【ミリマス】徳川まつりと、ワケあり女性P (40)

プロデューサー(以下、P)「……はい。ではそのように調整を進めて参ります……はい、ありがとうございます。それでは失礼します」ピッ

エミリー「おはようございます仕掛け人さま。お忙しそうですね」

P「おはようエミリー。大丈夫だよ。それにちょうど良かった。今の電話、Charlotte・Charlotteがイメージキャラクターをしているおもちゃメーカーの担当者さんからだったんだけど」

エミリー「はい。先週まつりさんと私で複合商業施設で行われた商品紹介の催しを務めさせていただきました」

P「ええ。イベントもおかげさまで大好評。二人がCMに出てる着せ替え人形の売り上げも好調だってお礼の電話をいただいたんだ」

エミリー「そうでしたか。嬉しいです♪」

P「近々別のショッピングモールでもイベントを開催する予定があるみたいだから、ぜひ二人にも引き続き出演してほしいって」

エミリー「もちろん喜んでお引き受けいたします! きっとまつりさんもそうおっしゃるはずです。えっと、まつりさんはどちらに?」

P「今日は午前中にどうしても外せない用事があって、劇場に来るのは午後からになるそうだよ」

エミリー「そうでしたか……私はこの後伊織さまと一緒に電視台番組の収録に向かうので、入れ違いになってしまいますね」

P「うん。だからイベントの件は私から伝えておくよ」


P(今日のまつりは、あの子のところに行くんだったな……)

P(あの子との出逢いは、まだ私が劇場のプロデュースを任されるようになって間もない頃……当然Charlotte・Charlotteも結成されてなかったな)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1580980346

―――回想―――


美咲「もしもし、765プロライブ劇場です。……はい……はい……。少々お待ちください。――Pさん、今大丈夫ですか。少しご相談が……」

P「大丈夫ですよ。どうしましたか」

美咲「車椅子席のチケットのご予約を希望されるお客様なんですが、車椅子席一つに対して傍に同伴者を四名つけたいとのご要望です。もちろんチケット代は必要なだけ支払うとのことで」

P「ふむ。一応ルール上は車椅子席一席に対して同伴者二名までで販売してるけど、これは車椅子席がすべて売り切れる場合を想定しての設定だから、他に空席があるなら対応可能ですね」

P「765プロオールスターズのメンバーが登壇しない回なら完売はないでしょう。どの公演ですか?」

美咲「来週の、まつりちゃんのセンター公演ですね」

P「その回なら……うん。ファンクラブ会員で車椅子席を希望される方の予約も一組だけだし、対応できそう。そのようにお伝えください」

美咲「は~い♪ もしもし、お待たせしました――」

……

P「なるほど。入院中の女の子が、お母様と病院のスタッフの方と一緒にご来場されると」

美咲「はい。娘さん、まつりちゃんの大ファンだそうですよ」

P「そういうことなら、今後もリピーターになってくださるかもしれないし、一度ご挨拶しておきましょう」

――そしてまつりのセンター公演当日


P「吉良木ララ様ですね。みなさまようこそいらっしゃいました。私、765プロダクションのプロデューサーをしている者です」

ララの母「まあ、Pさんでしたか。ご丁寧にありがとうございます。ほら、ララも挨拶しましょう」

ララ「こんにちは。よろしくお願いします」

P「こちらこそ。そうだ。ララちゃんは、まつりのどんなところが好きなの?」

ララ「えっと……たくさんあるけど、一番は魔法の国のお姫様みたいにきらきらしてるところです」

P「魔法の……ふふっ。そうだね。それじゃあ今日はまつりたちがみんなでララちゃんを魔法の国に招待するから、最後までゆっくり楽しんでいってね」

ララ「はい!」

P「――とまあそういうわけで、これがその子からまつり宛のファンレターだよ」

まつり「わんだほー! とってもきゅーとなお手紙なのです」

P「ララちゃんは新潟在住の小学5年生。今日はライブを見に来るために紹介してもらった東京の病院に一泊していくそうだよ」

まつり「遠いところからわざわざ……車椅子に乗っているということは、体の具合もあまり良くないのです?」

P「そうだね。付き添っているお母さんがそれとなく教えてくれたんだけど……そう何年も生きられないみたい」

まつり「そういうことだったのですね……」

P「だけどまつりのことを話してるときの目、とてもきらきらして素敵だったよ。あなたのことが本当に大好きなのね」

まつり(徳川まつりちゃんへ……ふふっ。かわいいウミウシのシールまで)


エミリー「まつりさん、仕掛け人さま、こちらにいらしたんですね」

育「ステージ裏で小鳥さんが呼んでるよ。二人とも急いで」

P「あっ、ごめん。それじゃあまつり、行こうか」

まつり「ええ。来てくれたお客さんみんなのために、最高のライブにするのですよ」

――後日


P「まつり、出たいって言ってたミュージカルのオーディション無事エントリーできたよ」

まつり「ありがとうなのですPさん! あとは姫がばっちりオーディションを勝ち抜いて、魔法使い役を射止めるだけなのです」

P(このミュージカルは全国5ヶ所で開催予定で、新潟でも公演が行われる。まつりが張り切るのは、やっぱりララちゃんのことも頭にあるからかな)

