P「そろそろ他の事務所に行きたいんですけど」 (145)
社長「どういう意味かね…?」
P「僕は社長に拾われた身です。ですから全力で765プロの為に頑張ってきました」
社長「そうだろうね、君の頑張りのおかげで彼女達は立派なアイドルになっているよ。本当に感謝してる」
P「でしょうね。時には自分の身を汚してまで仕事を取ってきてましたから…」
社長「しかしだね、何故急にその様な事を?今辞められては私もそうだが何より彼女達が困るのでは無いのかね」
P「あはは、確かにそうですね。この事務所にはプロデューサーが僕を含め2人しかいませんし」
社長「そうではなく、彼女達は君の事を
P「けど律子なら大丈夫ですよ、僕なんかよりよくやってますし」
社長「ううむ……ちなみに、どこの事務所に行くのかは決めているのかね?君程の実力ならどこも欲しがると思うが」
P「……876に行きたいんですけど」
社長「876…?」
P「はい、876です」
社長「何故876なんだ?もっとこう、他にいい所は有るとおもうんだが」
P「……」
社長「理由は、言えないのかね?」
P「はい、言えないんですけど行くなら876がいいかなと」
社長「……今この事務所には君が必要なんだ、私の我儘なのは分かっている。だからその話を通すわけにはいかないんだ」
P「そうですかぁ、わっかりました」
社長「うん?なんだ、やけに軽い気がするのだが」
P「ダメ元でしたからね、じゃあ僕はこれからも765で頑張ります」
社長「そうか、ありがとう」
P「いえいえ、じゃあ失礼しました」
バタン
~事務所~
P「……」
小鳥「プロデューサーさん、お茶淹れましたよ~」コトリ
P「……」
小鳥「プロデューサーさん?どうしたんですか、俯いて…あぁ分かりました、社長に怒ら
P「あぁぁあぁぁああ!!!」
小鳥「ひっ!ど、どうしたんですかプロデューサーさ
P「876に行きてぇよおぉぉお!!」
小鳥「……は、はい?」
P「愛ちゃんに五月蝿いくらい喋りかけられたいよぉぉ!絵理ちゃんに心配されながら仕事しでみでぇよぉおぉ!」
P「涼ちんにお前の正体知ってるよって言ってドギマギした関係で常に主導権にぎりだいんだよぉおぉ!」
小鳥「あの、だ、大丈夫ですか?」
P「こんな、こんなおばさんにお茶淹れられだぐねぇんだよおぉ…」
小鳥「おばっ!?私はまだおばさんじゃありません!」
P「はあぁ…」ズズズー
小鳥「あのぉ、いったい社長とどんな話をしたんですか?」
P「765辞めたいって言ったんですよ」
小鳥「ぶふっ!!」
P「……唾飛ばさないでください」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん?!な、何考えてるんですか!?」
P「だから、765を辞めようかなと」
小鳥「み、皆今が正念場なんですよ?!ば、馬鹿な事言わないでください」
P「そうですかぁ?だってもう皆Aランクアイドルなんですよ?律子一人で大丈夫でしょ」
小鳥「大丈夫じゃありませんよ……律子さんはほら、竜宮小町で手一杯なんですから」
P「そう、そこ」
小鳥「はい?」
P「よーく考えたら僕って竜宮小町の3人以外のアイドル全員を抱えてるんですよ?」
小鳥「まぁ、そうですよね」
P「僕は…いや、俺は社長の奴隷じゃないんですよ」
小鳥「奴隷って…」
P「小鳥さん、知ってますか?」
小鳥「な、何をですかね…」
P「俺と律子の給料って2万程度しか変わらないんですよ?しかも俺の方が下!年上なのに下!」
P「俺は毎日毎日知らない人に頭を下げたりお尻を差し出したりしてるのにこの始末…やってられないんですよ」
小鳥「け、けどプロデューサーさん?765を辞めて876に行っても給料面じゃここの方が
P「華が有るんですよ」
小鳥「は、華ならここの方が!皆可愛らしい子たちじゃないですか」
P「アレがですか?」
