・普通の勇者魔王SSです
・書き溜めが溜まりしだい投稿していく方向で頑張ります
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王「やっぱり勇者に頼るのは限度があるみたいだね」
側近「個々の力が及ばないと知ったら人海戦術ですからね。うちの軍を出せたら良いんですけどうちの軍は滅法弱いからなぁ」
王「そうなんだよねぇ。魔王軍は統率はとれてるし戦略は巧みだし将としての人材も揃ってるし」
側近「つまり、1人の英雄じゃ魔王には太刀打ちできないって事ですね。そこが大きな壁って事か……」
王「そこで王は考えました。うちの軍を鍛え上げて魔王軍を倒せれば魔王も倒せるんじゃねぇかって」
側近「鍛え上げるってどうするんすか?将としての人材が揃ってない我が軍じゃそういう人材も不足してますよ?」
側近「なるほど……だけど、そんな上手くいきますかね?今の勇者を見つけ出せた事自体奇跡なのに異世界からそんな都合良い人材を呼び出せるかなぁ……」
王「そこでまた王は考えました。条件指定型の召喚術なら我が軍に適した英雄を呼び出せるんじゃなかろうかと」
側近「細かい条件を設定すればするほど召喚対象が絞り込めるアレですか?でも、アレってけっこう検索に引っ掛かるの大雑把らしいですよ」
王「そこは我が軍を導ける人材が呼び出せるように条件をなるべく細かく指定してみよう。英雄じゃなくても優秀な人材がきたら御の字で」
側近「そんなんで大丈夫なんですか?心配だなぁ」
王「勇者パーティーじゃ越えられない壁があるんだから仕方ないでしょ?藁にすがるつもりでやってみましょ」
側近「……わかりました。とりあえず手配しましょう」
側近「王様、召喚師来ましたよ」
王「おう、仕事が早いね」
召喚師「指定召喚って事ですけど、本当に良いんですか?確かに条件を指定できるのは利点ですけど異世界召喚自体精密な物じゃないですし指定召喚だって条件を指定できるってだけでドンピシャ望む人物が来るわけじゃないですよ?」
王「かまわんよー我らだって贅沢は言ってられんしとりあえず人材不足を補える人物がくりゃ良いから」
召喚師「わかりました。じゃあ、指定する条件を何かにまとめてください」
側近「それは用意してありますよ。これです」
召喚師「準備が良くて助かります。えっと、戦が強くて人を纏めるのが上手くて内政・外交にも通じていて肝がすわってる……か」
王「できる?」
召喚師「なんとかやってみます。だけど、けっこうお値段はりますよ?」
側近「我が国は財政難ですけど、先日大幅にリストラしたんでなんとか大丈夫かと」
王「また税率あげにゃいかんかねぇ……ただでさえ若い王だからって信用ないからなぁ……」
側近「そこはおいおい考えましょ。まずは魔王をなんとかせにゃ」
召喚師「じゃあ、やりますよ。あ、側近さん。このマット敷くの手伝ってもらえます?」
側近「はい」
王「それに魔方陣書いてるんだね?実際に床に書かなくて良いんだ」
召喚師「指定型異世界召喚は情報が大事なんで魔方陣は使いふるされてた方が情報がインプットされてて良いんですよ。だからこうやってマットに魔方陣書いて情報を書き込み書き込みしながら使って継承してくんです。ちなみにこのマットも師匠から受け継ぎました」
王「へぇ、さすがに奥が深いんだ」
側近「これで良いですか?」
召喚師「あ、大丈夫です。ありがとうございます。それじゃあご静粛にお願いしますね」
王「はーい」
側近「さすがに緊張するわぁ」
召喚師「まずは指定された条件をインプットして……」
召喚師「よし……いきます!!ハアアアアアア」
王「いよいよ来るよ。英雄が」
召喚師「キェェェェェ!!」
ドッカーン
側近「ば、爆発!?王、大丈夫ですか」ゲホッゲホッ
王「大丈夫大丈夫!!ただ、煙が凄くて……」ゲホッゲホッ
側近「良かった……召喚師さんこれ成功なんですか?」