P(演技指導なら私も力になれそう。頑張らなきゃ)


まつり「ほー……そんなに舞踏会に行きたいのかい。なら一つ条件がある。それさえ呑んでくれれば力になってやろう」

P(さすが演技が得意と言うだけあって上手いな。だからこそ、もっと要求水準を上げられそうだ)

P「うーん。この魔法使いは別に老婆ではないんだけどさ、それでも今のままだとちょっと可愛すぎるかもしれないね」

まつり「なるほど……もう少し意地悪そうにしてみたほうがいいのです?」

P「そうだね。口調よりも、動きや姿勢なんかで威圧感を出すのを意識すればバランスが良いんじゃないかな」

まつり「わかったのです。もう一度行くのです!」

P「お疲れ様。随分完成度も上がったね。今日はこの辺で切り上げようか。はい、お水をどうぞ」

まつり「はいほー! お疲れ様なのです」


P「そういえばまつり、あなた漫画が好きなの? ほら、プロフィールに書いてあるから」

まつり「もちろんなのです。漫画には女の子の夢とドキドキが詰まっているのですよ」

P「ってことは基本は少女漫画を中心に集めてるの?」

まつり「少年漫画だって読むのですよ。夢見る気持ちには男も女も関係ないのです」

P「夢見る気持ち、か……そうね」

まつり「Pさんは何か好きな漫画はないのです?」

P「私? うーん、最近はあんまり……でも小さい頃夢中になった作品ならあるよ。まつりの趣味とはちょっとズレるかもしれないけど」

まつり「何なのです?」

P「まつりの世代ならギリギリ知ってるかな? 魔法戦姫シャイニープリンセス」

まつり「わんだほー! Pさんもシャイプリが好きなのです!?」

P「え――うん。なにせ直撃世代だからね。グッズも色々買ってもらったし、当然原作も全巻集めたよ。アニメ版は同世代の女の子ならほぼみんな観てたんじゃないかな」

P(意外だな。魔女っ子要素の有無はさておき、てっきりラブコメ系が好きなんだと思ってたからこんなに食いつかれるとは……もう少し話してみよう)

P「誕生日やクリスマスに変身アイテムや武器のおもちゃをねだってさ。あれって毎年パワーアップしていくから親はたまったもんじゃないよね」

まつり「魔法少女あるあるなのです」

P「確か5年間放送してたと思うんだけど、最後のほうは同級生の子たちはみんな飽きて卒業していっちゃって。ちょっと寂しかったな」

まつり「それならPさんのお友達の多くは、みんなあのラストを知らないのです?」

P「そうなっちゃうね。あれが良いんだけどねー」

まつり「その通りなのです! あれは後の魔法少女史に多大な影響を与えた伝説のラストなのです!」

P「そうなんだよ! まずラスボスの名前がパンドラメイデンで、しかも設定がギリシャ神話のパンドラから上手いこと持ってきててさ――」

まつり「パンドラメイデンは宇宙に混沌と闇を撒き散らす存在」

P「そしてシャイニープリンセスは混沌に抗い夢と希望を運ぶ存在」

まつり「言ってみれば両者は表裏一体」

P「宇宙ある限りパンドラの箱は災いを生み出し続ける」

まつり「だからシャイニープリンセスは戦いをやめないのです。みんなの夢を守るために」

P「ストーリーは一応ハッピーエンドで完結したけど、概念上ではシャイニープリンセスはパンドラメイデンと永遠に戦い続けることになる」

まつり「シャイニープリンセスが今もどこかで戦い続けているから、人々は今日も夢を諦めずにいられるのです」

P「まつり!」

まつり「Pさん!」

ガシッ

P・まつり「あなたはなんてわかり手なの(です)!?」


そんなこんなでまつりは順調にオーディションを勝ち進み、いよいよ最終選考の日を迎えた

――オーディション会場


伏木富里子「おはようございます。スタッフのみなさん、今日はよろしくお願いします。えへへ」

スタッフA「よろしくお願いします……って、何してるんですか?」

富里子「? 何って、セーターにできた毛玉を集めてうさぎさんを作ってるんですよ~」

スタッフA「は、はぁ……」

P(まさか彼女が出場しているとはね)

まつり「須五井プロダクションの伏木富里子ちゃんなのです。これほどの実績と知名度のある人も出場していたのですね」

P「ええ。そうね……」

P(伏木富里子、25歳。須五井プロアイドル部門正所属。わたしと同じ養成所の二期上で、当時は俳優志望だった。少なくとも不思議ちゃん系アイドルに進む噂なんて聞いたことなかった)

P(おそらく練習生登録の段階で、事務所サイドが役者一本では食べていけないと判断したんだろう。元々プロポーションはずば抜けてたし、この路線ならそちらも武器になる)

P(実力はあっても役者として認められていない以上、超人気アイドルの現在でもミュージカルはオーディションからの出場――と考えれば合点はいくけど)

