タイトル通りの内容です
「ふっ、くっ……ん、先輩……うます、ぎっ……おっ、ぅぁっ……」
「そう……なら早くイキなさいよ」
どうでもよさそうな台詞とは裏腹に、女の手付きは巧みながらもあくまで優しく、少年のモノを適度な力で握り扱いていた。
そこは薄暗いオレンジの照明に照らされたマイルーム。
ベッドに裸で横たわる少年のマスターへと、女が抱き合うようにして奉仕を行っている。
マスターの顔は常にないほどに表情が緩んでしまって気持ちがよさそうだ。
しかしそれはしょうがないことだろう。
抱き合っている女――虞美人があまりに美しく魅力的であったからだ。
まるで神がそうあれかしと生み出したかのような整った容姿は、歴史上のどんな美姫にも劣らないほど美しい。
身を覆うほどの長く広がった髪は墨を溶かし込んだかのように黒く、でも黒曜石のごとく艶めいて輝いている。
染み傷一つない均整のとれた、かつ女性らしい丸みある肢体は何一つ無駄も不足もなく、自然が黄金率に則って生み出したかのようだ。
紐と帯のような黒布だけを纏った裸同然の身体を褥で見てしまえば、マスターに限らずどんな男であっても
むしゃぶりつきたくなるような色気を漂わせていた。
「おまえ、今日はなかなかしぶといわね。はぁ……面倒ね」
難点を言えば、どこをとっても最上級の女である虞美人であったが、その表情だけは男へ奉仕しているという風ではなく
面倒そうに眉間に皺を寄せているとこだろう。
薄い藍色をした瞳の呆れたような冷えた視線が、ほんのわずか魅力を損なっていた。
もっとも、現状奉仕をされているマスターにとっては些細な事で、欲情が覚めるなんてありえない。
人によってはそれがいいと思うのかもしれない。
間近にある女の甘い匂い。億劫そうながらも美しく整った容姿。胸板に押し付けられた豊かな膨らみ。
少し低い体温が艶やかな肌からしっとりと伝わってくるのが心地良くも興奮をもたらしてくる。
「あんまり持たないから……キスしながら扱いて……」
「はいはい……んっ……」
表情とは裏腹に、素直にも言う通りに唇を差し出して口づけてから口内へと舌を滑らせる。
舌を触れ合わせて、マスターはぞくっとした悦を感じた。
事務的なようで案外熱心に舌を使ってきて、粘膜を絡み合わせる快感と唾液の味にどこか透明な甘みを感じる。
人ではないからなのか、虞美人であるためかはわからないが唾液すら美味しく思えた。
甘味のある果汁を薄めたかのような味わいを飲みこめば、清廉な潤いが興奮と共に内へと広がった。
マスターは知らない知識ではあるが、中国の伝説にある桃娘という存在と似たものかもしれない。
それとも美しい女の体液は甘く感じるものなのか。
虞美人は素知らぬ顔でキスを続け、同時に猛った肉を白い手で擦りながらカリの丸い部分へと重点的に指を擦らせてきた。
男の弱点を突かれ身体が一瞬震える。
敏感な部分を刺激されて、余計な思考や味すらも消えて手の快感だけに意識が集中した。
慣れた手付きで覚えたマスターの弱点を弄ってくる。
マスターの口内をねぶり、逆に吸い付かせながらも手の動きは止まらない。
瞳だけではなく頬をうっすらと染めながらもキスと手奉仕を繰り返し続ける。
「ん、……」
途中、マスターが鷲掴むように胸を揉み出すと乱れが生まれた。
規則的だった手の動きが数秒止まり、舌先がマスターに吸われるがままになる。
やる気があまりなさそうに見えて反応がいいというギャップも堪らない。
十分な大きさを持ちつつも、張りを保った乳房が荒々しい手先によって歪んではふわりと指が沈んでいく。
白粉を振ったかのような滑らかな白肌を揉みしだくのはとても気持ちがよかった。
「やり、にく……いでしょうがっ……ちゅぅ、んぉっ……」
「うっ、ふぅ、はぁっ……」
文句を言いつつも押し[ピーーー]ようにキスを深め、イカせるためにカリ付近へ人差し指と親指の輪で強めに擦り始めた。
ねちゃねちゃと音が鳴り、虞美人の手の中でびくびくっと肉棒が跳ねる。
負けじとマスターのほうも乳房を揉みこむように弄るが、形勢は変わらない。
悩ましいほどに胸が揺れ動き、虞美人が身をわずかに捩らせるが、手淫の攻めは緩まない。
