【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その3【安価】 (1000)

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ーー


加古「……」


初雪「……」


「××番、来い」


ガチャッ


古鷹「……」


加古「古鷹…」


初雪「古鷹さん」


古鷹「久しぶり……ね」


加古「そう…だな」


初雪「古鷹さん、どうしてそんなことになったの」


古鷹「……」


加古「分かるだろ初雪、古鷹は簡単に裏切るなんて行為はできなかったんだよ」


初雪「あんな狂った大本営の味方するなんて」


古鷹「……ごめんね二人とも」

加古「こっちは全部知ってるから安心していい。古鷹みたいに危険な思想は無くても、旧大本営の味方をした艦娘も塀の中だ」


初雪「当然といえば当然」


古鷹「うん……分かってる」


加古「古鷹が優しいってのは誰よりもあたし達が知ってる」


初雪「待ってて古鷹さん」


古鷹「え……?」


加古「あたし達は横須賀の艦娘だ、艦娘一人くらい出してやる!」


古鷹「そんなことしたら二人は…」


初雪「危険なことはしない」


加古「…古鷹はあたしを救ってくれた。だから今度はこっちの番だ」


古鷹「……ありがとう二人とも」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


提督「…二人の言いたいことは分かる」


加古「なら早く古鷹をあそこから出してやってくれよ!」


初雪「出来ないのぉ?」


提督「……ハッキリ言ってかなり難しい」


加古「そんな…どうしてだよ!」


提督「古鷹…特定の一人誰かを外に出すのが難しいんだ」


初雪「どうして」


提督「古鷹と同じような境遇の艦娘は他にも居る。その子達ではなくなぜ古鷹だけが外に出れるのか説明ができない」


初雪「……役立たず」

提督「……すまない」


加古「なあ…提督の立場を利用してもダメなのかよ?」


提督「…それは俺が一番やりたくないことだ」


初雪「龍驤さんには無理矢理会いに行ったくせに」


提督「……」


初雪「結局自分の事が可愛いだけ。旧大本営と同じだよ」


加古「……ごめんな提督。本当はあたしが庇うとこなんだけど…やりたくない」


初雪「…後悔してもしらないから」


提督「待ってくれ、何をするつもりなんだ?」


初雪「言うわけないじゃん」ガチャッ


加古「……ごめんなさい」ガチャッ


提督「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー書庫


潜水新棲姫「お前達が探している資料はこれだ」ドサッ


加古「これだけある…ってことはそれだけチャンスがある」


初雪「共通してることは無いの」


潜水新棲姫「そこまで調べていない。そういうのは自分でやってくれ」


初雪「ケチ」


潜水新棲姫「ワタシだってやることがある。用意してやっただけ感謝しろ」


加古「ありがと潜水新棲姫、あとはこっちでやるからさ」


潜水新棲姫「あぁ、好きにやっておいてくれ」

初雪「懲役が残ってるのに外に出てきた例は沢山ある」


加古「それを利用して古鷹を外に出せないか…」


初雪「とりあえず調べる価値はある」


加古「やろう、古鷹は何も悪くないんだから」


初雪「こんなの間違ってる」


加古「提督が頼れないなら自分達でやるしかない」


初雪「最終手段も残ってるし」


加古「あれは……できたら使いたくないから、ちゃんと出せる方法を考えよう」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


提督「助かった、あのままなら二人は何をしてもおかしく無かった」


潜水新棲姫「荒れている奴を落ち着けるのは慣れているからな」


提督「漣か…」


潜水新棲姫「提督からの報酬もあった、協力しない選択肢は無かったな」


提督「報酬……か」


潜水新棲姫「今夜、漣と部屋で待っているからな」


提督「……分かった」


潜水新棲姫「くくく…今夜は楽しめそうだ」ガチャッ


提督「……」

提督「…俺にもできることを考えよう」


提督「やはり古鷹という特定の一人を外に出すのは不可能だ」


提督「ならば同じ境遇の艦娘を出来るだけ多く自由にする…難しいな」


提督「本人達が旧大本営派では無くとも、形だけはそうなってしまう……」


提督「……何か方法はあるはずだ」


提督「無ければいけない。上司に従っただけで塀の中なんか理不尽過ぎる」


提督「…これも俺がやるべきことだ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー夜


潜水新棲姫「ぉぉ……」ビクンビクン


漣「んん~お疲れ様でしたご主人様」


提督「……」


漣「何を考えてますか?」


提督「…加古と初雪についてだ」


漣「その件ですか。確か幹部さんとH幹部さんに相談したんですよね」


提督「誰を出して良いのか判断をしないといけないし、出所した娘を受け入れる所も探さないとならない…幹部さんはそう言っていた」


漣「そうでしょうな」


提督「足りないのは人手と場所だとH幹部さんは言っていた」


漣「これまたそうでしょうな」


提督「……そうだな」

漣「場所はなんとかなるとして、問題は誰を出して誰を出さないかですよ」


漣「古鷹さんみたいな天使はいいんですよ。問題はグレーな艦娘です」


提督「…その判断にかなりの時間がかかる」


漣「否定できません」


提督「……」


漣「…ご主人様の力を使えば可能ですけどね」


提督「……」


漣「うちの朝潮が付けていた新型手錠。あんな感じでモニターをやってもらう代わりに外に出すことは可能です」


漣「普通なら無理ですよ。でもご主人様はこの横須賀の提督です。多少の無理は通っちまいますね」


提督「……」


漣「他に方法があるならそれがベストでしょう。よーく考えて下さいね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「各地の生の声にはその地域の鎮守府の実態が現れる。足で情報を稼ぐ必要があるんだ」


提督「加古や初雪に協力してもらったり、幼女塾やKAN-1を頼るのも手の一つだ」


提督「それだけじゃない、まるゆ警部補に地域の警察へ問題のある艦娘がいなかったかも調べてもらおうと思っている」


提督「俺は軋轢のない形で開放する事が、古鷹の為になると考えた」


提督「必ず古鷹を自由にするから、だから二人にも協力して欲しい」


加古「提督、そんなに考えてくれて…」


初雪「黙されちゃダメ、結局コイツは何もしてくれない」


加古「そんなことない、提督はあたし達の事を…」


初雪「ならいつまでに古鷹さんを出せるか言って」


提督「それは……無理だ」


初雪「ほら、ね」

初雪「協力する、努力する、検討する。そんな言葉は聞き飽きた」


初雪「お前が何もしないなら私が動く」


提督「強引な手段を取っても古鷹は喜ばない」


初雪「お前に古鷹さんの何が分かる!」


提督「古鷹のことは分からない、だが似たような経験はある」


初雪「古鷹さんと一緒にしないで」


加古「なあ初雪、一旦落ち着こう。やっぱり今すぐなんて無理…」


初雪「逆の立場でもそう言えるの」


加古「逆…」


初雪「何もしてないのに塀の中なんて。私には耐えられない」


初雪「…もうここの連中の誰も頼らない」


加古「待って初雪…」


初雪「ついてこないで」ガチャッ


加古「……提督は悪くないよ。できる限りの精一杯をしてくれたんだもんね」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


古鷹「私ね、今模範囚なんだよ」


初雪「模範囚……」


古鷹「このままいけば仮釈放までもうすぐかな」


初雪「…今すぐ出たくないの。古鷹さんは何も悪くないんだよ」


古鷹「私は特別って思われちゃわない?誰にも後ろ指を指されたくないの」


初雪「古鷹さん……」


初雪「…分かった、待ってるね」


古鷹「うん、ここから出たらすぐ会いに行くからね」

ーー


初雪「……私が間違ってた?」


初雪「ううん、結果的にそうなっただけ。間違いじゃなかった」


初雪「でも…正しくも無かった」


初雪「古鷹さんのこと…何も分かってなかった」


初雪「……帰ろう」


初雪「帰って……加古と提督に謝ろう」


初雪「…私が悪かったし」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

加古「謝るならあたしもかな」


初雪「加古…」


加古「提督にはあたしに任せてって言ってきたけどさ。本当ならあそこで止めないといけなかったよね」


初雪「……」


加古「初雪が古鷹のことを大切なのはよーく分かってる。だから責めたりなんかしない」


加古「…一緒に帰ろうな」


初雪「…ん」

ーー横須賀鎮守府


加古「提督、帰って来た…」


初雪「待って」


提督「…そうですかありがとうございます」


提督「よし、次は……」


初雪「なに、してるの」


漣「古鷹さんの為に色んなとこに電話してんすよ。タテを頼るってやつですな」


加古「提督が……」


漣「ご主人様を舐めないで欲しいですな。障害艦娘をわざわざ引き取るようなお人好しなんですぜ?」


初雪「……」


漣「まあご主人様は古鷹さんのことだけを考えてるんじゃないですけどね」

漣「古鷹さんと同じ境遇の艦娘を、模範囚にできないかを交渉中です」


加古「仮釈放させる為に…」


漣「そうです。強引な手段よりは速度は遅いですが、ご主人様は言葉だけの人間じゃないんですよ」


初雪「……」


漣「…ご主人様、二人が帰ってきましたよ!」


提督「…初雪、加古!良かった、心配してたんだ。捜索隊を編成しようと考えていてだな…」


加古「…な?」


初雪「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

初雪「…私も手伝う」


提督「は?」


初雪「提督が…働き過ぎて潰れたら困るし。何をすれば良い?」


加古「初雪が…仕事を手伝う…?」


漣「…まさかご主人様を狙ってんすか?そう簡単に……いきそうですねぇ。ご主人様の大好物のまな板ですもん」


加古「提督、初雪に手を出すのは違うから」


提督「もちろんだ、だが初雪が……まさか…」


初雪「……私のことどう思ってるのぉ!」プルプル


ーー

新スレでも宜しくお願いします


コメントなどあればお願いします

ーー


漣「お疲れ様ですご主人様」


提督「…これくらいどうということは無い」


漣「頑張るのは大切ですが、やり過ぎは問題です。一旦ここまでにして休んで下さい」


提督「だが…」


漣「休んで下さい。無理矢理にでも休憩してもらいますよ」


提督「……分かった」


漣「聞き分けがよくて助かります。お茶でも用意するんで少し待ってて下さいね」


提督「あぁ…」

漣「…こういう状況って久しぶりですよね」


提督「ん?」


漣「ご主人様と二人だけで執務室で仕事なんて。向こうに居た時以来ですよ」


提督「…そうか?」


漣「そうですよ。横須賀に来てからもたまに秘書艦代理として仕事はしてましたけど、完全に二人きりは無かったですね」


提督「……龍驤か」


漣「はい、あの人が入院してますので。こうやってご主人様を独占ですね」


提督「……」


漣「せっかくなのでご主人様の隣を堪能させてもらいますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「すいませんねぇ、英国淑女じゃないので本格的な紅茶は勘弁して下さい」


提督「……」


漣「おっと、ちゃんとした紅茶が飲みたかったと?」


提督「いや……少し、な」


漣「今なら誰も居ませんぜ。漣で良ければ話を聞きます」


提督「…こんな気持ちになるのは久しぶりだ」


提督「漠然とした不安…焦燥感とはまた違う。大きなものを見て怯える小動物のような気持ちに近いのかもしれない」


提督「俺は横須賀の提督という地位を手に入れた。これ以上無い待遇にも関わらず…」


漣「ご主人様は頑張ってきたんです、何度も倒れたりしながら。漣からすればやり過ぎなくらいです」

漣「龍驤さんが入院したからじゃありません。ご主人様は働き過ぎです」


漣「ご主人様、以前のように出撃が忙しいという事態はありません。漣達に仕事を回して半日休む、なんて日を作ってもいいと思いますよ?」


提督「だが…」


漣「ご主人様がそんなことを言い出すと倒れる兆候があるんですよ。無理矢理入院させられたくなかったら言うことを聞いて下さい」


提督「…努力する」


漣「ほんっとにもうこの人は…なまじ分かってしまうのが悲しい性ですな」


提督「…漣とは付き合いは長くなるからな」


漣「ええ、だからご主人様の操縦方法もある程度分かってますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー提督の部屋


提督「休めと言われて部屋に帰されたわけだが…どうしたものか」


提督「時間は昼過ぎ。寝るには少々早すぎる」


提督「…やはり仕事をしよう。やることが無いわけじゃないんだ」


提督「確認用の資料が確かここに…」ガラッ


朝霜「よぉパパ」


提督「うおぉぉぉぉっ!?」


朝霜「休めって言われたなら素直に休まないとダメだぜ」


提督「い…いつからそこに!?」


朝霜「喜べパパ。この鎮守府であるものが結成された」


提督「あるもの……?」


朝霜「その名も、『提督を休ませ隊』だってよ」

朝霜「隊員はここの全員だ。深海棲艦の連中も手伝うってよ」


朝霜「パパはさ、誰から見ても頑張り過ぎなんだよ。だからこうやるしか無かった」


提督「だ、だが…提督が仕事をしていないと…」


朝霜「そういうのはもう古いぜ?」


提督「……」


朝霜「無理にでも仕事をしようとすれば、隊員に捕まっちまう。そうなったらどうなるか分かるだろ?」


提督「……」


朝霜「じゃ、大人しく休んでてくれよパパ~」ガチャッ


提督「大人しく休む……か」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

コンコン


提督「…誰だ?」


霞「私よ司令官」ガチャッ


提督「霞か……」


霞「貴方と同じで無理矢理休まされたのよ。私の部屋には仕事道具しか無いからって…」


提督「それで俺の部屋に来たのか」


霞「貴方も休まされてるって聞いたから。何か面白いことでもしてないかと思ったんだけど」


提督「……恥ずかしい話だが休み方が分からない」


霞「私もよ。何をしたらいいかさっぱり」

霞「こんな時間から寝れないし…」ポスッ


提督「…そうだな」


霞「……隣、座って」


提督「……」スッ


霞「司令官……」


提督「……」


漣「おらぁぁ!休めっつってんだろうがよぉ!!」ガチャッ


霞「!!」


漣「ご主人様はともかく霞は休めないのでヤルのも禁止!分かりましたね!」ガチャッ


霞「……考えてることは筒抜けみたいね」


提督「…漣とは付き合いが長いからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「…司令官、爪伸びてない?」


提督「そういえば…最近切ってなかったな」


霞「それはいけないわ、身嗜みは大切よ」


提督「わかった、すぐに切るから…」


霞「爪切り」


提督「んん…?」


霞「私がやってあげるから、爪切りを貸して」


提督「それは…」


霞「いいから早く貸して!」


提督「…分かった」

ーー


パチンパチン


霞「……」


提督「……」


霞「逞しくて…男の人の手ね」


提督「男だからな」


霞「そうね、司令官が男だっていうのは嫌ってほど教えられたわ」


提督「……」


パチンパチン


霞「…はい、次は左手を出して」


提督「……」スッ


霞「じゃ、やっていくわね」

霞「…ヤスリは無いの?」


提督「一緒に出すのを忘れただけだ、そこの引き出しに入っている」


霞「……これね」スッ


霞「爪を切ったあとはちゃんと手入れをしておかないと」


提督「……」


霞「……」カリカリ


霞「…司令官」


提督「どうした?」


霞「好き」


提督「……」


霞「私だけじゃなくてここの皆んなも同じ気持ちよ。だから貴方には休んで欲しいって言ってるの」


提督「…ありがとう霞」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


提督「手伝わなくても良かったんだぞ?」


霞「私がやりたいのよ」


提督「今度は俺の番で、お菓子を作ろうとしたんだがな」


霞「一人で待ってるのも暇なのよ。邪魔はしないから」


提督「…やってもらうことはある。手伝ってくれ」


霞「もちろんよ」

霞「……司令官、一つ聞いてもいい?」


提督「なんだ?」


霞「どうしてお菓子作りが得意なの?」


提督「……」


霞「え…何よその表情。聞いちゃいけないことだったの?」


提督「…誰かに聞かれた時は甘党だからだと答えていた」


霞「でも本当は違う理由があるのね?」


提督「……あぁ」


霞「教えてくれるなら聞いてみたいわ」


提督「…………」

提督「その理由は龍驤にすら言っていない」


霞「じゃあいいわ、そんな大切なことなら…」


提督「いや、霞になら言ってもいい。逆に龍驤には言えない」


霞「なによそれ……全く分からないんだけど」


提督「……」


霞「ここまで来たんなら聞かせて。どうしてお菓子作りが上手なの?」


提督「……お菓子作りは学生時代から練習したんだ。その結果皆んなも美味しいと言ってくれるものが作れるようになった」


霞「そんな昔からなのね」


提督「あぁ……そうなんだ」

霞「理由は昔から同じなの?」


提督「今は違うが…昔はある目的の為だった」


霞「ある目的……?」


提督「…小さい子はお菓子や甘いものが好きだろう?」


霞「あんたねぇ!!」


提督「……」


霞「絶倫誘拐犯はあながち間違ってないじゃないの!!」


提督「……」


霞「まさか本当に…いや、違う。漣とヤるまで童貞だったってことはうまくいかなかったのね」


提督「……」


霞「…本物のクズにならなくて良かったわね」


提督「…あの時の俺はどうかしてたんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「甘い香りがしてきたわね」


提督「……」


霞「理由はどうあれ得意なこともできて、こうしていられるんだから結果オーライよ」


提督「…そう思っておこう」


霞「それしか無いわよ!」


提督「……」


霞「完成まであと少しでしょ、頑張って司令官」


提督「そうだ…あとは仕上げだ」

ーー


霞「なんであんたが居るのよ」


潜水新棲姫「いい匂いがした」


提督「量はある。潜水新棲姫も食べるといい」


潜水新棲姫「なら遠慮なく食べるぞ、甘いものは好きなんだ」


霞「…司令官、ある意味目標は達成ね」


提督「……」


霞「小さな子は釣れなかったけど、潜水新棲姫が釣れたんだしそれで満足でしょ?」


提督「満足かどうかは別に…」


霞「知ってるのよ。漣と一緒になって潜水新棲姫と色々シてるの」


提督「……」


潜水新棲姫「甘い…美味い……」パクパク


霞「黙っててあげるから、潜水新棲姫で満足しておきなさいよ」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「お、この匂いはご主人様が何か作ってますな」クンクン


漣「ご主人様はちょっとしたスイーツ職人ですからね。匂いだけでも美味しそうなのが丸わかりです」


漣「いやぁ……しかしよくもまあ今まで捕まりませんでしたよね」


漣「ロリっ子を甘い物で餌付けしてヤることヤろうとしてたって。ほんとにご主人様はガチのロリコンですな」


漣「あれで顔が怖くなかったらとっくの昔に捕まってましたね間違いなく」


漣「ある意味これで良かったと思うしかないでしょうねぇ……」

漣「この前の出張の時、ホテルの近くにあった海防艦風俗。あれにもクラッときてたっぽいですよね」


漣「下手に放置すると危険かと思ったんで、うちの嫁に協力してもらってますけど…効果はあるみたいですね」


漣「お尻でしかヤらせてませんけど、そもそもガチのロリっ子で前は無理なんで、その辺は分かってるでしょうね」


漣「ええそうなんですよ、ご主人様は分かってるからタチが悪いんですよねぇ…」


漣「……ご主人様宛てに届いたこの荷物」ゴソッ


漣「ご主人様……中身を隠してもらうの忘れたら終わりですよ」


漣「園児が着るようなスモックとランドセルって…………」


漣「…漣は優しいですから。この伝票は見なかったことにします」ビリビリ


漣「……うちの嫁と園児プレイかぁ~…」


漣「ご主人様なら…ギリギリ許せるか……な」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞「司令官、あーん」


提督「ぁ……」


霞「出来はどう?」


提督「…悪くないな」もぐもぐ


霞「手伝った甲斐があったわね」


提督「霞の手伝いは助かったからな」


霞「じゃあ次は司令官ね」


提督「次?」


霞「あー……」


提督「…そういうことか」

提督「あーん……」


霞「……」もぐもぐ


提督「どうだ?」


霞「いつも通り美味しいわよ」


提督「それは…良かった」


霞「ならまた私ね」


提督「いや一人で食べられるから…」


霞「私がそうしたいのよ。ほら口を開けて」


提督「……」


霞「はい、あーん……」



下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「ん~甘くて美味しいぜ。流石はパパだな!」


提督「それは良かったんだが…」


朝霜「どうしたんだよ?」


提督「どうして皆並んでるんだ?」


金剛「決まってマス!提督にあーんしてもらう為デスよ!」


提督「おいおい…」


神通「冗談じゃなくて…本気です…」


提督「……」


雲龍「諦めるしかないわね提督」

提督「どうして…」


朝霜「どうして?それを言っちゃおしまいだぜ!」


アイオワ「ヘーイAdmiral!!」


提督「……」


朝霜「パパのことは皆んな慕ってんだから当然だな」


早霜「ねぇ朝霜姉さん…」


朝霜「あたいはやんねぇからな」


早霜「……残念だわ」


提督「これだけの人数に……か」ズラッ



下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


神通「あ、あん……あの……んん……」


金剛(……恥ずかしくて何も言えまセン)


アイオワ「ンーAdmiralは中々のテクニシャンね!」


雲龍「ん……ありがとう提督」


龍田「提督~随分と素敵なことをしてるみたいね~」


天龍「……ん」


ポーラ「あら~これはお酒の入っていないスイーツでしたか~」

ーー


提督「……」


早霜「随分とお疲れみたいねぇ」


提督「…何人にやったんだ?」


朝霜「ほとんど全員だろうな」


提督「……」


早霜「人気者の辛いところかしらねぇ」


朝霜「もう日が沈んじまったな」


提督「何時間やってたんだ……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「これじゃあ休んでる意味が無いわね…」もぐもぐ


朝霜「じゃー風呂行こうぜ! パパの背中流してやるからさ!」


提督「…百歩譲ってそれはいいとしよう。だが場所は…」


朝霜「そんなのパパが普段使ってる方に決まってんだろ」


提督「やっぱりか…」


朝霜「あたい達が使ってる方だと愛宕と鉢合わせするかもしれねぇからな」


霞「…絶対背中を流すだけじゃ済まないわね」


提督「……」

早霜「安心して…私が監視役として一緒に入るから」


霞「それなら安心ね。いいわよね朝霜?」


朝霜「早霜なら一緒でも別にいいぜ~」


早霜「決まりね、司令官」


提督「……」


朝霜「ほら早く着替え持ってこいって!パパと一緒にお風呂だぜ!」


提督「…早霜も居るなら大丈夫か」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー風呂場


朝霜「具合はどうだパパ~」ゴシゴシ


提督「…汚れがよく落ちると思う」


朝霜「そりゃ良かった!もっと力を込めて洗うぜ!」ゴシゴシ


提督「……」


早霜「こっちはどうかしら…?」ゴシ…ゴシ…


提督「…早霜も洗ってくれるのか」


早霜「別にいいじゃない……の」ゴシ…ゴシ…


提督「……」

早霜「…自分に好意が無い艦娘に体を触れられるのは嫌?」


提督「そうじゃない、ただ驚いただけだ」


早霜「ふふ…そうね、確かに驚いて当然かもしれないわねぇ」


朝霜「早霜はパパのこと別に好きじゃないんだよな?」


早霜「ええむしろ嫌いよ」


提督「……」


朝霜「じゃあどうしてだよ?まさか…殺すとか……」


早霜「ふふふふふふ…あながち間違ってはないわねぇ」


朝霜「やめろ!!パパはあたいより大切な人なんだ!」


早霜「ふふふ……司令官そのものを殺すんじゃないの」


朝霜「どういうことだよぉ…」

早霜「そんな顔しないで朝霜姉さん。司令官には危害は加えてないから」


朝霜「ほんとかよぉ…」


早霜「ええ、むしろ…イイと思ってるかもしれないわね」


提督「……」


朝霜「あ、え……嘘だろ…早霜…も……?あたいは…用済み…?」


早霜「早とちりして絶望する姉さんもいいわね…」


提督「……早霜」


早霜「分かってるわ、朝霜姉さんを悲しませるようなことはしないわ」


朝霜「あたいの思ってることとは違うんだな…?」


早霜「勿論よ。だから姉さん司令官の娘のまま」


朝霜「よ…良かったぁ……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

早霜「…朝霜姉さんには言っておいた方が良さそうねぇ」


朝霜「教えてくれないと寝れねぇよ……」


早霜「私が殺してるのは1人や2人なんかじゃないの」


朝霜「意味わかんねぇよ……」


早霜「ざっと1億…だったかしら?」


提督「……」


早霜「ふふふふ…分かったかしら姉さん?」


朝霜「それって…」


早霜「ええ、司令官から出たモノよ」

早霜「口でモノを飲んで胃の中に入る……たったそれだけで1億も殺せるの」


早霜「これに気付いた時……絶頂で身体が震えたわ」ゾクゾク


朝霜「……司令とはヤってはねぇんだよな?」


早霜「ええ、でも無駄打ちはさせてるわねぇ」


朝霜「…ならいい。パパが危ない目に遭わないなら許す」


早霜「ふふ…姉さんにお墨付きをもらったわね?」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「……そうだ忘れてた」


提督「何がだ?」


朝霜「風呂から出たら耳かきしてくれるらしいぜ」


提督「…誰がだ?」


朝霜「さぁな、忘れちまった」


提督「……」


早霜「姉さんの目の前で他の女のことを考えちゃダメ」


提督「そう言われても気になるだろう」


早霜「その時になれば分かるわよ…ふふふふ」

ーー


提督「…こうなるとは」


S朝潮「少々出遅れましたので、ここで挽回できたらなと」


提督「…好きにしてくれ」


S朝潮「なら私が耳かきをさせてもらいます。さぁ私の膝に寝て下さい」


提督「……」ゴロン


S朝潮「司令官を膝枕する…こんなに幸せなことはありません」


提督「……」


S朝潮「…動かないで下さいね司令官……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


S朝潮「…こちら側は終わりました。こっちを向いて下さい」


提督「……」ゴロン


S朝潮「……」


提督「…どうした朝潮。ひょっとして汚かったか……?」


S朝潮「…綺麗ですよとっても」


提督「な、なら良かったが…」


S朝潮「……司令官」ギュッ


提督「な…おい……」


S朝潮「このまま…聞いて下さい」


提督「……」

S朝潮「司令官には何度も言っていますが、感謝してもしきれません」


S朝潮「貴方は私を救ってくれました。本当にありがとうございます」


提督「…頑張ったのは朝潮だ」


S朝潮「頑張らせてくれたのは司令官です」


提督「俺は…」


S朝潮「司令官にとっては当然でも、私にとってはどれだけ嬉しかったか……」


S朝潮「そしてまた同じことを言いますが……自殺なんかしてごめんなさい」


提督「……」


S朝潮「何度も手を伸ばしてくれたのに。私はその手を握れませんでした」

S朝潮「…怖かったんです」


提督「怖い?」


S朝潮「人を信じるという行為が怖かったんです。龍驤さんとのいざこざもありましたが、こっちの方が大きかったですね」


提督「そうだったのか…」


S朝潮「そんな私に手を握らせたんです。簡単には離しませんから…覚悟して下さいね?」


提督「…もちろんだ」


S朝潮「司令官はやっぱり…私にとって一番大切な人です」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー提督の部屋


提督「……」ガチャッ


霞「お帰りなさいあなた」


提督「…あぁ」


霞「疲れてない?今日はもう休む?」


提督「…少しなら大丈夫だ」


霞「そう。なら準備するから少し待ってて」


提督「……」

霞「……お待たせ。準備できたわよ」


提督「霞…」


霞「今は霞ママ、でしょ」


提督「霞…ママ……」


霞「なぁに?」


提督「俺は……」


霞「…やっぱり何も言わないで。全部ママに任せればいいから」


提督「……」


霞「今夜も頑張って…私を本当のママにしてね」ボソボソ


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞「しゅごい……濃いのがぁ……私の中にぃ……」


提督「……」


霞「…………」


霞「…何よ……こんなにシておいて…不満…?」


提督「いや……」


霞「なんてね、原因は分かってるわよ。龍驤さんでしょ」


提督「……」


霞「今日一日…いや半日ね。癒されたはずなのにどこか満たされない」


霞「それは龍驤さんが居ないから…ね」


提督「…その通りだ」

提督「龍驤が居ないと…俺は…」


霞「だからっていつまでもそんな顔してちゃダメ。龍驤さんが帰ってきてそんな顔で迎えるの?」


提督「……」


霞「司令官」


提督「…そうだな、これじゃいけないな」


霞「その調子よ、明るい顔で迎えてあげないと」


提督「ありがとう霞。そう言ってもらえて元気が出たよ」


霞「まぁでも…私とスる時にランドセルを背負うようになったのは黙ってるべきかもしれないわね」ガシャッ


提督「……」


ーー

用意するからちょっと待ってて→ランドセル


コメントなどあればお願いします

ーー


霞『叢雲は手術、龍田は司令官に依存することによってある程度安定はしてした』


霞『響もそう。何かが影響したみたいで以前と比べるとかなり安定してきてるのよ』


霞『そうなると次に不安定なのは朝霜なのよ。本当なら龍驤さんなんだけど、今は入院中だし』


霞『龍驤さんの退院の目処が立った今、朝霜が一番危ないの』


霞『朝霜は司令官だけというより龍驤さんの事も慕ってた。本当の親子みたいにね』


霞『私も気を付けておくけど、朝霜はよく観察しておいて』

ーー


提督(霞からそう言われて朝霜を普段より気にかけようとしていたんだが…)


朝霜「痛い…痛いよパパ……」


提督(執務室の外から物音がして、様子を見てみると朝霜が蹲っていた。体には痣ができているのを見ると何度も転びながらここまで必死に歩いてきたのだろう)


朝霜「脚…脚が……右脚が…痛い…」


提督(朝霜は重い幻肢痛で苦しんでいる。薬を飲んでも多少マシになるだけで痛みが取れることは無いそうだ)


朝霜「パパ…パパぁ……」


提督「…大丈夫だからな朝霜」


提督(俺にできることは朝霜を抱きしめることだけだ。このまま不安定なままなら、朝霜を膝に乗せて仕事をすることになりそうだ…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「…結局そのスタイルでいくんですね」


提督「これ以外に方法は無いんだ」


朝霜「……」ちょこん


漣「朝霜さんを膝に乗せながら仕事しても漣は何も言いませんよ」


提督「…助かる」


漣「朝霜さんとお喋りしても構いませんよ。漣は居ないものだと思って下さい」


提督「…だそうだ朝霜」


朝霜「……」カタカタ


提督「震えなくてもいい、俺が側に居るからな」


朝霜「…うん」

提督「……」


提督「朝霜、何かあったのか?」


朝霜「何も、無くて……」


提督「…そうか」


朝霜「ママが…」


朝霜「ママに会えないのが…辛い……」


提督「俺じゃ力不足か…」


朝霜「違う……パパとママが…一緒に……」


提督「……」

朝霜「あたいが…全部無くした時に…パパとママが……」


朝霜「二人は…あたいにとって…全部…」


朝霜「足りないものも…全部補ってくれたから…」


提督「…ここには俺しか居ないが、それでも全力で支えてやる」


朝霜「あ…ありが……」


朝霜「痛い痛い痛いぃ…………」


提督「…大丈夫、大丈夫だ」


漣「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「…これで少しはマシになるか?」スッ


朝霜「ぅ、あ……」


提督「幻肢痛の対処は龍驤で慣れているからな。本当に脚があるように触るんだ」サスサス


朝霜「ふぅ……ふぅ…」


提督「…義足を外すぞ朝霜」ガシャッ


朝霜「ん……」


提督「ほら、これでもっと楽になるだろう」


朝霜「パパぁ……」


提督「よしよし、もう痛くなくなるからな」

提督「朝霜、もうすぐ龍驤が帰ってくる。いつ帰ってくるか分からない状況じゃないんだ」


提督「これは霞に言われたことなんだが、そんな顔して龍驤を迎えるのか?」


朝霜「嫌…だ……」


提督「そうだろう?ならちゃんと龍驤を迎えようじゃないか」


朝霜「んぅ……」


漣「……流石はご主人様ですね」


提督「流石なんかじゃない。俺も朝霜も必死なだけなんだ」


漣「…さいですか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「…あ、忘れてました。ご主人様、艦隊が帰投…」