小鳥「あ、アレって…」
P「あのリボンを取れば誰か分からなくなる春香?ちょっとメンヘラ気質の千早?いつまで経っても餓鬼っぽさが消えない真美?」
P「ぶっちゃけただの貧乏人のやよい?男っぽさ前回の真?未だに男性が苦手な雪歩?」
P「極め付けは引き抜きのフェアリー組……華なんて無いんですよ」
小鳥「……ちょ、ちょっと落ち着きましょうよ。お菓子ならここに有りますから」
P「もうウンザリなんですよ…ちょっと仲良くなったと思って仕事用じゃなく自分の電話番号を交換したのが間違いだったんですよ…」
小鳥「なんでですか?いい事だと思いますけど」
P「……小鳥さんはLINEとかやってるんです?」
小鳥「いえ、やってませんけど」
P「これ、電話番号だけでメールみたいなのをやり取り出来るんですけどね……ウザいんですよ」
小鳥「ウザい?」
P「俺もですね、入りたての頃は早く皆と打ち解けたいからって皆と連絡とってたんです……それが間違いだった」
P「女の子ってね、返事一つ返ってこないだけで凄いんですよ…」
小鳥「そんなもんなんですかねぇ?私は別にそこまで気にしませんけど」
P「みんながみんな小鳥さんみたいならいいんですけどね…」
P「まず最初に美希なんですけどね…」
小鳥「あ~、一番仲良さげですもんねぇ」
P「見てくださいよこれ」スッ
小鳥「へぇ、これがLINEってやつなんですねぇ……あれ?これ、美希ちゃんが送ってるんですよね?」
P「えぇ、左側が美希の送った言葉なんですけどね…」
小鳥「美希ちゃんしか送ってないですよ?それになんか、こう…」
P「一言しか書いて無いでしょ?最初になんか意味不明なこと送られて放置してたらこれですよ」
小鳥「ハニーとしか書いてないのを何件も送ってますね…」
P「まぁ美希は可愛いもんですよ、明日になって愚痴をこぼされるだけですから」
P「次に響なんですけどね」
小鳥「うわぁ、自分の動物を送ってますね!これって画像も送れるんですか」
P「……これ見て、どう思います?」
小鳥「えっ?どうって…可愛いなぁと思いましたよ?」
P「そうですよね、最初の内はね」
小鳥「……まさか、響ちゃん」
P「えぇ、響ふアレですね、写真しか送ってこないんですよ」
小鳥「……」
P「しかもですね、俺が可愛いねとか感想送るじゃないですか?そしたらまた何も言わず画像が送られてくるんですよ」
小鳥「うぅ、それはちょっと困りますね」
P「無視したら無視したで翌日文句言われるんですよ、感想欲しいぞ~って」
小鳥「ちょ、ちょっと面倒ですね」
P「まぁ響もまだ可愛いんですよ…次はまた引き抜き組なんですけど」
小鳥「……なんですかコレ?」
P「知りませんよ、ポエムかなんかなんじゃないんですか?」
小鳥「ポエムでは無いですよね?小難しい言葉を並べてるというかなんと言うか」
P「しかもですね、貴音って目が悪いじゃないですか」
小鳥「あぁ、確かにそうですね」
P「たまに本当に意味不明な言葉を送りつけてくる時が有るんです」
小鳥「打ち間違えですよね?可愛いじゃないですか」
P「……それを送ったのが余程恥ずかしいんでしょうね、毎回そうなると電話を掛けらて泣きながら謝られたり」
小鳥「あ~、そう言えば泣き虫な所も有りましたねぇ」
P「なんていうかこう、すんごい面倒臭いんですよ彼女は」
P「次は春香なんですけど」
小鳥「……あっ、すみませんプロデューサーさん、なんか変な画面になっちゃいました」
P「へ?あぁ、ブロックリストですか。大丈夫ですよ、貸してください」
小鳥「あの、プロデューサーさん?」
P「はい?」
小鳥「このブロックリストって言うんですか?この中に千早ちゃんと雪歩ちゃんの名前があるんですけど」
P「……」
小鳥「……(あれ…もしかして聞いちゃマズイ事だったの?)」
P「この二人は論外なんです、ベクトルが他の子と違うんです」
小鳥「そ、そうなんですか…」
