【安価】奴隷を買って好きにいじれ(2) (955)

 ひゃっはー!
 早速復活やで。
 レッツゴー。
 ああ、最初に言っとくやが、もっと感想書き込んでもらってええんやで。
 ストーリーや文章の批判受け付けるで。
 それを糧に改善してくでよ。
 それでは再開。

ルイ「わたしは……………」

 ルイがラクレシアの方を向いた。

ルイ「ごめん、ママ………」

ラクレシア「…………………」

 ルイは落涙し、ぽつりぽつりと話し始める。

ルイ「わたしがママのそばにいると、ママをきずつけちゃいそうでこわいの」

 おい、私は良いのか。

ルイ「なにかのひょうしでひがでたら、ママのいえも、ママも、ぜんぶもやしちゃいそうで。じぶんかってでごめんね。でももうすぐできるユタのおうちなら、もえないからいくらでもひだしてもだいじょうぶだから」

 おい、家は燃えなくても私は燃えるぞ。

ルイ「だから、わたしはユタといっしょにくらす。まいにちあいにきてくれる? ママ」

 ルイがそう言うと、ラクレシアは頷いた。

ラクレシア「私も、なるべくなら言いたくなかったけど、あなたのご飯や家を用意するのは今の私じゃあとてもじゃないけど無理なの。だからユタ王子の家で暮らすのは正解よ」

 ラクレシアはルイを抱きしめた。

ラクレシア「1日も休まずは無理だけど、出来るだけ毎日会いに来るわ、『ルイ』。良い子。良い子」

ルイ「ママ……………」

 よしよし、と、最後にラクレシアは泣いているルイの頭を撫でた。

 建設完了まであと一週間。
 無事に建設完了か、何かイベントがあったか(どんなイベントか)>>下

前スレ一応貼っとく  【安価】奴隷を買って好きにいじれ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1550414834/)

完全オリジナルで、攻略要素とかもない安価スレだと感想の量はどうしてもこんなものかと(むしろ多いほうかも)

要望はみんな割と満足していて1の書きたいことを制限したくないのかあまり出てこないですね
読者の主張あまり強くなくて安価の取り合いとかあまり起きてないので、要望とか出すより思い着いたらその時だけしっかり狙って安価取って展開を誘導するほうが良いと考えられてるのかも

私は今の更新もゆるくて1レスごと内容しっかりしてる雰囲気は好きです

 >>7 ありがとやで。がんばるで。

 龍棟建設完了まであと3日。

 宮殿の庭はとても広く、草原が一つあるといっても過言ではない。
 私がそこのテラスでルイとサンジェルマンとお茶をたしなんでいると(ルイはホットミルク)、トキとその子供達、つまり私の甥と姪のソラとヤミが庭を散歩しているのが見えた。
 トキは私に気づくと手を振り、歩いてきた。

トキ「よう、ユタ」

ルイ「やっほー」

 ルイがカップをがじがじしながら答えた。
 やめなさい。

私「おはようトキ。いい天気だな」

トキ「だな」

 すると甥のソラが机の下からぴょこっと顔を出した。

ソラ「ドラゴンだー!」

 ヤミも続けて顔を出す。

ヤミ「ドラゴンじゃないよ。ルイってんだって。かっくいー!」

ソラ「かっくいー!」

ルイ「か、かっこいい? えへへ………\\」

 ルイは照れて頭をカリカリと掻いた。
 ソラとヤミはすでにルイの事を知っているようだ。
 ふむ、初対面だが打ち解けられそうだ。

私「ルイ。遊んできていいぞ」

 私がそう言うと、ルイはぱぁと顔を輝かせた。

ルイ「いいのっ!?」

私「ああ、仲良くしてこい。そのかわり目が見える範囲でな」

ルイ「やったー! 二人ともあそぼー!」

ソラ&ヤミ「「わーい!」」

 ルイはそう言うとパタタと席を離れ、ソラとヤミと庭に遊びに行った。

 私とトキはその後ろ姿を見て、微笑んだ。

トキ「仲良くなりそうだな」

私「ああ。なんだか子を見守る親の気持ちが分かる気がするよ」

 しばしほっこり。

私「まあ座れよ。サンジェルマン、ティーを」

サンジェルマン「かしこま」

トキ「すまないな」

 私は立っているトキを座らせた。

トキ「親といえばユタ。お前妃は持たないつもりか? 大英帝国の王子なら、子孫は残すべきだとは思うが………一生独身なのか?」

 妃か。

私「>>下」

 サンジェルマンの口調が軽いのはミス。

私「私に子どものような扱いを全くしない相手を見つけたいとは思っているのだが…………」

 私がそう言うと、トキは笑って言った。

トキ「まあなあ。お前だいたいレディーからは可愛いって言われて甘やかされるからなあ」

私「中身は割と行っている癖にな。幸い老けるのも遅いことだし気長に考えようと思う」

 トキは紅茶をすすった。

トキ「そうはいっても、ハーフリングもニュートラル(普通)と寿命は同じなんだからあまり気長に待ちすぎるなよ? 待ちすぎていつの間にか生殖機能が爺さんになってたなんてことにならないようにな?」

私「ははは。気をつけるよ」

 そんな話をしていると、ルイとソラとヤミが戻ってきた。

ルイ「ユター、ちょっと私の上に乗ってみて?」

私「ん?」

 唐突にルイがそんなことを言い出した。

ルイ「えっとね、ソラくんとヤミちゃんをのっけてとんでみたいなーっておもったんだけど、さすがにちょっとあぶないからさきにユタでじっけん? してみようかなって」

 いやいや。
 私は実験体か。
 私も十分落下というリスクがあると思うのだが。

ソラ「ユタやってやって!」

ヤミ「やってー!」

トキ「あっはっは。人気じゃないか」

 しかしルイ、ソラ、ヤミの三人からの熱烈な視線を受けては断る、という訳には行かない。
 私はそういう目には弱いのだよ。

私「……………いいぞ」

三人「「「やったー!」」」

 怪我だけはしないようにしよう。
 私はサンジェルマンからこっそりと身代わりの魔法陣を受け取った。

ルイ「じゃあ掴んで掴んで」

私「わかった」

 私はルイが言うとおりにルイの両肩に手をかけた。
 持ち上げる対象が私ほど軽くて小さくても飛行は無理だろうな。

ルイ「しゅっぱーつ!」

ソラ&ヤミ「「いやっほー!」」

 ルイが汽笛のように声を上げ、二人が歓声を上げた。






 空中散歩を試みた。
 結果>>下

インドア派のユタ王子体力なさそう
結婚相手はどうなるのかね…今までの奴隷と違って現状の話だけではルイと結ばれるの99%想像できない
動物ってのは成体でも知能的な年齢は人間の子供位だったりするし、意外と体の方はできてたりするのか…?
まあ今の雰囲気もいいし別に最初に選んだ奴隷以外と結ばれるエンドでも(もっと言えば誰とも結ばれず奴隷を養子みたいに育ててく展開でも)かまわないかな

 ~~~

私「………………………はぁ……はぁ。止まれと………言ったと思うんだが?」

ルイ「ごめんなさい」

 結果、ルイは私を抱えたまま空を飛ぶことが出来る事がわかった。
 これだけ体重差がありながら、ルイはアクロバティックに空を飛び回った。
 軽やかに笑いながら、アクロバティックに。
 そう、アクロバティックに。
 いやー、もう無理だな。
 私は吐いた。

私「えええええおう」

ルイ「ごめんなさああああああいっ!」

 視界がぐるぐるしている。
 そこにソラとヤミとサンジェルマンが駆け寄ってきた。

サンジェルマン「大丈夫ですかユタ様」

ヤミ「すごくとんでたね」

ソラ「ユタおじちゃん吐いた?」

私「ああ、吐いた、が、大丈夫だ。えう。ちょ……本当に気をつけてくれルイ」

ルイ「ごめっ、ごめんなざあっ………ええええっ」

私「泣くな泣くな。ルイは失敗を元に一つ賢くなったんだ」

 私はルイを抱き寄せ、その頭をぽんぽんと撫でた。
 本当にこの小さな身体のどこに私を物理的にあれだけ振り回す力があるのだろうか。
 とても気になるところだ。

 おやすみ。
 >>15 ワイもまだ一寸先は闇状態や。
 とりあえず今日はねるで。

お疲れさんです
たぶん話のゴールはルイの生まれの謎を解明することになりそうですかね

でも今すぐ研究対象にするのは断ってるし、成長するとなるとどれだけ先か…
先が見えないってこういうことか…

おつおつ
ルイインザホルマリンだけは勘弁な!

 >>18 う~んどうやろか。
 話の終わり方は行動次第やな。

 >>19 >>20 一度決めたことはよっぽどの理由がない限り変えないから心配せんでええで。

 ~三日後~

 今日、龍棟がお披露目される。
 私とルイは門の前に立っていた。

ルイ「どきどきするね…………!」

私「そうは言ってももう何度か一緒に視察に来てただろ」

 私がそう言うとルイは頬を膨らませた。

ルイ「ちがうもん! それとこれとはちがうもん! かんせいしてからとけんせつちゅうはべつもんだもん!」

 バタバタと手足を振る。
 ああ、うん。
 可愛いぞ。

私「わかったわかったすまなかったよ。じゃあ、開けてもいいか?」

ルイ「いいよ!」

 ルイのその返事と共に、私は扉の鍵を開けた。
 そしてゴォォォという重々しい音を響かせ、扉を引いた。

ルイ「わあああああ……………すごーい!」

 内装が見えるなりルイは感嘆の声をあげた。

ルイ「すごいよすごーい!」

私「あまりはしゃぎすぎるなよ」

ルイ「ヤッホーイ!」

 どひゅんっ

 ルイは弾かれたように飛び出し、早速正面のクッションに突っ込んでいった。
 思いっきりはしゃいでいるな。
 龍棟は縦50メートル、横25メートル高さ15メートルの体育館のようなところだ。
 岩場や水場があり、日当たりも良く、窓も大きい。
 夏は涼しく冬は暖かく設計した。
 例え5メートル級のドラゴンが入ったとしても十分生活出きるだろう。
 天井から大小のリングがぶら下がっていたり、大きなクッションが置いてあったりなど遊具も充実している。
 そして、私の寝床もだ。
 今日からここの一角が私の寝床だ。
 まあ紹介はここまでにして、私もはしゃぐとするか。

私「私もいくぞー!」

 私は全力で走り、ルイが埋もれているクッションにダイブした。

ルイ「きゃははは!」

 反動でルイが吹っ飛び、そのまま天井付近を飛び回り、リングを連続でくぐった。
 そしてカアンと鐘を打ち鳴らした。

ルイ「いいね!」

私「だろ?」

 ルイは笑いながら8メートルほどある岩山の頂上に鎮座した。

ルイ「ユター! ここまでおいでー!」

私「すまん。流石に無理だ」

ルイ「あははは!」

 なにはともあれ、気に入ってくれて何よりだ。

ルイが月に1度無精卵を産むようになる(生理の代わり)

 >>24 すごく、ええで。

 全部いくらでも膨らませられそうやな。
 書くでー。

 ~夏~

 ガタガタガタ………

ルイ「うわー! すごく青い! すっごく青い!」

ソラ「すっげえええ!」

ヤミ「Fuuuuuuuu!」

 馬車の窓から海が見えてきたあたりから、子供達の落ち着きが無くなってきた。
 何せ海を見るのが初めてらしいからな。

 私は今、ルイとトキとその子供達と一緒にプライベートビーチに出かけている。
 最近はあり得ないほど暑くなって来たからな。
 みんなで海にでも来る事にしたんだ。

トキ「海来るの久しぶりだな」

 トキが子供達を見ながら感傷にひたるように言った。

私「遠征行っただろ」

トキ「そうじゃなくてだな。あれは仕事だ。プライベートで家族で来るのが久しぶり、ということだ。ソラとヤミと来たのは初めてだがな」

私「そうか………父上と母上と最後に海に来たのは何年前だろうな」

トキ「もう十何年も前になるのか………」

 トキはそう言うと私の方を見た。

トキ「あの頃を思い出してみると…………お前見た目ほとんど変わらないからなんか違和感あるな」

私「大きなお世話だ」

トキが保護者で3人子連れ(+ペット)の図に見えてるな

 そうこうしている内に、私達が乗った馬車はプライベートビーチに着いた。
 サンジェルマンの手によって扉が開かれた瞬間、子供達は我先にと馬車を飛び出した。
 ボディーガードがあわてて三人を追いかけた。
 あ、ソラが転んで砂浜に頭から突っ込んだ。
 ルイとヤミが心配したが、ソラは笑ってそのまま砂を巻き上げた。
 大丈夫そうだ。

私「はしゃいでるな」

トキ「ユタは行かないのか?」

私「それほど子供じゃないさ」

 ソラとヤミがポンポンと服を脱ぎ、そのままルイと一緒に波に突っ込んでいった。
 二人は来るときに下に水着を着ていたのだ。

私「勢いがあってよろしいな」

トキ「まずは服を回収しなければな」

 バシャバシャと水を掛け合う三人を見て、私とトキは微笑んだ。
 このまま見守ってばかりというのも味気ない。
 頃合いをみて参入するか。

 >>31 絵図等が完全にね。

 しばらく後。



私「そろそろ参入するか」

トキ「おお、行ってこい……………ってなんだそれ」

 私が頃合いを見てそういい馬車からあるものを取り出すとトキが不思議そうに聞いた。
 筒状でもう一本の棒とセットになっている鉄製の道具。
 その名も………

私「これか? これは水鉄砲と言うんだ。ジャパンの玩具だ」

トキ「水鉄砲?」

私「まあ見てろ」

 私はバッ、と服を脱ぎ、水着になった。
 そして子供達の輪に参戦した。

トキ「やっぱりユタも子供じゃねえか」

私「はーっはっは! 遊ぶときくらいは思いっきり遊ばせてくれ!」

ルイ「あ、ユタ………」

 私は水鉄砲で水を吸い、思いっきり棒を押した。

ルイ「ぶぁあああっぷ!?」

 一直線に水が飛び、ルイの顔面にヒットした。

ソラ「なにそれカッケー!」

ヤミ「よくもルイを!」

 ルイが一発でやられたのを見て、ソラとヤミが臨戦態勢に入った。
 私はもう一度水鉄砲に水を補充する。

私「いくらでもかかってこい! 水鉄砲の威力見せてやろう!」

トキ「おとなげねえ…………」

 トキから何かが聞こえた気がしたが、私は無視した。

 30分後



私「ぜえ、ぜえ、子供のパワーを舐めていた…………ぜえ」

トキ「子供だな」

私「子供じゃない」

 最初の方こそ圧倒的な力を発揮した水鉄砲だが、そのうち慣れてきた三人に奪われてしまい、一気に形勢が逆転してしまった。
 上からはルイの水鉄砲。
 下からはソラとヤミのバシャバシャ。
 結局鬼のように水を掛けられた。
 すこしはしゃぎすぎてしまい、今わき腹が痛い。

私「ぜえ、ぜえ」

トキ「まあ風邪引かない程度に休んでろ。あれが三十路のはしゃぎ方かよ」

私「後悔はしている」

 まあ、楽しかったけどな。
 落ち着いたらもう一度、遊びに行くか。

 プライベートビーチでバシャバシャ遊んでる3人+1匹+トキ。
 イベント>>下1つ

 なんか安価雑でごめんな。
 因みにユタの水着は上下長袖仕様や。

 すまんすまん。
 今日こそ話進めるで。

 しばらく日陰で休んだ私はもう一度海に駆り出し、遊んだ。
 服を脱いだトキも加わり、大乱闘となっている。
 そんな中、ルイが水面から高く飛び上がった。

ルイ「とう!」

 3メートル上空でルイが力を抜き、重力に従い落ちてきた。

ルイ「赤色流星群!」

 どっぱーん!

私「うお!」

トキ「ぶあああっ!?」

ソラ「あははははっ!」

ヤミ「とーさまおもしろいっ!」

 水しぶきにおののいたトキが海草にでも足を引っかけたのか、後ろに倒れひっくり返った。
 海面から下半身だけが飛び出ている。

ルイ「あっはっは!」

トキ「ぬあああ! げっほげほ!」

 トキが足をばたつかせ、一回転して普通の体制に戻った。
 ひどくせき込み、私と三人に笑われている。

トキ「はぁっ、はぁっ……げほっ」

 トキはルイをじろりと睨んだ。

トキ「よくもやったなルイイイイイッ!」

ルイ「あーっはっはっは!」

 ザブンザブンと波を立てルイに水をかけながらトキが追いかける。
 そしてまた転んだ。

私「あはははは………うぶあっぷ」

 私がトキを笑っていると、左右からソラとヤミに水をかけられた。
 あはははは、受けて立ってやろうじゃないか!

ルイ「あれっ?」

 そうやってしばらく遊んでいると、ルイが不意にそんな声をあげた。

ルイ「なにこ………いったあああっ!?」

私「ルイッ!?」

 ルイが飛び上がり、手をぶんぶんと振る。
 反動でルイの右前足にまとわりついていた何かが離れ、ボチャンと水に落ちた。

トキ「どうした?」

私「わからない。ルイ!」

 私は波をかき分けルイに駆け寄った。
 ルイは泣きそうな顔をしながら右前足を差し出す。

ルイ「びりびりした………」

私「ああ。あれか」

 私はルイを抱きかかえ、先ほどルイが投げた物の近くに寄った。
 プカプカと浮かんでいる透明な物体は、時折チカチカと光っていた。

ルイ「なんか………面白かったから触ってみたら、凄くいたかった……」

 好奇心は身を滅ぼす、だな。

私「これは海月(クラゲ)という生物の一種で、チョウチンクラゲという。触手にとげと毒があるから気をつけろ」

ルイ「毒あるの……?」

 ルイが心配そうな口調で自身の右前足を見た。

私「心配しなくてもいい。一瞬ビリッとするだけだ。本来ならこれで魚などを捕って食うんだ」

ルイ「へえ…………」

 私はチョウチンクラゲから離れながらルイに教える。

私「いいか? だいたいクラゲを見つけたら触るな、近づくなよ。クラゲの中にはチョウチンクラゲなんて比較にならないほど強い毒をもつ種類がいる。そいつらのとげに刺されると全身に力が入らなくなって溺れ死ぬ。中にはサメをも喰らうような暴食のクラゲもいるから本当に気をつけろよ」

 私がそう釘を刺すと、ルイはこくこくと頷いた。

トキ「大丈夫だったか?」

私「ああ。ちょっとしたクラゲに刺されただけだ。まだクラゲがいるかもしれない。一旦海を出よう」

 私がそう提案するとトキは了解し、子供達は不満を漏らした。

 ガタガタガタ………

 あの後、想像以上にクラゲが発生している事がわかり、海に戻ることは出来なかった。
 結局みんなで砂で一時間ほど遊び、帰ることにしたのだ。
 いや、やっぱり海は楽しいな。
 私もいつか自身の子供と一緒に来てみるのもおもしろいかもな。

私「なあ、トキ」

トキ「どうした?」

 私はすっかり疲れお互いに寄りかかっている三人を見ながら言った。

私「子供を持つのって………どんな感じなんだ?」

トキ「どんなかんじ、と言われてもな…………」

 トキはしばらく考え、言った。

トキ「まあ楽しめば楽しいぞ」

私「なんだそれ」

 トキはからからと笑う。

トキ「子供嫌いなんてのは自分から子供と一緒にいることを楽しもうとしてない奴の事だ。子供は何々するから嫌い、うるさいから嫌い。そんなもんは子供のせいじゃない。受け取るそいつが否定してんのが悪いのさ」

 そういうことか。
 子供か。

トキ「例えばお前は妻との間に自分の子供が産まれたとして、どう感じる?」

私「無いものの事を質問されてもな…………難しい質問だな」

 まず妻の顔が想像できないし、もちろん子供も想像出来ない。
 私はトキに言った。

私「>>下」

私「そうだな………もし、私に子供が出来たとしても、私の子供も私と同じように周りの人間から年齢を突き放されるという悩みを抱える可能性があるのが心苦しいな」

 私がそう言うとトキはそうか、と呟いた。

トキ「でも、あれだろ? 確か、生まれてくる種族は……あれだ。確率がどうのこうの………」

私「生まれてくる種族は血が濃ければ濃い方、先祖が近ければ近い方の種族になりやすい。私の場合はニュートラルの両親の遠い祖先のハーフリングの血が、ごく僅かな確率で子供の私に影響した事例だ。私の薄いハーフリングの血は一世代だけの物の確率が高い。親であるハーフリングの私の子供は、ハーフリングになる確率が低い。それでも、ゼロじゃないんだ」

 トキは怪訝な顔をし、言った。

トキ「考えすぎだろ。そうやっていろいろ言っていても、結局ユタは妻に可愛がられるのが嫌なんだろ?」

 まあ、そうだ。
 子供は言い訳にすぎないのかもしれない。
 子供扱いをされたく無いだけ。
 私は結局そう考えているのかもしれない。

 馬車に揺られるユタを見て私は窓縁に肘を乗せた。

 結婚、ね…………

 数ヶ月後。
 落ち葉の舞うとある秋の日のことだたった。

ルイ「ユタァ、おなか痛いい………」

私「ん? どうした?」

 私が龍棟で本を読んでいると、隣で寝ていたルイが目を覚まし、そう言った。
 夏からしばらくが経ったものの、ルイの体長に変化はなく、変わらず約40センチほどだ。

ルイ「なんだかお腹が締め付けられて………痛いよおお…………」

私「風邪か? 体温を計ろうか」

ルイ「うん………」

 私はルイを膝の上に抱え、水銀の体温計を口に咥えさせた。
 手でさわってみた感じは、確かにルイの体温がいつもより少し高い気がする。
 私は手記を取り出し、ルイに質問をした。

私「他に悪いところは無いか?」

ルイ「えっと……頭が痛い。あと、身体がだるい………胸がむかむかする………」

私「なるほどな……………それで全部か?」

ルイ「うん」

 ルイが頷いた。
 症状はこんなもんか。
 私はそれを手記に書き記した。

私「そろそろか」

 私はルイの体温計を外し、値を記録する。

私「43.2。微熱だな。まあ風邪だろう。あとで七草粥を作ってやるから、それを飲んだらゆっくりしていろ」

ルイ「うん………」

 ルイはコクリと力なく頷いた。

 数日後。

 ルイの風邪は治らなかった。
 微熱も落ちず、症状も変わらず。
 いや、むしろ悪化した。
 ルイは二回戻した。
 調べてもいるが、原因は未だ不明だ。

ルイ「ユタ…………」

私「どうした?」

 私が龍に関する書物を読みあさっていると、寝ていたルイが起きて来た。
 そして、言った。

ルイ「卵産まれた………」

私「………………っは!?」

 なんだと!?
 ルイが私を先導し、寝床まで連れて行く。

ルイ「これ………」

 ルイの寝床のクッションの真ん中に、ルビーのような光沢を放つ卵が鎮座していた。
 サイズは鶏の卵より一回り大きいほどだ。

私「……………そういうことか」

 私は書斎から一冊の本を持ってきた。
 『ドラゴンの産卵と子育て』。
 どうりで病気の本を見ても見つからない訳だ。

ルイ「私病気………?」

私「いや、心配ない。ただの生理反応だ。ドラゴンはある程度まで成長すると月に一度無精卵を産むようになるんだ。これは病気でも何でもない。ただ成長した証拠だ」

ルイ「そうなの?」

私「ああ、大丈夫だ」

 ……………成長?
 小さいが、まあ成長しているという事だろう。
 もう子供が作れる体になっているのか。

私「>>下」

私「まあ身体は『大人』になったとしても、無理に大人ぶらなくて良いぞ」

 私がそう言うと、ルイは頷いた。

私「ルイはルイのまま成長してくれれば良いんだよ」

ルイ「私は私のまま………分かった」

 ルイは羽をぱたつかせた。

ルイ「ところでこの卵、どうする?」

 ルイが卵を口で咥え、私の前に来た。
 卵か。
 無精卵だからもちろん孵化はしない。
 それゆえに放っておけば腐ってしまう。

私「ルイはどうしたいと思っている?」

ルイ「うーん。初めてのことだからよく分からないんだけど………このままだと死んじゃうんだよね」

私「卵がか? そうだな」

 私が頷くと、ルイは少し悲しそうな顔をした。

ルイ「可哀想だけど、このまま殺しちゃうのはもっと可哀想………食べよう」

 やはりルイは賢明だった。
 可哀想だと言って卵をそのまま暖め続け、腐らせるよりはずっと良い考えだ。
 私はルイの頭を撫でた。

私「感謝して食べるんだぞ」

 私がそう言うと、ルイはくるくると喉を鳴らした。
 ルイはそのまましばらく考えるように首を傾げ、私に言った。

ルイ「ユタ。一緒に食べよ?」

私「ああ。わかった」

 どう食すか>>下

ファイアドラゴンのたまごって食べ物としてもなかなかやばそう…
マヨネーズで少しずつ消費

マヨネーズにつけるんじゃなくてマヨネーズにするのね

 >>55 少しずつってどういうことや?

 >>56 理解。

 コトン

 私は小瓶を机に置いた。

私「ファイアドラゴンマヨネーズの出来上がりだ」

ルイ「なんで調味料にしたの………」

私「一回で食べきるよりは少しずつ食べた方が毎回感謝できるだろ?」

ルイ「そうだね」

私「早速一回味見してみよう」

 私がサンジェルマンに頼むと、サンジェルマンはすぐにスティック状にしたキュウリを持ってきた。
 私とルイは一本ずつそこから取り、マヨネーズに付けた。
 ルイが生んだ卵は白身が無く、全て黄身だった。
 そのおかげか、マヨネーズも通常の物よりは黄色い物になっている。

私&ルイ「「いただきます」」

 カリッ、と二人でみずみずしいキュウリをかじった。

私「…………」ポリポリ

ルイ「…………」ポリポリ

 私とルイは同時に顔を見合わせた。

私「旨い!」

ルイ「おいしい!」

 まろやかな舌触り、鳥類のそれとはまた違う味わいとコク。
 本当に旨い。
 そしてキュウリも旨い!
 私とルイはあっという間にキュウリを食べきってしまった。

私「マヨネーズは正解だったな」

ルイ「うん。ごちそうさまでした………」

 ルイは残った卵の殻に手を合わせた。
 マヨネーズはまだ残っている。
 あまり保つものでは無いから早めに消費しよう。

 一週間後。

 空になった小瓶にルイが手を合わせる。

ルイ「ごちそうさまでした」

 私はルイに聞く。

私「ルイ。これからも、自分が産んだ卵を食べ続けるか? もしストレスになるのなら、食すのを止めよう」

 ルイはそれを聞くと、フルフルと首を振った。

ルイ「ううん。食べる。食べ続けたい。食べなかったら、卵に失礼だから………それに………」

私「それに?」

 ルイは舌をペロリと出した。

ルイ「おいしかったし………ね」

 私はルイの頭を撫で、笑った。

 また数ヶ月後。
 季節は冬。
 私は龍棟ではない宮殿でほっこりと暖まっていた。

ルイ「ファイア!」

 ボッ

 ルイがそう叫ぶと、暖炉に火がついた。

サンジェルマン「ルイ様素晴らしいです。まさかここまで火を操れるようになるとは」

私「努力の賜物、だよな」

ルイ「えっへん!」

 私とサンジェルマンがそうほめると、ルイは胸を張った。

ルイ「もう、ユタを傷つけたくないもん」

私「……ああ。よく頑張った」

 ルイは私を見据えてそう言った。
 今でも私の体には深い火傷の痕が残っている。
 ルイはまだこの傷痕の事を気にしているようだ。
 サンジェルマンが私の前にホットココアを差し出す。

サンジェルマン「ああ、ソラ様にヤミ様。あまり台所は弄らないでくださいませ」

ソラ&ヤミ「「はーい」」

 ちなみにトキはまた出張中の為、ソラとヤミがルイと遊びに来ているのだ。

私「元気の良い子達だ」

 私はホットココアを啜った。

私「ぶふぁあっ!?」

 私は喉を抑え咳き込む。

私「ま………まさかっ………!」

サンジェルマン「ユ、ユタ様! まさか毒がっ………!」

 サンジェルマンが心配して私に駆け寄る。
 サンジェルマンの肩の向こう側のソファの裏から、ルイと子供達が笑いながら顔を覗かせているのが見えた。

ソラ「ぶ、ぶふぁあっ!? だって………くっくっく」

ヤミ「ん、んふふふっ、あはははっ」

ルイ「あ、あはっ、あはははは!」

 なんと、なんと古典的な………
 古典も古典。
 台所の塩と砂糖を入れ替えるという悪戯!

私「また君たちかああああっ!」

 私は立ち上がり、ソファの周りを回りながら子供達を追いかける。

ソラ「あははははははっ!」

ヤミ「きゃー!」

ルイ「あははははっ、あ、捕まった。ちょっ、二人とも助けっ」

私「くすぐりの刑っ!」

ルイ「あはははははははっ! やめっ、助けてえええっ!」

 私はルイを呼吸困難になるまでくすぐった。
 全くルイは………
 火を自由に操れるようになったは良いが、トキの子供達の影響を受けて酷く悪戯好きになってしまったようだ。
 この前も私が風呂に入ったときにシャワーから赤い水が出るように細工されていた。
 一瞬血だと思って本当に驚いたんだからな!

ルイ「許してえ! あはははは!」

私「よし、許してやろう」

ルイ「ぜえ、ぜえ…………あはは………ぜえ」

 私はすっくと立ち上がり、ソファの裏に隠れるソラとヤミに首を向けた。

私「次はどっちの番だ?」

ソラ「やべ、逃げろっ」

ヤミ「きゃー!」

 そんな中、サンジェルマンが私と子供達を見て、呆れたようにため息をついていた。

 季節は巡り、また春。

 サンジェルマンが唐突な話を持ち出してきた。

私「見合い話?」

サンジェルマン「ええ。ぜひユタ様と会わせてみたい、と国王様が」

私「父上か………」

 サンジェルマンが頷いた。

サンジェルマン「なお国王様はもし気に入らなければ蹴っても構わない、との事です」

私「ああ………分かったが、せめて相手がどんな人物かだけ教えてくれるか?」

サンジェルマン「ええ、分かりました」

 そう言ってサンジェルマンは結婚相手の写真を持ち出した。


性別 女
名前>>下1
種族>>下2
職業・身分>>下3
身体的特徴>>下4
性格・趣味>>下5と下6
年齢>>下7

 私は写真を覗き込んだ。
 そこには褐色の肌を持ち、雪のように真っ白な長い髪を垂らした少女がいた。

私「まさか………この子か?」

サンジェルマン「ええ、そうです。美しいでしょう?」

 いや、美しいのだが………少し幼すぎではないか?
 写真の中の少女は、どう見ても12歳を越えているとは思えない出で立ちだった。
 私がそう思っていると、サンジェルマンが私の考えを見据えたように言った。

サンジェルマン「幼いとお思いでしょう。ですが実はそのお方はハーフリングなのですよ」

私「ハーフリング…………」

 私と同じと言うことか。

私「地位は?」

サンジェルマン「アフリカの一つの植民地を支配する大英帝国の王族の一派でございます。肌色と毛色は一族のものです」

私「王族か………確かに妃として不足は無い」

 私がそう言うと、サンジェルマンは嬉しそうに言った。

サンジェルマン「そうでしょう。それに今年で17になったという若さですので、子も無事になせると思います」

私「へえ、17……17!?」

 私はもう一度写真を見た。
 明らかに見た目の年齢が私を越えている。
 やはり私はハーフリングの中でも特に若く見えるのだろうか………

私「とりあえず会ってみない事には何も言えないな。見合いはいつだ」

サンジェルマン「今日です」

私「今日!? ずいぶんと急いだものだな」

サンジェルマン「連絡が遅れてしまったようで。お呼びしますね」

 サンジェルマンはそう言って部屋を退出した。 
 まさか今からなのか。
 それにもう来ているのか!!?
 私は部屋着を着替えたり服装を整えたりとあたふたする事になった。

 ~~~

私「………………」

パトリシア姫「…………………」

 本当に当日だったらしい。
 サンジェルマンが戻ってきたと思えば、直ぐに広い商談室へと誘導された。
 なんでこんなにスケジュールがタイトというか早いんだ………

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 はあ………
 この部屋には私とパトリシア姫の二人きり。
 王族の見合いはもとよりこういう作法らしく、サンジェルマンや護衛はもちろん、ルイすら入室は許されない状態だ。

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 実際パトリシア姫は写真で見るよりも美しかった。
 茶褐色の肌に真っ白な髪、まつげ、眉毛。
 腹を見せるような服をきており、へそや唇、ハーフリングの長い耳に金細工のピアスが付けられている。
 何故か手には紙を何枚も束ねたようなスケッチブックを持ち、それを胸辺りで抱き抱えている。
 目は不安に満ち、一カ所に留まっていない。
 恐らく私も同じ状態だろう。

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 き、気まずい。
 始まりの挨拶以来いっさい会話がなされていないではないか。
 何か………何か言わねば…………

私「>>下」

 忘れてたやがホットココアはルイが温めたものやで。

 なおパトリシア姫(き)と読む。



私「……あ」

パトリシア姫「あの」

私「あ、いえ。どうぞ」

パトリシア姫「であっ、そ、そちらから…………」

私「……………」

 被った。
 であっ、ってなんだ。

私「えーっとその…………はるばる来た苦労を労わせてほしい。そっちの国の様子は?」

 よしなんとか言えた。
 パトリシア姫は何度かもじもじしてから、私の目を見た。
 そしてスケッチブックで口元を隠しながら小さな声で話し出した。

パトリシア姫「は……………わ、私の国は非常に豊かです…………こ、せ、先住民も、他の植民地よりは幸せな暮らしをしていると、じじじ自負しております」

 あまり人と話すのが得意ではないと見た。
 私もだが。

パトリシア姫「そそ、そちらの大英帝国は、どどうですか」

私「ああ…………その……大英帝国は開拓と発明の国だと自慢できる国だ。日々もの凄い勢いで新しいものや土地が開拓されている。それに、平和だ」

パトリシア姫「そそそそうですか…………」

 パトリシア姫はスイーッと私から目を背けた。
 瞳がプルプルと震えている。
 そして会話が止まった。
 なんでもっと長引くような話し方を出来なかったのだろうか………
 まあいい。
 次の話題を探してみよう。
 こんな事になるなら会話術の本も読んでおくべきだった………

私「>>下」

私「……………子供は、好きか?」

パトリシア姫「え、あ、はははい………す好きです」

 パトリシア姫はスケッチブックで口元を隠しながら嬉しそうに話した。
 私はそのパトリシア姫に聞いた。

私「私は、その………子供に見えるか?」

 私がそう聞くと、パトリシア姫は私の身体を下から上まで見ながら言った。

パトリシア姫「そそ、そうですね……子供に見えます。背も小さいですし、ささ最初に写真を見せられた時は冗談でしょと思いました……」

 少し言い過ぎではないか。

パトリシア姫「ででですが、同じハーフリングだと聞いて安心しました。それでも普通よりは小さいのですが………じ、実際に会ってみると、そそ想像以上に、はは話し方とかが子供っぽくはないなって…………」

 子供っぽくは無い、か。
 それに対してパトリシア姫は案外子供らしい仕草などをしている。
 毒舌、というか少し歯に衣着せぬ物言いだがな。

私「>>下」

私「ま、まあ、外見だけで人は判断出来ないからな………」

 私はチラとパトリシア姫を見た。
 清楚で静かに見えるパトリシア姫も実際の内面は分からない。
 人の内面と言うのは例え兄弟でも分からないと言うしな。
 まずは話してみるのが吉だろう。

私「と言うわけで………お互い内面のことも知ろうか? とりあえず好きなこととか趣味を語ろう」

パトリシア姫「わわわわかりました………」

 まずは私からだ。

私「私は………昔から本を読むのが好きだった。このハーフリングの身体で外に出て、可愛いと言われるのが嫌だったんだ。そうやって本を読んでいく内に、使うこともない知識と知恵だけが蓄積してきたんだ」

 サンジェルマンと私の間で日常的に行われる問答は、サンジェルマン本人が提案した物で、知識のアウトプットを目的としている。
 サンジェルマンがそうやって知識を蓄えることの楽しさを作り出してくれていなければ、私はただ何の目的もなく、ただ自然に塵が蓄積していく水たまりのように知識を蓄えてきただろう。
 今は違う。
 知識を蓄えることが楽しい。
 まだ私には経験が足りない。
 いつか世界に旅立ち、自分の知識が通用するかを確かめてみたい。
 そう思っている。