早霜「ねぇ」シュバッ


提督「……どうした早霜」


早霜「どういうことかしら」


提督「…何がだ」


早霜「どうして朝霜姉さんが怪我をしてるの?」


提督「…調子が悪く、ここまで来るのに何度も転んだらしい」


早霜「私、朝霜姉さんを傷付ける人は許さないって言ったわよね?」


提督「……」


早霜「安心して殺しはしないから。でも死ぬほど痛い目にあってもらうわ」

朝霜「やめろよぉ…」


早霜「朝霜姉さん、コイツを庇うの?」


朝霜「悪いのはあたいだから…」


早霜「どうして?」


朝霜「あたいが一人で勝手に転んで…迷惑かけたから…」


早霜「司令官が頼らないからでしょ」


朝霜「違う……そうじゃない…」


早霜「話はあとで聞くわ。まずはコイツを……」


朝霜「ダメ……」バッ


早霜「え?」


提督「危ない!!」ガシッ


朝霜「う、ぅあ……」


提督「朝霜、今は義足をつけてないんだぞ!?」


朝霜「あ…忘れてた……」


提督「つけてやるから少し待ってろ」


朝霜「ん……」

朝霜「…早霜ぉ」ダキッ


早霜「姉さん……?こんなに甘えてくるのは珍しいわね…」


漣「朝霜さんが不安定なのは、龍驤さんに甘えられないからなんですよ」ヒソヒソ


早霜「…私はあの女の代わりなの」


漣「どんな理由であれ朝霜さんに甘えられるんですよ?」


早霜「……今日姉さんは私が面倒を見るから」


朝霜「…パパ」


提督「……」


早霜「貴方はそこで大人しく仕事でもしてなさい」ガチャッ


朝霜「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー早霜の部屋


早霜「…できたわよ姉さん」


朝霜「……」


早霜「司令官はこんな事できないでしょ?朝霜姉さんの事は私が一番よく知ってるのよ」


早霜「どんな髪質でどんな梳かし方をすればいいか…私より知ってる人なんか他に居ない」


朝霜「早霜…」


早霜「ふふ…姉さん知ってる?髪を触らせるのは抱くよりも後にすることなのよ」


早霜「朝霜姉さんは私が……私だけが居れば…」


朝霜「……」ダキッ


早霜「姉さん…?」

朝霜「そんなこと…言うなよ…あたいにとって…皆んなが大切なんだ…」


早霜「姉さんはそうかもしれないけど…」


朝霜「あたいが…そうして欲しいんだ…」ギュゥゥ


早霜「ん、姉さん…」


朝霜「…抱き返していいんだぜ」


早霜「……また壊しそうで怖いの」


朝霜「お前はもう大丈夫だ…」


早霜「ダメよ、さっきだって司令官を半殺しにしようとした」


朝霜「しようとしただけで…しなかっただろ…」


早霜「……」

朝霜「……早霜」


早霜「……」ギュッ


朝霜「ぁん…」


早霜「…柔らかい」


朝霜「早霜は…ちょっと冷たいな…」


早霜「二回も死んでるから体温が低いのかもしれないわね」


朝霜「……あれだけ酷い目にあったけど、早霜もあたいには必要だ。もう離れないでくれよ…」


早霜「…離すわけないじゃない」ギュッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


コンコン


提督「入ってきてもいいぞ」


ガチャッ


朝霜「パパ…」


提督「…朝霜と早霜か。どうしたんだ?」


早霜「軽食でもどうかと思って持ってきてあげたのよ」


提督「そうか…そろそろ休憩しようかと思っていた所だ」


朝霜「パパ…食べて……」


提督「勿論だ、朝霜が持ってきてくれたんだからな」

朝霜「美味しい…?」


提督「あぁ、美味しいよ」


早霜「姉さんが作ったのだから当然よね」


提督「そうだったのか?」


朝霜「あたいだけじゃなくて…早霜も…」


提督「なに?」


早霜「ほんの少しだけど、手伝ったことには変わりないわね」


提督「……」


早霜「大丈夫よ、毒なんか仕込んでないから」


提督「いや…そうじゃなくてだな…」


早霜「うふふ、分かってるわよ」

早霜「そうね、単なる気紛れとでも思っておいた方がいいかもしれないわね」


提督「……」


早霜「でも…貴方のモノを殺す時に、少しくらい趣向に沿ってあげるかもしれないわ」


提督「……」


早霜「ふふ、食事中にする話じゃ無かったわね」


漣「その通りですぜお三方」ガチャッ


朝霜「漣…」


漣「この後幹部さんと電話会議なんすから、邪魔はしないで下さいよ」


早霜「ええ…もちろんよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

書いてたのを消しました、再安価お願いします


下2

ーー


幹部「…今日の定例会はこれくらいにしておこう」


提督「はい、ありがとうございました」


幹部『仕事の話はここまでだ。ここからは君に報告になる』


提督「報告…?」


幹部『龍驤君の退院の日にちが決まりそうだよ』


提督「本当ですか!?」


幹部『ああ、医者も驚くほどの回復力だそうだ』


提督「良かった…本当に良かったです」


幹部『あまり馴染みの無い病院だったが、腕は確かなようで何よりだったよ』

提督「それで、龍驤はいつ帰ってこれるんですか?」


幹部『早ければ来週にも帰れるそうだよ』


提督「それは嬉しいですが……随分と早いですね?」


幹部『そうだね、私も少し気になったが問題無いというのならいいんじゃないかい?』


提督「はい…」


幹部『精神は目に見えない。本当に治ったかどうかは医者と龍驤君を信じるしかないよ』


提督「…幹部さん、お見舞いには行けるんですよね?」


幹部『本来ならそうなんだが…すまない、この前夜中に龍驤君に会いに行ったのが良くなかったようだ』


提督「無理なんですか…」


幹部『あれは警察沙汰になってもおかしくは無かった。ここは大人しく退院を待ってくれるかい?』


提督「…無理を聞いてもらったのは自分です。今回は引き下がります」


幹部『そうしてくれるとありがたいよ』



下2 この後の展開やその他起こったことなど

幹部『龍驤君が居ない時間が長くなってへたってるかとも思ったが、大丈夫みたいだね』


提督「……大丈夫ではありません。自分一人では無理でした」


幹部『そうだね、そこには提督君を支えてくれる皆んながいる』


提督「龍驤を…しっかり迎えてやるつもりです」


幹部『よく言った提督君。君の成長を見ているとこっちも嬉しくなる』


提督「ありがとうございます」


幹部『うむ、その調子だよ』

幹部『…ところで提督君、ある噂を聞いたことは無いかい?』


提督「噂、ですか?」


幹部『あぁ、海賊とは違う…艦娘のような人物がウロウロしているという話を聞いたんだ』


提督「聞いたことはありませんね…」


幹部『ただの噂かもしれないが、提督君の耳にいれておいて損はない』


提督「分かりました、情報をありがとうございます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「ママが帰ってくる…!」


提督「思ったよりも早くて良かったな朝霜」


早霜「早すぎるわ。数日前まで再起不能かもって言われてたのよ?」


提督「だが医者が言うのなら間違いないんだろう」


早霜「でも…」


朝霜「なんだよぉ……やっぱり早霜は…」


早霜「違う、違うわ姉さん。龍驤さんが帰ってきて嬉しいのは私もよ」


朝霜「ん…良かったぁ……」


早霜「……」

早霜「司令官」コソッ


提督「…なんだ?」


早霜「私は朝霜姉さんを壊したことがある。体だけじゃなくて心も」


早霜「だから分かるのよ。心はそう簡単に治らない」


提督「…だが龍驤が何かを誤魔化しているとは思えない。前と違って龍驤が書類を改竄したりはできない」


早霜「でも…」


提督「そういう心配は帰ってきてからでもいいだろう。今は素直に龍驤が帰ってくることを祝福してくれ」


早霜「…警告はしたわよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


名取「どう思う由良?」


由良「確かに違和感はある」


早霜「やっぱりそうよね?」


由良「普通ならそんな簡単に出てこれない」


名取「治りの早い子も居るんじゃないの?」


由良「龍驤は異常」


由良「ほんの数日前まで拘束されてた」


由良「それなのに退院はおかしい」


名取「由良がそう言うならそう…かも?」

由良「手伝う」


早霜「本当に?」


由良「龍驤の周りを調べる」


名取「…分かった、私も協力するよ」


早霜「ありがとう…二人が手伝ってくれるなら心強いわ」


由良「貴女の考えは分かる」


由良「憂いなく祝福したいのは私も同じ」


早霜「ええ、何も無いのならそれでいい。むしろそれを確かめたいのよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー夜中、病院


早霜「……カルテを見る限り問題は無さそうね」


早霜「退院できる目処がつく程には健康になっているから、退院の判断をした…」


早霜「前例のないくらい早い回復スピードだけど、艦娘ならあり得なくは無い…」


早霜「……私の気にしすぎだったみたいね。龍驤が医者と共謀して何かしてるかと思ったけど」


早霜「由良達には無駄足を踏ませてしまったわね…また何かお返しをしないと」


早霜「遅くとも明日の夜までは帰ってこないから、その間に用意できるものがあれば…」


早霜「…この私が相手を気遣うなんて。ふふふ……」

ーー??


「ダメですよ二人とも。そんなコソ泥みたいに嗅ぎ回っちゃいけません」


由良「げ……ぇ…」


名取「由…良…………」


「お二人は忍、それもとっても強かったです。生身で戦っていたらとても勝てませんでした」


由良「…………」


「艦娘は陸では人と同じかそれ以下。そんなのおかしいとおもませんか?」


名取「ぅ……」


「兵器は兵器らしく。陸でも戦えなければ意味がありません」


由良「あ……な…た………は…」


「私はもう海で戦うのは沢山です。これからは陸の時代ですよ」


名取「…………」ガクッ


「…この二人は間宮流の忍。それを倒せたのなら本物ということですね」


「しかし流石に無傷というわけにはいかなかったようですね……」ギギッ


「テストは最終段階です。後はあの艦娘を使って……」


「…××推して参ります」


「……いけませんね、昔の名前は捨てたのに」


「……」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


初雪「司令官は…!?」


漣「今ちょっと席を外してます。朝霜さんと早霜さんの所に行きましたよ」


初雪「待ってられない…!外出許可、出しといて…!」


漣「ちょ待てよ。何をしに行くんすか?」


初雪「古鷹さんが仮釈放されるの…!迎えに行く…!」


漣「ええ?」


初雪「加古も一緒に行く…!じゃあよろしく…!」ガチャッ


漣「あ、ちょ……止める隙も無いってやつですか」


漣「古鷹さんが出てこれるのはいいことなんですけど…なーんか気になりますよね」

ーー


漣「模範囚から仮釈放は早すぎるような気がしたんですよ。なので念の為に由良さん達に見張りをお願いしようとしたんですが…」


…………


漣「うーん見事に留守ですな。名取さんも居ないことを考えれば他に何かをしてるんですかね?」


漣「ま…念の為に頼もうとしたので、居ないなら居ないでいいでしょう」


漣「漣は執務室に帰って、初雪さんと加古さんの外出許可書を作りますか」


漣「楽しい~~お仕事を~~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

シュバッ


漣「…ん?あれは何でしょうか……っと」


漣「中庭を突っ切って工廠に一直線?これは気になりますねぇ」


漣「工廠の近くには医務室があります。何かあったらマズイですよな」


漣「…ご主人様を探すより、自分で確認に行く方がいいでしょう」


漣「……もしもし起きてますか?」


重巡棲姫『起きてるぞ』


漣「それは良かったです。最悪戦闘になりますので準備をお願いします」


重巡棲姫『任せておけ』


漣「さて…工廠に向かいますか」

ーー工廠


秋津洲「しっかりするかも二人とも!」


由良「ぁ……」


明石「名取さんの心臓が止まりました!ショック装置を使います!」


名取「……」


漣「な…何があったんですか……?」


早霜「…私にも分からないの。二人の様子を確認しに行ったらもう…この状態で」


漣「……早霜さんがやったんじゃないんですよね?」


早霜「名取だけならともかく、由良をここまで一方的に傷付けるのは不可能よ」


漣「…なるほど」

陽炎「由良さんは医務室に運んで!名取さんはこっちで処置を続けるから!」


漣「分かりました、早霜さんお手伝い願えますか?」


早霜「勿論よ」


名取「……」


秋津洲「……名取さん!」


明石「もう一度、いきます!」


名取「……」


漣「……二人の処置が落ち着き次第、緊急会議を開く必要がおりますね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「…大凡の事は分かった、由良と名取も安定したようで何よりだ」


漣「二人とも意識は戻りませんが、峠は越したとのことです」


早霜「由良達に何があったのかは、意識が戻るまでは分からないわね…」


提督「…由良達がやられるということは相当な相手だ。一人や二人ではない可能性がある」


漣「由良さん達忍の弱点は数。以前由良さんは傀儡の大群にリンチされましたからね」


早霜「問題は相手が誰か。龍驤の周りを調べてって言っただけなのに…」


潜水新棲姫「龍驤の周りには問題は無い。あるとすれば病院じゃないか」ガチャッ


漣「……何か分かったんですね」


潜水新棲姫「あぁ、怪しいものを見つけた」

潜水新棲姫「あの病院はまだ新しい。設備なんかも新しいのが多かっただろう?」


提督「ああ、そうだった」


潜水新棲姫「だが新しく出来たわけじゃない。元々は別の病院だったが、改修されて今の病院になった」


早霜「それが何か関係あるの?」


潜水新棲姫「以前の病院はある組織と繋がっていた」


漣「組織…?」


潜水新棲姫「旧大本営だ」


提督「…!」


潜水新棲姫「以前の病院に不透明な金の流れがあった。それは旧大本営から流れてきている」


早霜「…そう断言できるのはどうして?」


潜水新棲姫「どうやら病院に対しての金というより、個人に対して金が流れていた」


漣「医者に金が流れていたんですね…」

潜水新棲姫「その医者はまだ病院に残っている」


早霜「じゃあ…」


潜水新棲姫「そしてその医者は……龍驤の主治医だ」


提督「…龍驤!」


漣「まさか龍驤さんを…?」


潜水新棲姫「あまりにも早い退院と、何か関係あるのかもしれないな」


早霜「そういえば司令官は面会を断られていたのよね…」


提督「……すぐにその病院に向かおう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫「そういえば漣は何か書類を持って無かったか?」


漣「……そうだ初雪さん達だ」


提督「何かあったのか?」


漣「古鷹さんが仮釈放されるので会いに行くと…」


早霜「随分と早いわね。この前模範囚とか言ってたばかりよね?」


提督「あまりにも早い退院とあまりにも早い仮出所か…」


潜水新棲姫「関連は薄そうだが、何か嫌な予感がするな」


提督「俺もそう思っていた所だ」


漣「龍驤さんの所に向かうのと、初雪さん達の所に向かうメンバーを分けましょう」

ガチャッ


提督「誰だ…」


由良「ギ……ぃ…」


漣「由良さん!?」


早霜「貴女は歩けるような状態じゃないでしょう!」


由良「知らせる……必要…が……」


提督「…教えてくれ由良。何があった、誰にやられた?」


由良「大和……」


潜水新棲姫「大和…」


漣「旧大本営派で姿を消した艦娘…」


早霜「その力は誰よりも強いと言われていたあの大和…」

由良「大和は…機械を……使って…」


提督「機械…マシーンの類いか?」


由良「あれは……強い…」


漣「大和さんが強いのは海での話です。もし陸でも強いのなら…」


潜水新棲姫「…大和はどちらかに関係してる可能性がある」


早霜「もしくは両方ね」


提督「……ありがとう由良、その情報は無駄にはしない」


由良「急いで……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「……ということなんだ、協力して欲しい」


菊月『お前は今どこに向かっている?』


提督「龍驤が入院している病院だ。初雪達の方にも応援は向かっている」


菊月『…現時点では動く必要は無い』


提督「何かあった時に協力して欲しいと言っているんだ。俺が知りうる戦力で強いのは菊月達なんだ」


菊月『……協力する理由は無い』


提督「頼む。旧大本営がまた動き出したとすればそっちにも被害が出る可能性があるんだ」


菊月『…考えておく』ガチャッ


提督「切れたか…だがこちらの意思を伝えることはできた」

ピピピ…


提督「電話…誰からだ?」


夕立『○○○○○○○ぽい』


提督「ん、んん?」


夕立『…日本語で話すのを忘れたぽい』


提督「夕立…?」


夕立『久しぶりぽい。そっちの話は聞いてるぽい』


提督「…すまない、今は忙しいんだ。また後日…」


夕立『その忙しい理由に関係してるぽい』


提督「……どういうことなんだ?」


夕立『旧大本営派の艦娘がこっちで暴れてたぽい』


提督「ロシアで…」

夕立『旧大本営派は「何か」を作ったらしいぽい』


提督「何か……?」


夕立『それが量産されてしまったら旧大本営派の奴らに金が入る。それを阻止するぽい』


提督「……夕立はその情報をどうして…」


夕立『暴れてた奴らを全員ぶちのめして捕まえたぽい』


提督「……」


夕立『捕まえた奴らを何回か拷問したら情報を吐いたぽい』


提督「……その捕まえた艦娘はこちらに送って下さい」


夕立『分かったぽい』


提督「…よし、次は幹部さんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部『分かった、念のため出所を担当する刑務官の変更を進言しよう』


提督「ありがとうございます」


幹部『それにしてもあの大和が動き出すとは…』


提督「旧大本営を出て行ってからは消息不明だったんですよね?」


幹部『あぁ…どこで何をしていたのかはサッパリだ』


提督「時を待っていたというのでしょうか…」


幹部『とにかく情報は感謝するよ。すぐにでもこちらは動く』


提督「はい、分かりました」


提督「…これで良し。やれることは全てやった」


提督「あとは龍驤の無事を……早く…」

ーー


幹部「よし、早速電話を……」


信濃「聞いたわよ」


幹部「信濃君…」


信濃「大和が出てくるなら私も出るわ」


幹部「だが場所はまだ分かっていない」


信濃「うるさい!大和は私がやるのよ!」


幹部「……そうかい」


深海綾波「なんだよ信濃の奴…荒れてるな…」


武蔵「ふ、当たり前だろう。信濃は大和の事になると周りが見えなくなる」

深海綾波「その原因ってやっぱり…」


武蔵「大和に潰された左目だろう。今も疼くと言っていたな」


深海綾波「うげぇ……そんなの想像しただけで痛い」


武蔵「新型艤装を使ってまでも大和を倒せなかったというプライドもある。信濃は大和から奪われたモノは多い」


信濃「大和……次は必ず…!!」


武蔵(大和は信濃に勝ったがトドメは差さなかった…いや、できなかった)


武蔵(奴も相当な深傷を負った。新型艤装は陸でも使える画期的なのだった)


武蔵(大和は新型艤装を見て、何かを掴んだ。そして準備を整えて動き出した)


武蔵「ククク…楽しめそうだ」ギチッ


深海綾波「怖ぇ……なんで笑ってんのさぁ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー大本営、研究所(技術)


「この調整が終われば陸でも100パーセントの力を出せます」


信濃「御託はいい!今使えるの!?」


「今はまだ無理です、ですから今の内に使い方を…」


信濃「今使えないと意味がないのよ!!」


深海綾波「うっへぇ…荒れてる荒れてる」


「信濃さんは打倒大和さんのことしか頭に無いみたいですね」


深海綾波「あれで特務艦の隊長って…でもまあ強いのは本当だし」


「じゃあ貴女が隊長になられては?」


深海綾波「冗談はやめてくれぇぇぇ…」


「そう言うと思ってました」

深海綾波「私の装備も調整中だよな…?」


「それが完成しちゃってるんです」


深海綾波「嫌だぁ!!」


「安心して下さい、防御に特化したアーマーですから」


深海綾波「何も!安心!できない!」


「命の保証はしますよ?」


深海綾波「それでも嫌だ…いっそのこと逃げ…」


深海綾波「…ぅぐ!?」グググッ


深海綾波「わ、分かった!逃げないから綾波やめてくれぇ!」


「…武蔵さんは素手の方が強いって言ってますし。これ以上の強化は現状無理ですね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


初雪「良かったね古鷹さん…!」


古鷹「うん…」


加古「折角出てこれたのに、なんでそんなに変な顔してるのさ?」


古鷹「私ね、模範囚になったばかりだって言ったよね?それなのにもう出所だなんて…」


初雪「そんなことない、古鷹さんは悪くないから当然」


加古「…確かにあたしも変だとは思った」


古鷹「やっぱりそうだよね?」


初雪「そんなの気にしなくていい。古鷹さんがここに居ることが大事」


古鷹「…加古は何か考えつく?」


加古「そうだな……例えば古鷹はついでに出れたとか?」


古鷹「ついで?」


加古「本当は誰か他の奴を出したかったけど、一人だけじゃ怪しまれるから他の奴もついでにって感じ」


初雪「そんなの考えるだけ無駄。早く帰ろう」


古鷹「……」


加古「古鷹、まさか…」


古鷹「うん…加古の話は当たってるかも」

古鷹「もう一人…艦娘の子が出所したんだけど、その子が関係してるかも」


初雪「その子のこと、知ってるの?」


古鷹「見たことはないよ。でも身元引き受けの人をチラッと見たんだけど…」


古鷹「…あれは大和さんだったと思う」


加古「大和…!」


初雪「他人の空似じゃないの?」


古鷹「…かもしれない。名前は大和って言ってなかったから」


加古「何て…言ってたんだ?」


古鷹「富嶽……そう言ってた」


初雪「富嶽…」


加古「…提督に連絡しよう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「富嶽……」


漣「大和さんと思われる人物が富嶽を名乗っている…」


提督「富嶽があの爆撃機のことなら、旧大本営はまだ大戦を引き起こすことを諦めてないのか?」


漣「もしくは航空機の運用に長けてる存在を探しているとかですかね?」


提督「とにかく情報を得ることができた。大和が活発的に動き始めている」


漣「手遅れにならない内に対策を練って、先手を打つのがベストですな」


提督「…その前に早く龍驤を連れて帰ろう」


漣「もうすぐ病院に着きます、あと少しですぜ」

ーー病院


「あの患者さんならもう退院されました」


提督「どうやって帰ったんですか!?」


「幹部…そうです、幹部という人が連れて帰ったんですよ」


漣「一人でですか?」


「いえ……奥さんと一緒でした」


提督「駆逐棲姫と…なら安心か」


漣「それって何分くらい前の話ですか?」


「何分……すいません正確に時計を見ていませんでした。一時間くらい前だと思いますよ」


提督「一時間か…追い掛けるより鎮守府に帰った方が早いか?」


漣「かもしれませんねぇ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「漣、早く帰るぞ」


漣「……おかしいですねぇ」


提督「何がだ?」


漣「幹部さんは奥さんと一緒に龍驤さんを迎えに来たんですよね?」


「ええ、そうです」


漣「では話は変わりますが、この病院に深海棲艦は入れますか?」


「事前に知らせてもらえれば問題ありませんよ」


漣「ほう、では当日では不可能だと?」


「残念ながらそうなりますね」


漣「ほほう……」


提督「さ…漣……!!」


漣「ご主人様、スクランブルをかけて下さい。全員で龍驤さんを探しますよ」

「あの…?」


漣「ぶぁーーーーか、幹部さんの嫁は深海棲艦なんですよ」


「な!!??」


漣「はん、どうせ幹部さんの指輪見てとっさに奥さんとか言ったんでしょ。残念でしたねぇ」


「……くそっ!」ダッ


漣「逃がすかよっと」ガシッ


「うぉ…!?」


漣「漣はコイツから情報を引き出します。ご主人様は一秒でも早く行動して下さい」


提督「龍驤……!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー

漣『あ、あー…聞こえますかご主人様?』


提督「何か情報は!?」


漣『残念ながら外れですな、コイツは重要そうなことは知りません。金をやるから病院の施設改修を勝手にさせろとか言われたんですって』


提督「龍驤については!?」


漣『迎えがくるまで留め置け位の指示しか受けてません。龍驤さんを連れて行ったのはまた別なんでしょう』


提督「そんな……龍驤が…」


漣『事態は最悪です。龍驤さんがどこに連れ去られたのは1ミリも情報がありません』


漣『とにかく大和…いえ、富嶽を追うしか無さそうです』


提督「……分かった、漣もこちらに合流してくれ」


漣『了解です』


提督「…龍驤は生きている。絶対に死なせはしない!」

ーー??


富嶽「ふふふふ…ついに最後のピースが揃いました」


富嶽「艦娘の艤装はなぜか陸ではその能力を発揮できません。これでは完璧な兵器とは呼べません」


富嶽「全ての地形に対応し、安定した戦果を出す必要があります」


富嶽「その為に……これを作ったんです」


ズゥゥン…


富嶽「陸戦型艤装…重巡の主砲を副砲に、戦艦級の主砲をこれでもかと詰め込んだこの艤装は完璧です」


富嶽「…しかし欠点も多くあります。全高が5mを超えてしまっていますし、何より身に付ける艦娘に制限があるんです」


富嶽「今のお金ではこれが限界……ですがこの艤装が使えると証明できれば、お金も手に入ってもっと改良させられます」


富嶽「本当に…苦労しました。艤装のプロトタイプは早くにできていたのに、装着する艦娘が居ませんでした」


富嶽「私が装着できれば早かったんですけどね……」

富嶽「この艤装は背中に背負うのでは無く、全身を包むような構造になっています」


富嶽「しかし構造上の理由で…その包む範囲が狭くなっています」


富嶽「お金があれば解決するんですが、無いので条件に合う艦娘をずっと探していたんです」


富嶽「その為に各地の病院にお金を渡して、カルテをチェック……本当に長かったですよ」


富嶽「探していたのは小柄で、片腕と片脚の無い艦娘でしたからね」


龍驤「……」


富嶽「包む範囲が歪んでいて、とても普通の艦娘では無理なんです。ほぼ半身で小柄な艦娘……貴女を探していたんですよ」


富嶽「貴女に意識が無くとも構いません。生きてさえすれば艤装は反応しますからね」


富嶽「さぁ……思う存分暴れましょう」ニコッ


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


富嶽「艤装の様子はどうですか?」


「凄いです、設定上の数値よりも高い戦闘力を有しています」


「とてもプロトタイプとは思えません」


富嶽「この陸上艤装は新たなる歴史を作るんです。艦娘が兵器として完成するまであと少しですよ」


「この戦闘力は嬉しい誤算と言えますね」


「凄い……これが量産されれば世界は…」


富嶽「我々の思う通りになるでしょうね」ニコッ

「ですが嬉しい誤算だけではありません。大きな課題も見つかりました」


富嶽「彼女…これを身に付ける艦娘への負担ですね」


「想定よりも遥かに高い負荷とGがかかっています。これでは実験体も持ちません」


富嶽「彼女は使い捨てと思ってもらっても構いませんが…量産する上で大きな課題ですね」


「艦娘への負担を減らせば火力は当然落ちます」


「どこまで火力を落とせるのか。トライアンドエラーの繰り返しですね」


富嶽「実験体をもっと早く確保できれば、この課題も早く見つけられたんですけどね…」


「この条件の艦娘が見つかっただけでも奇跡です。彼女の犠牲は無駄にはしません」


富嶽「ええ、彼女は我々の為にその命を使ってもらうんです。決して雑に扱ってはいけませんよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


漣「……そうですか分かりました」ガチャッ


提督「どうだった!?」


漣「外れだそうです。痕跡どころか何も見つからなかったと」


提督「ぐ……」


漣「旧大本営が絡んでいるのは間違いありません。なので関係していた施設を片っ端から調べるのは正しいと思いますよ」


提督「だが今日も見つけられなかった…」


漣「焦ってはいけません。下手をすれば返り討ちにあう可能性だってあるんです」


提督「……」


漣「敵に気付かれないように慎重に。尚且つ確実に探していくしか無いんですよ」


提督「……分かってはいるんだ」

漣「…こんな事を言いたくはありませんが、誰かが言わなければならないことがあります」


漣「ここは付き合いが長い漣が言わせてもらいますね」


提督「……」


漣「龍驤さんの死体を処分される前に回収しなければなりません」


漣「もちろんこれは最悪の展開です。しかし考えなければならないケースです」


漣「旧大本営は龍驤さんを人質として攫ったのでは無いでしょう。こちらに連絡がありませんからね」


漣「ということは何か役割があって龍驤さんは連れ去られた。つまり役割が終わったら……」


提督「それ以上は言わないでくれ……頼む…」


漣「……はい」


提督「…まだ諦めないぞ」


漣「もちろんです。漣だって諦めてませんよ」

漣「皆さんも同じ気持ちです。だから協力してくれてるんですよ」


提督「…あぁ」


漣「ご主人様、絶対に見つけます。だからもう暫くの辛抱ですよ」


提督「……」


漣「…貴方が折れてしまっては終わるんです。どうか最後まで希望は捨てないで下さいね」


提督「……龍驤…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「……ご主人様報告があります」


提督「龍驤に関することか!?」


漣「大きな意味ではそうなります。実はある情報が手に入ったんです」


漣「それはあの夕雲を見た……という内容です」


提督「夕雲……旧大本営派の艦娘の一人で行方不明になっていたあの夕雲か」


漣「大和との直接の関係はありません。しかし同じ旧大本営派という繋がりはありますな」


提督「…信憑性はどうなんだ?」


漣「それが匿名という……罠の可能性もあり得ます」


提督「わざと情報を流した可能性もある…」

漣「どうされますかご主人様?」


提督「…他に手掛かりが無い。夕雲を追ってくれるか?」


漣「ご命令とあれば喜んで」


提督「…頼む。どんな手を使ってでも龍驤を助けたいんだ」


漣「ご主人様の気持ちは痛いくらいに分かりますよ」


提督「…危ないと思ったらすぐに帰ってきてもいい。だが情報は持って帰ってきてくれ」


漣「もちろんですぜご主人様」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー某所


ガチャッ


夕雲「……」


伊400「よぉキチガい。今日も戦果は無しか?」


夕雲「うるさいわね…」


伊400「世界征服だったか?その野望は叶いそうか~?」


夕雲「……」


伊400「ま、無理だろうな。そもそも大本営がああなった時点でお前の負けだ」


夕雲「……」


伊400「ゆくゆくは大本営を乗っ取って自分の思い通りに…考えることは立派だったけどよ」


伊400「今じゃこんな寂れた町でコソコソ暮らして…はっ、ほんと惨めだよな」


夕雲「黙りなさいよ…!」


伊400「お前みたいな精神異常者が怒っても何も怖くねぇんだよ」

夕雲「今に見てなさいよ、今に…」


伊400(コイツはもうダメだ。大本営が崩壊するまでは楽しそうだからコイツについてた)


伊400(でも今のコイツはただのゴミ。こんな奴に価値は無い)


伊400(こっちは世界がひっくり返るような刺激を求めてんだよ。興奮して濡れっぱなしみたいな刺激を)


伊400(…ゴミはちゃんと処分しないといけないよな)


伊400(横須賀の奴らに適当に情報を流してやった。アホじゃない限りはここまでやってくるはずだ)


伊400(コイツが捕まるのも時間の問題…その前に逃げさせてもらうぜ)ニヤッ


夕雲「……」ぶつぶつ


伊400(こうして見るとコイツも哀れだな。でもま、同情はしないけどな)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

