摩美々「プロデューサー」
P「んー?」カタカタ
摩美々「呼んでみただけですー」
P「そうかー」カタカタ
摩美々「………」
P「………」カタカタッターンッ
摩美々「プロデューサー」
P「んー?」
摩美々「呼んだだけー」
P「そうかー。俺書類作ってるところだから、あんまり相手してやれないぞ」
摩美々「そうですかぁ」
P「悪いな」カチッカチッ
摩美々「いえいえー。今日のまみみは比較的いい子なので、素直に引き下がりますねー」
P「珍しいな。いつもならあと5分くらいはあの手この手なイタズラで気を引こうとしてくるのに」
摩美々「ふふー。それで、何分くらいで手が空きそうですかぁ」
P「2時間」
摩美々「やっぱり引き下がるのやめていいですか」
P「いい子はどこに行ったんだ」
摩美々「そんなに待てないですよー」
P「この後レッスンも入ってないだろ? もう日も暮れるし、わざわざ俺を待たなくても帰って………なんだその目」
摩美々「『こいつマジか……』って目ですケド」
P「……すまん、野暮だったか」
摩美々「反省できてるみたいなので許してあげまぁす。じゃー」
P「どこか行くのか?」
摩美々「テキトーに時間つぶしてきますー」
ガチャ、バタン
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2時間後
摩美々「ただいまー」
P「おかえり。ちょうど仕事が終わったから、連絡しようと思ってたところだ」
摩美々「ふふー、タイミングバッチリ―」
P「どこ行ってたんだ?」
摩美々「その辺をぶらぶらしてましたぁ」
P「そうか……ん?」
摩美々「?」
P「もしかして摩美々、自主レッスンしてた?」
摩美々「……よくわかりましたねー」
P「はは、やっぱりそうか。ちょっと頬が上気してるからさ、ダンスでもやってたんじゃないかって……なんだその目」
摩美々「『なんでそーいう鋭さが他のところに活かされないのかなー』って目ですケド」
P「ははは……なんか、ごめん。でも自主レッスンなんて偉いじゃないか! 本当に今日のまみみはいい子だな」
摩美々「いつもはいい子じゃないみたいに言うのやめてくれません?」
P「自分で悪い子だって言ってるだろ」
摩美々「ふふー……まあ、今日いい子なのは明日に期待してるからですよー」
P「明日?」
摩美々「プロデューサー、明日は?」
P「5月24日」
摩美々「知ってますケド」
P「そういう意味じゃなかったか」
摩美々「プロデューサー、たまーにイジワルになりますよねー」
P「俺だって、たまにはイタズラの仕返しをしたくなる時もあるんだぞ?」
摩美々「おとなげないなぁ」
P「摩美々だって、明日でまた一歩大人に近づくんだぞ」
摩美々「ちゃんと覚えてるじゃないですかぁ。明日が私の誕生日だって」
P「大事な担当アイドルの誕生日くらいは覚えてるよ」
摩美々「明日で19、子供でいられるのもあと1年かぁ……」
P「大人になるのは嫌か?」
摩美々「んー、どうなんですかねー。プロデューサーは、どうでした?」
P「そうだな……なんていうか、二十歳になった時も『今日から大人だ!』っていきなり生まれ変わるわけでもなかったし。実感はそこまでなかったか」
摩美々「やっぱりそんなもんですよねー」
P「あ、でも周りの人達は祝ってくれたな。それは嬉しかった」
摩美々「プロデューサーも、盛大にまみみを祝ってくださいねー」
P「まだ1年早いけどな」
摩美々「誕生日は誕生日ですからねー。プレゼント、期待してますー」
P「……あっ。もしかして、今日いい子だったのって」
摩美々「ふふー♪ すっごく期待してますからねー」
P「もうプレゼント用意しちゃってるから、今日ポイントを稼がれても困るんだが……」
摩美々「えーー? 私なんのために自主レッスンしたんですかぁ」
P「アイドルとしてレベルアップするためだろう」
摩美々「それはそうですケド……プレゼントもレベルアップしてほしいなー」
P「そもそも、こういうのは直前じゃなくて日頃の行いがものをいうものだと俺は」
摩美々「あ、そうだ。すぐに用意できそうで、私が欲しいプレゼントがあるんですケド」
P「ん? なんだ?」
摩美々「身体で支払ってもらうんですよー。私、誕生日プレゼントはプロデューサーが欲しいなぁ」
P「プレゼントのレベル上がりすぎじゃないか?」
摩美々「自己評価高いですね」
P「そういう意味じゃない!」
摩美々「ふふー……で、どうなんですか? くれるんですかー?」
P「え?」
摩美々「え、じゃないですよー。私は、プロデューサーが欲しいって言ったんですケド」
P「いや、それは……どういう意味で言ってるんだ」
摩美々「そのままの意味ですよー」
P「………」
摩美々「………」
摩美々「……なーんて、冗談ですー」
P「えっ……」
摩美々「プロデューサーの困り顔が見れて満足しましたぁ」
P「摩美々……そういう冗談はタチが悪いぞ」
摩美々「はぁい」
P「それで、他に何か欲しいものはあるのか」
摩美々「くれるんですか?」
P「俺に用意できそうならな」
摩美々「そうですねー……まあ、プロデューサーからは、もうたくさんのものをもらってますから」
摩美々「あの夜、いきなり声をかけられてから今日まで……本当に、いっぱい」
P「摩美々……」
摩美々「だから、これからももっともっとくださいねー」
P「『だからもうプレゼントは十分です』って流れじゃないのか」
摩美々「まみみがそんな物分かりのいい子だと思ってるんですかぁ? いっぱいもらえばもっと欲しくなるし」
P「手ごわいな……まあ、それでこそ摩美々か」
摩美々「舌が肥えてきてますから、フツーのプレゼントじゃ満足できませんよー」
P「うっ、なんか明日のハードル上げられてるな……追加で何か用意すべきか?」
摩美々「私、新鮮な味が欲しいですー」
P「新鮮……なんかアバウトだな。ヒントとか、ないか?」
摩美々「かっこわるー」
P「し、仕方ないだろうっ」
摩美々「しょうがないですねー。じゃあ、ヒントあげちゃうー」
P「よし」
摩美々「たとえばー」
P「たとえば?」
摩美々「………」
摩美々「スキあり」
P「え」
ちゅっ
摩美々「んっ……」
P「………!」
摩美々「ぷはぁっ……ふふー、面白い顔。ホント、イタズラしがいがありますよねー」
P「摩美々、今のは」
摩美々「今日は『キスの日』らしいですから、キスしただけですー」
摩美々「明日はキスの日じゃないケド、私の誕生日なので……プロデューサーの方から、プレゼントしてもらえると嬉しいです」
摩美々「プロデューサーの全部がすぐにもらえないなら……せめて、唇だけは奪わせて欲しいなぁ」
P「摩美々……」
摩美々「……ふふー。顔、真っ赤ですよー」
P「それはお互い様だろ……」
摩美々「……私、自分の顔見えませんし。見えなければ、赤いって事実は確定しませんしー」
P「なんだそれ」
摩美々「なに笑ってるんですかぁ」
P「ははっ………摩美々、ひとつだけ、いいか」
摩美々「……なんですか?」
P「俺からキスしたら、逆に俺が唇を奪うことにならないか?」
摩美々「ほーんと、プロデューサーって野暮ですよねー」ゲシゲシゲシゲシ
P「いたっ、痛い痛い! そのブーツは普通に痛い!」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
摩美々誕生日おめでとう
乙
すけべ
よきかな
おつ
Pは誕生日当日には責任をとって最後までするべき
かーっ!
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