男「俺と付き合ってくれ!!」幼馴染「お断りします!」 (33)

――保育園時代

幼馴染「わたし、しょーらいおとこくんのおよめさんになるっ!」

男「ほんと!?わーい!うれしーなー」

幼馴染「やくそくだよ?」

男「うん!!」

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――小学校 低学年

男「一緒に学校行こー!」

幼馴染「うんっ!」

男「ねー、幼ちゃん!」

幼馴染「なあに?」

男「僕、幼ちゃんのこと好きだよ」

幼馴染「うん!私も男くんのこと好きだよ!」

男「えへへ」

幼馴染「えへへ」

――小学校 高学年

男「なに読んでるの?」

幼馴染「わわ!」バッ

男「どうして隠すの?」

幼馴染「あっち行ってよー!」

男「もしかしてイヤラシイ本!?」

幼馴染「違う!!普通の雑誌だよ!!!ほら!」スッ

男「本当だ!じゃあなんで隠したの??」

幼馴染「急に話しかけられたからビックリしただけだよ!」

男「??」

――中学校 一年

男「幼馴染、俺らってずっと一緒にいるよね」

幼馴染「うん、そうだね」

男「これはもう……恋人ってことでいいんだよな?」

幼馴染「え?」

男「え?」

幼馴染「なんで?」

男「だって、俺は幼馴染のこと好きだし」

幼馴染「私も男くんのこと好きだよ」

男「じゃあ付き合おうよ!」

幼馴染「付き合うって恋人になるってことでしょ?」

男「うん」

幼馴染「それはダメだよ」

男「ええ!?なぜ!?」

幼馴染「だって恋人になると……」

男「恋人になると?」

幼馴染「とにかくダメなものはダメ!」

男「そんなぁ」

――中学校 二年

男「好きだ!俺と付き合ってくれ!!」

幼馴染「お断りします!」

男「な、なぜだ……」

幼馴染「ほら、借りてきた映画観よ?」

男「あ、うん」

幼馴染「その後は勉強ね!」

男「ほーい」

――中学校 三年

幼馴染「やった!二人とも合格だよっ!」

男「ああ!やったね!」

幼馴染「これで高校生になっても一緒にいられるね!」

男「その為に頑張ったからね」

幼馴染「えへへ」

男「幼馴染!」

幼馴染「ん?なに?」

男「好きだ!俺と付き合ってくれ!!」

幼馴染「えー、やだ」

男「なぜだーーー!!!」ガックリ

――高校一年 夏

男「むー」

幼馴染「どうしたの?」

男「高校になってから、めっちゃモテてるよね?」

幼馴染「そうかなー?」

男「今日だって呼び出されてたし」

幼馴染「中学校の頃もこんな感じだったよ?」

男「マジ!?初耳なんだけど」

幼馴染「特に言うことでもないと思って」

男「まぁそれはそうだけど……」

幼馴染「私が告白されるのはイヤ?」

男「イヤに決まってるよ!俺は幼馴染が好きなんだから!」

幼馴染「ふふ、私も男くんのこと好きだよ」

男「告白してきた人にはどう返事してるの?」

幼馴染「ごめんなさい、って断ってるよ」

男「ホッ……」

幼馴染「私は誰とも付き合う気はないから」

男「……俺とも?」

幼馴染「うん……」

男「……」

