【FE】囚われのカゲロウ (118)

サイゾウ「>>2(FEシリーズの勢力)の奴らめ・・・!リョウマ様の御名を汚さぬためにも、カゲロウは必ず助け出す!」

安価ssです
過度なエロ、グロの書き込みはスルーして最安価します
up主はテリウス二部作と新アカネイア二部作以外プレイ済み

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1580893237

闇夜軍

オロチ「呪いでカゲロウの居場所を占うぞえ」

オロチ「これは・・・暗夜王国の廃墟?戦も終わったというのに、何故そのような所に」

サイゾウ「講和に不服だった諸侯が両国にいることは常々聞いている。何か大きな企みが動いているのやもしれんな」

サイゾウ「とにかく俺はカゲロウを助けに向かう。暗夜の王族にも使いを出しておいてくれ」

オロチ「気をつけてな。・・・なにやら禍々しい気配を感じるでの」


透魔ルートが基本ですが、イザナやクリムゾンなどプレイヤーキャラは全員生きています。

暗夜王国 廃墟

サイゾウ「ここか。どうやら多くの兵が集まっているようだが・・・」

将軍「腑抜けた王族など最早頼るに足らず!我ら暗夜正統軍の力をもって、白夜の豊かな土地を手中に収めるのだ!」

兵士「うおおおおーーーっ!!」

サイゾウ「暗夜正統軍、捨て置けん・・・む!あれはカゲロウ!」

カゲロウ「くっ・・・」ユッサユッサ

将軍「おお!我らが主よ!この通り、同志たちが次々とこの城に結集しております!」

カゲロウと共に現れたのは・・・>>5(FEシリーズの人物)

また乱立作者か。どうせ投げ出すぞ

>>7でお願いします

ニノ

ニノ「たくさんの人に集まってもらったみたいだね!これでまたあたしの望みに近づくよ」

サイゾウ「まだ幼い少女のようだが・・・相当な魔力を秘めているらしい。ここは・・・」

将軍「そういえば、我々のことを嗅ぎ回っていたこやつはどうしましょう」

ニノ「うーん、知られたところで何にもならないけど・・・そんなに心配なら"身体検査"でもしたらどうかな?」タプタプ

カゲロウ「や、やめろっ・・・」

サイゾウ「寝言を吐くのはその辺にしておけ!」ザッ

将軍「き、貴様は!?ぶへぇ!」グサー

サイゾウ「そこまでだ。正統軍の主とやら」

ニノ「・・・ふーん」

カゲロウ「サイゾウ!」

サイゾウ「5代目サイゾウの名、胸に刻みながら地獄へ落ちるがいい!」

ニノ「うん、それなりには強そうだね。これはいい・・・が取れそうだよ」

サイゾウ「(今何と言った?しかしとにかく、兵達が怯んでいる隙にこいつを倒さねば!)」

サイゾウ「爆ぜ散れーーーーーっ!!」

勝てる?勝てない?>>9

間違えた、>>11さんお願いします

サイゾウ、完敗

ドォォォォォン・・・

兵士達「な、なんて馬鹿デカい炎だ・・・」

サイゾウ「これだけの爆炎に晒されれば・・・!」

「へぇ、これが火遁の術っていうの?」

サイゾウ「!?(いつの間に背後に)」

ニノ「肌寒かったけどすぐ暖かくなっちゃった。すごく便利な技だね、それ」

ニノ「次はあたしが見せちゃおっかな・・・」キラーン!

少女の瞳が黄金の輝きを発した、まさにその刹那

ニノ「ギガスカリバーーーっ!!」

サイゾウ「ぐおおおっ!?」

カゲロウ「サイゾウ!」

サイゾウ「はーっ、はーっ」

5代目サイゾウ、完敗

カゲロウ「あ、ああ・・・」

ニノ「まだ息があるんだー。大げさに名乗ってただけのことはあるね」

ニノ「それじゃ、早速もらおうかな・・・」

兵士「暗夜軍だ!暗夜の王族がこっちに向かってるぞー!」

ニノ「・・・はぁ、しょうがない。しばらく泳がせてた方が、もっとアレの質はよくなるかもね」

ニノ「じゃあね、お兄ちゃん。お姉ちゃんを助けたかったら、あたしのところまでおいでよ」フォォォ

サイゾウ「カ・・・カゲロウ・・・」

カゲロウ「サイゾウーーっ!」プルン

サイゾウ「はっ!ここは・・・」

オロチ「気がついたようじゃな。倒れておったところを暗夜の者たちに助けてもろうたのじゃ」

サイゾウ「・・・カゲロウが拐われた。くそっ!俺の力が足りんばかりに」

オロチ「相手が悪かったのじゃ。おぬしの体に纏わりつく魔力の残滓だけでも、相当なものを感じるからの・・・」

オロチ「そやつらは正統軍とやらを引き連れ、魔法によって何処かへと行方をくらました。気配を追ったところ・・・どうやら特殊な異界に拠点を構えておるようじゃ」

サイゾウ「そうか。それでは・・・ぐっ!」ズキッ

オロチ「まだ回復しきってはおらんぞ。無茶をするでない」

サイゾウ「しかしカゲロウが!」

オロチ「異界には異界、じゃ」

サイゾウ「何?どういうことだ」

オロチ「どうせ止めても聞かんからの。こちらでも手立てを考えておいた」

オロチ「竜の門はおぬしも知っていよう?そこから異界の英雄を呼び出し、助力を請うのじゃ。異界の者であれば、敵の攻撃に対抗する道が見つかるかもしれぬ」

サイゾウ「成る程な。・・・正直身内の不始末に異界を巻き込みたくはないが、この際はやむをえまい」

オロチ「よし!では参るぞ」

竜の門

サイゾウ「ここが竜の門か」

オロチ「うむ・・・うむ。正常に動くようじゃ」

オロチ「それでは3人ほど呼び出すかの。・・・いざ来れ!異界の猛者たちよ!」ピシャーーーン!!

