【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ4】 (1000)

このスレは安価で

結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・バーテックスの殲滅
・秘密の解明
・恋愛についてを考える


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに


前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437905159/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440313909/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442930969/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445246073



――別にいいじゃない。好かれるのは悪くないと思うわ


考えに考えた末に、天乃が導き出した答えはそれだった

一周回った、例文のような言葉

我ながらひどい逃げ方だとは思いつつも

女の子同士の恋愛については

恥ずかしくて考えたくないがゆえの、苦渋の選択だった

天乃「もしも恋愛相談だったらごめんね、夏凜」

メールを送って一息つく

天乃「私、普通に男の子と恋愛して、結婚して……そういう生き方になると思ってたんだけど」

夏凜の言う好意が恋愛的な意味と考えた瞬間から

そんな不埒な考えをしてしまったからかもしれないが

顔が赤い

天乃は布団で目元まで覆って首を振ると、ため息をつく

天乃「私、記憶を失う前は女の子との恋愛。考えてたのかしら」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

……そっか

まぁ、あんただったらそんなつまらない回答するとは思ってたわ


女の子同士 だから 友情として


そう考えるのが普通だから

あんたは普通ってことよね。多分

なんていうか

好意はつまり相手を好きってことだし

だから恋愛なんじゃないかって考えて答えるかも。みたいな面白さを期待したのよ

女子からの好意に関しては

当たり障りのない感じで対応することにするわ

当然なんだけど

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「なによ。私が真面目に考えて答えたのに」

その結果が例文とはいささか問題があるような気がするが

天乃「それにしても。私真っ先に恋愛で考えたんだけど……」

それってつまり

自分からしてみれば、女の子同士の恋愛もまた

普通と考えているってことじゃないのだろうか

天乃「……い、いやいや。そんな、女の子と恋愛なんて。そんなの」

否定して、拒否して、天乃はその考えを飲み込んだ



九尾「私、女の子です。良いんですか?」

天乃「っ!」

九尾「貴女以外の誰かに頼めるように見える?」

天乃「き、急に出てきてなんなのよ!」

にやにやと不愉快な笑みを浮かべる九尾に枕を投げつけて、怒鳴ると

九尾は難なくそれを受け止めて天乃に差し出す

九尾「くくくっ、主様と犬妹のやり取りの再現じゃ。そこだけ見れば、主様は女好きじゃぞ」

天乃「だってあれは、ほら……その」

九尾「おっと、主様の前で女子の姿は不味い。襲われかねんっ」

そう言い残して消えていった九尾

一人取り残された天乃は、顔を真っ赤にして

天乃「襲わないわよ、馬鹿ッ!」

そう叫ぶ

天乃「っ……あれは。違うんだから」

唇に触れ、昨日のことを思い出す

違う。きっと違う

そんなんじゃない

肝に銘じるように、何度も何度も……言い聞かせた



01~10 
11~20 
21~30 大赦

31~40 
41~50 
51~60 大赦 
61~70 
71~80 祖母

81~90 
91~00 

↓1のコンマ  


√ 6月6日目 夕(久遠邸) ※木曜日


この日の夕方、天乃のいる久遠邸には

勇者部全員が揃って来ていた

朝、樹が言ったように

今日は天乃の誕生日だからだ

だから今日くらいは勇者部の活動はなし

即天乃の家に直行してきた。というわけだ

着替えることもなく、荷物を置いてくることもなく

校門を出たら車に乗って。だ

天乃「そこまでする必要ある?」

東郷「みんなが、久遠さんとできるだけ一緒にいたい。と言ったのよ」

天乃「貴女も?」

東郷「はい。私もです」


友奈「お誕生日おめでとうございます。久遠さん」

樹「お、おめでとうございます」

風「おめでとう、天乃」

夏凜「おめでと」

東郷「お誕生日、おめでとうございます」

それぞれの祝福の言葉を受けた天乃は

それの感謝をするよりもまず

天乃「どうしたのよ、なんか申し訳なさそうな顔してるけど」

なんだか気まずいというような雰囲気について問うと

唯一、被害のなかった風が苦笑しながら髪を掻く

風「いや、ほら。アタシ達さ。天乃の正しい年齢知らなかったからさっき聞いたのよ」

天乃「あら、教えてなかったっけ?」

友奈「し、知らなかったです! 知ってたらもっとちゃんと……今までごめんなさいっ」

樹「ごめんなさい!」

天乃が自分達よりも年上なのだと

友奈たちはこの時初めて――知ったのだった


天乃「別に、そんなこと気にしなくてもいいのに」

友奈「でも」

気にしなくていいとは言われても

知らずに同級生のような扱いならまだしも

普通に年下に見ていたのだから、謝るしかなかった

東郷の胸の大きさになれていた勇者部にとって

もはやそこは判断基準外のものでしかなく

ゆえに中学1年生

もっと言えば小学6年生と見ていたのだから

失礼極まりない。と、友奈達は思っていた

夏凜「もっとも、天乃の子供みたいな性格のせいでもあるんだけどね」

天乃「子供って」

夏凜「否定できる?」

天乃「できないけど……」


色々やったし、

そのせいで色々と大変なことになった

それを子供みたいな性格と言われても

天乃には反論のしようもなく、口篭る

樹「と、とにかくですねっ。お誕生日おめでとうございます」

天乃「ありがと」

友奈「私からのプレゼントはカーネーションの押し花ですっ」

東郷「私から音声不要の字幕付き国防DVDBOXを」

風「あたしからは安眠枕を」

夏凜「私からは、その。樹のには劣るし。あれかもしんないけど」

気恥ずかしそうに顔を紅潮させ

もじもじとする夏凜は天乃をちらっと見つめると

受け取りなさい。と、小さなヘアピンを差し出す

夏凜「ま、前髪止める用……あんたに合うかと思って」

天乃「あら……ありがと」

夏凜「っ、べ、別に」

耐え切れず顔を背けた夏凜を目で追って

天乃は受け取ったヘアピンを大事に握り締めて、笑みを浮かべる

いつぶりかの、誕生日会

それはとっても賑やかで、とっても明るくて

だからこそ……それは蛍の灯火のようだと

離れて見守る九尾は、思った


√ 6月6日目 夕(久遠家) ※木曜日

九尾、死神、大地、晴海、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、ねぇ、みんな。今日は泊まっていかない?

↓2


天乃「ねぇ、みんな。今日は泊まっていかない?」

明日も学校があるというのはわかっていたが

天乃はそう言わずにはいられなかった

朝から感じる不安

それが全く拭えていない現状

そのままさようなら。というのはしたくなかったのだ

風「でも、着替えとかがないし」

天乃「下着なら私やお姉ちゃんのがあるし。寝巻きなら用意するから」

風「ん~……」

天乃のことが嫌いなんてことは全くないし

できることなら泊まって行ってあげたいけど……

天乃「ね? お願い」

風「っ」

一応は同年代の少女の寂しそうな懇願

それを無碍にできるほど、重要な問題はなかった

風「分かった。分かったからその顔やめて」

天乃「え?」

風「あざといっていうか、なんていうか……」

ドキドキするから

その言葉を飲み込んで、風は樹たちへと振り向く


風「と、いうことだけど」

夏凜「私は別に」

樹「お泊り……お泊りっ」

友奈「やったーっ」

東郷「ふふっ、友奈ちゃんったら」

誰ひとり嫌がる様子はなく

誰も文句も言わない

その結果を見渡した風はもう一度天乃へと振り返ると

困ったように頬を掻く

風「じゃぁ、お世話になっちゃおうかな……いいですか?」

晴海「あら。大歓迎よ」

大地「俺のことなら気にするな。妹以外に興味はないから」

風「それはそれで、気になりますが……」

殴り飛ばしたくなるような自慢の表情を浮かべる大地を一瞥し、

天乃と風は苦笑して、顔を見合わせる

風「今日一日だけだけど。主役の依頼。この勇者部が引き受けたわ!」

天乃「ふふっ、ありがと」

風「ぅ、うん」

天乃の笑に対して、風は少し顔を赤くして頷いた

√ 6月6日目 よる(久遠家) ※木曜日

九尾、死神、大地、晴海、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、勇者部全員

↓2


天乃「ねぇ、樹」

樹「な、なんですか?」

天乃「なんですかって聞きたいのは、どちらかというと私なのよね」

樹「……………」

誕生日会に来てからというもの

樹はどこかおどおどしい感じがしてならない

家に来たくなかったなんてことはないし

騒がしいこと、楽しいこと、明るいこと

全部好きだし、なにより

今日の主役である天乃のことが、樹は好きだ

樹「久遠さんにあんなこと言っておいて、自分は隠すなんてなしですよね」

天乃「ううん。別に……どうしても言えないことなら私は聞かないわ」

樹「そうですか」

じゃぁ言わない

じゃぁ黙っていよう

果たしてそれは正解なのか

樹は考えをまとめるために

思考を乱し、動悸を早める天乃を視界の外へと追いやった



01~10 
11~20 言う①

21~30 
31~40 する 
41~50 
51~60 
61~70 言う②

71~80 
81~90 ばてくす「お誕生日おめでとー」
91~00 

↓1のコンマ  


樹「それなら、あの」

天乃「うん?」

樹「覚悟が決まったら、言います」

天乃「うん、それでいいと思うわ」

そう言った天乃の浮かべる笑一つですら

今の樹には、とても見ていられるものではなかった

樹「っ」

けれど、樹は目を逸らすことを止めた

見ていなければわからない

声を聞かなければわからない

でなければ、

心はずっと走り続けているみたいに激しく高鳴り続けると思ったからだ




1、もし、私がピンチになっても、助けには来ないと。誓ってくれる?
2、ねぇ樹。女の子同士の恋愛ってどう思う?
3、ねぇ樹。貴女に好きな人っている?
4、そろそろヘアゴム取って貰っていい? このまま寝たら壊れちゃうから



↓2


天乃「それでね、樹」

樹「あ、は、はい」

天乃「このヘアゴム、そろそろ取って貰っていい? このまま寝たら壊れちゃうから」

天乃はそう言うと

樹に向かってなんの躊躇もなく背中を向ける

樹「っ!」

朝も見た、透き通るような白さのあるうなじ

垂れ下がる束ねられた桃色の髪は

それ一つでも、フリンジのようなおしゃれのワンポイントと化して

天乃の魅力をより際立たせる

天乃「樹?」

樹「ぅ……」

樹の姿を確認するために

首だけを動かし、横目をむけてくる天乃の首筋はよりはっきりと鮮明に

鎖骨もまた、しっかりと視界に入った

樹「う、後ろ見ないでください。取れなくなっちゃいますから」

天乃「そうね。ごめん」


真っ赤な顔は見られてしまっただろうか

ただヘアゴムを外す

それだけなのに熱く真っ赤になった表情を、知られてしまっただろうか

樹「…………」

そんな不安をよそに、天乃は背を向けたまま沈黙する

それはつまり、

樹の顔色に気付かなかった。ということだ

樹「か、髪に触りますね」

天乃「ええ、じゃないと取れないだろうし……許可は取らなくていいわよ」

樹「はい……」

ゴクリと喉を鳴らして

樹はそっと手を伸ばし、天乃の髪に触れる

夜ゆえか、それとも自分の体が熱くなりすぎているのか

樹は天乃のさらっとした髪にひんやりとした冷たさを感じた


乱さないように

絡ませて引っ張ってしまわないように

慎重にテールを持ち上げてゴムを摘み

束ねた時とは正反対に、ひと巻きひと巻きを丁寧に外す

樹「ぁ」

ゴムの外された髪は拘束を失い

樹の手のひらから流れ落ちる水のようにこぼれ落ちて、天乃の背中にふぁさっとぶつかる

樹「…………………」

広がる誘引する匂いを肺に流し込み、

樹は首筋の見えなくなった天乃の背中を見つめる

天乃「ありがとね、樹」

樹「っ!」

天乃「樹?」

樹「い、いえっ。お礼なんて別に……」

慌てて取り繕うような仕草を見せた樹

それを不思議に思いながらも、天乃は追求することはなかった


樹「………………」

急に抱きしめたらどうしただろうか

抱きしめて、耳元で好きです。と、言ったらどうなっていただろう

樹「………………」

出来るわけない

天乃は今、相手からのスキンシップに対してかなり敏感だ

にも関わらず背中を見せてくれた信頼を裏切ることなんて

樹にはできるはずがなかったし

耳元で何を囁こうとも、天乃には何一つ、伝わることがないからだ

樹「あの」

天乃「?」

樹「漫画で見て……気になってたんですけど」

天乃「なぁに? 私でわかることなら答えてあげる」

樹「その……何がどうなったら。相手に恋をしてるって。思うんでしょうか」

天乃「えっ」

樹「相手を見てドキドキしたら恋なんですか? それとも、相手に奥手になったら恋なんですか?」


天乃「こ、恋……ね」

天乃は生まれてこの方

といっても、失った記憶でしている可能性もあるが

誰かを恋愛対象として見た覚えはない

要するに、恋愛経験なんてこれっぽっちもないのだ

天乃「うーん……」

分かることなら答えるといった

だから

わからないから答えられないといっても

樹はがっかりしたりすることはないだろうし

むしろ、天乃の恋愛経験皆無には、

どんな理由・意味でかはともかくとして、少しばかり喜ぶだろう



1、ごめんね、わからないわ
2、そうね。はっきりとは言えないけど。この人とならずっと一緒にいたいと思えたら。かしら
3、ねぇ、九尾。貴女は分かる?
4、ドキドキしたら
5、奥手になったら
6、ドキドキして、奥手になったら

↓2


天乃「そうね。はっきりとは言えないけど」

樹「はい」

天乃「この人とならずっと一緒にいたいと思えたら。かしら」

樹「っ…………」

恋愛について答える天乃は

照れくさそうに頬を朱に染めて

ちょっぴり困ったような笑みを浮かべる

実体験ではないからこそ、

それは天乃という少女の恋の想像

その子供らしく、乙女らしい夢の言葉を受け止めて

樹は微笑んで、頷く

樹「なんだか、久遠さん。すごく可愛いです」

天乃「な、何言ってるのよ」

樹「思ったことを、言っただけですっ」

天乃「ぅ…………」


この人とならずっと一緒にいたいと思えたら。恋

だというのなら

樹は風や友奈、東郷に夏凜

そしてもちろん、天乃

みんなに恋をしてることになる

だからきっと、それは恋の判断基準としては正しくない

樹「私は」

天乃「?」

樹「私は相手に好きと言えなくなったら恋だと思います」

天乃「どうして?」

樹「それは……それは。その……」

どうしてそう思ったのかを言えばいいだけ

なのに言えないのは

きっと、自分はそういうことなのだろう。と、樹は思って誤魔化しの笑みを作る

樹「恋をしたら、好き以上になるから。です」

大好きとか、愛してるとか

自分の気持ちを言葉では現しづらくなったら、きっと

樹「それが恋だと……私は今。思いました」

初恋なんて実らない

そんな噂が真実なんだと、樹は実感して俯く

……この恋は失恋する以外に道はないと。思っているからだ


では、此処までとさせて頂きます
明日は通常通り、22時ころとなる予定ですが、早ければ21時半からとなります



何を持ってしてそれを恋とするのか
人それぞれだとは思いますが……樹はそうだと。思ったようです


九尾「初恋は実らないじゃと?」

九尾「 そんなもの、自分の初恋でも、相手の初恋じゃなければ良いだけの話じゃ」


では、進めていきます


天乃「樹……?」

樹の表情はとても悲しそうで

でも、それとは正反対に笑みを浮かべていた

樹「よく、分からないですけど」

天乃「うん」

樹「そんな気がしたんです」

樹はそう言うと

もう寝る時間ですよね。と、呟く

眠くはない

でも、今すぐ眠って忘れてしまいたい

樹はそう思い、天乃を乗せた車椅子を押して、寝室へと運ぶ

天乃「………………」

樹「………………」

これは普通じゃない

普通じゃないから、絶対に実ることはない恋心

そう決めつけた樹は、思いを隠して首を振った

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(訪問、誕生会、泊まり)
・  犬吠埼樹:交流有(訪問、プレゼント、誕生会、恋とは、泊まり)
・  結城友奈:交流有(誕生会、泊まり)
・  東郷美森:交流有(誕生会、泊まり)
・  三好夏凜:交流有(訪問、女の子からの好意、いいと思う、誕生会、泊まり)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月6日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 39(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 65(かなり高い)
  結城友奈との絆 28(中々良い)
  東郷三森との絆 33(少し良い)
  三好夏凜との絆 50(高い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 29(中々良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 -1(低い)


√ 6月7日目 朝(久遠家) ※金曜日

九尾、死神、大地、晴海、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、イベントの判定

↓2


いつもなら、大切な妹のために朝食を作ったりなんだりと忙しい時間だが

天乃の家に泊りに来ている風は何もできず、ぼうっとしていると

天乃が手招きしていることに気づいて、駆け寄る

風「どうかした?」

天乃「窓際まで連れて行ってくれない? あの椅子に座りたいの」

風「良いけど……寝てなくていいわけ?」

天乃「私、二度寝はできない体質なのよ」

体が規則正しい生活に慣れている天乃には

夜ふかしができなければ、二度寝や寝坊もできないのだ

風「そういえば、天乃っていつも。早起きだったわね」

天乃「ふふっ、まぁね」

天乃を抱き抱えて椅子に座らせると

風は天乃の正面に腰掛けて、息をつく

まるで旅館みたいだ。と、風は思った



1、貴女にとって、恋ってどういうもの?
2、樹の様子が少しおかしいのよ。気にかけておいてくれる?
3、そろそろバーテックスが来ると思う。気を引き締めて頂戴
4、ねぇ、ここでみんなで暮らすっていうのは、嫌?
5、ねぇ、女の子が女の子を好きになるってどう思う?
6、家事ができなくて物足りない?
7、ねぇ、貴女に好きな人はいる?



↓2


天乃「ねぇ、風」

風「ん?」

天乃「貴女のことだから気づいてるとは思うけど、樹の様子が少しおかしいのよ。気にかけておいてくれる?」

風「というか、一ついい?」

天乃「なぁに?」

風「それって天乃が原因じゃないの?」

風は樹の姉だ

全てにおいて通ずるとまでは言えないかもしれないが

多少のことなら気づいているし

今回の樹の様子に関してもそうだ

風「樹が寝坊しないようになった段階ですでに、アタシとしては様子がおかしいの部類だったんだけど」

天乃「それは言い過ぎじゃない?」

風「天乃の為にヘアゴムまで自作するしっ!」

天乃「っ」

ビシッと天乃を指さして、風は目を細めて睨むように見つめる

風「最近の樹の行動の中心は大体天乃なのよねぇ……」

天乃「だからなに?」

風「だからなにって……だから天乃が原因なんじゃないのって話なんだけど」


天乃「それとこれとは話が別よ」

風「違うの?」

天乃「違うわよ」

天乃が気にかけて欲しいことはそんなわかりきったことでもなければ

他人が分かりやすいことでもなく

天乃「樹がね? 恋について聞いてくるのよ」

風「こ――」

天乃「騒がないで」

叫ぶと直感で判断した天乃の手のひらが風の口を塞ぎ、黙らせる

いくら広い部屋といえども、すぐそこではまだみんな寝ているのだ

大声を出したらみんなが起きる

そうなっては、こんな話などできなくなってしまう

天乃「だから、ね?」

風「う、うん……なに?」

天乃「もしかしたら、樹に好きな人ができたんじゃないかなって」

風「っ!」

天乃「だから、気にかけてあげて欲しいって、言ったの」


では、今回はここまでとなります
今週は金曜日の投下は無いほか、日曜日は早くて20時ころからとなりそうです



九尾「お前だよ」


では、進めていきます


風「樹、に……?」

呆然と呟いた風は、

まだ夢の中にいるいつもと変わりのない樹を一瞥すると

天乃へと向き直って、今にでも泣きそうな表情で両肩を掴んだ

天乃「っ」

風「相手は? 相手は誰?」

天乃「し、知らないわよ。恋ってどうなったら恋なのかって聞かれただけだし」

風「っ…………」

考えられるのは、やはりクラスメイトの誰か。だ

一番接する時間が長く多いのだから

当たり前と言えば当たり前だし、小学校からの付き合いの人も中にはいるだろうし

付き合いが短すぎるとは一概に言えないのかもしれない

けれど

まだ中学1年生だ

しかも6月

風「そ、それ以外に。それ以外になにか気付かなかったッ?」

力強く天乃の体を揺らす風は

鬼気迫る表情で、答えを求めた


天乃「そうね……」

天乃は昨日の夜

話の終わり直前のことを思い出して、頷く

天乃「恋について持論を語ったあと、なんか悲しそうだった」

風「悲しそうだった……?」

何がどうなれば恋なのか

樹はそれがわからなくて聞いたに違いない。と

思考を一歩進ませ、風は眉間をつまむ

風「……誰かへの気持ちが恋だと知ったってこと?」

天乃「可能性は無きにしも非ずね」

風「もし仮にそうだとしたら」

だとしたら

自分の気持ちが恋だと知って

悲しそうな顔になったとしたら

それはつまり、その恋が悲しい結末

言うなれば失恋のようなものになる。と確信したということかもしれない

だとすれば……

風「相手は天乃のお兄さんとか……」

天乃「それはないわよ。絶対」


風「わ、分かんないじゃないっ」

天乃「だってあのお兄ちゃんよ? 不審者なお兄ちゃんよ? 冷静に考えて。ね?」

風「で、でもさ。だからこそ。変態に恋しちゃったんだ。私……みたいなっ」

天乃「あり得るかもね」

風「否定してッ」

天乃「貴女、大声出してないでしょうね、まさか」

天乃の不快そうな顔に気づかされ、

風はそうっと部屋の中を見渡す

三人の寝息が途切れた様子はないし、そこに嘘っぽさも感じない

寝返りすらも、うってなさそうだ

風「ごめん」

天乃「まぁ、相手が誰にしても。貴女が過剰に反応しないこと。でも、ちゃんと気遣ってあげなさい」

風「それは良いけど、相談される可能性が一番高いのは天乃じゃない? 大丈夫なの? そこら辺は」



1、ええ。まぁ
2、残念ながら恋愛未経験よ
3、そこは私も困ってるのよ。色々とあって、女の子同士の恋愛はありなのか考えなくちゃいけなくて


↓2


天乃「ええ。まぁ」

風「なんか微妙な返事」

天乃「いいでしょ……別に」

恋愛経験なんてないと言えないプライドがあるわけではないが

そんなこと、言うまでもなくわかりきっているのだから言わなかった

ただ、言うだけ。アドバイスだけ。なのなら

多少はできると思ったのだ

風「そういえば、さっき間違ってキッチン行きかけた時なんだけど」

天乃「うん」

風「なんか、誰かが帰ってくる。みたいな話してたわよ」

天乃「私に関係ある話?」

風「天乃に会いに来るんだろうなーってお兄さんらしき声が聞こえて」

それでそのあとに、

お姉さんらしき声で、どうせ会わせに来るんでしょ。あと一年だからって聞こえた。と

風は隠す必要性も感じず、答える

風「だから多分、天乃関連」

天乃「私、ねぇ……」


風「まぁ、とにかく。樹の件についてはアタシも見るけど、天乃も見ておいて」

天乃「ええ、分かった」

風が言うとおり、

天乃が相談される可能性は極めて高い

その理由は定かではないが

天乃には頼りたくなる何かがあるのかもしれない

もしくは

樹が悩みを口実に、そばにいたいだけかもしれない

いずれにしても、相談に来ることに変わりはない

天乃「樹が恋。ね……貴女はしないの?」

風「あ、あたしッ?」

天乃「ええ」

風「あたしは……よくわからない」

そう言いながら、風は天乃をジッと見つめて、首を振る

そう。良く分からない

今までそんな目で見てきたはずがないのに

なぜだかこう……あれだ。と、

風は息をついて、目をそらす

風「今は勇者部とかがあるから」

天乃「そっか。少し、あなたらしいかも知れないわね」

そういって笑を浮かべる天乃を、風は見ていられなかった


√ 6月7日目 昼(久遠家) ※金曜日

九尾、死神、大地、晴海、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、イベントの判定

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


晴海「どうかしたの?」

お昼時でも

呼び鈴のようなボタンを押すと

晴海はモノの数分程度で駆けつける

兄の場合も、同様だ

違う点といえば、ドアから入ってくるか、窓、ベッドの下

変態は意味不明なところからでも入ってくることくらいだ

天乃「えっと……」

樹の相談にしっかりと乗るためにも

恋の相談をするか

それとも、風から聞いた件を聞くか

それとも、この前の伊集院沙織についてきくか……

思えば聞きたいことはいろいろある


1、ねえ。女の子同士の恋愛ってどう思う?
2、ねぇ、私に合わせに来るのって誰?
3、ねぇ、伊集院沙織って知ってる?
4、ねぇ、園子は元気?