細い指先が醜悪なモノを乱暴とも言える速度で扱いていって、無理矢理に雄を高ぶらせていく。
くちゅっと尿道を指先が擦ると肉棒が手の中でびくついた。
「うっ、く、ぁはぁっ……」
「んっ……」
耐えきれずにあっさりと精を吐き出した。
びくびくと肉が震える中、虞美人は更に扱いて射精を助けていく。
白濁の液が肢体に何度もかかって汚すが気にもせずに、手で残りを搾り取っていく。
その間もキスはやめずに舌と手を丹念に使い、快楽をこんこんと引き出していく。
射精後の気持ちいい時間を持続させて、最後の最後まで気持ちがよく全部を出し切ったのだった。
「だらしない顔しちゃって……男っていつもそう。情けないったらないわねぇ」
「凄くよかったです……」
数十秒ほども経ってから、嘲るような笑みの虞美人に見下されているのにやっと気づいた。
馬鹿にしてる呆れてるというのも多分に混じった笑みではあるが、自分の手でイカせた事に矜持があるようで
マスターを支配している実感のためか、唇が美しく弧を描いている。
ただ、ふふんと擬音がつきそうな笑みはどこか子供っぽくて、先程までとは違った魅力を感じさせた。
得意げな表情は超常の仙女とは思わせない親しみやすさがあるのだ。
生活を共にするうちに気づいた事ではあるが、数千年の年月を重ねてるにしては怒りっぽかったり、怖がらせようとしたり
案外と迂闊だったりと、言動が直情的で虞美人には裏が無い。
正確には裏を隠しきれない。少し表情が柔らかくなるだけで十代の少女のごとき幼さを表す時がある。
こう見てみると少し年上の少女が、先輩風を吹かしていると言うだけに見えてなんだか可愛らしい。
絶頂の余韻で頭はぼやけているのに、出したばかりのモノが硬度を取り戻していく。
「いつもながら、とことん節操ないわね……若さってヤツ? 出したばかりじゃない」
虞美人の目が細まりジト目を作るが、平常時に比べると険しさはあまりない。
それどころか少し楽しそうな雰囲気がある。
「これは、その、発情期というかそういう感じなんです」
「はぁ? おまえ……まぁ人間っていつもそうよね。期があるだけ獣のほうがまだ律しているわ」
恥ずかしくて誤魔化したのを本気で呆れている風だが、マスターの物欲しそうな顔を見てまたにやりと笑う。
手や身体についていた精液は気づけば吸精され消えていて、その影響かテンションが上がってきているようだ。
「しょうがないわねぇ。貸しにしとくわよ」
「うん。なんでもするから。石もあげるからイカせてください」
「はいはいやってやろうじゃない」
マスターが虞美人に頼んで、聖晶石などと引き換えに奉仕をしてもらっている状況はビジネスライクなもの。
――だけではなかった。
見知った英霊が現界していない虞美人は、いまいち他サーヴァントとは仲良くできないままマイルームへと入り浸っていて
マスターをパシらせながら雑誌を読んだり音楽を聞いたりゲームをしたりと、自室のように気ままに部屋を使われていた。
本人に自覚はなくとも押しかけ同棲している創作物のヒロインのようだ。
ただし、いつもどおりに露出の高い癖、色々無頓着な虞美人が傍にいるマスターは気が気ではなかった。
ベッドに数時間も寝そべったまま、タブレットで漫画を読んでいる所を横から見やれば、胸の膨らみが柔らかそうに
潰れている様や、全く隠れていない背中から腰と尻に流れる悩ましい曲線が生で全部見えてしまう。
というか虞美人が何をしようが、どこもそこも大体見えていて、少々どころじゃない過激さだ。
気にもしてないだろうが、虞美人の香りがシーツに完全に染み付いていた日は眠るのに苦労するほどにいい匂いだったりもした。
そんなある日、ふらふらと誘われるように身体へと手が伸びてしまったのは仕方がなかったと言えよう。
もしもカルデアのマスターほど自制心の強くない少年ならば、数時間と持たないに違いない。
初めて触った柔肌は指が吸い付くような感触で、心地よさが電流のごとく頭の頂点まで走ったのを覚えている。
『なによ? ……ああ、発情しちゃったのね。姿形が似通ってるからって精霊相手におまえ何を考えてるの?
