亜美「りっちゃん、一日中兄ちゃんのズボンと話してるほど暇ならゲーム買ってきてよ!」
律子「そろそろ言葉覚えるはずなのに」
亜美「そんなわけないでしょ!たまには外でなよ!」
律子「分かったから、あんまり大きな声出さないで……」
亜美「『アイドルマスターSP パーフェクトサン』だよ!
間違えないでね!」
律子「分かった分かった。行ってきまーす」
※元ネタはギャグマンガ日和のゲーム大好き兄弟
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律子「アイドルマスターSP パーフェクトサン……
アイドルマスターSP パーフェクトサン……」ブツブツ
響「うわぁ!イヌ美がゲロ吐いたぁ!」
律子「うわぁ、イヌ美がゲロ吐いたぁ……うわぁ、イヌ美がゲロ吐いたぁ……」
律子「ん、あれ、何か違うな」
響「ゲロの臭いを嗅ぐなイヌ美ー!」
律子「ゲームの名前何だっけ……まぁ、いいや。早く買ってこないと亜美怒るしな……」
律子「ただいまー」
亜美「おかえりっちゃん!例の物を早く!早く!」ワクワク
律子「ああ、はいはい。ほら」
『アイドルでしたかうっひぃ 別に泣いてません』
亜美「なんか違くない!?」
律子「え……?あ、ほんとだ」
亜美「わーん!りっちゃんがアイマスSPと間違えて、
アイドルです……えーと、を買ってきたー!お金返してよー!」
律子「えー、勘弁してよ。金欠なんだから……」
亜美「うわーんうわーん!」
律子「まぁ、これだってきっと面白いわよ。
良い買い物したわよ、亜美……ほら、PSP」
亜美「えーほんとかなぁ……ぐすん」カシャコン ウィーン
律子「きっと萌え萌えキュンなアイドル育成で楽しいわよ」
亜美「そ、そうかなぁ……あ、主人公出てきた」
P『くそ、風邪気味だ……むしゃくしゃする』
亜美「何かすごく怒りの沸点が低い……」
律子「人間味があっていいキャラしてるわ」
亜美「そ、そうかなぁ……」
P『握手会中のアイドルはいないのか……?
力の限り握ってその顔歪ませてやる』
亜美「ストレス解消の仕方がげすい!
アイドルに何かしらの恨み持ってるよこの人!」
律子「複雑な人間ドラマが背景にあるのね」
亜美「複雑にするところ間違ってないかな……」ポチポチ
社長『君君ぃ!そう、君だよ、そこの君!』
亜美「あ、スカウトされてる……」
P『今忙しいんです……アイドルを探していて』
社長『君みたいな人材を探していたんだ!!
ぜひ775プロに入社してくれ!!』
>はい
いいえ
亜美「何か展開が急だよ……もうすでにクソゲー臭が……」
律子「女子がクソとか言わない。わくわくするわね。
ほら、早く選択肢を選んで」
亜美「あ、あんまりわくわくするような選択肢でもないけど……
じゃあとりあえずいいえで様子見しようかな」
はい
>いいえ ピッ
社長『そんな……!
頼むよ、この通りだ!』
社長『君みたいな人材を探していたんだ!!
ぜひ775プロに入社してくれ!!』
亜美「…………」
はい
>いいえ ピッ
社長『そんな……!
頼むよ、この通りだ!』
社長『君みたいな人材を探していたんだ!!
ぜひ775プロに入社してくれ!!』
はい
>いいえ ピッ
社長『そんな……!
頼むよ、この通りだ!』
社長『君みたいな人材を探していたんだ!!
ぜひ775プロに入社してくれ!!』
亜美「…………」
律子「おやおやぁ、この社長、中々しつこいわね
相当気に入っちゃったのね」
亜美「む、無理に盛り上げなくていいよりっちゃん」
>はい ピッ
いいえ
社長『そうか、ありがとう
では早速プロデュースするアイドルを選んでくれ!』
亜美「……この選択肢に何か意味あったのかな?」
律子「あんまり意味を求めすぎるのは現代っ子のいけないところね」
亜美「そういうことは関係……」
律子「あっ、ほら、アイドルを選択して!