パトリシア姫「ほほ本を読むのがお好きなのですか………良いことだとおお思います………」

 パトリシア姫はこくこくと頷き、部屋の一角にある本棚に目を向けた。

パトリシア姫「あ、あれもユタ王子の本ですか? ああああの分厚い本も、もしかして全部読まれて……」

私「ああ、そうだ。勿論全部読破している」

パトリシア姫「へええ………」

 私がそう言うとパトリシア姫は好奇心旺盛の表情で本棚を見つめていた。
 まるで新しいものを知ってはしゃぐ子供のような表情だった。

私「パトリシア姫。良ければあなたの趣味をお聞きしてもよいか」

パトリシア姫「わわわ私ですか」

 パトリシア姫はそう言うと、恥ずかしそうにはにかんだ。
 そして私にスケッチブックを差し出した。

パトリシア姫「ええええっと……………たたたたいへんお恥ずかしいことなななのですが、私絵を描くことが好きでして………」

 ほう、絵を描くことが。
 私は身を乗り出した。

パトリシア姫「ととと特に動物画がお気に入りです………さささ差し支えなければ見ていただければ…………」

私「わかった。見てみるとしよう」

 私はパトリシア姫からスケッチブックを受け取り、開いた。
 するとそこには恐ろしいほど精巧なトゲナシトゲアリベヒモスの鉛筆デッサンがあった。
 私は思わず目を見張った。
 表情やシワ、光沢までを完璧に描いている。

私「これは…………すごい」

パトリシア姫「あ、あああありがとうございます………」

 照れや恥ずかしさからか顔を赤らめながらパトリシア姫は私に頭を下げた。
 私はそのまま紙をめくる。
 ヤマビロガニ、サクマツノゼミ、ヘンチクアリ、モフモフモクモア、様々な生物が絵の具やデッサンなど様々な描き方でまるで図鑑のような完成度で羅列していた。
 素晴らしいの一言だった。
 しばらくめくると、私は知らない生物にたどり着いた。
 龍のような鱗をもちつつその翼は羽毛で覆われており、美しい額の一本角がよく目立つ。
 しばらく考察してみたが、どうしてもこの生物の事は思い出せない。

私「これは………?」

パトリシア姫「あ、ええええっと、それは創作の生物で、ほほほほんとうには存在しないんです」

 創作の生物だと。

私「素晴らしい!」

パトリシア姫「っ……………!?」

 私は思わず叫んでしまった。

私「これは、素晴らしいパトリシア姫。本当に実在する生物かと思ってしまった。そう信じ込ませるほどの画力と才能、実に素晴らしい!」

 パトリシア姫はいくらかもじもじもじもじした後、小さく、消え入りそうな声で言った。

パトリシア姫「あ…………ぁぁ、ありがとうございます…………」

 不意に、パトリシア姫の目から涙がこぼれた。

私「パトリシア姫? ど、どうした?」

 パトリシア姫は手の甲で目を抑えながらぽつりぽつりと語り出す。

パトリシア姫「………いいいい今まで、だだだだれにもそんな事言われたことなくて………おおおお父様はこんな絵をかかか描いてる暇があったら勤勉にはは励めって。だだだだからももももしかしたらわわわ私にはええ絵のさささ才能がなな無いんじゃないかっておお思い始めて。ささ最近は全然筆が進まなくて…………でででもユユユユタ王子に褒めて貰えて…………ううう嬉しかったんです」

 そんな馬鹿な。
 パトリシア姫は絵の才能だけでこの先生きていける筈だ。
 それをこんな絵など…………
 いや、王には王なりの考えがあるのかもしれない。
 真っ向から否定は出来ないな。
 私は改めてスケッチブックを見る。
 一角の美しい幻獣は、走っている姿をそのまま紙に閉じ込めたと言われても不思議ではないほどの躍動感を持ち、今にも飛び出して来そうだった。
 こんな絵、ではない。
 素晴らしい絵だ。
 私はしくしくと泣くパトリシア姫に言った。

私「>>下」

私「そう、泣かないでくれ。私はあなたの泣き顔より笑顔が見たい」

パトリシア姫「………ぐすっ………………ひぐっ……………」

 パトリシア姫は涙を拭ききると、下唇を噛み、ピタッと泣き声を止めた。

私「私はとても素晴らしいと思う。たとえ一国の王が認めなくとも、私は認める」

 パトリシア姫はこくこくと頷いた。

パトリシア姫「あああ………ぁ、ありがとうございます…………」

私「………………」

 私はスケッチブックをめくる。
 どのページを見てもため息が出るほど素晴らしい………

パトリシア姫「あああの…………ユユユユタ王子…………」

 私がスケッチブックの中程まで読み進めた頃、パトリシア姫が私に話しかけた。

私「なんだ?」

パトリシア姫「よよよ、良ければなんですが、ああああとでルイ様をデッサンさせてもらえますか? りゅりゅりゅ龍というのはあああまりみる機会が少なくて……そそそそれに小さい龍は初めて見ましたから」

 なるほど、そう言った願いか。

私「良いと思うぞ。ルイが嫌と言わなければだが………」

 パトリシア姫はぱあと顔を輝かせた。

パトリシア姫「ありがとうございます!」

 それは紛れもない笑顔だった。
 計らずともパトリシア姫の笑顔がみれて、私は少し嬉しい気持ちになった。

 いくつか話をしながら、そろそろスケッチブックが終わりに近づいて来た時のこと。

私「………………?」

 私はスケッチブックの間に薄い冊子のような物が挟まっているのを見つけた。
 直感的に嫌な予感がし、さりげなくスケッチブックの角度を少し傾けパトリシア姫から見えないようにした。
 そしてその冊子を見た。
 表紙には多少リアルからデフォルメされたイラストチックな雄のライオンと恐らく雄の狼が笑いあっており、題名には『獅子と狼の[ピーーーー]』とポップな字体で書かれていた。
 このイラストはパトリシア姫が描いた物だろう。
 タッチが完全に一致していた。
 恐ろしく精巧なデッサンとパース。
 まさかこれは…………
 私は1ページ目を開いた。

 獅子が猟師に撃たれる。
 獅子は命からがら逃げる
 猟師が追う。
 獅子が狼を見つける。
 獅子は狼を食べようとする。
 狼は獅子の身体の心配をする。
 獅子は狼を食べる気を無くす。
 狼は獅子を洞窟に匿う。

 薄暗闇の中、獅子と狼は[ピーーーー]

 私は本を閉じた。
 ガッツリだった。
 修正も隠しもされていない、ガッツリだった。
 恐ろしく精巧でパース狂い無しの画力でガッツリだった。
 しかも雄と雄だった。
 しかも人化も何もされていない獣100%だった。
 しかもページ数を見るにあと20ページ以上続くらしい。
 しかもページ裏を見ると発行所などが書かれているということはある程度の部数刷られていると言うことだ。
 しかも作者の名前がパトリッシュ☆リンリンだった。

 私はパトリシア姫を見た。
 微笑んで、紅茶を飲んで、今はリラックスしているようだ。

 いや…………
 なんだこれ………

私「………………」

パトリシア姫「………ユユユユタ王子? どど、どうかされました?」

 これは…………
 どうするべきなのだ!?

 >>下

 バレ安価。
 下一桁6以下:バレる
 下一桁7以上:セーフ

 コンマだ。
 バレルーレット>>下

 誤魔化そう。
 私は何も見なかった。
 私はスケッチブックを閉じ、パトリシア姫に言う。

私「なななななんでもないぞ」

パトリシア姫「?」

 下手くそか。
 緊張のしすぎでパトリシア姫のようなしゃべり方になってしまった。
 パトリシア姫は不思議そうな表情で私が手に持っているスケッチブックを見た。
 そして、スケッチブックの端から、ほんの少し、スケッチブックとは紙質の違う紙が飛び出ているのに目を止めた。
 しまった。

パトリシア姫「………………ま、ま、まさか……………」

 パトリシア姫がまるで薄く張った氷を摘まむように、私のスケッチブックを掴み、私の手の中からゆうっくりと引き抜いた。
 そして、それを呪いの書でも開くように、開けた。

パトリシア姫「……………………………」

 パタン

パトリシア姫「ふぅ……………」

 静かだ。
 パトリシア姫は、静かに私の目を見つめる。
 そ、そんなに見つめないでくれ。
 本当に。

私「…………………」

パトリシア姫「…………………」

 徐々に、その顔が崩れ、じわじわと目に涙が浮かぶ。

パトリシア姫「…………………殺してください」

 一言そう言って、パトリシア姫は俯いた。

パトリシア姫「ぅぅぅ……………ぅぅっ……………」

 あー……………
 誰かこの状況を説明してくれ。
 とにかく………………
 なにか……………
 いわねば…………………

私「>>下」

私「た、他人に押しつけない限り趣味に貴賤はないから………その………」

 私がそう言うと、パトリシア姫が口を開いた。

パトリシア姫「おおおお願いです…………ななななんでもしますから口外しないでください…………」

 顔をあげ、私に迫りガッと肩を掴む。

パトリシア姫「お願いですから私が獣姦BL同人誌を作ってしかもそれを販売してることは口外しないでくださいっ! ………………ぇぇっ、ぅぇえええっ……………」

 言い切った後、パトリシア姫はまた顔を歪め泣き出した。
 これは…………どこから突っ込めばいいんだ。


 ~~~


 しばらくして、パトリシア姫が泣き止んだ。
 ビーッとハンカチで鼻をかむ。

パトリシア姫「ごごごごごめんなさい………とと取り乱してしまって……………」

私「いや………あれは取り乱しても仕方が無いと思うぞ」

パトリシア姫「うううう…………」

 自分が描いているとってもニッチなエロ本を見合いの席で相手方に見られるなんて事はそうそう無いだろうからな。
 想像し難い状況だが、実際に起こっている以上仕方がない………

パトリシア姫「ユユユユタ王子。ひひひ秘密にしてください。おおお願いします」

 パトリシア姫がスケッチブックを抱えたまま頭を下げた。

私「>>下」

私「口外しないようにしよう」

 私がそう言うと、パトリシア姫は感謝の意を込め無言でコクコクと頷いた。

私「これは、私以外は誰も知らないのか?」

 私がそう言うと、パトリシア姫は一度鼻を啜ったのち答えた。

パトリシア姫「ははははい。パパパパパトリッシュ☆リンリンの名はああある程度知られていますが、そそそれが私だと言うことはだだ誰も知りません」

私「そうか」

 私が初めて秘密がバレてしまった人物という訳だな。
 絶対に約束は守ってやろう。

 その時、カーン………カーン…………という鐘の音が鳴らされた。
 それと同時に商談室の扉が開く。

サンジェルマン「お見合い終了でございます。パトリシア姫、迎えの方が来ているのでお引き取り願います」

 サンジェルマンがそう言うとパトリシア姫は急いでスケッチブックを机の上から取り、頷いた。
 パトリシア姫は私に向くと頭を下げた。

パトリシア姫「きょきょきょ今日は本当にありがとうございました。ままままた明日お会いしましょう」

私「ああ、また明日パトリシア姫」

パトリシア姫「でで、では」

 そう言ってパトリシア姫は部屋を出て行った。
 見合いの日程は一週間。
 あと6日パトリシア姫とは見合いをする事になる。
 そして最終日に結婚するか否かを決めるのだ。
 まだ結論を急く必要はない。
 あと6日もあるのだから、ゆっくり決めていこう。

 ~~~

 パトリシア姫がホテルに帰って行った後、サンジェルマンが私に聞いた。

サンジェルマン「で、どうでしたかな? パトリシア姫は」

私「ううむ………」

 まだ1日目では分からないが…………
 同人誌を描いているという事実がインパクトが強すぎた。
 とりあえず今日1日見合いをしてみて、パトリシア姫と結婚しても良いかどうか…………

私「>>下」

私「結婚するかどうかはともかく、彼女とはもっと交流を深めたい」

サンジェルマン「ほお」

 サンジェルマンは口ひげを撫でながら興味深そうに言った。

サンジェルマン「前向きに検討する、と受け取っても?」

私「んー、まあそう考えてもらって構わない。パトリシア姫といると楽しいからな」

サンジェルマン「分かりました」

 結婚するかしないか。
 サンジェルマンのどんな問答よりも難しい問題を、私は今目の前に叩きつけられている…………

 ~~~

ルイ「ねーユタ~。お昼何してたの? お話?」

私「ああ、ルイか」

 私が龍棟に入ると、天井付近のリングでバランスをとっていたルイが降りてきた。
 無知の目で私を覗いてくる。

ルイ「あの女の子とお茶会してたら私も行きたかったな~」

 そうかルイは何も知らないのか。
 どうやってお見合いをしていたという事を説明しようか。
 結婚の概念はまだ教えていないからな…………

 >>下

私「お見合いをしていたんだ」

ルイ「おみあい?」

 ルイが首を傾げる。
 まあ分からないだろうな。
 私はルイの頭を撫でた。

私「簡単に言えば、彼女が私と家族になるかもしれないという事だ」

ルイ「かぞ、く?」

私「ああそうだ」

 ルイは少し考え込む。

ルイ「そうなったら、ユタとその女の子が一緒に暮らすってこと?」

私「そうだ」

ルイ「一緒に寝るってこと?」

私「……………そうだ」

 一瞬驚いたが、純粋に同じベッドで寝るという事だろう。

ルイ「そう…………なんだ」

 ルイがなぜか悲しそうな顔をした。

私「どうした?」

 私がそう顔をのぞき込むと、ルイは何かを振り払うように宙返りした。

ルイ「ううん! 何でもない! そんな事よりゆた

ミス


ルイ「ううん! 何でもない! そんな事よりユタ! 今日も遊ぼー!」

 パタタッとルイが龍棟の中を飛び回る。

私「ああ、分かった。いっくぞー!」

 まあルイが何でもないというなら心配はいらないだろう。
 それに今日はラクレシアが来る日だ。
 一年を通して私とラクレシアも親しくなった。
 今日は何をして遊ぼうか。

 あれから、6日が経った。

パトリシア姫「きょ、今日が最後ですね………」

 初日よりはリラックスしたパトリシア姫が私に言った。

私「そうだな」

 私は窓から外を見る。
 時刻はそろそろ夕刻。
 決断の時、だ。
 この一週間の間に私とパトリシア姫は様々な事を知り合った。
 休日の過ごし方や、ルイのこと。
 外出をして公園に出かけた時もあった。
 私が公園の草花や鳥の名をパトリシア姫に聞かれるがままに答えると、彼女はとても興味深そうに頷いていた。
 うんちくを最後まで聞いてもくれた。
 一緒に昼食を作ったりもした。
 パトリシア姫はあまり料理が得意では無いようだが、一緒に料理をしていると楽しい。

 ところで、この一週間、ルイの期限が悪かったのは私と遊ぶ時間が少なくなったからかもしれない。
 そう思って私はルイと毎日遊ぶ時間を増やしてみたりもしたのだが、未だ期限は微妙に悪い。
 ココアなども温めてくれなくなった。
 寂しいな。

 さて。
 決断の時が来る前に、最後に一つだけパトリシア姫に言いたい事がある。
 私は口を開いた。

私「>>下」

私「この一週間………私にとっては楽しいものだったが、パトリシア姫にとってはどうであったか? 君はまだ若いし、今回の見合い話だって、国や家族に気を使って無理をしていたのではなかったのか………不安だったんだ」

 私はそうパトリシア姫に言った。

パトリシア姫「えっと………」

 パトリシア姫は何度か考えながらもじもじと身体をよじらせた。

パトリシア姫「たた楽しかったです」

 ほんの少し頬を紅潮させながら話し始めた。

パトリシア姫「たた確かに、お見合い話は国から進められた物で、最初は気が乗らなかったのですが………そそれでもこの7日間は楽しかったです。ささ最初に同人誌の事がバレて、ちょっと気まずい空気になってしまいましたが………絵を誉めてくれて、嬉しかったです。いい一緒にイングランド料理作ったり、別の日に作ったサンドイッチを持って、公園でピクニックしたり…………本当の夫婦みたいに………」

 最後の方はもじょもじょとはにかみながら、パトリシア姫は言った。
 ここまで言われて気づかない私ではない。
 薄々気付いてはいたのだが、数日前からパトリシア姫は私に気がある。
 朝会った時、まるで会うのが楽しみだったような顔をする。

パトリシア姫「だだから………その………楽しかったんです。凄く。だだから、その…………け、結婚してみても、いい良いかなと………わわ、私的には………おお思っている……んです…………よ?」

 カーン………カーン………

 ちょうど、そのタイミングで、パトリシア姫がそう言ったタイミングで鐘が鳴った。

サンジェルマン「終了、です」

 サンジェルマンが扉を開けた。


 ~~~


サンジェルマン「最後にこの後、数人の証人を集めた上で婚約を決めます」

私「とうとう、か………」

 最後の決断、だ。
 パトリシア姫を妃として迎え入れるか、否か。

 >>下

 また理由も>>下

 ~商談室~

パトリシア姫「け、結論は、出ましたか?」

 パトリシア姫がスケッチブックを抱きかかえながら言う。
 私は頷いた。

私「私は結婚したいと思っている」

 パトリシア姫が驚いたような顔をした。
 それから、口元を緩ませ、によによした。

私「貴女ほどの女性から結婚しても良いと言われて、断るなんて男が廃る。それに、今まで貴女のように自然に私に接してくれる異性はとても少なかった。だから………」

 私は息を吸った。

私「結婚してくれ」

 パトリシア姫は口元を緩ませながら、返事をした。

パトリシア姫「はい…………♥」

私「ああ…………」

 かくして、私とパトリシア姫は婚約した。
 ハーフリングの夫婦、か。
 子供も背が低いのだろうか。
 私は将来築かれるであろう家庭に思いをはせた。

私「………………………ん?」

 今、商談室の扉の隙間から何かが覗いていたような………

サンジェルマン「ユタ様、どうかされましたか?」

私「ん? ああ、いや、何でもない」

 ……………気のせいだな。

 次の日。

 一度正確な手続きを済ませるため、パトリシア姫との同居はまだだ。
 数日すれば同居する事が出来る。
 それまではしばらくの辛抱だ。
 私は本を読む手を止め、席を立った。
 そろそろルイと遊ぶか。

 その時、サンジェルマンが血相を変えて駆け込んできた。

サンジェルマン「ユタ様!」

私「どうした?」

サンジェルマン「ルイ様が…………!」

 ……………ルイが?

私「うっ!」

 私が龍棟に駆けつけ門を開けると、中は溢れんばかりの灼熱の空気と蒸気に満たされていた。
 蒸気は人工の川が蒸発したものだろう。
 これだけ水蒸気があるということはそれだけ強力な熱源が………!

私「どうしてこうなった!」

サンジェルマン「わかりません!」

私「クソッ……………!」

 蒸気が邪魔で見えない。
 それに熱い。
 恐らく熱源はルイ。
 だが、どうしてだ。
 熱の操り方はマスターした筈だ。
 ちょっとやそっとでは暴走などしないはず………
 つまりルイの身にただならぬ何かがあったに違いない。

私「ルイ!」

 私は熱波の吹き荒れる中に向かってルイの名を呼んだ。
 微かに、蒸気の中に影が見える。
 門を開けていたからか、蒸気が少し薄くなったようだ。

ルイ「…………………ユタ」

 微かに、ルイの声がした。
 私は呼びかけ続ける。

私「ルイ! 静まれ! 気を落ち着かせろ!」

ルイ「ユタ……………」

 ルイの影が、起き上がった。

 フッ………

 私の声に答えるように熱波が消え、むわっとした空気が入り口から逃げていく。
 蒸気が薄れ、奥からルイが歩いてくる。
 鱗に大粒の雫をいくつも滴らせながら、ルイは私の前に姿を表した。
 だが、その体は、また一回り大きくなっていた。

私「ルイ…………」

ルイ「ごめんなさい…………力が…………抑えられなかった。なんか、いくらでも身体の奥から熱が湧き出てきて、訳が………分からなくなっちゃったの……………」

 ボロボロと、ルイが涙を流す。
 原因は不明だが、ルイ本人でさえ抑えられないほど力が暴走したようだ。
 それと同時に体も大きくなった。
 なぜだ………?
 ルイが少し大きくなった鼻先を私にすり寄せる。

ルイ「ごめんなさい…………」

 悪いことをしてしまった子供のように、ルイが誤る。

私「>>下」

私「怪我が無くて、良かった………」

 私はルイを子を愛おしむように抱擁した。
 ルイの身体はまだ熱かった。
 腕の中で、ルイが花鼻を啜った。
 なぜ、ルイはこんなにも力を制御出来なかったのだろう。
 確か、元々ルイの力が爆発する原因はルイが悲しんだ時のはずだ。
 つまり、ルイは何かを悲しんでいた………
 それも、我を忘れ龍棟の中を熱気で溢れさせる程に。

 私ははたとその可能性に気がついた。
 なぜ、ルイは悲しんでいたのか。

私「サンジェルマン、外してくれ」

サンジェルマン「は。かしこまりました」

 ルイと二人きりで話をするために、私はサンジェルマンを外させた。
 サンジェルマンの姿が見えなくなった頃、私は腕の中のルイに話しかけた。

私「ルイ」

 もしかしたら、違うかもしれない。
 それでも、関係性は十分に見える。

私「もしかして昨日、商談室を覗いていたのは、ルイだったのか?」

 ルイがはっとしたような顔で私を見上げた。

私「原因は、私がパトリシア姫と結婚するからなのか?」

 私は霧が晴れた龍棟内に目を向ける。
 龍棟の中心の床が焦げている。
 池の水は蒸発し、そこら中が結露している。

私「…………こんな状態になるまで悲しむという事は、そういうことなのか?」

 ルイがうつむき、私の腹に額を押し付けながら言う。

ルイ「………わかんないよ……………わかんない………」

 ルイはボロボロと涙を流しながら、顔を歪ませた。

ルイ「パトリシアって子がユタと家族になるって聞いて、一週間二人がおみあいしてる間ずっと悲しかった。ユタが遊んでくれてる間も、悲しかった………いつもは、楽しい筈だったのに…………」

 ルイが私の顔を見上げる。

ルイ「これまでと同じように、遊べなくなっちゃう………ユタが、私じゃなくてパトリシアって子を大事にする………」

 ルイの体が熱くなる。
 これでも抑えてはいる方だろう。
 昔なら、既に私は消し炭になっている筈だ。

ルイ「もう、嫌。捨てられたくない。ユタ。私だけを大事にしてよ。今まで一緒に暮らしてきたのに、私よりパトリシアって子を大事にするの。だって、私家族じゃないもん。パトリシアって子がユタの家族になる。でも私は………ペットだもん。私はペットだもん!」

 ペット。
 その言葉は、どこで知ったんだ。
 そうか最近文字も読めるようになったんだったな。
 それでどこかで読んだのだろう。
 確かに世間からみれば私が飼い主でルイがペットだ。
 でも、違う。
 ペットじゃない。
 ルイは………

 ルイは>>下

 私は、少し前までは結婚する気などさらさら無かった。
 だからせめてもと思い、まだ幼かったルイを買い子供のように育てた。
 ペットではなく、まるで本当の子供のように、家族として一緒に暮らしてきた。
 それはパトリシア姫と結婚をしても変わらないと思っていた。
 それは、違った。
 寝床は離れ、一緒にいる時間も短くなる。
 それだけの、僅かな違いだ。
 しかし、それはルイにとって僅かでは無く、耐え難いものだった。
 ルイにとって、私の本当の家族が出来るということは、ルイが私の家族ではないという事を突きつけられているように感じた。
 違う。
 ルイは家族だ。
 少なくとも、私はそう思っている。
 甥や姪と一緒に遊ぶルイを見て、私はまるで本当の子供のように思っていた。
 成長する姿を喜ばしく感じた。
 本当の、私の子供のように。
 それでも………
 それでも、もしルイが言う『大事にする』と言うことが、家族としてではなく恋人としての愛を求めているとしたら………
 私は、どうすれば良い………

 どれだけ蓄えた知識も役に立ちはしない。
 私は自身の無力さを知った。

 もう少し………ルイの話が聞きたい。

私「………違う。ルイはペットじゃない。家族だ」

 ルイの鱗一枚一枚がフライパンのように熱い。
 それでも、私は抱きしめる。

私「トキとソラとヤミと一緒の、家族なんだよ。ペットじゃない………分かってくれ………」

ルイ「ユ………タァ……ひぐっ………」

 ルイの鱗が冷えていく。
 気が落ち着いてきたようだ。

私「>>下」

 因みに別に「ペットは家族」と言ってる人を否定している訳じゃないで。
 ルイが「私はペットだから家族じゃない」と言っているのを否定しているんやで。

私「ルイ。ルイが言う大事にしてというのは………どういう意味なんだ? 家族として愛して欲しいのか、それとも、パトリシア姫と同じように、恋人や、夫婦、つまりは子供を作るパートナーとして愛して欲しいのか? ……………正直に、言ってくれ」

 今まで私は子供としてルイと接してきた。
 元々言葉を話せなかったルイは沢山のことを学び、成長した。
 その中で、複雑な感情もいくつも生まれただろう。
 私が感じている「愛」は父性であり、当然ルイからは親を慕う「愛」があると考えていた。
 それは違うかもしれない。
 家族であったとしても、血のつながりは無い。
 だから、ルイの本能が目覚めたかもしれない。
 動物のつがいの間に生まれる………自然な「性欲」と言う名の「愛」と一緒に。
 …………しかし、これはただの私の妄想かもしれない。
 ルイがただ私を親として見ている可能性の方が………

ルイ「……………………」

 ルイがゆっくりと口を開いた。

ルイ「…………私ね…………ずっと、思ってたんだ…………」

 ルイが私から離れ、話し出す。

ルイ「私が産む卵から、ユタの赤ちゃんが生まれたら…………どれだけ、良いかな………って」

 ルイの潤んだ瞳が私に向けられる。
 その目が、その言葉が、私に向けられている「愛」の全てを物語っていた。
 私は小さいため息を吐いた。

私「………明日、パトリシア姫と3人で話し合おう。もしかしたら、3人ともさっきのルイみたいに心が傷つく結果になるかもしれない。でも………自分の気持ちを隠さず素直に話せるのが…………本当の『家族』だと思うから」

 ルイが涙を流しながら頷いた。

 その話し合いの結果がどこに落ち着くかは分からない。
 しかし、傷一つ無く終える、と言うのは、どうにも厳しそうだ…………
 二人を幸せにするために………私はボロボロになる覚悟を決めた。

 その夜。

 私はルイと一緒に、いつも通り寝た。
 他意はない。
 もう一度言う他意はない。
 それよりもルイはセックスの事を知らない。
 だからただ一緒に寝ただけだ。
 大丈夫だ、いつも通りだ。
 胸が高鳴っているが他意はない。
 少し意識しただけだ。
 他意は、無い。

 安らかな寝顔で寝息を立てるルイの横で(因みにルイのサイズは小さめの中型犬ほど)私は考えを巡らせた。
 パトリシア姫とルイの事だ。
 まずパトリシア。
 まだ結婚こそしていないものの、彼女は既に私の事を配偶者として見ている。
 端的に言えば好いている。
 順調に物事が運べば行われる一週間後の結婚式から後は、正式な夫婦になる。
 趣味を共有する事ができ、また同じハーフリングとしての親近感もある。
 妃としては何一つ申し分はない。
 次にルイ。
 私と暮らした時間は一年と少し……
 確かに、最初の方は私の中にも少しだけルイのことを「ペット」と思っていた考えがあったかもしれない。
 でも、ルイが言葉を話すようになり、どんどん物事を理解するようになるにつれ、その意識は小さくなってきた。
 本当の家族のように、子供のように思えてきた。
 独身である私にとって、それはなんとも奇妙な感覚だった。
 かわいらしい、それでいてわんぱくで、いたずら好きで、決して扱いやすくはない。
 でも、それはいかにも心地良かった。
 本当の子供が出来たようで嬉しかった。
 それなのに………
 私を異性として「愛」していると。
 ルイは、そう言った。
 私は、どうすれば良いんだ………

 私は隣に眠るルイの頭を撫でた。
 全ては、明日決する。
 「家族」、そして「愛」。
 その2つの流れが織りなす混沌の渦の中心にいるのは私だ。
 パトリシア姫、ルイ。
 教えてくれ……………
 どうすれば、幸せになれるんだ……………








 目を覚ませば、夜が明けていた。

 ~商談室~

 私はルイの隣に座り、パトリシア姫と向き合っている。
 緊急招集として、パトリシア姫を呼び出したのだ。

パトリシア姫「ユユタ王子。どうされたのですか? そそそれになんだかルイ様が一回り大きくなったような………?」

 パトリシア姫がルイを見ながら言った。
 ルイは頭を垂れ、パトリシア姫の視線を避けるようにうつむいている。
 まあこの際ルイが大きくなった事は置いておいて………
 単刀直入に言ってしまおう。
 私は、口を開いた。

私「>>下」

私「ルイにもパトリシア姫にも、お互い伝わっていないことが多い。そしてその事はお互いにとって良いこととは限らない。でも、全てを出して本音で話し合いたいんだ」

 パトリシア姫は不思議そうに首を傾げた。
 何も知らないのだから当然の反応だろう。

私「パトリシア姫、私の妃になる前に、貴女にまずは知ってもらわなければいけないことがある」

パトリシア姫「…………はい」

 パトリシア姫は神妙な顔で頷いた。
 私はルイを示した。

私「ここにいるルイ……ルイはファイアドラゴンであり、今まで一緒に暮らしてきた家族だ」

 パトリシア姫は頷く。
 この1週間でルイとパトリシア姫は何度か会っている。
 私からパトリシア姫にはルイの事を教えているし、直接本人同士も話したり遊んだりしているため互いのことは知っている筈だ。
 それでも、今から私が話すことを、パトリシア姫は受け止めてくれるだろうか。
 私がルイに視線を送ると、ルイは静かに頷いた。
 私は覚悟を決めた。

私「>>下」

 まあハガネもヒヒガネも一夫多妻やしな。
 再安価やで。

 ……それにしても元々のユタの性格の弱気で周りに流されやすいって言うのをワイが全く使えてない気がするで。
 すまん。

私「昨日、私とパトリシア姫が婚約を終えた後、龍棟でルイが力を暴走させていたんだ。龍棟内を熱波で満たし、私が行くまで、ずっと暴走し続けていたんだ」

 初耳だったパトリシア姫が驚いたような顔をした。
 ルイが顔をふせる。

私「前にも話した通り、まだ幼かった頃のルイは悲しくなるとすぐにファイアドラゴンの力を爆発させていた。この火傷も、その爆発した力に晒されて負った物だ。しかし、訓練を続ける内に、ルイはその力を制御する事が出来るようになった。ここ最近は一切力を暴走させていなかったんだ。それなのに昨日、ルイは暴走させてしまった。力を制御できなくなるほどの悲しみが、ルイの力を爆発させたんだ」

パトリシア姫「悲しみ…………」

 私は一息ついてから、核心を話した。

私「その悲しみを作った原因は………私だった」

パトリシア姫「王子が………?」

私「……………あの日、ルイは覗いていたんだ。私とパトリシア姫が婚約するところを。それが、ルイを暴走させる要因だった」

 私は頭を抱えた。

私「本人から聞いて、私は初めて知ったんだ。ルイは、私のことを『愛』していたんだ。『家族』ではなく、異性として。…………男女の関係として」

 パトリシア姫が小さく息を飲む音が聞こえた。
 今頃口元を押さえているだろう。

私「ルイは私がパトリシア姫と結婚をして、自分を愛さなくなってしまうと考えたんだ。それで、力が暴走してしまうほどに、悲しくなってしまったんだ…………」

 圧倒的無力感が私を襲い、頬を涙が伝う。
 どうして、今までルイの気持ちに気づいてやれなかったのか。
 どうしてもっと気づけるように寄り添ってやらなかったのか。

私「私は昨日一晩考えたんだ。どうしたら、二人を幸せに出来るかって。パトリシア姫、婚約者である貴女を前にしてこんな事を言うのは適切では無いと思うが、私はルイを結婚相手として見るのも不可能では無いと思った」

ルイ「えっ……?」

 ルイが不意を突かれたような顔をして私の横顔を見た。

私「流石に、気持ちを完全に向けるのはまだ難しい。でも、それでも、今まで育ててきた相手としても、私を好いていることにしても、ルイの気持ちはとても大事にしたいんだ」

 私は顔を上げ、パトリシア姫を見た。
 パトリシア姫は表情が無かった。
 怒っても、泣いても、喜んでも、悲しんでもいなかった。
 ただ、耳を立て、私の話を静かに聞いていた。

私「………最低だと思って貰って良い。私が、『パトリシア』を好きなのも私の本心だ。情けない男だと思うだろうが、今更二人のうちどちらかを手放すなんて………そんな覚悟は私には無いんだ」

 優柔不断。
 私を四文字で表すのならば、その言葉が一番だろう。
 私は、息を吸った。

私「いっそ、二人を娶る事も考えた。それで私が2人を幸せに出来る自信は無いのに。元はと言えば結婚という物を理由を付けて避けたりしたり、決断を周囲の考えに流されるままで、自分では何も考えていなかった私が悪い。どうすれば…………いいんだ…………」

 しばしの沈黙を破り、パトリシアが口を開いた。

パトリシア「どうすればいい、ですか」

 パトリシアは私の言葉を繰り返し、私の目を見た。
 その瞳の中に、私は怒りの灯火がメラメラと燃えているのを幻視した。

パトリシア「…………最低ですね」

 そうか。
 私は、最低か………
 パトリシアが机を叩き、立ち上がり、私を見下しながら言った。

パトリシア「意気地なし、腰抜け、弱虫、小心者!」

 人が変わったように、パトリシアはそう私に怒鳴った。
 単語一つ一つが私の胸に刺さる。

パトリシア「……………」

 パトリシアは息を切らしながら、再び席に着いた。
 そして、しばらくしてぽつりと呟いた。

パトリシア「…………………娶っちゃえばいいのに」

 私は耳を疑った。

私「………え?」

パトリシア「そんなに大事なら娶っちゃえばいいじゃないですか」

 さも当たり前のように、パトリシアはそう言った。
 変わらず流暢な言葉でパトリシアが続ける。

パトリシア「ルイ様。貴女はユタ王子の事が好きなんですよね」

 あっけにとられていたルイがこくこくと頷く。

パトリシア「だったら結婚してください。ユタ王子が貴女だけの物になる事は叶わないけど、それが一番幸せでしょう」

 つまり、2人とも妃として迎えろと?
 願ってもいない提案だが………

私「い、良いのか? そうするとパトリシアと接する時間が半分に………」

 パトリシアは手を私の手に重ねた。

パトリシア「良いんです。愛は半分にはなりません。むしろ養って増えるものです」

 パトリシアは微笑んだ顔を少し険しくして、ルイに向かった。

パトリシア「ルイ様」

ルイ「は、はいっ」

 緊張しきった子供のように、ルイが返事をした。
 パトリシアはルイの目をまっすぐに見て言った。

パトリシア「…………良いですね?」

 パトリシアと一緒に、私の妃になる。
 ルイが望んだように、ルイだけを愛するわけではない。
 それでも、良いのか、と。

ルイ「………ぅっ、ううっ」

 ボロボロと涙を溢れさせ、ルイがコクコクと頷いた。
 その涙は、願い通りにならなかった悲しみの涙というより、パトリシアに認められたという安堵の涙に見えた。

パトリシア「では…………」

 ルイの覚悟を確認したパトリシアは、私の方を向いた。
 そして何かのスイッチが切り替わったように、真面目な顔から打って変わってもじょもじょとしながら聞いた。

パトリシア「そそそそその、えええええええっと、わわわ私達を妃にして貰えますか………?」

 ルイも私の方を向く。
 その目は潤んでいた。
 汚れを知らぬ、ルビーのような純なる瞳。

 ………必ず幸せにする。
 私はそんな覚悟を再びしかと胸に抱いた。

私「>>下」

 普通は決して対立しあう事のない家族の愛やからな。
 まとめるのが難しかったやで。

私「………分かった」

 私は頷いた。

私「二人を、妃として迎え入れさせてくれ」

 言った。
 言い切った。
 安堵から自然と、涙が溢れ出る。
 涙が、止まらない………っ!