>>17(アカネイア、バレンシア、ユグドラルのプレイヤーキャラ)

>>18(エレブ、マギヴァルのプレイヤーキャラ)

>>19(覚醒、フォドラ、コラボ作品のプレイヤーキャラ)

シーダ

エイリーク

シーダ「あら?ここは・・・」

エイリーク「何か異質な空気を感じる場所ですね・・・」

樹「イドラスフィアではないようだけど・・・」

オロチ「成功じゃ!やったのサイゾウ仲間が増えたぞ!」

サイゾウ「おいやめろ。・・・実は今、かくかくしかじかということになっている」

エイリーク「つまり、これこれうまうまというわけですね。助けを求める人を放ってはおけません」

樹「うん。今は俺たちも力を合わせて、与えられた役をこなすだけだ」

シーダ「安心して、私達が来たからには、カゲロウさんは必ず助け出すわ!」

サイゾウ「かたじけない・・・!」

オロチ「救出作戦にはわらわも同行するぞ。親友の危機を見過ごしてはおけぬ」

オロチ「そこで出立前に、皆のことを軽く教えてくれぬか」

シーダ「そうね、私はシーダ。アカネイア連合王妃・・・いえ、島国タリスの王女の方が親しみやすいわね」

シーダ「ペガサスにも乗れるから、空のことは私に任せてちょうだい」

ペガサス「ヒヒーン!」バッサバッサ

エイリーク「私はルネス王国の王女、エイリークです。戦いであれば、兄の方が得意ではありますが・・・」

エイリーク「剣術を修めていますので、皆さんの足を引っ張ることのないよう努めます」

樹「俺は蒼井樹。フォルトナって事務所で芸能人をやってます。そしてこっちが相棒の」

♯クロム「俺の名はクロムという。戦いでは剣となって皆の力となろう」ファァァン

オロチ「むむ!も、物の怪!?」

♯クロム「以前樹にも言われたが、俺はそんなに不気味か・・・?」

樹「顔を隠してるのがいけないんじゃないかな・・・」アハハ

サイゾウ「俺は代々白夜王家に仕えるサイゾウ、その5代目だ。こっちは人の恥部を見て大笑いするのが趣味のオロチだ」

オロチ「偏った言い方をするでない!呪いが得意とか美人だとか」

兵士「て、敵襲です!」バタバタ

サイゾウ「なんだと!監視はどうした」

兵士「皆配置についていたのですが、突然現れたとしか・・・敵は多数のノスフェラトゥで構成されている模様!」

サイゾウ「・・・早速お前たちの力を借りることになりそうだ。よろしく頼む」

エイリーク「分かりました!・・・いきます!」ジャキンッ

♯クロム「構えろ、イツキ!」

樹「カルネージフォーム!」ビカーーン!

シーダ「頭上は私に任せて!」バッサァッ

オロチ「感じるぞえ・・・敵の指揮官はあやつじゃな!」

敵将は・・・>>24(FEシリーズの人物)

ナーシェン

ナーシェン「お初にお目にかかる、異界から集められた寄せ集め諸君!これが最初で最後になるだろうがね!」

オロチ「敵も異界から味方を集めておるということか・・・」

ノスフェラトゥ「ガギャァァァァァッ!」ドドドドド

エイリーク「はっ!」ザシュッ

樹「雷よ!」バババーッ

オロチ「どうじゃ!」ゴオオッ

ノスフェラトゥ「グウウウウウウ・・・」ゴゴゴ

ナーシェン「かかれ!かかれ!・・・ふふ、不平を並べ立てる無能な人間の部下どもより、化物の傀儡の方がよほど役に立つな」

サイゾウ「ちっ!倒しても倒しても湧いてくる!」ズバッ

ナーシェン「ハハハハハハハ!砕け!踏み潰せ!」

サイゾウ「(しかし奴め、調子に乗って兵を前に出しすぎだ。今なら!)」

シーダ「あなたの周りががら空きよ!はぁーーーっ!」ゴオオッ!

ナーシェン「!?な、なんと、なんと・・・」

ナーシェン「・・・なんと愚かな姫君だ」

ビュウウウオオオオオッ!!

シーダ「!?きゃあっ!」ズザーーッ

エイリーク「シーダさん!」ザシッ

シーダ「これは・・・?攻撃どころか近づくことさえもできないなんて」

ナーシェン「ククク・・・奴に分けてもらった力のおかげで、デルフィの守りがここまで強化されるとはな」

ナーシェン「弓矢どころか、私が空にいる限り敵は飛ぶこともままならん!地面に這いつくばれ、弱者どもーっ!!」

オロチ「あやつの持っておる装飾・・・あれが強力な結界を展開しておるようじゃ。アレをどうにかせん限りジリ貧じゃぞ」

サイゾウ「しかし近づくこともできんのに、どうやってアレを無力化する。ノスフェラトゥは今も増え続けているんだぞ」

樹「・・・!そうだ!>>28を使えばどうにかなるかもしれない」

安価の力

脅迫で従わせてるルフレ♀

オロチ「何じゃ?そのちっこい板のようなものは」

♯クロム「イツキ、戦闘中にスマホとやらを見ている場合では・・・」

樹「それが、よく分からないところからTOPICが来ているみたいなんだ。何か重要なことを教えてくれるかもしれない」

『安価の力を頼れ』ピコーン!

>>29 脅迫で従わせてるルフレ♀』ピコーン!

エイリーク「脅迫・・・?」

オロチ「・・・分かったぞ!ノスフェラトゥを操り、結界を生み出すほどの強力な魔力を奴1人で制御しうるわけもない!どこかに手助けしている者がおるのじゃ!」

シーダ「脅迫されているその人を味方につければ・・・!説得を私に任せてくれないかしら」

ナーシェン「おい、私への魔力供給が滞っているぞ。連れの命が惜しければ誠心誠意私に尽くせ!」

ルフレ♀「・・・」

サイゾウ「いたぞ、奴だ!」

樹「これを使って!」(バックコーラス用のマイク)

シーダ「ありがとう・・・おほん」

シーダ『ルフレ!あなたはルフレというのでしょう。私の声が聞こえているわね?』

ルフレ♀「!?」

ナーシェン「なっ、なんだこの品のない大音声は!」



シーダ『あなたが望まない戦いを強いられている理由は私達にも分かります。・・・大切な仲間が、敵の手に落ちているのね』

ルフレ♀「・・・!」

シーダ『あなたは優しさを知る人だわ。その願いを、優しさを持たない人達に従っていて叶えられると本当に思うの?』

ナーシェン「減らず口を・・・!」

シーダ『あなたがあなたの信じる道を進みたいと思うなら、どうか私達に力を貸して。あなたの望みを果たすためにも、私達はあなたを迎えるわ!』

ナーシェン「ええい、黙れ黙れ!おいお前、怪物をもっと増やして奴らを終わらせろ!」

ルフレ♀「・・・」

ナーシェン「おい、聞こえないのか!」

ルフレ♀「終わるのは・・・」

ルフレ♀「あなたの方です!ナーシェン」トロン!

