【安価】精霊術師「最近、内乱の勢いがひどい」 (334)

精霊術師「戦火に巻き込まれるのはごめんだから遠くに逃げようと思う」


◆注意

安価スレです。
作者は初心者なので皆さんに助言や妥協をお願いする場合があります。
あまりにも突拍子のない安価は避けるかもしれません。
露骨にエッチな描写は書かないと思います。
百合展開は書いてしまうかもしれません。
あまり一つの展開にこだわらずTNPよく書いていこうと思います。
その他不都合があったら遠慮なく指摘して下さい。なるべく直します。
よろしくお願いします。



精霊術師「どこに逃げるか精霊に聞こう。【精霊の導き】」

――説明しよう!

【精霊の導き】とは、精霊に語り掛け、自身をよりよい未来に導いてもらう精霊魔術の一つである!
精霊たちは「安価」という独自の意思決定基準を持っているから、一度決定した意思は何があっても変えられないぞ!
善良な精霊さんが答えてくれることを祈るのだ!

というわけで【精霊の導き】の結果を
>>4
選択肢
1:北の森に逃げ込む
2:西の国境に向かう
3:むしろ東の戦場に飛び込む
4:その他、向かう方角は南、簡単な設定もおねがい

見てくれてありがとなす。

1


精霊「北の森に逃げ込むといいお」

精霊術師「わかった」

北の森は巨木の立ち並んだ霧の深い森。昼夜問わず薄暗い。

精霊術師は獣除けのお香を焚きながら森に入った。

恐ろしさもあるが、恵みが多いのも森の特徴だ。

精霊術師は見知った木の実を背嚢に収穫しながら森を進み、日が落ちてからは巨木のウロにこもって一晩明かすことにした。




精霊術師「焚火の日が落ち着く」パチパチ

??「すみません、そこの方。よろしければご一緒させてもらえませんか?」

気が付くと、ウロの入り口に二つの人影があった。

精霊術師(母娘かな? いや、ローブで隠しているけど、二人とも仕立てのいい服を着てる。使用人とお嬢様か)

精霊術師(二人とも酷いケガだ。内乱の中、命からがら逃げて来たってところかな)

使用人「あの……」

精霊術師「いいですよ。こちらへどうぞ」

使用人「ありがとうございます」

お嬢様「……」


使用人「助かりました。昨日から歩きっぱなしで、体力の限界だったんです」

お嬢様「ZZZ」


使用人の女は、気絶するように寝てしまったお嬢様を抱きながらそう語った。
どうやらこのお嬢様は内乱の原因になった貴族の親戚らしい。国境を超えるよりも生きて行ける可能性の高い森抜けを選択し、ここまで逃げて来たらしい。
使用人の女も限界が近かったようで、簡単に事情を説明すると寝入ってしまった。
精霊術師もその日は眠ることにした。



精霊術師(……厄介な人たちに出会ってしまった)

使用人「朝食までごちそうになってしまって、申し訳ありません」

お嬢様「このお肉固い……」(干し肉に苦戦中)

精霊術師「気にしないでください」

使用人「あの……、不躾であることを承知でお願いいたします。私たちの森抜けを助けていただけませんか?」

精霊術師「え?」

使用人「もちろんお礼は致します。お金や宝飾品をいくつか持っております。……それ以外をお望みでしたら、私が何とかします。もう、私一人ではお嬢様をお助けできないのです」


使用人の女は必至な様子で懇願してきた。
彼女も貴族の使用人として普通以上に魔法や格闘の訓練は受けているはずだが、その傷まみれの服や体を見るに、限界が近いのだとわかる。
お嬢様はまだ子供で、不安そうな顔をして使用人の腰に縋り付いていた。

精霊術師(困った。見捨てるのは心が痛むし、厄介ごとに巻き込まれるのは怖い)

精霊術師(こんな時は、【精霊の導き】)

というわけで【精霊の導き】の結果を

>>7

1:助ける。助けた時に要求する報酬もお願い。
2:助けない。

1 宝石



精霊「助けるといいお。使用人の持っている宝石を要求するといいお」

精霊術師「わかった」


【精霊の導き】の結果、使用人とお嬢様を助けることにした。自分は旅慣れているし、二人に比べると余裕もある。ここは報酬に期待しよう。何より【精霊の導き】が出した結果に間違いはないのだ。


精霊術師「使用人さん、あなたたちを助けることにします。その代わり、あなたの持っている宝石を頂きますが、よろしいですか?」

使用人「はい、こんなものでお嬢様を助けられるのなら」

お嬢様「いいの? その宝石、使用人の大切なものなんじゃないの?」

使用人「私にとっては、お嬢様が何よりも大切なものなのです。……あの日、私を救ってくださったときから、ずっと」


精霊術師は使用人から宝石を受け取ると、二人に精霊魔術をかけて応急処置を施した。二人は痛みが引き軽くなった体に驚いているようだ。特に使用人は、精霊術師の実力が思っていたよりも高かったことにも感嘆を漏らしている。


精霊術師(……この宝石、精霊石だ。精霊が大好きで、精霊魔術の効果が高まる貴重品。おかげで回復の精霊術がいつもよりうまくできた)ホクホク

精霊術師「それでは、さっそく出発しましょう。そんなに深い森ではありませんから、今から歩けば夜になる前に抜けられるはずです」








祖父に手伝いたのまれたので次の安価は少し待ってください。多分、すぐ戻ってこれると思います。

お待たせしました。






今日も森は霧に包まれている。
地面はわずかにぬかるんで、気を抜けばうっかりこけてしまいそうだった。
精霊術師は、手に持った杖の専用のくぼみで獣除けのお香を焚きながら、使用人とお嬢様の先導をしていた。


使用人「背格好から旅慣れた方だとは思っていましたが、精霊術師だったのですね」

精霊術師「ええ」

お嬢様「せーれーじゅつし?」

使用人「今は少なくなってしまいましたが、昔は魔法使いより多くいた、伝統ある職業の人たちです」

お嬢様「……魔法使いみたいに、戦う人?」ビクビク

使用人「い、いえ、違いますよ。精霊術師はもっと牧歌的な人たちです。薬師や羊飼い、旅人や巡礼者の道案内を主な仕事にしてきた人たちです。だから、怖がらなくても大丈夫ですよ」

お嬢様「……ホント?」

精霊術師「ん、ホントだよ」ニコ


お嬢様が不安そうな表情で伺ってきたので、精霊術師は慣れないながらも微笑み返した。


森を歩いていると、小さな泉を見つけた。
岩と巨木の根元に静かに湧く岩清水で、飲んでも問題無さそうなほどに澄んでいる。
お嬢様の顔に疲れが見え始めていたので、三人はここで休むことにした。


お嬢様「精霊術師はどうして旅をしているの?」

精霊術師「んー、それしか生き方を知らないってのもありますし、体質で同じ場所にいてはいけないって理由もあります」

お嬢様「同じ場所に住めないの? どうして?」

使用人「あの、お嬢様。あまり深入りは……」

精霊術師「大丈夫ですよ。そんなに重たい事情じゃないです。昔の、未熟のツケってだけなので」

使用人「申し訳ありません。気を使っていただいて……」

お嬢様「ねーねー、精霊術師ー」


精霊術師に対してお嬢様は妙に懐いた。
顔にも笑顔がのぞくようになっている。本来は好奇心が強く明るい子なのだろう。
使用人の女は慌てながらもどこか嬉しそうだった。

都度、休憩を挟んで、丁度日が暮れるころには森を抜けることができた。
目の前には見晴らしのいい丘が夕日に照らされて赤く染まっていた。


精霊術師「ひとまず安心ですね。丁度風を防げる岩陰もあることですし、ここで野宿にしましょう」

お嬢様「……疲れちゃった」

使用人「疲れ様です。お嬢様」


陰鬱な森を抜けたころで気が抜けたのか、お嬢様がふらりと傾き、それを優しく受け止めた使用人は岩陰にもたれて座り込んだ。
精霊術師は慣れた手つきで枝葉を集めて火を起こすと、森で採った木の実を焼いた。
木の実は表皮が固く、火を通すと実がほくほくとして、食べれば腹にたまる。


使用人「……」

お嬢様「……」

精霊術師「わかります。あんまり美味しくないんですよね」


三人は言葉少なに食事をした。
木の実の味が微妙である所為もあるが、それだけではないだろう。


精霊術師(使用人さんとの約束は果たした。けど、二人とも不安そうな顔をしてる)

精霊術師(私はもともと放浪の術師だから平気だけど、突然野に下ることになった二人は先が見えなくて大変だろうな)

精霊術師(二人を助けてあげたい気持ちもある、重荷を背負いたくない気持ちもある)

精霊術師(こんな時は【精霊の導き】だ)

というわけで【精霊の導き】の結果を
>>16

1:最寄りの町まで案内する。無条件、条件つきどちらでも
2:すっぱり分かれる。
3:その他。簡単にどうするのかもおねがい

1無条件



精霊「最寄りの町まで案内してやるといいお。もちろん無条件だお」

精霊術師「わかった」


【精霊の導き】の結果、二人を最寄りの町まで案内してあげることにした。
森を含む周辺地域は、精霊術師の最近の仕事場であったし、土地勘もある。町まで少し距離があること以外、さしたる問題もない。
多少なりとも情の移った二人を見捨てるのは忍びないし、何より【精霊の導き】の結果は絶対なのだ。

精霊術師「使用人さん、町まで、一緒に向かいましょう」

使用人「!? ……いいのですか?」

精霊術師「はい、どうせ私も町による予定でしたから、ついでです。報酬もいりません」

使用人「ありがとう、ございます」ポロポロ

お嬢様「精霊術師と一緒?」

使用人「そうですよ、町まで一緒です」

お嬢様「やったー!」キャッキャ

精霊術師(精霊石の価値を考えたらそのくらいが妥当な気もするし、そんなに喜ばれるとこっちが申し訳ないかも……)


感極まり涙をこぼし始めた使用人と、無邪気に喜ぶお嬢様の様子に、精霊術師はわずかな気まずさを覚えた。
その日の晩は精霊術師と使用人が交代で火の番をして眠りについた。



次の日、三人は朝露の乾かぬうちから起きあがり、朝日に目を細めながら出立した。
緩やかに波打つ丘陵地帯では、一面の緑が風にそよぎ、ぽつぽつと白い岩が点在していた。
空は高くどこまでも澄んでいる。
季節柄すこし肌寒いが、足元で身をすくめている花のつぼみが、暖かい季節はもうすぐだと囁いていた。

精霊術師「ん-……」

お嬢様「精霊術師、どうかしたの?」

精霊術師「いつもより風が強い気がして、嫌な予感がするんですよ。もしかしたらカゼノオトシゴがいるかも」

お嬢様「カゼノオトシゴ?」

精霊術師「風の中で群れて暮らす有翼軟骨魚綱。つまりお魚さん」

お嬢様「お魚? おいしい!?」

精霊術師「……お嬢様、結構食いしん坊ですね。でも美味しくはないそうですよ」

お嬢様「なーんだ」

使用人「その、カゼノオトシゴは危険なのですか?」

精霊術師「ばったり鉢合わせたくないくらいには危ぶないですね。特にしっぽの毒が」

使用人「毒、ですか。……ちなみに精霊術師さん、薬の知識などは」

精霊術師「簡単な傷薬や獣除けのお香くらいしか作れませんね。そもそも私の専門は荷運びなんです。最近まで戦争の物資を運んでいました」

使用人「そうだったのですね。カゼノオトシゴ、出会いたくないものです」





これまでの旅路はおおむね良好だった。
このまま何事もなく町へたどり着きたい。長閑な丘を楽しそうに歩くお嬢様には、このまま笑顔でいて欲しい。
精霊術師と使用人の祈りは、残念ながら聞き届けられなかった。


精霊術師「あれは……」


何かの気配を察知して空を見上げた。
遥か遠くまで伸びあがってゆくような雲一つない晴空に、円を描いて泳ぐ影が数体。
一見魚のようには見えない平べったい楕円の体に、すうっと後を引く長細い尾。
扁平な体を羽のように仰いで空を泳ぐソレは、まさに精霊術師が遭遇を危惧していた存在だった。


精霊術師「奴ら完全に私たちを狙ってる」

使用人「お嬢様、私の下へ。精霊術師さん、いざとなったら私も戦えます」

精霊術師「正直、私はあまり戦いが得意じゃない。【隠遁の精霊術】でやり過ごせたらいいと思う。けど、あいつらの探索能力はかなり高い……」

お嬢様「精霊術師、いつもと雰囲気が違う。どうしたの?」

精霊術師(……どうする? 昔戦った時はキャラバンの護衛達と一緒だったから倒せた)

精霊術師(でも、いまはお嬢様もいるし、戦力も足りない)

精霊術師(【精霊の導き】に頼るしかないか……)


というわけで【精霊の導き】の結果を
>>22


1:【隠遁の精霊術】で隠れる
2:使用人と共闘で迎え撃つ
3:その他【精霊術】、どんな精霊術かも簡単におねがい

そんなに遠くしなくても大丈夫かな
2

>>22
安価初めてなのでアドバイス助かります。
次からすぐ近くにしておきます。



精霊「使用人と迎え撃つといいお。なんとかなるお」

精霊術師「わかった」

【精霊の導き】の結果、カゼノオトシゴたちを迎撃することにした。すでに奴らは急降下して距離を詰めてきている。
戦いは苦手だが使用人もいるし、今は手元に精霊石もある。
何とかなる。何とかして見せる!
それに、精霊術師の覚悟は関係なく【精霊の導き】は絶対なのだ。


精霊術師「使用人さん、戦えますか!?」

使用人「あの程度の数、さばいて見せます!」


使用人は腰に帯刀していたナイフを逆手に構え、空いた手にはルーン文字を浮かび上がらせた。
精霊魔術に代わって台頭し、いまや魔術の主流となっているルーンの秘術。
通称、魔法。

使用人の掌でいくつかの文章を紡いだルーン文字は、姿を変え、球体にまとまった炎の渦となった。

使用人「くたばりなさい!」

カゼノ「ビャアアアアアア!」

先手必勝とばかりに放たれた炎の球は、吸い込まれるようにカゼノオトシゴへと当たり、決して燃えやすくないはずの体を蹂躙した。墜落したカゼノオトシゴは、地面をのたうち回り、風切り音のような断末魔を上げて息絶えた。

カゼノ「ビュウゥゥウ!」

カゼノ「ビュウ! ビュウ!」

仲間がやられたことに憤ったらしいカゼノオトシゴたちは、精霊術師たちの周りを回遊しながら、威嚇の声を上げていた。


精霊術師(すごい……。使用人さんの実力もそうだけど、何よりこの精霊石)

精霊術師「【蔦結の精霊術】!」


精霊の力を借りてツタを鞭のように扱う【蔦結の精霊術】。いつもは小動物を殺す程度がせいぜい、操る数も三本が限界だ。
だが、今は猛獣も叩き殺せそうな太さのツタが五本。
カゼノオトシゴたちを容赦なく叩き潰し、圧倒的な数の不利を覆していた。


精霊術師(この精霊石、普通じゃない)


手元の精霊石は、丁度手のひらに収まるサイズで、滑らかな表面をしている。色は見事な琥珀色だ。
始めは宝飾品に加工された精霊石かと思ったが、もしかしたら別物かもしれない。


精霊術師(いや、今はそんなことを考えている場合じゃない!)

精霊術師「【夢見の精霊術】!【綿花の精霊術】!」


強烈な眠気を誘う白煙の爆発が数多のカゼノオトシゴを墜落させ、逆に奴らの突進や尾の打撃からは綿花の壁で身を守った。
発動する精霊術のことごとくが、かつてない威力を誇っていた。

精霊術師「【蔦結の精霊術】!」

使用人「これで最後です!」

やがて、爆炎と気炎と断末魔は聞こえなくなり、荒れた息遣いだけが丘陵の風にさらわれていった。

カゼノオトシゴたちの迎撃は、当初の憂慮を考えればあっけないほど簡単に終わった。




精霊術師「はぁ、はぁ、みんな、ケガはない!」

お嬢様「精霊術師! 使用人が、使用人がぁ!」


お嬢様の悲鳴のような叫びに嫌な予感が走る。
見ると、使用人が腕を抑えてうずくまっていた。顔色も悪く、目も虚ろになっている。ただの疲労では考えられないほど呼吸も乱れていた。


精霊術師「まさか、毒に……」

使用人「不覚を、とりました……」


その言葉を最後に、使用人は倒れ伏した。


お嬢様「精霊術師、使用人治る!? 助けてくれる!?」

精霊術師「っ……」


大粒の涙をこぼしながら縋り付いてくるお嬢様に、何も言い返すことができなかった。
使用人の腕は紫色に変色し、傷口からはヘドロのような血液が流れていた。


お嬢様「ねえ! 私たちにかけてくれた回復の魔法、使ってよ! 使用人助けてよ!」

精霊術師(【萌芽の精霊術】。確かに解毒の効果も持った精霊術だけど、私の実力だと……)


精霊石を使えば実力不足を補えるかもしれない。そう考えたが、手に握った精霊石はいつの間にか美しい琥珀色を失い、濁った黄土色に変化していた。


精霊術師(すでに効果は失われているかもしれない。……でも、失敗したとしても、見殺しになんてできない!)