召喚師「一応成功なんですけど何故か四人も呼び出されたみたいでここには一人だけ召喚されて他の三人は別々に召喚されたようです」ゲホッゲホッ
側近「それって本当に成功?」
王「あ、煙が晴れるよ」
?「ん?ここはどこじゃ?俺(おい)は確か国分城で病に伏せとったはずだが」
―――
――
―
とりあえずこんな感じです。
これからよろしくお願いいたします。
女勇者「んん……はぁ、魔王軍に取り囲まれてなんとか逃げ仰せてから一週間かぁ……ケガで寝込んでたから身体鈍っちゃったかも」
騎士「勇者様!!もう起きても大丈夫なのですか!?」
女勇者「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
騎士「しかし、あれほどの大怪我でしたしあまり無理をなされては……」
女勇者「賢者さんの回復呪文のおかげで傷はすぐに塞がったしあまり寝てても身体が鈍る一方だよ。少しは動いてリハビリしないとね」
騎士「しかし……」
女勇者「騎士くんは心配性だな!!この通りいっちにっいっちにっ……いてて」
騎士「だ、大丈夫ですか!?」
女勇者「えへへ、ちょっと調子乗っちゃった。でも本当に大丈夫なんだよ?それに、いつまでも寝込んでちゃ魔王にリベンジ出来なくて悔しいもん……」
騎士「勇者様……」
女勇者「そういえば魔法使いちゃんと賢者さんは?」
騎士「魔法使いのヤツは修行をしなおすとアイツの師匠のもとへ。賢者様はなんとか魔王征伐の軍を興せないかと三日前に王宮へ行きました」
女勇者「そうなんだ……じゃあ、ますます怠けてるわけにはいかないなぁ」
騎士「勇者様がいなければ私達は逃げる事ができませんでした。少しくらい休んでも罰は当たりません。それくらいの働きはしたのですよ?」
女勇者「でも、無茶はしないしちょっとだけなら良いでしょ?ね、お願い」
騎士「うぅ……わかりました。でも軽い運動だけですよ?」
女勇者「やった~!!騎士くんありがとう」ギュッ
騎士「ちょ、ちょっと勇者様……///」
ガサッガサッ
女勇者「ん?今、何か動かなかった?」
騎士「ウサギか何かじゃないですか?」
ガサッガサッ
女勇者「ウサギなら良かったね……」
ガサッガサッ
騎士「ええ、そうですね。ドラゴンなみの威圧感を感じます……どんな魔物が出てくるやら……」
女勇者「騎士くん……私が合図したら逃げて……」
騎士「それには賛同できません。私がなんとか迎え撃ちますから勇者様はその隙に……」
女勇者「そんなダメだよ!!」
ガサッガサッ
騎士「言い合いしてる暇はありませんよ!!来ます」
魔物「ギャーース」
女勇者「キメラ!?」
騎士「まずい!!勇者様逃げて下さい!!」
女勇者「くっ、手負いの私じゃ」
?「チェェェェリャアアアアア」
ズバァァ
騎士「な!?キメラが一刀両断!!」
?「なんぞ、地獄の化け物のよっで歯ごたえがなか」
女勇者「す、すごい……あんな壮絶な剣技はじめて見た……」
?「ん?人がおったか。怪我はなかか?」
騎士「え、あ、はい」
女勇者「怪我はないですけど……あの……あなたは」
?「俺(おい)か?俺は大丈夫じゃ。島津男はこんくらいなんともなかよ」
騎士「な、なんともない!?魔術で無茶苦茶に繋がれて十人からの戦士を一瞬で葬るキメラを相手にしてなんともない?」
?「島津ん男じゃからな」
?「さて」ズルズル
女勇者「あ、あの!!キメラを引きずってどこへ?」
?「適当に広か場所見つけて焼いて食う」
騎士「キメラは食べれないと思いますけど……」
?「なんぞ……食えんのか……困ったな」
女勇者「あ、あの……お腹空いてるんですか?」
騎士「ゆ、勇者様!?」
?「ああ、腹がへって仕方ない」
女勇者「だったらうちに来ませんか?ご馳走しますよ」
騎士「勇者様!!こんな得体の知れない男を誘って大丈夫なのですか!?」
女勇者「きっと大丈夫だと思う……あくまでも勘だけど……それに、なんか私あの人に興味持っちゃった」
騎士「えぇ!?」
女勇者「あの、お名前を聞かせてもらっても良いですな?」
?「俺(おい)は島津家久じゃ」
女勇者「イエヒサさん?私は一応勇者やってるメリルです。それでこっちの騎士くんは」
騎士「ツェッドです」
家久「ハハハッ、なんぞ可笑しな名じゃの」
女勇者「ふふふ、そうですか?あ、お家に案内しますね」
家久「おう、頼む」
騎士「…………」チャキ
家久「おう、ツなんとか……死ぬる覚悟なら止めんがのぅ……」
騎士「……ふぅ、すいません」カチャン
女勇者「ふふふ、騎士くんはこう見えて喧嘩っ早いんですよ。ごめんなさい」
家久「カハハハッ、構わん構わん。俺(おい)の倅もやんちゃでのう」
女勇者「息子さんいらっしゃるんですか!?」
家久「そいじゃ。豊久と言ってな!!いやぁ、ヤツは良か青年(にせ)ぞ!!」
女勇者「あの、イエヒサさんっておいくつなんですか?」
家久「俺(おい)は四十じゃ」
騎士「はぁ!?どうみたって二十代前半じゃないですか!!」
女勇者「そうですよ!!私と同じくらいにしか見えないですよ」
家久「そいか?あの世では若返るんかのぅ。カハハハッ」
女勇者「イエヒサさんって不思議な人ですね」
騎士「不思議どころか怪しさ満点ですよ……」
女勇者「ここが私のお家です」
家久「ほう、よか屋敷じゃ」
女勇者「ふふふ、私もお気に入りのお家なんです。お屋敷ってほどじゃないですけどね?さぁ、あがってください」
家久「お邪魔しもうす」
騎士「意外に礼儀正しいんですね。オーガみたいに野蛮な人だと思ってました」
女勇者「騎士くん!!イエヒサさんに失礼だよ」
家久「構わん構わん!!正直、俺(おい)は堅苦しいのは好かんからな。礼儀やなんちゃらは大兄と歳兄に任せとったわ」
女勇者「ご兄弟がいるんですか?」
家久「おう!!兄者が三人おる。大兄者は器が大きかお人で義兄ほど戦(ゆっさ)が強か人は知らんし歳兄は本当(ほんのこて)に賢け人じゃ。三人の兄者に比べれば俺(おい)なんぞまだまだよ」
騎士「キメラを真っ二つにしといてどんだけですか……」
女勇者「あの、イエヒサさんってどこから来たんですか?その鎧は不思議な形してるし言葉もこういったらなんですけど……変と言うか」
家久「おお、俺(おい)は薩摩から来たというか……死んだと言うか」
騎士「へ!?」
女勇者「死んだってどういう事ですか?」
家久「豊臣の禿げ猿に戦(ゆっさ)挑んで負けた。そいで、兄者達に迷惑かけた詫びに毒を飲んだ」
騎士「勇者様、これってもしかして……」
女勇者「うん……異世界召喚だね……イエヒサさんは異世界から来た人で間違いないよ」
騎士「いったい誰が?」
女勇者「わからないけど……召喚座標がズレたか何かしてここらへんに来ちゃったんだね……」
騎士「危険ですよ……殺してしまいましょう……」
女勇者「ダメ。異世界から召喚されただけで危険な人じゃないよ。だから殺すのは私が許さない」
騎士「しかし」
女勇者「騎士くん、君は賢いようで短慮だよ。それも最悪の選択肢を選ぼうとする。それは逃げだと思う……苦しくても難しくても最善で最良の答えを出せるようにしようよ」
騎士「……すいません」
女勇者「騎士くんは若いんだしこれからわかっていけば良いよ」ニコニコ
騎士「はい!!」
家久「……ほう、良か女子(おなご)じゃの」
女勇者「あ、すいません!!すぐにご飯作りますね」
家久「よかよか、ゆっくりでよかよ」
騎士「あ、勇者様手伝います!!」
家久「なんぞ死んだ実感がありもはん。奇妙な感じがすっど」
女勇者「イエヒサさん……実はその事なんですけど……」
ギャーギャー
騎士「勇者様!!あのカラス」
女勇者「あれは魔法使いちゃんの使い魔?」
女勇者「えっと……ザップちゃんだっけ?こっちおいで」
カァカァ
女勇者「よしよし、良い子だね。ご主人様から何を頼まれたのかな?」
騎士「勇者様」
女勇者「ツェッドくん、すぐに旅の準備しよう」
騎士「わかりました。一時間ほどお待ちください」
家久「めりる殿(どん)どげんした?」
女勇者「イエヒサさんごめんなさい。私、ちょっとお出かけしなきゃいけなくなって……」
家久「戦(ゆっさ)じゃな」
女勇者「え?」
家久「戦(ゆっさ)ばしに行くんだろ?顔ば見たらわかっど。戦(ゆっさ)っちゅうもんはいくら達者になろうと恐ろしかもんじゃ。じゃっどんそいな顔してたら兵(へこ)に示しがつかんから将たるもんはそれを隠そうとする。笑顔が固かよ」
女勇者「……ふふふ、イエヒサさんは凄いですね。そうです。仲間を助けるために戦いにいきます」
家久「よっしゃ!!そいなら早よう行かないかんな」
女勇者「え!!イエヒサさんも来るんですか!?」
家久「行くにきまっちょっどが。島津ん男たるもん恩ば受けたら返すもんじゃ」
女勇者「そ、そんな!!私、イエヒサさんに何もしてあげれてませんよ!?」
家久「俺(おい)に飯ば馳走してくれようとしとったろ?」
女勇者「でも、まだご馳走できてないし……」
騎士「同行してもらいましょう」
女勇者「騎士くん!?」
騎士「さっきのキメラ一刀両断と良い。勘の鋭さと良いイエヒサさんはただ者ではない事は勇者様が一番お分かりでしょう?それに私と万全ではない勇者様とでは正直、心もとありませんし戦力は多いほど良いかと」
女勇者「でも……」
家久「戦(ゆっさ)っちゅうんは時の運じゃ。うだうだしとったら勝てる戦(ゆっさ)も勝てんようになっど!!」
女勇者「わかりました。イエヒサさん一緒に来てください」
家久「良か面魂じゃ!!ほんによかおごじょじゃな」
女勇者「騎士くん準備は?」
騎士「できてます」
女勇者「よし、行こう!!」
―――
――
―
今日はこんな感じです。鹿児島弁がわからないので何となくで書いてます。鹿児島の方がいたらすいません
?「ほう、京なんぞ比べもんにならんな。城も立派なもんじゃ」
王「ヨシヒサさん、気に入りましたか」
義久「おう、よう治めとりますな。王殿(どん)若いのに大したもんじゃあ」
王「いや……実は、この王宮も都も父ちゃんが……先代の王様が頑張ったからなんです。僕なんてしょうもないドラ息子で……力不足を痛感してるんですよ」
義久「そいじゃな、国を治めるっちゅうんは本当に(ほんのこて)難しか。俺(おい)も薩摩を治めてる時は苦労した」
王「ヨシヒサさんも国を治めてたんすね」
義久「そいじゃ。まぁ、俺(おい)にはもったいなかほど良う出来た弟が三人もいて助けてくれたが」
王「そうなんですか……僕には兄弟がいないから……」
義久「良いか、国を治めるのは容易か事ではなか。例え、良う出来た弟がいてもじゃ。国を治めるのに大事なのは、国を愛し民草を愛する事ぞ。国は民に還り、民は国に還る。国と民を愛せば気概が生まれる。どのような大敵を前にしようと俺(おい)は負けんど!!国と民を守るどという気概がの」
王「気概が……?」
義久「王殿(どん)は国と民を愛しとるか?」
王「もちろん!!それだけは自信もって言えます。なんて……柄じゃないっすけど……アハハ」
義久「照れる事はなか。そん気持ちがあるなら王殿(どん)は大丈夫じゃ!!アハハ」バシバシ
王「い、痛いっすよ……へへ(父ちゃんを思い出すな……豪快だけど優しくて……明日、久しぶりに墓参り行こう)」
側近「王様、ありったけの情報を集めて来ましたよ」
王「あ、ありがとう。良くやった。すぐに会議しようか」
義久「良か家臣がおるではなかか」
王「え、あ、アイツは……友達でもありますから」
義久「尚更、良か。そいが王殿(どん)の力になっど。そいじゃ魔王とやらを倒す企てをすっど」
王「はい!!」
側近「なに話してたんですか?」
王「秘密。とりあえず、ヨシヒサさんに我が国の実情を話してあげて」
側近「ん?まぁ、いいや。ええと、我が国は険しい山脈に囲まれ天然の要害となっています。この四方囲む山脈はいかに魔法を駆使しようとも越えるのは難しく首都を攻められる心配はありません」
義久「じゃっどん兵子(へこ)を出すのも難しいではなかか」
側近「その通り。実は、この都は先々代の王が魔王の脅威から逃れるために移したらしいんですよ」
義久「うむ、こがい険しか山を越えてこれだけの都を築いたのは凄かことじゃが詰めが甘か。時には攻めねば勝てるわけなかど」
側近「史料によると我が国民はもともと山岳地帯にすむ盗賊から派生してるらしいので山には強いらしいんですが」
義久「そいなら兵子(へこ)がだせるのではなかか?山が険しかとて山に強かもんなら楽な道を開けようが」
側近「そうですね。ただ、もうひとつ要因があって、兵の大多数が戦いになれてないし有能な将がいないんです。何分、戦争なんて我々の祖先の代からしてませんからね」
義久「そいでも兵子(へこ)は保っとるんじゃな。兵子(へこ)の鍛練 は誰がしとるんじゃ?」
側近「山間の魔獣対策や隣国の盗賊の国との小競り合いがあるから兵の鍛練は怠るなと先代が言ってたので。兵の鍛練は代々、我が国の兵を纏めてきた一族の者がやってます」
義久「近くに国があるか……どがいな国じゃ?」
側近「まぁ、国と言うには小さいです。詳しく説明するとややこしくなるので省きますが、元を辿れば我が国と祖先が同じらしいんですけど我々の祖先は盗賊から発展したのに比べてその国は盗賊稼業を続けながら国に発展したんですよ。だからか兵が精強です」
義久「なら、同盟を組めばよか」
側近「それが……その国は土地が痩せてて農耕に向いておらず長年、盗賊稼業しかやっていないので産業の技術がありません。だから国を維持するために我が国を襲っていて、しかも向こうは我が国に恨みをもっているらしいですし我が国は我が国で長年の小競り合いで恨みが積もっており、となかなかにややこしいんです」
義久「かぁ……難しか……そいで、なぜ魔王とやらを相手にする気になった?攻めて来とる様子もなかではなかか」
王「それは僕が。実は、先代の王の晩年に魔物が突如として狂暴になり始めました。今までも魔物の脅威はありました。それでも注意してれば回避出来てたし退治も出来てたんです。だけど、魔物は見境なくなり退治も難しいほどになりました。先代の王もなんとか対抗しようとしましたが老齢とあまりの激務に体調を崩して……」
義久「理由はわからんか」
王「さっぱり……ただ、ほっとくわけにもいかず、だけど軍もだせず……なので魔物をすべる魔王を倒す勇者を募って派遣したわけです」
義久「じゃっどん、上手くいかんかったか」
王「えぇ、勇者メリルは女だてら凄絶な剣技の使い手で魔法も使えます。勇者の仲間である騎士のツェッドは若年ながら才能はピカ一だし魔法使いの少女ミリィの魔法には目を見張ります。賢者のオブライエンさんなんか不世出の大賢者です。でも無理だった……やっぱり戦争をするしか方法はないと……」
義久「ふむ、切迫した事態ながら打つ手がないっちゅうわけか……」
王「そういう事です」
義久「手助けしてやりたい。なんぞわからん方法で呼ばれたが俺(おい)は何か……そいじゃな、見仏の思し召しとも言うんかの?そいな気持ちになっとる。じゃっどん、俺(おい)一人では難しか」
側近「実は、あなたの他に三人が召喚されてるんです。探しだして説得出来れば力になってくれるかも」
義久「そいじゃったか。しかし、そいを当てにするわけにはいかんな。なんとかやってみよう」
王「もちろん出来る限りの助力をします。なんでも言ってください。僕もこのまま手をこまねくだけは嫌なんで」
義久「ひとつも妥協できん手厳しか状況だが、やってみっど。まずは国を整えねばならんな。側近殿(どん)は出来るだけ情報をば頼む」
側近「わかりました。すぐに準備します。あと、他に召喚された人の捜索も開始してますんで何か情報が入ったら真っ先にヨシヒサさんに伝えますね」
義久「おう、本当に(ほんのこて)優秀な家臣じゃな。頼りにしとるぞ」