ナーシェン「ぎぇあああ~っ!?き、貴様ぁっ!この薄汚い裏切り者が!」

ルフレ♀「大言を吐くのは私を倒してからにしてください!私の力で威張り散らすしかできないくせに」

ナーシェン「言ったな!その言葉を後悔させてやる・・・怪物ども!裏切り者を処刑しろ!」

ノスフェラトゥ「グオオオオーーっ!」ドドドドド

エイリーク「今です!一気に近づきましょう!」

ルフレ♀「エルウィンド!」ビュウッ

ナーシェン「話を聞いていなかったのか!空にいる限り、この私に傷ひとつつけることはできないんだぞ!」

「こいつがあれば、の話だがな」

ナーシェン「( ゚д゚)!?な・・・ぐへっれ!」ザシュ

サイゾウ「奴の力は消えた!やれ!」

ナーシェン「く、来るな・・・来るなあああああ!!」

ナーシェン「貴様らごときにっ、貴様らごときにいっ・・・!」

オロチ「往生際の悪い男じゃ」白夜の捕縛術

シーダ「あなたのおかげで勝てたわ、どうもありがとう。ルフレ」ニコッ

ルフレ♀「いえ・・・シーダ王女が私の心に語りかけてくれたおかげです。暗夜正統軍を倒す旅の途中と聞きました、私も同行してよろしいでしょうか?」

サイゾウ「ああ、力を貸してくれ。・・・さて、そろそろお前の主君について話を聞こうか」ジャキッ

ナーシェン「同盟者だ!主君ではないし、そもそも話すことなど・・・」パァァァ・・・シュンッ!

