糠漬け

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塙「糠漬け（ぬかづけ）って知ってます？」

土屋「知ってるわ。ここの会場にいる人は多分今日も食べてきてるわ」

塙「今回は糠漬けについて調べてきましたのでお話させていただきます」

土屋「調べてきたのね？じゃあ、せっかくなのでお願いします」

塙「この捨て漬けと言うのは、」

土屋「糠漬けの話じゃねえのかよ。捨て漬けは最初に糠床作る時にやる工程でしょうよ、まだ食べられないですよ」

塙「米糠か、塩と糠を両方使うか、わっかんないけどそれに近い泥みてぇなやつを使って作られています」

土屋「それが糠だよ」

塙「種類がいくつかありまして、野菜を漬け込んだものや、魚を漬け込んだもの、お肉なんかを使うこともあるんです」

土屋「へえー、結構なんでも糠漬けにできるんですね」

塙「特に糠床っていう……なんか……ベチョベチョのところを(笑)使うことが多くて……」

土屋「糠漬け作ってる人に失礼だろ」

塙「糠床に野菜を入れたものは「糠味噌漬け」、あるいは「げぼぉ！！漬け」と呼ばれ」

土屋「ドボ漬けだろ。なんで食べ物作ってるのに突然汚くなっちゃうの、吐いちゃってるじゃない」

塙「大変美味しく食べられています」

土屋「塙さんのせいで美味しくは無くなりましたけどね」

塙「あ、みなさん知ってますか？糠漬けって、どうして野菜や食べ物が漬かるのか」

土屋「そんなことまで調べたんですか？発酵がどうこうっていう話でしょうかね」

塙「中に入ってる間に自然と肩の力が抜けてくるそうです」

土屋「肩？野菜に肩なんてありましたか？」

塙「全身に溜まっているストレスとか、水分みたいなものがだんだんだんだん抜けていって、調子が良くなっていくんですね」

土屋「塙さん、糠漬けの話ですよね？」

塙「だから今季は調子がいいんですね、モイネロとか石川は」

土屋「どっちもソフトバンクホークスの投手陣だろ！無理やり野球に繋げられるところ見つけたと思って出さないでくださいよ」

塙「野球選手も肉の範疇に入るかなと思って……」

土屋「その発想がこえーよ」

塙「この砂糖漬けは、」

土屋「今度は甘くなっちゃったよ。確かに甘くなることもありますけどね、発酵が進んで」

塙「漬ける時間で呼び方が変わるんですね。皆さん知ってるかな……あんまり漬かってないのは浅漬けって言います(笑)」

土屋「半笑いで言うんじゃないよ｡確かにそのまんまのネーミングだけども」

塙「これは、一夜漬けと呼ぶこともあります」

土屋「なるほど、よく聞く一夜漬けって言うのはここから来てるんですね」

塙「逆にとっても長く漬かっているものは、もうジジイってことで古漬けと呼びます」

土屋「言い方に配慮がなさすぎるでしょ。野菜がジジイってそもそもなんですか？」

塙「ずっと漬かってて歳を取って、しわっしわのくしゃっくしゃになるんですね」

土屋「しわしわなのは水分が抜けたからだよ！」

塙「ここまで調べて、もっと塩漬けのことが知りたくなりまして、」

土屋「また変わっちゃった。糠使わなくなっちゃいましたね」

塙「インターネットサイトのウキペディアでウキってみたんです」

土屋「それ言うならウィキペディアだろ。なんですかウキペディアって、サルのことしか載ってなさそうな名前ですけど」

塙「ウキー！つって」

土屋「無理やりサルの真似する必要もないですけどね、塙さん」

塙「そこで検索したらすごい情報を見つけて、ウホ！と言ってしまいました」

土屋「ゴリラかな？サルのたぐいだからまだ大きくズレてはないですね」

塙「糠漬けを作るための糠床（ぬかどこ）。これは本来は、糠と食塩水を混ぜ込んで、野菜クズなどを毎日入れ菌を繁殖させ発酵させる必要があります」

土屋「これが最初に言ってた『捨て漬け』の作業の話です」

塙「ですが、近年は便利ですね」

土屋「もしかしてもっと楽に始められるんですか？」

塙「近くのコンビニで完成した糠漬けをすぐ買えるようになりました」

土屋「それは割とずっと前からそうだったよ。自分で作る話してるのに、誰かが作ったやつ食べる話するなよ」

塙「あとは大型の量販店に行けば、すでに熟成がされていてすぐに野菜を漬け込める糠床を売っていることもあります」

土屋「あら！それは便利じゃないですか！それを使えばねえ、あんまり時間をかけずに始められますね」

塙「ですから今すぐでも、親父さんが借金してるんだろ？と言って、」　

土屋「弱みに付け込もうとするんじゃないよ。つけこむの意味が変わっちゃうだろ」

塙「奥さんに糠漬けを始めさせるチャンスですね」

土屋「そんな弱みに付け込まなくても奥さんはいつでも糠漬け始められますよ」

塙「ちなみに、糠床を触る奥さんの手付きが良いことを、床上手と呼びます」

土屋「なんでいきなりケーシー高峰さんみたいなこと言ったんだよ！嘘はやめてください」

塙「野菜たちは昼も夜も奥さんにいいようにあしらわれることになりますね」どやぁぁぁぁあ

