人買いしてやろうかなッ!!考えただけでもクリトリスツリーがライトアップーー!!!」 ボッキッキーン

金本「あら、いいじゃな~い!!」

前田「亦野、声に出てるぜ」

岩貞「キモいやつだなぁ」

誠子「ハッ!!」

京太郎「追い返していいかい?」

同輩「まぁ、そう言うなって。せっかくここまで来たしよ、お前さえよければお前んちでクリパしようぜー!」

京太郎「……うーん、しかし……」

明華「あ……白糸台のみなさんですか?」 トテトテ

和「……臨海女子の、雀明華さん?」

明華「皆さんとはインハイ以来ですね。お久しぶりです」 ペコリ

菫「ん?先客がいたのか」

京太郎「え、ええ。どーいうワケかは知らんが彼女も押しかけて来たんですよ」

岩貞「なんだよ、これからお楽しみだったのか?コノッ!」 ツンツン

京太郎「そ、そんなんじゃあないッ!!彼女とは何もないし、いきなり来られてこっちも戸惑っているんだッ」

明華「……」

同輩「フーン」

京太郎(……雀明華と二人きりよりは、麻雀部の面々に居座られたほうがマシか……?)

京太郎「……君にはすまないが、こういうワケだから……お帰り願えるかな?」

明華「えっ」

同輩「待て待て。じゃあ、明華さんも交えてみんなでパーティーしねえか?」

京太郎(同輩、君はまた余計なことを……)

明華「……京太郎さんとご一緒できるのなら私はなんでもいいのですが……他校の私が同席してもよろしいのでしょうか……」

同輩「いや、そんなコト誰も気にしないんじゃないすかね?なっ、みんな!」

和「そうですね」

菫「インハイでウチを苦しめてくれた好敵手でもあるし、話してみたいとは思っていた」

照「私も気にしないよ」

同輩「だってよ、須賀!」

京太郎「……」

同輩「いいじゃあねえか、向こうはお前に気があるみたいなのに追い返したらかわいそうだしよォ~~~」 ヒソヒソ

京太郎「……」

同輩「それに、この雰囲気で彼女を追い返したら、折角のクリスマスだってえのに後味のよくないものを残すぜ?」 ヒソヒソ

同輩「それはやっぱり避けたいところなんじゃあねえのか?俺たち全員にとって……」 ヒソヒソ

京太郎「……分かったよ。彼女も含め…全員でパーティーといこうじゃあないか」 ガックリ

明華「!!」 パァァァァァァァ

同輩「よっし!!キマリな!!」

京太郎(……二人きりよりはマシ……そう割り切るしかないか…) ハァ

誠子「早速出前でも頼もうか!!須賀の金で!!」

尭深「亦野ちゃん、面の皮が厚すぎるよ」

誠子「ハハハ、よく言われる」

京太郎(まったく……) ハァ…


< ザ・ワールドッ!! トキヨトマレイッ!!

ブゥーン…チッチッチッチッチッチッ


京太郎・アナザー京「!!!」

京太郎(時が……止まったッ!!??)

アナザー京『何ィッ!!!スコヤのヤロウ、いきなり襲撃でもしてくるってえのかッ!!??』

京太郎(彼女とは表面上は良好な関係を築けていたハズッ!!だのに、何故突然ッ!!??)

アナザー京『……1秒経過、2秒経過……』

京太郎(……3秒経過、4秒経過……おかしい、襲ってくる気配がない……)

アナザー京『……妙だな。……5秒経過……』


キュゥゥゥゥゥゥゥン……


京太郎(時が動き出したッ!!)

金本「とりあえず、何を頼むかは中に入ってから決めましょ!」

菫「そうだな、ここで決めていても仕方ない」

京太郎(小鍛治健夜はどこに……?!何を狙っているッ!!?) キョロキョロ

同輩「須賀、お邪魔してもいいかー?」

京太郎「ま、待てッ!!今は危ないッ!!」

同輩「え?」



        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´              (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                  `ー-、__,|    `"
_,..(((((////彡>川//彡ミ

彡三ミミヽ川///////彡三ミ、  
巛巛,r‐-,_川川川//彡ミリリ  
))))ゞニイ○i'⌒i─_'',.フミ/リリ  
彡彡: : :l `゙´i`''´ ̄ ////川  
彡!\ : :l : : ノ: ノ;.:-'"i川川川

川代't、 l川::( _」..-‐ニヾ川リ   
川|| `'`゙ヺ7三::∠'三'ブ゙巛リ    
川ll|  ///'´ ):::....    川ヽ    
川 || レ |    : : :   ヾミヽ   なァにが危ないというのだ……?京太郎ォォォ!!

川,.-! ヾ゙_フ         rヾミヽ
--!;::::! r-_-_-_-;ノ   _!::::ヾミヽ  
:::::))'''! (''ー‐'''/   i゙::::::ヾ''''´ヾリ 
ゞ‐'゙川| 「""゙´   ,..ゞニノ  /彡 
川川川i、ゞ   _,.-'´,.. --- 、 _ヾヾ  
`'ー-、、_ノ二ニ´´ ̄二二二ニ_巛  

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      \        |   |ニニ{\_,) \  .:`¨¨´‐'.:::..   ..::. 八: }         ヘ、    な゛に゛ィィィィィィィィィィィィィッッッ!!!!
                |   lニニ八   ゚,   \    u  u 、__/ ,′}/        /   /  /\
.        }       |   |ニニニニ\__∧   :. lj U __ ..ィ ′:/       ノ: .  / /ヘ  冫  既に家の中に小鍛治健夜ッッ!!!!????
‐-        \、 : : . . |   人ニニニニ/《_込   :}    /`二フノ{丶>      /  ¨7´ {{__//
      く: : : : :..\ : : }     \ニニ/{i:i:i:i:i:i}|> .    ー=彡'八/   __/    :厂  ̄「  , -―=ミ
      \: : : : ::::.   {__    }\} }《__》{ |   >   __ノ: ..:}  /广¨}:.     ..::/  i  .::{ ̄{[ ̄]  }
        : : : ::::}}  : : /:...  {ニニニ|i:i:i:i:| |:....∠,   /. ........:::::://. :/ ..::{::      }   | ..:::}ニ`二二¨´
        }: :.::/.:    /:::....   {ニニニ|《__》| |:::::.../   /. :....:::::::::/ノ : /...::::::::}    . :   / |..:::::::} {[ ̄]  }
         /. :     \::::.....::{ニニニ|i:i:i:i:| l:::: /::...../. : ...::://{  :/    {  . :/ / {  ...:厂〔匚} ̄〉




誠子「うぇっ??!!こ、小鍛治プロじゃん!!??」

岩貞「え?ほ、本物??」

京太郎「キッ、キラークイ――健夜「フンッ!!勘違いするんじゃあないぞッ!!京太郎ォォォォォォ!!!!」

京太郎「?!!」 ビクッ

健夜「別に……私たちは君たちを取って食おうってわけじゃあないんだから」 ニコッ

京太郎「なに……?」

アナザー京『……私「たち」?』

咏「あたしらもいるぜぃ」 ヒョコッ

はやり「はやや~!久しぶり、須賀くんっ☆」

良子「めりーめりーくりすまーす」

理沙「」 プンスコ

大沼「カカカ……驚いたじゃろ」

京太郎「」 アゼン

同輩「な、なんだこの豪華メンツは??!!!」

和「並み居るプロの方々が……何故京太郎くんのお家の廊下に……?」

京太郎「そ、そうだ……幽波紋の雀士が揃い踏みで、いったい何の用なのだッ!!??」

健夜「なんだ……まだ分からないの?」

京太郎「……?」



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                                             ̄ ̄ ̄