エイリーク「!転移魔法・・・」

オロチ「やれやれ。いつでも見ておる、ということか」

♯クロム「しかしそれにしても・・・ルフレはどうして奴の言いなりとなっていたんだ?」

ルフレ♀「(クロムさん?違う存在のようだけど・・・)私も異界から迷い込んできた存在です。そこで出会った>>37さんと共に帰る手立てを探していたのですが・・・」

樹「後はシーダの言った通り・・・」

ルフレ♀「はい、暗夜正統軍に囚われているのです。どうにかして救出したいのですが・・・」

つばさ

樹「ツバサが!?ツバサもこっちの世界に来ていたなんて」

サイゾウ「お前の仲間も捕らえられているのか・・・」

樹「それで、ツバサは一体どこに!?」

ルフレ♀「異界の第2鉱山に送られ、労働を強いられていると・・・」

オロチ「ふむ、いよいよ敵の本拠に近づくわけじゃな。地理を把握するために、手近なところから叩いてみるのもよいかもしれぬ」

エイリーク「急ぎ向かいましょう!第2鉱山へ!」

樹「ツバサ・・・無事でいてくれ・・・」

「あー!待って待って!」

オロチ「む?この声は」

ラズワルド「間に合ってよかった。マークス様から言伝を頼まれたんだよ」

ラズワルド「暗夜からも応援を送ることになったんだ。王族の方をね。暗夜を名乗る敵である以上、無視することはできないから・・・」

サイゾウ「成る程な。王族であれば単身でも貴重な戦力となろう」

ラズワルド「マークス様は王都を離れられないけど・・・それ以外は好きな方を選んでいいとのことだよ」

誰にする?>>40

エリーゼとお守りのニュクス

サイゾウ「ではエリーゼ王女を頼む。思い返してみれば回復役がいなかった」

ラズワルド「了解。・・・しかしずるいよサイゾウ!僕が王都で治安維持に追われてる間、綺麗なお姉さん達と旅なんてさ」

サイゾウ「何の話だ。任務は任務でしかない」

~~~~~~~~~~

エリーゼ「みんなお待たせー!わぁ、本当に異界から来た強い人達もいるんだね!」

シーダ「まぁ、元気で可愛らしい王女様ね。これからよろしくお願いするわ」

ニュクス「あまりはしゃぎすぎないの。・・・差し当たり、あなたのお友達を助けに行きましょうか。ぼうや」

樹「うん、そうだね(まもりと別な意味で大人びてるな)」

単身って書いてあったの読み飛ばしてたわ申し訳

第2鉱山

エイリーク「ここが第2鉱山・・・多くの人々が連れ去られ、働かされているようですね」

オロチ「この気配・・・暗夜のゴーレムじゃな?これで労働者を監視しておるというわけか」

シーダ「見て!あそこにいるのがツバサではないかしら」

樹「本当か!?」


ツバサ『いつか友達以上♪ いつも願っているよ♪」

ツバサ『ため息も♪ もどかしさも♪ 何もかも君のせいだ♪」

労働者たち「うおーーっ、ツバサちゃーーん!」

労働者たち「ツバサ!ツバサ!」

>>42 問題ありません、賑やかな方が楽しいので


ニュクス「あら・・・中々可愛らしい歌じゃない。歌詞がいかにも恋を知りたての乙女ね」

オロチ「サイゾウにもこんな頃があったのう」ニヤニヤ

サイゾウ「黙れ・・・///」

ゴーレム「・・・ソロソロ、サギョウモドレ」

エイリーク「歌っている最中でも、監視の目は緩んでいません。どうにかゴーレムを無力化しないことには・・・」

ニュクス「そう簡単にはいかないみたいよ」

オロチ「ゴーレムは地下から竜脈の力を汲み上げ、それを魔力に変換しているのであったの」フフンッ

ニュクス「張り合わないの・・・それで、第2鉱山だとその源が内側にあるらしいのよ。そして中にいる労働者は竜脈の位置など知りようもない・・・」

エリーゼ「じゃあ、王族のあたしが中に行ってみんなに教えてくる!」

シーダ「でも、ゴーレムの監視は絶えることなく続いているわ。どうすれば・・・」

ルフレ♀「私にいい考えがあります!」

バサアッ!

ゴーレム「!」

シーダ「こちらよ、ゴーレムたち!」

ゴーレム「シンニュウシャ、ハイジョ」ドーン

シーダ「おっと・・・大丈夫?もう少しだけ頑張ってね」

ペガサス「ヒヒィン」


ルフレ♀『ゴーレムは鉱山の周囲を取り囲むように配置されています』

ルフレ♀『まずその一角を挑発して・・・』

「爆ぜ散れーーーーーっ!!」

ドォォォォォン

ゴーレム「!」

エイリーク「こちらです!」ザクッ

サイゾウ「ゴーレムどもを粉砕しろ!」グサ

ゴーレム「ダイキボコウゲキ。ダイキボコウゲキ。ゲイゲキセヨ」


ルフレ♀『その後はとにかく全力で攻撃してください!時間を稼ぎつつ、こちらが本命だと敵に思わせるのです』

ルフレ♀『その間に・・・!』

労働者「なぁ、なんだが外が騒がしいぜ」

労働者「ゴーレムどもが何かと戦ってる!」

つばさ「もしかして・・・助けが来たのかな?」

♯シーダ「どうやらそうみたいよ。見て!」

樹「ツバサ!大丈夫か!」

つばさ「い、イツキ君!?どうしてここに!?」

樹「抜け道を使ってね・・・それより、急がないと!」

エリーゼ「竜脈はあそこみたいだよ!こっち!」

エリーゼ「ここだよ!この下に、ゴーレムの動力源があるんだけど・・・」

樹「厚い岩盤に遮られてるな。早く壊さないと、サイゾウ達が・・・」

労働者「そういうことなら俺らに任しとけ!」

労働者「変な奴らに働かされるのはまっぴらごめんだが、ツバサちゃんのためなら3分で掘り尽くしてやる!」

つばさ「皆さん・・・!どうもありがとう!」ウルウル

つばさ「手伝おう、シーダ!カルネージフォーム!」

ゴーレム「ハイジョセヨ。ハイジョセヨ」ゴゴゴゴゴ

サイゾウ「くっ・・・!まだ止まらないのか」

オロチ「!?きゃあっ!」グキッ

エイリーク「オロチさん!」

サイゾウ「オロチ!くっ、しっかり・・・」ガバッ

ゴーレム「シンニュウシャ、ハイ・・・」ガタッ

ゴーレム「・・・・・・・」


サイゾウ「止まった・・・!」

ルフレ♀「見てください!働かされていた人々が!それに、イツキさんにエリーゼさん、それからツバサさんも!」

シーダ「どうやら、成功したみたいね!」バサアッ

つばさ「短い間だったけど・・・皆さん、本当にありがとうございました!」

労働者「俺たちゃあんたのおかげで頑張れたんだ」

労働者「絶対忘れないぜ!」


樹「無事でよかった、ツバサ。しかし異界でもアイドルになるなんてな」

つばさ「えへへ・・・。イツキ君達が来てくれたおかげで助かったよ。ルフレさん、心配かけちゃってごめんね」

ルフレ♀「いいえ、本当にまた会えてよかった・・・!」

♯シーダ「ツバサ、しばらくはこの人達と協力しながら帰り道を探すことにしましょう」

つばさ「そうだね、シーダ!」

シーダ「シーダ・・・?」

シーダ「あなたもシーダという名前なの?」

♯シーダ「ええ、そうよ。・・・そういえば、私達は名前だけでなく雰囲気も似ているわ」

つばさ「もしかして・・・姉妹!?私とおそろい!?」

樹「それなら同じ名前・・・いや、昔ならおかしくないのか?」

サイゾウ「ツバサとやら、少し聞きたいことがある」

サイゾウ「カゲロウという名のくノ一が・・・ここに来なかったか」

つばさ「カゲロウ、くノ一・・・あ!そういえば、緑髪の女の子がくノ一さんを連れてるの見ました!」

サイゾウ「本当か!それで、どこに」

つばさ「確か、あっちの方に」

オロチ「ふむ、あちらの方角を重点的に調べてみるかの」

サイゾウ「・・・カゲロウ」

シーダ「大丈夫、その方は絶対に無事だわ」

樹「ああ。俺もツバサを助けてもらったし、できることはなんでもするよ」

サイゾウ「・・・恩に切る」

第2鉱山を調べた後、無人の山小屋に泊まることとなった一行。

晩ご飯は>>55であった。

女性陣作、人が食える色をしていない禍々しい鍋

樹「晩ご飯は皆が作ってくれるそうだよ。楽しみだね」

サイゾウ「・・・オロチさえいなければな」ハァ

樹「え・・・」


ルフレ♀「オ、オロチさん!?これ、本当に食べ物の匂いですよね!?」

つばさ「わ、私っ、何かやらかしちゃったとかないですか!?」

オロチ「案ずるでない。ちゃあんと出来上がっておるわ」

ニュクス「あなたね・・・よりによって初日からそんな"実験"するのはどうかと思うわよ?」

エイリーク「あわわ・・・」

♯クロム「イツキ、近いぞっ!」

樹「え?でも敵は」

フワァ~ッ

樹「!?」

サイゾウ「あいつめ・・・!」

オロチ「さあできたぞえ~!我が家系に代々伝わる秘伝鍋じゃ!たんとあじわうがよいぞ^_^」

他女性陣「・・・」

サイゾウ「こいつは昔から、人の潜在能力を高めるだの何だのいって劇物を作り、それを人に食わせるとんでもない趣味の女なんだ!」