幼馴染「だけど!他の人に対するごめんねと男くんに対するごめんねは全然違うよ!」

男「いや、意味わからんから」

幼馴染「怒ってる?」

男「今更期待なんてしてないよ」

幼馴染「そっか……」

男「……」

――高校一年 冬

幼馴染「わー、綺麗なクリスマスツリー!」

男「幼馴染!」

幼馴染「ん??」

男「やっぱり好きだ!付き合ってくれ!いや、付き合ってください!お願いします!!」

幼馴染「ごめんなさい!」

男「くっ……今回も撃沈だ……」

幼馴染「ごめんね……」

男「もう慣れた!」

幼馴染「でもその気持ちはとっても嬉しいよ」

男「え?」

幼馴染「ありがとう男くん」

男「なら付きあっ――」

幼馴染「それはできません!」

男「なぜだーーーー!!」

――高校二年 春

男「一緒に帰るの久しぶりだな」

幼馴染「委員会で帰る時間が合わないからね」

男「まぁ毎朝一緒に登校してるから、別にいいんだけど……でもなぁ」

幼馴染「ん?どうしたの?」

男「このままどんどん疎遠になっていっちゃうのかなぁって思って」

幼馴染「それは男くん次第だよ」

男「え?どういうこと?」

幼馴染「いつも一緒にいてくれてありがとう!ってこと!」

男「もしかして……今告ったらOKもらえる流れか!?」

幼馴染「いえ、断りますけどね」

男「ですよねーーーー!!!」

――高校二年 夏

同級生「ず、ずっと好きでした……!私と付き合ってください!!」

男「!!!」

同級生「幼馴染ちゃんとは恋人じゃないって聞いてたから、私……その……」

男「おお……おお!」

同級生「え?」

男「告白されたの初めてだったから感動しちゃって……」

同級生「あの、じゃあ――」

男「でもごめん。俺は幼馴染のことが好きなんだ」

同級生「あ……や、やっぱりそうなんだ……」

男「でも告白してくれてすっごい嬉しかった!」

同級生「え?」

男「ありがとう!俺、ずっと忘れないよ!」

同級生「ええ!?」

男「今日、ある女子から告白されてさ」

幼馴染「こ、告白!?」

男「うん。すごく嬉しかったんだ」

幼馴染「え…………」

男「あんまりこういう経験なかったから新鮮で」

幼馴染「やっぱり……男くんはイヤだよね……」

男「?」

幼馴染「恋人になってくれない人なんてイヤだよね……?」

男「あ、それ自覚してるんだ」

幼馴染「……」

男「告白されるのって嬉しいことなんだって思ったんだ」

幼馴染「……うん」

男「だから改めて言うよ。俺は幼馴染のことが好きだ」

幼馴染「男くん……」

男「あ、答えはいらないよ!ただ自分の気持ちを伝えたかっただけだから」

幼馴染「……」

――高校二年 冬

幼馴染「えへへ、今年のクリスマスも一緒だね」

男「来年は受験だから、クリスマスに出かけるのは厳しいかもなー」

幼馴染「そうだねー」

男「幼馴染はどの大学に行くか決めた?」

幼馴染「うん、第一志望は〇〇大学!」

男「〇〇大学!?マジか……俺の頭じゃ厳しいな……」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「男くん、あの……それなら私――」