精霊術師「【萌芽の、精霊術】!」


今までになく力を込めて発動した【萌芽の精霊術】は――

――かつてないほどの効果を発揮した。

毒々しい色の肌は瞬く間に白皙を取り戻し、汗は引いて、呼吸は睡眠時のように落ち着いた。


使用人「……ん、私は?」

お嬢様「使用人! うわあああああん!」

使用人「わっ、……急に抱き着いたら、危ないですよ?」

お嬢様「心配させるほうが悪いのぉ!」


目尻に涙を浮かべながら抱き合う主従に、精霊術師は安堵のため息をこぼした。
ふと、手元の精霊石を見ると、元の美しい琥珀色を取り戻していた。


一度肝を冷やす出来事があったものの、一行は無事町にたどり着いた。
町は交易の衝路に位置するためか、中規模ながらも活気にあふれていた。


行商人「これは、カゼノオトシゴのヒレ! しかも毒抜きがしてあるとな!」

使用人「どうです? 私たちもどちらかというと足元を見られる事情持ちですから、お安くしておきますよ?」

行商人「なんと、商売のうまいお嬢さんだ。いいでしょう、金貨5枚とお嬢さん方の服一式で買い取らせていただきます」

精霊術師(まさかカゼノオトシゴのヒレが貴族の間で珍味としてたしなまれていた食材だったなんてね……)ボソボソ

お嬢様(私もスープのヒレしか見たことなかった……)ボソボソ

使用人「お嬢様ー! これでしばらくの旅費は確保できましたよー!」

お嬢様「わー! 街歩きは! 食べ歩きできる!?!」

使用人「ふふ、できますよ。精霊術師さんも一緒に、どうですか?」

精霊術師「え?」

精霊術師(どうしよう、誘いは嬉しいけど、私こういうの慣れてない……)

精霊術師(うううう、こんな時は【精霊の導き】に頼るしか!)

というわけで【精霊の導き】の結果を


街歩きでどこに行くのか、
それと今回の安価はコンマで70以下の時成功。
成功判定2回以上で、最後の場面で圧倒的ハッピーエンドに持って行ける選択肢を出そうと思っています。
↓1-4






安価ありがとうございます。
順番と時間帯はこちらで決めさせていただきました。
書きあがり次第上げます。




精霊「宿に決まりだお。もう野宿は飽きたお」

精霊術師「わかった」


【精霊の導き】の結果、最初に宿をとることにした。街歩きをするにしてもお嬢様たちの格好は目立つだろうからいったん着替えたほうがいいと思うし、拠点を定めればもしお嬢様が迷子になっても合流地点にできる。
何より【精霊の導き】の結果だ。


精霊術師「始めに宿をとろう。お嬢様たちも着替えたほうがいいと思うし」

お嬢様「……」

使用人「……」

精霊術師「……? どうかした?」

お嬢様「精霊術師、やっぱりいつもと雰囲気違う」

使用人「もしかして、それが精霊術師さんの素なのですか?」

精霊術師「あ……、はい」

お嬢様「私そっちの精霊術師のが好きー」

使用人「そうですね、雰囲気に合っていて素敵だと思います」

精霊術師「あぅ、ありがと」

使用人「さてさて、精霊術師さんの意外な一面を見れたことですし、さっそく宿を探しましょう」


町は交易で人の往来が盛んなためか、宿屋は探すまでもなく見つかった。
三人は、大通りから少し外れた宿に泊まることにした。
カゼノオトシゴのヒレを売ったことで得たお金は決して少なくないが、収入の安定しない身の上なのであまり贅沢はできない。

大通りの喧騒から逃れるように石畳の裏路地に入り、年季の入った木製の扉を開ける。カランコロンというベルの音とクリームシチューの香りが三人を迎え入れた。内装は瀟洒で年季は感じるが埃っぽくはない。

宿主人「ようこそ、悪いけどうちは二人部屋しかないんだ。お嬢ちゃんは小さいし、三人一部屋でいいかい?」

使用人「いかがいたします?」

お嬢様「三人一緒」

精霊術師「じゃあ、一緒で」


三人は狭い階段を他の宿泊客と道を譲り合いながら通り、二階の部屋に落ち着いた。お嬢様と使用人は行商人から買った一般的な庶民の服に着替えた。精霊術師も汚れの酷いローブだけは部屋に置いていくことにした。


お嬢様「食べ歩き! 食べ歩き行きたい!」

使用人「ふふ、そんなに慌てずとも、すぐに出かけられますよ」


三人は宿に付くや否や、再び町に繰り出した。


精霊「屋台街に行くといいお。きっとたのしいお」

精霊術師「わかった」


【精霊の導き】の結果、街歩きの最初は屋台街に行くことにした。お嬢様も食べ歩きを望んでいることだし、精霊術師もお腹が減ってしまっている。
何より、【精霊の導き】の結果は絶対なのだ。


精霊術師「はじめは屋台街なんてどうかな?」

お嬢様「屋台街行きたい! ずっと行きたかった!」


お嬢様の熱烈な賛成もあり、三人は屋台街に繰り出すことにした。
宿のある裏路地から大通り抜ける。
大通りに近づくにつれて、愉快な演奏が聞こえて来た。


お嬢様「凄い! フェスティバルみたい!」


大通りには、所狭しと屋台が並び、椅子が大通りを埋め尽くし、酔客と給仕が入り乱れていた。爛々と輝くカンテラの明かりが、ずっと向こうの通りまで続いている。大胆で、でも絶対に美味しい料理の香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
五感に訴えかけてくるにぎやかさだが、これがこの町の当たり前の夜だというのだから驚きだ。


使用人「お、お嬢様。あまりはしゃぐと迷子になってしまいますよ?」

お嬢様「大丈夫だもん。使用人がいるから迷子にならない!」


すっかり楽しくなってしまったらしいお嬢様は、使用人の手を引いて人込に踏み込んでゆく。そして次々と屋台を物色していった。
鶏肉の串焼き、冷やした果汁、焼いた小麦粉の生地に香辛料のきいたソースを塗ったもの、客足がなく店主が落ち込んでいた虫のから揚げ。
何でも口に放り込む姿はあまりにも逞しかった。
ちなみに虫から揚げの屋台はお嬢様があまりにもおいしそうに食べていたので興味を持った客が集まるという珍事が起こった。
三人のお腹も程よく膨れ初め、冷やかすにとどまる屋台が増え始めたころ、精霊術師は一つの屋台に興味が向いた。
なんでもないアクセサリーの屋台だが、こういうお店はたまに掘り出し物がある。


屋台の主人「お姉さん、これなんてどう」

精霊術師「いや、そんな可愛らしいのは似合わないと思う」

屋台の主人「ここだけの話だが、このアクセサリーには美容の効果があるんだ。何でもカーバンクルの輝石が使われててな、よぼよぼの婆さんもぴっちぴちよ」

精霊術師(……なんの力も感じないけど、わざわざ指摘しなくてもいいか……)

屋台の主人「おいおい、その顔は疑ってるね、お姉さん」

使用人「おーい、精霊術師さーん!」

精霊術師「ごめんね、連れが待ってるみたいだから」タッタッタ





使用人「お嬢様が少し疲れてしまったようですので、ここで一休みしませんか?」

精霊「そうするといいお。名案だお」

精霊術師「わかった」


使用人の提案と【精霊の導き】の結果、きれいな公園で一休みすることになった。確かに歩き疲れたし【精霊の導き】の結果だ。

大通りの中ほどで唐突に表れる開けた空間は、四方に伸びる大通りの交点に位置する公園だった。円形の開けた空間の中心に立派な巨木がそびえ、その根元から広がるように、月の光を含んだ花が咲き乱れている。燐光をはなつ花粉が公園に舞い、一種幻想的な雰囲気を醸し出していた。
三人はそんな公園に並んだ長椅子に腰かけていた。


使用人「静かですね……。大通りの喧騒がうそのようです」

精霊術師「落ち着く。火照ったからだが冷えて、気持ちいい」

お嬢様「使用人、お膝貸して」

使用人「あら、お嬢様甘えん坊ですか?」

お嬢様「うん」

使用人「……もう、仕方ない人です」


使用人の膝に頭を預けてご満悦の様子のお嬢様と、愛おしそうに頭を撫でてあげる使用人。二人の幸せな時間は、そばにいるだけで心安らぐものに見えた。


使用人「お嬢様、ずっと大好きですよ」


そう囁く使用人の横顔には、惜しみない愛情の陰に、わずかな後悔が滲んでいるように思えた。



精霊「近くに劇場があるお。行くべきだお」

精霊術師「わかった」



【精霊の導き】は最後に劇場を勧めてきた。
正直もう十分街歩きは堪能したし、お嬢様もおねむである。精霊術師としてはこのまま宿に帰ってもいい気がしたが、【精霊の導き】は絶対。この指針は揺らがない。


精霊術師「少しわがまま言ってもいい? ここの近くの劇場に行ってみたいんだけど」

使用人「劇場、ですか? ですが、お嬢様が……」

お嬢様「むにゃ、行くぅ。私も一緒がいいー」


お嬢様の許可もあったので、三人は劇場に向かった。
劇場は酒場のようになっていた。中央に半円の舞台があり、一階と二階から演目が見れるようになっていた。何でもかんでもお酒と料理が絡むのはこの町の様式美なのだろう。


精霊術師「今日の演目は、『泣いたカーバンクル』、聞いたことないかも」

使用人「そう、ですね。よほどローカルな話なのでしょう」

お嬢様「Zzz」


きらびやかな踊り子としっとりした弦楽器を中心に、演目は行われた。

泣いたカーバンクル。
簡単にまとめてしまえば、友人を助けるために自分の輝石を売って薬を買ったカーバンクルの話。
カーバンクルは宝石をもって生まれる希少な種族だ。生まれ持った輝石を手放すと、次第に衰弱して死んでしまう。
輝石を売ったカーバンクルは、友人にそれを悟られないため、何も言わず旅に出る。
何も知らない友人は、ある日、偶然薬のために売られた輝石を見つけ、すでに手遅れであることに涙するのだった。



使用人「……あまり面白くありませんでしたね」

精霊術師「ん」

使用人「さて、宿に戻りましょう。もうお嬢様はすっかりお眠です」

お嬢様「むにゃ、まだ食べられるよ、使用人。すぴー」







三人はすっかり夜も更けたころに、宿に戻ってきた。
疲れ切って熟睡中のお嬢様をベッドに寝かせた。
部屋を照らしているのは月明かりだけだった。

精霊術師「使用人は、これからどうするつもり?」

使用人「私たちは、これからさらに北の町を目指そうと思います。私の故郷がありますから」

精霊術師「そう」

使用人「精霊術師さんは?」

精霊術師「私は、決まってない。精霊に聞くだけ」

使用人「凄く精霊術師っぽい答えですね」

精霊術師「精霊術師だから」

使用人「そう、ですね……」

精霊術師「……」

使用人「……」

精霊術師「……」

使用人「あの、私まだ眠たくならないので、少し夜風にあたってきますね」

精霊術師「わかった。先に寝てる」



使用人は一人、部屋を出て行った。部屋には白々しいくらい綺麗な月光が差し込み、お嬢様の幸せそうな寝顔を照らしていた。




精霊術師(……こんなことも自分で決められないなんて)

精霊術師(【精霊の導き】)


【精霊の導き】の結果を↓1


1:寝る。
2:精霊石を、いや、カーバンクルの輝石を返す。(返し方も)


精霊「精霊石は返すべきだお。お嬢様の枕元に置いておくお。バレないように早朝に出立するお」

精霊術師「……わかった」


【精霊の導き】の結果、精霊石は返し、二人が寝ているうちに出立することになった。
ちゃんと別れの挨拶をかわせないのは寂しい。
でも、最後の最後まで「やっぱり返して」の一言が言い出せなかった使用人のことだ。
きっと普通に返そうとしても強情に突き返されるだろう。
自分は放浪の術師。二人とはここですっぱり決別すべきだ。
【精霊の導き】は、やっぱり正しい。


精霊術師「……」ゴソゴソ

精霊術師「……」タビジタク

精霊術師「……」チラ

精霊術師「……」ガチャ、パタン


窓から包み込むような朝日が差し込んでいる。


お嬢様「すー、すー」

お嬢様「んー、……」ゴソ

お嬢様「……」ムク

お嬢様「……精霊術師? いない?」キョロキョロ

お嬢様「? これ、使用人の宝石だ……」

使用人「どうしたんですか、お嬢様」

お嬢様「精霊術師が、いなくなっちゃった」グスッ

使用人「そんな、何も言わずに行ってしまうなんて」

お嬢様「うぅぅ、一緒にいたかったよぉ」

使用人「よしよし、泣かないでください」ナデナデ

お嬢様「使用人、これ……」

使用人「!? それ、私の、輝石。なんでお嬢様が」

お嬢様「精霊術師、置いてっちゃった」

使用人「精霊、術師さんっ……」ポロ…ポロ…

お嬢様「使用人、……泣かないで」ナデナデ


精霊術師と主従END



また会いたいね

ここまで読んでくれてありがとうございます。

蛇足かもしれませんが、思いついた使用人とお嬢様の設定です。


使用人
希少種族カーバンクルの女性。輝石をもって生まれてくる以外に人間と外見的差異はないので、言われなければ気が付かない。お嬢様を助けるために、文字通り命を投げ出す覚悟だった。精霊術師に輝石を返してもらえなければ、故郷についてから間もなく衰弱死していた。


お嬢様
内乱の原因となった貴族のお嬢様。本人は幼いのでその辺の事情を理解していない。
昔、図らずとも使用人を助けたことがある。

>>41
こういう展開は再開編がちょっと楽しみなんですよね。


安価の自由度が低いように感じたので、なるべくランダム要素や選択肢を増やしていこうと思います。


精霊術師「次はどこに旅立とうか【精霊の導き】」

というわけで【精霊の導き】の結果を

↓1 どこでも

精霊「西に向かうといいお。隣国との国境があるお」

精霊術師「わかった」

【精霊の導き】の結果、西に向かうことにした。やっぱり内乱を避けようと思うなら国を跨ぐのが一番だ。
それに、【精霊の導き】は絶対なのだ。

精霊術師「はあ、精霊石、ちょっと名残惜しいなぁ」

精霊術師「これでよかったんだろうけどさ。後味悪い思いなんてしたくないし」

精霊術師「でもほとんどただ働きだったなぁ」

精霊術師「手持ちは……、安宿に十日止まれたら十分ってところか」

精霊術師「西の国境まで、何事もないといいけど。精霊に聞くか」

精霊術師「【精霊の導き】」




↓1-3
何と出会うか、何が起こるか、何を見つけるか
なんでも

三つのイベントで短く書いてみようと思います


短めと言いましたがキリのいいところまで書くと長くなりそうなので、書けた物から上げていきます。


精霊「幽霊屋敷の怨霊退治を依頼されるお。逃亡してきた少女とも出会うお。旅芸人の双子とも出会うお。これは定めだお」

精霊術師「わ、わかった」


【精霊の導き】導きの結果、どうやら三つの出来事が起こるらしい。何やら厄介ごとの気配がするが、【精霊の導き】の結果ならば避けようとするだけ無駄だろう。
とりあえず西に歩くのみ。

精霊術師「街に付く前に日が沈んでしまった。意外と距離があったな」

精霊術師「今日も野宿か。焚火落ち着く」パチパチ

少女「……」オロオロ

精霊術師(……年端もいかない少女が一人、服もボロボロで、何やら困った様子)

少女「……」アワアワ

精霊術師(焚火から少し離れた場所に立って、ずっと私を見てる。どう考えても普通じゃない)

少女「……」ウルウル

精霊術師「……こっち、来る?」

少女「ッ……」パア

精霊術師(あ、嬉しそう)


精霊術師(なんだか今夜は冷えるなぁ。もっと焚火に近づこ)

精霊術師「……君、そんなに離れてたら寒いでしょ?」

少女「……」フルフル

精霊術師(必要以上に近づいてこない、か。警戒してるんだろうな)

精霊術師「お名前は? なんていうの?」

少女「……」ウーン

精霊術師(もしかしてしゃべれないのかな?)