私「ずっと、ずっと二人を愛す。皆で、家族としてこれから、ひぐっ、一生生きていこう……………っ!」

ルイ「ユタァァァ………!」

 ルイが顔を涙でくしゃくしゃに濡らしながら、抱きついてきた。
 私は抱き返した。
 ほんのりと暖かいウロコが心地よい。
 これで、本当の、本当に家族だ。
 私がそう思っていると、ルイの肩越しにパトリシアが微笑んでいるのが見えた。

パトリシア「ユユタ王子。こここで私は失礼しても宜しいですか?」

 私はルイの背中をトントンと叩きながら答えた。

私「ああ、いいぞ………すまなかったな、わざわざ招集して」

 パトリシアは頷いた。

パトリシア「とところで、わわ私達の結婚式まであと一週間なのですが………」

私「いや、流石にルイと同時というのは難しいだろう。ルイとの結婚式はまず父上に報告しなければいけない。それからしばらくしてからだろう」

 私がそう言うと、パトリシアは首を振った。

パトリシア「いえ、そそのことではなく………」

 パトリシアは髪を手で避け、私の耳元で言った。

パトリシア「………我慢出来なければ、フライングしても宜しいんですよ?」

 熱い吐息を孕んだ息が、耳を優しくなで、ゾクゾクと震えが走った。
 フライングと言う言葉が、何を意味するかは分かる。
 私は胸に顔をうずめるルイを見下ろした。
 大きさ的にギリギリ行け…………
 何を考えてるんだ私は!
 いや、しかし…………

私「か、考えておく」

 パトリシアはうふふと笑い、恥ずかしそうに呟いた。

パトリシア「で、では………いいいつでもお呼びください、ね?」

 パトリシアは消極的なのか積極的なのか………判断しかねるな………

 結婚式まであと一週間。

 何があったか、もしくは何か行動を起こしたか>>下
 因みに重大イベントが結婚式直前にあるで。

ドラゴンだったら胸がそもそもないからええんじゃないか!
でも人間系の種族と結ばれて乳飲んで育つ子が生まれるかもしれないとなると、その時はあったほうがいい気もするな
割とどっちでも行ける気がしてきた

 >>152
 胸は無いで。
 母親が卵生だった場合は子供は卵で産まれてくる。
 母親が胎生なら子供は胎で育つ。
 この世界では卵生の母親から生まれてきた哺乳類の子供の為に乳母とか粉ミルクがあるんやで。

 次の日。

ラクレシア「婚約おめでとうございますユタ王子!」

私「ああ………うん。婚約な。うん」

 数日ぶりにルイと遊びに龍棟に来たラクレシアが元気そうに頭を下げた。
 私とパトリシアが婚約したことは既に新聞で報道されており、「ハーフリングのアツアツカップル爆誕!」と言われている。
 ラクレシアはちょっと前に、以前とは別の男と結婚し、今は幸せに暮らしているようだ。

ラクレシア「あー、またルイちゃん大きくなったんだー! かわいい~、ちょっとかっこいい~!」

ルイ「ママー♥」

 ラクレシアが頬ずりをし、ルイが頬ずり仕返す。
 とっても微笑ましい光景だが、その時私は言わなくてはいけない事があることに気づいた。
 まだ公になっていないあの事実について。
 そうだよな。
 彼女に説明しないわけにはいかないもんな………

私「ラクレシア、ちょっといいか?」

ラクレシア「はい? 王子」

 ラクレシアがルイを抱きしめながら言った。

私「………………」

 覚悟を決めねば。
 最近覚悟を決めてばかりだなと思いつつ、私は口を開いた。

私「>>下」

私「ラクレシア………」

 私は膝を付き、頭を地面にたたきつける勢いで下げた。

ラクレシア「え、ちょ、王子?」

私「本当にすまないと思っている!」

ラクレシア「王子!?」

 ラクレシアがどうして良いか分からずおろおろとしている。
 私は頭を地面に付けたまま続けた。

私「ルイを私に下さい!」

ラクレシア「敬語まで!? え、どういうこと!?」

ルイ「ママ………ごめん」

ラクレシア「ルイちゃんもなんで謝るの!?」

 私は顔を上げ、ルイと私の関係について話し始めた。



 ~~~



ラクレシア「えっと……………うん。えっと、うん?」

 ラクレシアは頭に手を当てながら色々と考えているようだ。

ラクレシア「え………まあまあ。ルイちゃんがユタ王子の事を好きで…………うん。うん?」

私「混乱するとは思う。だが、これは私の本心なんだ。だからせめて一度義母上殿には話しておかないといけないと思って………」

ルイ「ママ、お願い………」

ラクレシア「いや、うん。良いか悪いかで言ったら全然良いですし結婚も認めるんですが、お願いですから私を義母上殿って呼ばないで下さいっ!」

 ラクレシアはそう叫んだ。

 ~~~


ラクレシア「ようやく全てを理解しました………うん」

 息切れしながら、ラクレシアが言った。

ラクレシア「本気…………なんですね」

私「ああ。ドラゴンと結婚できない法は無いから、何とかして父上……王を説得して結婚に押し切ろうと思っている」

 前例も何も無いが。
 ラクレシアが少しため息をついた。

ラクレシア「本気なんですね…………」

私「本気だ」

 ラクレシアはルイに向いた。

ラクレシア「ルイちゃんも、本当にユタ王子の事を愛してるんだね」

ルイ「うん」

 ルイがラクレシアの腕の中で逆鱗を撫でられながら頷いた。

ルイ「お嫁さんになるのはパトリシアちゃんと一緒だけど、パトリシアちゃんは家族として一緒にユタを愛そうって言ってくれたんだ」

ラクレシア「家族かぁ………良かったね」

ルイ「うん」

 ラクレシアは類をナデナデしながら私に言ってきた。

ラクレシア「ユタ王子。少し、ルイちゃんを借りても良いですか?」

 少し話をするらしい。
 ルイはクルクルと喉を鳴らしている。
 気持ちよさそうです。

私「ああ」

ラクレシア「ありがとうございます。ルイちゃん、行こ」

 ラクレシアは微笑んでルイを連れて行った。
 ………私はその微笑みに、何故か少し裏があるような気がしてならなかった。

 ~~~

 しばらくして、ルイだけが戻ってきた。

私「ルイ、ラクレシアは?」

ルイ「ああ、えっと、なんか先に帰るって」

私「そうか」

ルイ「…………………」

 …………ルイが何やらもじもじとしながら私を見ている。
 横を見ながら、なぜかちらちらと私の方を向いている。

私「なにか言いたい事でもあるのか?」

ルイ「あ…………ううん。なんでもない。………ちょっとだっこして欲しいなって」

 なんだそんな事か。
 私は両手を広げ受け止める準備をすると、ルイがパタパタと飛んできてドスっとお姫様抱っこの体制になった。
 いつも通りの体制だが………
 重っ。
 少し大きくなっただけなのに、こんなにも重くなるのか。
 まあ言わないが。
 ルイのお腹はウロコが背中側に比べて薄く細かく、柔らかい。
 柔らかいというよりはしなやかで強く、さわり心地はトカゲのような感じだ。

私「じゃあ行くか」

ルイ「………うん」

 ルイは少しはにかんだように言った。

 その夜。


私「じゃあお休み、ルイ」

ルイ「お休み…………」

 私はルイに布団を掛けた。
 今日はいつも通りルイと龍棟で寝る事にした。
 パトリシアが宮殿に来れば、どの道龍棟で寝ることは出来なくなる。
 その後はルイにも宮殿で寝て貰うつもりだ。
 いや………
 うむう………
 セックスはどうしようか。
 どちらか一人だけ抱くというのも………よろしくないな。
 後々考えよう。
 私は最後にルイの頭を撫で、目を瞑った。

ルイ「……………お休み、ユタ」

 もう一度ルイがそう言って、私の頬に唇を付けた。
 キスなのだろうか。
 私は目を瞑ったまま、ふふと笑った。
 やっぱりルイは可愛いな………

私「お休み」

 私はルイにもう一度お休みを返した。
 そして、ゆっくりと眠りに落ちていった…………

 ~~~


 胸の圧迫感で、私は目が覚めた。

私「……………んんんっ………」

 重い………
 そして顔が熱い………?
 なんだ?
 私がうっすらと目を開けると、目の前に月明かりに照らされ、ルビーのように輝くルイの顔があった。

ルイ「ハア、ハア………」

 魔法の熱ではなく、恐らくルイ本人の熱だろう。
 ドラゴンのブレスを思わせるほどの熱い吐息が、私の顔面にかけられている。

ルイ「ユタ………ハア……起きた……ハア、ハア………」

私「>>下」

私「ど、どうしたルイ? 具合でも悪いのか?」

ルイ「ハア……ハア…………」

 タラー……ポタッ

 私の頬に、熱いルイのよだれが落ちた。
 私の言葉は耳に届いていないようだ。

ルイ「ユタ…………ユタ………ふぅ………」

 ルイはうわごとのように、私の名前を呼んでいる。
 これは…………

私「んむっ………!?」

ルイ「んんっ………んふっ……」

 不意にルイが私と唇を重ね、口付けをした。

 されるがままか、一度放して話すか>>下

私「ま、待てっ………!」

 私はルイを引き剥がし、起き上がった。

ルイ「んあぁっ…………」

 バタバタと羽ばたき、必死に前に進もうとしているルイを抑えながら私は言った。

私「ルイ、一端落ち着け! 落ち着けって!」

ルイ「はあ、はあっ………」

 私が話しかけると、ルイは徐々に落ち着きを取り戻した。
 それと同時に、ルイの瞳に涙が溢れてきた。

ルイ「………っう…………うああっ………ひぐっ………」

私「………………どうしたんだよ」

 恐らく、夜這いをしようと思ったのだろう。
 しかし、セックスの「セ」の字も知らない筈のルイが何故………?
 ルイは翼で涙を拭いながら、話し出した。

ルイ「い、言えないのっ。い、言っちゃダメって、マ、ママから言われてるから」

 いや、今はっきりと誰の吹き込みかは言ったけれどな。
 私は考えを巡らせた。
 吹き込んだタイミングは、昼にラクレシアがルイを連れて行った時だろうな。
 あの時恐らく、ラクレシアが全てを教えたのだろう。
 全て、と言うのは夜這いからセックスの仕方まで全てをだろう。
 何てことをしてくれたんだ…………
 しかしルイが言いたくないと言うなら、ラクレシアの事は聞かないようにしよう。
 別の事を話そう。

私「>>下」

 (ちなみに安価通りこの後セックスする事は確定)

私「なあ、ルイ。こ、こう言うのはもっと段階を踏んでからにするべきなのでは………」

 私がそう言うと、ルイは首を横に振った。

ルイ「ううん。私は二番目だから、ぐすっ。大事にしてもらうためには、よばいしてせっくすしないと、ひぐっ、いけないから。そうすれば、だっ、大事にしてもらえるから」

 ………そう、ラクレシアから聞いたのか。
 違う、それは間違いだ。
 私はルイの頬に手を当てる。

私「違うんだ、ルイ。ルイは二番目なんかじゃない。パトリシアと同じ家族だ。一番も二番も無いんだ。こんな事をしなくたって、私はルイを大事にする」

 ルイはズズッ、と鼻をすすり、頷いた。

ルイ「うん………うん…………っ!」

私「なあ、お願いだから分かってくれルイ。私はちゃんとルイを愛している。家族としても、妃としても。だからもう………大事にされてないなんて、思わないでくれ。今夜は止めよう」

 ルイは頷いた。
 分かって貰えたようだ。
 しかし、ルイがセックスとは何たるかを知ってしまった以上、この先その問題は避けられない。
 いつ頃行為に至るかも考えなければ………
 その時、ルイが口を開いた。

ルイ「………でも」

 でも?

 私が疑問を持ったと同時に、ルイが前脚を私の胸に当て、押し倒した。

私「………ルイ?」

 ベッドに仰向けになった私の上に、一番最初のようにルイが覆い被さってきた。

ルイ「ハア、ハア、ハア♥」

 私を見つめるルイの潤んだ瞳には、今にも破裂してしまいそうなほどパンパンに膨れたハートが浮かんでいた。
 完全に発情している。

私「おい、待て、私の話聞いていたのか!?」

ルイ「ごめんねユタ。ごめん。ガマン出来なくなっちゃった。もう、止めらんなくなっちゃった♥」

 ルイが息を荒くしながら身体を前後に動かし、股を私の股間にこすりつけている。
 私はルイを離そうと前脚に抑えつけられている手を動かした。

私「………っな!?」

ルイ「ユタ、ごめん。逃げられないよ」

 ルイの前脚はがっしりと私の腕を押さえつけたまま動かない。
 やはり小柄とは言え龍。
 本気を出されればこの小さな身体では太刀打ちが出来ないという訳か………
 龍でなくとも、ある科学者の言葉では「猫と人間が対等に戦おうとしたとき、人間が日本刀を持って初めて勝負が成立する」という。
 どの道人間は弱いという訳だな。

 いや何冷静に科学者の言葉を引用してるんだ!
 ルイは変わらず股をこすりつけている。
 このままでは私も………!

私「ま、待てルイ。私の心の準備が………罪悪感が………」

ルイ「ごめん、ユタ。止められないよ。止められないよ♥」

 無理か。
 限界点を突破した。
 ムクムクと、股間が膨らんできてしまった。
 私も我慢していたのだが、刺激にさらされ続け、不可逆的に反応してしまったのだ。
 私の呼吸が乱れてきたのを感じ取ったのか、ルイの息も荒くなってくる。

ルイ「ユタ……ユタ……………♥」

私「……………くっ」

 …………覚悟を決めるしか、無いようだな。

 ユタのムスコのサイズ>>下

 ヒラナリを基準として………
 大体20cm。

ルイ「ん………ふぅ………」

 ルイは艶めかしい息づかいのまま、後ろ足で私のズボンの紐をつまみ、ほどいた。

 しゅる、しゅるるっ

 そして、見事なテントを張っている下着を下ろす。
 ボロン、と私の性器が姿を表し、熱いそれをルイの腹に押し当てている。

ルイ「ん……確か、おっきくなってたら、えっちな気持ちになってるんだよね?」

私「………ああ」

ルイ「あは………♥」

 ルイはそのまま前後に動き続ける。
 柔らかいルイの腹に擦られ、ビクッ、ビクッ、と性器が反応する。
 気持ちがいい。
 オナニーと言うのを私はやったことがない。
 精通はあったが、性知識は全てただの知識のみ。
 つまりこれが私にとって初めての性的快楽だった。
 ゆえに。

 ビュウッ、ビュググッ!

 早漏であった。
 ビチャビチャっ、とルイの腹が白く染まる。
 ルイは一瞬驚いたように目を見開き、二、三度鼻をひくつかせたかと思うとトロンとした表情になった。

ルイ「これが………えっちな………匂い………♥」

私「はあ、はあっ………!」

 全身が炎の中にいるように熱い。
 だんだんと淫らな気持ちになってくる。
 ルイが口付けをした。
 私は受け入れる。
 先ほどの唇を重ねるだけのキスとは違い、ルイの太い舌が容赦なく侵入してくる。

 じゅるっ、じゅぷっ、じゅぞぞっ

 頭が真っ白になるくらい、濃厚なキッス。

 ルイも、私も、本能に抗えなくなっていた。

 この後のえっちの流れ>>下3つ。

ルイ「ぷ……はっ…………」

 ルイが口を離し、息を吐く。

ルイ「ユタ、ユタアア………」

 何度も私の名前を呼びながら、くねりくねりと尻尾をよじらす。
 尻尾の付け根にあるウロコの隙間に小さな縦スジが見える。
 あれがルイの性器だろう。
 腰を浮かせ、亀頭の先を秘部に入れようと何度も擦るが、挿入の動作にルイが慣れている筈もなく、滑ってなかなか入らない。

私「ああっ……うっ」

 じらされ続け、私はそろそろ限界に達そうとしていた。
 しかし一回の射精の後は何分かのクールダウンがつく。
 まるでくしゃみが出そうで出ないような、そんな煩わしさがあった。
 しかし遂に、ルイの秘部が亀頭を捉えた。

ルイ「い、いれるよ………」

私「ま、待てルイ…………心の、準備が…………」

ルイ「ん………♥」

 問答無用といった様子で、ルイがゆっくりと腰を後ろに動かした。
 秘部が裂け、ズブズブと亀頭がその中に飲み込まれていく。

私「うぐ、あああっ………」

ルイ「あ……痛だ…………っ」

 ルイがビクンと跳ねた。
 亀頭が秘部の中で薄い膜のようなものに突き当たったのだ。
 処女膜だ。

ルイ「はあっ、はあっ…………つっ………ぃ」

 ルイはそこから更に腰を下ろそうとし、顔を歪めた。
 想像以上に痛かったのだろう。

ルイ「ユタ…………はあ、はあ…………行くよ…………」

私「っ………ぅっ」

 ルイは痛みから涙を浮かべながら、一度少し腰を浮かせた。
 ズズッ、と少し性器が抜かれる。
 ルイは息を吐き、目を瞑ると、思い切ったように腰を一気に落とした。

 ブチブチッ、ブチンッ

ルイ「っ……ぐ、あ、あ…………いた……んぐ……」

私「んぐうああっ………!」

 処女膜が破ける音が響き、ルイが痛みに涙を流した。

私「はあっ、ぐっ、はっ………!」

 つう、と一筋の血が結合部から流れる。

ルイ「あは………ん………ユタ………」

 ルイが徐々に動き出す。
 ルイの膣内は愛汁で目一杯満たされていたため、ピストンはスムーズに始まった。

 ずずずっ、じゅぷぅ………

ルイ「あああっ、んぁああっ♥」

私「ああ、ぐうっ、あっ。くうっ……!」

 本来は人間用ではないルイの膣内はサイズ違いの私の性器を締め付け、その小さな身体に射精を促す。
 しかしまだギリギリクールダウン中のようで、出そうにも出ない。

ルイ「ユタ、ユタア、んふう、んああっ♥」

 目の中にハートを宿らせながら、ルイが動き続ける。
 それはルイの気持ちが高まると共に速く、激しくなっていった。

私「んぐ、んあっ………ぅっ、ぐう」

ルイ「ユタ、ユタ、ユタアアアア、いいっ、良いよおっ♥」

 じゅぽっ、じゅぶ、じゅぬっ、じゅぷっ

 その時私は、クールタイムのリミットが切れたのを感じ取った。
 精子がググッ、と精管を登ってくる。

私「ルイっ、もう、出そうだあっ………! 抜かないとっ………!」

 私がそう宣告すると、ルイは嬉しそうに目を輝かせた。

ルイ「わかった♥」

 薄々想像は出来たが、やはり抜く気は無いようだ。
 ルイはそう言うと大きく腰を上げ、一気に沈めた。

 ボチュンッ!

私「づあああっ!?」

ルイ「あひいぃぃぃっ♥」

 ルイの柔い腹が膨らみ、性器の形が浮かび上がる。
 子宮口を一気に貫き、最奥まで押しつぶしたようだ。
 もう止める術はない。

私「ルイイイイイイッ」

ルイ「ユタアアアアアッ♥」

 互いの名を叫びながら、私達は、果てた。

 ブビュルルルウウウッ、ブビュッ、ビュウウウッ

ルイ「あああああっ♥♥ んはっ♥ んおおおおっ♥」

 ベロを垂らし、よだれをボタボタと垂らしながらルイが叫んだ。
 ごぼっ、と下腹部が膨らみ、精液が子宮にそそぎ込まれているのが腹越しでも分かる。
 両腕を拘束されながら、私はビクビクと跳ねた。

私「ん……んむううっ♥」

ルイ「ふううっ、ふうううっ♥」

 まだ射精が終わらない内に、ルイが再び唇を奪った。
 舌が私の口内で暴れる。
 私は自身の舌をそこに絡ませ、ルイの唾液を味わった。

 じゅぷぷっ、じゅるうっ、じゅぷっ

私「ふううっ、んぐ、んぐ………」

ルイ「んむ……ぅ、んふっ」

 ぎゅぽっ、という音と共に、キスしていた唇が離れる。
 そこで私は僅かに冷静さを取り戻した。
 中に、出してしまった………
 子供が、出来るのか………?
 ルイは月一で産卵をしているが、この精子が受精したとなれば、もう来月には受精卵が生まれるだろうな。
 それからしばらく、書籍によれば数ヶ月暖めると、孵化するらしい。



 自分の子供が生まれるかもしれない事について>>下

 産まれてきた卵が有精か無精かは医師に見せればすぐに分かる。
 もし有精だった場合。
 ルイから求めてきて逆レイプされたとは言え、私にも責任の一端がある。
 その時は覚悟を決め、責任を持って育てるとしよう。
 まだ性的なところ以外では精神が子供なルイとなると不安も大きいが、ルイの願いのためならば、私は何だってしよう。

 それよりも、パトリシアはどう思うだろうか。
 ああ言って私とルイの仲をフォローしてくれたとは言え、先に子供が出来ては複雑な気持ちになるのだろうか。
 自分の方が先が良かったなどと思わないだろうか。
 どの道パトリシアに何も相談せずにこんな状況になってしまった事は、本当にパトリシアに申し訳ない事だ。
 そう思った私は、思わず言葉に出してしまった。

私「パトリシア、すまない……………」

 まだ繋がったままのルイがその言葉を聞き取り、ムッとした顔をした。

ルイ「……………ユタ……………」

 どうやら私が最中であるのにも関わらず、パトリシアの名前を呼んだのが気に入らないらしい。
 ………嫌な予感がする。

私「>>下」

私「いや、私としてはルイもパトリシアも平等に愛していきたいと思ったから、その、不公平かと思っんぅ」

 まだ離している最中だった私の口を、ルイがふさいだ。
 遠慮なく私の舌を舐めまわした後、ルイが口を離した。
 そしてプイ! と横を向いてしまった。

ルイ「……………」

 なるほどな。
 妬いているのか。
 ルイは子供のような独占欲のままに妬いていた。
 私がパトリシアの名前を口にした事に。
 やはりルイは子供だ………
 身体こそ、そうでなくとも。
 私はルイのルビーの瞳に語りかけた。

私「…………すまなかった」

ルイ「……………」

 しかし、ルイのムッとした顔はそのままだ。
 と思った矢先、ルイが返事の代わりに腰を動かし初めた。

私「っぐ………!」

ルイ「ふう、ふうっ……………ユタ………♥」

 くう………!
 ちょっと怒ってもいるようだ。
 両腕を抑えつける力が先ほどよりも強くなっている。
 もうしばらくはルイの主導権のまま絞られ続けるだろう。
 ルイは上下に大きく腰を動かし、ばちゅん、ばちゅんと私に打ち付けている。
 私とルイの嬌声が、何度も、何度も部屋に響く。

ルイ「ん、んんんううっ。あはぁ♥」

私「はあっ、はあっ、んおあっ、ぐうううっ」

 ばちゅっ、ごりっ、ちゅぶっ、どちゅっ

 亀頭がゴリゴリと子宮口に当たりまくり、そのたびにルイがビクビクと身体を震わす。
 私もひとピストン毎に身体がベッドから浮くほど跳ねている。
 気持ちいいのだからしょうがないだろう?
 ルイはピストンを続けながら口を開いた。

ルイ「はあっ、はあ、んふあ………今夜は、今夜だけで良いから、私だけを見て……………んいいっ………!」

 やはりルイは嫉妬していた。
 私はそのルビー色の瞳を見つめ返した。

私「心配、んぁっ、す、するな。しっかり、見てやるから、ハアッ」

ルイ「うんっ………♥」

 ああ…………また、出そうだ…………!

 ばちゅんっ、ばちゅっ、ごちゅっ

 私はまた果てた。

 ビュグルルルッ、ブビュウッ、ビュグッ、ビュウッ、ビュウウウウッ!

私「ああ…………はあああっ、うううっ」

ルイ「んっ、んんんっ、ふあああっ……………んおおっ♥」

 ゴクゴクとルイの子宮が私の精液を飲み尽くす。
 結合部からも白濁色の液体がとろりと溢れてきた。
 私はルイとパトリシアに、同時に罪悪感を抱えた。
 私のせいで、こうなってしまった事を、申し訳なく思った。
 しかし、私はその射精を境に快楽に負け始めた。
 ただルイが欲しい。
 ルイに逆レイプされ、精液を絞り続けられている事に悦びを感じるようになった。
 もう一度、ルイが腰を浮かせた。

ルイ「んんっ………あっ」

私「ふっ…………んぐうっ、いっ、あああっ♥」

 ルイが再び激しく腰を動かし、水音がばちゅばちゅと響く。
 ああ…………
 気持ちいい………♥

 それから一時間ほど、私は動けないままルイに搾取され続けた。

 バチュンッ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ブチュンッ

ルイ「ハアッ、ハアッ………んむ、れろ、くちゅっ、むちゅっ」

私「ふーっ、んむ、んぁあっ、うう、ハアッ♥」

 くちゅっ、ぴちゃぴちゃ、ちゅうっ、むちゅううっ

 パンッ、バチュンッ、ドチュッ

ルイ「はあああっ、んああっ、ユタ、ユタアアアアアッ♥」

私「あっ、ルイッ…………いぐっ、あ………」

 どくんっ、どくっどくっどくっ、びゅーるるっ、びゅぐっ

私「ああっ、んぉっ、ひゃううううっ♥」

ルイ「またきたあ♥ せーしっ、いんああっ♥」

 ルイが目を細め、叫んだ。
 ゴボゴボ、と結合部から精液が溢れ出す。
 流石に子宮に入りきらなかったのだろう。
 何リットル射精したか分からない。
 ルイの柔い下腹部はタプタプに膨らんでいた。
 それでもなお、私の性器は固く反り立っていた。

ルイ「はあ、はあ…………あ…♥」

 ルイが絶頂のしすぎで力尽きたのか、くったりと胸の上に倒れ込んできた。
 肩で息をしながら、時折ピクピクと痙攣している。
 そして、私の拘束も、解かれた。

 >>下

 私は小休止も兼ね、胸の上で脱力しているルイを抱きしめた。

ルイ「んっ………ユタ………♥」

 ルイが小さく震え、私の名前を呼んだ。
 腕の中のルイは、小さかった。
 腰は細くくびれ、筋肉も余りない。
 そうだ…………ルイは、子供なのだ。
 子を産める身体になっても、セックスを求めても、ルイは子供なのだ。
 私はその事を再認識した。
 今まで、私はルイの事をどう見て良いか迷っていた。
 子供としてか、妃としてか。
 私は今、両方として見るべきだという結論に至った。
 子供でもあり、妃でもある。
 複雑な気持ちだが、それが私とルイのあるべき関係だ。
 私がルイの頭を撫でると、ルイはくるくると嬉しそうに鳴いた。


 >>下

私「…………ルイ。もしかしたら、今ので妊娠してるかもしれないな」

 私がそう言うと、もとから真っ赤な顔をルイは嬉しそうにさらに赤らめた。

ルイ「……………うん」

 私の頬に顔をすり寄せ、喉を鳴らす。

私「…………そういえば」

 私はルイに聞いた。

私「子供が産まれたとして、ルイは将来どういう『母親』になりたいと思ってる?」

ルイ「ママに? …………えっと……………」

 ルイはしばらく考えたあと、小さく首を振った。

ルイ「……………わかんない」

私「分からないか」

 それもまた、子供らしい答えだ。
 私は微笑んだ。

私「………………」

ルイ「…………………♥」

 …………さて、そろそろ我慢の限界だ。
 休憩も充分に取った。
 先ほどまで冷静に話しているようだった私だが、ずっと繋がったままで実は性欲がギチギチに爆発しそうな状態だったのだ。
 もうこの際、他のことはどうでも良い。
 かわいいルイの、全てが欲しい。
 全てを味わいたい。
 私の性器が、音を立てて固くなった気がした。




 攻守交代、どうヤるか>>下

 寝るで。
 やっぱり夜は眠くていかんな。

 私は繋がったまま起き上がった。

ルイ「えっ………んんっ……………」

 向かい合った状態でまずは抱きしめ、私からルイの唇を貪る。
 ルイは羞恥に身体を熱くしながら舌を受け入れる。
 私の方が大きいためルイは上を向くような形で、私はルイを見下ろす形で、ルイの腰と背に手を回しながら、しばらくの間キスを交わした。

私「ふう、ふっ………んっ、はあっ」

ルイ「んんんっ……んぐ、ぅう………♥」

 そのままゆっくりとルイの方に倒れ込む。

 きゅぽっ

ルイ「んっ、はあっ、はあっ………」

 とめどなく、ルイを犯したいという意欲が溢れ出る。
 私の口からポタリとよだれが垂れ、ルイの頬に落ちた。
 ペロリとルイがそのよだれを舐めとった。

私「>>下」

私「私の大事なルイ………これからも、ずっと一緒だ」

ルイ「……………うん………♥」

 まるで天使のような微笑みに、私の胸は射抜かれた、いや、打ち抜かれた、いや、穴だらけになった、いや、消し飛ばされた。
 私は良い色になったホットケーキをひっくり返すように、ルイを持ち上げ裏返した。

ルイ「あっ、んんんっ♥」

 今まで向かい合っていたために当たっていなかった箇所を亀頭が突き上げた。
 新鮮な快楽に、ルイが感じ身体を震わす。
 精力のたがが外れた私は、ルイの尻を掴みそのままバックの体制でピストンを始めた。

ルイ「あっ、あっ、んっ、ひうっ♥」

 ルイの子宮口をコツッ、コツッ、と鬼頭で小突きながら、私は前のめりになり、ルイのうなじへと顔を近づけ、耳元で愛を囁く。

私「ルイィッ………♥ 愛してる………愛してるぞルイッ…………!」

 愛しい。
 愛しい、愛しい、愛しい、ルイ。
 ルイは大きな嬌声を上げながら私の言葉に答える。

ルイ「あんっ、あっ♥ わたしもっ♥ わたしもっ、ユタアアッ♥ 愛してるううううっ、大好きいいいっ♥」

 プシッ、と結合部から潮が噴き出す。
 龍だからなのか、心なしかバックのほうがルイが感じている気がする。
 ………龍の正常位ってバックなのか?
 まあどうでも良い。

私「ああっ、ぐっ、つぅ………あっ……」

ルイ「んいいいっ、んっ、あああっ♥ キュアアアッ♥」

 ルイは身体の中も外も火傷しそうなほど熱くしながら、龍本来の物であろう雄叫びを上げている。
 人々が恐れおののく筈の龍の叫び声。
 だが今の私にとって、それはただセックス中の女の嬌声に過ぎなかった。
 私は堅い鱗に覆われたうなじと顎下に手を回し、ルイを上に向かせた。
 そして互いの顔が180度交錯した状態でキスをした。

 普通の人間同士のセックスではまず出来ないであろうバック体制での真っ正面からのキス。
 私達だけが出来るその行為は、酷く私達を興奮させた。

私「フーッ、フーッ♥ んむむむ、むちゅっ………んぅっ」

ルイ「クルルルルッ、クルルルッ♥ ハアッハアッ♥ んれろっ♥」

 その間も、私はピストンを止めることはしなかった。
 上と下の口でがっちりと互いを捕まえながら、ばちゅばちゅと水音を響かせる。
 気づけば私は射精していた。

 びゅぐんっ、ビュブッ、ビューッ、ばちゅんっ♥

私「んむ、んううううううっ、ううっむ、んんっ………♥」

ルイ「ん゛ーっ!? ん゛ん゛ん゛っ♥ んんんっ、お゛っ♥」

 ばちゅっ、ビュブッ、ビュブブッ、ドバピュッ、ばちゅんっ、ドブッ♥

 大量に射精しながらなお、私は腰を降り続けていた。
 ルイの顎からも手を離さず、窒息しそうなほど濃厚なキスをしたまま膣内に精子を注ぎ込み続けた。
 ひと突きごとに精液が放出される。
 何ともいえぬ快感だった。

私「おおう………おおっ、う………ふっ………はあっ………」

ルイ「んあっ、ん………んんっ……………♥」

 ようやく、射精が止まった。
 私が長い間繋がっていた性器を引き抜くと、秘部からどろっと精液が溢れてきた。

ルイ「ん………お腹、いっぱい…………………♥」

 ルイは嬉しそうにそう呟き、息をついた。

ルイ「もうそろそろ…………寝よ?」

 いいや…………
 まだだ。
 私はルイの尻尾を掴み、もう片方の手でむにゅっと尻穴を広げた。

ルイ「はえ………?」

 亀頭を小さな尻に押し当て、少し入れる。

ルイ「あえ、ユタ………そこ、おし、りっ………」

 ルイが挿入を阻止しようと尻尾に力を入れるが、感じすぎたせいか、余り力が入らない。

私「……………すまないルイ。私も、止められなくなってしまった」

 ルイの全てが欲しい。
 …………全てを、感じたい。
 私は腰を動かした。
 精液で大量に濡れていたお陰か、私の性器は一気にルイの尻穴を開通させた。

 ずぬりゅんっ

ルイ「……………………………ねぁ♥」



 ~そろそろセックスが長引いてきたので中略~

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ

私「はあっ…はあっ、はあっ…………うあっ…………♥」

 びゅぐううっ、びゅっ、どびゅっ

ルイ「……………あっ………………お゛……………♥」

 私が膣内に出すと、ルイは目を思いっきり上に向けながら小さくあえぎ声を上げた。
 膣の結合部と尻穴から精液を垂らしながら、ピクピクと痙攣している。
 いつかは分からないが、ルイは私が行為に夢中になっている間に気絶してしまったようだ。
 そろそろ体力の限界だな………
 私は最後の精を吐き終えると、性器をルイから引き抜いた。

ルイ「んっ……………ん………………」

 ビクンッ、ドボッ!

 亀頭が膣口を離れると同人にルイが大きく跳ね、栓が抜けた膣口から大量に精液が溢れ出た。

私「ふぅ…………ふぅ……………」

 流石に、疲れたぞ……………
 もう寝よう。
 私はルイの体制を整え、掛け布団を被せた。
 半開きの目を閉じさせ、頬についた精液を拭き取る。

私「……………」

 きらきらと月夜に輝くルビー色の鱗が美しく、私はおもわず見とれた。

 すやすやと安らかに眠るルイに、私は就寝の言葉を投げかけた。

私「>>下」

私「愛してるよ、ルイ………」

 冷たく堅いその美しい額にキスをし、私は眠りに入ったのだった。



 ~~~

 次の朝。



私「………………………」

ルイ「ん、ううう……………」

 私がルイより一足先に起き、ルイの寝顔を微笑みながら堪能していると、ルイがそんな声をあげながら起きた。
 ぱちくりと目を瞬かせ、私の顔を見る。

ルイ「…………ユタ♥」

私「ルイ、おはよう」

ルイ「おはよぉ………♥」

 それは、今まで私が経験してきたどんな寝起きよりも、すがすがしかった。
 私は起き上がり、布団の中を見ると、そこはぐっしょりと濡れていた。
 洗濯しなければいけないのだが、どの道ベッドメイクするサンジェルマンにはこの事を話さなければいけないな………
 それに、今の私は事実上ルイとも婚約をしている。
 つまりはもう1人、この事を伝えなければいけない人物がいる。
 それは…………父上。
 大英帝国の、国王だ。



 本日修羅場決定。

 パトリシアはまだいないため、まずはサンジェルマンに伝える>>下

私「ルイ。私達が結婚するにあたって最終的には父上に話さなければいけないのだが、まずはサンジェルマンにしっかりと話そう」

ルイ「うん」

 ルイはコクッと頷いた。
 さて、ベッドは後回しにするとして、身だしなみを整えなければ。
 私はサンジェルマンが入って来て一足先にベッドを発見しないように、部屋の鍵をかけた。

私「まずはシャワーを浴びようか」

ルイ「はーい」

 私はルイを連れ、自室に備え付けられたシャワーを浴びに行った。

ルイ「ん………まだ出てるね………♥」

私「…………………」

 ルイが自分の股から垂れる精液を見ていった。
 昨夜あれだけ出せばまあそうなるな。
 というより、私がルイの身体を洗っている最中にそんな事言わないでくれ。
 思わず反応してしまう………
 ルイはまだ私が反応したことには気づかずに鼻歌を歌っている。

 シャワー中だが、ヤるかヤらざるか>>下

 いや………
 流石に今はやめておこう。
 静まれ。

私「………さあ、ルイ。そろそろ出るか」

ルイ「ん」

 一通りシャワーを浴び終わった後、私とルイは風呂場を出た。
 シャワーも気持ちいいのだが、いつかジャパンのユブネという物にも入ってみたいな。
 私はルイの頭をバスタオルで拭きながら、そう思った。


 ~~~


 全身ホカホカとさせている私とルイは、サンジェルマンに対峙した。
 サンジェルマンが先に口を開いた。

サンジェルマン「で、ユタ様。何ですかなお話とは」

 心なしかサンジェルマンの口元がにやついている気がする。
 これは、全てを知っている顔だな。
 やっぱりサンジェルマン相手には隠し事は無理なようだ………
 今まで隠し通せた試しが無いうえに、地獄耳だからな。
 知っているなら知っていると言えば良い物を、サンジェルマンはこういうときは決まって私の口から言わせる。

私「>>下」

私「えっと、サンジェルマン。色々あって、昨日、ルイを妃として扱う覚悟を決めたんだ」

 私がそう言うと、サンジェルマンはわざとらしく驚いたような顔をした。

サンジェルマン「ほう」

 サンジェルマンはルイと私を交互に見ながら言った。

サンジェルマン「その事は、パトリシア様はお知りで?」

私「ああ」

サンジェルマン「ほうほう」

 その顔は絶対分かってる顔だろ。
 おい神妙そうに頷くな。
 ………まあサンジェルマンなら全ての情報を掴んでいても不思議ではない。

私「決めたんだが………その…………もちろん今までのように家族である訳だが、もう一歩踏み込んで…………」

ルイ「え、全部言うの?」

 ルイがホットミルクを飲みながら言った。
 ホットミルクと言えば先ほどからルイがホットミルクを見ては私の股に視線をやっている気がするが、気のせいだろう。

サンジェルマン「踏み込んで?」

 私の言葉にサンジェルマンが僅かに身を乗り出した。
 そこで私の我慢は限界に達した。

私「サンジェルマン! 頼むからもうそれ以上白々しくしないでくれ! 私が恥ずかしい!」

 私がそう叫ぶと、サンジェルマンは朗らかに笑った。
 やっぱり知ってたんじゃないか!