P(まずいな。現状の世間的な評価でいえば、おそらく彼女はまつりのほぼ上位互換……制作側としても、知名度の高い人材を使えるに超したことはないだろうし)

まつり「それではPさん、行ってくるのですよ」

P「あ、うん。いつもどおり、まつりらしく頑張ってね」

まつり「ベストを尽くせれば悔いはないのです。いざ出陣なのです」

――そして


まつり「残念ながら落選してしまったのです。しょんぼりまつりなのです」

P(と言ってるわりにはあまりしょげてるように見えないけど……)

P「魔法使い役に選ばれたのは伏木さんだったね。やっぱり、順当って感じなのかな」

まつり「ええ。堂々とした素晴らしい魔法使いだったのです。まつりとしても、とっても参考になる良い経験ができたのですよ」

P「それじゃあ劇場に帰ろうか。みんなも待ってるからね」

タタタ…ドンッ!

富里子「きゃっ!」

P「わっ!」

バササッ!

富里子「あっ、ごめんなさい」

P「いえ、こちらこそすみません……」

まつり「すぐに拾いますね」

富里子「ありがとう。それでは失礼します」タタタ…

まつり「さすが富里子ちゃん、お忙しい様子なのです」

P「ええ。けれど……落とした書類は仕事に関係したものではなかったみたいね」

まつり「資格試験の通信講座のテキスト類……だったのです」

P「そういえば……須五井プロには最近正所属に昇格した10代の不思議ちゃんアイドルがいたね」

まつり「まさか富里子ちゃん、アイドルを辞めるつもりなのです?」

P「それはわからないけど、そんな感じのことを書き立てるゴシップ記事なら読んだことはあるよ」


彼女は、やはり私の顔なんて覚えていなかった。当然だ。彼女が戦うフィールドは私が足を踏み入れることのできた範囲の遙か向こう側なんだ。

そこに上れずに散っていった数知れない者の顔なんて、覚えていてもきりがない。

どうあれ彼女は本来追っていた理想の自分よりも、手持ちのカードを活かせる分野に進むことを選んだ。自分自身の行く末に対し冷徹になれる人なんだ。

だからこそあれだけのスターダムにのし上がりながらも、己の限界に自覚的なのかもしれない。

大人気アイドル伏木富里子の期限は迫っている。同じような技量を持つより若い人材も、須五井の練習生ならごまんといるのだろう。

――帰りの車中


ブーン…

まつり「……」

P「……」

まつり「……Pさん、少し質問があるのです」

P「どうしたの?」

まつり「Pさんは、小さい頃シャイプリがとっても大好きだったのですよね。原作も全巻集めて何度も読み返すくらいに」

P「ええ。それはもちろん。シャイプリだけじゃなく、他の漫画だって読んでたよ」

まつり「では……漫画をあまり読まなくなったのは、どうしてなのです?」

P「それは……うーん、だんだん興味がなくなっていったというか」

まつり「今はもう、本屋さんの漫画コーナーに立ち寄ったりはしないのです?」

P「そうだね。読む本も最近では小説よりもビジネス書だったり仕事に関連するものばかりになってるかな」

まつり「時間さえあれば、小説も読んでみたいと思うのです?」

P「どうだろう。みんなが出てる映画やドラマの原作だったら読むだろうけど、それ以外となるとわからないな」

まつり「Pさんは、それでも平気なのですね」

P「そうだね。昔の自分と今の自分って、かなり違うのかもしれない。でも私、こうやってまつりやみんなのために仕事してる自分のこと、結構気に入ってるよ」

まつり「……」

P(まつり? 今、一瞬浮かない顔をしたような……)