精霊術師「君、どこから来たの?」

少女「……」ユビサシ

精霊術師「あっちは、森? 森から来たの?」

少女「……」ウンウン

精霊術師「どこか、行きたいところはあるの?」

少女「……」ユビサシ

精霊術師「街に行きたいの? じゃあ、明日私と一緒に行く?」

少女「……」キャッキャ

精霊術師(すごくうれしそう……)


翌朝

精霊術師「あれ? 少女がいない」キョロキョロ

少女「……」ピョンピョン

精霊術師「わっ! そこにいたんだ……」

精霊術師(なんか、影の薄い子だ。気を抜いたら見失いそう。というか、存在すら忘れそう)

精霊術師「はぐれないでちゃんとついてきてね?」

少女「……」サムズアップ


精霊術師たちは西にある街に向かって歩き、夕方には街に着いた。
国境線に近い町のためか、小規模ながらどこか砦の様相も見せる街だ。
精霊術師はさっそく宿に入った。小規模の町である所為か、宿だけで営業しているところはなく、どこも一階が酒場になっていた。
酒場は精霊術のような流浪の存在にとっては、仕事の斡旋所に近い。
日雇いの仕事を壁に貼り付けているところもあるし、酒場の主人は総じて顔が広く、町人との橋渡しをしてくれたりもする。


精霊術師(カウンター席の隅っこが一番落ち着く)

少女「……」チョコン

精霊術師「マスター、注文いい?」

マスター「なんにするんだい?」

精霊術師「私は、蒸し芋とベーコン、あとエール」

マスター「あいよ」

少女「……」ウキウキ

精霊術師「……この子にも同じのを、エールは牛乳に変えて」

マスター「ん? すまねぇ、なんだって?」

精霊術師「あの、同じのもう一つ。エールは牛乳に変えて」

マスター「……ああ、了解だ」


マスターは蒸し芋とベーコンの乗った皿を二つと、ホットミルクの入った木製のマグを一つをカウンターに置いた。

精霊術師(エールは忘れられてるのかな。まあ、そんなにお酒を飲みたい気分でもなかったからいいけど)

少女「……」キラキラ




砦の待ちであるためか、酒場は傭兵らしき人間が多くいた。
酒場には珍しく旅芸人が訪れているようで、赤ら顔の酔客たちがエールの入ったマグを振り上げ、気前よくおひねりを投げている。


美少年「さあさあ皆さん、見逃さないで!」

美少女「さあさあ皆さん、よーく聞いて!」


旅芸人は顔立ちのよく似た少年少女だった。
きっと双子だろう。中世的なその顔立ちは非常に整っており、それだけで見世物としての価値を持っているほど。
そんな二人は、酒場の舞台の上を縦横無尽に飛び回り、ひとりでに動く楽器の演奏に合わせて曲芸を披露していた。


精霊術師(なるほど、賑わうわけだ)

精霊術師(子供二人の旅芸人。それだけでも十分珍しいし)

精霊術師(何より、披露している曲芸のネタが全然わからない)

精霊術師(精霊の気配は感じないし、ルーン文字も見当たらない。精霊術や魔法の類じゃないのは確かだけど……)

精霊術師(……ホント、どうなってるんだろ)

少女「……」キャッキャ



世にも珍しい旅芸人を横目に、精霊術師はマスターに話しかけた。


精霊術師「マスター。ちょっといい? 仕事を探してるんだけど」

マスター「仕事ねえ。あんた……、魔法使いか? いや、薬師っぽいが……」

精霊術師「精霊術師」

マスター「ああっ! 精霊術師。そうか、確かにその恰好は。あー、悔しいねえ」

精霊術師「? どうして?」

マスター「職業柄だよ。これでも人の事情を見分けるのは得意なつもりだったんだが。今時珍しいね」

精霊術師「よく言われる。それより、なんかいい仕事ない? 路銀が付きそうで」

マスター「んん、精霊術師の仕事か。……あんた、この街のはずれに森があるのは知っているよな?」

精霊術師「ええ」

マスター「森の奥まったところに廃墟になった屋敷があるんだが、どうもそこで女の怨霊が出るって話なんだ」

マスター「森はこの街の薬師や狩り人の仕事場なんだが、気味が悪くて仕方がねえって言っている。解決してくれたら、俺が街の奴らに代わって謝礼を出すぜ?」

精霊術師「怨霊って、それは聖職者みたいに【祈祷】の使える人たちの専門だと思うけど」

マスター「こんな街に【祈祷】が使えるようなお偉いさんはいないよ。精霊術はそういうの専門じゃないのかい?」

精霊術師「精霊と怨霊は全くの別物」

マスター「そうなのか。どっちも霊ってつくのにな」



美少年「ねえねえ、お姉さん」
美少女「ねえねえ、お姉さん」


突然、精霊術師の両脇にさっきの旅芸人が現れた。
整った顔が、無邪気な笑顔を浮かべている。ちょっと眩しさを感じたので、精霊術師は長い前髪で目元に影を作った。


美少年「その怨霊の依頼、僕たちと受けてみない?」
美少女「私たち、依頼に興味があったんだけど、二人だけだと心配なの」

精霊術師「一緒にって言っても、あなたたち【祈祷】が使えるわけじゃないでしょ?」

美少年「そうだね。でも不思議な力は使えるよ?」ユビパッチン
美少女「ほら見て。こんなことだってできるの」ユビパッチン


双子が指を鳴らすと、双子と精霊術師、そして少女は、不可視の物理的な力で持ち上げられて、ふわりと酒場を泳ぐように飛び始めた。
演劇の続きと勘違いしたのか、酔客が盛り上がり始める。

精霊術師「わっ、や、ちょっと降ろして!」

美少年「ほらね、すごいでしょ」
美少女「見直したかしら?」

精霊術師「見直した、見直したから降ろして!」

美少年「依頼は?」
美少女「受けてくれる?」

精霊術師「ううう、受けるから!」

美少年「ありがとう、お姉さん」
美少女「優しいね、お姉さん」

精霊術師(うう、やっぱり【精霊の導き】は絶対なんだ……)

少女「……」キャッキャ



旅芸人の双子に降ろしてもらった精霊術師は、変に疲れてしまいカウンターにうなだれていた。
旅芸人の双子はマスターから曲芸の報酬を受け取っていた。
うらやましい。


精霊術師「あなたたち、旅芸人なのになんで怨霊なんか」

美少年「それは秘密」
美少女「それは秘密」

精霊術師「そーですか……」

精霊術師(なんだか災難続きだ。このまま屋敷の怨霊調査に向かったら危険かもしれない。

精霊術師(備えあれば患いなし。でも何を準備したらいいのか……)

精霊術師(【精霊の導き】を使おう)






安価がしたくてスレ立てたので安価します。

↓1-3
準備の内容。
何をするか、何を買うか、なんでもご自由にどうぞ。



それと、今日は眠たいので寝ます。
おやすみなさい。


精霊「屋敷と怨霊の情報を集めるといいお。装備も強化すべきだお。少女のことも守ってあげないといけないお」

精霊術師「わかった」

【精霊の導き】の結果、多くの準備を要求された。考えてもみれば当然の用心だ。

精霊術師「ちょうど酒場にいることだし、いろいろと聞いて回るか」

美少年「手伝うよ」
美少女「手伝うわ」




というわけで聞き込みの結果をコンマで
↓1 50以下で成功
↓2 70以下で成功
↓3 70以下で成功




成功

精霊術師「あんまり聞き込みは得意じゃないけど、自分のためだし頑張るか」

精霊術師「……あの、少しお話が聞きたいのですが」

狩人「なんだいあんた。悪いが俺は今機嫌がよくないんだ」

精霊術師「……もしかして、怨霊がらみですか?」

狩人「あんたもか?」

精霊術師「はい、今度屋敷の調査に行くことになってしまって、少しでも情報が欲しいな、と」

狩人「そういうことなら知ってる限り教えるよ」

精霊術師「森では怨霊が出るんですか?」

狩人「……いや、はっきり見たわけじゃない。だが、何かに見られている気配があるんだ」
狩人「俺以外の狩人も言っているよ。『あの視線は獣の視線じゃねえ。もっと気色悪い奴の視線だ』ってな」
狩人「そんで、仲間の一人がたまたま屋敷に近づいたとき、女の怨霊を見たらしい」

精霊術師「そもそも、なんでそんなところに屋敷が?」

狩人「あの屋敷は何かの学者さん一家が住んでいたんだ。夫婦と、娘の三人だったかな」
狩人「何を研究していたのか知らんがね。内乱がどうとか、軍の強化がどうとか。まあ、俺みたいな庶民には関係のないことだ」
狩人「数年前に妻と娘さんが死んでしまったとかで、旦那は王都に帰ったはずなんだが、どうも人の気配がするんだよな」

精霊術師「……ちなみに、屋敷に火を放つという手は……」

狩人「馬鹿言わんでくれ。森に火が回ったら生活が終わっちまう」

精霊術師「そうですよね、失礼しました」


成功




美少年「奴隷商人?」

娼婦「そう、この前うちに来たんだけど、心も体も裸になったときに来てもないのに教えてくれたわ」
娼婦「あのお屋敷、今でも人がいるらしいわよ」
娼婦「女の奴隷を集めて持っていくと、顔色の悪い使用人が出てきてたんまりお金を払ってくれるんですって」

美少年「……へぇ。何するつもりなんだろうね」

娼婦「いいことしようってわけじゃないみたいよ」
娼婦「実はあの森、変わった薬草が生えるみたいでね。動物人間かかわらず霊になって現れたりするの」
娼婦「被検体ってやつなのかしらね。あんまり気持ちのいい話じゃないけど」

美少年「ありがとうお姉さん。いいこと聞けたよ」

娼婦「あら、もういいの? お姉さんまだまだ付き合えるわよ?」シナ

美少年「また今度ねー」

娼婦「……ざーんねん」


失敗



美少女「ちょっとそこの傭兵さん! お話聞かせてくださいな!」ウルルン

傭兵「おっ、さっきのお嬢ちゃんか。曲芸よかったぜ。ここ座んな」

美少女「ありがとっ」スト

傭兵「んで、聞きたい事って何だい?」

美少女「森のお屋敷のことなんだけどぉ」

傭兵「待った」

美少女「へ?」

傭兵「それはよくない話題だな。ほら、おひねり弾んでやるから帰んな」

美少女「……あ、ごめんなさい」トボトボ




精霊術師「私が調べららえたのはこんな感じ」

美少年「僕はこんな感じ」
美少女「ごめんね」シュン

少女「……」ムムム

精霊術師(……もしかしてこの子、屋敷から逃げて来た?)チラ

少女「……?」

精霊術師(屋敷に行く前に、この子をどこかに預けたほうがいいかも)

精霊術師「明日はあなたの預け先を見つけることから始めないとね」

少女「……」イヤイヤ

美少年「すっかり懐かれちゃってるね」
美少女「これは連れて行くしかないかもね」

精霊術師「……困った」

美少年「それじゃあ、今日はお互い休もうか」
美少女「明日は簡単に準備して、屋敷に出発ね」


結局、その日は宿で睡眠をとって、翌日に備えることになった。




美少年「おはよ、お姉さん」
美少女「いい朝ね、お姉さん」

精霊術師「……はい、おはよう」

少女「……」ネムネム

美少年「この街は毎日大き目の朝市が開かれるんだって」
美少女「せっかくだから掘り出し物を探しにいかない?」

精霊術師(掘り出し物なら、少ないお金でも効果の高いものが買えるかも。悪くない)
精霊術師「わかった。行こっか」


精霊術師と旅芸人の双子、そして少女は活気のある朝市に向かった。
街の中心に井戸のある広場があり、そこでは乱雑に露店が開かれている。
新鮮な果実を売る娘、肉を捌く狩人、黙して座っている薬師の老人。
どのお店にも客が壁を作っているほどだ。


精霊術師(私、別に目利きってわけじゃないんだよね。うーん)



掘り出し物が買えたか安価、コンマします。
何を買ったか自由に描写してください。
効果の程はコンマで


精霊術師の装備強化
↓1
00    輝石レベル
1-50   ちょっと損
51-80  普通
80-99  なかなかいい



少女を守る道具
↓2
00    凄すぎ
1-50   ちょっと損
51-80  普通
80-99  なかなかいい

えい

はい

失礼

精霊術士の装備なら光の精霊の力が封じられた魔石
少女を守る道具なら一定のダメージを肩代わりするペンダント

衝撃や魔法の威力を軽減する特別製のマント

では精霊術師の装備は>>72さんのコンマと>>75さんの内容で
衝撃や魔法の威力を少し軽減できるマント。
少女の装備は>>73さんのコンマと>>74さん内容で
一定のダメージを肩代わりしてくれるペンダント。






精霊術師「このマント、不思議な力を感じる」

露天商「お目が高いねお客さん。それは錬金術師が特殊な染料で染めたマントだよ」

精霊術師「いくら?」

露天商「銀貨10枚」

精霊術師「さすがに高いよ。もっとまけてくれない?」

露天商「9枚。なかなかお目にかかれない逸品だってことはわかるだろ?」

精霊術師(まあ、露店で買えるなら上等か……)

精霊術師「じゃあ、そのマント頂戴」

露天商「毎度」




精霊術師(少女には何を買ってあげたらいいんだろ? ローブ? 護符?)

少女「……」ユビサシ

精霊術師「この、ペンダント?」

露天商「お客さん、そのペンダント立派なのは見た目だけだぜ」
露天商「有名な神官様が【祈祷】に使っていたとかで買い取ったんだが、まるで売れねえ」
露天商「まったく、すっかり騙されたぜ」

美少年(お姉さん、このペンダントは買ったほうがいいよ)コソコソ
美少女(お姉さん、これ本物だよ)ボソボソ

精霊術師「……いくら?」

露天商「銅貨10枚で売れりゃ上等だ」

精霊術師「じゃあ、私が買うよ」

露天商「本当か? そりゃありがてえな」

少女「……」キャッキャ

露天商「うお、ペンダントが浮いた! って、なんだ。よく見りゃ昨日酒場にいた旅芸人じゃねえか。脅かしたっておひねりは出ねえぜ」

美少年「ちぇ、残念」
美少女「けちんぼ」

精霊術師「……?」



戦闘で安価とコンマ使ってもいいですか?
よければ精霊術師のステータスと装備も安価で決めようかと思うんですけど……。

ありがとうございます。
ちょっと準備します。

戦闘などで判定を行う際のルール



無防備な一般男性のステータス

【体力】10
【攻撃:殴る】2
【防御:かわす】2
【異変:なし】0
【耐性:自身の代謝】2


攻撃:直接相手に危害を与える判定
防御:攻撃へ対抗する判定
異変:病、毒、呪い、寒暖、索敵などを行う側の判定
耐性:異変へ対抗する判定

攻撃←→防御
異変←→耐性

それぞれの数値に(コンマ一桁目÷2 端数切り上げ)を足して対抗
判定


無防備な一般男性同士の喧嘩

男性Aの判定
【攻撃:殴る】1+(9÷2)=6
【防御:かわす】1+(9÷2)=6

男性Bの判定
【攻撃:殴る】1+(1÷2)=2
【防御:かわす】1+(1÷2)=2


男性A
【攻撃】2-【防御】6
ダメージなし

男性B
【攻撃】6-【防御2】
4ダメージ



精霊術師のステータス安価

【体力】7+安価↓1
【攻撃:蔦結の精霊術】1+安価↓2
【防御:綿花の精霊術】1+安価↓3
【異変:夢見の精霊術】1+安価↓4
【耐性:萌芽の精霊術】1+安価↓5

※安価はすべて(コンマの一桁目÷2)です


精霊術師

【体力】7+5=12
【攻撃:蔦結の精霊術】1+4=5
【防御:綿花の精霊術】1+2=3
【異変:夢見の精霊術】1+3=4
【耐性:萌芽の精霊術】1+3=4

結構強くなった気がする。



精霊術師

【体力】12
【攻撃:蔦結の精霊術】5
【防御:綿花の精霊術】3(+1)
【異変:夢見の精霊術】4
【耐性:萌芽の精霊術】4

装備
くぼみのある杖【攻撃】+0
特殊な染料を使ったマント【防御】+1
無し【異変】+0
無し【耐性】+0

最終的にはこんな感じにしたいと思います。
装備やステータスの強化は話の節目で安価しようと思います



美少年&美少女

【体力】7
【攻撃:???】3(+1)
【防御:???】3(+1)
【異変:???】5(+2)
【耐性:???】5(+2)

装備
楽器【攻撃】+1
旅芸人の服【防御】+1
???【異変】+2
???【耐性】+2



少女
???


少女の装備忘れてました

高位神官のペンダント【防御】+3【耐性】+3



装備を整えた精霊術師一行は件の屋敷へ向けて出立した。
森へ一歩踏み込むと、狩人の言っていた「気色悪い気配」というものを肌で感じることになった。
ヘドロ撫でつけられているかのような感覚。そして明確な敵意。

美少年「何もないほうが不自然なくらい」
美少女「異常な雰囲気だね」

精霊術師「精霊の気配が全然しない」

少女「……」ビクビク


森は陰鬱として、鳥や小動物もどこかおびえた様子だ。
暫く森を進むと、景色が開け、廃墟同然の屋敷が目の前に現れた。
外から見ている限りでは誰かが暮らしている気配もない。


精霊術師(酒場の情報が確かなら、少なくとも奴隷の姿が見えそうなものだけど)

美少年「偵察は任せてよ、お姉さん」
美少女「結構得意なんだよ」



敵【耐性:気配の探知】4+安価↓1
美少年&美少女【異変:???で偵察】7+安価↓2

【耐性】<【異変】で偵察成功

※安価はすべて(コンマの一桁目÷2)です



敵【耐性:気配の探知】5<美少年&美少女【異変:???で偵察】7

成功


美少年「ここからだとわかったのは1Fの構造までだね」
美少女「ロビー、キッチン、食堂、あと使用人の部屋かな」

精霊術師「人気は無かったの?」

美少年「使用人がいた。ロビーに二人、食堂に一人かな」
美少女「でもあれは普通の人間じゃないかも。反応がすごく鈍そうだった」

精霊術師(普通の人じゃない? 来訪客を装って招き入れてもらうのは難しそうか……)
精霊術師(判断に迷うなぁ。こういう時は【精霊の導き】)


というわけで【精霊の導き】の結果を
↓1

1:屋敷に入る。入り方もお願い
2:まだ偵察。何を偵察するかもお願い。対抗安価もします


1Fの部屋にはすべて窓から入れること言い忘れてました。
すみません。


精霊「食堂を偵察すべきだお。あやしいお」

精霊術師「わかった」

精霊術師「二人とも、食堂が怪しいって私の精霊が言ってるんだけど、調べてもらってもいい?」

美少年「わかったよ、お姉さん」
美少女「任せてよ、お姉さん」


異常な使用人【耐性:気配を探知】4+安価↓1
美少年&美少女【異変:???で偵察】7+安価↓2

異常な使用人【耐性:気配の探知】5<美少年&美少女【異変:???で偵察】9
成功


美少年「長い机と並んだ椅子、絵画、暖炉。どれも使用感がないかな」
美少女「使用人さんは人形みたいに暖炉の前に立ってる」

精霊術師「使用人さんの実力ってわからない?」

美少年「ちょっとなら」
美少女「こんな感じ」


異常な使用人

【体力】5
【攻撃:ナイフで切る】3
【防御:無防備】0
【異変:???】4
【耐性:???】4


精霊術師(力ずくで抑えようと思えば何とかなりそうだけど……)

精霊術師(念のために。【精霊の導き】)


というわけで【精霊の導き】の結果を
↓1

1:屋敷に入る。入り方もお願い
2:まだ偵察。何を偵察するかもお願い。さっきより敵が強い抵抗判定をします。(+3)




精霊「ロビーを調べるといいお。敵のいる場所くらい念入りに調べるお」

精霊術師「わかった」

精霊術師「二人とも、ロビーもお願いできる?」

美少年「……結構人使いね、お姉さん」
美少女「……私たち子どもだよ?」

精霊術師「無理やり依頼を受けさせた人たちには言われたくない」

美少年「あはは、そうだったね」
美少女「うふふ、忘れてた」


異常な使用人【耐性:気配を探知】7+安価↓1
美少年&美少女【異変:???で偵察】7+安価↓2

※安価は(コンマの一桁目÷2)です



異常な使用人【耐性:気配を探知】9<美少年&美少女【異変:???で偵察】<10
成功

美少年「ロビーは玄関から入ってすぐの場所だね。ロビーからなら1Fの部屋どこにでも行けそう。あと、2Fへの階段があるね」
美少女「物がほとんどないみたい。使用人はロビー中央に一人、食堂への扉に一人」