は? えっちすぎてつい? 言い訳ぐらいしなさいよ。なに? 手触りが最高でした?
……知ってるわよ。現代だとそういうのセクハラって言うんでしょう。雑誌で読んだわよ。
全くマスターだからと言って見下げ果てたものね。勝手に発情して勝手に触ってきて欲望を抑える事もできないの?
…………ちっ、私のせいにしようってわけ? はぁ……まぁ、しょうがないわねぇ。
男ってそういう生き物みたいだしね。おまえならまぁいいでしょう。先輩が手伝ってあげようじゃない』
激怒されると思ったマスターが驚愕したのは言うまでもない。
どうやら性的な感覚が人間とは違うようで、服装と同じく自然的とでもいうか、性愛の捉え方も独特のようだった。
マスターとサーヴァントという関係もあるだろうが、性欲が生物というか人間にはあるのだから、それを発散する必要もあるというのを
当たり前のように思っているのかもしれない。
例えるならば、動物の群れ同士がしばしば行う、グルーミングのようなコミュニケーションだろう。
ついでに石を引き換えにして項羽の召喚を狙うくらいの計算はあるようだったが、存外に好感度が高かったようだ。
「今度は口でしてほしい……」
「浅ましいわね。吸血種扱いをされる私の唇でまで欲を貪ろうなんて。
……でも私はおまえのサーヴァントだから。命令されては断れるはずもないわね……」
なじるような物言いだが青かった瞳が赤く不可思議にきらめいていて、虞美人にも高ぶりがあるようだ。
マスターが身体を起こして勃起しているモノを近づけると、目を細めて笑みを浮かべる。
化粧をしていないのに艶やかな色の唇をうっすらと開かせ、ピンクの舌先を覗かせた。
美女が今にもしゃぶりつきそうな煽情的な光景に、嫌でも期待が煽られる。
しかし虞美人は、そのままじっとマスターの顔だけを見上げているだけだった。
いつもしている事なのに何かと焦らしてくるのだ。
「は、やく……し、てください」
「ええ、ええ。端女に拒否権なんてないもの……ん、ぇぉっ……」
つい、命令にも似たお願いをすれば、言い訳のような台詞とともに虞美人が、先端へ唇と舌を触れさせる。
むしろ指示を待っていたかのような従順な様だ。
イったばかりの敏感さが残るそこを粘質の肉がねっとりと這い回っていく。
「ん、ちゅぉっ……ん、れぉっ……ちゅぅっ……れぉるぅ……」
「おぉお、ぁっ……、くっぅ、はぁっ……」
鬼頭を咥えながら吸われると我慢できずに声が漏れてしまう。
暖かな口内に捕らえられたまま、舌肉が裏筋から鬼頭の丸みを確かめるように包み込んでいく。
ちゅぅちゅぅっと音を立てて吸われれば唇と舌がぎゅぅっと先をやんわりと締め付けてきた。
「ん、はぁっ……ちゅ、じゅっ……ぢゅぢゅぅっ……!」
「く、ぁ、っ……!」
そうして更に強く吸われる。
にゅるぅっと引き込まれるように柔らかな唇や舌を通り越して喉元近くまで入り込む。
たっぷりの涎が纏わりついて、強い吸引が肉棒全体を締め付けた。
「ふ、んぅ、じゅじゅっ……! じゅぉっ、じゅっぽ! じゅるるっ! ちゅぽっ!」
「ああ、あっ! は、げしっ! ぅぁっ!」
虞美人は咥えたまま顔を前後に振って肉を扱いていく。
吸引しながら首を振り立てれば、きゅっと唇の圧が先端から竿の半ばまでをぐいぐいと締め付ける。
整った唇が指で握っているみたいに全体を擦っていき、マスターはあまりの快楽に何もかも飲み込まれてしまいそうな感覚を幻視する。
実際、虞美人が本気になれば精どころか生命そのものをエナジードレインできる事だろう。
けれども今は、荒々しさと巧みな技を併せ持った口奉仕によって快感だけが引きずり出されている。
何度もしてもらっているが、いつだって気持ちがよくて声が出てしまう。
「ぁっん、はぁっ……! おまえさっきより大きくなってない? やりにくいじゃない……ん、むぁっ……」
痛いほどに張り詰めた塊を咥え込みながら文句を言うが、抑えれるものではない。