↓2


天乃「ねぇ、私に会わせに来るのって誰?」

晴海「誰から聞いたの?」

天乃「偶然」

風の事を言うのは不味いのかもしれない

誤魔化した天乃を一瞥すると

晴海はため息をついて、悲しそうな目を向けた

晴海「お祖母様とお祖父様よ」

天乃「誰を会わせに?」

晴海「………どうせ今日来るんだし。隠しても仕方がないわね」

晴海はそう言うと

首を振って、息を吐き、心を落ち着けるためか胸元を押さえ込むと

射抜くような眼差しで、天乃を見つめる

晴海「天乃ちゃんは昨日で15歳になったわけだし、来年には結婚もできる」

天乃「え、ええ……」

晴海「天乃ちゃんは体が不自由だから学校や仕事よりも、そっちに行くべきだって話が叩きつけられてね」

天乃「つまり?」

晴海「貴女に婚約者を連れてくるつもりなの。お祖母様達が勝手に決めた相手を。ね」


では、此処までとさせて頂きます


今回の物語は恋愛がテーマになりかけている気がします
愛が地球を救うのですね


では、再開していきます


天乃「婚約者……?」

その言葉が持つ意味を

天乃は良く分かっている

結婚の約束をした相手

そのままの意味だ

だが、天乃にはそんな覚えはない

家族となる予定だった。だから、忘れてしまった

その可能性は、晴海の言葉を聞くに、殆どありえないだろう

天乃「私、結婚しないといけないの? 知らない人と?」

晴海「そうね……だからこそ。貴女が結婚できる16歳までの1年間を一緒に過ごしてもらう。予定みたいなの」

天乃「そんなの、勝手だわ」

晴海「ええ……でも。お祖母様とお祖父様の決定だもの」

逆らえない

反抗的な態度をとったら

どんな面倒事になるか分からない

だから、誰も口出しはできなかった


晴海「でも、多分。貴女に不釣り合いだとわかったらちゃんと考え直してくれると思うから」

天乃「考え直すって」

何を考え直してくれるというのか

結婚させること?

いや、違うだろう

その【不向きな人との結婚】は考え直すとしても

天乃の結婚自体は確実に行おうとするはずだ

誕生日から多少のズレは出てくる可能性もあるが

それでも、いずれ……

天乃「私……」

晴海「夕方に連れてくるみたいだから」

天乃「……ねぇ、私がもしも好きな人がいるって言ったりしたら」

晴海「変わらないと思うわ。向こうは向こうのお眼鏡にかなった人を連れてくるんだから」

天乃「……そっか」


晴海「そもそも、貴女。いるの?」

天乃「いない」

晴海の言葉は好きな人が。という意味もあるが

今もまだ付き合いのある仲のいい異性という意味もあった

それがわかっていながら、天乃は即答する

今もなお付き合いがあるのなんて

実兄くらいだからだ

天乃「でもね」

晴海「うん」

天乃「なんか……胸が痛い」

嫌だなと思うのは当たり前だ

知らない人、無理矢理な婚約、勝手に決められたことなのだから

でも

この胸の……この心の痛みはきっと

天乃「私、婚約なんて……したくないな……」

晴海「私もさせたくない……させたくないよ……ごめんね。何もできないお姉ちゃんで。ごめんね……っ」

愚痴のようにつぶやく天乃の頭を

兄がするのと同じように撫でて、抱きしめた


√ 6月7日目 夕(久遠家) ※金曜日

01~10 
11~20 風
21~30 
31~40 樹
41~50 
51~60 友奈
61~70 
71~80 東郷
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ  


居合わせ判定


晴海の言っていた通り

夕方になると、天乃達の祖父と祖母が天乃の元に訪れた

「私たちのことも、貴女は覚えてはいないのでしょうね」

天乃「……ええ」

「機能的にはともかく、貴女が元気そうで何よりです」

天乃「勇者だから」

どこか他人行儀な祖母の言葉に

天乃も少しばかり冷ややかな言葉を返す

椅子に座ることなく、床に正座

旧式的なその所作には、いささか身を引くものがあった

「私たちがここに訪れた理由。貴女はもう聞いていますね?」

天乃「聞いてないと言ったら、見逃してくれますか?」

「そのようなことはできん。お前にはなさねばならぬことがあるのだ」

天乃「………………」

気を静めるかのように瞳を閉じた祖父の言葉

音として伝わらないはずなのに、何かを震わせる力強さを感じて

天乃はごくっと息を呑む


「今日はお前の結婚相手となる予定の者を何人か連れてきた」

天乃「何人か?」

「ええ、私たちが選別しましたが、やはり。貴女の意見も尊重するべきだと思ったのですよ」

天乃「……選ばない。そんな選択肢はありますか?」

「ないわ」

天乃「そうですよね」

間を置くこともない祖母の返事に

天乃は表情を一切変えずに答える

わかりきっていたことだ

これはむしろ

選択肢があることを喜ぶべきだろう

本来ならそう

選択権もなにもなく、決められるはずだったのだから

「一人ずつ入ってきてもらおうか」


初めに紹介されたのは

久遠家よりはやや格が落ちるが

それでもやはり結構な位置にいる家の長男

元気がよく、友奈のような活発な性格で周りを引っ張っていく

いわば、熱血漢のような人

学力は並だが、血筋的には高位。と、言ったところだろうか

次に紹介されたのは

最初のよりさらに格は落ちるが

学力的には上位に位置するような人

最初の人とは正反対に、奥手で

最初がいきなり「天乃さん」呼びだったのに対し、

久遠さんどころか、「あの」、「その」、「すみません」

呼ぶことすらないような人だ


次に来たのは

どちらかといえば硬派な人だ

元気が有り余っているというような感じはなく

とても大人びているように見えはするけども、まだ若い人

名前は

春信「三好春信だ。妹が世話になっている」

天乃「……夏凜の」

春信「そうだ。本来、私のようなものがくるべきではないと思ったのだが」

春信は困ったように言って、首を振る

春信の家、三好家は代謝に対して深い家系では全くない

むしろ、ノンキャリの一般社員程度だ

それでも春信が選ばれたのは、その底上げなしでも這い上がっていくその優秀さ故だ

天乃「私のこと、夏凜からは?」

春信「恥ずかしながら、不仲でな……報告程度にしか聞けていない」

天乃「……そう」


「以上、この3名から選んで貰おう」

そういった祖父は

どこか苛立たしげに眉をひそめ

ちらっと祖母に目配せをする

「……少々失礼。天乃。お前は気にせず決めてしまいなさい」

祖父が部屋から出て言った瞬間

男性二人が目を見開いて体を震わせ、

春信に至ってはやれやれ。といった様子で頭を抱え、ため息をつく

天乃「……どうかしたの?」

「貴女が気にすることではありませんよ。少し騒がしい虫を処分に向かっただけです」

天乃「何があるのかすごい気になるんだけど……」

家の中でどんな騒ぎが起きているのか音では判断できないが

棚の上の置物が揺れているのを確認した天乃は目を瞑る

また、なにか余計なことでもしてるのかな。お兄ちゃんは


1、熱血男児
2、根暗男児
3、春信
4、お兄ちゃん


↓2


天乃「そうね……せっかく来てもらった2人には悪いけれど」

言いながら男性3人を見渡して

春信を指差す

天乃「貴方に決めたわ。貴方となら、きっと。お話も楽しいと思うから」

春信「……それは、光栄な話だ」

春信は言葉とは裏腹に

どこか申し訳ないといった感情を携えた瞳で天乃を見つめ返す

天乃「いいですか? それで」

「貴女が決めた相手なら、それ以上は言いません」

天乃「私だけが決めたわけでもないけど」

「しかし、貴女にどこの者かも分からない夫を与えたくはありません」

天乃「…………」

祖母の表情は変わらない

優しそうなのに、厳しそうな瞳

「では、相手が決まったのなら行きますよ」

天乃「えっ?」

「貴女たちには共同生活を送っていただきます。もちろん、貴女の状況を考え、使用人もいますが。同棲していただきます」


では、此処までとさせて頂きます
予定通り明日はありません


天乃「お兄ちゃんがいい」

「貴女もそうなのですね……私と私の娘と同じように……」

天乃「えっ」

※フィクションです


では、再開していこうかと思います


天乃「きょ、共同生活っ!?」

春信「差し出がましいようですが、それはいくらなんでも急すぎるかと」

天乃「そうよ。暮らす場所だって」

「それらはすべて手配済みですよ」

祖母は天乃達の動揺とは裏腹に、変わらない冷静な一言を落とす

祖母や祖父にとって

当人たちに急な出来事。というのは、関係ないらしい

「春信。貴方には聞こえているかと思いますが、あのような輩もいるのです」

春信「しかし……っ」

「この子を貴方の婚約者として、安全な場所に連れて行きなさい」

春信「……………」

春信は答えを躊躇い、天乃を一瞥する

数歳年下の不自由な体の少女

自宅が安全な場所ではないという時点でおかしいのだが

確かに、置いておくのは危険だ

とはいえ、初顔合わせの少女を婚約者として迎え入れるのにはやはり抵抗があって

でも、断ることができる相手ではなかった


「貴方だって、このまま孤独に死にゆくのは望まないでしょう?」

春信「……今はまだ、いないだけですが」

これはただの嫌味

いや、違う

大赦の上層部なりの、抑圧

悪い言い方をすれば、脅迫だ

春信「かしこまりました。お連れします」

天乃「……貴方」

春信「すまない。私には選ぶことなど出来はしないのだ」

春信が悪いわけではない

それでも、拒絶できないことの謝罪をすると、

春信は天乃を連れ、祖父母の用意した家へと向かう

家を出る途中

大地と目を合わせた春信は

春信「すまないが、お前の大切なものは預からせて貰う。私にはこれくらいしかできないからな」

そう、言った


√ 6月7日目 夜(新居) ※金曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、風
4、樹
5、友奈
6、東郷
7、夏凜
8、春信
9、イベントの判定

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


01~10 風
11~20 樹
21~30 東郷
31~40 友奈
41~50 兄
51~60 姉
61~70 夏凜
71~80 春信
81~90 樹
91~95 九尾
96~00 春信

↓1のコンマ  


ある程度予想はついていた

勝手な婚約

勝手な転居

何もかもが強引で

何もかもが、無駄に先を行っている

だから、春信は予想していたし

天乃もまた、なんとなく察していた

天乃「ダブルベッドしかない」

春信「シングルベッドではないだけマシだ。と、言うべきか」

天乃「いや……うーん……」

春信「困ったものだな。布団に至ってはかなり大きいのが厚薄ともに1枚ずつだ」

天乃「まったく……って、あら。メール来てる」

気づかないうちに来ていたメールに

受信を知らせる点滅で気づき、端末を操作して

天乃はメールを開いた


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あ中々楽しかったわ。昨日

それでなんだけど

友奈と東郷が借りた分はともかく

私達が借りたあんたの下着とかは明日にでも持って行く予定だけど

他人が履いたのが嫌。とかあれば

風に言って新調して貰うんだけど

あんた、そういうの平気?

まぁ、あんた自ら貸してくれたんだし

平気だとは思うけど、一応ね

連絡は出切れば今日の夜までによろしく

連絡なかったら、天乃の下着って伝票記載して配送するわ


……冗談だけど

早めに頼むわ。ほんとに

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「そっか……知らないんだ」

大赦が親切にも教えてくれる

なんていうことはないらしい

それにしても

やったら殴り飛ばすしかなくなるわね。と

最後の一文を見つめてため息をついた天乃は

返信を選択して、新規メールを開いた




1、あら。貴女達の使った下着でもいいのよ?
2、別にいわよそんなこと。洗って返してくれれば。それで
3、悪いのだけど、住所変わったの。【 新しい住所 】まで持ってきてくれるかしら
4、私、春信さんと婚約したわ


↓2


では、3と決まったところで此処までとさせて頂きます

明日は早くて20時頃となる予定ですが
1時間ほど前後するかと思います

やらないということはない予定ですが、諸事情でできない場合は
出来ないと1レスするかと思います

下記の入力ミス(?)と句点と下着の色が気になるけど、今回のメールは暗号なし?

「昨日は中々楽しかった。」ではなく「あ中々楽しかったわ。昨日」
「嫌であれば」ではなく「嫌。とかあれば」
「出来れば」ではなく「出切れば」

>>176
誤字に関しては>>1が良くやらかすやつだから気にしなくて良いんじゃないか?

『あ』に関しても前にも『そ』があったし
『あんたと久し振りに一緒で楽しかったわ』→『あ中々楽しかったわ』
という照れ隠しだな!(願望)


なんだかんだいつも通りの時間ですね、すみません
少しになりますがやっていこうかと思います


天乃「うーん」

今までの家に行っても、天乃はもういない

だから、天乃は春信を一瞥して

端末を見せる

天乃「この家、教えても平気?」

春信「いずれ嫌でも知られることだろう? ならば、君が伝えた方が、君達のタメになるだろう」

天乃「……そうね、ありがとう」

仲が悪いと聞いていたから

嫌がったりするかもしれないと思った天乃を良い意味で裏切って

春信は拒否することなく承諾する

春信にとって、優先すべきは天乃なのだ

婚約者だから

未来の妻だから

女の子だから。ではなく、

友人の大切な妹だからでもなく

それはただ、三好春信の性格だった


天乃は夏凜に新しい住所を伝える

もちろん、春信との婚約の件に関しては

易易と

そう、メールなんて簡易なもので伝えるわけにも行くまいと

伏せて、伝えると

夏凜からのメールには、やはり疑問符が付いていた

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

はぁ? 引越し?

なんで急にそんなことになんのよ

あの自称兄貴の変態に軟化されかけたわけ?

そうならそうで、言いたくはないだろうから深く聞かないけど

大赦がまた変なことやり始めたって言うなら

文句の一つでも言いなさいよ

ふざけんなって

あんた強いし、かなりの戦力になるし

だから、多少のわがまま言うくらい問題ないはずなんだから

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

>>185訂正



天乃は夏凜に新しい住所を伝える

もちろん、春信との婚約の件に関しては

易易と

そう、メールなんて簡易なもので伝えるわけにも行くまいと

伏せて、伝えると

夏凜からのメールには、やはり疑問符が付いていた

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

はぁ? 引越し?

なんで急にそんなことになんのよ

あの自称兄貴の変態になんかされかけたわけ?

そうならそうで、言いたくはないだろうから深く聞かないけど

大赦がまた変なことやり始めたって言うなら

文句の一つでも言いなさいよ

ふざけんなって

あんた強いし、かなりの戦力になるし

だから、多少のわがまま言うくらい問題ないはずなんだから

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ある意味夏凜らしいメール文

確かにされかけたけど。と

天乃は苦笑しながら首を振る

まだ何もされていない

なにかしそうになりはしたらしいけれど

天乃のことを襲ったのは、夏凜だけだ

夏凜は平然としてはいるが……忘れたわけではないだろう

春信「問題はないか?」

天乃「ええ。ただ、お兄ちゃんがなにかしたみたいな扱いになってるけどね」

春信「そうか……致し方ない。君を連れ出す時もずっと俺の婚約者だぞ。と、叫び続けていたからな」

天乃「…………………」

春信「じっと見ても、冗談だとは言えないことだ。諦めてくれ」

春信は困ったようにそう言って天乃から目をそらす

女性の職員がまったくいないわけではない

けれど、異性との触れ合いに関しては

さほど経験を積んでこなかった春信にとっては

天乃は目の毒でしかなかった


春信「さて、寝る場所についてだが、提案がある」

天乃「うん」

春信「私はリビングのソファでこの時期は……そうだな。厚い方の布団で寝よう」

天乃「っでも」

春信「君とて、知り合って間もない異性と同じベッドは抵抗があるだろう?」

春信は言うだけ言って厚い布団を手に取る

この時期はまだ少し肌寒さはあるが

やはり6月というだけあって、厚い布団では言葉通り暑い

それに加えて、ソファという寝るには不適切な寝台

4人などの大家族用ならともかく

これまた律儀に2人しか座れないソファなのだ

考えるまでもなく、体に悪いのは明らかだった

天乃「………………」


1、貴方は仕事があるでしょう? 私がソファで寝るわ
2、いいわよ別に……婚約者なら。ベッドで寝て。貴方には仕事があるんだから
3、……そう。ごめんなさい。ありがとう


↓2


天乃「貴方は仕事があるでしょう? 私がソファで寝るわ」

春信「しかし……」

天乃「いいから。どうせ、朝食もお弁当も。掃除も洗濯も何もできないんだから」

わかるでしょ?

そういうような笑みを浮かべる天乃に対して

春信は天乃の体を見ることはせずに、首を振る

春信「断らせて貰おう」

天乃「なっ」

春信「君はここから動けない。つまり、私がソファに運ばなければいけない」

天乃「貴方っ」

春信「悪いが、私は君をソファに連れて行く気はない。絶対にだ」

春信は初めにしようとしていたように、

厚い布団を抱えると、部屋の扉を開ける

春信「君が私にふざけるなと。嫌悪感を抱くのは承知の上だ」

天乃「………………」

春信「君は体を大事にするべきだ。たとえ、出来ることがないのだとしても。これ以上、辛いことはしなくて良い」

春信はそう言い残して、部屋を出ていった


安価↓1

コンマ一桁  ゾロ目なら倍

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(樹の恋)
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(引越し)
・  三好春信:交流有(選択、同棲、ベッドを使って)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月7日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 41(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 65(かなり高い)
  結城友奈との絆 28(中々良い)
  東郷三森との絆 33(少し良い)
  三好夏凜との絆 51(高い)
  三好春信との恋 15(普通)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 29(中々良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 -1(低い)


では、此処までとさせて頂きます
明日は早めで、17時頃からを予定しています


来週の日曜日は、お昼頃から出来る予定です


では、初めて行きたいかと思います


√ 6月8日目 朝(新居) ※土曜日

九尾、死神、大地、晴海、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、イベントの判定

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹は来客
※友奈、東郷に関しては判定でもメールのみ


01~10 風
11~20 夏凜
21~30 東郷
31~40 友奈
41~50 樹海化
51~60 春信
61~70 夏凜
71~80 春信
81~90 樹
91~95 九尾
96~00 樹海化

↓1のコンマ  


天乃「あら、ノックせずに入るなんて配慮が足らないんじゃない?」

春信「作法としてしたのだが……流石に、起きるのは早いようだね」

天乃「ええ。それより貴方、夏凜とは違ってあまり冗談は通じなさそうね」

昨日の時点で

天乃による人間観察は大体終わっている

耳が聞こえない分、天乃は声質から感情を導き出せない

だから

一挙一動、些細な表情の変化、言葉選び等々から

相手を分析することに関して

プロフェッショナルとまではいかないが、そこそこできる自信があった

樹が恋をしてると判断したのもそれがあるからだ

天乃「どうしたの? 仕事に行くにはまだ早すぎると思うのだけど」

春信「いや……一応、どうするべきかを調べてね。朝はまず、君の顔を見るべきだと判断した」

天乃「……なにそれ」

春信「一説では、相手の幸せそうな寝顔を見ると、一日頑張る気になれるそうなのだ」

天乃「あら、それならあと1時間は早起きが必要になるわよ?」


春信「一時間となると……やや、難しいな」

天乃「でしょうね」

一時間も早起きするとなれば

朝の5時どころか、

ぎりぎり朝の4時に割り込むまであり得るレベルだ

普段しているならともかく

改めてやるとなれば

しばらくは体を壊しかねない

天乃「これからもソファで寝るつもりなら。絶対、そんな無茶しないで」

春信「そうだな。これに関しては諦めるしかないだろう」

天乃「……あの」

春信「そういえば、良く眠れたか?」

天乃「えっ?」

春信「人によっては布団・枕などが変わると眠れなくなるらしいのだ」

天乃「それに関しては問題なかったけど……」


けど

心配だった

自分が強引に押し通したことだ

心配する義理も、不安に思う必要もない

でも、心配して、不安になるのが天乃だ

だから、春信がしっかり休めているのか

変な場所で寝て体を痛めてしまっていないのかと、

天乃は不安があり、心配していた

春信「伝え忘れていたが、本来。私は土曜日であろうと仕事がある」

天乃「大赦だものね」

春信「だが、今日は仕事がない。いや、正しく言えば、土曜日は仕事に来るなと。上からの命令が来た」

天乃「……私関係?」

天乃の問いに、春信は頷く

平日はともかく、土曜日や日曜日は一緒にいろ

一緒にいて親睦を深めろ。ということだろう

天乃「そっか」



1、ところで、貴方。体は平気?
2、ねぇ、それならお出かけしない?
3、貴方、お兄ちゃんとは仲良かったりするの?
4、ねぇ、貴方は私を襲いたいと思う?
5、貴方は私のことどう思う?