精霊術師(二階があるんだ……。でも、使用人が必要に守っているのは食堂)

美少年「あと、使用人がこっちの気配に気が付き始めたかも」
美少女「石橋を叩きすぎて壊さないでね」

精霊術師(偵察は限界が近いかな。でも精霊に聞くのが精霊術師の生き方だし)

精霊術師(【精霊の導き】)


というわけで【精霊の導き】の結果を
↓1

1:屋敷に入る。入り方もお願い
2:まだ偵察。何を偵察するかもお願い。さっきより敵が強い抵抗判定をします。(+6)6

すみません。
今日は寝ます。
おやすみなさい。
安価は引き続き↓1で



精霊「キッチンから侵入するお。敵のいない場所から入るのは基本だお」

精霊術師「わかった」


精霊術師「二人とも、キッチンから侵入しよう」

美少年「お姉さんほんと慎重派だね」
美少女「いいじゃない。野蛮な人より私は好き」


精霊術師たちはキッチンの窓のそばにこっそり近づいた。
窓にはめらていたであろうガラスは割れていて、木枠は朽ちている。
さしたる苦労もしないで侵入に成功した。



美少年「竈の灰が新しい。食料の備蓄もある」
美少女「こんな廃墟だけど、ちゃんと生活してるんだね」

精霊術師「……手慣れてるね」

美少年「そんなことないよ」
美少女「そんなことないわ」

少女「……」ユビサシ

精霊術師「ん? ロビーに何かあるの?」


屋敷に入ると、少女はロビーへ続く扉を指さした。その表情はこれまでになく真剣だ。
精霊術師と双子は顔を見合わせると、少女を後ろに下がらせて、薄く開けた扉の隙間からロビーの様子を伺った。
ロビーの中心に使用人が立っている。直立不動で玄関の扉を見守っていた。
食堂への入り口に立っているという使用人の姿は視覚になっているのかよく見えなかった。


精霊術師「今更友好的な手段をとる必要なんてないよね」

美少年「一人はノーリスクで落とせそうだね」
美少女「奇襲作戦だ」


精霊術師たちは、扉をあけ放つと、素早くロビー中央の使用人を叩きのめし、蔦結びで地面に縫い付けた。
偵察の情報通り、ロビーにいる使用人は二人だけ。
食堂の前に待機していた使用人は、精霊術師たちの存在に気が付くと、腰からナイフを抜き襲い掛かってきた。

異常な使用人「ア……アウ……ガアッ!」

精霊術師「うっわ、この人どう見たって……」

美初年「アンデッド」
美少女「不浄の存在だ」


異常な使用人は精霊術師に向かってナイフを振りかざした。


戦闘です。
異常な使用人【攻撃:ナイフで切る】3+安価↓1
異常な使用人【防御:無防備】0+安価↓1

精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】5+安価↓2
精霊術師【防御:綿花の精霊術】4+安価↓2

※安価は(コンマ÷2)です

安価言葉足らずでした。
コンマ一の位÷2で計算しています。



異常な使用人【攻撃:ナイフで切る】3+4=7
異常な使用人【防御:無防備】0+4=4

精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】5+3=8
精霊術師【防御:綿花の精霊術】4+3=7


精霊術師
ダメージなし
【体力】12


異常な使用人
5-(8-4)=1
【体力】1

残り体力1しかないので無力化に成功したことにして先に進みます。






襲い来る使用人の凶刃を、綿の盾で全て受け止め、無防備な横腹に蔦の鞭を叩きこんだ。
スパンッ! とこぎみ良い音を立てて、使用人の腐肉がはじけ飛ぶ。
ロビーの床を汚しながら転がった使用人は、その場に蠢くばかりで襲い掛かってkる様子はなかった。

美少年「ナイスショット」
美少女「やるね、お姉さん」

精霊術師「どうも」


ロビーに静けさが戻ってきた。どこかから敵の増援が駆けつけてくる様子もない。


精霊術師(さて、どこを探すべきか……【精霊の導き】)



というわけで【精霊の導き】の結果を↓1

1:二階へ
2:使用人の部屋へ
3:食堂へ



精霊「食堂に行くといいお。何かあるお。怪しいお」

精霊術師「わかった」


精霊術師「二人とも、使用人がいた場所って、確か食堂だったよね」

美少年「うん、一階の部屋だと食堂だけ」
美少女「食堂にいく?」


精霊術師たちは食堂に向かうことにした。
ロビーの時と同じように、扉を薄く開けで中の様子を伺う。

精霊術師「使用人は暖炉の前に棒立ち、ね」

美少年「この距離だと奇襲は無理そうだね」
美少女「正面突破、今度は私たちに任せて」


双子が扉を開けると同時に使用人に向かって駆けだした。

異常な使用人「ウ……エェェェア!」


使用人も、やはりナイフを抜き放ち敵対者に牙をむいた。




戦闘です。
異常な使用人【攻撃:ナイフで切る】3+安価↓1
異常な使用人【防御:無防備】0+安価↓1

美少年&美少女【攻撃:???】4+安価↓2
美少年&美少女【防御:???】4+安価↓2

※安価はコンマ一の位÷2です。

今更気づいたんですけど、ここってR18用の板だったんですね……。

VIPの方に立てたつもりだったのかな?
なんかバグだかで専ブラを使わないとたまにこっちに立っちゃうみたいね
まあR板だからといってエロをしなきゃいけないというのでもないし、>>1のやりたいようにやりなされ

>>119
ありがとうございます。そうさせてもらいます。







異常な使用人【攻撃:ナイフで切る】3+3=6
異常な使用人【防御:無防備】0+3=3

美少年&美少女【攻撃:???】4+5=9
美少年&美少女【防御:???】4+5=9


美少年&美少女
ダメージなし 【体力】7

異常な使用人
5-(9-3)=-1 戦闘不能


奇声を上げながら襲い掛かってきた使用人だったが、双子の放った不可視の攻撃によって壁に縫い付けられるはめになった。
相当な力がかかっているらしく、指先一つ動かせずにいる。
そして四方八方から何かに引き裂かれたかのようにして爆散した。


精霊術師「……もう少し綺麗な倒し方できなかったの?」

美少年「そんなこと言われても」
美少女「こういう力なの」


腐肉の異臭が漂う中。精霊術師たちは食堂を簡単に探索した。
大人数で囲めるだろう長いテーブルには埃がかぶり、大量の椅子も何一つ使われた形跡がない。
壁には肖像画が掛けられていた。両親と娘が笑顔で並んでいる。幸せそうな絵だ。


精霊術師「この絵に描かれている女の子って……」チラ

少女「……」ユビサシ




少女は絵画に頓着する様子もなく、ただ暖炉を指さしていた。


美少年「不自然な床擦れ」
美少女「隠し扉かな?」


双子は納得した様子で部屋の中を捜索し始めた。絵画をずらし、椅子をどかし、壁の音を聞いた。
そして、暖炉のレンガの一部を叩くと、にやりと口元をゆがめた。


美少年「ここだ」
美少女「ここね」


迷いなくレンガを押し込む。
すると、どこかからガコンと仕掛けの動く音がして、暖炉のうらに地下へ続く階段が現れた。
階段の奥からは森に入った時以上のまがまがしい気配を感じた。


精霊術師(どう考えても黒幕はこの先にいる)

精霊術師(最終的には踏み込むべきだろうけど、それは今でいいのか……)

精霊術師(【精霊の導き】)



というわけで【精霊の導き】の結果を↓1

1:地下へ
2:まだ屋敷を探索。どこを探すかもお願い
3:その他の行動。

2 屋根裏部屋

1

>>121
すみません。屋根裏部屋は設定考えていないので>>122の安価取っていいですか?

どうぞ、どうぞ、自分はホラー映画の呪怨を思い出して屋根裏部屋でゴミ袋に詰められた伽耶子を思い出したので
屋根裏部屋を安価で出してみただけですので、

>>124
助かります。
ありがとうございます。



精霊「地下に向かうといいお。決戦の時だお」

精霊術師「わかった」


精霊術師「禍々しい雰囲気だし、気を付けて進もうか」

美少年「……ホントに」
美少女「……胸糞悪い雰囲気」



精霊術師たちは地下への階段をゆっくり降りて行った。
階段は薄暗く、カンテラの灯りをともす必要があった。
石の階段を一歩一歩下がるごとに嫌なにおいが鼻についた。
最後までおりきる頃には、その匂いが何の匂いなのかはっきり理解できた。


美少年「ひどい腐敗臭」
美少女「臭いが付いちゃいそうね」

精霊術師「いや、それよりここ。地下牢?」

少女「……」コクリ


左右に並ぶ鉄格子、石の廊下、そこは紛れもなく地下牢だった。
カンテラの光に照らされた牢の中には、酷く体を弄ばれた人間の死体が転がっていた。
まるで何かの実験に使われ、無造作に捨て置かれている。
長い地下牢の先に薄ぼんやりとした光がともり、何者かの人影が蠢いていた。


???「……私の実験の邪魔をしないでくれるかね。忙しいんだ」


乾いた響きの、疲れ切った男の声だった。









美少年「そういうわけにもいかないよ」
美少女「私たち、あなたみたいなのが大っ嫌いなの」

???「はあ……、これだから庶民のガキは、教育が成っていなくていけない。それに比べて、エリンはいい子だった。素直で、可愛くて……。私の自慢の娘だったんだ」

少女「……」


男はふらりと不気味な動きで振り返った。
こけた頬、落ちくぼんだ瞳、汚れた無精髭。
初対面のはずだが、どこか既視感を覚える顔だった。


精霊術師(ああ、食堂の絵画に描かれていた男。ということは、この屋敷の主人か)

屋敷主人「……まあ、いい。丁度実験材料が不足してきたところなんだ。協力してくれ」


その言葉を合図に、屋敷主人のそばに二体のゴーストが現れた。
仕立てのいい服を着た女性の見た目をしている。
霊体を持ち、生者の生気を吸い取って衰弱させる存在だ。
自然発生することはほとんどなく、大抵は【降霊術】と呼ばれる魔法体系の内、死霊術を用いて使役される。


精霊術師「あの男、死霊術師か……」

美少年「ほんと、胸糞悪い存在だよね」
美少女「私たちと一緒」


自嘲気味に笑った双子の背後からも、ゴーストが現れた。
それも数多に。
こちらのゴーストは、みすぼらしい格好をして、中には手枷、足枷が付いている者もいる。
奴隷のような見た目だ。





屋敷主人「ほほお! 私と同じ死霊術師。これは余計に捕らえて解剖する必要が出て来た」

美少年「誰がお前なんかに」
美少女「勝った気になるのは早いんじゃない?」

精霊術師「……私、【降霊術】は専門外なんだけど」

美少年「大丈夫だよ、お姉さん」
美少女「その子が助けてくれるよ、お姉さん」

少女「……」ウンウン

屋敷主人「……? 誰が助けてくれるというんだい?」



少女は真剣に頷くと、ふわりと浮かび上がって精霊術師の背後に憑いた。


精霊術師(ああ、うん。 もしかしたらって思っていたけど、やっぱりか)

美少年「くるよ、お姉さん」
美少女「構えて、お姉さん」

ゴースト二体との戦闘です。


ステータス

ゴースト
【体力】8
【攻撃:ポルターガイスト】2
【防御:霊体】20
【異変:呪い】6
【耐性:霊体】6



精霊術師
【体力】12
【攻撃:蔦結の精霊術】5
【防御:綿花の精霊術】3(+1)
【異変:夢見の精霊術】4(+3)
【耐性:萌芽の精霊術】4(+3)

【異変】と【耐性】の(+3)は少女の加護



美少年&美少女 
【体力】7
【攻撃:ゴーストの使役】3(+1)
【防御:ゴーストの使役】3(+1)
【異変:ゴーストの呪い】5(+2)
【耐性:ゴーストの反発】5(+2)



ゴーストA【異変:呪い】6+安価↓1
ゴーストA【耐性:霊体】6+安価↓1
ゴーストB【異変:呪い】6+安価↓1
ゴーストB【耐性:霊体】6+安価↓1
※安価はゴーストAがコンマ一の位、ゴーストBがコンマ十の位で判定


精霊術師【異変:夢見の精霊術】7+安価↓2
精霊術師【耐性:萌芽の精霊術】7+安価↓2

美少年&美少女【異変:ゴーストの呪い】7+安価↓3
美少年&美少女【耐性:ゴーストの反発】7+安価↓3


ゴーストA
8-(10-7)
=【体力】5

ゴーストB
8-(8-7)
=【体力】7

精霊術師
ダメージなし
【体力】12

美少年&美少女
ダメージなし
【体力】7



戦況が一方的で硬直しがちなので、これからは
【攻撃】【異変】をコンマ一の位
【防御】【耐性】をコンマ十の位
÷2もなしでそのまま判定をしたいと思います。
ルールがコロコロ変わってすみません。
こっちで把握しているので皆さんは気軽に安価してくれると助かります。


ゴーストA  【異変】【耐性】安価↓1
ゴーストB  【異変】【耐性】安価↓2
精霊術師   【異変】【耐性】安価↓3
美少年&美少女【異変】【耐性】安価↓4



ゴーストA
5-(13-5)
=【体力】0
戦闘不能

ゴーストB
7-(15-11)
=【体力】3

精霊術師
ダメージなし

美少年&美少女
7-(15-8)
=【体力】0
戦闘不能


ゴーストB【異変】【耐性】安価↓1
精霊術師 【異変】【耐性】安価↓2

ほや


ゴーストB
ダメージなし

精霊術師
12-(9-7)
=【体力】10


今こんな感じで、普通にもう一回安価しても勝てないことはないと思うんですけど、>>143さんのゾロ目で00って何かボーナスいります?
戦闘不能の双子を回復させるとか、ダメージボーナスとか。


では【耐性:萌芽の精霊術】7がちょうど双子の体力の最大値なので、全快させます。

精霊術師「人のこと巻き込んでおいて、勝手に、くたばらないで!」

美少年「ぐ、ありがとう。お姉さん」
美少女「けほっ、助かったよ、お姉さん」

ゴーストB  【異変】【耐性】安価↓1
精霊術師   【異変】【耐性】安価↓2
美少年&美少女【異変】【耐性】安価↓3


ゴーストB
3-(16-12)-(16-12)
=【体力】-8
戦闘不能

精霊術師
ダメージなし

美少年&美少女
ダメージなし

戦闘終了です。ありがとうございました。



戦いは熾烈を極めた。
屋敷主人と双子のゴーストがお互いを祟り呪い脅かし、精霊術師は少女の加護が乗った精霊術で対抗する。
地下牢には怨霊の絶叫と破壊音が響き渡った。
数十分続いた戦いは、屋敷主人のゴーストが完全に消滅したことで決着を迎えた。


屋敷主人「ああ……、ああ……。ハンナ、エリン、私の愛しい……」


屋敷主人は消えゆく己のゴーストを虚ろな目で眺め、その場に崩れ落ちた。
糸の切れた人形のようにその場から動かない屋敷主人の下へ、少女がゆっくりと歩いてゆく。

少女「……お父さん」

屋敷主人「……その声、エリン、なのか?」

少女「やっと、私の声を聞いてくれたね」

屋敷主人「エリン、ハンナは? 一緒じゃないのか? どうして私を置いて行ってしまったのだ。どうして、私も連れて行ってくれなかった」

少女「ごめんね。私が、お母さんの代わりにずっと一緒にいるって約束したのに」

屋敷主人「いや、いいんだ。お前だけでも帰ってきてくれたなら……」

少女「それはできないよ。ずっと研究してきたお父さんなら、わかるでしょ?」

屋敷主人「っ……!」

少女「……もう、こんなことやめてほしかったの。こんな酷いことするお父さん、見たくないよ」

屋敷主人「私は、……どうしてもお前たちといたかっただけなんだ」


それきり、屋敷主人は茫然自失として魂が抜けたようになった。
少女が精霊術師たちに振り返った。

少女「こんなことに巻き込んでしまってごめんなさい」
少女「それと、まかせっきりになってしまうけど、私のお父さんをお願いします」

少女はそれだけを言うと、寿命が尽きたように溶けて消えた。
後には、精霊術師が買ってあげたペンダントだけが残された。

獲得:高位神官のペンダント【防御】+3【耐性】+3



その後、精霊術師たちは屋敷主人を拘束して街へ連れ帰り、憲兵に差し出した。
屋敷の調査にも憲兵を出してもらったので、屋敷主人の処遇はちゃんとした街の法で決められることだろう。
奴隷の売買は今の時代禁止されている。屋敷主人が奴隷を酷く扱っていたことも考えれば、最低でも一生牢暮らしは確定だろう。
それが少女の望んだ結末なのかは、精霊術師には知る由もないことだった。


美少年「ありがとう、お姉さん」
美少女「凄く助けられちゃったね」

マスター「まさか本当に解決してくれるとは思ってなかったぜ」

精霊術師「私も、こんな事件解決できるとは思ってなかったよ」


依頼を受けることになった酒場にて、精霊術師たちは同じテーブルを囲んでいた。
卓上にはパリパリに焼けた腸詰やふわふわの白いパン、贅沢にも肉入りのスープまで並んでいる。
なんと、精霊術師たちが怨霊事件解決の功労者と知った酒場の客やマスターのおごりである。

マスター「さてさて、さっそく報酬だがこれでどうだ」


というわけで報酬と精霊術師の成長安価します。
確定報酬 銀貨10枚

安価↓1 コンマ×銀貨一枚
安価↓2 成長ポイント獲得数 コンマ一の位
安価↓3 成長ポイント振り分け乱数 コンマ一の位


報酬の結果


銀貨57枚
成長ポイント9
乱数1(【体力】から1つずつポイント振り分け)