そうなるのもしょうがない。
まるで欲を解き放つ毎に新たな欲望が生まれて、そのぶんの嵩が増しているかのようだ。
十分な大きさを持つマスターの肉竿はより膨れていて、虞美人の奉仕を受けたいと強く主張しているかのように見える。
なにせ眼前にある光景が、あまりにも興奮を駆り立ててくるのだ。
虞美人がそそり立った肉棒へと、かしずくように顔を埋めて口淫を続けてくれている姿はなんともいやらしい。
美しい顔立ちが大きく口を開ける事でわずかに歪み、汚い性器を飲み込んでいく様子は、若干の罪悪感とそれを遥かに上回る支配感がある。
そんな欲求が薄いマスターと言えども、性処理のためだけに女の顔を使っているかのような行為に、腹の裡にある雄の欲をどんどんと煮立たせていく。
「れろぉっ、んぉ、ちゅっぷ……んぅ、え……れろれお……れるぅ……」
「あ、それ……! ベロのうご、き……すご……!」
もっともされるがまま支配されているのはマスターのほうだった。
激しい奉仕に続き、今度は首を引いてモノが口内から引き抜かれると、長めの舌だけで愛撫された。
丸く張った上部の形に沿うように、舌の裏側がねっとりと絡みつき、しとどに涎がまぶされる。
液が垂れ落ちる前に舌が下部へと流れていき、尿道と筋の敏感な所をれろんと舐め上げられとびくんっと竿が跳ねた。
「はぁ、んん……今度ははやそうね……いつでもいいわよ。ん、あむぅっ……れ、ちゅぉっ、ちゅじゅ、ぴちゃぁっ……」
快感でびくついた肉を舌であやしながら、円を描く軌道で愛撫を続ける。
暖かい涎と柔らかな舌の動きが速さを増しつつも優しくて、まるで先端が舌に包まれているかのようだ。
唇を使うやんわりとした圧がカリにかけられながら、部屋中に音が響くほど舐めしゃぶられていく。
ギチギチに張り詰めた先が優しく舌で溶かされていく。
見下ろせば、じっと見つめてくる視線と絡み合った。
笑みが含まれた瞳は、今にも射精を待ち望んでいるというのが伝わってくる。
「あ、出る、出るからそのまま……!」
「ん、むっ!? ん、ぁは……んぇ、んぅんろぁ……じゅぶっ、ぢゅぢゅぶぅっ……」
びゅろろ! びゅくく! びゅびゅぅぅっ!
前触れもなく堤防が崩れて、いきなりに口内発射をしてしまう。
一瞬の驚きを見せるが、虞美人はびくびくと跳ねる肉竿を唇で咥え込んだまま、迸りを舌で受け止めていく。
塊のような精が尿道を通っていく快感に、マスターの表情がほおけたように緩んだ。
何度となく撃ち出される精液の接射が柔い肉舌に当たり広がって、白濁で口内を満たしていく。
舌上で痙攣するように出し続けるモノに虞美人の顔もまたほころんでいる。
射精が続く最中も舌の動きは止まらずに、最後の一滴までをマスターは吐き出していった。
終わってゆっくりと腰を引き、虞美人を見下ろす。
「あ、……んぁ……」
開かれた口内は白い液体で埋め尽くされており、濃厚過ぎて唾液と混ざり切れない糸状の塊が持ち上げた舌の裏側へと幾筋か垂れている。
白い泉に浸かりながらゆらゆらと揺れる桃色の舌はまるで溺れているかのようだ。
けれども虞美人の表情は蕩けるように柔らかく、口内射精を苦どころか快く感じているのが見るだけでわかる。
言われずとも奉仕の成果を見せつけるのは、お互いに興奮する事を知っているためだろう。
「飲んでください」
「ん、くぅ……こゆ……こういう、時だけ……んく、生意気に魔翌力あるんだから…………こく、こく……」
口中で塊を舌で崩しては噛んで、こくん、ごくっと喉を鳴らして飲み込み味わう様子は美酒でも飲んでいるかのよう。
細めた目と堪え切れないように浮かんだ微笑は、叩いた憎まれ口を裏切っている。
「美味しいですか?」
「……はぁ、そう、ね……後輩の魔翌力を直接舌で感じ、味わいながら、飲み下していくのは美味しくて、堪らないわ……
喉が潤って悦んでいるのがわかるもの。相性がいいのかしろ……?
