12話ネタバレ中尉
サキ「いいかお前ら、さくらが来ても寝たフリだ。変にちょっかい出すとまーた腐っちまうからな」
たえ「あうあう」
愛「この配置はやり過ぎじゃない?」
サキ「んだよ、じゃあ愛は何か良い手あんのか?ほれ言うてみ」
愛「今は信じて待つとしか――」
純子「来たみたいです」
地文注意な
「・・・」
部屋に着くと布団の配置が変わっていた
何これ・・・昨日の今日でこれ?
ゾンビに囲まれて寝ろとか正気じゃない
別の部屋で寝ようとも思ったが今更この幽霊屋敷を探索するのも気が引ける
ええと、確か暴走族に花魁・・・花魁って舞妓みたいなもだっけ?
昭和のアイドル。――確かにTVの○○年代とかの特集で見たことがある気がする
子役の子は・・・うん、知らん子
山田たえ・・・ゾンビみたいな子・・・まあゾンビなんやけど
・・・・・・水野愛。
アイアンフリル初代センターにして初の全国ツアーから武道館ライブまでその座を勤め続けた不動のトップメンバー
アイアンフリルは恋愛禁止で選考もプライベート面もかなり厳しいらしかったし
うん、愛ちゃんなら大丈夫よね・・・
愛(ずっと無言・・・はぁ、今頃呆れてるんだろうな)
さくら(愛ちゃん、寝とるよね・・・うん、大丈夫そう)
愛「―ぇ・・・」
愛(なっ!え、これさくら!?なんでこっちに入ってくるのよ!?何考えてるの!?)
さくら(布団なのに死体だから冷たい・・・ってこれ布団の意味有ると?)
さくら(愛ちゃんって意外と寝相悪いんだ・・・)
翌朝
サキ「おう、愛!ますます死んだような顔になってんぞ」ニヤニヤ
愛「誰の所為よまったく・・・」ゲッソリ
純子「で、でも良かったですね!愛さんだけでも仲直りできて」
愛「それが私が起きた時にはもう居なかったの」
ゆうぎり「朝露が滴る頃には去って行く…まるで――」
サキ「はいストップ、チンチクも居るからな姐さん」
リリィ「リリィ、そういうの昼ドラにも出てたから平気だよ?」
サキ「チンチクの癖に相変わらずませてんなぁ」
ワイワイガヤガヤ
昨日よりみんな明るくなったように見える
昨日は会話が途切れたり、時折こっちを窺う様子が鬱陶しかった
・・・相変わらず練習の時はみんな真剣に取り組んでいる
そして横でただ黙って見ている私
愛ちゃんを目で追ってしまう私
死んでるといっても水野愛・・・愛ちゃんのキラキラな笑顔は今の私には眩し過ぎる気がした
腐っても水野愛・・・
さくらなんつって・・・うん、怒られそうだから止めておこう
そういえばフライヤー配りの時のあの二人は――
たえ「あうあ、あうあ!」
さくら「ちょっと引っ張らんで!何なん?」
リリィ「あ、あのね!きっとたえちゃんもさくらちゃんと一緒に練習したいってことだと思うの!」
たえ「あうっ!あうっ!」
さくら「そんな事言われても私はっ――」
サキ「たえ、離してやれ。無理にやらせても意味はねぇ」
純子「そうです、今はここに居てくれてるだけでもありがたいですし」
サキ「ま、確かにさくらが居ったほうが気合入るけんな!」
ゆうぎり「今のさくらはんは皆の囲炉裏みたいなもんでありんすなぁ」
愛「純子の言う通り、今は見ててくれるだけでいいから・・・だから私たちのためにもここに居て欲しいな」
さくら「なによ、勝手に・・・」
夜
また、だ
そういえば今朝の愛ちゃんは少しやつれていた
持ってない私と居ると何かあるのかもしれない
かといってこんな洋館で1人で寝るのは怖いと思う自分が居る
・・・死んでる癖に怖いってなん?
「・・・あほくさ」
気付けばぽつりと独り言
手前の…サキ、とかいってた子の方がビクリと揺れた気がした
愛ちゃん、は二日連続だとほんとに干乾びてしまいそうだ
二階堂サキ、フライヤー配りでフォローしてくれた時、少しだけ頼もしいと思ってしまった
が、やはり怖い―
「・・・あ」
ふと気付けばたえと呼ばれる子が寝ずに立ったままジッと私を見ていた
「何?怖いっちゃけど?」
ゾンビみたいでちょっと怖くて思わず語気を強めてしまった
目光ってるし・・・
が、たった一言でオロオロしてるのを見ると可哀相になってしまった
「・・・もう寝んさい」
できるだけやさしく言えた・・・かな?
素直にも彼女は布団に入るとものの数秒で寝息を立て始めた
案外言葉が通じてるのかもしれない
と、私の寝床問題はまだ解決していない
ここは見たことある人にしようと思った
そう、昭和悲劇のアイドル、紺野純子
芸能人なら色々厳しいだろうし変なこともされないかもしれない・・・
純子(きょ、今日は私ですかさくらさん!?)
