【艦これ】ex.彼女 大人向け (23)

※全年齢板でやってるシリーズ→【艦これ】ex.彼女 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520701082/)の、下ネタが限界超えした番外編用に立てました。
一応1本のみの予定ですが、また何か投下する事もあるかもしれません。
本編をお読みになられていない方には訳が分からなくなってしまいますが、悪しからず。


男一人の一人部屋、現在時刻は23時。
疲れも溜まっているが、数日置くと真逆なものもまた溜まる。

悲しきかな生物としての本能、こればかりは機能不全に陥るまで続くであろう業。
PCの電源を入れ、ブラウザを立ち上げる。
そしてマウスの横にティッシュを置き、パンイチになれば全てが整う。
男の嗜み、孤独であってこそ耽る事が出来るものがある。


そう……オナニーだ。








ex.彼女 出張編・人はみな真夜中のソリスト






提督に限らず、整備や事務方、そして俺達憲兵と、鎮守府で働く男は多い。
だがそんな俺達の性事情は、意外と複雑だ。
前に何も知らない友人にからかわれた事がある。「艦娘ばっかいたらオカズ困んねえだろ?」と。


んなわけねえだろバカ。


確かに刺激が強い制服の子もいるし、女の子だらけで劣情催すように見えるかもしれない。何も知らなきゃな。
だが慣れってものは恐ろしく、毎日働いてりゃ目も慣れてくるし……何よりあいつらは、揃いも揃って変人だらけだ。性欲よりも、同僚か気苦労の対象って意識の方が前に出る。
実際男性職員の大半は、口を揃えて言う。


『正直あの子らじゃ勃てない』と。


例えばあるカップルがいて、どっちも自分の友達だったとする。
そいつらが飲みの席で、自分らの生々しいセックスの話でもしてみろ。なまじどっちも知ってる分、本当に萎える。
パンツ見えるのなんて珍しくもないが……がくんとテンション下がるのが本音だ。気まずさで。
艦娘らもそんな男どもを察してるのか、鎮守府内じゃあんまり気にしてない空気すらある。

ああ…だから祥鳳さんの鎮守府とか絶対担当したくない。
自分の担当ってなった瞬間、異性として見れる自信が正直ない。憧れは憧れであって欲しい。
身近な所にこそ何も感じなくなる。それだけ麻痺してくるんだ、この環境は…。


そう…身近な所はダメになる……つまり、隣の芝生は青く見える。
言って艦娘だって綺麗所揃いなはずなんだが…休日に街に遊びに行くだけで、街行く女の子みんな可愛く見えるんだ。身近な奴らにゃ何も感じないのに。

そんな俺の秘蔵コレクション(ブックマーク)は、ズバリ美人系。
it's大人のお姉さん。the まともで優しそうな美人。
今時物理メディアなんて足のつく真似はしない、俺は某レンタル屋のストリーミングサイトだ。