オロチ「幼馴染に何と無礼な奴じゃ。この通り美味いというに・・・」ジュルジュル

エリーゼ「ほ、本当に食べてる・・・」ヒキッ

オロチ「まずはイツキとやら、食うてみよ」

樹「え!・・・料理名はさしずめ"高架下のマイコさん"かな・・・」ボソッ

つばさ「イ、イツキくん!?それは自分を追い詰めてるだけだと思うけどぉ!?」

オロチ「ええい、グチグチ言わずいかんか!」ズボッ!

樹「ふぐぅ!?」

樹「(うう・・・息を止めるのももう限界だ)」

樹「(たちまち劇物の味が流れ込んで・・・何?)」

樹「(なんだこれは・・・!?一つの料理を食べているはずなのに、味といい風味といい舌触りといい、全く違う複数のものが去来する!)」

樹「(それらが衝突し合うかといえばそうではない!それぞれが互いを引き立てつつ、要所要所で存在感を放ち、飽きさせない!)」

樹「(そして最終的に、様々な要素が一つの帰結へと向かい直走っていく!その行く末を言葉で表すなら・・・!)」

樹「美味い!」

エリーゼ「嘘ぉ!?」

サイゾウ「・・・運が良かったな」

オロチ「だから言うたであろうに。まこと優れしものは世に認められ難きものよ」ヨヨヨ

ニュクス「本当に一番の呪い師になりたかったら、もっと安定性を追求することね。やれやれ・・・」

シーダ「ええと、安全性も確認できたことだし・・・いただきましょうか」

意外に美味しかった鍋をつつきつつ、一行は束の間の団欒を楽しんだ。


オロチ「こんな薄い板にどうやって文字や絵を浮かばせておるのじゃ・・・!?」

樹「あのー、壊れちゃまずいからそんなにいじくらないでくれるかな・・・」


エイリーク「だからここはこの公式を当てはめて・・・」

ルフレ♀「これを代入すれば・・・」

つばさ「あっ、分かった!これで次のテストもバッチリ!」

シーダ「あなたのペガサス・・・まるでシューターみたいな質感だわ」

♯シーダ「あなたのペガサスには脚が生えているのね」

ペガサス「ヒヒンッ!?」

♯ペガサス「ヒヒーーン」


ニュクス「身体は触れたり触れられたりできる・・・どのようなメカニズムで武器に変身するのかしら」

♯クロム「あまり撫で回さないでもらえるか・・・」


エリーゼ「すごーい!こんな小さな箱でお料理できちゃった!」


しかしカゲロウの身を案ずるサイゾウは、いまいち落ち着けないでいた。

オロチ「では、今夜はそろそろ休むとしよう。明日は早く起きて、今後の方針を話し合うでな」


床につく仲間達。サイゾウも自らが割り当てられた布団で横になった。


それから間も無くして・・・


水滴の滴る音と荒い息遣いが、居場所を争うかのように鳴り響いている。

一切の光が存在を許されない部屋の一角に、白い影が眩しく存在感を放っていた。

強かさとしなやかさが共存する肢体に、優美な曲線が備わることでそれは完成する。殊にこの身体の持ち主にとって、その柔らかさは時に最大の武器となりうるものであった。

それを一番強く象徴するであろう二房の果実が、荒い息遣いに合わせ妖しい律動を繰り返していた。白磁の肌をなだらかに滑り落ちる玉の汗。その神秘を覆う服は各所が破れ、身体への忠誠心のみをもって最後の抵抗を試みていた。


白夜王国のくノ一・カゲロウは、誰かの来訪で目を覚ました。

「おや、起こしてしまいましたか。これは申し訳ない・・・」

緑髪の少女。頼れる戦友であり、かつて恋人と呼んだ男を一方的に打ち倒した恐るべき魔道の使い手。現在カゲロウは、彼女に運命を委ねなければならない立場にあった。

三日月のように美しく、そして危険な殺意を帯びた視線が射掛けられたが、少女は肩を竦めただけで然程感銘を受けた様子もない。その証拠に、囚われの身となったくノ一の豊満な肉体を無遠慮な視線で舐め回してくる。

ニノ「さて、それではあなたにはこれから役に立ってもらわねばなりませんね」

カゲロウ「・・・白夜の忍にそれを言うのか」

カゲロウは、視線を受けてより感じていた違和感を新たにした。だが、それを誰何する暇が彼女に与えられることはなかった。

ニノ「あなた聞いているのではありません。・・・あなたの身体に聞いているのですよ」

生理的な嫌悪感を伴った危険を、否応なしに自覚させられるカゲロウ。無限の脅威を感じさせる小さな手がカゲロウの胸元に伸びた。

ニノ「まぁ、聞く必要もないことではありますが・・・」

カゲロウ「や、やめろっ、やめてっ・・・!」

勢いよく下された腕に、桃色の軌跡が続いた・・・

サイゾウ「カゲロウっ!!」

サイゾウは飛び起きた。
大量の汗をかいたためだろう、体が冷たい。

サイゾウ「・・・」


「サイゾウ・・・?」

何故か側には>>68(旅のメンバー)がいた。

サイゾウ「イツキか・・・」

樹「大丈夫かい。すごく魘されていたから、心配で・・・」

サイゾウ「俺のことは心配いらない。だが、カゲロウが・・・」

樹「・・・実は、そのことでも相談したいことがあるんだ」

サイゾウ「何だと!?」

TOPIC『遺跡に向かって』ピコーン!

TOPIC『あなた達に必要なものはそこにある』ピコーン!

TOPIC『(遺跡への地図)』ピコーン!


サイゾウ「これは・・・!」

樹「以前ナーシェンと戦った時、誰かがTOPICでヒントをくれたことがあっただろ?同じ人物みたいなんだ」

サイゾウ「そうか・・・しかしこの位置だと、これから向かう先と反対方向だな」

樹「うん。だから明日皆にも伝えようと思う」

翌朝


オロチ「ふむ、遺跡とな」

ニュクス「確かにこの地図は正しいみたいだけど・・・」

つばさ「このTOPICを送ってる人は、何が目的なのかな?」

サイゾウ「敵の罠だという可能性も考えられる。しかし、俺はそこに行ってみたい」

エイリーク「・・・私も賛成です。未だ先が見えない以上、判断材料は少しでも多く持っておくべきだと思います」

ルフレ♀「敵が罠を張るとすれば、何の警戒も抱かせないうえで、最短距離の途上に仕掛けるのが自然でしょう」

オロチ「・・・皆もそれでよいか?では決まりじゃ。遺跡へ向かおうぞ」

サイゾウ「(カゲロウ・・・待っていろよ!)」

遺跡への途上


サイゾウ「間も無く遺跡だな・・・」

オロチ「のう、サイゾウ。かねてより気になっていたことなのじゃが・・・」

オロチ「おぬしが初めて首領と戦った時、多数の兵士が集まっていたと言うておったな」

サイゾウ「ああ」

オロチ「しかしこれまで戦ってきた敵の多くは、ノスフェラトゥやゴーレムといった、人間でないものばかりじゃ。兵士達はどこへ行った?」

サイゾウ「!そういえば・・・」

ニュクス「皆、少し待って」

エイリーク「どうしましたか?・・・って、遺跡はもう目の前ではないですか」

ニュクス「ええ。そうなのだけど・・・どうやらあの遺跡は、特殊な魔力を帯びているようなの。それも・・・」

ニュクス「正統軍首領のそれに、極めて近いわ」

サイゾウ「何だと!?」ジャキッ

エリーゼ「でも、ちっとも怖くないよ。むしろ、何だか優しい気持ちになる・・・」

♯クロム「ああ。何やらブルームパレスに近い雰囲気を感じるな」

樹「!気をつけて、入り口に誰かいる!」


>>74「・・・」

ラズワルド

エリーゼ「ラズワルド・・・?」

サイゾウ「お前、ここで何をしている。王都に残るのではなかったのか」

ラズワルド「・・・サイゾウ」


ラズワルド「僕と戦ってくれ」

サイゾウ「!?」

ラズワルド「君達はこの中にあるものが欲しいんだろう。僕を倒さない限り、この先に行くことすらできないんだ」

サイゾウ「しかし・・・!」

ラズワルド「僕はこの剣でいく。君も好きな得物を選びなよ」

サイゾウ「くっ・・・戦うしかないのか」

>>76何を使って戦う?

とりあえず素手で取り押さえを試みる

ヒュゴオッ!

ラズワルド「!!」ガバッ

サイゾウ「どうだ!」ギチム

ラズワルド「流石5代目サイゾウ・・・その敏捷性、締め付ける力、どれも一流だ。だけど・・・」

スルッ

サイゾウ「なにっ!」

ラズワルド「ほんの少しだけ・・・力にムラがあったね」

サイゾウ「(完璧に極めていたはず!)」

オロチ「どうやら、遺跡に満ちる力で力を増しておるようじゃな」

樹「サイゾウ・・・!」

サイゾウ「くっ・・・!」

ラズワルド「・・・怖いのか?」

サイゾウ「何!?」

ラズワルド「この遺跡に満ちる気・・・仲間達の言う通り、正統軍の首領が持つ魔力と同様のものさ」

ラズワルド「あの時の大敗を思い出して・・・身体が強張っているんじゃないのかな」

サイゾウ「・・・俺は・・・」

