風野灯織「勘違いらぷそでぃー」 (16)

事務所

灯織「おはようございま……」

P「おお真乃!ありがとな!」

真乃「はいっ!喜んでもらえて嬉しいです」

灯織(今2人の邪魔したら悪いかな。話にひと段落ついてから声かけよう)

P「ピーちゃんとか、鳩に詳しいのは知ってたけど地鶏も詳しいとはなあ」

灯織(自撮り……!?真乃、そういうのも詳しかったんだ……)

真乃「別にそこまで詳しいわけでもないですよ?偶然いいのを知ってて……」

P「でもあんなにいいものだとは思わなかったよ」

灯織(あ、お仕事用の写真なのかな。事務所のツイスタに載せる写真のチェックとか……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1596894816

真乃「ふふっ。また送りましょうか?」

P「いいのか?嬉しいけどそんな安いものじゃないだろうしなあ」

灯織(お、お仕事用ではなさそう……プライベートの話みたい)

灯織(でも真乃、自撮りを結構撮るタイプの人だったんだ……今まで気づかなかった)

真乃「それもそうですけど……じゃあまたいい事があったらお祝いにしましょう!」

P「そうだな、それがいい。俺も楽しみだ。さてと、今日も頑張ろうな!」

真乃「がんばりますっ!むんっ!」

P「あれ、灯織来てたのか」

真乃「おはよう、灯織ちゃん!」

灯織「あ、ああ……おはようございます、プロデューサー。それと真乃」

真乃「じゃあ私、早速レッスンに行ってきますね!」トタタタタタ

灯織「うん。頑張ってね」

P「頑張れよ!」

ガチャ バタン

灯織「それで、プロデューサー」

P「ん?どうかしたか?」

灯織「プロデューサーは自撮りを貰ったら嬉しいんですか?」

P「地鶏を?そりゃあ嬉しいけど」

灯織「それがもし……私みたいな人のだったとしてもですか?」

P「?誰から貰っても嬉しいと思うけど」

灯織「そうですか……」

灯織(私は、プロデューサーさんに上手く感謝を伝えられていない……それなら感謝の気持ちを込めて嬉しいと思って貰えるものを送るのは自然……だよね)

P「胸(肉)は昨日貰ったから次はもも(肉)が欲しいかなあ」

P「なーんてな!仕事仕事!」

灯織(そ、そういう趣味なんだ……胸に自信があるわけでもないし、好都合かも)

灯織(真乃、胸の自撮りを送ったんだ…………だ、大胆……)


────────

その日の夜

灯織「お風呂にも入ったし、そろそろ撮って送ろうかな……」

灯織(ももが直接映るようにしないと……流石に下着で撮るわけにもいかないから、ショートパンツかな)イソイソ

灯織(よし、これで準備オッケー。パシャ、っと)

灯織(自撮りとかよくわからないけど、これでいいのかな……)

灯織(でも、誰からでも嬉しいって言ってたし…………)

灯織『今日言ってた自撮りです。感謝の気持ちを込めて送ります』

灯織『いつもありがとうございます。喜んでもらえたら嬉しいです』(自撮り写真)

灯織「恥ずかしいけど、こんな感じかな」

灯織「真乃もやってるんだし……いいよね」

灯織「送信っと……」


──────

P「ん、灯織から連絡か」

P「どれどれ……」

P「な、なんだこれ!いきなりどうしたんだ灯織…………」

P「と、とりあえず電話電話!」

プルルルルルル プルルルルルル

ーーーーーーーーーー

灯織「あ、既読。喜んでもらえたかな」

ピンポ-ン

灯織「この時間になんだろ……宅配便?」

灯織「はーい!今行きまーす!」トタタタタ


プルルルルルル プルルルルルル

宅配便「ありがとうございましたー!」

灯織「誰からだろって……真乃?これは……地鶏?」

灯織「地鶏…………まさか!」

灯織「これ、もしかしてプロデューサーにも…………それで地鶏って……自撮りじゃなくて地鶏…………」

灯織「よ、よく考えたら真乃の自撮りなんで見たことないし……」

灯織「ぷ、プロデューサー!!!!!」


───────────


翌日 事務所

灯織(はぁ……昨日は散々だったな)

灯織(あのあと電話で誤解してたことは伝えたし、写真も消してもらったけど……私、あんなことを……)

