【艦これ】衣笠「指輪の行方」 (161)


とある鎮守府の指輪をめぐるお話。

※過去作とは一切関係ありません。

※R要素はありません。

※割と長いです。あらかじめご了承ください。


提督「本日は遠路はるばるありがとうございました」

元帥「なんの。私の方こそ、元気をもらったことを感謝せねば」

元帥「さて、最後に一つ聞きたいが、君のところの最高練度は今いくつだったかな?」

提督「最高練度ですか?今98ですが」

元帥「もう98か。おい、あれを持ってきてくれ」

部下「は」


タタタ

部下「どうぞ」

元帥「ん。君にもこれを渡す時が来たようだ」スッ

提督「これは……」

元帥「おそらく君の想像通りだ」

提督「……了解いたしました。ありがたくいただきます」

元帥「うん。ではな。貴官らの武運を祈る」

提督「ありがとうございます」ケイレイ

元帥「ん」ケイレイ


提督(ついにきたか……)

衣笠「提督、今もらったのってもしかして……」

提督「ああ……とりあえず、執務室に戻ろうか。」

衣笠「うん」


執務室

提督「さて……」

衣笠「中身、確認する?」

提督「しておこう。勘違いでもいけないし、早く見るに越したことはないよ」

衣笠「そうよね」

ビリビリッバサッ

『ケッコンカッコカリについて』

提衣「「ああー……」」

提督「やっぱり……」


衣笠「ってことはそっちの小さい箱は……」

提督「……一応確認するか」

衣笠「うん」

パカッ キラーン

提督「うん。知ってた」カポッ

衣笠「あっ……」

提督「ん?何かあった?」

衣笠「う、ううん。何でもない」

衣笠(せっかくだしもう少し見たかったな……次見る時は誰かの指に入っているのかもしれないのに……)

提督「?そうか」


提督「さて、とりあえずこれは引き出しにしまっておいて」

提督「……読むか」

衣笠「読もっか。……あ、私も読んで大丈夫?」

提督「ん?うん、もちろん」

衣笠(いいんだ。ということはもしかして……)ソワソワ

提督「秘書艦に隠すことなんて何もないよ」

衣笠(そういうことね。なーんだ……)

提督「なになに?」


提督「……これだけ?」

衣笠「……これだけ、みたいよね。他の鎮守府の話聞いてるとすごい盛り上がってるのに」

提督「それだけ心情的な意味合いが大きいんだな」

衣笠「なるほどねー」

提督「うーーーーーん……」

衣笠「あははっ。提督はこれから大変なんじゃない?」

提督「先が思いやられるよ。今の今までトラブルと無縁だっただけにね」

衣笠(そりゃ、みんなで話し合ってセーブしていたものね。内輪揉めして提督に迷惑かけたくなんてないし)

提督「他の鎮守府の話を聞く限り、当分不安な日々を過ごさないといけなさそうだ」

衣笠「まあまあ。大変だったら衣笠さんが慰めてあげるから」ニコッ

提督「その言葉だけでも嬉しいよ」ニコッ

衣笠(こんな軽口を叩けるのもあとちょっとかな……)


コツコツ

衣笠「あれ?足音が……」

提督「四つか……金剛たちかな」

衣笠「私もそんな気がする」




コンコン

提督「はーい」

金剛『金剛以下四名デース』

提督「ああ。入って」

提督(やっぱり)チラッ

衣笠(やっぱりね)チラッ


バーン

金剛「Hey!テートクー。ケッコンカッコカリの指輪を受け取ったっていうのは本当ネー?」

提督「私はまだ何も言ってないんだが」

金剛「青葉が『提督が元帥から何かいただいた』って触れ回ってマース」

衣笠「うん。知ってた」

金剛「その中身について話し合った結果、それが指輪だと断定しマシタ!」

霧島「話し合うも何も、全員一致でしたけどね」

提督「それはそうだろうな。こんなの頂くこともないし。それで?」

金剛「それでですね~」カツカツ



金剛「テートクは~、私のことお嫁さんにしてくれるんですよネ?ネ?」ズイッ

提督「どうした急に」

金剛「だって~、こんなに毎日Burning Love!してるんですヨ?テートクが私の好意に気づいてないわけないネー!」クネクネ

衣笠(おー相変わらず金剛さん近いなー)

衣笠(……やっぱりこういう分かりやすいアピールしたほうがいいのかな)


提督「分かってるからわざとらしい演技するのはやめなさいな」

金剛「演技だなんて失礼ネー。ほんとの気持ちを言ってるだけですヨー?」クネクネ

霧島「本心なのは分かりますけど、うちのお姉さまはこんなところで司令を困らせるほど大人げなくありません」

金剛「そう言われたらしょうがないネ」スッ

提督「で?こんな茶番をしに来たわけではないんだろう?」

金剛「当ったり前ネー!」

比叡「多分司令は、本当はみんなに指輪を贈りたいと思ってるんじゃないかと思うんですよ」

提督「今はともかく最終的にはそうだね」

比叡「ですよね。でも指輪は現状一つしかない。このままでは司令の一番になるために血で血を洗う争いが生じかねません」

提督「あー……うちでもそうなる?」

比叡「なります(即答」

金剛「まず私たち姉妹だけでもアプローチ合戦になるネ」

提督「そうかー……」


榛名「でも私たちは提督にご迷惑もご心労もおかけしたくありません。しかし自分を選んでいただけるようアピールもしたい」

提督「うんうん」

霧島「そこでこういうのはいかがでしょう。私たち全員から司令に向けての二人だけのアピールタイムを作るんです。そこで自分の思いのたけを司令にぶつけて、司令を自分に振り向かせるよう後押しするんです」

提督「なるほどな。全員分きっちり時間を確保すれば私の奪い合いにもならないから任務にも影響が出ないし、何より公平だな」

金剛「でしょ?」

榛名「それに、形の上だけとはいえ全員が誰にも邪魔されずにアピールできる時間を作れますから、少しは『やることをやった』と納得できるのではないかと思います」

提督「もっともだ」


衣笠「それは全員やるんですか?」

霧島「全員やるわよ」

金剛「希望者だけにしたら、自分はアピールする資格がないかもって尻ごみしちゃう子もいるデショウ。それに、自分の思ってることをテートクにちゃんと話せる機会なんてそうそうないデスから」

比叡「お姉さまが言っても説得力ありませんけどね」

榛霧「「うんうん」」

金剛「私はそういうの言いやすいキャラだからネ」

衣笠「会うたびに言ってますもんね」

衣笠(ほとんど毎日秘書艦しても全然言えてないのに……今からでも言ったほうがいいのかなー。でも今からだと強化的な意味で指輪ほしいって言ってるみたいで嘘くさい気も……)


金剛「そのあたりも考慮しての案というわけですヨ。テートク、どうですカ?」

提督「……うん。やろう」

金剛「Yes!」

霧島「よろしいのですか?」

提督「せっかくの機会だしね。いつにしようか」

衣笠「休日にする?」

提督「どうだろう。休日は拘束したくないとも思うんだよね」

衣笠「あー。それもそっか」


比叡「それに、休日はアピールの練習もしないといけません」

衣笠「れ、練習までするんですか??」

提督「そんなガチ!?」

比叡「ガチです!だってここでしか司令を射止めるチャンスはありませんから!気合!入れて!いきます!」

榛名「榛名、負けませんよ!」

金剛「私だって負けないネ!」

霧島「いつもは譲るところですが……今回は譲れません!」

提督「衣笠、ツッコミ頼む」

衣笠「ボケ倒しにツッコむのってきつくない?」

提督「まあ、そうなるな」


霧島「冗談はともかく、私たちも準備が必要ですね。自分の思いを整理してまとめるだけの期間はいただきたいです」

提督「なるほど。具体的には?」

霧島「私は一週間あればいけると思いますが、任務に時間を割かれる子もいますから二週間は必要かと」

提督「うん。二週間あれば休日もある程度挟むし、ゆっくり考えられそうかな」

霧島「ええ」

衣笠「じゃあ20日ならどう?」

提督「20日……ああ、まだ行動計画の決裁出してない休み明けか」

衣笠「うん」

提督「じゃあそこにしよう。告知の内容は四人に任せていいか?」

金剛「もっちろんネ」

霧島「今日中は厳しいかもしれませんが、明日には告知しておきます」

提督「よろしく頼む」

霧島「お任せください」

榛名「それでは失礼します」

比叡「お邪魔しましたー」

金剛「See you later.」

ゾロゾロ ガチャ


提督「ふー……」

衣笠「とりあえずこれでひと段落、かな」

提督「と思いたいね。まだ全員には通達出してないからフライングがないとも限らないけど」

衣笠「その時は頑張ってね」ウインク

提督「ひえー。秘書艦にまで見捨てられたら俺はどうしたらいいんだ」ハハッ

衣笠「あはは。冗談だって」

提督「頼むよ、ほんとに」ニッ

衣笠(……今ここで私がフライングしたら、提督どう思うかな)

衣笠「」ブンブン

衣笠(考えない考えない。そんなことは考えないぞー)


霧島『放送室より執務室。聞こえますか?』

提督「おおっと。放送室……マイクオン。執務室より放送室。良く聞こえている」

霧島『先ほどのことをとりあえず放送で周知してもよろしいですか?』

提督「ああ。よろしく頼む」

霧島『了解しました』プツッ

ピーンポーンパーンポーン

金剛『Hey!みなさーん聞いてますカー?』

提督「おおっ!?」

衣笠「えっ早っ」


金剛『耳の早いみなさんなら知っての通り、本日!我が鎮守府にケッコンカッコカリの指輪がやってきました!』

金剛『みなさーん、指輪はほしいですカー!?せーの!』

比榛霧『『『ほしーい!』』』

鎮守府内各所<ほしーい!

提督「おおう」

衣笠「ほらほら。結構みんな言ってるでしょ」クスクス

提督「ね。そうかー……」

衣笠(私も口に出せばよかったかな……)


金剛『ですよネー!?でも指輪は残念ながら一つしかありまセーン』

比叡『でもでも!私たち司令に指輪ほしいってアピールしたいです!』

金剛『そう!というわけで、私たちからテートクへのアピールタイムを設定しマース!』

榛名『日付は今月20日。場所は執務室の予定です。提督と二人っきりの空間を設定します。チャンスは一人一回。この機会に、私たちの思いの丈を提督にぶつけましょう!』

霧島『詳しくは明日以降掲示の書面を確認してください。もちろん私たちの独断ではなく、司令の承認をいただいていますからご安心くださいね』

金剛『では皆さんに幸あらんことを!Good luck!』

ピーンポーンパーンポーン

提督「相変わらず息ぴったりだな」

衣笠「本当に演劇かなにか観てるみたいよね」

提督「いっそあの四人にちゃんと演劇してもらおうか」

衣笠「忘年会の余興にでもやってもらうとかね」

提督「そうそう。また話してみよう」


夜 提督の私室

提督(さてと)

提督(全員とは言わないまでもある程度は指輪をかけてアピールしてくるのは覚悟しなくてはなるまい)

提督(しかし、その想いをもらって「はいどうも」で済ませてしまうのもなあ)

提督(彼女たちは僕のことを特別視してくれているわけだし、こっちとしても一人一人が僕にとって特別なのだと示したい)

提督(じゃあどうする?プレゼント?そんな簡単に買えるか。第一、買ったらばれる)

提督(それに全員にばらばらのものなんて、考える時間もセンスも足りない)

提督(何かいい案ないかな……)

提督「……いいや。青葉がまとめてくれた今週分のアルバム見よ」

提督「……」











提督「これだ!」


翌日

提督(これには絶対必要な協力者がいる。今は朝練をしていると思うが……)

青葉「……」カシャカシャカシャ

提督(いた!今日は一人だな。ちょうどいい)

提督「おーい、青葉―」

青葉「あ。おはようございます!司令官も朝練ですか?」

提督「いや。ちょっと」クイクイ

青葉「え?あ、はい」テクテク


提督「ちょっと協力してほしいことがあるんだが、かくかくしかじかで……」

青葉「はい……できますけど、何に使うんです?」

提督「実はな……」コソコソ

青葉「……本当ですか!?」

提督「」コク

青葉「分かりました。できるだけ早くデータまとめますね」

提督「すまん。さすがに一人ではできそうもなくてな」

青葉「いいんですよ!青葉にお任せください!」

提督「恩に着る。礼はいずれな」

青葉「期待してますよ~」

提督「ああ。じゃあまた」


提督(それからもう一人)

提督「明石―」

明石「お。提督じゃないですか。どうしました?」

提督「実はかくかくしかじかでな……」

明石「……はい……ふんふん……なるほど!」

提督「申し訳ないが協力してもらえるかな?」

明石「お安い御用ですよ!」

提督「ありがとう!お礼はいずれするから」

明石「お。楽しみにしてますね」ニヤニヤ

提督「そんなに期待はしないでくれよ」カタスクメ


20日 執務室

提督(そろそろか……例のものも……うん、ある。大丈夫そうだな)

コンコン

提督「はい」

吹雪『吹雪です』

提督「入って」

ガチャ

吹雪「失礼します」

提督「一番槍だね」

吹雪「はい!えっと……もう始めて大丈夫ですか?」

提督「うん。吹雪が始めたい時に始めて」

吹雪「分かりました。それじゃあ、いきますね」


提督「それから、」ゴソゴソ

提督「……うん、これだ。はい」

吹雪「は、はい……!」

吹雪「これ、私と司令官の写真……」ペラ……ペラ……

提督「うん。指輪はまだ一人にしか渡せないけど、吹雪はじめみんな一人一人が僕にとってかけがえのない存在なんだ。それを少しでも形にしたくて、ね」

吹雪「う、うう……」グスッ

提督(な、泣いてる!?)

吹雪「」ゴシゴシ

吹雪「私、もっともっと頑張ります!だから、これからもよろしくお願いしますね」ニコッ

提督「うん。こっちこそ、これからもよろしくね」ニコッ

提督(うれし泣きか……嫌だったとかつらかったとかじゃなくてよかった……)ホッ


夕張「えー……これは卑怯ですよー」

提督「悪いな。こういうことしかできなくて」

夕張「そうじゃなくてー。こんなのもらったら提督のこと諦めきれないじゃないですかー……」

提督「そ、そうか?」

夕張「少なくとも私はそうです!でも……」

夕張「……大切にしますね。ありがとうございます」

提督「うん。ありがとう」


赤城「……なるほど。これは犠牲者が出るのも納得です」ペラ……ペラ……

提督「犠牲者ねえ」

赤城「こちらからすれば完全に奇襲ですからね。それだけ被害も大きくなるというものです」

提督「予告なしでやるのは良くなかったかな」

赤城「そこは何とも。麾下の艦娘の信頼を深めさせるという意味ではこれ以上ない好機だったと思いますがね」

提督「そうだろうそうだろう」ニヤリ

赤城「ほう。では戻ったら提督の裏の顔を皆に伝えないといけませんね」

提督「赤城が言ったとして、信じると思っているのか?」

赤城「誰も信じませんね。まず私自身が提督に裏の顔などないと思っていますし」ニッ

提督「そう言われると思ったよ」ニッ

提督「何はともあれ、これからもよろしくな」スッ

赤城「こちらこそ」ギュッ


金剛「ウゥー……テートクーこれはずるいネー……」ムギュッ

提督「そ、そうか……」ギュッ

金剛「ウン……でも、私たちのテートクが素敵な人って再確認できて良かったデス」

提督「そう言ってくれて嬉しいよ」

金剛「……それじゃ、私はこれで」スッ

提督「うん」





金剛「……それから、テートク」

提督「ん?」

金剛「いつもあんなこと言ってるケド、私はテートクが誰を選んでもお祝いしマス。だから……ちゃんと選んだ子のこと幸せにして、テートクも幸せになってくださいネ?」

提督「ああ」


提督「ふー……ようやく終わったか」

提督(みんなのために取った時間のはずが、僕のための時間になってしまったな)

提督(青葉と明石にも何かお礼考えないと)





コンコン

提督「はい」

衣笠『衣笠でーす』

提督「入って」

ガチャ

衣笠「失礼します」

提督「ん」


衣笠「提督、」

提督「うん?」

衣笠「今日のこと、本当にありがとね。二人でゆっくり話せる時間もだし、このフォトブックも」

提督「いやいや。今日のは金剛たちの発案だよ。それにフォトブックは青葉と明石にも協力してもらったから」

衣笠「そうだったんだ。青葉がなーんかこそこそやってると思ったら」

提督「そういうことだな。衣笠もいろいろ調整してくれてありがとう」

衣笠「いいのいいの。衣笠さんにお任せっ。でしょ?」

提督「ははっ。そうだな」


提督「みんなは部屋に帰った?」

衣笠「ううん。みんな食堂でフォトブック見ながらいろいろ話してたよ」

提督「そうか。わざわざ来てもらって悪いね」

衣笠「秘書艦だもん。気にしない気にしない」

提督「まったく、我ながらいい秘書艦を持ったもんだ」ニコッ

衣笠「でしょでしょ?」ニコッ


提督「さてと、」

マイクオン

提督「司令官だ。全員その場で聞いてほしい」

提督「今日は本当にいい日だった。みんなの思いを聞けたのはもちろん、私も今まで言っていなかったことや言えていなかったことを伝えられて、またみんなとの距離が少し近くなったように感じている」

提督「この企画を主導してくれた金剛、比叡、榛名、霧島、調整のために動いてくれた衣笠と大淀、それから私の勝手なわがままに快く付き合ってくれた青葉と明石にはここで改めて感謝したい。ありがとう」

提督「……なお、指輪については今日のうちに誰に渡すか明言させてもらう。もちろん拒否権はあるが、私の諦めが悪い性格はよく知っていると思うので大人しく受け取ってもらえるとありがたい」

衣笠(全体への放送でも冗談挟むのほんとすごいよね)クスクス

提督「皆の努力で戦況が好転しているとはいえ、まだ戦いの終わりは見えない。それでも、私はここで君たちといられて幸せだと、心から思う。これからもよろしく頼む。以上だ」

マイクオフ


提督「ふー……」

衣笠「重ね重ねだけど、お疲れさま」

提督「重ね重ねありがとう」カタスクメ

衣笠「お茶でも飲む?」

提督「そうだね。ちょっと一服しようか」

衣笠「うん。ちょっと待ってて」

コポコポ トン

衣笠「はい。お待たせ」

提督「ありがとう」


ズー

提督「あー……落ち着くー」

衣笠「おじいちゃんじゃないんだから」ププッ

提督「でもお茶飲んでると、日本人の心を取り戻す感じしない?」

衣笠「それはちょっと分かるかも」

提督「だろ?」

衣笠「他の娘に言っても絶対分かんないと思うけどね」

提督「やっぱそうかー」

たてる板間違えてないか?

>>37~39
専用ブラウザ以外からスレを立てようとするとRのほうに立ってしまうみたいなんですよね(このスレも専用ブラウザを使わずVIPに立てようとした)

途中送信してしまった
「家族で笑ってディスプレイを囲んでお茶が飲めないSS」を期待した方には申し訳ないと思いつつ、スレの立て直しはせず書き進めるつもりですのでご理解いただければ幸いです。

ではではこの調子で続けさせていただきます。
この先もどうぞお楽しみください。


衣笠(どうしよ……聞いちゃう?「指輪、誰に渡すの?」って)

衣笠(……聞いちゃおっか。さっきの言い方からしてもう決まってるんだし、聞いても聞かないでも一緒よね)

衣笠(それなら早めに知る方が痛みも少ないし……)

衣笠(……よしっ)

衣笠「ねえねえ、提督」

提督「ん?」

衣笠「指輪、誰に渡すか決めてるの?」

提督「」キョトン

衣笠「えっなにその顔」


提督「何って、お前気づいてなかったの?」

衣笠「えっ!何で気づいてると思ってたの!?」

提督「いやいや、これだけ僕の近くにいたんだから気づくだろ」

衣笠「気づくわけないでしょ!?だって、提督誰が好きとか誰がかわいいとか全然言わないじゃん!」

提督「ぷっ、あはははは。そうか、衣笠からはそう見えてたのか」ゲラゲラ

衣笠「ちょっ、そんな笑うことないでしょ!?」

提督「いやいや、これは笑わないの無理だって」ゲラゲラ

衣笠「えっちょっ、もーーー!」


提督「あー疲れた」

衣笠「自分でツボってただけでしょ」

提督「衣笠が変なことを言うのが悪い」

衣笠「はいはい」

衣笠(こっちは真面目に聞いてるのに……)

衣笠(ま、こういうやりとりも嫌いじゃないけどね)クスッ


衣笠「で?提督は誰に指輪渡すの?」

提督「じゃあ、ちゃんと言うか」クルッ

衣笠(あ。提督がほんとのこと言う時の顔になった)













提督「君だよ、衣笠」














衣笠「え?」


衣笠「えっえっ待って待って待って」

提督「お、おう。待つよ」

衣笠「えっほんとに私?」

提督「ほんとに君だよ?」

衣笠「金剛さんや榛名さんじゃなくて?」

提督「うん」

衣笠「古鷹とか青葉の間違いでもなく?」

提督「そうだよ」


提督「なんでそんな疑心暗鬼になってんの?」

衣笠「だって、普通好きな人の前だと緊張するとか見栄張るとか、セクハラとかいたずらして気を引こうとするとかあるんじゃないの?」

提督「普通はな。でも僕は、好きな人の前ではむしろ自然体になれるタイプなんだよね」

衣笠「えー。そんなの気づくわけないってー」

提督「それは悪かったな」ハハハ


提督「で?」

衣笠「ん?なに?」

提督「衣笠は指輪もらってくれるの?」

衣笠「え?うん、もちろん」

提督「」パチクリ

衣笠「待って、なんでまたそんな顔するの?」


提督「一応確認するけど、僕は衣笠に好きだからっていう理由で指輪を贈ろうとしているんだよ?」

衣笠「う、うん。それは分かってる」

提督「つまり恋人とかパートナーみたいな関係になってほしいっていう願望も入ってるんだけど、それも受け入れてくれるってこと?」

衣笠「逆に聞くけど、提督は本当にその相手が私でいいの?」

提督「うん。さっきから言ってるけど、衣笠のこと好きだし」

衣笠「///じゃあ、私は喜んでもらうよ?」

提督「?」

衣笠「?」


提督「もしかして、衣笠って僕のこと好きだった?」

衣笠「えっ!気づいてなかったの!?」

提督「だって普通は好きな人の前だと緊張したり仮面かぶったりするんじゃないのか?衣笠もそう言ってただろ?」

衣笠「普通はそうだけど、私は提督の前だとむしろ自然体になれるし、そこを好きになったんだけど」

提督「完全に逆だと思ってたよ」

衣笠「提督のこと何とも思ってないから自然体にしてるって?」

提督「うん」


衣笠「でもさ、提督のこと好きでもなかったらわざわざ今執務室に来ないと思わない?」

提督「確かに何で来てくれたんだろうとは思ったけど」

衣笠「鈍いなあ」

提督「否定できないけど衣笠には言われたくないなあ」

衣笠「うぐっ。そう言われると何も言えない……」

提督「……ふふっ。これもこれでいいか、似た者同士で」ニッ

衣笠「……それもそうね」フフッ


提督「そうと決まれば」スクッ

衣笠「!」ガタッ

衣笠「ゆ、指輪?」ソワソワ

提督「うん。もう99になってるし、これ以上先送りにする理由はないよ」ガラッ

提督「ただ、その前に書類だな」

衣笠「そうだった」


提督「」カリカリ

提督「よし。衣笠も署名してくれ」

衣笠「オッケー」

衣笠「」カリカリ

衣笠「これでいいのよね?」

提督「ああ」


提督「それじゃ、左手を」

衣笠「う、うん」スッ

スッ

衣笠「はああ……」キラキラ

衣笠(これがケッコン指輪……)

提督「そういうわけで、改めて、これからよろしく」スッ

衣笠「う、うん。よろしくね」

ギュッ ←両手握手

衣笠「……何か、あんまり実感ないね」

提督「だな」


提督「じゃあ実感ありそうなことする?」

衣笠「実感ありそうなこと!?///」

衣笠(なになに!?キスとかハグとか、それとも……あわわわ)

提督「……ぷっ。分かった分かった。そういうのは後でな」

衣笠「えっ」

提督「まだ心の準備できてなさそうだし」

衣笠「それはそう、だけど……」

衣笠(でもちょっとしてもらいたかったかも……)

提督「それにここ執務室だからな」カタスクメ

衣笠「それもそうよね」


衣笠「……ねえ、提督」

提督「ん?」

衣笠「提督、ほんとに衣笠のこと好き?」

提督「好きだよ。まだ信じてもらえないかな」

衣笠「だって私、戦艦や他の重巡の娘たちみたいにスタイル良くないし、空母の人たちみたいな大人っぽい魅力もなければ軽巡とか駆逐艦の娘たちみたいな愛嬌もないし、どこを好きになってくれたのかなーって」

提督「」パチクリ

衣笠「あ。またそんな顔するー」

提督「いや、衣笠はそのあたり全部持ってるのに何言ってんの」

衣笠「うそお」

提督「うそお、じゃないよ」


衣笠「じゃあ……じゃあ、証明してみてよ」

提督「僕の気持ちを証明すればいいのか?」ズイッ

衣笠(て、提督顔近い!!///)

衣笠「あわわわ……////」

提督「……あははっ。かわいいなあ、衣笠は」ニコッ

衣笠「か、かわいくなんかないって////」プイッ

提督「かわいいよ。少なくとも僕の目にはね」

衣笠「提督の目、大丈夫?」

提督「大丈夫だ、問題ない」

衣笠「そのネタ、もう古いよ?」

提督「通じてるからいいんだよ」

衣笠「たたたたしかに」


提督「それはそうとさ、フォトブックちょっと見せてもらってもいい?」

衣笠「え?うん。提督見てなかったの?」

提督「部屋にいる時間だけで全員分用意するのに必死で見てる余裕なんてなかったから」

衣笠「うわあ……お疲れさま」

提督「ま、部屋に戻ったら青葉がくれたデータもあるからゆっくり見られるんだけどな」


提督「衣笠も後で一緒に見る?」

衣笠「提督の部屋行っていいの?」

提督「もちろん」

衣笠「……それは、私が秘書艦だから?」

提督「いや、僕の好きな娘だからだね」

衣笠「じゃあ、行く……///」

提督「決まりだな」

衣笠「でも今は、これ一緒に見よっ」

提督「ああ」


提督「お。そろそろ夕食の時間だな」

衣笠「ほんとだ、もうこんな時間」

提督「食堂行くか」

衣笠「うん」


テクテク ピタ←食堂の前

提督「あー……」

衣笠「どうしたの?」

提督「いや、みんなにどういう顔で会おうかと思って」

衣笠「いつも通りでいいんじゃない?まだみんなには何も言ってないんだし」

提督「それもそうだな。しかしいつ言ったものか」

衣笠「……青葉あたりに話してばらしてもらう?」

提督「……それがいいかもな」

提督「とりあえず、今は晩ご飯だ」

衣笠「だね」


ガチャ

パパン!パンパパンパン!!

提督「うおっ!」

衣笠「きゃっ!えっ?」

吹雪「司令官!衣笠さん!」

「「「「ケッコンおめでとうございまーす!」」」」

ヒューヒュー オメデトー ワー パチパチ

衣笠「え……ええ!??」

衣笠(何で!?どうしてみんな知ってるの!?)


提督「これは……あ!」

衣笠「もしかして!」

提衣「「あ~お~ば~~~~~~~!!」」

青葉「はい!何でしょうか!」

衣笠「監視カメラの映像、配信したでしょ!」

提督「もしかして記録用の音声もか?」

青葉「二人とも大正解です!さすがですね~」

夕張「私と明石も加担しましたよ!」グッ

提督「あちゃー……これは不覚だったな」

衣笠「姉妹艦なのに全然警戒してなかった……」

青葉「でもそのおかげでこうやってお祝いの準備できているんですからいいじゃないですか」

提督「それは……まあ、そうかもしれんが」


衣笠「でも提督が誰に指輪を渡すかなんて全然言っていなかったのに……」

加古「何言ってんの。提督見てたら衣笠に渡すことぐらい全員分かってたぞ?」

衣笠「えっ!?」

古鷹「それと衣笠が絶対受け入れるってこともね」ニコニコ

衣笠「そ、それは……////」

衣笠「でも、比叡さんだってアピールしたいって」

比叡「アピールしたかったのは本当だけど、どっちかっていうと自分の気持ちを整理するためなのよね」

金剛「私たちみんながテートクと衣笠のケッコンを気持ちよくお祝いできるように、ネ?」ウインク

衣笠「金剛さん……」

提督(最初からそういう魂胆だったのか。うちの金剛型は気が利きすぎて困る)


霧島「さ。話も分かってもらえたことだし、披露宴始めますよ」

提督「ぶっ」

衣笠「ひ、披露宴???」

霧島「結婚式の後は披露宴をやるものでしょう?」

提督「別に式も挙げてないし披露宴やる必要あるか?」

金剛「わたしたちがやりたいからno problemネ」グッ

提督「ああ、そういうこと」

衣笠「身も蓋もなかったね」


大淀「お二人の席はご用意してあります。こちらへ」

提督「あ、ああ……うん。行こうか」スッ

衣笠「うん……え?」

提督「右手置いて」肘トントン

衣笠「!は、はーい……///」スッ

キャー イイネー アツアツー

大淀「みなさん拍手でお迎えを!」

ワー パチパチパチ

衣笠(うわあああ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!ほんとに顔から火が出そうなんだけど!!///)


大淀「では、まずは新郎新婦の紹介をしていただきます」

提督「そこからやるのか」

大淀「せっかくですから」

衣笠「実際の披露宴はそうなの?」

提督「うん。本来は新郎か新婦を知らない出席者に向けてやるもののはずだから、うちではやる必要ないんだけどな」


大淀「まず新郎の紹介を吹雪さん、お願いします」

吹雪「はいっ」

テクテク

吹雪「あ、あー。大丈夫ですか?」

大淀「」コク

吹雪「それじゃ、司令官、衣笠さん、ケッコンおめでとうございます。司令官の紹介は一番お付き合いが長いということで、私吹雪がさせていただきます」

吹雪「最初に司令官に会った時の印象なんですけど……明るくて面白くてよく笑うお兄さんって感じでした。今とあんまり変わりませんね」

アハハ ヤッパリソウナンダ ネー

吹雪「それで私も自然体でいることができたから、この鎮守府は今みたいな明るい雰囲気になったんじゃないかなと思います」

吹雪「それから、多分司令官と遊んだことない人ってこの鎮守府にいないと思うんですよね。それぐらい夕食後の時間や休日は私たちといろいろな形で関わってくれているのはみなさん知っていると思います」

ウンウン ソウダネー

吹雪「その理由が気になって、吹雪型のみんなで司令官と遊んでいるときに質問したんですけど、そしたら私たちのことをちゃんと知るためにいっぱい遊んでくれていたんだそうです。いつも執務で忙しいのに本当にありがとうございます」ペコリ

提督「」ペコリ


吹雪「あと、作戦会議の時の司令官は本当にかっこいいです。一回それを司令官に言ったら『じゃあ今度からもっとだらけようかな』って言われちゃったんですけど、次の時もやっぱりかっこよかったです。真剣なときの姿ってかっこいいですよね!まだ見てない人にはぜひ見てほしいです」

吹雪「ちなみにですね。具体的にどのぐらいかっこいいかというと、衣笠さんが選ぶ司令官の好きな瞬間ランキングのトップ3にランクインするぐらいだそうです」

衣笠「ちょ、それ言っちゃうの!?////」カァァァ

アハハハ デモワカルー

衣笠「もう……////」シュゥゥ

提督(真っ赤になっちゃって……可愛いなあほんとうに)

吹雪「えへへ……それじゃ、短いですけど司令官の紹介を終わります」

パチパチパチ


大淀「吹雪さんありがとうございました。続いて新婦の紹介を青葉さんにしていただきます」

青葉「はーい」

テクテク

青葉「はいっ。というわけで司令官、衣笠、ケッコンおめでとうございます!衣笠の紹介は唯一の姉妹艦ということで、不肖この青葉が担当させていただきますっ」

青葉「みんな準備でお腹減ってるでしょうし、多分衣笠のキャラもみんな分かってると思うのでー……」

ノデー?

青葉「衣笠が選ぶ司令官の好きな瞬間ランキングトップ3、あと二つ発表しちゃいます!」

パチパチ イエーイ マッテマシタァ!

衣笠「青葉ーーーー!////」


青葉「一つ目はさっき吹雪ちゃんが言ったことですね。二つ目はババ抜きとかで最後の二人になって、一騎打ちに勝った時です」

アハハハ ピンポイントデスネー

青葉「んで三つ目は、ちょっと力の抜けた笑顔で「ありがとう」って言われた時だそうです」

ヘー アー ワカルワカル

衣笠(ほっ……)

青葉「これ多分秘書艦やったことある人はどんな感じか分かると思うんですよね。お茶とかお菓子出すとよくそう言ってくれますから」

ウンウン ソウネー


青葉「ただ、これってそのうち見慣れるはずなんですよ。特に衣笠はこの鎮守府で秘書艦やってる日数断トツ多いから余計慣れてるはずなんですよね」

青葉「にも関わらずこれがランクインするあたり、いかに衣笠が司令官に惚れてるか分かるってものですよねえ~?」ニヤニヤ

ヒューヒュー ガヤガヤ

衣笠「も~~~!後で覚えておきなさいよっ/////」カァァァ

提督(さすがにこれは僕も恥ずかしいな……///)

青葉「衣笠のことだから司令官の前だと自然体で全然気持ちに気づいてなかったかもしれませんけど、秘書艦した日は司令官の話ばっかりする程度には司令官にベタ惚れですから、ぜひぜひ私の可愛い妹を幸せにしてやってください」

提督「」コク

青葉「それじゃ、これで新婦の紹介は終わりです。ありがとうございましたっ」

パチパチパチ


大淀「青葉さんありがとうございました」

大淀「では乾杯に移りたいと思います。皆さん、お手元に飲み物をご用意ください。」

ガヤガヤザワザワ

間宮「提督、衣笠さん、どうぞ」

提督「ああ、ありがとう」

衣笠「ありがとう」

大淀「皆さま飲み物はお持ちでしょうか?」

ハーイ

大淀「乾杯の挨拶は金剛さんにお願いします」

金剛「Okay.」

テクテク


金剛「はい。改めて、テートク、衣笠、ケッコンおめでとうございマス」

金剛「乾杯の前に、なぜ私たちの手で披露宴をやることにしたのかだけ話させてクダサイ」

金剛「最近の披露宴は一般的に結婚式とセットで、入籍してから夫婦が企画するそうデース。つまり本当に結婚した直後ではないんデス」

金剛「でも、鎮守府を取り仕切るテートクと秘書艦にそんな余裕はありマセン。それに、私たちが企画してドッキリで披露宴をやったほうが、二人にびっくりしてもらいながらもより喜んでもらえるはずデス」

提督「確かに」

衣笠「それは否定できないよね」


金剛「そして!」

ソシテー⁉

金剛「ケッコン直後にやることで幸せ絶頂かつ初々しい二人を思いっきりからかえマース!」

イエーイ!!! ソウダー! オネエサマサッスガー!

衣笠「金剛さん!!////」

提督「それが本命かー!」

金剛「これは私たちを置いて幸せになった二人へお祝いついでの復讐デース!今日だけは私たちの冷やかしにしっかり付き合ってもらうネ!」ビシッ

ソウダソウダー ワイワイ

衣笠「やられたー……////」

提督「はいはい。分かったよ」

金剛「ありがとうございマス。それじゃ改めて、テートクと衣笠のケッコンを祝してー……乾杯!」

カンパイ!!!


3時間後

大淀「では最後に新郎新婦の挨拶……の前にー」

マエニー?

大淀「提督」

提督「はい」

大淀「結婚式で必ずやること、何かお忘れではありませんか?」

提督「誓いの言葉か?」

大淀「近いですが違いますね」

提督「じゃあ三三九度だな」

大淀「日本式に逃げましたね。違います」

提督「ということはキリスト教式だろうから……あれだ。賛美歌」

大淀「違います。提督はお分かりのはずですからそろそろ観念してください」

提督「はあ……なるほど最後にそれを持ってきたか」

大淀「指輪を渡す際にしていなかったのですから、せめてここではやっていただきましょう」

提督「そうなっちゃうのかあ」


衣笠「な、なにやるの……?」

提督「……誓いのキス」

衣笠「キ、キスぅ!?!??//////」

提督「」コク

大淀「はい正解です。先ほど提督と衣笠さんは執務室だということを理由にキスどころかハグもしませんでしたね。せっかくですので私たちの前でやっていただきます」

イエーイ!

衣笠「えええ!??///」カァァァ


提督「やらないとダメか?」

大淀「ダメです。指輪を誰に渡すかとっくに決めているくせに指輪を渡せないみんなも特別なんだアピールするずるい提督と、そんな提督に選んでもらえるのは明らかだった、というか既に選ばれているも同然だったのに全然認識していなかった衣笠さんには、このぐらいの恥ずかしさは味わっていただかないと不公平です」

アハハハ オオヨドイイワヨー! ソウダソウダー

提督「なるほど。そう言えばそういう趣旨だったな」

大淀「そういう趣旨ですよ」ニッコリ

衣笠「あわわわ……/////」フルフル

提督(まあ手で隠すなり顔の角度調節して見えないようにするなり、やりようはあるか)

大淀「あ。キスの瞬間が私たちに見えないように手で隠したり顔の角度を調節したりするのはやめてくださいね」クイッ

提督「なんでばれたんだ」

大淀「計算通りですっ」キリッ


提督「仕方ないな。衣笠、大人しく誓いのキスしようか」ポンッ

衣笠「諦めよすぎないっ!?」

提督「だってキスしないと解放してくれなさそうだし」

衣笠「それはそうだけど……」

衣笠「……分かった///」キュッ

オー!?

提督「力を抜いて」ヒソヒソ

衣笠「う、うん……///」






チュッ





ワー ヒューヒュー

提督「これがファーストキスだけど、良かったか?」ヒソヒソ

衣笠「うん……ありがとね////」

提督(やばい今の衣笠めっちゃかわいい抱きたい)


大淀「ありがとうございます。では新郎新婦から一言挨拶していただきます」

提督「あ、ああ。挨拶ね。分かったよ」

提督「みんなお疲れさま。そしていろいろとありがとう。もう一体何が今日のメインイベントだったか忘れそうだぞ」

アハハ タシカニー

提督「とりあえず一つ聞きたいが、この披露宴ドッキリの取りまとめは誰だ?」

長門「」スッ

陸奥「はーい」スッ

大和「はい」スッ

武蔵「」スッ

提督「そうなのか。こっちもてっきり金剛たちの悪ノリかと思ったんだが」

アハハ

金剛「悪ノリとは失礼ネ」

比叡「発案したのは私たちですけど、そうすると手が回らなくなったり情報が漏れたりするリスクがあったので」

長門「私たちが引き受けたというわけだ」

提督「なるほど。忙しい中ありがとう。恥ずかしかったけど楽しませてもらったよ」


提督「それから大淀も、需要をきっちりわきまえた完璧な司会お疲れさま」

大淀「ありがとうございます」ペコリ

パチパチパチ

提督「他の鎮守府の大淀は冗談が通じないとか頭が固いとかいう話ばっかり聞くのに、なんでうちはこうなったかな」

大淀「提督は一度鏡を確認なさるとよろしいかと」

提督「知ってたよ。とにかく今日はみんなありがとう。いろんな意味で忘れられない一日になったよ。また明日からもよろしく頼む」

パチパチパチパチ


大淀「提督ありがとうございます。では続いて衣笠さん……話せそうですか?」

衣笠「話さないとだめ?///」

大淀「話せそうですね!お願いします」

衣笠「え、ええと……///」

衣笠「……きょ、今日はほんとにありがとうございました」

衣笠「確認だけど、あのフォトブックは提督と青葉と明石さんのドッキリだったのよね?」

提督「うん」

衣笠「それで、この披露宴ドッキリは提督と私以外全員、ですよね?」

金剛「Yes!」

衣笠「それで、提督は指輪を私に渡すことは前から……?」

提督「決めてたね」

衣笠「それを私以外はみんな知っていた……?」

大淀「そういうことですね」

衣笠「何も知らなかったの私だけって……恥ずかしい……////」

アハハ


衣笠「い、いいもーん!今だけでも提督のこと独り占めするもんねー!///」

オオー???

衣笠「……や、やっぱり今の無しで////」

アハハハ マッカニナッテルー カワイー

大淀「衣笠さん。今幸せですか?」

衣笠「///」コクコク

大淀「だそうです!」

イエーイ オメデトー

衣笠「うん……ありがと……////」


大淀「ありがとうございました。では、新郎新婦のお見送りをしたいと思います。皆さん花道の位置へ移動をお願いします」

ハーイ モ-オワリカー ガヤガヤ

大淀「ちなみに提督」

提督「ん?」

大淀「今夜のご予定は?」

提督「ノーコメントで」ニヤリ

大淀「では私たちで勝手に想像させていただきましょう」

大淀「花道ができましたね。では、新郎新婦の退場です。皆さま、拍手とフラワーシャワーを!」

パチパチパチパチ オメデトーゴザイマース ワーワー


提督「お疲れ」

衣笠「うん……お疲れさま……///」

提督「あはは。衣笠は大変だったな」

衣笠「本当だよもー。みんなしてからかうんだから……///」

提督「ずっと顔真っ赤でかわいかったよ」

衣笠「もう!提督まで!///」

衣笠(でも提督にかわいいって言ってもらえること全然なかったからちょっと嬉しいな……///)


ガチャ

提督「さ、入って」

衣笠「おじゃましまーす……」

提督「ちょっと一服したいし、紅茶でも入れるかな。衣笠も飲む?」

衣笠「あー……じゃあもらおっかな」

提督「ん」


提督「はい」トン

衣笠「ありがとね」

提督「どういたしまして」

提督「それと、こっちが青葉から送られてきた写真だ」シュッシュッ←タブレット操作してる

衣笠「うわー、すごい数」

提督「全員分だからね」

衣笠「にしてもツーショットだけでこんなにあるんだ」

提督「何かにつけて撮ってきたからだろうな。とはいえこんな形で役に立つとは思わなかったよ」


提督「結局使わなかった写真もあるけど見る?」

衣笠「見る見る。どんなの?」

提督「例えばこれだな」

衣笠「ぶふぉっ」

衣笠「な、なんで私提督にもたれかかって寝てるの!?///」

提督「最初の大規模作戦の打ち上げの時だよ。疲れて途中で寝てしまったの覚えてないか?」

衣笠「最初の……あーそういやそうだったっけ」


提督「で、僕にもたれかかって寝てたから起きるまでそのままに」

衣笠「待って待って。その間ずっと提督私のこと支えてたの?」

提督「うん。つっても座ってただけだけど」

衣笠「重くなかった?」

提督「全然」

衣笠「他の娘と話とかしなくてよかったの?」

提督「話したい娘は向こうから来てくれたから大丈夫だよ」


衣笠「……提督、冷やかされたりしなかった??」

提督「されたけど?」

衣笠「されたのお!?」

提督「そりゃもう、「あつあつですねー♪」とか「ねえねえ。今どんな気持ち?どんな気持ち??」とか散々ね」

衣笠「うわあ……///」

提督「青葉にも50枚ぐらい撮られたしなあ」

衣笠「青葉~~~~~~!!!////」


衣笠「その50枚って消させたの?提督のことだから消させてないよね?」

提督「青葉にもらったから全部ここにあるぞ」シュシュシュ

衣笠「わーわーわーーー///」バタバタ

提督「見ないのか?」ニヤニヤ

衣笠「恥ずかしくて見れるわけないじゃん!///」

提督「そうか」

衣笠「逆に何で提督は普通に見れるの?」

提督「僕の落ち度じゃないからかな」アハハ

衣笠「ぐぬぬ……///」


衣笠「こんなことやらかしてたなんて全然知らなかった……///」

提督「だろうな。みんなも次の日にはだいぶ忘れてたし」

衣笠「提督よく覚えてたね」

提督「そりゃ好きな相手が自分にもたれかかって寝てくれるなんてこと、忘れるわけないだろ」

衣笠「ぶっ//」

衣笠「まあ……確かに、提督が私にもたれかかって寝るなんてことあったら絶対忘れないと思うけど///」

提督「だろ?」

衣笠「でも提督ガード固いから絶対そんなことないでしょ」

提督「そんなに固いとは思わないけど、みんなに迷惑をかけないようには意識しているかな」

衣笠「それをガード固いって言うんだって」

衣笠(まあ、そういうところも好きだけど……//)

衣笠(……あっ、今のも言ったほうがよかったのかな……)


衣笠「……ねえ」

提督「うん?」

衣笠「提督はさ、私がもっと好きって気持ち見せたほうがいいと思う?」

提督「それはつまり、その気持ちを見せるつもりがあるってことだな」

衣笠「ま、まあ、そうかな///」

提督「じゃあ見せてほしいなーどんな風に見せてくれるか気になるなー」ニヤニヤ

衣笠「もー!絶対そう言うと思ったー////」

提督「で?見せてくれるの?」

衣笠「うう……///」


衣笠「じゃあ、ちょっと向こう向いてて」

提督「こうか?」

衣笠「うん」

衣笠(やるしかない……よしっ)




ムギュッ

提督「うおっ」




衣笠「提督……愛してるっ///」ササヤキ

提督「」ズキューン


衣笠「こ……これでいい?///」

提督「ああ……最高だよ……」キラキラ

衣笠「そ、そっか……///」

衣笠(喜んでもらえたならよかった、かな///)



衣笠(っていうか、流れで抱き着いちゃったけど、提督の背中って気持ちいいのね)スリスリ

衣笠(……何か言われるまでこのままでいちゃおっと///)ムギュギュッ










提督(衣笠、まだ離れないのか。この体勢そんなに気に入ったのかな)

提督(背中に思いっきりおっぱい押し付けられてるし、嬉しいどころか我慢するのが大変なんだが……)

提督(……いいや。衣笠が離れる気ないならこのままでいてもらおうっと)


青葉「この後司令官と衣笠がどうなったのか?それはみなさんのご想像にお任せします♪」

加古「ただ、まだ話は終わらないんだよなあ」

古鷹「ここからはこれまで起こったことの裏話、つまり私たちの視点からの物語をお話ししたいと思います」

青葉「メインで登場するのは金剛型四姉妹のみなさんですけどね」

古鷹「鎮守府の面々がどういう雰囲気でこの日を迎えたのか、その一端でも伝われば幸いです。私たち三人もちょっとだけ登場しますよ」

青葉「というわけで、もう少しだけお付き合いくださいっ」

加古(もう少しだけ(もう少しだけとは言ってない)だけどな)

古鷹(分かってても言わないの)


榛名「お姉さま。聞きました?」

金剛「聞いたヨ。ついに私たちの鎮守府にもこの時が来たようネ」

榛名「ええ」

比叡「でも、私たちにはあんまり関係nゲフンゲフン」

霧島「さすがにそれを言っては身も蓋もありませんよ……」

金剛「ま、比叡の言う通りネ。テートクは衣笠に指輪を渡すデショ?」

榛名「そう考えて間違いないと思います。多少残念ですが……」

霧島「お姉さまも榛名も納得しているならいいんですけどね」


比叡「そういう霧島だって、司令のことは好きでしょ?」

霧島「そそそ、それはそうですが」

金剛「ならそれをテートクに言わないのはもったいないとしか言えないヨ?」

霧島「もっともですけど、いつ言うんですか。こんなタイミングで言ったら司令を悩ませるだけですよ」

比叡「どこかで言うタイミング作れたらなー」

榛名「提督にお願いして時間を取ってもらいますか?」

霧島「でも私は指輪をもらいたいわけではありませんから」

金剛「本当ニ?」

霧島「……訂正しましょう。司令を衣笠から奪ってまで指輪をもらいたいわけではありません」

金剛「正直でよろしい」


霧島「そういうわけで、一人だけ時間を作ってもらうのは申し訳なくて私はできません」

榛名「それに、霧島が想いを告白するなら私もきちんと告白したいです」

金剛「そうですヨネー」

比叡「じゃあいっそ全員分の告白タイム作っちゃいます?」

榛名「全員分ですか??」

比叡「うん」

金剛「榛名や霧島でさえまだ未練が残ってるんだから、他にもテートクと衣笠のケッコンを素直にお祝いできない子はたくさんいるでしょうしネ」

霧島「未練とまで言われるのは不本意ですが、同感ですね」

榛名「では提督にお願いして、全員の告白タイムをセッティングしていただきますか?」

比叡「それが一番すっきり収まりそうじゃない?」

金剛「決まりネ!早速テートクのところに行きマショウ!」ガタッ

比叡「はい!」ガタッ

榛名「い、今ですか??」

霧島「まあ善は急げと言うし、後は歩きながら話しましょう」


放送終了後

金剛「これでヨシ」

榛名「早速準備しますか?」

金剛「そうネ。でも、」

比叡「でも?」

金剛「どうせ衣笠に渡すのが分かっているなら、お祝いの準備をしてもいいんじゃナイ?」

榛名「お祝いですか」

比叡「いいですね!」

霧島「披露宴と言ったところですか。しかし、そこまで私たちだけでやる余裕ありますか?」

榛名「ちょっと厳しいわよね」

金剛「そうなのよネー。誰かちょうどいい人が……」


長門「お。ちょうどいたぞ」

金剛「!」

陸奥「あら。ちょっと話したいことがあるんだけど」

金剛「Oh!実は私たちもネ」

カクカクシカジカ

陸奥「私たちもそう思っていたところよ。金剛たちがそっちをやるなら、こっちは大和と武蔵あたりを巻き込もうかしらね」

長門「そうだな。私たちに任せてもらおう」

榛名「ありがとうございます」

陸奥「あ。そういうことなら、衣笠以外の六戦隊は貸してもらうわね」

霧島「問題ないけど、何をするつもり?」

陸奥「うふふ。話が決まったら教えてあげるわ」

長門「行くか」

陸奥「そうね。じゃあまた」

金剛「そっちも楽しみにしてるヨ」

陸奥「任せておいて」


一週間後

長門「進捗はどうだ?」

金剛「順調ネ。決めるべきことはだいたい決まって、後はテートクとみんなに伝えるぐらいカナ」

長門「さすがに早いな」

金剛「意外とやること少なかったからネ。そっちは?」

長門「目途はついたと言っていいだろう。金剛たちと話した日のうちには会場と食事の用意を取りまとめる者も決まったし、六戦隊の衣笠以外三人も快諾してくれたよ」

長門「昨日聞いた限りでは既に詳細も決まって実施準備段階に入っている。六戦隊も明石と夕張を加えて明日試験をするそうだ。司会原稿も大和と大淀が書き進めている」

金剛「Good. いい感じネ」

長門「ああ。不安の種は会場設営の事前準備が間に合うかと、機器に不具合がないかあたりだが」

金剛「それはみんなを信じるしかないネ」

長門「そうだな。まあ、うちなら何とかなるだろう」

金剛「うんうん」


20日 食堂にて

金剛「戻ったヨー」

榛名「おかえりなさい」

霧島「もう全員行きましたか?司令のところに行ってない人はいませんね?」

ザワザワ

比叡「いなさそうね」

金剛「ではこれでテートクへのアピール大作戦は終了デース!みなさーん、お疲れさまデシタ!」

オツカレサマデシター アリガトウゴザイマスー


衣笠「さてと」スッ

青葉「お。どこ行くの?」

衣笠「執務室に決まってるでしょ。秘書艦なんだし、全員終わったなら戻らなきゃ」

青葉「そうだよねー」ニヤニヤ

衣笠「な、何?」

青葉「何でもないって。いってらっしゃーい」

衣笠「いってきまーす」

ギィ……ガチャ

「「「……」」」


赤城「衣笠、視界から消えました」

長門「よし!作戦開始!」

夕張「行きますか!」ガタッ

明石「行きましょう!」ガタッ

青葉「準備はできてるはずです!よろしくお願いします!」

夕張「任せて!じゃ!」ダッ

バタン

鈴谷「それじゃ、プロジェクターの準備だね」

青葉「うん。ちゃっちゃとやっちゃいましょう」

ガヤガヤ


プルルルルルル

加古「食堂でーす。どうぞー」

明石『監視カメラメンテナンスルームです。プロジェクターの準備状況はどうですか?』

加古「あと一分ぐらいかな」

明石『了解でーす。こっちは後三十秒ぐらいで回せますよー』

加古「あいよー。準備でき次第映像回してー」

明石『はーい』


古鷹「……接続よし。プロジェクター起動っと」

青葉「……!映像来ました!」

加古「映像来たよー」

明石『乱れ、コマ落ち、ノイズ等ありませんか?』

加古「映像乱れ無し。オールクリアだね」

明石『オールクリア了解です。では音声もいきますよー』

提督『……衣笠もいろいろ調整してくれてありがとう』

榛名「来ました!」

衣笠『いいのいいの。衣笠さんにお任せ。でしょ?』

提督『ははっ。そうだな』


提督『みんなは部屋に帰った?』

衣笠『ううん。みんな食堂でフォトブック見ながらいろいろ話してたよ』

提督『そうか。わざわざ来てもらって悪いね』

衣笠『秘書艦だもん。気にしない気にしない』

提督『まったく、我ながらいい秘書艦を持ったもんだ』ニコッ

衣笠『でしょでしょ?』ニコッ

鈴谷「衣笠嬉しそー」

青葉「こういう時のガッサほんと良い顔するんですよねー」


提督『さてと、』

マイクオン

夕張『あっ放送入る』

明石『マイク……オフ。よし』

提督『司令官だ。全員その場で聞いてほしい』←放送

提督『今日は本当にいい日だった。みんなの思いを聞けたのはもちろん、私も今まで言っていなかったことや言えていなかったことを伝えられて、またみんなとの距離が少し近くなったように感じている』

提督『この企画を主導してくれた金剛、比叡、榛名、霧島、調整のために動いてくれた衣笠と大淀、それから私の勝手なわがままに快く付き合ってくれた青葉と明石にはここで改めて感謝したい。ありがとう』

パチパチパチ

金剛「いやーそれほどでもないネ」テレテレ

霧島(お姉さまも司令に褒められると弱いのよね。全くあの人は)ヤレヤレ


提督『……なお、指輪については今日のうちに誰に渡すか明言させてもらう。もちろん拒否権はあるが、私の諦めが悪い性格はよく知っていると思うので大人しく受け取ってもらえるとありがたい』

足柄「回りくどい言い方ね~」

鈴谷「素直に好きだからって言えばいいじゃん」

熊野(鈴谷が言えることではないでしょうに)

提督『皆の努力で戦況が好転しているとはいえ、まだ戦いの終わりは見えない。それでも、私はここで君たちといられて幸せだと、心から思う。これからもよろしく頼む。以上だ』

マイクオフ

パチパチパチパチ


明石『よし。マイクオン』

提督『ふー……』

衣笠『重ね重ねだけど、お疲れさま』

提督『重ね重ねありがとう』カタスクメ

衣笠『お茶でも飲む?』

提督『そうだね。ちょっと一服しようか』

衣笠『うん。ちょっと待ってて』



コポコポ



衣笠『はい。お待たせ』トン

提督『ありがとう』

蒼龍「まだかなまだかな」ワクワク

飛龍「そろそろやってほしいよね」ワクワク


ズー

提督『あー……落ち着くー』

衣笠『おじいちゃんじゃないんだから』ププッ

提督『でもお茶飲んでると、日本人の心を取り戻す感じしない?』

加古「しないしない」

衣笠『それはちょっと分かるかも』

青葉「これですからね~」ニヤニヤ

提督『だろ?』

衣笠『他の娘に言っても絶対分かんないと思うけどね』

提督『やっぱそうかー』

日向「まあ、そうなるな」


衣笠『』モジモジ

吹雪「衣笠さん、何か考えてますね」

古鷹「これは衣笠から切り出すかな」

衣笠『ねえねえ、提督』

提督『ん?』

衣笠『指輪、誰に渡すか決めてるの?』

「「「おおっ!」」」

榛名「いきましたね!」

熊野「いよいよですわね」


提督『』キョトン

衣笠『えっなにその顔』

提督『何って、お前気づいてなかったの?』

鈴谷「そりゃそうなるっしょ」

衣笠『えっ!何で気づいてると思ってたの!?』

提督『いやいや、これだけ僕の近くにいたんだから気づくだろ』

衣笠『気づくわけないでしょ!?だって、提督誰が好きとか誰がかわいいとか全然言わないじゃん!』

蒼龍「これはまあ一理あるかな」

飛龍「びっくりするぐらいそういうこと言わないもんね」


提督『ぷっ、あはははは。そうか、衣笠からはそう見えてたのか』ゲラゲラ

衣笠『ちょっ、そんな笑うことないでしょ!?』

提督『いやいや、これは笑わないの無理だって』ゲラゲラ

衣笠『えっちょっ、もーーー!』

比叡「あーあー司令あんなに笑っちゃって」クスクス

金剛「でもこれは笑う気持ちも分かるネ」クスクス

鈴谷「大丈夫?衣笠さんの中で提督の評価下がらない?」

青葉「大丈夫ですっ」グッ

古鷹「ああいうやりとりも結構楽しんでるからね」


提督『あー疲れた』

衣笠『自分でツボってただけでしょ』

提督『衣笠が変なことを言うのが悪い』

衣笠『はいはい』

衣笠『』クスッ

古鷹「ほら。ちょっと楽しそうにしてるでしょ」

鈴谷「ほんとだ」

衣笠『で?提督は誰に指輪渡すの?』

熊野「めげずにいきましたわね」

提督『じゃあ、ちゃんと言うか』クルッ

長門「お」

武蔵「いよいよか?」


提督『君だよ、衣笠』

「「「おおーーー!!」」」

大和「きました!」

榛名「ついに告白です!!」












衣笠『え?』

「「「ええー!?」」」

鈴谷「「え?」じゃないでしょー!」


衣笠『えっえっ待って待って待って』

提督『お、おう。待つよ』

衣笠『えっほんとに私?』

提督『ほんとに君だよ?』

加賀「よほど信じられないようね」

瑞鶴「どれだけ好かれてる自覚なかったの」


衣笠『金剛さんや榛名さんじゃなくて?』

提督『うん』

金剛「絶対あり得ないデース!」

榛名「ちょっと悔しいですけど絶対に違います!」

衣笠『古鷹とか青葉の間違いでもなく?』

提督『そうだよ』

加古「何言ってんの」

古鷹「そんな間違いするわけないでしょ」


提督『なんでそんな疑心暗鬼になってんの?』

衣笠『だって、普通好きな人の前だと緊張するとか見栄張るとか、セクハラとかいたずらして気を引こうとするとかあるんじゃないの?』

「「「ああー」」」

白雪「固定観念が邪魔しちゃったんですね」

吹雪「でもそれって……」

提督『普通はな。でも僕は、好きな人の前ではむしろ自然体になれるタイプなんだよね』

衣笠『えー。そんなの気づくわけないってー』

提督『それは悪かったな』ハハハ

飛龍「外野から見てたらかなり分かりやすいんだけどな」

蒼龍「提督って割と誰にでもフランクだけど、衣笠と話す時が一番砕けてるもんね」


提督『で?』

衣笠『ん?なに?』

提督『衣笠は指輪もらってくれるの?』

鈴谷「こんな一大事なのにノリが軽いなあ」

衣笠『え?うん、もちろん』

加古「衣笠も軽いんだよなあ」

熊野「ぬるっと承諾しましたわね」

提督『』パチクリ

衣笠『待って、なんでまたそんな顔するの?』

陸奥「これ提督も衣笠と同じパターンなの?」

吹雪「そんな気しかしないです……」


提督『一応確認するけど、僕は衣笠に好きだからっていう理由で指輪を贈ろうとしているんだよ?』

衣笠『う、うん。それは分かってる』

提督『つまり恋人とかパートナーみたいな関係になってほしいっていう願望も入ってるんだけど、それも受け入れてくれるってこと?』

比叡「司令もはっきり言いますねー」ニヤニヤ

青葉「はっきり言わないと衣笠に伝わりませんからね」

衣笠『逆に聞くけど、提督は本当にその相手が私でいいの?』

提督『うん。さっきから言ってるけど、衣笠のこと好きだし』

衣笠『///じゃあ、私は喜んでもらうよ?』

提督『?』

衣笠『?』

「「「「二人とも鈍いなあ……」」」」


提督『もしかして、衣笠って僕のこと好きだった?』

衣笠『えっ!気づいてなかったの!?』

提督『だって普通は好きな人の前だと緊張したり仮面かぶったりするんじゃないのか?衣笠もそう言ってただろ?』

深雪「だよなー」

初雪「似た者同士すぎる……」

衣笠『普通はそうだけど、私は提督の前だとむしろ自然体になれるし、そこを好きになったんだけど』

提督『完全に逆だと思ってたよ』

衣笠『提督のこと何とも思ってないから自然体にしてるって?』

提督『うん』

蒼龍「なんで提督って自分はそうじゃないのに衣笠のことはこう思ってたの?」

青葉「多分ですけど、自分の感覚がたいていの人と違うっていう自覚があるからじゃないですかね」

飛龍「ああ、だからこんなことに……」


衣笠『でもさ、提督のこと好きでもなかったらわざわざ今執務室に来ないと思わない?』

鈴谷「だよねー」

提督『確かに何で来てくれたんだろうとは思ったけど』

瑞鶴「鈍いなあ」

衣笠『鈍いなあ』

古鷹「衣笠は提督のこと言えないからね」

提督『否定できないけど衣笠には言われたくないなあ』

比叡「ですよねー」

衣笠『うぐっ。そう言われると何も言えない……』

提督『……ふふっ。これもこれでいいか、似た者同士で』ニッ

衣笠『……それもそうね』フフッ

青葉「おっ!ようやくのイチャイチャですよ!」

古鷹「ここまで長かったね」


提督『そうと決まれば』スクッ

衣笠『!』ガタッ

衣笠『ゆ、指輪?』ソワソワ

「「「!!」」」ガタッ

提督『うん。もう99になってるし、これ以上先送りにする理由はないよ』ガラッ

陸奥「いよいよなのね」

翔鶴「いよいよですね」

提督『ただ、その前に書類だな』

衣笠『そうだった』

瑞鶴「そんなのあるんだ」

蒼龍「全然知らなかったね」

飛龍「でも衣笠は知ってたみたいじゃない?」

古鷹「多分提督と一緒に確認したんでしょうね」

鈴谷「ほんと特別扱いだよねー」


提督『』カリカリ

提督『よし。衣笠も署名してくれ』

衣笠『オッケー』

衣笠『』カリカリ

衣笠『これでいいのよね?』

提督『ああ』

大和「これがケッコン……」

陸奥「言っちゃなんだけど、あんまりムードないのね」

長門「気持ちは分かるが、上が決めた制度である以上致し方ないだろう」


提督『それじゃ、左手を』

衣笠『う、うん』スッ

スッ

衣笠『はああ……』キラキラ

「「「おおー」」」パチパチパチ

提督『そういうわけで、改めて、これからよろしく』スッ

衣笠『う、うん。よろしくねっ』

ギュッ ←両手握手

「「「ええー!?」」」

金剛「そこはhugしてkissデショ!」

青葉「まあ今されてもカメラで撮れないのであれですけど」


衣笠『……何か、あんまり実感ないね』

提督『だな』

瑞鶴「そりゃそうよ」

提督『じゃあ実感ありそうなことする?』

「「「おおっ!?」」」

衣笠『実感ありそうなこと!?///』

古鷹「焦ってる焦ってる」ニヤニヤ

青葉「あー我が妹ながら可愛いですねえ!今すぐにでも撮りに行きたいですっ!」バンバン

加古「撮りに行ったところで撮らせてくれないだろうけどな」


提督『……ぷっ。分かった分かった。そういうのは後でな』

「「「えー???」」」

衣笠『えっ』

提督『まだ心の準備できてなさそうだし』

武蔵「これは間違いないな」

衣笠『それはそう、だけど……』

飛龍「それでもやってほしかったんだ」

鈴谷「そりゃやってほしいよね」


提督『それにここ執務室だからな』カタスクメ

衣笠『それもそうよね』

瑞鶴「あ。これもう執務室では何もない流れだ」

金剛「面白くないネー」

霧島「はっ!では披露宴の時に誓いのキスをしてもらいましょう!」キラーン

比叡「霧島ナイス!」

大淀「司会台本に追記しておきます!」

大和「盛り上がるから最後のほうに取っておきましょう」

大淀「そうですね。新郎新婦挨拶の前にねじ込みます」メモメモ


衣笠『……ねえ、提督』

提督『ん?』

衣笠『提督、ほんとに衣笠のこと好き?』

加古「まだ言ってるよこの人」

翔鶴「そんなに信じられないのかしら」

提督『好きだよ。まだ信じてもらえないかな』

衣笠『だって私、戦艦や他の重巡の娘たちみたいにスタイル良くないし、空母の人たちみたいな大人っぽい魅力もなければ軽巡とか駆逐艦の娘たちみたいな愛嬌もないし、どこを好きになってくれたのかなーって』

「「「え???」」」

鈴谷「いやいや、衣笠さんめちゃくちゃスタイルいいじゃん」

古鷹「愛嬌だって十分すぎるぐらいあるし」

吹雪「大人っぽくてかっこいいときもありますよね」

熊野「計算高いのもどうかと思いますけど、さすがに自分の魅力を意識していなさすぎですわね」


提督『』パチクリ

衣笠『あ。またそんな顔するー』

提督『いや、衣笠はそのあたり全部持ってるのに何言ってんの』

加古「提督にも言われてるし」

武蔵「当然の結果だな」

衣笠『うそお』

提督『うそお、じゃないよ』


衣笠『じゃあ……じゃあ、証明してみてよ』

瑞鶴「んな無茶な」

蒼龍「でもこういう無茶言っちゃうのって、恋する乙女っぽくてかわいいよね」ニヤニヤ

提督『僕の気持ちを証明すればいいのか?』ズイッ

「「「おおっ!?」」」

鈴谷「さっきの撤回する感じ!?」

飛龍「いい感じですよ提督!」ワクワク

金剛「そのままkissデース!」ワクワク

衣笠『あわわわ……////』


提督『……あははっ。かわいいなあ、衣笠は』ニコッ

「「「おおお!?!??」」」

比叡「ししし司令が「かわいい」なんて言いましたよぉ!?」

霧島「キスしないかわりに予想外の言葉が飛び出しましたね」

陸奥「誰か提督に「かわいい」とか「きれい」って言われたことある子いる!?」

飛龍「噂すら聞いたことないよね!?」

金剛「大型艦は無理でも駆逐艦たちならどうネ!?」

吹雪「特型はいません!」

陽炎「陽炎型もなしです!」

睦月「睦月型も誰もないにゃし!」

鈴谷「睦月型の子たちにすら言ってないの!?」

熊野「それは誰も言われてないと考えておかしくありませんわね……」

加賀「恐ろしいガードの固さね」

飛龍「もしかして衣笠に言うまで誰にも言わないようにしてたとか?」

古鷹「確証はありませんけど、提督ならありうる話ですね」

蒼龍「じゃあこれからは私たちにもチャンスあるってこと?」

青葉「かもしれませんね!これは要取材案件ですっ!」

瑞鶴「青葉がんば!」


衣笠『か、かわいくなんかないって////』プイッ

提督『かわいいよ。少なくとも僕の目にはね』

衣笠『提督の目、大丈夫?』

提督『大丈夫だ、問題ない』

衣笠『そのネタ、もう古いよ?』

提督『通じてるからいいんだよ』

衣笠『たたたたしかに』

(※このあたりはみんな大騒ぎしてて聞き逃しました)


提督『それはそうとさ、フォトブックちょっと見せてもらってもいい?』

衣笠『え?うん。提督見てなかったの?』

提督『部屋にいる時間だけで全員分用意するのに必死で見てる余裕なんてなかったから』

「「「うわあ……」」」

瑞鶴「あれって工廠で作ったんじゃなかったの?」

青葉「フォトブック本体は工廠で作ったんですけど、青葉の送ったデータから写真選んで印刷してフォトブックに入れるのは全部司令官一人でやったみたいなんですよ」

比叡「ひえー……」

熊野「無理していないか心配ですけど、ありがたいことですわ」


衣笠『うわあ……お疲れさま』

提督『ま、部屋に戻ったら青葉がくれたデータもあるからゆっくり見られるんだけどな』

提督『衣笠も後で一緒に見る?』

衣笠『提督の部屋行っていいの?』

提督『もちろん』

「「「おおっ」」」

青葉「ついに司令官の部屋の秘密が……!」

古鷹「秘密は言いすぎだけど、提督の部屋に入るのも衣笠が最初になるんだね」


衣笠『……それは、私が秘書艦だから?』

提督『いや、僕の好きな娘だからだね』

「「「おおー」」」

衣笠『じゃあ、行く……///』

青葉「あああああガッサ可愛いいいいい!!カメラ、カメラあああああ!!!」バンバンバンバン

加古「はいはいドンマイ」

蒼龍「こうやって見たら恋する女の子がかわいいっていうのよくわかるね」ニヤニヤ

飛龍「ね。楽しいなー」ニヤニヤ


提督『決まりだな』

衣笠『でも今は、これ一緒に見よっ』

提督『ああ』

大和「うーん、甘くなってきましたね~」ニコニコ

武蔵「だがこれ以上見ていたら披露宴の準備が間に合わないぞ」

陸奥「というわけで、今は心を鬼にして準備に取り掛かるわよ!」

青葉「後で録画したのを編集しておきますから今は我慢してください!」

長門「では所定の計画にしたがって行動開始!私たちの総力を挙げて二人を祝うぞ!」

「「「おー!!」」」


天龍「会場準備完了っと」

鳳翔「食事も準備できました」

長門「なんとか間に合ったな」

陸奥「早く来た時のための妨害要員も準備したけど、出番はなかったわね」

飛龍「あーあ残念」

蒼龍「せっかくあの二人を思う存分からかえると思ったのに」

大淀「その分披露宴の間にしっかりからかって楽しみましょう」


プルルルルルル

加古「食堂だよー」

夕張『提督と衣笠さん、執務室出ます!』

加古「了解っ。二人も急いで戻ってー」

夕張『了解!切りますね!』プツッ

加古「提督と衣笠、執務室出るってー!」

長門「総員配置につけ!」

バタバタバタ


赤城「……明石と夕張が戻ってきました」

コンコン

夕張『夕張及び明石、戻りました』

ガチャ

吹雪「おかえりなさい」

夕張「二人はまだ?」

吹雪「まだですよ」

明石「間に合ったー……」

夕張「さ、私たちも急いで配置につかないと」

明石「そうね」

パタパタ……シーン



赤城「……!来ました!提督と衣笠です!」

長門「いよいよだな」

金剛「いよいよネ」

シーーーーーーン





吹雪(……あれ?)

白雪(二人ともそこまで来たよね?)

初雪(……気づかれた?)

深雪(まさか。外からは見えないようにしたじゃん)

ガチャ

(((来た!!!!!!)))

吹雪型一同(せーの!)

パパン!パンパパンパン!!

提督「うおっ!」

衣笠「きゃっ!えっ?」

吹雪「司令官!衣笠さん!」

「「「「ケッコンおめでとうございまーす!」」」」


……

古鷹「いい一日だったねえ」

加古「だなー……って、あれ?青葉は?」

青葉「極秘映像!極秘映像入手しました!!」ダダダダ

古鷹「どうしたの急に」

青葉「頑張って見つけてきたんです!ほら!」

古鷹「こ、これって……大丈夫?18禁じゃないのこれ///」

青葉「18禁かもですけどここなら大丈夫!なはず!」グッ

加古「想像に任せるって一体なんだったんだ……」

青葉「面白いからいいんです!というわけで、最後におまけシーンをお楽しみくださいっ」


提督の私室

衣笠「はあ……はあ……」

提督「はあ……ふう…………」

提督「……衣笠……大丈夫……?」

衣笠「…………大丈夫じゃ……ないよ……」


衣笠「提督がこんなケダモノだなんて知らなかった~~~~~////」

提督「悪かったな、ずっと隠してて」

衣笠「セクハラとかも全然しないからもっと草食系だと思ってたのに……///」

提督「じゃあヤらないほうがよかった?」

衣笠「そうは言わないけど……気持ちよかったし///」

提督「ならいいんだが」


衣笠「……提督、」

提督「うん?」

衣笠「もしかして、今までこういうことずっと我慢してた?」

提督「我慢……はしてないけど、一人で勝手に済ませてたかな」

衣笠「それは我慢したうちに入ると思うんだけど」

提督「そうか?」

衣笠「うん。着任して一年以上経つのに今日が初めてなんて、よく耐えられたね」

提督「あんまり耐えた実感はないんだけどな」


提督「そもそも今まで他人とヤったことなかったから、無理やりにでもヤるって発想にならなかったのかもな」

衣笠「えっ!?提督、童貞だったの!?」

提督「そうだよ。ついさっき卒業したとこだ」

衣笠「私で?」

提督「うん。衣笠で」

衣笠「ふ~ん」ニヨニヨ

提督「どうかした?」

衣笠「なんか嬉しいなーって」

提督「そ、そうか」


衣笠「提督、最初の相手がほんとに私で良かった?」

提督「なんで?」

衣笠「指輪くれた時も言ったけど、私そんなにスタイル良くないよ?」

提督「何言ってんの」

提督「胸は充分すぎるぐらいあるし」モミッ

衣笠「はうっ///」

提督「太ももはきれいだし」サワッ

衣笠「あっ//」

提督「こっちも最高だし」クチュッ

衣笠「いやんっ/////」ビクン


衣笠「も~……えっち////」

提督「その割に嬉しそうじゃない?」

衣笠「だって……好きな人にこんなに求められたら嬉しいに決まってるでしょ?」ピト

提督「そう言ってくれて嬉しいよ」ギュッ

衣笠「うふふっ////」スリスリ


衣笠「……一つだけ心配なことがあるんだけど、言っていい?」

提督「もちろん。なに?」

衣笠「今の私、いつもと全然キャラ違うんだけど……大丈夫?気持ち悪くない?」

提督「全然ないよ」

提督「むしろいつもとは違うかわいいところを見せてくれて万々歳だ」ニコッ

衣笠「そっか……そっか///」ギュッ


衣笠「提督っ」

提督「なに?」

衣笠「愛してるっ///」チュッ

提督「ふふっ。ありがとう」ギュッ

提督「急に素直になって、どうしたんだ?」ニコッ

衣笠「今なら言えるかなーって///」スリスリ

提督「ありがとう。僕も愛してるよ」ナデナデ

衣笠「うふふっ。ありがとねっ///」

イチャイチャ


……

古鷹「……もう、止めていい?///」

青葉「うん……流しておいて恥ずかしくなってきました……///」

加古「このままだとまたヤりそうだしなあ……///」

青葉「ここからは本当に二人だけの秘密ということで……」

古鷹「うん。ちゃんと消しておいてよ……///」


青葉「はい。というわけで、これで本当におしまいです」

加古「次の話はまた別の鎮守府になるかな?」

青葉「そうなんじゃないでしょうか。後日談として話せることがまとまれば、またみなさまにお会いするかもしれません」

加古「そんな時来るかなあ……」

青葉「来たらまた青葉たちの出番ですね。その時をどうぞお楽しみに!」

古鷹「最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。みなさんも良い鎮守府ライフをお過ごしくださいね」


以上で完結です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

書いているうちに気が変わってしまって、最初の注意書きが途中で無効になってしまいました。ごめんなさい。甘々衣笠さんも書きたくなっちゃったんですよねー……これでいいのかと思いながら。まあどこかの鎮守府にはこんな衣笠さんがいるかもしれませんよね、うん。

それと一つだけ裏話をすると、この話途中まで書いてる段階では主人公衣笠さんじゃありませんでした。
自分が衣笠主人公のSSを読みたくなってまとめサイトを見て回ったもののなかなか見つからず、これまた自給自足精神で衣笠さんを主人公に据えて投稿した次第です。生憎衣笠嫁提督ではないので彼女の魅力を十分引き出せたか自信はありませんが、一場面、あるいはセリフ一つでも気に入っていただけるところがあれば書き手としてとても嬉しく思います。



以下、過去作です。こちらは四作セットなので未読の方は上から順に読むのをお勧めします。

高雄「賑やかな執務室」
高雄「賑やかな執務室」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527074369/)

【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」
【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531139090/)

【艦これ】高雄「秋の日々は混乱のうちに」
【艦これ】高雄「秋の日々は混乱のうちに」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1543204477/)

【艦これ】高雄「クリスマス」
【艦これ】高雄「クリスマス」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1545549292/)



今のところ次の予定は全くありませんが、前回もそんなことを言ってひと月経たずにこのスレを立ち上げたので、そのうち何か書くかもしれません。その時にはまたお会いいたしましょう。

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