サンジェルマン「ほっほっほっほ………」

私「で、それで、だ………ベッドが荒れているから少し仕事を増やさせる事になるんだが…………いいか?」

 私がそう言うと、サンジェルマンは頷いた。

サンジェルマン「ええ。昔から夜の片付けは従者がやると相場は決まっております故に」

 ああ、うん。
 代々王族は片付けが苦手らしいからな。
 私はどちらかと言えば片付けはする方だ。
 だがあのベッドばかりはサンジェルマンに頼まざるを得ない。
 サンジェルマンは昨夜のことを深く聞かないまま、話題を変えた。

サンジェルマン「ご用件は洗濯のお申し付けのみでございますかな?」

私「ああ。サンジェルマン、すまないが、ルイと結婚するにあたってまず国王を説得しなければいけないのだが…………何せ婚約者もいることだし、龍との結婚でもあるし、説得できる自信がない。だから少し説得の手助けをしてくれないか?」

 私がそう聞くと、サンジェルマンは深く頷いた。

サンジェルマン「良いでしょう。ユタ様がそう願うのなら、私は例え王あいてであろうと全力でサポートいたします」

私「ああ、すまないな」

 よし。
 心強い味方が出来た。

 次に話すべきは…………パトリシアだな………



 ヤっちまった事をパトリシアに説明>>下

 ~(ずっと部屋で話し合うのも花が無いから、ピクニックに出かけたで)~



 私はパトリシアをピクニックに誘い、そこで話すことにした。
 昼下がりの草原の木陰で、話を切り出すタイミングを伺う。
 が、当たり前のことだがピクニック中に私がルイとセックスをしたという話を切り出すタイミングが見つからない。

パトリシア「いい天気ですね~………」

私「あ、ああ」

ルイ「サンドイッチ美味しい!」

 ルイは相変わらず子供だった。
 容赦なくサンドイッチを手に取り(口に取り)、バクバクと食べている。
 お気に入りはオイルサーディンのようだ。

私「…………」

 ああ、風が気持ちいい。
 私は紅茶を入れ、啜った。

パトリシア「ところで、お話ってお二人が性交したことですか?」

私「ブホッ!! ゲッホゲホ!」

 器官に紅茶が入った………!
 私は口元を吹いてパトリシアに向かった。

私「なん、なん、なんで知って…………!」

パトリシア「いや、なんかユタ王子とルイ様を見てたらもしかしたらと思いまして………」

 バレていたのか…………
 こんな事なら私から話しておくべきだった…………
 ルイは変わらずサンドイッチを頬張っている。

私「ああ………もう言われてしまったから仕方がないが、私はパトリシアに謝らなければいけないことがある」

 私は頭を下げた。

私「すまない、パトリシア。パトリシアに何の相談もなく、先にルイとしてしまった………全ての責任は私にあるから、どうかルイを責めないでくれ………」

 私がそう謝ると、パトリシアは首をぶんぶんと振った。

パトリシア「いいいいえ! 羨ましくはありますが、責めるだなんてそんな事はしません!」

 羨ましくはあるんだな。
 するとルイが口いっぱいにオイルサーディンサンドを含めながら顔を上げた。

ルイ「もぐもぐ…………ごくん。ねえ、もしかしてせっくすの話?」

パトリシア「はい」

ルイ「……………えっと、パトリシアより先にしちゃってごめんなさい」

パトリシア「ですから謝らなくても大丈夫ですってば」

 ルイはパトリシアの言葉にシュンとうなだれた。

パトリシア「だって………ルイ様。私達は家族じゃありませんか。家族と言うのはお互い認め合う物なのですよ。それに、妻が夫のために尽くすのは、全てじゃないにしても、妻として大事なことのひとつですよ。羨ましいですが」

ルイ「パトリシアァ………!」

 ルイがうるうると瞳をうるませた。
 それを翼でぐいと拭き取った後、ルイが元気良く言った。

ルイ「じゃあ今日三人でせっくすしよう!」

 おいおいおいおいおい待て待て待て待て待て!
 どうやったらそんな破天荒な答えにたどり着く!

パトリシア「いいアイディアですね! ……………と言いたいところなのですが…………私が国は結婚するまでセックスは出来ない方針になっていますし、どの道今は結婚前で同棲が出来ないので結婚した後にしましょう!」

ルイ「いいね!」

私「私に拒否権は…………?」

パトリシア「その夜は私が先に頂いても……………?」

ルイ「いいよ」

 二人とも3Pには乗り気なのか。

私「で、私の拒否権は?」

パトリシア「ないです」

 無いのか。

 とあるイベントコンマ。
 01~70なら結婚式前日に。
 71~00なら今すぐイベント発生。

私「あとお願いだからセックスセックス言わないでくれ…………こっちが恥ずかしい」

ルイ「あ、ごめん…………」

 いくら王宮のプライベートヤードだとは言ってもな………モラルと言う物が…………

パトリシア「うふふ」

 ………しょうがない。
 3Pのことは考えておくか。
 今日はこの後父上にもルイの事を話さなければいけないし、本当に気が重い。
 そう私が考えていた時だった。

 私は肌にパリパリとした異様な静電気を感じた。
 次の瞬間、空気を裂いたような激しい雷鳴と共に、私達がピクニックをしている王宮の庭に黒い雷が落ちた。

パトリシア「きゃああっ!?」

私「なっ…………!」

ルイ「なにいいいい!?」

 爆音が響きもうもうと土煙が立ち上る。
 何かが、落ちた。
 私は腰が抜けたパトリシアを背に隠す。

私「…………………」

パトリシア「ひ……………ひいっ……………」

 土煙の中に、何かがいる。
 その何かが翼をはためかすと、一瞬にして土煙が晴れた。

???「ああ~………まさかお前さんが生きとるなんてなあ。びっくりしたわい…………安心せい。今度こそちゃあんと息の根を止めてやるでな」

 炭化した大地をカツカツとそれが歩いてくる。
 それはまるで人間のようだった。
 パトリシアのような褐色の肌、しかしその髪は黒く、パトリシアに比べると短い。
 雷の中から現れたと言うのにその格好は肌の露出が多い黒いビキニアーマーのようの物を着ており、胸は実に大きい。
 一瞬変質者にも見えるが、人間では無いことはその大きく黒い角と翼と尾が証明していた。
 恐らく龍人(ドラゴニュート)だろう。
 龍人は歩みを止め、まるで皇帝のような悠然とした態度で言った。

黒龍人「のう……………久しぶりよのう…………ナリクアグト」

 それは、かつての伝説に聞いた名だった。

 龍人は懐かしむように言った。

黒龍人「ああ………もう300年になるかのう。あの時我が油断さえしなければ貴様に封印されることも無かったのだがな………力の差は歴然だった。それなのに封印などという卑怯な手を使いおって…………」

 300年の封印だと…………?
 私はある程度目の前にいる龍人が何者かを悟った。
 しかし、まさかそんなはずが無い………
 というより先ほどからこの龍人は何の話をしてるんだ?
 龍人は続ける。

黒龍人「300年の間に何があったかは知らんが、今度こそ決着をつけようじゃあないか。300年分の憎悪を、貴様に対する怒りを、受け…………おい」

 バチバチと両手に魔力を集めていた龍人が急に魔力を霧散させた。
 そして私たちの方を指差す。

黒龍人「貴様だ貴様。なに素頓狂な顔をしてるんだ。貴様だ」

パトリシア「え、私?」

黒龍人「貴様じゃないわっ! 貴様だ、き・さ・ま! チビ龍!」

 地団駄を踏みながらビシ!と龍人が指差した。
 この場にいるチビ龍と言えば、一人しかいない。
 私はそのチビ龍の方を向いた。

ルイ「……………もしかして私?」

 当人は困惑したような表情を浮かべている。
 …………………ルイ?

黒龍人「ああ貴様だ。この雷刻のリアカルの事を忘れたとは言わせぬぞ」

 雷刻のリアカル
 今この龍人ははっきりとそう言った。
 私の記憶に違いがなければ、この龍人は伝説の……

黒龍人「例え300年の月日が経とうとも、例え貴様が転生しようとも、にっくき貴様の魔力だけは忘れぬ。さあ覚悟せよナリクアグト!」

 じゃあ、まさかルイがナリクアグトの転生体だとでも言うのか!?
 伝説に名を残す数少ない人間に友好的なレッドドラゴンの一柱、赫涙(かくるい)のナリクアグト。
 彼は300年前に雷刻のリアカルとの死闘の末命を落とした。
 その命と引き換えに雷刻のリアカルを封印して。
 その転生体がルイだと………?

ルイ「………………?」

 いや全然分かってないな。
 この顔は本当に知らなそうな顔だ。

 それにしてもどの道目の前にいるこの龍人が本物のリアカルだとすれば、非常にマズい。
 リアカルは殺戮を何より好む龍。
 ロンドン一帯を焼け野原にすることも他愛ないだろう………
 しかし龍は喋ることが出来ないはずだし、リカアルが龍人の姿になるという伝説も無い。
 ならばこの龍人は偽物……………であってほしい。

黒龍人「……………まさか貴様本当に忘れたのか?」

 龍人がルイの反応を見てそう言った。

ルイ「ごめん全然知らない」

黒龍人「そうか……………転生の影響で全てを忘れたか」

 龍人はしばらく何かを考えるように頭を掻いた。
 このまま帰ってくれれば良いのだが。

黒龍人「まあいい」

 そんな私の願いは届かなかった。
 次の瞬間、私は悪寒からパトリシアを突き飛ばした。
 視界が黒く染まった。



 ケガの程度>>下
 00に違いほど致命的。

 スマソ言葉足らず。
 00が100扱いだった。
 99って書きゃよかったな。
 つまり79は相当ヤバい。

 全身を雷に打たれたような………いや実際打たれたか。
 そんな激痛が走った。

私「が…………っ!」

 不意にリカアル(リアカルは間違い)が魔法を放ってきたのだった。
 それもパトリシアに雷を直撃させようと。
 パトリシアは難を逃れたようだ。
 私はパトリシアを突き飛ばした勢いそのまま、サンドイッチが入ったバスケットをなぎ倒し地面に転がった。

パトリシア「ユ、ユタ王子ぃいいいいいっ!」

 パトリシアが私に駆け寄る。
 ああ、左腕が千切れるように痛い…………
 私は覗き込むパトリシアを見た。

私「>>下」

私「ぐふっ、私の事は……………良いっ……………に、逃げるんだパトリシアっ………!」

 私がそう言うと、パトリシアは首を振った。

パトリシア「出来ませんっ、出来ません!」

 そうは言っても………
 身体が動かないからな………
 私はここで死ぬのか……………?
 龍人が口を開く。

黒龍人「女は外したか………まあいい。ナリクアグト、次は貴様の番だ。我の黒雷の前にひれ伏し……………」

ルイ「許さない」

 龍人の言葉を遮って、ルイがそう言った。
 その目には、光が宿ってなかった。
 次の瞬間ルイが炎の鎧を纏い、そして、消えた。

黒龍人「うぐっ………!」

 見ればルイは龍人の目の前に移動していた。
 目に見えないような速度で突進したようだ。
 龍人はクロスさせた腕でそれを防御したが、すぐにその場を飛んで退いた。

黒龍人「やはり熱いのう………記憶は消えど力は…………ぐっ!」

 ルイの爪が龍人に襲いかかった。
 やはり見えない。
 赤い線のような光の軌道が、辛うじて浮かぶのが見えるだけだ。
 岩を採掘するような音とともに、無数の火花が飛び散る。

黒龍人「くうっ! 鬱陶しいのう!」

 龍人がそう言うと、龍人の身体を包み込むようにバリバリと輝く黒雷が発生した。
 ルイが引き、地面にシュタッ、と降りる。
 炎の鎧に包まれたルイは、先ほどより大きくなっているように見えた。

黒龍「我も本気を出さんといけないようだのう!」

 雷のドームを弾き飛ばし、龍が姿を現した。
 体長(この場合の体長は尻尾の付け根から鼻先まで)は2メートルほど
 先ほどの龍人のビキニアーマーを思わす漆黒の鱗を持ち、翼も尾も角も龍人のまま残っていた。
 一見、外見は四足歩行に翼と、ルイが黒いペンキを被ったようにも見えるが、ルイよりもとげとげしく凶悪な外見だ。

黒龍「ふむ。長いこと封印されて小さくはなったが、力は変わっておらぬ。貴様に劣りは…………おおぅっ!」

 ルイが複数の炎の槍を従えながら黒龍に肉薄した。
 炎の槍は一つ一つが自我を持っているように動き、黒龍に突き刺さろうと高速で動き回る。

黒龍「ちょこざいな! 袈雷雲の巣(ケラウノス)!」

 それに対し、黒龍はバリバリと黒く輝く槍を瞬時に出現させ炎の槍を叩き落とす。

黒龍「話してる間ぐらい待たんか! ぐううっ!」

 次の瞬間地面から無数の炎の柱が上がった。
 空からは地面に向かって所狭しと黒雷が突き刺さる。

パトリシア「せ、せめてあの岩陰に………!」

 パトリシアがなんとか私を抱え上げ、岩陰に移動した。
 ドサッと私を落とし、息をつく。

パトリシア「あ、あれは神話ですか………?」

私「さ、さあな…………ぐうっ………!」

パトリシア「ユタ王子っ!」

 クソ………
 ギリギリ致命傷には至ってないようだが、それでも自分で分かるほど危ない状態だ。
 傷口が焼け焦げて血が出ていないのが幸いだな。
 足は、なんとか両方動く………
 手は、右しか動かない。
 と言うより左手が無くなっている。
 炭化しきっていたらしく、先ほどパトリシアが持ち上げた際にボロッと落ちた。

パトリシア「ああ、ユタ王子。私の、私のせいで………」

私「>>下」

私はパトリシアを逃す為敵の大軍に特攻、敵軍1000人を1人で打ち倒すしかしその結果
私は満身創痍立っているがやっとの状態になる

 >>241
 ん?

>>241は色々な安価スレで支離滅裂な安価を出す顔文字糞改行っぽい
明らかに内容読んでない安価だし無効にしたほうがいい

私「と、とにかく………ぐ……………今はルイに任せるしか、ない。助けを呼んでも、あれでは返り討ちになってしまう………呼びに行けるような状況でも、無さそうだしなっ………!」

 バリバリバリバリッ!
 ドゴンッ!

パトリシア「きゃあっ!」

 光が溢れ、先程まで私達が下にいた木が真っ黒に焼け焦げながら倒れた。

私「それにこれだけ異常が起これば嫌でも気づくだろうさ………今頃サンジェルマンが防衛庁を呼んでるだろう」

 せめて防衛庁が到着するまで、生き残れれば良いのだが………!
 私は様子を確認するため岩陰から二頭の龍の死闘を覗いた。

 >>244
 おk。

 戦況は、圧倒的だった。

黒龍「クソが! 何でチビ龍の貴様がそんなに強いんだ! 『天穿つ命雷』!」

 黒龍がそう叫ぶと、まるでSF小説のレーザービームのような極太の黒雷が天から飛来し地を蹂躙していく。
 先ほどより更に大きくなったルイは軽々とそれを避けると、先程より長く太い炎の槍を無数に召喚した。
 炎の槍は複雑な軌道を描き、黒龍の放つ黒雷の間を縫うように除け黒龍に襲いかかる。

黒龍「ぐあああああっ!」

 ドドドドッ

 黒龍は身を翻し槍を避けたが、避けきれなかった槍が3本ほど黒龍の翼を貫く。
 黒龍の身体には既に何カ所か焼け焦げた箇所があり、鱗が削れている。
 既に角も一本折れ、翼は使い物にならなくなっている。
 それに対しルイは無傷だった。
 体長一メートル程まで大きくなったルイは華麗に、そして正確に黒龍の攻撃をことごとく避けていた。

黒龍「ハアッ、ハアッ、なんで貴様が……貴様がああああっ!」

 幾重もの黒い雷球を発生させながら、黒龍がルイに襲いかかる。
 ルイは酷く冷静だった。

ルイ「ふぅ………」

 ルイが息を吐くと、鉛筆のように小さい槍が一本だけその息から生み出された。
 そして、静かに、速く動いた。

黒龍「か……………はっ………あ………」

 黒龍が、動きを止めた。
 黒龍の胸を貫いた小さな炎の槍は、空中で止まるとふっと消えた。
 ルイは制御の切れた雷球を避けた。
 ルイの後方で雷球が破裂する。
 黒龍が二三度ふらついた後、地面に倒れ込んだ。

 …………決着は、酷くあっさりとついた。

 黒龍の身体から弱々しい黒い電流が見えたかと思うと、見る見るうちに黒龍の身体が小さくなり、最初のような龍人の姿へ戻った。
 しかし、龍人ケガは酷く、まさに満身創痍だった。

黒龍人「我が、ぐふ……ぁっ………負けたのか………」

 龍人は手を付きなんとか起きあがろうとするが、その手は力尽き地面に倒れた。

黒龍人「ハアッ……………ぐ、は…………全然、敵わなかったのう……………」

 ルイが炎の鎧を霧散させ、龍人に近づく。
 龍人は顔を上げルイを見た。

黒龍人「……………ハアッ………殺さば……………殺せ…………」

 ルイはその言葉を聞くと、何も言わずに片脚をスッと龍人の方に上げた。
 そして、指先に火を灯した。

ルイ「死なせないから」

黒龍人「……………え?」

 チロチロとした、ロウソクの灯火のような火が、ルイの指先を離れ、ゆっくりと龍人に近づいていく。

黒龍人「………………………まさか、止めっ………!」

 ポッ、と火が龍人に触れた。

 ドオオオオオオオオオオッ!

 その灯火を中心に、巨大な火柱が上がった。
 もう一つの太陽が現れたように辺りが明るくなる。
 火柱は天高く上がりながら、その中にいる物を燃やし尽くしていた。

黒龍人「あああああああああああああああああっ!」

 火柱の中心にいる龍人が叫ぶ。
 恐らく火力が絶妙に調整されているのだろう。
 その火柱は延々と、龍人を地獄に陥れていた。
 その命が、言葉通り燃え尽きるまで、永遠に燃え続けるだろう。
 ルイは龍人が苦しむ様を、まるでキャンプファイヤーを見つめる子供のように、楽しそうに微笑んで静観していた。



 どうする?(頑張れば一応歩ける)>>下

私「くっ…………ルイを、止めなければ…………」

 私は岩に背を預け、立ち上がった。
 パトリシアが私の肩を掴む。

パトリシア「やめてくださいユタ王子! その身体で動いては………!」

私「止めなきゃいけないんだ!」

 私はパトリシアの手を振り払った。
 パトリシアが手を引き、不安の表情になる。

私「……………すまない」

 私はルイに近づいていった。

 火柱に近づいていくにつれて、喉が焼けるようになる。
 明るさで目も痛い。

私「………やめるんだ、ルイ」

 私がそう話しかけると、ルイはゆっくりと振り向いた。
 その目線が私の左腕に止まった。
 肘の少し上から先が無くなっているのを見て、ルイは表情を変えずにつぶやいた。

ルイ「………………………腕……………」

 ゴオッ、と火柱の火力が上がる。

黒龍人「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、あ゛、あっ……あああああっ!」

私「やめろ!」

ルイ「なんで?」

 ルイが首を傾げる。

ルイ「なんでやめなきゃいけないの? だって、ユタを殺そうとしたんだよ。腕もなくなっちゃったし」

 私はルイに近づいた。

ルイ「ユタのためなの。これからずっと燃やして、ユタの痛みを分かって貰うの。ねえ、ユt

 パァンッ!

 私はルイの頬を平手打ちした。

ルイ「……………え」

 ルイが頬を叩かれたまま固まる。
 火柱が止まった。

私「>>下」

私「………ルイ、分かってくれ。私はルイに殺しをしてほしく無いんだ。子供の、大事なルイにそんな事はさせない、させたくないんだ………ここからは私に任せ………ぐっ………」

 く………流石に活動限界だ…………
 パトリシアが駆け寄り私に肩を貸す。
 それと同時に、身代わりの魔法陣が粉々になり私の懐から落ちた。
 気休め程度だが、これが無ければ死んでたな。
 私はパトリシアに言い、龍人の近くに寄った。

黒龍人「はあっ、はあっ………ひぃっ…………」

 先ほどまでの威厳はどこへやら、龍人はガタガタと震えていた。
 先程の火柱がよっぽどこたえたようで、恐らく心を折られているだろう。
 私が話しかけようとしたときだった。

サンジェルマン「ユタ様!」

 安全を確かめていたのか、ようやくサンジェルマンが魔術師やら医師やら防衛庁やらを引き連れて庭に踏み込んできた。
 このままでは力のない龍人が人目に晒される事になる。
 そうなれば考えなければいけないのはこの龍人のこの後だ。
 このまま防衛庁に引き渡しても良いし、無理を言って引き取っても良い。
 危険な存在は然るべき所に預けるべきだが………
 そうなると当たり前だが、龍人が国家を揺るがす危険因子である雷刻のリカアルであるかどうかが明らかになる。
 その場合、すぐさま処刑だ。
 封印されていた雷刻のリカアルの完全消滅は国の総力を上げて進めていた計画だからな。
 十中八九雷刻のリカアルであるこの龍人。
 心はルイによって折られている。



 龍人をどうするか>>下(なお登場人物に話を聞いて助言を得ることも可能。ただし助言を得られるのは一回のみ)

 複雑過ぎるのはダメか………
 6時間安価がないでな。 
 じゃあシンプルに聞くで。

 お前らこの龍人どうしたい。
 >>8:00まで

 投票やで。

私「パトリシア………」

 私はパトリシアに話しかけた。
 パトリシアがとても心配したような声で言う。

パトリシア「ユ、ユユユタ王子。あああまりしゃべらないでください………」

私「いや………意外と行ける」

 私は龍人を見た。

私「パトリシア、あの龍人………私は契約して縛りたいと思っているんだが………」

 パトリシアが驚いたような顔をした。

パトリシア「けけ契約と言うのは、魔術的な物、ですよね? なぜか、お聞きしても………?」

私「このまま封印しても、今回のようにまた封印を破って出てくるかも知れない。それに、伝説のようにドラゴンの姿のままだったならまだしも、人間の姿をして、しゃべる彼女を処刑することはしたくないんだ………」

 だからせめて、契約をして拘束させておきたい。
 そう、思ったのだ。

パトリシア「…………うーん………きき危険だとは思いますが、ユタ王子がそう言うなら、賛成です」

 パトリシアは一応私の意見に肯定するようだ。
 私がルイにも意見を聞いてみようと思ったとき、サンジェルマンがたどり着いてしまった。

サンジェルマン「ユタ様! おお、おいたわしい姿に………! 救護班! 急ぎなさい!」

 私は救護班に抱きかかえられ、担架に乗せられた。

私「サンジェルマン………あの龍人を、匿え………」

 私はサンジェルマンにだけ聞こえるように言った。
 サンジェルマンが顔を近づける。

サンジェルマン「匿う、でございますか?」

私「ああ。あれは、雷刻のリカアルだ」

 私がそう言うと、サンジェルマンは顔色を変えた。

私「防衛庁に引き渡しては、処刑される。今彼女には既に力は無い。そんな彼女を処刑したくは無いんだ。国の方針に逆らうことになるが、彼女は何とかして生き残したいんだ。適当な理由を付けて私の部屋に連れてきておいてくれ」

 サンジェルマンは眉を思いっきりよせ難しそうな顔をしたあと、頷いた。

サンジェルマン「はあ…………分かりました。では目を覚まさぬよう麻酔も打っておきますゆえ」

私「ああ、すまない」

 サンジェルマンが合図をすると同時に、私を乗せた担架は運ばれていった。

 ~~~

 次の日。

私「すまないサンジェルマン」

サンジェルマン「いえいえ。では………本当に私は居なくても大丈夫という確証はあるのですか?」

私「ああ。大丈夫……………の筈だ」

サンジェルマン「心配なのでやっぱり居ます」

私「そうか」

 私はそう言ってベッドに横たわり寝ている龍人を見た。
 すやすやと安らかな寝息を立て、寝ている。

ルイ「ねえ、ほんとに大丈夫?」

 おとといより10周りほど大きくなり、大きい大型犬のサイズになったルイが不安そうな顔で聞く。

私「もう刃向かう気力も心も折られている筈だ。ルイのお陰でな」

ルイ「ごめんなさい………」

 まあこの状態にした事だけは良しとしよう。
 契約は受ける方の精神が弱い方が結びやすい。
 ルイが契約を結ぶにはあまりにも精神面が幼いため、契約主には私がなることにした。

私「………さて、始めるか」


 契約の形(入れ墨、首輪、etc)>>下1
 契約内容>>下2

 私は契約の刻玉を箱から取り出した。
 片手では持ちづらいためサンジェルマンが手伝う。
 刻玉は怪しげな赤黒い光りを放ちながら微かに震えている。

ルイ「なんか、生きてるみたい………」

 ルイがその玉を見て不思議そうに言った。

私「生きてるんだ」

ルイ「え?」

私「契約の刻玉は長い年月をかけて圧縮されたグアウという生命体なんだ。膨大な魔力を含み、また精神に作用する魔法を多用するから契約の刻玉と呼ばれる………見過ぎると酔うぞ?」

ルイ「酔った…………」

 ルイがふらついた。

私「サンジェルマン持っといてくれ」

 私は契約の刻玉をサンジェルマンに渡した。

私「失礼………」

 龍人の服を剥ぎ、胸を露出させる。
 だゆんっ、と包帯が巻かれた胸が露わになる。
 怪我の治療もサンジェルマンの手の物が行ったそうだ。
 私はなるべく見ないようにしながらサンジェルマンから刻玉を受け取る。
 そして契約の呪文と契約内容を詠唱する。
 私と、血筋の者が許可を出さなければ魔法を行使できない、制御の契約。
 龍化もだ。
 調べた所原理は分からないが、彼女はこちらの龍人の姿が本当の姿らしく、しかも魔力を少し使うだけでノーリスクで黒龍にもなれるらしい。
 詠唱を終えた私は、ゆっくりと刻玉を龍人の胸の真ん中に置いた。
 ゆっくりと刻玉が龍人の胸に沈んでいく。
 それと同時に複雑な紋章が胸に刻み込まれていく。

私「………………………」

 胸と心臓に刻印を施した。
 私は急いで龍人の胸をしまった。

ルイ「これで、安心なの?」

 私は頷く。

私「ああ、その筈だ。だが、また何かあったときは、ルイ。君の力を借りることになるかもしれないが、いいか?」

ルイ「…………………うん」

 神妙な表情で、ルイが頷いた。


 ~~~

 なお、怪我が完治するまで結婚式は延期(また一週間)。
 一応歩けはするが左腕が肘の上から損失。
 歩くときも少しリズムが崩れ、背中に雷が走ったような火傷痕がある。
 顔の左が焼けただれているのにたいし、右半分は半分で雷模様がある状態。
 ボロッボロですわ。
 龍人の目が覚めるまで約三日。
 どうする(セックスは出来ない)>>下

私「イダダダダダ……………」

パトリシア「静かにしてください」

私「そうは言っても……………イデデデデ………」

 パトリシアは容赦なく私の包帯をはがしていく。

 龍人の契約を結んだ日の午後。
 私はベッドに横たわり、パトリシアとルイの看病を受けている。
 医者にやって貰うよりも、こっちの方が気が楽だ。

ルイ「はいお薬」

パトリシア「はい」

私「痛い痛い痛い」

 火傷に薬が凄く染みる。
 肌が裂けるような痛みだ。

パトリシア「……………はい。これで終わりです」

ルイ「また明日も包帯とっかえるからねー………って、あ! ズルい!」

 包帯を巻き終えたパトリシアが不意に私の頬にキスをした。
 ルイも反対からキスをする。

パトリシア「まま、またいつ無茶をするか分かりませんからね。おまじないです」

ルイ「そ、おまじない」

 ううむ、幸せだ………

私「>>下」

私「無茶とは言ってもなぁ………パトリシアは無事だし、ルイに無駄な殺生もさせなかった………あれは必要な行為だったぞ?」

 私がそう言うと、急にパトリシアが涙を溢れさした。

パトリシア「ぐすっ、ひぐっ………」

私「お、おい………」

パトリシア「ぐすっ、そ、それでユユユタ王子が死んでしまったら…………悲しいんですから………ユタ王子。死なないでください………ぐすっ、貴方のような人を失っては、私は、後を追ってしまうかも、しししれません………っ、ぐすっ」

 ルイが気を利かしてパトリシアにハンカチを渡した。

私「すまない。だが、私にとってパトリシアもルイも、それと同じくらい大事なんだ。どうやっても、2人を失いたくない………パトリシアがそう言うなら、なるべく私も死なないようにするよ」

 パトリシアが鼻をかみながらコクコクと頷いた。

私「………………ところでルイ」

 しばらくしてから、私はルイに聞いた。

ルイ「なあにユタ」

 昨日、自称『雷刻のリカアル』が言っていたあの事。
 ルイは『赫涙のナリクアグト』であると。
 誰もが知っている、あの伝説の龍の転生体であるという事。
 今のルイは、どう思っているのだろうか。

私「ルイ。ルイは、自分がナリクアグトであると一度でも自覚したことはあるか?」

 ルイはしばらく考えた。

ルイ「………あの、龍の人が言っていた事でしょ? 無いよ。私は私だもん」

 ……………こんな質問をした私がバカだった。
 ルイの言うとおり、ルイはルイだ。
 例え伝説の龍が転生していても、その身体にそぐわない力を持っていても、それがルイだ。
 だったら、転生の話はもうする必要が無いな。

私「ああ、そうだな。ルイは、ルイだ。私の大事なルイだ」

ルイ「うん!」

 目を瞑り、こくっと頷き、ぱあと微笑む。
 やっぱりルイは大きくなっても伝説級の可愛さだ~♥

パトリシア「ところでユタ王子。ルイ様また少し大きくなったようですが…………大丈夫ですか………?」

 そう言えばすっかり忘れていたが、ルイはあの龍人と戦っている間にまた大きくなったのだったな。
 今回の事件で、ルイが急成長する事になる引き金はある程度分かった。
 一度目は恐怖、二度目は悲しみ、三度目は怒り、それぞれの負の感情が爆発した時だった。
 三度目の今回に関しては怒りというより憎悪などといった方が良いかもしれない。
 どちらにせよ、負の感情が爆発すればルイはまた大きくなるだろうな。

私「ああ、大丈夫だ。ルイが大きくなる原因は負の感情の爆発…………これからも今まで通り暮らしていれば、これ以上大きくなって暴れる事も無いだろう………」

ルイ「ふのかんじょう?」

私「ああ。悲しんだり、怒ったり、怖がったり、つまり笑ったり喜んだりするのとは逆の感情の事だ。今回、ルイはあの龍人に対して強い怒りを感じたんだろう? だから、また大きくなったんだ」

 ルイは、へーといったように頷いた。

 ……………そう、今まで通り暮らしていれば。
 心配事が一つある。
 私が死んだ時だ。
 ルイは龍。
 少なく見積もっても100年以上は生きるだろう。
 それに対してハーフリングの私の寿命は80年………長くても100年だ。
 ルイよりも先に私が死んだとき、ルイは耐えられるだろうか?
 いや、流石に私が大往生で死ぬ頃はルイも精神が大人になっているだろう。

 ただし、大往生した時は。

 事故でも、暗殺でもいい。
 私が不意に死んだとき。
 ルイは悲しむだろうか?
 私が死んだという事実に、いなくなったと言うことに。
 ルイは怖がるだろうか?
 私はもういないという事に、永遠に会えなくなったと言うことに。
 ルイは怒るだろうか?
 私を殺した原因を恨み、それを排除しようと思うだろうか。

 最悪の事態を考えれば………………世界が焦炎に包まれる可能性も、十分にあり得る。
 ………それだけは、絶対にさせない。

私「>>下」

私「……………弱気な話になるが、今回のことがあってから不意に私が死んでしまったらと言うことを考えるようになった」

 ルイがハッと息をのむ。

私「もし私が死んだら、ルイもパトリシアもとても悲しむだろう。しかし、ルイ。悲しむのは仕方が無いことだけれど、我を忘れてはいけない。私は、私が死んだあとルイが理性を失って暴走しないかが心配なんだ…………」

 私は残った右手でルイの頭を撫でる。

私「私が死んだ時………頼むから、哀しみの渦に飲み込まれないでくれ。例え私が誰かに殺されても、怒りと憎悪に溺れないでくれ………そう、約束出来るか?」

 ルイは頷いた。
 ルビー色のその瞳は、真っ直ぐに私を見据えていた。

私「………私が助けた彼女だが、彼女はそれについてどう思っているかは分からない。私は助けたつもりであっても、彼女から恨まれる可能性が高い。もしかしたらまた私が傷つくようなことになるかもしれない」

 パトリシアが言った。

パトリシア「そそそんなことはさせませんよ! もしユタ王子が傷つくようなことがあれば、私が………」

私「パトリシア………それでは駄目なんだ。ルイも聞いてくれ。例え彼女が私を傷つけても、手出しはするな。彼女に信頼して貰うにはそれしかないんだ。ルイも、心の中の一線は越えてはならない。決して、今回のように憎悪から痛めつけるようなことはしてはいけない………分かってくれるか?」

 私がそう論すると、パトリシアとルイは少し戸惑ったように頷いた。


 ~~~

 2日後。


 もうそろそろ起きる時間だな。
 サンジェルマンの話では大体72時間で起きると言っていたから、今日中には起きるはずだ。
 私は龍人………もうリカアルと言おう。
 リカアルが寝ているベッドのわきに腰掛けながら言った。
 この部屋には私とリカアルの二人きり。
 刻印があるから危険は無いはずだが………

リカアル「……………ぁ……………う?」

 リカアルのまぶたが少し震え、ゆっくりと開かれた。
 まだ状況を理解できていない様子で、ぽー、っと天井を見つめている。


 リカアルが起きた。どうする>>下

 私は近くにあったタオルを取り上げ、リカアルの口に突っ込んだ。

リカアル「ん゛ーーーっ! ん゛んんんーーっ!」

 リカアルが暴れる。
 流石に私の力だけでは抑えつけるのは無理だ……………!

私「サンジェルマアアンッ!」

 直ぐにサンジェルマンが駆けつけてくる音がし、扉が開け放たれる。
 サンジェルマンは一瞬で状況を把握し、即興でリカアルにハンカチの口枷を噛ませた。

リカアル「んっ、んーーーっ! んぐっ、うーーっ!」

 サンジェルマンは暴れるリカアルを抑えつけ、また別のハンカチで手をベッドの柱に縛り付け、両足を縛った。
 リカアルはもがいていたが、しばらくして諦めたのか動きを止めた。

リカアル「フーッ、フーッ………!」

 リカアルは深い恨みを込めた目で私を睨んでいる。
 まごうことなき強者の目だ。
 私はサンジェルマンに言った。

私「舌を噛み切ろうとした………自分が置かれている状況を理解して直ぐに、自ら命を絶とうとしたんだ…………」

 サンジェルマンが唸った。

サンジェルマン「ううむ……………どうされますか?」

 契約の時に、自殺防止も契約すればこうはならなかった。
 重ね掛けをする事も出来るが、成功するかどうかは曖昧で、リスクがあまりにも高すぎる。
 失敗したら受ける側にかかっている契約が全て消えるのだ。
 本来ならリスクはそれだけだが、かかっている契約が契約だ。
 最悪ルイを同席させればなんとかなるかもしれない。
 話を本人に聞こうにも、今口枷を外せば舌を噛み切ってしまうだろう。

 どうする?>>下

 頑張るで。

 私はなお睨みつけてくるリカアルを見た。
 …………脅すか…………
 正直、この方法だけは一番使いたく無かった。
 しょうがない…………
 私は心の中で一度ルイに謝り、口を開いた。

私「手間は取らせない。いいか、一度しか言わないから聞いてくれ。私は君を大衆の前で見せしめに処刑するつもりも奴隷として使うつもりもない。私がこう言っても暴れるつもりなら、あの赤龍を連れてきて永遠に苦しめてやるからな」

 …………よく聞き返せば少々支離滅裂な事を言っているな。
 殺すつもりは無いが言うことを聞かなければ拷問する、と。
 とにかく、こう言うのは言い慣れた事がないからな………ちゃんと脅せたかどうか………
 リカアルは変わらずに私を睨みつけているが、よく見ればしっかりと恐怖しているのが分かる。
 瞳には涙を浮かべ、縛られている手がガタガタと震えている。
 やはり、よっぽどルイの火柱がトラウマになったようだ。

私「……………大人しくしてくれるか?」

リカアル「ん、ぐっ……………」

 コクコクとリカアルが頷く。
 半ば力と恐怖で強制的に抑えつけるような形になってしまったが、これでもう暴れるような事は無いだろう。



 次どうする>>下

私「ところで、契約についてだが………もう分かってはいるとは思うが、それは魔法を禁止する契約だ」

 リカアルが自分の胸を見下ろす。
 そして服の下ある紋章を見透かしたように、怨めしそうに睨んだ。

私「…………リカアル。難しいとは思うが、どうかそれが悪意からの束縛だとは思わないでほしい。さっきああは言ったが、同じ人の姿をして言葉を話すことも出来る君を、死なせたくない一心なんだ」

 これが偽善で、子供っぽい考え方であることは分かっている。
 我が儘であることも。
 私はしゃがみこんだ。

私「君を殺したくない。出来る範囲ではきちんと自由を与える。だから、言うことを聞いてくれ」

 リカアルは手を少し震えさせながら、私の目を見る。
 真意を伺っているのだろうか。
 しばらくして、彼女は観念したように頷いた。

 だから私は、彼女に信じて貰う事にした。
 もし、彼女が舌を噛み切ったら、それまで。
 これからは強制的に自殺防止用の口枷をつけて貰う。
 そうなったら意思の疎通も信頼もあったもんじゃない。
 そんなことにだけは、なってほしくない。

私「分かった」

 私はしゃがみこみ、リカアルの口枷の結び目に手をかける。
 サンジェルマンが驚いたように言う。

サンジェルマン「外しても、宜しいのですか………?」

 私は頷く。

私「ああ。すぐに話が出来るとも思わないし、いつか復讐したいという気持ちでも構わない」

 しゅる……………

 リカアルの口枷が外れた。

私「だから、私を信じて、今は死なないでくれ……………」

 最後に、リカアルの口に押し込まれていたハンカチを取った。

リカアル「…………………」

 リカアルは……………
 何もしなかった。
 舌を噛みちぎりも、なにもしようとはしなかった。
 彼女は何も話さず、ただ静かに私を睨んでいた。