~~~~~~~~

カゲロウ『サイゾウーっ!!』

~~~~~~~~

サイゾウ「カゲロウ・・・!」

本日の更新はここまで。

読んでいただき、また安価にご協力くださり本当にありがとうございます。

明日には完結します、お楽しみに。

物語やキャラについて分からないことなどありましたらご質問ください。

更新をぼちぼち再開します。

あたたかい応援コメント、どうもありがとう!

一方的に打ち込むラズワルド。

サイゾウはそれを辛うじて防いでいたが、逆転の機を見出せないでいるかに見える。

ラズワルド「・・・」ギンッ!ギンッ!

サイゾウ「(先王が討たれた時・・・父が死んだ時・・・心中で俺はいつも項垂れていた)」ガッ!ガッ!

サイゾウ「(何かを失い、傷を負い・・・その度に俺は・・・)」

ラズワルド「・・・っ!!」ゴオオッ

サイゾウ「ぐっ!」ズザァーッ

仲間達「!!」

ピコーン!

サイゾウ「(・・・俺は・・・)」ガクガク

ラズワルド「!」

オロチ「サイゾウが・・・立った!」

サイゾウ「(俺は・・・いつも立ち上がってきた!)」

ラズワルド「・・・まだやる気みたいだね」

サイゾウ「サイゾウの名がいかに受け継がれたのか・・・その真髄をここでお前に教えてやろう」ザッ

ラズワルド「また素手で来るつもりか。こちらも行くよっ!」

サイゾウ「・・・!」ビュウオオッ

ギラァーーーンン!!

ラズワルド「かっ、は・・・」バサアッ

一瞬の交錯を経て、剣はその主を変えていた。

サイゾウ「代々の秘伝、無刀取り・・・サイゾウはただでは起き上がらん!」


つばさ「サイゾウさん!」

エリーゼ「今治療するからね!ラズワルドも・・・」

サイゾウ「ああ、大した傷は与えていない。しかし何故こいつが・・・」

樹「サイゾウ!これを見てくれ・・・」

サイゾウ「む?・・・これは!」


TOPIC『おめでとう。後はあなたに託すね』ピコーン!

パァァァァァァ・・・


ニュクス「何かが浮かび上がってくる・・・何らかの魔道具のようね。何か反応を示しているわけではないけど・・・」

エイリーク「これが、カゲロウさんを救い出す鍵となるのでしょうか?」

♯シーダ「それを渡すために、力を測った・・・そういうことなのかしら?」

ラズワルド「まぁ、ね・・・」ググ

エリーゼ「あ、ラズワルド!」

ラズワルド「彼女は・・・正統軍首領の恐ろしい企てを防ごうとしている。しかし、直接実体を持って動ける存在ではない」

ラズワルド「だから、僕に力を与え、サイゾウを試した・・・!」

樹「TOPICに度々連絡をくれたのも・・・」

ラズワルド「そうだよ・・・」

オロチ「しかし、何故おぬしを選んだのじゃ?」

ラズワルド「それは・・・」


ラズワルド「さて、何故だろう・・・」

サイゾウ「ラズワルド、そのために傷まで負って・・・。安心しろ。必ずやカゲロウを救い出し、敵の野望を打ち砕く!」

ラズワルド「本当だよ。女の子の危機を助けるのは、男の義務なんだからさ・・・」ニコッ

ラズワルド「この奥に転移の間がある。そこから、敵の本拠地まで飛ぶことができるよ・・・どうか武運を!」

サイゾウ「ああ、カゲロウを連れてここに戻ってくるからな。行くぞ皆!」

仲間達「おおーーーっ!!」


転移の間に飛び込んだ一行。決戦は目前に迫っていた。

儀式の祭壇


ニノ「この気配・・・想定より遥かに早く連中が来たようですね」

ニノ「忌々しい・・・!あの出来損ない、死んでまで私の邪魔をするとは」

ニノ「まぁ、順序が変わっただけのこと。奴らを処刑した後、万全の状態で儀式に移るとしましょうか」

ニノ「あなたにも期待していますからね、くくく」


「はい、我が主・・・」

シュパァァァァァンン・・・!


ニノ「来たんだね、爆炎のお兄ちゃん。今度はもう少し長く遊ばせてもらえるよね?」

サイゾウ「とうとうここまで来た・・・暗夜正統軍もここで終わりだ!5代目サイゾウの名にかけ、貴様を処刑する!」

オロチ「!?何じゃ、この膨大な魔力・・・まるで世界の法則を歪めているかのような」

♯クロム「!あそこに見えるのは、異界との出入り口か?しかし、何かが違う!」

ニノ「そう、これこそがあたしの望み・・・知りたいだろうけど、ここでは教えてあげない」

ニノ「知りたいなら・・・地獄に落ちなよ」


ガカーーーンッ!

仲間達「わぁーーーーーっ!?」ヒュゥゥゥゥ

サイゾウ「!!」

ニノ「お友達は奈落の底へ真っ逆さま・・・寂しいよね?」

ニノ「どうして落ちなかったか分からないけど・・・すぐに後を追わせてあげるよ」

サイゾウ「貴様っ!」ビュンッ!

ニノ「!!」

ビシイッ!

ニノ「ぐっ!」

ニノ「ちっ、傷が・・・」

キラキラキラキラ・・・

ニノ「その魔道具は!・・・成る程、それが原因だったというわけですか」

サイゾウ「(口調が変わった?いや、これが本性だというのか)」

ニノ「・・・どうやら、あまりお遊びの時間は無いようですね。本当の力を顕現させる前に、儀式を完成させなくては」

ニノ「紛い物の姿など、最早不要!」ブォォォォ

サイゾウ「むっ!」


緑の髪が星のない夜空のごとき黒へと変わっていき、その瞳は
ゾッとするような黄金の輝きを放ち始めた。

そして少女の輪郭が完全に消え去り、一人の男がその姿を現した。それこそが、全ての糸を引いていた黒幕の本当の姿!


「我が名はエフィデル!億万の世界を統べる新たな王!!」

本日の更新はここまで。

思ったより先に進めなくて申し訳ありません。

黒幕がその姿を現し、全ての謎が明かされる完結編は、明日をお楽しみに!(今度こそ・・・)

サイゾウ「エフィデル・・・貴様は一体!」

エフィデル「くくく・・・知りたいなら教えて差し上げますよ。もっとも」