↓2


天乃「貴方、お兄ちゃんとは仲良かったりするの?」

春信「……そうだな。とても仲の悪い。親友だ」

春信はそう言うと

天乃を見つめ、首を振る

春信「きっと、君を奪ったことで親友ですらなくなるだろうな」

天乃「……そんなことはないと思うけど」

春信「いや。とても仲の悪い敵になった。もうすでに」

困ったように笑い、天乃の兄

大地の反応を思い出して、天乃を見つめる

春信「彼には悩まされ続けたよ」

天乃「お兄ちゃんがなにかしたの?」

春信「妹愛好会とかいう、趣味の悪い愛好会に名前を強制的に使われた」

天乃「………………」

春信「私は別に、夏凜に対しそんな気は全くなかったのにな」


本当に困ったやつだよ

そういう春信の表情は決して嫌っているものではなかった

悩まされた

余計なことをされた

それでもきっと、春信にとっては悪くない思い出だったのだろう

と、天乃は思い、笑みを浮かべる

天乃「お兄ちゃんが悪かったわね」

春信「気にすることはない。こちらも、夏凜を向かわせていたのだからな」

天乃「そう……」

春信の態度には

兄や夏凜たちのような襲ってきそうな危うさが全く見られない

興味がないのか

それとも

好きではないのか

天乃「………………」

しばらく不安な夜にはならないのだと、天乃は少しだけ。安堵した


√ 6月8日目 昼(新居) ※土曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、晴海
4、大地
5、風
6、樹
7、友奈
8、東郷
9、夏凜
0、イベントの判定

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹は来客
※友奈、東郷に関しては判定でもメールのみ


天乃「九尾、ちょっといいかしら?」

九尾「妾の力を使い、あの男に甲斐甲斐しく世話をしたいのか? ほうほう……よかろう」

天乃「まだ何も言ってないんだけど」

九尾「言わずとも良い。人間には一目ぼれというものが、あるからのぅ」

天乃「聞きなさいよ……」

一人燥ぐ九尾を一瞥し、天乃は深くため息をつく

勝手にされた婚約者とは言え

相手のためになにもできないというのは、やはり歯がゆい

昨夜、どこで寝るかの話をした時もそうだ

動くことのできない体では、簡単に押し切られてしまう

九尾「それで? なにようじゃ」

天乃「えっと……」



1、貴方の言うとおりよ。力を借りたいの
2、バーテックスの進行について
3、ねぇ、貴女にとって恋ってどんな感じ?
4、春信さん……どう思う?
5、婚約とか、なんでこんな無理矢理なのかしら


↓2


天乃「春信さん……どう思う?」

九尾「主様と添い寝出来ないほどの小心者ではあるが、悪い輩ではなかろう」

天乃「添い寝って」

九尾「妾は別に、止める気はありはせん」

自他共に認める変態ならともかく

至極まっとうな人間で

やや奥手ではありながらも

しっかりと気遣いのできる人間までも天乃から遠ざけるほど

今の九尾に独占欲はない

九尾「あの人間は出来る男だ。戦闘面ではなく、妾が見る人間として、良き者と思っている」

天乃「………………」

九尾「主様の兄ときゃつを足して2で割れば、最も良き男になると思うのだがな」

積極性の変態と

奥手すぎるまともな春信

その人格が互いに半々になれば、相殺されて普通になるかもしれない

九尾「その意味でも、きゃつはきっと。仲の悪い親友と、言ったのだろうな」


九尾「簡潔に言えばな。主様よ」

天乃「うん」

九尾「主様がきゃつと恋をしようが、まぐわおうが、それが選択ならば妾は何も言わぬということだ」

天乃「…………」

九尾は黙り込む天乃を見つめ

手持ち無沙汰に息を吐いて、顔を伏せる

天乃はまだ、恋を知らない

好きという感情がどこを境に分かれているのかも分からない

なにも、知らないのだ

九尾「悩むのなら、春信とやらに主様の気持ちや疑問をぶつけてみれば良い」

天乃「でも」

九尾「婚約者ならば我侭を言える程度には、隔たりのない関係になっておけ」

天乃「………………」

九尾「どこから仕入れたかもわからぬ情報を使って接してくる男だ」

例外はあるだろうが、きっと

天乃からの我が儘を無下にしたりはしないだろう


天乃「……我儘。なのかしらね」

九尾「主様は、きゃつが誤った場所で眠り、疲弊しても良いのか?」

天乃「…………………」

九尾「主様が代わりになれないのならば、認めるほかあるまいよ。傍らでの眠りをな」

春信はどうしてもと言われたらきっと

断ることはできないだろう

何かあってはいけない

両者ともにそんな言い訳は使えない

春信が天乃を襲ってしまっても

婚約が解消になることなどありえない

九尾「もうここまで来たのだ。諦めてきゃつと恋人のように接してみよ。何か、きっと。得られるものもあろうぞ」

天乃「……うん」

静かに頷いた天乃を見つめる九尾は

目を閉じて、頭の中を整理する

それで恋というのがどういうことか分かれば

それで、誰かに恋をしてしまえば。きっと

この悪い呪いは……変わってくれるはずなのだから


九尾「それはそうと、主様」

天乃「?」

九尾「主様でももう感じるだろうが、次の戦い。総力戦になる。心せよ」

天乃「……いつ?」

九尾「早ければ今夜。遅くとも、明日の夜」

九尾の瞳にはそれを嘘や冗談だと思わせるような

揺らぎや隙は一切なく

張り詰めたその空気はひしひしと、実感させる

天乃「分かった」

九尾「必要ならば、勇者部にも伝えよ。次は、死も有り得る。と」

普段茶化してばかりだからこそ

九尾の真面目な雰囲気には何も言えない

天乃は頷き、窓の外を眺める

気づけばもうすぐ……夕方だった


√ 6月8日目 夕(新居) ※土曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹は来客
※友奈、東郷に関しては判定でもメールのみ


01~10 風
11~20 樹
21~30 東郷
31~40 友奈
41~50 夏凜
51~60 風・夏凜・樹
61~70 夏凜
71~80 春信
81~90 樹
91~95 沙織
96~00 春信

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日、部活の時に夏凜ちゃんから聞いたんですが

引越し、したんですね

明日の朝に東郷さんが借りた分も合わせて持っていこうと思ってたので

危うくいないところに持って行っちゃうところでした。えへへ

ということで、明日はみんなで久遠さんの新しい家に行こうかと思います


それでなんですけど

どうして急にお引越しになっちゃったんですか?

風先輩はあのお兄さんのせいなんじゃないかって言ってましたし

夏凜ちゃんはあんまり詮索しないほうがいいとは言ってましたけど

でも、何かあったなら、力になりたくて……

絶対にとは言わないです。よければで、良いです

だから、教えてもらえませんか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


天乃「夏凜……いや、責められないか」

話すなとは言わなかったし

引越ししたのを伝えないのは

あんまり褒められたことじゃない

とはいえ、どうしたものか……


春信と一緒に暮らしていることに関しては

この家に来る時点で隠せないだろう

来ている時だけ晴信を家から出て行かせたり

そういった方法はいくつかあるが、限度がある

問題は一緒に暮らしている理由

そして

なぜ引っ越したか。だ

ダブルベッド一つ、男女の暮らし

それで想像できてしまう可能性もあるのだが……

天乃「うー……」

なんで引っ越したのか

どうして、春信と同棲なのか……



1、言わない
2、実は、婚約したの
3、大赦がより対応しやすくするためみたい
4、友奈との……別荘暮らししてみたくて


↓2


天乃「致し方ない」

会ってから話すにしても

言いたいことがありすぎて

何かわけのわからないことになる可能性もある

それなら、今のうちに婚約したことを伝え

会った時にスムーズな話し合いができるようにしておこう

天乃はそう考えて、メールを打つ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

実はね、婚約したのよ。私

それで少しでも早く

少しでも強く、広く、仲良く

そしてなにより

相手のことをよく知るために

相手と一緒に暮らすことになったの

だから、引越ししたのよ

急で悪いけど……でも

私も急だったから驚いてる


とにかく、そういうことよ

別に、お兄ちゃんが悪いわけじゃないわ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


少し長くなったかな

そう思いながら、天乃はメールを送る

天乃「まだ中学生で婚約」

すごく小さい子供がおねえちゃんやお兄ちゃん

お母さんやお父さんに対し

パパと結婚するだの、ママとするだの

婚約もどきをしているのを見たことは何度かあるが

実際に婚約するなんて、天乃は想像もしていなかった

それも、自分がすることなんて、思いもよらなかったに違いない

天乃「……ふふっ、まぁ。この体で。誰かの為になれるのなら。それもありなのかも」

こんな不自由な体

だれも恋人として引き取りたくはないはずだ

どこに行くにも車椅子を引き、手を貸さなければいけない

そんなの、本当に好きな相手、大切な相手にしかできないはずだからだ

そう思うと、少し不安になる

天乃「春信さんも……ただ強制されたから付き合ってくれてるだけだったり……」

まだ知らない

だからこそ抱く不安を、端末のバイブが揺らした


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

婚約……ですか?

失礼だとは思うんですが

その、冗談だろうなーって、思う私がいます

でも、もしかしたら本当なのかも知れない

全部、明日会いに行けばわかりますよね


でも……婚約

結婚することができるのは早くても1年後なんですよね

なら、今は恋人?

と、とにかく、明日会いに行きます。みんなで

絶対に絶対です。会いに行きますからね

なんだかすごく、ドキドキします

相手がどんな人だか気になってるのそ













━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「何この無駄な改行」

それ以前に冗談だと思ってるって何よ

まぁ、いいけど

ため息をついた天乃は

待ってるから。とだけメールして端末を手放す

明日会いに来る

そして、婚約が真実だと明かされる

天乃「……知られちゃうんだ。樹にも」

………………

…………………!

天乃「なんで残念そうなの? 私」

はっとしたように首を振った天乃は

することもなく、布団の中に潜り込んだ


では今回はここまでになります
明日は通常通り、早くて21:30となります



友奈「久遠さんが婚約……なんでこんな。変な気持なんだろう?」


では、少しずつ初めて行こうかと思います


√ 6月8日目 夜(新居) ※土曜日


01~10 
11~20 樹海化

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 樹海化

91~00 

↓1のコンマ  


√ 6月8日目 夜(新居) ※土曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


樹へのメール内容


1、私、婚約したわ
2、もうすぐ、戦闘があるわ。遅くても、明日の夜までに
3、空メール
4、ねぇ、樹は好きな人いる?
5、聞いたわよ。明日、会いに来てくれるんだって?


↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

嫌な話ではあるけれど

一応、大切なことだから伝えておくわね

もうすぐ、戦闘があるわ。遅くても明日の夜までに

九尾からの情報だけど、ほぼ確実だと思うわ

冗談だとは思わずに、心構えをしておいて頂戴

今回の戦いは厳しいらしいから




死んじゃいやよ

無理しちゃいやよ

私は……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……………」

メールを打ち込む手が止まる

送信を選択するためではなく

内容を読み返して、どんなメールを送るべきか、迷っているからだ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


嫌な話ではあるけれど

一応、大切なことだから伝えておくわね

もうすぐ、戦闘があるわ。遅くても明日の夜までに

九尾からの情報だけど、ほぼ確実だと思うわ

冗談だとは思わずに、心構えをしておいて頂戴

今回の戦いは厳しいらしいから




負けないのは当たり前

できるだけ被害が無いように、頑張りましょう

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……大丈夫。樹は。みんなは。私が守るから」

数行分の文章を消して、打ち直す

言う必要のないことは言わない

決して、何故か恥ずかしかったとかではない

そう言い聞かせるように、頷いて、送信する

天乃「……明日、戦いか」

不安もある。心配もある

でも、それこそが戦いなのだ


樹からの返信は意外にも早かった

意外。というのは

戦闘が近々あると言われ、多少なりともうろたえ、

反応が遅れてしまうだろうと踏んでいたからだ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

覚悟は出来てます

このまま何もない日が続けばいいと思ってました

でも、そんなことはないんだって

海岸から見える壁が、いつも。教えてくれました


でも、久遠さんを失う覚悟は出来ません

そんなことは、絶対に無理です

……もちろん、お姉ちゃん達のことも

だから、私は守ります

私は戦います

それで、いつか普通の日常を取り戻したいと思ってます

その日まで

ううん、その日からも、ずっと


よろしくお願いします。久遠さん

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


メールだから、無駄に時間がかかっただけで

目の前にいれば間を開けることなく答えていたかもしれない

そう思わせるほど、

樹のメールには迷いが感じられなかった

天乃「……私だって」

私だって、樹やみんなを失いたくない

あんな思いは二度としたくない

そんな覚悟、できるわけがない

天乃「………………」

天乃は端末を握り締めて、返信を選択する

けれど

天乃は躊躇う

少女は迷う

送るべきか否か、迷って俯く



1、送らない
2、無理はしないで
3、私だって、貴女のことを失う覚悟なんてできないんだからね
4、私の傍にいてね。いなくなったりしたら、嫌なんだから
5、言うようになったじゃない。嬉しいわ


↓2


では、今日はここまでとさせていただきます
明日も似たような時間となる予定です


天乃「私の傍にいてね。いなくなったりしたら、嫌なんだから」

天乃「絶対よ。絶対なんだからね」


では、少しになりますが、やっていこうかと思います


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

頑張るのはいいわ

張り切るのだっていい

気落ちして、ふさぎこんでいるよりもずっといい

でも

でもね、樹

これだけは、守ってほしいの

無茶するなとは言わない

頑張るなとは言わない

だから

だからね? 樹

私の傍にいてね。いなくなったりしたら、嫌なんだから

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「………っ」

気づけば、そのメールは新規作成メールではなく

送信済みの箱の中に入っていた

もう取り消せない

間違えたと訂正はできない

天乃「樹……」

大切なんだ

大事なんだ

樹が、みんなが……家族のように。大切なんだ

そう思い込むように、天乃は端末を握り締める


01~10 
11~20 
21~30 久遠さんがそばにいてくれるなら 
31~40 
41~50 
51~60 はい。約束です

61~70 
71~80 
81~90 ご乱心樹

91~00 

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

大丈夫です

私はいなくなったりしません

久遠さんに格好つけたくて

無理するかもしれません、無茶するかもしれません

張り切りすぎるかもしれません

でも、それは約束します

絶対に、絶対です


だって、私はもっと久遠さんと一緒にいたいです

色んなものを見て

色んなことをして

色んな所に行って

もっともっと……だから

約束です

久遠さんも、破らないでください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

樹からのメールは天乃のメール後すぐに返ってきた

夜だから。もう寝る時間だから

互いにそんなメールを送ってしまったのかもしれない

でも、天乃も樹も訂正のメールは送らなかった

送ってしまった。と、少し後悔しながらも

否定だけは……しなかった

天乃「樹のくせに……生意気ね」

天乃は笑みを浮かべて、呟いた

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流有(戦闘、私のそばにいて、約束)
・  結城友奈:交流有(婚約)
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流有(お兄ちゃんとの仲)
・     九尾:交流有(春信について)

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月8日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 41(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 70(かなり高い)
  結城友奈との絆 30(中々良い)
  東郷三森との絆 33(少し良い)
  三好夏凜との絆 51(高い)
  三好春信との恋 17(中々良い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 30(少し良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 -1(低い)


√ 6月9日目 朝(新居) ※日曜日


01~10 
11~20 樹海化

21~30 
31~40 
41~50 春信

51~60 
61~70 
71~80 樹海化

81~90 
91~00 

↓1のコンマ  


では、此処までとさせて頂きます

勇者部が来ていますので、行動安価後回しで問い詰められます


樹「婚約……? あ、私としたやつですよね? ね? 違うとか……言いませんよね?」


では、再開していこうかと思います


風「こ、婚約ぅぅぅぅーっ!?」

天乃と春信の暮らす家に、そんな絶叫が複数響き渡る

当たり前だ。天乃がまだ15歳でしかないというのもあるが

ついこの前まで、婚約のこの字ですら無関係そうなほど

子供じみていた家族のような友人が気づけば婚約しているのだから

友奈「………………」

聞かされていた友奈が叫ぶことはなかったのは、当然かも知れない

事前に聞かされ、ある程度覚悟できたからだ

しかし

樹「…………………」

樹の沈黙は、重苦しかった

天乃が実は婚約しているの。と、言った時

樹は目を見開いて、首を振って、俯いて、黙り込んだまま

夏凜「……どういうことよ」

春信「そのままだ。私と彼女は婚約した。是非にと、勧められて」

天乃「私が春信さんを選んだのよ」

夏凜「ッ」


夏凜「春信さんって……」

夏凜は苛立たしげに呟き、拳を握り締める

自分が認めるどうこうの話ではないし

勧められて。という時点で

いや、この年齢での婚約の時点で、親による婚約だと

夏凜だけでなく、その場の全員がわかった

けれど

樹「どうして」

春信「?」

樹「どうして……婚約なんてしないといけないんですか?」

天乃「どうしたの?」

樹「っ……意味、分からないです」

天乃の言葉に顔を上げた樹は

今にでも泣きそうな顔で、叫びそうな顔で

どうして婚約しなければいけないか……


1、春信に任せる
2、九尾に任せる
3、さぁ……それはわからないわ
4、私が良家の娘だからよ
5、こんな体だからね。貰ってくれる人なんて、基本いないから


↓2


天乃「意味わからないか……そうねぇ」

天乃は少し悲しそうにつぶやく

なんでそんなことを言わないといけないのか

なんで、追い打ちをかけるようなことを言わなければいけないのか

罪悪感からだろうか

それとも、別の何かがあるからだろうか

天乃は胸の奥に痛みを感じながら、笑みを浮かべる

天乃「こんな体だからね。貰ってくれる人なんて、基本いないから」

樹「そんなことっ!」

天乃「あるわよ。ほら、貴女なら分かるでしょ? 私がどれだけ、何もできないのかを」

樹「それでも……それでも私は」

樹は言いかけて、口を閉じる

歩けない、耳が聞こえない、手が片腕しか動かない上に味覚がないから料理だって上手く出来ないだろう

出来ることなんてほとんどない。いや、ないといっても過言じゃないのだ


天乃「だから……私には婚約が必要だった」

本意じゃないにせよ

結婚などをするにはそれ以外にないというのは、嘘でもない

東郷「では、婚約は久遠さんのご意志でされた。と?」

天乃「春信さんを選んだという点では、そうね」

友奈「久遠さんはそれでいいんですか?」

天乃「言葉の意味がわからないわね」

極めて冷静にそう言いながら、天乃が春信へと目を向けると

春信は表情を変えないまま、頷く

言いたいことがあるなら言っていい

春信の表情はそう言っているようで……

天乃は困った顔で樹を見つめた

でも、樹は天乃を見ず、俯いたままだった


言いたいこと

言いたいことは……

天乃「……………」

天乃は目を瞑って首を振る

言いたいことはあるかもしれない

でも、それは多分、言わないほうがいいこと

これからの生活で、

きっと。一番言ってはいけないこと

風「天乃……もしかしてだけど」

東郷「風先輩」

風「でも」

夏凜「……天乃」

勇者部それぞれの言葉が入り乱れる中、天乃は……


1、あまり、乗り気じゃないわ
2、何も言わない
3、私、恋とかそういうの。全然疎いから良く分からないのよね……
4、婚約なんて、したくなかった


↓2


では、此処までとさせて頂きます


沙織「久遠さんはいつも、大変な道を選ぶよね。でも、だからこそあたしは……」


では、少しだけやっていきます


天乃「婚約なんて、したくなかったわ」

天乃の言葉に対して、誰しもが口を閉ざした

ふざけるな。何言ってるんだ

だれも、そんな言葉は言えない

勇者として戦い、体を不自由にした

だから、親の勝手で婚約させられた

そんな天乃の報われることのない人生に何かを言えるほど

風や樹たちは経験をしていなかったからだ

天乃「貴方も大変よね。私なんかを、お嫁にしなくちゃいけないんだから」

春信「……あまり、自分を低く見るものではない」

天乃「でも、普通以下でしょ? どう考えても」

春信「私にとっては、君が普通だ。久遠天乃」

春信は穏やかな表情で告げる

春信は天乃を文面上の情報でしか、今はまだ知らない

しかし、これだけははっきり言えると。春信は思った

春信「生憎、私には異性を比べられるほどの知識はないのだ」


夏凜「……何言ってんの?」

春信「事実だ。私は少し、異性が苦手でね」

春信は夏凜との仲が悪くなったことで

異性に対してかなり、控えめになってしまったのだ

もちろん、通常の業務等に関しては問題なくこなせるが

一転してプライベートとなると、何もできなくなる

否、何もしたくなくなるのだ

春信「だから、久遠天乃。私は君を普通以下だとは思わない」

天乃「でも」

春信「むしろ、君の優しさを私は評価している。妻として迎え入れるのなら、優しい人が好ましい」

天乃「………………」

春信の表情には照れくささが欠片もない

それは、春信が本当に思っていることだからこそ

言葉のひとつひとつに、恥らいを感じる必要がなかったからだ

春信「私に言えることなど少ないが、これだけは言おう。君は素晴らしい女性だと」


樹「私もそう思います」

天乃「樹まで……」

風「なに? 照れてんの?」

天乃「て、照れてなんか……」

風の意地悪な言葉に、天乃は声をこぼして、目を伏せる

天乃の肌は東郷に似て白い

だからこそ、その朱色は空に浮かぶ太陽のように明確だった

友奈「久遠さん、優しいもんねっ」

東郷「そうね」

天乃「っ」

各方面からの絶賛の声に、天乃が救いを求めて夏凜を見ると

夏凜は困ったようにため息をついて、首を振る

夏凜「悪いけど、否定はしないわよ? あんた、子供っぽいけどしっかりするところはしっかりしてるし」

天乃「なんなのよ……っ」



1、ドッキリのプラカードはどこにあるのよ
2、でも、私は何もできないのよ? こんな体なのよ?
3、どうしてそんな風に言えるのよ
4、……ばかっ
5、何も言わない
6、……ありがと

↓2


夏凜「なんなのも何もないわよ。あんたが自分のこと過小評価するから、正してるだけだし」

夏凜はそう言って、ごまかすように目をそらす

友奈や東郷。風には照れもないが

夏凜と樹は少しばかり恥ずかしそうだった

それでもしっかりと言ってくれる樹や夏凜に

そして、みんなに

文句なんて言える訳もなく

天乃「……ありがと」

天乃は俯きがちに、そういった

先頭はともかく、性格とか、そういうのは

褒められるのはあまり得意じゃないのに……

春信「……君は」

天乃「?」

春信「君はやはり、笑顔の方が良いな」

春信の何気ない率直な感想に

天乃は目を見開いて、もうっ、なんなの! と、怒鳴った


では、本当に短いですが此処までとさせて頂きます
明日も同じようなスタートになるかと思います



夏凜「出た。兄貴の無自覚発言。私、そんな兄貴のことが……なんてね」


すみません。今日は無理そうなので、明日のお昼頃から再開としたいと思います


では、進めていこうかと思います

√ 6月9日目 昼(新居) ※日曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2


01~10 風
11~20 樹
21~30 東郷
31~40 友奈
41~50 春信
51~60 樹海化
61~70 九尾
71~80 死神
81~90 大赦
91~00 お兄ちゃん

↓1のコンマ  


大地「ここにいたのか。探したぞ」

招かねざる客はそう言って、窓から顔を覗かせた

ストーカー被害者である天乃だけでなく、風や樹。東郷に友奈

春信までもが言葉を失い、呆然とする中、

ソレは靴を脱ぎ、窓から入り込む

大地「返してもらいに来たぞ。春信」

春信「帰ってくれ大地。下手な騒ぎを起こさないでくれ」

大地「もう騒ぎは起こしただろ。そっちが」

大地の睨むような瞳には殺意にも似た怖さがあった

しかし、春信は動じない

ただ見つめ返し、ため息をつく

春信「その目は止めろ。ここにいるのは私とお前だけではない」


大地「そう言われてもな……」

大地は寂しそうにつぶやいて、天乃を一瞥すると

ため息をついて、首を振る

騒ぎを起こすことは簡単だ。取り戻すことも簡単だ

けれど、そんなことなど気にならない問題があった

大地「なぁ、天乃」

天乃「な、なに?」

大地「お前はそれで良いのか? このままで良いのか? 春信どうこうじゃなく、お前の意志はどうなんだ」

天乃「………………」

さっき、天乃は婚約なんてしたくなかった。と、言った

けれど、それは春信にとっての自分の価値を考えてのことだ

何もできない。してあげられない

婚約者あるいは妻としての行いが何一つできないからこその言葉だ

そこに、天乃の中心の考えなど、存在していない

だから、その場の誰もが、黙って耳を傾けた


天乃「私の意志……」

春信に何もしてあげられないから

そんな答えなど、言い訳など。彼は求めていない

天乃は樹たちを見渡し、困った顔をする

なんて言えば良いのか分からない

自分は春信とどうなりたいのか

自分は春信とこのままで良いのか

自分は今回の件に、何を思っているのか

天乃「……………」


1、分からない
2、良いわ。今はまだ、このままで
3、私。恋とか結婚とか意識したことないし……良く分からないわ
4、嫌よ……できるのなら、自由な恋がしてみたい



↓2


天乃「我儘、言っていいの?」

春信「もちろんだ。彼ではないが、私も君の本心を伺いたい」

晴信の優しい一言に、

天乃はありがとう、ごめんなさい。と、返す

それは、

今の関係を拒絶するような言葉・思いがあるからだ

天乃「……できるのなら、自由な恋がしてみたい」

春信「そうか」

天乃「別に貴方が嫌いなわけじゃない。でも、まだ。私は貴方のことを何も知らないから」

しばらく普通の付き合いをして

その結果春信に恋をしたのなら、それで構わない

でも、恋もなにもなく、ただ強引な流れに婚約、結婚と進んでいくのは嫌だった

天乃「私は人を好きになったことはある。でも、恋をしたことはないわ」

風「天乃……」

天乃「だから……ね? 誰か、私に恋を教えてくれないかしら」


樹「っ」

夏凜「あ、あんたってやつは……」

風「こ、恋を教える……?」

友奈「恋……私良く分からないや」

東郷「…………………」

春信「……そうか」

狼狽える人もいれば、照れくさそうにする人

目をそらす人もいれば、考え込む人もいる

それぞれの反応を示す友人たちに

天乃は困ったように笑みを浮かべる

天乃「ごめんなさい、流石にわがままだった?」

樹「そんなことはないですけど……でも。私達は女の子ですよ?」

天乃「そうね……でも。好きな人が女の子になっても。恋は恋だもの」

夏凜「あ、あああんたっ! お、女の子と結婚とかするつもりじゃ」

天乃「流石にそれはできないと思うけど……でも。恋くらいならできるだろうし」

恋したあとの大変さ、苦悩を理解できていない少女の言葉に

その場の誰もが未来の大変さを察して、息をついた


√ 6月9日目 昼(新居) ※日曜日

大地、九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、大地
0、イベントの判定

↓2


※さっきの昼はミスです。正しくは朝でした


天乃「ねぇ、樹」

樹「は、はい!」

天乃「どうしたのよ……貴女、ずっと緊張してない?」

樹「そんなことないです……」

そう言いながらも、樹は天乃との距離を開ける

天乃が嫌いなのではなく、大好きだ

天乃が怖いのではなく、自分が怖い

ただでさえなにかしてしまいそうなのに

恋を教えて欲しいと言われたことが

樹にとっては何よりも大きかった

樹「あの」

天乃「うん?」

樹「髪留め、飾ってくれてるんですね」

天乃「まぁね」


天乃は自由に髪型を変更することはできないし

基本的に横になっている

だから、基本的に髪はストレートに下ろしたままだ

だから、樹からもらった髪留めも出番はない

それでも天乃にとって大切なものなのだ

天乃「貴女が作ってくれた、髪留めだもの」

髪留めといってもヘアゴムだが、それでも作るのは簡単ではなかったはずだ

それを――もちろん、作るのが楽であっても、適当に扱うなど

天乃にはできない

天乃「それで、なんだけど」

樹「はい」

天乃「……あんまり身を引かないで?」

樹「すみません」


あからさまに引き目な樹に悲しそうな呟きを漏らし、天乃は――


1、ねぇ、貴女は好きな人いるわよね?
2、私が婚約してるって知って、どう思った?
3、どうしてそんな引いてるの?
4、女の子同士の恋。貴女はしたくない子?
5、昨日の夜、今日の朝。今もない……敵は夜に来るみたいね