彼らは好きじゃないけれど……吸血鬼らが血に溺れると言うのも少しだけわかるわね……」
しどけなく 唇を舐めながら、どこか酔っているように呟く様子は色っぽくて、どれだけ男を誘う顔をしているか自覚が無いに違いない。
ぞくぞくっとマスターの背筋が震え、普段の穏やかさとは違う欲情が瞳に垣間見える。
飢餓にも似た欲求が、腹の内から不規則な軌道を描きながら脳天へと駆け巡る。
虞美人はやる気がないように見えて、飲精を一度行うと素直な素振りを見せる。
わかっているのかわかっていないのか、男の精液にあてられていると吐露しているのだ。
吸血衝動なんてないはずなのに、他の何ものでもない自分の精液が、美しい虞美人を酔わせ昂ぶらせている。
こんな有様の虞美人を見ていれば、誰だって色欲の渦中に捕らわれてしまうだろう。
「綺麗にして」
「あ、んぁ……はい……ん、ちゅ、ぇ……れろれお……」
それを抑える気もなく命令して、勃起したモノを唇へと押しつけるようにすれば、従順に舌を使い始める。
真横に突き立つようにある先端から幹へと走らせていき、優美なラインの頬が体液で汚れるのも厭わずに舐め清めていく。
ぽぉっとした眼差しのまま、唇をうっすらと花開かせた表情はさながら愛おしい男への口づけ。
舐めるだけではなく唇を触れ合わせるようにしてちゅっちゅっと音を立ててキスを繰り返した。
「は、あぁっ……ん、むじゅ、ぶっ……んじじゅ、ぶ……! るぉ、ちゅぇ……んちゅ、ろぉっ……じゅぶぶっ……!」
続けて鬼頭を咥えていき、唇でカリ付近を締め付けながらも、舌で濾し取るみたいにして先端がねぶられていく。
お掃除というよりは完全に射精させるための舌さばき。
たっぷりの涎が潤滑油となって、咥内がまるでそのための器官みたいに肉竿を包み刺激していく。
「ぁ、ん、むぁぁ……」
そのまま飲み込まれていき、竿の根本付近までが口腔へと入り込んだ。
先が柔らかい喉の壁に触れて、唇が股間へと張り付くほどの密着感。
茹だるような熱を持った狭く狭隘な穴へと肉が完全に嵌まり込んでいる。
狭すぎて余裕もないのに、舌と喉で肉棒全体を舐っていく。
見下ろせば、とろんと蕩けきった瞳のままの虞美人がいた。
誰が見ても喉フェラで感じているのがわかるだろう。
虞美人は四つん這いで顔を向けていて、どこか後背位に似た態勢で口腔をマスターへと開け渡しているのだ。
「先輩、そのまま……」
「ん、ぁ……んぶぁっ……! ぶぶっ、んじゅ……! ふっ、ぅ……! んんぅっ……!」
マスターは虞美人の頭を両手で固定して腰をゆっくりと前後する。
引き抜けば舌上で竿が滑り、たっぷりの涎をまとわりつかせながら唇から半分ほど出てくる。
突き出せばぐりんっと口蓋垂を巻き込んで喉へと抵抗なく埋まり込んだ。
ゼリーにでも突っ込んでいるかのような暖かさと柔らかさを亀頭で感じる。
「あ、ああ……先輩それいい」
「ん、ぉ、こく……んんっ……ん、くぅ……ぐぽっ……」
きゅっ、ぎゅっ、とハマった亀頭が刺激された。
深く飲み込んでいても苦ではないようで、嚥下の要領で扱いてくれていて、きゅんきゅんっと先端が喉肉を締め付けた。
唇と舌と喉で肉棒を味わい、ごくごくと先走りを飲み込んで、その度に幹の半ばから先までが官能的な圧に包まれる。
淫欲に満ちた瞳はザーメンが欲しくて堪らないといった表情。
「んっぉ、んっ、んぁっ……んじゅぅっ……ぁはぁっ……」