                                          {  ̄ ヽ   /⌒ヽ
                               /⌒ヽ   Υ   〉   し}  :,
                                 Υ  :{  ∧}   :|     ノ  }   /⌒)
                                 ∧  ,入_{-{_  /〉,.ィ"    //⌒ノ  /
                                  /乂 二 -_人-二-/_-_{   / >'"   /
                              |_-_(   )_-(   ) γ  、=彳_{   /
                              人-_- ̄>-===- ...._乂 ノγ⌒ヽイ_〉
                             ___  | \ (          ヽ-_乂_ ノ'"
                    ,斗-=ミ <二ニ|_∧  `>-...._      ノ   /〉_rニ=- _   _
.              _    ,斗-〈:≧=┐ニ>''"///〉     -_ ̄ ̄_-_   //~''<ニ<_>''"ニ\
.             |;   ̄ /ニニニニ≧ニ////////乂    -_-_-_-_-  丿:\_///ヽニニr=ニ二 〉___
               |i:     |ニ二二二コニ∧/////(==ヘ >‐--======-‐<)=)/_////ニニ_r‐――‐ヨ
               |l:     |人ニニニ>-、ニ\/////>-===ニニニニニ==‐</////ニニニ__  ̄ ̄ 丁|
              |ト.    |_|ニfニ二>=ニニニニ=- .....//_///////////_//...-=ニニニニ<__ニニ二丁|
            ′、   |_|ニ|ニニ|\ニニ>'"⌒>ニニニ___ ̄ ̄ ̄ ̄ニニニニニ,斗-=ニニニニ>┐=|=|
                _ \  .|ニ|ニニ|二ニニiニニ/ニニニ/ニ/_〉ニニニfニニヘニニニ\二ニニΥ二ニlニ|=|   ←鍋
             ′  \|ニ|ニニ|二ニニ|ニニ|ニニ=-/ニ/_/_ ニニ _|ニニ|ニー=ニ二|_二二|二二lニ|=|
               |  ′ \-‐.|二ニニ|ニニ|ニ二ニ|ニ|ニ|ニ ̄ ̄ニ|ニニ|二lニニニ|_二二|二二lニ|/
              | 〈 _   \|二ニニ|ニニ|ニ二ニ|ニ|ニ|ニ二二ニ|ニニ|二lニニニ|_二二|ニニ/ ̄
             | | てう>   \ニニ|ニニ|ニ二ニ|=/=_|ニ二二ニ|ニニ|二lニニニ|"''<l;|=/
              >乂    l  |  l ̄ ̄-|ニ二ニ|/-_-|ニ二二ニ| ̄∧=lニニニ|
              r爻__|ハ > ,__l | l /⌒_>---┘-_-:|ニ二二ニ|_-_-∧|ニ=‐''"
.             r爻 r‐}人:  マェェYェェ -‐ァ′-_-_|_-_-_-_-_ ̄ ̄ ̄_-     |
          /⌒{ノ{:  \ _ ニニ/-/´-/-_-_-:|_-_-_-_-_-_-_-_〉        |
          (___/三{i  三i\__ 人人-∧___彡/-_-_-__-_-_-_-〈       |
        /-_-)》三={i   =/  /〉_ _廴,,彡/-_-_-/_/ ̄¨¨ ―‐ .¨¨ ̄| :/,
       _(__/《三= } }  :(__//_{_ _ _ _ _/-_-_-/_/_ _ _ _ / -‐ ⌒i_|-| /,
      /-:/-_-_:ヽ=   / /〉′_人_ _ _ _|-_-_-/_/_/ ̄:/     Ⅵ_|  /,    当然ッ!!!
   /⌒>:′-_-_- }}==/  .// /-{_ `ー-:|-_-_-|-|/    :{      }_|∧ :/,
.   /-_-//_-‐  -/  /⌒∨′/ -_/\_ _ _:|-_-_-∨\    :::     //_-_〉  |      ホームパーティーだッ!!!!
  廴_,//   -/   /  //,イ _-_ /_\_` ー|_-_-_-_\-\  )::...   _/-:/  :/
. /_-_∥   ,,/   /⌒∨ /  _-_:/_ _ _ ヽ_ _ ∨-_-_-_-:\->---<-_/   :/
. |-_-:{{_  _-:/   _|  / /_/ ̄--‐_'"_ _ _ }_ _ |\-_-_-_-_->----<      /
  >=={{-_-彡{-_-_-:廴_〈 ;′,,_ _ _ _ _ _ _ _ /乂_ 》i-\-_-_-_-_-_-|       /
. |-_-{{ ̄-_ニ_>- /ー┐|_ ⌒_ー-_ _ -_ _ _ _ _ _ _》i-_| \-_-_-_-_-〉     _/
. 人,-,{{_ _/_Y⌒ヽ_:|-_-_|_|_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ 》i-∧_ _\-_-_-/     /
   7~》_}_ _ |_ _ _ _廴_ノ-|_ ⌒_ー- _ _ _ _ _ /_/从-_∧_ _..\-/    /
  〈-_{{ {_ _ |_ _ _ _|-_-_|_|_-_ 、_ _ _ _ _  ̄_ _ _ /_ _r \-_\_ _ \___/

.   ∨/\、_ト、__ _:|-_-_|_|_ _ _ \_ _ _ _ ,,.、丶´_ _ _/  廴_-_>-=彳_/
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京太郎「……は?」

理沙「鍋パ!」 プンスコ

京太郎「な、何を訳の分からないことを……」

大沼「カカカ…!心配するでない、具材は超高級の物を揃えて持ってきておる……」

京太郎「いやそういう問題では」

はやり「白糸台の仲間内で楽しくやろう!ってところにオジャマだったかなぁ?」

同輩「いやいやいやいや!!大歓迎ですよ!!」

菫「こ、こんな機会はそうないが……むしろ私たちがお邪魔なのでは……」

はやり「まっさか~☆みんなで一緒に盛り上がった方が楽しいよっ!」

咏「若い衆も一緒に楽しもうぜぃ」

岩貞・前田「喜んでェーッッ!!!!」

京太郎「……なぜこうなる」 ガクッ

和「大人数すぎて迷惑でしょうか……?」

京太郎「……いや、構わないよ」

照「じゃあ、早く鍋しよう。おなかすいた」 グー

京太郎「……」 ハァ…

アナザー京『全く……やれやれだな、相棒』

京太郎(本当にな……)

アナザー京『まぁいいじゃあねえか。スコヤのヤロウも奸計を巡らせてるわけじゃあねえだろう』

アナザー京『それよりおれは、相棒と共にクリスマスを過ごそうって輩が多いことが嬉しいぜ』

京太郎「……フン」



                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/   俺は落ち着いた…静かな夜を過ごしたかったのだがね……。
           / / \ ヽ__      __/ー一
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ




アナザー京『と、言いながらも満更でもなさそうな相棒なのであった』

同輩「チャンチャン!」


~須賀京太郎は静かな聖夜を過ごしたい~ カン!

じゃん負けで鍋の材料を買わされに行ってる間に、ふとクリスマスに鍋パってするもんなのか?と疑問に思って書いた即興ネタです

年内に更新できてよかったよかった そろそろ戻らなきゃ不審に思われるのでいきます 



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        i:: ハ 乂 レ ノ リ:::::::}
        |:。:l. ○  ○ .|l:::::i <それではまた!
        ノ::::八xx .ワ xx.ノ::::::}
       /:::メ:_≧-. -≦_:f⌒i、

    .,、.,,/::_/ヽ>=Y=<丿: 、:;.ヽ、
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京太郎「ストーリーに縛られずに自由に何かしたいな」

アナザー京『急にどうしたんだ、相棒』

京太郎「「政府」だとかインハイだとかも大事だがね、旧き良き自由な時代に帰りたいと思ったんだよ」

アナザー京『時代?何時代だよ』

京太郎「というわけで、安価で何かするか。飽きるまで」

アナザー京『安価?お前、ハイブラ趣味じゃ』

京太郎「黙ってろ、アナザーワン。とりあえず何をするか↓1」

リョーカイ、α章ナノデ軽イノリデイクゾ

―なんかプール―


京太郎「何かよく分からんが……とりあえずなんかプールに来たぞ」

初美「30分前に「須賀くんがプールに到着した」との「神託」を賜ったので私も来ましたよー」 ビシュン

京太郎「うおッ!!な、なんだッ突然真横にワープしてきたぞッ!!」

アナザー京『新手のスタンドつか……なんだ、永水の薄墨初美に…霞さんじゃねえか』

               ... -―――- ...
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          |::::|::l:::::::::l从:::八 |:|:::::八:|:::/::::::::|\

           |::::|八:::::::|x竓芹 j:j/ __ノイ::/::::::| |
           |::::|::::::\《 乂ソ    芹iトリ/::::: 人 |
          |::::|:::::::::::| 、、、   , 乂ソ仏:::イ  ノ

.            |:八::::: 从       、、∧::::/
              |::::|:\:::::i\  ` -   /、 Χ
             l:: |::::::i\\  、___ .. <__   \      京太郎くん、お久しぶりね
            |: |::::/´ \\{:::/ |::::::::/`ヽ   \
           |::l::/     }ノ \  |:::::/   \    、
.             l::/         ゚'*L::{       \   \
.            l/     /      ゚'*。      ',     、
             /    /          ゚^'*。.,‐-、:.     ',
.           /     /              }____\\    ′
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      /    / 八::: l:::/::∧ 、       ‐┬‐
..    /    /   ヽ:{/::/  } }           |
        /.      |::/  | {          |
    /    /      j/  / ノ           |
  ./  /             / /         |


京太郎「え……あ、はい……。」

京太郎(なぜ東京のプールに永水の彼女らが?)


