【デレマス】まゆ「プロデューサーさん……永遠に…さようなら……」 (44)

まゆ(今日……まゆは……プロデューサーさんにお別れを告げます)

まゆ(今までありがとうございました……って)

まゆ(…………)

まゆ(そう……それは永遠に……まゆがプロデューサーさんの元から去る意味です……)

まゆ(おめでたいことなんですよ。まゆがプロデューサーさんから…………)



ポタリ



まゆ(……なんで…………涙が……)

ポタリ

ポタリ

まゆ(まるで、堤防が切れた川のように涙が止まりません……)

まゆ(まゆは……覚悟したはずなのに……)

まゆ(覚悟が足りなかったのでしょうか……)

まゆ(それとも…………)

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―その想いの始まりはプロデューサーさんと出会った日

―一目惚れ?……うぅん。運命を感じちゃいました

―だからまゆ、読者モデルをやめてついていっちゃいました



―そして、ある日

まゆ「おはようございます……あら?プロデューサーさんは?」

ちひろ「昨日の台風で雨風をまともに浴びたせいで、調子が悪くなっちゃったみたいで……」

まゆ(それは大変です。さぁ、今すぐプロデューサーさんの元へ)

まゆ(……なぁんて思っていると)

ちひろ「あ、まゆちゃんはプロデューサーさんから、特別に仕事を頂いてますから」

ちひろ「夜までみっちりと……ね」ニチャリ

まゆ「あははは……」

まゆ(ひぃん……まゆ、何か悪いことをしましたでしょうか?)

―夕方

まゆ(ふぅ……ようやく終わりました。これで)

まゆ「それじゃあ、失礼しますねぇ」ソソクサ

ちひろ「あ、まゆちゃん!」

バタン

ちひろ「いっちゃった……」

ちひろ「……まったく、あんなにいい子を制限いっぱいまでお仕事させるなんて」

ちひろ「プロデューサーさんもあまのじゃくなんですから……」

まゆ(薬と栄養剤や食べ物に飲物は買いましたし……)

まゆ(着替えなんかも買えればよかったんですが、洗濯物とかたまっていると思いますし)

まゆ(あぁ……プロデューサーさんのまだ洗っていない洗濯物……)ウットリ

まゆ(よしっ!こっそり調べたプロデューサーさんの住所の元へ!)ルンルン



『ママー、あのお姉ちゃん。歌いながらスキップして走ってるよ』

『しっ、見ちゃいけません!』

ピポパ

まゆ(オートロックのパスワードは調べてありますから)

ウィーン

まゆ(うふっ)

まゆ(さぁ。プロデューサーさぁん、待っててくださいねぇ)