エフィデル「儀式が完成を迎えてからの話になりますがね」ブォォォォ

サイゾウ「そうはさせんっ!」ビュン


ガキィンッ!!


サイゾウ「なっ・・・」


渾身の一撃を受け止めたのは、優美かつ豊満なシルエットだった。
その身を覆う・・・ないし、縛りつけているような黒革の装束は秘められた女体の神秘を隠すと同時に、柔らかな曲線を扇情的に演出している。

サイゾウの追い求めたカゲロウが、今目の前に現れた。

サイゾウ「カゲロウ・・・!?くっ!」ギィンッ

カゲロウ「・・・」ザンッ!ザンッ!

エフィデル「御待望の再会に添えて、遠大な私の来歴をお教えしましょう」


エフィデル「こことは別の世界・・・私はとあるお方の野望を果たすべく動き、そして非業の死を遂げた・・・」

エフィデル「その時私は異界に繋がる門を開け放ち、強大な存在を顕現させようとしていたのです」

エフィデル「四散した私の欠片は異界の狭間を漂い・・・そしてこの世界へと辿り着いた」

シーダ「う・・・ここは?」

ニュクス「転移魔法で地下に落とされたようね。サイゾウは無事かしら・・・」

つばさ「ひ・・・きゃあっ!!」

樹「ツバサ!どうした・・・あ!?」

エリーゼ「嘘・・・ここにあるのは全部・・・人の死体?」

ナーシェン「」

エイリーク「ナーシェンも・・・まるで何かを吸い尽くされたかのような」

オロチ「まさか・・・!」

エフィデル「そして現状に不満を持つ者どもを焚き付け、多数の兵を集めた」

エフィデル「人間の裡にある生命力・・・エーギルを奪い、門を開くために」

エフィデル「そしてあらゆる世界からエーギルを吸い上げ、わたしは神の領域に至るのだ!」

サイゾウ「ふざけたことを抜かしおって・・・!」ゴオオッ

ガキィンッ!

カゲロウ「・・・」ブウンッ

サイゾウ「ぐおっ!」ズザァーッ

エフィデル「それと我らを嗅ぎ回っていたこの女・・・今ではすっかり忠実な飼い犬です」ツツー・・・

カゲロウ「あ・・・あっ///」ゾクッ

サイゾウ「貴様ッ!汚らわしい手をカゲロウから離せ!」

エフィデル「離せ?あなたが今は誰の手の内にあるか、申してみなさい」

カゲロウ「・・・私の身体も心も・・・全てはあなたのものです。我が主・・・」シナダレ

サイゾウ「くそっ!」ビュウッ

カゲロウ「・・・」ガキンッ

ノスフェラトゥ「ガギャァァァァァッ!!」ワラワラ

♯クロム「くうっ!何という数だ!」

エイリーク「早くサイゾウを助けに行かなければいけないのに・・・!」

オロチ「ちっ!しかしどうやら、ここは単なる地下ではなく、隔絶された異空間らしいの」

ニュクス「何らかの儀式をしている最中だというのに・・・結界を生み出す魔力をどこに隠しているのかしら」

シーダ「ナーシェンの時は、ルフレさんが魔力を供給させられていたのよね・・・」

ルフレ♀「では、今もまた誰かが魔力の制御を請け負っていると・・・!?」

ルフレ♀「まさか・・・!」

エフィデル「もう少しだ・・・!もう少しであらゆる世界の力が我が下に!」

サイゾウ「カゲロウ!目を覚ませ、カゲロウっ!」ギンッギンッ

カゲロウ「・・・」ヒュンッ

エフィデル「やれやれ、哀れな弱者が耳障りな・・・」

エフィデル「せめてここまで来れた褒美に、輝かしき未来の贄としてさしあげましょう。・・・やれ」

カゲロウ「・・・!」コァァァァァッ

ビュウォォォォォォ!!

サイゾウ「ぐぉぉぉおぉっ!!」

サイゾウ「・・・」バタッ

エフィデル「くくく・・・あなたのエーギルは最後の仕上げに取っておいてあげますよ」

・・・

・・・・・

・・・・・・・


サイゾウ「静かだ・・・あれほど痛かった身体も軽い・・・」

サイゾウ「俺は・・・死んだのか?」

サイゾウ「ダメだ・・・ダメだ!俺はまだ死ねん!カゲロウを救い出し、エフィデルを討つまでは!」


「そう、まだ希望はあるんだよ」

サイゾウ「!?その声は・・・!」

サイゾウの目の前に浮かび上がる少女の姿。
緑色の髪・・・まさしく、エフィデルが変身していた姿だ。


ニノ「この姿では初めてだね。あたしの名前はニノ」

サイゾウ「お前は・・・そうか、俺たちを導いていたのは、お前だったのか」

ニノ「うん。・・・あたしはエフィデルと同じ世界の人間。エフィデルの主君に家族を殺され、その野望を防ぐために戦った」

ニノ「そいつに勝って、野望を砕くことはできたけど・・・私はとある事情で表の世界では生きていけなくなったの」

サイゾウ「・・・」

ニノ「そして最後はどこかも分からないところで倒れて・・・そこに目をつけたのが、身体を失っていたエフィデルだった」

ニノ「エフィデルはあたしのエーギルを奪い取って、強化された身体を手に入れたの」

サイゾウ「だから奴はお前の姿を・・・」

ニノ「あたしの強大なエーギルは・・・あ!これは自画自賛じゃないよ」

ニノ「あたしの力を奪い取ったエフィデルだけど、それは弱点でもある。エーギルを通して、あたしの魂をこの世界にも飛ばすことができるから」

ニノ「今、魔道具を通してあなたに直接話ができるのも・・・」

サイゾウ「エフィデルがカゲロウに授けた魔法に、お前の力が残っていたからか」

サイゾウ「・・・では、カゲロウを助ける手立てを知らないか!?教えてくれ!」

ニノ「うん、あるよ。カゲロウにはエフィデルの魔力の欠片があるから、それを絶つことができれば、仲間達を助けることもできる」

ニノ「だけどそれには、何よりあなたの力が必要なの」

サイゾウ「どういうことだ?」

ニノ「カゲロウにかけられた呪縛を解くには、直接魔道具を触れさせてあたしの力に干渉するしかない・・・つまり、カゲロウと戦わなくちゃいけないの」

サイゾウ「・・・」

ニノ「・・・大切な人を手にかけるかもしれない、その覚悟はある?」