まつり「Pさん、どうかしたのです?」

P「え? いや、心なしかまつりが寂しそうな顔をしてた気がしたから。何か私が変なこと言っちゃったのかと思って」

まつり「そんなことないのです。姫はPさんとお話しできて、とってもはっぴー!なのですよ」

P「そう? それなら良かった。さあ、劇場に着いたら次の定期公演の打ち合わせだよ。張り切っていこうね」

そうして腹の内を探り合うような会話をして、改めて理解したことがあった。

まつりがいつもどこか本心を秘めながら話すのは、それが彼女のポリシーだから。

場を和ませるためなら、たとえしょげていなくても「しょんぼりなのです」と言う。

逆に自分の後ろ向きな感情をきれいさっぱり収めてしまうこともある。

徳川まつりはサービス精神の塊。誰かを楽しませることが心の底から好きなのだ。

一方の私が腹の内を隠すのは、負い目があるから。


私はかつて女優を目指し、須五井プロダクションの門を叩いた。養成所を卒業し、並み居る同期の精鋭たちと共に練習生登録までこぎつけた。

しかし同期や後輩の練習生たちが次々と正所属へと昇格していき、いつの間にか私に座れる椅子はなくなっていた。

程なくして、私は天下の須五井プロダクションからあっけなく契約を打ち切られた。

その後も他の事務所のオーディションやトライアウトを受け続ける道もあったのだろう。けれども私に夢を追い続けるだけの力は残されていなかった。

そんな私をプロデューサーの道に導いてくれたのは、今は海外に長期出張中である、先に765プロに入社しプロデューサーとして活躍していた大学時代の先輩だった。

新人として彼に仕事のいろはを叩き込まれた私は、やがて高木社長が押し進める自社劇場プロジェクトを任されることになった。

夢破れた私にとって、この劇場で切磋琢磨しながら夢を追いかける女の子たちの姿はあまりにも眩しかった。

だからこそ彼女たちの前では弱音を吐かず、せめてしっかり者のプロデューサーでいたかった。

私が女優を目指していたことを知っているのは高木社長と音無さん、そして先輩から事前に事情を聞かされていた765プロオールスターズの13人だけだ。

目の前の誰かを楽しませるために本心を秘めるまつりと、己の弱みを覆うために本心を秘める私。

戦うお姫様に憧れた者同士でありながら、私とまつりはこんなにも違う。

まつりを見ていると、私がいかにエンターテイナーに向いていなかったかを痛感する。

もし「自分自身を替えの利く存在だと捉えたことはないか」なんて質問を投げかけたとしても、まつりならきっとこう答えるだろう。

「まつりはみんなの姫なのです。今までもこれからも、それはずっと変わらないのですよ」

私はお姫様にはなれない。

こんな私でもあなたのプロデューサーでいていいのかな――時折そんな思いに苛まれる。

――ある日の定期公演終演後


P「今日はご来場ありがとうございました」

ララの母「こちらこそ、いつもご丁寧にありがとうございます。おまけにまつりちゃんの握手会にまで参加させていただいて……」

P「いえいえ。それに今日の握手会はファンクラブ会員特典ですから」

P(前回のご来場のときにちゃっかりファンクラブの営業にも成功しちゃったわけだけど……こちらとしてもその方が諸々の対応もスムーズに動けるからね)

P「ララちゃん、今日はお父さんも一緒に来られて良かったね」

ララ「はい。今日のライブもとっても楽しかったです!」

ララの父「まつりちゃんのサイン入りCD、大事にしなきゃな」

ララ「うん♪ Pさん、今度またまつりちゃんにお手紙送りますね」

ララの母「もうララったら。さっきお手紙渡したばっかりでしょ」

P「うふふ。待ってるよ。またいつでも遊びに来てね」

P(さて……ライブも終わったし、さっさと残ってる書類完成させなきゃ)

P(えっと、夜想令嬢の広告の発注に、Cleaskyのドラマスタッフとの打ち合わせ資料に、トゥインクルリズムの殺陣の先生へのご挨拶に……)

P(あーっ、ダメだ! 頭がこんがらがってきた。大きい新企画をこれだけ同時進行させるのは無茶すぎたか)

P(だけど、そもそもこの新企画は私の提案を高木社長が汲んでくれて実現したんだ。絶対に成功させたい。まだ全ユニット出揃ってない段階で泣き言なんて言ってられるものか!)

まつり「Pさん、少しだけいいのです?」

P「わっ、まつり!? 帰ったんじゃなかったの?」

まつり「大事なお仕事の邪魔をして申し訳ないのです。でも、疲れたまま作業を続けても良いお仕事はできないのです。ここは一旦頭をりふれっしゅ!させるのですよ」

P「あぁ……そうかもしれないね。ありがとう。ではお言葉に甘えてちょっと休憩しようかな」

まつり「ということで――はい、Pさん」

P「えっ、何? プレゼント……?」

まつり「はっぴーばーすでー!なのです」

P「あ――そっか。今日私、誕生日だったんだよね。ごめん、今朝みんなにお祝いしてもらったのにすっかり忘れてた」

まつり「早速開けてほしいのです」

P「ありがとう。それじゃ、遠慮なく……」パカッ

P「!! これ……シャイニープリンセスの変身ブローチ。大人向けのリバイバルグッズで、完全受注生産だった――」

P(ずっと欲しくて予約するつもりでいたけど、忙しくてなんだかんだしてるうちに予約受付期間が終わって、泣く泣く諦めてたのに……)

まつり「シャイプリの大ファンだったPさんへの、姫からのささやかな気持ちなのです――って」

P「うぅっ……」グスッ

まつり「ほ!?」

P「ごめんびっくりさせちゃって。だって、もう買えないって思ってたから……」

P(ダメダメ。せっかくプレゼントもらったのに泣くなんて。笑顔笑顔……)