男「よし、じゃあ俺も〇〇大学目指すわ!」

幼馴染「!!」

男「だから、勉強教えてくれると助かる!」

幼馴染「もちろんっ!!スパルタでいくよ!」

男「お、お手柔らかにお願いします」

――高校三年 夏

幼馴染「ここ最近ずっと勉強漬けだから、たまには息抜きしない?」

男「いいね!……と言いたい所だけど……」カキカキ

男「このままじゃ厳しいしやめとくよ」カキカキ

幼馴染「ぶーぶー」

男「……」カキカキ

幼馴染「男くんとプール行こうと思って水着買ったんだけどなぁ」ボソッ

男「……」ピタッ

幼馴染「受験は夏が勝負っていうし仕方ないよね」

男「……」

幼馴染「……」

男「水着……?」

幼馴染「うん、可愛いやつだよ」

男「この大事な時期にプールで遊ぶとか本気で言ってんのか!?俺たちは受験生だぞ!?そんな誘いに乗るヤツは俺くらいしかいないね!行くぞっ!!」

幼馴染「やったー!」

――高校三年 秋

幼馴染「すごい!この模試の結果ならきっと――」

男「いや、まだ安心できない」カキカキ

幼馴染「う、うん、そうだよね」

男「……」カキカキ

幼馴染「男くんはどうしてそこまで……」

男「幼馴染と一緒にいたいからだよ」カキカキ

幼馴染「……」

男「〇〇大学ってことは一人暮らしすることになるでしょ?」カキカキ

幼馴染「うん……」

男「迷惑かもしれないけど……このまま離れ離れになるのはイヤだったんだ」カキカキ

幼馴染「迷惑なんかじゃないよ」

男「……」カキカキ

幼馴染「すごく嬉しいよ」

男「……」カキカキ

幼馴染「頑張ろうね、男くん」

男「うん」カキカキ

――高校三年 冬

男「……」カキカキ

友「好きな子のためにそこまで頑張れるお前はすげーよ!」

男「ういっす」カキカキ

友「両想いっぽいのになんで幼馴染ちゃんは付き合いたがらないんだろうな?」

男「わかんね……けど」カキカキ

友「けど?」

男「次の告白で最後にするわ」カキカキ

友「え?どういうこと?」

男「合格したら告白をする。それで俺から告白するのは最後にするよ」カキカキ

友「こういっちゃ悪いけど……今までの流れをみると……」

男「うん。成功率は限りなく低いだろうな」カキカキ

友「うーん」

男「ま、フラれても同じ大学だから今後は友人として幼馴染の側にいるよ」カキカキ

友「受験控えてる男にこんなこと言うのは失礼だけど、もしも不合格ならどうすんの?」

男「告白せずに諦める。一緒にいることすら諦める」カキカキ

友「……」

――高校三年 合格発表日

男「そろそろだな」

幼馴染「うん……」ソワソワ

男「オンラインでわかるのって楽だよなー」

幼馴染「うん……って緊張してないの!?」

男「緊張を通り越して新たな境地に達しているところだ」

幼馴染「なにそれー」クスクス

男「あ、もう時間じゃない?」

幼馴染「う、うん……じゃあ確認するよ?」

男「うん」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「……あ」

男「……!!」

幼馴染「ま、間違いじゃないよね?ね?」

男「うん、この番号で間違いない……はず……!!」

幼馴染「やった!!二人とも合格だよっ!!」

男「おお!!夢じゃないよな!?」

幼馴染「夢なのかな!?どう?痛い??」グイー

男「いひゃいれふ……」

幼馴染「あはっ」パッ

男「やったー!!」

幼馴染「男くんすごく頑張ってたもんね……よかった……本当によかった……ぐすっ」

幼馴染「あーやる事がいっぱい!引越し先も早く決めなきゃね!」

男「あ、そうだった……いくつか候補はあるけど、早い者勝ちだもんな」

幼馴染「そこで男くんに一つ提案があります!」

男「提案?」

幼馴染「うん、もしよかったらなんだけど……」

男「ん?」

幼馴染「一緒に暮らすのはどうかなー……なんて」

男「一緒に……暮らす……?」

幼馴染「うん」

男「え?それって……まさか……」

幼馴染「……」

幼馴染「男くんは恋人になるのを拒んでもずっと側にいてくれた」

男「……うん」

幼馴染「ずっと好きって言ってくれた」

男「うん」

幼馴染「それがすごく嬉しいの」

男「幼馴染……」

幼馴染「だから……今度は私から言うね」

男「!!?」

幼馴染「男くんの事が好きです。小さい頃からずっとずっっと好きでした」

男「!!」

幼馴染「もしよかったら私と――」

男「待った!!」

幼馴染「え?」

男「俺から言わせてくれ!これで最後だって覚悟を決めてたんだ!」

幼馴染「……」

男「俺も幼馴染の事が好きだ!大好きだ!!」

幼馴染「男くん……」

男「だから俺と……」

男「俺と付き合ってください!!」

幼馴染「ごめんなさい、付き合えません」ペコ

男「…………え?」

幼馴染「ごめんなさい」

男「な、な、な、」

男「なぜだーーーー!!!!」ガックリ

男「だって今、絶対そういう流れだったよね!?」

幼馴染「うん」

男「うんって……じゃあなんで!?」

幼馴染「恋人ってなんか軽い感じがしてちょっと……イヤかな」

男「軽い……?」

幼馴染「だから……ね、男くん」

男「はい?」

幼馴染「私と結婚してください」

男「…………」

幼馴染「お願いします」ペコリ

男「え、あ、はい……こちらこそお願いします……」

幼馴染「本当!?やったー!!」

男(はっ!思わず返事をしてしまったけど、結婚!?結婚って言ってたよな今!?)

