【安価】魔王「覚悟しろ勇者」 (16)

魔王「よくぞここまでたどり着いた。たった1人で乗り込んでくるとは並外れた力と度胸だ、褒めてやろう」

魔王「だが私はそう簡単には倒せんぞ。本気でかかってくるがよい」

勇者「>>2

魔王「ん? 今なんと言った」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1582471185

結婚して

勇者「結婚して」

魔王「……貴様ふざけているのか」

勇者「一目見たときから好きでした、結婚してください」

魔王「冗談も大概にしろ」

勇者「本気だよ。やっとこうして二人きりで話すことができてとても嬉しい」

魔王「……」

勇者「街のみんなには『魔王は倒した』と言っておくから、生涯の伴侶としてずっと側にいてください」

魔王「ええい鬱陶しい!! 魔法で消え失せろ!!」ドォォォォ

勇者「戦いはやめて話し合おう?」シャキン

魔王(剣で薙ぎ払われた!? いとも容易く……!)

勇者「こうして間近で見ると可愛さが際立って見えるよ」

魔王「ひっ!? 近寄るな!!」ブォン

勇者「おっと」ササ

魔王(ま、全く動きが見えなかった! もしかしてこいつ、私の力を遥かに上回ってるんじゃ……)

勇者「ねえねえ結婚してよ」

魔王(……ちょっと怖くなってきた……ずっと真顔だし……いかんダメだダメだ! 私は魔王なんだぞ、圧されてどうする!)

魔王「誰が貴様などと契を結ぶものか!!」

勇者「結婚できない理由があるの?」

魔王「ある! 私は魔界の住人で貴様は人間界の住人なんだぞ! 結ばれることなど決してありえない!」

魔王「それに個人的になんかお前は嫌だ!! 殺してやる!!」

勇者「>>4

じゃあ魔界に移住するね

勇者「じゃあ魔界に移住するね。そうすれば結婚できるでしょ」

魔王「は? お、お前……何を言っている……?」

勇者「何って?」

魔王「今までお前は何のために戦ってきたんだ? 何故こうして私と対峙している。人間界に住む仲間を魔王の手から救うためではないのか」

勇者「あ、そっか。君がとても素敵だから本来の目的を忘れてしまっていたよ。恋はどんな記憶操作魔法よりも強力だね」

魔王(何言ってるんだこいつ……)

勇者「うーんじゃあどうしようかな」

魔王「……」

魔王(隙だらけの今のうちに切り捨てるか。さらばだ勇者!)

ガキン

魔王「なっ!?」

魔王(死角から飛び込んだのに受けられただと!!)

勇者「ちょっと考え事してるから落ち着いてよ。そうだ! 良いことを思いついた!」

勇者「>>7

むしろ逆に考えて魔界をブルドーザーで壊滅させるんだ!

勇者「むしろ逆に考えて魔界をブルドーザーで壊滅させるんだ! そうすれば魔界は無くなって君はここに住むしかなくなる!」

魔王「か、壊滅……そんなことできるわけ……」

勇者「できるよ、ブルドーザーって知らない? 僕の魔法の一つなんだけど、全力を出せば一つの国を消すことができる」

魔王「!!」

魔王(そ、そんなことをすれば魔界の住人たちの居場所が……!)

魔王「くそ! 色んな意味でお前は生かしておけない!」

ガキン

魔王(また止められたか! しかしここから…)

勇者「ふふふふ、楽しみだなぁ」

魔王「?」

勇者「早く魔界を滅ぼしたいよ。そうすれば君との大きなしがらみが消える。その後はじっくりと僕を好きになってもらえれば」ニヤァ…

魔王「!?」ゾクッ

魔王(なんというおぞましい笑み。本当に人間なのか!? 勇者というのは生き物を慈しみ思いやる心を持っているのではないのか!)

勇者「あー早く滅ぼしたい」ニヤニヤ

魔王(こ、こいつはただのサイコパスだ! ヤバい奴だ!)

ガキンガキンガキン

魔王「ぐあっ!」カラン

勇者「剣は折った、もうおしまいだよ」

魔王「ほざけ!!」ドォォォォォ

勇者「遅いね」

魔王(しまった、背後に回り込まれッ……)

勇者「捕まえた♪」ギュッ

魔王「ひぃぃぃぃぃ!?」ゾクゾクッ

勇者「ああ、こうして後ろから抱きしめたかったんだ。結婚すれば毎日こんなことができるんだね」スリスリ

魔王「顔を擦り付けるな!!」

魔王(気持ち悪い!! 何とかしなければ何とかしなければ何とかしなければ……)

>>9 魔王の行動

助けて大魔王!