初美「霞ちゃん、ちゃんと当主様の言いつけを守らないといけませんよー」 ヒソヒソ

霞「え、ええ……。分かっているわ……」

霞(「神託」で「1巡前」には私が京太郎くんの子を孕んで、その子と小蒔ちゃんが結ばれて神代家は存続したからって……)

霞(まさか私が……恥を忍んでガニ股クソビッチ誘惑で京太郎くんを種馬化させるように命を受けるだなんて……)



     , ┐ / ̄ ̄ ̄``丶、
    / |く__/    __    `丶、
  / __/ / /〉\     `丶、

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.  |    〈__/ ̄  ,.....::"~ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、 \
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.  |  ´,    /::::::::::::::::::::::::::::::\::::\:::::::::::::.  `、
.  |     _  /:::::::::::::|\:::::::::::::::⌒|\::::\::::::::::.  `、
. |     ´_.|::::::::::::::::|  \::::::::::::: |  \:::|:::::::|::|   `
  |     ´|:::::|::::::::ィ⌒  \::::::斗ャ芳ミノ::: 人|   、        きょ、京太郎くん……。
.  l     |:::::|:::::/::|\_  }/ 乂::ツ j/:::::{   `
   |     |:::::\:::::|xfて下  .  .:.:.:.:.: ∨:::::{\   ,       ここで再会したのも、な、何かの縁だわ……。
  ∧     \:::::::::込 Vツ            |:::::::\:\  ´,
   ´_      ‘,\__>.:.:.:     n     人__,,-‐…・・・…‐-ミ   良ければこの後、私と遊んでいきましょう……?
           `、::::::::\        /:ノ>'/   )::::::::::ノ\   \
.            \:::::::::::ゝ ..__,。<[[≫'゙  /\  ´ ̄_  (\   ヽ
.              \::::::::\ >'⌒ヽ㌻   {_:::〉 ノ:::::::::>''"~⌒\}         __  --ミ
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                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、      は?断る
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
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  , 、 -―=ニ二      ≧z 。::::::::::::::::....        イ  ヽ|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   
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             /     /   /                      ヽ:::::::::

初美(ですよねー)

霞「」

初美「安心してくださいよー、霞ちゃん」

初美「「神託」で須賀さんの性癖が歪んでることは知ってましたしー」

京太郎「なに?天照大神で人の性嗜好を探るな。プライバシーポリシーはどうなってる」

初美「こういう時のために秘密兵器を用意してきたじゃないですかー」 ゴソゴソ

霞「そ、そうね……」

京太郎「秘密兵器だと……?」

初美「ぱぱぱぱっぱぱー」


初美「どこでもエイちゃん」


                          ̄ ̄ ̄

                      /                \
                     /               \  丶
                  /    /     |   \   !   、
                  /|      |     |     |  |   | |
                    /  |     ./|   ||、   .|  |   | |
                乂__|   .| | {   |、´ ̄|  | |人 |
                  乂|  -l―八    | \|\|  |^ヽ \
                    |  从|  \ | 斗t..ぅォ | 八   \
                    人|\|^灯心    乂ツ八 y'  l\   \
                   / / /`八 ゞツ  ,    ''/  / | ! }\ |
                    ((  / / |  ヽ''   ___  イ  / 八从ノ  |  !
                    ン /l  |  | }is。,_ゝ ' ..:| 〃´ ̄`ヽ  //
                  ⌒乂_ヽNヽ_|\|\|、l.T゙´ | /     ‘ ´
                __,.-ォ   , ―‐ォ―‐}  ,|从        ,
                  r(_/ / |   ,′,/ ヽ  ./∥ 、     |      Hi!
                 「Y  ∨ヽ  { /       ′∥  ヽ      |
                 У   八 \|/     /r―'、    ‘,
                八  {::: }  ノ}   r'⌒ソ'⌒ヽ\  ヘ    ,
              ∧  \/乂〉  〈_「´    乂 V  ‘,   ∨ /
                   ∧  {  乂フ、 ノ┐      ノ.ノ  ∧    ∨ /
                  ∧. 八   〉::芥::〈`ー――‐'―‐ォ ∧    ∨
                     |∧  ヽ_/|/::ハ:::\         /  .∧    ∨
                     |   、  |  ⌒  ⌒´       /≧s。.,_、    \
               |  \|               /     \    \
               /     :|           /|        \    \
                |      :.、            ' \  :::.....    \    \
                |     |                  `ヽ   ::::...   \    `
                |     |     、               `、   ::::....   >
                |     |     j!        ,     \         . ̄
                |     |            /  '二二フ¨¨¨¨¨¨≧s。_
                |     ∧              /// ̄}ト  _         ̄
               ヽ    .∧______//\     }ト――――‐,

                  \   _〕ー―――――<    \___      /
                   \ ノ´ /  {  ∨    ヽ    | ̄ ̄ ̄\、_∠__
                    _.。s≦/  {     、  \     \  、  ___\  /...
             _。s≦ .//  /    ∨  |     .\ \(...............`し'.......,
             \  / ,  ./      ∨ .|  ____\_ア... ,―ァ......./
                /   /  ./______l   |/................ヽ/......\/  ¨了´
                  <\_,{l\ \/..............|/__>、...../ ̄ア........../   /
                    \..〈、 ̄ ̄/イ ̄ ̄マ ̄...........└イ     ̄ ̄     /
                     `7\......>     ̄ ̄, ̄! ̄          /
                 /   ̄        / |             /
                   /            /  .|            ,



京太郎「なにッ。宮守の波紋雀士の……」

初美「ちがいますよー。この子は霧島神境の海に落ちてた別の世界のエイちゃんですからー」

エイスリン「ハモン?コウライオウ?」

京太郎「波紋法も知らないのか。どんな世界だ…スコヤに滅ぼされるぞ」

初美「柱のうんたらとかもない平和な世界だったそうですよー」

京太郎「それはうらやましい。宮永一家も平和に暮らしていそうだ」

初美「ちなみに宮永咲さんはインハイチャンプに食べられて、インハイチャンプはエイちゃんに殺されたそうですよー」

京太郎「なんて世界だ」 ダヴァン「Holy shit!」

京太郎「こんな女に」 ダヴァン「Dirty Bitch!」

エイスリン「Get lost, Nigga!」 ダヴァン「オー、すみまッセン」 スタスタスタ

京太郎「なんだ今の」


初美「まぁなんでもいいのでやっちゃってくださいエイちゃん」

京太郎「?」

エイスリン「OK!」


       /             \
                       :.
.     / /     l|       ヽ
    / ′ i|/  /|   ハ  ヽ     |
    ,′   斗―l |  |l  ─ 、 l| |  | ライジングキウイ!!!
   / |i  | l|  |i |八 | |  |  | |  |
   |  |i _| l| 八|_ \|  ハ/ハ/| ;_ |
   |  |l (_|八/う心    fiう心ヾj /__)l|
      |i   ト弋)ツ    弋)ツノムイ  |
.    V  ∧}  ,,   '    ,,  ,_/|  |ヽ
     〉 / 八    vー ,     / ∧ V
.    / /|   >..       イ   ∧ :.
    ′,'八  __>ー< リl    ∧ :
   { (  / :::::::/:/  }_/´  /:\ノ/ | |
    ー/::::::/:/ / |  /::::::::::\ ノノ

     {:::::/::::/  ´|L_/ヘ /::::::::::::::::: \
     |:ノ::::/ ̄ ̄| ヽ  /::::::::::::::/:::::::::ヽ
    /::|:::::::|_/ /  | /:::|:::::::::/::::::::::::::::::::.


