白菊ほたる「運命の輪」 【ウルトラマンジード×シンデレラガールズ】 (2)


(プロローグ)


 街に響く地鳴り、悲鳴、サイレン――

 しかしその少女は、何も聞こえていないかのように足を動かしていた。

 鋼鉄の肉体を持つ、冷徹な機械怪獣。

 その巨躯を目の前にしても、彼女は動じていなかった。

 怪獣が重々しく足を持ち上げ、その影に彼女が呑み込まれる。

 今にも踏み潰されそうになった刹那、浮かべていた表情は――

 疲労と、深い諦念と、ある種の決意が綯い交ぜとなり、

 僕の心を突き刺して止まないほど、

 沈んだ情調に彩られていた。

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