↓2


天乃「どうしてそんな引いてるの?」

樹「いえ、その」

天乃「大丈夫よ。女の子との恋も平気。みたいなこと言ったけど、捕って喰う気はないから」

天乃は安心させるためにそう言ったのだが

樹は何かを感じたのか、

ビクッとすると、困ったように首を振る

樹「久遠さんは。その……自分の力を忘れていませんか?」

天乃「え?」

樹「捕って喰われちゃうのは……久遠さんじゃないかなって」

樹自身も感じているように

天乃には惹きつける力がある

それによって襲われる。つまり、捕って喰われるのは天乃の可能性がはるかに高い

体が右腕しか動かないというのなら、なおさらだ


天乃「……それは分かってるけど」

でも、天乃は普通の恋をしてみたいと思っていた

天乃は勇者だ。先代の勇者として戦い、

普通に生きていたら経験なんてしないような経験を経ている

それでも、天乃は15歳の女の子なのだ

天乃「私みたいなのが恋をしたいって思っちゃダメ?」

樹「そ、そんなことは……ただ、その。気をつけて欲しいなって思って」

贔屓理由は伏せるが、

樹の贔屓目で見ても、天乃は魅力的だ

たしかに、炊事洗濯など何もできないという欠点があるが、

恋をすることなく、ただ少女漫画知識のような

恥ずかしいことをするのなら、天乃はこれとない相手だと樹は思う

もっとも、樹はそんな関係になんてなるつもりはない


天乃「じゃぁ、なに? 貴女が距離をとってるのも」

樹「……はい」

天乃が嫌がることをしてしまいそうだから

だから、樹は近づくことから逃げる

それでも、しっかりと話ができる距離は保つ

話がしたい。でも、変なことにはなりたくない。そんな距離

天乃「………………」

樹「………………」

黙り込んで、見つめ合う

時計すらない部屋は、他の部屋からの声しか聞こえてこない

でも、それすらも天乃には聞こえない

あまりにも無防備だ。あまりにも弱々しい

樹は思わず、天乃との距離を一歩詰めた


01~10 
11~20 勝負!

21~30 
31~40 
41~50 実演

51~60 
61~70 
71~80 勝利!

81~90 
91~00 敗北!

↓1のコンマ  


樹「っ」

唇を噛み締めて、樹は押しとどまる

ダメだよ。と、そんなことはしちゃいけないと

きょとんとした、無防備な相手を見つめ、樹は笑みを浮かべる

樹「襲っちゃいますよ」

心配と欲望を交えた本音の言葉

それを言い放って、樹は後退る

その表情は、なんだか悲しそうだった

樹「……………」

自分では普通の恋をさせては上げられないと、思ったからだ



1、良いわよ。貴女なら
2、大丈夫よ。貴女は強いもの
3、そう……ごめんね
4、私より、貴女が好きな人にすべきことだもの。したらダメよ



↓2


天乃「良いわよ。貴女なら」

樹「え?」

天乃「その……あんまり酷いことは。しなそうだから」

照れくさそうに頬を染め

僅かに目をそらした天乃はそう言った

どうしてそんな事を言うんだろう

どうして言ってくれちゃうんだろう

なんで、そんなこと言うんだろう

思考は同じ言葉をぐるぐると回して熱を持つ

樹「久遠さんは、酷い人です」

自分がどんなに頑張っても

どんなに堪えても

作り上げた壁を、一回で蹴り壊してしまう

樹「……夏凜さんとのこと、覚えてますか?」

樹は囁きにも似た小さな声で言うと、天乃の右手を取り、ゆっくりとベッドへと寝かせる

天乃「……ええ」

樹「なら、今度から思い出すのは。私のことにしてあげます」

そう言って、天乃の唇に唇を重ね合わせた


それでも、樹は樹だ

ただ欲望に負け、蹂躙するという選択しかなかった夏凜とは違う

一度の接触、一瞬の接吻

それだけで離れると、樹は恥ずかしそうに頬を染める

天乃「……貴女。良いの? 貴女にも好きな人はいるんでしょう?」

樹「そうですね……でも。だからこそ、良いんです」

どうせそう言っても分からない

だから、いっそのこと告げて、笑う

何が、好きな人がいるんでしょう? なんだろう

久遠さんの馬鹿

久遠さんの意地悪

久遠さんの朴念仁、鈍感っ

樹「久遠さんこそ、いいんですか? まだ、恋すらしてないのに」

天乃「……分からない。でも、もっと、今のドキドキが欲しい……かな」

樹「っ……」

理解できないながらの言葉、その照れ笑い

樹は目を見開いて、首を振る

樹「お姉ちゃん達に見つからないうちに、止めといた方が良いです」

これ以上は危険だと樹は判断し、

天乃も残念そうにしながらも、そうね。と、触れ合いを終わらせた

√ 6月9日目 夕(新居) ※日曜日

大地、九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、大地
0、イベントの判定

↓2


天乃「貴女は友奈から聞いてたの?」

東郷「いえ、ただ……友奈ちゃんの様子から何かあるんだろう。ということは察していました」

東郷の平然とした物言いに

天乃はクスッと笑ってそっか。と、つぶやく

天乃「貴女の驚く顔が見たかったわ」

東郷「実際に驚きました。ただ、友奈ちゃんのおかげで軽度でしたが」

天乃「むむっ」

対抗するような微笑を浮かべた東郷は

ちょっぴり悔しそうな天乃を見つめ、目を細める

東郷「私だけを呼んだのは、そんな話をするため。ではありませんよね?」

天乃「……………」

東郷「なにか、あるんですか?」



1、時々ね? 変なふうにドキドキするの。痛いのに、もっとドキドキしたいって思うの
2、貴女に好きな人はいる?
3、樹の好きな人、分かる?
4、夜、戦いがあるわ。覚悟しておいて
5、貴女にとって、恋ってどんな感じ?


↓2


天乃「時々ね? 変なふうにドキドキするの。痛いのに、もっとドキドキしたいって思うの」

東郷「……えっ」

天乃「それって、なんでかなって……思って」

朱に染まった頬

逃れるような瞳

胸を押さえているような右手

絵に描いたような乙女チックな仕草に

東郷は暫く呆然として瞬きをする

なにか言わなきゃ

なにか答えてあげなきゃ

頭をフル稼働させ、言葉を紡ぐ

東郷「その相手に対して、好意はありますか?」

天乃「ええ、あるわ」

東郷「その相手に対して、知られたくないことはありますか?」

天乃「ない……かもしれない。秘密は打ち明けてるもの」


仕草とドキドキする云々という時点で

東郷はなんとなく答えを決めていたのだが、

万が一誤りだったら大変だから。と質問した

けれど、その質問は必要なかったらしい

天乃「何かわかったの?」

東郷「えーっと……」

なんと言えばいいのかしら

率直に、それは恋です。というべき?

いや、そんな断定するなんてダメよね

かもしれない。と、濁しておかないと

ううん、そもそも私がそうだと言っていいことなの……っ?

教えて、助けて友奈ちゃん

東郷「うぅ……」


01~10 
11~20 言う

21~30 
31~40 
41~50 濁す

51~60 
61~70 
71~80 言う

81~90 
91~00 濁す


↓1のコンマ


空白は言わない  


東郷「すみません……私には、なんとも」

天乃「そう……ごめんね。無駄に悩ませて」

東郷「っ」

謝るべきは自分だ

本当はそれが何であるのか知っているのに

隠した自分だ

でも、なぜだろう

その落ち込む姿に、愛おしさを感じる

東郷「……大丈夫ですよ。きっといつか分かります」

東郷はそう言いながら、天乃の手を握る

何かおかしい

何か変だ

そう思いながらも、東郷は天野から手を離さず、目も逸らせない

天乃「うん。ありがと」

東郷「っ」

天乃の笑顔に、東郷は顔を赤らめて、俯いた


少し中断します

21時には再開予定です


では、少し遅れましたが再開します


東郷「あの、久遠さん」

天乃「うん?」

東郷「恋愛を教えて欲しい……そう言ってましたよね?」

東郷は天乃の顔を直視することはできなかったが

言葉が通るようにと、視線だけ逸らして言う

東郷「それなら……誰かと恋人のようなことをしてみるといいかと」

天乃「恋人のようなこと?」

東郷「例えば、どこかに出かけるデート。映画やショッピング……もちろん、どこかで綺麗な景色を見るというのもあります」

天乃「でも」

東郷「だれも、久遠さんを連れ出すことを嫌とは言いません。絶対にです」

東郷は天乃が言う言葉を予測して遮る

それは言っても意味がない。だって、そんなこと、誰も思わないもの

天乃「………………」

東郷「も、もしあ        」

東郷は何かを言いたかったようだが、途中から口元が隠れてしまったために

天乃は最後まで聞き取れなかった


1、なんて言ったの?
2、樹と
3、風と
4、友奈と
5、夏凜と
6、春信と
7、一週間取っ替え引っ替えで
8、考えてみるわ



↓2


天乃「じゃぁ、一週間の交代制とかどうかしら」

樹、友奈、東郷、夏凜、風、春信

6人いるし、空いた一日はお休みか、気に入った子と。なんて

そんな冗談半分で言った言葉に対して

東郷はやや睨みつけるような瞳でため息をつく

東郷「本気ですか?」

天乃「怒ってる?」

東郷「いえ、言い切れなかった私の負けです」

そもそも、言い出したからと

そんなズルはいけない

ちゃんと公平に……じゃなきゃ、友奈ちゃんに嫌われちゃうかも知れない

東郷「分かりました。みんなに話してみます。それで許可が貰えたら……そういうことにします」

天乃「ありがとね、私のために」

東郷「構いません。久遠さんのためですから」


東郷がみんなに話した結果、なんの言い争いもなく、当たり前のように可決された


一週間の曜日担当になります
日曜日は空欄とし、土曜日は仕事関係で春信になります
勇者部各員は平日夕方の担当になり、夕方交流後、選択によっては夜間交流もあります

曜日担当を決めます。勇者部が、くじ引きで


01~20:友、東、樹、風、夏

21~40:東、樹、風、夏、友

41~60:樹、風、夏、友、東

61~80:風、夏、友、東、樹

81~00:夏、友、東、樹、風


↓1


月曜:友奈
火曜:東郷
水曜:樹
木曜:風
金曜:夏凜

となります



√ 6月9日目 夜(新居) ※日曜日


そして 、なって欲しくなかった予定通りに

世界はその姿を変える

世界の時間を止め、眩い光に包み込み

白一色のキャンバスとなった世界を、カラフルな異色の世界へと入れ替える

そう、樹海化だ

風「っ」

友奈「樹海化……っ!」

夏凜「ようやくお出ましってわけね!」

東郷「神樹様には近づけさせないわ」

天乃「……予定通りね」

樹「ですね」

それぞれの反応を示していた勇者部と天乃

しかし、端末に表示されたマップを見て、全員が目を疑い、言葉を失った


http://i.imgur.com/TJCEWvv.png


では、此処までとさせて頂きます



バーテックスは全力で天乃を討ちとりに来ます

予定:今週中に終わらせたい
今週ですが、日曜日以外通常営業(22時頃からの再開)また、4日は投下すらできない予定になります


では、再開しようかと思います

また、投下できないのは4日ではなく、明日でした


九尾久遠さんですが、こちらが正規になります

http://i.imgur.com/DkoY4ok.png


技の食事と特殊能力の食事は別枠扱いです
では、久遠さんのモード選択です



1、九尾
2、死神


↓2



夏凜「あんたも流石に本気モードってわけね?」

天乃「ええ、まぁ……」

天乃はそう言いながら、性懲りもなく現れた数体の内

2体のバーテックスを睨む

天乃「……どれだけ言っても分からない子がいるみたいだから」

そう言った天乃は無表情だった

けれど、それを見ていた夏凜だけでなく

その場にいる全員が寒気を感じて天乃へと振り向く

天乃「おしおき、してあげなきゃね」

その声はあまりにも冷たい

まるで、天乃ではないかのような雰囲気に、

樹は心配そうな表情で名前を呼んだ

樹「わ、私たちがいます。だから……無理。だめです」

天乃「……ええ、わかってるわ」

天乃はそう言って笑う。とても冷たい、畏怖を感じる笑だった


1、移動(座標してい)
2、加速
3、隠密
4、待機(他の敵味方全キャラ行動後、再度行動選択)


↓2


http://i.imgur.com/gp81bb3.png

http://i.imgur.com/P5i8IUt.png


1、移動(座標してい)
2、隠密
3、待機(他の敵味方全キャラ行動後、再度行動選択)


↓2


http://i.imgur.com/y9aL7o8.png

1ターン目終了時点でこのような形になっています
では、すみませんがここまでとなります

1日1ターンは勧められたらなと思います
明日はおそらく投下は出来ません

では、再開いたします


天乃「貴女達、なんで付いてくるのよ」

友奈「一人にはしておけません」

樹「同じくです」

愚かしい勇ましさを見せるふたりを一瞥し、天乃は足を止める

今の状態では、どうあがいても二人には追いつかれるだろう

しかし、このままついてこられては足手纏だ。と

天乃は冷酷ながら思った

遊びじゃない。死ぬ可能性だってある

だから天乃は普段の飄々とした表情ではなく、真剣な表情を浮かべた



1、邪魔よ
2、あれの狙いは私よ。二人は側面から挟み撃ちにしてちょうだい
3、良いわ。貴女達、私の指示に従いなさい
4、何も言わず進む
5、加速
6、隠密
7、待機行動


↓2


http://i.imgur.com/U5f3TLH.png


天乃「わかったわ。ただし、私の指示に従いなさい」

以前も、そういった事がある

樹「はい!」

友奈「分かりましたっ!」

【りょーかい!】

あの子も同じことを、言っていた

でも、あの子は守らなかった。従うと言ったのに、従わなかった

天乃「っ」

嫌なことを思い出した。でも、大切な思い出でもある

天乃は二人に絶対よ。と

もう一度確認を取ってから、頷く

無理はさせない、無茶はさせない


1、友奈を移動させる
2、樹を移動させる
3、両側面に散開指示(友奈はG10 樹はMの10へ)
4、同行指示(天乃についていきます 友奈は天乃の左1マス 樹は右1マス)
5、加速
6、隠密


↓2


http://i.imgur.com/U5f3TLH.png


天乃「私は正面突破するから、貴女達は側面。死角になる側から叩いて頂戴」

樹「でも」

天乃「指示、聞くんでしょう?」

不安そうな表情を浮かべた樹は天乃の言葉に目を伏せる

指示に従うといった。しかも、ついさっき

それなのにもう嫌です。なんて言うなんて事は出来なかった

けれど、

樹「危なくなったら、助けに行きます」

樹はそれだけは絶対ですと言わんばかりの表情で言うと

友奈さんも。と、続けて言い、飛び去っていく

天乃「……………」

友奈「私も……助けるためなら、違反。するかもです」

友奈もまた、そう言って去っていく

命令違反が多いとは……勇者は大丈夫なのか。と、

考えるだけ無駄なことを考えて、天乃は首を振った

http://i.imgur.com/Bx1TDyc.png


1、移動(黄色マスは加速使用時。黄色マス選択の場合、加速自動使用)
2、隠密
3、待機行動(自分以外の行動が終わってから動きます)


↓2

http://i.imgur.com/nosy80q.png


対象:魚座
精神:なし
攻撃:第二式格闘術


命中率145% 必中

100オーバー45=20%をクリティカルに


コンマ01~10  41~50 またはゾロ目でクリティカル

二桁目が奇数でお食事


急所判定↓1



では、1ターンも過ごせませんでしたがここまでになります。
明日も普通になると思いますが、1ターンは終わらせる目標で行きます
ありがとうございました



+天乃純粋格闘能力 300
+第二式格闘術威力 950
―うお座バーテックス防御力

=1150ダメージ


では、再開します


天乃「ねぇ、九尾」

九尾「なんじゃ」

天乃「体が動かせるって、こんなにも気持ちが良いものなのね」

九尾の力を借り、勇者となっている時だけしか動かせない体

その感触を確かめるように、2、3度拳を握って放した天野はクスッと笑う

普段できないことだからこそ、改めて実感する

失ったものだからこそ、その大切さが分かる

いや、失う前から大切だと思っていたものもある

天乃「ねぇ九尾」

九尾「集中しなくても良いのか?」

天乃「するけど、これだけは聞いておきたくて」

天乃は自分自身に呆れたような

複雑な表情で、九尾に問う

天乃「もう、どれだけ体が痛くても。死にそうでも。体が動かせなくなることはないのよね?」

九尾「主様が勇者である限り。誰かを守りたいと思う限り。妾は主様の動きを止めはせん」

天乃「……そっか。良かった」


2年前、痛みに動かせなくなった体は

もう、動かせなくなったままだ

今動くのはそんな欠陥品ではない

まるで機械だ。そう思う頭を振って、天乃は前を向く

天乃「あの魚。タタキで頂きましょうか」

九尾「クククッ、行きはよいよい。帰りは……あるのかえ?」

九尾の苦笑の余韻を間延びさせるように、

天乃は一瞬でトップスピードを出し、樹海の中を駆け巡る

相変わらず音は聞こえない。だからなんだ

私にはそんなことは関係ない

樹海の根と根の僅かな隙間から魚座の巨躯が見え隠れする

天乃にはそれで十分だった

天乃「2年前の悪夢を――追体験しましょうか」


魚座のバーテックスが天乃の接近に気づいた段階で

もうすでに、手遅れだった

天乃「 逃 が さ な い 」

魚座の頭蓋のような部分から伸びる青い触手を掴み

自分の元へと引きずり堕とす

バーテックス? 頂点?

いいじゃない。なら、下克上よ

天乃「ふッ!」

強引に堕天させた魚座の頭蓋を蹴り飛ばし、触手を引きちぎる

それで終わり?

否、終わるわけがない

横に靡く触手を捉え、手繰り寄せ、頭蓋を全力で蹴り落とす

地が揺れ、樹海に砂塵が渦巻く

天乃「はぁっ!」

天乃は勢い良く突っ込み、

渦中に隠れ、やり過ごそうとするうお座を蹴り出し、蹴り上げ殴り飛ばす

頭蓋が砕け、触手が千切飛び、ボールのようにうお座が弾け飛ぶ

天乃「ご自慢のその尾で打ち返してみよ。妾がもう一度、蹴鞠にしてやろう」

牡羊座の方へと蹴り飛ばし、天乃は挑発する

しかし、人間ではないがゆえに反応は薄く

牡羊座は蹴り飛ばされ、無残に転がるうお座を無視し、進軍を続けた

天乃「つまらぬ。そのて……こほんっ」

ハッとした天乃は自分の頭に触れ、目を見開いて息をつく

また、耳が生えてきていた


山羊→天乃  命中0%   ↓1 コンマ一桁奇数で食事
牡牛→天乃  命中0%   ↓2 コンマ一桁偶数で食事
牡羊→天乃  命中-30%  ↓3 コンマ一桁奇数で食事
天秤→天乃  命中-5%   ↓4 コンマ一桁偶数で食事
射手→天乃  命中20%   ↓5 01~10  71~80 命中
水瓶→天乃  命中0%   ↓6 コンマ一桁奇数で食事
獅子→天乃  命中30%  ↓7 21~30 51~60 91~00 で命中


コンマなので連投可です


では、きょうはここまでとなります

天乃攻撃全回避。牡羊座を頂きます


現段階では以下のような状態(敵攻撃未処理)
http://i.imgur.com/tHsQMyZ.png


では、再開いたします


天乃「……………」

先手を切ったのは射手座の矢雨だった

蟹座の反射板を利用しての精密射撃

でも――無駄よ

天乃「こっちよ。こっち」

天乃は樹海を縦横無尽に駆け回り、降り頻る矢を回避し

左右からの水瓶座の水球ですら、ひらりと躱す

その度、振袖のように、白き身を包む濃黒の揺らぎが靡く

天乃「っと」

舞うように軽やかな動きを見せていた天乃の足元が大きく揺れ動き

正面にいる牡牛座の頭頂部の鐘が激しく揺れる

天乃「……なにしてるの?」

だが、天乃の耳は聞こえない

頭蓋を揺らすような振動は感じつつも、本質は嫌音である以上

牡牛座は天乃に対し、ただの壁でしかなかった


それを利用したのか

それとも、ただ偶然重なっただけなのか

天乃の目の前の壁と化した牡牛座の背後から、牡羊座が猛スピードで飛び出す

天乃「あら」

死角からの突撃。けれど、天乃は動じることはなかった

天乃「羊の分際で妾に相対するとは……」

バーテックスの中で言えば、密度的に小柄な牡牛座だが

人間からすればはるかに巨大だ

天乃「……………」

わずか数秒の間に、数百メートルはあろうかという距離が詰まる

肉薄する

そして――天乃は体を右側に逸らし牡羊座の頭頂部。口元に当たるところから伸びるヒゲを捕らえ、一回転

天乃「失せよ下郎!」

その勢いにヒゲが引きちぎれて牡羊座は飛び、残ったヒゲを見つめて天乃は齧る

天乃「……不味い。死んだ部分は流石に食べられないか」

そう言った天乃は砂を吐き、攻撃態勢に入った獅子座に笑みを浮かべた


天乃「久しぶり。と、言っても。貴方は覚えていないわよね」

散々嬲った。強力な自然治癒能力を持っているのを利用して

体をへし折り、蹴り砕き、たたきつぶし

回復した分だけまた蹂躙した

御魂が露出しようと見向きもせずに、執拗に追い詰めた

天乃「それを貴方は。忘れたのね」

獅子座は話を聞くことなく火炎弾を弾き出す――が

天乃「ふっ」

ぐるりと回った天乃は左足のかかとで火炎を蹴り飛ばし、

天乃「はっ!」

続いた二撃目を右足で蹴り壊す

天乃「……良いのかえ? 小手調べなんて余裕を持って」

しし座は天乃を見据えたまま、沈黙した


夏凜→水瓶


命中判定 01~95で命中  ゾロ目で急所

判定↓1


天乃は圧倒的だ

あの猛攻ですら、危なげなく回避した

助けなんかいらないかもしれない

天乃一人で十分なのかもしれない

そう思う自分もいる

けれど、夏凜は首を振り、歯を食いしばって刀を握る

夏凜「私も勇者なのよ。私たちも勇者なのよ……」

勇者は独りじゃない

ここにいるみんなが勇者なのだ

夏凜「天乃一人に――任せるわけにいくかぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

嫉妬もある

でも、やはり一番は。欠けて欲しくない

その気持ちが強かった

夏凜は勢い良く突撃すると

そのまま水瓶座の体を一部吹き飛ばした



水瓶座に、380ダメージ

http://i.imgur.com/iHOyQQZ.png

では、ここまでとなります
天乃さんは牡羊座を不味く頂いてSP回復。全回避で気力底上げしました


以降の天乃デフォルト使用技

草薙剣 威力1500 命中・CRI+10


では、今日は進めていきたいかと思います

http://i.imgur.com/KSK2On1.png



天乃「……ふぅ」

戦闘の合間、凌ぎ切った勇者の一息が樹海に溶け込む

狙われているのは自分一人

それが確定してなお、少女は戸惑いがなければ焦りもない

むしろ、それに喜びを感じていた

天乃「私だけしか狙わないのなら。私が生きていればいいだけ……簡単だもの」

周りのみんなを狙われたら、みんなが傷つくだろう

けれど、自分ひとりならそれはない。誰も傷つかない。傷ついたとしても自分だけ

須佐之男「………………」

一瞬だけ姿を現した精霊が、そのまま刀となって天乃の手に残る

草薙の剣。神具を手に、少女は笑みを浮かべた

天乃「この感触も久しいわ。あの子とはまた違う重みがある。でも、することは変わらないなんて、なんだかおかしな話よね」


1、友奈を移動させる
2、樹を移動させる
3、予定通り挟指示(友奈はG8 樹はK8へ  友奈vs山羊 樹vs水瓶)
4、加速
5、隠密
6、待機行動。ほかキャラの行動後に行動

↓2


友奈→山羊  命中判定↓1  命中102%  ゾロ目で急所

  樹→水瓶  命中判定↓2  命中01~75命中 ゾロ目急所


友奈→山羊  525ダメージ

樹→水瓶 370ダメージ


樹「……………」

久遠さんは、私なんかに守られるような人じゃない

久遠さんは、私の背中を見ていてくれるような人じゃない

久遠さんは、私が肩を並べていられるような人じゃない

樹「……凄い」

日常生活での私の手助け

そんなものなんて霞むくらい、久遠さんは私たちの助けになってくれてる

恩返しができる? 本当に?