 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │一│九│①│⑨│.1 │.9 │  │  │  │  │  │  │  │ │.1 │
 │萬│萬│筒│筒│索│索│東│南│西│北│白│発│中│ │索│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン


京太郎「あばばばばばばば」

初美「これで須賀さんは急性孕ませ症候群に罹るってわけですねー」

京太郎「メス、犯ス……。ゼンブ、オレノモノ……」 ハァハァ ガバッ

霞「あ~れ~」


初美「こうして霞ちゃんは無事妊娠し、産まれた霞太郎くんが姫様と結ばれて神代家は末永く繁栄したのでしたーめでたしめでたしー」

エイスリン「チャンチャン♪」

深夜テンションのやっつけです、すみませんおやすみなさい

京太郎魂の一首


                 __,.ィ`ヽ __
              、 -  ´> _r┴  __\ー‐┐
             `  ̄ >' __,ノー==彡,ィi } }l ji廴_
              <__ /_ノ}r'⌒7´'⌒^'ヘj}_ノ 厂 ̄}
                Y⌒_ノ  {{     ^ーくニ=ァ ノ

                   rく{( {ア'⌒\ `ヽ      } ri'´|
               j几jノ   rt_ぅミ   _,ノ    ハ│l|
                  /`V l  ^冖 ノ} └=====y'(│リ
.            / /ハ/ }      /   代_テx_ しi} リ
            乂i{ / /    「廴}  ^ー‐'  }ノj/
                   ̄{   ー‐ __ー'     __,厶イ
                  ∧    __  \  / (__, /
            _/{      `   / ∠ノノ/
           / / \ ヽ__      __/ー一     たらちねの 霞に勃ちて 交われど
              / /    ≧ニ=一 二´∧
.        _/ /   /_A\     / {        プールの水で おめこ冷たし
     ̄  /   /\o/| {o o} ∧   {   \__
.       /    /     |__巴ノ  \o_|     { } \__
    ∠ ____ /     / ̄|      |     |ノ\
    ̄ ̄/ |     /三ヨ       |     |    >'´
   __/   │     /A_A |      |     l   /
   }       |     /{o o}|      |\  │ /
  │    │    /∧皿{/|     /  {\」_ /   /
.   |       |    //\__/|   / /   \ /  /
.  │    |   /// ̄\| /   /     }/  /
   |      l   / | ∧_∧ |(   /       |   {
   |     │ / | {O O}│  /      人 │  )
   |     ∨  | Y皿Y |   /       /  }ト、} /
   |     /  |\___/|  ′     /   { ∨
   |      |   |/  ̄ \| i      /    \__/
   |      |__/|/|_|\」 |     /     ノ





─────  / /: :/: : ;: : : : : : : : : : : ,: i

  バチコーン!!! / i  ,!  i'  i 、 i  ,  l i  
二二二二二/ ,: : !: :lヽ、i'、;!;/!ヽ;!;: :il: :,!: :リ  
三三三三三'"i/|: :\i O    Oレ'/ /゙)/  
二二二二二二 !/( "゙     ゙゙∠ノ‐';/      本当にカン!
──────  レ丶 ,__ Д  _, 〆W      
──────   と二 /i´ス´斤 `゙、

この中だとなるカッスかな

あと照との会話は準決勝で倒れるまでやったことについての
京太郎からの感謝と軽い説教やその後の京太郎の奮闘を聞いた
照からの京太郎への感謝や決勝に向けた互いのエール交換
ついでに照にのろけまくるアナザーさんのイメージで指定した
一応参考までにドゾー

>>395
なるほど、了解です

このコンマだと捨てなるカッスかな よし書こう

―9月・白糸台からの帰路―


京太郎「ふぅ……。暦の上ではもう秋だというのに、まだまだ酷暑は去らないね」

明華「そうですね……。やはり地球温暖化の影響は大きいのでしょうか」

京太郎「きっとそうだろうね。ところで君が準決の後から約束を破って馴れ馴れしくなったのは何の影響が大きいのかな」

明華「ネリーですね。彼女が私の殻を壊してくれました」

京太郎「あのチビか。後で壊しに行くよ」

明華「あら、小さいといえば……見てください、京太郎さん。捨て雀士がいますよ」





                ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
              /_,..-        ヽ `  、
         __/ /´    /    ∨   \
        ト、_,  ´     / ,'     :    、 ヽ
          /   ,   , / /|  |  :.  | | |   ∨
        /_///,  | |从∧. |    } | | | | |
           / イ '  { ´| |/ヽl i| { , ´/}/_}∧ |  |
           / /{( .rⅥ'´/へ\从{∨/ _/,.ィl| |
          ´/イ}lムヽ从 、弋ァ-、\V//-、ノ ,/ ∧{
              \,ハ  ¨ ̄ /! f´¨タン /ノ  \
             /l l  i    ! .ノ .i )  /
            / /i !  |!   弋ヽ-/ ./
          // i ヽ \   -‐‐、ニ´  /
         //  .l  \ ヽ  ゙ー--‐ ./、
       / /     l    \.\  ノ /  \丶、
    ,.イ   /    l      \ヽ-- く l    \
        /     l o _.. -‐ てマi   l
       /___,.  l/    人レヘ. o l  、_
       _.. ‐ ¨  l     /  l  \ノl   ヽ、
                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、



                                ̄   ヽ
                         /            :!  \
                       /    / .:     :|    :.
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                      ′   :′.:     .:  ∨    :
                      |    :! .:      .:   ∨    :
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                       \(\(\    :.    .:  /      クゥーン……
                           ≧ >    \<ムイ
                          -イ  \____[ ̄_
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     |            |        ひろってください          |
     |            |                           |
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明華「可愛らしい子ですね。1年生でしょうか?」

成香「ハイ」

京太郎「明華、この手の人間に関わるな。視界に入っても無視するものだよ」

明華「え?なぜですか?」

京太郎「そりゃあ、ホームレスなぞ汚らしいじゃあないか。見ているこちらの目が汚れそうだ」

明華「お家はあると思いますよ。恐らく、人権がないんです」

京太郎「どういう意味だい」

明華「先日、戦犯非人法が施行されたんです。各種スポーツで大失態を演じた選手の基本的人権を剥奪する法律ですね」

明華「基本的人権を剥奪された選手は家族と縁を切ってすみやかに住居から追放しなければならないとされています」

京太郎「そうだったのか、知らなかったよ。道理で最近ホームレスが増えているわけだ」

明華「この子は先月のインターハイで見かけた気がします。きっとどこかのチームの選手だったんですよ」

京太郎「そう言えば、1回戦でうちと当たった学校にいたかもしれん。見覚えがなくはないぞ」

成香「ウスザンデス…」

京太郎「有珠山か。そんなところもあったな。同輩がそこの選手に世話になっていた気がする」

アナザー京『というかシスターユキコの学校だぜ、相棒』

京太郎「おっとそうだった」


京太郎「まぁ、その辺にしておこう。被差別民と関わり合いになっても仕方あるまい」

京太郎「帰るよ、明華。もちろん君は自分の家に向かえ」

明華「私は京太郎さんの家に帰りますけれど、この子を置いていくのも忍びないですよ」

成香「ヒモジイデス…」

京太郎「そんなことを言ってもどうしようもないさ。人権がないんだろう?放っておこう」

明華「あら、そんなことはありませんよ。最近日本では、女子高生の間で被差別民を飼うのが流行っているとか」

京太郎「どうしようもない国だな」

明華「京太郎さん、私たちもこの子を飼ってみませんか?私、ペットのいる生活に憧れていたんです」

京太郎「なら、君の家に連れて帰りたまえ。生憎だが俺の家はペットもストーカーも入れないんだ」

成香「ツライデス…」 シュン

明華「ストーカーはもちろん締め出すべきですね。ペットと言ってもこの子はこの前まで人間だったわけですし、躾などの手間もかかりませんよ」

京太郎「そうするよ」 バキッ

明華「あぐっ」 

そして……


―須賀家―


明華「うぅん、この子のお部屋はどこにしましょうか……」

成香「ドコデモ…」

京太郎「飼わんと言ったのになぁ」

アナザー京『まぁ、いいじゃあねえか。ペットがいれば生活に彩りが出るぜ』

京太郎(だからと言って人間を飼ってもね。ただでさえ既に侵入者と半同棲状態だというのに)