トリオユニットがおすすめみたいよ!」
亜美「本当だ……じゃあ、トリオを選択して……」ピッ
社長『この四人の中からトリオのメンバーを決定してくれ』
亜美「えぇ〜、四人だけ?一人余っちゃうじゃん!可哀想!トリオは止め!」ピッ
律子「じゃあ、デュオ?」
亜美「うん……そうしようかな」ピッ
社長『この三人の中からデュオのメンバーを決定してくれ』
亜美「選択肢減っちゃったよ!必ず一人余るシステムかよ!」
律子「いや……ほら団結にはある程度非情さが必要だから……」
亜美「仮想の世界でくらいほのぼのとさせてよ!」
律子「あら、結局トリオにするの?」
亜美「う、うん……」
>ジャスティスアマミ
ドリルオギワラ
ハイサイガナハ
レッツキサラギ
亜美「な、何か名前が変なんだけど……」
律子「個性があっていいと思うわ」
亜美「いや、個性っていうか……
よく分からないし、とりあえず上から三人を」
ジャスティスアマミ『よろしくお願いしますね!プロデューサーさん!』
P『よろしく』スッ
亜美「あ、握手しようとしてる……顔がげすい!主人公のそれじゃないよ!」
律子「あ、亜美、画面に何か表示があるわよ」
亜美「え、なに?」
[○ボタンを連打!]
亜美「○を……?」カチカチ
ジャスティスアマミ『がんばっていきまぐぇぇええええええええ』
P『うおおおおおおお』ミシミシミシミシ
亜美「う、うわぁああああ!あらんかぎりの力で手を握ってる!怖い!」
律子「落ち着いて亜美!○をもっと早く!」
亜美「ええええ」カチカチ
ジャスティスアマミ『負けるかあああああーーーー!!』ミシミシミシミシ
P『うわぁあああああああ』
亜美「や、やり返してきた!ジャスティスアマミ強い!」
律子「亜美!負けてるわよ!もっともっと!」
亜美「やっとゲームらしい要素が出てきたと思ったらこんなのってないよ!!」カチカチカチカチ
ジャスティスアマミ『負けたぁぁあああーーーー!!!』
バキバキバキバキ
亜美「アイドル育成ゲームにあってはならない生々しい音が!!」
ジャスティスアマミ『私に勝つとは……大したプロデューサーね』
亜美「右手がありえないひん曲がり方してるけど!?」
律子「すごいわ。携帯機のポリゴンの処理でここまで再現するとは……やるわね」ゴクリ
亜美「いや、ゴクリじゃなくてさ!
うわーん!やっぱりクソゲーだよー!」
律子「まだ少ししかゲームらしい要素に触れてないのに、
クソゲー認定はちょっと気が早いわよ、亜美」
亜美「ようやく触れたゲームらしい要素が
○ボタン連打でアイドルの右手を握りつぶすって頭おかしいよ!!」
律子「あんまり騒がないで、ほら、他のアイドルも挨拶してきたわよ」
亜美「ぐすっ、次はドリルオギワラ?また、変な名前……」
ドリルオギワラ『初めまして。ドリルハギワラです』
亜美「おい制作者!名前間違ってるよ!」
律子「ちょいちょい挟まれる小ぼけに思わずにやりね」
亜美「なわけないよ!腹立たしいよ!
ちゃんとデバックしろ!制作者の馬鹿!」
ドリルオギワラ『男の人は苦手です』
P『そうか、よろしくな』ガシ
ドリルオギワラ『こちらこそ』
亜美「普通に握手してるけど、これじゃ設定を活かせてないよ!」
律子「プロデューサーとのコミュニケーションを通じて、
恐怖症を克服という……」
亜美「握手一回で克服しちゃってんじゃん!どんなゴッドハンドだよ!」
律子「……あ、ほら、次のアイドルが挨拶しに来たわよ」
亜美「今度は……褐色肌の娘?中々かわいいキャラクターだね」ピッ
ハイサイガナハ『Привет там Меня зовут Хибики.
Спасибо заранее.』
P『おう、こちらこそよろしくな』
亜美「日本語喋ってねーし!!」
律子「待って、説明によると彼女は南国出身のアイドルらしいわよ」
亜美「いや、それにしたって……っていうかこの字体、ロシア語じゃん!
全然南国じゃねー!むしろ北国だよ!プロデューサーも普通に対応すんな!」
律子「亜美……そんなツッコミキャラだったっけ?」
亜美「突っ込まざるを得ないんだよ!このクソゲーは!」
社長『早速ライブだ。海の家で存分に焼きそばを振る舞ってきてくれ』
P『わかりました。頑張ります』
亜美「それライブじゃなくてただの売り子だろうが!