精霊術師
【体力】12→14
【攻撃:蔦結の精霊術】5→7
【防御:綿花の精霊術】3→5(+1)(+3)
【異変:夢見の精霊術】4→6
【耐性:萌芽の精霊術】4→5(+3)

装備
くぼみのある杖【攻撃】+0
特殊な染料を使ったマント【防御】+1
高位神官のペンダント【防御】+3【耐性】+3


マスター「ほれ、今回の報酬は一人銀貨57枚だ。すげえだろ!」

美少年「ごじゅっ! え!?」
美少女「うっそぉ!」

精霊術師「なっ! 何か裏とかない? ほんとにもらって大丈夫?」

マスター「ああ! 全部お前らの報酬だぜ! どうもこの街を管轄している貴族様が正式に屋敷に懸賞金をかけていたみたいでな。この大金だ」

精霊術師「ああ、しばらく宿に困らなくて済む……」

美少年「わわ、何買おっかな」
美少女「私、新しい服が欲しかったの」

マスター「おいおい、ちょっとくらいは酒場に落としていってくれよ?」


精霊術師と少女の幽霊END




これにて区切りです。

お付き合いありがとうございます。

本当は短い話を書くつもりでしたが結構文字数使ってしまいました。


毎度の蛇足ですが、今回も設定を軽く置いておきます。

旅芸人の双子
かつて奴隷として売られていた双子。見た目のいい双子は、奴隷たちの中でも"高級品"として丁寧に扱われていた。
奴隷たちをまとめ、奴隷商からの脱走を計画したが、失敗に終わる。
双子以外は死んでしまい、その奴隷たちの怨霊が双子にとりついている。
現在、旅芸人をしながら怨霊を開放する贖罪の旅をしている。

屋敷主人
王国の魔術研究者。軍事利用のために死霊術研究を命じられて、貴重な薬草のある森にすみ着いた。
妻と娘を失ったことで乱心。死霊術の研究を妻と娘をよみがえらせるために使いだした。

少女
屋敷主人を残して死んでしまったことが心残りで地上にとどまってしまった。
いくら話しかけても、取りつかれたように研究に取り組む屋敷主人には気が付いてもらえなかった。
そのため、なんとかしてくれる人を探しさまよっていた。

【降霊術】
体系化されている魔法の中では最も使い手が少ない。
縁、絆、継承、血統、などの正当な繋がりが重要な魔法。
例としては、遺品や死体を用いて怨霊を呼ぶ、聖剣を継承して英霊を呼ぶ、子孫が祖霊の力を借りる、など。



西の国境に向かう予定だったので、精霊術師はそのまま国境へ向かいます。
今日は西の国や国境がどんなところなのか募集をかけて終わろうと思います。
いくつか案が出たら多数決で、案が出なかったら私が自分で考えて決めようと思います。
よろしくお願いします。

安価↓明日の午前10時くらいまで

次に向かう西の国は宗教国家ということで





精霊術師「さて、内乱の勢いも増してきていることだし、早めに国を抜けないと」

精霊術師「その前に、ちょっと大きめのお金が入ったことだし何か買おうかな」

精霊術師「【精霊の導き】」



安価↓1-3
コンマ判定 同じ値段でどんな品質のものが買えたか
01-30 売ってなかった
31-50 粗悪品
51-70 普通
71-90 良品
91-00 最高品質
ゾロ目はボーナス

買うものの内容は装備、アイテム、道具、などご自由に記載で


精霊術師「宝石商さん、『精霊の指輪』って売っていませんか?」

宝石商「……『世界一の宝石は……』?」

精霊術師「世界一の宝石?」

宝石商「はい、『世界一の宝石は……』?」

精霊術師「こ、金剛石?」

宝石商「申し訳ありません。どこで『精霊の指輪』のことを聞いたのかは存じ上げませんが、合言葉を知らない方にお売りできる代物ではございません」

精霊術師「そうですか。……失礼します」

宝石商「はい、またのお越しを」

精霊術師(精霊が召喚できるなんて代物、そう簡単には手に入らない、か)

精霊の指輪買えず


次に精霊術師は革の鞣しやレザーアーマーを専門にする鍛冶屋を訪ねた。

精霊術師「すみません。『幻の皮』って売っていませんか?」

鍛冶屋「姉ちゃん、それどこで聞いたんだい? 幻の皮のこと、誰にも話していないはずなんだが」

精霊術師「私は精霊術師ですから、精霊に聞きました」

鍛冶屋「なるほどなあ。だがちょっと手遅れだったな。もう幻の皮で革鎧一式しつらえたところなんだ」

精霊術師「でもあまりの皮はあるでしょ? それを私のマントに縫い付けてもらったりできない?」

鍛冶屋「そういうことなら請け負おう。素材の代金はいらねえ。もともと捨てる皮だしな。だが、加工代は頂くぜ」

精霊術師「わかった」

幻の皮入手(なんでもは無茶だが、大概の被害は無効化できる程度)




次に、精霊術師は薬屋に向かった。狭い路地に入り、入り組んだ階段を下りた先にそのお店はあった。


精霊術師「すみません。できるだけ効果の高い薬が欲しいのですが……」

薬師「ヒヒヒ、アテシを訪ねてくるなんてェ、小娘いい勘をしているねェ」

精霊術師「えと、精霊が、教えてくれたので……」

薬師「オホホオオオ、精霊術師ィ。今ではめっきり見かけなくなったねェ。つまりあんたはアテシの後輩ってわけだァ」

精霊術師「では、あなたも精霊術師なので?」

薬師「元、だがねェ。その恰好、旅だァね。昔、やんちゃでもしたかい?」

精霊術師「……お見通しなんですね」

薬師「ケヘヘエエエ、わかるよォ。ほれ、先達からの情けじゃ、まけてやろうなァ」

精霊術師「あ、ありがとうございます」

薬師「あ、わたしの飯代くらいは払ってくれよォ?」

精霊術師「そうですよね」



回復薬(戦闘不能を無条件自力回復、一回分)

今日は午後から予定があるのでこれだけで。
明日の夜くらいに再開できると思います。
またよろしくお願いします。

こんばんは。
再開します。



精霊術師は旅の支度を整えると、妙な事件に巻き込まれた街とは早々に別れて西へ向かった。
星空のしたで眠ること五日ほど。
ついに西の国境へとたどり着いた。


精霊術師「噂には聞いていたけど、確かに壮大な景色だ」


精霊術師は目の前の光景に感嘆を漏らした。

赤茶けた色の大地が、広大な渓谷によって断絶されていた。国を分かつ自然的国境だ。

渓谷から吹き上げる風に乗って、彩り豊かな気球が谷を渡っている。

西の国へ向かうには、あの熱気球に乗って行くしか方法がなかった。

精霊術師は気球の発着所に向かった。




発着所は谷の縁にあった。

簡易的に建てられた天幕が並び、交易品の搬入作業や、護衛の準備をする人たちで慌ただしい様子だった。

精霊術師は休憩中らしい青年を捕まえて尋ねた。

精霊術師「ちょっとごめん。 一般客を乗せる気球ってどこにいけばいいかな?」

雇いの青年「そんなものないっすよ。ここにある気球は全部どっかの商会とか、貴族様の所有物っす。ねーさんみたいなお客さんは金払って荷物として送ってもらうんすよ」

精霊術師「なるほど、ありがと」

雇いの青年「お安い御用っす」



精霊術師は積み荷に余裕のある商会を見つけると、自身の運搬を依頼した。運賃は結構高くついた。屋敷の依頼で稼いでいなかったら利用できなかっただろう。


精霊術師「……」ソワソワ

従業員「気球は初めて?」


精霊術師が荷物の間でそわそわしていると、積み荷のリストをチェックしていた従業員が話しかけて来た。


精霊術師「ええ。空を飛んだことないから、ちょっと不安で。これ、羽もないのにどうして飛んでるんだろ」

従業員「簡単なことよ? この球皮はフライムっていう粘性の浮遊するモンスターなの。それを専用の薬品でバスケットにくっつけて、下から魔法使いが熱であぶる。フライムは熱から逃げようとして飛ぶ。馬車と一緒ね」

精霊術師「なるほど」


従業員の説明で少し安心した精霊術師は、静かに出発の時間を待った。
荷物のチェックが終わり、バスケットに魔法使いが二人乗り込むと、ついに出発の時間となった。
魔法使いが炎を放ち、カラフルなフライムが大きく膨らんで浮力を生む。
かくして、精霊術師の空の旅が始まった。


無事に渓谷を渡れるか安価↓1-4
一度でもコンマ10以下が出たら渓谷の底へ

もっと厳しくてもよかったかもですね。
しかし安価は絶対。続き書いてきます。



空の旅は快適そのものだった。

気球は思っていたよりも安定しており、渓谷からの風も心地よく頬を撫でてくれる。初めの内はバスケットの真ん中にいた精霊術師だったが、慣れてくると縁に近づいて谷の景色を眺めたりもした。

暫くして、気球は対岸についた。

こちらも天幕と人と荷物でごちゃごちゃした空間だった。

従業員「カイマリの根50㎏よし、アマリリエインの皮100枚よし、精霊術師一人よし……」

精霊術師「ご丁寧にどうも」


精霊術師は茶目っ気のある従業員に会釈をして気球を降りた。

こちらの発着所も人々が行きかい、あわただしい様子だった。ただ、その様子はどこか切羽詰まっているように感じられた。
精霊術師は丁度作業が終わったらしい従業員に聞いてみることにした。

精霊術師「何かあったの?」

従業員「みたいね。最寄りの町までの街道に強力なモンスターが出たみたい。あなたみたいに身軽だとわき道にそれることもできるだろうけど、私たちはあれがあるからね」


従業員は今しがた数え終わったばかりの大量の商品を見て肩をすくめた。
彼女らは護衛を雇っているためそう簡単にはやられないだろうが、強力なモンスターが相手だと商品がどうなるかわからない。
商売がある以上進まないという手はないだろうが、はてさて。

精霊術師(商会の一団に付いていこうと思ってたけど、事情が変わったな)

精霊術師(どっちを選んだらいいんだろ。【精霊の導き】)

安価↓1
商会についていく
わき道にそれるか
それ以外でも何でも





精霊「わき道にそれるといいお。賢い選択だお」

精霊術師「わかった」


【精霊の導き】の結果、わき道にそれることにした。わざわざ危険に飛び込む必要もあるまい。


精霊術師「私は別ルートで街に向かうことにするよ。短い間だったけど、ありがと」

従業員「いいなあ、私もそっち行きたい」

精霊術師「ついてくる?」

従業員「冗談よ。気を付けてね。最寄りの町はここから大体南西だから」

精霊術師「わかった。向こうで会えるといいね」


従業員と別れの言葉を交わし、精霊術師はわき道にそれることにした。天幕の密集する発着所からまっすぐ伸びている街道をそれた。
渓谷の赤茶けた大地には鮮やかな緑の草が薄く茂り、乾燥した空気の割りには生命を感じる。
所々に、竜巻をそのまま岩のオブジェに変えたような奇妙な石柱が乱立している。
精霊術師はそれらを見上げて感嘆しながら、なるべく岩の影を選んで進むことにした。

暫く一人歩いていると、妙な敵意を感じた。

乱立する巨大な石柱を軽快に飛び回る影がいくつか。

よく見るとそれは毛むくじゃらの獣だった。腕が妙に長く、見た目も人に近い。
彼らはどこか怯えと苛立ちの混じった表情で精霊術師を睨んでいた。

精霊術師(強力なモンスターとやらから逃げて来たか……)


戦闘です。



精霊術師
【体力】14
【攻撃:蔦結の精霊術】7
【防御:綿花の精霊術】5(+1)(+3)
【異変:夢見の精霊術】6
【耐性:萌芽の精霊術】5(+3)


奇岩地帯のエイプたち
【体力】20
【攻撃:ひっかくなど】2
【防御:逃げるなど】2
【異変:糞を投げるなど】1
【耐性:持ち前の代謝】1



精霊術師
【攻撃】7+安価↓1 コンマ十の位
【防御】8+安価↓1 コンマ一の位

奇岩地帯のエイプたち
【攻撃】2+1*安価↓2 コンマ十の位
【防御】2+1*安価↓2 コンマ一の位

どちらもゾロ目でダメージボーナス


精霊術師
14-(9-11)=12

エイプ
20-(12-7)=15

精霊術師
【攻撃】7+安価↓1 コンマ十の位
【防御】8+安価↓1 コンマ一の位

奇岩地帯のエイプたち
【攻撃】2+1*安価↓2 コンマ十の位
【防御】2+1*安価↓2 コンマ一の位

エイプの体力多くしすぎたかも


精霊術師
ダメなし12

エイプ
15-(12-10)=13

精霊術師
【異変】6+安価↓1 コンマ十の位
【防御】8+安価↓1 コンマ一の位

奇岩地帯のエイプたち
【攻撃】2+1*安価↓2 コンマ十の位
【耐性】1+1*安価↓2 コンマ一の位


精霊術師
ダメなし12

エイプ
ダメなし13


双方ダメなし
これ以上の安価は冗長になる気がしたので切り上げでもいいでしょうか……?
ほぼ半数が減ったエイプは退散したということで。ここはひとつ。

おけー


>>193
ありがとうございます。
今度から敵も安価しようと思います。
よろしくお願いします


群れで襲い掛かってくるエイプたちを、蔦の鞭や睡眠誘発の白煙で迎え撃つ。
精霊術師もいくつかのひっかき傷をもらったが、約半数のエイプを戦闘不能にしたころにエイプの撃退に成功した。


精霊術師「ふぅ……、何とかなったか」


額に浮かんだ汗を拭って、精霊術師は街への旅を再開した。
最寄りの町へ着くころには赤茶けた大地はなりを潜め、代わりに見事な田園が姿を現した。
季節柄今は茶色の地面が見えているが、秋には黄金色に染まるのだろう。

最寄りの町に入ると、なんとなしに発着所で分かれた商会の人を探した。
彼らは無事についたろうか、と。

無事についていたか、安価↓1 コンマ20以下で付いていない
ゾロ目でボーナス


今日はこれで最後にしようと思います。安価の結果は明日。
少しぐだってしまいすみません。
良ければ次もお付き合いお願いします。



精霊術師は、街に入ってすぐのところに発着所でお世話になった商会の人たちを見つけた。

どうやら道中の魔物の討伐にも成功したようで、発着所では見かけなかった大きな魔獣の毛皮や角を荷台に積んでいた。

彼らの無事に少しホッとしつつ、精霊術師は宿に向かった。しかし、精霊術師は宿泊を断られてしまった。

宿屋「悪いねえ。交易に来た人たちで部屋が埋まってしまうんだよ」

精霊術師「いつもこんなに人がいるんですか?」

宿屋「いいや、今だけだね。なんせ近々聖都で女神の降誕祭があるから」

精霊術師「降誕祭?」

宿屋「ああ、一年で一番大きい祭りだよ。昔女神さまが降誕された日を皆で祝うんだ」

精霊術師「なるほど、それで。どこか空いていそうな宿はありませんか?」

宿屋「この街は宿屋自体多くないからね。教会を訪ねてみたらどうだい? お布施と祈りを捧げれば一宿の宿くらい貸してくれるさ」

精霊術師「そうします」







精霊術師は街中の教会へ向かった。教会はそこまで大きいわけではなかったが、綺麗にされていることが一目でわかった。夕方になる頃であるためか、教会から蝋燭の灯りが漏れていた。

精霊術師は静かに扉を開けて教会に入った。

長椅子が並び、正面に女神像が祀られている。礼拝堂と言ったところか。中は奇妙なほど静かだった。神聖な静謐さではなく、不気味な沈黙だ。


精霊術師「どなたかいらっしゃいませんか」

司祭「こんばんは、お嬢さん。こんなお時間に礼拝ですかな」


傍の扉から男が出て来た。精霊術師よりいくつか年上というくらいで、白く瀟洒な司祭服を着ていた。


精霊術師「いえ、今夜泊まれる場所がなくて、空き部屋を貸していただけないかと」

司祭「そういうことですか。快く止めて差し上げたいところですが……」

精霊術師「やはり信徒でなくてはいけませんか」

司祭「そうではありません。教会側に問題があるのです。実は今朝から食物庫で物音がしまして、悪霊の類かと【祈祷】を行ったのですが、効果がありません」

精霊術師(問題を解決するか、今日は路地裏で野宿するか……)

精霊術師(【精霊の導き】で決めてもらおう)



安価↓1
教会の問題を解決する
路地裏に場所を探す
その他



精霊「教会の問題を解決するといいお。路地裏で寝るのは危ないお」

精霊術師「わかった」


精霊術師「私は精霊術師です。【祈祷】でどうにもならない問題なら私の専門かもしれません」

司祭「なんと、今時珍しい。では、お力をお貸し願えませんか」

精霊術師「はい、ではさっそく食糧庫へ向かいましょう」


精霊術師と司祭は、教会の食糧庫へ向かった。非日常的な雰囲気の礼拝堂とはうって変わって生活感の漂う部屋を通りぬける。部屋にいた待者が精霊術師をいぶかしげに見たが、司祭がつれていることもあってすぐに笑顔で会釈した。

階段を下って食糧庫へ着いた。食糧庫は地下特有のひんやりした空気が漂っていた。静かな食糧庫のどこかから、壁をひっかくような音が聞こえてくる。


司祭「ここです。音はこの下から聞こえてくるのです」


食糧庫の隅に近づくと、司祭は石畳の床を示した。そこには聖印と供物が置かれており、はっきりと力のある【祈祷】が行われたことを示していた。しかし、床からは確かに音がしている。


精霊術師「どう考えても何かいますね。【祈祷】で効果がないのなら悪鬼か害獣、妖精、それか私の知らない何か」

司祭「精霊術師さんとしてはやはり妖精が最も楽なのでしょうか?」

精霊術師「害獣が一番楽ですね。その次が妖精です。ところで、床ははがしても?」

司祭「この際仕方ありません。遅いか早いかの違いです」


精霊術師は石畳の隙間に蔦を這いずりこませて石畳を持ち上げた。

そこには地下への穴が開いていた。

地面の中へつながる穴は、子供がちょうど入れるくらいだ。自前のカンテラを灯し、杖の先に引っ掛けて穴の中の様子を伺う。どうやら穴は少し降りたところで横に広がっているらしかった。精霊術師ならば屈んで進めるだろう。


