セルゲームを終結させ、Z戦士達も平穏な日々を送っている
そんなある日のことであった。
べジータ「ZZZ…」
べジータ「…」
べジータ「ム~…」
べジータ「ハッ!?}ガバッ
べジータ「ここはどこだ!?」
べジータ「確か昨日の夜は自宅でトランクスを寝かしつけ、ブルマとともに床に就いたはず。」
べジータ「なのにどうして俺はこんな荒野に転がっているのだ!?」キョロキョロ
べジータ「…よく見ると見覚えのある場所だ。」
べジータ「そうだ、ここは…ナメック星! いったいどうなっているんだ?」
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べジータ「!! なにかが高速で近づいてくる!」
べジータ「こ、これはまさか…いや、間違いない!」
べジータ「フリーザ!」
タッ
フリーザ「空が明るくなって、光の柱も消えてしまった…まさか、あなたがドラゴンボールで願いをかなえてしまったのですか、べジータ」
べジータ「壊れたはずのナメック星に、死んだはずのフリーザ…ここは過去の世界だ。俺は夢でも見ているのか?」
フリーザ「ギニュー特戦隊の反応がありませんね…。ドラゴンボールはどこへやったのです? あの地球人どもが持っているのですか?」
べジータ「クックックッ…こいつは随分と愉快な状況だ。たとえ夢だとしても、今度こそフリーザをいたぶってやれるんだからなあ!」
フリーザ「いま何と? わたしをいたぶるですって? 恐怖のあまりアタマがおかしくなりましたか?」
べジータ「おいフリーザ、いまここにいるのが貴様の最も恐れていたスーパーサイヤ人、いや、それをも超えたスーパーベジータだ! 覚悟するんだな!」
フリーザ「何を言い出すかと思えば、くだらない冗談を。よろしい、すぐに半殺しにして全部しゃべってもらうとしましょう。」
ベジータ「あの頃の俺とは違うぜ。はじめから全力でかかってくるんだな。俺はカカロットのように甘くはないぞ。」
フリーザ「わかったわかった、そこまで言うのならスーパーサイヤ人とやらの力を見せてもらいますよ。」
フリーザ「ほら、首を空けて立っておきますから、ここに手刀でも延髄斬りでも食らわせてごらんなさい。」
ベジータ「では遠慮なく。」ダッ
ベギッッッ パリン
フリーザ「ア゛ギャッ! ア゛!ア゛ーッ! グ…グビドボベバ!(首の骨が!)」ヨタヨタ
ベジータ「おっとすまんすまん、だいぶ力を抜いたつもりだったんだがな! こんなにもろいとは思わなかったぜ。」
ベジータ「やいフリーザ、一気に第4段階まで変身して100%全力でかかってきやがれ。」
フリーザ「お、おのれ…なぜそんなことまで知っている…それならば!」
フリーザ「かああああ…!」ボコッボココッブオッ
ヒュウウウ…
最終形態フリーザ「どんなトリックを使ったのか知らないが頭にきたぞ。望みどおりフルパワーで、地獄以上の恐怖を見せてやる。」
ベジータ「それはこっちのセリフだ!」
ベジータ「見やがれ、これがスーパーサイヤ人だ! はああっ!!!」ボウッ
フリーザ「なっ!? 金色に輝きだした!」
フリーザ「あの言い伝えは本当だったというのか!」
フリーザ「クソッ 息の根をとめてやる!」ピッ
ベジータ「見えるぞ!」シャッ
フリーザ「よ、よけた…!」
フリーザ「そっそんなはずはない!」ピッ ピピッ ピピピッ
シャッシャシャシャッ
フリーザ「ばかな! なぜあたらない!」
ベジータ「おいおい、もっと本気でやってくれ、フリーザさんよ。」
フリーザ「ぐ、ぐぎぎ…ならばこれでどうだ!」ギャンッ
ベジータ「あれは気円斬もどき! よけろ俺!」シャッ
ビッ
フリーザ「ちっ 顔をかすっただけか!」
ベジータ「やれやれ、こんなつまらん技がとっておきなのか。」
フリーザ「つ…つまらん技だと…」ブウウン
フリーザ「ふたつならどうだ!」バッ
ベジータ「ふたつもみっつも一緒だ!」ドウッ
フリーザ「ばかめ! そいつはどこまでも追いかけていき、どんなものも切り裂くんだ!」
ベジータ「だったら試してやるぜ!」パシッ パシッ
フリーザ「て、手で受け止めやがった!?」
ベジータ「外周の切り口に触らなければ、どうってことはない。」
ベジータ「ほら返すぞ! 受け取りやがれ!」キュンッ ギュンッ
フリーザ「え゛え゛え゛戻ってきたあああ!!!」
ザンッ ザザンッ
フリーザ「あ゛、あ゛ぐっ」ドサッ
ベジータ「ハーッハッハッ! バラバラになっちまいやがった。なんともあわれな姿だな。」
ベジータ「これ以上は楽しめそうにないな。一瞬で終わらせてやるぜ!」ブウ…ン バチッバチッ
フリーザ「た…たのむ…たすけて…くれ…!」
ベジータ「ファイナルフラーーーッシュ!!!」ブオオオッ
フリーザ「たわば!!!」ズワシャアッ
ゴゴゴォゴ…
ベジータ「ハーッハッハッハッ! 跡形もなく消えちまった!」
ベジータ「当時の俺はまだ未熟だったとはいえ、こんなザコに恐れおののいていたとは、我ながら情けなくてヘドがでるぜ。」
ベジータ「だが、これでスッキリした。最高に気分がいい。」
グラッ
ベジータ「うっ…めまいが…意識が…うすれる…」
…
……
………
ブルマ「ちょっとベジータ、いいかげん起きなさいよ!」ユサユサ
ベジータ「…ハッ! ここは…どこだ!?」
ブルマ「やあねえ、なに寝ぼけてんのよ。自分の家でしょ。」
ベジータ「不思議な夢を見ていた。妙にリアルな…。」
ブルマ「そんなことより、早く起きて支度しないと教習所に遅刻しちゃうわよ。」
ベジータ「そうだ、今日は仮免の日だった。急がねば。」
ブルマ「あらやだベジータ、頬から血が出てるじゃない。寝ている間にひっかいたのかしら。」
ベジータ「(こ、これは気円斬もどきの傷!? あれは現実だったというのか?)」
ベジータ「いや、まさかな。偶然だろう。」
ベジータ「おいブルマ、今日も教習所まで送っていってくれ。」
ブルマ「だめよ。今日は私とトランクスで庭に迷い込んでたオオアリクイを動物園に連れて行くから、送っていけないって言ったじゃない。」
ベジータ「ふん、そうだったな。では自分で飛んでいくからいい。」
ブルマ「あら、今日はずいぶんと素直ね。」
ベジータ「ククク…今日は朝から気分が最高にいいんだ。技能試験も一発合格の予感だぜ!」
トランクス「おかあさん、悟飯さんがあれはオオアリクイじゃないって言ってたよ。」
ブルマ「なんだっていいわよ。あんたとベジータがおもしろがって餌をやるもんだから、庭から出ていかなくなっちゃったんだからね。」
ブルマ「今日は動物園に連れていって、引き取ってもらうんですからね!」
トランクス「はあい。」
ベジータ「さて、行くとするか。今日もアクセル全開でぶっちぎってやるぜ!」バウッ
ブルマ「飛んでいったわ。さあトランクス、わたしたちも出かけましょう。」
平和な日は、まだしばらく続くのであった。
~終~
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