P「えぇ、違うんです……春香なんですけどね」
小鳥「え?は、はい」
P「春香はなんていうか、こう…」
小鳥「こう…?」
P「近すぎるんですよ、何もかも」
小鳥「近すぎる?」
P「はい、俺はプロデューサー、春香はアイドルなんですよ?それなのに春香はあくまでそんなの関係なく接してこようとしてくるんです」
小鳥「はぁ…(それってただ単にプロデューサーさんの事が好きなだけなんじゃ)」
P「美希もそうなんですけどアレはなんていうか甘えてくる我が子って感じなんですけど、春香の場合は俺を異性として接してこようとしてるんですよ」
小鳥「べ、別にいい事なんじゃないんですか?」
P「いやいや、俺達はプロデューサーとアイドル、それ以上でも以下でも無いんです。一線を越えるなんてダメなんです」
小鳥「そりゃあまぁそうですよね、もしそんな事が起きたらファンの人達がなにしてくるか分かりませんし」
P「だから春香は面倒なんです…嫌じゃないんですけどね、ただこう、俺達の関係ってのを理解してないみたいで…」
小鳥「あはは、春香ちゃんらしいですねぇ」
P「次に真なんですけど」
小鳥「真ちゃんは面倒な事は無いと思いますよ」
P「はい、真は正直一番絡み易いですね、夜遅くまで連絡取り合う事とかしょっちゅうですよ」
小鳥「おぉ!それなら良かったじゃないですか」
P「真は空手やってますからね」
小鳥「そうですよねぇ、真ちゃんは空手やってますからねぇ」
P「あははは」
小鳥「うふふふ」
P「みんな小鳥さんや真みたいだったらいいんですよ…」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん…」
P「まぁこんなとこですかね、LINEは」
小鳥「あれ?やよいちゃんは」
P「……」
小鳥「あっ…」
P「ちなみに、真美はLINEでやりとりしてないんです」
小鳥「へぇ、一番やりそうなんですけどねぇ」
P「真美とはメールでやり取りしてるんです」
小鳥「へ?どうしてですか?」
P「さぁ?本人曰くLINEだと亜美に見られるかもしれないから嫌だって言って」
小鳥「へぇ~」
P「何ニヤついてるんですか?」
小鳥「なんでもないですよ~」
P「まぁ真美のメールに気づけないのがよく有るからしょっちゅう文句言われてるんですけどね」
小鳥「え?」
P「いや、サイトメールとか有るじゃないですか?それを消す際によく真美のメールも消しちゃうんで」
小鳥「あ、あはは…」
P「だから面倒なんですよ、LINEならそういう事ないんですけど」
P「後はですね、一番面倒なのが電話なんです」
小鳥「う~ん、きっとプロデューサーさんが765を嫌になったのは電話ですよね」
P「そうなんです……本当にストレスの元で」
小鳥「ち、ちなみに一番面倒なのは」
P「千早」
小鳥「そ、即答ですね…」
P「はい、千早が頭一つ抜けてます、時点で貴音ですかね」
小鳥「あれ?雪歩ちゃんが2番目じゃないんですね」
P「拒否してますから」
小鳥「oh…」
P「雪歩はこうしないと俺がストレスで鬱になっちゃいますからこれでいいんです」
小鳥「それ、雪歩ちゃんから嫌われてるんじゃないんですか?」
P「こんなんで嫌いになってくれたら本望なんですけどね…」
小鳥「ち、ちなみに皆とはどんな連絡を?」
P「俺からの時は仕事の事しか話しませんよ。まぁLINEで送ってますから俺から電話する事はほとんど無いんですけどね」
小鳥「……あのぉ、ちなみに伊織ちゃん達とは連絡取り合って無いんですか?」
P「伊織?あぁ、とってないですよ。亜美やあずささんとは取りますけど」
小鳥「えっ?な、なんで伊織ちゃんだけ取り合って無いんですか?」
P「伊織には嫌われてますからねぇ」
小鳥「それ、絶対プロデューサーさんが何かしたんじゃないんですか?」