ピピッピピッピピッ

モバP(以下P)「37.6……」

P「朝よかマシか……」ケホケホ

P「まいったな……薬はないし、咳がコロナと間違われるから下手に外に出られないし……」

ガチャガチャ

P「ん?」

P「玄関から……ま、まさか強盗……?」



ガチャン

まゆ「やっと開きましたぁ……」

P「ま……ゆ……?」



まゆ「あ」

P「あ……じゃねぇ」





まゆ「ダメじゃないですか!病人は寝てないと!」

P「怒るべきは俺の方だよな?」

まゆ「プロデューサーさん、土鍋とかないんですか?」

P「ラーメンを茹でる時に使うヤツしかないからなぁ」

まゆ「……ま、使えないわけじゃないですから」

まゆ「あとエプロンはないんですかぁ?」

P「すまん。鍋敷きならあるんだが」

まゆ「どう頑張ってもエプロン代わりには無理がありますよ……」

コトコト

P「まったく……せめて連絡ぐらい」

まゆ「ごめんなさい……プロデューサーさんのことだから、パパラッチだとか、風邪が移るとかで来ちゃダメ!……って怒る気がしていましたから……」

P「その通りだけどさ……まず、危機感持とうな」

まゆ「恋する女の子はいつも無敵なんですよぉ」

P「今すぐ会いに来て私の元へ……?」

まゆ「??」

P「なんでもありません……」

コトッ

まゆ「お待たせしました」

P「おおっ……お粥か」ショボーン

まゆ「もうっ……風邪などをひいている時は、胃腸も弱っていますから、お粥ぐらいがちょうどいいんですよぉ」

まゆ「……本当はまゆも、プロデューサーさんの好きな物を作ってあげたいんですが、断腸の思いで」

P「そうなのか?いつも肉とか食べてスタミナだ!……ってやっていたから」

まゆ「ダメですよ。それだと、プロデューサーさんの胃がびっくりしちゃいますから」

P「なるほどな……いやぁ、一人暮しが長いから誰かに何かしてもらったことがないんで、そういうのも知らなかったよ」

まゆ「えっと……プロデューサーさんのお母さんとかは、プロデューサーさんにどうされていましたかぁ?」

P「おふくろか……卒業してここに就職してから、まったく会ってないからなぁ」

まゆ「えっ……寂しくないんですか?」

P「元々、学生時代に一人暮しだったからそこまでは」

P「……でも、今現在というか、まゆに料理を作ってもらって久しぶりに会いたくなって来たかな」

まゆ「うふっ、会いに行ってあげた方がいいですよ。きっとプロデューサーさんのお母さんも喜びますよ」

P「そうだな……よし。今度の休みにでも行くとするか」

まゆ「はいっ、気をつけて来て下さいね」





P「あれ?」

まゆ「どうしたんですか?お粥が冷めちゃいますよ……あ、もしかして猫舌さんですか?でしたら、まゆが……」

P「違う違う」

P「こういう時、まゆって」



「まゆ『うふっ、義母様にご挨拶をしないといけませんから、次のプロデューサーさんのオフに合わせてまゆもオフを取って…偶然を装って……あ、お土産も買わないと。義母様にふしだらな義娘だなんて思われたらいけませんもんね。えっと、初めて会うことになりますから、あまり重いモノはいけませんし、クッキーやお菓子は万が一病気で食べられない場合もありますから、ここは洗剤や石鹸が無難でしょうか?でも全自動には耐えられないとかがありますから、タオルがいいですね。あまり高級すぎるとお金でプロデューサーさんを買いたい的な動機があると思われちゃいますから、まゆぐらいの年齢でも使うようなタオルにしますね。あ、一応お茶ぐらいは見繕った方が……』」



P「って」

まゆ「」

P「……まゆ?」

まゆ「」

まゆ「」ハッ

まゆ「もぉぉぉぉ!プロデューサーさん、正座」

P「え?」

まゆ「いいから正座!」

P「一応、病人なんですが……」セイザ

まゆ「こほん」

まゆ「たしかに以前まゆは、身も心もプロデューサーさんのモノと発言しました」

まゆ「でも、それではプロデューサーさんを困らせるだけと判断したまゆは、例えプロデューサーさんが振り向いてくれなくても、別の娘を選んだとしても決して特殊な感情を持たないと決心したのです」

P「特殊な感情って」

まゆ「だから、今のまゆは昔みたいに、プロデューサーさんを一人で独占したいと思うようなアイドルではありません」

まゆ「陰ながらサポートは欠きませんけどね……うふふ」

P「やっぱり恐いよ、この子」



まゆ「それはそうと、お粥が冷めちゃいますから……」

P「あ、うん。いただきます」

パクッ

P「うん……お粥だ」

パクッ

P「でも……久しぶりに素朴というか味がなくても温かいモノを食べた気がする」

まゆ「プロデューサーさんが望むなら、いつでも作りに……」

P「それとこれとは別だがな」キッパリ

まゆ「いじわるですねぇ」プゥ

P「ははっ……ま、今日は助かったよ。一人では何も出来なかったからな」

P「何かできることがあればいいんだが」

まゆ「もう……調子のいいことを」

ガサッ

まゆ「ん?」

まゆ(洗濯物でしょうか?……一杯たまっているようですし、プロデューサーさんの身体を拭くモノがあるかみたいですし)