 ~~~

 私は無言のリカアルを連れ宮殿内を案内していた。

私「そしてここが浴槽だ。シャワーは捻って少し待てば湯が出る。好きなときに使えばいい」

リカアル「………………」

 彼女は常に不機嫌そうだった。
 まあこれだけ設備があるとは言え、宮殿からは出られないからな。
 龍人の翼は魔法の補助を受けなければ飛ぶことが出来ないため、契約の刻印がある今、彼女の翼はほとんど役に立たない。
 辛うじて浮くことは出来るらしいが、脱走には程遠い。
 彼女にかけている契約に含まれない制約は3つ。

 1:宮殿からは出ない。
 2:雷刻のリカアルであることは口外無用。
 3:人物に対しての傷害は禁止。

 この3つだけだ。
 あとは好きにしても良いし、自由に出来る。
 ただし、制約を破ればルイに焼かれると脅してあるため、とても窮屈そうだがな。

 宮殿内を紹介し切った私は、最後にリカアルをパトリシアとルイに会わせる事にした。
 リカアルにその旨を伝えると、彼女は明らかに顔を青ざめ、カチカチと歯を鳴らした。

私「ルイにはしっかり言ってあるから心配はしなくていい。それに、二人に会わせることは君がこの宮殿で暮らすためにも必要なステップなんだ。分かってくれ」

 私がそう言うと、リカアルはゆっくりと頷いた。

リカアル「………………」

 それでも、彼女は不安そうだった。

~~~

 二人にどう説明する(二人は既にリカアルがいることを知ってるが、目が覚めたことは知らない)>>下

 私がノックをして部屋に入った瞬間、私の後ろにいるリカアルを見て二人が驚きの声を上げた。

ルイ「あっ……………!」

パトリシア「あ、起きたんですかっ!」

 そのリカアルはルイを見るなり、身体を強ばらせた。
 額には脂汗が浮かび、血の気が引いている。

ルイ「あっ、えっ…………………と……………」

 ルイが自分に恐怖心をむき出しにするリカアルに近づかないように、少し離れた場所からリカアルに頭を下げた。

ルイ「ご、ごめんなさい………」

 その戦っていた時の形相とは似ても似つかないルイの様子に、リカアルが目を見開く。
 そして身体の緊張を少しばかり解いた。

リカアル「…………………」

 しかしまだ恐怖心は拭いきれないようで、無意識なのかほんの少し私のシルエットに入った。
 私は二人にリカアルについて説明をする。

私「先日話した通り、リカアルにはこの宮殿で暮らして貰う。契約の刻印のおかげで今の彼女の力は普通の女性よりも無く、安全だ」

 ギリッ、とリカアルが歯ぎしりをする音が聞こえた。

私「………だが、無理に話したり世話を焼かずに、自由にさせてやってくれ。リカアルが制限を破ることはないと信じているが、心配だったら相談してくれ」

パトリシア「はい」

ルイ「わかった」

 私のその言葉にリカアルは複雑そうな顔をし、ルイとパトリシアはそれぞれ返事をした。
 私がリカアルに向くと、彼女はビクッと震えた。

私「リカアル、この宮殿内では、君は自由だ。君が私を恨んでいるのも仕方ないし無理に私とも彼女達とも仲良くする必要もない。しかしここで過ごすためには、一緒に暮らすことに慣れて欲しい」

 リカアルは私の言葉を聞き、室内を見回した。
 大方壁に所狭しと並んでいる本を目星していたのだろう。

私「本が読みたくなれば、読めばいい。ここに無い本があれば、出来るだけ取り寄せる。あと、食事や風呂などの分からないだいたいのことはメイドかサンジェルマンに言ってくれ」

 今この部屋にはいないが、この宮殿には3人のメイドとサンジェルマンがいる。
 全員私が小さい頃からの付き合いだ。

私「それと………大空に憧れたら、私に相談してくれ」

 私がそう言うと、リカアルが一瞬だけ、ほんのわずかに翼を広げかけたように見えた。
 しかし表情は変わっていない。
 気のせいだろうか?

私「いろいろと条件は付くが、その時は空中散歩の許可を出そう」

リカアル「…………………」

私「まあ、私とルイの監視下で、だが………そこは了承してくれ」

 リカアルは少し何かを考え込んでいるようだったが、はっと私が顔をのぞき込んでいるのに気づくと、無言のまま部屋を去ってしまった。

 リカアルが部屋を出て行った後、パトリシアが私に聞いた。

パトリシア「本当に空中散歩を許可してもよろしかったのですか?」

私「ん? ああ。『雷刻のリカアル』という名は元より伝承にあるように体長が20メートルあった黒龍のことを指していた。それに、その姿が知れ渡っていたのは300年前だ。だから今のリカアルでは龍形態にせよ人形態にせよ、それが『雷刻のリカアル』であることは分からないさ」

 なるほど、といったようにパトリシアが頷いた。
 間を空けて、ルイがすすすと私に近寄る。

ルイ「……………私、凄く怖がられてるよね」

 先ほどのリカアルの態度の事だ。
 私は頷いた。
 恐らくリカアルにとってルイの炎は地獄の業火に等しい……というよりそのものだろう。
 …………いや待てよ。
 よく考えたら元々の恐怖心にさらに私が脅しまくったのが原因だな。
 ………いや、まあ、あれは必要な脅しだった。
 私はルイに悪いとは思いながらも自分のことを棚に上げ、ルイを励ますように言った。

私「怖がられてるのは仕方ないが、さっきも言ったとおり無理に仲良くする必要はない。だがなるべく怖がらせないでやってくれ。いいか?」

ルイ「…………うん」

 あのときのことを反省したように、ルイが頷いた。

 ~その日の午後~


 あとで元倉庫を新しく開けたリカアルの個室を覗いてみると、彼女は沢山の伝説に関する書物を引っ張り出し、読みあさっていた。
 今思えば、文字も読めるようだ。
 恐らく300年分の知識を保管でもしてるのだろう。
 今のところ、目立った心配事はなさそうだ。

 ………さて。
 結婚式まで、3日。
 そろそろ潮時だ。

 ルイとの婚約を王に報告する時だ。
 父上は確かに王としては最高だ。
 だが、父としては………人間個人としては最悪だ。
 国民は、その事を知らない。
 父は双子の兄である優秀な種族として生まれてきたトキを可愛がり、先祖帰りでハーフリングとして生まれてきた私を見捨てた。
 母は私も可愛がったが、父は私を失敗作として見ていた。
 父は私を歯牙にもかけていない。
 最近二度私が大怪我したときも、世間には私を心配してる風には言っていたが、ただの一度も見舞いには来なかった。
 ソラもヤミも、ラクレシアもその夫も、母上も見舞いに来たと言うのに、彼だけは来なかった。

 人生30年、ある意味、私は自由だった。
 次期王としての重みも、プライドも、必要無かった。
 ただひとつ、王が干渉してきたことと言えば、例の戦略結婚、パトリシアとの結婚だ。
 私とパトリシアが結婚する事により、王はパトリシアの国の王と仲良くなり、さらなる名声と評価を受ける。
 そのためだけの、手駒だった。
 まあ、パトリシアと出会えた事だけは感謝しているが。

 そんな王に例え火龍と結婚すると伝えても、なんの関心も持たずに承認印を押すだろう。
 どうせ王にとって私は他人。
 干渉したってしなくたって、変わらないのだ。

 私は自身の宮殿を外出し、サンジェルマンと共に王の宮殿に出向いた。
 入り口でサンジェルマンと別れ、様々な身体検査を受けた後、私は王の部屋の前に立った。
 重く荘厳な王のオーラが、厚い扉の向こうから漏れ出ている。
 もう顔を合わせるのも何年ぶりだろうか。
 私は、扉を叩いた。


 どう王に告白するか>>下

 *あくまで報告。

 因みに今私の左腕は義手をはめている。
 正式な義手は完成に1ヶ月ほどかかるため、それまでの予備だ。
 腕を振るような動作をすればなんとなくそれっぽく動くが、感覚もない上、握るという単純な動作さえ出来ない。
 要は腕がない見た目だけをかろうじて取り繕う安物の義手だ。

私「私です」

 数年ぶりに、扉越しではあるが、私は父に確かに話しかけた。
 中から低い声が返事をする。

王「入れ」

 この声も、数年ぶりに聞いた。
 私が扉を開けると、そこには王がいた。
 しかし、王はただ鎮座しているだけなのに関わらず、執務室内は重力が二倍にも三倍にもなったような、気を抜けばそのまま押し潰されてしまうようなプレッシャーがあった。
 流石は国の王といった所か………
 王は椅子に背を預けながら言う。

王「で、何のようだ。ユタ」

 数年ぶりの再会を喜びもせず、久しぶりの一言も言わず、用を聞いてきた。
 この王は時間を取られるのを何よりも嫌うからな。
 私は単刀直入に言うべく、婚姻届を王の机の上に投げた。

 婚姻届には既に私とルイの名が書かれている。
 後は王の承認印だけ押されれば、そのまま婚姻が確約する。

私「私は三日後にパトリシア姫との結婚を控えていますが……いや、控えているからこそ、この事を父上に伝えに来ました。私はルイとも結婚することにします。今まで私に無関心だったのに、今更私のする事に反対はしませんよね。勿論異国の王の娘であるパトリシア姫も妻として大切に致します。なので、父上の顔に泥を塗るつもりはありませんので、その点はご心配なく」

 王は婚姻届を手にとり、目を通した。

王「側室ではなく、妻とな…………ルイと言うのは、ペットのドラゴンの事か?」

 私は頷いた。

私「ペット、というのは少々語弊がありますが、おっしゃるとおりレッドドラゴンのルイです」

 法によれば、結婚を望む物は例え相手がいかなる種族であれその婚姻を認めるという。
 百数十年前に制定された異種婚姻法だ。
 つまり、ルイと私でも何も問題は無い。
 王は言った。

王「ならぬ」

 ……………え?
 そう言って王は印を押すことを拒否し、私の方に婚姻届を突き返して来た。

私「なぜです? 法によれば王は明確な理由が無い限り押印を拒否する事は…………」

王「ユタよ」

 王が私の言葉を遮り、微笑む。

王「法が良しとしなくても、私が良しとすればそれは違法ではない。法が良しとしても、私が良しとしなければそれは違法だ。私は国王だぞ?」

 そんな…………
 むちゃくちゃな………!

王「お前がなんと言おうと、この結婚は認めぬ。他国の姫君と婚姻する直前にこんな事を言うなど………イメージダウンに繋がるだろう?」

 ただのイメージダウン。
 それだけのために、私は人生をねじ曲げられようとしている。
 王という、圧倒的な存在の前に。

王「事を荒げたく無ければ、このまま帰るんだな。それともなにか………言いたいことでも有りそうな顔だな…………?」

 くっふふふ、と王が笑う。
 私は怒りに手が震えた。
 こんな者が最高の王だと…………?
 私は殴りたい衝動を抑えつけた。


 どうする?>>下

 再開するで。

 ここで殴ってしまってはダメだ。
 王を傷つけたとなれば、最悪位を剥奪されてしまうだろう。
 それに、私の力では、王にふれることすら叶わない。
 どうにかして、認めてもらえないのだろうか……………
 もしくは、出し抜けないだろうか…………

王「ユタよ。別に結婚ばかりが愛の証明という事では無いではないか。お前とあの火龍との関係は知らないが、別に側室でも良かろう?」

 側室で妥協しないか、と言うことか……
 それも一つの選択肢としては良いかもしれないが、どちらにせよ、結婚は許してはくれない、と言うことか。

私「……………今日は帰らせていただきます」

 私がそう言うと、王は笑った。

王「私は曲げぬからな?」

 そう、あの王は絶対に曲げないだろう。
 「あの王」は。
 つまり………
 「あの王」で無ければ良いのだ。



 ~~~

 いやあ、待たせたで。
 すまんな。

おかえりー

お?「ルイ、焼き払え」くるか?()

 その夜。


パトリシア「本日はありがとうございました。また明日お会いしましょう」

ルイ「またねー!」

私「またな」

 馬車に揺られて、パトリシアが帰って行った。
 王の謁見から戻った後、私はいつも通りパトリシアとルイと触れ合った。
 リカアルは相変わらず自室に引きこもって顔を出さなかった。
 一応生存確認は取っているため、その点は心配ない。
 パトリシアが去った後、ルイが言った。

ルイ「今日はえっちしない?」

私「しないぞ。流石にあと数日は待ってくれ。傷が開く」

ルイ「ぷー………」

 ルイがふてくされたように頬を膨らました。
 勘弁してくれ。
 パトリシアとの約束もあるしな。
 結婚式の夜に3Pをするという約束が。
 パトリシアの初めてだと言うのに、なんたってそんなことになったんだろうか………

私「あとちょっとだからな。我慢してくれ」

ルイ「わかった………」

 ルイはしょんぼりとした。

ルイ「……………あと、結婚。残念だったね………」

 私はあの後、ルイとパトリシアに、私とルイが結婚出来ないと言うことを伝えた。
 パトリシアは怒り、ルイはうなだれた。
 ルイは今もまだ、その事が気になっているようだ。

私「…………結婚しなくても、ルイは私の大事なパートナーだ」

 私はそう言ってルイの頭を撫でた。
 こんなに固い鱗に覆われながらも、国一つ滅ぼす力を持ちながらも、ルイは繊細だった。
 ルイは私の言葉に頷き、私の方に口を突き出した。
 ……………ああ。
 いつまでも、大事にするさ。
 ルイと深く熱い口づけを交わしながら、私は今夜交われないことを残念に思った。

 ♈

 >>335
 ただいまー。
 行動を決めるのは安価やで。
 まあ割と勝手に動いちゃってるけど………

リカアル「おい」

 普通にルイを寝かしつけ、少し水を飲もうと思い台所に降りてきた時、突然リカアルが話しかけてきた。
 リカアルは今あの漆黒のビキニアーマーは着ておらず、寝やすいシルクの寝間着に身を包んでいた。
 腕を組み(胸をぎゅっと押しつぶし)壁に寄りかかりながら、彼女は口を開いた。

リカアル「……………貴様は、我のことをどう思うか? …………300年前の厄災を、見た目が女と言うだけで、国を裏切り匿った愚か者の考えを聞きたい」

 悠然と、初見の頃の威厳を取り戻した彼女は私にそう問いかけた。

私「>>下」

 私は、あの時の事を思い出しながら言った。

私「あの時の私は、自分の目の前で人を死なせたくない一心で、ルイを止めた。その後も、死なせたくないから匿った。君のことや、匿ったその後の事など、考えていなかった。その結果、どう扱えば良いかもとても悩んでいて………君が素の性格に戻って会話できるのを待っていた」

 リカアルは私がそう言うと、折れて一本になった角を弄りながら言った。

リカアル「そうか…………先に言っておくが、我が貴様と話そうと思ったのは謝られようとも謝ろうとも思ったからでは無いからの。ただ本を読むのがつまらなくなっただけだからの」

私「ああ。分かった」

 私も、彼女に謝られるつもりはない。
 私の義手は今は外している。
 リカアルは腕が無くなった空間を見た。
 そして、何かを思い出したようにブルッと震えた。

リカアル「あやつは………ナリクアグトは…………今はルイと言ったかのう。あやつは恐ろしいのう………」

 リカアルはため息をついて続ける。

リカアル「我が貴様に雷を落とした瞬間、あやつは………修羅と化した、のう」

 リカアルはカタカタと歯を鳴らす。
 トラウマが掘り返されたようだ。

リカアル「300年前の戦いは、もっと楽しかったのにのう。この前の戦いは、ただただ、怖かった、恐ろしかったのう………」

 リカアルはそう言って黙り込んだ。
 ぎゅっと自身を抱きしめ、震えている。
 楽しかった、か………
 それほどの、戦闘狂だったのだろうか。
 リカアルの性格に関する記述はない。
 どれを見ても、殺戮を好む、悪の龍として描かれているだけだ。
 それは、真実だったのだろうか?

 しばらく静かな時間が流れる。
 今度は私から話を振ってみよう。

私「>>下」

私「リカアル」

 リカアルが落ち着いた頃、私はリカアルに話しかけた。
 彼女は顔を上げ、私を見た。

私「300年前、ルイや君がどんな生活をしていたか教えてくれないか?」

リカアル「生活? 妙な事を聞くのう」

私「ちょっと興味が出ただけだ」

 私がそう聞くと、彼女は少し考えるように首を傾げた。

リカアル「そうだのう………我の話は出来たとしても、奴の事は知らん。有名だからそこいらの書物にでも載ってるだろう」

 まあ、確かに赫涙のナリクアグト関する書籍は無限にある。
 そこにはもちろん戦歴や生活も書かれている。
 ……………書籍によれば、ナリクアグトは雄だったようだ。
 その話は置いといてだな………

私「知らない?」

リカアル「うむ。我と奴は決戦の時の一回しか会った事がなかったしの。ナリクアグトという名前も封印が解けてから知った」

私「えっ………」

 まさか、そこまで面識がなかったとは。
 リカアルはフム、と言った。

リカアル「我の生活で良ければ、書物に載っていない話を中心に話すが」

私「ああ、それでいい」

リカアル「うむ」

 リカアルはゆっくりと話し出した。
 300年前の、彼女の生活を。

リカアル「………生活と言っても、野生動物のような事しかしておらんぞ? 本能の赴くままに食べ、寝、起きてはまた食べを繰り返していた。そして、気が向けば生物を殺めていた」

私「本能の赴くまま………?」

リカアル「うむ。こう流暢に話してはおるが、300年前に封印された時はまだ知性なんて物はなかったからの。人間で言えば、赤子であった」

 その情報には驚きだ。
 龍と言えば高い知能と強靭な身体を持っていることから生物最強と呼ばれているからな。

私「初耳だな…………てっきり、文献にあるとおりナリクアグトと同じく知性があったかと…………」

リカアル「いや、そんな物は無かった。我は自らが好まんとすること、快く思うことしかしなかった。そのひとつが、偶然殺戮だった訳だ」

 リカアルは天井を見た。

リカアル「我には、親などいなかった。誰にも温められず、冷たく、孤独に、卵から生まれた。誰からも何も学ばず、自分勝手に、生きた。生まれて間もなき頃、我は寝床の周りをちょろちょろとせわしなく動いていた一匹の鼠を殺めた。あの時の感覚は今でも忘れぬ。我が爪が容易く毛皮を裂き、鮮血が飛び散り、鼠が断末魔を上げる………血塗れた毛の感触、赤い視界、内臓の香り、耳に残る最期の叫び声、喉を通る鉄の味。全てを新鮮に、面白く感じた。もっと遊びたい。もっともっと、この感触を楽しみたい………その時から我は、子供が玩具を弄ぶ感覚で、殺しを楽しむようになっていた」

 ぞくぞくっ、とリカアルが身体を震わす。
 つまり、生来から生物を殺める事に楽しみを見いだしていたのか。

リカアル「それから幾年か。沢山の生物を殺めた。ひときわ、二足で歩く、とりどりの皮を被った生物………人間を殺すときは特別楽しかった。様々な断末魔を上げ、時に我に立ち向かう。それがたまらなく楽しかった。だから、我は多くの人間を殺めたのだ」

 彼女は自分の手をわきわきと動かした。
 今は人間の物だが、一度魔力を注げば凶悪な物になるだろう。
 300年前の人々がリカアルに殺戮された事について………
 はっきりと言えば、今更怒りは沸いてこない。
 なんにせよ、300年前の事だ。

私「生まれて何年ぐらいの時にルイに封印されたんだ?」

リカアル「うむ。定かではないが、おおよそ十数年といったところだろう」

私「若いな………」

 実際は、龍が伝説に残るリカアル程度の大きさになるまでには100~150年ほどかかるらしい。
 リカアルが言う通り十数年で成長したとなれば、文献に載っている『突然現れた黒龍』という描写も納得がいく。

リカアル「我からしてみれば、どんどん世界の方が小さくなったようだったぞ。面白かったのう。それに、何故だか知らぬが、成長と共に自分の手足のように雷も使えたしのう」

 魔法は元々龍の物、と言われるほどに、龍は魔力容量が多く、扱いも上手い。
 その中でもリカアルは魔法に突飛し、雷属性が得意だったのだろう。

リカアル「そして、ある時。突然、奴はやってきた」

 とても楽しそうに、リカアルは声を弾ませながら言った。

リカアル「ナリクアグト。あの時の奴との戦いは、本当に楽しかったのう」

 懐かしむように、リカアルはそう言った。

リカアル「我は奴と会うまではただ蹂躙する側だった………しかし! 奴との戦いは心躍った!」

 リカアルが声のトーンを上げる。

リカアル「力では我に及ばなかったが、奴には経験と技量があった! むしろ力では我が圧勝しておった。一撃一撃が致命傷の我と、洗礼された素早い動きを持ちなるべく攻撃を食らわぬ戦法を取った奴。その差は、互角では無かった。我にようやく小さな傷が付き、血が流れたころ、奴は満身創痍であった。目は片方がつぶれ、翼は裂け、ウロコの赤とも血の赤とも分からなくなっておった。そして、我がトドメを刺した瞬間だった。突然、身体が動かなくなりおった。意識が消える直前に、奴が微笑んだのが見えた。『勝った』と。奴は、初めから勝てないと分かっておったのだ。分かっておったからこそ、自己を犠牲にし、我を永遠の封印に封じ込めるという手段をとっておったのだった」

 興奮のしすぎで肩で息をしながら、リカアルが一杯水を飲み、続けた。

リカアル「封印されている間は、ずっと眠るような感覚があった。いや、どちらかと言えば、何も無かった。恐怖も、怒りも、起こらず、夢も見なかった。私の意識は、黒かった。しかし、永遠の時が流れたある日、突然視界が開けた。同時に、元々我には無かった知性が、知識が、流れ込んできた。割れるように痛い頭を抑えながら、我が目を開けると、そこには、一人の男が立っておった」

私「待った。300年の月日の間に蓄えたのではなく、その瞬間に一気にか?」

リカアル「うむ。一気にだ。その目の前の男は、我が目を覚ました瞬間から聞いてもおらんことをベラベラベラベラとしゃべりおった。我の封印を解いたのは自分だの、知性を与えたのは自分だの。えっらそうな態度であったのう」

 リカアルの封印を解いて知性を与えた?
 そんな大層な事を個人で出来る筈もない。
 リカアルの封印を解くだけならまだしも、本能のままに生きていた龍に知性を与えるなんて魔法や技術は、聞いたことがない。

私「その男が誰か、心当たりはあるか?」

 多分心当たり無いだろうが、念のために聞いておこう。
 そう、ほとんど情報は得られないだろうと聞いた質問に対して、リカアルは、なんとも意外な答えを返した。
 それは、私も知っている名だった。

リカアル「ああ。その男は自分のことを『マオウ』などと名乗っておったぞ?」

私「なっ………………!」

 マオウ。
 つまり魔王。
 まさか魔王がリカアルの封印を解き、知性を与えたのか………
 しかし何のために…………

リカアル「気づけば我は龍人と龍に自由に変身出来るようになっておった。その男はなんか『我の眷属になれ』だの『封印を解いた恩を返せ』だのうるさかったからのう。ぶっ飛ばしてやったわい」

私「ちょっ………!」

 なにやってんのリカアルゥゥ!?

リカアル「そんな奴に構うより、我はふつふつと沸き起こっておった感じたことのない新しき感情を理解するのに忙しかった。それは………怒りと言ったな。ナリクアグトに対する、怒りを感じておったのだ。だから我は、空に飛んだ。奴が何か言っておったが、その時我は既に奴の魔力を感知しておったから、気にしなかった。そして、数ヶ月探し回り、やっと見つけたのだ。ナリクアグトの転生体である、ルイを。ここから先は、貴様も知っておろう。傲り高ぶった我は、奴にたやすく負けた。まあある意味………面白い結果でもあったな…………」

 面白い結果か………
 彼女は悲しげに笑うと、また折れた角の根元を弄った。

私「…………………」

 まとめれば、彼女は魔王によって封印を解かれ、知性を与えられたらしい。
 ついでに、龍人の身体も。
 魔王は伝説の龍であるリカアルの封印を解き、自身の眷属にしようとしたらしいが、ぶっ飛ばされた。
 魔王ともあろう者がその事態を想定せずにみすみす逃がすような真似をするとは思えないが、リカアルの力が強かったのだろうか?
 どちらにせよ、リカアルが魔王側につかなくて良かった。
 魔王の眷属としてパワーアップしたリカアルと言うのは、考えただけでも恐ろしい………
 リカアルが角から手を離した。

リカアル「ふむ…………話す、と言うのはこうも面白い物なのだな。いくらか気が楽になったわい」

 リカアルはもう一度コップを手に取り、水を飲んだ。
 喉をならす度に、背に生えた翼がぴくっ、と動く。

リカアル「…………んくっ。ぷは……………ルイは未だに身体が拒絶するが………貴様、ユタと言ったな」

私「ああ」

リカアル「ユタ。どの道我は契約により貴様からは逃れられぬ。だからユタよ。貴様が貴様の言うエゴとやらに従うのなら、我を楽しませおくれ。我は退屈は好かぬ」

 気絶から目を覚ました時の彼女からは考えられないような期待に満ちた目で彼女はそう言った。
 この龍は、自らを柔軟に変えたのだ。
 封印される前自らが殺戮を楽しんでいたように、この宮殿内での生活を楽しむ為に。

私「>>下」

私「君の事はちゃんと尊重するよ。こうして君と話すことができて、こちらもとても良かったと思っている。君にとって宮殿という世界は狭すぎるだろうから、いつか君が外に出られるように手はずを整えたい。どちらにせよ、いつまでも君を、『雷刻のリカアル』を匿っている事を隠し通すのは不可能だろうしな」

リカアル「ああ。……………ありがとな」

 リカアルはそう言ってコップに残った水を飲み干した。
 いつか彼女の事は世間に晒される。
 隠し通せるとは絶対に思わない方がいい。
 それまでに彼女ともっと話すなどして信頼関係を深めるべきか。
 ともあれ………

 先に気にするべきは明日の事だ。
 明日、あと数年で国王に就任する、『次期国王』である兄が遠征から帰ってくる。
 左腕の事は色々言われるだろうな………
 便宜上は謎の放電事故で無くなった私の左腕。
 まだ義手は届いていないが、少しだけこの生活に慣れてきた。
 元気な所を見せればまあ大丈夫だろう。

 重要なのは………
 明日、腕以外の事について、兄のトキと何の話をするか?
 という事だ。

 どんな、もしくは何の話をするか? 何か要求をしても良いし、他の話をしてもいい >>下

 ~次の日~

 朝起きた瞬間、ルイに唇を奪われた。

ルイ「んはっ。えへへ~。今日のファーストキッスもーらいっ♥」

私「………ああ、おはよう。…………これ毎朝やるのか?」

 ルイはによによと頬をほころばせた。

ルイ「うん………♥」

 可愛いっ………!
 今すぐ押し倒したいが、我慢だ。
 ばっくり傷が開いて血だらけになってまで営みたくはない。
 私は不本意ながらルイを押しのけながら起き上がった。




 ~昼~



トキ「お前は………本当に…………なんで危険な遠征に行っている俺より危険な目に合ってるんだ…………」

 トキが頭を痛そうに抑えた。

トキ「左腕は無くなって、右半身に雷模様の大火傷。なんで家にいながら………ううぅむ…………」

私「まあ、命はあるだけ運が良かったさ」

トキ「…………俺だってそんな怪我したこと無いのによぉ………」

 トキは時々ため息を挟みながら私に言う。
 相当酷い有り様だからな………

トキ「……………結婚を祝おうと思ったのに、怪我を見舞うことになるなんて………まずは、おめでとう。そしてどうしてそうなった………」

 トキは再び頭を抱えた。

 ~~~

トキ「放電事故か……………」

 色々と話した後、トキが引っかかったように首を捻る。

私「どうした?」

トキ「………いや、何でもない」

 それほど重要な事でも無かったらしい。
 トキは捻ったクビを戻し、私に向き直った。

トキ「で、そっちから重要な話があるって言ってたが、なんだ?」

私「ああ、その話か」

 私は姿勢を正した。

私「実は昨日父上にルイとの結婚の許可を貰おうとしたんだが、拒否された。法律では私達の婚約は許可されて然るべき物の筈なのだが、王は王の権限で法を無視し婚約を許可しなかったのだ」

 私がそう言うと、トキは顔をしかめた。

トキ「婚約を許可されなかった、か。たしかにあの王なら自分のために法に反することもいとわないだろう。法に反したのが一般人なら即刻逮捕だが、それが王だ。王なら例えお前とルイの結婚を許可しなかろうが権限がk………ちょっと待てお前なんつった?」

 トキが急に驚いたような声を上げた。

トキ「え、結婚? お前と、ルイが? ど、どういうことだ?! お前パトリシア姫と結婚するんだろっ?!」

 トキが困惑した様子で体を乗り出しながらそう言う。
 そう言えば、トキはまだこの事は知らなかったな。
 まあどの道いつかは話さなければいけなかった事だ。

私「>>下」

私「パトリシア姫とも結婚するんだ。いろいろと経緯があったが、私とルイの関係はもう、パトリシア姫とも話し合って確認を取って許しを得ている。他にも、何人かはこの事を知っている。その………トキはどう思うかは分からないが、私達は本当に愛し合っているんだ……………トキも、私達を祝福してくれないのか………?」

 私がそう言うと、トキは開いていた口を閉じ、慌てて首を振った。

トキ「い、いやいや。そうは言わない! そうは言わないが………おまえ……………」

 その『おまえ………』には色々な感情が詰め込まれていた。
 呆れやら、何やらだ。

トキ「………ルイか……………王が許してくれない訳だ………私は祝福するが、結婚は難しいだろうな………」

 トキは顎を触った。
 そして神妙そうな顔をした。

トキ「……………それで…………ルイとの関係はどこまで進んでいるんだ?」

 おっとその質問か。
 ………難しいな。
 ここはあえて嘘をつくか、話を円滑に進めるために正直に話すか。

私「>>下」

まあ…いくところまでいきました…

(コンマもそう言っている)

私「えっと………非常に言いづらいが………行くところまで行った…………」

 セックスまで行った、という事を遠まわしに伝える。
 しっかりと察したのか、トキががっくりとうなだれる。

トキ「お前マジか…………本気か……………」

 しばらく黙っていたトキはバッと顔を上げると、覚悟を決めたような顔で言った。

トキ「そこまで行ってんなら、もう、後押しするしか無いな………」

 よっし………!
 これで、トキが味方についた。
 私が心の中でガッツポーズをとっていると、トキが言った。

トキ「俺としては応援したいんだが……………具体的に、何かしてほしい事があれば、言ってくれてかまわないぞ。無ければそれで良いが」

私「>>下」

 >>357 >>358 コンマ99ボーナスか。
 気まぐれやけどちょっとやってみるで。
 何がええか?
 >>下

 早い者勝ちやからもっと書き込んでもいいんやで………(泣)

 ありがと。

私「そうだな………一つ、頼みがあるんだが、良いか?」

 私がそう切り出すと、トキは頷いた。

トキ「弟の願いだ。俺に出来ることなら、してやるよ」

 頼もしい兄だ。
 お兄ちゃん大好き!
 ………冗談はさておき。
 私は一息ついた。

私「しばらくすれば王権はトキに受け継がれ、そうなれば、トキに頼めば結婚は出来る。だが、あいにく私はそんなに長く待ちたくない」

トキ「数年後だからな………」

私「そこで私は考えた。王が私達の結婚を拒否するのは、イメージダウンを危惧しているからだ。だったら、それを反転させてやればいい」

トキ「ほう?」

 トキが興味深そうに眉を上げる。

私「結婚すればイメージアップするように、逆に言えば結婚しなければイメージダウンするように、部下や国民に根回しするのを手伝ってくれないか?」

 トキが面白そうに頷く。

トキ「なるほどな。それは良い考えだ」

私「私とルイが結婚を考えてる。しかも仲がとってもいい、とか良い感じの噂を流すなりしてほしい。もとより異類婚姻に反対する者も少なからずいるだろうし、うまく行かないかもしれない。だが私とルイの結婚を支持する者が増えれば、確実に王の婚姻反対に対するイメージが下がる。そうなれば、王も考えを改めてくれるかもしれない」

 トキは目を閉じ、やれやれと微笑んだ。

トキ「可愛い弟の頼みだ。やってやるさ」

 ニヤリと、トキが口角を上げた。

私「すまない。そして、ありがとうっ!」

 私が礼を言うと、トキは首を振った。

トキ「よせよせ。そう言うのは成功してから言うもんだ。さて…………」

 トキは席を立った。

トキ「最初はどうやってソラとヤミに説明するかだな……………」

私「ははは。そこが一番骨が折れそうだ」

 私達は笑い合った。



 ~~~

 ~~~


 私は話終わったトキを見送るべく、廊下を歩いていた。

トキ「じゃあ、しっかり根回しはしとくぜ。次期国王の力しかとその目に焼き付けておけよ」

私「よろしくな」

 私とトキはがっしと手を取り合い、固い握手を交わした。
 その時だった。

リカアル「ふあぁあ~ぁ……………む?」

トキ「え?」

私「なっ………!」

 私とトキはリカアルが階段から下りて来た時に、ばったりと出くわしてしまった。
 全員動きが止まる。
 部屋から出るなって言ってたのに…………!
 しかもリカアルの格好はノーブラの薄いワンピースだ。
 彼女としてはこの格好が寝間着に最高らしいが、今の状況ではマズい。
 肩がはだけ片胸がこぼれるギリギリまで服がずれている。
 オールモーストポロリ。
 乱れた衣服のナイスバディなレディーが宮殿にいる、という状況は、非常にマズい誤解を生む。
 わかりやすく言えば、とてもだが今のリカアルは淫売婦以外の何にも見えない。
 さっき結婚の話をしたばかりだと言うのに………
 ちなみにルイとパトリシアには出かけて貰っている。
 リカアルはフム、といってトキを見た後、くるりとUターンした。

リカアル「部屋を間違えたらしい」

トキ「待った待った待った待った。ここ廊下だしちょっと待て」

 トキが私の肩を掴み、ギリギリと握る。

トキ「はあ………………………どう言うことだか、説明して貰おうか☆」

 影が落ちている真顔が怖い。
 恐らく今、トキの中で私は『龍フェチの浮気野郎』だと言うことが決定した。
 リカアルに説明させたら面倒になりそうだ。

私「>>下」

私「トキ、違う。私と彼女は決してトキが思っているような関係ではない」

 トキがにっこりと笑った。
 肩が痛いって。

トキ「ほう……………?」

私「ルイはもともと人形だったって言ったろ? 原因は分からないが、ルイと同じ時期に作られたドラゴンの人形が色々あってルイと同じように肉体を持ったんだ。それが彼女だ。ルイと勝手がちがって龍人にもなるから、しばらく落ち着く場所が見つかるまで居候させてるだけなんだ。今まで黙っていたのは謝るが、トキが心配してるような関係も何もないからその手を離してくれ」

 私が一応前から考えていた嘘をスラスラと言うと、トキは私の目をじーっと覗き込んだ。

トキ「…………………本当か? 本当に関係は無いのか?」

私「無い」

 こればかりは本当だ。
 しばらくにらみ合いが続いたが、トキが観念したように肩から手を離した。

トキ「………お前がそう言うなら、信じよう。だけどもし何かあったらマジでぶっ飛ばすからな」

私「無いって」

 トキはリカアルに向いた。

トキ「迷惑掛けてしまい申し訳ない。私は大英帝国の次期国王トキだ。お見知りおきをレディー…………」

 頭まで下げられ改まった態度でそう言われ、リカアルは戸惑いながらも頭を下げ返した。

リカアル「う、うむ。わ、我………私はアティーと、言う。ど、どうも」

 よし。
 言葉遣いは少し怪しいが、ちゃんと教えたとおり自己紹介出来てるな。

トキ「ではまた」

 トキは不意に私の耳元に顔を近づけると、言った。

トキ(お前絶対手出すなよ)

私(出さないって)



 ~~~

 シークレットコンマ

 35~99なら***
 ただし00~34だと………***

 ごめん、下。

 おっとお、これは………

 トキが帰った後。
 リカアルは自室で羽を広げて床に突っ伏してた。
 リカアルの希望により、リカアルの自室の床は毛が長く触り心地の良いカーペットを敷いている。

リカアル「ああこのカーペットというのは本当に気持ちいいのう」

 リカアルはしばらくふかふかのカーペットを堪能すると、起き上がった。

私「今日は下りてくるなと言ってた筈だが………」

リカアル「すまんのう。ちょっと時間を間違えてのう。まあ良かったではないか。結局バレなかったんだしのう」

私「ああ。ちょっと危うかったがな………」

 リカアルはまたカーペットに倒れ込んだ。

リカアル「よくあんな凝った嘘をスラスラと言えるのう。もしや前から考えとったのか?」

私「ああ。いつかこんな事が起きるだろうと思ってな。君もしっかり名前を言えたじゃないか」

 リカアルは私がそうほめると、豊満な胸を張った。

リカアル「うむ。ちいと言葉遣いは怪しかったが、しっかり言えたわい。だが、アテナか………我にはちいとばかし美しすぎやせぬか?」

私「そうでも無いだろ」

リカアル「そうか」

 リカアルはゴロゴロとカーペットの上を転がる。

私「バレない、という過信は禁物だ。いつかはバレるかもしれないが、なるべく君が雷刻のリカアルであると言うことは知られないようにしないとな」

リカアル「うむ。我だって死にとうないしの」

 リカアルはそう言いながら起き上がった。

リカアル「では我はココアを飲むとするかの」

 リカアルが扉を開けた。

リカアル「うむ?」

私「…………………………え?」

 そこには、トキが立っていた。
 その口元は、うっすらと笑っていた。

トキ「…………………フフッ」

 目は、笑っていない。
 いつからそこに居たのだろうか。
 ついさっきから?
 それともずっと前から?
 帰るふりをして、実は帰っていなかった。
 どうやら隠しきれなかったようだ。
 トキの薄ら笑いが意味する物はただ一つ。


 …………………バレた。

トキ「やあやあ………ユタ。このレディーは………アテナじゃなかったのかね?」

 状況を全く察していないリカアルが部屋に入ってきたトキの前に立ちはだかる。

リカアル「おい貴様。我の許可なしに部屋に踏み込むとは良い度きょ、ぉっ!?」

 トキがリカアルの首を鷲掴みにし、持ち上げる。

トキ「踏み込むも何も、君には最初っからこの国に入ることを許可した覚えは無い」

リカアル「がっ………ぐっ………!」

 リカアルは翼でなんとか浮力を得ながら、首が締まらないように暴れている。
 トキはリカアルを掲げたまま、私の方を向く。

私「トキ…………」

トキ「残念に思うよ、ユタ………今度こそ嘘のない弁明を頼む………明後日の結婚式を無事に結構したいのなら、ねえ………」

 流石にトキでもリカアルを見逃してくれるほど甘くは無いか………!
 まだルイもパトリシアも帰ってきていない。
 どうすれば………!