P「すごく嬉しい――やっぱりお姫様って、魔法が使えるのね」

まつり「ほ――」

P「?」

まつり「だって……これを使って、もっとすてきな魔法をかけてほしいから」

P「……うん。これがあれば、どこまでも頑張れそう。本当にありがとう。恥ずかしがり屋のお姫様」

まつり「ほ? 誕生日だからって、調子に乗りすぎなのです。……もう」

それから数ヶ月後、39プロジェクトでは新たな試みが始まり、夜想令嬢やCleaskyなど6つの新ユニットがお披露目された。

横須賀でのライブでD/Zealの結成が高らかに発表され新ユニットの活動も後半戦に入る中、いよいよまつりの新ユニットが動き出した。



P「――というわけで、まつりとエミリーには2人で新ユニットを組んでもらうよ。合わせてダブル主演で朗読劇を開催することも決まった」

P「そしてこれがビジュアルイメージだよ。ユニット名はCharlotte・Charlotte。コンセプトは双子のお姫様! どう? 気に入ってくれたかな」

エミリー「私とまつりさんで双子のお姫様ですか! なんと……」

まつり「わんだほー! とってもかわいいユニットなのです! エミリーちゃん、一緒にがんばりましょう」

エミリー「はい!」

P「そして実は朗読劇の台本ももう完成してるんだ。まだいくつか微調整するかもしれないけど、お話の流れは基本このままになるよ」

まつり「では早速読ませていただくのです」

まつり「なるほど……とっても不思議で幻想的で、心が揺さぶられるようなお話なのです」

エミリー「はい。私もすぐに物語の世界へ引き込まれました。けれど……なんだか悲しいお話ですね」

まつり「ほ?」

P「ふむ。ストーリーとしてはハッピーエンドだと思うけど、シャルロットとシャーロットはお別れすることになるから、エミリーがそう感じるのも無理ないかもしれないね」

エミリー「ええ。私としては、二人にはずっと一緒にいて欲しかったのですが……どうしてお別れしなければならなかったのでしょう」

まつり「それが大人になるということなのです。エミリーちゃんにもわかるときが来るのです」

P「うん。そうだね。でもエミリーには、ぜひ今のその感覚を大事にしながら演じて欲しいな」

まつり「そうなのです。今のエミリーちゃんはそれでいいのですよ」

エミリー「む、なんだか子ども扱いされているような気もしますが……わかりました。自分の感覚を大事に、ですね」

まつり「よろしくなのですエミリーちゃん。二人で力を合わせて素敵なユニットを作っていきましょう」

――その後


P「まつり、ユニット衣装の件なんだけど――あら、休憩してるのかと思ったらファンレターの返事を書いてたのね」

まつり「はいほー! Pさん、ご用件なら先に伺うのですよ」

P「うん。けど、休めるときにはちゃんと休むんだよ。新ユニット結成でこれからますます忙しくなるし、ファンのみなさんもそれは理解してくれるはずだから」

まつり「のーぷろぶれむ!なのですよ。これは姫がデビューした頃から続けていることなので、これからも続けさせてほしいのです」

P「それは尊重してるつもりだけど……あなたが倒れたらみんな悲しいんだから、そこを一番に優先してね」

まつり「もちろんなのです。体調管理もお姫様の基本なのですよ」

P「その手紙、ララちゃんへの……」

まつり「ええ。ララちゃん、劇場へはなかなか来られないようですが、最新のライブ映像は観てくれているそうなのです」

P「そうだね。D/Zealの結成を発表した横須賀でのライブの生配信も楽しんでもらえたみたいで良かったよ」

P「この間届いた手紙には、それらのライブの感想に加えて、まつりの新しいユニットが結成される日を楽しみにしてるって書いてあったね」

まつり「その期待に応えられる素晴らしいユニットになること間違いなしなのです。お返事にもそのように書いたのですよ」

P「おっ、随分な自信だね。まつりとしては、あの世界観といいお姫様の本領発揮の絶好の機会だもんね」

まつり「ララちゃんならCharlotte・Charlotteのこともきっと大好きになってくれるはずなのです。ぜひ楽しみに待っていて欲しいのです」

P「うん。今回はミュージックビデオも趣向を凝らすつもりだから、ララちゃんたち劇場に来られないファンのみなさんも楽しんでもらえるはずだよ」

まつり「ララちゃんのこれまでのペースどおりなら、そろそろ次のお手紙が届く頃なのです。お返事が遅れてしまったので、書き終わったらすぐにポストに投函したいのです」

P「わかった。それならこの後少しだけ時間があるから、散歩がてら私がポストに入れておくよ。書き終わったら呼んでね」

――数日後、劇場エントランス


P「お待たせしました。これより開場です! 当日券をお買い求めの方は左側の列に、グッズをご購入される方は右側の列にお並びくださーい!」

P(ん? あれは、ララちゃんのお父さん……新潟からわざわざ一人で?)