精霊術師「結構深くまで続いていそうですね」

司祭「一体何がいたんでしょうか。逃げたということは、臆病な者だったのですかね」

精霊術師(さて、横穴の奥に何がいたものか)

精霊術師(慎重になるべきところ、【精霊の導き】)


安価↓1
1:一人で穴に入る
2:司祭と穴に入る
3:その他 もっと調べる。罠を仕掛ける。精霊術を使うなどなんでも



精霊「一人で向かうべきだお。狭い道を二人で歩くなんて寧ろ危ないお」

精霊術師「わかった」




精霊術師「穴は私一人で探索しましょう」

司祭「危険では? 私もお供しますよ」

精霊術師「いえ、中は狭そうですからね。一人で向かったほうが動きに支障が出ないと思います」


そういうと、精霊術師は穴の側に一輪の野花を咲かせた。


精霊術師「この花が散ったら穴には入らず助けを呼んでください。私が気絶したか死んだということなので」

司祭「わ、わかりました」


精霊術師はそれだけ告げると身軽に穴に降りた。

杖の先にかけたカンテラで穴の先を照らす。穴はカンテラの光が届かないほど奥に続いていた。自然にできた穴ではなく、何者かが掘った穴のようで意外にも壁面は滑らかだった。

精霊術師は慎重に奥に進んでいくと、途中で穴が枝分かれしているようだった。

右は若干上に、左は若干下に向かっているようだった。加えて言えば右の穴からは風も感じる。

精霊術師(どっちに進むべきかな。【精霊の導き】)

安価↓1



精霊「右に向かうといいお。風が吹いているならきっと外に繋がっているお」

精霊術師「わかった」



精霊術師は右の穴に進むことにした。緩やかに上る穴を進んでゆくと、段々と声が聞こえて来た。がやがやと騒がしい、人の声だ。

穴の終点には木の板があった。人の声は木の板の向こうから聞こえてきている。それに明かりも漏れていた。精霊術師は木の板によって隙間から覗き込んでみた。

精霊術師(これは、どこかの酒場? それも厨房の裏みたい)

木の板の向こう側の部屋は、食料で溢れていた。箱一杯の野菜、果物、棚に置かれたパンやチーズ、天井からつるされた腸詰。それらに囲まれて包丁をせわしなく動かす料理人たち。

精霊術師の覗いている木の板は、彼らからみると死角になり、こちらからは全体を見渡せるような、巧妙な位置にあった。

精霊術師(今ならバレずに引き返せるし、木の板を破って彼らに穴の存在を知らせることもできる)

精霊術師(どうするべきか、【精霊の導き】)

安価↓1
引き返す
知らせる
そのたなんでも



精霊「しばらく様子を見るお。何事も観察が大切だお」

精霊術師「わかった」


精霊術師が厨房を覗いていると、忙しそうな彼らの会話が聞こえて来た。


料理人1「やっぱりこの時期は忙しいな。おかげで繁盛しているが、休む暇もない」

料理人2「全くだ。降誕祭さまさまだよ」

ウェイトレス「マイドレシッシの香草焼きとペペトのサラダ、パンとエール五人分追加でーす!」

料理人1「ああ、また注文だ」

料理人2「こんなにバンバン注文してホントに食いきれんのかねえ?」

料理人1「商人は傭兵みたいに喧嘩騒ぎを起こさないのはいいが、胃が小せえからな。ったく、最近は変に食料が減るしよ」

料理人2「先月は大変だったなあ。俺たちが疑われて、危うくクビだ」



精霊術師が料理人たちの会話に耳を傾けていると、背後からカサカサと音がした。

振り返ってカンテラを向ける。

そこには、通路に一杯のネズミがいた。それも子供の膝丈くらいの大きなネズミだ。


精霊術師「くっ、油断した……」


安価↓1
1:【攻撃】7で蹴散らす
2:【防御】5(+1)(+3)でとどめる
3:【異変】6で眠らす
4:その他の選択

1,2,3、はそれぞれネズミたちとのコンマ判定になります。


精霊術師「なるべく穏便に、音を立てずに済ませるにはこれしかない」

精霊術師【異変:夢見の精霊術】6+安価↓1コンマ一の位
ネズミたち【耐性:持ち前の代謝】1×安価↓コンマ一の位


精霊術師【異変:夢見の精霊術】6+3=9
ネズミたち【耐性:持ち前の代謝】1×7=7


精霊術師は杖を構え、迫りくるネズミたちに精霊術を放った。

白煙が穴の中で爆発的に広がり、煙を吸ったネズミたちに強烈な眠気を催させる。ネズミたちは即効性の殺鼠剤を飲んだかのようにコテンコテンとその場でねむりはじめた。


料理人1「あれ……、なんか眠気が……」

料理人2「ああ、俺もだ。働きすぎか?」


風に乗って厨房まで精霊術の効果が表れてしまったらしい。まあ、それほど大ごとにはなっていないようだし、大丈夫だろう。

精霊術師は眠りこけているネズミたちを踏みつぶさないように歩き、枝分かれの道までもどった。

精霊術師(さて、いったん司祭さんに報告するか、このまま左を探索するか。【精霊の導き】)


安価↓1
報告する

その他なんでも


精霊「左へむかうお。わざわざ戻る必要もないお」

精霊術師「わかった」



精霊術師は左の穴へ向かった。相変わらず綺麗に掘られた土の壁が続いている。

若干下りになっている穴を進んでいくと、またも声が聞こえて来た。しかし、今度は人間ではなく、ネズミのキーキーという甲高い鳴き声と、それに混じった少年のような声だった。

更に先に進むと、穴が途中で広がり大きな空間に出た。精霊術師が直立しても天井とはこぶし一つ分の余裕がある。

カンテラを掲げて空間を照らすと、そこにはたくさんの食糧、たくさんのネズミ、そして人間の子供程度には大きい巨大ネズミが一匹いた。ネズミたちの本拠地のようだ。

巨大ネズミ「……人間、なんでここが!? 今までバレる気配もなかったのに!」

ネズミたち「キーキー」

巨大ネズミ「なんてこった! またあの問題児たちか! いつも無茶な穴掘りはやめろって言ってるのに。教会の床は石畳だからダメって言っていたじゃないか!」


頭を抱えて唸る巨大ネズミ。精霊術師の聞いた少年のような声はこのネズミが発しているようだった。彼はうんうん唸って精霊術師のことは頭から抜けてしまっているようだ。取り巻きのネズミたちもうろたえている。


精霊術師(……まさかこんなのが潜んでいたなんて。知恵をもったネズミ、獣と精霊のハーフ?)

精霊術師(戦ってもいいけど、この数のネズミを相手にするのは骨が折れそう。人の言葉を介すみたいだけど、相談したとして落としどころがあるかあ不安だ)

精霊術師(【精霊の導き】を使おう)

安価↓1
1:問答無用で【攻撃】を仕掛ける
2:牽制のつもりで【異変】で眠らす
3:優しく声をかける「あなた達はここで何を?」
4:きつめに警告する「今すぐここから出ていけば命まではとらない」
5:その他



精霊「優しく声をかけるお。慈愛の心を忘れてはいけないお」

精霊術師「わかった」




精霊術師「あなたたちはここで何を?」

巨大ネズミ「はっ! 人間、俺たちは悪いことしてないんだ。いや、確かに食料はとったけど……」

精霊術師「責めてるわけじゃないから、落ち着いて。あなたたちここで何をしてるの?」

巨大ネズミ「何って、生活してるだけだよ。ちょっと食料を拝借して、食って、寝て。ネズミってそういうもんでしょ?」

精霊術師「昔からこんな場所で? 今まで相当うまく隠れてたんだね」

巨大ネズミ「そだよ、僕たちは昔から街の地下に住んでたんだ。家族が大きくなったのは最近だけどね」


そういって巨大ネズミは周囲のネズミを喘ぎ見た。


巨大ネズミ「なあ人間、僕たちのこと、もう町中に知られているのか? たくさんの人間が穴の中に炎を放つのか?」

精霊術師(ここまで話ができるなら正直に話してもいいし、はったりでも通用しそう。【精霊の導き】)

安価↓1
1:事実を伝える「まだ私しか知らない。でも、教会の人は穴に気づいてる」
2:嘘で立ち退かせる「酒場の人も気が付いている。すぐに駆除が始まる」
3:嘘をついていったん帰る「私が興味本位で来ただけ。好奇心も満たせたし帰るよ」
4:その他 

精霊「真実を伝えるお。誠実さが交渉のひけつだお」

精霊術師「わかった」



精霊術師「まだあなたたちの存在は私しか知らないと思うよ。でも、教会の人は穴があることに気が付いてる。それで私が来たわけだし」

巨大ネズミ「むむむ、そうなのか。つまり、人間が黙っていてくれれば僕たちはこれからもここで暮らせる、のか?」

精霊術師「黙ってるのは難しいよ。私は帰ったらこの穴の説明をしないといけないわけだし」

巨大ネズミ「じゃあ、じゃあ、僕たちのために嘘を付いておくれよ、人間」

精霊術師「嘘?」

巨大ネズミ「そうさ、ここにワームの死体があるんだ。僕たちの住処を荒らした奴さ。これを見せてさ、こいつがいたんだって言ってくれよ」


巨大ネズミの背後にはぶよぶよとした丸太のような虫が死んでいた。口と思われる部分は鋭い牙が不規則に生えていて不気味かつ醜悪だ。


巨大ネズミ「ちゃんとお礼もするよ。ほら、僕の家族がいたずらで持ってきた本なり貴重品なり、もっていってくれていいからさ。どうせ僕たちの平穏には必要のないものだけど、人間にとってはそうじゃないでしょ?」

精霊術師(うわ、このネズミ結構いろいろため込んでるなあ。私としてはどちらでもいいんだけど、【精霊の導き】を使うのが一番悩まなくて楽かな)



どうするか
安価↓1

1:ネズミの提案を受け入れる。あとでお礼安価
2:ネズミの提案を受け入れたふりをする。司祭には本当のことを言う。あとでお礼安価
3:無償でネズミの提案を受け入れる
4:ネズミの提案をきっぱり断る
5:その他なんでも

こんばんは、再開します


精霊「無償で提案を受け入れるお。盗品を報酬でもらったら共犯だお」

精霊術師「わかった」



精霊術師「お礼はいらない」

巨大ネズミ「それは、提案を受け入れられないということかい?」

精霊術師「いや、私はお礼なんてなくても助けるって言ってる」

巨大ネズミ「なんと、こう言っちゃなんだけど、裏はない? タダって怖いんだけど……」

精霊術師「報酬に盗品をもらえないってだけ。もし元の持ち主に見つかったら私が捕まっちゃうよ」

巨大ネズミ「合点がいったよ。その、じゃあ、申し訳ないけど……」

精霊術師「わかってる。ちゃんと嘘つくから、その虫渡して」

巨大ネズミ「ほんとにありがとう。これからは気を付けるよ」


巨大ネズミは心底安堵したように胸をなでおろした。そして、精霊術師の前に長い胴体を持つぶよぶよのワームが運ばれてきた。近くでみると本当に気持ち悪さ際立つ。精霊術師はため息を付くと、ワームを蔦で縛り上げた。




司祭「精霊術師さん、ご無事、で……。そのワームはまさか」

精霊術師「そう、これが穴を掘っていたみたいですね」

司祭「中にいたのは一匹だけですか?」

精霊術師「多分ですけど。穴は殺虫菊の壁でふさいできたのでワームが来ることはないと思います」

司祭「そうですか。何はともあれ問題を解決してくれてありがとうございました」



軽く一区切りなので精霊術師成長安価
↓1成長ポイント コンマ一の位
↓2乱数 コンマ一の位

成長ポイント8
乱数1(【体力】から1づつ振り分け)


精霊術師
【体力】14→16
【攻撃:蔦結の精霊術】7→9
【防御:綿花の精霊術】5→7(+1)(+3)
【異変:夢見の精霊術】6→7
【耐性:萌芽の精霊術】5→6(+3)


精霊術師はその日、教会で一晩止めてもらうことになった。

お布施はしなくていいそうだが、祈りだけは捧げるように言われたので見様見真似で祈った。

夕食を司祭と共にして、蝋燭の灯りの中で腹ごなしの雑談をする。

そして、空き部屋のベッドを借りて寝た。

次の日の朝


司祭「特に旅の行き先を決めていないなら聖都へ向かうとよいでしょう。歩きでも十分降誕祭に間に合うと思いますよ」

精霊術師「親切にどうも。気が向いたら足を運んでみます」



この後の予定↓1
1:街で買い物 手持ち銀貨17枚(前回の報酬から買い物分と気球代を合計銀貨40枚として引いてます)
2:街を出て聖都方面へ
3:街を出て聖都とは別方面へ

続きは明日で。お休みなさい。

生存報告のような更新なのでこれだけです。


精霊術師は聖都へ向かうことにした。せっかく祭りの時期にこの国を訪れたのだ。

よらなければ損というもの。

朝の澄んだ空気の中、精霊術師は街の出口に向かった。

街の出口では、聖都へ向かう商会や巡礼に向かうのであろう信徒の集団、乗合馬車などが、門を出る順番待ちをしていた。

精霊術師(どこかの集団についていけば旅路が楽になるかもしれない)

精霊術師(でも、一人のが気楽だしなあ……)


安価↓1 聖都までどう向かうか
1:商会についていく
2:信徒の集団についていく
3:乗合馬車に乗る
4:一人歩く


精霊「乗り合い馬車でいくといいお」

精霊術師「わかった」


乗り合い馬車は集団で旅ができ、尚且つ一人の気楽さもある。

今の精霊術師の気分にぴったりだった。

乗り合い馬車の発着所つくと、すでに幌の中には何人かの客がいた。

受付の男「いらっしゃい。ここは聖都まで各地を経由する便だ。お客さんどれにのって行く?」

そうして受付の男は行き先の書かれた表を見せてきた。

受付の男「聖都までは銀貨十枚だ。それより前で降りればもっと安くなる」

精霊術師(どこまで乗っていこう。【精霊の導き】)

安価↓1 精霊術師の所持金銀貨17枚
1:聖都まで(銀貨10枚)
2:半分ほど(銀貨5枚)
3:次の街まで(銀貨1枚)

精霊「聖都まで直行だお。にこにこ現金一括払いだお」

精霊術師「わかった」所持金銀貨7枚

精霊術師は銀貨十枚だを受付の男に渡して、聖都までノンストップの乗り合い馬車にのった。

馬車の幌の中には先客がいた。

夫婦と娘の家族、装備に身を固めた男。

聖都につくまでの幾日かは彼等が道連れだ。

精霊術師は会釈をして隅の席へ座った。

まもなく馬車が出発した。

幌の下の所を少し開けて、景色を眺める。

渓谷のような赤茶けた大地でなく、緑の繁茂する爽やかな土地だ。

所々に黒い岩が顔を出している。

樹木は見当たらない。

娘「あれなにー?」

母「あれはね、試練の絶壁よ」

一緒に乗っていた家族の内、娘が馬車の前方を指差した。

そこには壁があった。

遠く景色の遥か先。

高さは雲の上まで、幅は地平線一杯。

それはまるで世界の果ての光景だった。

精霊術師ののった馬車は、数日で絶壁の真下にたどり着いた。

遠目では垂直に見えた絶壁も近くでみると緩やかな傾斜から始まっていた。

それでも絶壁全体からしたら木の根のようなものだ。

斜めなのは初めの少しだけ。

後は垂直。

御者「えー、乗客の皆さん。本日はこの街で一泊します。宿は我々の所有する宿が用意してあります」

御者「私についてきてください」

精霊術師たちは絶壁の麓に築かれた、階段と坂道ばかりの街で一泊することになった。

精霊術師(一人だし特に予定がない)

安価↓1
1:なにもしない。翌日聖都へ
2:街で何かする。自由に記載

精霊「観光するお。なんかあるやろ」

精霊術師「わかった」



精霊術師は折角なので観光することにした。

御者に案内された宿は丁度街の中腹にあり、何処にいくにも不便がない。

絶壁を背負った街は狭い坂と階段ばかりで、露天のようなものはなかった。

その代わりに建物が縦に大きく、一つの建物に数種類のお店というのがこの街の常識らしい。

精霊術師(街にでたは良いけど、どこへいこう)

安価↓1
所持金銀貨7枚 (魔法道具が一つ買えるくらい)
1:酒場
2:魔道具店
3:古本屋
4:神殿
5:その他自由に記載

精霊「神殿にいくといいお。宗教国家の神殿、一見の価値ありだお」

精霊術師「わかった」



精霊術師は神殿に行くことにした。

神殿は坂道を上った一番上、街を一望できる場所にあった。

神殿は絶壁に埋まるようにして立っていた。

神殿に入ると、祭壇や女神像はなく、代わりに大穴が開いていた。

厳粛な雰囲気であまり観光地らしくはない。

大穴の前には幌馬車で一緒になった装備を纏った男がいた。

彼は聖騎士になるために聖都を目指していた人間だ。

数日行動を共にしていたので少しなら事情を知っている。

装備の男「君は幌馬車で一緒になった精霊術師ちゃん」

精霊術師「どうも」

装備の男「君も試練の洞窟が気になるのかい?」

精霊術師「いえ、たまたま寄っただけなので」

装備の男「そうかい。この洞窟はかつて聖騎士を志す者が通らなければならなかった道なのだ」

装備の男「この洞窟は絶壁の上に続いているんだ。出口はそのまま聖都の神殿のなかに続いている」

装備の男「この洞窟から絶壁を登りきったものだけが聖騎士になれたのだ」

装備の男「そう思うと、こう、なんか感じないかい?」

精霊術師「まあ、少しなら。あなたは挑まないの?」

装備の男「古い伝統だからね。今はそんなことしなくても別の試練に突破できれば聖騎士になれるんだ」

装備の男「まあ、挑戦したければ今でも出来るらしいけど、わざわざ危険な試練を挑むなんて愚かだよ」

精霊術師「そう」


精霊術師は装備の男と別れて神殿をでた。


安価↓1

所持金銀貨7枚 (魔法道具が一つ買えるくらい)
1:酒場
2:魔道具店
3:古本屋
4:宿に帰る
5:その他自由に記載

精霊「古本屋に行くお。知識は財産だお」

精霊術師「わかった」



古本屋を見つけるのは少し骨が折れた。

傾斜の街に並ぶ建物には階層ごとに何のお店があるか看板がかかっているのだが、古本屋はある建物に入り地下に降りたところにあった。

建物の外からでは古本屋の存在に気が付けないだろう。

精霊術師も地元民に場所を訪ねてやっと見つけたくらいだった。

古本屋は本で埋まっていた。

本だなが満杯なのは当たり前。

柱の上、地面、階段の段差。

この空間にいる限り手をのばせば本に触れる。

そんな場所だった。

古本屋店主「な、何かお探しでしょうか?」

声を掛けて来たのは前髪で目元を隠した気弱そうな女性だった。

精霊術師(なんの本を読もう?)