ただの足手まといじゃないの?

樹「そんなこと、ないとは言わないよ……でも」

そうかもしれないと逃げていたら

いつまでたってもそのままだから

だから、私は

樹「行こう。木霊!」

樹は決意を胸に、水瓶座へと向かっていく


樹に見向きもしなかった水瓶座が接敵を感じて水球を横一線に振り抜く

それを見つめ、樹は一直線に駆け抜ける

樹「久遠さんのようには避けられない。でもっ!」

まるまる頼り切るなんてしない

多少は自分の力で頑張る。けど

やっぱり、それだけでは力不足だから

大事なのは、その弱さを認めること

樹「木霊お願いっ!」

樹に呼応するように姿を現した木霊が薄い緑色のバリアを張って水球を防いだ瞬間

右手の光る蔦、蔓の鞭で水球を叩き割る

樹「私だって頑張れる」

二度目の水球を跳躍して回避

直上に伸びる樹海の根に蔓を伸ばし、遠心力を上乗せして一回転

樹「久遠さんだって、いつも頑張ってるから!」

風を切る鞭が、水瓶座に亀裂を走らせた


友奈「………樹ちゃん、凄いな」

友奈はそう呟いて、自分の手を見つめる

友奈「……………」

震えていた。見間違いだと、思えないくらいに

東郷達には弱さを見せないようにして、でも

怖いものは怖い

周りが怖れを乗り越えていく中で

自分だけが、そのまま取り残されてしまう。そんな怖さもある

友奈「私は勇者。結城友奈……大丈夫。大丈夫っ」

虚勢を張る必要がない

頼ることができるという道がある

それだけで、友奈は自分の意志に穴が開くのを感じた

友達のため。そうなった友奈はきっと誰にも負けない強さがあるだろう

けれど、それのない友奈は――やっぱり、ごく普通の少女でしかない

友奈「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

動こうとしない自分に一喝し、友奈は足を踏み出す

友奈「守るんだ。私が!」


http://i.imgur.com/4jZW1Tl.png

1、移動(黄色マスは加速使用)
2、天秤座に攻撃
3、山羊座に攻撃
4、水瓶座に攻撃
5、隠密
6、待機行動。ほかキャラの行動後に行動

↓2


天乃→水瓶座

 命中率115% 判定不要

 与ダメージ1710ダメージ 判定不要


天乃「……一度。もう一度だけ、主らに見せてやろう」

一歩一歩、天乃が動く

ただただ近づいてきているだけの動きに

水瓶座の体は何故か後退していた

バーテックスに感情があるのか定かではない

しかし、それを見ていた樹達は【恐れた】と、思った

天乃「案ずるな。私にも慈悲はある……一度で死にたければ動くでないぞ?」

剣がぎらりと光らせて獲物をその身に映しながら、

天乃はゆっくりと右手の剣を左下に下げていく

足元から、頭部まで

水瓶座の姿が全てを収め、天乃は笑みを浮かべる

天乃「次は、忘れるでないぞ? 愚か者どもめ」

何かが風を切った音がした

何も動かない静寂が訪れた

そして――水瓶座の体は真っ二つにずり落ちて砂へと還っていく

樹「……え?」

天乃の腕はいつの間にか刀を振り上げていたのだ

それは誇張でもなんでもなく一瞬だった


風→天秤座(封印)  ↓1ゾロ目急所
夏凜→天秤座(封印) ↓2ゾロ目急所


水瓶座に550+1100=1650ダメージ
 =残り50


山羊→天乃  命中0%   ↓1 コンマ一桁奇数で食事
牡牛→天乃  命中0%   ↓2 コンマ一桁偶数で食事
牡羊→天乃  命中-30%  ↓3 コンマ一桁奇数で食事
射手→天乃  命中20%   ↓4 01~10  71~80 命中
獅子→天乃  命中30%  ↓5 21~30 51~60 91~00 で命中


コンマなので連投可です。


※うお座逃走 水瓶座封印中



山羊←天乃  捕食
牡牛←天乃  捕食
牡羊→天乃  回避
射手→天乃  回避

獅子→天乃  命中


+獅子座攻撃能力
+獅子座攻撃威力
÷2
―天乃防御力 210

=-85


少し中断致します。

20時には再開予定です


では、再開します

訂正になりますが、【-85】は、天乃のHPから引かれるのではなく
天乃に与えるダメージが【0】になるのに必要な獅子座の攻撃力または技の威力になります


天乃は平気。樹も東郷はまだ後ろ、友奈だって、風だって

友奈は真逆

水瓶座は天乃が馬鹿力で消し炭にした

最優先は獅子座、次点で射手座

近距離戦闘がメインな天乃や友奈、風を考えるとそうなる

でも、今の私では届かない

夏凜「だから――っ、風、追いついてきなさい!」

風「言われなくたって!」

風の返事を聞いた夏凜は

規格外の天乃を除けば夏凜のみができる単独封印を行い、

一気に天秤座へと攻め込む

風「合わせるわよ!」

夏凜「任せる!」

半歩遅れて来た風の大剣が天秤座の核を打ち上げ、

直上から夏凜が切り伏せる

ビシッと音がした

パキッっと音がした

夏凜「くっ!」

砕けたのは刀。ほぼ全体にヒビを走らせながらも

天秤座の核は砕けなかった


天乃「ふむ……」

剣を手に、佇む少女が前を向くと

山羊座の巨大な足が一直線に向かってきていた

天乃「安直」

つまらない。そう言いたげな声で呟いた少女

そして、山羊座の足が消えた

天乃「お腹は空いてないのだけれど」

いつか、数人の人間を喰らい殺した九尾の尾が少女から伸び、喰らったのだ

処理しきれないバーテックスの力が天乃の体内に留まって渦巻く

天乃「まぁ、良い。備蓄をする分には構わぬ。冬眠はせぬが……くふふっ」

山羊座以外にも、愚かな突撃を試みたバーテックスの気配を察知して

少女は不敵な笑みを浮かべ、大きく飛び退く

その瞬間、ズドンッと、牡牛座の脚部が地面を抉る

天乃「卓に並べたな? 出した以上は、戻すでないぞ」

次の瞬間には、片足を失った牡牛座がバランスを崩し、倒れ伏す

天乃「くふっ、爪楊枝を刺してくれるのかえ?」

数歩後退ると同時に降り出した矢の雨

倒れ伏した牡牛座の周り、回避して、

目の前に迫る火炎球を見つめてくすくすと笑う

そして――獅子座の火炎球が天乃に直撃した


爆炎の中に天乃が姿を消したのを見つめ

全員の目がその場に向かう

樹達勇者だけでなく

バーテックスまでもが動きを止め、様子を見た

いや、もしかしたら動けば殺されるかもしれないという緊張感に

学ぶ知能のあるバーテックスは怖気づいていただけなのかもしれない

天乃「ほう。それで?」

少女は無傷だった

汚れすら付けず、困った顔で笑を浮かべていた

御しきれない力が体中を駆け巡る

そんな不愉快な感覚を覚えて、少女は笑う

その場の誰もが知る少女であるはず

にも関わらず、誰も知らない不気味な笑みを浮かべ、剣を構える

天乃「ふふふっ」

九尾の力を使い

バーテックスを喰らう少女はとても、勇者とは思えなかった

http://i.imgur.com/DeqET6Q.png


1、友奈を動かす
2、東郷を動かす
3、夏凜を動かす
4、風を動かす
5、樹を動かす
6、自動行動(通常通り、勇者部をNPC状態にします)

↓2


現在、天乃が制御下にありません。
勇者部の誰かを選ぶか、NPCに任せてください


夏凜ステータス【http://i.imgur.com/8Dv5tBp.png

マップ【http://i.imgur.com/0pK5xnk.png



夏凜「なんなのよ一体……天乃なんかおかしい」



1、必中
2、移動(ピンクマス)
3、しし座に攻撃
4、天秤座に止め
5、勇者部の行動後に行動


↓2


夏凜「天乃も気にはなるけど……」

夏凜は天乃を一瞥しながらも、

目の前のむき出しになったままの御霊に刀をつきたて、破壊する

封印している状態では

樹海にさらに余計な負担がかかる

それでなくても、あと何体もの敵がいるのだ

よそ見している暇なんてない

樹「っ」

風「………………」

みんな天乃のことを気にしている

けれど、まずは戦いに集中するべきだ。と

全員が一丸となって山羊座に狙いを定める

東郷『狙撃します。射線に入らないようお願いします』

夏凜「ようやくか」

東郷もようやく追いついたらしく

そんな連絡が端末から響いた


風→山羊座 命中判定↓1 01~97命中

樹→山羊座 命中判定↓2 ゾロ目急所

友奈→山羊座 命中判定↓3 ゾロ目急所

東郷→山羊座 命中判定↓4 ゾロ目急所


山羊座封印

550+615+530+460=2155ダメージ

山羊座討伐


天乃→獅子座

急所判定↓1 40~49  70~79   ゾロ目  


天乃「くふふ、妾と戯れようぞ」

少女は大きく跳躍すると

砂塵に変わり消えゆく山羊座の体を蹴り壊して

一気にしし座へと肉薄する

天乃「鈍いッ!」

獅子座が直上に向けて火炎球を作り始める頃には着地し、

今度は直下に向けて作り出すと、目の前に跳んでいた

天乃「ふふっ、妾を殺したいのであろう?」

少女は笑う

ただただ、嗤う

仮面を貼り付けているかのように、笑みを浮かべたまま獅子座の巨躯を蹴り倒す

樹海の木々がへし折れ、傷ついていく

しかし、それでも少女は関係なく樹海ごと獅子座の体に打撃をめり込ませる

バーテックスの体が砕け、欠損する

天乃「威を借る狐と、侮ることなかれ」

そして、剣を地に届くような勢いで突き立てた



獅子座に1650ダメージ


倒れ伏し、体を貫かれた獅子座以外のバーテックスの軍勢は

その破壊力を見せつけられたからなのか

来た道を戻って樹海の外へと消えていく

風「……逃げてる?」

夏凜「一番強い。言うなれば隊長を一撃で再起不能にさせる奴がいる。風、あんたはどうする?」

夏凜は答えを分かりきっていながら聞く

私なら、逃げる。私が隊長だとしても

構わず逃げろと言う

風「……アタシは逃げるかも」

夏凜「でしょうね」

しかも

天乃「ふふふっ」

その相手が狂気じみた笑みを浮かべていて

尚且つ、人間なのに尻尾と耳を生やした獣人族的ななにかだったとしたら

逃げる他ない。夏凜は震える足を叩いて首を振った


獅子座→天乃

命中判定無意味

カウンター判定無意味

ダメージ判定無意味


戦闘を終了出来ません。


もちろん、目の前の敵を見逃す。なんていうことは

たとえ樹や友奈であってもすることはないだろう

けれど

封印をすることなく御霊をえぐり出して、砕く

そんなことまでは絶対にしない

強い憎しみのある犬吠崎風であっても。絶対に

それを、少女は躊躇なくやってのけた

天乃「……攻めておいて逃げるとは愚の骨頂。滑稽とすら言え――」

樹「あ、あの」

天乃「?」

樹「久遠さん……ですよね?」

恐る恐る

しかしながら誰も聞けないようなことを、樹は聞く

樹「わ、私達の知ってる久遠さんですよね?」

天乃「主の目にはどう見える。耳にはどう聞こえる。心はどう思っている」

樹「え?」

天乃「私の真実を信じるのか、主自身の真実を信じるのか。二つに一つだろう?」


声は天乃そのもので、見た目だって

耳と尻尾は生えているけれど

天乃本人であることには間違いない

でも……

夏凜「……………」

口調がおかしい

倒し方がおかしい

馬鹿げた破壊力のある攻撃をするのは知ってる

でも、あそこまで酷い戦い方をするような人ではなかったはずだ

夏凜が天乃を見つめると

天乃もまた、夏凜を見つめ返す

夏凜「くっ」

背筋がゾワゾワとする、嫌な感覚を覚えた


01~10 樹
11~20 
21~30 風
31~40 
41~50 友奈
51~60 
61~70 東郷
71~80 
81~90 夏凜
91~00 

↓1のコンマ 

ゾロ目は樹  それ以外は死神 


そのピリピリとした空気

誰しもが躊躇し、黙り込む中で

たった一人、足を踏み出した少女がいた

友奈「久遠さん!!」

天乃「!」

ほぼ近接格闘の距離まで近づいた瞬間

天乃の右足が友奈の下顎めがけて振り上げられた

友奈「ッ!」

直撃したら致命傷

反動を受けても最悪脳震盪を起こしかねない

でも――躱せない

そう思った友奈の目の前で一瞬だけ小さな白い体が浮かび上がり、上空に消し飛んでいく

友奈「ぁっ」

天乃「くっ」

牛鬼だと、すぐに友奈は気づいた

牛鬼を助けるべきかと悩み、すぐにそれはダメだと前を向く


友奈「届けぇぇっ!」

叫び、伸ばした右腕が消し飛んだように視界から消える

一瞬、何が起きたのかと判断できず、

右手はどこにいったのと言葉が脳神経を駆け巡り

そして――絶叫になって口から吐き出した

友奈「つああぁぁぁぁぁっ!」

肩の付け根と手首

両方から酷く鈍くじわじわとなぶり殺しにされているような痛みと熱が流れ込んでくる

痛い。痛い。

痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い……ッ

でも、でもっ……っ

友奈「届……いた……っ」

左手が天乃の肩に触れ、

体はそのまま天乃の体に向かって倒れ込む

天乃「……っ、友奈!」

友奈「あ、ぅ……ぇ、えへへ……優しい久遠さんが、良いです」

抱きとめられ、目を合わせた友奈は辛そうな汗を滴らせながら

困ったような照れた笑顔を浮かべると

そのまま気を失った



   戦闘を終了します


樹海に被害が出ています
現実世界にも影響が出てしまいますが
天乃の精霊の力で抑えることが可能です


1、抑える
2、抑えない


↓2


※天乃の汚染度が上昇します

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(婚約、戦闘、通い妻①)
・  犬吠埼樹:交流有(婚約、襲う、貴女なら、キス、戦闘、通い妻②)
・  結城友奈:交流有(婚約、戦闘、通い妻③、命懸けの思い)
・  東郷美森:交流有(婚約、恋、言わない、戦闘、通い妻④)
・  三好夏凜:交流有(婚約、戦闘、通い妻⑤)
・  三好春信:交流有(婚約、見極める)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流有(樹海復旧)


6月9日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 43(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 77(かなり高い)
  結城友奈との絆 38(中々良い)
  東郷三森との絆 37(中々良い)
  三好夏凜との絆 53(高い)
  三好春信との恋 19(中々良い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 30(少し良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■% 表示できません


では、ここまでとなります
稲荷の精霊の力を使ったので、被害判定はなく
そのまま一日のまとめになっています

通い妻、月曜日担当は友奈ちゃんですが、
割と大ダメージなのでお泊りしています
そのため、朝から交流可能です


明日は早く、17時ころからの再開予定です



では、遅くなりましたが、再開いたします


汚染度に関しては、天乃が体内に溜め込んだ
バーテックス等の超常的な力のことです

溜めすぎて寿命削れるなんていうことはありませんが
適量が一番なのは確かな代物です

一応、【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/pages/66.html】これを作りましたので
いつか見てもらえれば、それで


√ 6月10日目 朝(新居) ※月曜日


天乃「きゃぁぁぁっ」

早朝。そんな悲鳴とともに鈍い音が一室に響く

その部屋の主である天乃が物の見事にベッドから転落したのだ

天乃「っぅ……」

寝ていたということもあって完全に受身を取り損ね、

強打した体の鈍痛に顔をしかめながらお尻を撫でる

天乃「なんなのよ……っ」

天乃のお尻からは狐の尻尾が生えてきており、

頭にも本物と見比べても遜色ない。むしろ本物そのものの耳が生えてきていた

天乃「友奈……は、ダメよね」

ベッドの上ではもう一人

結城友奈が横になっているのだが

流石に起こすわけには行かない

天乃「……よいしょっ」

右腕だけを使ってベッドによじ登り、今度はうつ伏せで横になる

圧迫される胸の苦しさに呻きながら体を横にして、友奈の方を見つめた

というのも、しっぽで友奈をはじき出す可能性があるからだ


友奈「すぅ……すー……」

天乃「……ごめんね」

今でこそ痛みに呻くこともなくなっているが

昨夜、戻った時は触れるだけで気絶状態から一気に覚醒して悲鳴を上げたりと

本当に酷い状態だった。

実際、勇者だったから無事なだけ

そうじゃなかったら今頃友奈の右腕は根元から消し飛んでいるに違いない

天乃「………………」

本当は、病院にでもすぐに運んだ方が良かった

いや、運び込みたかった

けれど、天乃が大赦に監禁される可能性を考え、友奈はそれを断って

一日だけ様子を見たら。と、言った

ふざけるなと天乃は言ったけれど、それでもと、友奈は譲らなかったのだ


天乃「………………」

天乃は昨日の戦いのほとんどをまともに覚えていない

おぼろげだ

途中から夢見心地のボヤけたものでしか思い出せない

覚えているのは

ただ、戦おうとしていたことだけ

何もかもを、打ちのめそうとしていた事だけ

天乃「今日は学校だけど、起こさない方が良いわよね」


1、友奈の頭を撫でる
2、友奈を抱きしめる
3、九尾を呼ぶ
4、春信を呼ぶ
5、樹
6、風
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、東郷は来客


天乃「………………」

天乃は友奈を抱き寄せるのではなく

自分から近づいて、その少女らしい体を抱きしめる

腫れていないし、呻きも聞こえない

寝息は穏やかで、表情は柔らかい

天乃「良かった」

貴女が無事で

貴女の苦しみがなくなって

友奈「ん……」

天乃「っ」

腕の中の友奈は小さな声を漏らすと

天乃の体を逆に抱きしめる

強く、優しく、抱きしめる

友奈「大丈夫……久遠さんは、私が守る……」

天乃「……なに、言ってるんだか」

目の前の友奈の表情。その口の動きを読んだ天乃はくすくすと笑った


言うまでもなく、天乃の方が力は上だ

でも、だからこそ

友奈はそんな天乃のことですら守ることが出来るという自分の夢を見ているのかもしれない

天乃「貴女が私を守るなんて早いわよ」

友奈「えへへ……」

天乃「ふふっ」

起きているわけではないのに

しっかりと反応しているような感じのする友奈に

天乃は笑みを浮かべる

こういうの……いつ以来かしら

二年間、どちらも動けないまま横になってた園子との生活

それを除けば二年ぶり

穏やかさに笑えるのは、本当。そんな感じだ


その愛おしさに身を委ねていると

友奈の手が天乃の胸に触れ、頭を寄せた

友奈「すーすぅー……すー……」

天乃「人の体を枕にしないでよ……もう」

とは言いつつも

まんざらでもなくため息をついた天乃は

普段、自分よりも背の高い後輩の頭を撫でて、笑みを浮かべる

天乃「いつでも貸してあげるから。ずっと元気でいなさい。ずっと、そのままでいなさい」

友奈「zzzzz………」

天乃「好きなだけ。させてあげるから」

聞こえていないとわかっているからこそ

面と向かっては言わない言葉を囁く

天乃「……貴女がずっと。貴女達がずっと。幸せであり続けられるように」


√ 6月10日目 昼(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷はメール


天乃「九尾、話があるのだけど」

九尾「耳と尻尾ならしばらくそのままじゃ」

天乃「それはもう諦めてるわよ。そうじゃなくて昨日の戦闘の件」

そう言った瞬間、

耳をピコピコと動かす天乃を見る目を変え

九尾は細めた厳しい視線を送る

九尾「妾とて、あれには少々驚嘆したぞ。主様の力があれほどとはのう」

天乃「驚嘆って貴女ッ」

九尾「無論。妾の力も関与はしておろう。じゃがな。主様。あれは紛れもなく、主様自身の力ぞ」

バーテックスを食したこと

攻撃が直撃しても頑丈さ

それらだけではないのだと、天乃は察して睨む

九尾「主様は神格に近い妾とほぼ同化して力を行使した。精霊の力の一片を借り受けるのとはわけが違う」

天乃「私が行使したって言うの? 私が私の意思で友奈を傷つけたっていうの?」

九尾「それに関しては妾も知らぬ。じゃが、おそらくは戦闘のみに集中していたがゆえに、接敵したと判断したのじゃろう」


天乃「そんなはず……」

友奈を敵と判断した?