ララの父「あ、Pさん。ご無沙汰しております」

P「こんにちは。えっと……今日はグッズをお買い求めですか?」

ララの父「はい。まつりちゃんの、きのこの国をイメージした新しいポスターが発売されたと聞いたものですから」

P「それでしたらこちらの商品ですね。しかし、会場限定商品とはいえファンクラブショップからご予約くだされば直接病院にも配達できましたのに」

ララの父「いえ。その……あまり先の予定を立てるわけにもいかなかったもので」

P「えっ――」

ララちゃんのお父さんからはまつり本人に伝えないで欲しいと言われたが、そうはいかなかった。

定期的に届いていたファンレターが途絶えれば、まつりならすぐに感づくだろう。

私はまつりに、すべてを伝えた。

ララちゃんの命は、持ってあと二週間。

Charlotte・Charlotteの朗読劇やお披露目公演はもちろん、発売されたCDを聴くこともおそらく叶わない。

まつり「そうだったのですね……」

P「うん。この間もらった手紙からは、とてもそんな風には思えなかったよね」

まつり「ええ。まつりもララちゃんのお手紙から、たくさん元気をもらったのです」

P「きっとララちゃんがまつりから元気をもらっているのと同じように、ララちゃんもまつりにもっともっとキラキラ輝いて欲しいと思ってるんじゃないかな」

まつり「そうですね。まつりはみんなの姫なのです。どんなことがあってもそれは変わらないのです」

まつり「でも……Pさん、どうにかララちゃんにCharlotte・Charlotteを観てもらえる方法はないのです? まつりは朗読劇の台本も歌も振り付けも、もう頭に入っているのです」

P「そうは言っても、共演するエミリーや貴音に亜美と真美……みんなのスケジュールも合わせなきゃいけないし……」

まつり「お仕事の後、衛星通信でララちゃんの病室に映像を送れば……」

P「まつりとエミリーのスケジュールはしばらくユニットPRで埋まっている。それに中学生のエミリーたちを夜8時以降に働かせられない」

まつり「では録画した映像をララちゃんに――」

P「今の時代、どんな理由があろうと発表前の公演内容を記録媒体に納めて見せるのはマズい。同じ理由で発売前の音源データをララちゃんに渡すこともできない」

まつり「それじゃあまつりが――」

P「仕事終わりに一人で新潟のララちゃんの元に行って、明朝東京に帰ってくる……私がまつりなら、そんなことを考えるだろうね」

まつり「……どうしてもダメなのです?」

P「天気予報によれば、甲信越地方は明日未明からしばらく大雪になるそうだよ。新幹線は動くとしても、病院から新幹線の駅までの交通網が麻痺すれば東京に戻れなくなる」

まつり「ララちゃんを取るか、他のみんなを取るか……そういう選択になるのですね」

P「まつりが人や物事をそういう尺度で見ない子だっていうのは重々承知だよ。でも、これはアイドルの仕事だから……どうしてもあり得ることなんだ」

P「悲しいことだけど……こういう形でファンとお別れした経験は春香たちだって一度や二度じゃない。芸能人は有名になればなるほど、そういう機会は増えていく」

まつり「まつりもアイドルです。それは心得ているつもりなのです。だからこそみんながはっぴー!になれる方法を探したいのです。……本当に、一つもないのです?」

P「ないこともないよ。昨日から動画サイト上で告知用にワンコーラスだけ公開している『だってあなたはプリンセス』のMVを、フル尺で公開してもらうんだ」

まつり「!」

P「レコード会社をはじめ、方々に頭を下げて回ることになると思うけど、これくらいどうってことないよ」

まつり「でもそれって、まつりたちが想像している以上にとっても難しいことではないのです?」

P「ええ。けど私はあなたのプロデューサーだよ。お姫様が魔法の呪文を唱えたのなら、それをちゃんと実現しなきゃね」

P「あなたが本来かけたかった魔法には到底及ばないだろうけど……せめてこれだけは叶えさせて」

まつり「Pさん……わかったのです。姫は信じているのですよ」

P「私も信じてる。あなたの魔法は必ずララちゃんに届く。……いいえ、必ず届けてみせるよ」

P(しかし……日頃お世話になってるレコード会社のお偉いさんに私の独断でいきなり無茶を言って聞き入れてもらえるのかな。決裂すれば今後のみんなの活動にも影響が出かねない)

P(いや……どのみち方々に頭を下げる予定なんだ。使える手段はすべて使おう。……かくなる上は)

ピッピッ

先代P『もしもし?』

P「お久しぶりです先輩。そっちはまだ朝ですよね。おはようございます」

先代P『こちらこそ久しぶり。君が俺に直接電話なんて珍しいな。よっぽど緊急の用なんだろうけど……』

P「その通りです。大至急、お願いがあります。実は――」

先代P『――なるほど。確かにそれなら君よりも俺から説得したほうが可能性は高そうだ』

P「先輩もお忙しいことは承知の上です。でもどうかお願いします」

先代P『わかった。レコード会社との交渉については俺に任せてくれ。ちょうどこっちの支部にいる幹部に顔見知りがいるからな。だから君はタイアップ先の朗読劇側への経緯説明を頼む』

P「ありがとうございます!」

先代P『それにしても……今の君のなりふり構わないその行動力、そっちにいた頃の俺を思い出すよ。君もすっかり765プロに染まってきたんじゃないか?』

P「ふふっ。かもしれませんね」

先代P『新ユニット企画の好評、こっちにも届いてるよ。俺が研修を終えてそっちに戻る頃には、劇場もすごいことになってるんじゃないか。楽しみだよ』

P「ええ。先輩こそ、引き続きお身体に気をつけて頑張ってくださいね」

先代P『ああ。お互いにな』



それから二日後、『だってあなたはプリンセス』のフルMVが無事公開された。

吉良木ララちゃんもMVを楽しんでくれたとご両親から電話があった。

その電話から一週間後、ララちゃんは家族に見守られながら旅立っていった。

――Charlotte・Charlotte劇場お披露目公演当日


P「こんにちは。ようこそいらっしゃいました」

ララの父「こんにちはPさん。この度はご招待ありがとうございます」

ララの母「ララもきっと公演が待ちきれなくてわくわくしていると思います」

P「そうですね。それでは、いつもの席にご案内いたします」

ララの母「その前に……Pさん、これをどうかまつりちゃんに」

P「お手紙ですね」

ララの父「はい。私たちから彼女へ、感謝の気持ちを伝えたくて。どうにも長くなってしまったので、お時間があるときで構いませんので」

P「かしこまりました。公演の後、必ず本人に届けますね」

――公演終了後


P「みんなお疲れ様! 改めて、今日は本当に最高のステージだったよ」

エミリー「ええ。私も夢のような時間を過ごせました。ごヒイキ様方にも喜んでいただけたようで本当に嬉しいです」

亜美「まあ亜美たちが本気出せばこんくらい当然っしょ」ドヤッ

真美「そんじゃ着替えも済んだことだし、お姫ちん、なでしこ、早いとこ打ち上げの準備しようよ」

エミリー「そうですね。でも出発はまつりさんのご準備が整ってからですよ」

P「あら、まつりまだドレスアップルームにいるの?」

貴音「ええ。どれすあっぷるーむへの到着も最後でしたし、ゆっくり着替えてから向かうとのことでした」

P「そう……」

貴音「……亜美、真美、エミリー。わたくしも夕食が待ち遠しいところですが、急いては事をし損じるとも言います。この場はのんびりと歓談でもしながらまつり姫の到着を待つといたしましょう」

エミリー「はい♪」

亜美・真美「ラジャー!」

貴音「……それではあなた様、どうかまつり姫のことをよろしくお願いいたします」

P「貴音……ありがとう」

コンコン ガチャ

P「まつり、少しいいかな――あ…」

まつり「ほ――Pさん……」

P「いきなり入ってしまってごめんなさい。けど――」

まつり「……はいほー! Pさん、お披露目公演のプロデュース、お疲れ様なのです♪」

P「まつり、あなた……」



お姫様はきらきらの衣装を身に纏ったまま、震える指で便箋を握っていた。

それでも彼女は、私を見るなり何事もなかったかのようにいつものとびきりはっぴー!な笑顔を作るのだった。

私もまつりと、それなりに長い時間を過ごしてきた。

だからこの子のやりたいこと、目指すもの、その深い部分の一端をも見ることができた。そんな気がしている。

この子が目指すものはきっと、この子自身がかつて憧れた概念そのもの。

私の心にも、同じ憧れは思い出として確かに刻まれている。だからわかる。その理想があまりに壮大すぎることも――。

人は大人になっていくにつれ、それが子どものときだけ見られる無謀な理想なのだとなんとなく理解し、折り合いを付けていく。

だからその折り合いを一概に妥協や諦めなどとも呼べない。ただ自分にできる範囲のことをしよう。そう前向きに捉えるのもまた大人の処世術なのだろう。

人生のどこかのタイミングでそんな風に折り合いを付ける体験を重ねていき、いつしか人は子どもではいられなくなっていく。

抱いていた空想や理想も、遠い日の思い出として心の片隅で輝くだけになる。

けれども――この子の思い出は、今もこの子の心の真ん中で爛々ときらめいて、動力源になっている。

普通の大人の処世術なんて、この子に通用するわけがない。

なぜならこの子は、人の身でありながら、誰かの思い描く夢そのものになろうとしているからだ。

P「あなたがどんなときも泣かない子なのは知ってる。だからもしあなたに涙を流すときがあったとしても、それを知る人は誰もいないから、誰も受け止めようがない」

P「でもその涙はきっと、あなたがお姫様として輝くために必要なもの。ならその涙を誰かがそばで受け止められたら、魔法みたいに素敵な奇跡になるんじゃない?」

まつり「……あなたは、ずるいよ。私はただいつもの私でいたいだけなのに、それを許してくれないなんて」

P「ねぇまつり……私はお姫様にはなれないし、ナイト様なんてかっこいい肩書きも似合わない。それでも私は、あなたがお姫様であり続けるための魔法の一部でありたい」

P「私はお姫様と一緒に誰かの夢を守るために戦い続ける、魔法の剣でありたいの」

まつり「Pさん……」

P「ララちゃんのご両親はさっきこうおっしゃっていたよ。まつりのステージを見ていると、いつもララちゃんが話して聞かせてくれる夢の世界にいるような不思議な感覚になるんだって」