根本まで差し込んだままマスターは掴んだ頭を揺らせば、にゅちゅちゅっと喉肉が絡みついてきた。
ほんの少し動かすだけで粘膜が甘く締め付けてくる。
腰を引けば、ぢゅぼっと鈍く湿った音が喉から響く。
窮屈ながらも濡れた喉穴が、肉棒に引っ張られているのだ。
それがいいのか虞美人がびくんと全身を震わせる。
マスターは小刻みに腰を揺らして喉の締まりを丹念に味わっていく。
「……んっ、かはぁっ……! はぁ、はぁはぁっ……あ、はぁっ……んっばぁっ……! んぢぅ、じゅぼっ、じゅぶぉっ……!」
少しだけ呼吸をさせるために引き抜くと、またすぐに挿入する。
虞美人を気遣う必要は特にない。呼吸困難に陥るほどにやわではない。
ただ別のやり方も試したくなっただけだ。
虞美人の頭を掴んでから角度を捻って、シャープな顔立ちが変わるほどに内頬を突いた。
ソーセージでも頬張っているかのように、唇から頬にかけてがモノの膨らみで歪み溜まった涎が暖かくまとわりついた。
脳裏には普段のキリッとはしてるがどこか不機嫌そうな虞美人の顔。
眼下のハムスターが頬袋に餌を溜め込んでるかのごとき様と比べるとそれだけでいきり立つものがあった。
つい頬を肉棒でわざと歪ませながら、歯磨きでもしてるみたいに内から外へと肉先でこね回す。
左右の頬を突き崩して、美しい顔を暴力的に犯す事には、罪悪感とそれ以上に大きな支配欲があった。
しばらく咥内の柔らかさを肉棒全体で味わって引き抜くと、大量の涎がまとわりつきこぼれ落ちる。
「か、ふぁっ、けほ……もぉ……いいとこなのにぃ……意地悪しないでよぉ……早く後輩のザーメンちょうだぃ……」
「先輩……! エロくて可愛い……!」
甘いおねだりは、いつもの虞美人を知る者こそ効果があるだろう。
唇から喉奥まで雄を詰められてもなお精液を飲みたいとせがむ姿は、娼婦でもありえない淫らさ。
誘うために伸ばされた舌へと肉棒をあてがうと、嬉しそうになまめかしく遊ばせる。
そのまま美姫の口腔を性処理のためだけに突き刺すと、舌を潰しながら食道の壁を擦り、根本までが口内へと収まる。
ごぢゅるぅっと喉側を擦るように入れれば、内側からぽっこりと亀頭の丸みが浮き上がり、虞美人の瞳が靄がかかったかのようにとろめいた。
喉粘膜がマスターの魔翌力回路と繋がり適応して、性感帯と化しているのだ。
ぞりっぞりりっと小刻みに腰を揺らしていい所を擦れば、うなじや背がぴくんと跳ねる。
口虐で感じる虞美人のいやらしさと射精したい欲求が荒々しく綯い交ざって、狂暴な欲が両手に込められた。
「先輩の口の中、全部使うよ!」
「ぁっごぁっ……っふっ…………んんんっ……!!!」
頭を抱え込むようにして股間へと引き込み、整った鼻が潰れるほどに近く、唇が幹の根本へとぴったり張り付くまで深く飲み込ませた。
ぐいっと腰を突き出して、挿入というよりは埋まり込むかのような勢いで完全に首の中まで肉棒が侵入し、喉の膨らみが鎖骨付近まで到達している。
虞美人を見れば四つん這いになった両手がぎりっとシーツを掻き乱し、瞳には涙が浮かんでいる。
そこには苦しみではない快楽に彩られ蕩けきった貌で、食道を押し広げるような肉棒を嚥下の動きで歓待している。
「先輩っ……! 先輩っ! 先輩……!」
「んぶ、んぁっっ……!」
ぐじゅぶるっ! ぐっぼっ、ぐちゅちゅっ! ぐじゅ、ちゅぼぉっ!