あぁ…すげえ可愛いな。
インタビューだけで本当まともなのが伝わってくる…。

さあ、本編が始まるぞ。
ショータイムの始まりだ。次のステップに移るべく、俺はパンツに手を掛け……。







『リョウちゃん、今何してる?』







えー…誰よ。
スマホを見ると、LINEの通知。づほか。
今お楽しみ中なんだけど…。


『どうした?今部屋にいるけど。』

『明日休みでしょ?部屋飲みでもどうかと思ってさ。』

『ああごめん、もう寝ようかと思ってたからパス。』


はぁ……いや、実際抜いたら寝ようかと思ってたしな。
『じゃあまた今度ね。』なんて返ってくると思ってたが…。


『貴様、シコっているな?』


何でか今日のづほは、やたら鋭かった。


下ネタに遠慮がねえな…こりゃもう酒入ってる。
シラを切り通して黙らせるか。

『いや、最近忙しかったからよ。ちょっと疲れてんだ。』

『つまりそれで抜きたくなったと。』

『ちげーわ。これから寝るの。』

『ふーん。で、何見るの?ロリ系?やっぱりロリ系?つるぺた?ちびっ子?まさかパイパンまで行っちゃう?』

『あのな。俺の趣味知ってるだろ?ロリじゃねえよ。』

『シコるのは否定しないのね。』

『今その話をしてないだろ。』

めんどくせぇ…大分出来上がってんだろこれ。
もうスルーだスルー。さーて、気を取り直して…。


『LINE♪ LINE♪ LINE♪ LINE♪』


だーー!!何だあいつ!!
イラつきながらスマホを開くと、何やらURL。あれ、何か既視感あるよーな…。

『付き合いの悪いリョウちゃんの為に、私のおすすめ貼っておくね。
せいぜいミイラになるまで抜きなさい。』

あー…同じストリーミング入ってたな。あいつは映画用でだけど。
そう言えばあいつ、前んとこでたまに大人艦娘集めてアレやってたわ。AV女子会。
飲みながらそりゃないわ!ってひたすら突っ込むって言う。

えー……あれ、エグいのか笑えるのばっか観てたって愛宕さんから聞いたけど。
感想聞かせろってうるさそうだな…とりあえずページだけ見て…。




『ブラウンヘアのロリ顔JD!!真昼の秘密!』


『飲み友達の合法ロリが寝てるのでこっそりハメちゃいました。』


『逆レイプ!合法ロリなお姉さんから激しく筆下ろし!』



……………。

あいつ、弟か妹欲しかったっていつも駆逐や海防構ってたよな。俺、前子供にさせられた時襲われかけたし。
…うん、『もしも』が無いようにちょっと警戒しておこう。中学生とかに手ェ出さないように。

はぁ、何か萎えちまった…こうなりゃ気を取り直してお気に入りだ!
よし、さっきの動画をさいせ…


『びいいいいぃぃん………ぺたぁん!!』

「のわああああああああっ!?」


窓の外から聞こえた音に、思わず叫んじまった。
そうだ、最近は油断して雨戸を閉めてなかった…恐る恐る窓を見ると、いつぞやのごとくホバリングする艦載機。
そのコックピットには、やっぱりいつかと同じくきらーんとサムズアップする妖精。

だがその親指は、人差し指と中指に挟まれていた。

な、何だ!?行っちまった…。
窓を見ると、何やらプラケースが貼り付けてある。それを手に取ると…


『翔鶴っぽい女優のAV』


づほおおおおおお!!てめえ元カノに教えやがったなぁああああっっ!?


あぁ…もういいや、萎えちまった。
寝よう、もう明日にしよう。そう考え電気を消し、布団に潜った。

……。

………。

……………。





………………ムラムラする。





だー!!だめだ!!意識するとぜんっぜん寝れねえ!!
どうすりゃいいんだこの行き場のねえリビドー!!蘇る性的衝動!!

でもあいつらしれっと下覗いてそうだな…電気つけ直したらまたイタズラされかねん。
そうだ、男には妄想という手があるじゃねえか…!
右手を触媒に、脳内にイマジナリーガールフレンドを召喚……俺だって非童貞、過去に触れた人肌を元手に…。



“リョウ……来て……。”



ぎゃーーーー!!!

そうだそうだよそうだった!!
俺人生でヤった女元カノしかいねえし!!それこそ乳からあそこまであいつのしか触った事ねえわボケェ!!

あぁ…何か色々思い出して来た……。
童貞捨てた時、取っ掛かりは俺がヘタレすぎて、痺れ切らしたあいつに拘束されて…。



“ショウノ、これ何…?”

“ごめんなさい…こうするしか無いって…。”

“………もしかして、手、出されたかった?”

“うん……私、そんなに魅力ない?
でも私、どうしてもリョウに…”

“………ほどけ。”

“……えっ?”