ありえない

そんなこと、絶対にするわけがない

九尾「あるいは、主様の中の彼奴らの力がそうさせたのじゃろうな」

天乃「彼奴……バーテックス?」

九尾「主様も覚えておろう? 昨夜、バーテックスを喰らった事を」

天乃「ええ」

九尾「それによって、ごくわずかであれ、主様はその力を体内に溜め込んだ」

その結果

神樹の力

バーテックスの力

死神の力

九尾の力

様々なものが重なり合って、ぐちゃぐちゃになっていたのかもしれない

九尾はそう言うと、息をつく


九尾「だとすれば、主様。いずれ勇者部を誰か殺めることになるやもしれぬな」

天乃「冗談でもそんなこと……」

九尾「冗談と忠告を履き違えるほど、妾の主様は愚か者かえ?」

九尾のまっすぐな瞳に見つめられて

天乃は言いかけた言葉を飲み込んで、目を伏せる

嫌だ

そんなの嫌だ

絶対にしたくない

天乃「私……そんなことしたくないっ」

九尾「それは理解しておる。じゃがな……彼奴らの力を取り込むということは、彼奴らに近づいていくことに他ならん」

樹海の汚染

それによって現実世界に影響がある

それを防ぐためにと、稲荷の力を使えば逆に天乃が汚染されていく

何事にも代償が必要で、強力なものであれば、より大きな代償を要する

何かが失われるのを阻止するために、何かを失わなければいけない

九尾「……対策を妾でも考えては見るが、ふむ。極力、勇者の力は使わぬ方が良い。共鳴してことを起こしたら面倒じゃ」



1、考えるって、何ができるの?
2、共鳴ってどういうこと?
3、私は一体何なの? なんで、こんなことになったの?
4、死神さんなら。あの子なら、なんとかできるんじゃないの?


↓2


天乃「考えるって、何ができるの?」

九尾「逆じゃ逆。何ができるか考えるのじゃ」

困り顔でそういった九尾は

天乃の頭を撫でて頬に手を回す

九尾「焦るな。今はまだ平気じゃ」

天乃「でも」

九尾「一番良いのは、何がどうあっても小娘どもを敵と思わぬ絆を紡ぐことじゃな」

天乃「……?」

九尾「主様、あの時の相手が犬妹だったら、きっと踏みとどまれていた。ということじゃ」

九尾は嘲笑を浮かべると

今できるのはそれくらいしかないぞ。と言い残して姿を消す

天乃「犬妹……樹のこと。よね?」

なんでそんなことを言ったのか

天乃にはまだ、わからなかった


√ 6月10日目 夕(新居) ※月曜日


1、友奈に任せる
2、ねぇ、友奈はどうして身を呈してまで止めてくれたの?
3、友奈、ごめんね
4、全面的に悪いのは私よ……だから今日は私のことを好きにしていいわ
5、穏やかなままではいられないのよね


↓2


※通い妻イベントなので友奈のみです


天乃「ねぇ、友奈はどうして身を呈してまで止めてくれたの?」

私に近づくことが危険だと分かっていた

その可能性もある

でも、牛鬼を蹴飛ばされた段階で危険なのはわかったはず

それなのに、友奈は手を出して

すごい痛い思いをして、それでも……

友奈「優しい久遠さんが好きだからです」

天乃「優しい私?」

友奈「はい」

そういった友奈はほんのちょっと、気恥ずかしそうな顔で笑う

昨日の久遠さんは怖かった

久遠さんが久遠さんじゃなくなってしまうような怖さ

久遠さんがもう、普通の笑顔を見せてくれなくなっちゃうんじゃないかという怖さ

友奈「私、久遠さんの笑顔が大好きだからっ」

天乃「っ……」

友奈の浮かべる満面の笑みに

天乃は困った顔で、頬を染める

好きだと言われること、褒められること。天乃は嬉しくてちょっとだけ恥ずかしかった


友奈「だから、あのままはなんか嫌だなって思ったんです」

天乃「ほうっておけば戻ったかもしれないのに?」

友奈「久遠さんを放っておくなんて出来ないです。私も。みんなも」

友奈はちょっとだけ怒ったような

そんな膨れた頬でそういった

放っておく。その言葉が、友奈にとっては気に入らなかったのかもしれない

友奈「久遠さんは大事な、親……友達ですから」

天乃「……………」

友奈はちょっとだけ寂しそうな声で言う

友奈にとって、天乃は大切な存在だ

たった1ヶ月と少し

それでも、それだけの期間を共にしたことに変わりはないから


1、そうね……私も。親友の貴女やみんなを放ってはおけないわ
2、ふふっ。そう。ありがと
3、でも。あまり無理はしないで。私……殺してしまうかもしれないから
4、……そっか


↓2


天乃「そうね……私も。親友の貴女やみんなを放ってはおけないわ」

友奈「え?」

天乃「ん?」

友奈「えっと………」

友奈は天乃の言葉を思い出そうとして首を振る

ただ耳に入ってきた言葉

だから、それはついさっきにも関わらず曖昧で

もしかしたら自分がそう聞きたいと思っただけなのかもしれない

でも、もし本当にそう言ってくれたなら

でも、もしただ聞き間違えただけだったとしたら

でも

友奈「久遠さん、今――」

天乃「親友。貴女が言わないから私が言うわ。だって、意地悪だもの」

ふふっと楽しそうな悪戯っ子の笑みを浮かべる天乃に対して

友奈は少し呆然として、嬉しそうな笑みを浮かべて、そうですね。と、呟いて

友奈「久遠さんはすごく意地悪です」

そんな、思ってもないことを、言ってみた


では、此処までとさせて頂きます
絆値は結構重要なものです


天乃「私は意地悪よ」

九尾「そう思うなら、そうなんじゃろうな。主様の視点では」


では、再開いたします


友奈「それにしても、耳も尻尾もちゃんと反応するんですね」

天乃「えっ?」

友奈「フリフリしてますよ? 尻尾」

天乃「っ」

言われてようやく、自分の尻尾の反応に気がついた天乃は

慌てて抑え込む

もっとも、そうしている時点で反応はバレバレなのだ

もはや隠しようはない

友奈「頭撫でていいですか?」

天乃「嫌な感じがするからダメ」

友奈「ちょっとだけっ」

天乃「ダメ」

友奈「少しだけっ」

天乃「いーやー」

友奈「モフモフしちゃいますよ?」

友奈はそう言いながら両の手をワキワキとせわしなく動かして

天乃との距離を詰めた


天乃「ち、ちょっと友奈」

友奈「少しだけですから」

天乃「少しだけとかちょっとだけとかそういう問題じゃなくて……」

天乃が精一杯身を引くと、壁に背中がぶつかって止まる

逃げ場がない

でも、友奈はなおも迫ってくる

天乃「ゆ、友奈」

ベッドが僅かに沈む

十数センチ、数センチ

布団のくぼみが徐々に天乃へと近づいて

蟻地獄のように、体を沈めさせる

天乃「私はいやって、言ってるんだけど」

友奈「どうしても、触りたいんです」



1、拒否する
2、受け入れる
3、貴女、おかしいわよ?



↓2


懇願するような瞳に、天乃は拒否しきれなかった

というのも、天乃には友奈に重傷を負わせたという負い目があったからだ

勇者の力で何事もなく綺麗さっぱり癒えたとはいえ

その事実は揺るがない

だからこそ、天乃は小さく頷く

天乃「わかった。その代わり。優しくしてちょうだい」

友奈「もちろんですっ」

友奈は嬉しそうに言うと

早速と言わんばかりに天乃の頭を撫でる

天乃「ふにゅ……」

わしわしと強く。でも、傷つけないようにと配慮した優しい力で

耳と耳の間を掻き、くすぐるようなフェザータッチで耳に触れる

天乃「んっ……っ」

友奈「……………」

尻尾がピクピクとするのを確認すると

頭から手を離し、下顎を人差し指と中指で掻く

友奈の考えた通り。そうでなくても、ごく自然な反応として天乃は少し前かがみな状態で顔を上げる

天乃「んくっ……っ」

異常な程に心地よかった

ただ触られているだけなのに、九尾と同化しかけているからなのか

唯一動く右腕にすら、力が入れづらかった


友奈「えへへっ」

天乃の狐耳に生える薄い毛をなぞるように撫でて天乃の反応を見る

横に振られる尻尾の反応がまた、友奈には愛しくて堪らない

友奈「こっちも触っちゃいますね」

天乃「っ!」

友奈「大丈夫です、優しくしますから」

友奈はその手を天乃のお尻に這わせると

ピンと張った尻尾の根元を包むように掴み、ゆっくりと先端までスライドさせていく

天乃「んっ」

尻尾の毛は耳よりもはるかにふさふさとしていてボリュームがある

そしてなにより、滑らかで、低反発で

手放したくない。そう思わせる程の魅力があった

天乃「っ、ゆ、友奈、やめ。だめっ」

訴えてくる天乃を抱きしめて声を殺し、天乃の尻尾を両手で揉みしだく

腕の中でビクビクと天乃が震えるたび、頭を撫でて落ち着かせる

友奈「かわいい」

犬や猫を相手しているかのような感覚に、友奈は浸っていた


ではここまでとさせていただきます


友奈「私飼いたい!」

天乃「流石に怒るわよ」


では、再開しようかと思います


天乃「っ」

天乃の体は容易にベッドに押し倒すことができた

元々右腕しか抵抗力はなかったけれど

それでもしっかりとあった抵抗力は今はない

友奈の目の前にいるのは狐の耳と尻尾を生やした女の子だ

白い肌を朱に染めて

肩で呼吸し、熱っぽい声を漏らすその姿はまるで……

天乃「もう……やだ……っ」

瞳を潤ませ、天乃はそう言った

しかし、それは逆効果でしかない

天乃「んんっ、っ……友奈、やっ」

潤んだ瞳も、弱々しい声も

白い肌も、赤い顔も、豊満なバストも、獣の耳やしっぽも何もかも

すべてが愛らしく、好みで

友奈は天乃の尻尾を掴み、狐耳ごと頭を撫でる

友奈「大丈夫だよ。痛くしないよ」


人に怯える小動物に投げかけるような優しい声で友奈は言うと

頭からゆっくりと手を下に流して頬を撫でる

天乃の視線が動き、体がビクッと強張る

友奈「大丈夫。酷いことはしないから。ね?」

笑みを浮かべて手を止める

尻尾に触れる手も、頬に触れる手も動かさない

その温もり、その感触になれるのを待つ

天乃「わ、私……人間、なんだけど……っ」

友奈「……そうだった」

友奈ははっと気づいたように苦笑する

だが、果たしてそれは正気に戻ったのか

天乃が判別するよりも早く、友奈の手が天乃の首をなぞる

天乃「っ」

友奈「でも、久遠さん動物みたいで……私、久遠さんのこと飼いたい」



1、頬を叩く
2、馬鹿なこと言わないで
3、少なくとも。正気じゃない貴女に飼われるなんてゴメンだわ
4、もう少し様子を見る


↓2


天乃「馬鹿なこと言わないで」

天乃はそう言って、友奈を睨んだ。沈みかけていた力強さが戻っていたからか

友奈は目を見開いて、手を引く

下手に動けば手を噛みちぎられてしまう。そんな畏怖があったのかもしれない

友奈は頬に汗を垂らしながら、首を振る

友奈「怒らせるつもりは、なかったんです」

天乃「そんなことは分かるわよ。でもね、友奈。限度ってものがあるのよ」

嫌だと言った

それでもと願うから許可をしてしまった

そこで折れた自分も確かに悪いんだろう。そう考えつつも

天乃は友奈を睨み続ける

天乃「もう嫌。解放して。友奈」

友奈「…………………」

友奈は天乃をジッと見つめる

その瞳に、普段の友奈の明るさも優しさも何も感じなかった


01~10 
11~20 襲

21~30 
31~40 
41~50 泣

51~60 
61~70 
71~80 暴

81~90 
91~00 怒

↓1のコンマ  その他、引く


天乃「!」

一瞬、何が起こったのかを天乃は理解出来なかった

友奈の体が奥に消えるかと思っていたら

倒れこむように重なってきて

いつかの時のように、唇をも重ねられて

息が詰まって、胸が詰まる

抵抗する気力も削がれて、涙が溢れた

また。まただ……また、こうなった

九尾と今まで以上に密接につながっている関係上

魅了の抗力も多少は強力になってしまっているのかもしれない

でも、そんなことは関係ない

この行為が今の友奈の意志であろうと

その前後の友奈の意志かといえばきっとそうではないのだろう

天乃「……ごめん、ごめんなさい」

友奈が離れ、その小さな唇から透明の雫が滴る

襲われたはずの少女の口からこぼれた謝罪に、友奈は目を見開いて固まった

自分が何をしていたのか。何をしたのか。普段の結城友奈として気づいてしまったからだ


天乃「ごめんなさい。友奈」

違う。違う……違うよ

違うよ久遠さん、久遠さんは悪くない

何も悪くないはずなのに、どうして謝るんですか?

酷い事されたのに

嫌な事されたのに

止めてって言ったのに

無理矢理なことをしちゃったのは私なのに

友奈「ごめんなさい……ごめんなさいっ、久遠さんっ」

謝って済むことじゃない

大切なキス、大事な唇。それを勝手にしてしまったのだ

思い出してドキドキする無神経で不謹慎な胸を叩いて

友奈は首を振る

泣くほど嫌だったんだということに悲しい気持ちになる自分を振り払う

友奈「本当に、ごめんなさい」

悲しい気持ちになっているのは、久遠さんなんだから


友奈は何度も謝って、謝り尽くして、この場にはいるべきではないと。去っていった


ではここまでとなります。明日は普通通りに再開する予定ですが
多少、遅れるかもしれません。22:30頃から。など



九尾「戦闘中に絆値の高い勇者と接吻すると、合体して強力な勇者になるのじゃ」

天乃「ならないわよ」


では、少しだけになるかとは思いますが、進めていきます


√ 6月10日目 夜(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


天乃「ねぇ、春信さん」

春信「……?」

天乃「今日もソファで寝るの?」

春信「仕方があるまい。自分用の購入も考えたが、いささか面倒な制限があるようでね」

春信はそう言って困ったようにため息をつく

クレジットカードの制限があるのか

はたまた、店側から購入を止められてしまうのか

いずれにせよ、春信が購入することはできないらしい

隠れて出来たとしても

使用人に処分されるのが関の山だ

春信「上はどうしても……というようだ」

天乃「そっか」

春信「……何かあったのか?」

天乃「別に」

春信「何もなかったようには見えないが……」


経験の浅い春信から見ても、天乃の様子は何かおかしかった

当たり前だ。親友と言った相手に強引に【唇を奪わせた】のだから

意図的ではないにしても

そうなると分かっていながらなんの手も打たなかった以上

自分の責任以外の何物でもない。と

天乃は考えていたのだ

天乃「春信さんに話しても。仕方がのないことだから」

春信「しかし――」

天乃「でも、事実なの。話したところで、貴方がどうこう出来ることじゃないの」

天乃の冷たい拒絶に春信は少し驚きながら、首を振る

そうかもしれない

けれど、人として。

そこはなにかしてあげるべきなのではないだろうか。と、思っていた



1、それよりも。今日は試しに一緒に寝ましょう?
2、ねぇ、私が貴方とキスをしたいと言ったら。してくれる?
3、キスさせたの。友奈に
4、何も言わない
5、ねぇ、久遠天乃って一体なんなの?



↓2


天乃「ねぇ、久遠天乃って一体なんなの?」

春信「キミの名だ」

天乃「それは分かってる」

天乃の答えにだろうな。と、春信は困ったように返す

難しい問いに答えるのは

春信ならできないこともない

しかし、だからと言って正解を言えるかどうかはまた別だった

久遠天乃とはなんなのか? 春信が知っているのは

【危険人物】、【面倒くさい】、【抜けてる】、【おっきい】

【可愛いところもあるけど基本的に可愛くない】

【性悪】、【手を出したくなる】、【褒めちぎると照れる】

【久遠家後継】、【化け狐】、【勇者】

そして……

春信「ほかにはなく、久遠家に唯一引き継がれる特殊な力を純粋に受け継いだ証だ」

天乃「………………」

春信「それがどのような力であるのかは、私も。君の兄も知らない。霊力や妖力としてはいるが、正しいとは限らない」


春信「久遠天乃とは、一説では久遠=永遠。天=理想郷。つまり、人々が求める理想というものもある」

天乃「……私が理想?」

春信「あるいは、君が作り出すのを期待しているのかもしれない」

そういった春信自身が首を振る。

だとすれば、今の大赦による天乃の扱いはなんなのか、分からなくなるからだ

天乃の祖父母

そして大赦側から春信が託されたのは

天乃の後継者を作り、完全に無力化させること

互いに敵視しているような張りつめた関係が2年近く続いていたというせいもあるのかもしれないが

何を仕出かすか分からない天乃から一刻も早く力を奪いたい。そう思っているのだという推測も笑い話にはならない

春信「しかし、周りがどうであれ、意味がどうであれ。今ここに生きる君が久遠天乃だ。その意味は――君が作るんだ」

春信がそう言うと、天乃は驚いた様子で苦笑すると

ありがとう。と、呟いて目を伏せる。春信はいつかの夏凜にしていたように

天乃の頭を撫でようとして、手を引っ込める

天乃「……?」

春信「いや、何でもない」

春信には、勇気が足りなかった


では、ここまでとなります
明日もおそらく通常通りになるかもしれません


春信のはあくまで推測です。全て正しいとは限りません。ご了承ください

では、早いですが、少しずつすすめていこうかと思います


春信「それで……なのだが」

天乃「うん」

春信「やはり、寝る場所は別で願いたい」

天乃「……………」

真面目さゆえ

経験不足ゆえ

天乃を見つめることのできない春信だからこそ

魅了の力に影響を受けていないのかもしれない

年齢に見合わず目を逸らす春信を見つめ、天乃はくすくすと笑った


1、なら、せめて。貴方は薄い布団を使って
2、なら、私と場所を交換しましょう?
3、大丈夫よ。貴方なら。一緒に寝ましょう?
4、……そう。いつか、並んで寝られるようになるといいわね


↓2


天乃「……そう。いつか、並んで寝られるようになるといいわね」

春信「っ、君という人は……」

天乃「うん?」

春信「何でもない」

天乃の誘うような言葉に反応を示しながらも

春信は振り切って、ため息をつく

相手は女子中学生だ

なのにも関わらず、春信には年相応の少女には思えなかった

狐の耳が生え、狐の尻尾が生えている

でも、それだけではない何かを感じた

天乃「どうしたの?」

春信「その耳と尻尾は、しばらく残るのか?」

天乃「ええ」

春信「そうか……」

天乃「なに?」

春信「いや……そういう装飾品も。君は似合うな」

春信はそう言って、部屋を出ていった

天乃「……………………」

一人きりになった月明かりだけの部屋で

天乃「………ふふっ」

少女の笑い声が、小さく響いた

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流有(抱きしめる、身を呈して、親友、もふもふ、接吻)
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流有(久遠天乃について、一緒に)
・     九尾:交流有()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月10日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 43(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 77(かなり高い)
  結城友奈との絆 43(少し高い)
  東郷三森との絆 37(少し高い)
  三好夏凜との絆 53(高い)
  三好春信との恋 22(中々良い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 30(少し良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


√ 6月11日目 朝(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、東郷は来客


※友奈は判定に出現しません


01~10 風
11~20 樹
21~30 東郷
31~40 九尾
41~50 春信
51~60 死神
61~70 夏凜
71~80 須佐之男
81~90 樹
91~95 九尾
96~00 春信