コンコン


伊400「おい、また催促が来たぞ」


夕雲「……」


伊400「そうだよなぁ!お前は金なんか持ってないから居留守しかできねぇよなぁ!」


夕雲「静かにしなさいよ…」


伊400「おーい聞こえるか?コイツは金持ってねぇからいくら来ても無駄だぞ~!」


夕雲「貴女ねぇ…!」


伊400「あ、なんだ?文句があるなら金でも払えよ!」


夕雲「ぐ…」


伊400「いいなぁその顔!あんなに生き生きしてた奴がこんなに落ちこぼれ…」


「どりゃーーーーー!!」バキバキ


伊400「な…ぁ……!?」


漣「夕雲を確認!!ただちに拘束します!!」


夕雲「な、あ、ちょ……」


漣「問!答!無!用!」

ーー


伊400「……来るのが早過ぎんだろ」


漣「こちら漣、夕雲を捕らえることに成功しました!」


漣「…はい。これから聞き出します。多少痛めつけても構いませんね?」


漣「…分かりました、それではまた」


漣「聞こえてましたねお二人とも。これから尋問を行いますので何も隠さずにお答え下さい」


夕雲「……」


伊400「知ってることは何もねぇぞ~」


漣「ふんっ」グシャッ


伊400「な…ぁ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


漣「いやぁ指っていいですよね。手と足合わせて20本あるんですもん」


伊400「お前……よくも…!」


漣「おら、残りの19本潰されないうちに吐けってんですよ」


伊400「だから…知らな……」


漣「あらよっと」グシャッ


伊400「ぃぎゃあああああああぁぁぁぁーー!」


漣「残り18本。それまでに答えて下さいよ~」

夕雲「……何の情報を知りたいの」


漣「大和」


夕雲「……全てを知ってるわけじゃないわよ」


漣「こっちは知ってること全部言えってんですよ」


夕雲「…彼女は大勢の研究者を集めて何かをしようとしてる」


漣「その内容は?」


夕雲「そこまで掴めていない。場所も正確な所は分かってない」


漣「正確じゃない情報はあると」


夕雲「……そこのメモにまとめてあるわ」


漣「ご協力感謝します。身柄はこちらで預かりになりますので」


夕雲「ええ……分かってるわ…」


伊400「ぃ…」ピクピク


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


提督「……」


夕雲「漣に話した以上の情報は無いわ」


提督「……」


夕雲「私だって詳細な情報を知りたかった。けど無理だったのよ」


夕雲「貴方達のような追手から逃げつつ情報を集める…それは無理だった」


夕雲「私は逃げる方を選んだもの。身の安全が確保されないと…」


提督「…御託はいい」


夕雲「え…?」


提督「龍驤をどこにやったんだ」


夕雲「だから知らない…」


提督「嘘を言うな!!」


夕雲「……」

提督「お前達が龍驤を連れ去った!!俺の命より大切な存在である龍驤を!」


提督「答えろ!龍驤はどこにいる!?」


夕雲「だから……知らないって…」


提督「お前……!!」ガタッ


漣「落ち着いて下さい提督。この艦娘は何も知らないみたいです」


提督「なぜそう言い切れる!?コイツは旧大本営の艦娘だ!」


漣(ここまで取り乱してるご主人様は初めて見ました。本気で怒るとこうなるってことですかね)


漣(これも一つ勉強になったということにしておきますか、ええ。授業料は払わずに済みそうですし)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「いやぁ~ご主人様は荒れに荒れてますな」


夕雲「…横須賀の提督ならあれくらい当然でしょう」


漣「ところがどっこい。普段のご主人様は怒ることなんかありませんよ」


夕雲「……」


漣「それくらい大変なことが起こってんですよ。自覚してもらえましたか?」ガチャガチャ


夕雲「…それは?」


漣「刃物類ですよ。これからどうなるか分かりますよね?」


夕雲「だから言ったでしょう…あれが全てなのよ」


漣「そんな言葉を信用できると思いますか?」ギラッ


夕雲「…大和達は私の敵だもの」


漣「違います、貴女達は味方同士だ」


夕雲「大和とは考え方が大きく違うの。だから私は大本営から追い出されたのよ」


漣「……話を聞きましょう」

夕雲「私は大本営を乗っ取ろうとしていた。でもそれが大和にバレたの」


夕雲「大和は艦娘を兵器として完成させたいと、ずっとそう言ってたわ」


漣「……」


夕雲「それは大本営の思想とは違った。だから大本営は信濃を使って大和を処分…」


漣「はい嘘。信濃さんは旧大本営派じゃありません」ギラッ


夕雲「彼女にそれを確認したの?」


漣「……」


夕雲「信濃は鞍替えして今の大本営に付いているだけ。根っこの部分では旧大本営派よ」


漣「……核を使って世界大戦を起こそうと?」


夕雲「大本営に居たということはそういうことよ」


漣「…とにかく貴女が協力的なのは大和が敵だからということですね?」


夕雲「敵の敵は味方よ。大和を倒すというならいくらでも情報を吐くわ」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

漣「貴女の言うことをまとめると、大和が居なくなればまた敵になるということになりますが?」


夕雲「…………」


夕雲「もうあの大本営は無いのよね…」


漣「ありません。悪は滅びました」


夕雲「……」


夕雲「あんな生活には…戻りたくない……」


漣「酷い暮らしでしたからね、あんなボロいアパートでゴミだらけで。突入して驚きました」


夕雲「…………」


夕雲「私には帰る場所は無い…」


漣「ええ、どこにもありませんよ」

漣「いくらご主人様が優しさの塊とはいえども、貴女なんかが仲間になれると思わないで下さい」


夕雲「分かってるわ……」


漣「…尋問はこれくらいにしておきますかね。また続きをやりましょう」


夕雲「……」


漣「言っときますけど逃げたら命はありません。分かってますね?」


夕雲「ええ…」


漣「それでは貴女を地下の独房に入れます」


夕雲「……」


漣「…ご主人様の甘さが移っちゃったんですかねぇ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


幹部「喜んでくれ提督君、大和の情報が手に入った」


提督『ありがとう…ございます…』


幹部「…随分と疲弊しているようだね」


提督『……すいません』


幹部「だがもう一踏ん張りだ。こちらが手に入れた情報によると龍驤君は生きている」


提督『龍驤が…生きてる……!!』


幹部「詳しい話はまた会って話すが、どうやら連中は艦娘専用の艤装を作っているようなんだ」


幹部「どういう経緯かまでは分からないが、龍驤君がその実験台にされているのは間違いない」


提督『ありがとうございます!すぐにでも龍驤を…』


幹部「ここで焦ってはいけない。じっくりと対策を練ってから動き出そう」


提督『…はい、分かりました』

幹部「…提督君は喜んでいたよ」


深海綾波「そ、そうだろう!?この綾波様が大和の居場所を突き止めたんだからな!」


「凄いわ綾波様!」


「これで特務艦隊長は間違い無しよ!」


幹部「いやいや、ここまでくるとその話も冗談では無くなってきてしまうね」


深海綾波「こ、この綾波様に全部任せとけぇ!」


(随分と強気ですね)


深海綾波(……だってこうするしかないだろぉ)


(たまたま見つけただけなのに)


深海綾波(偶然に偶然が重なっただけなのは自分でも分かってる!)


(ほんとに悪運だけは強いですね)


深海綾波(普通に運も良くなってくれぇ……)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「では作戦を簡単におさらいしよう。信濃君達特務艦隊で大和達を制圧」


幹部「そして制圧後、提督君達のチームが龍驤君の捜索を行う」


提督「はい、それで問題ありません」


漣「場合によっては我々も制圧に加わるんですよね?」


幹部「臨機応変に行こう。こちらの情報では大和さえ抑えれば問題は無いはずなんだが、何が起こるかは分からない」


漣「了解しました…と」


提督「もう少しだ……待っていてくれ龍驤」

ーー??


龍驤「げぼっ……」ビチャッ


「富嶽さん、彼女がまた血を吐きました」


「テストは中止しますか?」


富嶽「構いません、続けて下さい」


「しかしそれでは彼女が持ちません」


富嶽「この場所を知られました。もう後は無いんです」


「…分かりました、テスト及び調整を続けます」


富嶽「早ければ数日以内に戦闘になるはずです。それまでに何とかできなければ…」


「我々も終わりということですか」


富嶽「…これに全てを賭けたんです。これはチャンスでもあるんです」


「分かっています。この艤装の実用性が認められれば、我々の苦労は報われるんです」

「すいません、意見をよろしいでしょうか?」


「貴女は?」


富嶽「あら…随分と可愛いらしい研究者さんですね」


「あの艤装はもう作り直す時間はありません。でもなんとか動けるようにはできる方法はあります」


富嶽「それは何ですか?」


「龍……彼女の左腕と左脚を更に切るんです」


富嶽「それにどんな意味があるんですか?」


「艦娘を格納する場所の歪み。あれがまだ完全に解消されていません。彼女の腕と脚を付け根のギリギリまで切れば、その歪みが消えて出力と稼働が安定します」


「どうしますか富嶽さん?」


富嶽「…やりましょう」


「本気ですか?」


富嶽「ええ…彼女の言うことには何か説得力を感じるんです」


「…………」


「何を見ているんですか?」


「夜空です」


富嶽「まあ……素敵な三日月ですね」


「……」ニコッ


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


富嶽「やっと…ついに……!」


「富嶽さんすぐそこまで敵は来ています!早く避難を!」


富嶽「いえ…私は最後まで見届けます」


「しかし…!」


富嶽「皆さんは先に避難をして下さい。私は一人でも大丈夫ですから」


「……」


富嶽「私は無責任なリーダーではありません。私の我儘に皆さんを付き合わせてしまった責任を取らなければなりません」


「…そこまで言うなら、従います」


富嶽「はい、すぐに避難を始めて下さい」

富嶽「…今までの誤魔化しのようなモノではなく、正式に作られた陸用艤装」


富嶽「プロトタイプが完成してから時間が経ってしまいましたね…」


「……」


富嶽「貴女には名前を授けます」


富嶽「亜矢虎」


亜矢虎「……」


富嶽「龍驤という名前はもう必要ありません。その艤装と共に存分に暴れて下さいね」


亜矢虎「……」


富嶽「いいお顔です、その様子なら何も心配ありませんね」

富嶽「……薬も良く効いていますね」


富嶽「元々精神を患っていたみたいですね。なら今何をして、何をされているのかも分かっていない」


富嶽「…私達の為に死んでくれて、ありがとうございます」


亜也虎「……」


ビー…ビー…


富嶽「…この基地は亜也虎の発進と共に爆破されます。そのスイッチを押すのは私の役目」


富嶽「……これが私の…いいえ……」


富嶽「私の運命は…私が決める!!」


富嶽「亜也虎、発進…!!」ガシャーン!


亜也虎「……」


ゴゴゴゴゴ……


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


信濃「配置についたわよ」


五月雨「こっちも問題無し」


幹部「後は突入するだけということだね」


提督「漣達も準備はいいか?」


漣「勿論です!」


皐月「龍驤さんを保護する準備も大丈夫!」


提督「よし、なら後は……」


ゴゴゴゴゴ……


幹部「な、何の音だ!?」


信濃「…!皆伏せて!!」


ドドドドドドドド…!


五月雨「なぁっ……!?」

漣「奴らのアジトが爆発した…?」


幹部「…逃げ切れないと悟って自爆か」


五月雨「…いや、そうじゃねぇ何人かは逃げた。こっちで追いかけてやる」


幹部「頼む、なら残りのチームは残骸を調査しよう。こんな結果になってしまって申し訳ないが…」


信濃「……まだよ」


漣「何かが…来る……」


亜也虎「……」


提督「あれは…?」


信濃「戦車にしては小さい。けど戦闘力は十分そうね」

幹部「あれが……陸の艤装…?」


提督「身に付けるというより中に誰かが入っているのか…?」


漣「…提督、最悪の事態を想像して下さい」


提督「ま、さ、か……」


皐月「あの中に龍驤さんがいるっていうの!?」


漣「ひとまず様子見です。ここはあの艤装の動きを…」


信濃「……」シュバッ


漣「あ、ちょっと…!」


信濃「大和…その中に居るなら出てきなさい。出てこないなら引きずり出すわよ!」ガチャッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ズガガガッ


漣「いきなり撃ってきた!?」


幹部「あれは重巡クラスの主砲…それを副砲にしているのか……」


信濃「そんなの当たらないわよ!」


皐月「躱した…凄い…!」


信濃「今度はこっちの番よ!」ビシュッ


亜也虎「……」ギャリィィィィ


漣「効いて…無い……?」


提督「当たったと同時に回転して、衝撃を和らげているのか…?」


信濃「ちぃ……」

信濃「移動はホバーと無限軌道を組み合わせた物。だから陸地であんな回転ができる」


信濃「でも中の大和も相当な負担が…」


信濃「……もう一発」ビシュッ


亜也虎「……」ギャギャギャッ


信濃「…違う」


幹部「何が違うと言うんだい?」


信濃「あれには大和は乗っていない。敵意がまるで無い」


幹部「だがこちらを攻撃してきただろう?」


信濃「そういうプログラム…もしくはAI」


幹部「なぜそう断言できる?」


信濃「とにかく私はあれとは戦わない。大和を探すわ」


幹部「信濃君…!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「あの兵器は5m弱の大きさだ。身に付けるには大型だが中に入るには少し小さい」


提督「陸軍の持っている戦車で最も小さいものは9m。それでも二人しか乗れないと聞いた」


提督「……ずっと気になっていた。どうして龍驤を攫ったのか」


提督「俺達に対する攻撃ならば人質という手があった。だがそうでは無かった」


提督「艤装の実験台…精神面に不安がある艦娘が必要だったと思っていた……だが…」


提督「それは思い過ごしだった…連中は小柄で…体に欠損のある艦娘を求めていたんだ……」

提督「あの中には…龍驤が……」


漣「提督」


提督「漣、皐月……龍驤が…」


皐月「司令官…」


漣「提督、最悪の事態を想像しておいて下さい」


漣「あの艤装を止められるか分からない上、どこに龍驤さんが居るのか検討も付きません」


亜也虎「……」ズギャギャッ


漣「それにあの動き。中に居る誰かに相当か負担がかかっていることは間違いありません」


漣「このまま放置しても最悪の結果が待っています。提督、ご判断をお願いします」


提督「安価」


下2 提督の台詞やその他起こったことなど

提督「……」パーンッ!


提督「なんとしてもアレを止めるんだ。龍驤も必ず助ける」


漣「それでこそご主人様です。ですよね皆さん!」


多摩「にゃあぁぁぁぁぁーー!」シュバッ


提督「な…?」


ガングート「久しぶりに大暴れできそうだ」


提督「な、何故……」


菊月「……」


提督「菊月…」


菊月「……貸し一つだ」


提督「…ありがとう。力を貸してくれるだけじゃなく足りないものの皆んなを…」


菊月「礼は後にしろ。今はやるべきことがあるはずだ」


提督「…そうだな」スッ

漣「皆さん!こっちは普通の艤装です!被弾すると滅茶苦茶痛いですからね!」


夕張「当たらなければ問題無いでしょ!」スッ


提督「…夕張!トリガーは使うんじゃない!」


夕張「これは最終改良型で、一分なら問題無し!」


ガングート「私の射線上に入るなよ」ガチャッ


多摩「龍驤さんは多摩が助けるにゃ!」


菊月「…私の出番は無さそうだな」


皐月「皆んないくよ!龍驤さんを助けるんだ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ガングート「私の砲撃を受け流すとは、やるな」


神通「でも…このまま続けていれば…」


黒潮「そうや、うちらはもっと地獄を経験しとる。こんなもんへでもないで!」


北上「そうそう、あんなの深海棲艦の成虫に比べたら大したこと無いしね~」


多摩「北上は下がるにゃ!!なんで出てきたにゃ!!」


北上「いやぁ~お腹はボテってるけど、あたし達が揃ったらやることは一つじゃん?」


大井「姉さん、肩を貸して下さい。陸ではまだ少し不自由が…」


球磨「任せろクマーー!」


多摩「…一撃入れたら帰るにゃよ」


北上「了解~っと」

亜也虎「……」ズガガガッ


皐月「アレが方向を変えた?」


漣「…提督が危ないっ!!」


球磨「球磨達に任せろクマー!」


北上「…いくよ」


大井「はい、北上さん」


多摩「…必殺!」


球磨多摩北上大井「「「「魚雷パンチ!!!!」」」」


亜也虎「……」ゴォッ


神通「効い……いや、と、飛んだ…!?」


黒潮「殴り飛ばしたんや!ダメージは無いかもしれんけど、なんちゅう技や…」


北上「ん~木曽が居たらワンパンなんだけど」


多摩「大人しく先に帰るにゃよ」


北上「はいはい。後は宜しくね?」


球磨「球磨達に任せろクマ!」

亜也虎「……」ジャキッ


皐月「…あぁ!空中で司令官に狙いを定めてる!」


漣「なんちゅう性能してんすか!」


亜也虎「……」バキッ


夕張「ええ!?空中でバウンドした!?」


武蔵「……」


提督「あれは…武蔵……」


幹部「空中であの兵器を蹴り飛ばしたというのかい…」


武蔵「…私はこれ以上手を出さない。お前達の戦いなんだろう」


武蔵「私は大和を追う。邪魔をするな」


提督「…皆んな、もう一息だ。頑張ってくれ!」


漣「合点ですよご主人様!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤(……)


龍驤(何や……随分と騒がしいなぁ…)


ズガガガッ


龍驤(……げぼっ)ビシャッ


龍驤(血…吐いてもうた……掃除せなあかん…)


龍驤(あれ…動かれへん……何で……?)


バババババッ


龍驤(うるさいなぁ…そんな耳元で音鳴らさんといてよ…)


龍驤(……あれ…これ…)


龍驤(ウチは……何かの中に居るんか…)


龍驤(あ……よう見たら目の前…モニターや……これで外が分かる…)

「龍驤さーーん!」


「菊月さん達に破壊してもらいますか!?」


「ダメだ!あの中には龍驤さんが居るかもしれない!」


「そんな…これじゃあ…」


「とにかく、あれを破壊するんだ!」


龍驤(……ああ)


龍驤(そうか分かった。全部分かったで)


龍驤(これはウチの罪や)


龍驤(ウチの勝手で子どもを殺して、皆んなに迷惑をかけた罪)


龍驤(それだけやない、体を売って司令官を裏切った)


龍驤(ウチほど罪を犯した艦娘はこの世におらんっちゅうわけやな)

龍驤(…ええよ、全て受け入れる)


龍驤(これで許されるんやったら、それでええ)


龍驤(なぁ…あんたもちょっち協力してや)


ガゴンッ


漣「……動きが止まった?」


神通「ダメージは通っていた…?」


黒潮「なんでもええ!今がチャンスや!」


多摩「…待て!!闇雲に近付くな!!」


ゴゴゴゴゴゴ…


皐月「へ、変形してる……?」

漣「機体後方が持ち上がって……人型の上半身になった…?」


幹部「…あれを見るんだ!!」


龍驤「……」


提督「龍驤っ!!」


皐月「そんな!ロボの胸の辺りに龍驤さんが…!」


黒潮「やっぱりあの中におったか!」


球磨「位置がヤバいクマね」


大井「どう破壊しても巻き込んでしまう…」


夕張「龍驤さん……血を吐いてる…それも何度も…」


漣「時間がありません!!なんとしてもアレを止めますよ!」


龍驤「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤(……なんで)


龍驤(なんでウチを殺してくれへんの?)


龍驤(なんで皆…ウチを見てるだけなん…?)


龍驤(そんなに真っ直ぐな目で……ウチを…)


「「……」」


龍驤(ウチは死ぬべきなんや。これはウチに与えられた舞台、ウチが死なな終われへん)


龍驤(せやから皆んな…早くウチを……)


提督「龍驤ーーーーー!!」


龍驤(司令官……)

提督「俺にとって龍驤は全てだ!何度もそう言ってる、偽りは無い!」


提督「俺の命に替えてでも龍驤は助ける!!」


龍驤(あかん、あかんよ…これに近付いたらあかん…)


提督「龍驤ーーーーっ!」


龍驤(またウチは……司令官を裏切るんか…?)


龍驤(このまま死んだらウチは満足や……でも皆んなは…)


龍驤(司令官だけやない…朝霜も……霞も皆も……裏切る…)


龍驤(ウチの罪は消えへん……けど…償うことはできる…)


龍驤(生きて……生き続けて…)


提督「龍驤ーーーー!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「待ってろ龍驤、今俺が…!」


ゴゴゴッ


龍驤(あかん…!ウチはまだこの子……言うこと…きかん…)


提督「う、ぉ……!」


龍驤(離れて…司令官……!)


提督「なんの…これくらい……龍驤に比べれば…!」


龍驤(やめて…お願いやから……ウチから離れて…)


ゴ…ゴゴ……


皐月「動きがゆっくりになってきた…」

提督「龍驤!!」


龍驤(あぁ…ウチの目の前まで……)


提督「ぐぅぉぉぉ…!!」ギギギッ


漣「ご主人様…力づくでコックピットを外そうと…」


神通「無謀です…提督はただの人間…」


黒潮「そうや司令はんはただの人間や。でもその人間に惚れたのはうちらやろ?」


黒潮「人間はいつでもあり得れへんことを起こしてきた。いい意味でも悪い意味でも」


黒潮「せやから…見ててみ」


提督「……っ!」ベキベキッ


夕張「提督っ!」


神通「そんな…素手であれを…」


黒潮「流石…いや、当然やね司令はん」

提督「龍驤っ!!」


龍驤「あ……ぁかんよ…離れて…」


龍驤「ウチは……キミを…」


提督「……ん」


龍驤「んぅ……」


提督「…愛してる龍驤」


龍驤「……」


提督「誰よりも君が好きだ」


龍驤「……」


提督「…帰ろう、俺達の場所に」


龍驤「司令官…」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「亜也虎、完全に沈黙しました」


富嶽「私の亜也虎が…!」ギリギリ


「まさか艦娘が意識を取り戻すとは思いませんでしたね」


富嶽「クスリ漬けにして左の腕と脚を切ったのに!」


「…ふふっ」


富嶽「…何がおかしいんですか」


「新たな課題が見つかったじゃないですか。富嶽さんの考えは間違ってはいないんですよ」


「忘れたんですか、亜也虎はプロトタイプです。それなのにあの動きと火力は凄まじいです」


富嶽「……貴女の方が冷静とは。可愛らしいだけでは無いんですね」

(……何を考えていたの?)


(私は貴女の器。それだけの関係のはずです)


(私の力を使えば貴女は…)


(そんなこと貴女がするわけ無いじゃないですか)


(……)


(…これでも最悪は防ぎました。あのままでは龍驤さんは亜也虎の稼働中に死んでいました)


(拐われる前に助けなさい)


(無茶はやめて下さい。それは貴女がすべきことなんじゃないですか?)


(……)


(…私だって諦めていませんからね)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


五月雨「おーいこれで終わりか?」


摩耶「みたいだな」


「……」


五月雨「コイツらだけで科学者全員ってことは無いだろうが、それでも捕まえといて損は無ぇな」
 

大鳳「…これ、何かのデータじゃない?」スッ


「それは…!」


五月雨「お、その反応を見る限り大事なもんみてぇだな」


「……」


五月雨「さてどうするか」


摩耶「どうするって何がだよ」


五月雨「これ、高く売れんだろうな~」ペシペシ

五月雨「それこそ世界中の奴らが欲しがるかもしんねぇ。これは金のなる木ってわけだ」


五月雨「……」


五月雨「…けっ」バキッ   


「あっ……!」


五月雨「あーあ、手が滑って壊しちまった」


大鳳「……もったいないわね」


摩耶「しゃあねぇ、帰ろうぜ」


大淀「…皆さん変わりましたね」


五月雨「あぁ?」


大淀「そうです、人も艦娘も変わるんです」


五月雨「チッ、さっさと帰るぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「ぐ…ぅぅぅ……!」ポロポロ


漣「良かったですねぇご主人様、龍驤さんが帰ってきて泣く程嬉しいのは分かります」


提督「龍驤……どうして…!」


皐月「……あっ!!」


神通「龍驤さんの…左腕と脚が…」


黒潮「アイツら…!どこまでやる気なんや!!」


夕張「…コックピットが歪んでます。これに対応する艦娘を探していたんですね」


ガングート「龍驤がその条件に当て嵌まったが、まだ対応できなかった」


球磨「だからって更に腕と脚を切るかクマ…」

多摩「大和は許さない」


大井「気持ちは分かるけど、今は帰るのが先よ」


幹部「後処理はこっちでやっておく。君達は先に帰った方がいい」


菊月「あの陸用艤装はどうするつもりだ」


幹部「とりあえずこちらで預かる。簡単には動きそうには無いだろうがね…」


提督「龍驤…龍驤……!」


龍驤「キミの腕の中…あったかいわ……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


幹部『龍驤君の様子はどうだい?』


提督「良くはありません。強いクスリを使われていたようでまだ意識がハッキリと戻らないんです」


幹部『そうか……』


提督「ですが龍驤は帰ってきたんです。これ以上嬉しいことはありません」


幹部『…強くなったね提督君』


提督「いつまでも弱いままではいられませんから」


幹部『うむ…安心したよ』


提督「幹部さんもお手伝いいただきありがとうございました」

幹部『それで…私に連絡ということは何かあったのかい?』


提督「…整備士という男を覚えてますか?」


幹部『…勿論だよ』


提督「彼とコンタクトを取りたいんです」


幹部『どうしてだい?』


提督「龍驤が切られた腕と脚…それを治したいんです」


幹部『完全に戻すとは違うのかい?』


提督「…そこも含めてです。龍驤の意識の無い内に……」


幹部『提督君も迷っているということだね』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幹部『…とにかく一度彼と話すといい。きっといいアドバイスをくれるよ』


提督「……はい」


幹部『彼には私から言っておく。近いうちにそっちに連絡があるはずだ』


提督「…整備士とは連絡が取れているんですね」


幹部『あぁいや、取れているというよりは……』


整備士『幹部さん…おっと失礼、電話中でしたか』


提督「…………」


提督「…え?」


幹部『いやまぁ…そういうことだ』


提督「整備士は…そこに居るんですか?」


幹部『いるというか…大いに活躍してもらっているよ』

幹部『叢雲君に例の手術を行っただろう?傀儡艦娘では無く純艦娘に、あの手術をできるようになったのは彼のお陰なんだ』


整備士『ひょっとして電話の相手って…』


幹部『…提督君だよ。君に相談したいことがあるそうだ』


整備士『彼にはまだ少し借りがありますからね、分かりました』


提督「……」


整備士『さて…僕に話を聞かせて下さい』


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「これは俺のエゴだ、龍驤の手足を完全に治すのは…未だ俺が頼りないから龍驤の罪の意識の呪縛を解けないから出来ない。しかし、今回のは違う!ただ巻き込まれただけの龍驤に、これも罪だとは思って欲しくないんだ、頼む、戻してやってくれ」

ーー


整備士『提督さんの言いたいことは分かりましたよ』


整備士『龍驤さんが切除されたことをはっきりと認識していないのなら、心にダメージは無いんじゃないかな』


整備士『ただ完全に戻してしまう事は龍驤さんの心に与える影響は果てしなく大きいと思う』


提督「…………」


整備士『こういう時は本人と話すのが一番なんだけど、まだ意識の混濁は治ってないんだよね?』


提督「あぁ…」


整備士『なら厳しいな……うーん…』


幹部『やれるかやれないで言えば、やれるんだね?』


整備士『それくらい朝飯前ですよ。問題はそこじゃないんです』

整備士『中途半端に治すのは僕のポリシーには反する。けど龍驤さんの事情も良く分かる』


整備士『とにかく一度こっちに預けてくれるかい?薬の件も僕なら解決できるよ』


提督「……一度龍驤を殺すのか」


整備士『そうだとしたら?』


提督「……」


整備士『そうだよね、そうだとしても僕を頼るしか無いんだよね』


幹部『整備士君』


整備士『判断は提督さんに任せるけど…どうする?』


提督「…………頼む」


整備士『分かった、明日にでも龍驤さんを迎えに行くよ』


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

おつでした
菊月が電話の時動かなかったのは三日月の動向を知ってたからかな
整備士対話はまだちょっと怖い…

ーー


整備士「ふーんなる程ね」


整備士「左腕と左脚を切られただけじゃなくて、内臓もあちこちやられちゃってるんだ」


整備士「ふんふん……へぇぇ」


タシュケント「そんなに珍しいのかい同志?」


整備士「うん、ここまで酷いのは中々無いよ。深海棲艦のなり損ないとかは色々見てきたけどさ」


タシュケント「だからっていつもみたいに殺しちゃダメだよ」


整備士「あはは、幹部さんにも言われたよ。いくらでも体なんか作れるのに変な話だよね」


タシュケント「…変だと思ってるのは同志だけだよ」

整備士「よし…この際だから全身を開いて見てみようか」


タシュケント「勝手にそんなことして怒られないかい?」


整備士「殺さずに元に戻せばいいって言ってたでしょ?僕なら傷跡も消せるし」


タシュケント「怒られる時はあたしも怒られるんだよ?」


整備士「バレなきゃ問題無いよ」


タシュケント「はぁ……」


整備士「さぁて…お楽しみの時間だね、龍驤さん」


龍驤「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「……」


タシュケント「!」


整備士「よし…」


タシュケント「ダメだ同志!」


整備士「どうしたんだい?」


タシュケント「興味本位の解剖は止めよう!ちゃんとした治療をすべきだ!」


整備士「今更かい?こんないい条件の艦娘はもう二度と会えないかもしれないんだよ」


タシュケント「……あたしの勘がやめろって言ってる。もしかしたら誰かに見られてるかも」


整備士「ここは僕とタシュケント君しか入れない場所だよ?」


タシュケント「…お願い信じて」


整備士「うーん…君がそこまで言うのは珍しいし、ここはそれに従っておこうかな」


タシュケント「うん……絶対その方がいいよ」

ーー


整備士「ほら、見てごらん」


タシュケント「折れた肋骨が刺さってたんだ」


整備士「他の臓器にもダメージがあるね。これも新しく作った方が良さそうだ」


タシュケント「あと…これをどうするかだね」


整備士「脳が一部溶けかかってる。かなり強いクスリを混ぜたものを使われてたね」


タシュケント「この部分を切っても記憶は残るよね?」


整備士「そうだねこの部分は記憶には関係ない。でも何かしらの支障は出てもおかしくはない」


タシュケント「かといって放置してると…」


整備士「それこそ死んでしまうだろうね」

整備士「この際左腕と脚は完璧に戻そうか」


タシュケント「そんなことをしたら…」


整備士「切るのはいつでもできるしね。そもそもこの資料だけじゃ、どこまで腕と脚を切ればいいのか良く分からないんだ」


タシュケント「……」


整備士「傷付いた内臓と脳の一部を切り取って再生。あと左腕と脚もだね」


整備士「念の為もう一度調べて、それから治療をしてあげようか」


タシュケント「…同志ほどの命知らずは知らないよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「……」


龍驤「……」ニギニギ


龍驤「……あぁ」


龍驤「ウチは死んだんや」


龍驤「夢の中で会ったのはやっぱりカミサマやったんや」


龍驤「…うん、これでええ。司令官らを巻き込むくらいやったら、ウチが死んだら良かったんや」


龍驤「死後の世界って…こんなんやったんやな」


タシュケント「あ、目覚めたんだね」


龍驤「……」


タシュケント「なにか食べるかい?と言っても簡単なものしかできないけどね」


龍驤「じゃあ…おにぎりでも……」


タシュケント「分かった、すぐ持ってくるから待ってて」

死後(認識)におにぎりを要求した艦むす

ーー


龍驤「……」モグモグ


タシュケント「状況は理解してもらえたかな?」


龍驤「……ウチは死んだんや無かったんや」


タシュケント「提督さん達が死に物狂いで助けたらしいよ」


龍驤「……」


タシュケント「脳の一部を切り取った影響は無いみたいだね。経過も良好で良かった」


龍驤「……」


タシュケント「ご飯も食べられてるから内臓も大丈夫。うん、流石は同志だ」


龍驤「……」


タシュケント「安価」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

タシュケント「左腕と脚はこうするしかなかったことは理解して欲しいんだ」


龍驤「……」


タシュケント「大切な人達が死んじゃうよりはいいでしょ?腕と脚をどうしたいかは任せるよ」


龍驤「……」


タシュケント「それと……君と二人きりだから言えることがある」


龍驤「……」


タシュケント「いくら同志でも言えないことというか…言いにくいことはある」


タシュケント「安心して、君は女としても正常に戻ったんだ」


龍驤「……どういうことなん」


タシュケント「君は……相当遊んでたみたいだね。体のある部分というか…ある臓器を見たらすぐに分かったよ」

タシュケント「君の子宮は酷く汚れていたよ。あれじゃ妊娠なんかできるはず無い」


龍驤「……」


タシュケント「知らないだろうけど、子宮の中って男の人の体液で汚れるんだ。不妊治療でその汚れを削ったりするんだよ」


龍驤「……」


タシュケント「あの汚れ方だと……100人以上とは遊んでたね?」


龍驤「……」


タシュケント「同じ人と行為を繰り返しても汚れない。人によって遺伝子が違うように、体液も人によって違うからね」


龍驤「……」


タシュケント「…この事は黙っておくから。とにかく、腕と脚をどうするかをよく考えておいてね」


龍驤「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

腕に爪を立てる龍驤
だけどこれが提督の望みなら…と自らの罪との間で葛藤する

>>380
司令官と、話したいなぁ

龍驤「……」ギリリッ


龍驤「ウチの罪は消えへん…許されへんのに……」


龍驤「……」


龍驤「…司令官がこれを望んだん?」


タシュケント「話をしたのは整備士だよ。でも元に戻して欲しいって言うのは普通じゃないかな?」


龍驤「……」


タシュケント「……」


龍驤「話したい……司令官と話したい…」


タシュケント「分かった、少し待ってて」

龍驤「……」


タシュケント「あたしは席を外すから。ゆっくり話すといいよ」ガチャッ


龍驤「……司令官」


龍驤「…それだけ無い。朝霜とか…皆んな…」


龍驤「……」


龍驤「あかん、まだ整理できへん…でも…このままぼーっとしてるのは違う…」


龍驤「…司令官やったら教えてくれる」


龍驤「司令官……ウチは…」ピピピッ

安価の出し忘れ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督『まずは龍驤が回復して何よりだ』


龍驤「うん…」


提督『ただ…俺としても腕と脚についてはどうしたらいいのか悩んでいるんだ』


龍驤「司令官も…」


提督『最善であれば龍驤に五体満足でいて欲しい。だがそれは龍驤の心を助けることにはならないと思っている』


龍驤「その…通りや……」


提督『……俺はもう一度腕と脚を切って欲しいなんて死んでも言えない』


龍驤「え……ウチは切るんやったら君に…」


提督『やめてくれ!!そんなことは…言わないでくれ…!!』


龍驤「ご…ごめんな……」

提督『…龍驤に任せる』


龍驤「そんな…あかん……ウチは君と…」


提督『俺だって本当は……だが…』


龍驤「…側に誰かおるんやね」


提督『…皆んながいる。龍驤は…』


龍驤「うん……皆んなの言いたいことは分かってる。ウチが一人で決めるわ」


提督『龍驤…』


龍驤「こんなウチを選んでくれてありがとうな、司令官」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

提督サイド
直接会えとの案がでる
(あの子と話させたいんだかどう安価取ればええやろ)