さくら(髪・・・月明かりで綺麗だな)ジー
純子(なんかものすごく視線を感じます・・・寝れるでしょうか私・・・)
サキ(・・・もっとアタシを頼れよ)
翌朝
純子「・・・結局一睡もできませんでした」ゲッソリ
愛「今朝のさくらは結構元気そうに見えたけどね」
サキ「アイツと寝るとなんか吸い取られるんじゃねーか?」
リリィ「愛ちゃんもまだ疲れ取れてなさそうに見えるよ」
ゆうぎり「そうゆうん聞くと案外さくらはんはサゲマ―
サキ「はいストップ、チンチクも居るけんな」
眠いのでここまで明日にでも書きます
というか誰がひいてるか分からんちゃけど他人に布団ひかせる12話さくら様は流石だと思います
あと記憶有Verのさくらちゃんって標準語割合が微妙に高まって書きにくいですよね
休憩中
サキ「なあさくら、アタシってそんな頼りなさそうに見えるか?」
さくら「…は?突然なんですか?」
サキ「あー、だから―その、アレだ。もっとアタシを頼っていいぞってことなんだけど…」
さくら「サキさんはフラン・・・このチームのリーダーなんでしたっけ?」
サキ「おう!そうだぜ!あとフランシュシュな」
さくら「分かりました何か問題があれば報告します。――これでいいですか?」
サキ「あー、うん・・・」
サキ「さくらはさ、アタシんこと嫌いか?」
さくら「苦手というか・・・少し近寄りがたい、とは思ってます」
サキ「例えばどの辺だ!?教えてくれ!」
さくら「そのメッシュの入った髪、とか」
・
・
・
リリィ「あー!サキちゃんが黒染めしてる!」
サキ「やっぱアイドルやるには清純派だ!って思ってな」
リリィ「もうキャラできちゃってるし今更やるのはどうかと思うよ…」
サキ「でもさくらが怖がっちまってなぁ…ま、元に戻ったらこっちも戻すけん、そいでいいやろ」
夜
サキって人の髪が黒くなってる…
確かに昼間あんなこと言ったけど、そこまでやられると正直引く
口癖のように言っている気合という奴なんだろうか?
むしろここまでやられてしまったらプレッシャーが重い
アイドルやってた私がどんな人物で彼女とどんな関係だったのかは知らんけど
…どうしよう
もしかしたらこの人は自分が怖いから、近寄り難いから私が寝られないとでも思ったんだろうか
つまり、もう怖くないだろ→アタシにここまでさせといてこの野郎!と言う流れも有るかも知れない
というか私の布団を元の位置に戻していただけるだけでいいんだけど・・・
やっぱり死体に囲まれるのは怖い
知らない子だけどちっちゃい子なら大丈夫よね?芸能人やってたみたいだし・・・朝には戻ればいいし
翌朝
リリィ「うぅ、体だるいよー」ゲッソリ
サキ「・・・」プルプル
愛「そんな無理に一緒に寝ようとしなくてもいいんじゃない?」
純子「そうですよ、さくらさんもリーダーだからって遠慮してるだけかもしれませんし」
ゆうぎり「さくらはんも罪なお方でありんすなぁ」
ゆうぎり「サキはんも、はっきり言いなったらよろし。そうでないと気付かんお人も居るでありんしょう」
サキ「姐さん・・・」
サキ「いや・・・アタシはさくらを信じる。愛も言っとったろ?信じて待つしかないって」
愛「それとこれとは話が違うでしょ・・・」
夜
ついに私の布団が消えた・・・どうしろと?
そしてなぜかサキちゃんの布団がダブル仕様になっていた
そこまでされると逆に勘繰ってしまう
やっぱりアレな人なのだろうか
――こう、百合の花が咲いてるような・・・
あの三人はさくら必殺エナジードレインで干乾びてしまいそうだし
残る選択肢は、ゾンビor花魁だ
ゾンビはともかく花魁、あのあと調べてみたら、うん・・・やっぱりパスかな・・・
・・・よし、覚悟を決めよう
「たえ――ちゃん、ちょっと手伝って」
やはり言葉は通じてるらしく、起きだしてくれた
今までの経験からすると
私と寝るとなんか吸い取られて、疲れてしまう
ゾンビとはいえ日に日に弱っていくのを見せられると心配になってくる
なら分散させてしまえばいい
「私が愛ちゃんの上持つから、たえちゃんは下ね――、せーのっ」
ゾンビになってから力が増したのかもしれない
持ち上げた愛ちゃんは驚くほど軽く感じた
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愛(流石にこれはやり過ぎだって言ったのに・・・さくらが困ってるじゃない)
愛(やっぱり起きてさくらに――)
愛(え?さくら!?ちょっとおおお)
純子(・・・さくらさん、流石に怒ってるんでしょうか?)
純子(サキさんの気持ちも分からなくは無いですが・・・)
純子(これは流石にいじめなのではないでしょうか・・・うぅ)
純子(やっぱり私、さくらさんに――)
愛・純子「「ぐえっ」」
さくら「あーもう!たえちゃん落としちゃいかんて」
たえ「がう」
さくら「起きとらんとかな?・・・うん、大丈夫そう」
さくら「たえちゃんありがとう、もう寝よっか?」
たえ「あう」
さくら「それじゃ、しつれいしまーす・・・」
愛(何このサンドイッチ)
純子(さくらさんなりの気遣い?でしょうか・・・?)
―――
――
――さくら、気付け
――ゾンビィ力はバストサイズに比例する
――ぺちゃっぱいゾンビィ共では枯れてしまうぞ・・・
さくら(何か変な声が聞こえる・・・)
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