プロデューサーも納得すんじゃねー!少しは抗え!」
律子「この独特の世界観にぐいぐい引き込まれ……」
亜美「ねーよ!くそったれ!」
律子「汚い言葉を使わないでちょうだい」
亜美「ちくしょう……!あ、あれ、この子はレッツキサラギ。
選択してないのに何で……」
レッツキサラギ『何で私だけ置いてけぼりなの……
ころす……ころしてやるわ……』
亜美「目、目が怖い!この子アイドルにあるまじき目つきを!」
レッツキサラギ『うおおおおおおお待てええええええ』
亜美「速ッ!ロケバスを走って追いかけて来てる!追いつかれちゃうよ!」
律子「亜美、よく見て。画面の右上」
亜美「み、右上……?」
[○ボタンを連打!]
亜美「ま、また連打しなきゃいけないなんて!」カチカチ
律子「亜美、もっともっと!」
亜美「うおー!レッツキサラギ速い!時速何キロだよ!」カチカチカチカチ
レッツキサラギ『うおおおおおおおお』
亜美「速い速い!レッツキサラギ、バス追い越しちゃったし!」カチカチ
律子「まだ連打の表示は出たままね」
亜美「ま、まだ足りないってこと……?」カチカチカチカチカチカチカチカチ
ドーン
レッツキサラギ『うわああああああ』
亜美「うわああー!レッツキサラギ撥ねちゃった!どうしよう!」
P『ようやく海についたぞ』
亜美「おいっ!のんきに砂浜に佇んでんじゃねー!レッツキサラギ拾ってこい!」
律子「いや、あえて謎を残したまま一旦切って……」
亜美「いや、謎なのはレッツキサラギの安否だけで、他は何もかも明白なんだけど!」
律子「あ、ほら、亜美……他のプロダクションのPが勝負を仕掛けてきたわよ」
亜美「ぐすん。本当だ……」カチカチ
謎の男『よう、アイドルバトルしないか?』
P『いいとも。うちのアイドルに勝てるかな』
亜美「謎の男のルックスがテキトーすぎるよ……
いっそ無い方が良いくらいチープだよ……」
律子「ツッコミのキレが落ちてきたわね、亜美」
亜美「こんだけ痛めつけられればキレも落ちるよ……」カチカチ
謎の男『ようし、いっちょうアイドルバトルだ』
亜美「……画面、変わらないんだけど」
律子「亜美、右上を見て」
亜美「右上……?ま、まさか」
[○ボタンを連打!]
亜美「やっぱり!ちくしょおおおまた連打かよ!」カチカチカチカチ
謎の男『まだまだ』
謎の男『なんの』
謎の男『やるな』
謎の男『くそっ』
亜美「アイドル見せろよ!!馬鹿が!!」カチカチカチカチ
律子「想像力を養われるような……」
亜美「もういいよりっちゃん!何も言うな!」カチカチカチカチ
『1−3で負けました』
亜美「負けかよ!ちくしょー!……って1−3ってなんだよ!」
律子「□ボタンで試合の詳細が見られるみたいよ」
亜美「な、なるほど……ちょっと気になる」カチ
775プロ 875プロ
1 − 3
ハイサイガナハ(40分) 得点者 レッツキサラギ(5分)
レッツキサラギ(32分)
レッツキサラギ(75分)
なし 警告 なし
なし 退場 レッツキサラギ
亜美「あれぇっ!?レッツキサラギ、敵として出場してんだけど!
大丈夫なの!?しかもハットトリック決めてる!強い!」
律子「退場してるわね」
亜美「本当だ!一体何をしたの!?
アイドルバトルで退場って、レッツキサラギ何を血迷ったの!?」
GAME OVER
亜美「うわーん!しかもこれで終わりかよ!アイドル育成したかっただけなのに!
やっぱりクソゲーだった!最悪だよ!りっちゃん、金返せ!」
律子「じゃあ亜美、これから千早のレッスンだから一緒に見ましょう!
ゲームなんかよりよっぽどリアルな育成ができるわよ!」
亜美「身もフタも無いこと言わないでよ!」
おわりつこ
りっちゃん!!誕生日おめでとう!!
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