ガチャッ


タシュケント「電話は終わったみたいだね。どうするかは決まったかな?」


龍驤「……」


タシュケント「まだか…うーん早く決めて欲しいんだけどな」


龍驤「なぁ……ここには幹部さんはおる?」


タシュケント「あの人なら居ることは居るよ」


龍驤「呼んできて…話がしたい」


タシュケント「…はいはい。好きにしたらいいよ」


龍驤「幹部さんになら……相談できる…」

ーー


龍驤「あの子はもう普通の生活は戻られへん…それやのにウチは五体満足で幸せになっていいん?」


龍驤「とてもウチ一人じゃ答えを出せれへんねん…」


幹部「…龍驤君の腕と脚が完全に治ったと聞いた時は驚いたよ。そしてその悩みもよく分かる」


龍驤「司令官は……皆んなとおって…」


幹部「提督君としては治って欲しいんだろう。だが横須賀の皆んなは黙っていない」


幹部「皆は龍驤君の過去を知っているからね…当然と言うのは可哀想かな?」


龍驤「違う……ウチが悪いんや…」


幹部「……龍驤君、本気で償うつもりはあるかい?」


龍驤「…はい。許されるならどんな罰でも受け入れます」


幹部「なら私に考えがある」

幹部「化け物に姿を変えてしまったあの子を見殺しにした…そう警察に告白するんだ」


龍驤「警察に…」


幹部「塀の中に入るのかどうかは分からない。だがそうすることによって龍驤君は満足するんじゃないのかな?」


龍驤「……」


幹部「…そもそも人を殺しておいて、塀の中に入るだけで済むこのシステムが悪いんだ。だがこれが法というものなんだ」


幹部「龍驤君の罪は消えない。だがこうすることによって心の重りは取れるんじゃないかな?」


龍驤「……ありがとうございます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「提督君、何も言わずにこれを再生して欲しい」スッ


提督「…龍驤からのメッセージですか?」


幹部「そうだ。提督君に渡して欲しいと頼まれた」


提督「……」


幹部「……私から言えることも無い。あえて言うとすれば、一人でこれを聞くべきだと思う」


提督「…ありがとうございます」


幹部「……頑張るんだよ」

カチッ


龍驤『ん……あのな司令官。まずは謝らせてごめん』


龍驤『治った腕と脚…司令官に切ってもらおうとしたやんか?』


龍驤『ウチ……何も変わってないな』


龍驤『皆んなに迷惑かけて…司令官にも…押しつけようとした』


龍驤『…やっぱりウチは最低な女やわ』


龍驤『別れようって言うても……司令官は嫌や、受け入れるって言うてくれるもんね』


龍驤『それじゃあかん……遅すぎるけど、やっと気付けたんよ』

龍驤『…これから警察に行ってきます』


龍驤『ほんで…ウチがあの子を見殺しにしたことを告白してきます』


龍驤『今更逮捕されるんか、塀の中に入るんかは分からへんけど…』


龍驤『最悪…君の側には居れません』


龍驤『今まで……ありがとうな』


龍驤『ウチのことなんか待たんでええよ。霞と朝霜がおるやろ?』


龍驤『……』


提督(すすり泣く声が聞こえる。そもそも龍驤は最初から泣いていたようだ)


龍驤『ありがとう…ウチに愛を教えてくれて…』


龍驤『じれいがん……ウチのごどまっででぇぇ……!!』


龍驤『…ぅぁぁぁ…………』


提督(…ここでメッセージは終わりのようだ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


まるゆ「いやぁ驚きましたよ龍驤さん。艦娘が殺人を犯しただなんて」


龍驤「……」



まるゆ「結論から言えば逮捕はできません。故意に轢かせたのなら話は別ですが、今回の件では龍驤さんは罪に問われません」


まるゆ「その理由は龍驤さんに作為義務が存在しないからです。龍驤さんはあの子に対して保護義務がありません」


まるゆ「保護義務。つまり龍驤さんはあの子の親でも何でもありませんからね」


龍驤「……」


まるゆ「そして事故の発生も関係がありません。あれは避けようが無かった事故なんですよ」


龍驤「違う……ウチはあの子を殺したんや…」


まるゆ「いくら龍驤さんがそう言っても、法的には何も問題は無いんです」

まるゆ「法的には問題ありませんが……モラルの問題はあります」


龍驤「……」


まるゆ「感謝状目的で子どもを見殺しにするなんて、非人道過ぎます」


まるゆ「そんなの…暴力団でもしませんよ」


龍驤「……ごめんなさい」


まるゆ「謝る相手が違いますよ」


龍驤「……」


まるゆ「…龍驤さんは幸運です。謝る相手が生きているんですから」


まるゆ「私は陸の警察に来て何度も死体を見てきました。彼らの声の無い叫びを聞く……どれだけ辛かったか計り知れません」


まるゆ「龍驤さん、こんな所で時間を潰してる暇があるなら行く所があるんじゃないですか?」


龍驤「……はい」


龍驤「あの子に会いに……行ってきます」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

あの子のところへ向かうと海月姫にまず会う
左手足を見て、流石にまた手足が欲しくなって治した…まで声が出たあと顔を見て、わけじゃなさそうねと続ける

>>404
目的を読まれてあの子と二人きりにしてもらえる

ーー旧鉄の海域


深海海月姫「あらぁ…やっぱり手足が欲しくなって治した…」


龍驤「……」


深海海月姫「……わけじゃなさそうねぇ」


龍驤「ウチは…」


深海海月姫「はぁ……貴女が来てるとわかって喜んでるわぁ。早く会ってきたら?」


龍驤「…ありがとうな」


深海海月姫「……あの子に任せておきましょう」

シュルシュル…


(腕と脚…治ったの…?)


龍驤「うん…」


(良かったね…)


龍驤「なぁ…そっちはどう?」


(毎日楽しいよ…お母さんと一緒だし…)


龍驤「……そっか」


(ねぇ…遊ぼうよ…今日は遊びに来たんでしょ…?)


龍驤「違う…違うんよ。ウチは謝りに来たんや」


(お母さんに…?)


龍驤「ううん…あんたにやで」


(え…?)

龍驤「あの時……電車から助けられへんでごめん」


(違うよ…あれは私が遊んでたのが悪いって…お母さんが言ってた…)


龍驤「そうや無い……ウチはもっと早くに気付いてたんよ」


龍驤「君に注意して…電車から守ることができた……それやのに…」


龍驤「ウチはギリギリで助けて…感謝状もらおうとしたんよ…」


龍驤「ウチ……な…悪い艦娘やねん…せやから…少しでも褒められて…」


龍驤「ごめん……ごめんな…ウチのせいで……こんな事になって…」ポロポロ


龍驤「もっと早くに来るべきやったのに……ほんまにごめんなさい…」


(安価)


下2 台詞やその他起こったことなど

シュルッ


龍驤「ん…」


(辛かったんだね…助けようとしてくれてありがとう…)


龍驤 「そんな…ウチにお礼なんて…」


(貴女が気付いてくれたから…私はこうして生きてる…)


(貴女が居なかったら……私はこうはなってなかった…)


龍驤「違う……ウチは無傷で助けられたんよ…この体にならんくても…」


深海海月姫「あらぁ…随分な言い草ねぇ」


(お母さん…)


深海海月姫「貴女は大きな勘違いをしてるわよぉ」


龍驤「勘違い…?」

深海海月姫「あの子はあの体になって落ち込んでなんか居ないのよぉ」


深海海月姫「それどころか飛べるようになって喜んでるのよねぇ…」


(うん…飛べるの…カッコいい…!)


龍驤「……」


深海海月姫「大らかというか大物よねぇ私の娘は…」


龍驤「でも…」


深海海月姫「そう…あの子はいつまでも子どもじゃないわぁ。成長すればきっと…貴女を恨むでしょうねぇ」


龍驤「当たり前や、だからウチは…」


深海海月姫「そこで……一つ提案があるわぁ」

深海海月姫「あの子は深海棲艦の成虫…幼虫やサナギには無い特性があるわ」


深海海月姫「特性……あの子は擬態を持っている可能性があるの」


龍驤「擬態…」


深海海月姫「捕食したり体内に吸収したものの姿を真似ることができるかもしれない…あの子の中にはほぼ全ての種類の深海棲艦が入っているのは知ってるわねぇ?」


龍驤「それに…擬態することができた…?」


深海海月姫「ええそうよ」


(ぎたい……?)


深海海月姫「この前貴女の姿が変わったあれよ」


(あの変身かぁ…カッコよかったよね…!)


深海海月姫「それを踏まえて…何が言いたいか分かるわよねぇ?」


龍驤「…うん、分かった」

龍驤「ウチの体、使ってもええ」


深海海月姫「擬態に必要な量はどれくらいか分からないのよぉ?」


龍驤「あの子にやったらウチの体をあげる」


深海海月姫「…殺させはしないわよ。あの子に殺人なんかして欲しくないもの」


龍驤「分かってるよ」


(何の話…?)


龍驤「なぁ…その変身のやつ。艦娘にもなれたらカッコいいと思えへん?」


(うん…確かにそうかも…)


龍驤「それやったらな、ウチを吸収せぇへん?」


(え…でも…)


龍驤「大丈夫や、お母さんも側におるやろ?」


深海海月姫「……」


(分かった…じゃあちょっとだけ…いただきます…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「……っ!」ジュッ


(ん……)


龍驤「ど、どうや…?まだ足りへんのと違うか…?」


(うん…ちょっと足りない…)


龍驤「なら…続きを…」


(でも腕を食べたら…抱き合えないよ…)


龍驤「……」ポロポロ


(どうしたの…痛かった…?)


龍驤「うぅぅ……なんで君は…こんな時でも他人を心配できるんよぉ…」


龍驤「う、ぅっ、ぅぅぅ……!」


深海海月姫「…子どもは汚れを知らない。心の優しさがそのまま表に出ているのよぉ」


深海海月姫「貴女の汚れ過ぎた心では…この子の輝きは眩しくて前を見ることすらできないでしょうねぇ」


龍驤「あぁぁぁぁ……ぅぁぁぁぁぁ…」


深海海月姫「…ちょうど脚が前に戻ったのは貴女の運命。帰る前に腕も置いていきなさい」


龍驤「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


漣「ご主人様の具合はどうですか?」


霞「心労と疲労が原因だから、大人しく寝かせてたら治るわね」


漣「龍驤さんが無事で帰ってくるとなって、気が緩んだんですかね」


霞「そうかもしれないわね」


漣「また左腕と左脚を犠牲にしたというのも原因の一つかもしれませんねぇ…」


霞「否定はできないわね」


漣「龍驤さんはあと数日は帰ってこないと聞いています。早く帰ってきてご主人様を元気付けて欲しい所ですけど」


霞「向こうには向こうの事情があるのよ」

漣「ご主人様無しでも仕事はなんとかなります。そっちの心配はいりません」


霞「頼んだわよ漣」


漣「ではご主人様を宜しく頼みます…」ガチャッ


霞「…なんでここの艦娘は無理をするのが普通になってるのかしらね」


霞「漣も大して寝てなさそうね。仕事はなんとかなるって、徹夜でやってるからじゃないの」


霞「漣も倒れる前に休ませて、仕事は誰かに回すしか無いわね」


霞「全く…フォローする私の気持ちにもなりなさいよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣 「な~~に偉そうなこと言ってんすか」ガチャッ


霞「なによ」


漣「薬を調合して、それ以外の時はずっと提督に付きっきりでしょうが」


霞「薬は兎も角、付きっきりなのは当たり前でしょ」


漣「こっちは休めって言ってんですよ」


霞「それはあんたに言ってるの」


漣「こっちもそう言ってんですよ元祖ツンデレ」


霞「それは多摩でしょ」


漣「多摩さんは龍驤さんに対してですよ。ご主人様へのツンデレ枠は霞さんが元祖です」


霞「…殆どデレた記憶しか無いけど」


漣「そうですよね、霞さんはご主人様の事嫌いじゃ無かったですもんねや

漣「このままじゃラチが明きません。ここはお互いに休むというのはどうですか?」


霞「仕事はどうするのよ」


漣「粗方終わらせておきましたので問題ありません。それに朝霜さんが居ます」


霞「司令官は?」


漣「ご主人様の大好きなモノを置いておきますから」


霞「あんたはそれでいいの?」


漣「ご主人様の為ですから」


霞「それならいいけど」


漣「ご主人が大好きなモノ、即ちロリ。ガチロリのうちの嫁を側に置いておけば、何かしらの癒し効果が出るはずです」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー医務室


潜水新棲姫「苦しいなら言ってくれ提督」


提督「……」


潜水新棲姫「答えられないくらい辛いのか?」


提督「その格好…どうにかならないのか…」


潜水新棲姫「ネコミミメイドの何が悪い?」フリフリ


提督「悪くない…むしろいいんだが…」


潜水新棲姫「眼福というヤツだろう。癒されろ」


提督「癒されるだけじゃ…済まないんだよ…」

Y朝潮「司令官!お世話はこの朝潮にお任せ下さい!」バターン


潜水新棲姫「静かにしろ」


S朝潮「そうですよ、司令官は心労で倒れているんですから」


Y朝潮「…失礼しました」


提督「お前達も…か…」


S朝潮「好きですよね?」フリフリ


提督「それは…そうなんだが…」


Y朝潮「ネコミミ三人でも半立ちまでいって無い所を見ると、本当に具合が悪いみたいですね」


提督「そんな所で…判断するな…」

龍田「提督……」ガチャッ


Y朝潮「新たなる刺客…!!」


潜水新棲姫「メイド服とは本来、龍田のようなスタイルの奴が着るものだと再認識できたな」


S朝潮「胸が…スタイルが…いやでも司令官はロリコンですから」


提督「龍田まで…」


龍田「言ったでしょ、依存させてって……」


提督「あぁ…」


龍田「この格好をしてあげるから…私を側に置いて…」


提督「好きに…していいぞ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「司令、調子はどうだ?」ガチャッ


潜水新棲姫「朝霜か、こっちは問題無いぞ」


朝霜「…そうみてぇだな」


潜水新棲姫「提督にはネコミミメイドのフルコースを味わってもらっている。心が癒されること間違い無しだ」


朝霜「龍田が司令に添い寝してんのは分かる。朝潮二人はどこに行った?」


潜水新棲姫「さっきまで提督をマッサージしてた。今は休憩中だ」


朝霜「……」


潜水新棲姫「安心しろ、ちゃんとしたマッサージだ。性的なものじゃない」


朝霜「…それを聞いて安心したぜ」

龍田「……呼んだ?」


朝霜「あぁ呼んだよ。パパを独占してる龍田をな」


潜水新棲姫「喧嘩はやめろ、提督が起きる」


龍田「…分かってるのよ、いつまでも提督に依存できないのは」


朝霜「なら今すぐに止めろ」


龍田「今すぐは無理…でも、きっと提督を頼らなくてもいい日が来るから…」


潜水新棲姫「朝霜、龍田の事情を知らないわけじゃないだろう。事実、提督に依存することによって龍田の薬の量は減っている」


龍田「お願い…私にとって天龍ちゃんと提督が全てなの…」


朝霜「…パパは渡さねぇからな」


龍田「奪うつもりなんか無いわぁ…」


朝霜「…そうかよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「じゃ……ちょっくらあたいも休憩だ」ポスッ


龍田「え…」


朝霜「今は皆んなのパパだろ?」


龍田「…ふふっ、そうねぇ」


潜水新棲姫「二人の仲が良いのか悪いのかワタシには分からないな」


朝霜「大事なのはパパを奪おうとしたり独占したりしないことだ」


龍田「私はそんなことしないわぁ」


朝霜「だからいいんだよ。あたいも龍驤さんにパパを分けてもらってるんだし」


潜水新棲姫「独特の線引きがあるということか」

朝霜「最初朝潮はパパを奪おうとしてただろ?あれは許せねぇ」


潜水新棲姫「今の朝潮達なら大丈夫ということか」


朝霜「そういうことだ」


潜水新棲姫「…ちなみにワタシはどうなんだ?」


朝霜「パパの遊び相手だろ?それくらい気にしねぇよ」


潜水新棲姫「……」


朝霜「なんだよその顔は」


潜水新棲姫「実はな…漣からこれを渡されていたんだ」スッ


朝霜「アイツ…!」


潜水新棲姫「避妊具だ。提督を体を使って癒せということだったんだろう」


朝霜「チッ……否定できないのが腹立つな。パパはガチのロリコンだ」


潜水新棲姫「ワタシは提督を奪うつもりは無い。一応許されるということなんだな…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「…パパとヤるのか?」


潜水新棲姫「いや、前は漣だけのものだ。ワタシにだって譲れないものがある」


朝霜「……」


潜水新棲姫「わざわざ用意してもらった漣には悪いが、これは破棄しておくか」


龍田「ねぇ……捨てるならそれ…くれない?」


朝霜「龍田、お前…」


潜水新棲姫「ワタシは良いがお前は平気なのか?」


龍田「平気じゃない…それを見るだけで手が震えるわ…」


潜水新棲姫「無理するな、これは高いものじゃない。捨てても問題は無い」


龍田「違う…そうじゃないの…」

龍田「提督と体を重ねられるようになれば…私は大丈夫な証…」


龍田「過去を克服する為には…提督と…」


朝霜「いつかの時の為に持っておくってことか」


龍田「避妊具無しなんか…想像しただけで…」ガタガタ


潜水新棲姫「そうか龍田は玩具にされていたからな」


朝霜「玩具になんか避妊具は使わねぇもんな」


龍田「だから…お願い…」


潜水新棲姫「分かった。ならこれは龍田に渡しておこう」スッ


龍田「ありがとう……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫「そういえば仕事は進んでるのか」


朝霜「これでも特務艦サマだぜ?速攻で終わらせてきたに決まってんだろ」


潜水新棲姫「頼もしい限りだ」


龍田「特務艦は強さだけじゃないものね…」


朝霜「どっちかって言うとあたいは強さで特務艦になったんだけどな」


潜水新棲姫「そもそも特務艦は、強過ぎたり優秀過ぎる艦娘を管理するためのシステムなんだろう?」


朝霜「ある程度好きにやっていいから裏切るな。っていう保険だろうな」


潜水新棲姫「旧大本営が考えそうなことだな」

朝霜「旧大本営の時は特務艦はかなり上の役職だったはずだけど、今もそうなのか?」


潜水新棲姫「特務艦というシステムが残っている以上、地位も変わっていないようだ」


朝霜「なるほどな…」


潜水新棲姫「朝霜、提督より立場が上だからと言って無茶はするんじゃないぞ」


朝霜「……」


潜水新棲姫「おい」


朝霜「否定するわけねぇだろ。あたいとパパなら絶対パパを優先する」


潜水新棲姫「そんなことをしても提督は喜ばないぞ」


朝霜「お前バカか?パパの代わりにあたいが死ねばその先は見なくて済むし、パパも死なない。いいこと尽くめじゃねぇか」


潜水新棲姫「…なぜ提督の周りの女はこんなのばっかりなんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍田「そもそも朝霜が来た理由って…」


朝霜「あぁ、司令にイジめてもらおうと思ったんだよ」


潜水新棲姫「提督がカニバだとか噂されてた頃だな」


朝霜「あの頃からあたいは変わってねぇよ。当時は早霜から逃れる為に性的なことに逃げた」


龍田「今は幻肢痛から逃れる為よねぇ」


朝霜「そうだな。そういう意味じゃパパに才能あるんだよ」


潜水新棲姫「何のだ?」


朝霜「セックスの才能。一晩で五回とか普通の人間には無理だからな」


龍田「龍驤さんもそれに惹かれて、助けられたようなものよねぇ」


朝霜「男と女っていうのは愛よりもやっぱりソレなんだな」


潜水新棲姫「ワタシも身に覚えがあるから否定はできないな」

Y朝潮「今卑猥な話をしてませんでしたか!?」ガチャッ


朝霜「うるせぇ静かにしろ、パパが寝てる」


S朝潮「司令官の隣で寝てる朝霜さんが言いますか」


朝霜「あぁ言うぜ。今パパはあたいと龍田のものだ」ギュッ


龍田「……」ギュッ


S朝潮「司令官は物じゃないでしょうに」


Y朝潮「チャンスがあれば…司令官と…!」


潜水新棲姫「ふぅ…また騒がしくなるな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……」ギュッ


龍田「きゃっ…」


朝霜「あ…はぁん……」ピクッ


S朝潮「…司令官は寝てます。無意識にお二人を抱き寄せたみたいですね」


Y朝潮「私は今見ましたよ!朝霜は抱き寄せられて感じ出ました!」


龍田「あらぁ…最初の理由はどうあれ、やっぱり愛よりソッチが大事なのかしら?」


朝霜「そんなわけねぇだろ」


S朝潮「そうです、そんなのはそこの朝潮だけですよ」


Y朝潮「なにを!」


S朝潮「司令官の顔と体しか見てないくせに」


Y朝潮「それは…その……」

潜水新棲姫「ワタシはそれでもいいと思うぞ」


Y朝潮「ほら!私は悪くないんですよ!」


潜水新棲姫「きっかけは重要じゃない、実際今ここにいる全員が提督を好きになった動機は違うんだ」


潜水新棲姫「ワタシだってきっかけは漣とシたことだ。だが今ではそれだけじゃない、漣を大切に思っている」


潜水新棲姫「この相手を思う気持ちが重要なんだとワタシは思う」


Y朝潮「そうです、私は理由はどうあれ司令官が好きなんです!だからエッチもしたいんです!」


朝霜「お前がコイツの味方をするとはな」


潜水新棲姫「気持ちの問題は大切なんだ。特に提督は心が弱い、自分が好かれていると知ることはプラスのはずだ」


龍田「言いたいことは分かるわよ、でも…」


S朝潮「……」


Y朝潮「ちゃんとルールを守って司令官には抱いてもらいますからね!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府地下、独房


伊400「漣の奴よくもやってくれたな…!」


夕雲「……」


伊400「今に見てろ…あいつは絶対…」カチャカチャ


夕雲「何をしてるのよ」


伊400「見て分かるだろ。ここから出て行くんだよ」


夕雲「バレたら殺されるわよ」


伊400「殺される前に殺してやるよ」カチャカチャ


夕雲「……」


伊400「ここに居てもどうにもならねぇ。それはお前も同じだぞ」


夕雲「……」

夕雲「ここを出てどうするのよ」


伊400「あのイカれてる野郎の所にでも戻るさ」


夕雲「島風提督のこと…?」


伊400「それが無理ならお前みたいなのを探す。旧大本営派なんていくらでも湧いてくるからな」


夕雲「どうして貴女は…」


伊400「何回も言ってるだろ?刺激が欲しいんだよ。脳がゾクゾクするような極上のな」


伊400「…待てよ、ここで自爆テロもいいな」


夕雲「やめなさい!」


伊400「うるせぇ黙れ、このままじゃ二人とも殺されて終わるんだぜ?」


夕雲「そんなの…」


伊400「無いって言い切れるか?漣は俺の指を潰したんだぜ?」


夕雲「……」


伊400「決めた、テロをやる。自爆かどうかは置いといてやるのは確定だ。漣に一泡吹かせてやる」


伊400「見てろよ漣…あの時の痛みは倍にして返してやる!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

『残念ですがそんな素人のピッキングなんかで開きませんよ~』


伊400「あぁ!?」


漣『こっちはねぇ、あんたらのことはよーく知ってんですよ。だから24時間監視してんすよ』


夕雲「……」


漣『変なこと考えてると、不本意な悪い予感が本当になっちゃいますよ~』


伊400「はっ、できるもんならやってみろ。ここはあの時と違って鎮守府の中だ。そんな簡単に殺せるわけないんだよ!」


漣『ほう…』


夕雲「ちょっと…」


伊400「お前も引っかかるなよ、あいつらは手出しできない。だってここから出た時に拷問されたって言えばアイツらは終わる!」

漣「中々鋭い推理ですね」ガチャッ


伊400「あ…?」


漣「残念ながらその通りなんです。身柄を確保してしまった今、変に手を出せないんですよ」


伊400「ほら見てみろ!」


夕雲「……」


漣「でもそれは…生きて出られたらの話ですよね?」ギィィ…


伊400「……は?」


漣「調子乗ってんじゃねぇですよ」ガシッ


伊400「かは……!く、首が…!」


漣「どうしたんですか?抵抗しないと死にますよ」ギリギリ


伊400「お前……どうなるか…」


漣「まだ分かりませんか?貴女達はここで死ぬんです」


伊400「な…ぁ……!」

漣「死体は喋らないんで便利ですよ。だから早く死んで下さい」ギリギリ


伊400「……!!」


漣「そうそう、漣は貴女『達』と言いましたよ」


夕雲「や、やめて…!!私は…!!」


伊400「」ゴトッ


漣「甘ったれんじゃねぇですよ、こっちは旧大本営と命張って戦ったんです。自分だけ助かろうだなんて許されると思いますか?」


夕雲「ごめんなさい、ごめんなさい…」


漣「貴女からは散々お話しは聞きました。もうあれ以上情報は無いとも考えられます」ガシッ


夕雲「い、嫌……!!」


漣「でも体に聞けば何か分かるかもしれませんよね?」ニコッ


夕雲「いやぁぁぁぁぁーーーー!!」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

ーー


夕雲「はっ………!?」


伊400「……」ブツブツ


夕雲「今のは夢……?それにしてはリアル過ぎて…」


伊400「……」カチャカチャ


夕雲「や…やめなさい伊400!!」


伊400「なんだようるせぇな」


夕雲「この独房は監視されてるのよ!あそこにカメラがあるでしょ!?」


伊400「……チッ」


夕雲「大人しくしていれば殺されることは無いのよ、じっとしてなさい」


伊400「あ?誰に向かって…」


夕雲「いいから大人しくしてなさい!!」


伊400「なんなんだよもぅ……」

夕雲(漣は居ないし、これでさっきみたいなことにはならないはずよね…)


伊400「……」ブツブツ


夕雲(あれはただの夢だったかもしれない。けど下手なことはしない方がいい)


夕雲(…私はもうあれ以上情報を持っていない。それを分かってもらえるようにしないと)


夕雲(そうじゃないと私は…殺される……)ゾゾゾッ


伊400「……」


夕雲(あいつはどうなってもいいから…私だけは殺されたくない…!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

夕雲「……ねぇ貴女、そういえば指は…」


伊400「痛ぇに決まってんだろ!思い出させるな!!」


夕雲「……」


伊400「痛ぇ……痛ぇんだよ畜生が!!」


夕雲「指……元に戻らないらしいわね」


伊400「完全に潰しやがってあのクソアマ……!」


夕雲「でも文句は言えないわ…本来なら私達は即拘束、最悪解体…」


伊400「あいつらも…それを分かってやがる……クソがぁぁぁ!!」

漣「随分と盛り上がってますねぇ」ガチャッ


夕雲「漣……」ビクッ


伊400「なんだよ今更よぉ…!」


漣「楽しい楽しい尋問タイムってやつですよ」


伊400「テメェ…」


漣「旧大本営はまだ脅威なんですよ。ほんの僅かな情報でもこっちは欲しいんです」


伊400「はっ、そいつはいいな」


漣「……」


夕雲「知らない!私は何も知らないのよぉ!!」


伊400「うるせぇって言ってんだろうがよ!」


夕雲「あれ以上の情報は持ってないの!信じて!!」


漣「それを決めるのはこっちですな」


夕雲「お願い!!お願い!!殺さないで!!殺さないでーーーーーー!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「なにもタダとは言いません。話せばある人物に頼んで指を治してもらいますよ」


伊400「あぁぁ…?」


漣「まぁ個人的にお話したいと言ってたので、どっちみちあの人とは会うでしょうけど」


伊400「なんだよそれは…」


夕雲「ひ…ひぃぃ……」


漣「それより問題はこっちですな…」


夕雲「殺さないで殺さないで……」ガタガタ


漣「仕方ありませんね…」

ーー


早霜「何を聞き出したいの?」


漣「旧大本営についての情報全て」


早霜「分かったわ、この子の脳が覚えていることを全て吐き出させる」


夕雲「……」


漣「早霜さんを使って暗示をかけてもらう…最初からこうすればよかったですな」


早霜「こんなのマインドコントロールに比べれば楽よ」


漣「お願いしますね早霜さん」


漣「……」


漣「この手を使えば殺す必要は無かったのか…」ボソッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


早霜「旧大本営派の避難拠点を聞き出せて良かったわね」


漣「……」


早霜「避難拠点だから武器や何かの生産はできないみたいね。だからその拠点はあくまで避難用」


漣「コイツは…やっぱり情報を知ってた」


早霜「知ってても覚えていないのよ。この記憶は脳の奥底にあった、本人も覚えていない」


漣「その証拠は?」


早霜「私の腕を信じられないの?」


漣「……」


早霜「いくら痛めつけてもあの情報は聞き出せなかったわよ。それくらい僅かな痕跡しか残ってなかったのよ」

早霜「それとこの子はもう全く抗う気がないわ」


早霜「世界征服を企んでたのは、脅かされない安住の地が欲しいことの裏返し。この子はずっと何かに怯えていたのよ」


漣「そんなの関係ありません」


早霜「…どうしたの漣?いつもの調子はどうしたのよ」


漣「貴女には関係ありません」


早霜「……貴女が手を汚すと悲しむ人が大勢居るわよ」


漣「そんなことくらい分かってんですよ。それを天秤にかけてでも、やらなければいけないと思っただけです」


早霜「一体どうしたのよ漣…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部『報告感謝するよ。これはずっと探していた情報なんだ』


漣「なら早く旧大本営派を殲滅して下さい」


幹部『漣君、そう焦る必要は無い。あの兵器はこちらが保管しているんだ』


漣「何を言ってるんですか、奴らはアレを作り上げたんですよ。複数個持っててもおかしくはありません」


幹部『それは無い、少なくともそう言い切れるよ』


漣「なぜですか」


幹部『もし複数機完成していたなら、あの時援護に来ていたはずだ。それをしなかった…できなかったということは、あれはあの一機しか存在しない』

幹部『…だが設計図や細かいデータは回収できなかった。つまりまたアレを作れる可能性はある』


漣「分かってんでしょうね、アレが量産されればもう終わりですよ」


幹部『分かっているさ…』


漣「アレは艦娘を兵器として完成させる悪魔です。そうなれば漣達は戦争の道具にされるでしょう」


幹部『艦娘が陸でも使えるとなれば、各国は喜んで開発に取り組む』


漣「ここが瀬戸際ですよ。なんとしても旧大本営及び大和を消して下さい」


幹部『最善は尽くす。それは約束するよ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「……ぅ…」フラッ


潜水新棲姫「ここで倒れるよりベッドで寝た方がいいぞ」スッ


漣「……」


潜水新棲姫「緊張の糸が切れるというやつか。本気で夕雲達を殺すつもりだったんだな」


漣「……」


潜水新棲姫「提督に負けず劣らず頑張りすぎるのは良い所だが悪い所でもある」


潜水新棲姫「提督も休んでいる、だから漣もゆっくり休め」


漣「……」ガクッ


潜水新棲姫「……一人で勝手に突っ走るな、ばか」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


朝霜「漣もアウトか」


潜水新棲姫「心労でダウンだ。提督よりは軽いらしい」


朝霜「マズイな…これじゃ仕事が回らねぇぞ」


潜水新棲姫「前と同じようにワタシが書類仕事をできれば良いんだがな」


朝霜「横須賀じゃそうはいかねぇよ。どんな書類でも誰がどうしたとか記録が残るんだよ」


潜水新棲姫「ワタシのような深海棲艦が横須賀鎮守府で、書類仕事をするのはまだ難しいか」


朝霜「難癖付ける連中がうるせぇんだよ。司令の為にも波風を立てたくねぇ」


潜水新棲姫「その気持ちは分かる。だが実際大丈夫なのか?」


朝霜「大丈夫じゃねえって言ってんだろうがよ」

潜水新棲姫「朝潮はどうなんだ?足りないものの方の朝潮は秘書艦の経験があるんだろう?」


朝霜「あいつの所属はややこしいんだとよ」


潜水新棲姫「そうか…記録の上では朝潮は自殺のままか」


朝霜「あたいがやるしかねぇ…それしか方法がない」


潜水新棲姫「お前まで倒れたら終わりだぞ」


朝霜「あたいが終わるか仕事が終わるかのどっちかだ」


潜水新棲姫「おい」


朝霜「死ぬ気でやってやる。パパの鎮守府はあたいが守るんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

変態三銃士(白露型)が私達のこと忘れてない?って参上
頭の中身はピンクでも流石は特務艦といったところ

(今日は金曜だけど休みだからやるのかな?)