 行動や弁明>>下

 まずこのままではリカアルが危険だ。

私「話す、話すから彼女を床に下ろしてくれ………!」

トキ「……………ふむ」

 私がそう言うと、トキは少し考えた後、リカアルを掴んでいた手を離した。
 ボフッ、とリカアルが落ちた。

リカアル「げぇほっ、げほっ!」

 トキは激しく咳き込むリカアルを見下しながら、冷たい声で言った。

トキ「じゃあ、話して貰おうか。全て、嘘偽り無く、な」

私「……………っ」

 知られてしまった以上、仕方がない。
 私はギリッ、と歯ぎしりをした。



 ~~~

 私は一旦リカアルをベッドに座らせ、全てを話した。
 突然、リカアルが襲撃したこと。
 その時私がパトリシアを庇い、腕を失い、ルイが覚醒したこと。
 その後負けたリカアルを契約で縛り、今はもう安全であること。
 そして、リカアル本人から聞いた復活の経緯などを全て吐いた。
 一切の嘘偽り無く。

トキ「…………………マジ?」

 私が全て話した後、トキが口を開いて最初に発した言葉はそれだった。

トキ「ちょっと待ってな。整理させてくれ……………まず、そこの女がリカアルな。うん、分かる。そしてルイがナリクアグトな。うん、分からない」

 まあそうだろうな。

トキ「……………とりあえず二人の正体は一旦置いておこう。そしてさっきすれ違った時に見えたから気になっていたが、やっぱりそれは契約の刻印なのか………確かに絶対の防衛規制だな…………」

 トキが頭を悩ます。

トキ「安全…………安全ねえ…………」

 何度かそう呟いた後、トキは言った。

トキ「これは本当は極秘の情報なんだが、情報源その物がここにいる以上しかたねえ」

私「極秘の情報……?」

 トキは頷いた。

トキ「ああ。全部お前が知ってる事だよ。そもそも俺の今回の遠征は数ヶ月前に突如としてリカアルの姿が消えた封印の洞窟の調査だったんだ。大騒ぎだったんだぞ? そこで魔王の痕跡だのなんだのが見つかってこれから本腰で調査を始めようとした瞬間に、これだ。極秘も何もあっちゃいねえ」

 だから遠征に行くとき、あんなただならぬ雰囲気を纏っていたんだな。
 トキが続ける。

トキ「リカアルが封印された数百年前から、この国の、いや、全世界の一大プロジェクトとしてリカアルの消滅があったんだ。お前も知らないわきゃ無いだろ。それを知っておいて、見た目が女だからって生かすのか? 契約で縛られているとは言え、それが絶対安全とは言えねえ。いつか破るかもしれない危険があるんだぞ? ちょっと考えが甘すぎるんじゃないか?」

 見た目が女だから………
 確かにそれも理由の一つではある。
 私は顔を上げた。

私「例え甘いと言われようと、ルイの為にも、あの時リカアルを殺したくは無かった。それに、今でも知性があり意思を疎通する事が出来る彼女を殺したくはない。彼女はもう安全なんだ。力も制御してる。だから、彼女を処刑だけはしないでくれ! 私が責任を取る!」

 私が見せれる最大限の誠意。
 私はジャパンのドゲザをした。
 地べたに膝を付き、頭を地に付ける。
 これ以上下がないほど、頭を下げる。
 頼むっ……………!

私「>>下」

 間違ってないお。
 安価下。

 私は顔を上げ、トキに訴えかける。

私「確かに、彼女はかつて多くの命を殺めた。だからといって、同じ死で罰を与える必要はあるのだろうか? さっき言ったように、悪意を持って殺した訳じゃない。子供だったんだ。何も分からない、子供だったんだ。それに、もう暴れる力もない…………もうだ誰も、殺めない。だから、どうか彼女を処刑しないでくれ……………生きているこそ出来る償いも………あるのではないか……………?」

 私は再び地に額をこすり付けた。
 危険なのかもしれない。
 それでも、私はリカアルを信じたい。
 どうか、生きてほしい。

トキ「………………………」

 後頭部に、トキの視線を感じる。
 否定の気持ちの表れか、肯定の気持ちの表れか……………

 トキが小さくため息を付いた。

トキ「………………300年前だ」

 その声に、静かだったリカアルが震える。
 しかし、その声は、先ほどとはまた違った声色だった。

トキ「………親族を、知人が殺された奴が……………今の時代にどれぐらいいると思う?」

リカアル「え…………?」

 トキの口から出たのは、叱責でも、説教ではなく、意外な質問だった。
 その言葉への答えは、ゼロだ。
 もう誰も生き残っていないだろう。

トキ「時間が全てを解決する、という訳では無いが…………今回ばかりは、時間に感謝しろよ。もう誰もお前の事をうらんじゃいない。誰も、お前のことを知らない。だから解決出来る。うやむやに、な」

 その言葉がけは、優しかった。
 トキはまるで子供に説明するように、ゆっくり一語一語リカアルに言う。

トキ「分かったか? 全部、解決したんだ。リカアルは消滅した。お前は、ぬいぐるみから産まれた。もう、危険は無い」

 つまり、トキはこう言っているのだ。

 『見逃す』と。

私「……………すまない」

 私は、辛うじてそう言うことが出来た。
 トキに最大限の迷惑と負担を掛けた。
 あれだけ約束したのに、リカアルを再び死の恐怖と危機に晒した。
 みんなに、申し訳ない。

リカアル「い、いいのか? こんな大きな魚を逃がしてもうて……………」

 おいっ、余計なこといわんで良いっ!
 しかしトキは優しい声で言った。

トキ「ああ。英雄の称号が得られないのは少し惜しいが、弟にあれだけ頭を下げられといてそっちを取るような男じゃないさ」

 そして、リカアルに言った。

トキ「感謝しろよ…………またしてもお前を救った、ユタという男に」

 その時のリカアルの目は、なぜだか、少し潤んでいた。

 ~~~


リカアル「また、お主に救われてしもうたのう」

 トキが帰った後、リカアルがカーペットに寝転がりながら言った。

私「まさか盗み聞きされるとは…………トキも怖いな」

 私は額に手を当てた。
 あんな嘘には流されない決断力と行動力……………流石は次期国王といったところか。

私「今回の事を考えると、もうリカアルという名は使わない方が良いかもな。盗み聞きされたら終わりだしな……………」

リカアル「そうだのう。別に我は良いぞ? 300年前は名前なんて無かったし、この名にも執着は無いしの」

 リカアルはこう言っている。
 それならば、これからは新しい名前で呼んだ方が良いだろう。

私「私が決めても良いか?」

リカアル「うむ? お主が決めるのか?」

 リカアルが意外という顔で言った。

私「ダメか?」

リカアル「いや、ダメという訳では無いが…………」

 じゃあ決めてしまおう。

 アテナの名を引き続き使うか、新しく付けるか>>下

私「いや………別に新しく名前を作る必要も無いか。アテナのままで行こう」

 私がそう言うと、リカアルは難しそうな顔をした。

リカアル「うー、アテナかのう………嫌ってわけじゃ無いんだがのう…………」

私「やっぱりアテナはダメか?」

 私がそう言うと、リカアルは首を振った。

リカアル「いやいや。別に良い名前だとは思うんだがの、名乗るときに女神の名だと、ちいと恥ずかしいというかのう………」

私「>>下」

私「ぶふっ………」

 私が思わず吹き出すと、リカアルはむっとした。

リカアル「むうう………名前が気になって悪いか?」

私「失礼………いや、普段の君からは考えられなくて………そんなに名前が気になるか? いいじゃないか、名前負けなんてしてないだろ」

リカアル「そうかの? ……………そうかのう………?」

 リカアルは自分の顔をペタペタと触った。
 翼をパタパタ、目をパチパチ。
 最後に一回首を傾げ、触るのを止めた。

リカアル「………………まあ良い。今日より我はリカアルの名を捨て、アテナと名乗る事とする」

 元リカアル、現アテナはそう言って頷いた。

アテナ「ふむ。良い名前を授かった。感謝するぞ、ユタよ」

私「ああ………アテナ」

アテナ「はっはっは!」

 彼女は、そう朗らかに笑って見せた。

 時は結婚式当日まで飛ぶ。

 ルイとアテナは、ほんの少し距離が縮まった。


 ~ユタとパトリシアの結婚式当日~


 結婚式当日のハプニングやイベント(結婚式前でも後でも可)>>下

 ~~~



パトリシア「あ、あの…………ユタ………王子………」

私「少しキツいな………痛かったら言えよ」

パトリシア「は、はい………んっ…………」

私「初めてか?」

パトリシア「はい………思った以上に………っ………!」

私「ちょっと体制を変えてみてくれ」

パトリシア「わ、分かりました…………」

私「……………どうだ?」

パトリシア「ラクに、なりました」

私「分かった。じゃあ動かすぞ」

パトリシア「んっ……………く……………」

私「…………よし」

パトリシア「お腹の形が、変わっちゃいました…………」

私「苦しそうだな」

パトリシア「だ、大丈夫です。ちょっと息が辛いですが………」

私「あと少しの辛抱だ。我慢しろ」

パトリシア「は、はい……………」

私「ほんとになんたって女ってのは………こんな自分を苦しめるようなアクセサリーをつけるんだか……………っと」

パトリシア「ふう………ん……………決まりだから………しょうがないですよ…………」

私「コルセットなんて無くたって、パトリシアは十分綺麗なのになあ」

パトリシア「うふふっ………そう言ってもらえて…………ん………嬉しいです…………はあっ、はあっ………」

 パトリシアはコルセットの具合を確かめた。

私「違和感は無いか?」

パトリシア「違和感しか無いです………」

 パトリシアがくるりと回る。

パトリシア「どどど、どうですか? こここの、ドドドレス……………」

 純白のドレスに身を包んだ女神………おっと、間違えた。
 綺麗すぎて思わず女神と間違えてしまった。
 めが……パトリシアが私に聞く。
 褐色の肌とあいまってとても綺麗だ。
 めが……パトリシアは舞うように色々な角度から私にその晴れ着姿を見せつける。
 宝石のティアラにふわりと空気に浮かぶ手首と肩を繋ぐヴェール。
 どれも、美しい。
 もちろん、どんな装飾品も、めが……パトリシア本人には敵わないが。
 女神……パトリシアは私に期待するような目線を送る。
 感想を言ってほしいようだ。

私「>>下」

私「とても美しいよパトリシア。まるで女神のよう………いやもはや女神そのものだ」

 他のどの女神と比べる必要もない。
 彼女は女神の一柱だった。
 そんな女神に見惚れた私は、パトリシア教の一人目の信者だ。
 この信仰心は決して枯れる事は無い………

パトリシア「い、嫌です王子ぃ………そそそそんな、女神なんて…………♥」

 そう良いながらも、彼女はまんざらでもなさそうだった。

メイド2「ユタ王子~。そろそろお時間です。花道の準備をしてくださ~い」

 裏舞台にいた私達にメイドがそう呼びかけた。

私「ああ。今行く」

 私が返事をすると、緊張したのか、ぎゅっと私の腕に抱きついてくる。

パトリシア「もう、そろそろ、ですね………」

私「ああ………心配するな。私も緊張している………」

 私はパトリシアの頭を撫でた。

パトリシア「………………ちょっと、安心しました………」

 ああ…………可愛い。
 優劣は付けたく無いのでルイとは比べられないが、可愛い。

 私達が緊張しているのは、大衆の前に出るからではない。
 結婚式に必ずついてくる有るものが原因だ。

 それはキス。

 私のファーストキスは既にルイに捧げているが、パトリシアのファーストキスはまだだ。
 パトリシアの緊張が私にも伝染したようで、私も思いっきり緊張してしまっている。

私「深呼吸だ深呼吸。頑張れ」

パトリシア「はい………♥」

 さあ…………ここが正念場だ。

 ~~~



執事「開けます…………」

 執事が、言った。
 門がゆっくりと開かれる。
 パトリシアの私の右腕を掴む力が強くなった。



 ワアアアアアアアッ!!!



 私とパトリシアは割れんばかりの歓声と花吹雪に包まれた。

パトリシア「あ、あそこ。ルイ様と、アテナ様」

 花道を通っていると、パトリシアがくいっと袖を引いた。
 その方向に顔を向けると、ルイが手を振っていた。
 ルイは満面の笑みでぶんぶんと手を振っていたが、アテナは祝いの料理を口いっぱいに含み、両手も料理で塞がっていた。
 しかしルイに肩を叩かれ私達と目が合うと、チキンを持ったまま手を振ってきた。

私「すごい食べてるな」

パトリシア「やっぱりアテナ様は花より団子ですね…………」

 花道の終着点に着き、神父が口上を述べる。
 いつまでも幸せに健やかにうんたらかんたら。
 そして、指輪交換。
 普通は左手の指にはめるが、私は左手が無い。
 だから特別、右手の薬指にはめる。
 パトリシアの左手にも、私から指輪をはめる。
 片手だと難しいな………

パトリシア「うふふっ………」

 パトリシアは自身の指に輝く指輪を見て、少し笑った。
 神父が姿勢を正すと、式場が静まった。

神父「デワ、チカイノキッスヲ」

 神父が言った。

 パトリシアのファーストキス。
 どうキスするか>>下

 私はパトリシアの頬に右手を添えた。
 パトリシアが私の義手を優しく掴む。

パトリシア「…………………」

私「…………………」

 じっと、見つめ合う。
 私がパトリシアを見上げる形になる。
 パトリシアの目は、少しだけ湿っていた。
 でも、嬉しそうだった。
 私は微笑み返した。



 ちょっとだけ、爪先立ちに。
 背伸びを、した。

 パトリシアが少し屈んだ。

 ちゅ………

 そのまま、私はパトリシアの首に手を回した。
 パトリシアも私の背に手を回し返す。
 唇が触れ合った所から熱くなる。
 じわり、じわり、と、熱が広がっていくのを感じる。

神父「…………………………ン?」

 ああ、せめてこの熱が身体全体に行き渡るまで、もう少し繋がっていたい。

パトリシア「んむ……………ん………………………ん?」

 ちょっと長くない?
 と、パトリシアが顔を赤く染めながら片目をうっすらと開ける。

 ルイには無いぷにっとした柔らかい唇の感触が心地よかった。
 私はちろ、と舌を出し、それをパトリシアの口内に侵入させる。

パトリシア「っ……………」

 パトリシアはピクッと震えたが、そのまま私の舌を受け入れる。
 互いの舌を螺旋に絡ませ、濃いドロドロの唾液を大量に分泌させる。
 パトリシアは羞恥からか目の端に涙を浮かべ、されるがままになった。
 りんごのように真っ赤になったパトリシアは、とても可愛かった。
 ……………私はそのとき初めて、自分がSで有ることを自覚した。
 ぎゅ~っとパトリシアの首を抱きしめ、更に深く唇を重ねる。

パトリシア「んっ………っ…………♥」

 パトリシアではない誰かが、ゴクリと唾を飲んだ。
 そろそろパトリシアの羞恥が限界に達しそうだった為、私は最後に唾液をのどを鳴らして飲み込み、唇を離した。

パトリシア「はあっ……………はあっ…………………♥」

 トロンと瞳をとろかし恍惚の表情を浮かべるパトリシアは、運動をしたあとのように息をしていた。
 二人の間に、とっても粘度の高い唾液がきらりと光る。
 オーディエンスの方を見ると、誰もが私達の誓いのキスの濃厚さに呆気に取られてた。
 よく見ればルイが膨れて嫉妬してる。
 ああ、今夜は激しそうだ…………

神父「エッフン。エー、デハ……………」

 横で静かにキスが終わるのを待っていた神父が一度咳払いをしてから、私達がここに正式な夫婦となった事を告げる。
 誰かが拍手を始め、ようやく我に返った人々も拍手を始めた。
 パラパラとした拍手は、割れんばかりの歓声に変わった。

 誰もが、私達の結婚を祝福していた。

 この後披露宴やらなんやらがある、が。
 どのタイミングでウェディングフェラをしてもらうか>>下
 因みに言い出しっぺはパトリシア。

 場所や状況も書いて貰えると。
 (例えばテラス)

 >>下

 ルイ→ユタ?

 >>375
 今気づいたけど、アティー→アテナだ。
 混乱させてたらすまんな。
 なんでアティーになっとったんや。

 その後、舞台裏。


パトリシア「王子………ほんとに恥ずかしかったんですから…………」

私「まんざらでも無さそうだったが」

パトリシア「もう…………そりゃあ、嬉しくなかったと言えば嘘になるのですが……………♥」

 やはり満更ではなかったようだ。
 両手で頬を挟み、顔を赤くしながらもじもじと動く。

ルイ「じーっ…………………」

 パトリシアと話していると視線を感じたため、その方向を見るとルイが物陰から「じーっ」と言っていた。

私「どうした?」

ルイ「……………しっとしてる」

パトリシア「うふふふ。ルイ様ずっと膨れてましたもんね」

 するとパトリシアはルイに手招きをし、顔を近づけひそひそと話す。

パトリシア(で、ルイ様もいつもあんな濃厚な口づけをして貰ってるんですか?)

ルイ(いやいやいつもはあんなもんじゃないよ。もっととろ-っとしててふっかぁいんだよ)

パトリシア(あ、あれ以上なんですか!? そ、そんな口づけをされたら、私気絶しちゃいそうです…………)

ルイ(ふっふっふー。私のほうがせんぱーい)

パトリシア(恐れ入ります………)

 おい思いっきり聞こえてるぞ。
 というかルイ、そんな偉そうにしているが濃厚なキスをした後はいつも秘部をひたひたに湿らせてるじゃないか。

パトリシア(で、今夜の話なんですが……………)

ルイ(うんうん)