明華「1階のトイレの隣の部屋はどうでしょうか?今は大して物を置いていない物置ですし」

京太郎「空き部屋候補を知っている理由はいいとして、なぜそこなんだい?」

明華「それが、ペットを飼う上では大事なことなんですが……」


明華「最近まで人間だったとは言いましても、人権を奪われてからは常識が欠落していく非人が多いそうです」

成香「」 プルプル…

京太郎「ん?」

明華「お化粧直しの場所も分からなくなる子もいるとかで――」

成香「スッキリデス…」 チョロロロロロロ

明華「あらっ、言ってるそばから…」

京太郎「……」 バシーン

成香「イタイデス…」

明華「あら…よしよし」 ナデナデ

成香「グスン」


明華「京太郎さん、何も平手打ちしなくても……」

京太郎「汚らしい畜生には必要な躾だ。次やったら頭を鷲掴みにして床に叩きつける」

成香「ハイ…」 ブリュッ

京太郎「……」 ガシッ ドガッ

成香「ピギッ、ゲフッ、アガッ、ポキャッ」 ドガッ ドガッ ドガッ ドガッ

明華「やり過ぎですよ」

京太郎「ああ、次は殺処分かな」

成香「ホケンジョ…」 京太郎「焼く。庭で」

成香「キヲツケマス…」

明華「次からは間違えないようにしましょうね」 ナデナデ

成香「ハイ」 ペロペロ

明華「あら、汚してしまった床を自分で掃除し始めましたよ。案外利口な子かもしれませんね!」

京太郎「そうか。君も一緒に掃除してすぐに帰ってくれたまえよ」

明華「京太郎さんとこの子にお夕食を作って、一緒にお風呂に入ってからそうしますね」

京太郎「すぐじゃあないじゃないか」


こうして、捨て成香を飼った京太郎の奇妙な生活が始まったのであった

―翌朝、須賀家・庭―


成香「キャンキャン」

京太郎「ふぁ…あ…」

明華「ふふ、可愛らしいあくびですね、京太郎さん。おはようございます」

京太郎「おはよう。明華、君も朝からストーキングに精が出るね。何時からいた?もう帰ったらどうだい」

明華「申し訳ありません、昨日は京太郎さんの寝室の天井で居眠りしてしまいました…」

京太郎「そうか、器用だね。臨海の中国人と一緒に雑技団でも入ったのかい?」

明華「いえ、ただエアコンの風を操作して張り付いていただけですよ」

京太郎「道理で風量がおかしいと思ったが、スタンドか。故障してなくて良かったよ」

明華「ふふっ、全くですね」

京太郎「何も笑えんがね」


成香「クゥーン…」

明華「あっ、早朝から京太郎さんが素敵すぎて非人に構ってあげるのを忘れていました」 ナデナデ

成香「」 フリフリ

明華「あら、髪の毛を振り回してますね。喜んでいるんでしょうか?」

京太郎「滑稽だね」

明華「ふふ、折角ですしお散歩に連れていってあげませんか?」

京太郎「これが手綱かい?」 ガシッ

成香「イタイデス…」 グイイー

明華「それは髪の毛ですけれど、おあつらえ向きに後ろで二又に分かれていていますし」 ガシッ

成香「ランボウデス…」 グイッ

明華「こうやって二人でリードできますね、京太郎さん♥ 」

京太郎「行こうか」 スタスタ

成香「オサンポデス」 ヨチヨチ

―道中―


京太郎「」 スタスタ

成香「ハヤイデス…」 ヨチヨチ グイイイーッ

明華「京太郎さん、もう少しペースを落とさないと非人が疲れてしまいますよ。髪の毛も千切れそうです」

成香「クゥーン」

京太郎「あぁ、すまない。早く終わらせたくってね、つい」

明華「もう、京太郎さんったら」 ウフフフ


霞「!」


                .......::::::::::::.....
              ....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
            .:::::::::::::::/::::::::::::::::::、:::::::::::.
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          :|!:::::!:::|:|从ハ{',:::::|  / i|/!:/::::,':|

         :|  |∨ヽ:ト/笊ミ ` ! 笊ミx:/::::/:::!
            'ゝ′{ゞ≠    ゞメ /イ/:::
            .',::::::::.    '     /イ:::::'
            ':::::::::::..   ー‐   .イ::::::::::/     須賀く…いえ、京太郎くんっ
            .':::::::::::::::ミo。 <!:::::::::::::::/

             :,::::::::::|/!   !ヽ:::::::: /
           _.... l::::::: ! ∧  /! ':::::::: | 、

         ./   :}::::::/   \//. ∧:::::::.  ≧ミx
        / |   ./::::/∨  ∨ :/   .ヽ::::::∨   ;∨
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      />::::::::: イ ¨  :<  /  /   、.\:::::::< ;:
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!:::,  !  :;       /´ /       トヽ}      . : :i! !∨ |::,
';::!  !   ',   >‐‐/   .{ /⌒=―ミ〉ゝ     . : : :::| | :, /:/
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 ヽ r≦/ ̄   /     |i!  /:::; : : : : : : : : : : : : : : : :;.'  |:::,
  } |  /  /  :/      }リ /> ヽ ; : : : : : : : : : ::; イ   !:;
ー ム/  /__/       :|/´   ヽ ̄ >=-----< 、   .!:l
  ∧            !///,__ ヽ  \        ¨ ∧∨
   ハ           }ミトハ {、r≦¨ハ    、 }      / `
    !          !:;:;:;:;:ゝ!:;:|\:;:;∧          /