駆られたマスターは、セックスでもするかのように腰を振り立て始める。
湿った音が部屋中に響き渡り、奥まで達する時は泥を叩いたかのような重い音も混じった。
激しい律動で長い黒髪は嵐に晒された小舟のごとく揺り乱される。
口中へと肉棒が幾度となく浮かんでは沈み深く犯していく。
「ぴじゅぢゅっ! ん、れぇ、おぉっ、ぐじゅぶっぁっ……!」
ぐりっぐりりっと食道まで肉棒でえぐり、こねるように喉で扱き上げると首に亀頭の丸みがわずかに膨らんでいるのが見えた。
遠慮呵責のない、実際にセックスをしているかのごとく、口腔へと速い抽挿を繰り返す。
食物を通すための狭隘な空間を、性行為のための穴へと変えていく。
「ぐっ、ちゅっ! ぅんばっ……ぐちゅちゅ! おぅ、んるぅっ…………」
喉の壁を鬼頭で叩かれて、声というよりは濡れた布を叩きつけたかのような音が口から響いた。
涎と先走りにまみれた肉が、口内のどこもかしこも擦り上げて喉を楽器のごとく鳴らしていく。
いまこの場において虞美人の唇も舌も性欲を満たすためだけの穴にしか過ぎない。
結合部からは体液が撒き散り、流石に苦しいのか虞美人の顔は赤みを帯びて口虐に晒されていた。
「んぐぼっ! んぼぉっ! んぐばぁっ、んぉおぉっ!」
マスターは気にもせず、気にかける事もできずに、速度を増して犯しにかかった。
長いストロークで唇の裏に先端が当たるほど引き抜いてから、また喉肉を掘削するようにえぐった。
「んごぉっっ! ちゅ、ぐぽっ! ずぶじゅっ! じゅじゅぢゅっ! ちゅちゅくぁっ……!」
高低入り混じった水音を立てながら腰を振れば、押し込む時は飲み込む動きで竿を締め付けていき、引き抜けば
先走りと涎が混じった液体がこぼれながら、唇が鬼頭で突き出すように引っ張られた。
虞美人の口から発せられる音は意味のある言葉でも喘ぎでもなく、湿った粘膜が擦れ合うだけのものになっている。
そんな暴虐でも漏れ出る声の合間には快の色が混じっており、喉奥を突かれる度に全身がおこりのように震えていた。
「そろそろだからっ……! 先輩の大好きな……俺のザーメンを……!」
絶頂が近いのか、喉奥で肉棒が跳ねるように何度か震えた。
射精のための速い抽挿を届く限りの深い所で行い、喉元の膨らみが激しく前後する。
がっしりと虞美人の頭と顎を掴み、気持ちのいい角度を確かめてから腰を使う。
喉壁を押し広げるかのごとく、肉棒で擦って食道粘膜を掘削していく。
激しい動きとは裏腹に、じっとりとした重い疼きが腹の内からどんどんと昂ぶっていって。
「先輩……! 全部飲んで!」
「んぐぶぅっぅうぅぅっっ……!」
どびゅる! づびゅびゅるる! どびゅ! どりゅりゅ! どりゅううぅうぅぅっ!