P「え?特に嫌われる様な事してないですよ?事務所に顔を出した時にデコにキスマーク付けるくらいですけど」
小鳥「……」
小鳥「それ、止めた方がいいですよ」
P「なんでですか?」
小鳥「デコにキスマークって…仕事終わりならいいですけど」
P「そこは分かってますよ。それに伊織達が事務所に顔を出す時はレッスンの時が仕事終わりですから他人に見られて面倒な事にはなりませんし」
小鳥「と、とにかく今後伊織ちゃんにそんな事しないでください!」
P「そうですか…」
小鳥「当たり前です!」
P「じゃあ今度から小鳥さんにしてもいいですか?」
小鳥「へっ…?え、えぇえ!?私にですか?!」
P「あはは、しませんよそんな事」
小鳥「と、年上をからかわないでください!」
小鳥「おほん、それで電話の件なんですけど、貴音ちゃんが面倒ってどういうことですか?しっかりしてると思うんですけど」
P「う~ん、貴音は電話してる時はいいんです」
小鳥「ならなんで2番目なんですか?」
P「……ほら、貴音って泣き虫じゃないですか」
小鳥「は、はい…それがなにか」
P「電話を切ろうとするとですね、泣くんですよ」
P「そっからが長いんです…毎回貴音との通話は30分は間違いなく超えるので」
小鳥「け、けどそれはプロデューサーさんの事が
P「俺達はプロデューサーとアイドル、恋愛感情なんて持ち込んじゃダメなんです。それを貴音は理解してくれないんです、だから面倒なんです」
小鳥「プロデューサーの鑑ですね」
P「だから小鳥さんとだったら恋愛感情持ち込んでもいいかななんて思ってたり」
小鳥「そ、その手には乗りませんよ」
P「えっ…」
小鳥「えぇ!?」
P「あはは、嘘です」
小鳥「次言ったらげんこつですからね」
P「えーっと、電話の件に戻りますけど。千早はひとまず置いといて苦手な奴を紹介していきますね」
P「まずは響」
小鳥「う~ん、響ちゃんも面倒ってイメージは無いんですけど」
P「ワン切り」
小鳥「へっ?」
P「響はですね、何か俺に用事というか話したい事がある時にですね……ワン切りしてくるんですよ」
小鳥「えーっと、もしかしてそれって」
P「通話料ですね、俺は響と会社が違うのであいつはそれが嫌なんでしょうね」
小鳥「……」
P「別に俺に一言言ってくれれば良いんですよ、けど毎回毎回ワン切りされるんでこっち側としてもなんかイラってくるんですよ」
P「次に美希ですかね」
小鳥「どうせ電話がしつこいとかなんじゃないんですか?」
P「それもなんですけど、美希はそれプラスLINEのコンボが精神をガリガリと削ってくるんで…」
小鳥「美希ちゃんらしいじゃないですかぁ、プロデューサーさんと仲良くなりたいがためなんですから」
P「……一回ですね、実は美希から告白された事があって」
小鳥「ええぇ!?」
P「もちろん断りました、けどそれから美希の奴、事務所はおろな学校にも行かなくなっちゃって」
小鳥「あ~、確か半年前にそんな事ありましたよね」
P「だから出来るだけ相手しないとマズイかなって思ってLINEはともかく電話は出てやろうと思って連絡はするんですけどね」
P「自分の事務所のアイドルを好きになるなんてタブーですから」
小鳥「思ったんですけどプロデューサーさんって硬派なんですね」
P「俺は当たり前の事を言ってるだけですよ?」
小鳥「ま、まぁそうなんですけど」
P「小鳥さんはどうですか?こういう男」
小鳥「……」
P「無視ですか」
小鳥「もうその手には乗りませんよ」
P「本気ですよ?」
小鳥「はいはい、話を進めてくださいよプロデューサーさん」
P「……はぁ」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん?」
P「なんでもないですよ…じゃあ話戻しましょうか」
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