↓1のコンマ 


勇者部は奇数なら来客 偶数ならメール 


夏凜「どう? 調子は」

天乃「調子は良いわよ? 調子はね」

夏凜「みたいね」

パタパタと振られるしっぽを見つめ、夏凜は苦笑すると壁に寄りかかる

椅子には座らない

座ると近い。だから、離れる

夏凜「本当はメールにでもしようかとは思ったんだけど、まぁ。見たほうがいいと思ったのよ」

天乃「あんまり見ないで……」

照れくさそうに尻尾を抑える天乃はそう言うと

こほんっと、わざとらしく咳払いした

夏凜「尻尾は嘘つかない。あんたにはちょうどいいじゃない」

天乃「うるさいっ」

夏凜「ったく……友奈は?」

天乃「昨日のうちに家に帰ったけど?」

夏凜「耳がびくって下挙句、尻尾が折れた件には触れないべき?」


天乃「……見ないで」

夏凜「……………」

まだ扱いに慣れていない尻尾と耳は

夏凜が言うように、やはり嘘をつくことはできず

友奈と何かあったのだと示す

照れくさそうな雰囲気は一瞬にして陰り

暗い雰囲気を醸し出す天乃は夏凜を見つめ、笑みを浮かべる

心配ない

問題ない

そう言いたげなその表情は

夏凜に踏み出す一歩を許さなかった

夏凜「どうしたのよ。天乃」

それでも。夏凜は心の中で、足を上げた


1、何もなかったわ
2、貴女とね。同じ……友奈の唇。貰っちゃった
3、私、いつか勇者部の誰かを殺すかもしれないって。九尾に言われたの
4、何も言わない


↓2


天乃「貴女とね。同じ……友奈の唇。貰っちゃった」

夏凜「っ」

それがあたかも望んでいたかのように

それを喜ばしく思うかのように

痛々しいとさえ思わせるような笑みを浮かべて

天乃は言った

天乃「見た目相応に柔らかくて。少し、気持ちが良かった」

夏凜「……やめなさいよ」

天乃「このまま行けば勇者部みんなの唇もらえちゃうかも」

夏凜「やめろって言ってんでしょ」

天乃「ファーストキスだったら――」

夏凜「天乃ッ!」

天乃「っ……」

笑みをやめず、言葉を止めない天乃に耐えかねて、布団を叩く

夏凜「あんたが望んでないことだったことくらい……私には分かんのよッ!」


夏凜も友奈と同じく、天乃に強引なキスをした

そして、それが天乃の能力による好意の暴走とまでは知らないにせよ

何らかの理由で弾けてしまったという事は分かっていた

夏凜「強引なチ、キ、せっ……アレだったとしても。その行為自体を友奈はしたかったはず」

強引にしたかったわけではないだろうし

キスをしたかったとも限らない

でも、天乃とより親密な交わりを望んだのは確かだと、夏凜は思っていた

もちろん、あの時の自分がそうだったからだ

夏凜「友奈はきっと、自分の欲望のためにあんたを傷つけたことを悔やんでると思うし」

天乃「………………」

夏凜「友奈のことだから、きっとごめんなさいとしか言わなかったんでしょ。だから、あんたも必要ないもの背負ってるんでしょ?」

天乃「違う」

夏凜「何が違うのよ」



1、魅了の能力を教える
2、教えない


↓2


天乃「貴女や友奈が私にキスをしたのは、私に魅了の力があるからよ」

夏凜「魅了……? 誘惑ならあんたの言動自体がそうなんだけど。それ以外で?」

天乃「ええ」

半ば冗談のつもりで本音を言った夏凜は

触れることなく流されたことに驚きつつも

だからこそ冗談でも何でもないのだと判断して、頷く

夏凜「具体的にはどういうことなのよ」

天乃「九尾が言うには、私とその……交合したくなるらしいの」

夏凜「交合って?」

天乃「キスとか、その。俗に言う……エッチなこと?」

真面目な話

でも、恥ずかしい言葉に照れる天乃を見つめ

夏凜はゴクリと息を呑む

夏凜「つまり、今あんたを抱きしめて滅茶苦茶にしたいとか思ってるわけだけど、そういうことを思っちゃうってわけ?」

天乃「うん」

夏凜「だったら、自分自身の理性が頑張ればいいだけの話じゃない」

手を震わせ、冷や汗をかきながら。夏凜は苦し紛れの笑みを浮かべた


滅茶苦茶にしたいとまで思わないにせよ

常日頃、頭を撫でたいとか

手をつなぎたいだとか、もうちょっと近くに寄りたいだとか

思うことはあるわけで

魅了の力の影響を受けているにせよ

思考がその延長線上でしかないのなら耐え凌げばいい

夏凜はそう思ったのだ

夏凜「元々、あんた色々と問題があるのわかってる?」

天乃「問題?」

夏凜「笑顔とか、仕草とか、目を引くものがあるし、誘うような言葉だって平然と言うし……」

夏凜は少し目をそらしつつそう言うと

頬を赤く染めながら、言い放つ

夏凜「魅了の力があるとか言うけど、そんなのなくったって。あんた人のこと惑わせすぎてんのよっ」

天乃「そんなつもりは」

夏凜「ない。でしょうね、あんたはそういうやつ。そういう奴なのよ。理解った!?」


怒鳴る迫力を損なった言葉を視覚で聞き取り、

天乃が首をかしげると

夏凜は困った表情を浮かべて髪をかき、ため息をつく

夏凜「だから……無理やりさせたとか思う必要ないのよ。あんたは変わらない。私たちが……」

天乃「?」

夏凜「………………」

人の好意を理解してくれない人

理解しないからいつまでたっても

誘惑するようなことばかりする

だから……ここまで言っても首をかしげたんだろう

そう判断した夏凜は穏やかな表情で天乃を見つめて、口を開く

夏凜「私達が変わった。あんたを好きになった。あんたともっと近づきたいと思うようになった。それだけ」

天乃「好きって――」

夏凜「友人とか言ったら怒るわよ? 流石に友人でキスはない」

天乃「ぅ」

釘を刺され、押し黙った天乃

その一方で、夏凜は続ける

夏凜「でも、あんたに常識は期待できないし。そういう面で常識を無くしてくれても……いいけど」

キスをしようと友人以上恋人未満

そんな少しズレたことを言ってみた


では、此処までとさせて頂きます



今回の夏凜ちゃん翻訳

全部ひっくるめて→夏凜「悲しそうな顔するんじゃないわよ。皆、あんたの笑顔が好きなんだから」


昨日は出来ませんでしたが、今日はお昼頃からやっていこうかと思います


では、再開します


夏凜「というかさ、あんた好きな相手とかいるわけ?」

天乃「え?」

夏凜「思ったんだけど、あんたの魅了。好きな人がいれば全部その人だけに向くんじゃないの?」

夏凜の考えはこうだ

好きな人に自分を魅力的に見せたいというのは誰しもが思うことだし

天乃にもそういう相手ができさえすれば

その誰にでも向く厄介な能力が

相手一人に固定されるかもしれない。と

天乃「そう言われてもね」

夏凜「恋を知らない? だから私たちが日替わりであんたに会いに来てるんでしょうに」

夏凜がため息をつくと

天乃は少し残念そうに笑みを浮かべる

天乃「それがないと、会いに来てくれないの?」

夏凜「っ………だ、だからそういうのを止めて欲しいのよ」

上目遣いに求めてくる天乃から目をそらす

これは面倒だと、思った


天乃「そういうのって?」

夏凜「言葉を選べって言ってんの!」

そう怒鳴って、息をつく

恋を知るために一週間交代交代でとは言ったが

1日は休みでも6日

その中の5日間は女の子相手

夏凜「……………」

天乃「難しい顔してどうしたの?」

夏凜「いや、なんか変な感じがしたのよ」

異常な恋愛というのはいささか嫌だけど

でも、男女の普通の恋愛ではないことを

天乃にさせようとしてる。そんな気がしてならない

誰かが狙ってなのか

ただ、偶然こうなってるのか

夏凜「……今日は東郷か」

少し、夏凜には引っかかりを感じた


√ 6月11日目 昼(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


友奈へのメール内容


1、友奈を責めず、魅惑の件を伝える
2、昨日のことは忘れましょう
3、夏凜や樹ともしたわ。貴女だけじゃない。だから、キスくらいは、ね?
4、間接キスは良くて、キスはダメ?



↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

友奈

昨日の件、別に貴女のせいではないわ

私にはね、人を魅了する能力があるの

冗談じゃないし、貴女のために優しい嘘を言ってるわけでもない

実際に私にはそういう能力がある

貴女が私にそういうことをしてしまったのは

それのせいなのよ

貴女が悪いと思う必要なんてない

貴女が自分を責める必要もない

ごめんね。貴女のキスを貰ってしまって

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……こんな、感じかしらね」

友奈は何も悪くない

夏凜は私も悪くないとは言うけれど

でも、やっぱり私が悪いから

それに……これは誰も悪くないなんて、言えないだろうし


友奈がファーストキスだった可能性は高い

というか、多分そう

それをあんな形で奪ってしまったんだから

友奈は固執することはないとは思う

でも、キスというものを知るのが私とのあんなものだなんて

やっぱり……嫌だったろうし

天乃「返事……返ってこない」

まだ送って十数分

返事が来ないと思うには、まだ早いかも知れない

天乃「友奈、すごい罪悪感感じてたし」

もしかしたら口を聞くべきじゃないとか

もう関わるべきじゃないとか

思っちゃったり、してるんじゃないかしら

少し、不安になった



01~10 東郷
11~20 風
21~30 夏凜
31~40 友奈
41~50 樹
51~60 夏凜
61~70 風
71~80 東郷
81~90 友奈
91~00 樹

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

間違ってればいいんです

でも、すごく気になるので、一応、話しておこうと思います。

今日、友奈さんが学校を欠席したそうです

東郷さんが迎えに行った時

今日は具合が悪いから休む。そう言ったらしいです

でも、東郷さんはそれがおかしいって言っていました。

顔を合わせる以前に、部屋にすら入れてくれなかったそうです

両親も部屋に入れてくれてなかったそうです

でも

私が気になるのは友奈さんが欠席したことじゃないです

昨日、久遠さんと何があったのか。です

夏凜さんと同じことがあったとか……だったりしますか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……意外に鋭いのね」

受信したメールは友奈からのものではなかったが

友奈が今どんな状況なのかを知らせてくれる内容で

どうしてそうなったのか、どの理由や原因を知っている樹からのメールだった

天乃「ええ、キスしちゃった」

そう言って唇に触れる

やっぱり、キスと指では感覚が違っていた

>>765訂正


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

間違ってればいいんです

でも、すごく気になるので、一応、話しておこうと思います。

今日、友奈さんが学校を欠席したそうです

東郷先輩が迎えに行った時

今日は具合が悪いから休む。そう言ったらしいです

でも、東郷先輩はそれがおかしいって言っていました。

顔を合わせる以前に、部屋にすら入れてくれなかったそうです

両親も部屋に入れてくれてなかったそうです

でも

私が気になるのは友奈さんが欠席したことじゃないです

昨日、久遠さんと何があったのか。です

夏凜さんと同じことがあったとか……だったりしますか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……意外に鋭いのね」

受信したメールは友奈からのものではなかったが

友奈が今どんな状況なのかを知らせてくれる内容で

どうしてそうなったのか、どの理由や原因を知っている樹からのメールだった

天乃「ええ、キスしちゃった」

そう言って唇に触れる

やっぱり、キスと指では感覚が違っていた


でも、樹には全部話してるし

もしかしたらそうなのかもって考えついてもおかしくないかも知れない

天乃「でも、ここで重要なのはそれじゃない」

友奈が学校を欠席するほどに思い悩んでいるということ

欠席していて時間は有り余っているはずなのに

メールの返事が20分以上経っている今もなお、返ってきていないということ

天乃「友奈」

電話ができないのがもどかしい

自分勝手に会いに行けないのがもどかしい

できるのなら

窓を蹴破ってでも友奈と顔を合わせに行くのに

天乃「貴女が苦しんでいるのはなぜ……?」

聞くまでもない

私にひどいことをしてしまったと

自分に失望し、後悔し、責め立てているからだ


友奈は悪くない

私にはそういう能力があるから

一応そういうメールは送った

でも、友奈が見てくれていなければ意味はない

見てくれたとしても

それでも自分が悪いと思っていたら意味がない

天乃「まったく……」

友奈は他人を気にしすぎるあまり、自分を疎かにしているフシがある

以前、自身も似たことを言われた気がする。と

天乃は苦笑して端末を握る

あなたのキスは気持ちが良かった

貴女とのキスは嫌なんかじゃない

とても嬉しかったと。そういえば、事は収まってくれるのかしら


1、友奈にメールを送る
2、樹にメールを送る
3、勇者部一斉送信で誰かとキスがしたいと送る



↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ええ、そうよ。

貴女が言う通り、私は友奈とキスをした

状況的にはされたっていう方が正しいかも知れない

でも、本当に正確に言うなら

友奈にキスをさせた。かしらね

いずれせよ、そんなことがあったのよ

友奈がふさぎ込んでるのは、それが理由

きっと、私にひどいことしたって悩んでるのよ

貴女は悪くない。私には魅了する力があるからって送り歯したけど返事もない


このまま、疎遠になっちゃうのかな

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……いってらっしゃい」

送信ボタンを押して、メールを送る

樹に何でもかんでも話しちゃうなんて

本当……頼りきってばっかりだ。と

天乃は顔をしかめて息をつく

天乃「ただの信頼では収まらないんでしょうね、きっと」

自分のことなのにも関わらず

天乃から見た樹との関係は曖昧だった


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

やっぱりですか……

友奈さんは大丈夫かなって思ってはいたんですが

やっぱり、久遠さんの魅力には勝てなかったみたいですね

友奈さんに魅了の力のことを教えたのなら

自分が久遠さんをそういう方向で好きなんだと悩み始めちゃって

返事を書けなくなった可能性が高いので、気にすることはないと思います

私も多分……そんなことになりますし。


一週間、全員と恋人のようなことをする。

これ、かなり危険なことなんじゃないかなって今更ながら思います。

久遠さんの前に友奈さんが恋を覚えてしまったわけですし

東郷先輩から言い出したと聞きましたが

その時の東郷先輩……もしかしたら

魅了の力に惑わされていたんじゃ……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……えっ」

東郷がもしも魅了されていたとしたら

そのせいでこんな誰かと恋人のようなことをするという話を出したのなら

今日……結構不味いのでは?

天乃「あと数時間足らずで放課後なんだけど」

どうしようもない

諦めるしかない

東郷ともキスしてしまえ

諦める心の言葉にため息をついた


時間的に午後の授業が始まってしまった

メールは送っても見るのは放課後

それではきっと、間に合わない

天乃「こ、言葉に気をつけるんだったわよね」

夏凜はそれで怒ってたし

あと、仕草でも

どんなことが悪いとか言われなかったけど

普通にしておけばきっと大丈夫

そう思って、臀部と頭部に感じるないはずの感覚に目を伏せる

天乃「東郷……動物嫌いだといいな」

そんなことはないと分かっていながらいう言葉は酷く虚しく

天乃は窓の外を眺める

まだまだ明るい

でも、もう午後に入った時間

気を付けよう

それだけを念頭に置こうと決めた



1、樹に救援メールを送っておく
2、送らない


↓2


天乃「そこまで巻き込むのは、ダメだよね」

樹なら飛んできてくれそうな気がする

でも、これは別に戦いじゃない

天乃「夏凜に取られて、貴女として。友奈に取られて」

果たして、東郷とはどうなるのやら

大切な、大切な

天乃の親友の親友で

天乃自身の親友でもある少女の記憶を失った少女

天乃「キスは奇跡を起こすから、キスって言うのよ? なんて」

冗談をつぶやいて、端末の画面を消す

東郷がくるまで

もう、あまり時間はなかった



√ 6月11日目 夕(新居) ※火曜日

通い妻イベント中なので交流は東郷のみ


1、東郷に委ねる
2、友奈のことはいいの?
3、で……貴女は私と何がしたいの?
4、私にはね、魅了の力があるの
5、友奈とはキスをしただけよ。魅了の力に優奈が逆らえなかったの


↓2


天乃「いらっしゃい。東郷」

東郷「……こんばんは。久遠さん」

友奈が欠席したにも関わらず

わざわざ私の所に来るのはなぜかしらね

1、自分が言い出したことだから

2、友奈に何があったか聞き出すため

3、友奈よりも私に興味があるから

4、東郷が東郷ではないから

この中に正解はない可能性もある

というより、3番の自意識過剰の度合いは鼻で笑いたくなる

でも、冗談じゃないから恐ろしい

天乃「私、女の子役でいいかしら?」

東郷「と、言うと?」

天乃「貴女にリードして欲しいのよ。今日は」

東郷「……分かりました」



01~10 デート
11~20 キス
21~30 デート
31~40 寄り添う
41~50 キス
51~60 襲
61~70 寄り添う
71~80 友奈ちゃんにしたことをしてください
81~90 デート
91~00 襲

↓1のコンマ  


天乃「っ!」

車椅子ゆえに

接触までのラグがあると踏んでいた天乃に対して

東郷はほぼ一瞬で右腕を押さえ込んだ

どのくらい近づけば反応に勝るのか

どのくらいのチカラで身を投げ出せばいいのか

計算されたその行動に、天乃は思考を抜かれたのだ

東郷「恋人は何をするか、ご存知ですか?」

天乃「貴女ほど、怖い子はいないと思っていたわ」

東郷「……………」

天乃「貴女はこの数日頑張った。頑張って、負けた」

そうでしょう? と、天乃は笑みを浮かべる

右腕を押さえ込まれてもなお、余裕があるからではなく

余裕がないからこその笑だった

それはある種の諦念と言ってもいい思考だ

天乃「それほど私を愛してくれているというのなら……ううん。私の答えはもう、貴女に伝えたわ」


東郷「……この場でそう、言えるのね」

東郷は天乃を襲った

リードしてと頼まれたから。そんな言い訳など通用しないようなことをしようとしている

それを知らないから?

いや、そんなはずがない

分かっていなければ困惑している

しかし、天乃の表情に困惑の色はなく

むしろ悟っているような、表情だ

東郷「久遠さんはどうして、抵抗しないんですか?」

天乃「……物凄く酷いことまではしないって、思うから」

東郷「人を信じすぎてはいませんか?」

天乃「…………………」



1、疑うよりは。マシでしょう?
2、信じるほうが、私は好きよ
3、親友を信じて、何が悪いの?
4、それが私の、長所と短所だから
5、信頼っていうのはね? 諦めてこそ成立するのよ


↓2


天乃「まぁ……それが私の長所と短所だから」

東郷「………………」

きっと、この人は本気でそう言っているんだろう

真面目に、そう言っているんだろう

どこまでも信じてしまいそうなその表情は

私にとっては……少し痛い

信じるべきと思っていたものを

信じられなくなってきた今の私にはとても痛い

東郷「久遠さんが羨ましい」

天乃「なぜ?」

東郷「私はそんなに……信じることができないからです」

東郷はそう言って、天乃の顔に自分の顔を近づけていく

長い髪が垂れて、天乃にかかって覆い隠す

東郷「だから」

天乃「…………………」

少女は裏切る

その信頼が、途切れてしまえるように


√ 6月11日目 夜(新居) ※火曜日

01~10 
11~20 東郷残留
21~30 
31~40 友奈

41~50 
51~60 
61~70 九尾

71~80 
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ  


東郷残留 継続

01~10 
11~20 終わらない

21~30 
31~40 
41~50 終わらない

51~60 
61~70 
71~80 
81~90 終わらない

91~00 

↓1のコンマ


※東郷 37=30%  


東郷「……これでもまだ。私を信じてくれますか?」

天乃「聞く意味なんてないわ」

キスなんて

襲われて2回、同意の上で1回経験したし

しかも襲われたうちの1回は延々とされ続けたわけで

まぁ、残念ながらというべきか

その程度では、まだまだ動じなくなった

東郷「夜はまだまだ長いです。そして、私が今だにここにいる。それが意味することがわかりますか?」

天乃「貴女は今日、ここに泊まるっていうことでしょう?」

東郷「はい」

朝までとは言わない

けれど、まだ色々なことが出来てしまうという脅しに

天乃は苦笑を返して、首を振った

天乃「長いキスは息ができないから止めてね」

東郷「呼吸したければ受け入れろ。というのが有効ということですか?」

天乃「既に受け入れてるわけだけど?」


東郷「……ふふっ、本当に、貴女が羨ましい」

一瞬だけ目を見開いていた東郷は

笑の中に戸惑いを押し隠して、そう呟く

どこまでも信じることのできる無謀さ

それは、神樹様を神樹様と呼ばない姿からはかけ離れた姿

綺麗に二分化した久遠天乃という存在に、東郷美森は羨望の眼差しを向ける

そしてそれと同時に、

引っくりがえっていた自分を引き上げた

東郷「……すみませんでした」

天乃「うん?」

東郷「久遠さんに、無理矢理口付けをしてしまったことです」

天乃「ああ……なるほど」

そのあとには戻ってきたのね。そんな言葉が続くような気がしたが

東郷のそんな予想に反して、天乃は笑みを浮かべた



1、別に良いわよ。キスは何度か経験したし
2、気にしないで良いわ。貴女で勇者部4人目だもの
3、ふふっ。あなたのファーストキスで。お代は結構よ
4、ううん。私には魅了の力がある。それが原因だし、貴女に謝られても困るわ


↓2


天乃「ううん。私には魅了の力がある」

東郷「魅了の力?」

天乃「そう。それが原因だし、貴女に謝られても困るわ」

東郷「……冗談では、なさそうですね」

東郷は天乃の耳と尻尾を見つめて首を振る

モフモフしたいという衝動が強く

確かにその通りだと思ったのだ

天乃「別にこれが原因とかではないからね?」

東郷「は、はい……って。待って久遠さん。ということは」

天乃「さすがね。察しがいいのは嫌いじゃないわ」

東郷「……だから友奈ちゃんは今日欠席を」

友奈が欠席した理由

東郷は天乃の言葉と友奈の行動を遡ることでそこにたどり着いた

東郷「だからそう平然としていられたんですね……」

天乃「友奈の心配はしないの?」

東郷「友奈ちゃんからは久遠さんと同じような相談を受けていましたから」


天乃「同じようなって……どういうこと?」

東郷「あっ」

天乃「ねぇ、ちょっと」

東郷「ごめんなさい。久遠さんじゃなかったです」

慌てて取り繕って答えた東郷は

天乃が身を引いたのを見つめて息を吐く

友奈ちゃんがキスしたことを心配しない

その理由が久遠さんの相談と同じような相談を受けていたから。なんて知られたら

ドキドキが恋であることがバレちゃう

それは……嬉しくない

天乃「で、貴女こそ良かったの? 私として」

東郷「本望です」

天乃「そ、そっか」

はっきりと即答され、思わずたじろぐ

それだけの好意があったからこそ襲われた

そう考えると、やはり申し訳なく思った



東郷「久遠さん」

天乃「?」

東郷「えっと……」

どうしてそんなにも人を信用できるのに

神樹様を神樹様と呼べないんですか?

そう聞こうとして、口を閉じる

それは聞いてはいけないことかもしれない

だから、聞くのは辞めておこう

でも、久遠さんのことだから

元々そういう性格なのかもしれない

本当、放っておけない人だよね。友奈ちゃん

東郷「今まで、誰とキスをしたんですか?」


1、夏凜と友奈、東郷。それと……樹
2、貴女含めて勇者部4人
3、教えない


↓2


天乃「夏凜と友奈、貴女。それと……樹」

東郷「っ」

天乃「東郷?」

ついさっきしたのは私だ

だから、順番で答えたのなら私が最後のはず

……ううん

それ以前の問題だわ

東郷「もう、私以外の3人としてるなんて思わなくて」

樹ちゃんの名前を言った時の

久遠さんの声、久遠さんの表情

狐の耳と尻尾の動きがそうだと教えてくれた

久遠さんがドキドキするのは樹ちゃんなんだって

天乃「ふふっ、あとは風でコンプリートなのよね」

東郷「笑い事じゃないですよ。久遠さん」

天乃「そうね」

東郷「………………」

その返事は解ってない一言なのだと、東郷はすぐに理解った


樹ちゃんが久遠さんのこと……

いや、キスをしたのだからそういうことなんだと思う

そして久遠さんも樹ちゃんを

なのに、そのお姉ちゃんである風先輩とも関係を持っちゃうなんて

問題があるなんてレベルの話じゃない

東郷「ッ」

でも

なんで、それを教えたくないのかしら

樹ちゃんが久遠さんを。久遠さんが樹ちゃんを

それを言えばいいだけなのに

天乃「東郷?」

東郷「少し考えさせてください」

天乃「なにを?」

東郷「色々と」

東郷の疲れた表情に疑問を抱きながらも

天乃は下手な追求は避けて頷く

考えるなら考えさせておいたほうがいい。今はまだ。そう思ったからだ

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流有(友奈との出来事)
・  結城友奈:交流有(あなたは悪くない、魅了)
・  東郷美森:交流有(委ねる、襲う、長所と短所、魅了、キスの経験)
・  三好夏凜:交流有(友奈とキス、魅了)
・  三好春信:交流無()
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月11日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 43(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 78(かなり高い)
  結城友奈との絆 46(少し高い)
  東郷三森との絆 43(少し高い)
  三好夏凜との絆 55(高い)
  三好春信との恋 22(中々良い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 30(少し良い)
      死神との絆 24(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


√ 6月12日目 朝(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈は来客
※東郷はお泊り中なのでダイレクト交流


天乃「死神さん」

死神「ウン?」

天乃「……貴方は私とキスしたいとか思わないの?」

死神「ワタシハ、クオンサントユウゴウ、シテルカラネ」

死神は照れくさそうにそう言うと

天乃の周りをくるりと回る

天乃「融合?」

死神「ウンッ」

天乃「……耳? 尻尾?」

死神「ウウン。モットベツ」

死神の仮面から見える瞳からではその内面を把握できない

死神「ダイジョウブ。スベテハ、シンジュニハワタサナイカラ」

天乃「貴方………」

死神「ソレヨリ、ワタシ、ナンデ、ヨンダノ?」

ころっと態度を変えた死神に

天乃は不穏な何かを感じた


1、この尻尾とか取れない?
2、魅了の能力。あれ、夏凜が言ってたようにならないの?
3、次から貴方で勇者になるわ
4、教えなさい。どういうことなの


↓2


天乃「教えなさい。どういうことなの」

死神「……………」

死神は少し考えてから

小さく頷くような素振りを見せて、鎌を振る

まるで

斬り殺すか否かを見定めて

殺さないことを選んだかのようだった

死神「クオンサンハ、マンカイノ、カイスウヲ、セイカクニオボエテル?」

天乃「えっと……」

正確に覚えているかと言われれば、頷き難い

銀のこともあって全力全開の満身創痍

満開の連続に次ぐ連続

天乃「でも右足、左足、左腕、記憶、味覚、右耳、左耳の七つを失ってるし……」

精霊だって初期の死神を抜けば満開七回分

しかし

死神「アシハキャクブ、ミミハ、チョウカク。フタツデ、ヒトツ」

死神はそう言った


天乃「どういうことよ。残り2回は?」

死神「クオンサンガモツ、チカラヲワタシガツカッタ」

天乃「う、うん?」

上手く話が飲み込めない私の隣に

死神ではなく、九尾が姿を現すと、ため息をついた

九尾「主様の中の汚れ。稲荷の力を使った時にも増える例のアレじゃ」

天乃「……じゃぁ、なんで精霊が7体もいるのよ」

九尾「ふむ。主様。主様の精霊の中に、明らかに霊力や妖力、神力のない奴がおる」

死神「ダーレダ」

にっこり笑う死神を鷲掴みにしながら

九尾を見つめる

九尾「嘘ではないぞ? よく思い出してみよ」

天乃「………………」

九尾の表情に、偽りは感じられなかった


今回はここまでとなります

12月は諸事情で投稿のない日が増えるほか
日曜日も通常営業(22時以降の投稿)になるかと思います

早くできる日は前日に告知します


今のところ、死神は寿命で満開していません


では、再開いたします


私の精霊は全部で8体

死神、九尾、稲荷、須佐之男、カワウソ、火明命、穿山甲、大熊猫

死神や九尾達に力がないというのはありえないとして省いていくと

残るのは穿山甲と大熊猫

カワウソは一見、可愛い小動物だけど

九尾と同じように幻惑系の能力を持つ妖怪のたぐいだと、学んだ

天乃「穿山甲と、大熊猫よね?」

死神「ウン。ソレハ、ワタシガシンジュノマネ。シテツクッタ」

九尾「何が作った。じゃ。ただ単に、輪廻転生の理から弾き出しただけじゃろうに」

死神「……ソコニナガレテキタモノ。モホウシタ。ダカラ、ツクッタ」

九尾「ほう……?」

死神と九尾がにらみ合う中

置いてきぼりにされた天乃は咳払いをして

九尾の背中をつつく

天乃「つまりどういうこと?」

九尾「こやつは、主様の中にある神樹とは別の力で、精霊もどきを造った。ということじゃ」

天乃「どうして?」

死神「クオンサンガトラレタモノ。ト、カズガアワナイカラ。オウキュウショチ?」


天乃「……神樹とは別の力?」

多分、それも死神が利用したという汚れの力

じゃぁ、汚れの力って何?

