【ガルパン】最終場面 (2)



二つの塊はもう死んでいた。

試合終盤に両車ボロボロのまま一騎討ちを始めた結果だ。
ただし車長だけは入れ替わっている。

IV号車長はティーガーに乗り込むなり驚喜の歓待で迎えられ、
さっそくティーガー車長の愚痴大会で賑やかになる。
さあやっつけましょう!と温度が違う。
苦笑するしかないIV号車長。

一方「借りるわね」と乗り込んできたティーガー車長は
IV号を軽く走らせながら挙動の指示を繰り返し
各部のチューンや損耗具合をチェックしていた。
上部から身を乗り出すと帽子を外し髪を束ねて、流れる水平に目をやる。

停車。クルーに戦法を伝える。

とはいえ所詮は畦道状の一本道を用いたチキンレースのようなものだ。

やにわに文字がドーンと現れる。
「残弾もコンディションも実力のうち」

両者の曳光弾を合図に動き出す。

そして紙一重の攻防が続くも─────
結局はゴッツンコ以外残っていなかったのだ。

「気に入った、あなた達もね」
IV号を去るティーガー車長。
向かいのティーガーのひしゃげたハッチを叩くと
IV号車長がひょこっと顔半分を出す。

「もっと遊びたかったよ・・・」

「しょうがないでしょ」

それが今についてか過去についてかは
もはや計りかねた。


さあさあ ハンバーグ丼だ
Hurra Hurra Hamburg Bowl.



-end-



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