モバP「サイボーグになりました!!」 (43)
ちひろ「え?サイボーグですか!?」
P「はい、生身の状態だと、今の激務に耐えられそうになかったですから」
P「せっかくみんなの人気が出てきて、仕事も向こうから来るようになってきたときに、休むことなんてできないですからね!」
のあ(私のアイデンティティがクライシス)
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ちひろ「ど、どこまでが機械なんですか?」
P「首から下は全部機械ですね。ほら」
バサッ(シャツを開く)
ちひろ「きゃっ!////」
P「今のところは機械感がかなりありますね。体重も65kgから297kgまで増えましたね」
ちひろ「触覚はあるんですか?」サワサワ
P「ちゃんとありますよ」
P「五感全部がオン・オフの設定ができるので、すごく便利ですよ」
ちひろ「でもそんな事をして良かったんですか?」ナデナデ
P「まあ、せっかくだったので……」
のあ(どうしよう、思った以上に高性能だった……)
P「今は夏だからすごく蒸し暑いと思うんですけど、体の方はすごく快適ですね!」
P「体だけなら一年中快適な温度で過ごせるから、最高ですね」
P「まあ、体の方は機械なんで、定期的にメンテナンスと交換が必要ですけれど……」
ちひろ「でもそのエネルギーはどこから持ってくるんですか?」ナデナデ
P「ちひろさんの売ってくれるスタドリから摂取してますよ」
ちひろ「え?」ナデナデ
P「スタドリ一本で半日動けますね。一日に二本で動けるんだからかなり燃費はいいですよ!」
ちひろ(燃費すげえいいじゃん!)ナデナデ
のあ(一日200円……)
ちひろ「サイボーグという事は、握力とかも上がったんですか?」ナデナデ
P「かなり上がりましたよ。まあ、俺の体は戦闘用の体じゃなくて、燃費と耐久力を重視した建設作業用の物みたいですね」
P「あとなでるのやめてください、恥ずかしいです」
ちひろ「あ、ごめんなさい……」
ちひろ「体には血みたいなのはあるんですか?」
P「はい、スタドリと同じ色の液体が流れてますよ。痛覚遮断すれば大丈夫なんですが、遮断せずにけがすると、普通に痛いですよ」
ちひろ「へぇ~」
のあ(へぇ~)
ちひろ「他にすごい機能はないんですか?」
P「あとは無いですね。強いて言うなら、睡眠はもうしなくても24時間動けます」
P「食事をとる機能と、睡眠をする機能と、生殖機能は無くしました」
凛「え?」
まゆ「え?」
のあ「え?」
P「え?」
ちひろ「え?」
凛・まゆ「え?」
とりあえずここまで
P「まゆと凛じゃないか、おはよう」
まゆ「おはようございます……」
凛「うん、おはよう……ってそうじゃなくて!!」
凛「サイボーグになったってどういうこと!?」
のあ「説明を要求するわ」
のあ(私のアイデンティティが……!)
P「どうって……そのままだぞ?俺サイボーグ手術を受けたんだ」
凛「生殖機能が無いって、何でそんなことしたの!?」
まゆ「まゆとの甘い新婚生活と子供はどうなるんですか!?」
凛「それは私の未来だから」
まゆ「まゆのです!Pさんはどんな姿形になっても愛せるけど」
まゆ「……でも、「あーん」とか子供ができないのは耐えられない!!」
のあ「あなたがそこまでする必要は無いはずよ」
P「え、でもせっかくみんなの人気が出てきたんですよ?」
P「やっと向こうから仕事が勝手にくるようになってきたときに、休憩や、ましてや休日の時間だって惜しいですから」
P「こうして24時間活動ができるような体を作ったんです」
のあ「私は人間としてのあなたを、1つの生命体としてのあなたを、一人の男としてのあなたを信じて、信頼してついてきた」
のあ「でもただの無機物に成り下がったあなたにはついていきたくはないわ」
のあ(Pとの子供ができないなんて……そんなの嫌!!)
P「賛否両論ですよね、この体に関しては」
ちひろ「でもPさんだってみんなのためを思って……」
P「そうですね、この会社でみんなをプロデュースするのを決めた時から、この体はみんなの物だってずっと思ってきましたから」
ちひろ「Pさん……」
P「いいんですよ、ちひろさんが思い詰めなくても。こうなるのは覚悟してこの体にしましたから」
P「そう言えば三人とも今日はテレビ局が同じだったな。送ってくよ」
凛「……」
まゆ「ありがとうございます……」
のあ「……」
ちひろ(こうしてPさんはサイボーグとして会社で働く事になりました)
ちひろ(24時間眠らずに活動をするPさんの姿は、なんだか不気味にさえ見えてきました)
ちひろ(こんな中でも意外だったのは、ほとんどの子達が気にせず、いつも通りに接していた事でした)
薫「せんせぇ!あれやって!」
仁奈(サイボーグ仕様)「さいぼーぐの気持ちになるですよ!」
P「よしいいぞ!ほら!」
薫「すごーい!うでにぶら下がれる!!」ブラ―ン
仁奈「Pは疲れないですか?」ブラ―ン
P「全然!もっとぶら下がってもいいぞ!!」
薫・仁奈「わーい!」
ちひろ(でもやっぱりごく一部の子には受け入れがたいことだったようです……)
雪美「……」
P「雪美最近俺の膝に座らなくなったよな。どうしたんだ?」
雪美「前のP……膝……柔らかくて……暖かかった」
雪美「でも……いまは……硬い……冷たい」
P「俺の事が嫌になったのかな?」
雪美「違う……Pは……今も大好き」
雪美「……でも……ちょっと悲しい」
P「……」
桃華「……Pちゃま」
まゆ「Pさん……」
P「まゆじゃないか、どうしたんだ?」
まゆ「まゆは……Pさんを愛しています」
P「……」
まゆ「姿形がどれだけ変わろうと、まゆはPさんを愛する自信がありました」
まゆ「……でも今のPさんを見ていると……少し自信を無くしてしまうんです」
まゆ「Pさんは、サイボーグになった事でも老化はしないんですよね?」
P「たぶんな」
まゆ「……まゆはこれからも成長して……そのあと老化しちゃうんです」
まゆ「一緒に年をとれないなんて、まゆには苦痛です……!」
まゆ「……まゆも手術を受けたいって、いったら……」
まゆ「……Pさんは、どう思いますか?」
P「……俺はこの体をみんなのために捧げたんだ。俺への風当たりもあまりよくないかも知れないけど、まゆには俺みたいになってほしくないんだ」
P「……きっといつか凛達も分かってくれると思うから」
まゆ「……分かりました」
まゆ「……じゃあ、まゆはPさんの一番の理解者になります」ニコッ
まゆ「例えほかの子に分かってもらえなくても……」
まゆ「……まゆはPさんの理解者になれるように頑張ります」
P「……ありがとうな」
まゆ「……うふふふ」
ちひろ(そんなある日)
ちひろ「では凛ちゃんをお願いします」
P「はい」
凛「……」
街中 徒歩移動中……
凛「……」
P「……」
P(凛があまり話さなくなったな……)
P(よかれと思ってやったんだけど……間違ってたのかな)
アブナ―イ!
P「!?」
P(やばい!考え事をして信号無視してた!!)
凛「!!」
凛(あ、信号赤だ……)
凛(トラックが……!!)
ド―ン!!!!
凛「痛たた……」
凛「今、押し飛ばされた……」
凛(!)
凛「プロデューサーは!?」キョロキョロ
P「いたたたた……」
凛「プロデューサー!」
P「凛……大丈夫か……?」
凛「ぷ、プロデューサー!体が!」
P「ああ……さすがサイボーグだな……」
P「トラックと衝突したのに……体がまだ半分も残ってるよ……」
P「凛……けがは……?」
凛「そんな事よりプロデューサーの方が!」
P「大丈夫みたいだな……良かった」
凛「プロデューサー!!!」
事故の10分後にスーツを着た男の人たちがプロデューサーを回収していった
怪しかったから、やめるように言ったらプロデューサーが知り合いだから大丈夫と言ってそのまま持っていっちゃった……
自分がどれだけ素っ気ない態度を取っていても、プロデューサーはいつも私に変わらず話しかけてくれてた
……そうだよね……プロデューサーはどうなってもプロデューサーのままだもんね
あの時は、プロデューサーといちゃいちゃしたり、子供ができないと知った時のショックで拒絶していたけど、事務所のみんながほとんど受け入れてたのに、自分だけ馬鹿みたい……
プロデューサーは何も変わってない、むしろみんなの事を思ってあの体になったのに
プロデューサーの気持ちに今更気づいた私は、ただ自分への憤る事しかできなかった
プロデューサー、大丈夫かな……
ちひろ(あの事件の後、三日でPさんはもとに戻って元気に入社してきました)
ちひろ(凛ちゃんとのわだかまりも解消できたみたいで良かったです)
ちひろ(相変わらず24時間活動するPさんは奇妙ですが……)
ちひろ(そこには前まで感じていた気味の悪さは無く、元気に笑顔で働くPさんがいました)
ちひろ「ところでのあさんと桃華ちゃんと雪美ちゃんがしばらくお休みを取ったけど、どうしたんだろう?」
のあ「ふふふっ……」
のあ(ついに私もサイボーグ手術を受けました!)
のあ(といっても貯金の関係で眼にしかしてないけど……)
のあ(でもすごい!この眼なら1km先も鮮明に見えるし、かな子の体重も一目で分かっちゃう!)
のあ「孤高の瞳!!」
<○><○>クワッ
のあ「ふふふ……」
のあ「……ん?」
桃華「これで私たちも!」(医療介護用サイボーグ)
雪美「Pと……同じ……仲間」(戦闘用サイボーグ)
雪美「……ぶいっ」V
のあ「私のアイデンティティがクライシス」
珠美「サイボーグなら……サイボーグなら珠美の体を……」
終わり
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