幼馴染「あ、でもこれから入学手続きとかもあるし、在学中に結婚となると色々問題もあるからしばらくは婚約って形で――」

男「ち、ち、ちょっと待って!」

幼馴染「ん??」

男「結婚って……あの結婚のことだよね!?」

幼馴染「うん、そうだよ。ダメ??」

男「ダメじゃない!全然ダメじゃない!!」

幼馴染「なら問題ないよね!」

男「いやいやいや、でもいきなりふっ飛び過ぎじゃないかな!?」

幼馴染「私はずっと男くんと結婚したいって思ってたよ」

男「それは……俺もいずれは出来たらいいなぁって思ってたけど……」

幼馴染「それじゃあお互いの両親に報告してすぐに物件の探しに行こっ!」

男「その前に!一つ聞かせて!」

幼馴染「はい?」

男「なんで今まで拒み続けてたの?」

幼馴染「私は男くんと恋人になりたいんじゃなくて、結婚したかったの!」

男「……??」

幼馴染「結婚って永遠を誓い合うでしょ?」

男「うん」

幼馴染「それに比べて恋人ってなに?みんなすぐ別れちゃってるし、なんか薄っぺらくない?」

男「たしかに……でも中には長く付き合うカップルもいると思うけど……」

幼馴染「そういう人たちの大半は結婚のタイミングを逃してる人たちばっかだよ!」

男「そうなの?」

幼馴染「うん!とにかく、男くんとはそうなりたくなかったの!」

男「だったらそう言ってくれればよかったのに、なんで黙ってたのさ」

幼馴染「それは……ごめんなさい」シュン

男「……」

幼馴染「昔みた雑誌で……『恋は追うより追われる方が幸せになれる』って書いてあって、男くんに追いかけてもらうために……その……」モジモジ

男「昔みた雑誌?」

幼馴染「うん。小学生のころに見たやつ」

男「それにしても俺が愛想を尽かすとか考えなかったわけ?」

幼馴染「不安はあったけど、男くんなら大丈夫って信じてたから」ニコニコ

男「ご期待に添えられて良かったです」

幼馴染「あはは!じゃあそろそろ行こ!」

男「うん、そうだね」

――大学一年 夏

男「この生活にもやっと落ち着いてきたなぁ」

幼馴染「そうだね~」ピトッ

男「それにしても……」

幼馴染「ん?」

男「幼馴染がこんなに甘えんぼだとは思わなかった」

幼馴染「え?もしかして……迷惑だった?」

男「まさか!むしろウェルカムさ!」

幼馴染「それなら良かった~」ピトッ

男「だけど……だけどさぁ……うーん」

幼馴染「??」

男「ほら、俺らって婚約中なわけでしょ?」

幼馴染「うんっ!」

男「将来が約束されてて、恋人よりも深い関係だよね?」

幼馴染「うんうん、その通り!」

男「だからもっと……こう、スキンシップ的なものを行うのはどうでしょう?」

幼馴染「スキンシップ?ずっと手を繋いで過ごすとか??」

男「いや、そうじゃなくて」

幼馴染「?」

男「愛し合う二人が行う、夜の営み的な?」

幼馴染「……!!」

男「……」

幼馴染「……」

男「俺は幼馴染のことが好きだよ」

幼馴染「うん……」

男「いや!とても大好きです!」

幼馴染「は、はい」

男「ていうか、すごく愛しています!!」

幼馴染「……」

男「だから俺と営んでください!!お願いします!!」

幼馴染「ごめんなさい!!」

男「ですよねーーー!!!」ガックリ

幼馴染「もー」プクゥ

男「やっぱりそういう行為はちゃんと結婚してから行うべきだよね……」

幼馴染「……そんなこと思ってないよ?」

男「!!?」

幼馴染「でも!そういうのって雰囲気が大事だと思うんですけど!」

男「雰囲気……?」

幼馴染「今の誘い方はムードのカケラもないよ!全然ダメダメだよ!!」

男「ムード……?」

幼馴染「うん!」

男「それは具体的にどうしたらいいんでしょう……?」

幼馴染「そ、それは自分で考えてください!」

男「……」

幼馴染「……?」

男「あ!寝室のベッドを薔薇で囲むのはどう!?」

幼馴染「え……トゲが刺さりそう……」

男「……」

幼馴染「……」

男「猛勉強します」

幼馴染「えと……頑張ってね?」



――終わり――

こんな幼馴染いるわけがない、だからこそ妄想が捗るのだ!というわけで終わりです!
失礼しましたー

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