P「大丈夫。あなたは間違いなく、ララちゃんの夢になれていたよ。だから徳川まつりがそこにいる限り、ララちゃんの夢はずっと生き続ける」

P「あなたはこれからもキラキラの魔法の力でみんなのお姫様であり続けてくれる。だからそのために必要な魔法の一つを、どうか私にかけさせて」

まつり「……」

ギュッ

P「別れが悲しいわけでも、手紙が嬉しいわけでもないんでしょ。……悔しいんだよね」


まつり「そうだよ……お姫様は、これでお礼を言われて、笑顔でお別れできて良かったねなんて……そんなんじゃない……」

まつり「私にもっと素敵な魔法をかけられる力があれば、あのステージをにララちゃんに……いいえ、今日来られなかった人みんなを呼ぶことだって……」

まつり「ララちゃんにしてあげられたこと、見せてあげられたもの……もっとあったはずなのに……どうして……どうして……!」

P「……優しい子」


お姫様は涙を流さない。今までも、これからも。

これはお姫様を目指す一人の女の子が、お姫様に変身するために必要な、魔法の時間。

私はただその魔法が奏でる音としずくの一部始終を見届けた。

その魔法がもたらした残響は、どこか幼い少女の泣く声にも似ていた。

――2月4日


P「まつり、誕生日おめでとう」

まつり「Pさん! これ、姫へのプレゼントなのです? 開けてみてもいいのです?」

P「もちろん。どうぞ」

まつり「――わんだほー! シャイニープリンセスのコラボアクセサリーなのです!」

P「ええ。まつりなら他にも思い出の漫画やアニメたくさんあると思ったけど、やっぱり私が選ぶならこれかなと思って。これなら普段使いもできるし、お姫様にもぴったりでしょ?」

まつり「ありがとうなのです。Pさん、姫がプレゼントしたブローチと見比べてみてもいいのです?」

P「ええ。構わないよ。しかしこのブローチ、じっくり眺めてみると細かい部分までよく再現できてるよね――と、そうじゃなくて……」

P「改めて……まつり、アイドルになってくれて……私と出逢ってくれて、本当にありがとう」

P「これからもあなたが最高のお姫様でいられるように頑張るから、どうぞよろしくね」

まつり「いいえ。お姫様は、まつり一人だけではないのです。ほら――」

エミリー「仕掛け人さま、まつりさん、おはようございます」

育「おはようございます!」

P「あら、エミリー、育。おはよう」

育「あっ! Pさんが持ってるそれ、シャイニープリンセスの変身ブローチだ!」

まつり「さすが育ちゃん。詳しいのですね」

育「うん! おかあさんが高校生くらいの頃にとっても流行った魔法少女アニメでしょ。シャイニーアイドルの大先輩だって聞いたよ」

P「そうそう。原作者は違うけど、アニメの制作会社やスタッフの一部が共通してたり繋がりの強いシリーズなんだよね」

エミリー「みなさんお詳しいんですね。どんなお話なのでしょう」

育「えっとね……そうだ。仲間の一人に巫女さんの子がいて、忍者みたいに手裏剣を投げて戦うんだよ」

エミリー「Wow! 巫女さんに忍とは……素敵でしゅ~」

育「Pさん、ブルーレイ持ってるんだったよね。じゃあ今度エミリーさんもさそっていっしょに見ようね!」

P「ええもちろん。約束ね。――それより二人とも、今日はまつりの誕生日パーティーの準備をするんじゃなかったの?」

育「そうだよエミリーさん! わたしたちのプレゼント、まつりさんが先に見つけちゃったらサプライズじゃなくなっちゃうよ」

エミリー「はぅ、大変です! 急ぎましょう育さん!」

まつり「……ふふっ」

エミリー「まつりさん?」

育「どうしたの?」

まつり「ほ? なんでもないのです。うふふっ」



まつり(本当にこの劇場は――びゅーりほー!なお姫様でいっぱいなのです♪)


おわり

ありがとうございました。

もしよろしければ『中谷育と、ワケあり女性P』もよろしくお願いいたします。

このPだとCharlotte・Charlotteの話はこういう感じになったか
今のメメントも変わってくるんだろうか
乙です

Charlotte・Charlotte
http://i.imgur.com/eCcLrx4.jpg

徳川まつり(19) Vi/Pr
http://i.imgur.com/Ny0uVL4.png
http://i.imgur.com/eWk0tKk.png

>>1
エミリー(13) Da/Pr
http://i.imgur.com/WuL1BgO.png
http://i.imgur.com/WRt6Bhn.png

>>2
青羽美咲(2X) Ex
http://i.imgur.com/N78dpoq.png

>>4
中谷育(10) Vi/Pr
http://i.imgur.com/p64webr.png
http://i.imgur.com/FcSjtcz.png

>>31
双海亜美(13) Vi/An
http://i.imgur.com/P7uJHEh.png
http://i.imgur.com/RBXuDOu.jpg

双海真美(13) Vi/An
http://i.imgur.com/A8HRfxy.png
http://i.imgur.com/3fC3QVU.jpg

四条貴音(18) Vo/Fa
http://i.imgur.com/hFy57NS.png
http://i.imgur.com/9g4Qofs.png

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom