【艦これ】Please eat to me (25)

・独自解釈有り
・稀に出てくる英文が酷い
・(投稿速度早く)ないです
それでも良いという人はお付き合いください

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なるほどそういうことか

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【Prologue】
 始まりがあれば終わりがあると誰もが歌うように、狂気に満たされた血みどろの戦争にも終止符が打たれようとしている。それが例え人の手による勝利ではないとしても、大衆は人間の力によるものだと信じて疑わないだろう。歴史は勝者が創るものだ。
 不知火は憂鬱な顔を浮かべてベンツS500セダンのハンドルを握っていた。カーナビの時計は午後7時を少し過ぎたことを示している。
 ここは広島県呉市。彼女に呼び出しの電話がかかってきたのは二時間ほど前のことになる。電話の相手は宣伝部隊の第二課所属の青葉。内容は呉市内の指定された居酒屋に一人で来てほしいということだった。それも尾行されていないか細心の注意を払うことを忘れずに、と一言添えて。
 青葉についてそう良い噂は聞かない。
 だから今回もそういった類いの話、要するに公で話そうものなら額に風穴が空くようなことを聞き出すつもりでいるんだろうと不知火は思った。
 かといって不知火には青葉に返すべき恩がある。そして残念なことにも不知火は恩を仇で返すなどというのは性分に合わないのだった。

 セダンは交差点を右折して裏通りに入るとやがて路肩に停車した。サイドブレーキを引いて車から降りる。
 不知火は小さくため息をついて、居酒屋の暖簾をくぐった。威勢の良い声が響いた。
 青葉は既に着いていたようで、カウンター席に独り腰かけていた。不知火が隣に座ると彼女は店員に適当な銘柄の日本酒を注文した。
「どうも、青葉です。今日はよろしくお願いします」
 いつもと違った、無愛想で簡単な挨拶だった。が、営業臭い恒例の挨拶をされるよりかはいくらか気分が良かった。
「こちらこそよろしくお願いします。不知火です。この間はお世話になりました」
「いえいえ、お気になさらず。私も貴女のお陰で良い写真が撮れましたからね。貸し借りなしです」
「……そうですか」
 少しの間を置いて、
「それで今日はいったい何の用でしょうか」
 不知火がそう切り出すと青葉はさらに一つ声のトーンを落としてから、
「貴女と、思い出話をしたいんです」
「思い出話?」
「ええ、そうです。ただの思い出話」
 一呼吸おいてから、
「『呉』って聞いたことありませんか」
「聞いたことあるもないもここが……」
「私が聞いているのは都市名ではありませんよ。そんなつまらない冗談を言いに貴女を呼び出した?それこそ冗談じゃない」
「では、どの『呉』です?」
「不知火さん、はぐらかさないでください」

 嫌な笑みを浮かべて、
「私が聞きたいのは対深海棲艦特務機関『海上安全保障委員会』のお膝元の部隊『呉』のことですよ」
 そう言った青葉の目は黒く淀んでいた。
「……どこでその名を聞いたんですか」
「私は宣伝部隊の一員である前にただのブン屋です。面白そうなネタには鼻が利くんですよ」
 店員が一つのグラスと吟醸酒の一升瓶を運んできた。グラスの内側が透明な液体で満たされる。
「不知火さん、どうぞ」
「私は結構です。車で来たものですから」
「帰りは私が送りますよ。それに素面では話しづらいでしょうし、記者の方が酔いつぶれる訳にもいきませんからね」
 しばらく考えてから不知火はグラスを口に運んだ。アルコール臭い吐息が漏れる。
「『白菊』隊所属の貴女なら、私の知りたいことを知っているはずです」
 不知火を横目に青葉は話を続けた。
「『呉』だけじゃない。『佐世保』、『横須賀』や『舞鶴』だって貴女は知っているはずなんですよ」
「そこまで知っているのなら何故聞くのですか。貴女はイディオットじゃないはず。少なくともベガスで全財産を使い果たし、その日の内に銃身を口に咥えて奉仕をするような羽目になる連中とは違う」
 青葉がクスッと笑った。
「そうでしょう?」
「さあ、どうでしょう。自分もそうならないように願いますよ」
 そう言って青葉は服の内ポケットからシガレットケースを取り出した。
「さて、話してくださいよ。貴女の思い出を」
「……他言無用でお願いします。私には貴女のような度胸はありませんから」
「ええ、勿論です」
 不知火はもう一度酒を口に含んでから、
「つまらない話ですよ」
「構いませんよ。私にとっては非常に興味深いものですから」
 また一つ間を置いてから、
「そうですね。始まりは……」
 深呼吸。

<<14
グダグダして非常に申し訳ない。
それと次から台詞の間にはスペースを空けようかと思います

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