京太郎「なッ、石戸霞」

明華「……?……!あ、U-5で決勝にいらっしゃった…」

霞「おはよう、朝のお散歩かしら」

京太郎「ええ、そんなところです」


京太郎「それより、なぜ貴女がここに」

霞「「おめでた」の報告をしようと思って……朝早くだけど、気が急いて来ちゃったの」

京太郎「「おめでた」……?……!」

明華「! ご懐妊してらっしゃったんですね!」

霞「ええ、そうなのよ。昨日分かったの」 ニッコリ

京太郎「言われてみれば、確かに……。いや、確かにどころではなく腹が出ている」

アナザー京『胸も心なしかデカくなってやがるッ』

京太郎「ん?なぜ昨日分かったというのにそんなに赤ん坊が大きくなっているんです?」

京太郎「4ヶ月目くらいじゃあないんですか、そのサイズは」

霞「ええ、「事」があったのは1週間前よね?けれど、京太郎くんの御子ということで、神通力で成長を促進してるのよ」

京太郎「へぇ~」

明華「下ろしますね」 ドゴッ

霞「うぷっ?!」



明華「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」 ドゴッ バキッ ガスッ

霞「あががががががが」

京太郎「よすんだ、人権ストリッパーも怯えている」 ガシッ  成香「」 プルプルプルプル… 

明華「ですがこの女とんだ妄言を」 グググ…

京太郎「事実だ。先週キーウィのせいでひと夏の過ちを犯してしまった」

明華「?!!」

明華「は、ハンカチ……あ…ありませんか…」

霞「け、けほっ…ど、どうぞ…」 スッ

明華「ありがとうございます……。……キイィーーーーーーッッ!!!!」 ビリビリビリーッ

京太郎「面倒なので慰めてやるが、気にするな。明華。別に認知するつもりはない」

明華「……ほっ。許せませんが少しは安心しました。許せませんが後で私にも赤ちゃんをお願いしますね?許せませんので」

京太郎「やかましい、これ以上は声掛け事案だ。エタ娘もお前の奇行に怯えているし、そろそろ行くぞ」

成香「」 プルプルプルプル… 


霞「あら?でもこの子…どうやら私に怯えているみたいよ。こちらに気が向かってるわ」

成香「コワイデス……」 プルプルプル

明華「非常識な大きさの乳房に吐き気を催しているんでしょうか?よろしければ裁断しますよ」

霞「認めたくないけれど、そうみたいね。この気は私の胸に向けられているわ」

成香「キャン、キャンッ!!」 プルプルプル

霞「なにかお胸にトラウマでもあるのかしら……」 ウーン

明華「貴女はお胸にトラブルがあるようですよ。カットしますね、痛かったら言わないでください」 ジャキンジャキン

霞「ひ、ひぃっ」

京太郎「うぅむ、胸にトラウマか。何だろうね?少し興味が湧いてきたよ」

アナザー京『インハイで原村和にボコられたせいで人権剥奪されたからじゃねえのか』

京太郎「何だそんなことか。関心が失せたよ」


明華「待ってください、待ってくださいよ」 ジャキンジャキンジャキン

霞「た、助けてっ!!助けてぇーーーーっ!!!」 タタタタタタッ


京太郎「ハサミを持って走り回ったら危ないと学校で習わなかったのか?非常識なヤツだ」

成香「コワイデス…」 スリスリ

京太郎「……行こうか」 スタスタ

成香「ハイ!」 ヨチヨチ

数日後……


―白糸台高校・西棟・1軍部室―


成香「オナカ、スキマシタ…」 グー

京太郎「よしよし、サンジェルマンのサンドウィッチをあげよう」 スッ

成香「アリガトウゴザイマス!」 モグモグ


貝瀬監督「ん?その子はどうしたのよ、須賀」

京太郎「ああ、すみません」

京太郎「私のペットなんですが、いつの間にか懐かれてしまって。学校までついてきてしまったんです」

成香「アタタカイデス」 スリスリ

菫「ペット?どう見ても人間だが……。……それに見覚えがあるぞ…確か有珠山の……」

貝瀬監督「ダメじゃない、須賀~。部室にペットなんか連れてきちゃー。ま、今日は大目に見てあげるけど…」

京太郎「ええ…。申し訳ありません、以後気をつけます」 ペコリ

同輩「へぇ~、成香さんか!この人も人権失くしてたんだなー!」

成香「ホッカイドウイライデスネ」 ペコリ


京太郎「ああ、そうか。同輩は有珠山の女に連れられて北海道に行ったものな」

同輩「ああ!成香さんにも世話になったぜ~!」

成香「コチラコソ…」

照「京ちゃん、この子食べられる?」

尭深「お茶菓子に加工しましょうか」

成香「コワイデス…」 プルプル

京太郎「二人とも、やめてくださいよ。今では俺も愛着が湧いてきているんですから」

成香「クゥン」 スリスリ

京太郎「……ん、よく見るとパンツが裏返しじゃあないか。何度言ったら分かるんだい?分からず屋め」 バチーン

成香「スミマセン…」 シュン

京太郎「やれやれ…早く履きなおすんだよ。きちんとできたらキリンガラナを飲ませてあげるからね」

成香「ハイ!」 ヌギヌギ

菫「おい、部室で女子に何をやらせているんだ…?!須賀…?!!」 ドンビキ

和「京太郎くんは細かいことまで気になってしまう性分ですからね」

照「仕方ないね」

菫「……」


誠子「すみませーん!チーム虎星永久名誉番長亦野誠子さん、おっくれました~!」 バーン

貝瀬監督「コラ、亦野!遅刻してきたくせに偉そうにドア全開で入ってくるんじゃないわよ!」

誠子「へへっ、番長なんで。サーセンw」

尭深「亦野ちゃんは平常運転だね」

誠子「まぁね!……って、ン?」

誠子「誰だ、その子?私のファンか?」

成香「オイシイデス」 ゴクゴク シュワーッ

京太郎「俺のペットですよ、亦野先輩……」

誠子「あぁー、なるほどな!人権失ったザコを飼ってんのか!物好きだなぁ~」

京太郎「成行きですよ、成行き」

同輩「でも最近けっこー流行ってますよね。ここの近くの公園でもペットの戦犯自慢してる飼い主の集まりよく見ますよ」

京太郎「ほう、そんなのもあるのかい」

照「私もちょっと興味ある。妹も県大会で負かした子を飼ってるらしくて、羨ましい」

和「ですが、新しい飼い主と元の家族や友人・学校間で、人権喪失物を巡ったトラブルも多発しているようですよ」

同輩「そうなのか?」

和「ええ、父の話では物権変動の流れが複雑だそうです。なにせ新しい概念ですから学会でも意見が割れているとかで…」

金本「京ちゃんもトラブルに巻き込まれないといいわね」

京太郎「ええ……そうですね」



―数日後……公園―


成香「デマス…」 プルプル…プリッ

京太郎「……はぁ」 ヒョイッ

京太郎(慣れてきたとはいえ、フンの処理はやはりやりたくないものだなぁ…)

成香「イツモアリガトウゴザイマス」 スリスリ

京太郎「……よしよし」 ナデナデ


ダヴァン「オー、仲良しでスネ!」

京太郎「! ……ええ、まぁ……」 ペコリ

ダヴァン「マナーの良さそうなスレイヴでスネ。ジェラシーでス」

京太郎「そんなことはありませんが……。お宅も…?」

ダヴァン「飼ってまスヨ。これデス」

セーラ「ガスガデルデー」 ブッ

ダヴァン「私のスレイヴはどこでも屁ェこいてどこでもビチグソスキャッタリングなので、ブチ殺したくなりマス」

セーラ「ミモデルデー」 ブリュッ

京太郎「ははは……」



ダヴァン「近いうちに殺処分でスネ。それかコレをプレゼントしてくれた友達に返しマス」

セーラ「ツジガイトハモウイヤヤー」 ギュルルルルル…

ダヴァン「おット、怯えて腹を壊してしまったようデス。それではグッバイ」 スタスタスタ

セーラ「トキゴメンナー」 ブリュリュリュリュリュリュブリュッセル


京太郎「……」

成香「……」 スリスリ

京太郎「フフ…。心配するな、俺は君を殺処分もしないし、北海道に返したりもしないよ」 ナデナデ

成香「!」 パァァァァ 

成香「ウレシイデス!」 フリフリ

京太郎「フフフ、そんなに髪の毛を振り回して……。かわいい子だね…」 ナデナデ

成香「エヘヘ」 



揺杏「……成香!」 タッタッタッタッ

京太郎・成香「!!」

揺杏「こんなとこいたとはねー……探し疲れたわマジ」

京太郎「……どちら様で?」

揺杏「ん?……もしかして、成香の飼い主?え、白糸のゴールデンルーキーじゃん」

京太郎「……質問を質問で返すなっ!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」

揺杏「有珠山じゃそうだっけ?忘れたわー」

京太郎「なに…?有珠山……?」

成香「ユアンチャン…!」

京太郎「!! お…お前ッ!成香のいた高校の…ッ!」

揺杏「そーそー。インハイで見たんじゃない?岩舘揺杏」

揺杏「糸こんにゃくの貴公子さんとは違ってヘボかったけどねー」

京太郎「……。……何の用だ?喧嘩なら買わんぞ」

揺杏「何の用って」



                              ,.:::::::::::::::::::::∨ /
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          ` ̄ ヽ   \:...l::/  l::/八:::., 乂ツ     乂ツ V:::} ノ.  \:::::、 \
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                  ,\  .八  l:.:   八   _    ヽ  ./}:::::l   ≧: : :\}ヽ  そりゃー成香を迎えに来たに決まってるっしょ!!
              ∨   、_乂.   / ` 乂   ノ   ´ ,::::'    \: : : ノ : \
__..........:ー  、_    }     ー   ,   八 -≦/   }/      \: : : : : :
: : : : : : : : :\   ∨/////     \    {  /_  ∨⌒ヽ   :} ,       ` ‐ :
: : : : : : : : : : :\  .∨///           ~  - _  .}  _―\ _}
: : : : : : : : : : : : :\  ./   _  _ }      - _  _―      .\
: : : : : : : : : : : : : : : ‐: : : :: : : : : : : : : : :,      _――_-          \
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l      _―‐                \



京太郎・成香「!!」


京太郎「な…なにィ……?」 ヒクッ

揺杏「成香!有珠山のみんなで東京中探してたんだ」

成香「エ……」

揺杏「大変だったなァ、うん。長かったわ」

京太郎「今更何を……家族に縁を切られた成香を養ってきたのは俺だ。しゃしゃり出るんじゃあないッ」

揺杏「成香の両親は法律に従って泣く泣く追い出しただけだっつーの。あのキチガイ法従わなかったら無期懲役か死刑だし」

成香「……」

揺杏「それに、北海道じゃなくて東京に追い出したのも、冬に凍死しないために…っていう気遣いがあってだなァ」

成香「ソ…ソウダッタンデスカ…」

京太郎「……」


揺杏「そういうワケなんで、おにーさん。成香は連れて帰らせてもらいますってことで」




             /        /           \
             /         / |  |       \  \
           /            ′|  l\     \   ,
.          /              i 八  | ̄\      ',  ′
        /             |   _\{   ',
.        ′        |  | ´ __ァ≠ミ _∧      | |
        |           |  |  ´7 ___)心 Υ',     | |
        |           ト、 {   {// 刈 }     | |  オロオロ
       |            l \    乂__ンっ  |    | |
.         |.         |   \   ,,,⌒´ |       |
          ,   |       | ′  \     し |   /   八
         ′        |              /,  /     エ……。
                     从⊂ニ=ニ⊃     / // /
          \ \                イ// 厶イ
.              \ \     、__      |'  /
                 \{\     \l_  / ̄\ ̄ ̄\
                   ̄ ̄7Χ_/     \   /
                       /// \     /\/



