少女「ばばば馬鹿野郎! ノックぐらいしろってんだ!」 (1)

父「親に向って馬鹿とはなんだ。それよりさっさと降りてこい。さっきから晩飯だっつってんだろうが」

少女「分かった分かった。今行くから先に降りてて」

父「……何書いてんだ?」

少女「わああ! 見るな!」

父「父の日用の手紙か? まだ当分先だぞ?」

少女「違うわボケ! いいから見るなや!」

父「照れやがってこいつぅ! このファザコンめ!」

少女「やめろや!」

長男「その辺にしときな、親父……」

次男「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえってね……」

三男「今、あんたの娘は恋文を書いてんのさ……」

父「み、三つ子ブラザーズ……!」

少女「実の息子にその呼び方って……」

長男「ところでラブレターの調子はどうよ?」

次男「良い感じにこっぱずかしいの書けた?」

三男「兄ちゃんがアドバイスでもしてやろう」

少女「やめろや! ってか何で知ってんだあんたら!」

長男「いやなに、帰り道で雑貨屋に寄るお前を見つけてな」

次男「それでこっそり尾行してみたらかわいい便箋なんか買うもんだからさ」

三男「こりゃもう黒だなって」

少女「ラブレター書くことを黒とか言うな」

父「ちょっと待て、確かに父さんはお前のことを愛してはいるが……。さすがにラブレターなんか受け取れんぞ?」

少女「頭沸いてんのかてめえ」

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