まゆ(でも下着とか見られたくないと言うかもしれませんから、許可はもらわないといけませんね)

まゆ「あ、あの……プロデューサーさん?」

P「どうした?」モグモグ





まゆ「た、たまっていませんか?……(洗濯物が)色々といっぱい」クネクネ

P「ぶーっ!」

まゆ「ふぇっ、だ、大丈夫ですか?」

P(お、落ち着け……うん。洗い物か洗濯物に決まっている。うんうん)

P「じゃ、じゃあ頼む」

まゆ「はいっ」

P(最近、そっちの処理をしてないから……どうしても……)

スッ

P(え……まゆ近い?)

まゆ「じゃあ……」



まゆ「脱いで……いただけませんかぁ?」

P「」

………………
…………
……

P「そそそ、そうだよな。今、お粥を吹いたからたしかに汚れているよな」ワタワタ

まゆ「へへへ、変なこと考えてませんよ。まゆはお洗濯を考えていただけで、プロデューサーさんの下着を見たいだなんて」ボソッ



P「え?」

まゆ「あ」



まゆ「うぅ//////」

まゆ「お洗濯してきますぅ!」バタバタ



コケッ

P(あ、転んだ……ピンクか)

まゆ「そ、それじゃあ、まゆは帰りますね///」

P「お、おぅ……また事務所でな」

まゆ「うぅ……今度こそはぱーふぇくとなまゆをご覧に差し上げますから……」グッスン



P「うん。楽しみにしてるよ」

まゆ「え……それって……」



P「い、いや、ダメだそ。アイドルがプロデューサーの部屋にあがるなんて……もしパパラッチに見つかったらどうするんだ!」

まゆ「えっと……その時は」





まゆ「まゆの想い人って公表するだけですよぉ」

P「まゆぅ……」

―まゆのウワサ

―この日、女子寮へ帰ってきた時、スキップしながら帰ってきたそうだ

―後日

まゆ「プロデューサーさぁん♪」

P「お、紙袋を抱えてどうした……それに何か入っているのか?」

まゆ「もう、決まっているじゃないですか」

まゆ「まゆからの心からのプレゼントですよぉ」

P「い、いかんぞ。プロデューサーにプレゼントだなんて、アイドルが賄賂を贈るみたいでけしからんと言われるぞ!」

まゆ「違いますよ。もう、プロデューサーさんったらせっかちさんなんですから」ゴソゴソ

P「これは……?」

まゆ「エプロンとキッチンタオルですよ。プロデューサーのお家に…もがもが」

P「そっかぁ!エプロンかぁ!嬉しいなぁ!」

P(まゆ、こないだ家にきたのは内緒な)ボソボソ

まゆ(はぁい……もし、今度上がらせて頂いた時、もし万が一未使用でしたら……)

まゆ(その時は、プロデューサーさんのお好きなえっちなビデオのタイトルをみんなに…)ボソッ

P「まゆ、好きだぞ」

まゆ「まゆもですよぉ」

まゆ「……ふふっ」





P「はぁ……どうしてこうなる」

―P家

P「まったく……」ガサゴソ

P「一度は使わないとな……」



トントン

コトコト

P「ん……以外に使いやすいな」

P「タオルもいいものだし……」

P「……まゆに感謝かな」

……………………
…………………
……………
…………
………



まゆ(その年のまゆの誕生日に頂いた、プロデューサーさんからのプレゼントは、まゆが贈ったエプロンの色違いでした)

まゆ(本当は、まゆ。同じモノを使っていましたけど、とっても嬉しかったです)

まゆ(でも……今となっては)