京太郎「………………。」

揺杏「おにーさん?聞いてる?」 ペチペチ




        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´              (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                  `ー-、__,|    `"

                   ,..-、,、_,,_
                ,__,.ケ,、ィイYハソュ、,,     ト、      ,イ|

               <_/./从/イソ{"´`ヾh     | LY´ ̄ ̄`7/ !
                    /イ.Vヒリ'rェzjゞ _,,,,jカ}    | | ``ー‐'"´; |
                 リ^j゙',  "´V'''''~jミi!    l |        ', |
                 トレ' ,'  ‐-、,, /ソ'     V       _} !
                 ヾト、   `` ,゙/       {「::i!;ヽ ,ィ;;i!:7 |
                 /j  ヾ:;;;;;;:.:,イ´        l ゞ=''゙; ;ゞ='',' |    ……『キラークイーン』。
                , イ〈    .:;;;;;:.:/     _ _」 ',     ,' i!
               ,イ / !    ,.'´ト、   ,r'´子タ ト、 ‐=- /:.!L,.-──- 、
         _,.-‐''´ / ! ,jr‐<´   ,イ `ヽ/。 。 。  _」;;:ヽ __,ィ ,r'´  ,r''"´ ̄`フ\
     ,r─''"´     /  |/L_ハ。/// ̄ノ   ,rュ_」7,イj!;:;:;:;:;::.:.:,ノ, イ7′  , '´/7rェヽ
    / i         `フ ! /;.;i   ,//  ,/q /ハ レ'ヾヾ\;;:;:.:.:: .: . ./´ー==イ、, 弋夲/i
    ! |       「 ̄  l i;;;;;|   リ  ,イl   L_」l  レ'´     _ノ二ニヽ ヾヽ  `¨7
    | ゙i       i   | |;;:;;| _,ハ__ノ^|」 o o oト、/  ,.-‐'"´\  _」」_」_」、  /
    ,〉、 ゙i、       |   ,| ,!;;;::;|ノ-、/, イ:; ̄ ̄`¨`Y;:,r'"´二ニヽ,.-‐''"´`ヽ  ヽi| /
   ,ハ \ト、     l    !,!;;::;/ー-/  / .:.:    _,リ´   ̄`\\   ヽ \  ,j!,イ
   / iヽ  ハ    |   i!;r'ー=,/  /  .:.:  _/        / ゙i\   `,   !/.:;:;!
  ,/  ! \,! ト、   l   ,r'´  ̄i  i  / ̄         /  |  !   i /   /
 /    !ヽ   iト、.   |,イ     |  \/       _,, '´ ヾ  | ,/;:::.:.:.,r'"´  ,/
,/    |  \ | ゙、  ,l ハ、    \  ,/__    , '´      ≧j/;;;:r:;"´    ,/
i     / ̄`` ー!  ! iリ  `'ー--‐ュj ,/,r─-、ヽ/      ,r''" ̄ ̄``ヽ::;:;:.:. ../
|    ,/       |  i  ヽ       /;:;i 1   ,! l  ,.-‐'"´!\;;:.:. :.:. :. :.:l:::::.:/
ヽ        l   ハ  \__」;;;:.:.:\_ノ,/, イ77;;:.:r=ュ!_\.:.:.:.:.,r''"¨´
 \__ o o   !   i    \  `>:;:;:;:;>!三二二>;:;〉j戉7!:; .::;i.::.::〈
      ̄ ̄`¨ヾ  |    /i ,/;;;;;;:;:;:;:| !/r=、ヾ;;;:;://.:.:.:.ノィィィィbb7

          `7 /    /,イ /;;;;;;;:;:;:;:;:|」〈戉7/;:;:;:;ヾ.:.:./「「「「「!!!!!L



揺杏「え?なんつった?高級娼婦?」

京太郎「……やかましいッ!!」

         __      __   _      __
    /::ヽ.   「::::l /}  /:::/ /´::::/     /´::::> ,.-.、_        __,,..、
    〈:::::::ハ  |:::::j '´   |:::::/ /:::::::/./!   /:::::/ /:::::/      /::::::::j__
    ';:::::::l l/ _    l::::i /:::::::://:::/  /:::::/ /::::://::7   ,:'::::::::/::::::〉    __
     V:::::l /::::}.   l:::::!ヽ一' l/   /::::::< └-' 〈_:/  /::::://:::::::/,.ヘ.  /:::::/
     V:::レ::::::::r'  .l:::::l       /:::;へ::::\      /:::::<  ー-'<:://::::::://:ヽ
       .';:::::::::/   ;:::::└‐:::ァ    ∨  丶;::::>.    ,'::::;ヘ::丶、  ´ /::::::::/':::::::/
       .';::::〈     !::::;_:::::::/          `     レ'   `¨   /:::::::< ヽ;;/::::>
       ヽ::::〉    |::/  ̄                        /::::;::::::::\ ヽ'
          .V     U                             〈:::/ \/

                             l!リ ,ー!   ば   ば
                         、 li ,イ⌒〈 .|   ば   .ば
              ッ-‐、        ヾ、, ィ゙´`ヘ、__,イ了  .ば   .ば   .し
          、.l!i{   }-、,,   、シ.⌒ヽ、__∧   .l丿  .ば   .ば   ば
            、シ⌒゙ト→′ ヾ,,   ニl、_,イ   ヘ  ∠        ば   ば
         八 _ ハ     `l、_ ,,.f、  ヾ   ヽ.__,ィ\__.      ば    .ば
      ミ/⌒.、   \   .ノノ .杉!:ヽ、_,>ー'´: : :L__/ヽ,  ,__、 ,、_    _  ,ゝ
    _ニ/__  .人    `ァt'/  ,〉 ト、ヾ、_: : : _厂,イ|: :/  .|/./ `′ ∨⌒ヾ、V ´
  / .Ξ}  `<  `ヾ、__/: !  ,.イ  | LY´ ̄ ̄`7/ !f´|.     /     ./.ヽ._ノ7‐-、
..=/   .三|_  ._ト、   ,ノ: /〉´.   | | ``ー‐'"´; | /`ーt./    /    /⌒ォ 〉ニ
.手   Ξト ̄  ` ̄フ: :_|ミ.      l |        ', | 〈   ト、_  /    ./丶.ノ/Ξ
豸     彡|、 `ー一'´: :,ノ:/      V       _} ! \_,∠: : :`^ヾ、_  /   ,イ ミ
斗    彳l、`ー一 '´-':/_      {「::i!;ヽ ,ィ;;i!:7 |./ |: : ヾ_ : : : : :`:ヾ、_.//ミ
.汁      !`liTl!爪l|/ニ≧ヽ,\リヘ l ゞ=''゙; ;ゞ='',' ト、_ .ヽ:   ,.イ´ ̄`ヽ: : : /ヾ
彡!      〃 / ⌒ヽ、_   `ヽヘ.\'ム ',     ,' i!./  ` >‐.'"´  .l     八:/ヾ
. 亥      /{  .丿 \⌒ヽソ ./ l.ハ  ‐=-   i!/  ミ/       `>ー'‐、ヘ`゛
   `ー‐卅_/シ⌒ヽ,´     ヘ彡 〉ハ .i.ヽ;::ヽ __,ィ ,r'f  .ミ|   _., -‐'´|     |∧
     // |  丿\     }ニ.// .i ! | j丶、 ̄_,ゝヘ   `.>' ´    ヽ_  ノニ ト.、
  、 ./ _シ⌒く´    `ヾ、/ミ_j. .Ⅵ. __`.ー一 '´ ノ.__∨ 三|      _ /. ̄ \ニ! ヘ二
. ヾツ  ニト、  ノ_      .//`´  i!.〉´ .`ヽ__i|! / ニl._人 _ -‐'´ !    lミ. |ミ .∧ニ
. 三!. ーr' ⌒〈  `.ー-、_ノ〈.|.  、シ´ヘ _ノ←<く__     l | l´      ヽ、__/ミ : lミ .ムΞ
 ニ| ニ|  .人      / ハ∨ ミ!    ./   .l彡ヽ   .ノ:/ ∨.     __./  ̄.\: : :l.ミ  ハ _
  手.彡{`"´  ヾ___./ /.:| `,.イ     ./ヽ=ィ⌒ヾ、\/: :/ .ハ`ー‐.'´ {    |ミ: |`゙ : :ヘミ
  豸 彳`ー.、__   .}.'´ ,イ./: :.|    ./    ト、_ノ‐-、〈´ .f: :ヘ.      \_ノミ: :ノミ. : : :!ミ
.   亥  川 !li`廾´  / /  : ヽ、 ./    /   イ.   `lニ.l: : : ヽt一廾'"^~´: :/ヾ、. : : :|ミ
    ´ `ゝ、: : : : : : . ./.ニl     〈    ./    ./.ヽニノニ ヽ: : : : ` ー---ィヾ´    : : /ミ、
    〃   `卅─爪  彡` ー‐.、_ノ`ヾ、_/     /   ./、    \: : :      `゙   ./ミ、
              ´〃    川 リ!`ヽイ´  _ノミ ヽ    !lヽ、_       _ /丶 `
                          丁Π ヾ ゙       i| `^卅ー十爪ヾ 、ゞ ゛