 そこからの会話は察しの通り。
 聞くに耐えなくなった私はその場を離れ、会場に戻る事にした。


 ~~~


 会場に行くと、様々な人々から言葉をかけられた。

議員「>>下1」

貴族「>>下2」

国民「>>下3」

 性別、年齢自由。

 私は会場で何人かの人々に話しかけられた。

女議員「結婚おめでとうございますユタ様」

 カポカポと蹄を鳴らし、若い馬のサテュロスの女性議員がそう祝いの言葉を投げかけてきた。
 サテュロスとは下半身が動物になっている種族の事だ。
 ケンタウルスと違うのは、ケンタウルスのように腰から下が馬の首から下になっているのではなく、動物の腰から下、正真正銘の下半身になっているのだ。

私「ありがとう」

女議員「お熱い口づけでした。自分の結婚式の時を思い出しましたわ」

 女性議員は少し頬を染めそう言った。
 くすぐったいな………

女議員「末永いお幸せを祈ります」

私「ああ」

 その時、人ごみの中から大男が現れた。

???「ああ、すまねえ。あ、すまねえ。ああっ! 大丈夫だかれでぃ!」

 不器用そうなミノタウロスの男は、自身にぶつかってしまい倒れた少女に手を添えた。
 胸板も肩幅も人間と比べものにならないほど分厚いミノタウロスがスーツを着ているのは、失礼ながら少しだけ滑稽に思えた。

女議員「あら、どうしたのあなた」

女議員の夫「いやー、おめが急に居なくなるから心配しちまっただよ」

女議員「大丈夫よ。王子に挨拶してただけだって。あ、王子。こちら私の夫です」

女議員の夫「ああ、王子様だっただか。失礼しましただ」

 ミノタウロスは私に気づくと思いっきり姿勢を低め、私に挨拶した。

私「>>下」

私「いや、気にしなくても良い。優しくて素敵な夫だな」

 私がそう言うと、サテュロスとミノタウロスの夫婦は揃って頬を赤くした。

女議員「はい。不器用なとこも有りますが、ほんとに素敵な夫です………ね?」

女議員の夫「す、すてきだなんて、おらはそんな…………♥」

 ミノタウロスはデレた顔で頭を掻き、姿勢を正すと私に頭を下げた。

女議員の夫「じゃ、じゃあ、長話失礼しましただ。どうも、ありがとうございましただ」

女議員「ありがとうございました♥」

 ふむ………
 熱々の夫婦だったな。

 次に私に話しかけてきたのは、面識のある長い髭を蓄えた貴族の亀の獣人だった。
 明らかな風格と尊厳がある。

亀の翁「おお、ユタ様。どうも。お熱いちっすで御座いましたぞ」

私「ああ、うん。先ほども言われた」

 私がそういうとその貴族はほっほっほと笑った。

亀の翁「色々と困難がありましたが、無事結婚が出来たことに祝いの言葉をお送りしますぞ。あれほど小さく可愛い赤ん坊だったユタ様がついに結婚とは………ほっほっほ。長生きはするもんじゃのう」

私「今年で満300歳が何を言う。その様子だとまだあと100年は生きそうだが」

亀の翁「ほっほっほ。流石に一世紀は無理ですわい。生きたとしても、お世継ぎが大人になるほどですかの」

 貴族は髭を撫でながら言った。

亀の翁「お世継ぎ、楽しみにしておりますぞ」

私「ああ。直ぐに生まれるように努めるさ」

亀の翁「ほっほっほ。若いのはというのは、良いですのう」

 貴族は一礼をし、去っていった。

国民「ユタ様ああっ! 私にも熱いキッスしてくださああっ

ルイ「不審者発見!」

国民「ぃあほべっふ!」

 ルイがどこからか飛んできて不審者に頭突きをかました。

国民「ぐっは、なぜえ……………」

私「>>下」

国民「私は、私はただユタ王子にキッスしてほしいだけなのに……………!」

私「すまないな。あいにく私にキスして良い人物はもう決まっている」

 ルイが胸を張った。
 おい、止めろ。
 誇らしいのは分かるがバレたらどうする。
 ルイの前足で頭を抑えつけられながら、女性が呻く。

国民「ううう…………ですよね……………」

私「……………すまないが、つまみ出て貰う事になるが、良いか?」

国民「ドウゾつまみ出してくだされ……………ううう、ぐすっ」

 ………どうして国民はこう私に対してこうなのだろうか。

 まだパトリシアの家族に会ってもいないのにどっと疲れた…………

パトリシア「あ、王子。こちらです!」

 パトリシアがぴょんぴょんと飛んびながら手をパタパタと振っている。
 可愛いっ。
 私は胸をマグナムで打ち抜かれる感覚に襲われながら、なんとかパトリシアの家族の元に行く。

???(男)「おお、そちらがユタ王子か」

???(女)「あら可愛いじゃない」

???(女)「どうも」

???(女)「よろしくお願いします」

 パトリシアの家族は4人いた。
 男性が一人に、女性が三人だ。
 しかし、残念ながらそれが親か姉妹かの見分けがつかなかった。
 なにせ、ハーフリングの一族だ。
 全員がパトリシアと同じ褐色の肌を持ち、パトリシアと同じく子供の見た目だった。
 そして家族だから、それぞれそっくりだった。
 王族のような煌びやかな装飾さえなければ、ただの幼いきょうだいに見えるだろう。
 確実に一人の男(13歳ほど)はパトリシアの父親、つまり国王だろう。
 しかし他は分からない。
 口を開いた順番で、一人目が10歳程の少女で、パトリシア程では無いが大きい胸を胸元が大きく開いた薄紫色の服で際だたせていた。
 二人目は私より幼い見た目をしており、7歳程だろうか。
 胸は無く、すんと大人しい雰囲気を漂わせている。
 三人目は一人目と同じほどの年齢に見え、幼いながら妖艶な雰囲気を纏っている。

 いや、よく考えて見ればパトリシアより年上の見た目の者がいない。
 ハーフリングの見た目には個人差があるらしいが、ここまで激しく出るものなのか。

私「お初にお目にかかります、陛下」

 私はまず絶対に国王であろう者に手を差し出した。

パト父「娘が世話になってるよ。よろしく」

 正解だったらしい。
 私はパトリシアの父と固い握手を交わした。

パト父「いやあ、さっきは惜しみもなく愛を見せつけてくれたな。はっはっは!」

私「はい。せっかくのファーストキスしだと言うので、それはもう全力で」

 私がそう言うとパトリシアの父はうんうんと頷いた。

パト父「この調子ならすぐにでも世継ぎが出来そうだ。ウチも一安心だよ。はっはっは!」

パトリシア「ちょ………お父さん!」

パト父「はっはっは!」

 大衆の前で世継ぎの事を公言されて恥ずかしいのか、パトリシアが耳の先まで真っ赤にして怒る。
 しかしパトリシアの父は朗らかに笑うだけで、柳に風だった。
 まあ実際今夜から世継ぎ作りに励むのだがな。

 ところで先ほどから女性陣の目線が気になる。
 特に10歳程の二人だ。
 7歳程の女性は品定めするように慎重に私を見ているのに対し、もう二人は私に向かって少し前屈みになり上乳を見せつけ、目を細め上目遣いになっている。
 そして時々なぜかちろりと舌なめずりをする。

パトリシア「………………………ニコッ?」

 パトリシアが殺意やら狂気やらを孕んだ笑みでその2人を睨んだ。
 いや怖っ!
 2人はびくっ、と震え、一番幼い女性の後ろに隠れるように身を縮めた。



 そう言えばパトリシアの家族の名前。
 父>>下1
 母>>下2
 姉>>下3
 妹>>下4

パトリシア「リーゼロッテお姉様にリリア? 私のユタ王子に色目を使わないでくださいます?」

 パトリシアが表情をキープしたまま私を見ていた2人に微笑みかける。

リーゼロッテ「だってえ、可愛いじゃん」

リリア「パトリシアお姉様怖い」

パトリシア「そんなんだから2人とも結婚出来ないんですよ」

リーゼロッテ「ぐふっ!? 人が気にしてる事をぉ……………」

リリア「私はまだ若いもん」

 ん…………?
 ちょっと待てよ…………
 会話の流れからするともしかして母親は…………
 見た目年齢が一番幼く見える女性(7歳程)が口を開いた。

パト母「リーゼロッテあんたは早くお相手見つけちゃいなさいよ。さもないと勝手にお見合い組んじゃうわよ?」

リーゼロッテ「お母様それだけは嫌! 絶対自分で見つけるから!」

 予想外だった。
 絶対にあの女性は妹だと思っていたのに…………

パト母「ともあれ…………初めまして王子。ファイアル王国の王女ネルロです。色々と、災難は聞いております」

私「こちらこそ、お会いできて光栄です。運が良かったのか、なんとか生きています」

 ネルロ王女と私は握手を交わした。

パト母「どうですか、王子。うちの娘は?」

私「>>下」

私「女神です」

パトリシア「ちょっとそれお母様の前で言わないでっ!?」

 リンゴで言えばもう熟しすぎてるんじゃないかと言うほど顔を真っ赤に染めて、パトリシアが言った。

パト母「あらあら♥ やっぱり、貴方になら安心してパトリシアを任せられそうですわ………♥」

 ネルロ王女に続き、国王も私に言う。

パト父「ちょっと心配だったが、君を見てその心配はきれいさっぱり拭えた。………うちの姫を、よろしく頼む」

 私は顔を手で覆い隠しているパトリシアを手で抱き寄せた。

パトリシア「あ、ちょっ……………」

 ふふふ……
 パトリシアの肌は熱した鉄のように熱くなっていた。
 照れてるなあ……………

私「>>下」

私「皆さんと末永い付き合いになるように、頑張ります」

パトリシア「ひうう……………\\\」

 パトリシアは更に熱く、赤くなった。

 ~数時間後~


パトリシア「はあ…………」

 結婚式を開いた(終えた)後、私とパトリシアはテラスにいた。
 明るい宮殿から人々が帰って行くのが見える。

私「疲れたな…………」

パトリシア「ですねえ………」

 テラスにたった二人きりの私達を祝福するように、雲の隙間からスポットライトのように月明かりが降りる。
 白いスポットライトに照らされ、ウェディングドレスを煌めかせるパトリシアが満足げに微笑んだ。
 ドレスの最高峰、ウェディングドレス。
 ああ、どうしてこの姿は今日しか見られないのだろうか。
 どうしてこの1日しか着られないのだろうか。
 それだけが惜しい。
 明日から拝めぬその姿は、さながら御伽噺のシンデレラのようだった。
 まあ、魔法が解けたとしても、パトリシアは美しいままだが、な。
 ………シンデレラも美しいか。

パトリシア「ねえ、王子」

 やさしい夜風に吹かれながら、パトリシアが言う。

私「なんだ?」

パトリシア「せっかく、夫婦になったんです……………あなた、と呼んでも、宜しいですか?」

私「>>下(肯定、もしくは別の呼び方)」

 「あなた」か。
 ルイの「ユタ」とはまた違って、心地よい響きだ。
 私ははにかむパトリシアに頷いた。

私「ぜひ頼む」

パトリシア「!………はい、『あなた』……………♥」

 かあああわいいいっ!
 その微笑みこそ、まさに、まぁさぁにぃ女神!
 せっかくのウェディングドレス姿だ。
 もう一度濃厚なキスをするくらいバチはあたらないだろう。
 私はパトリシアの頬に手を添えた。

パトリシア「あ、あなた………まだ、下にいる方々が………見られちゃいます………」

私「見せつけてやろう」

 青白いスポットライトに照らされながら、私達はもう一度濃厚なキスをした。
 人目をはばからず、舌を好きなだけ絡ませ、二度付け自由。
 何度も、何度も、唇を重ねる。

パトリシア「ん………お………んぉ………………んふぅ………♥」

 パトリシアの艶めかしい声が、耳から滑らかに入ってくる。
 そう言えばパトリシアの嬌声は初めて聞いたな。
 パトリシアは嬌声をあげることも初めてだろう。
 ああ、これからの彼女の初めては全て私の物。
 そう考えると、興奮する。
 初めてパトリシアの秘密(例の本)を知ったのも、初めてのキスを貰ったのも、初めてパトリシアのこんな声を聞いたのも、全て私だ。
 そして、初めてパトリシアと交わるのも、私だ。

 ……………しまったそんなこと考えるんじゃ無かった。
 股間が思わず膨らんでしまった。
 沈まれ沈まれ沈まれ沈まれ………………



 フェラチオの流れ(本番は夜)
 始まり>>下1
 途中>>下2
 終わり>>下3

 静まれ静まれ静まれ(沈まれは間違い)………

パトリシア「んっ…………………」

 スリッ……………

私「!?」

 静まれかけていた私の象徴に、パトリシアがそっと手を触れた。

パトリシア「あなた……ん、らにお………想像したんれすか………? んっ、はぷ。こんなに、大きくて…………♥」

 君のヴァージンを貰うところを想像してたんだよ………!
 いまだ口づけを続行しながら、パトリシアは私の股間を優しくなで始める。
 そんなこと、されたらっ………!

私「あ………やめ………んっ……………」

 ビキビキッ!

 静まりかけていた私の象徴は、塔のように堅く強く起きあがってしまった。

パトリシア「んふ……………♥」

 パトリシアが口を離す。
 その顔は恍惚に満ちていた。
 まさか、ここでやるつもりなのか?

私「な、なあ。流石に人目が…………」

 パトリシアが笑みを浮かべる。

パトリシア「……………見せつけるんじゃ、無かったんですか?」

 パトリシア、君はもしかして生粋のSなのか?



 どうする>>下

 私はパトリシアを止めようとした。
 止めようとしたのだが、それだけで、結局行動に起こすことは出来なかった。
 私は欲望にうち負けてしまったのだ。
 彼女のふわふわとした手の動きに、完全に籠絡された。
 パトリシアが手を離す。

パトリシア「ウェディングドレスを着るのは今日が最後…………なら、出来る限りのことはやりましょう。あなた……………♥」

私「あ、ああ」

 パトリシアが膝を付き、カチャカチャとベルトを外す。

パトリシア「ああ………ズボンが湿っていますね…………あなた。それほどまでに、興奮して…………っぇあ?」

 ビンッ!!

 下着が脱がされると同時に、性器がぴぴっ、と我慢汁をパトリシアの顔に数滴飛ばし跳ね上がった。

パトリシア「な、習ったのと、違………大き……………あ………♥」

 強烈な匂いに晒され、パトリシアが鼻をすんすんと鳴らす。

パトリシア「では………あ、あなた。始めますね」

私「あ……………ああ…………!」

 若干戸惑いながら、我慢できないといった様子でパトリシアが性器をなめ始める。
 しかしなぜかパトリシアはカリより上には一切触らず、下の方をペロペロと控えめに舐めている。
 スリスリと愛撫も交えて、こそばゆく、焦らすように…………

パトリシア「ふ……………はふ、ぺろ……………ん………」

私「くっ…あ…………ぁっ…………!」

 私は思わず前屈みになる。
 刺激が、強い。
 だが、物足りない。
 もっと先を、もっと、深くくわえ込んで欲しい…………!

パトリシア「ん………どうされました………? はっきり言わないと、分かりませんよ? ………んちゅう……れろ」

 意地悪そうに、パトリシアが上目遣いをしながら言う。
 ああ、この目は私が焦らされているのを見て楽しんでいる目だ。
 そんな小悪魔的な一面もあっただなんて…………

 可愛いっっ!!!

 >>下

 しかし、ここですぐに言葉に甘えてしまっては面白くない。
 辛いが、耐えてみよう………

私「はぁっ…………く…………」

パトリシア「ぅる……………れろ、んちゅ……はあ………」

 細かく焦れったい快楽が私の性器の上を這い回る。
 中途半端な快楽が私が絶頂するのを阻止する。
 ああ、狂ってしまいそうだ…………!
 私は気を紛らわす為に、パトリシアの髪に指を絡ませた。

パトリシア「んふー、んふー…………ん……………」

 しばらくして、突然パトリシアが舌の先を性器の根元に付けた。
 そして、つつつつつぅ………と上に上に舌を這わす。
 裏スジを撫で、カリを越え、遂には亀頭の先端に舌を添えた。

パトリシア「わ、私の方が、我慢できなくなってしまいました………」

 亀頭をチロチロと舐め、先走り汁を味わいながらパトリシアが言った。
 どうやら先に私に咥えてくれと言わせたかったようだが、本人の方が限界に達したようだ。

パトリシア「く、咥えさしてくらさいっ。あ、あなたのたくましい物を、根元まで味わいさしてくらさいっ♥」

 そうパトリシアが懇願する。

私「>>下」

私「く、咥えてくれ………」

パトリシア「はぃいっ♥」

 私が許可を出した瞬間、パトリシアは待ってましたと言うように亀頭をくわえ込んだ。

パトリシア「んじゅ、んぽっ、ちゅるるるるっ♥」

私「あっ、あ゛あ゛あ゛っ、んぃああっ!」

 まるで飴を舐めるように、パトリシアはじゅぽじゅぽと性器を舐めたくった。

 ルイの大量の唾液で包み込むようなフェラとは違い、パトリシアのはテクニックが凄かった。
 縦横無尽に舌を駆け巡らせ、カリの中や裏スジなど気持ちいいところを十二分に舐めていく。

私「パトッ、りしぁっ、こんなん、どこで、習っぁああ!」

 私が喘ぎながらそう聞くと、パトリシアはふふっ、と笑った。

パトリシア「私、獣姦のBL物描いてるんですよ? えっちな本を読んで知識を温めたに決まっているじゃないですか、あ・な・た♥ はむっ、ちゅるるるっ」

私「ああっ、おっ、ひいいいっ♥」

 本当に上手すぎるっ、ヤバっ、あああっ!

 その時だった。



 誰かに地上から話しかけられる。
 誰からどんな風に>>下

 すまん………

 夫婦っぽい世間話って、どんなん>>下

アテナ「おーい、ユタ?」

 私がテラスにいるのに気づいたアテナが、下から話しかけてきた。

私(アテナ!? っぁ…………パトリシアッ………一回、止め……!)

パトリシア「じゅぽ、ちゅるるるっ、はぷ、れろおん」

私(おいいいいっ!?)

 パトリシアはアテナが下にいるにも関わらず、その口を止めようとしない。
 バレたらどうするんだよっ!

アテナ「ユタ? どうかしたのか? 顔色が優れぬようだが」

 幸い来客はほとんど帰っているし、柵などでパトリシアは見えていないらしい。
 それにしたって一回止めよう!?
 な?
 な?

パトリシア「ちゅぷっ、ふっ、じゅぷ」

 止まれよおお。
 しかしこのまま返事をしないのも不自然な為、なんとか会話をする事にした。

私「ぅ………ら、らいじょうぶ、ら。ちょっと、酒が、まわああっ………! てる、だけっぉ、だ♥」

 隠し切れて無い気がする!

アテナ「そうか。なら良い」

 なんとか、誤魔化せたようだ。

アテナ「それにしてものう。結婚式がこんなに美味しい式だったなんて、知らなんだ。いやあ、あの肉は美味かったのう」

私「そ、そおぅ、だった、なぁっ、ああっ、ぐ………!」

アテナ「また結婚式があれば我を呼ぶがいい。次はいつかの? 来週あたりかのう?」

私「そんな、短スパンで結婚式が開かれるもの、かっ、んおぉぉっ………!」

アテナ「そうなのか?」

私「ぁ、ああ」

 それよりこっちはパトリシアにフェラされて取り繕うのが大変なんだ。
 すまないが早くあっち行ってくれ………!

パトリシア「ちゅぽちゅぽ、ちゅるるっ、ちゅぞっ」

アテナ「ところで、最近ちょっとだがルイと和解したぞ」

私「あ、ああっ。よ、よがっ……た、な!」

 うん、良かった。
 良かったけど今話さないで。
 長くなりそう。

アテナ「まだ少し身体は強ばるが、世間話を出来るくらいまで溶け込んだぞ。話してみて分かったが、奴は本当にお主のことが好きよの。何かあればユタユタユタユタ、口を開けばユタユタユタユタ、お主のことばっかりよの」

 ルイ、うっかり私達の関係について口を滑らせていないか?
 いや、アテナの様子を見る限り、そんなことは無さそうだ。
 パトリシアは私の性器の上で口を滑らせているが。

パトリシア「ちゅぽっ、ちゅぽっ、ちゅるっ」

私「そ、ぅぁっ………か。まあ、ルイは私のこと好きだかっ、なっ…………あっ♥」

アテナ「うむ。楽しそうにお主のことを話しておったぞ」

 はぁっ、はぁっ……………つぁあっ……………!
 その時、アテナが首を傾げた。

アテナ「ふむ? ところで先ほどから妙な水音がせんか?」

私「み、水音? べ、あっ、別に、何も、聞こえないがっ。ぁっ♥」

アテナ「ふむ…………? そうかの」

私(パトリシア、い、いいか、げん、んひぃっ♥)

 そろそろバレてもおかしくないんだが!?
 私がそう言うと、パトリシアはより深くねっとりとフェラし始めた。

私「ああ、フーッ………! フッ、ぁっ………!」

アテナ「本当に大丈夫かの?」

私「大丈夫、だあああっ……………だい、じょおぶっ♥」

 強烈になったフェラのせいで、私の射精はデッドラインを迎えた。
 キューッと睾丸が縮み、精管を精子が駆け上っていく。

パトリシア「ふっ……………」

 性器が膨れたのを察し、パトリシアが睾丸を揉み更に精子の射出を促進させる。

アテナ「じゃあユタ。我は先に寝てるでの。また明日会おうぞ」

私「ぁ、ああ」

 アテナがテラスから見えなくなった瞬間。
 私はパトリシアの頭を掴んだ。

パトリシア「んぐっ♥」

 喉の、一番奥に、出、るうううっ!

私「あああっ、あっ♥ あ、ぐううっ!」

 ドブブブブブッ、ドビュウウウウッビュグッビュールルルッッ♥

 大量に、出た。
 それはもう大量に。
 パトリシアはじっくりと目と鼻の先の性器を見つめながら、喉を鳴らして精子を飲んでいく。

パトリシア「ごくっ、ごくっ、ごくっ、ごっきゅん、ごくっ」

 ウェディングドレスに一滴もかけないように、漏れなく、まるでミルクを一気飲みするように吸い上げていく。

私「あっ…………あっ、ぐ♥」

パトリシア「ごくっ、ごきゅっ、ごくっ。じゅるるるうっ、じゅるっ、じゅるるっ」

 精管に残った物まで全て取りこぼしのないように、吸い尽くす。
 まるでブラックホールのように。

私「はぁっ…………はぁっ……………」

パトリシア「ん、こっくん……………ぷはっ」

 カポッ、とパトリシアが私の性器から口を離した。
 その顔はとっても満足そうだった。

私「>>下」

私「はぁ、はぁ、ありが、とう…………凄く、気持ちよかった…………」

 私がそう言うと、パトリシアは淫靡に微笑んだ。

パトリシア「ふふふ……………続きは、ベッドでしましょう。あ・な・た…………………♥」

 そう言えば、この後ヤるんだったな……………
 今は流石にダメか。
 ……………じゃあ、ちゃんと準備をしないとな。

 さあて、とうとう3pの時間だ。
 傷は癒えた。
 時は満ちた。

 どんな流れでセックスする?
 最初、途中、最後>>下3つ

 そういやルイ大きく成長してるで。
 安価下

胸も相応に成長したのかな?可能なら成長したことをアピールするためにルイがパイズリ
それに対抗しようとパトリシアは必死に胸を寄せ集めてパイ(乳首)ズリ
最終的にダブルフェラ&ダブルパイズリみたいな形になって2人にぶっかけ

最初は初めてであるパトリシアと正常位セックス。最初はとても痛がるが、ルイと一緒にキスや乳首、クリトリス愛撫で快感を与え、無事パトリシア絶頂+同時に中出し射精。

 >>486
 成長してもドラゴン(爬虫類)だから無い。
 でもまあ、最初は二人して取り合い、ってことで。

 ところでおまえらパトリシアの胸ってどれぐらいの大きさだと認識してる?
 自分でも分からなくなった。

 因みに、このセックスが実質話の終わりやで。
 ルイとの結婚まで描写出来なくてすまん。
 だから盛りだくさんにするで。

 セックスの流れは全部出揃ったようだし、次はコンテンツや。
 例えば増強剤、逆走薬、媚薬、etc.
 効果等も加えて(使わないという選択もあり)>>下

 おk。

 スタートやで。

 ~しばらく後 宮殿寝室前~



私「…………じゃあ、そういうことで、サンジェルマン。あとは頼んだ」

サンジェルマン「わかりましたユタ様……………」

 サンジェルマンは頭を下げ、去った。

私「…………………ふぅ」

 そろそろ、始めるとするか。
 私は今、寝間着のみの姿になっている。
 そして、恥ずかしながら股にはウサギが寝泊まり出来そうなほど巨大なテントが張ってしまっている。
 先ほど強力な性欲増強剤を飲んだからだ。
 黒ニンニクやコショウをふんだんに使った、「超」強力な物だ。
 体力、生殖機能を飛躍的に向上させる、スグレモノだ。
 私の性器は今までに無いほど、硬く、大きく、そして雄々しく反り立っていた。
 私自身も感じたことが無いレベルで強力な性欲を感じる。
 今すぐ、犯し尽くしたい。
 私は気合いを入れ、扉を開けた。


 二人の格好。
 ルイ>>下1
 パトリシア>>下2

 私が扉を開けると、二人は既にベッドの上でスタンバイしていた。
 その二人の格好に私は驚いた。
 ルイは上にフリルのついた薄い白いベビードール(薄いレースの下着。同素材の飾りあり。エロチック)を着、下は同じく白いドロワーズ(かぼちゃパンツっぽい下着。エロチック)を履いている。
 ドラゴンの為いつも全裸であったのだが、これはとても良い。
 白のレースがルイの赤燐を際だたせ、より鮮やかにわたしを誘惑する。
 なぜ着ている方がエロく感じるのだろう。
 服を着たことによって、ルイに「裸」という概念が加わったからだろうか。
 そうに違いない。
 ベビードールの下に有るはずの見えない裸体が、浮かび上がって見えるようだ。
 これが妄想の力か。

 そしてパトリシア。
 パトリシアはそれはもうエロチックだった。
 ルイと同じようなフリフリで薄水色のベビードールを着ているが、ルイのベビードールとは大きく違う点があった。
 それは、トップレス(胸の布地が無く、胸の形をきれいに見せるような形になっている)であった事だ。
 自分からさらけ出したにも関わらずパトリシア自身が恥じらっているのもなお良し。
 そう言えばパトリシアの胸を布地を介さずに見るのは初めてだな。
 よーく観察する。
 大きすぎず、しかし平均よりは大きいであろうそのんがり焼きたての二つのパンのような胸。
 その中央に可愛らしく、つん、と出た乳首は綺麗なピンク色であった。
 あのパンはぜひおいしく頂きたい……………!
 下には布地が少ないがシンプルなショーツを履いていた。
 シンプルだが、布地が少ないのだ。
 布と股の間からほんの少しだけ顔を覗かしているパトリシアの性器は、ほんの少ししか顔を覗かしていないと言うのに、しっかりと私を誘い、性欲を跳ね上げさせる手助けをした。

 私は服を指定していないため、あの服は二人でメイドの力を借りでもして選んだのだろう。
 私の為に雑談しながら選んでいる姿が目に浮かぶようだ。

ルイ「あ……………もう、あんなに………♥」

 私が入ってくるや否や、ルイが目にハートを浮かべながら言った。

 ぺろり……………

 まるでご馳走を目の前にした子供のようにルイが舌なめずりをする。
 それに対しパトリシアの目線はというと、先ほど見たときよりも大きくなっている私の性器に釘付けになっていた。

パトリシア「あ、あんなの、入らない、よぉ……………!」

 もう既に泣きそうだ。
 だが熱い涙を浮かべているその目は、もう一つの感情、期待に満ちあふれていた。

 まず、どうする>>下

 私はまずゆっくりとベッドまで歩いていき、二人の間に座り込む。

私「さてと……………」

 とすっ
 ぼるんっ

パトリシア「はぅっ…………………」

ルイ「ご、ごくり…………………」

 二人は座った衝撃でぶるんぶるんと揺れる私の性器に釘付けになっている。
 気になるようだが、残念ながらちょっと待ってくれ。
 まずは、服の感想を言い、距離を縮めよう。

 ねるで。
 また明日。

私「二人とも………服は、自分で選んだのか?」

 私がそう聞くと、二人は揃って頷く。

ルイ「うん。今日、えっちするってのは分かってたから、パトリシアとメイドさんと一緒にえっちな服を選んだんだよ。色とかも、なるべくえっちに見えるように、ね」

 パトリシアが続ける。

パトリシア「その………あなた、えっと、お気に召しませんでしたか?」

 ちょっとだけ目に不安を浮かべ、パトリシアが私に聞く。

私「>>下」

 もしあれだったら、重要なところ以外は>>1がフルオートで進めようか。
 それならサクサク進むで。

 おーけい。
 一安価ごとを長くするで。

 私はまず、ルイ頬に手を添え、口づけをした。

パトリシア「あっ………!」

ルイ「ん………ふ、あぅ……」

 すまないパトリシア。
 次キスするから。
 私はルイ舌を絡めながらそう思った。

私「んふ………え、う」

ルイ「あ、お………んんんんっ♥」

 うーむ、大きくし成長たルイも、やはり良い。
 太く長く熱い舌が私の口腔内を目一杯に満たしている。
 じゅるじゅるとルイの舌を吸いながら、愛撫を開始する。
 (ちなみにルイはベッドの上にスフィンクスのように座っており、顔を上げ深い口づけを交えている)
 私はルイの頬に添えていた手を離し、ルイの股へと手を伸ばす。
 する、とルイが尻尾を上げ、私の首に回す。
 同時にルイの性器が露わになった。
 そこは既にぐちょぐちょに濡れきっていた。

 私はまず、くにっ、と周りの肉を押しのけ、広げた。

ルイ「あ、ふぅんっ………♥」

 ルイが静かに嬌声をあげた。
 一本ゆっくりと指を入れていく。
 とめどなく溢れ出てくる蜜の一滴一滴がルイの体温で熱くなっていた。

ルイ「はぁっ……はあっ………あんっ♥」

 きゅっ、肉壁をおすと、首に回されてる尻尾と共にルイが跳ねた。
 感じているのだ。

ルイ「はぁ、んう、ん…………はぁ、っああ♥!」

 そうやってしばらくルイの秘部をまさぐっていると、突然ビクビクと尻を跳ねさせた。
 秘部と私の手が一気に濡れ、シーツに大きなシミが出来る。

ルイ「はあ、はあ…………い、っら………♥」

私「んふ……………ぅぁっ!?」

 不意に私の性器が誰かに咥えられた。
 咥えたのはもちろんパトリシアだ。

パトリシア「ん、そっちらけでイチャイチャして。ずるいっ、んじゅっ、ちゅるるっ」

ルイ「ぷはっ、私も私も!」

 パトリシアが私の性器をくわえ込み始めたのを見て、ルイが長々とキスしていた唇を離した。

パトリシア「私のれす」

 そう言いつつ、パトリシアはくわえ込む形から口を離し、ルイも一緒に舐めれるようにした。
 仲良いな。

 私は二人が楽な姿勢で舐めれるよう、一旦フェラを中断させベッドの縁から移動し、枕にもたれかかった。
 その瞬間、反り立つ性器に、私から向かって右にパトリシアが、向かって左にルイが顔を並べた。
 そしてそれぞれ舌を出し一生懸命私の性器をよだれまみれにしていく。

ルイ「んじゅう、んれろお、あふう………♥」

パトリシア「ふっ………ちゅ、っちゅ。かぽっ、れろれろっ、じゅるる」

私「ふ、あああっ、ぐっ……………んあああっ♥!」

 ルイは亀頭より下を長く太い舌で包み込むように、パトリシアは亀頭を咥え、睾丸を揉みしだき、テクニックで攻める。
 それぞれの舌が絡み合い、せめぎ合い、とても気持ちがいい。

 ぐちゅぐちゅ、ぺちゃ、びちゃっ、ぴちゃぴちゃ

ルイ「ん、んんえう、んんん………あは………」

パトリシア「んっ、んちゅうっ、ちゅるるっ、れぉ、んあ………」

私「はあ、はあっ………! くぅ、あっ! 出るっ、ぞおぉっ!」

 双を成す舌耐えきれず、とうとう私は射精が間近に迫ったのを感じた。
 私が叫ぶと、二人は嬉しそうな顔をした。

パトリシア「ああ、あなたっ………! 濃厚な………濃厚な精子を、どうぞっ、出してくださいっ!」

ルイ「んんっ、ちゅるるっ、らしてっ、せーしっ、せえしっ♥!」

 二人して私の精子を懇願する。
 その顔にぶっかけてほしいと願う。
 望み通り思いっきり、ぶっかけてやるよおおっ!

 ドグンッ

 ドビュウウウウウウウウッッ!

パトリシア「あっ、ん、あ…………♥」

ルイ「んあ、あはっ、せえしぃ………んっ……………♥」

 びちびちっ、びちゃっ、びちょっ、びちゃっ

 すごい量が出た。
 増強剤のせいもあるだろうが、二人のフェラのおかげだ。
 性器はびゅくびゅくとあらぶりながら、まるで白い水を噴出する噴水のように、とめどなく溢れる精子で二人を染めていった。

私「は……………はあっ、くっ…………」

 まだ少し亀頭の先端から精子があふれている。
 ルイはそれを見つけるとかぶりつき、精管に残っていた分まで吸い出した。

ルイ「じゅぞぞぉっ、じゅるるっ……………んは……………おいし………い♥」

パトリシア「なんて、濃いい香り……………はっ………はあっ、はあっ……………んっ、あ♥」

 二人は顔にかかりにかかった特濃の精子の香りを堪能する。
 頬についたのを指で取って舐めたり、性器の周りに飛び散ったのを舐めとったりしている。
 二人ともまるで蜂蜜でも舐めるように、美味しそうに精子を味わう。
 こんな美しい二人にフェラしてもらえるなんて、私は幸せだあ……………




 NEXT、パトリシアと正常位

私「>>下」

 ああ…………
 両手が無いのが惜しいな。
 私はパトリシア頭を撫でながらそう思った。
 ルイも一緒に、撫でてあげたかった。

 私は上半身起こした。

私「ルイ………いいか?」

 私がそう言うと、ルイは頷いた。
 私は頷き返す。

私「パトリシア」

パトリシア「ん………はぁい?」

 私に頭を撫でられ、うっとりとした口調でパトリシアが言う。

私「……………君と、結ばれたい。パトリシアの初めてを、貰ってもいいか?」

 私がそう言うと、パトリシアは驚いたように一瞬肩を震わせた。
 しかし、みるみる頬を紅潮させ、消え入りそうな声で答えた。

パトリシア「は…………はい…………………♥」

 うん。
 可愛い。

 パトリシアはうつぶせになった。
 私はそこに覆い被さっている。

パトリシア「あなた……………♥」

私「パトリシア…………………」

 パトリシアはにっこりと微笑んだ。
 女神のような微笑みで。
 私の性器が意図せずにパトリシアの下腹部に触れる。
 自分でもわかるほど、熱く、固くなっている。
 パトリシアは、処女だ。
 ゆっくりと、気を使いながら優しく始めてあげなくてはならない。
 そうでなければ、パトリシアに性と恐怖を結びつかせてしまうからだ。
 そう思った矢先、微笑むパトリシアの手が、おびえているように震えているのが視界に入った。
 無理をしているのか……………?

私「>>下」

 私は震えるパトリシアの手を握る。

私「震えているぞ………」

 私がそう言うと、パトリシアはハッとした。

私「…………心の準備が出来ていないのなら、また別の機会でも良い。パトリシアに、嫌な思いをさせたくない」

 パトリシアは少し迷うような表情を見せた。
 けれども、その迷いはもう一度私の顔を見たことで拭えたようだ。

パトリシア「……………いえ…………今、あなたと繋がりたい。少し、怖いですが、それでもあなたと一つになりたいのです…………」

 勇気を振り絞ったような声は、それでもしっかり私の耳に届いた。

私「…………………分かった」

 その彼女の勇気に答えるべく、私は、今一度彼女の唇を奪った。

 互いの舌を舐め合いながら、パトリシアのショーツに手をかける。
 そこはすでに乾かしていない洗濯物のようになっていた。

私「なんだ………お漏らしでも、したのか?」

パトリシア「ん、違うんれす………あなたと一つになることを想像してたら、勝手に……………♥」

 なるほど………
 準備は万端、と言うことか。
 口ではああ言っていたが、下はしっかりと臨戦態勢のようだ。
 私は口づけを交わしながら、その表面を愛撫し始める。
 布地のみ上から撫でるように、しっかりとまさぐって。

パトリシア「んっ、んくっ……………ん、ふ、ぅっっ……………ぃっ♥」

 唇をふさがれながら、パトリシアが気持ちよさそうな声を上げる。

 私はショーツをずらし、直接秘部をいじり始める。
 産毛すら生えていないような、やわらかく綺麗な秘部であった。
 指を一本、そこに侵入させていく。

パトリシア「ふん、っぐ、んふーっ、んあっ♥!」

 ほんの少し膣壁の入り口辺りを押してやると、パトリシアが背を反らし秘部から潮を吹いた。
 イッた。

パトリシア「はあーっ、はあーっ♥」

 唇を離しパトリシア見ると、とろんとろんに表情とろかしていた。
 目に涙を浮かべ、激しく赤面している。
 両手はベッドのシーツを握りしめていた。

私「はぁ……はぁ…………どうだ?」

パトリシア「な、なななんらか、気持ちよくって、あたまが、ちかちか、いってますっ……………♥」

 手で前戯をやっただけでこれか………
 それなら、子宮まで貫いてやれば、どんな反応を見せるのだろうか……………?
 ……………いや、何を考えている。
 パトリシアには優しくすると言ったじゃないか。
 焦るな。

 しかし、パトリシア自身がセックスを望んでいるとは言え、このまま怖がらせておくのは忍びない。
 私は準備しておいた緋色の錠剤を自身の舌に乗せ、パトリシアに口移しで与えた。

パトリシア「う、んっ?! んふ……………こくん」

 パトリシアは自身が何かを飲み込んだ事に気づくと、不安げに私に聞いた。

パトリシア「あ、あの。今のっ、て……………」

私「パトリシアの恐怖を抑えるための、ちょっとした媚薬だ。全てでは無いが、痛みを抑え、快楽を増幅してくれる……………ほら、効果が出てきただろ?」

パトリシア「あ……………………………んっ♥!?」

 ビクッ、とパトリシアが体を震わせた。
 それほど強い物ではないが、パトリシアの恐怖をぬぐい去るには十分だろう。

パトリシア「はっ、はっ、はぁっ♥」

 パトリシアが息を荒くし、シーツを握る手を強くする。
 私はもう一度パトリシアの唇を奪う。

私「ふぅ、つっ………はあっ………」

パトリシア「あ………んんんっ………ん、ぅう………」

 そろそろ、入れるか…………

 即席の義手を付けた左手で自身の体重を支えながら、右手で性器の位置を定める。
 ゆっくり、亀頭の先をパトリシアの秘部にこすりつける。

私「入れるぞ…………」

 パトリシアは目に涙を浮かべ、頷く。

パトリシア「は………はっ、いっ………!」

 よし……………

 つぷ

 まずは、入り口だけ。
 しっかりと、入れれるように具合を確かめる。
 ……………行けそうだ。
 私は、ゆっくり、ゆっくりと腰を沈めていく。
 決して急に動かさず、パトリシアの顔色を伺いながら……………

パトリシア「はっ……………あっ、ああっ……………んっ………」

 パトリシアの膣内はとんでもなくきつかった。
 初めての感覚にパトリシアが身をよじればぐゆぐゆとうごめき、亀頭を刺激しまくる。
 しかし、これでもまだ亀頭だけ。
 私は更に蜜をかき分け奥に沈める。

 半分ほど性器を挿した時、明らかに他とはきつさが違う場所にたどり着いた。
 処女膜だ。
 これを貫けば、パトリシアは処女ではなくなる。
 パトリシアの初めては、永遠に私の物になる。

パトリシア「ああっ………ん、ぅ……………はぁっ、はぁっ………」

 私のパトリシアが、私によって、私のために喘いでいる。
 そんな征服感が、たまらない。

私「貫くぞ……………!」

パトリシア「はい、あなた……………っ!」

 ブツッ

パトリシア「あ、あぐっ……………!」

 パトリシアが痛みを抑えるようにシーツを握りしめる。
 やはり媚薬があっても痛い物は痛いか。

 ブチッ、ブチチチッ

パトリシア「あ、いっ………ああっ………!」

 ブチンッ!

パトリシア「あああっ、くあああああああ!」

 全て、破った。
 パトリシアは痛みに悶え、涙を流している。
 結合部からは血が愛汁と混じりながら赤い筋を作っている。

私「>>下」

 私は涙を流すパトリシアの髪にふれ、優しく痛みを癒すように撫でた。

私「パトリシア………君の初めて、確かに、もらったぞ………ありがとう…………」

 パトリシアは涙を流しながら笑みを浮かべ、頷く。

パトリシア「こちら、こそ………あな、た………♥」

私「パトリシア…………」

パトリシア「あなた…………」

 どうしようか。
 >>487のとおりルイを介入させようと思ったんやが、騎乗位ならともかく、正常位なら難しいやな。
 どう介入させようか>>下

>>487見てたらルイとパトリシアがキスしたりとか疑似百合連想したけど、書くのが難しいなら介入カットでもいいと思います

 >>540
 おk。
 じゃあもじもじさせとくで。
 騎乗位の時はまだ介入させそうだから、その時にするで。

私「じゃあ………ゆっくり、動き始めるぞ」

パトリシア「はい……………」

 私はゆっくりと身体を動かし、性器を引き抜いていく。

パトリシア「んっ……………つ、ぁ………!」

 まだ痛いだろうが、今は我慢して貰うしかない。
 ある程度まで引き抜いたら、次は押し込む。

パトリシア「ん、んぐっ、ひあっ♥」

 にゅる、るるるっ………

 パトリシアの膣内は柔らかく、きつい。
 しかし、あふれんばかりに分泌する愛汁が潤滑剤の働きをし、スムーズに動かすことができる。

 ぬるぅ、るるるっ、るっ………

 今度は最初より深く、奥まで性器を射し込む。

 コツンッ

パトリシア「ぉあっ♥」

 何かに亀頭が当たった瞬間、パトリシアが不意を突かれたような声を上げた。
 子宮口か。
 まだ子宮口を貫くには早い。
 いや、もっと言えば今日はやめておいた方が良いだろう。
 ルイは処女を失ったその日の内に子宮口をこじ開けたが、パトリシアは勝手が違う。
 龍とハーフリングでは身体の構造が違うのだ。
 だからせめて、今日は小突くだけにしよう。

 コツッ、コツンッ、コチュッ、コツン

パトリシア「あっ、おっ、いあっ、おふうっ、んあああっ♥」

私「あっ………ぐう、っふ、はああっ…………!」

 小刻みに揺れながら膣の奥で何度も何度もパトリシアの子宮口をノックする。
 ひと突きする度にパトリシアが声を上げ、膣内が蜜で満たされる。
 まるでスイッチのようだ。

 コツンッ、コツッ、コリュッ

パトリシア「はあっ、あああっ、いっ、ぐぅっ、あっ♥」

私「はあっ……はあっ、ぐっ、くううっ、あっ………!」

パトリシア「んぁっ♥!」

 ビグンッ、とパトリシアがエビのように身体を反らせ絶頂した。
 潮が勢いよく噴き出る。
 それでも私は抽送を続ける。

パトリシア「あああっ♥ あがっ、くぁあっ♥」

 度重なる絶頂と止まらない抽送に、パトリシアは絶叫しっぱなしだった。
 プルンプルンと胸を揺らしながら、私の抽送にまたイく。
 そろそろ、私も限界のようだ。

 すぐそこまで、きている。
 増強剤で急激に、睾丸がはちきれんばかりに生成された精子が、今関を切ってパトリシアの中に溢れ出そうとしているっ!
 私は抽送の動きをコチュコチュとした小突きからゴチュゴチュと激しい物に移行した。

パトリシア「んああああっ! ごちゅごちゅらめええっ♥♥!」

 フィニッシュだパトリシアアアッ!
 果てるっ!!

私「>>下!」

私「愛してるぞおおおっ! パトリシアアアッ!」

パトリシア「あああああああっ♥」