P「レッスンお疲れ、灯織」

灯織「あ、ありがとうございます……」

P「元気なさそうだけど、そんなにレッスンが大変だったか?」

灯織「いえ……それより昨日の…………」

P「ああ、気にしないで欲しい……ってのは無理な話か。勘違いに気づかなかった俺にも悪いところがあるし」

灯織「でも……」

P「それじゃあこういうのはどうだ?俺は灯織のそういうところも魅力的だと思うぞ!」

灯織「そ、そうですか…………ずるいです、そんなの」

P「ははっ、そうかな」


グゥ---


P「あー……締まらないなぁ」

灯織「プロデューサー、お昼はまだなんですか?」

P「ああ。ちょっと立て込んでててな。今やってるのが終わったら食べようかと思ってたんだけど」

灯織「それなら昨日のお詫びも込めて私が何か作ります」

P「いや、悪いし良いよ。それに冷蔵庫の中に何も入ってないしな」

灯織「じゃあ何か買ってきて……」

P「灯織もレッスンで疲れてるだろ?気持ちだけで嬉しいよ」

灯織「でも……」

P「じゃあ、キッチンに買ってきたカップ焼きそばがあるからそれを作ってくれないか?買っておいたんだけど、作るタイミングもなくてさ」

灯織「わかりました。でも、カップ焼きそばを作ったことがなくて……」

P「灯織はいつもちゃんと自炊してるもんなあ、偉いと思うよ」

灯織「いやそんなこと……」

P「作り方はパッケージに書いてあるからそれを見てくれたら大丈夫だと思う。簡単だし」

灯織「わかりました。完璧に仕上げて見せます!」

P「灯織はこういうことにも真面目だなあ」


─────────

キッチン

灯織「さて……と」

灯織(プロデューサーが言ってた通り、ちゃんと置いてある。これがカップ焼きそば……)

灯織(初めてだからちゃんと作り方を読まないと)

灯織「まずは蓋を開けて中からソースとかやくを取り出す…………火薬!?」

灯織「た、食べ物に火薬なんてそんな……危なくないのかな」

灯織「次にかやくを開けて中に入れる……火薬を!?」

灯織(あ、危なそう……!プロデューサーさんにこんな…………)

灯織(いや、プロデューサーが作ってくれって言ったんだから私もちゃんと作らないと。プロデューサーが危ないことを私に命じるはずがないし、きっと火がついたり爆発したりしない火薬なんだと思うし)

灯織「次に、熱湯を内側の線まで注ぎ3分待つ……」

灯織「ね、熱湯!?火薬が入ってるのに…………流石に危ないんじゃ」

灯織(いや、私はプロデューサーを信じるって決めた。だから大丈夫……!)

灯織「湯は湧いた…………まずは蓋を開けないと」ペリペリ

灯織「まずはここまで……?半分しか空いてないけど」

灯織「もうひとつ開け口があるみたいだけど……いや、指示には従うべき」

灯織「次に中からソースとかやくを取り出す」ソ-

灯織「よし、なんとか取り出せた。爆発するかもしれないから慎重に扱わないと」

灯織(これがかやく……あんまり火薬っぽくは見えないけど。固まったキャベツみたいな感じ)

灯織「とりあえず開封して……かやくを中に…… 」

灯織(よし、なんとか爆発せず入れられた)

灯織(これに熱湯を内側の線まで注がないと……火薬に熱湯………… )

灯織(ば、爆発するかもしれないしできるだけかやくをさけて……あっ!線まで注ごうとすると火薬に熱湯が触れちゃう!?)

灯織「いったいどうすれば……真乃……めぐる…………!」

灯織(いや、これは私に頼まれたことなんだから私が成し遂げないと。プロデューサーの期待を裏切ることになってしまう)

灯織(プロデューサーは書いてあるやり方通りにやればいいと言った……なら私もそれを信じるだけ!)

灯織「内側の線まで……熱湯!」

灯織「………………」

灯織(よ、よかった……爆発しなかった………… )

灯織「とりあえず3分……残りの作り方を確認しないと」

灯織(えっと……3分後、熱湯を捨ててソースをかけて完成………… )

灯織「熱湯を捨てる……!?いったいどうやって…………あっ!」ペリペリ

灯織(そのためにもう一つの開け口がこんな形状になっていたんだ…………すごい、工夫されてる)

灯織(これで両端を持ってお湯を捨てる……)ジョボボボ

ベコンッ

灯織「……っ!」

灯織(そっか、熱湯だからシンクが……)

灯織「お湯は捨てられた、次は……!」

灯織(ソースをかけてよく混ぜてお召し上がりください……あと少し!)

灯織(とりあえず蓋を全部取ってと。それからソースをかけてよく混ぜる)

灯織「よし、完成!」

灯織(それにしてもかやくってなんだったんだろう……このキャベツみたいなのがかやく?爆発するのとは違うのかな)


──────────


灯織「プロデューサー!」

P「お、灯織。出来たか?」

灯織「はい、初めてでしたがなんとか。どうぞ」

P「おーありがとう。良くできてるじゃないか」

灯織「いえ、そんなこと……少し疑問があったんですが」

P「ん?なんだ?」

灯織「このかやくなんですが……」

P「ああ!確かに聴きなれない言葉だよな」

灯織「爆発しないんですか?」

P「爆発する食べ物は食べたくないなあ」

灯織「ですよね。爆発するかと思ってびっくりしてしまいました……」

P「はは、灯織は真面目だなあ」

灯織「知らなかったんだからしょうがないじゃないですか!」

P「悪い悪い」

灯織「でも……プロデューサーが私に危険なことをさせるわけないって信じてましたから」

P「灯織……」

灯織「さ、冷めてしまいますよ!早く食べてください」

P「そうだな。いただきます」

モグモグ

P「うん、美味しいよ」

灯織「それはよかったです。初めて作るものでしたから……」

P「よかったら灯織も食べてみるか?」

灯織「え!でもそれはプロデューサーが……」

P「あっ!悪い、俺が口をつけたものは嫌だよな」

灯織「いえ、別にそう言うわけじゃ……食べさせてもらえますか?」

P「お、おう……」

ア-ン


2人で仲良くカップ焼きそばを食べました


????? ???

>>12
最後文字化け、正しくは「Happy End」

以上です。
ありがとうございました。

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