白露「いっちばーーん!」バターン


村雨「私達のことを忘れてない?」


春雨「ふふふふ…」


潜水新棲姫「出たな変態白露型」


皐月「僕もいるよ!名前だけの秘書艦じゃない所を見せてあげる!」


朝霜「……そうか、村雨はそういうのが得意だったか」


村雨「何度か秘書艦もしてたじゃない。忘れてたの?」


朝霜「……」


白露「忘れるくらい追い込まれてたってことだよね」


春雨「私達に任せてゆっくり休んで下さい」

潜水新棲姫「医務室へはワタシが連れて行く。あとは頼むぞ」


朝霜「待てよ…」


皐月「朝霜、幻肢痛で辛いんだよね?脂汗かいてるもん」


朝霜「……」


春雨「……じゅるっ」


白露「春雨、ステイ」


村雨「貞操帯を付けてても安心できないのが凄いわよね…」


潜水新棲姫「皐月がいるなら書類上でも安心だな」


皐月「司令官も漣も朝霜ももっと休むべきなんだよ。全部こっちに任せてね!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー医務室


霞「無理しちゃダメって言ったでしょ。司令官のところで一緒に休んでなさい」


朝霜「……」


霞「なによその目」


朝霜「随分と…くつろいでやがるな…」


霞「私だって休む必要があるのよ」


千歳「そうよ、霞は相変わらずここの大黒柱なんだから。一番無理させちゃいけないの」


朝霜「千歳を…わざわざ呼んでか…」


千歳「どっちかと言うと私が手伝うって言い出したのよ?」


朝霜「……」

霞「ふぅ…少し寝させてもらうわね」


千歳「ええ、後は任せておいて」


朝霜「あたいは…」


千歳「仕事なんかさせないわよ?薬を飲んで寝てなさい」


朝霜「チッ…」


千歳「病気もそうだけど、休もうとしないのもこの鎮守府の悪い習慣よね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「んぁ……司令…」


提督「朝霜…?」


朝霜「起きてて…大丈夫なのかよ…」


提督「寝てばかりだと体が痛むからな」


朝霜「でも…座ったままなのも…体に悪い…」


提督「心配してくれるのは嬉しいが、これくらいなんともない」


朝霜「んぅ……あたいは…パパの為に何か…したい…」

提督「なら俺の膝の上に座ってくれ」


朝霜「パパの…」


提督「さぁ早く」ポンポン


朝霜「……」スッ


提督「よしよし…」ナデナデ


朝霜「パパぁぁ……」


提督「俺を手伝おうとしてくれるのは有り難い。だがまずは自分を大切にしてくれ」


朝霜「ん…」


提督「いつも有難うな…」ナデナデ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

一緒にお茶を飲んだりお菓子を食べたりしてこうやって一緒にいてくれるだけで凄く安心できると提督が話す
朝霜も幻肢痛が和らいでゆっくりできる

ーー


提督「ほらあーん」


朝霜「あー…」


提督「うん、市販品のクッキーも中々美味いな」


朝霜「ん…パパのが美味しいぜ」


提督「それはそうだ、俺のは大量生産じゃないから味がきめ細かいんだ」


朝霜「なるほどなぁ…」


提督「ん……もうこんな時間になってたのか」


朝霜「ほんとだ…パパの膝の上にいると時間を忘れちまうな」


提督「居心地がいいなら何よりだ」

提督「幻肢痛も辛く無かったようだな」


朝霜「パパ…やっぱりあたいの幻肢痛って気のせいなのかな?ママとは症状が違うし…」


提督「そんな事は無い、幻肢痛は人それぞれなんだ」


朝霜「でも…」


提督「朝霜が俺を心配するように、俺も朝霜が心配なんだ。幻肢痛の苦しみは本人にしか分からない」


提督「それだけじゃない、体調を崩したりしたら気が休まらなくなってしまうんだ」


朝霜「それは…パパもそうだろ」


提督「あぁそうだ、程々でいいんだ。遅過ぎるがやっとそれに気付けたよ。ここには皆んながいるんだから、頼ればいい」


提督「適度に休んで家族との時間を大切にする…俺が最も欲しかったものだ」


提督「龍驤も朝霜も俺の大切な家族だ。だからもう無理はやめてくれよ?」ギュッ


朝霜「…仕方ねぇな、司令の為だもんな!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


白露「一番やばいのってどれ?」


村雨「この書類じゃないかしら」


春雨「この資料からはエッチな香りが…」


白露「するわけ無いからね~」


春雨「……ぁはっ」ピクッ


村雨「貴女…もう何でもいいの?」


春雨「色々想像しただけですから…」


皐月(……なんであれで仕事が進むんだろう)

白露「…よし終わりっ!」


皐月「えっ!?」


村雨「今日の分はこれで終わりよ」


皐月「……」


春雨「これでも特務艦ですからね」


村雨「春雨は元、でしょ」


春雨「さて、仕事も終わりましたし、ご褒美に軽くつまみ食いでも…」じゅるっ


皐月「…司令官だけは絶対にやめてね」


春雨「え?皐月さんを食べてもいいんですか?」


皐月「僕には……潮がいるから」


春雨「残念ね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

すっかりいい関係になってる皐月と潮の一幕

>>526
潮とも「黒」潮ともいい感じ
当初は身体だけの関係みたいだったけどそれ以上に仲は深まってる

ーー


皐月「あ、潮!」


B潮「なんだ、もう終わりか?」


皐月「白露達が手伝ってくれたからね!」


B潮「げ、あのピンク共と…」


皐月「大丈夫何もされてないから」


B潮「…そうみたいだな」クンクン


皐月「匂いを嗅ぐのはやめてよ!」


B潮「これが一番早いだろ」


皐月「もう……」


B潮「ちょうど昼時だ、一緒に飯でも食べようぜ」

ーー食堂


潮「今日の日替わりも美味しい…!」


皐月「……何がきっかけで深海潮から変わるの?」


潮「それは私の気分というか…」


皐月「漣みたいに他の人が居るんじゃないんだよね?」


潮「一応は…」


皐月「気分…気分かぁ……」


潮「怒った時とか悲しい時とか…感情によって変わる時が多いかも……?」


皐月「ふーん…コントロールは難しいんだね」


潮「ちょっと難しいです…」


皐月「ま、どれも潮だから僕は気にしてないよ!」


潮「皐月さん…!」


皐月「潮は僕にとって大切な友達だからね!」


潮「はい!私も皐月さんは親友だと思ってます!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー皐月の部屋


皐月「ふぅ、こんなに早く仕事が終わると思ってなかったから午後はゆっくりできるね」


潮「……」ダキッ


皐月「潮?」


潮「今だけは皐月さんを独り占めできますね」


皐月「…ごめんね最近忙しくて」


潮「皐月さんは横須賀鎮守府の秘書艦なんです。色々と忙しいのは理解してます」


潮「けど…やっぱりちょっと寂しいです」


皐月「…午後の予定は無いから、二人でゆっくりしようよ」


潮「…はい!」

潮「…皐月さん、こういう関係も有りですよね?」


皐月「正解って無いと思うよ。司令官だって色んな子とエッチしてるでしょ?」


潮「……はい」


皐月「潮と僕は友達で、エッチなこともする。それで良いんだよ」


潮「皐月さんの負担にはなってませんか…?」


皐月「正直…最初はちょっと嫌だったかな。乱暴で僕のこと考えてくれて無かったし」


潮「うううぅ…ごめんなさい…」


皐月「でも今は大丈夫。僕のことをちゃんと考えてくれるってよく分かるし!」


潮「皐月さんのことはずっと大切でした!でもお、おちん…ちん…が生えてエッチなことしか考えられない時があったから…!」


皐月「分かってるよ、もう平気だから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潮「じゃ、じゃあ久しぶりに…」ススッ


皐月「…スカートが盛り上がるくらい溜まってたんだね」


潮「はい!我慢して我慢して我慢してたんです!」


皐月「…いいよ、僕の体貸してあげる」


潮「皐月さん…!そんな台詞、あそこに悪いです!」


皐月「その変わり…僕も楽しませてね?」


潮「……っ!!」ガバッ


皐月「ん、もぅ……がっつきすぎだよぉ…」

ーー


Z1「はぁはぁはぁ…!」ダダダッ


春雨「ふふふふふふふ…」ダダダッ


Z1「まずい…逃げ切れない…!」


春雨「なんで逃げるんですかぁ…?」


Z1「春雨さんだけは絶対に捕まっちゃいけない!皆んなにそう言われてるもん!」


春雨「大丈夫ですよぉ…鍵はかかったままなので…全身舐め回すだけですからぁ…」


Z1「ひぃーーーー!」


春雨「心は男の子だなんてなんてレアもの…ヨダレが止まりません…」ジュルッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

レーベくん、大(変態)魔王からは逃げられない
ペロペロされちゃた後で保護される

ーー


Z1「お"っ!!」ビクビク


春雨(随分と可愛らしい反応…ずっと一人でシてたんですね」ジュルジュルジュルジュル


Z1「~~っ!!」ビクンッ


春雨(気持ちよくなるまでこの早さ。ダメですよぉ…私、こういうの一番弱いんです)ポッ


春雨(これは定期的に…楽しむ必要がありますね…)ジュルジュル


Z1「ぉっ!!も、もぅ……やめ…!!」


春雨(レーベくんの液体を全部飲み干したら止めますよ~)

富士「いい加減にしなさい」


春雨「あはぁ…!!」ガバッ


富士「ふんっ」ベシッ


春雨「あいたたた…」


富士「気安く私に触れるとは思わないで」


春雨「でも以前は富士の清水を…」


富士「……」スッ


春雨「え、えええ!?わ、私の体が浮いて……!」フワッ


富士「頭でも冷やしてきなさい、この年中発情艦娘!」ブンッ


春雨「きゃあぁぁぁぁぁぁーーー」ガシャーンッ


…………バッシャーン


Z1「え、えへぇ……」ビクンッ


富士「…可哀想に。せめて部屋に戻してあげるわね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ひょっこり現れるY子さん
おねーちゃんも大分馴染んできたねー前なら顔真っ赤っかにして動けなかったでしょ!

Y子「お姉ちゃんも大分馴染んできたね~前なら顔真っ赤にして動けなかったでしょ?」ひょこっ


富士「私だって成長するのよ」


Y子「へぇ~?」


富士「あ、れ、だ、け!毎日見せつけられたら慣れるわよ!!」


Y子「凄いよね~皆んな遠慮無しだもんね~」


富士「朝から晩…いえ一日中誰かがヤってるって異常よ!」


Y子「それはそういう考えもあるってことだよ~」


富士「考えられないわ…!!」


Y子「ん~…」


富士「なによその表情は」


Y子「いい機会だからさ、お姉ちゃんも経験しとく?」


富士「何をよ」


Y子「セックス」


富士「あ、貴女ねぇ!!」

Y子「そりゃあさ、ずっとヤり続けるのはダメだけど、愛を確かめ合うには必要な行為なんじゃない?」


富士「その行為はそんな目的じゃないの、子孫を残す為に必要な行為なのよ!」


Y子「古いねぇお姉ちゃんは。そんなんじゃ富士の名が泣くよ?」


富士「…そういう貴女はどうなのよ。まさか自分が経験が無いのに私に言ってるわけ?」


Y子「……ふっ」


富士「な、なによ…!なんだっていうのよ!」


Y子「…行き遅れないでねお姉ちゃん?」


富士「……!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


榛名「霞ちゃんが休むようになってくれて榛名も嬉しいです」


霞「私が理由も無く休むはずないわ。これも全て週末の為なのよ」


榛名「霞ちゃんの…子ども……」


霞「この週末が周期的に一番いいし、司令官も私も体を休めてる。これ以上いい条件は無いんじゃないかしら」


榛名「提督もそれを知ってるんですよね…?」


霞「多分そうね。だから潜水新棲姫とも遊ばずに我慢してるらしいわ」


榛名「榛名は複雑な気持ちです。けど霞ちゃんが望むのなら応援します」


霞「司令官は私との繋がりが欲しいと言ってくれた。それがどれだけ嬉しかったか…久しぶりに悲しみ以外で涙を流したわ」


霞「紛い物じゃなくて、本当に司令官の母親になれる…それも嬉しいのよ」


榛名「…頑張って下さいね霞ちゃん」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

おつです
ほっこり回(断言)
榛名は生まれて来る子のおばさんになるんだ…!
、あ、いやそういう意味でh

ーー


秋雲「はい集合~」


ポーラ「お酒は出ないんですよねぇ…」


蒼龍「真面目な会議だから我慢してて」


山城「誰にも見つかってないでしょうね」


名取「別に知られてもいいじゃないですか」


Y朝潮「……」


青葉「全員集合してますよぉ!」


秋雲「よっしゃ、じゃあ横須賀組で会議を始めるよ~」

秋雲「まずはさ、この鎮守府の評価ってどんなもの?」


蒼龍「練度の偏りが気になるわね。雲龍は素質のせいもあるけれど」


ポーラ「重巡が戦力外なのは問題ですね~」


山城「戦艦は榛名以外はなんとかなりそうよ」


名取「軽巡もまぁ…神通さんが頑張ってます」


Y朝潮「…駆逐艦は問題ありません」


秋雲「なるほど、総合すると鎮守府を代表する横須賀鎮守府としてはイマイチってこと」


ポーラ「否定はできませんね~」

秋雲「青葉さん、何か情報掴んでる?」


青葉「はい~!そりゃあもうスクープだらけでネタには困りませんねぇ!」


秋雲「だよねぇ、あれはちょっと異常かな」


山城「同性愛や恋愛は自由よ。でもここは横須賀鎮守府」


ポーラ「一定の規律は必要ですよね~」


Y朝潮「…司令官達を追い出しますか?」


秋雲「うーん……やろうと思えばいつでもできるけど、それをやると秋雲さん達が悪者になっちゃうしなぁ」


名取「やるならタイミングを見てとかに…?」


蒼龍「その辺は秋雲に任せるわよ」


秋雲「…おっけ、ちょっと色々考える時間ちょうだい。なるべく早く結論は出すから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「おいーっす二人とも~」


清霜「あれ秋雲どうしたの?」


秋雲「いやぁ~二人の様子を見にくればネタの回収にもなるじゃん?」


飛鷹「またネタ切れで悩んでるの?」


秋雲「いやいやいや、秋雲さんは歩くネタの宝箱だからね~」


飛鷹「調子だけはいいんだから」


秋雲「えっへっへっ~」


秋雲(とりあえず身近なこの二人から探っていこうか。全員悪い子じゃないのは分かってるのが辛いよねぇ)

清霜「そういえば飛鷹さん…」


秋雲(この二人はお互いを大切に思ってていいカップルなんだよ。でも軽空母と駆逐艦ってのがなぁ…)


飛鷹「~~」


秋雲(うーん飛鷹さんは美人で外面もいいけどロリコン…横須賀にふさわしいのかと聞かれたらそうじゃない)


秋雲(私生活にはちょっと問題あるけど戦力は間違いありません!とはお世辞にも言えない。それが言えるのは皐月くらいかな?)


秋雲(保身に走るなら間違いなく切るべきなんだよ。でも世論があっちに傾いたら厳しいよなぁ…)


秋雲(とにかく現状維持はまずい。足りないもの組の味方か敵かのスタンスだけは決めるべきだよね)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

でもなんで戦力的にはまだ足りない部分があるのにあの戦いを戦い抜けたんだろう?と気になる秋雲
飛鷹と清霜の馴れ初めから遡って行けばわかるだろうかと考える

>>561
資料にする体で聞き出しにいく

秋雲(そもそもこの戦力でなんであの戦いを戦い抜けたんだろ?)


秋雲(数字だけで考えるなら潰されて終わってたし…ここに来る前にやった演習でも似たようなことはあった)


秋雲(あの時は練度が低いくせにやるなくらいにしか思わなかったけど…)


秋雲(これは要取材かな、この二人になら好感度稼いでるから色々答えてくれるでしょ)


清霜「……さっきから秋雲は黙り込んでどうしたの?」


秋雲「いやさ、割とガチで二人に話聞きたいんだよね」


飛鷹「私達のこと本当にネタにする気?」


秋雲「あくまで資料って形だからさ。秋雲さんに教えて欲しいな」


清霜「秋雲にはお世話になってるから別にいいけど…」


秋雲(よしよし、日頃の行いは嘘をつかないってね)

ーー


秋雲「なるほどねぇ……飛鷹さんも清霜も、背負うものがあったと」


清霜「心の中にあの時の武蔵さんはずっと居る。だから下手なことしないように出撃も頑張ってるんだよ!」


飛鷹「私もそうね…清霜と結ばれたけど、あの子のことはまた別。辛かった時期もあるけど今は乗り換えて、強さの源になってるわ」


秋雲「ただの思い出が?」


飛鷹「秋雲には分からないわよ。数字や具体的な物だけじゃないものに、確かに力はあるの」


清霜「秋雲はオカルトも信じないからイメージできないかもね」


秋雲「当たり前じゃん、オカルトとかそういうのは専門外だからね~」


秋雲(ふぅん…話を聞いといて正解かな。やっぱこの二人は役に立つね~)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

他に話してくれそうな人を二人に聞く

飛鷹「足りないもの鎮守府の誰もが壁にぶつかって、時には乗り越えれそうもない壁もあったわ」


清霜「でも誰も立ち止まらないで、前に進んできたんだよ!」


秋雲「…うん、かなり面白い話が聞けたよ」


飛鷹「ネタにするのは構わないけど、名前は隠しなさいよ」


秋雲「分かってるって~」


清霜「どう見ても分からないようにしてよ!」


秋雲「秋雲さんってそんなに信用無い?」


飛鷹「そっちの方の信用は全く無いわね」


清霜「平気で身内も売りそうだもん」


秋雲「ちょっとぉ、そんなこと言わないでよ~」


飛鷹「日頃の行いが悪いのよ」

ーー


秋雲「あの二人に話を聞いて、仮説を立てることはできた」


秋雲「要は火事場の馬鹿力ってことね。あれをいつでも出せるような感じだと」


秋雲「そうだとしたら練度以上の動きをしてたって説明はつくし、オカルト的な話も説得力がある」


秋雲「思い出が力になるねぇ…信じられないけど、秋雲さん達は見ちゃってるからなんとも」


秋雲「よし…なら次はあの二人にしよう。那智さんと愛宕さんならまた違う話が聞けそう」


秋雲「那智さんは新人で足りないものに配属されてる。飛鷹さんとかみたいな話は無い」


秋雲「これは楽しみですな~っと」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

那智から訝しがられてしまう秋雲先生

ーー


那智「私もあの時は面を食らった。だがあの鎮守府でなければ分からなかった事がある」


秋雲「ほうほう」


那智「それが何か分かった今言える。それが強さの理由だ」


秋雲「数字は嘘を付かないって言葉があるけど?」


那智「数字だけでこの強さを語れるなら語ってみろ」


秋雲「うぅん…それを言われると弱いなぁ」


那智「深海棲艦の成虫も新兵器も、数字の上では私達は太刀打ちできなかったはずだ」


秋雲「あの化け物も亜也虎も捻り潰されて終わってないとおかしいもん。本当不思議だよねぇ」

秋雲「じゃあ次は愛宕さんに話を聞こうかな」


那智「待て、愛宕は…」


愛宕「大丈夫…自分で喋るから」


那智「…なら止めないぞ」


愛宕「私は戦力にはなれていないけど、なれるように日々努力はしてるわ」


秋雲「ちょっと遅くない?そういうのは横須賀に来る前にやるべきことだよ」


愛宕「秋雲の言うことは正しいわ。でも提督がそれでも構わないって、連れて行きたいって言ってくれたの」


秋雲「なるほど、横須賀には相応しくない自覚はあったと」


愛宕「…ええ」


那智「おい、言葉の一部を切り取るな」


秋雲「それは秋雲さんの自由じゃ~ん」

那智「これ以上お前に話すことは無い。いくぞ愛宕」


秋雲「ちょっとちょっとぉ、話はまだ途中だよ?」


那智「私はお前を信用していない」


秋雲「酷いなぁ、同じ鎮守府に所属してる仲間じゃん」


那智「お前達横須賀組の考えそうな事は分かっている」


秋雲「またまた~そんなブラフ、秋雲さんには通用しないよ~」


那智「……」スタスタ


愛宕「あ、那智……待って…」スッ


秋雲「…やれやれ。一応警戒しといた方がいい感じかな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

戦艦にも聞き込みだ

ーー


アイオワ「ハロー秋雲!今日もハッピーね!」


秋雲「うぅん相変わらずテンション高いねぇ」


アイオワ「イエス!ミーがハッピーなら周りもハッピー!」


秋雲「正直アイオワさんに文句は無いんだよね。あの強さと対空は他の戦艦と比べてもダンチだし」


アイオワ「ンーそうとも言い切れないわ。榛名もやる時はやるわよ!」


秋雲「霞と組む時でしょ?それは分かってるけど、肝心の霞が改二じゃないからプラマイゼロだよね」


アイオワ「二人がハッピーならノープロブレム!」


秋雲「そうはいかないんだよ、ここは横須賀鎮守府だからねぇ~」

秋雲(戦艦に聞いても似たような事しか言わないならもういいかな。あ、ついでにアイオワさんは仲間にしとくか)


秋雲「ねーねーアイオワさ~~ん」


アイオワ「ハーイ秋雲!」


秋雲「秋雲さんね、知ってるんだ」


アイオワ「ワッツ?」


秋雲「靴の中にヘロイン隠し持ってたでしょ」


アイオワ「…」ビクッ


秋雲「もう処分しちゃったかもしれないけどさ、こっちは証拠掴んでるんだよね~」


秋雲「アイオワさんにその気が無くても、それってドラッグの密輸入になっちゃうんだよぉ、知ってる?」


秋雲「大丈夫大丈夫、大袈裟に騒いだりしないから。たださ…何かあったら秋雲さん達の味方して欲しいわけ」


秋雲「悪い条件じゃないっしょ?これから宜しくねアイオワさん」


アイオワ「安価」


下2. アイオワの台詞やその他起こったことなど

アイオワ「何を考えているか知らないけど、アンサーはノーよ」


秋雲「へえ~」


アイオワ「仲間は裏切りたくないの。ユーも仲間よ、秋雲」


秋雲「はいはい、よーく分かったからもういいよ」


アイオワ「ミーはどうなってもいいのよ。仲間を裏切るくらいなら捕まった方がベター」


秋雲「もういいって、じゃあねおバカなアメリカさん」


アイオワ「…オバカなのはユーよ秋雲」

ーー


秋雲「うん、今は動くべきじゃないね」


秋雲「良くも悪くもお互いに信頼し合ってる。これを崩すのはかなり厳しそう」


秋雲「秋雲さんとしてはここの皆んなが強くなって、規律を守って生活してくれたら文句は無いんだよ」


秋雲「せっかく横須賀鎮守府に所属できたんだし、できればずーっとここに居たいもん」


秋雲「とりあえずは足りないもの組の味方で、状況次第ではコソコソ動くと」


秋雲「よし決まり!これで秋雲さん達も安泰ってわけだ!」


ポーラ「秋雲さ~ん」


秋雲「お、ポーラさんじゃん。ご機嫌そうだけど何かあった?」


ポーラ「安価」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

ポーラ「エヘヘ~金剛さんや羽黒さんと飲んでたんですよ~
お二人も初めはここの方針と相容れなかったみたいです~」
秋雲「へーそりゃよかった……って、お二人『も』……?ポーラさん何喋ったの?」

ポーラ「エヘヘ~金剛さんや羽黒さんと飲んでたんですよ~」


秋雲「こんな時間から飲みとは羨ましいよぉ」


ポーラ「貴重なお話し聞けました~お二人も初めはここの方針と相容れなかったみたいです~」


秋雲「お、それは確かに貴重な情報……って、お二人『も』……?ポーラさん何喋ったの?」


ポーラ「何回もぶつかって~仲良くなるのが強さの秘訣なんですね~」


秋雲「いや、あのポーラさん…」


ポーラ「あ!刀と同じですよ~鉄を何度もぶつけると~素晴らしい刀が出来上がるんですって~」


秋雲「ポーラさん!秋雲さんの話を聞いてって!」

ポーラ「そういえばポーラ達は~あんまりぶつかったことは無いですよね~」


秋雲「この酔っ払い…!ダメだ、最悪を想定して動く必要がある!」


秋雲「…よし!とりあえずほとぼりが冷めるまで少し姿を消しとこう!」


金剛「アーキーグーモーどこに行こうっていうんデスか?」


秋雲「ぅお…」


羽黒「はなひはへぇ、れんぶきいれんれすよぉ!」


金剛「私達とお話しする必要があるみたいデスね?」


羽黒「しれいはんさんに!れんぶほうほくしまう!!」


金剛「大人しくしてて下さいネ~?」


秋雲「この酔っ払い重巡…!」


ポーラ「えへへ~お星さまがいっぱい~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

金剛「……まぁ、秋雲の想いもわからなくはないデス。強い者が正しく力を発揮する、清廉潔白な横須賀鎮守府…素晴らしいと思いマス」


金剛「秋雲が描く理想の鎮守府も決して間違いじゃないデス。でも、それを望むならまず声に出さなきゃいけまセン」


金剛「貴女がやろうとしているのはただの脅迫、差別デス。それは秋雲が望む鎮守府なんデスか?」


秋雲「それはまた話が違う…」


金剛「いいえ同じデス。何も違わなくはありまセン」


秋雲「でもさ…」


金剛「提督はどんな話でも聞いてくれマスよ」ニコッ


秋雲「……」スタスタ


金剛「…これで良かったんデス。あとは頼みましたヨ提督」


羽黒「んごぉぉぉぉ~」


ポーラ「柔らかい枕で~スヤスヤ~……」

ーー医務室


提督「どうしたんだ秋雲?」


秋雲「……」


提督「何か話があるのか?」


秋雲「……」


提督「…俺は横須賀に相応しく無いか?」


秋雲「え…」


提督「経歴を見れば分かる。秋雲は誰よりも世渡り上手なんだな」


提督「誰かを蹴落とし、自分がより上に行く。何も悪いことじゃない」


秋雲「……」


提督「俺達をここから追い出す為に青葉に色々と写真を撮らせていたんだろう?」


秋雲「…秋雲さんは泳がされてたんだ」


提督「それは違うな。皆んなは盗撮に慣れているだけだ」


秋雲「は……?」


提督「誰かから聞いてないか?前の鎮守府では行為の動画を皆んな撮られて、誰でも見れる環境だった」


秋雲「頭…おかしいって……」


提督「普通ならそうだろうな」

提督「秋雲がやりたいようにやればいい」


秋雲「……」


提督「青葉の写真を売れば俺達は終わりだ。だがそれでもいい」


秋雲「どうしてさ」


提督「秋雲が、仲間がそれを望んでいるからだ」


秋雲「……」


提督「ここに居る以上は秋雲も俺達の仲間だ。望みはできるだけ叶えてやりたい」


提督「秋雲が俺や皆んなが邪魔だというなら好きにしたらいい。俺は止めたりしない」


提督「俺から言えることはこれくらいだ。青葉達にも宜しく言っておいてくれ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー秋雲の部屋


秋雲「……」


秋雲「…………」


秋雲「……うぅん…」


秋雲「……綺麗事言ってるだけの奴は大嫌いだけど、このタイプはなぁ…」


秋雲「底抜けのお人好しは専門外だって。こんなの良く今まで生き残ってたよね」


秋雲「普通誰かに利用されたり騙されたりして終わり。お人好しは生き残れない世の中なの」


秋雲「だって秋雲さんがそういう奴らを理由してきたもん。お人好しほど引っ掛けやすいものは無かったよね」


秋雲「…でもこのパターンは経験が無い。秋雲さんの考えを知ってて好きにしろだなんて」


秋雲「あ……なーーんだか分かっちゃったよ」

秋雲「お人好しだから絶対隙を突かれる。だから世渡り上手の秋雲さんがボロを出さないよう面倒見てあげないとダメみたいだね!」


秋雲「いや~それに気付くとは流石秋雲さん!自分の優秀さに惚れ惚れしちゃうねぇ」


秋雲「やっと手に入れた横須賀鎮守府、簡単には手放さないかんね!」


秋雲「よーしよしよし、そうと決まったら早速行動開始っと!」


秋雲「いやぁこれは忙しくなるぞぉ!秋雲さんの本領発揮ってね!」


秋雲「…あ、これをネタに一冊……いいねぇいいねぇ、調子出てきたよ!」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

横須賀組会議で上を宣言する秋雲に驚く皆んな
一体提督はどんな手を使ってあの秋雲を懐柔したのかと
ポーラはニコニコしてます

ーー


蒼龍「い、今なんて言ったの…?」


秋雲「だからぁ、秋雲さんは提督さんのフォローに回るって言ったの!」


青葉「一体どんな手を使ってあの秋雲さんを懐柔したんでしょうか…」


名取「流石は提督…なのかな?」


山城「うちの天城を飼い慣らしてただけあるわね…」


Y朝潮「天提督の天城さんは暴れ竜として有名でしたからね」


山城「天城は何か弱みでも握られてるのかと思ってたけど、そうじゃなかったみたいね…」


ポーラ「うふふ~」ニコニコ

秋雲「懐柔?違う違う、普段接しすぎてて忘れてるけどあのメンバーはいわば英雄みたいなもんだよ?」


蒼龍「英雄は言い過ぎじゃない?」


秋雲「龍驤さんを見てみなよ!あんなクソビッチなのにネットじゃ英雄扱いなんだから!」


Y朝潮「私も調べたことがありますが、龍驤さんは歴戦の勇者のような扱いを一部で受けています」


秋雲「でしょ?それを崩すよりフォローしたほうがメリットが大きいって!」


青葉「秋雲さんがそうおっしゃるならお手伝いしますが…」


秋雲「秋雲さんに任せておいてって!他人を蹴落とすことに定評のある秋雲さんが言うんだよ!」


名取「私はどっちでもいいけど…」


山城「一先ずは秋雲に乗ってあげるわよ」


ポーラ「いいですね~皆さん仲良くなってお酒も美味しいです~」ニコニコ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー翌日