今までで一番濃さと重さを伴った勢いのある射精。
それが喉を通り過ぎていき、胃内へと欲望を注ぎ込んでいく。
土石流のごとき塊が一射、二射、三射と食道内を駆け巡り胃の腑へと流し込まれていく。
撃ち出されぶち撒けられた魔翌力ザーメンが霊基の隅々まで広がっていく
串刺しにされた全身が強張り痙攣した。喉奥射精でイッたのだ。
マスターが全身をびくびくと震わせるタイミングに合わせて、虞美人も両手両足をつっぱらせてベッドから軋んだ音が鳴った。
「んふぁっ! んっ、んじゃっぐっ! ん、んんんぐぅぅうぅぅっ……」
「出てる出てる……先輩の中に俺のが……」
呆けてるような言葉だが、頭を掴んだ手と腕はがっしりと固定して決して離さない。
根本まで楔のように肉棒を差し込んで、食道粘膜を使った射精を堪能している。
イキながらも無意識に嚥下して射精を促してくる喉穴へと、魔翌力と快感を何度も何度も送り出す。
絶頂で震える喉が性器のごとくうねり、注がれる精を貪欲に飲み干していく。
「けぷ……ん、ぅ、はぁっ、はぁっ…………」
「ありがと先輩……気持ちよかった……」
数十秒に渡る射精が終わり、ずろりっと言った様子で虞美人の唇から肉棒が抜き出された。
赤く染まった整った顔は体液塗れになっていて無残な有様。
けれども絶頂で火照ってとろけた顔には官能的な美しさがある。
マスターの裡から、残り火が燃え広がるのを感じた。
飲精でここまで気持ちよくなってくれるならば、それ以上の、まだ触れていない部分は幾らでもあるのだ。
マスターは手を伸ばしていって。
「それ以上はやめなさい」
ぴたりと、一時停止されたかのように動きを止めた。
「初めからわかってるでしょう? 私はあくまでおまえの性欲処理をしてるだけ。
何もかもを捧げるわけではないし、おまえのものになったわけではないの」
熱を持っていたはずの顔はすでに冷えていて、怜悧な眼差しがマスターを見つめている。
そう、最初に約束をしたのだ。
処理するのはいいとしても、セックスは禁止されていた。
「ご、ごめん。つい……先輩にもよくなってほしくて……」
「そ……今のままでも十分いいわよ。おまえの魔翌力美味しいんだもの」
というわりには何事もなかったかのように身を起こして立ち上がった。
何故か服装をさっと変えて、具体的には第一再臨の姿になってからドアへと向かう。
「今日はおしまいにしましょう。……心配しなくてもまたしてあげるから」
「うん。先輩ありがとう。またお願いします」
「はいはい」
消えていった虞美人を見やりながらマスターはため息をついた。
昂ぶりが抑えきれなかったのだ。
最初は手だけで処理してもらっていたが、段々と激しくなっていて今日のようになるのも普通になっている。
けれども触れさせてもらえない所があった。
言う通りわかっていたはずなのにもっと触れたいと思ってしまうのだ。
都合よく考えてしまう。
否定は言い訳であって、もっと強引にいけば断らないでくれるのではと?
「無理かな……ここまでしてくれるだけでも奇跡みたいなものだし……」
項羽と虞美人の関係を考えると、普通はありえない事だったろう。
「ん? これは……!」
ふと、虞美人がいたシーツへと目を向けると色が変わった部分に気づく。
しっとりではなくじっとりした甘い女の匂いがするそこは、汗ではなく濡れ感じて分泌された愛液だ。
唇を犯されてこぼれてしまった液は不自然なくらいにシーツを染めている。
「こんなになるくらいに感じて。だから服を変えたんだ」
服装を変えて誤魔化すのが精一杯くらいで、後始末をする余裕もなかったのだろう。
もしもそのままだったら、伝って床にこぼれていたぐらいに濡れていたようだ。
「だったら……」
マスターは右手の令呪を見つめる。
刻まれたそれを使えば、もっと深く虞美人を知る事ができるのかもしれないが、裏切りとなってしまう。
だが気にもならない、できないほどに責めてしまえば或いは。
「よくない。とてもよくないのに……」
赤い刻印は持ち主の情念と迷いを表しているかのように明滅し鈍い輝きを灯らせていた。
おわり
虞美人先輩は迂闊系ヒロインなので
「え? サーヴァントの役割知らないんですか!?」
「はっ、馬鹿にしないでくれる? 知ってるわよそれくらい!」
のノリでエッチな事をするという案もありました。
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