まゆ「ただの辛い思い出でしかありません…………」

まゆ「そもそも……まゆが……」





まゆ「元読者モデルと嘘を……ついていたのが悪いのですから……」

まゆ「正確には読者モデルもやっていた……とすべきでしょうか」

まゆ「まゆのお家が借金をいっぱいしてしまい、まゆのお給料だけでは返せないときでした……」

まゆ(それは……まゆがまだ中学生の時でした……)

まゆ(読モの事務所の社長さんが、まゆが困っていると聞いて……話を持ち掛けてきました)

まゆ(社長さんは困っている人を見過ごせない人だったんですが……その分、ダマされやすかったと、後で噂で聞きましたが……)





まゆ(もう…………遅かったんですよ。まゆにとっては……ね)

…………
……

まゆ「ジュニアモデル……ですかぁ……?」

社長「うん。私の知り合いの更に知り合いになるのだが、新しい事務所を作ってね」

まゆ「……それでまゆをですかぁ?」

社長「少しの間だけ、人を貸してほしいって……ウチではプロモーションにしろ動画の撮影はしたことがないし、チャンスだと思うのだが……」

まゆ「わかりましたぁ。一応、両親とも話してみますね」

社長「おぉ、ありがとう……じゃあ、いい返事期待しているよ」





まゆ(もちろん、両親とも直ぐに許可を出しました)

まゆ(少しでもパパとママに益に立ちたかったですから、まゆも嬉しかった……んだと思います)

まゆ(あれが発覚するまでは……)

パシャパシャ

「じゃあ、まさゆちゃん。そこでシャワーを浴びてね」

まゆ「はぁい」



シャー

まゆ「うふっ……まさゆの水着に興奮しましたかぁ?」

カメラメセンキョクブ

まゆ「あんっ、えっちな目で見ないで……」

ポタポタ

まゆ「まさゆは、あなたとのデート楽しかったですよ」

「おーけー」



まゆ(そこでは、まゆは「久間真紗由」と偽名を使っていました)

まゆ(ウィッグを付けてサイドテールにして変装もしていました)

まゆ(……でもお仕事といえば、水着シーンばかり)

まゆ(たまにどこかの制服を着たりして、モデルさんらしいこともしていましたが……その)






まゆ(スタッフの皆さんがまゆを見る視線……



まゆ(嫌いでした)

まゆ(そんなある日のことでした)

「じゃあ、今日はこの薬を飲んでからやろうか」

まゆ「えっと……??」

「大丈夫。身体が温かく薬だからね。それで、赤い肌になったまさゆちゃんを撮るだけだから」

まゆ「でしたら……」

コクッコクッ

まゆ「ん……」

「じゃあ、30分したら始めるよ」

まゆ「はぁい」



ウトウト

まゆ(あれ……)

まゆ(ぽかぽかして……眠く)

まゆ(ダメ……これから……お……しご……)



カクリ

「……」

サワサワ

「よし……全部脱がせますよ」

「じゃあ、撮影開始な」

「待ってました!」

「このロリコンめ」

「はははっ」







まゆ(ん……)

まゆ(誰か……います?)

まゆ(あ……)

スタッフ「いかん、起きるぞ」

ガバッ

まゆ「あ……あ……ご、ごめんなさい……」

まゆ「ウトウトして……ごめんなさい!」

「大丈夫だよ。ちょっと薬が強かっただけだよ」

「ほら、自分の身体見てみて。真っ赤だよ」

まゆ「あぅ……すみません」

まゆ「ん……?」

まゆ(何でしょうか……身体が変?)

「大丈夫?あ、薬の影響で身体が熱くなるっていうのがあるから、ちょっと変な感じなんだよね」

まゆ「あ……はい。そんな感じです」

まゆ(よかった……まゆの身体が変になっちゃったと思いました)

「じゃあ、始めるよ」

まゆ「はぁい」

まゆ(でも……今日の皆さんがまゆを見る目は……)

まゆ(いつもよりさらに……恐怖を感じるぐらいギラついていて……その……股間も膨らんでいて)



まゆ(女としての防衛反応でしょうか……直感でいつまでもここにいたら危ないとは思いました……)

まゆ(そんな……薬を飲む撮影が数回続いた時でした……)



パリーン

まゆ「っ!」ビクッ

ヤ、ヤメテ

ウルセェ、オトナシクイロ

ママー、タスケテ

ヤァ……ア゙ア゙ア゙ッ!イタイイタイッ!