王「あの、僕は何をすれば……」
義久「王殿(どん)は俺(おい)に付き合ってもらっど」
王「役にたつか分かんないですけど頑張ります」
義久「強か敵に勝つ戦(ゆっさ)をするために王殿(どん)にも命かけてもらう。覚悟は良かか?」
王「はい!!」
義久(やれやれ……しんどい戦(ゆっさ)になりそうだの……)
―――
――
―
今日はとりあえずこんな感じです。せっかくのお盆休みだから大量に更新したかったんですけど調子こいて遊んだせいかヘロヘロになってしまい少なくて申し訳ないです
魔物「ギャーギャー」
?「右、放て」
魔物「グギャー」
?「良か。中央推し進め」
魔法使い「トシ様、大丈夫ですか?ミリィ不安ですぅ」
歳久「他愛なか。錬度が低か兵子(へこ)共が集まったとて雑兵と代わりなかぞ。こん戦(ゆっさ)なら家久や兄者がおらんでも容易か」
魔法使い「トシ様、クールで素敵ですぅ」モジモジ
歳久「とりあえず敵は押し返した。お前(わい)は休むがよか」
魔法使い「ミリィは大丈夫ですぅ。トシ様のためならまだまだ頑張れますよ」
魔女「なに言ってんだいひよっこが!!トシ様の言う事は聞くもんだよ!!さぁ、トシ様もこちらでおやすみくださいな」
魔法使い「トシ様!!そのババアの言う事を聞いたらダメですよ!!若作りしてるだけで本当は醜いババアなんですから」
魔女「こん糞ガキャア!!言うに事欠いてババアなんぞいいやがって!!」
ギャーギャーギャーギャー
歳久「せからし(煩い)か」
歳久「しかし、そい妖術は凄か。そいがあれば戦(ゆっさ)が変わるぞ」
魔法使い「妖術じゃなくて魔法ですぅ。今はゴーレムを数十体出すだけにしてますけど本当はもっとできるんですよ?」
歳久「ああ、お前(わい)は凄か娘(おごじょ)じゃ」
魔女「ふん、そのちんちくりんはまだまだひよっこさね。アタシはもっと凄いよ?もちろんベッドの上でも、ね」
魔法使い「あーやだやだ!!ババアの発情期なんて汚らわしくて仕方ないですぅ」
魔女「胸がペタンコなケツの青いガキにはわからない世界さね。さっさとおねんねしな」
魔法使い「このババア!!ミリィのお胸を馬鹿にしたですね」
魔女「あんたこそ師匠に向かってなんて口の聞き方だい!!」
歳久「せからしか」
魔法使い「ねぇねぇ、トシ様。なんで一気に焼き払わないんですか?三百程度のゴブリンなら一時間くらいで終わりますよ?もしかしてミリィの実力疑ってるですか……?」
歳久「お前(わい)らが本当に(ほんのこて)そいな実力があるのはわかっど。こいは、言わば物見ぞ」
魔法使い「物見ってなんですか?」
魔女「偵察の事さね。そんなことも分かんないのかい?これは威力偵察ってところだね」
歳久「そいじゃ。こん敵ば知る必要があっど。一度襲われたならそいはもう宣戦布告ぞ。これから戦(ゆっさ)するならば敵の事を知る必要がある」
魔女「まったく……敵に急襲されて退路を断たれてるってのに殲滅する事を目的にせず交戦するなんて大した度胸だね」
歳久「そいだけではなか。お前(わい)らが紹介してくれた勇者とやらの実力も知っとく必要がある。じゃっで、こん回りくどい真似ばしとる」
魔法使い「勇者のお姉さまにわざとピンチを装った手紙を送ったのもそういう事なんですね」
歳久「敵と味方を見分け実力を量る必要がある。俺(おい)が動き易くするためにはのう。さて、俺(おい)らは適当に敵を退けながらそん勇者っちゅうのを来るのを待つかの」
魔法使い「はい」
魔女(判断力があり頭もキレる。何より冷静だ。まったくとんでもない男が転がりこんできたね。しかも、まるで魔物と戦争するみたいな言い種じゃないか……ゾクゾクしちまうねぇ)クネクネ
かきためできず少なくて申し訳ないです。今日はとりあえずこんな感じです。
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