ポーラ「秋雲さ~ん、ポーラに弟子ができました~!」


秋雲「流石ポーラさん!いい調子だね~」


ポーラ「昨日一緒にお酒を飲んでたら~愛宕さんの訓練を見ることになったんです~」


秋雲「うんうん、皆んな根は真面目だからね。関係が深くなれば仲良くなるのは当然なんだよ~」


ポーラ「うふふふ~」ニコニコ


秋雲「ポーラさんも頑張ってるんだし、秋雲さんも本気で…」


ポーラ「秋雲さ~ん、ちょっといいですか~?」


秋雲「ん?」


ポーラ「言動にはよーく気を付けてくださいね~」


秋雲「何の話?」


ポーラ「大和さん達が使っていたあの兵器の名前は~ごく一部の人しか知らなかったんですよ~」


秋雲「…?」


ポーラ「えへへ~那智さんと愛宕さんの前で~『亜也虎』って言ってたじゃないですか~」


秋雲「ぎぇ…っ!!」


ポーラ「お互いに気を付けましょうね~」


秋雲「しゃ、洒落になんないってぇ…!!」


ポーラ「皆んな仲良く~平和な世界に~」ニコニコ


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

おつでした
ACはセンセは攻勢的(自分から仕掛ける)な世渡り上手だったんかな、ぽいとかと同じ過去を感じる
ポーラは強キャラ、羽黒痩せろ

ーー


漣「頭を上げて下さい秋雲さん」


秋雲「ほんとに知らなくて…!秋雲さんは技術者の一人に話を聞いただけなんだよぉ!」


漣「大丈夫です、全部分かってますから」


蒼龍「以外と簡単に信じるものなのね」


漣「いえいえ龍驤さんが拐われたんですから普通ならリンチです」


秋雲「ひいっ!」


漣「そうしないのはですね、こちらも全部知ってたからなんですよ」


青葉「何をですか?」


漣「秋雲さんが旧大本営派の技術者と繋がりがあるのをですよ」


山城「嘘言いなさい。それならあんなに慌てる必要は無かったはずよ」


漣「だから全部知ってたんですよ。秋雲さんは技術者一人としか繋がって無い。それ以上の情報は全く無いってね」


名取「まさか由良が情報を探ってたの?それなら全部知ってたのは納得だけど…」


漣「由良さんは関係ありません。情報提供者はポーラさんです」


Y朝潮「ポーラさんが…」

蒼龍「あの子はスパイか何かなの?」


漣「最初はそう思ってたんですけど、どうやら違うみたいです。彼女は自分の夢の為にふらふらと動いてるんですよ」


山城「夢…?」


漣「世界中の皆んなと~仲良くお酒を飲むんです~…らしいですよ」


青葉「その夢とスパイ活動が結びつきません!」


漣「でしょうな、ポーラさん本人にその自覚が無いんですもん」


Y朝潮「ポーラさんは何でも知っていると言いたいんですか?」


漣「漣もポーラさんがどんな情報を掴んでいるのか把握できていません。が、少なくとも横須賀組の皆さんの情報は掴んでますね」


名取「私達の?」


漣「蒼龍さんが新人時代に誤魔化してた書類も知ってましたし」


蒼龍「ちょ……!」


漣「青葉さんがある人物に『買わせた』高級カメラの存在も知ってましたよ」


青葉「あり得ません嘘です!!あの出来事は青葉と二人だけの…」


漣「ぶぁーーか!何も無い所からカメラでも湧くんですか?」


青葉「あ、が、ぐ……!」

漣「もちろん秋雲さんが中心になって横須賀組が会議してるのも知ってましたよ」


秋雲「か…完敗だぁ……」


蒼龍「…弱みを握ってるから逆らうなって言いたいの?」


漣「そんなこと言うわけありませんよ!ご主人様を蹴落とそうとするどこかの誰かさんとは器が違いますから!」


秋雲「……」


Y朝潮「じゃあ何を言いたいんですか」


漣「足元に気を付けて下さいと言いたかっただけです」ニコッ


山城「…提督は何と言ってるのかしら?できれば話をしたいんだけど」


漣「いやぁそれがですね、今大事な用事中で…」


名取「緊急任務でもあったの?」


漣「いやぁなんというか…とにかくご主人様は今日一日部屋から出てこれませんので、お話はまた後日にしてください」


Y朝潮「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

まずはここの皆さんで飲みましょ~
酒瓶抱えたポーラ、参戦!

ガチャッ


ポーラ「みんな仲良くですよ~」


名取「ポーラさん…」


ポーラ「みんなで仲良くなれば~何も気にしなくていいんですよ~」


蒼龍「なら答えて。あの書類のことはどこで知ったの?」


ポーラ「えへへ~まずは乾杯しましょうよ~」


蒼龍「ふざけないで!」


ポーラ「ふざけてません~ポーラは~皆さんと美味しいお酒が飲みたいんです~」


山城「…どこまで本気なのかしら」


Y朝潮「悪意の無い善意こそが悪だと、いつか聞いた言葉がそのまま当て嵌まりそうですね」


青葉「……」ギリッ

漣「ポーラさん今は勤務中ですからお酒は控えて下さい」


ポーラ「あ~お仕事……ポーラは~ちょっと苦手です~」


漣「愛宕さんを特訓してくれる話はどうなってますか?」


ポーラ「えへへ~」


漣「ポーラさんは演習場に向かって下さい。漣も執務室に戻りますので」


ポーラ「みなさ~ん、喧嘩はしないで下さいねぇ~」ガチャッ


蒼龍「……」


山城「私達も戻るしか無さそうね」


名取「ポーラさんが忍びの私より情報を持ってただなんて…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

部屋に戻った青葉の様子

(全員掘り下げてえような、怖いような)

名取「漣の言動で解ったけど、ある意味信奉してるよね提督の事…」


山城「確かにいい人ではあるけど何だか変な感じはするわね」


Y朝潮「司令官を悪く言うことは許しません!」


秋雲「宗教的な…?」


蒼龍「それならどれだけマシか。ただのお人好しだと思って油断してたわ」


青葉「青葉は……許せません」


Y朝潮「司令官は関係ありません!」


名取「そうです、ポーラさんが秘密を知ってただけですよ」


山城「それを漣に知らせるのが信じられないわね」


蒼龍「まさかポーラが…敵は身近な所に居たってわけね」

Y朝潮「皆さん何を言ってるんですか!司令官はハンディキャップのある彼女達を親身になって助けたんです!」


山城「…そうね、片腕を失った天城もお世話になってたわ」


Y朝潮「障害のある艦娘は捨てられて終わりです。そんな彼女達を救った司令官を助けたいと思う気持ちに、偽りはありません!」


蒼龍「現実を見なさい朝潮、そんな綺麗事だけで世の中は回ってないのよ」


青葉「…ポーラさんを黙らせますか?」


秋雲「ダメだってぇ!さっきの聞いたっしょ!?」


名取「強硬手段を取るっていうなら…止めるよ?」ズズズッ


山城「…私達が束になっても名取には勝てないでしょうね」


秋雲「とにかく横須賀組の会議は解散!!秋雲さんは何も知らないからね!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「あぁは言ったけど、やっぱり気になっちゃうのが秋雲さんなんだよね~」


秋雲「提督さんと直接話せばその懐の深さが分かるんだけど、なんか今日は忙しそうだから無理…」


秋雲「なら秋雲さんがやるしか無いよねぇ~」


秋雲「提督さんはそこらのお人好しとは違う、立派な人なんだって分かってもらわないと!」


秋雲「それが分かって無さそうなのは蒼龍さんと青葉さんかな?山城さんは天城さんから話を聞いてそうだしね」


秋雲「それじゃあまずは…青葉さんから行きますかね~」

ーー青葉の部屋


秋雲「秋雲さんは何も知らなかったけど、漣からカメラの話を聞いて明らか取り乱してた」


秋雲「知られたくない何かがある…そしてそれを知られてしまった」


秋雲「まさかとは思うけど、変なことを考えてたら全力で止めないといけないのか…」


秋雲「ここの提督は何があっても受け入れてくれるだろうし、何も心配しなくていいんだよねぇ」


秋雲「よし、じゃあ改めまして…」


秋雲「青葉さ~ん、お邪魔するよぉー」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

部屋に入れるのを完全ブロックする青葉
何ですかお話ですかでは外で話しましょうそうしましょう(早口)

青葉「……」キュッキュッ


秋雲「青葉さん…?何してる感じ?」


青葉「……」


秋雲「カメラのお手入れ…とか?」


青葉「……」


秋雲「あの…何か喋って欲しいというか」


青葉「……」


秋雲「青葉さぁん…」

秋雲「…えっと、提督さんはただのお人好しなんかじゃない。それは秋雲さんが保証する」


秋雲「だからさ、提督さんのこと信じてもいいんじゃないかな」


秋雲「あの器の広さはそんじょそこらの人間とは違うよ」


青葉「……」


秋雲「青葉さーーん!」


青葉「少し黙っててくれませんか」


秋雲「えぇ…でも……」


青葉「一人にしてて欲しいんですよ。話しかけないで下さい」


秋雲「うぅん…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

話しかけないから眺めててもいいか聞く秋雲

>>626
無言を肯定と受け取り待機する秋雲
たっっぷり時間をかけてカメラを整備したあとぽつぽつと話し出す青葉

秋雲「じゃあさ、話しかけないから眺めててもいい?」


青葉「……」


秋雲「無言を肯定として受け取るよ~ってね」


青葉「……」


青葉「……」ガチャッ


青葉「……」カチャカチャ


青葉「……」キュッ…


秋雲「……」


青葉「……」カチャカチャ


青葉「……」カチャ…ガチャッ

青葉「……」


青葉「…このカメラは大切な思い出の品であって……」


青葉「……」


青葉「嫌なモノでも……あるんです」


青葉「……」


青葉「……!」バッ


秋雲「ダメだよぉ、床に放り投げたら壊れちゃうよ」


青葉「……ぐぅ…!」


青葉「誰にも…知られたく無かったのに……!」

秋雲「その言い方だとさ、男絡み?」


青葉「……」


秋雲「なるほど。それで相手は…そっちの提督?」


青葉「…っ!!」


秋雲「ははぁ…あの超高級カメラは手切金代わりってところかな」


青葉「あの時の選択に後悔はありません!!でも…この事を知られたという事実が…!!」


秋雲「ははぁ青葉さんが引っかかってるのはそこか。あの淡い思い出は誰にも触れられずそっとしておいて欲しかったと」


青葉「許せない……ポーラと漣は絶対に許しません!!」


秋雲「まぁ落ち着きなよ、ここで騒いでもお互いの為にはなんないって」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「……」


秋雲「あのさ、怒るかもしんないけど…いい?」


青葉「……」


秋雲「その選択って本当に後悔がなかったの?知られたくないことっては、後ろ髪を引かれてることが多いんだよね」


青葉「……」


秋雲「ま、大切にして新品みたいなそのカメラが物語ってる気がするけどね」


青葉「……」


秋雲「青葉さんも色々あるのは分かったけどさ、提督さんは関係無いよね?だからあんまり変なことは考えないで欲しいな~」


青葉「貴女が……それを言いますか」


秋雲「掌返しは秋雲さんの特技だもーん。じゃ、そういうことで~」ガチャッ

秋雲「青葉さんも提督さんと話せばきっと分かってくれるよね~」


秋雲「と、いうわけで次は蒼龍さんの所にでも…」


「……」


秋雲「おやぁ?あそこに居るのは…」


蒼龍「……」


秋雲「蒼龍さんじゃん。ちょうどいいから話を…」


秋雲「いや待てよ、ここは後をつけていってどこに行くかちょっと見とくか」


秋雲「青葉さんほどでは無いにしろ動揺してた感じの蒼龍さん。そんな彼女がどんな行動を取るのか…これは興味あるね」


秋雲「ふっふっふっ、潜入取材も秋雲さんの得意技なんだよね~」スススッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

(ポーラ達が演習してる)演習場へ向かってるようだ
いざという時止められるようハラハラしながらスニーキングする秋雲

秋雲(このままいくと演習場…今はポーラさんと愛宕さんが使ってるはずだけど…)


蒼龍「……」


秋雲(迷うことなく一直線に向かってるね。こりゃあひょっとしたらひょっとする感じ?)


蒼龍「……」


秋雲(いいねぇいいねぇ!そういうの秋雲さん大好物だよ!)


秋雲(本気の殺し合いとか中々見れないって!これは止めるのはギリギリまで待っとこう!)


秋雲(蒼龍さん一人ならなんとかなるし、ポーラさんは自力で逃げれるでしょ。愛宕さんは…まぁ頑張れ!)


蒼龍「……」


秋雲(あーくそ、なんでスケッチブック持ってないかなぁ。あの表情とか最高じゃん!)


秋雲(…とと、二兎を追う者は~だよね。蒼龍さんの後をつけるのが最優先)

蒼龍「……」ガチャッ


秋雲(入っていった!演習場に入っていったよぉ!)


秋雲(艤装を使った殺し合い?それともステゴロで殴り合い!?)


秋雲(さぁ蒼龍さん、どうするのさ!?)


蒼龍「……」


秋雲(動かない…ポーラさんを待ってるんだ。じゃあ素手で殴り合い!!)


秋雲(うひょ~これはイイね!楽しみ過ぎるって!)


「……」
「……」


秋雲(さぁここでポーラさんと愛宕さんが帰ってきた!お楽しみの時間だぁー!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

蒼龍「……」スッ


秋雲(あ、あれ…艤装を展開した?じゃあやっぱり殺し合い…)


蒼龍「……」ザザザッ


秋雲(ええ?ポーラさん達には目もくれずに演習を…?)


蒼龍「……!!」ビシュッ


ポーラ「はわぁ~凄いですねぇ~」


愛宕「訓練なのに鬼気迫るものがあるわね…」


ポーラ「それくらい真面目にやってるんですよ~」


愛宕「…負けてられないわ。私ももっと強くなるの」


ポーラ「ポーラも負けてられません~」


蒼龍「……!!」


秋雲(どういうこと…?)

ーー食堂


秋雲(蒼龍さんの演習が終わった後、愛宕さんとは別れてポーラさんと蒼龍さんの二人は仲良く食堂に…)


秋雲(いや…サッパリ理解できないんだけど。どゆこと?)


ポーラ「……」
蒼龍「……」


秋雲(普通に話してるし。蒼龍さんは青葉さんみたいなことにはなってないの?)


秋雲(青葉さんは分かりやすかったんだよ。でも蒼龍さんのあの反応……)


秋雲(ひょっとして秘密の内容は大したこと無かったのかな?それなら頷けるけど…)


秋雲(うーん肩透かしくらっちゃったかな。ま、それならそれで良いんだけど)


秋雲(なら秋雲さんは好きなように動かさせてもらいますよ~っと)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

一方蒼龍とポーラの会話

>>644
私は変わったと理解した?(蒼龍)

蒼龍「……」


ポーラ「ワインには~チーズが合いますね~」


蒼龍「…分かってもらえた?」


ポーラ「はい~?」


蒼龍「私は変わったのよ」


ポーラ「そうなんですか~」


蒼龍「暴力で貴女を黙らせることなんて簡単。でもそんなことはもうしないのよ」


ポーラ「それは素晴らしいですね~」


蒼龍「……私が何を考えてるのか知りたくないの?」


ポーラ「全く知りたくないですよ~」


蒼龍「…!」

ポーラ「ポーラが考えてるのは~みんなで美味しいお酒を飲むことだけです~蒼龍さんも一杯どうですか~?」


蒼龍「…遠慮しておくわ」


ポーラ「あらぁ~残念ですぅ」


蒼龍「ポーラ…貴女は私達の味方なのよね?」


ポーラ「いいえ~」


蒼龍「な…」


ポーラ「ポーラはポーラです~お酒が恋人なんですよ~」


蒼龍「…やっぱり貴女のことは良く分からないわ」ガタッ


ポーラ「えへへ~ワインもう一本開けちゃいましょ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


蒼龍「なんなのよポーラは…ただのアル中重巡だと思ってたのに」


蒼龍「ポーラを見てると、敵とか味方とかを考える必要性があるのか疑いたくなってくるわね…」


ガチャッ


青葉「……」


蒼龍「…青葉は少し落ち着いたの?」


青葉「最初から何もありませんよ」


蒼龍「そうね、顔を洗った後ならその台詞は信じられたわね」


青葉「…」ゴシゴシ


蒼龍「涙の跡は見なかったことにしておくから、早く洗ってきなさい」


青葉「…言われなくとも」スタスタ


蒼龍「はぁ、もう…なんなのよ全く」


蒼龍「横須賀鎮守府はこの国で一番の鎮守府。だから派閥とか厳しい上下関係とか、足の引っ張り合いしか無いと思ってたのに……」


蒼龍「こんな平和ボケした鎮守府だなんて…聞いてないわよ」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー足りないもの鎮守府


龍驤「前と比べどうや?」


北上「いや~驚いたねぇ。腕も脚も前と欠損具合が変わらないんだもん」


龍驤「やっぱりそういう運命やったんやな。ウチの腕と脚はあの子にあげる為にあったんや」


北上「龍驤さんが納得してるならそれでいいんだけどさ」


龍驤「納得しとるよ。これで過去の罪とチャラとは言わんけど、きっとこれが正解なんや」


北上「…一応強くなったねって言っといてあげるよ」


龍驤「ありがとうな北上」

北上「これなら義肢の調整もすぐ終わるね。横須賀にも今日中に帰れるよ~」


龍驤「それは嬉しいんやけど、無茶せんといてな?」


北上「あたしは大丈夫だよ~」


龍驤「そのお腹を見たら安心はできへんわ…」


北上「予定日はとっくに過ぎてるんだけど、いやぁあたしに似たのかねぇ~」ボテッ


龍驤「人間やなくて艦娘の子なんやろ?気を付けなあかんで」


北上「困ったことがあったらガングートさんに頼れるから心配無用っと。じゃあちゃちゃっと調整終わらせちゃうね~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「…なぁ北上」


北上「どうしたの~?」


龍驤「憲兵との夜戦って…どんな感じなん?」


北上「そりゃあもう凄いよ~縄で縛られるし、全裸で犬みたいに散歩させられるしね~」


龍驤「……」ゴクッ


北上「特にさ~外でヤられるのって最高だよね。もう何もしなくても濡れてきちゃって」


龍驤「…普通にヤる時は無いんか?」


北上「ほっとんど無いよ~」


龍驤「……」

北上「この子を孕んだのも多分外でヤった時だし。リードつけて全裸で散歩…凄いよ~」


龍驤「…それが妊娠と関係あるんかな?」


北上「あるわけ無いじゃん。それならガングートさんも外でやってた事になっちゃうって」


龍驤「……」


北上「焦る気持ちも分かるけどさ、こればっかりは仕方ないよ」


北上「提督には今まで以上に頑張ってもらうしか無いんじゃないかな~」


龍驤「…うん、話してくれてありがとうな北上」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「…そうやね。焦る必要は無いんやね」


北上「そうだよ~運もあるんだから仕方ないって」


龍驤「ほんまにありがとう北上。やっぱりウチには北上が必要やわ」


北上「当ったり前じゃん。あたしは一生龍驤さんの義肢の面倒見るんだからね」


龍驤「…ありがとう」


北上「はいはい、湿っぽいのはここまで。義肢の調整はやっとくから食堂でご飯でも食べていきなよ」


龍驤「ご飯…確か曙と荒潮が交互に作ってるんやったでな」


北上「間宮さんがそっちに行っちゃったしね。あと最近は千代田もちょこちょこ手伝ってるよ~」


龍驤「久しぶりに皆んなと話もしたいし、ちょっち行ってくるわ」


北上「今付けてる予備の義肢はそのまま使ってて問題無いけど、気を付けてね~」

ーー食堂


多摩「こうやって一緒にご飯を食べるのは久しぶりだにゃ」


龍驤「ほんまにそうやなぁ」


曙「味付けが濃いとか言われても直さないわよ!」


龍驤「文句なんか言うわけないよ。作ってくれてありがとうな」


曙「ふんっ、なによ!」


ガングート「あれはありがとうと言う意味だ」


龍驤「なるほどな…」


曙「勝手に訳するんじゃないわよ!」


多摩「とにかくゆっくりしていくといいにゃ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

菊月提督「騒がしいと思ったらお前が来ていたのか」


龍驤「相変わらずイケメンや、会うのは久しぶりやね」


菊月提督「あっちの二人の様子はどうだった?」


龍驤「元気にしてたわ。特にあの子はかなり元気やったで」


菊月提督「…そうか」


龍驤「あとな、これはあんたも知らんと思うけどあの子にある能力があったんや」


菊月提督「それは菊月達のようなモノか?」


龍驤「どうやろ… 何ができるって言うたら、擬態なんよ」


菊月提督「擬態……」

龍驤「他の深海棲艦の見た目になったり、艦娘と深海棲艦のハイブリッド的な姿にもなれてるみたいやわ」


多摩「大きさはどうなってるにゃ?」


龍驤「小さいっていうか、普通の大きさになってたよ」


ガングート「驚くべき事実…か」


龍驤「ウチの腕と脚もあげたから、きっと艦娘の見た目にもなれるはずやで」


菊月提督「…そうか」


龍驤「擬態が安定するようになればこっちに連れてこれるかもしれんで。とりあえずは良かったんと違うかな?」


菊月提督「報告……感謝する」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

菊月提督「……」


龍驤「…どないしたん?」


菊月提督「もう二度と…我が子を抱き締められると思わなかったんだ……」


龍驤「…ウチのせいでごめん。あれはどうやっても償えれへん」


多摩「龍驤さんだけのせいじゃないにゃ」


龍驤「そうかもしれんけど、助けられたのはウチだけやった。これは事実なんや」


菊月提督「そうだ、だから俺はお前を…」


ガングート「龍驤だけに責任を押し付けるつもりなのか」


菊月提督「そうは言っていないだろう」


ガングート「言っているのと変わりない」

リュウジョウ「はいはいそこまでや。険悪なんは求めてないで~」


菊月提督「……」


リュウジョウ「あの子を抱き締められるかもしれんのは嬉しいことやろ?ほんなら笑顔でおらな」


リュウジョウ「多摩もガングートも。誰が悪いかの話はしてなかったやろ?」


多摩「…にゃ」


リュウジョウ「本音を言うとな、そっちの龍驤らとは仲良くしたいんや。なんでか分かるやろガングート?」


ガングート「…食糧の問題か」


リュウジョウ「せや。横須賀は雲林院とあの二人の話はまだ知らんやろ?」


龍驤「雲林院……?」


リュウジョウ「艦娘やない仲間が増えたんよ。その辺の話もウチから説明するわな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


リュウジョウ「雲林院らのこと、分かってくれた?」


龍驤「扉の事を言われても分かれへんけど、元帥のせいで色々と巻き込まれたんやね」


リュウジョウ「あの子らの面倒はちゃんと見とくから安心してな!」


北上「そうそう、こっちに任せておいてね~」


龍驤「北上…」


北上「龍驤さん義肢の整備終わったよ。よいしょっ…と」ガシャッ


多摩「なにしてるにゃ!!そんな重たいもの持って移動するにゃ!!」


北上「こんまもん軽いって。何も心配いらないよ~」


ガングート「北上は危機感が足りないようだな」


北上「そんなこと言われても痛くも無いし~」

ガングート「北上は私が部屋に連れて行く」


北上「龍驤さんに義肢を渡せたから別にいいよ~」


多摩「北上には後で説教だにや」


北上「うっげぇ…」


龍驤「北上ありがとうな。ほな用事も済んだからそろそろ帰ろうかな」


リュウジョウ「もっとゆっくりしてもええんやで?」


龍驤「早く帰って司令官に会いたいんよ。また今度ゆっくりしに来るわな!」


菊月提督「少し待て、護衛を出す」


龍驤「そんなもん要らんよ!ここまで一人で来れたし、帰りも問題無しや!」


龍驤「ほな…皆んな元気でやっといてな。困ったことがあったら横須賀の方に知らせてよ!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー海上


龍驤「護衛は要らんって言うたのに…」


荒潮「あら~あんなことがあった後で~よくそんなことが言えるわね~」


龍驤「あの時とは事情が違うで。意識はしっかりしとるし、艤装も展開しとる」


荒潮「それでも~龍驤さんは狙われてる可能性があるのよ~」


龍驤「それは…」


荒潮「大人しく~護衛されてればいいのよ~」


龍驤「…分かった、横須賀までお願いするわ」


荒潮「うふふ~」

龍驤「なぁ荒潮、孤児院の子らは元気?」


荒潮「みんな元気よ~鳳翔さんの言うこともよく聞いてくれてるわ~」


龍驤「そうか…それは良かったわ」


荒潮「また会いに行ってあげたら~みんな喜ぶわよ~」


龍驤「今度こっちに来た時は会いに行くで。直接会って確認したいしな」


荒潮「う~ん…」


龍驤「どないしたん?」


荒潮「神威の能力を使わないで移動は~遠いわよね~」


龍驤「遠い?」


荒潮「横須賀と足りないもの鎮守府は遠いわよね~」


龍驤「あぁ…うん、確かに遠いわな」


荒潮「仕方の無いことだけど~どうにかならないのかしら~」


龍驤「こればっかりはどうにもならんで。艤装展開して海を突っ切るのが一番早いはずやし」


荒潮「うぅ~ん……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府近郊


龍驤「結局いい考えは浮かばんかったね」


荒潮「色々考えてたら~ここまで来ちゃったわね~」


龍驤「もう一人でも大丈夫やから、荒潮はゆっくり帰ってな」


荒潮「ええ~」


龍驤「それと北上のこと、よろしく頼むで」


荒潮「もちろん任せておいて~」


龍驤「その言葉を聞いて安心したわ。ほな…」


……


荒潮「あら~?何かしらあれは~」


龍驤「何かが…おる…?」

荒潮「あの形は飛行機…かしら?」


龍驤「それっぽいけど翼が短いで」


……


荒潮「こっちに来てないかしら~?」


龍驤「嘘やろ…?」


荒潮「……攻撃準備をした方がいいかもしれないわね~」


龍驤「いや、それは大丈夫や。機銃とか武器らしい武器は付いてない」


荒潮「あらぁ…?」


龍驤「誰が何をしてるんや……?」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ウゥゥゥゥン…


荒潮「…あれはドローンね」


龍驤「ドローン……」


荒潮「翼が短いのは納得したけど…どうしてここに?」


……


龍驤「何か…ぶら下げてる?」


荒潮「手紙みたいね~」


ウゥゥン……


龍驤「…ウチに取れっちゅうことなんかな」


荒潮「そうでしょうね~」


龍驤「分かった、ほなもうちょいこっち寄ってくれる?」


……


荒潮「近づいて来たってことは~話が聞こえてるみたいね~」

龍驤「よし…ありがとうな」


荒潮「何が書いてあるのかしら~?」


龍驤「……」


荒潮「~?」


龍驤「…あの子や」


荒潮「これを…あの子が?」


龍驤「こんな事もできるんやでって……嬉しそうな字で書いてあるわ」


荒潮「貴女の手足…艦娘の一部を取り込んだことで、現代艦娘に近付いたのかしら~」


龍驤「…うん、深海海月姫からもメッセージがあったけど、そんな風な事を書いてるわ」


荒潮「貴女の行為は無駄じゃなかったのね~」


龍驤「…手紙もらったんやったら返事がいるわな。待っといてな、今度はウチが届けるで!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー旧鉄の海域


「お母さん返事来た!」


深海海月姫「何て書いてあったのかしら?」


「もうこんなことができるなんて流石やな、今度一緒に飛ばそうな…って!」


深海海月姫「そう…」


「今まで飛ばせても変なのだけだったけど、あの艦娘さんの腕と腕を食べたらあれを飛ばせるようになった!」


深海海月姫(この子はただの擬態じゃないのかしら?それとも艦娘の一部分を吸収したからこうなった?)


深海海月姫(仮説を立てようにも私達…深海棲艦の成虫は他に存在しないから不可能)


深海海月姫(あの巨大な姿が本来の姿ということくらいしかハッキリと分からないのよねぇ)


深海海月姫(この擬態…普通の子どものような姿になるのは疲れないとは言ってる。これは何か意味があるのかしら…)

「ずっと黙ってどうしたの?」


深海海月姫「…返事が来て良かったわね。お父さんにも出して見ない?」


「うん!出す出す!」


深海海月姫「きっと喜んでくれるわよ」


「ねぇお母さん、またお父さんと一緒に生活できるの?」


深海海月姫「…えぇ、きっとすぐにそうなるわ」


「わーい!楽しみだなぁ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ぅ……


菊月「……司令官?」


菊月「司令官が泣いている…?」


菊月「まさか…何かあったのか!?」


菊月「司令官……!」スッ


菊月提督「ぐ……」


菊月「あれは……手紙…?」


菊月「…そうかそういうことか。あの手紙は……海月姫の…」


菊月提督「……」


菊月「泣きながら手紙を読んでいるのか…そうか……それほど大切な存在だったんだな…」


菊月「司令官は…自分だけの幸せを掴んでいたんだ……」

菊月「司令官は私のことは愛してくれている、それは間違いない。だが奴らのことも愛していたのも事実だ」


菊月「…私の勝手を押し付けることが夫婦と言えるのか?」


菊月「あの子はともかく海月姫はここに呼ぼうと思えば呼べた。だが私はそれを許さなかった」


菊月「……」


菊月「…司令官」


菊月提督「菊月……」スッ


菊月「隠さなくていい。私はそれが何か理解している」


菊月提督「…分かった」スッ


菊月「手紙か」


菊月提督「あぁ…間違いなくこの字だ。あの子が殺される前によく見た…」


菊月「……」


菊月提督「…すまない」


菊月「謝る必要は無い」

菊月「会いたいか」


菊月提督「…あぁ」


菊月「なら呼び戻せばいい」


菊月提督「な……なに…?」


菊月「あのアバズレ、龍驤の所もそうだ。嫁と彼女がいるそうじゃないか」


菊月「あの冴えない男にできることが、司令官にできないはずがない」


菊月提督「……」


菊月「私の気が変わらない内に決めた方がいいぞ」ガチャッ


菊月提督「…ありがとう菊月」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


深海海月姫(一緒に暮らすことはできないのに、子どもに嘘をつかないだなんて…)


深海海月姫(でもあの子の笑顔を奪うことなんてできない。ただでさえ大切な存在なのに…)


深海海月姫(あなた…私はどうしたら…)


「お母さん!お父さんから返事すぐに来たよ!)


深海海月姫「…良かったわね。なんて書いてあったの?」


「えっとね、近々迎えに行くって書いてあったよ!」


深海海月姫「お父さんから……?」


「うん!」


深海海月姫「どういうことなのかしら…」

深海海月姫「あの菊月が認めるわけが無いし、一体どうして…」


「あとね!これも入ってたよ!」スッ


深海海月姫「これは…?」


「クラゲの折り紙!お母さんに渡してって書いてあった!」


深海海月姫「…ありがとう」


「お父さんが来てくれる!嬉しいな~!」


深海海月姫「……」


深海海月姫「これ…中に何か書いてあるわね」


深海海月姫「……」ゴソゴソ


深海海月姫「このままじゃ見えない…開くしか無さそうね……」


下2 書いてあったことの内容など

『菊月と海月姫達のどちらも愛している』


『それを菊月が認めてくれた』


『俺はどちらも失いたくたない』


『こんな優柔不断な自分で良ければ、また一緒に暮らして欲しい』


深海海月姫「あなた……」


深海海月姫「もう一度…あなたと呼んでもいいのね…」ポロポロ


深海海月姫「嬉しい……嬉しいわ…」

深海海月姫「何も無い深海で…あなたは私の太陽だった…」


深海海月姫「でも私は…光も太陽も奪われた…」


深海海月姫「…あの女はまだ許せない」


深海海月姫「けど……ずっとこのままじゃいけないのよねぇ」


深海海月姫「腕と脚を差し出した…それは生半可な覚悟じゃなかった…」


深海海月姫「あの女…龍驤を……」


深海海月姫「いつかは…許さないといけないのね……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞(なに…ここ……私…何をしてたんだっけ…)


霞(私…浮いてる……?どうなってるの…?)