安価↓1
1:精霊術の本
2:料理の本
3:聖都の本
4:その他の本 自由記載
5:特に読みたい本はない

精霊「料理の本を読むお。食は人生の喜びの一つだお」

精霊術師「わかった」



精霊術師「料理の本はありますか?」

古本屋の店主「は、はいっ、こちらに」

料理の本は天井の柱に並べられていた。

精霊術師「……あそこですか?」

古本屋店主「あそこです」

古本屋店主はいたってまじめな様子なので、一時的に樹木を柱まで生やして椅子にした。

古本屋店主「ごゆっくりどうぞ」

精霊術師「どうも」

精霊術師(何を読もう)


安価↓1
1:浮遊菌糸類の旨味
2:図解・毒腺の処理入門
3:聖都周辺地域野草大全
4:タイトルを書いてくれたら想像で内容を書く
5:気になる本はなかった

精霊「図解・毒腺の処理入門を読むお。旅先で可食の選択肢が増えるお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は紫色の装丁の本を手に取った。

開くと精巧なイラストと丁寧な説明が書いてあった。


【図解・毒腺の処理入門】

 外敵の脅威から身を守るためにあらゆる生物が手に入れた『毒腺』という器官はとても繊細で複雑です。
 しかし、その巧妙なトラップを取り除いた暁には、ダンジョンで罠の付いた宝箱を開錠した時のように、極上のお宝にありつけることでしょう。

(中略)

 カワズムの毒腺は赤い動脈と青い静脈に繋がっており、正解の血管を切らなければ毒腺が破裂すると考えられています。
 これは間違った認識で、正確にはカワズムの毒腺はどちらの血管を切っても間違いであり、処理するためには喉元のしこりを取り除くことで安全に処理ができるようになります。

(中略) 

 ……巷では聖女様が毒腺料理をお好みであると言われていますが、だからと言って安易に「毒腺料理を作れるようになって神殿料理人になろう」とは考えないことです。
 あなたはまだ毒腺料理の入り口を覗いただけ。
 毒腺料理の世界で慢心や油断は最も強力な毒です。
 まずはあなたの中からその毒腺を抜きなさい。


安価↓1
1:浮遊菌糸類の旨味
2:聖都周辺地域野草大全
3:タイトルを書いてくれたら想像で内容を書く
4:気になる本はなかった


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書き込めない。
何でだろ

精霊「聖都周辺地域野草大全を読むお。雑草という草はないんだお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は表紙に野草のイラストが描かれた本を手に取った。

この本もイラストと説明が書かれていたが、その隣に前の持ち主のメモ書きがあった。


【聖都周辺地域野草大全】

前書き

 聖都は切り立った岩壁の上に栄えており、標高はかなり高い。故に、高所特有の珍しい野草が多くとれる。
 本書では、特に料理の食材として用いられる野草について網羅している。


(中略)


『トリュ』

最も有名な高級食材の一つ、それがトリュ。確かな旨味と独特の歯ごたえ、何より地下茎とは思えぬその神秘的な見た目が特徴だ。一つでも手に入れられたら億万長者になれる。

「やった、ついに見つけた! 俺は億万長者! 勝ち組!」
「俺の手元にはいくつもトリュがある。毎日地面に縋り付いて屈折十年、ようやく群生地を見つけた」
「故郷に病気の母を置いて来たが、これで薬でも買ってやれば兄弟や母も文句ないだろ」
「記念に一つ食べてみたが、そんなに美味しくはなかった。まあ高級食材なんてこんなもんだろ」

『エリクーシンシア』
途轍もない栄養素と薬効を持つ美しい花だ。花びら一つで不治の病も直すことだろう。
しかし探しに行くことはお勧めしない。
この花は切り立った崖にしか咲かないのだ。

「聖都のお貴族様が病に苦しんでこの花を探していた」
「十年かけてトリュを見つけた俺にかかればこの花もすぐに見つかった」
「お礼にお貴族様の娘を貰うことにした」
「美しい女だ。それに優しく甲斐甲斐しく従順。まさに理想の女だ」


『ヨツバクロム』
しあわせを呼ぶといわれる草だ。
なかなか見つからない上に特に味はないが、食べられる。
祝いの席で料理に添えれば喜ばれることだろう。

「俺の結婚式、娘の出産、誕生日、娘の結婚式、幸せな時間にはいつもこの葉があった」
「俺は世界一の幸せ者だ」


『トリュモドキ』
トリュによく似ているが、トリュと比べると葉脈が赤い。
味はトリュと比べるべくもなく、何より麻薬効果があり危険だ。
一口でもかじれば幸せな幻覚に溺れて廃人となるだろう。
トリュを見つけても喜んで採ってはならない




>>250 酉忘れてました。

安価↓1
1:浮遊菌糸類の旨味
2:タイトルを書いてくれたら想像で内容を書く
3:気になる本はなかった

精霊「浮遊菌糸類の旨味を読むお。旨味は美食の秘訣だお」

精霊術師「わかった」

精霊術師はキノコの表紙の本を手に取った。


【浮遊菌糸類の旨味】


 浮遊菌糸類はその名の通り宙に浮くキノコである。奴らは地面に生えるキノコとは違い自らよりより環境を求めて動くために上質な味わいを持ち、さらに空間の制約が少ないため巨大になりやすい。 
 料理人からしたら夢のような食材だ。

(中略)

 私は気が付いたら巨大な浮遊菌糸類に乗って風に流されていた。眼下の地面は遠く、とても降りられる距離ではない。
 食材を採りに来たのにこんなことになるとは……。

(中略)

こうして私は巨大な浮遊菌糸類の中をくり抜いてレストランに改装した。よにも奇妙な空飛ぶレストランだ。
 食材にもなり店にもなる、これも浮遊菌糸類の旨味か。
 風の向くまま気の向くまま漂うお店だが、見かけたときはぜひ寄って欲しい。
 おいしいキノコ料理で歓迎しよう


料理の本は気になるものを読んでしまった。

安価↓1
1:ほかのジャンルの本を読む
2:古本屋を出る

今日はここまで。おやすみです。

料理の本はめぼしいものを読んでしまった。

精霊術師は樹木を元に戻して料理のコーナーを離れた。
精霊術師(なんの本を読もう?)

安価↓1
1:精霊術の本
2:聖都の本
4:その他の本 自由記載
5:特に読みたい本はない

精霊術師「すみません。精霊術の本はありますか?」

古本屋の店主「ありますよ、こちらへ」


精霊術の本は本棚の裏の隠し部屋に置かれていた。


精霊術師「随分厳重に保管されているんですね」

古本屋の店主「あ、いえ、精霊術の本は最近読む人が少なくて、奥にしまっているんです」


精霊術師としては複雑な気分だったが、古本屋の店主に悪気は無さそうだったので黙って本を読むことにした。

少し暗いので、柱に一時的に光るキノコを生やす。

精霊術師(何の本を読もう)

安価↓1
1:【精霊対話第一巻】
2:【代償】
3:【いたずら精霊術】
4:特に気になる本はなかった

精霊「【代償】を読むお。精霊術の危険は知っておくべきだお」

精霊術師「わかった」




【代償】

あるところに精霊魔術が得意な男の子がいた。

名をジャックという。

彼ジャックはその力を使ってたくさんのいたずらをした。

(中略)

ジャックは精霊魔術を使いすぎてしまったのだ。そして何より精霊魔術を侮っていた。

その代償としてジャックの体は、稲の毛皮を持つ狼となってしまった。

(中略)

高名な精霊魔術士に助けてもらったジャックだが、対象として一つの土地に止まると稲畑に変わってしまう体になってしまった。

ジャックは今でも、見渡す限り黄金色の畑を見ると、かつての自分を恥じるのだという。


精霊術師(次は何の本を読もう)

安価↓1
1:【精霊対話第一巻】
2:【いたずら精霊術】
3:特に気になる本はなかった

精霊術の本には特に気になるものはなかった。

精霊術師(そろそろ古本屋を出ようかな?)

安価↓1

1:聖都の本を読む
2:古本屋を出る

精霊「聖都についての本を読むお。これから向かう場所について知っておくのも大切だお」

精霊術師「わかった」


精霊術師「あのー、聖都についての本はありますか?」

古本屋の店主「ありますあります、こっちです」


聖都の本はお店の真ん中の棚を席巻していた。さすがに聖都のそばのお店というだけある。

精霊術師(どの本を読もう)

1:【シスターズ・レビュー 聖歴678年春季】
2:【最弱の聖騎士と言われた僕は聖剣を手に入れて成り上がる】
3:【女神の試練の意義】
4:特に気になる本はなかった。

精霊「【シスターズ・レビュー】を読むお。深く考えてはいけないお」

精霊術師「わかった」


【シスターズ・レビュー 聖歴678年春季】

貞淑で清らかなシスターとヤリたい。

そんなあなたのどす黒い欲望を叶える雑誌、シスターズ・レビュー。

今季はなんとあの有名なシスターも登録されております。

『フローラ・マロ』

聖都西区の小さな教会に勤める彼女。純粋で頑張り屋な彼女は拙いながらも懸命にその体で卑しい我々に奉仕してくれることでしょう。

なお彼女に対して『淫らなセックスは女神の教典に反する』という事実を教えるのはご法度です。
一回銀貨5枚



『エスメル・ダララ』

「体を見れば分かる彼女、エロい」

礼拝に訪れた男性が口を揃えてそういう当雑誌の人気シスター。

その圧倒的な技と肉体であなたを楽園へ連れて行ってくれることでしょう。ただし干からびないように気をつけて。
彼女の気分でお値段は変わります。


『アリア』

あの大聖堂に所属する超人気シスターがついにシスターズレビュー落ち。

次期聖女候補と歌われた彼女もやはり人の子だったということです。

流れるような白銀の髪、澄んだ青の瞳、鈴の鳴るような声。今なら銀貨10枚であなたのものに。

彼女に関しては裏切られたという気持ちのある人も多いことでしょう。その怒りは彼女が受け止めてくれます。体で。

精霊術師(どの本を読もう)


1:【最弱の聖騎士と言われた僕は聖剣を手に入れて成り上がる】
2:【女神の試練の意義】
3:特に気になる本はなかった。

精霊「【最弱の聖騎士と言われた僕は聖剣を手に入れて成り上がる】を読むお。聖騎士になろう」

精霊術師「わかった」



【最弱の聖騎士と言われた僕は聖剣を手に入れて成り上がる】

頬が痛い。

殴られたんだ。

「ぎゃははは、どーしたよ、最弱の聖騎士、レンくーん」

いつも僕をいじめるフランツが腹のたつ声で笑っていた。

「レンくん、大丈夫?」

僕の幼馴染みで聖女候補のアリアが心配そうに声をかけてくる。

アリアは月のような銀髪とサファイアのような蒼眼の美少女だ。百人がみたら九十九人が振り替える。胸も大きいが、幼馴染みの僕は見慣れていて特になにも感じない。

(中略)

僕は回復魔法を唱えた。

「《ヒール》」

「傷が全快して行く!?」

「切れた腕が再生した!」

「なんて力だ、聖女様以上、いや、女神様すら越える!」

なぜか回りの皆が驚いていた。

僕はただ《ヒール》を唱えただけなのだが……。

精霊術師(どの本を読もう)


1:【女神の試練の意義】
2:特に気になる本はなかった。

精霊「【女神の試練の意義】を読むお。こちらは普通にお堅い本だと思うお」

精霊術師「わかった」


【女神の試練の意義】

昨今女神の試練を古い伝統・文化としてないがしろにする風潮は見られる。私はそれに対して警鐘を鳴らしたい。

(中略)

女神の試練 には実際的な効果がある 絶壁を登りきったものには女神の加護が与えられるのだ

(中略)

なぜその事実が重要視されなくなったのか私には疑問でならない。

精霊術師「結構読みふけっちゃった。そろそろ帰ろうかな」

古本屋の店主「あの……」

精霊術師「なんです?」

古本屋の店主「気に入った本はありましたでしょうか? うちの本は銀貨一枚均一ですよ」

精霊術師(長居しちゃったし、なにか買った方がいいかな?)

安価↓1 所持金銀貨7枚
1:なにか買う、タイトルも
2:なにも買わない

一旦ここまでで。
古本屋の話は完全に俺の趣味だったのでおつきあいありがとうございました。
こういうスカイリムの本みたいな要素大好きなんで、今後もやると思います。

精霊術師「料理の本、三冊頂けますか?」

古本屋の店主「はい、お買い上げありがとあございます!」

(所持金銀貨4枚)

精霊術師は古本屋を後にして斜面の街へでた。

夜も更けてきたようで、そこらで明かりが灯り、家族団らんの声や酒場の喧騒が聞こえてくる。

精霊術師(次はどこへいこうかな)

安価↓1
1:酒場
2:魔道具店
3:その他自由に記載
4:宿に帰る(翌日聖都へ)

精霊「酒場にいくお。腹ごしらえがまだだお」

精霊術師「わかった」

斜面の街は聖都へ向かうためのリフトがある街とあって、各地から人が集まりやすい。

だからだろうか、酒場の数も多かった。

精霊術師は折角なので、斜面の街らしい酒場に向かうことにした。

それは階段の酒場だった。

人通りの少ない裏路地の階段に、キャンドルがたてられ、酒と料理を持った人たちが適当に座っている。

精霊術師「すみません。料理はどこで買ったらいいんですか?」

カップル男「観光客の方ですね? 実はお店はその辺にいくらでもあるんですよ」

カップル女「階段の段差、踊り場、民家の窓、お店らしい形はしてないけど、ちゃんと料理が買えるわ」

そう言われて見てみると、確かにいくつも手作り感あふれる看板が出ている。

精霊術師「なるほど、ありがとうございます」

精霊術師(どこで食べよう)

安価↓1
1:階段の段差が窓口になっているお店
2:踊り場に出店しているお店
3:民家の窓がカウンターになっているお店

精霊術師がどのお店でお酒を買おうか悩んでいると、階段の中にいる男と眼があった。

段と段の隙間から顔を覗かせていたのだ。

階段の男「いらっしゃい」

精霊術師「……なんでそんなところにいるんです?」

階段の男「なんでって、ここが俺の店だからさ」

よく見ると階段の中には広い空間があり、厨房のようなものが作られていた。

階段の男「それよりなにか買ってゆくかい?」

精霊術師「それじゃあ……」

精霊術師は肉の照り焼きをそぎおとして野菜と一緒にパンにはさんだものと度数軽めのエールを頼んだ。

(所持金銀貨3枚)


腹ごなしを終えた精霊術師は宿に帰ってきた。

さすがに所持金銀貨3枚では他のお店にはよりづらい。

また何処かでお金を稼がねば。

その日は宿で一泊した。

次の日の朝。

精霊術師は宿の裏手の井戸場で身支度を整えた。

今日は乗り合い馬車と共にリフトにのって絶壁の上の聖都に向かうだけだ。

精霊術師(そういえば、女神の試練には今でも挑めるっていってたっけ)

昨日の神殿での会話を思い出してふと考えた。

安価↓1
1:予定通りリフトで聖都へ
2:女神の試練へ挑みつつ聖都へ

精霊術師は当初の予定通り乗合馬車に乗って聖都へ向かうことにした。

馬車は精霊術士たちを乗せたままリフトに乗った。

さすがに絶壁の一番上までリフト一本で行けるわけではなく、何度かリフトを乗り換える必要があった。

ある程度登るとリフトが止まり馬車が壁面の道を進んで また別のリフトに乗る。

途中絶壁から流れる滝の裏をくぐったり、高山植物のしげる広場で休憩したり、雲を直接浴びたりして、ついに絶壁の上へたどり着いた。

そこは天上の世界だった。

崖っぷちから覗く下界は雲の下にあり、昔の人がこの場所を聖地、聖都として崇めた気持ちも分かる。


聖都は白い石で作られた都市だった。

どこからか豊富な湧き水でも沸いているのか、町中に水路が張られている。

御者「馬車での旅はここまでです。七日後には降誕祭ですので、ご自身の用を済まされた後でも滞在することをオススメします」

精霊術師(さて、無事に聖都についたけど、降誕祭は七日か。それまで何をしよう)

安価↓1 自由に記載

精霊「日銭を稼ぐお。流石に金欠が過ぎるお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は手頃な仕事がないか探した。

聖都では日雇い労働者や精霊術師のような放浪者に対して仕事を斡旋しているのは、酒場ではなく教会だった。

聖都にある教会はどれも広場に面しており、広場に設置された掲示板から仕事を受注するらしい。

精霊術師(どの仕事を受けよう)