“ああもう、言わせんなよ。
その、さ…やっぱり怖い思いさせちまうかなって、ずっと言い出せなかったんだ。

あー…そのな……お、俺、童貞なんだよ。でもよ、やっぱ……あー!もういいや!
でも俺も男!好きな子の前ぐらいカッコよくいたいの!
そ、その…そう言う時もリードしたいし優しくいたいんだって!!
だから俺、これじゃ嫌だなぁ…大丈夫、ちゃ、ちゃんと手ェ出すから。ほどいてくれねえか?”

“……いいの?”

“いいよ。…よし、いい子だ。さて…。”

“きゃっ!?”

“ふふ…形勢逆転だ。
ショウノ……もう逃がさねえぞ?”

“うん…私をリョウのものにして?”

“…怖かったりしたら、いつでも言えよ?”

“うん…んっ…チュッ…”



「……………!!………っ!!」ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!

瓦持ってこおおおおおおおい!!
足りねえ!!今なら30でも余裕だ!!

イマジナリーガールフレンドどころじゃねえ!!もうイマジナリー瓦割りだ!!
消してくれ!誰かこの黒歴史を消してくれええええ!!!

あ~~…鳥肌止まんねえ……何つー恥ずかしい事ほざいてんだあの頃の俺よぉ…!!
くせえどころじゃねえ、シュールストレミングじゃねえか!

……はぁ…はぁ…もうダメだ、完っ全に目え覚めちまった。

はぁ…何か眠気を誘うには…。

………。

……………。

…………………。



「………ふぅ。」



『ぱしゃ!!』



………ぱしゃ?



その光と音に振り向いた先には、命綱でぶら下がる妖精がいた。めっちゃ悪どい笑顔で。
その両手が抱えてたのはスマホ……鶴のデザインのケースの奴。


……元カノのだ。



「………誰かぁ!!俺を殺してくれええええええええええええ!!!」



何とか吐息だけで出したが、それでも喉は痛かった。
その写真がその後どうなったのかは、知る由も無い。て言うか、知りたくもなかったよ。

賢者タイムどころじゃない、もはや解脱タイムだった。
そのまま即身仏になりそうな。










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お、何か叫んでるわね。
翔鶴さんもけしかけたし、これで尚更あの人っぽい女優は避けるでしょ。

送ったの見てるかなー?ふふ、一応私っぽいの選んだんだけど。
まぁガチロリにはまられても困るけど、ちょっとはこう言う貧相な体に反応するようにならないかな。

私も久々に見てみよっかなー。
へー…前見た時はお酒入ってたけど、今見ると結構イチャイチャ系ね。
おー、濃厚….いいなぁ、これだけしっかり触ってもらえたら…。



「……………んっ…。」



………。


…………やめよ。虚しくなる。




賢者タイムなんて男の子が使うけど、女の子にもあると思うんだ。
相手がそばにいればそんな事無いけど、一人でした時ぐらいは。

だって、例えイっちゃったって…ぎゅっとしたい人は、近くにいないんだから。

今日は少し蒸し暑くて、エアコンを入れてる。
そのせいか濡れた指は妙にスースーとして、広げてみたら指同士の間は糸が掛かったけど…それも一瞬で、ぷちんと切れた。

あーあ…今頃何でシコってるかな?
その気になれば相手なんているのに、わざわざソロ活動ご苦労様。

あそこと手をウェットティッシュで拭いて、結局そのままふて寝の体勢。
拭いたあたりはまだひんやりしてて…もしあいつに汚された冷たさなら、こんな違和感無いんだろうなって思った。


「………ばーか。」


仮に送ったので抜いてたとして、それはそれでムカつくなとふと思う。

私にはやたら大きい抱き枕をぎゅっとして、布団を被った。
布団の中で思いっ切りパンチして、そのままキスした。生地の味しかしなかった。

そんな初夏の夜の事。

出張編、おしまい。本編も頑張ります。

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