揺杏「だべべべべべべべべべべべべうわなんかめっちゃ殴られてるゥー!!!」 ズシャッ


                ,、
          //  |亅
       / /   | |. /l
       / / /1 ||| |
      .7 / | | | l |/ ,-‐─¬

      / /   l | |ノ  `"7T7/  l\_____                         __
      / /    l |     // レ    ヽ_____ \                / \   / /
      / /     l |     |/             / /                 ヽ、_/ / /
     /_/     レV゙                  \ヽ_______        __/ /
                                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´  / ̄ ̄__/
                                             ̄ ̄ ̄


                          /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
                        /´> ´   ,    }      \
                        , ´    /     :    、   ヽ
                       /     /  '      |  |   ∨    :.
                     ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
                           / '   ' / |{ |    / /| }  l  |    |
                      // / { | { .|、 |  , }/ }/  /  }    {
                     / ,..イ , } |\{::/{_/  /   乂__ ..`ニ=ミ∨
                        ̄´  |∧ 「{{`fッミ} ,_...:厶斗匕  {彡/⌒i }ノ
                          八}`¨ニノ ⌒K¨亙>  `´ノ⌒} |´
                             /::...   ゙^    .:/ _}:;ノ ノ    
                              ', 〈、_,        /  (__,彡′
                                  __      /   /{//        
                                 i ‐-`丶    / レヘ     外地に帰れ……屯田兵ッ!!
                               }        / // ノ{
                                 \__ ..   < ///: :〉
                            厂\ __///   /⌒\__
                              . -‐/}/⌒⌒ヽニニ. /   ,//⌒ー-->‐-
                           / /〈_/::::::::::::ノ }ニ/    /    ,/     .
                     / /   >ー=彡八/  ___,/  .....::/     ____゚,
                    く /   /::::/'ニ  /   \  .::::/     /
                   _/ {   / }}:::/^) ,//     / ...:::/   /       i
                    /}   /  /:=彡::/__/ /     / .::: /          |
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 : : ;'{: : l: : : : : /: : :/:/-‐'三/: \: ;>''´ //三',: : : l   |  ┼``
 : : | l : : : : :_, ': : :/: :/‐冬ミ/: : ,イ^ 三/'´三三 : : |    l  丿
 : : | ', : : /ア : /: : :/' ん//:圷ミ _、‐''゛ 三 ─-ミ}.: :.|

 : : l ', : l/: :/': : : /  {///7 三三三三三三/: : :|      つ

 : :/  V/:., ' .,': : :./   ,乂zシ 三三三ーァ示三: }: : :′
 :/   /:.人`l : : ,'   /     三三 んr7マア: }: : ,      フ
    ./:/^', : |: : ,'  u              {zシ / : : } : ′    ⌒)
   //   ゞ| : ′    マ 、    `    /: : : :}: ′     `¨
  ./''      |: :l \    \  、     /: : : : ': '
  /      ,|: :{  \      ̄     ィ: l: : : //


成香「ユ、ユアンチャン……」

揺杏「あ、あだだだ……。な、なんつーか予想外っつーか…」

揺杏「さすがに東京のヤバさを実感したさ……うん、帰るわ!!」

成香「エ」

揺杏「じゃあね成香、内地でもガンバってことで!!」 ピューーーーッ


成香「……」

京太郎「……すまないが、迎えは追い返してしまった」

成香「……ハイ」

京太郎「何故だろうな……。君を手放したくないという気持ちが、自分で思っていた以上に強かったらしい…」

成香「……ハイ」

京太郎「これからも……この須賀京太郎のペットでいてくれるかい…?成香……。」



         /               \
         /   /     /        ヽ
      /   /       /            ,
.     /   /       /        ∧│ ',
       //       /        〉/ i Ⅳ
.      i.  ′      /        // -| l |   .
.      |  i |       /        //   |/ |   i
.     l Y^      .′         / i --ミ| ′ |
.    │人|i              / i | 斥㍉_ |i  |
.    八  |     ¦       ′| ん::f 7 |l /
.      ヽⅱl    |¦i      i  l 乂ソ /  .| ′
         从l    |│|       |  レ′ /|  j/
.           \  | Ⅳ.     |。   人|  /   ……ハイ!
         / く ヽ|/ 丶    | ,,.. <  |/
     >‐/.  \   /\  〔
   /  〈     丶 .′ヽ\│



京太郎「フフフ……。そうか、そうか…!」

京太郎「よし、今夜は御馳走だ……!高級ドッグフードを食わせてやろうッ!!」

成香「アリガトウゴザイマス!」

京太郎「フフ……。ハハハハハ……!」

                       ,.:::::::::..、
                  /:::::::::::y-、:、
                   ,.::::::/ゝ ,。 -――-....
                    ,.:::::/~ ,ィ::::::::::::::::::::::―:::::::::::.、
               ,.::::::::r .イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::、
             ,::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::.,
                ,::::::::::::/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::;::,
           ,:::::::;::::/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::l、:::::::::::::::;:::::::::,

              ,::::::;:::::i::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::; ヽ::::::::::::;:::::::::;
           ,:::::/:::::|::::::::/::::::::::::::::::::::::::::/:::'   V::::::::::;:::::::l
            |::/::::::::|::::::/:::::::::::::::::::::::::/,::/   ∨:::::::l:::::::|
             /:::::::::::|:::::;:::::::l:::::::::::::/  ノ   ⌒.∨:::::;::::::|
         ,.:::::::::::l:::::::|::::;::::::::|:::::::/       __.x ∨:::l::::::'
          /::::;::::::::l:::::/':::;:::::从:::/≧     イ笊リ丶 /;::|::::'_
.        ;::::/::::::::|:::::マ::;::::::| ':乂ソ       弋ソ / ;ノ':::l/:. :. :
.        |::::、::从:/:. 入,::::::l、 、'''    、   '''  ,:i| ;::|:. :. :. :l     チャンチャン♪
         .乂::; ィ:. :. :. :.:l::::::|.乂           ノ:./:.|/:. :. :. :. :、
            `/:. :. :. :. :入:::|:. :.>。. ゝ`__,  ..イ:. :/:. :. :. :. :. :. :. :{
        r≦:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :__>‐―:、_:. :. :. :. /:. :. :. :. :. :. :.i
      y:. :. :. :. :. :. >‐‐--:. :. :. :. :.ム    \   <:. :. :. :. :. :. :. :.、
     ,ィ:. :. :. :. :. ´:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\ _....。s‐=-‐:. :. :. :. :. :. :. :. ヽ{

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 ̄ ̄ ̄ ̄ `<:. :. :. :. :. :. :. :>´ ̄ ̄ ̄ ̄` ‐=<:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.イ ̄ ̄ ̄ ̄

          ` ー ´                 `  ー ≦



―捨てなるカッスは拾われたい  カン!―


流石に眠いので最後の方適当に切り上げちゃいました、すんません

それではまた



        /::::::::::::::::::::::::::ヽ

        /::::::::::::ハ::::ハ::::::::::ム
        i:: ハ 乂 レ ノ リ:::::::}
        |:。:l. ○  ○ .|l:::::i <おやすみ~
        ノ::::八xx .ワ xx.ノ::::::}
       /:::メ:_≧-. -≦_:f⌒i、

    .,、.,,/::_/ヽ>=Y=<丿: 、:;.ヽ、
   ;`;, :.:.:.:'(.__.人, .、,.||., ./、,;. 、:;. ;.、'::,. ; .:.、._    /i
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>>399
てか明華に1年生ですかって聞かれてなるカッスは「ハイ」って言ってるけど2年だったわ 謎ミス

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