【モバマス】P「晶葉のサイン」 (13)

P「お仕事お疲れ様、晶葉」

晶葉「うむ。今日はこのインタビューで終わりだったか、Pよ」

P「そうだな、あとはもう事務所に帰るだけだ」

晶葉「ふー、さすがにこうも仕事が続くと天才といえど疲れるな」

P「ははっ、まぁ大きいライブをやったあとだしな。晶葉も成長したもんだ」

晶葉「そうだなぁ、Pと出会って色々成長したな。色々と……身体とかも……」チラッ

P「おっとそうだそうだ、ちひろさんから頼まれごとがあったんだ」

晶葉「むーっ」

P「これ、なんだか知らないが急に1枚だけでいいからサインを書いて欲しいって事務所に人が来たらしくてな」

晶葉「ほう、悪い気はしないが……何か事情でもあるのか?」

P「いや、俺にもよく分からないんだが……とにかく頼む」

晶葉「どれどれ、じゃあ……ロボ書いて、はい、と」

P「……晶葉のサインってよく出来てるよな」

晶葉「そうか? 絵心はそんなにある方ではないんだが」

P「いや、ロボの方じゃなくて、イニシャルがA・Iで、それがロボに入ってるってのが」

晶葉「あぁ確かに。あんまり意識はしてなかったんだが」

P「意図してなかったのか」

晶葉「あんまり。長々しく名前を書くのも面倒だしな。画数が多いんだ」

P「それは確かに」

晶葉「しかし皮肉なものだな。父がくれた名前のイニシャルを書けばAIなのに、私自身はロボ作りばかりでそちらは専門外。もしかして本当はそっちに進んで欲しかったとか……」

P「いやーそれはどうかな」

晶葉「?」

P「晶葉ってさ、いい名前だよな」

晶葉「どの辺が? 池袋にアキハ、だから秋葉原から取ったなんて言われたりしたこともあるぞ」

P「いやいや、漢字を見れば分かるよ。"晶"ってどういう意味か知ってるか?」

晶葉「水晶の字だな……意味は分からないが」

P「まぁ鉱物を表すという点ではそうなんだが、それ以外に"きらきら輝くもの"という意味もあるんだ」

晶葉「きらきら、輝く……」

P「それに"葉"は、もちろん普通の葉っぱの意味もあるけど、そこから転じて脈々と受け継がれるもの、積み重なっていくもの、なんかも意味していると言われている」

晶葉「……ということは?」

P「お父さんはさ、きっと晶葉がロボを作ってくれて嬉しいんだと思うよ。こんな凄いロボを作れるようになって、更にはアイドルになでまって、いっぱいキラキラしてる」

晶葉「……!」

P「だからさ、イニシャルは人工知能のAIじゃなくて……"愛"なんじゃないかな」

晶葉「っ!」

P「愛されているさ、晶葉は。お父さんにも俺にも、ファンのみんなにも」

晶葉「そうか、私のサインのAIは……みんなに愛を届けられていたのかな。ふふっ、助手、いやPよ……さすが私の隣に立つものだなぁ。また私は一歩前に進めた気がするよ」

P「そりゃよかった。うん、晶葉がやり遂げたと思うまで、そばにいるさ」

晶葉「ありがとう……このタイミングでサインを依頼してくれた人にも感謝だな」

P「あぁ、そうだな。なんでも変わった人だったとちひろさんが言ってたな。白衣を着てたって」

晶葉「……まさか! ……ふふっ、まぁそうであってもなくても構わないさ。さぁ、P! これからも天才ロボアイドルとして一緒に頑張っていくぞ!」

以上、選挙応援SSでした

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