千夜?「大変なことになったわ」 (15)
~夜、シャロ宅~
千夜?「というわけで」
シャロ「どういうわけよ」
千夜?「生徒証を見てほしいの」
シャロ「どうして?」
千夜?「これを見たとき、あなたは身の毛のよだつような恐ろしい体験をすることでしょう……」フフフ…
シャロ「意味がわからないわ、早く見せてちょうだい」
千夜?「これよ」
名前:京都松 億夜
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億夜「……ね?」
シャロ「……うん?」
億夜「あら、思ったよりびっくりしないわね。私はびっくりしたのに」
シャロ「いや、あの……どこから突っ込んだらいいの?」
億夜「名前が変わっちゃったのよ!?私は千夜だけど!億夜なの!!」
シャロ「だから意味がわかんないっていってるでしょー!!」
億夜「昨日までは普通だったのに……」
シャロ「ちょっと待って、じゃあ私はこれから千夜のことを億夜って呼べばいいの?」
億夜「それはやめて!!」
シャロ「状況が全然読めないわ……頭痛くなってきた……」
億夜「これは私の推測だけど、名前が進化してるんだわ」
シャロ「さらっと言ってるけど、とんでもない状況よ?」
億夜「原因は分からないけど……私は宇治松千夜で、京都松億夜でもあるの」
億夜「名乗る時は千夜で、名前を書くと億夜になってしまうの」
シャロ「宇治から京都って、随分上ってきたわね……千から万を超えて億へ……ってそうじゃなくて!!」
シャロ「原因に心当たりはないの!?」
億夜「えーっと……これを飲んだからかしら?」
その水の名前!『進化水』!!
普段はただのスポーツドリンクだが、ごく稀に名前が進化してしまうらしい!!
シャロ「なんなのよこれぇぇぇッッッ!!!」ギャース!!
億夜「なんだかよくわからないけど……面白くなってきたわ」
シャロ「ちょ、ねえ、何するつもり?まさか、それを私に無理やり飲ませるんじゃあないでしょうね?」
億夜「そのまさかよッ! そいやぁッ!!」
\ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ/
シャロ?「うう……なんで私がこんな目に……」
億夜「生徒証、借りるわよ」
シャロ?「ちょっと!勝手に取らないでよ!!」
名前:桐満 闍路
億夜「…………????????????」
ジャロ「そういうことね……」
億夜「どういう……ことなの……?」
ジャロ「私は完璧な『キリマンジャロ』になったということよ……」
億夜「なんてこと……!シャロちゃんが……ジャロちゃんに……!」
ジャロ「というわけで被害拡大へ行くわよぉぉぉ!!いぇぇぇぇい!!!!」
億夜「自分の名前で酔ってるわ!?」
~ラビットハウス~
チノ「いらっしゃいませ……?」
ジャロ「チィィィィノォォォォちゃぁぁぁぁぁん!!!」
億夜「はぁっ、はぁっ、チノちゃん、今すぐどこかへ逃げて!」
ジャロ「おっそいのよォ!!」
チノ「ひっ……!」
香風智乃、進化水投入!!
チノ?「ん……あれ、なんともありませんね……」
億夜「チノちゃん……自分の名前、書いてみてくれる?」
チノ?「名前ですか?いいですけど……」
狼土 スター
スター「はい????????????」
億夜「え?」
スター「え?」
億夜「何をどうしたらそうなるのかしら……」
スター「恐らく……車のカプチーノが、ロードスターになったのだと思われます……」
億夜「車なんてよく知ってるわね……そしてその冷静さが羨ましいわ……」
ココア「チノちゃんのエマージェンシーを受信したよッ!!」
リゼ「緊急警報だと!?」
億夜「来たわね、ココアちゃん、リゼちゃん!!」
ジャロ「これでも喰らいなさーーーーいッッ!!」
ココア「ひとまとめにされた!?」ゴクリ
リゼ「速いッ!くそっ、対応できな──」ゴクリ
保登心愛、天々座理世、進化水投入!!
億夜「さあ……すばらしい名前を私にみせなさい……」
スター「ごめんなさい……止められなくて……うう……」
名前:保登 心技体愛
名前:世界
億夜「ちょっと待って」
億夜「あまりにもデタラメな改変過ぎて、逆に冷静になってきたわ」
心技体愛「うわあっ!!なんか名前が凄いことになってる!!」
世界「私は……誰なんだ……?」
億夜「これね、名前がめちゃくちゃになっちゃうの」
世界「しれっと言ってるけど、効果もめちゃくちゃだからな?」
心技体愛「これどうすればいいのー! どうやったら戻るのー!!」
世界「というか、私はどうして『世界』だけになったんだ……?」
億夜「たぶん……『天』と『世』がいい感じに主張しあったんだわ」
世界「どういうことだよ……」
スター「……お父さんに飲ませてきます」
心技体愛「チノちゃん!?」
世界「やばい!チノが狂った!!」
億夜「チノちゃん……」
スター「?」
億夜「行ってらっしゃい♪」
スター「……はい!」
世界「うおおおおおお!!!???止めろよせめて!!!」
スター「飲ませてきました」
億夜「行動力の化身……!」
心技体愛「あっ!タカヒロさん降りてくるんじゃない?」
世界「いったいどうなるんだ……」
ジャロ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」
スター「シャロさん、虚空を殴るのはやめてください」
タカヒロ「辛いです……」
心技体愛・スター・億夜・世界(性格が変わってるーーー!?)