なんで、元々私はそれを持っていたの?

分からないことが増えてく

久遠天乃という人物がさらによく分からなくなっていく

私自身のはずなのに

死神「ドウカシタ?」

天乃「どうかしてるわよ。きっと」

輪廻転生の理がどうとかはともかく

そういったところに流れてきたもの

おそらくは魂を模倣した結果が精霊もどき

であるなら……人。とか、可能なんじゃないかと考えるなんて

どうかしているわ


1、つまり、満開は正確には何回しているの?
2、汚れって結局なんなの?
3、ねぇ。死んだ人とか。呼び出せるの?
4、どうして今まで教えてくれなかったの?
5、ねぇ……私って一体なんなの?


↓2


天乃「ねぇ……私って一体なんなの?」

九尾「ふむ……」

死神「クオンサンハ、クオンサンダヨ?」

天乃「そうじゃない。そうじゃなくて……」

自分のことがわからなくなって、天乃は問う

久遠天乃はなんなのか

自分はなんなのか。その答えが欲しくて

人ならざるものたちへと問いを投げかけたのだ

死神の気遣いを否定し、

天乃は容赦のない九尾に目を向ける

九尾「バーテックスどもの名を覚えておるか?」

天乃「ええ……星座を当てた名前だし」

九尾「いかにも。して、彼奴らはひとつの括りに分類されておる」

天乃「黄道十二門?」

九尾「ふむ。姉上が星座にご執心なだけはあるのう」

九尾は満足そうに頷くと、天乃の頭上にある耳を撫でた


天乃「それが何か関係でもあるわけ?」

九尾「特に意味はない」

はっきりと無意味を告げた九尾は深くため息をつき

振り払われた自分の手を撫でて、首を振る

九尾「久遠天乃というのはただの理想。能力が高いというのもあるじゃろうが、それも理想なのじゃ」

天乃「?」

九尾「馬鹿な人間は主様が誕生したときこう言った。門を開く者。と」

天乃「どうして?」

九尾「黄道十二門に対し、主様が生まれたのはそれを分断した月日だったからじゃな」

誰かが設定したバーテックスの名

それを討ち滅ぼし、地獄の扉を開き

神を超え、新たな神として頂点に君臨する

そんな理想あるいは夢あるいは希望の篭った名

九尾「それが、主様の名だ」

天乃「………………」

九尾「しかし、春信が言うように、主様は主様以外の何者でもない。名に囚われるでない」


九尾「……………」

もっとも、人間のその考えもあながち逸れてはおらぬ

主様の精霊の一人、須佐之男

彼奴が具現化する草薙の剣はまさしく

欠けた13番目の名を持つに相応しい神具

天乃「意味わかんない」

もし、そうなのだとすれば

主様は13番目あるいは欠番として

バーテックス側の勢力と肩を並べていることになる

九尾「解らぬままでよい。主様は、主様なのじゃからな」

九尾は未だ全てを知らない天乃の頭をもみくちゃにしながら

話をどこかへと吹き飛ばしていく

まだ、知るべきことではなかったかもしれない

まだ、早すぎることだったのかもしれない

悔やむがゆえに、九尾は取り繕うような騒がしさを天乃にぶつけた

天乃「ちょ、ちょっとやめ、止めてっ」

九尾「ほれほれほれー」

死神「ホレホレホ――ホギュッ」

九尾「……………?」

風を感じた瞬間にはもう、死神の姿は目の前から消えていた

天乃の裏拳が直撃した死神は

壁にぶつかって黒い靄となって消滅したのだ

九尾「!?」

九尾は数瞬遅れでそれに気づき、慌てて姿を消すと

刹那の差で、天乃の腕が空を切る

天乃「はぁ……はぁ……ったく」

気を削がれた天乃は深くため息をついて、横になる

確かに自分は自分。名前は名前だと、思った


では、此処までとさせて頂きます


九尾「なんでもは知らぬ。知ってることだけじゃ」
13番目→へびつかい座⇔八岐大蛇→草薙の剣


昨日はできませんでしたが、今日は進めていきたいかと思います

√ 6月12日目 昼(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、友奈、東郷はメール

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~40 東郷
41~50 夏凜
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日はよろしくお願いします。

恋人みたいなことをするって考えたとき、

何をするんだろうなって思って

本当は私が決めてこうしようって引っ張るべきなんじゃないかと思いました

でも、私はそういう経験がなくて、

私がしたいことってなると久遠さんに対する欲望に左右されちゃう可能性が

あるかなとも思って

なので、メールしました。

お出かけしますか?

ゆっくりしますか?

久遠さんがしたいことを、しようかなと思います

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「……………」

樹達は昼休みらしい。天乃の携帯に樹からのメールが届く

樹は自分でどうするかを決めるのではなく

あえて天乃に委ねるらしい

樹の文章を読み終えた天乃はそれは確かにいい判断かも知れないと思いつつ

少しだけ寂しさを感じた

あえて任せるというのは、ダメだろうか


友奈に関して言えば、病み上がりということもあって仕方が無かったのかもしれないが

友奈も東郷も

家での経験となった

しかも二人共キスをするという流れだ

樹は天乃の能力を知っているからか

2人きりになった場合の危うさを懸念して

少しでも自分の要求あるいは欲望を控えようという算段なのだろう

天乃「……うーん」

天乃は小さく唸って端末を見つめる

夕方まで時間はあるが

昼休みが終わるまではそんなに時間はない

電話ができるならことはスムーズに運ぶのだろうが

それも出来ない

天乃「答えは早めにしないと」


1、お出かけ
2、家でゆっくり
3、樹に任せる
4、とりあえず、私のところに来てから恋人はどういうことするのか調べてみない?

↓2


――お出かけ


天乃はその簡単な一文を入力し、消して

デートと入力してもやっぱり消して

お出かけすることにしましょう。と、やや引き目な文章を打ち込む

ここで問題になるのは出かける場所だ

そこまで遠くに出かけることは絶対に許されない

しかし、幸運なことに銀が好んで通っていたイネスや、海は近い

讃州中学に行きたいという願いも

もしかしたら許可が出るかもしれない

天乃「ここくらいは樹に任せるのも手よね」

そう考えていると、

樹からのメールが返ってきた

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

お出かけですか?

それなら……その

デートというか、恋人設定なのに申し訳ないんですが

夏凜さんへの贈り物。一緒に買いませんか?

夏凜さんは言わなくていいって言ってましたが

実は今日、夏凜さんの誕生日なんです

だから、お誕生日のプレゼントを

久遠さんも選んであげてほしいなと、思いまして

本当はこの前言うつもりだったんですが

戦闘とかで言えないままになっちゃって……


その……ダメですか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


1、良いわよ:イネス行き
2、じゃぁ、先に海に行かない?
3、それなら讃州中学に連れて行ってくれない?


↓2


――それなら讃州中学に


天乃はお店などではなく

それなら讃州中学に連れて行って欲しい。と、樹へと送る

親友である夏凜の誕生日

きっと、最後まで参加するということに許可はされないだろう

樹もそれをなんとなく察しているがゆえに

プレゼントして欲しいとかではなく、選んで欲しい。という言葉を使ったのだ

天乃「まぁ、でも。夏凜は私の親友だから」

だから、プレゼントを選ぶだけでなく

ちゃんとおめでとうと言ってあげたい

可能なら、樹には悪いかもしれないけれど

夕方はみんなで過ごして、ちゃんと……

樹もその気持ちを理解したのか

自分のことを優先したりもせず


――分かりました。ありがとうございます。久遠さん


と、嬉しさの感じるメールを送ってきた


ここまでとなります
せめて一日1交流……無理かもしれませんが、なるべくそのペースで
明日も同じような時間になるかと思います



樹「恋人と一緒に友達の誕生日会に参加するという設定」


特定の日だけ安価1:携帯→PC 安価2:PC→携帯(安価1の時と2つとも同じID) 安価3:携帯→PC(安価1、安価2の時と2つとも同じID)ってさ
普通に二刀流横行してると思うけどそれはええのん?
前から薄々思ってたけど空気悪くするの嫌で黙ってたけどさ
マトモにスレに張り付いて安価狙う気力がどんどん萎えてきたからこっちも誘惑に負けそう

安価1:携帯(踏み台)→PC(安価指定先)

安価2:PC(踏み台)→携帯(安価指定先)

安価3:携帯(踏み台)→PC(安価指定先)

わかりにくかったかもしれないけど
このPCと携帯のIDが安価1から3まで全部同じってことが言いたい


では、少しですが再開いたします


√ 6月12日目 夕(讃州中学) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、風
4、樹
5、友奈
6、東郷
7、夏凜
8、イベントの判定

↓2

※讃州中学に来ています


帽子を被り、上着と車椅子で人外の部分を覆い隠してまで

天乃は讃州中学へと来ていた

それもこれも夏凜の誕生祝いをするためではあるが

やはり、今日は恋人。という設定である樹に近づく

天乃「帽子とっちゃダメ?」

樹「だめです」

天乃「どうしても?」

樹「だめです」

狐の耳や尻尾が学校の生徒に受け入れられず

迫害されることを懸念しているわけではなく

受け入れられすぎて

少々面倒なことになることを樹は警戒していた

樹「一瞬で人集ができちゃいますから」

天乃「少し締め付けられてるような感じがするから、嫌なんだけど……」

ここに来たいといったのは天乃だ

そこに関しての我儘は流石に通らない


天乃「けど、よく部外者の私を通してくれたわよね」

以前も通しては貰えたが

そこはやはり気になるところだった

樹「勇者部の依頼関係ってなれば一般の人でも普通に入れますよ」

ただし、勇者部の誰かが付き添いでいる。という

通行証のような行いが必要である

何もなくとも、ただ口頭で言うだけでいいのであれば

不審者が自由に出入りできてしまうからだ

樹「そうじゃなくても。久遠さんの場合は大赦に確認しているので……」

天乃「向こうからの手回しってわけね」

樹「そうなりますね」

天乃は樹の返しに苦笑いを浮かべると、息をつく

大赦がわざわざ手回しするのは自分のためではなく

監視などをしやすくするためなんだろう。と、なんとなく察したからだ



1、ねぇ、樹は女の子同士の恋愛ってどう思う?
2、あと風で勇者部コンプリートなのよね。実は
3、私ね、ただの人間じゃなかったみたい
4、樹。屋上行かない?
5、昨日ね? 統合にもキスされちゃった


↓2


天乃「樹。屋上行かない?」

樹「屋上ですか?」

樹は少し困惑しながらも

その申し出を受けることにした

屋上は一般利用を許可されているわけではなく

職員室に鍵を借りにいかなければいけない

普通ならそこでやや理由等の説明が必要で

余計に時間を取られてしまうのだが

「戸締りはキトンとな」

職員の先生はそう言って鍵を貸出してくれた

樹曰く「勇者部だから」で、基本的なことはまかり通るらしい

もちろん限度はあるしやりすぎればいくら本当の勇者部とは言え罰則はあるが

樹「それじゃぁ……行きましょう」

天乃「ええ」

風達に少し出てくると告げて、天乃達は屋上へと向かった


すみません、短いですがここまでとなります。
昨日上げていただいた点にかんしては考えておきます

明日もできれば通常になります

22時半までに来なければなしになります


では、少しだけですが再開いたします


天乃「ふぅ……」

樹「どうしても帽子が取りたかったんですね」

屋上についてすぐ帽子を外すと

解放された耳がぴょこんっと跳ねたのを感じて首を振る

耳と尻尾が生えて数日

違和感しかなかった感覚も、いつの間にか慣れていて

それがごく自然で当たり前のようにも思えた

もちろん、当たり前じゃないけれど

樹「まだしばらくはそのままなんですか?」

天乃「そうね……小さくなる気配もないし」

以前も耳だけは生えた経験があるが

それは意外と直ぐになくなった

だから今回も。と、なるほど甘くはないらしい

樹「……でも、久遠さん、似合ってます」

天乃「嬉しくないけどね」


樹の褒め言葉に苦笑を差し出して自分の耳に触れると

自分の手であってもビクビクとする感覚に眉をひそめ、息をつく

天乃「だって、これじゃまるで人間じゃないみたいじゃない」

樹「ファッション。みたいな感覚ならあるいは」

天乃「尻尾も?」

樹「はいっ」

天乃「………………」

樹の笑みに天乃は無反応に徹したが

尻尾は喜んでパタパタと意思表示しようとワンピースを揺らす

樹「………あ、あの。ところでどうして屋上に?」

可愛い。抱きつきたい。そんな思いを胸に秘め、樹はそういった


1、帽子とかが取りたくて
2、ねぇ、キス。しない?
3、私ね? 東郷ともキスをしたの。これで4人になったわ
4、私……すごい特別な存在みたいなの
5、樹は女の子同士の恋愛は否定派?


↓2


天乃「ねぇ、キス。しない?」

樹「!?」

天乃「……二回目、必要?」

天乃の言葉に驚きを隠せない樹に対して

天乃は見上げる瞳で、切なく問う

もう一度言う必要はあるか?

現実だと知らせる二言は必要か?

そういう意味であると樹はすぐさま気づいて首を振る

樹「どうか、したんですか?」

これはあからさまな誘惑だ

魅了の力がどうのこうのではなく

天乃自身が行う誘惑だ

そう思う一方で、違和感を感じて息を呑む

樹「何かあったんですか?」


判定↓1

ゾロ目 または 21~30   61~70  で続行


樹は友奈とキスしたことを知っている

しかし、東郷に蹂躙され

死神と九尾によって異質あるいは異常を突きつけられたことを

樹は知らなかった

だからこそ、樹はその天乃の悲しそうな瞳が理解できなかった

樹「っ」

ゴクリと喉が鳴る

したいと思うことを天乃からしようと言われた

その抑止力の解除コードの入った体を抑えるように、息を吐く

樹「しません」

天乃「樹……?」

樹「キスは、しません」

天乃の誘惑と魅了、自身の欲望それら全てを振り払って

樹は天乃とのキスを拒んだ


樹「いつもの久遠さんなら、そんなことは言いません」

天乃「でも」

樹「だから、私は……」

久遠さんの申し出を断ります

樹は天乃から目を逸らすように視線を下げる

握り締めた拳を震わせて

キスへと踏み出そうとする体を押しとどめる

樹「何があったのかは分からないです。でも、だからこそ私は出来ません」

天乃「…………………」

樹「利用されたく、ないんです」

天乃のためになることをしたい

天乃の手助けをたくさんしたい

そう思いながらも、樹は自分でも理解できないままに

接吻という行いを何かを隠すためあるいは何かを忘れるため。またはそれ以外のなにかのために

利用されるということに嫌悪感を感じていた

樹「……ごめんなさい」


天乃「……………」

樹に拒まれるとは思っていなかった

以前のように、

女の子同士だとか、恥ずかしいとか

色々いいながらもするのだろう。そう、思っていた

けれど樹は拒んだ

理由がわからないからと、利用されたくないからと

天乃「っ」

それは至極全うで、当然で

当たり前の返事だったのかもしれない

けれど、天乃の心にはとても痛くて

天乃は胸の痛みを抑えるようにして、身を屈めた


1、そっか、ごめんね
2、ふふっ、冗談よ
3、何も言わない


↓2


天乃「そっか、ごめんね」

取り繕うような笑みを浮かべて、天乃はそう言った

理由がわからないというのは確かにその通りで

天乃自身、なぜそう言ったのか

東郷との件、自分自身の件、友奈との件、婚約の件、魅了の件

理由は数多あれど、不確かだった

でも

利用するつもりはなかった……つもりだった

樹「すみません」

天乃「ううん、私こそごめんなさい」

樹も天乃も優しいからこそ

互いに好意を寄せ、相手を思うからこそ

謝り合う

けれどもそれは、どちらにとっても辛いだけだった


では、此処までとさせて頂きます
明日も可能であれば通常営業となります


沙織「すれ違い、振り返ったときにはもう。貴女はどこにもいなかった」

園子「いいね~、その展開。実にいいよ~」

沙織「脚本はあたしがやる。乃木さんは絵をよろしく!」


遅くなりましたが、少しやろうかと思います

√ 6月12日目 夜() ※水曜日


延長判定

01~10 継続

11~20 
21~30 
31~40 継続

41~50 
51~60 継続

61~70 
71~80 
81~90 継続

91~00 

↓1のコンマ  


天乃「ごめんね。夏凜。最後までお祝いしてあげたいけど……」

夏凜「良いわよ別に」

天乃は大赦が用意したであろう迎えを一瞥して、ため息をつく

私のためにと

早めに開いた夏凜のお誕生日会

でも、それでも。夜まで延長。なんてことはできなかった

もちろん、延長無しを考えてやったことだけど

樹「………」

天乃「……………」

一礼するだけの樹に合わせて

私も笑みを返して、何も言わない

東郷「……ぜひ、また」

友奈「待ってます」

2人は少しばかり負い目を感じるような表情でそう言って

風「明日、アタシだからよろしく」

何も知らない風だけが、笑顔でそう言った

√ 6月12日目 夜(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


春信「すまない。私も、今日くらいはと思ったのだが」

天乃「いえ」

春信さんは今日一日くらいは自由を許して上げて欲しい。と

志願してくれたらしい

けれど、でも

やっぱり、私のような人間がなんの束縛もないというのは許されなかったらしい

天乃「春信さんこそ良かったの? 夏凜のお祝い」

春信「私が行ったところで空気を悪くするだけだ。それに、犬吠崎の長女に申請はしてある」

天乃「素直じゃないのね。貴方」

春信「素直なつもりだ。私は」

春信の言葉にクスッと笑うと

春信もまた困ったように笑って首を振る

春信「三好家を代表して礼を言う。ありがとう。久遠天乃」

天乃「……そんな畏まるようなことでもないと思うけどね」


感謝されるようなことでもない

親友の誕生日を祝うのは当たり前だ

そう思う天乃は困った笑顔で息をつく

春信「何かあったのか?」

天乃「うん?」

春信「……帰ってきた時から。君に少し元気がないように思える」

天乃「そうかしら?」

春信「少なくとも、今朝私を見送った君は明るかったと記憶している」

いつものように「行ってらっしゃい。春信さん」そういった天乃と

今の天乃とを見比べて、春信は続ける

春信「もちろん、私は勇者部以上に赤の他人だ。だから、言えないのであれば言う必要はない」

天乃「………………」

春信「……すまない。過ぎた一言だ」

春信はそう言って、踵を返した


1、待って。ねぇ、恋を。教えて
2、親友にね? 利用されたくないって言われたの
3、ありがとう。春信さん
4、今日は一緒にいてくれない?


↓2


天乃「親友にね? 利用されたくないって言われたの」

春信「利用?」

天乃「……うん」

天乃がからかうため

あるいは本当のことを隠すためのブラフを口にしている

そんな可能性を考慮することなく、春信はもう一度、近くの椅子に座り込んだ

春信「君は利用するつもりだったのか?」

天乃「……どう。なのかしらね。分からない」

友奈と東郷の件があって、今朝の事があって

辛い気持ちや沈んだ気持ちを助けてもらいたい

そう思わなかったかといえば、そうでもないのかもしれないし

そのために樹にキスしてもらおうと思った。そう願った。とも、言えなくもなかった


春信「私の個人的な答えで良いか?」

天乃「?」

春信「もし、利用しようと目論んでいたのであれば。そこまで気に病むことはないはずだ」

ゆえに、君はその人を利用するつもりはなかったのだろう

本当に、心から求めたのだろう

春信は普段と変わることのない声色で

優しく、告げた

春信「だからこそ、気持ちを利用と取られたことが悲しい。と、私は思うが……」

異性の心理は理解できないのでね

絶対とは言えない

困った表情でそういった春信は

天乃から少し、目を逸らす

やはり、見つめているのはまだ苦手だった


春信「しかし、問題はなぜ相手が利用されると思ったのか。だろう」

天乃「それは……」

春信「ふむ……」

なぜ利用する。しないの話が出てきたのか

春信は考えて、息をつく

春信「相手には君にとって都合の良い何かがあった可能性がある」

天乃「というと?」

春信「君の望みを叶える上で好都合ななにかだ」

それがあるから、親友は利用という言葉を使ったに違いない

久遠天乃がそれの存在を理解していなかった可能性もある

いや、していなかったからこそ、利用という言葉にこれほどの疑問を抱いたのだろう

春信「君も、その親友も。きっと、まだ言葉が足りなかったのかもしれない」

天乃「そうなのかしら」

春信「少なくとも。君の言葉が利用しようとしていると思われるくらいには不足していたはずだ」

天乃「………………」

春信「もう少し、君自身の気持ちを話してみるといい」


夏凜との仲違いの経験があるからこそ

春信はそういった

自分の気持ち、自分の考え

それらを不足させた結果

仲が悪くなってしまうという経験をした

春信「相手は知らないが……私は君達の仲違いは望まない」

天乃「……春信さん」

春信「私の言葉が必ず正しいとは言えない。しかし、参考程度には思って欲しい」

気落ちしたままの天乃にそう告げて

そっと、頭を撫でて

春信「……失礼」

照れくさそうにする天乃に一言謝ると

春信はそのまま部屋を後にした

天乃「……私の気持ち。か」

ドキドキするって、言えばいいのかな

うまい言葉が、見つからなかった


では、ここまでとなります

明日は可能なら昼頃に。
とりあえずは一日のまとめを出します


春信「……触ってしまった」


では、ぬるりと再開していきます

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(誕生日会)
・  犬吠埼樹:交流有(讃州中学へ、キス、拒否、誕生日会)
・  結城友奈:交流有(誕生日会)
・  東郷美森:交流有(誕生日会)
・  三好夏凜:交流有(誕生日会)
・  三好春信:交流有(利用)
・     九尾:交流有(久遠天乃について)

・      死神:交流有(久遠天乃について)
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月12日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 44(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 80(かなり高い)
  結城友奈との絆 47(少し高い)
  東郷三森との絆 44(少し高い)
  三好夏凜との絆 58(高い)
  三好春信との絆 23(中々良い)
   夢路瞳との絆 9(普通)

     九尾との絆 31(中々良い)
      死神との絆 25(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%

√ 6月13日目 朝(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~40 東郷
41~50 夏凜
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  



では、つぎスレに移行しようかと思います

【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ5】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448167615/l50)


埋めの方、よろしく願います


移行すると言いましたが、判定一度は出来そうなので

してしまおうかと思います


01~10 
11~20 利用について
21~30 
31~40 昨日のこと
41~50 
51~60 キス
61~70 
71~80 疑問
81~90 
91~00 昨日のこと

↓1のコンマ 


空白はなにもなく平常通り 

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