……


霞(あ、なに……?何かが私の周りに……)


……


霞(布団……?それにしては…何か…動いてるような……)


……


霞(白いナニかが……私の周りに……)


……


霞(私に……近付いて……?)


ツプン


霞(お"っ……!!)

ーー


提督「もう朝……か……」


霞「……」


霞「……おぉぉっ!!」ビクンッ


提督「どうした…霞…?」


霞「デキた……こんなの…凄い…」


提督「…本当にそうならいいな」


霞「分かるの……こんなの…初めて……」


提督「…今日は龍驤が帰ってくる。眠いが、ちゃんと出迎える準備をしよう」スッ


霞「あ、あぁ、ぁ……ぁ…」


ーー

きひひひ、ざーんねん。一つフラグを折り損ねたね


もう取り返しはつかないよ、バーカ


やっぱり「安価」はあたしの味方なんだよねぇ!


きひひひひひ……

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


龍驤「今日からまた秘書艦代理として頑張っていくで!」


提督「本当に大丈夫なんだな?」


龍驤「体調もええし心配要らんで!」


提督「何かあったらすぐに言ってくれ」


龍驤「過保護やなぁ司令官。もうウチは平気やで!」


提督「その言葉には何度か騙されたからな…」


龍驤「それは言わん約束やで」


提督「……」


龍驤「…なんてな!ウチはキミの側におるだけで元気いっぱいや!」

龍驤「司令官はこんなウチを待っててくれたんやろ?ほなそれには全力で応えるで!」


提督「頑張り過ぎるのもやめてくれ」


龍驤「そうやね…それも反省せなあかんね。うん、ちょっとでも辛くなったらすぐにキミに言うよ」


龍驤「正直…今までもしんどい時あったんよ。でも司令官の側を離れたくなかった」


龍驤「そんな考えやったら…あかんわよな」


提督「体も心も、大切にしてくれ」


龍驤「ありがとうな司令官」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「…そうやまずは向こうの様子を報告しとくわ。皆んな元気そうにやってたで」


提督「それは何よりだ」


龍驤「あ、これは先に言うとかなあかんな。雲林院っていう…要は民間人の子らを三人保護してんねん」


提督「表に出来ない三人か?」


龍驤「うん、事情有りや。せやから幹部さんの所も難しいと思うわ」


提督「なら食糧の手配を進めておくか」


龍驤「そうしたって、向こうは余裕が無くなってくると思うわ」

龍驤「ほんでな、まだあるんやけど…」


ピピピピピ…


提督「すまん電話だ…もしもし?」


提督「……お前か、どうしたんだ?」


提督「あぁ、その話ならちょうど龍驤から…」


提督「なに……?そうか…それは……あぁ、良かったな」


提督「……分かった、また詳しく話そう」ガチャッ


龍驤「電話の相手って、菊月提督…?」


提督「…そうだ。あの子達を足りないもの鎮守府に呼び寄せたそうだ」


龍驤「ウチもそれを言おうとしてたんよ。そうか…思ってたより早かったね」


龍驤「良かった……親子は一緒やないとあかんもんな」

提督「……」


龍驤「司令官が複雑な気持ちなのは分かるよ。でもこうなる運命やったと思ってくれへん?」


龍驤「ウチの腕と脚は生まれつき無かったんや。キミと出会ってからが本当のウチなんや」


龍驤「あの子が成長して大人になったら…ウチを恨むかもしれん。けどそれを受け入れるよ」


提督「龍驤を恨むのは筋違いだ」


龍驤「これはウチとあの子しか分からへんよ。司令官がウチの味方をしてくれるのは嬉しいけど、それに甘えてるようじゃあかん」


龍驤「ウチはあの罪と向き合う…これがウチにできる唯一のことなんや」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「…そうや司令官、聞きたいことがあってん」


提督「なんだ?」


龍驤「なんか横須賀組と仲良くなってない?ウチが帰ってきてすぐ秋雲も挨拶に来たし」


提督「……」


龍驤「仲良くなるのはいいことなんやで?でもなんか急過ぎるというか…ちょっち気になったんよ」


提督「何かあったと言われたら、そうだと答えるしかない」


龍驤「その言い方気になるわ…何があったか教えてや」


提督「あぁ……」

ーー


龍驤「ポーラが……」


提督「秋雲が大和達と繋がりがあったことにも驚いたが、それよりもポーラだ」


龍驤「どこまで知ってたんやろか…」


提督「質問をしてものらりくらりと受け流し、気付けばこちらが折れてしまう」


龍驤「でもまぁ、敵や無いんやったらええんと違う?そのお陰で秋雲がこっちについてくれたんやし」


提督「…ちなみに秋雲があのままだったとしたら龍驤はどうしていた?」


龍驤「ぶっ殺すに決まっとるやろ」


提督「……」


龍驤「…冗談やんか。な?」ニコッ


提督「…顔が笑っていなかったぞ」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「でもな司令官、旦那であり司令官を陥れようとしてる奴に怒らんのはどうかと思うで?」


提督「そうだったとしても殺すのは無しにしてくれ…話し合うのが先だ」


龍驤「それは分かってるよ、でも話が通じやんかったらそれしか方法は無いんと違うん?」


提督「仲間内でそういうのは……もう嫌なんだ…」


龍驤「…ごめんな。でもウチもある程度は正しいと思ってる。なんでやと思う?」


提督「……」


龍驤「ウチらは艤装っていう武器を持ってるんや。いざとなったら司令官を…殺せてしまう」


龍驤「そんなん想像しただけで…ウチは……」

…………


漣「ふぅ~ん、珍しく口論をしてるみたいですな」


潜水新棲姫「あの二人が喧嘩か」


漣「思えば今まで喧嘩が無いのが異常なんですよ。やっと喧嘩できるようになってきたってことじゃないですか」


潜水新棲姫「本当に放っておいていいんだな?」


漣「問題ありません。あったとしてもなんとかなります」


潜水新棲姫「そんなのでいいのか?」


漣「いいんですよあのお二人は。ささ、邪魔しちゃ悪いんでここは退散しときますよ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫(一番提督を殺してしまいそうなのは他でもない……)


潜水新棲姫(いや、こんな事を考えてはダメだ。下手なことを考えるとそれが実現する)


漣「~~」


潜水新棲姫(どうする…漣には相談できない。漣は漣で危ない)


潜水新棲姫(短気というか頭に血が昇りやすい奴には相談できない)


潜水新棲姫(……ダメだ、誰を考えても当てはまらない)


潜水新棲姫(こんな時は……アイツを頼ろう)

ーー


駆逐棲姫『急に連絡が来たと思ったら相談か』


潜水新棲姫「話は伝えた通りだ。お前ならいい助言が聞けそうだと思った」


駆逐棲姫『助言も何も、まず大きな前提がある』


潜水新棲姫「なんだ?」


駆逐棲姫『提督に横須賀の指揮は無理だ。いずれ重圧に潰れる』


潜水新棲姫「……それはワタシも分かっているんだ」


駆逐棲姫『提督には芯が無い、ドーナツのように穴が空いている。足りないもの鎮守府ではそれで良かったが、横須賀では自殺行為だ』


潜水新棲姫「自殺…このままなら提督は首を吊るだろう」


駆逐棲姫『一人で死ねばいい方だ。最悪何人も道連れにする』


潜水新棲姫「…提督を辞めさせる以外に方法は無いのか」


駆逐棲姫『難しいな。人も艦娘も簡単には変われない』


潜水新棲姫「…やはりお前に相談して良かった」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「電話だなんて珍しい、誰と話していたんだい?」


潜水新棲姫「潜水新棲姫だ。提督のことについて相談された」


幹部「提督君のこと?」


潜水新棲姫「提督に横須賀の指揮は重いという話だ。幹部も知らないわけじゃないだろう」


幹部「…そうだね、提督君の危うさには気付いているよ」


駆逐棲姫「知ってて放置しているのはどうなんだ」


幹部「放ったままじゃないさ。提督君には成長して欲しいという願いもあるんだよ」


駆逐棲姫「人は急には変われない」


幹部「かと言って変わろうとしないのは、もっといけないとは思わないかい?」

幹部「提督君とは定例会で連絡を取り合ったり、直接会ったりしている。私が他の鎮守府にそこまでしているかい?」


駆逐棲姫「フォローしているから大丈夫ということか」


幹部「いや、そこまでは言えない。さっきも言ったが提督君は危うい一面もある」


駆逐棲姫「考えはあるんだな」


幹部「そうだね、いざとなったら提督君には横須賀の指揮を…いや、提督を辞めてもらうことになる」


駆逐棲姫「そこまでか?」


幹部「そこまでだよ。彼の精神は酷く擦り減っている」


駆逐棲姫「あそこにはお姉ちゃんと暁達が居る。タイミングは見誤らないでくれよ」


幹部「私はこう見えて幹部だからね。任せておいてくれたまえ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー漣の部屋


漣「で、なんですって?」


潜水新棲姫「だから漣には癒しが足りないんじゃないかと言っているんだ」


漣「なに言ってんすか、毎晩のように嫁を抱けば嫌でも癒されますよ」


潜水新棲姫「それだ、ワタシはそれが違うと言いたい」


漣「何がですか?」


潜水新棲姫「性行為で満たされるのは性欲だけだ。癒しとはまた違う」


漣「殆ど一緒だと思うんですけどね~」


潜水新棲姫「厳密には違うものだ。だからワタシは漣に癒しを与える」


漣「堂々と言ってくれるとは…いやある意味楽なんすけどね」

潜水新棲姫「何をすれば癒される?コスプレでもするか?」


漣「どんな種類があるんです?」


潜水新棲姫「幼稚園児のスモックや小学生の制服…あとはネコミミメイドか」


漣「…それってご主人様とコスプレプレイ用じゃないですか」


潜水新棲姫「洗ってあるから匂いはしない」


漣「そういう問題じゃないんすけどねぇ」


潜水新棲姫「提督が通販で買った衣装はまだある。好きなのを選んでくれ」


漣「コスプレさせるのが前提ですか…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「何もしなくていいですから、そのまま……」ポフッ


潜水新棲姫「……ワタシに胸は無いぞ」


漣「お前の鼓動を感じたいんですよ」


潜水新棲姫「…聞こえるか?」


漣「ええ…漣が最も安心できる音が聞こえます」


潜水新棲姫「…なぁ漣、改めて聞きたいことがある」


漣「なんですか?」


潜水新棲姫「提督にワタシが抱かれるのは嫌なんじゃないのか」


漣「そんなの嫌に決まってるじゃないですか」


潜水新棲姫「……」

漣「嫁が他の男に好き放題されてんすよ?嫌なのは当たり前です」


潜水新棲姫「じゃあ提督とは…」


漣「でも、ご主人様が絡むと話は別です。あんたにも言ってますが、ご主人様のことは今でも好きです」


潜水新棲姫「…そうだな」


漣「好きな人に自分の大切なものを預けるっていうんですかね。ご主人様だから…信用してるからいいんですよ」


漣「よって漣の答えはこうなりますね~」


潜水新棲姫「…やめて欲しい時はいつでもそう言ってくれ」


漣「勿論ですよ、お前は漣だけの大切な存在なんですから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


早霜「いつもより顔色が良いみたいね姉さん」


朝霜「ママが帰ってきたんだからな。元気百倍ってやつだ!」


早霜「あの女に勝てないだなんて…少し妬いちゃうわ」


朝霜「早霜のことも大事だけどよ、やっぱりママには敵わねぇよな」


早霜「そうみたいね…」


朝霜「あたいにとってパパとママがどれだけ大事か、お前も分かってきただろ?」


早霜「ええ、司令官の上で乱れる姉さんを見てると特にそう思うわ」


朝霜「いいだろ~司令は簡単には譲らねぇからな!」

早霜「司令官と私…どんな関係だと言えるかしら?」


朝霜「…難しいな。性欲処理とはまた違うだろ」


早霜「私は司令官のアレを飲んで殺せれば満足。最近はそれだけで気持ちよくなれるもの」


朝霜「……便所?」


早霜「やめて…本当にやめて。私もそれを一瞬考えたのよ」


朝霜「でもそれしかないんじゃねぇか。司令に抱いて欲しくは無いんだろ?」


早霜「嫌よあんな男」


朝霜「なら便所で納得するしかねぇな」


早霜「屈辱よ……でも姉さんが喜んでるなら、納得するしかないじゃない…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「お、二人とも仲良くやってるみたいやね」


朝霜「よぉ龍驤さん!丁度話をしてた所だよ!」


龍驤「早霜もおるんやったら丁度ええわ」


早霜「何が…かしら?」


龍驤「ウチがおらん間、朝霜のこと支えてくれてありがとうな」


早霜「お礼なんていいわよ、お陰様で姉さんを独占できてたわ」


龍驤「そうやね、その間にマインドコントロールもやろうと思えばできたでな」


早霜「……」


龍驤「だから、早霜にありがとうって言うてるんや」


早霜「……はぁ」

早霜「貴女と話してると調子が狂うわ。姉さん、悪いけど席を外すわね」ガタッ


朝霜「早霜も素直になればいいのによぉ」


早霜「……」スタスタ


龍驤「早霜にも色々あるんやと思うよ。それこそ後悔はウチの比と違うやろうし」


朝霜「あの時の早霜は死んだんだ。こっちはそれで割り切ってるのに」


龍驤「そう簡単にはいかんよ。ウチには分かるで」


早霜(…貴女のとは性質が違うのよ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「その節はごめんな~迷惑かけてしもうたね」


電「体調は大丈夫なのですか?」


龍驤「問題無いで、元気いっぱいや!」


雷「迷惑といえば私より暁じゃないの?」


暁「あれくらい問題無いわ!」


響「龍驤さんが変な機械に捕まってた時、私達で無理ならレ級達が準備してたんだよね」


レ級「結果オーライってとこだな。あたしの超重力砲だと多分粉々だったぜ」


龍驤「あぁなった時点で覚悟はしとったよ。もしもの時は躊躇わんと引き金を引いてな?」


暁「そんなもしもは訪れないわよ!」


電「なのです!」


龍驤「…ありがとう」

ーー


雲龍「腕と脚……龍驤さんの…」


龍驤「そのくだりは司令官ともうやったで~」


雲龍「…龍驤さんが納得してるならいいわ」


龍驤「雲龍も迷惑かけてしもうたね、ごめん」


雲龍「……」ダキッ


龍驤「う、うおっ…と……」


雲龍「あの艤装の中で龍驤さんを見つけた時…もうダメかと思った。手遅れだと思ったの」


龍驤「心配かけてごめんな。ウチはこうやって生きてるから」


雲龍「……」ギュッ


龍驤「ウチは幸せ者や。こんなに大事に思ってくれる仲間もおるんやからね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

雲龍「……」ぱふぱふ


龍驤「……」


雲龍「せめて…私で癒させて」ぱふぱふ


龍驤「……」


雲龍「龍驤さんのママは私。これは誰にも譲れないの」


龍驤「うへへへぇ…」とろーん


雲龍「一日も手入れを怠ってなんか無いこのオッパイで、心から癒されて」ぱふぱふ


龍驤「これは凄いでぇ……」

ーー


提督「雲龍、龍驤がどこに行ったか知らないか?」


雲龍「シー…」


龍驤「うぅん……」


提督「寝ていたのか…」


雲龍「私の胸で癒しておいたわ」


提督「そうか…世話をかけたな」


雲龍「提督」


提督「ん?」


雲龍「提督も、どう?」ぱふぱふ


提督「安価」


下2 提督の台詞やその他起こったことなど

ーー


提督「これは…」


雲龍「悪くないわよね?」ぱふぱふ


提督「龍驤がああなっているを見て身を任せてみたが…」


雲龍「私の体を、存分に楽しんで」ぱふぱふ


提督「これは凄い…ストレスが……体の痛みが…消えていく……」


雲龍「肉布団なんかより、ずっと気持ちいいわよ」


提督「あぁぁ……」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


「いい加減にせぇよお前ーー!!」


神通「い、今のは…?」


黒潮「秘書艦代理が司令はんに怒っとるんや」


神通「一体どうして…」


黒潮「司令はんの悪い所でありいい所っていうたら何や?」


神通「優しい所…」


黒潮「そうや、それに関係する司令はんの案外だらしない所って何?」


神通「お金……ですね…」


黒潮「その通りや。司令はんはまた借金こさえたらしいわ」


神通「また…ですか…」

神通「でも今回は何を…?私達に思い当たるものは…」


黒潮「潜水新棲姫のコスプレ衣装」


神通「あ…」


黒潮「霞のコスプレグッズ」


神通「あぁ…」


黒潮「スケベ周り全般の借金や」


神通「……」


黒潮「理由が理由やからそら怒るわ。もしかしたら横須賀組が何か買わせた可能性もあるな」


神通「フォローが…必要かもしれませんね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「司令官の財布はウチが握っとる。そのウチが入院しとったんやからこっちにも非はあんねん」


龍驤「せやから買うなとは言わん。でも限度があるやろ!!」


提督「…申し訳ない」


龍驤「クレジットの明細見て驚いたわ!三桁万円ってなんや!!」


提督「……」


龍驤「ウチが死にかけたのも原因やろうけど、この使い方はおかしいやろが!!」


提督「龍驤の言う通りだ…」


龍驤「反省せぇアホ!!」

龍驤「…何に使ったんや」


提督「霞達の…コスプレグッズと…」


龍驤「他は?」


提督「…全部は覚えていない」


龍驤「お前なぁ!!自分の使ったもんくらい覚えとけーー!」


提督「……」


龍驤「今日からクレカも没収や!財布も持たせれへん!」


提督「…分かった」


龍驤「子ども育てる前に破産とか、話にならんで……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「帰ってきてエログッズが増えとるなぁと思ったんや!それでも全部と違うな!?」


提督「潜水新棲姫と…霞と…」


龍驤「ほな単純に三倍したとして……」


龍驤「…お前ぇーーーー!!」


提督「申し訳ない…申し訳…ない……」


龍驤「許さん!今回は絶対に許さへんからな!!」

ガチャッ


黒潮「それは言い過ぎと違うか秘書艦代理」


神通「龍驤さんがいない間…提督は不安で仕方なかったんです…」


龍驤「それにしても限度があるやろ!!」


神通「それだけ大切に思っていたんです…そこは汲んでもらえませんか…?」


龍驤「……」


黒潮「司令はんはあんたみないなアバズレを選んでくれたんや。調子に乗って捨てられても知らんで」


提督「二人ともありがとう。だが今回のは…俺が悪い」


龍驤「…よう反省しぃや。それと次は無いと思っとき」


提督「…あぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「…で、漣と金策会議ですか」


提督「龍驤を本気で怒らせてしまったのがな…」


漣「退院したと言っても龍驤さんはまだ鬱は治ってませんからね。あんまり怒らせると悪化の原因ですな」


提督「…どうすればいいと思う?」


漣「ハッキリ言って漣だけでは力不足です。なので助っ人をお呼びしましたよ」


秋雲「秋雲さんにお任せあれ~!」


提督「合法的に解決できるんだな?」


秋雲「もちのロン!とっておきの秘策を教えちゃうよ~!」


提督「それは助かる…」


漣「色々と逞しい秋雲さんの考えなら悪くは無いんでしょうね」

秋雲「本当はさ、儲け話とかは人には教え無いよ。でも提督にはお世話になってるし!」


漣「それだけですか?」


秋雲「…ごめん。パソコン一式買ってもらったのも多分借金と関係してる」


漣「してるどころか大有りですよ」


秋雲「だって!買ってくれるって言ったんだもん!」


提督「…龍驤が拐われて不安定になっていた時の事は覚えていない」


漣「パソコン代は自分で払ってもらうとして、残りはそのいい考えでなんとかなるんすね?」


秋雲「秋雲さんにお任せ!……やっぱ自分で払わないとダメ?」


漣「ダメです」


秋雲「ちぇっ…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「やってもらうことはシンプルだから安心して」


提督「何をするんだ?」


秋雲「今度の即売会で出す本の制作を手伝って!」


漣「やっぱりそっち関係ですか」


秋雲「秋雲さんだけだと一冊か二冊が限界なんだよぉ!そこで、提督に手伝ってもらって三冊出せれば…!」


提督「そこまで売上があるのか?」


秋雲「サークルS.D.Sは壁サーだよ?下手したら四桁万円いっちゃうかもね!」


漣「それはあり得ません」


秋雲「だーかーらー!三冊出せればって話じゃん!」


漣「…それなら考えられますね」


秋雲「やってもらうことはシンプルだから!とりあえずやって欲しいことを伝えるね!」

ーー


飛鷹「そういう理由で秋雲の本を手伝ってるのね」


清霜「突然どうしちゃったのかと思ったよ」


提督「空いた時間に原稿のチェックや、印刷屋への発注を頼まれているんだ」


飛鷹「秋雲の本なら毎回ほぼ完売だし、三冊出せれば売上もかなり上がるわね」


清霜「でも無理しちゃダメだよ?体を壊したら元も子も無いんだし」


提督「分かっているさ」


飛鷹「…さ、清霜。私達は撮影の準備よ!」


清霜「張り切っちゃってもう…悪くは無いからいいけどさ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「三冊目の内容をさ、提督に選んで欲しいんだよね」


提督「…なぜ俺なんだ?」


秋雲「主人公は恋愛経験の少ないロリコンなんだよぉ。どこかの誰かさんみたいでしょ?」


提督「……」


秋雲「一冊目はシリーズもの、二冊目は秋雲さんの写真集なのは決まってたんだよね」


提督「写真集?」


秋雲「秋雲オンリーに出すやつ。今回は全年齢版で、オンリーよ時にはR18版を出すんだよぉ!」


提督「……」


秋雲「秋雲さんの手にかかれば、即売会すら宣伝の場と化す!」

秋雲「とと、話が逸れちゃったね。主人公はロリコンで、ヒロインは幼女なわけ」


秋雲「で、二人は結ばれるんだけどそれが純愛かどうかなんだよね」


秋雲「純愛ラブラブルートか、陵辱レイプルートか…どっちがいい?」


提督「……」


秋雲「下書きは両方完成してるからさ、読んでみてどっちがいいか秋雲さんに教えてよ!」スッ


提督「これを見てか…」


秋雲「提督の好きな方でもいいから!とにかくガチのロリコンの意見を知りたいんだよね!」


提督「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

読んだ後(自分がどっちもほしいので)両方完成させないかと提案

提督「…両方完成させられないのか?」


秋雲「どっちもはキツいな~同時に四冊はやったこと無いし」


提督「ちゃんとしたのを両方読んでみたいと思ったんだ」


秋雲「それは嬉しいけどさ、うーん…」


提督「…あと一つ気になったんだがいいか?」


秋雲「ん?」


提督「このツインテールの女の子は…」


秋雲「あ~えっと……それについてはノーコメントで」


提督「……」


秋雲「…だってさ!天然モノのパイパンとかモデルに最適だったんだもん!」


提督「……」

秋雲「うう分かったよぉ、どっちも完成させるから龍驤さんにら黙ってて…」


提督「大丈夫なのか?」


秋雲「死ぬ気で頑張りますぅ…」


提督「…そうか」


秋雲「あ、もちろん提督にも一冊ずつ献本するからね」


提督「出来たらすぐにくれ」


秋雲「了解!提督も仕事増えるけどお互い頑張ろうね!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「ここはこうした展開の方が…」
秋雲「いやー流石にそれはファンタジーが過ぎるよ引かれるよ」
提督「……」提督の(恋愛)経験不足が光る

ーー


提督「なぁ秋雲、チェックをしてて思ったんだがここはこうした展開の方が…」


秋雲「どれどれ…いやー流石にそれはファンタジー過ぎて引かれるよ」


提督「……」


秋雲「提督は経験不足だから仕方ないよね~」


提督「…秋雲は経験豊富なのか?」


秋雲「ダメダメ!そんなことを乙女に聞いちゃ提督失格だよ!」


提督「…すまない」


秋雲「秋雲さんも艦娘である前に一人の女なんだからね。その辺は想像に任せるよ~」

秋雲「あ、ちょうどいい所に来てくれたよ!提督に頼みたいことがあったんだよね~」


提督「難しいことはできないぞ」


秋雲「大丈夫大丈夫!ちょっと貸して欲しいだけだから」


提督「なにをだ?」


秋雲「チ◯ポ」


提督「……」スッ


秋雲「逃すかぁ!!」ガガシシッ


提督「や、やめてくれ…!」


秋雲「いいじゃんいいじゃん!減るもんじゃないし!」


提督「うぉぁ…!」


秋雲「噂で聞いてる提督のド太い主砲、参考にしない手は無いって!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「ぐ…むぅぅ…!」


秋雲「おほっ…えぐぅ……」


秋雲「あの白露型、もといサキュバス達が欲しがるのも納得だわこれは…」


秋雲「いいねぇ…これでもっと作品がリアルになるよ…」


提督「ぅぁぉぉ…!」


秋雲「もーちょい我慢してね~スケッチが終わったら解放するからさ~」


提督「ぉぉ、ぅ……!」

秋雲「…よしスケッチ終わり!」


提督「ぉ……」ほっ


秋雲「続きまして~ゴム装着編をお願いしますと」


提督「むぉっ!?」


秋雲「ほらもっと大きくして!ゴム付けらんないでしょ!」しこしこ


提督「んぅぅーー!」


秋雲「よしよし……」


秋雲「これはいい作品が描けるね!やっぱり提督を頼って良かったよ!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


飛鷹「これは…凄い……」


清霜「いつもより凄くエッチ…」


秋雲「そうでしょ!秋雲さんの新境地ってね!」


飛鷹「四冊出すこと自体が凄いのに、こんなクォリティで仕上げるだなんて…」


清霜「特にこの…エッチしてるシーンとか…」


秋雲「もっとも~っと褒めてくれたまえ!」


飛鷹「流石はオータムクラウド先生ね…」


秋雲「なっはっはっはっ!」

飛鷹「…秋雲、これは間違いなく売れるわね」


秋雲「でっしょぉ!?」


清霜「この小さい女の子が襲われるやつ…こういう趣味は無いけどドキドキしちゃうもん」


秋雲「男のモノがさ、特にリアルじゃない?」


清霜「うん…凄くドキドキする」


秋雲「これで提督さんの借金も無くなりそうだし、いや~ほんとに環境に恵まれたね!」


秋雲「サークルS.D.Sは、どこまででも行くよ!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「ご主人様見て下さい。秋雲ことオータムクラウド先生のアカウントがバズってますよ」


提督「……」


漣「結果オーライですよご主人様。たったあれだけで借金もチャラになるんですから」


提督「……」


漣「それどころかお釣りもきますよ。秋雲さんが告知したとたん祭りだとか戦が始まるとか言われてんすから」


提督「……」


漣「ま、今回のはご主人様が悪いんで自業自得だと思って下さい」


提督「……あぁ」

漣「もし秋雲じゃなくてサキュバス型に捕まってたらご主人様は搾り取られてたんですよ?」


漣「あれだけで済んで本当に幸運だったんですからね」


提督「そうなんだよな……」


漣「秋雲さん以外だともれなくアウトな状況でしたからね」


提督「…秋雲が俺に興味が無くて助かっただけだ」


漣「秋雲さんが興味があったのはご主人様のモノだけ。もし好意があればヤられてましたね」


提督「……終わったことだと思おう」


漣「はい、お疲れ様でしたご主人様」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー提督の部屋


提督「秋雲の手伝いで金が入るとはいえ、荷物を整理して売れる物は売っておこう」


提督「考えてみると一度しか使っていないものもあるんだ、ここにある全てが必要では無い」


提督「よし、早速整理していこう」ゴソゴソ


提督「……忘れていた」


提督「一度着せて、しっくりこなかったコスプレ衣装はここにしまってあったんだ…」


提督「それだけじゃない、微妙だった性道具もここに……」


提督「……ほとんどゴミじゃないか…」

提督「いや待て、コスプレ衣装はよく洗えば売れるか?」クンクン


提督「……」


提督「…………」


提督「売ることは諦めて整理整頓をしよう」


提督「……」


提督「潜水新棲姫のスモックが…霞のランドセルが悪いんだ……」


提督「あんなものを知ってしまったら…」


提督「……いやそれは言い訳だ。借金までする必要は無かった」


提督「…反省だな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

白露「へ~結構キワモノも持ってるんだ」


提督「!?」


村雨「こういう趣味もあったのね」


提督「いつからここに居た!?」


春雨「ダメですよぉ、部屋に鍵をかけないと」


提督「…ここは俺の部屋だぞ」


白露「なーんかさ、そういう匂いを嗅ぎとったんだよね」


村雨「私達の嗅覚は鋭いわよ?」


春雨「とってもエッチな匂いがしました…」

白露「これ全部要らないの?なら売って欲しいな」


提督「使用済みだぞ?」


村雨「それが良いんじゃない」


春雨「使用済みの道具で攻める!背徳感がアップ!」


提督「…こっちは捨てようとしていたんだ。買ってくれるならありがたい」


白露「なら交渉成立ね!」


春雨「ぐ、ぐふふふ……使用済みの…道具…!」


村雨「春雨…少し落ち着きなさい」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

ーー


潜水新棲姫「なぜワタシが手伝わなければいけない」


秋雲「本当ならさ、漣に頼むとこなんだけど…これ見てみ?」スッ


潜水新棲姫「……漣をモデルにしたのか」


秋雲「それがバレるのが嫌なんじゃなくて、モデルの元になった人が売り子をするのはちょっとマズイんだよ」


潜水新棲姫「そっちの事情は知らない。ワタシが手伝うメリットも無い」


秋雲「無いけどさ…お願いできない?」


潜水新棲姫「無理だ」


秋雲「本当にお願い!うまく売り捌けないと提督の借金は残っちゃうかもしれないんだよ!」


潜水新棲姫「……提督を助ける為か」


秋雲「そそ!だから…お願い!」


潜水新棲姫「…今回だけだぞ」


秋雲「やった!流石は話が分かるね!」


潜水新棲姫「提督の為じゃなきゃこんなことはやらないからな」

ーー即売会、会場近郊


潜水新棲姫「来たことが無い所には、一度来ておく必要がある。当日迷ってしまっては意味が無いからな」


潜水新棲姫「横須賀の街と比べると小さい…いや、同じくらいか。これは迷ってしまう可能性があった」


潜水新棲姫「やはり下見に来て正解か…」


「……」


潜水新棲姫「…!」ゾクッ


潜水新棲姫「な、なんだ今のは……!?」


深海仏棲姫「貴女も…そうなの…?」


潜水新棲姫「……」


深海仏棲姫「貴女も陸に適応しようとしているの…?」


潜水新棲姫「…ここで暴れるつもりか」


深海仏棲姫「その必要は無い…私達は、深い海の底に還るの…」


潜水新棲姫(話が通じない奴がこの世で一番厄介だ)


深海仏棲姫「貴女も還るの…その準備は整った…」


潜水新棲姫「……」


深海仏棲姫「然るべき時を待ってなさい…フフフフ…」スッ


潜水新棲姫「……ひぃっ」ヘナヘナ


潜水新棲姫「な、なんだアイツ……あんなプレッシャー…感じたことが無い…」


潜水新棲姫「ワタシが出会った中で…最も純粋な…深海の……」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー


潜水新棲姫「ワタシ達はどこから来てどこに向かおうとしているのか」


潜水新棲姫「深海棲艦は人を襲い命を奪ってきた。それは事実だが目的は、その行動の意味は何だったのか」


潜水新棲姫「それはワタシですら分からない。だがそれは人間も同じではないだろうか」


潜水新棲姫「人間はなぜ生きる?子孫を残す為?金を稼ぐ為?」


潜水新棲姫「それらしい事は言えるだろうが、本当の生きる意味は誰も答えられるはずがない」


潜水新棲姫「人間に生きている意味は無い。それと同じことが我々深海棲艦にも言えるのではないだろうか」


潜水新棲姫「ワタシはずっとそう考えていた。深海棲艦が人型である理由はそれで説明できると思っていた」


潜水新棲姫「しかし…その仮説は間違っていた」

潜水新棲姫「人間は幼虫から蛹ような変態を行わない。深海棲艦もそうだと思っていた」


潜水新棲姫「だが事実は違った。深海棲艦には成虫があったんだ」


潜水新棲姫「これによりワタシの仮説は全て覆された。それと同時に新たなる疑問も生まれた」


潜水新棲姫「艦娘の役割とは何か?」


潜水新棲姫「艦娘は人間が作り出すことができる…が、そもそも『ドロップ』という形で艦娘は生まれる」


潜水新棲姫「新たなる生物である深海棲艦と関係しているということは、艦娘にも役割があるのでは無いか?」


潜水新棲姫「そう考えるようになってから色々と仮説を立てたが、どれも矛盾しなかった」


潜水新棲姫「まるで艦娘は深海棲艦の為に存在するような…そんな仮説すら否定できない」

潜水新棲姫「艦娘は深海棲艦の苗床ではないのだろうか」


潜水新棲姫「ハチが必要な時しかオスを産まないように、必要な時以外は艦娘は誕生しない」


潜水新棲姫「ワタシ達は共食いで増えることは確認している。だがそれはアメーバのような単細胞生物が分裂しただけではないか?」


潜水新棲姫「深海棲艦が成虫になる為に、オスの精子は必要無い。そもそも我々にオスが存在しない」


潜水新棲姫「それどころか、ワタシ達一人一人が意思を持った細胞のようなもので、もっと大きな一つの生物に還る可能性もある」


潜水新棲姫「深海棲艦が成虫になる為に必要なのは艦娘。艦娘が深海棲艦の蛹を孕む必要がある」


潜水新棲姫「その蛹はどこから来るのか…普通の生物なら成虫が産卵を行うが、深海棲艦には当て嵌まらない」


潜水新棲姫「なら考えられるのは…一部の幼虫、深海棲艦が変異をしたりすることだ」


潜水新棲姫「これは何も証拠が無い。だが…ワタシはそうだとしか思えない」


潜水新棲姫「深海棲艦と艦娘は…人間を滅ぼす為に存在しているのかもしれない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー大本営


幹部「深海棲艦がまた数を増やしてきた…か」


「各地の鎮守府の出撃機会は、以前と同じくらいまで上がるかもしれません」


幹部「そうかもしれないね。ならこちらもあの作戦でいこう」


「はい、例の特務艦を使った作戦ですね」


幹部「深海棲艦の発生は止めることはできない。ならばその対策を取ればいいだけの話さ」


「ええ、では早速各鎮守府に…」


ガチャッ


「幹部さん、緊急連絡が入っています」


幹部「一体誰からだい?」


「横須賀の潜水新棲姫だそうです」


幹部「…分かった、繋いでもらえるかい?」

ーー


潜水新棲姫『ワタシの話は理解できたか?』


幹部「興味深い話だった。また今度ゆっくりと聞かせて欲しい」


潜水新棲姫『それでは間に合わない可能性がある』


幹部「間に合わない…?」


潜水新棲姫『前の成虫の時を思い出せ。日本各地の深海棲艦が繭に集結しただろう』


幹部「そうだったね」


潜水新棲姫『また深海棲艦の数が増えたということはどういうことだと思う?』


幹部「彼女達は独自に増える方法があるんだろう?また数が増えてしまっただろう」


潜水新棲姫「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ガチャッ


駆逐棲姫「……」


幹部「あぁすまない、今電話中…」


駆逐棲姫「…ふんっ!!」バシッ


幹部「ぬぁっ!?」


駆逐棲姫「勝手に楽観視するな、ちゃんと話を聞け」


幹部「な、なぜ…?」


駆逐棲姫「電話の相手は潜水新棲姫だな?こっちにもメールが来ていたんだ」


幹部「う、む……」


駆逐棲姫「うちの夫がすまない。まだ電話は切ってないな?」


潜水新棲姫『あぁ…』


駆逐棲姫「なら続きを話そうじゃないか。あのメールの内容はかなり気になったぞ」

潜水新棲姫『お前にならこれを言えば伝わるだろう。また深海棲艦の成虫が生まれようとしている』


駆逐棲姫「根拠は?」


潜水新棲姫『無い。だがワタシはそう確信している』


駆逐棲姫「何に気をつけるべきだ?」


潜水新棲姫『…逃げろ』


駆逐棲姫「前は倒せたぞ?」


潜水新棲姫『今回は違う…前と同じことは起こらないんだ』


駆逐棲姫「なぜ?」


潜水新棲姫『深海棲艦は進化の途中だ。前と同じ失敗を繰り返す筈がない』


駆逐棲姫「…もう間に合わないのか」


潜水新棲姫『無理だ。だからせめて…逃げるんだ』


駆逐棲姫「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

駆逐棲姫「お前がその確証を得たのは何がきっかけだ」


潜水新棲姫『深海仏棲姫だ』


駆逐棲姫「…知らないな」


潜水新棲姫『奴から得体の知れない恐怖を感じた』


駆逐棲姫「それだけか?確信にしては弱いな」


潜水新棲姫『それだけじゃない。あいつから他の感情も感じた』


駆逐棲姫「何だ?」


潜水新棲姫『達成感だ』


潜水新棲姫『何か大きな仕事を終えた…いや、とっくに終わっていたんだろう』


潜水新棲姫『ワタシが感じたのは…それだ』


駆逐棲姫「また…成虫が生まれるのか……」

ーー足りないもの鎮守府


菊月「また深海棲艦の成虫だと?」


深海海月姫「私の胞子に反応しない深海棲艦が何人も…これは前と同じなのよぉ」


菊月提督「どこに集まっているんだ?」


深海海月姫「まだそこまでは分からないけど…」


菊月「成虫への孵化が止められないのならまた倒すしか無い。クラインフィールドが無い分今回は楽だろう」


深海海月姫「そう簡単にいけばいいけど…」


菊月「私達の手にかかれば倒せない成虫は存在しない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


菊月「まだ何も起こっていないようだな」


深海海月姫「繭が孵化に時間がかかったのを考えると、当然かもしれないわねぇ」


菊月「ならこちらも用意する時間があるということだ」


深海海月姫「そういうことになるわねぇ」


菊月「横須賀の奴らだけで倒せるのが理想だ。まだ猶予があるなら奴らに用意をさせる」


深海海月姫「貴女は本当に…」


菊月「何だ」


深海海月姫「いえ……今に始まったことじゃないわねぇ」

ーー食堂


「お父さーーん!」


菊月提督「こらこら、暴れるんじゃないぞ」


多摩「提督がちゃんと父親してるにゃ…」


菊月提督「…お前は俺を何だと思ってるんだ」


多摩「普段の行いを考えろにゃ」


菊月提督「……」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

多摩「…そういえばあの子の名前は何て言うんだにゃ?」


菊月提督「ん?」


多摩「だから、あそこで暴れてる提督と海月姫の子どもだにゃ」


「うひゃ~!」


曙「こらー!食堂で暴れる子にはおやつは無しよ!」


菊月提督「あぁ、あの子の名前は…」


「」


「」


「」

ーーーー


「お姉ちゃん」


「分かってる、これは単なる悪足掻きかもしれない。けどやるだけやらせて欲しいの」


「……」


「あの子は私。あの子が存在するのならば私は存在できない」


「私が居なくなった後…妹がまた暴れてしまうかもしれない」


「でもあの子なら私より…私なんかより強い存在になれるかもしれない」


「……これは一種の賭けよ」


「妹がそうして力を得るように、『私』にも何かしらの力が宿ると願って…」


「…あの子の名前を呼んで」


下2

多摩「…そういえばあの子の名前は何て言うんだにゃ?」


菊月提督「ん?」


多摩「だから、あそこで暴れてる提督と海月姫の子どもだにゃ」


「うひゃ~!」


曙「こらー!食堂で暴れる子にはおやつは無しよ!」


菊月提督「あぁ、あの子の名前は…」


菊月提督「あの子の名前は富士だ」


多摩「富士…」


菊月提督「人間と深海棲艦の間に生まれた子どもだ、めでたいものに因んで名前を付けたんだ」

ふわっ


富士「ん…んんんっ!?」キキッ


曙「急に止まってどうしたのよ?」


富士「なんかこう…ぶわ~って感じで風というか何かが私に…」


曙「ちょっと!?まさか元の大きさに戻るとか言わないでよ!?」


富士「それは大丈夫!……多分」


曙「クソ提督!!やっぱりこのクソガキは外で寝かせるべきよ!」


富士「嫌だ!お父さんと一緒に寝るぅ!」


菊月提督「海月姫が居るから心配は要らない…はずだ」


曙「言い切りなさいよこのクソ提督ーー!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


S朝潮「××さんY子さん、少しいいですか?」ガチャッ


Y子「……」


S朝潮「Y子さん…?××さんはどこに行ったんですか?」


Y子「なんでもない…大丈夫だから……」


S朝潮「質問の答えになってませんが…」


Y子「そっか…そうだよね…お姉ちゃんはそうなった…存在しない登場人物の名前は呼べない……」


S朝潮「はぁ…」


Y子「……お姉ちゃんの決意は無駄にしない。あたしがやるんだ」


S朝潮「あの…いい加減…」


Y子「朝ちゃん」ダキッ


S朝潮「…急にどうしたんですか」


Y子「朝ちゃんだけじゃない、絶対に皆んなを守ってみせる。それがあたしのやるべきこと…!」


S朝潮「何のことかは分かりませんが…頑張って下さいね」

ーー屋上


ヤシープ「…きひひ」ギチッ


ヤシープ「あーあ、あたしにも何かあると思ったのになぁ」


ヤシープ「ま、そんな都合よくはいかないか。そもそも愚姉はああなるのが正解なんだし」


ヤシープ「きひひひひひ……」


ヤシープ「どう足掻いてお前達の負けなんだよね」


ヤシープ「今更どんな手を使っても無駄。切り札だったあのクソガキを『富士』にした所でもう遅い」


ヤシープ「一体どこで間違えたんだろうね~~~?」


ヤシープ「きひひひひひひひひひ!!」


ヤシープ「…あのクソガキごと鏖にしてやる」


ーー

「お楽しみはとっておかなくちゃね」


「きひひひひひひひひひ」


「この世界にハッピーエンドなんか無いんだよ」


「全てをぶち壊してやる」


「あたしにはその権利がある」


「あたしの名前にはその意味が込められている」


「あたしをそうしたのはお前達だ」


「きひひひひひひ…」

つヅく


コめんトなドあレばおねガイしまス

ーー


提督「深海棲艦はどこに向かっている?」


潜水新棲姫「分からない…」


龍驤「また成虫が生まれるのは確かなんやな?」


潜水新棲姫「それは間違いないはずだ」


提督「かつて鉄の海域にあった繭がどこかにあるというのか?」


潜水新棲姫「その可能性は低い。まだ繭はできていない」


龍驤「ほな順番がおかしないか?繭が孵化する時に深海棲艦を吸収するんやろ?」


潜水新棲姫「そうとも言い切れない。繭が生まれる時にも深海棲艦を吸収していた可能性がある」


龍驤「どう思う司令官?」


提督「確かにその可能性はあるといえるな…」

提督「繭から強力な深海棲艦が生み出されていたのも、繭の防衛手段と考えられる」


提督「問題は…繭の元がどこから来たのかだ」


潜水新棲姫「資料を探そうにも繭はあの一つしか存在しなかった。憶測を立てることも難しい」


龍驤「ほんで今度生まれる成虫は前の比やないって言うんやな」


潜水新棲姫「人類は間違い無く滅ぶ。いや、人類どころか生物全てが無に還る」


提督「だからと言って逃げるような事はしない。繭が出来るまで少しでも猶予があるなら、打てる手は全て打つ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー足りないもの鎮守府


菊月「繭が生まれる所を見ているのは世界で私達だけだ」


曙「扉のせいでその事実は無くなったけど、現象としては変わらないはずよ」


千代田「そもそもあの任務がおかしいわよ!私達に死にに行けっていうのと変わりないじゃない!」


望月「多分そうだろうね」


荒潮「それに何か意味があったんでしょうね~」


ガンビィ「今となってはその意味は分かりませんけど…」

神威「私がドロップしたことは関係ありますか?」


望月「ん~多分無いんじゃないかな」


曙「あそこの基地にあった艦娘や深海棲艦の死体…あれも関係してるはずよね」


荒潮「一つ言えるのは~また繭が生まれそうってことよね~」


菊月「あの時の大本営の人間はほぼ死んだ。何か企みがあったか調べるのは不可能だ」


千代田「繭だろうが何だろうが全部ぶん投げてやるわ!」


神威「千代田さんならできなくは無いんですよね…」


グラーフ「フ、フフフ…」ガタガタ


ガンビィ「グラーフさんの震えが凄いです…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

菊月 「もっと思い出せ、繭が出来る前後に何があった?」


曙「そういえば謎の子どもが居たわよね」


望月「不気味っていうか…本当に謎の子どもとしか言いようが無い感じのね」


リュウジョウ「そもそもウチも意味分からんかったからな。男と寝たことが無いのに突然妊娠して…」


千代田「その謎の子どもがリュウジョウのお腹を食い破ったのよね?」


リュウジョウ「その辺はもう意識無かったわ。ほんまによく助かったもんやで」


菊月「……」

荒潮「ねぇ菊月…」


菊月「私もそれを考えていた」


神威「まさか…」


千代田「何を言ってるのよ?」


菊月「……もう間に合わない」


荒潮「せめて時間を稼がないと…」


望月「……ダメ、予知できない」


ガンビィ「あ、じゃあ大丈夫ってことですね!」


望月「あたしが未来を予知できないのは二つパターンがある。一つはあたし自身に危険が無いパターン」


グラーフ「もう一つは…?」


望月「あたしが死ぬパターン」


グラーフ「……きゅぅ」バタッ


菊月「急げ!!何としても止めるぞ!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


菊月提督「精密検査…?」


菊月「とりあえず怪しいのは北上だ。横須賀の連中にもやらせる必要がある」


深海海月姫「何か根拠があるんでしょうねぇ」


菊月「北上は予定日を過ぎても子どもを産んでいない」


深海海月姫「それだけ?」


菊月「リュウジョウの時はそうだった。一年以上妊娠期間が続いた」


深海海月姫「少し遅れるくらいあり得るわよ。それにリュウジョウの時は一年以上も妊娠してたんでしょぉ?」


菊月「リュウジョウの時は双子だったんだ。北上の中に居るのが一人と考えたらどうだ」


深海海月姫「リュウジョウの…半分……」


菊月提督「とにかく北上の様子を確認してからだ」

ーー


深海海月姫「北上は人間の子どもを妊娠したのよねぇ?」


菊月「誰がそれを確認した」


深海海月姫「でも憲兵とすることはしてたわよね?」


菊月「憲兵と体を重ねる前に、既に深海棲艦を妊娠していたらどうだ」


深海海月姫「……」


菊月「北上の中に居るのは…深海棲艦の成虫、繭の元だ」


深海海月姫「そうだとして貴女は…」


菊月「…北上の所に急ぐぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー工廠


北上「他に妊娠してそうな艦娘ねぇ」


菊月「心当たりは無いのか?」


北上「あるっちゃあるよ。霞がそんな感じのこと言ってたし」


深海海月姫「霞は検査をしてないのよね?」


北上「なんか直感?か何かだって。もしそうなら嬉しいよね~」


深海海月姫「…どう思うの?」


菊月「どちらでもあり得る…が、霞だとすると妊娠期間が……」


北上「えへへ~お前はゆっくり出てきていいんだからね~」ナデナデ







ピシッ

ーー


Y子「はぁ…はぁ…はぁ……!」ダダダッ


ヤシープ「……」


Y子「い、居た……!?」


ヤシープ「きひひ、あたしはここに居るよぉ」


Y子「じゃあなんでお前が復活しようとしてる!?」


ヤシープ「だから言ったじゃん。もう手遅れなんだって」


Y子「嘘を言うな!皆んなはあんたの復活を望んで無い!だからお前の名前は誰も呼んで無いんだ!」


ヤシープ「きひひ、確かにあたしの名前は呼ばれて無いねぇ」


Y子「じゃあどうして!?」


ヤシープ「きひひひひ…あたしにしちゃいけないことをお前達はしたんだよ」


Y子「何を…!」


ヤシープ「ねぇ下2、それって何だと思う?もし正解したら…きひひ、するわけないから何も言わないよぉ」

ヤシープ「きひひひひ!!大!正!解!」


ヤシープ「あろうことかお前達はこの『あたし』に名前を付けた!その時点で××とは違う存在になったんだよぉ!」


Y子「まさか…!」


ヤシープ「お前が××の名前を捨てた存在のように、あたしも『ヤシープ』としてこの世界に存在できた!!」


Y子「お前を否定するなら…あたし自身も否定することになる……」


ヤシープ「きひひひひひひひ!!」


Y子「そんな…もう勝負は……」


ヤシープ「だからもう遅いって言ってんだよバーカ!!」

ヤシープ「でも安心しなよぉ、所詮あたしは羊のぬいぐるみ。お前みたいに半分力を持っていくこともできなかった」


Y子「じゃあなんで…そんな……」


ヤシープ「力は一割どころか殆ど無い。けどあたしの勝ち」


ヤシープ「ねぇねぇ、なんでだと思う~~?」


Y子「……」


ヤシープ「チッ、もっと抵抗しないと面白く無いのに。ま、もうコイツは負けたんだしもういいよね」


ヤシープ「力が殆ど無いあたし『ヤシープ』の能力はただ一つ。しかも一度使えばもう二度と使えない」


ヤシープ「それはある言葉、名前を自由に口に出せるだけ」


ヤシープ「なーんだそんなこと?きひひひひ、こんな弱い能力何に役立つんだろうね?」


ヤシープ「……」


ヤシープ「あたしは神だ」


ヤシープ「愚姉の居なくなった今、誰もあたしを止めることはできない」


ヤシープ「世界を終わらせる」


ヤシープ「…目覚めろ」


ヤシープ「八島ぁぁぁぁ!!!!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

Y子 (……あたしは名前が持つ業から逃げた)


Y子(そうすることが正解だから。正しいと思ったからそうした)


Y子(確かにあの時はそれで正解だったかもしれない。けどいつまでも逃げちゃいけないんだ)


Y子(お姉ちゃんだって自らの存在を捨てて賭けに出た。だったらあたしも立ち向かわなきゃ笑われちゃうよ)


Y子(朝ちゃん…お姉ちゃん…あたしに勇気を)


「……」


「『八島』はあたしだっ!!」




ピキッ

ーーーー


八島「きひひひひひひ…まずは北上を食い殺して、あの鎮守府ごと繭に…」


八島『……』


八島「きひ…?」


八島『八島の名において…』


八島「お前が…名前を……?」


八島『ここまで歩んできた足跡が無駄だったなんて言わせない。あたしこそが八島だ!!』


八島「きひひひひ!!やれるものならやってみなよぉ!お前はあたしには勝てない!!」


八島『それはこっちの台詞だ!お前みたいな紛い物には負けない!!』


八島「自分をブチ殺せるだなんて最高なんだけど!きひひひひ!!」


八島『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


八島『うっ……ぅぅ…』


八島「きひひひひ!!こうなることは分かってた、お前じゃあたしに勝てないんだよぉ!」


八島『はぁ……はぁ…』


八島「もう終わりにしよっか。そこそこ楽しかったよ」


八島「バイバイや……」ゴポッ


八島「あ……………………?」


八島「なんで…あたし……が……?」


八島「ふざけるな……あたしは八島…この世界の……」ドロッ


八島『だから…だよ……』


八島『お前はそうだから……負けたんだ…』


八島「なに…を…………」

八島『お前は…八島であることに固執して…ずっとそのままだった……』


八島「当たり前だろぉ……あたしは…神……ごばっ…」ビチャッ


八島『あたしはずっと前に進んできた……お前とは違う……』


八島「違う…お前も八島だ……」


八島『そう…あたしはほとんどお前…だけど…たった一つ違う所がある…』


八島『あたしは…運命と…自分の名前と戦う覚悟を持った……』


八島「そんなもの…無意味……『八島』が世界を滅ぼすのは…確定してるんだよぉ……」


八島『じゃあなんで…お前は負けたの……?』


八島「き……ひ…」

八島『この物語で…一番弱いのは…何も変わらなかった…変わろうとしなかった奴だ…』


八島『この世界は…龍驤があの子…富士を見殺しにしたことで…生まれた…』


八島『その龍驤でさえ…変わった……運命と…戦う覚悟を持った…』


八島「認め……ない…あたしは……認めないぃ…!!」


八島『お前はもう二度と…この世界に入ってこれない…八島は…あたしの名前だ…』


八島「神が居なくなった世界は……」


八島『誰もがどんな形であれ…変わって話を紡ぐ…もうお前は…必要無い……』


八島「き…ひ…ひ………」


八島「あたしを消しても…北上の腹の中はもう…遅いんだよぉ…」


八島『お姉ちゃん…あたし…やったよ…』


八島「あたし……は…」


八島『八島の名において…下知を下す…』スッ


八島「き、ひ…ひ……」


八島『下2』

八島『帰って…こい…』


八島「は…ぁ……?」


八島『お前もあたしなんだ…違いはだった一つだけ…』


八島『これからは『八島』は…世界を滅ぼす名ではなくなる…』


八島「だから…それは……」


八島『あたしがそうする…して…みせる……』


八島「……」


「…」
「…」
「…」
「…」


八島『貴方達も…あたしと一緒に見届けて……』

八島『人と艦娘と深海棲艦が…手を取り合って共に歩める世界…』


八島『貴方達も…それを望んで……』


「…」
「…」
「…」
「…」


八島「あ、あ、あ、あ、あ……」


八島『手遅れなんかじゃない…北上のお腹の子も…祝福されて生まれてくるんだ…』


八島「扉でも無いくせに…そんな能力…あるわけ…」


八島『全て無理だとしても……絶対にできる…』


八島『あたし達は…変われるんだ…』


八島「……」


八島「…………」


八島「………………」


八島『……ありがとう』


八島『皆んな…ありがとう…』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー

八島『名前のない登場人物は存在することができない』


八島『逆に言えば、名前があればこの世界に存在することができる』


八島『かつて名前を奪われた八島は、外側から自分が望む世界を創った。だから、今度は外側から世界を見守るつもりなのかもしれない』


八島『でも、それだとやっぱり寂しいから、さ……』


八島『あたしが新しい名前を付けるのはどう、お姉ちゃん?』


「……」


「私はもう…あの子と同一の存在になってしまったの…だから力も無ければ名前も無い…」


八島『安心して、あたしはお姉ちゃんの名前なんか呼んで無いから。ただ『お姉ちゃん』って言っただけだよ?』


「そう…そうね…私ったら…何を言ってるのかしら…」


八島『お姉ちゃんの手を借りなくても、この世界はあたしが守ってみせるよ』


「強く…なったわね……」

八島『あ"!あぁ~…』


「どうしたの…?」


八島『…あのさお姉ちゃん、あんなこと言っといてなんだけど一つ相談していい?』


「ええ…」


八島『八島が残していったヤシープ…あれって放置したら絶対ヤバイよね?』


「そうかもしれないわね…」


八島『中身は無くなってちょうど器があるし…入っとかない?』


「……」


八島『外側にお姉ちゃんを残しておくのも有りなのは分かってるよ!でもヤシープを放置するのを考えると…』


「それを決めるのは私じゃないわ…」


八島『…だよね。じゃ、お願いしようかな』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

八島『それはダーメ、だってまだあたしの番は終わって無いもん』


「貴女で終わらせてたくないんじゃないの…?」


八島『どうして?』


「まだ信用されていないとか…」


八島『……』


「とにかく…もう一度聞いてみましょう…」


八島『…お願いします』


再安価 下2

八島『あ"ー!えー!?』


「ふふふ…期待してるわよ八島…」


八島『あたしって裁縫得意なの!?』


「そうかもしれないし…そうじゃないかもしれないわね…」


八島『なんでそんな安価…!』


「いいじゃない…これも楽しみの一つよ…」


八島『羊のぬいぐるみをどうやって人形にしろっていうのさぁ!?』


「私の器よ…頑張って作って…」


八島『やってやる…八島を倒すよりは簡単なはずなんだ!』


「応援してるわ…」


八島『以上八島でした!くそぉ…少しでも女子力があるところを見せつけてやる!』

ーー


富士「もう大丈夫」


菊月「何がだ」


富士「その未来は無くなったと思うよ」


曙「根拠も無しにそんなこと言わないで!」


富士「なんとなくだけど分かるもん!」


望月「あたしは信用してもいいと思うよ。また予知が見えるようになったからね~」


リュウジョウ「望月が予知できるってことは、ウチらが死ぬ未来が無くなったっちゅうことやな」


望月「そういう風に解釈できるね」


菊月「…分かった、だが最悪を免れただけだ。引き続き警戒は続けるぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


多摩「富士」


富士「ん?」


多摩「おみゃーの名前…何か違和感があるにゃ」


富士「どういうこと?」


多摩「上手く言葉にできにゃいけど、なんか違う感じがするにゃ」


富士「むぅ~猫さんは私をいじめるんだ!」


多摩「そのつもりは無いにゃ」


富士「いじめてるのと同じだもん!」


多摩「にゃあ…」

富士「私はずっと富士だもん!お父さんとお母さんが付けてくれた名前なんだよ!」


多摩「まぁそのうち慣れると思っておくにゃ」


富士「むぅぅぅぅ~~!」


菊月提督「こら、食堂で暴れるんじゃない」


富士「お父さん!猫さんが私をいじめるの!」


深海海月姫「あら…それは良くないわねぇ。仮にもここの艦娘でしょう?」


多摩「いじめてなんか無いにゃ。ただ違和感の話をしてただけにゃ」


菊月提督「多摩、分かってると思うが富士が本気を出せばとんでも無いことになる。誤解だったとしても気をつけてくれ」


多摩「にゃ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

夕張「菊月提督ーーー!!」ダダダッ


菊月提督「鎮守府の中は全力で走る場所じゃないぞ」


夕張「走りたくもなりますよ!!北上さんが破水したんです!!」


多摩「北上っ!!」ガタッ


深海海月姫「北上はどうしてるの?」


夕張「とりあえず医務室に運んで寝かせました!」


菊月提督「病院に連絡は?」


夕張「とっくに終わってますよーー!!」


菊月提督「分かった、こっちでも出来る限りのことはしよう」

ーー医務室


北上「あーーうーー……」


憲兵「北上…」


北上「めっちゃ痛い…死にそう…」


憲兵「…頑張ってくれ……」


北上「手……握って…」


憲兵「……」ギュッ


北上「ん…ふふ……い…」


北上「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」ギチッ


憲兵「……っ!」


北上「死ぬ…死ぬ!!痛い……あぁぁ…!!」


憲兵「北…上……!」


憲兵「頑張るんだ…もうすぐ……病院に…」


北上「い…いいいっ……!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ピーポーピーポー……


憲兵「よし…救急車も来たな…」


多摩「もう間に合わないにゃ!」ガチャッ


憲兵「なに…?」


多摩「夕張から聞いたにゃ!もう頭が半分出てるらしいにゃ!」


憲兵「なんだと……?」


多摩「ここで産むしか無いにゃ!!」


憲兵「だが…そんな設備は…」


多摩「設備は無くとも人手はあるにゃ!」


利根「吾輩に任せるがよい!」


憲兵「……頼む。北上は大切な…」


利根「御託を並べる暇があるなら手伝え!」


憲兵「…分かった」

ーー


北上「うぅぅぅぅぅぅぅーーーー!!」


憲兵「本当にこれでいいのか…?」


利根「タオルを噛ませるしか無い!ここは病院では無いぞ!」


多摩「頑張るにゃ北上!!」


北上「むぅあぁぁぁぁーーーー!」


憲兵「北上…北上……」


利根「もう少しじゃ!頑張れ!」


多摩「北上……!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ぎゃぁ……ぎゃぁ……


菊月提督「…無事産まれたようだな」


深海海月姫「ここまで声が聞こえるもの、元気なのがよく分かるわ」


菊月提督「……人間と深海棲艦も、共に生きれる世界になれば…」


深海海月姫「そうねぇ…きっと素晴らしい世界よねぇ」


菊月提督「……」


深海海月姫「あなたの言いたいことは分かるわ…人間と艦娘の間に子どもが産まれるなら…深海棲艦だって…」


菊月提督「深海棲艦も……俺は…」

菊月「そこまでだ」


菊月提督「……」


菊月「最近その女に構い過ぎじゃないのか」


深海海月姫「子育てには夫が必要なのよぉ」


菊月「提督、そんな事を考えるより目の前の女を愛することを優先しろ」


深海海月姫「フフっ…言われちゃったわねぇ」


菊月提督「……」


菊月「北上のせいで仕事が増えた。サボる暇があるなら働け」


菊月提督「…あぁ、そうしよう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


北上「ごめんねぇ…」


憲兵「ん…?」


北上「ずっと握ってたから…手がすごい事になっちゃてるじゃん…」


憲兵「お前に比べたらこんなのなんでも無い」


北上「そっか…」


憲兵「…良く頑張ったな」


北上「えへへ…憲兵の子どもだもん…そりゃあ頑張っちゃうよぉ…」


憲兵「……ありがとう」ボソッ


北上「え…なんて……?」


憲兵「…なんでもない」


北上「へへ…そっか……」

きたかみ「……」


憲兵「これから忙しくなるな」


北上「そうだねぇ…」


憲兵「しばらく変態行為もお預けだな」


北上「まぁうん…あたしもお母さんだし…そのくらい我慢…天出来るかなぁ…」


憲兵「おい」


北上「だってさぁ…全裸でリード付けて散歩って…ヤバイじゃん…?」


憲兵「何度も言ってるがな、あのプレイは俺に得は無いんだ」


北上「自分の女が…気持ち良くなってるんだよ…?男として…得じゃん…」


憲兵「……」


北上「あたしと一緒に居てくれるなら…ある程度の覚悟も必要ってこと…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


龍驤「おめでとうな北上ーー!」


北上「いやぁ~皆んなありがとうね~」


神通「元気な女の子…でしたよね…」


北上「そ、現代艦娘のきたかみだよ~」


黒潮「食べもんはここに置いとくわなぁ」ゴソッ


北上「こんなに沢山悪いねぇ~」


龍驤「遠慮せんと食べてな!霞もおめでたでめでたいことが続いとるからな!」


北上「マジ!?」


神通「提督も…喜んでいました…」


北上「そうか霞が…うん、本当に良かったよ~」

黒潮「現代艦娘やから子育ても大変やなぁ」


北上「楽な子育てなんか無いって。ま、ガングートには頼らせてもらうけどね~」


神通「それ以外でも…困ったことがあれば教えて下さいね…」


北上「もちろん、頼りにしてるよ。ねぇ龍驤さん?」


龍驤「当たり前やで北上」


北上「…あーもう本当に幸せ。あたしがこうなってるんだから、龍驤さんも幸せになっていいんだよ?」


龍驤「そうやね、ウチも幸せになれるように努力する。簡単には諦めへんよ」


北上「とりあえず診断書を誤魔化すのを止める所からだろうね」


龍驤「大丈夫や、最近はちょっとしか誤魔化して…」


北上「ちょっと?」


龍驤「……あ」


神通「龍驤さん、その話を詳しく説明して下さい」


黒潮「このアバズレ…!まだ懲りへんのかお前は!!」


龍驤「違う違う!今の無し!ウチは何も言うてない!!」


北上「騒がしいかもだけど慣れてね~この人達はこれで普通だからね~」


きたかみ「んぁ~」


ーー

このスレはここまでです


次スレでも宜しくお願いします

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