スター「──いや、性格が変わってるんじゃあないかもしれません。お父さん、ここに自分の名前をフルネームで書いてください」
そこに書かれた名前は!
新井タカヒロ!!!!
心技体愛「…………え?」
世界「苗字に原型がないぞ……? 何がどう変わったんだ……?」
億夜「……チノちゃん、あなたならもう気づいてるわね?」
スター「ええ、私にはわかります」
億夜「これ……野球選手よ!!!」
タカヒロ「私、新井タカヒロは、FA権を行使する書類を、球団の方に──」
心技体愛「一人芝居が始まったよ?」
スター「もうどうにかするのも面倒です、放っておきましょう」
その時、一人の人間がラビットハウスに入店する。
青山「今日もやって来ました~」
ジャロ「『進化水』ッ!!!!」
世界(見境がないーーーーッ!!)
青山「え?わわっ!んくっ……ぷはっ……はぁ……あの、どうされたのですか?ただのスポーツドリンクのようですが……」
スター「あの、それ、ただのスポーツドリンクじゃないんです……何か、自分の名前の書いた物持ってますか?」
青山「持ってますけど……どういうことでしょう?」
青山が出したのは自分の本!そこに書かれていたのは!!
作・永田町ブルーマウンテン
世界(ちょっと皇居に近づいてるーッ!!!)
ここまでの流れ
保登 心愛→保登 心技体愛
香風 智乃→狼土 スター
天々座 理世→世界
宇治松 千夜→京都松 億夜
桐間 紗路→桐満 闍路
香風 タカヒロ→新井 タカヒロ
青山 ブルーマウンテン(青山 翠)→永田町 ブルーマウンテン(永田町 翡翠)
永田町「わあ……名前が変わってます~」
世界「まるで他人事!?」
永田町「これは新しい小説のアイデアになりそうです……タイトルは『名ばかりの少女たち』とかでどうでしょう?」
心技体愛「それいいね!楽しみにしてるよ!」
スター「なんか闇が含まれそうなのでやめてください」
永田町「それでは、私はこれで……」
世界「待てぇ!!そのまま帰らせると……なんか……なんかダメだ!!」
スター「────はっ!」ピキーン!
世界「ん、どうかしたか、チノ?」
スター「この流れになってる原因は、いまシャロさんが持っている液体ですよね?」
億夜「私が買ってきたやつだけどね、どうかしたの?」
スター「『飲んだ』ならば、いずれは何らかの形で『出される』はずです……」
心技体愛「えっ、チノちゃん、もしかしてそういう趣味──」ヒキー
スター「ココアさんのその思考の方がよっぽど怖いです。そうじゃなくて、『出せば』この状況も改善されるのではと……」
億夜「やってみる価値はありそうね」
世界「でも、どうやってやるんだ?」
スター「コーヒーを、飲むんです」
スター「この際だからはっきり言いますが、コーヒーには利尿作用があります。それを利用するのです」
心技体愛「えっ、じゃあ今すぐみんなで飲もうよ!」
スター「トイレはそう何個もありません。一斉に催したらどうするつもりですか」
億夜「そうなったらおもしろそうじゃない?」
スター「掃除の手間が増えるし、なにより衛生的に不味いです。千夜さんそれでも喫茶店の娘ですか」
億夜「今日のチノちゃんちょっと厳しいわね……」
心技体愛「あ、じゃあ私ちょうどトイレ行きたくなったから、ちょっと試してみるよ」
スター「そうですか?ではお願いします」
~2分くらい後~
ココア「戻ったよー」
世界「二つの意味で戻った!!」
スター「私の読み通りですね。今からコーヒーを淹れますので、一人ずつ飲んで御手洗までしてもらいます」
そして、数分後!
リゼ「やっぱりこっちの方が収まりがいいな」
千夜「自分の名前が一番ね♪」
チノ「全ての元凶が何を言っているんですか」
ココア「一時はどうなるかと思ったよ~」
タカヒロ「数分くらいの記憶がないのだが……」
チノ「気にしなくていいです」
シャロ「すべての道はカフェインに通ずいぇぇぇぇい!!!!」
チノ「一人、まだしばらくかかりそうですけど……」
青山「私は面白かったですよ?」
リゼ「もう二度とごめんだ」
さらに、数日後!!
千夜「面白い水を買ってきたわ!!」
シャロ「やめなさい」
千夜「その名も『対義水』!!」
シャロ「今すぐ捨て……対義水って何!?」
終わり
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