大魔王「おい貴様勇者か?」

魔王「!」

魔王(この声はパ……じゃなくて)

魔王「大魔王様、申し訳ありません! この勇者かなり手強いです!」

勇者「大魔王?」

大魔王「見れば分かるわ。たかが勇者などに……と言いたいところだが、なるほど。我が子が太刀打ちできる者ではないな」

勇者「我が子……? ひょっとして魔王のお義父さん!?」

魔王「その呼び方はやめろ、気色悪い!!」

勇者「お義父さん、魔王さんを僕にください! 必ず幸せな家庭を築いてみせます!」

大魔王「……なんだと……?」

魔王「大魔王様、お助けを! こいつ、魔界を滅ぼして私を無理やり人間界の住人にしようとしています! 契を結ぶためだけに私たちの国を!」

大魔王「……」

勇者「だってそうするしか方法ないし」

魔王「あるだろ!! いや、あったとしてもお前となんかごめんだ! 大魔王様、勇者を消してください!」

魔王「ほら、こうしてしっかり押さえつけています! 私もろとも殺してください! 覚悟はできています!」

勇者「君と一緒に死ねるなら本望だよ」ニヤァ…

魔王「やっぱり別々にして勇者だけ殺してください!!」

大魔王「……ふむ」

>>11 大魔王の行動

結婚を認める

大魔王「よかろう、結婚を認めよう」

魔王「……へ?」

勇者「本当ですか!」

大魔王「ただし条件がある。今後、魔王軍と人間の戦いに出てこないこと。そして魔界を滅ぼさないこと。どちらか一つでも破れば子は返してもらい、我が直々に貴様を殺しにいく」

勇者「……」

大魔王「相当な力を持つ貴様なら、我が力がいかほどなのか分かるであろう?」

勇者「そうですね。怪我じゃすまないだろうし本気で殺されるかも。でも僕には勇者としての使命があるからなぁ」

魔王「待ってください!! 私はこんな奴の伴侶になどなりたくありません!!」

大魔王(まあ落ち着け魔王よ)

魔王(こ、これは念話!)

大魔王(この勇者が我々の戦いに出てこなければ簡単に目的を果たせるのだ。そのために我慢をするのだ)

魔王(でもこいつサイコパスなんです! 一緒にいたら何をされるか!)

大魔法(何かあれば駆けつける、今回のように。我には世界中を見通す力があることを知っているであろう)

魔王(うう……)

勇者「分かりました、条件を呑みます。戦っているうちに悪いのは人間側だって思い始めてきたところだし」

大魔王「ほう」

勇者「傲慢さを原動力に魔界にまで侵略してたんです。悪者はこっちですよね。悪に加担するのは勇者として良くないことだ」

魔王「……」

魔王(なんだ、こいつ普通の考え方もできるんだな)

大魔王「では勇者よ。この戦争が終わった暁には式を挙げようではないか」

勇者「式を? そこまでしてもらえるなんて嬉しいです」

大魔王「よいな魔王」

魔王「ま、待ってください。私はまだ契を結ぶことに賛成したわけではありません」

勇者「何で? お義父さんの許しももらったのに。そんなに僕のことが嫌いなの?」

魔王「ああ」

勇者「……魔界を滅ぼそうかな……」

魔王「!?」

勇者「君と一緒になれないならどうなったっていい。人間側に力を貸すまでだよ」

魔王(見ましたかパパ、じゃなかった大魔王様! こういうところが怖いんです!)

大魔王(案ずることはない。察するに此奴の考え方の基準は魔王、お前だ。お前が手に入らなければ他はどうなってもいいという思考なのだ)

大魔王(お前が契を結んで円満な生活を送りさえすれば、勇者の手綱を握ることもできよう)

魔王「……」

魔王(そ、そんなに私のことが好きなのかこいつ……私以外のものは目に入らなくなるほど……)

魔王(……それはそれで怖いな……)

勇者「はぁ……」

魔王(しかし)

魔王「勇者よ、チャンスをやろう。私はお前と契を結ぶ気はない。今のところは」

勇者「今のところは?」

魔王「そうだ。今後のお前の行動次第では……その気になるかもしれないし、ならないかもしれない」

魔王「判断するまで時間がかかるのだ。答えを出すその時まで待て」

勇者「いつまでも待つよ! 絶対にその気にさせるからね!」

大魔王「くくくく……」

魔王「だ、大魔王? 何故笑うのです」

大魔王「気にするでない」

大魔王(初々しさに頬が綻んでしまった。二人の今後、楽しみに見させてもらうぞ)

勇者「ねえ魔王、キスしてもいい?」

魔王「は?」

勇者「いいでしょ? 婚約したも同然なんだしさ」

魔王「婚約などしていない!! 言い表すとしたら婚約の一歩手前の段階だ!!」

勇者「それって恋人同士ってことだよね?」

魔王「い、いや……」

勇者「キスしようよ。何で逃げるの?」

魔王「お前が怖いからだ」

勇者「大丈夫だよ、優しくするから♪」ニヤァ…

魔王「その笑顔どうにかしろ、怖さが倍増するんだ!! 近寄るな!!」

勇者「逃がさないよ」

魔王「ひぃぃぃぃ!? やっぱりこいつの伴侶になどなりたくないぃぃぃぃ!」


終わり

付き合ってくれて感謝
ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom