男「安価で暗殺者を育てる」 (194)

神様「さて、物語を始める前に、君が生きていく世界をざっくりと決めようか」

神様「あ、私は設定の時しか姿を現さないからその辺りはよろしくね」

神様「一つ目は、現代社会のような普通の世界」

神様「二つ目は、魔術が横行する異能在りし世界」

神様「三つ目は、科学があまりにも発達し過ぎた近未来の世界」

神様「どれを選んでも、君のスペックに変わりはないから安心するといいよ」

神様「↓5くらいまでで多数決だ。一番多い物を採用するよ」


1:現代社会
2:幻想世界(ファンタジー)
3:近未来(SF)

神様「ふむ。集まりが悪いから、サクサクと進めていくよ」

神様「現代社会か近未来の二択で決選投票だ。先に選ばれた方で進めていく予定だよ」

神様「というわけで、直下にどちらを選ぶのかをお願いする」

神様「オーケー。近未来で暗殺者を育てていくわけだね」

神様「その環境上、君たちが生きていくのは難しい世界だろう」

神様「だけど、不可能というほどではない」

神様「その先に何があろうと、私は君の選択を…意志を尊重するよ」

神様「君の人生に幸あれ!」

カッ!

男「…!?」ガバッ

チュンチュン…。 ブロロロロロ…。

男「酷い夢を見た気がするな…」

男「駄目だ。何も思い出せない」

プルルルル…。

男「…電話か。粗方、依頼しに来たんだろうが」

男「仕事を受けなければ、数日は自由に動ける」

男「どうするか…」

男「直下にするか」

男「…まあ、無視するのは良くないか」ピッ

男「もしもし」

???『おお、出てくれたか』

男「………」

???『…そうか。忘れていたな』

???『今宵の得物は下弦の月を見る』

男「止まり木の梟は?」

???『六羽だ。内の二羽は隻翼だ』

男「満月までの日数は?」

???『二日後だな』

男「…烏の巣にて待つ」

???『心得た』プツッ

ツー…。ツー…。

男「…行くか」キュッ

ガチャッ。 バタン!

市街地のとある店


男「………」グビッ

男(…依頼人はまだ来てないか?)

???「やあ、今日は暑いですなぁ」

男「…この炎天下だ。無理も無いでしょう」

???「こんな日は冷たいビールが飲みたくなる」

男「…今日は止めましょう。二日後が一番美味しいですよ」

???「そうだな。宴の席で飲むのが一番美味い」

男「…例の物は?」

???「これだ。面倒なものを押し付けてすまない」スッ

男「…それが仕事です。文句は言いませんよ」

???「頼んだぞ。これが失敗したら、少々困ることになるんだ」

男「ええ。役目は果たしますとも」

二日後 屋敷内


男「………」パチンッ

女性「うぅ…」

子供「あ…ぁ…」

男性「」

SPたち「「「」」」

男(これで全員か…)

男(…やはり、一人では面倒だな。信用出来る仲間が欲しいところだ)

男「よっと」ヒョイッ

女性「」気絶中

子供「」気絶中

バチバチバチ…。

男「…ホント、この機械は便利だよ。どこにでも飛べるんだから」スッ

プツンッ。

数日後 ホテル内


???「いやぁ、先日は助かったよ」

男「どうも」

???「これが報酬だ。本当に助かった、ありがとう」

男「…どうも」

???「他に欲しい物があったら、手配するが?何なら、私の元で働かないか?」

男「俺は今のままでいいです。…今のままがいいんです」

???「…そうか。すまなかった」

???「…だが、受け取ってもらいたい物がある。それだけは…」

男「…何ですか?」

???「キャリーバッグだ。それだけだよ」

男「まあ、それだけでしたら…」

自宅


男「…このバッグには、何が入ってるんだ?」

男「金属探知機にも反応しないし、爆発物も無い。だが、生体反応だけはある」

男「罠…ではないか?何にせよ、確かめる必要があるな」カチャカチャ

パカッ。

男「…動物かと思っていたが、まさか…」

???「Zzz…」

男「人間かよ」


↓3までで入っていた人間の特徴

幼女「うん…んぅ…」スヤスヤ

男「子供か…。それも、アルビノの」

男(親の意向でそう造られたのだろうか…。だとしたら哀れだな…)

男「………」スチャッ

グルグルグルグル…。

幼女「んむぅ…」ギチッ

男「保険だ。悪く思うなよ」

男「………」ペラッ

数時間後


男「………」カリカリ

男「………」ペラッ

男「やはり、メンテ代がネックだな。特殊な部品を使っているから、仕方がないか」パタン

幼女「んぁ…ぁ…!?」ピクッ

幼女「え!?!えぇ!!?!」

男「起きたか。Good Morning」

幼女「な…なんで縛られているんですか…!?」

男「万一の場合を想定して、だ。問題無いと判断すれば解く」

幼女「え…えっと…?」

男「質問に答えろ。お前は何故バッグの中にいた?」

幼女「…あの人に命令されたからです…」

男(状況から考えるに、あの依頼人か?)

男「何と?」

幼女「ひっ…」

男「…ちゃんと答えれば、危害は加えない」

男(…たぶんな)

幼女「『君の新しい親に合わせる』って…」

男「…くだらない…」ボソッ

男(俺が親代わりなど、保護者役など、くだらないな)

男(そんなおままごとのために、こんな子供を寄越したってのか)

男「…残念だが、俺は親にはなれないぞ」

幼女「え…?」

男「………」ブオンッ

幼女「ひうっ…!?」

男「………」ピタッ

ブゥゥゥン…。

幼女(腕から…剣?が出てる…)

男「…何せ、俺は殺し屋だ。子供の面倒を見る方法なんか知らないんだよ」シュンッ

男「悪かったな。脅すような真似をして」

幼女「い、いえ…大丈夫…です…」ビクビク

男「…名前は?」

幼女「へ…?」

男「名前は何だ?そう聞いたんだ」

幼女「え…えっと…。『直下』…です…」

男「『アリナ』…か…。いい名前だな。誰かに付けてもらったのか?」

アリナ「…はい。お母さんに…」

アリナ「あっ…。その…お母さんはもう…いません…」

男「…俺が浅慮だった。悪かったな」

男「だが、名前を貰ってるのは、愛された証があるってのは羨ましいな」

アリナ「え…?」

男「…なんでもない。縄を解くぞ」ゴソゴソ

アリナ「あ…」

男(しかし、アルビノか。遺伝子操作で産まれたわけじゃなければ、先天的な虚弱体質のパターンが多いが…)

アリナ「…?」

男(日光に照らされても問題は無し…と。弄られた可能性が大、か)

男(…色々と仕込むには、年齢的な問題があるが…。思い出せば、俺もそう変わらなかったな…。いけるか?)

男(とりあえず『↓2』でもするか)

男「…アリナ」

アリナ「は、はい」

男「ちょっと来てくれ」チョイチョイ

アリナ「えっ…と…?」

男「悪いことはしない(つもり)」

アリナ「分かりました…」トコトコ

男「………」ブゥゥゥン

アリナ「わわっ…」

男「入って」

アリナ「へ?」

男「中に入るんだ。そうしたら、目的地に着く」

アリナ「ど…どこですか?」

男「…着いてからのお楽しみだ」

だだっ広い大広間


男「………」ブゥゥゥン

アリナ「…あれ?さっきまでお家にいたのに…」

男「…ワームホールだ。そう珍しいものじゃない」

アリナ「ここは…?」キョロキョロ

男「昔に放棄されたホテルだ。心霊スポットではあるが、いわくつきだからか誰も来ない」

アリナ「ひぃぃぃぃ!!??!?」ビックゥゥゥゥ

男「…怯えるな。みっともない」

アリナ「で…でも…」ビクビク

男「夜以外で出た話は聞かない。安心しろ」

アリナ「は…はい…」

男「…さっきも言ったが、俺は親として接することはできない」

男「だから、俺なりにやらせてもらう」

アリナ「………」ビクビク

男「…まずは、この大広間を五周してみろ。全力疾走でな」

アリナ「…あの…」

男「駄目でも文句は言わない。気楽にやれ」

アリナ「はい…」トコトコ


直下コンマ 高いほど基礎スペックは良い

神様「おおっと…。ゾロ目が出たね。ボーナスで追加判定が発生するよ」

神様「というわけで『直下コンマ』分追加だ。コンマは連投して大丈夫だよ」

神様「『98』…。君のスペックを超える逸材じゃないか。やったねぇ」


アリナ「………」トコトコ

男「………」ジーッ

アリナ「…本気で…走らなきゃ駄目ですか…?」

男「ああ。お前の能力を知りたい」

アリナ「…その」グッ

男「ん?」

アリナ「引かないでくださいね?」ゴキッ

男「…そう簡単には驚かn」

アリナ「………」ダンッ

ダダダダダッ。 ズダンッ!

アリナ「終わりました…」

男「…成程な」

男(あの依頼人が押し付けた理由が分かった)

アリナ「つ、次は何をすればいいですか…?」

男「…柔軟でもしていろ。筋肉に余計な損傷を与えないようにな」

アリナ「はい」

男(この子供…身体面でも強化されている)

自宅


アリナ「…♪」ハムハム

男「………」グビッ

男(…外見を調整されただけでなく、筋肉や心肺機能、思考能力さえ強化済み、か)

男(どこぞの軍のデザインベビーか?それが裏で流れたというのか…?)

男(…技術は無いはずだから、抵抗されても負けはしないが。もし、それだけの技術を身に着けた時は)

男(その時は、俺もあの女の二の舞だな…)

アリナ「あの…」チョンチョン

男「どうした?」

アリナ「テレビ…見ていい…ですか?」

男「…構わん。好きにすればいい」

アリナ「ありがとうございます…♪」

男(…時間を掛けて身体作りをする予定が狂ったが、僥倖…とでも言っておこう)

男(明日は『直下』をするか)

翌日


アリナ「…美味しい…♪」ゴクゴク

男「飲みすぎるなよ。俺の分も一応あるんだ」

アリナ「はい」

男(まだ一日程度しか同居していないが、恐怖心…というよりも、俺に対して萎縮することは少なくなった)

男(子供故に、優劣の関係に敏感なのかもしれない。俺よりも身体能力が上だと、そう思っているのだろうか?)

男(…技術を叩き込む前に、殺人に抵抗があるか確認しなければな)

男(あるのと無いのとでは、色々な手順が変わってくる)

男「アリナ」

アリナ「はい…?」

男「…俺は前に『俺なりにやらせてもらう』と、そう言ったな?」

アリナ「はい。…それが何か…?」

男「俺にできるのは、殺す術を教えることだけだ」

男「…それしか、俺は知らないからな」

アリナ「殺す…術…」

男「…だから、問わせてもらう。お前が、殺すことを躊躇わないか」

男「嘘は言うなよ。…俺の元に来た以上、普通の暮らしはもうできないんだ」

男「はっきりと、お前の本音を聞かせてもらう」

アリナ「えっと…」


直下コンマ 高い方が抵抗あり、低いと無頓着

神様「『89』。これは、ある種のトラウマを抱えているレベルだね。荒療治をしない限り、殺すことは拒むだろう」


アリナ「…えっ…と…」

男「………」ピッ

アリナ「ひっ…!」ガシッ

男「例えばだ。俺を殺さねば、お前が死ぬとしたら」

男「お前は俺を殺せるか?その手のナイフで。俺の腰の銃で」

アリナ「…で…」ガタガタ

男「で?」

アリナ「でき…ません…!」

男「…そうしなければ死ぬのにか?」ズブッ

アリナ「無理…です…!死ぬとしても…殺すのだけはしません…!」ポタポタ

アリナ「私は人間だから…人間でありたい…から…」ギュッ

アリナ「人殺しなんていう…そんな…酷いことはできません…!!」

男「…人殺しは人間以下、か」ズポッ

アリナ「んっ…うぁ…」ポタポタ

ズググググ…。

男(引き抜いた直後再生が始まっている。ナノマシン投与もされているな…。まるで、神話の化け物だ)

男「…なら、俺は犬畜生以下の存在だな」

アリナ「………」ギュッ

男(…少しやり過ぎたか?)

男(…いや、俺が受けた指導よりは数十倍マシのはずだ)

男(素質はあるが、精神的な問題がある。別の奴に教えた方が良いか?)

男(次は『直下』でもするか)

仕事の現場を見せるショック療法

例えれば、こんな感じ?安価↓

男(…まあ、何もしない奴を置いておく義理は無い。多少手は掛かるが、アレをするか)ゴソゴソ

男「…アリナ、今日の夜は起きていろよ。出掛ける」

アリナ「…はい…」

男(さて、鬼が出るか蛇が出るか。見ものだな)

アリナ「………」ギュッ

ぬいぐるみ「ぐえぇぇぇぇ…」ギリギリ

ブチッ!

ぬいぐるみ「ぐえー!」

>>40、無理矢理強制させるのが主な手段ですが、方法によって成功率などが変わります。最悪、精神崩壊したり反逆されます。


深夜の港


男「………」バチバチ

アリナ「海…ですか…?」

男「…静かにして、ここから見ていろ」

アリナ「え?」

男「………」フッ

アリナ(消えた!?)

黒服「…ほら、これだけあれば、数日は大丈夫だろ」スッ

ヒョウ柄おじさん「ひょひょ…ご苦労でしたなぁ」スパンッ

ヒョウ柄「あ え  ?」ボトッ

アリナ(…!??)

黒服「…!?どこから撃っt」

男「目の前だ」シュンッ

黒服「ぐ…!?」ガシッ

黒服(左手で胸を掴んだ!?一体何を)ズグン

黒服「お… うあ」ドシャッ

男「………」パチンッ

男(…触れば、まず間違いなく殺せるからな。便利な武器だ、これは)

男(もっと手軽な方法があるが、接近戦が一番性に合う)

男(…だいぶマイルドな殺し方だったが、いい影響は出たか?)チラッ


直下コンマ 10以下で精神に影響が、90以上で憎悪が芽生える 75~89は成功で抵抗がかなり無くなる それ以外だと、次回判定緩和

アリナ「…!!!」ガタガタガタガタ

男「…不味いか…!」ダッ

アリナ「嫌ぁぁぁぁぁぁあああ!!!」ダッ

男「…っ!やはり速い!」チャキッ

男「できれば控えたかったが…仕方ない!」パスパスッ

アリナ「う゛っ…!あぁぁぁああ!!!」ダダダッ

男(相当強力な麻酔だぞ…!?何で普通に動けるんだよ!?)

男「こうなったら…!」バチバチ

アリナ「あぁ!?」

男「悪く思うなよ…!」ジャキッ


直下コンマ 10以下で男死亡、90以上でアリナ死亡 それ以外なら無力化成功

アリナ「来ないでぇぇぇ!!?」ブオッ

男「チッ…!」チリッ

男(掠めただけで肉が抉れた…!手加減とか無理だ!)ボタボタッ

男「少し眠りな…!」ガシッ

アリナ「ぐああああぁぁぁ!!!」ブンッ

バチバチバチィッ!!!

アリナ「ぎ…あ…ぇあ…」ドシャッ

パッ。 ヒューン…。

男「がぁっ!!?」ドガァァァン

男(サポート無しでコンテナまで投げ飛ばすかよ…!?)

男「…っ」ドチャッ

男(骨が逝ったな…。足が動かん…)ブゥゥゥン

男「だが…お前を放置したら足が付く…。それは避ける…!)バチィッ

アリナ「」フッ

男「…ぐぉ…」フッ

数日後 自宅


男(あの後、簡単な治療を済ませて、アリナを病院にぶち込んだ)

男(メンタルケアが済むまでの一か月は、復帰不能だ)

男(…かく言う俺も、動くのがやっとなんだがな。子供に殺されかけるとは、笑い者だ)

男「…痛…い…なぁ…。これだけ痛いのは、久しぶりだ…」

男「…『直下』でも…するとしよう…」

とあるバー


チリンチリン…。

店主「いらっしゃい。いつものスピリタス、用意してるよ」

男「馬鹿を…言うな…。カルーアミルクで頼む…」ガタッ

店主「乗ってくれてもいいんじゃないかな?」カチャカチャ

男「…そんな気分じゃない」

店主「そうですかっと。はい、どーぞ」コトッ

男「………」グビッ

男「本当…無駄に腕は良いよな」

店主「あははは。数少ない同期だってのに酷い物言いだね」

男「ふん…」

店主「…で、どうしたの?酷い怪我だけど。君ともあろう人がヘマしちゃった?」

男「…そんなところだ」

店主「へぇ。ママを殺した君が…ねぇ」

男「…黙ってろよ」

店主「しょうがないなぁ」

男「そこは『はい』って言うもんだ…」

男「………」グビッ

コトッ…。 カランッ。

店主「はい、僕のサービス」

男「…珍しく気が利くな」クイッ

店主「一言余計だよ」

店主「…さて、本題に入ろっか。何しに来たの?飲みに来るような人じゃないでしょ、君」

男「………」グビッ

店主「…もう、早く言ってほしいなぁ。あ、もしかして、僕に慰めてもらいたかったのかな?」

店主「同期のよしみだ。それくらいならいいよ」スッ

男「…そういうのは、業務上でやむを得ない時以外しない」

店主「つれないなぁ」

男「アリナ…って言っても伝わらないか。どう言うべきか…」

店主「居候の女の子でしょ?年甲斐もなく妬いちゃうなぁ」

男「知っているなら話が早い。アリナの情報を寄越せ」

店主「わお、スルーされちゃった」


直下コンマ 40以下で情報不明、それ以外だと入手

店主「…ちょーっと待ってね…」ゴソゴソ

男「………」

店主「むむむ…」ゴソゴソ

男「………」

店主「う~…」ゴソゴソ

店主「無い」

男「…金は置いとく」ガタッ

店主「あー。何かごめんね。そんな重体なのにこんなとこまで足を運ばせて」

男「…いい。分からないことが分かっただけでも、収穫はあった」ガチャッ

店主「死んじゃ駄目だよー」

男「…ノーコメントだ」バタン

店主「…死ぬなよー。これ以上知り合いが消えるのは嫌なんだよぉ」

店主「…嫌なんだよぉ…」

神様「言い忘れてたけど、人材確保は割と簡単だよ。人だけは掃き捨てるほどいるからね」

神様「一人の育成に拘るんじゃなくて、適当に集めて見どころがある人を育てるのもあり…かも。安全性は保障しないけどね」


男「…アイツが知らないってことは相当だな」スタスタ

男(どこかの軍の秘密兵器か?)

男(…そんな、漫画やアニメじゃあるまいし。どうせ、実験施設の脱走者とかだろ)

男「………」ズキッ

男「流石に、背骨が粉砕したのは堪えたな。俺も治りが早い方なんだが」

男「『直下』でもするか」

男「………」スタスタ

男(何をされたら子供が喜ぶか、それは俺には分からない)

男(だけど、一人は嫌な気がするんだ。そんな日を経験したことは無かったが)

男(…ある意味、俺は充実した子供時代を送っていたのかもな)ガララッ

アリナ「スー…スー…」

男「寝ているか…。拘束衣を着せられているんだ。何もできないから当然か」

アリナ「んぅ…やぁ…」ゴソゴソ

男(…何故だろうな。初めて人を殺した日の夜を思い出す)

男(肉を裂くあの感覚は、今でも憶えている)スッ

アリナ「ふふ…くすぐったいのぉ…」スリスリ

男「…こうして見たら、アリナもただの子供だな」

男(向いてないな。…こんな人間に、暗殺稼業は)

男「………」ポスッ

男(…他の人を育てた方が良いかもしれないな。アリナは、普通に生きるべきだ)

男「…はは。何を考えているんだ、俺は」

男「何をやっているんだ、俺は…」

男「………」グラッ

男「クー…クー…」

チュンチュン…。

男「…!?」ガバッ

アリナ「………」ジーッ

男「…起きていたのか。観察していたとは、趣味が悪いな」

アリナ「………」クビカシゲ

男「…?」ペラッ

男「…そうか。ショックで一時的に失語症になったのか」

アリナ「…?」ジーッ

男(…ということは、寝ている間だけが自分を表現できる時間なのか)

男「…すまないな」

アリナ「………」ファァ

男「と言っても、伝わらないか」

男「今日は『直下』だな」

男「先生、アリナの失語症の原因は…」

男(予想はついているが、専門職の人に確認は必要だ)

医者「そうねぇ…。まあ、端的に言うならば、過剰なストレス、ね」

男「…原因はストレス、ですか」

医者「ええ。…まあ、現実逃避というか、防衛機構?みたいなものよ。あの子の心は、限界ギリギリで持ち堪えたの」

医者「狂乱状態は、その防衛機構の一種ね。わざと記憶を混濁させて、無かったことと思い込もうとした結果」

医者「…記憶、見させてもらったわ。あの子には流石に酷よ?男さん」

男「………」

医者「とりあえず、人格形成に異常をきたす部分は除去しておいたわ」

医者「記憶の奥底には残っているけど、それはどうにもならないし。余程のことが無い限り、フラッシュバックもしない。現状放置ね」

医者「後は、根気強くケアしていくしかないわね。それは私たちの仕事だから、関与する必要は無いわ」

男「…俺にできることは?」

医者「…あら、意外。男さんがそこまで責任を感じてるなんて」

医者「…と、冗談は置いといて。そこまでの状態になったってことは、男さんのことを信頼し始めていた証拠なのよ」

医者「でも、裏切られたっていうか、何ていうか。ともかく、男さんが親身になって接するのが一番ね」

医者「…思い出す可能性はあるから、その辺りは気を付けて」

男「…俺か先生がケアする以外の方法は無い。そういうことですか」

医者「そ。男さんは正直、信用ならないわねぇ。女の子の扱い、知らないでしょ?」

男「知ってると思います?」

医者「よね」

男「…参考になりました。また今度来ます」ガラガラ

医者「今度来た時は、あまぁいスイーツよろしくね」

バタン。

医者「んもう、ツンツンしちゃって」ペラッ

医者「………」

医者「…異常なまでに信頼する速度が速く、記憶の改竄も容易。それに、遺伝子操作やナノマシン投与の痕跡多数」

医者「これ、生物兵器と言っても過言じゃないわね…。特に、記憶を簡単に弄れるのはとんでもない利点よ」

医者「男さん、貴方、パンドラの箱を開いたかもしれないわよ…」

男「…メンタルケア、か。やり方なんか知らないな」

男「アイツなら、できるのか?」

男「………」ウーン

男「信用ならん。却下だな」

男「次にやるのは『直下』だな」


店主「…へぷちっ!」

店主「男め、僕の噂でもしたな?」

男「さて…帰って腕の修理でも」グゥゥ

男「………」

男「飯食うか」

男「…病院の近くには何があったかな」

ピロロロロ…。 ポンッ。

男「…まあまああるな。市街地に行けば、もっとあるか」

男「今回は『直下』に行くか」


1:ファミレス『サイゼリャー』
2:ハンバーガーショップ『マコナルド』
3:麺処『丸二郎製麺』
4:自由安価

ハンバーガーショップ『マコナルド』店内

ワイワイガヤガヤ…。

男「…随分と人が多いな。飯時だからか」

男「アリナにも何か買ってやろう。マコポークのセットでいいか?」ゴソゴソ

店員「いらっしゃいませ!ご注文はお決まりでしょうか?」

男「はい」

店員「店内でお召し上がりですか?」

男「全部持ち帰りで、マコポークのセットを1つ、ダブルチーズバーガーを1つお願いします。セットのジュースはコーラで」

店員「かしこまりました。商品は別々でお包みしましょうか?」

男「お願いします」

店員「では、少々お待ちください」

男「はい」スタスタ


直下コンマ 10以下でマフィアの襲撃、80以上で依頼人が

病院


男「………」モグモグ

アリナ「………」ハムハム

アリナ「………」チュー

男「…美味しいか?」

アリナ「………」ポリポリポリ

男「…言葉じゃ伝わらない、か」

男「今は文字も読めないんだよな。…少しばかり、責任を感じるよ」

アリナ「…?」チュー

男(…だいぶ身体が良くなってきたし『直下』でもするか)

運動公園 陸上トラック

男「フッ…フッ…」タッタッタ

男(…まだ完治していないからか、思ったよりはスピードが出ないな)タッタッタ

男(まあ、一度神経までやられたから仕方がないとも言えるか。リハビリでどこまで持ち直せるか…)タッタッタ

女の子「ママー。あの人凄い足早いよー」

母親「選手の方じゃないかしら?邪魔になったらいけないから、ママたちは他の場所に行きましょ」

女の子「うん」

男(…人がいる場所で走るのは失敗だったか?同業者に襲われないように気を付けたんだが)ピタッ

男「………」ゴクゴク

男「水が美味い」


直下コンマ 05以下で襲撃、90以上で依頼が舞い込んでくる

男「………」フキフキ

男(…こういう時、人間の身体は不便だと感じるな。汗や疲労感が不快に思える)

男(だが、良いこともある。予想外の事態で機能不全になることは少ない)

男(EMPとかで内臓が止まったりしたら死活問題だからな。その点では、あの女には感謝している)

男「来週くらいには完治するしそうだな」

男「『直下』をするか」

神様「何をするかを募集しているけど、どんなことに巻き込まれたか、も勿論大丈夫。言ってしまえば自由安価なんだ」

神様「後出しになっちゃってごめんね」


トレーニングジム


バイク「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」ウィンウィン

男「………」ガガガガガガガガ

トレーナー「はい、左右左右左左」

男「………」パパパパパッ

トレーナー「…左の方が痛いね。金属でも仕込んでる?」

男「義手なんですよ」

トレーナー「じゃあ仕方ないね」


直下コンマ 10以下で襲撃、85以上で依頼

自宅

男「………」パチッ

男「朝か」ムクリ

男「………」グッグッ

男「…もう怪我は大丈夫だな」シュルシュル

パサッ。 ゴトゴト…。

男「フゥ…。やっと包帯や治療機器を外せた」

男「………」チラッ

男(明日にはアリナが退院するな。治療は上手くいっているらしいが…)

男(…どうすれば、殺すことを躊躇わないのだろうな)

男(俺が死にそうになった時…いや、そこまで信頼はされていないだろう。別の手段を考えるか)ピッ

テレビ「では、続いてのニュースです」

テレビ「宇宙船『コ・ウカイ』が、木星宙域で撃沈されたとの情報が入りました」

テレビ「この事件による犠牲者は2000名を越え、事態を重く見た国連軍は…」プツッ

男(また船が墜ちたのか。…人間よりも、喪った資源の方を問題視しているんだろうな)

男(今はもう、人が多過ぎて叩き売りされている始末だ。そうでもしなければ、売れないほどに飽和している)

男「…だから、俺やアイツみたいなのが生まれる。安くて済むからな」

男「…くだらないことを考える暇は無いな。『直下』をしなければ」

おもちゃ屋


男「………」ジーッ

男「…何を買えばいいんだ」

男(俺が貰ったプレゼントは銃やナイフ、義手とかしかない。それはたぶんアリナには不味い)

男(余計な刺激を与えないように、適当にネットで調べた情報に従って来たわけだが)

ぬいぐるみ「こっちみんな」

ミカちゃん人形「何見てるの?邪魔なんだけど」

なんかそれっぽいジュエリー「お前に買われとうない」

男「…分からん。何が好きなんだ?」

男「『直下』でも買ってみるか。後は野となれ山となれ…だ」

男「…そういえば、前に持っていたぬいぐるみを抱き締めただけで首がもげていたな」

男「普通のサイズだと簡単に壊れそうだな…」

男(…少なくとも、成人男性を片手で投げ飛ばせる膂力はあるんだ。生半可な物じゃすぐ駄目になる)キョロキョロ

男「…む」

ドデカイヌ「買うなよ!絶対買うなよ!?」

男「これお願いします」

ドデカイヌ「らめぇぇぇぇぇ!!!」

店員「毎度ありがとうございます」

翌日 病院


男「………」

医者「お待たせ」

アリナ「ご、御迷惑を…お掛けしました…」ヒョコッ

男「…気にするな。俺にも非がある」

アリナ「…?何かあったんですか…?」

男(そういえば、記憶を改竄したんだったな)

男「…何でもない。こっちの話だ」

アリナ「………」トコトコ

男「………」ゴソッ

男「…退院祝いだ。前のぬいぐるみは壊れていただろ」

ドデカイヌ「なんだ、可愛いロリっ子やんけ」

アリナ「…!ありがとうございます…♪」ギュウウッ

ドデカイヌ「ぐああああああ!!!」

男「アリナがお世話になりました。礼のお菓子です」スッ

ゴリナガチョコレート「申し訳ないがおばさんはNG」

医者「あら…お気遣いありがと」ゴソゴソ

医者「こんなところにもう来ちゃ駄目よ、二人とも」

男「善処します。…行くぞ」スッ

アリナ「は、はい」ギュッ

男「………」ギュッ

アリナ(握った手は、手すりのように冷たかった…)

アリナ(…だけど、握り返してくれた手は優しかった)

男(次は『直下』をするか)

神様「『そういうの』が何を指すかは分からないけど、安価で『人を買いに行く』とか『人を攫う』って書けば男はそうするよ」

神様「どんなキャラかを予め併記してくれてたら、そっちを採用するかな。書いてない場合は、アリナみたいに安価ごちゃまぜスタイルで行くよ」


男「………」チラッ

どんより…。

男「一雨来るか?」

アリナ「そ、空が真っ黒…」

ドザァァァァァァ!!!

男「…っ!雨宿りできる場所に行くぞ!」ダッ

アリナ「わんこちゃんが濡れちゃう…」ダッ

ザアアアア…。

男「酷い雨だな。…タクシーでも呼ぶべきか…」ポタポタ

アリナ「うぅ…わんこちゃんが…」ビショビショー

男「…乾燥させれば大丈夫だろう。駄目だった場合はまた購入してくる」

アリナ「うぅ…」ブルブル

男(寒いのか…。着ているのはワンピースだけだ。当然のことだろうな)

男(…仕方ない。風邪でも引かれたら困る)ハァ

男「…これを着ろ。少しは凌げるはずだ」バサッ

アリナ「で、でも…。コートが無くなったら男さんが…」

男「問題無い。この程度なら耐えられる」ポチポチ

プルルルル…。 ピッ。

店主『もしもーし』

男「想定外の降雨に遭って足止めを喰らっている。今から来れるか?」

店主『人を便利屋と勘違いしてないかい?まあいいけど』

店主『場所はどこ?』

男「『ヒトー・マミレ交差点』のバス停だ」

店主『了解。少しだけ待っててね』ブツッ

キーッ。 バタン。

店主「ほいお待たせ。ささ、乗った乗った」

男「助かった」ガチャッ

店主「…珍しいね。そう素直に感謝するなんて」

男「それぐらいの礼儀は弁えている」

アリナ「し、失礼します…」カチャッ

店主「ん。ぬいぐるみは隣に置いていいよ」

アリナ「分かりました…」

ドデカイヌ「男がいなけりゃハーレムなんですがねぇ」

アリナ「………」ギュッ

ドデカイヌ「ひぎぃぃぃぃ!」

男(想定外のことが起きたが仕方ない。次は『直下』だ)

高級スーパー『オタカイーノ』


男「すまないな、買い物に付き合わせて」ガラガラ

店主「強引なのはいつものことだからもう慣れてる」ガラガラ

男「…代わりに、というわけではないが、食事を振舞う。それで手打ちにしてくれ」

店主「金取ったりしない?」

男「…そこまで困窮していない」

アリナ「………」キョロキョロ

男「…買いたい物があれば持ってこい」

アリナ「いいんですか…?」

男「良いと言っている」

アリナ「あ、ありがとうございます…」トコトコ

男「…付き添いを頼んだ。一人だと少々心配だ」

店主「はいはい。変なところで心配性だねぇ」

男「外見を鑑みれば当然だろう」

店主「そうですねー」スタスタ

男「………」ガサッ

男(今日くらいは奮発してもいいか)ポイッ

男(作るとしたら肉料理か?無難にステーキでも焼くとしよう)ポイッ

男(…スープも必要だな。コンソメスープを作ってみるか)ポイッ

男(デザートはケーキにでも…。ショートとチーズ、チョコがあればいいだろう)ガサッ

男「こんなものか」

カート「買いすぎでないの?」ドッサリ

男「後は二人が戻ってくるのを待つだけだ」

店主「いい酒があったから持ってきた」スタスタ

男「ワインと…日本酒?こんなところに売ってるのか…」

店主「火星までなら物流はしっかりしてるからね。…まあ、値は張るけど」

男「…まあいい。今日は飲ませてもらおうか」

店主「介抱はよろしくね」

男「…飲むのはやめておく。暴れられたら困る」

店主「何年前の話してるのさ」

男「そのイメージが強すぎるだけだ」


直下コンマ 70以下だと…

神様「ゾロ目なんだけど、今回は70以下の方がアリナ育成には都合がいいんだよね」

神様「育成したいなら、そっちの判定の方にボーナスを掛けれるよ。再判定かボーナス変換か、二票入った方を採用するよ」

男(…おかしい。何故、コイツだけは戻ってきたのにアリナがいない?)

男「…おい。アリナはどうした?」

店主「え?数分前にトイレに行ったけど」

男「…遅くないか?」

店主「そりゃ女の子だもん。遅くても仕方ないよ」

店主「第一『僕』がずっと入口を見張ってる。誰も入って…!?」

店主「そういうことか…!」ダッ

男「…!まさか…チッ!」ダッ

バァン!

店主「そっちはどう!?」

男「いない…クソッ!どこの誰だよ!?」ガンッ

店主「………」カチッ

店主「…駄目だ。見張ってたドローンにも何も映ってない」

店主「君と同じやり口だ。ワームホールを利用して、内部で犯行に及んだ」

男「…それが可能なのは…」

店主「君に恨みを持ってないと手を出さないよ?普通。それを加味したら、犯人は一人…いや、あのグループだけ」

男「…『ゴクアーク一味』」

店主「今は『ジャアーク一味』だね」

男「…『直下』する」


1:ぶっ潰す。
2:取られたものは仕方ない。諦めよう。
3:警察に頼もう。

男「ぶっ潰す」

店主「売られた喧嘩は買うしかないよね。僕も手伝うよ」

店主「僕の責任だし、久しぶりに暴れたい」ゴキゴキッ

男「…今日の夜でいいな?」

店主「必要な武器とかある?調達しとくよ」

男「…いい。今ある物で充分だ」

店主「オッケー。じゃあ、また後で」

男「ああ」

ジャアーク一味アジト 地下室


ジャアーク「ハッハッハ!こうも簡単に攫えるとはな」

アリナ「Zzz…」

黒服「…ですが、よろしいのですか?あの男の腕前は…」

ジャアーク「フン!親父を殺した奴がのうのうと生きていていいわけがあるか」

ジャアーク「何もしないならそれはそれでいい。仕返しに来たなら、蜂の巣にしてやるのだ!」

黒服「ワームホールを利用された時は…」

ジャアーク「対策済みだ。どこに穴を空けるか、それを検知するシステムがある」

黒服「なるほど!それがあれば神出鬼没なあの男でも…。…ん?」

黒服(…そのシステム、こっちにも不利益ない?流石に無いよね?)

アリナ「わんこちゃん…むにゃ…」

ジャアーク「かわいい」

チュドーン!!!

ジャアーク「ファッ!?」

店主「ったく…。結局僕が囮か」ズガガガガ

店主「まあ、別にいいか。好き放題やれるし」ポイッ

ズドォォォォォォオン!!!

黒服「ギャー!!」

黒服「なんだあの女!?人間火薬庫かよ!」

店主「よっと」ガチャッ

黒服「ロケラン…うせやろ?」

店主「吹っ飛べぇ!」バシュッ

チュドォォォン!!

黒服「鬼!悪魔!」サクッ

黒服「」ドシャッ

店主「何とでも言えばいいよ」スチャッ

店主「君たちの命も、僕がなんと呼ばれるのも、心底どうでもいいからね」チャキッ

店主「もう少し…遊んでもらうよ」ドギューン

ブゥゥゥン…。

男(内部情報は一致しているな。ここから先に行けば、地下室か)チャキッ

黒服「動くな、お前はもう包囲されている」ジャキッ

男「…ほう」パッ

ジャアーク「ハッハッハ!やはりここに出てきたか!」

ジャアーク「ワープマンの言う通りだったな」

ワープマン「某も同じことをする故、予測は簡単だったでござる」

ジャアーク「これでお前もお終いだな!」

ジャアーク「親父を殺したことを詫びて、靴を舐めれば許してやらんこともないぞ」

男「…武器は手放したが、まだ残っているぞ」

ジャアーク「は?」

男「リサーチ不足だったな」ブオンッ

黒服「ぬわーーーー!!!」ズパッ

ジャアーク「ひ、左腕からビームの剣が出ただと!?」

男「生憎、俺の義手は特別製でな。内蔵火器だけでも充分殺れる」

男「………」ガキンッ

黒服「腕が伸び…ぐあああああ!」ドスッ

腕「」ガシッ

男「………」グイッ

黒服「う、撃てー!」ズガガガガ

男「フン」ブゥゥゥン

バチバチ…。 ピコーン。

黒服「後ろか!?」

ワープマン「ぬうん!」ガキィン

男「チッ…。何かのセンサーがあるな…」シュタッ

男「…だが、金属製の道具で触れたのが間違いだ」ピトッ

ワープマン「何?」

男「…電流を脳や心臓に流せば、イカれるだろ?」バリバリッ

ワープマン「ぬおおっ!?とっ、殿!お逃げくだされっ」バチッ

ワープマン「」ドシャッ

ジャアーク「ワープマーン!!!」

男「………」ズガガガガ

黒服「ず、ズルい…」ドサッ

ジャアーク「あ、あわわ…」カサカサ

男「…さて、残りはお前一人なんだが」スッ

男「地下室の扉にはロックが掛かっていたよな?ワームホールも繋がらんし、開けてもらう」

ジャアーク「だ…誰がそんなこと…」

男「………」ブスッ

ジャアーク「にぎゃぁぁぁぁぁ!!」ジタバタ

男「次は足を削ぎ落とす」

ジャアーク「ひ…」

ガァン! ドガァン!!

男「………」チラッ

扉「助けてー!幼女に殴られてまーす!」ゴンゴン

ドガァァァァン!

扉「ひえー!」ヒューン

ジャアーク「ひー!」

男「…嘘だろ」

アリナ「な…何があったんです…か…」

死屍累々「「「「」」」」

アリナ「………」


直下コンマ 60以上で『仕方のない殺人もある』と割り切る 10以下だと…

男「………」

アリナ「わ…私を助けるため…なんですよね…?」

男「…ああ。…暗殺には、やむを得ない事情もある。一概に悪とは言えん。殺すことが悪だと言われれば反論できないが」

アリナ「…仕方のないことがあるのはわかりました…。でも…」

男「自分がそうすることはできない、か?」

アリナ「はい…」

ジャアーク(今のうちに…)コソコソ

男「…分かった。家に帰るぞ」ブスッ

ジャアーク「あふん」

ジャアーク「」チーン

店主「お待たせー。正面の奴らは…っと、こっちも終わってたか」

男「…悪いな。贅沢なディナーはまた今度だ」

店主「むむ…。高級肉食べたかった」

男「自分で買え」

男(アリナの矯正は不可能かもしれないな…。明日は『直下』をするか)

空港


アリナ「………」キョロキョロ

男「そう挙動不審になるな。注目を浴びるぞ」

アリナ「あう…」

アナウンス『11:45発アエリア行きの搭乗を開始します。搭乗ゲートは1番となっております』

男「行くぞ」スタスタ

アリナ「ま、待ってくださーい…」トコトコ

男(…なんだかんだで、アリナと暮らし始めて数ヵ月は経ったのか。早いものだな)

男(悪くはない…そう思う自分がいるが、そんな暮らしを望んでいない自分もいる。複雑だな…)ウィーン

アリナ「ほえ~…」キョロキョロ

男(…俺は何を望んでいるんだ?何を求めている?…もう、自分でもわからなくなってきた)

男(…あの女もそうだったのか?だから、俺に殺されたとでもいうのか…?)

男(…いかんな。変に感傷的になってしまう)

男「せっかくの温泉旅行だ。羽を休めるとしよう」

アリナ「そうですね…。温泉、楽しみだなぁ…♪」ワクワク

男(確か、宿を取ったところは↓1~3の特徴があるんだったか)

神様「今回は全部採用させてもらうよ。何かごめんね」


男(部屋ごとに豪華な露天風呂…。慰安旅行だからまあいいだろう)

男(効能は…疲労回復、肩こり、腰痛etc…。随分と良い効能だ。悪くない)

男(核ミサイルが一秒ごとに一億回…?なんだ、ゲームのことか。そんなゲームで何をするんだか)

男(料理は豪勢だな。火星で鰻が食べられるとは…。いくらテラフォーミング済みとはいえ、地球の高級食材がまさか火星で…)

アリナ「すぅ…すぅ…」

男「到着までは二時間。本でも読んで時間を潰すとしよう」ペラッ

男「………」

男(義手以外の武器は預かられたが、帰ってくるよな?)

火星旅館『テッカーダン』


女将「いらっしゃいませ!ご予約していた男さんですね?」

男「はい」

男(アリナと同じ身長か…。大丈夫なのか?この旅館は)

女将「別の人が案内しますので、そちらについて行ってください!」

従業員「お客さん、こっちだよ」

男(また小さい子供か。…だが、腕っぷしはありそうだな)

従業員「お客さんはどうしてここを選んだの?」

男「知人に温泉旅行チケットを貰ってだな」

従業員「…ふーん。なら納得…かな」

男(含みのある間だな…)

従業員「着いたよ。こちらがお客さんの部屋」ガラッ

従業員「何かあったら電話して。すぐに駆け付けるからさ。ごゆっくりどうぞ」ピシャッ

男「…まずは荷物を置こう。そっちのクローゼットに入れておけ」

アリナ「はい」

男「…まだ昼時だ。『直下』でもして時間を潰そう」

アリナ「わぁ…」トコトコ

男「………」スタスタ

クレセント農園「ワイは旅館内にあるんやで。無農薬や!凄いやろ!?」

男「…野菜類は旅館で作っているのか。大したものだ」

ゲームコーナー「僕はもう…逃げたりなんかしない!」

男「あのゲームは…チンパンジー育成ゲーと有名な奴だな」

お土産屋「刀やメイス、特大ニッパーを売ってるぞ」

男「物騒な店だ…。流石にジョークグッズだろうが」

男「…お」ピタッ

アリナ「…?これは何ですか…?」

男「卓球台か…。一度遊んだことがあるな」

男「まだ全部見終わってはいないが、他にも色々とありそうだ」

男「…そういえば、案内図にはマッサージサロンやカラオケボックスもあったな」

男「もう少ししたら夕食だ。それまで『直下』しよう」

男「丁度いい。軽く運動でもすれば、食事が進むだろう」パシッ

男「ルールは知っているな?」

アリナ「分かりません…」

男「…とりあえず、相手の方に打ち返せばいい。この台でバウンドするようにな」

男「行くぞ」コツッ

アリナ「えっと…えい…!」ポンッ

男「やるな」コンッ

コツッ。 コツッ。 カァン!

男「…っ!」スカッ

アリナ「や、やりました…!」

男(飲み込みが早すぎる)

男「…もう一回だ」

アリナ「はい!」

男「…年甲斐もなく熱中してしまった」スタスタ

アリナ「えへへ…全部勝っちゃいました…」

男「この部屋で食べるらしいが…」ガラッ

男「…二人しかいないのに、随分と大きな部屋だ」

牡蠣と茸のアヒージョ「アツゥイ!」グツグツ

うな重「我は高い。よく味わうのだぞ」

カツオのたたき「地面に突き刺さって爆発したりはしない。剣豪の装備でもない。ただし、奥義(意味深)を使えるようにするかもしれない」

その他の料理「ニラ!卵!ニンニク!って感じで…」

男「和風と思っていたがそうでもないようだ」

男「…しかし、写真で見るよりも美味そうだな」

アリナ「………」ジーッ

男「…見ているだけでは腹は膨れん。食べるとしよう」

男「…ご馳走様」

アリナ「ごちそうさまでした」

男「もう日が暮れたな。外には行けないか」

男「…だが、寝るにはまだ早い」

男「『直下』をしよう」

男「…そういえば、露天風呂があったな。ゆっくり浸かるのもいいか」

男「アリナ、服を脱げ」

アリナ「えっ」

男「…?風呂に入るのに、服が必要か?」

アリナ「あ、あの…えっと…はい…」ヌギヌギ

男「…何している。脱ぐなら脱衣所だろう」ガラッ

男「俺は先に準備をする。ノックをしたら入ってこい」ピシャッ

アリナ「………」ポツーン

アリナ「………」ウーン

アリナ「…もしかして、変態さん…?」

男「また目を離した隙に攫われたら困るだけだ」ガラッ

アリナ「ひぃ!」ビクッ

男「…俺は先に入る。三分以内に来なかったら確認するぞ」ピシャッ

アリナ「は…はいぃ…」

男「ふぅ…」チャポン

男(念のために義手を着けてはいるが…。流石に風呂の間は必要無かったか?)

男(…いや、身体を洗うのに必要だったな。別に気にしなくていいか)

アリナ「お…お待たせしました…」ガララッ

男「…外ではいいが、風呂に入る時はタオルを外せ」

アリナ「えぇっ…」

男「湯船に浸けたらタオルが汚れる。看板に書いていただろう」

アリナ「あ…そうでした…」

男「…はぁ。身体を洗ってから入るんだぞ」チャプッ

男「俺は適当に夜景を眺める。背中合わせであれば問題あるまい」

アリナ「わ、分かりました」シャー

アリナ「し…失礼…します…」チャプッ

男「………」

アリナ「光が綺麗…ですね…」

男「…火星に人が住み始めて、そろそろ百年が経つ」

アリナ「えっ?」

男「移住当初と比べれば、格差はかなり狭まった」

男「だが、今だ貧民の数は多いし、人口自体が多過ぎて雇用される人はごく僅かだ」

男「…あの光は、持ちし者の証だ。選ばれた人たちがいる場所だ」

男「持たざる者は、その光に縋る羽虫のようなもの。光の中には入れない」

男「…そういう人が、闇に手を染める。受け入れてくれる場所がそこしかないからな」

男「そして、それは連鎖する。裏社会に受け入れてもらった人が、他の人を引き摺り込む」

男「…そして、引き摺り込まれた人がまた、他の人を…」

男「…くだらないよな。人間も、この話も。今話す内容じゃあなかった」

男「…あと二十分したら、風呂から上がるぞ。それまで好きにすればいい」チャポン

アリナ「………」

男(…本当、絶望的なまでに子守りには向いていないな。俺は)


↓1、↓2コンマ ↓1コンマが10以下、↓2コンマが5以下だと…

神様「どうしようかと>>1も絶賛悩み中だ。まさか…ここで出すとはね」

神様「>>1のナメクジ頭では一生思いつかないだろうから、↓3くらいまでのシチュエーションで書かせてもらおうかな。デメリットは無いから気にしないでね」

神様「…先に言っておくと、グロテスクな表現をする可能性があるからここに立てたわけで、>>1はR18系を書いたことがない」

神様「満足のいくものを書けないかもしれないが、生暖かい目で見てあげてほしい。たぶん、22時くらいには投下するはずだ」

神様「募集範囲は割とノリで上下するから、その辺りも了承してくれると嬉しいな…」

エロシーンは最悪キンクリでも構わない

ということで、発情したアリナから誘って××後、アリナのトラウマ周りの事情語り&殺しへの抵抗緩和イベント

神様「そうしても構わないけど…いいのかい?せっかくの00というクリティカルを出したのに…」

神様「皆がいいのならそうするけど…欲望をぶつけても構わないんだよ?」

いちゃラブセックス見たい

でもせっかくだしこの先への期待もしたいというか

男が距離を縮めたいという意図はわかるので、心を許そうとするアピールで正面に移動、くらいから微エロでもヤッちゃっても

神様「うーむ…。思った以上に意見がばらけているね」

神様「>>142>>145のようにガッツリと関係を持つか、>>151-152のようにちょっとだけステップアップするか多数決しようかな?」

神様「どちらを選んでも、アリナの過去イベントと抵抗緩和イベントは発生するよ」

神様「↓5くらいで多数決。こんなグダグダな>>1でごめん…」

男「…あと…五分か…?」グダーッ

アリナ「ふぁ…あぁ…」ポケー

男「変な感覚だ…。何か薬でも盛られたのか…?」

男(意識は朦朧としているのに…気分は悪くない…。のぼせた…のか…?)

アリナ「………」ザブザブ

男「どうした…?」

アリナ「分かりません…。ただ、隣にいたいと思った…だけです…」ピトッ

男「…そうか。それぐらいならいい…」

アリナ「ありがとうございます」ニコッ

男「…!?」ドクン

男(なんっ…だ…!?頭がおかしくなったのか…!?今、アリナが異常に色っぽく…)

アリナ「…?どうしました…?」

男「…いや、何でもない」

男(幻覚か…?)

アリナ「………」モゾモゾ

男(あのアリナが足の間に…!?まさか、このお湯…!)

温泉「せやで」

男「アリナ…お前、何をして…」

アリナ「…不思議ですね。このお風呂に入っていると…男さんともっと触れていたいと…そう思うんです」

男「…分かった。すぐに出るぞ」ザバッ

アリナ「駄目です…!」ギュウウッ

男「…っ!?」

アリナ「きっと…ここにいる間だけしか、正直になれないから…だから…」

アリナ「私のことを、もっと知ってほしいんです…!」

男「………」

男「…少しのぼせた。気分が落ち着くまで、俺は風呂に入っている」

男「アリナは?」

アリナ「…!はい!」

男「そうか。このままでいいか?」

アリナ「…いえ、真っ直ぐ向き合いたいです。…今だけしか、そんな勇気は出せないから」

男「…好きにしろ」

カポーン。 トマルンジャ…ネエゾ…。 イッセンヲコエルンジャ…ネエゾ…。

男「…やはり、まだまだ子供の身体だな」

男(どこにでもいる普通の女の子だ。…肌の色や髪の色を除けば、だが)

アリナ「男さんは…その、凄いですね…」

男「…大したことは無い。ただの思い出だ」

男「俺にあるのは、これだけなんだ。…あの女との駆け引きだけしか無いんだ」

アリナ「私はいないんですか?男さんの中には」

男「…さて、どうだかな」チャプッ

アリナ「じゃあ、男さんの記憶に残るように頑張りますね。…そんな勇気、出せないかもしれませんけど」

男「無理する必要は無い。もう充分なくらい、アリナのことは…」

アリナ「え?」

男「…口が滑ったな。この温泉の効能は凄まじい。…隠したいものが全て流れて、露わになってしまう」

アリナ「そうですね。私も、その効能に助けられています」

アリナ「…私の話、しましょうか。分からないことが多いですけど、今しかきっと言えません」

男「…分かった。全て、受け止めよう」

アリナ「…私には、記憶があまり無いんです」

男「…ほう」

アリナ「一番新しい記憶でも、あの人のところで暮らし始めた二年前からしかありません」

アリナ「最近でも、虫に食われたように、一部の記憶が抜け落ちているんです」

男(…?記憶治療だと、消去した部分に仮初の記憶を埋め込んで、整合性を取るはずなんだが…)

男(…何か裏があるな)

アリナ「…だけど偶に、変な水の中にいる光景を思い出すんです。周りには、私のような髪をした人がいっぱいいました」

男(水…か。夢占いとかでもしてみるか?)

男「…嫌な記憶を穿るようで悪いが、どうしてあそこまで殺害を忌避する?」

アリナ「…分から…ないんです。反射的に、それだけは駄目だって、そう思うんです…」

アリナ「…私は何なんですか?こんな、昔のことすら朧気な私はいったい…」

男「俺が知るわけがない」

アリナ「…っ!そうです…よね…」

男「…だが、今のお前は『アリナ』だろう。親から貰った名前がある。今、お前は確かに存在しているんだ」

男「…いいじゃないか。自分が何か分からなくても。それを知るために、今を生きているのかもしれないだろう」

アリナ「自分を…探す…」

男「…俺も探している。何故、俺は生きているのか。…この先に、どんな罰が待っているのか」

男「それを知るために、俺は殺すのさ。それしか知らないから。殺さなきゃ、何も守れないから」

男「…それを止めたら、俺は消えるんじゃないか。そう…思うんだ…」

アリナ「…可哀想な存在ですね、私たち。自分を知らなくて。殺めること以外知らなくて」

男「…それは見方による。俺は、自分を可哀想と思ったことはない。愚かだと思ったことはあるが」

男「結局は、他者を踏み潰して生きるしかないのさ。それが正しいように、世界はできている」

アリナ「…少し、分かった気がします。男さんのことが」

男「そうか」

アリナ「…今の私なら、殺す意味を少しは理解できます。仕方ない時はありますよね」

男「…ああ。殺さなければ、自分は死ぬ。そうなれば、やるべきこともできない」

アリナ「ですよね…。…きっと明日からの私は、生きるためなら、護るためならできます。殺す…ことを…」フラッ

男「アリナ!?」ガシッ

アリナ「スー…スー…」

男「眠っただけか…」ホッ

男「…確かに、もう夜も遅い。早く上がって、休息を取るか…」

寝室


男「………」スヤスヤ

アリナ「………」パチッ

アリナ(何してるの私ーーー!?)

アリナ(え…本当に何してたの!?あんなこと今できる!?できないよね!?ねっ!?)

アリナ(あ…明日からどういう顔をすればいいのかな…?変な人って思われてないよね…!?)

アリナ(…でも…)ポスッ

アリナ(男さんの手、優しかったなぁ…)

アリナ(身体も、がっしりしてたなぁ…)

アリナ(…じゃなくて!これじゃ私変態だよ…!あれこれ理由を付けて傍に行って…)

アリナ「でも…お風呂のせいにしてるからセーフ…?」ボソッ

男(…眠りが浅いな。『直下』でもして気を紛らわせるか)

ハグからのギューッとしながらクンカクンカ

神様「…ちょっと待ってね。アリナの行動と勘違いしてないよね?大丈夫?」

神様「いいのかな?別に採用してもいいけどアイデンティティがクライシスだよこれ」

神様「もし勘違いだったら申し訳ないから、>>169にアンサーを聞くとしよう」

男「…ん…」ムクリ

男「…視界がまだ…ぼやけているな…」ポヤー

男(気のせいか、アリナの後ろ姿が艶めかしく…)

男(俺は馬鹿か…!?アリナはまだ子供だぞ!?欲情するなど愚かにも程がある…が…)

男(…何だ、この感覚は…。これはまるで、媚薬を盛られた時…!)

男(あぁ…そうか…。そういう効果があったのか…!道理で…!)

男(俺の体内にもナノマシンはあるのに…。…薬物じゃないから、分解が遅いのか…!?)

男(クソッ…。流石に襲うのは駄目だ…!別の何かで欲望を満たさねば…!)スッ

アリナ(!???!?!!)ギュッ

男「…すまない。これしか…手段が無い…」ギュウウッ

アリナ(Q.今私はどこに?A.男さんの胸の中(後頭部))

男「…!?まだ…収まらないのか…!?これ以上は…ええい!」クンカクンカ

アリナ(ひゃわーーーーー!!?!?!??!)ピクッ

男「っ!?…もう少し静かにやるか…。こんな時に目覚めたら自害しかねない…」スーハー

アリナ(あわわわわわわわわわわ)

男「…ごめん」ギュッ

男「…ぐぅ…」ドサッ

男「………」スヤスヤ

男「…!?」ガバッ

アリナ「あ、オはようゴザいマす」

男「…俺、何か変な行動していなかったか?」

アリナ「気ノセいですヨ」

男「…そうか。変なことを聞いたな」

アリナ「イえ、大丈夫でス」

アリナ「顔ヲ洗っテキます」カチコチ

男「あ、ああ」

男(…絶対してたな。あれは夢じゃなかった。そしてバレている)

男(…この旅館の温泉全て埋めてやるか)

男(…なんていう妄言は捨て置いて『直下』をするか)

神様「ちなみに、旅館にはあと一日泊まる予定だよ。次の日にはもう帰ってるけど」


旅館周辺遊歩道

男「………」タッタッタ

アリナ「えっほ、えっほ」タッタッタ

男(俺のペースなら余裕で追従できるな。本当に、素質は抜群だ…)

男(…そういえば、どこかの基地で実験体が逃げ出したって情報が、朝店主から入ったな。まさか…)

男(…いや、今は身体が鈍らないようにトレーニングをしなければ。最近仕事も入らないが)

男(もう、お役御免ということか?暗殺稼業で生きていくのも、楽じゃないな)

アリナ「…あの」タッタッタ

男「ん?」

アリナ「ペース…上げないんですか?」

男「…早すぎても意味が無い。基礎体力を維持するトレーニングだからな」

アリナ「なるほど」

男「お前はもう少し早くしてもいいだろうが」

アリナ「………」ウーン

アリナ「…このまま『が』いいです」

男「…?分かった」

男(中々いい運動になりそうだ。次は『直下』だな)

男「………」モグモグ

アリナ「美味しいですね…」モグモグ

男(献立はかなり味付けなどを変えているが、材料自体は殆ど変わっていない。精力が付く物ばかりだ)

男(この旅館がどういうところか、ようやく分かった気がする)モグモグ

男(ここは、子宝に恵まれるとかそんな売り出し方をしている旅館だ。だとしたら、温泉の効能も納得する)

男(…だが、その点を差し引いてもここはいい。飯も美味いし、温泉に浸かれば疲れが吹き飛んだ)モグモグ

男「…なるほど。あのスタッフの間の意味が分かった。確かに、そうでもなければ俺は犯罪者だな」モグモグ

男「…この炊き込みご飯、美味いな。是非とも、レシピを教えてもらいたいものだ」

アリナ「………」モグモグ

アリナ(…どうしたら、大きくなれるのだろう)

アリナ(こんなちんちくりんよりも、おっきい人の方が釣り合うよね…)チラッ

男「………」モグモグ

ガラッ。

従業員「お客さん、お代わりは要る?」

男「ご飯のお代わりを頼む」

従業員「分かった。そっちは?」

アリナ「お肉と牛乳をいっぱいお願いします!」

男「…腹八分目で止めないとな」カチャ

アリナ「お…お腹いっぱいです…」

従業員「もう食器は片付けていいよね?」カチャカチャ

男「ああ。感謝する」

従業員「こっちこそ、この旅館に泊まってくれてありがとう。皆も喜ぶよ」ガラッ

ピシャッ。

男「…喜ぶ、か。その喜びは純粋なものだろうな」

男「俺の仕事で喜ぶ者は…」ポスッ

男「…次は『直下』だ」

男「…例えば」

アリナ「…?」

男「例えば、仕事にアリナも参加せざるを得ない時が来たとする」

男「その時、アリナはターゲットの殺害。または、俺のサポートのどちらかをしなければならない」

男「…そんな時、お前はどうする?」

アリナ「…そんな日は来ないでほしい…ですけどね…」

男「例えばだ。…参考にするだけだ。今はその時じゃない」

男(今はまだ…な。その時が来るか、分からんが…)

アリナ「どちらかを選ぶ…」ウーン


直下コンマ 70以上だと直接殺害することもできるように(やるとは言ってない)

アリナ「…その、人を殺すのってどんな感じなんですか?」

男「どんな感じ…と言われてもな。最初の頃は精神を摩耗していたが、今は何も感じない」

男「…人間というのはよくできている。嫌なものでも、何度も反復すれば次第に慣れていくものだ」

アリナ「…私にもできますか?」

男「…素質は充分ある。技術さえ学べば、俺如きは容易に殺せるだろうな」

アリナ「私がその仕事をやれば、男さんの負担は減りますか…?」

男「…単純に考えれば、俺がもう一人増えるようなものだ。楽にはなる」

アリナ「…だったら、できると思います」

男「…分かった。参考にさせてもらう」

男「…昼を越えたな」

アリナ「はい…。暇ですね」

男「旅館だからな。遊ぶ場所も大してない。身体を休めるための場所だ」

男(この旅館がどういうところかは黙っておこう)

アリナ「はう~~~…」ゴロゴロ

男「………」ペラッ

アリナ「むぅ~~~…」ギューッ

ドデカイヌ「またパワーが上がってるじゃあないか!どういうことだ!?ええッ!?」ギリギリ

男「『直下』をしよう。少しは暇つぶしになるはずだ」

神様「今日はここで終わるわけだけど、何か幕間で見たいのがあったら次回更新までにリクエストしてね」

神様「その中で気に入ったものを合間合間に>>1が投稿するらしいよ。無謀だね」

神様「いつもご参加ありがとね~。次回もよろしくお願いするよ~」

神様「すまないね…。>>1が現在デスマ中でSSが書けないんだ」

神様「あと数日もしたら楽になるはず…。それまで申し訳ないけど、待っていただけたら嬉しい…」

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