まゆ「……」

クルッ

タタタタッ

まゆ(声の主はわかりませんでしたが、まゆより小さい子のそれでした)

まゆ(そしてわかってしまったんです……)



まゆ(まゆも……寝ていただけで……知らなかっただけで……もうサレタんだって)













まゆ(……プロデューサーさんと出会えたのは、そんな頃でした)

まゆ(はっきりと覚えてます。もう、この人についていこう……この人ならまゆを……)

まゆ(もちろん、今ではそんな不埒なことは考えていません)

まゆ(だって……本気で好きになっちゃいましたから)











まゆ(でも……終わらせたと思っていたアレ……)

まゆ(まゆが眠姦されているシーン……)

まゆ(……それが映っているビデオ……それがまだ表に出ていただなんて、考えもしませんでした)

まゆ(そう……それは先日の……)



まゆ(まゆの17歳になる前の、記念握手会の時でした)



P「というわけで……すまない、まゆ!」ペコペコ

まゆ「あ、頭を下げないで下さい……まゆは大丈夫ですからぁ」

P「こんな時にアイツがまた失踪するわ、妖怪飴くれがサボるわ、森久保は森久保だし、りあむは炎上するし」

「風評被害なんですけどぉ」

まゆ「し、志希さんはともかく、後はいつものことですから……」

P「本当にすまん!捕まえ次第すぐに寄るからな!」タタタタッ

まゆ「いってらっしゃい~」





まゆ「ふぅ……」

まゆ「いっちゃいました……か」

まゆ「志希さんには今度こそ、鉄乙女の実験になってもらわないといけませんねぇ」ニチャア

「も、森久保……見てませんし、聞いてませんからぁ……」

まゆ「うふふ、乃々ちゃんにはブラッドソーセージをご馳走してあげますねぇ」

「ひぃぃぃぃっ!!」

ガヤガヤガヤ

「はーい、並んでくださーい」

「順番に一人ずつですよー」



「よ、よろしくお願いし、しますっ!」

まゆ「うふっ、いつも応援ありがとうございます。これからも、まゆをお願いしますね」ギュッ

「あ、はい!」

まゆ「いつまでもお話していたいですけど、皆さん順番がありますからぁ」

「だ、大丈夫です」サッ

まゆ「うふっ、ありがとうございます」ギュギューッ



「うわぁ……二回も手を握ってくれた」

「オレなんかウインクしてもらったぞ」

「……胸元……見えた」

『マジかよっ!?』





?「……」

「次の方、どうぞ」

スッ

まゆ「いつもありがとうございます。まゆの誕生日記念の握手「まさゆちゃん……」

まゆ「え…………」

まゆ「だ……誰……ですか……」

「やっぱりその反応はジュニアアイドルのまさゆちゃんだね!」

まゆ「ち、違います……まゆはそんな……」

「じゃあ、この写真に見覚えはないかな?」

スルー

まゆ(そう言ってまゆの前に滑らせてきた写真……)

まゆ(それは……)





まゆ(まゆのアソコに男の人のアレが入っている写真でした)

「ぼく、不思議だったんだよね。あの裏ビデオ屋が消えると同時にまさゆちゃんが消えるなんて」

まゆ「あ……あ……」

まゆ(お、お願い……それ以上は……)



「で、まさゆちゃんと同じ所に黒子があるし、疑っていたんだけど……」ジリジリ

まゆ「な……や……ち、近づかない……で……」ガタガタブルブル



「完全にわかったよ。同じ声だよ。今泣いているのと、喘いでいるのとが同じ声なんだよ!」

ムンズ

まゆ「ひぃ……」

まゆ(そう言うとその人は……まゆの胸をわしづかみしました)

ア、コラ!アイドルノコニテヲダスンジャアリマセン

まゆ(掴まれた感覚……はっきり思い出しました……以前、こんな感じで揉まれたことがあるって)

チョットキミ!