~~~~~~~~~

カゲロウ「サイゾウ・・・男女として、私達の関係は終わりかもしれぬが」

カゲロウ「白夜に仕える相棒として、お前と組むことができた運命にはいつまでも感謝するだろう」

カゲロウ「・・・これからもよろしくな、サイゾウ」

~~~~~~~~~

サイゾウ「・・・愚問だな」

サイゾウ「俺はカゲロウの力や技を知っている。必ずやその動きを抑え込んでくれよう」

サイゾウ「そして・・・」

サイゾウ「俺はカゲロウの心を知っている。国の未来に命をかけるあいつの覚悟を知っている俺に、躊躇などない!」

ニノ「・・・そっか!」

ニノ「じゃあ、あたしの力の全て・・・サイゾウに託すよ!」

ニノ「エフィデルの野望を止めて・・・あらゆる世界の未来を、守って!」

サイゾウ「おおっ!!」

ゴオオオオオオオオオ!!

・・・・・・・

・・・・・

・・・

ゴオオオオオオオオオッ!!

エフィデル「!?この炎は・・・奴から出ているのか!」

エフィデル「あの忌々しい最期のような・・・!」


サイゾウ「・・・」シュウウウウウウ

エフィデル「この死に損ないが・・・殺せ、カゲロウ!」

カゲロウ「・・・」ダッッ

サイゾウ「・・・」ザッ

フオオオオオオオオオッッ!!

ガキィィィィィンッ・・・

♯シーダ「結界が消えたわ!」

ニュクス「皆、こっちよ!ここからサイゾウのところへ戻れる!」

樹「急ごう!」

オロチ「待っておれよ・・・サイゾウ!」


カゲロウ「」ドサッ

サイゾウ「・・・」

エフィデル「く、くく・・・ははははは!」

エフィデル「ああ、何と悲劇的な結末!求めに求めた探し人をその手にかけることになるとは!」

エフィデル「隔離する力が消えようが、もはや手遅れ!儀式は今ついに・・・」


ザクッ!!

エフィデル「かっ、は・・・!?」


カゲロウ「終わりだ、エフィデルよ」

エフィデル「何だとぉ・・・」

カゲロウ「大層世話をかけたな、サイゾウ」

サイゾウ「詫びは任を片付けてからだ」

カゲロウ「ふっ・・・馴染み深いやり取りだ」


エフィデル「馬鹿な、馬鹿なっ・・・!ええい、こうなったら先に貴様らを始末し」


「何かを忘れているんじゃないかえ?」

オロチ「我ら、地獄より舞い戻ってきてやったぞ!」

ニュクス「さぁ皆、後は頼んだわよ!」

シーダ「任せて!やり遂げてみせるわ!」ビュウンッ

エイリーク「私達の世界・・・好きにさせません!」

樹「翔べっ、ツバサ!」

つばさ「行っけぇーーっ!」


エフィデル「あ、あ・・・!門が!私の身体が!」

ニュクス「狙い通りね。異界の者達の攻撃で、門が不安定になり始めている!」

オロチ「今じゃ!サイゾウ!」

サイゾウ「これで・・・最後だ!」

サイゾウ「爆ぜ散れーーーーーっっ!!」


エフィデル「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!!」


ドォォォォォォォォォォンン・・・

エリーゼ「消えた・・・」

ルフレ♀「門も・・・エフィデルも」

サイゾウ「・・・一件落着、だな」


カゲロウ「皆には大変な苦労をかけてしまったな。いつか働きで報いよう」

オロチ「親友の危機を救うのは当然じゃよ。のう?サイゾウ」

サイゾウ「次はこうならぬよう、修練を積むことだ」

ニュクス「少しは優しい言葉をかけてあげなさいよね・・・」

カゲロウ「異界の方々も、よくぞ力をお貸しいただき、かたじけない」

シーダ「私達は私達のすべきことをしたまでよ」ニコッ

エイリーク「それに、私達の世界を守るための戦いでもありました。勝利できて何よりです」

♯クロム「これで、胸を張って元の世界へ帰れるな」

樹「ああ。たまにでいいから、俺たちのことを思い出してよ」

ルフレ♀「皆で力を合わせましたからね・・・少し寂しいです」

つばさ「わたしもだよ、ルフレさん~。絶対に忘れないから!」

♯シーダ「貴重な出会いに恵まれて、よかったわね。ツバサ」


オロチ「それでは皆、元気での~!」

エリーゼ「また会おうね~!」

サイゾウ「そちらが危機に陥れば、俺達が駆けつけよう」

エリーゼ「よーし!じゃあ、皆でおうちに帰ろっか!」

カゲロウ「うむ」

ラズワルド「・・・あっ、そうだ!」

ラズワルド「エリーゼ様、ニュクス、オロチ。世界を救ったお祝いってことで、僕とお茶しない?」

ニュクス「あなたにしては無作法な誘い方・・・まぁ、今日はお誘い受けようかしら」チラッ

オロチ「あまり邪魔をするわけにもいかんしの」ムフフ

サイゾウ「・・・おい」

エリーゼ「じゃあ2人とも、また今度ねー!」

サイゾウ「奴らめ、余計なことを・・・!」

カゲロウ「・・・」

サイゾウ「・・・」

カゲロウ「・・・サイゾウ」

サイゾウ「・・・どうした」


カゲロウ「・・・もう暫くだけ、こうしていたい」ギュッ

サイゾウ「・・・仕方のないやつだ」ギュッ

・・・

・・・・・

・・・・・・・

ニノ「色んな世界の、全ての人たちが・・・」

ニノ「大切な人の、側にいられますように・・・」

・・・・・・・

・・・・・

・・・

囚われのカゲロウ FIN

というわけで、無事に完結いたしました。

ちょっとしたネタをきっかけに、自分でも驚くくらい風呂敷を広げたなと思います。

作品がここまで彩られたのは偏に、安価にご協力してくださった方々のおかげです。

読んでくださった方々、応援してくださった方々、皆様にここでお礼を申し上げます。

本当に、ありがとうございました。

あ、それともう一つ



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