安価↓1
【水路の掃除】銀貨2枚
【《ヨツバクロム》十個の納品】銀貨30枚
【大聖堂の補修・高所作業】銀貨40枚
【《トリュ》1輪の納品】金貨1枚(銀貨100枚)

精霊「【大聖堂の補修・高所作業】を請け負うお。観光と仕事が同時に出来るお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は大聖堂へ向かった。

大聖堂とは聖都の中心に聳え立つ巨大な建物で、教皇が政を行う政治施設であり、信徒が祈りを捧げる宗教施設であり、未来の聖職者を育てる教育機関でもある。

しかし、精霊術師を含む多くの来訪者にとっては聖都一番の観光地だった。

精霊術師「街につく前から見えていたけど、間近で見ると圧巻だなぁ」

仰ぎ見た先にあるのは、パイプオルガンのように並ぶ真っ白な尖塔と、それを包み込むように手を広げる女神の像。

女神の威光を嫌でも感じる景色だった。


精霊術師「すみません、掲示板を見て来たんですけど」

守衛「教会の受注票はお持ちですか?」

精霊術師「どうぞ」

守衛「はい、確かに。それでは責任者のもとへ案内しますので、ついてきてください」

精霊術師は守衛の案内で大聖堂を歩いた。

大聖堂の中は総合施設らしく場所によって雰囲気を目まぐるしく変えた。

子供たちがはしゃぎながら廊下を走りそれをシスターが慌てて追いかけていった。

足音が天井まで響く静かな講堂を通った。

観光客でごった返す中庭を過ぎた。

司祭たちが聖都の未来について食堂で語らっていた。

そうこうして精霊術師が案内されたのは、大聖堂の裏手だった。

守衛「責任者さん、新たな人手です」

責任者「人手は助かるが、……女か。【魔法】か【祈祷】は使えるか?」

精霊術師「【精霊術】が使えます」

責任者「珍しいな。しかし、今は珍しさよりも実用性がほしい。使えなさそうなら帰ってもらおう」

精霊術師「わかりました。それで、私の仕事はこれですか?」

精霊術師は女神像の周りに置かれた白い石のパーツを指差した。

白い石は職人の手により、何かの意図をもった形に切り出されていた。

そして、パーツを他の日雇い労働者らしき人達が各々の魔法を駆使して運んでいた。

責任者「そうだ。職人の切り分けたパーツを上で作業しているものに届ける。できるか?」

精霊術師は尖塔を見上げた。

高さは150mほど。

石材に白曜石という軽くて丈夫な石を使ってあるとはいえ、馬車一つ分の大きさともなればそれなりに重たくなる。

精霊術師(余裕を持って届けられるのは六割くらいかな)

精霊術師は樹木を生やして石材を持ち上げた。

安価↓1
精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】9+安価↓1

石材【防御:重量】15

石材と精霊術師の差が1につき報酬が±銀貨10枚

あ、安価はコンマ1の位を見ます。

精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】13

石材【防御:重量】15

報酬:銀貨40→20



精霊術師「く、重たっ」

責任者「ほぉ、なかなかの高さまで上がるもんなんだな」

守衛「精霊術は始めてみましたけど、130m程の樹木をこの一瞬で……」

責任者「大したもんだ。だが、一回の運搬でバテバテではな」

精霊術師「はぁ、ふぅ」

責任者「しかし、人手がほしいのも事実だ。休み休み働いて報酬の半分でどうだ」

精霊術師「それで、大丈夫です」

(所持金銀貨24枚)

修復作業にはそこそこ貢献でき、「都合がつくなら明日も来てくれ」と頼まれた。

精霊術師「流石に疲れた」

一日精霊術を行使して体はくたくただが、まとまったお金が手に入った。

いまなら大抵の施設は利用できるだろう。

精霊術師(どこかにいこっかな?)


安価↓1
1:大衆浴場
2:魔道具店
3:その他自由に記載
4:宿に帰る(次の日へ)



おやすみです。亀更新で申し訳ない

精霊「大衆浴場に行くお。汗を流してさっぱりするお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は大衆浴場に向かった。

大聖堂の中に誰でも入れる温泉があるそうなのだ。

聖都はかなり標高の高い場所にあるが、水源は豊富である。

大聖堂の尖塔にある一見神殿のようにも見える場所が大衆浴場だった。

受付「ようこそおいでくださいました。沐浴用の服はお持ちでないですよね?」

宗教の国とあって、同性の間でも無暗に肌を晒さないらしい。

精霊術師「はい。それと、着替えの服も借りられますか?」

大衆浴場には衣類を洗える場所があるらしい。

精霊術師はそろそろ泉や小川の水以外で服を洗濯したかった。

受付「ええ、大丈夫です。では入浴、服貸し出し、合わせて銀貨三枚のお布施を」

精霊術師「わかりました」

(所持金銀貨21枚)

沐浴用の服は簡素で薄手、真っ白で肌に吸い付く作りになっていた。

いつもゆったりと余裕のある服を着ていた精霊術師は衣服の密着感が新鮮に思えた。

浴場に入ると、乳白色の湯が広い浴槽に満ちていた。

湯は女神像の持つ壺から絶え間なく注がれている。

呼吸すると湯気の匂いと水気で体内から潤うようだ。

人はたくさんいたが、首元に聖印をかけているかで聖都の人間か否かは判断できた。

湯に浸かると、自然と吐息が漏れた。

全身がじんわりと暖められ、疲れが溶けていくようだ。

精霊術師が天国にいるような気分でいると、声をかけてくる人がいた。


安価↓1
1:聖印をつけたお祖母さん
2:小さな女の子
3:綺麗な女性
4:気のせい(大衆浴場をでます)

1
おかえり

>>300
こんなに早くレスもらえるとはもらえるとは思ってなかったよ。
あったけぇなあ。
ちょっと車運転するんで更新待ってください。

お婆さん「あなたこの辺では見ない顔立ちね。やっぱり降誕祭を見に来たの?」

精霊術師「はい。旅をしているなら寄ったほうがいいと勧められまして」

お婆さん「降誕祭は有名ですものね。私もいつも楽しみにしてるの、でも……」

精霊術師「何かあるんですか?」

お婆さん「あまり大きい声では言えないんだけど。ちょっと雰囲気が不穏なのよね」

精霊術師「不穏」

お婆さん「ええ、大聖堂の修繕がお祭り直前になっても終わっていなかったり、聖女様の近辺も怪しかったり」

精霊術師「そういう情報ってもう巷に出回っているんですか?」

お婆さん「あまり知っている人は少ないわ。お年寄りの情報網よ」

精霊術師「なるほど。では今年の降誕祭はあまり期待しないほうがいいのでしょうか」

お婆さん「あ、あらあら、私ったら水をさすようなこと言って、ごめんなさいね。お話相手が欲しくて野暮なこと言っちゃった。忘れて頂戴」

そういうと聖印を付けたお婆さんは離れて行ってしまった。

安価↓1
1:小さな女の子
2:綺麗な女性
3:大衆浴場をでます

女の子「うう、ぐすっ」

精霊術師「どうしたの? まいご?」

女の子「お母さん、いなくなっちゃった」

精霊術師「そかそか、ほら、泣かないで」

女の子「これ、なあに?」

精霊術師「蓮の花っていう、水面に咲くお花」

女の子「きれー! お姉ちゃん魔法使い?」

精霊術師「うーん、そうだね。魔法使い」

母親「見つけた」

女の子「お母さん!」

母親「心配したわ。この方は?」

女の子「お花の魔法使いさん」

母親「そうなの。娘がお世話になりました」

精霊術師「いえ、大したことではないので」

母親「花を操る魔法ですか? 珍しいですね」

精霊術師「本当は精霊術なんです。花ではなく植物全般は操れます」

母親「植物全般ですか!?」

精霊術師「え、ええ。そんなに驚くことでしょうか?」

母親「はい、あまりにもタイミングが良かったので」

精霊術師「というと?」

母親「実は、降誕祭のために街を花で飾りたいのですが、花が足りないんです。あなたなら、一日でお花をいっぱいにできるかも、と思いまして」

精霊術師「確かに、出来ないことはありません」

母親「素敵! もしよければ明日、聖都西区の教会へ来てくれませんか?」

安価↓1
1:快諾する
2:行けたら行く
3:明日は用事があります

精霊「受けるといいお。丁度いい働き口だお」

精霊術師「わかった」




精霊術師「私も丁度仕事を探していたんです。西区ですね」

母親「助かります。では明日。待っていますね」

精霊術師「はい」

女の子「またね、お花の魔法使いさん」

精霊術師「またね」

安価↓1
1:綺麗な女性
3:大衆浴場をでる

女性「ちょっとよろしいですか?」

精霊術師に綺麗な女性が声を掛けて来た。

沐浴用の服とは少し違う服を湯煙で透けさせている。

精霊術師「はい」

女性「湯に疲れたらオイルマッサージなんてどうです? お肌がしっとりしますよ」

精霊術師「えっと……」

女性「それに、教会で作られたオイルを使いますので神聖な加護も付きますよ?」

精霊術師「そういうのは……」

女性「いまは降誕祭の準備期間ですので、いつもは銀貨15枚のところを10枚にしておきますよ」

安価↓1
1:お願いします
2:もう少し安くなりませんか?
3:遠慮しておきます。

今日はお休みなさい

精霊「受けるといいお。お肌は乙女の魂だお」

精霊術師「わかった」

(所持金銀貨11枚)


精霊術師はサウナのような個室に案内された。

焼き石と蒸気で程よい湿気が保たれており、室温も少し暖かい程度で丁度いい。

マットが引かれており、精霊術師はそこにうつぶせにさせられた。

沐浴用の服は骨盤の左右でひもで結んでいるだけなので、簡単に解ける。

女性「では背中から、失礼いたします」

精霊術師「んっ」

少し冷たいオイルが湯で暖められた体に沁みる。

しかしマッサージの腕は確かなようで、そのまま寝てしまいたいくらいには極楽だった。




最近成長安価していないのでここで強引に挟みます。

安価↓1 成長ポイント
安価↓2 振り分け乱数

成長ポイント4
振り分け乱数0(体力全振り)


【体力】16→20
【攻撃:蔦結の精霊術】9
【防御:綿花の精霊術】7(+1)(+3)
【異変:夢見の精霊術】7
【耐性:萌芽の精霊術】6(+3)

女性「はーい、お仕舞いです。よかったら明日もいらしてくださいねー」

精霊術師「ん……、はい」


大衆浴場を出た精霊術師は、借り物の衣類に身を包んでいた。

聖都の雰囲気にあった、白を貴重とした揺ったりとした服だ。

キトンと言うらしい。

衣服は明日まで借りてよいとのことなので、今日はこのまま宿で泊まることもできるし、都を歩くことも出来る。

1:水路のゴンドラ市場
2:魔道具店
3:自由記載
4:宿に止まる(明日へ)

精霊「ゴンドラ市場に行くお。観光名所の一つだお」

精霊術師「わかった」



標高の高い場所にあるにもかかわらず、聖都は水が豊富だ。

それ故に街中の公共交通機関の一つに水路とゴンドラがある。

夜になると、観光案内や郵便、そういった仕事で水路が使われることがなくなるため、水路にゴンドラを止めて作られた市場が開かれる。

精霊術師が水路に向かうと、たくさんのゴンドラと人でにぎわっていた。

白を基調としたゴンドラの上にはお土産屋さんや料理屋台のような定番のお店から、占い師や出張教会など変わり種も見られる。

それらを水路に流された燈篭が暖かい色で照らしていた。

ゆったりと流れる水のような、落ち着いた時間の流れる空間だった。


精霊術師はどうする?
安価↓1
1:お腹を満たす
2:面白い噂や話を求める
3:ただ落ち着ける場所を探す
4:自由記載

精霊「落ち着ける場所を探すお。夜風に当たりたいお」

精霊術師「わかった」



精霊術師は水路の脇を歩きながら落ち着ける場所がないか探した。

しばらく歩くと、枝分かれした細い水路にゴンドラが止まっていた。

漕ぎ手は厚手のローブを纏った人で、性別は不明だ。

気になった精霊術師は話しかけてみることにした。

精霊術師「これは何のゴンドラなんですか?」

漕ぎ手「お店じゃありませんよ。 ちょっとゴンドラの練習をしているんです」

精霊術師「練習、ですか」

漕ぎ手「はい、ゴンドラでお店を開くには認定書をとらないといけないんですけど、ゴンドラの実技試験もあるんですよ」

精霊術師「なるほど。じゃあ、休憩の邪魔しちゃったかもですね」

漕ぎ手「いえ、もうそろそろ再開しようと思っていたところなので。あ、良ければ練習に付き合ってもらえませんか? どこにでも連れて行きますよ、乗り心地は保証しませんけど」

精霊術師「それじゃあ、お願いしようかな」






漕ぎ手「どこまで行きたいですか?」

精霊術師「静かで、落ち着ける場所」

漕ぎ手「おっと、急に難題ですね。んー」

精霊術師「難しかったらいいんですけど」

漕ぎ手「いえ、いい場所を思い出しました」


漕ぎ手はゴンドラを動かした。

認定書とやらを持っていないと言っていたが、水路をすべるように渡る技術は上等なものだった。

水路の裏路地ともいえるような場所をすすみ、たどり着いたのは大聖堂にたつ女神像の裏手だった。

大聖堂は街の中にあって湖の上に立つように作られている。

なので、その裏手と言えばもちろん、かなり広い水の空間だった。

燈篭はほとんど見当たらず、星明りも届かない。

ぬらりとした水面に自分たちだけが浮かんでいるようだった。

漕ぎ手「つきました」

精霊術師「……確かに静かだけど。これは何というか、寂しい?」

漕ぎ手「一見、そう見えるでしょ?」


漕ぎ手は得意げにそういうと、舟の先端にランタンを取り付けた。

中で燃えているのは青白い炎だ。

漕ぎ手はそのまま少し先に漕ぐと、今までは姿も形もなかったのに、突然暗闇の中から青白く光るランタンを取り付けたゴンドラが現れた。

それも一つではない。

表の水路に引けを取らない数のゴンドラがそこにいた。


漕ぎ手「不思議でしょう。この光は一定の距離までしか届かないんです。だから、遠くから見ていてもこのゴンドラは見つけられない」

精霊術師「ちょっと驚きました。でも、なんでこんな隠れるようなことを?」

漕ぎ手「もちろん、隠れないといけないようなことをしているからです」


漕ぎ手の話によると、ここにいるゴンドラは今の聖都の法律に引っかかるような商売をしているという。

焚書されかねない本を売るゴンドラ、男女の愛を確かめ合うゴンドラ、禁止されている毒腺料理のゴンドラ、異教徒が祈りを捧げるゴンドラ等。


精霊術師「こんなところにいて、つ、つかまったりしないかな」

漕ぎ手「大丈夫です。ここには聖都のお偉いさんとかも来てますから」

精霊術師「……なるほど」

精霊術師たちの乗っているゴンドラに、別のゴンドラが近づいてきた。

そのゴンドラからは不思議な甘い香りがした。


怪しい女性「お客さん。私特性の煙草はいかが? すっきり落ち着くわよ?」

漕ぎ手「あ、一箱ください」

怪しい女性「どうも。……あなたは?」

漕ぎ手「別に害があるものじゃないですよ。聖都で売ることが禁止されてるだけです。宗教上の理由で」



安価↓1 (所持金銀貨11枚)
1:キセル+お洒落な煙草の箱(銀貨10)
2:キセル+瀟洒な煙草の箱(銀貨7)
3:キセル+素朴な煙草の箱(銀貨5)
4:遠慮しておきます

今日のところはこのくらいで寝かせてもらいます。

精霊術師「私は遠慮しておきます」

怪しい女性「あら、残念」

女性さして残念そうでもなくゴンドラを動かした。

一定の距離で闇に呑まれるように姿が見えなくなる。

漕ぎ手「もしかしてここの雰囲気が合いませんでしたかね。慣れると居心地はいいんですけど」

精霊術師「実はそうかも」

漕ぎ手「案内失敗しちゃいました。じゃあ別の場所に行きますか。練習に付き合ってくださった分はちゃんと要望に応えますよ」

そういって漕ぎ手が連れて来たのはゴンドラ市場の賑わう水路。

その傍に立つ時計塔の真下だった。

漕ぎ手「この時計塔の上とかどうです? たまに座っている人影を見ますし、静かだと思いますよ」

精霊術師「ありがとう、行ってみます」

漕ぎ手と別れると、精霊術師は時計塔の中に入った。

見上げると、大きな歯車や振り子がゆっくりと時を刻んでいる。

頻繁に人が来るわけではないようで、空気が少し埃っぽかった。

脇にあった梯子に足をかけ最上部まで登る。

最上部は大きな鐘が吊るされているのみで他には何もなかった。

縁に腰かけると、聖都が一望できた。

白を基調とした街並みに橙色の光の河が張り巡らされている。

ゴンドラ市場の賑わいも遠くに聞こえ、夜風は涼しく吹き抜けてくる。

精霊術師(……遠くから眺めてるのが一番落ち着く)

ホッ一息付けた精霊術師は、しばらくそこで街並みを眺めて過ごした。

さすがに眠たくなってきた。

精霊術師は宿に戻って明日に備えることにした。






次の日。

宿の朝食を頂き、裏手の井戸場で身なりを整えると、精霊術師は聖都の西区に向かった。

昨日大衆浴場で出会った女性と約束した街の飾りつけを行うためだ。

言われた通り西区の教会へ赴くと、昨日の女性が迎え入れてくれた。

昨日の女性「お待ちしておりました。改めましてわたくし、西区の婦人会会長です」

精霊術師「精霊術師です。よろしくお願いします」

婦人会会長「それではさっそく、街の飾りつけについてお話ししましょう」

婦人会会長「範囲は西区の四分の一。報酬は基本銀貨10枚で、出来によって追加報酬、でどうでしょう」

精霊術師「十分です」


【異変:夢見の精霊術】7+安価↓1

【耐性:石畳、壁、屋根、その他】10


10以下で失敗

今日はこれだけ

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