まゆ(そこまで考えて……まゆは)



マユ!マユ!



まゆ(気を失ってしまいました)







まゆ(次に気がついたのは病院のベッドでした)

まゆ(すぐ隣にはプロデューサーさんの姿がありました)

まゆ(パイプ椅子に腰掛けてうたた寝していました)

まゆ(……まゆのこと心配で駆け付けて下さったんですね)

まゆ(でも……もう、あなたには会うことはありません)

まゆ(多分、プロデューサーさんもまゆの本当の……中古品だって知ってしまったのでしょうから)



まゆ(まゆはすぐにおいてありました鞄から着替えを取り出し、急いで病室を出ました)

まゆ(そしてトイレで着替え、変装し……黙って抜け出しました)

まゆ(抜け出して数時間……)

まゆ(まゆは夜の街を歩いてます)

まゆ(変装しているからでしょうか、髪を降ろしたまゆに誰も気がつかれません)

まゆ(多分、芸能ニュースはまゆのことで持ち切り……ううん、そこまではないのかもしれません)

まゆ(まゆなんて所詮は……)



「見つけた」

まゆ「えっ」

まゆ(声をかけられ驚いて振り向くと)

ハァハァ

まゆ(そこには)





P「やっと見つけた……探したぞ」



まゆ(まゆの一番愛しくて……愛し過ぎるからこそ会いたくない人がいました)



P「ここだと人目がある……裏道に行こう」

まゆ「はい……」

まゆ(まゆは観念しました……違約金があるなら身体を売ってでも払おう。馬車馬のようにこき使われることになっても頑張ろう……)

まゆ(それがまゆにできる……プロデューサーさんへの償いになるなら)



まゆ(でも……それは違いました)

ザッザッ

P「まず、あの男が言っていた「本当です」

P「……そうか」

P「調べさせてもらったが、まゆはあくまで被害者なんだな」

まゆ(調べ……あぁ……やっぱり、まゆはプロデューサーさんに知られてしまいました……)

まゆ「はい……でも」

P「いい。それはいい……二つ目の質問だ。ああいった社会に恨みはあるか?」

まゆ「?」

まゆ(ああいった社会……?)

まゆ(もし、まゆを凌辱したそれというなら……あります)

まゆ(でも……ジュニアアイドルだったことや読者モデルだったことは、今までのまゆには経験になってくれました)

まゆ(どう……答えるのが正解なんでしょうか……)

まゆ「……」



P「……それがまゆの答か?」チャッ

まゆ(何か音がして手に何か……)

まゆ(え……)

まゆ「ぷ、プロデューサー……さん……?」

まゆ(プロデューサーさんが持っている物……それは)





まゆ(銃……でした。それをまゆの方に向けて)

P「すまんな……裏の社会には色々あるからな」

まゆ「っ!?」

まゆ(も、もしかして……プロデューサーさんも……ああいう……)



P「だから……」

ジャコ

P「死んでくれ」

ピシュッ

まゆ「あ……あ……」

まゆ(体が熱いです……なのに動けなくて……撃たれた部分すら見られませんし、指一本動きません……)

まゆ(だんだん視界がぼやけてきました……)

まゆ(大好きな人がそこにいるのに……)

まゆ(生きようと必死に抵抗しました……)





まゆ(でも……無理でした……)



―少女の意識が途切れた瞬間、バタッと音を立てて肉体が崩れ倒れた

―男は肉体を抱え、近くに駐めてあった車に入れると、直ぐに走らせる

―まるで、見られたら困ることをしたかのように……



HAPPY END

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