土屋「何上手いこと言ったみたいな顔してんだよ、どこも上手くねぇよ」

塙「糠床には糠と塩、水以外のものを入れることもあります」

土屋「バリエーションがあるってことですか？」

塙「例えば唐辛子。辛味付けと同時に防腐作用があるので使います」

土屋「普通に使うものの話です」

塙「あとは昆布。これも糠床に旨味成分を出すためにいれることがありますね」

土屋「なるほど。美味しい糠漬けができる糠床ということですか」

塙「他にも柚子とか、柑橘系の皮を入れて風味を出すことがありますね。」

土屋「……ボケないのかよ！普通に使える情報だけを言うなよ、ここはヒルナンデスじゃないんですから」

塙「ヒルナンデスで糠漬け特集なんかやるわけねーだろ！！」

土屋「そんな乱暴な言い方すんなよ！やるかもしれませんから……！」

塙「……さて、用意した糠床が完成したら、ついに野菜を入れることになります」

土屋「なんやかんやありましたがやっと漬ける作業ですか」

塙「濡れている糠床の中に、おもむろにぶっとい野菜をねじ込みまして」

土屋「言い方が突然官能小説みたいになりましたね。どうしたんですか」

塙「ナカをグチョグチョにしてやります」

土屋「塙さん、たくさんの人が見てますからね、言い方気をつけてくださいね」

塙「糠床は欲しがりやさんなので、一日一度は触ってかき混ぜてあげる必要があります」

土屋「腐敗を防ぐためだろ！ずっと変な言い方してますけど、そのうち怒られますよ？」

塙「夏の暑い日には二回触らないといけないこともありますね」

土屋「温度が高くなると腐敗の速度って上がりますからね、手入れする必要が出てきますよ」

塙「野菜がずっと入っているとちょっと糠床は柔らかく、ほぐれてしまいます」

土屋「……なんでそれを嬉しそうに言ってるのか、よく分かりませんけども」

塙「そうなったら水分を抜いたり、糠と塩を足してからまた触って固くしてあげます」

土屋「言い方がややこしいな。またってなんですか！またって！糠と塩を足して硬さを調整する、でいいじゃないですか」

塙「でもどうしても毎日手入れできない、と言う方もちると思います」

土屋「ああ、忙しくて難しいって方はいるでしょうね」

塙「そういうときには、糠床を預かって代行で混ぜてくれる業者もあるそうですよ」

土屋「お近くにあるかどうかは是非探してみてください」

塙「奥さんを預かって混ぜてくれる業者もあるかもしれませんね」

土屋「だいぶ意味合い変わってくるだろ。塙さん、下ネタですか？これ。猥談したいだけですか？」

塙「市販のものだと、冷蔵庫で保管することで毎日のかき混ぜ不要というものもあるようです」

土屋「……そんなのもあるんですか。それならかんたんに始められるかもしれませんね」

塙「中に業者がはいってるんでしょうかね、こう、ミニドラみたいに」

土屋「そんなわけねえだろ。ミニドラ、伝わんなかったらどうするんですか！」

塙「実は健康にも良い食品です」

土屋「糠を使ってるからからだにいいんでしょうか？」

塙「ただ、ちょっとあの……」

土屋「なんですか？塙さん、そんな言いにくそうにして」

塙「や、ちょっと……成分として、多いんですよねぇ……」

土屋「多い？」

塙「あの、カリ……ウムが」

土屋「カリウムは別に放送コードに引っかかる言葉じゃねぇよ！むしろ言い方のせいで逆に引っかかるわ！」

塙「それとナトリウムもちょっと入ってるみたいです」

土屋「食事制限がある方はね、摂取量を注意しないといけませんね」

塙「でもここまでお話させていただきましたけど、やっぱ糠に漬けんのめんどくせぇ、って思う方もいるじゃないですか？」

土屋「お客さんはそんな投げやりな言い方しないだろ」

塙「なんと、もっとお手軽にヅケはじめる方法があるんですね」

土屋「糠漬けはじめることはヅケはじめるとは言わねえだろ」

塙「近年では、糠をヨーグルトで代用した、ヨーグルト漬けって言うのが流行っているそうで、」

土屋「ああ！発酵してるから糠床の代わりになるってことですか、それは確かにお手軽かも……」

塙「中からエスコバーとか出てくるんですかね？」

土屋「それはヤクルト漬けだろ。ヤクルトスワローズの選手をヨーグルトに漬けんな」

塙「ちょっと、糠よりすっきりした成績になるみたいです」

土屋「すっきりした成績って何だよ！味わいが爽やかになるんでしょ？」

塙「そういう意味では釘付けは、」

土屋「もはや漬けるの漢字も変わっちゃったよ」

塙「日本でも五本の指が入るほど有名なものと言っても過言では……」

土屋「五本の指『に』入る、だろ。どこに指五本入れちゃってんだよ」

塙「糠床に」

土屋「ひんやりしてて気持ちいいかもしれないですけど指を入れないでください、漫才中ですから」

塙「今日はいろんなお話をできてよかったです」

土屋「まあほとんど間違ってましたけどね」

塙「皆さんもこれを期に口付けを始めてみてください」

土屋「糠漬けだろ、いい加減にしろ！」

塙「どうもありがとうございました」