 ドビュウウウウッ! ビュグッ、ビュグウウウウウウウウウウッ!

 亀頭を子宮口に押し付け、ありったけの精子を子宮に注ぎ込む。
 小さいパトリシアの腹が内側から押され膨らんでいく。
 ルイよりも分かりやすく、子宮がタプタプに満たされる様子が目に見える。
 血を、命を、精子に変換するような勢いで、私はパトリシアに種を植え付ける。

パトリシア「あついせえしがああっ、はいってくりゅううううっ♥ あなたああっ、あついいっ、あああああああああっ♥」

 ビュググッ、ビュブブブブッ、ドブンッ、ドボボオッ

 パトリシアは目を細め、ガクガクと痙攣している。
 完全に身体の力を抜き、ただ射精を全身で受け止める。
 孕めよ………
 元気な子を、孕んでくれよっ……………!

 だめ押しに私はもう一度腰を打ちつけた。

パトリシア「ぁあああああああっ♥」

 びゅぐんっ、びゅぐっ、ぶぴゅっ………

 最後にドボッ、と精子を吐き出し、射精は止まった。
 すごい量が出たな。

パトリシア「ああっ、んっ……………あつい、ああっ………! 赤ちゃん、あひっ………!」

 私はゆっくりとパトリシアから性器を引き抜く。
 少し動かす度に結合部からゴボッ、と精子が飛ぶ。

 ドポポッ

 完全にカリまで引き抜くと、パトリシアの膣からそんな音がして精液が滝のように流れた。
 あ、これやべえな。
 量が、本当に尋常じゃない。

パトリシア「はあーっ………はあーっ………んっぐっ♥」

 パトリシアが妊婦のように膨れた腹を撫で、満足そうに微笑む。

パトリシア「えへへ………あな、た。もう、にんしん、しちゃっ、たあ…………♥」

私「>>下」

私「そうだな……………本当に妊娠していたら、嬉しいな」

 産まれてくる子は、ハーフリングだろう。
 どんな色の肌を持った、男の子か、女の子か。
 パトリシアのように褐色の肌を持った男の子かもしれないし、私のように白い肌を持った女の子かもしれない。
 楽しみだ。
 パトリシアはビクビクと痙攣しながら、照れくさそうに笑った。

パトリシア「えへへっ……………♥」

私「じゃあ、次はル…………」

ルイ「わたしぃっ! わたしだよねっ? もおがまんできなぁいっ♥」

私「うおっ!?」

 次はルイを愛してやろう、と言おうとした瞬間、横からルイに押し倒された。
 お預けがすぎたようだ。
 股を大洪水にさせながら、ルイがうねうねと尻尾をうねらせ、私の股の間に鼻を付ける。

ルイ「ずうううっと我慢してたんだからあああっ♥」

 ルイはそういいながら激しいフェラを始めた。
 舌を螺旋に巻きつけ、がぽがぽと激しく顔を前後させる。
 パトリシアの技術的なフェラも良いが、ルイのこの野性的なフェラも好きだっ!

私「あっ、ぐううっ、ふっ………! くぁっ………!」

ルイ「んふーぅ、んじゅぷっ、じゅぶぶぶっ、れろあ、ふーっ♥」

 がぽっ、かぽっ、じゅぶっ、かぽっ

 ある程度私の性器を味わうと、ルイは名残惜しそうに口を話した。

ルイ「このまませーし飲みたいけど………やっぱり、こっちに注いでもらいたいなあ……………♥」

 ルイがずりずりと上ってくる。
 そして、ぷちゅっと秘部と亀頭をキスさせた。
 初めての夜と同じく、騎乗位でやるようだ。
 好きだなぁ…………

私「>>下1」

 ルイが腰を動かしてる間、どうする?>>下2

私「ルイの中を精子で一杯出来るように、頑張るよ………」

ルイ「うんっ! わたしもっ、がんばるっ!」

 ルイはそう言って何度か確かめるように秘部を亀頭に擦り付けると、一気に腰を落とした。

ルイ「ああああんっ♥」

私「くうっ、これはっっ!」

 ルイの中は、成長と共に変わっていた。
 前は搾り取るようにきつかったのだが、今はまるで全てを包容するように柔らかい。
 例えるならば、まるで溶鉱炉のようだ。
 性器がとろけ、このまま一緒になってしまいそうだ………!

 しかし、ルイが腰を落としても、私の亀頭は子宮口にまで届かなかった。
 まさか、成長に伴って深くもなってるのか?

ルイ「んっ………まだ、まだああっ♥」

 しかしルイは嬉しそうに腰を浮かせた。
 そして、また一気に落とす。

 グチュッ!

私「んっ、ぐぅ!」

ルイ「んはあああっ♥」

 今度は、違った。
 さっきと同じように性器は根元まで入っているが、今度は亀頭が何かにぶつかったのだ。
 今もその何かは私の亀頭に押しつけられている。

 子宮が下りてきた、のか?
 興奮すればするほど、確かに子宮の位置は下がるが………
 そんな考えを巡らせる間もなく、ルイが再び腰を上げる。

 ズルルルルッ

私「ぐっ、ああっ、ふっ!」

ルイ「あは、ユタのちんちん、離したくないって♥」

 柔らかいはずの膣内は、私の性器が引き抜かれようとすると一気にまとわりつき、引き止めようとする。
 すごい圧が、私の性器にかかる。
 ルイの膣口はカリに引っかかり、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
 もう少しで抜ける、という時、ルイがまた足の力を抜いた。

 ずちゅぅっ!

ルイ「んああああんっ♥」

私「ふぐぁああっ!」

 ごちゅっ!

 亀頭の先が最奥に激突した。
 やはりルイの子宮は急激に降りてきているのだ。
 ルイは腰をうねらせ、亀頭と子宮口のディープキスを手助けする。

 ぐじゅるっ! ぐりっ、ぐりゅうっ!

私「うっ、あっんんんんっ!」

ルイ「んふううっ、んふっ……………あああっ♥」

 ふと私がパトリシアの方を見ると、彼女は自慰もせず、私とルイのセックスに呆気に取られていた。

パトリシア「あっ、あんなに激しく………わ、私とのセックスなんて、まだ…………」

私「はぁっ、はあっ………パトリシア………少しずつっ、慣れていけば良いっ………! ぐっ………これからは、いつだってセックス出来るんだか、らっ………はあっ、パトリシア………おいで………くうっ………キスの、特訓だっ………!」

パトリシア「ええっ………!」

 ルイと私のあえぎ声が響く中、パトリシアは恐る恐るといった様子で私に近づく。

ルイ「んっ、あぅっ、んひいっ♥」

パトリシア「えっ、とぉ…………」

私「そのまま、そのままっ、キスをするんだっ!」

パトリシア「わ、わわわかりました。で、では。失礼して………」

 互いの顔が反転した状態でのキスは、私も初めてだ。
 ぎこちない動きのまま、パトリシアが私の胸に手を添え、口を近づける。

 むっ……ちゅっ………

 激しい騎乗位をされながらの、キス。
 アブノーマルだが、二人を同時に感じられとても良い。
 パトリシアは昼の結婚式の時よりも積極的に舌を入れてくる。

パトリシア「んっ、ふ……………んんっ、あな、た………ぁ」

私「はぐっ、うっ…………むうっ、ううっ、ちゅっ」

 パトリシアが腕の一本を自分の股に伸ばすと、ルイの水音とはまた違うもう一つの水音が部屋に響き始めた。
 くちゅくちゅと小さい、パトリシアの自慰の音だ。

私「んっ………んむうっ、ふっ…………!」

パトリシア「んっ、んっ、ぁああっ、あっ………んっ♥」

 くちゅっ、くちゅっ、くちゅううっ!

 ぱちゅっ、ばちゅっ、ゴチュンッ、ドチュッ!

 まるで激しい濁流のよう。
 聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚の全てで性をセンシティブに感じる。
 私は、パトリシアに口を吸われながら、先ほどからうねるルイの尻尾を握った。

ルイ「あひいいんっ♥!?」

 ルイは気持ちよさそうな声を上げ、一瞬腰の動きを止めた。
 やはり尻尾は強力な性感帯。
 普段は普通の感度だが、こういった時には最高に敏感になるようだ。
 やはり、フィニッシュだけは私のターンでなければ気が済まない!

 尻尾を手綱のように握りしめ、私は自分から腰を動かす。
 成長し重くなったルイを突き上げるのは楽では無いが、今の私は疲労など感じない。
 ルイを最も深くまで犯し尽くす為ならば、こんな腰などくれてやる!

 ごちゅっ、ぶちゅっ、ドチュッ! ドチュンッ!

ルイ「おああああっ! おぃっ、んああ、ああっ♥」

 これでもかというほど、子宮口をノックする。
 もう少しだ。
 もう少しで、開通するっ!

パトリシア「んふーっ、ん、ふーっ、んちゅうっ♥」

私「ふっ、ぐううっ、むうっ、んんんんんっ!」

 さあ、行け!
 精子達!
 何つ子だって出来たって良い!
 ルイの卵子に受精してけええっ!

 山に、ダイナマイトでトンネルを穿つように。
 私の亀頭が、成長したルイの子宮を貫く。
 私は、そこで果てた。

 どぶぶぶっ、ドッビュウウウウウッ! びゅぐぐぐっ、びゅううううう~っ♥

ルイ「ぐおおおおおおおおおおおおんっ♥」

私「むうううっ、んむうううううっ♥」

パトリシア「んくっ……………ふっ………!」

 私が絶頂し、ルイが絶頂し、同時に私と口づけしながら自慰を行っていたパトリシアも絶頂した。
 パトリシアと違い、ルイの結合部からは精子があふれ出てこない。
 やはり膣内の広さの違いだろう。
 代わりに、なだらかな腹がごぼごぼと不自然にパトリシア以上に膨らむ。

ルイ「んふうっ、んぉぉぉっ……………んっ! んぅううっ!」

 ルイは子宮でがっちりと亀頭をくわえ込んだままぐりぐりと腰をひねった。
 静止がかき混ぜられ、ルイの卵管になじみ込んでいく。

 静止→精子

ルイ「んお……んおぉ……………♥」

 ずじゅるるる……………

 ゆっくり、ルイが自身の中から性器を引き抜く。

 ずぽんっ

 あれほど膣内に大量に出したはずの精液は、ルイの秘部からとろりと垂れただけで、あとは栓でもして飲み込んでしまったようだった。
 ルイが満足げに言う。

ルイ「んふぅ…………ユタすごぉい……………♥」

私「はぁっ、はあっ…………っ、はぁっ…………約束どおり……精液、いっぱいだ……………はぁっ………」

 私がそう言うと、ルイは嬉しそうに下腹部を撫で、微笑んだ。

 次はパトリシア番だ。
 パトリシア自身の希望から、そのまま騎乗位になることになった。

パトリシア「はぁっ………はぁっ…………私だって…………出来るんですからね…………」

 どうやらルイの触発されてのことらしい。
 パトリシアは私の太ももに座り、股の間に私の性器を挟んだような体勢でそう言った。
 いまだに彼女の秘部からは先ほど射精した精子が流れている。
 慣れないことするというのはあまり良くないが、パトリシアの為だ。
 初めての騎乗位、しっかりサポートしてやろう。
 私は疲労回復薬と増強剤を飲み込み、そう思った。

 さて…………
 ごちゅごちゅ無理やり快楽に引き込んでも良いし、優しくゆっくり指導するように進めるのも良い。
 因みにルイが途中からユタに顔面騎乗し、パトリシアといちゃいちゃチュッチュする。

 どうパトリシアの騎乗位を進める?>>下

 すまん、寝るで。
 寝落ちして書いてた文章消えてorz。

私「どうすればいいかは、分かるか?」

 私がそう聞くと、パトリシアは頷き、繋がる為に腰を上げた。
 ポタポタと、精液が垂れ、私の性器に落ちる。

パトリシア「はぁっ……んっ……」

 パトリシアは秘部と亀頭をくっつけ、位置を合わせる。

私「ゆっくりでいいぞ………っ」

パトリシア「は、ぃ……はふぅ………♡」

 くちゅ……くちゅううううっ………!

test ♡♡♡♡♡♡♡♡

パトリシア「ああっ…くぁあああっ♡!」

私「ふ、うううっ……!」

 私が言った通り、パトリシアはゆっくりとその腰を下ろしていった。
 パトリシアと鼓動とともに、膣内も脈動する。
 鼓動と挿入に押し出され、精子が結合部から溢れる。
 先程入りきらなかった位置で子宮口に突き当たり、パトリシアは止まった。

パトリシア「んっ……ふ……はぁっ……んあっ♡!」

 パトリシアが私の腹の上に腰を落ち着ける。
 そして、少し膨らんだ下腹部に手を当て、悲しそうな顔をする。

パトリシア「ああ……もう、入らない……。もっと、奥まで繋がりたいのに……」

 さっきのルイと私の営みを見て、根元まで入れられない事に不安を持っているようだった。

私「>>下」

 ……少しパトリシアに負荷がかかるかもしれないが、彼女がこの事について負い目を感じていると言うのなら、やってみる価値はある。

私「パトリシア、深呼吸して……はぁっ、力を、抜いてみてくれないか?」

パトリシア「し、深呼吸、ですか? は、はい……」

 そう言って、パトリシアは深呼吸をして身体の力を抜いた。
 今だ……!
 私は腰を突き出した。

 グニュ……ボチュンッ!

パトリシア「かはっ……あひっ♡」

 よし、入った……!
 入り口をこじ開けられ、中に侵入された子宮は、がっちりと私の亀頭を掴んで離そうとしない。

パトリシア「ああっ……くぁっ、あなたっ……♡ 奥まで、奥までっ、入って、ますぅっ♡」

 やっと、やっと本当の意味で繋がれた、とパトリシアが嬌声を上げながら喜びの声を上げた。

 ゴボボボッ、と結合部から精液が溢れ出した。

私「入ったな…! じゃあ、ゆっくりと、自分から動けるか…?」

パトリシア「はいっ……あ゛ひっ……! 動きまひゅっ………!」

 そう言って、パトリシアは精一杯といった様子で腰をゆっくりと動かし始めた。

 まずは、前に。
 私のお腹に秘部を擦り付けながら、ずれた。

パトリシア「はぁっ……♡ あぐっ……!」

 しかし、ガッツリとしがみついたようにパトリシアの子宮が性器を離さず、さほど動くことが出来なかった。

パトリシア「んっ……♡ はあっ、はあっ………ぐううっ♡」

 パトリシアは一度息をつき、もう一度思い切って腰を動かした。

 ボキュンッ

私「あがっ♡!」

パトリシア「ああっ、んふううううっ♡♡♡!!」

 子宮口がカリに盛大に引っかかりながらも、なんとか子宮を脱することが出来た。
 パトリシアは外れた時の衝撃でビクビクと痙攣している。

私「はっ、はあっ……くっ……だ、大丈夫か……っ?」

パトリシア「ああ……すごひ……♡ だ、大丈夫れす…あな、たあっ……♡」

 パトリシアは息を整え、腰を動かす。

 ググググッ……ガポンッ♡!!

パトリシア「んぁあぉっ♡♡♡!」

私「ふぐうっ!」

 っ!
 また、今度は自力で子宮の中にっ!?
 先程よりもたやすく、深く深く、私の性器はパトリシアの子宮を貫いていた。

パトリシア「んぁあっ……こ、これ、しゅきぃ……♡♡」

 どうやらパトリシアは子宮を貫かれる衝撃の虜になってしまったようだ。
 パトリシアはポッコリと膨れたお腹をさする。
 腹を隔てた私の敏感になった亀頭が、その手の動きにビクビクと反応する。

私「くぁっ……ぅうっ…♡」

パトリシア「はんっ……ひっ、くぅっ……♡」

 パトリシアもどうやら腹ごしに性器を撫でるのは気持ちいいらしい。

パトリシア「うごきっ……ますねっ……んっ♡♡」

 パトリシアが一回一回の衝撃をしっかり味わうように、前後に遅いピストンを始める。

 ゴッポン……ガポュ……グジュンッ……ガポッ……

パトリシア「ああああっ♡! ……んぶ……!!♡ ひぐ………んうぁっ………!!♡」

 一回カリが子宮口に引っかかるごとに、パトリシアが激しく喘ぐ。
 もちろんその衝撃はパトリシアだけでなく、私の性器にも多大な快楽を与えていた。

私「ああっ……くぐっ……♡ ふううっ♡ ……はっ♡」

 次の瞬間、視界が何か暖かいものに塞がれた。

私「んぶっ!?」

ルイ「んふ♡ ちょっと、失礼するね……♡」

 今度は顔面騎乗かっ!

パトリシア「ああ、ルイ様……今は私の番、ですよ……っ♡」

ルイ「ええ~……だってさっきパトリシアだって私の番だったのにユタとちゅーしたじゃんっ!」

パトリシア「そ、それはユタ様が誘ったから…………♡」

 パトリシアは一度腰を下ろし、考えた。

 ゴチュンッ♡

 そりゃ今の状態で腰を下ろしたらそうなるな!

パトリシア「お゛ひぃっっ♡♡ ………はあっ、はぁっ………ん、別に、いいですけど………」

ルイ「んん……じゃあ、決定ねっ♡」

 やれやれ………

 とりあえず、目の前にあるルイの秘部でも舐めるか。

 ぺちゃっ、ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ………

ルイ「ふっ………ぅんんんっ♡」

 舌を巧みに使い、ルイの性器を舐める。
 恥豆は無いが、それでも舐めるだけでも気持ちいいようだ。
 同時に、パトリシアも抽送を再開した。

 ずちゅんっ……ごちゅっ…ボチュッ♡ ………ズドヂュンッ!


 ペチャペチャペチャ、ペチャッ、ジュブッ♡


パトリシア「ああ、あぐぅっ♡! おい゛っ、んぎひっ♡ んはっ………ん゛っ♡」


ルイ「んんっ、あっ、あぅうっ♡ んぁああっ、んくっ……っ♡」


 二人とも、それぞれの声色で艶かしく喘いでいる。
 パトリシアは色気を孕んだ子供の声で激しく喘ぎ、逆にルイは成長したためか大人の女性のような声をあげ、遊びを楽しむ子供のように喘ぐ。
 二者二様に、エロい。

ルイ「はぁっ、はあっ……♡ ねえっ、パトリシアっ……♡」


 私に尻尾を揉まれ、秘部を舐められ、気持ちよさそうな声を上げながらルイがパトリシアにそう話しかけた。


パトリシア「んぐっ♡! は、はぁっ……ル、ルイ様………いぎっっ♡ んふっ………な、なんでしょう……んっ……おぁああっ♡♡♡」


 ルイに話しかけられてもなお前後運動を止めないまま、パトリシアがルイに答えた。
 不意に、ルイが口を大きく開け、パトリシアの唇に舌を侵入させた。


パトリシア「んんんんぅぅううぅぅっ♡♡!?」

 おぉう……
 とうとう本当に我慢が効かなくなったか。
 ルイはパトリシアの肩に前脚をかけながら、恋人のような口付けをし始めた。


パトリシア「んんっ、んむううっ………ん…んんう………♡♡」


 パトリシアは最初の頃こそ驚いていたものの、その内手をルイの腰に回し、キスを受け入れ始めた。


ルイ「ん、んんちゅ♡ んるう、ちゅうう、るるるぅ♡」


パトリシア「ん、んぐううっ、んぐううううっ♡ んぉっ♡ ぁふうううんっ♡♡♡」


 もちろんルイとディープキスをしながらも、パトリシアは腰を動かすことを忘れていない。
 ゴリゴリと子宮を貫かれる快楽と、ディープキスによる快楽の板挟みになっているパトリシアは、激しく身体を痙攣させ、盛大に絶頂した。


パトリシア「んっぐううっぁああぁ♡♡♡」


ルイ「んふううぅうぅう♡♡♡」


 ブシャアアッ!
 プシャアッ!


 ついでのようにルイも達し、私の顔を愛汁で洗った。

 そして………
 その小さな腹に再び、私は大量の精液を放出する準備を整えた。
 今まで以上に、これまでにないほどに、今か今かと精子が大量にスタンバイする。
 その卵子に、絶対に到達して見せるぞ、と………!


私「>>下」

私「私の子を、孕めえええっ! パトリシアアアアアッ!!!」


パトリシア「はひいぃいいぃいっ♡♡♡♡ あなたぁあぁあっ♡♡♡♡」


 ゴッ!! と腰を突き上げ、パトリシアの子宮の、さらに奥まで、性器を突きつける。
 ボゴッ、とパトリシアの腹が大きくなった。
 三位一体、息ぴったりに、まるで一つの身体であるかのように、私達は同時に果てたっ!


 どびゅっるるるるるるっ♡ ぶびゅううううううううううう~~~♡♡! ドククッドクンッ♡!♡♡


パトリシア「あなたあああぁぁあぁっ♡ ああっ、んぐぃいいいぃぃいっ♡♡」


ルイ「んぉおおっ♡♡ んっあっふ、ふああぁぁああぁっ♡♡♡」


私「ぐうぅうぅああああああああああっ♡♡!!!」


 まるで噴火のようだった。
 熱く、白いマグマがパトリシアの子宮をさらに満たす。
 出せば出すだけ、溢れてくる。
 パトリシアの子宮内では今、激しい対流が起こっているだろう。
 そうだ、かき混ぜろ。
 混ざれ。
 そして受精しろっ!


 ドグッ、ドグッ、ドボッ………♡♡

パトリシア「はぁ~♡ はぁぁ~~っ♡♡ んっ、んじゅぅう……♡」


 イキにイッたパトリシアは、全身脱力したままルイの口付けを受け入れた。
 これで、妊娠しないと言うことは流石に無いだろう。
 もしかしたら、三つ子でも四つ子でも生まれそうだ。
 そんな数ヶ月先の未来を想像していると、ルイがぐちゅぐちゅと私の顔に秘部を擦り付けながら、目にハートを浮かべ言った。


ルイ「次、わたしぃ………♡♡♡」


 ……翌日の、全身筋肉痛は覚悟だ。
 満足するまで、いくらでもやってやんよ!

 それから数時間。
 空が白みがかってくるまで。
 私はルイとパトリシアと交互に交わり続けた。
 時に二人を重ね、同時に犯したりもした。
 途中から私が攻める一方になり、二人は性器をむさぼる獣となった。
 ただ喘ぎ、ただ注がれ、絶頂し気絶しまた絶頂し。
 気づけば、私も獣になっていたらしい。
 二人は痙攣しながら、幸せそうな表情で意識を失っていた。
 もう、流石にやめようと、そこでようやく初めてブレーキがかかった。
 そらは白みががっていた。
 ブレーキがかかったと同時に、ブッツリと糸が切れたように、私の意識も闇に落ちた。

 ◆◇◆◇◆


 ~早朝~

 旧リカアル、改めアテナは、宮殿内を歩いていた。


アテナ「ううむ。奴ら、どこに行ったのだ?」


 アテナは忽然と姿を消した二人の姿を探していた。
 パトリシアと、ルイだ。
 なぜか自室にいない二人を不審に思い、アテナはウロウロと宮殿内を歩いていたのだ。


アテナ「これはユタを叩き起こした方がいいの。ちょっと心配になってきたでの……」


 そう言ってアテナは階段を登り、ユタの部屋の豪華な扉をバンッ! と開け放った。


アテナ「おい、ユタ! 起きよ! パトリシアと、ルイの、すが、た、が、見え、ぬ…………」


 ◆◇◆◇◆


 私は、誰かが私を呼ぶ声で目が覚めた。
 サンジェルマンか?
 もう少し寝かしてくれよ……
 身体を起こし、声がした方を向くと、そこにはサンジェルマンではなく、アテナが金魚のように口をパクパクとさせて、立っていた。
 おっと、これは予想外。


アテナ「お、おおおおおおおおぬし、なっ、なっ、なにを、してっ………!」


 アテナは私に指を指し、顔を真っ赤にして狼狽えている。
 私は自身の左右を見た。
 裸で、体液まみれで気絶しているパトリシアとルイ。
 そして、裸で体液まみれの私。
 うむ。
 非常にマズイところを見られたな。


私「>>下」

私「いや、別に二人に酷いことをしていた訳ではないから、心配しなくてもいい。愛の営みという素晴らしいことをしていたのだよ。………まあ、今のアテナにはまだ分からないか」


 私はそう言って、特に意味もなく余裕の笑みを浮かべて見せた。


アテナ「ど、どどどっっどどどどうでも良いからっ、早く隠してくれええっ!!///」


 アテナは手で顔を覆って(バレバレの指の隙間から私の性器を凝視しながら)そう言った。
 ……見たくないのなら、後ろを向けば良いというのに。

 終わりやでぇ。
 やっと終わったでぇ。
 クッソ長かったでぇ。

 と、言うわけで。



 ユタの5年後>>下1

 ルイの5年後>>下2

 パトリシアの5年後>>下3

 アテナの5年後>>下4

 どんな家庭を築いているか>>下5



 子供の数とかも含めて宜しくやで。

お疲れ様でした
最初の頃から読んでいたり安価に参加してました

 >>604
 感謝やでぇ。
 安価下。

 安価によっちゃ、アテナルートも有った。

 ルイの子供。『名前、性別、種族、年齢』>>下1~5
 パトリシアの子供。『名前、性別、種族、年齢』>>下6~9(6と7、8と9は双子で)

アリシア「おかーさんっ!」


 私が庭で寝ころんでいると、隣からそんな声が聞こえた。


ルイ「どうしたのアリシア。またお空飛ぶ?」


アリシア「うんっ!」


 ルイが聞くと、アリシアはそう元気良く答えた。
 アリシアは5人いるルイの子供の中で、唯一翼と鱗がなく、飛ぶことが出来ない。
 だから子供達で空中散歩に行くときは、最年少でまだ高く飛べない竜人のエルクとニュートラルのアリシアだけはルイに乗るか掴まれるかして空中散歩を楽しむのだ。

エルク「あぅう~」


 そこにエルクがパタパタと細かく羽をはためかせながら飛んできた。
 エルクはまだ一歳。
 先ほども行ったように、まだ幼くそこまで高く飛べず、飛ぶときはいつも一メートルほどが限界だ。
 それも滞空時間は一分と短い。


ルイ「あぁぁ♡ エルクゥ~♡ おいで~♡」


エルク「ぅわっはぁっ!」


 ぎゅっ、と嬉しそうにエルクはルイの首に抱きついた。
 そのままよちよちとルイの首の後ろに移動した。
 空を飛ぶ体制だ。
 続いてアリシアもルイにまたがる。


ルイ「しっかり掴んでてよぉ。落ちても拾ってあげるけどっ」


アリシア「いやっほぉ!」


エルク「ぁおお」


 ぶわっ!

 それはまさに、威風堂々たる龍の姿。
 五年前よりも更に大きくなった翼を広げ、ルイは飛び立った。
 他の子供達もそれに続く。


 ばさっ!
 ばたたたたたたっ!!


ラビ「ああっ、アリシアおねえちゃんだけまたいいなぁ~」


アリシア「ウフフ~、おかあさんのうえ、わたしとエルクのとくとうせき~♩」


シャロン「おねえちゃんおねえちゃんずるいずるいっ。ねぇねぇおかあさんおかあさん。こんどわたしもわたしものせてのせて~」


ルイ「だーめっ。あなたは自分で練習しなさいっ」


シャロン「ぶーぶー」


サン「ふぁ~………」


ラビ「あっ、サンおねえちゃんがまたねてる」


ルイ「起きてーっ! 空飛びながらねないでーっ!」


 慌ただしいなぁ………

 私は身体を起こし、隣にいるパトリシアに話しかけた。


私「私達が結婚してから……もう、五年か………」


パトリシア「そうですねえ」

 パトリシアがハーブティーを淹れながら簡単深そうに言った。



 そう、あれからもう五年が経っていた。
 あれから少しして、私の義手が完成した。
 魔力的な要素が使われており、感覚も動きも、とても滑らかだ。
 機械的な見た目はほとんどなく、肘の関節部と腕との結合部以外は普通の人間の手と見分けが付かない。
 つまりは夜の営みも随分と捗ったという訳だ。
 まあ今は下の話は置いておいて……
 しばらくして、私は王子から王弟となった。
 トキが王位を継承したのだ。
 私は王の弟という立場のまま、トキの側近となり、更に国王専属の歴史学者という位も兼ねるようになった。
 幼い頃から国家の書物を読み漁っていた私には、とても喜ばしい事だった。
 何か歴史的建造物が見つかれば現場に飛び、古来の遺物が見つかれば誰よりも早くそれに触れ調べる事ができる。
 この五年間は発見と興奮の連続であった。
 最も驚いた事は、今まで発見されていなかったルイの前世であるナリクアグトの遺体が発見された事だ。
 一部骨などを持ち帰りルイに見せたところ、更に驚くべき事にルイがその骨の魔力を吸収したのだ。
 お陰で、またルイは一・五倍ほど大きくなった。
 他の骨などの魔力も全て集めればルイは元のナリクアグトのサイズに戻るだろうが、それは私もルイも望まない事だ。
 夜の営みもこれ以上大きくなればしづらいだろうしな。


 ルイと言えば、トキの努力の甲斐あって無事結婚を済ます事が出来た。
 本当にトキには結婚の事やらアテナのことやらで感謝しかない。
 噂を流し始め数ヶ月後、噂は予想通り爆発的に広がり、王は国民の私達の結婚を求める声に折れとうとう私とルイの婚姻を認めた。
 それに、すでに受精卵も産んでいた。
 王は折れざるを得なかったのだ。
 それからルイと王は仲が悪くなったかというと、そうではない。
 無事産まれた最初の孫、ララを見てからと言うもの、おじいちゃんになった。
 孫の前ではよちよちと赤ちゃん言葉を使い、常に目を細め、嬉しそうに微笑んでいるのだ。
 私の時とは大違いだが、そこに何ら不快感は抱かない。
 むしろ、王が孫を認めてくれた事に、可愛がってくれた事に安心の気持ちでいっぱいだった。
 トキに王位を譲り隠居している今でも、ルイやパトリシア、その他子供達との関係は、良好だ。


 ルイと私の間には子供が5人産まれた。
 全員卵から生まれたのだが、長女のアリシアだけは先述したようにニュートラルであった。
 へそもある。
 どうやら私と同じく先祖返りしたようで、きょうだいの中で一人だけ飛べない事を不満に思っているようだが、彼女は彼女でルイに乗ったりして楽しんでいるようだ。
 それに、パトリシアの子供達とも仲がいい。
 もちろんアリシアだけが仲のいいという訳ではなく、他のきょうだい達もパトリシアの子供達とはよく遊んでいるようだ。
 アリシアはお姉ちゃんっ子で、他のきょうだいの世話をよくする。
 同年齢のパトリシアの子供、リリとララに対しても、よくお世話を焼いているようだ。
 同じ年に生まれたサンとラビは対照的な性格だ。
 サンはオレンジの鱗を持った龍人だ。
 おっとりしており、飛行中でもよく眠ってしまいこの前は高い木の上に寝ていた事もある。
 いつか墜落しないか心配だ………
 ラビはルイと同じ赤い鱗を持っている。
 活発で運動神経が良く、サンが1メートル進む間にラビは20メートル先まで行ってしまう。
 元気なのはいい事だ。
 シャロンは赤に近いオレンジの鱗。
 ルイの子供の中で唯一耳が尖っており、ハーフリングの血を色濃く継いでいるようだ。
 言葉を二回繰り返す癖があるが、それもまた可愛い。
 やっと生まれた男の子、長男のエルクは綺麗な空色の鱗を持っている。
 きょうだいの中で一番早く空を飛ぶ事が出来た子だ。
 生後、確か5か月ぐらいの時、揺かごから忽然と姿を消したのだ。
 フェアリーの仕業かとも思ったが、発見されたのは棚の上だった。
 呑気に眠っていたな……

 ハーフリングであるパトリシアは、やはり五年が経っても見た目は変わらない。
 しかし見た目が変わらないながらも、やはり不思議と人妻の色気は漂うものなのだろうか。
 パトリシアも既に四児の母。
 今度六児の母になる予定だ。
 妊娠2か月目。
 まだまだこれからだ。
 ちなみに、パトリシアは王族の画家としても注目を浴びている。
 精密な線と、華麗ながらも清純な色使い。
 時に王室の猫を描き、時にルイを描き、時に子供達を描き……
 以前チャリティー活動で殺風景の壁一面に獅子と雄鹿を描いた時は、多大なる反響があった。
 そこから世界のチャリティー活動の一環として巨大な絵を描く、という物が広がったと言っても良い。
 その影響は、彼女が王族である事と、その画力が凄まじい事の両方が成り立っているからこそだろう。
 彼女はその画力を世界に認められ、夢を叶えたのだ。

 ………ところで、覚えているだろうか。
 私とのお見合いの時、パトリシアの同人誌を私が見てしまった事を。
 あの頃、パトリシアはああいったアブノーマルなマンガを沢山描いていたのだが、実はその活動は今も続いている。
 未だパトリシアが作家である事は他の誰にもバレていない。
 パトリシアは私にあまり執筆作業と作品を見られたくないようで、作業をする際にはパトリシアの自室に篭り一心不乱に描きたぐっているようだった。
 子供に見られる訳にも行かないため、扉は三重にロックをかけている。
 数日に一回、子育ての合間に篭って執筆しているはずなのに、この五年で出版された同人誌の数は40冊。
 計算が合わないし、普通の画家の活動もしているはずだし、一人で行なっているはずだし、冗談抜きにマンガ魔法でも開発して使っているのか?
 どっちにせよ、人間技ではない。

 そんなパトリシアの描く本だが、実は私も裏ルートで入手している。
 もちろん、性欲を持て余している訳ではなく、彼女の活動の結果を見てみたいという好奇心からだ。
 ………有名画家なだけあって、凄いは凄いのだが、ほぼ全てが獣姦BLなんだよなぁ………
 作家のペンネームこそ変わっているが、画風やその特色から同じ作家であると気づいた以前のファンも根強くついてきているらしい。
 ストーリーや画力はやはり凄まじく、普通の観点から見て、獣姦BL本である事を除けば、全てにおいて完璧な作品であると評価できる。
 以前チャリティー活動で描いた獅子と雄鹿が主要人物の本を見た時は、すごく複雑な気持ちになった………
 時折BL物でない物なども出ているが、結局獣同士である。
 パトリシアは人物も描けるはずなのだが、どうしても獣同士が好きなようだ。
 ………雌のドラゴンが主要人物だった時に思いっきり興奮してしまったのは秘密だ。
 というかナリクアグト♂×リカアル♀だった………
 すまない……ルイ、アテナ。
 色々な意味で、本当に済まない。

 また、パトリシアの描くマンガだが、売れ行きも凄まじいらしい。
 人気は一部の層にのみのようだが、その層が地層のごとく分厚く、分厚くなっているらしい。
 ……カルト的な人気を誇ってもいるそうだ。
 その内宗教が出来るのでは無いかと心配だったが、その心配はなくなった。
 もう出来てた。
 ……………本当に驚いた。
 念のためしばらく監視していたが、特に本物の雄の獣同士を性行させるなどという過激な行動はしないらしく、ただパトリシアの描いたマンガや、パトリシアについて語り合うという集会らしい。
 特に強制的に取り潰す必要も無さそうで良かった。
 なんにせよ、パトリシアの描くものを好いてくれるということは、本当に喜ばしい。
 これからもぜひパトリシアの作品を広めて欲しいものだ。

 パトリシアの子供は全部で四人。
 ララ、リリ、ロン、レン。
 ララとリリが女の子の双子で、ロンとレンが男の子の双子だ。
 全員が全員ハーフリングで、ララとロンが褐色の肌を、リリとレンが白い肌をしている。
 いやあ、本当に綺麗に分かれたもんだ。
 それに、次に生まれる双子は、男の子と女の子らしい。
 神がどうしても綺麗な産み分けかたをさせたかったとしか思えないような子供達だ。
 どうしたことか、四人が四人適正魔法の属性も綺麗に分かれている。
 まず、私とパトリシアが魔法使いでもないのに何故か全員魔法が使える時点でおかしいのだが、綺麗に四属性に分かれているのも驚きだ。
 ララは火魔法が適正だ。
 ルイやその子供達と一緒に火を扱う練習をしている、
 しかし、やんちゃなもので、一度自分が遊びで出した炎が枯れ草に燃え移り、その炎に包まれて脱出出来ず泣き叫び、更に火魔法を撒き散らかしたという事態になったことがある。
 枯れ草は燃え尽きたが、どうやら炎が魔法陣となり多数の炎の精霊を召喚してしまったらしく、ぴょこぴょこと小人サイズの火の玉がララの周りを回っていた。
 ルイが助け出したから良かったものの、最悪命を落としていた。
 炎自体は大丈夫だが、周りで火が燃え続けていると酸素が無くなり、息が出来なくなり窒息死する。
 本当に危なかった。
 リリは水魔法が適正だ。
 生まれた当初から良く大量のおねしょをしていた、と思ったら、実は無意識下で水魔法を放っていたらしい。
 おしっこの量が異様に多いと不審に思ったパトリシアが調べた事で発覚した。
 また、リリは溺れるという事がない為か、自分の周りに形をある程度丸く固定した弾性のあるぽよぽよとした大きい水の塊を出現させ、リリがシャボン玉の中にいるように跳ね回るという事が出来る。
 しかし、その遊びはリリが水玉の中にいる際に水の中にいる特有の安心感からかお漏らしをしてしまい、慌てた為魔法の制御が効かなくなりおしっこが混ざった水が大量にリビングにぶちまけられたという事件が起こってしまったため、パトリシアから屋内でその遊びの禁止令を受けてしまった。
 ララが炎に包まれた時は、一生懸命火を消そうと大量の魔法を使い、気絶した。
 ロンは風属性が適正だ。
 他の子も同じだが、まだ幼い為力の制御が得意ではない。
 その為、一度室内で転んだ時に突風を巻き起こしてしまい、パトリシアの部屋の三重ロックの扉が吹き飛び、大量の原稿が宙を舞った事がある。
 幸い火事場の馬鹿力を発揮したパトリシアの人間とは思えない反応速度と俊敏さから、メイドにもサンジェルマンにも子供達のも見られる事なく原稿を集める事が出来た。
 主にパトリシアの社会的地位が危なかった。
 それと、私自身も突風に巻き上げられて屋根の上に乗ってしまった事がある。
 そういや、ルイに乗っけてもらった時はこんな感じだったなぁ……とか思いながら巻き上げられた。
 結局ルイに下ろして貰ったが、勘弁してほしい。
 レンは地属性が特性だ。
 地属性と言えば地面からトゲトゲの岩を突き出したり地殻変動を起こしたりするものだが、レンのはその中でも更に特殊だった。
 だから発覚も遅れ、生まれてからしばらくするまでは能力に気づく事が出来なかった。
 あれはルイとパトリシアの子供達が混ざって泥遊びをしている時、レンが作り出した泥人形が、作っていく側から動き出していたのだ。
 子供達はそれを怖がらず、むしろきゃっきゃと喜んでいた。
 大人達は本当に驚いた。
 隊列を組み、言うことを聞き、一緒に遊ぶ。
 レンはゴーレムを作ることを得意とする能力を持っていたのだ。
 そしてこの前、少し目を離したすきに、ゴーレムにゴーレムを作らせるという恐ろしい連鎖を発見したようで、無数に増殖したゴーレム達と一緒にちょっとした小山ほどの大きさがある巨大なベヒモスのマッドゴーレムを作り出してしまったのだ。
 マッドゴーレムに乗って、「おーとーさんみてみてー!」と無邪気に笑いながらこっちに来た時の驚きと恐怖と言ったら……



 全員が全員、そこらで魔法使いを名乗る普通の大人よりはるかにずば抜けた能力を持っている。
 自分が持つ属性では死なないと言うことも、普通では持ち得ない能力だ。
 だれか一人でも戦争に出れば、一騎当千となるであろう戦力。
 だが、絶対に戦力とさせるようなことはさせない。
 子供達は、絶対に私が守り通して見せる。
 …………おそらくその内、自分たちで身を守れるようになるほど強くはなるだろうけどな………
 数年後……私はもしかしたら家族の誰よりも弱いかもしれない………
 とほほ………



 …………一つ、私が心配する事がある。
 それは、次にパトリシアが生む子供達のことだ。
 原理は分からないが、パトリシアの子供達はそれぞれ凄まじい能力を持っている。
 属性は、火、水、風、土。
 これを偶然と済ませるにはあまりにも出来すぎている。
 それならば、これは必然であると考えた方が自然だろう。

 では………


 次に生まれてくる子達は、どうなるのか。

 人並み外れた魔力を持った、双子。
 私が考えるに、この子供達が偶然でなく必然として生まれてきたのなら、四大元素(エレメンタル)の属性は持って生まれない。
 火と水、風と土と言ったように、今までの子達と同じく反発したなにがしかの属性、別の、四大元素以外の属性を持って生まれてくる。
 四大元素以外の属性、それも、反発した属性とは、何か。

 それは、『光』と『闇』。

 もしかしたら、違うかもしれない。
 だが、十分にあり得る。
 その属性を持つ人物は歴史上にしっかりと存在するからだ。
 だから、せめてこの考察は外れて欲しい。
 妄想であって欲しい。
 虚言であって欲しい。
 何故なら、この属性を持つ者は、歴史上でそれぞれ、必ずこう呼ばれるからだ。

『光の勇者』と『闇の魔王』………と。

 ありえない事は、考えない方が得だ………
 しかし、念のため、頭の隅に常に置いておこう。
 そうなった時に、きちんと冷静に対処できるように。




 ……さて!
 話は変わって、アテナの話になる。
 結局この五年、彼女がリカアルであると言う事はトキ以外には漏れでなかった。
 安泰はいい事だ。
 彼女は今、メイド達と同じメイド服を着込みルイやパトリシアの子守に専念している。
 料理なども教わっているようだ。
 何故彼女がメイドになったか、私が疑問に思って聞いてみれば、「意中の相手を射落す為だ!」と言っていた。
 ………意中の相手がいるのは意外だった。
 彼女が惚れるほどの相手………
 思いつかないな…………
 他のメイドに聞いてみても、心当たりは無いそうだった。
 少しその時のメイドの何かを知っているような表情が気になったが、気のせいだろう。
 彼女がメイドになってから五年ほどが経ったが、料理の腕も家事全般の腕も、格段に上がった。
 今はメイドの一人が産休に入っている為、もっと張り切っているようだ。
 目玉焼きを消し炭にしていた頃が懐かしい程だ。
 先日も私が、彼女が作った料理を褒めると、嬉しそうに顔を赤らめ照れていた。
 子守も腕が良く、子供達は彼女を「アテナおかーさん」と慕っている。
 そう呼ばれる度に、アテナは嬉しそうにツノの付け根をいじりながら微笑む。
 うむ。
 彼女がこの家にいてくれて、本当に良かった。



 因みにアテナを除くメイド三人は全員サンジェルマンの嫁だ。

パトリシア「あ、そういえば」


 私がこの五年の事を回想しながらパトリシアのサンドウィッチを食べ、低空飛行しているルイ達を見ていると、ロンとレンを草むらの上に寝かしつけたパトリシアが何かを思い出したように言った。


私「どうした?」


パトリシア「トキ王がまた何か……えっと、たしか、ろぜったなんちゃら……? を見つけたって言ってましたよ。呼んできてって言われていたのをあえて言いませんでした」


私「なにっ!? あれがやっと掘り起こされたのか!? ……え、あえて言わなかった?」


パトリシア「はい」


 パトリシアが困ったようにため息をついた。


パトリシア「だってあなた、遺物が見つかったなんだって言うと、すぐ飛んで行っちゃうじゃないですか。……だから、もうちょっとあなたと一緒にいたいなと思いまして………すいません。少し、思い上がりました……」


 なんだ……


私「そんな事なら、もっと一緒にいたいと言ってくれれば良いのに」


 かわいいなぁ。
 私はパトリシアの顎を引き、その唇を奪った。


パトリシア「んっ………♡」


 そして、頭を撫でる。


私「………ふぅ。すまない、気づけなくて。もっと一緒にいれるように善処する」


 私がそういうと、パトリシアは幸せそうに微笑んだ。


パトリシア「はい……♡」


私「愛してるよ!」


 私は歴史学者のローブを翻し、駆け出した。
 ロゼッタストーン。
 早く私にその姿を見せてくれっ!
 私の心はワクワクが止まらなかった。
 今度はどんな歴史が紐解かれるのだろうか。
 ……いや……。
 危ない危ない。
 あくまでロゼッタストーンは家族の二の次だ。
 今日は早めに調査を切り上げて、パトリシアやルイと愛を語らい会おう。
 ……それが一番だ。

 と、言うわけで………。
 終わりっ!

 やっと、本当に完結。
 見てくれた人に感謝っ!
 圧倒的感謝!

 ここまでの感想とか、気になるところとか、説明してほしいところとか、書いてほしいエピソードとか、あれば言ってくれてええんやで。
 なるべくリクエストには答えれるように善処するから、バンバン言っとくれ。

おつおつ!

確か舞台違うだけで各シナリオは同じ世界観だったよね?
番外編的な感じで歴代主人公と嫁達が一同に集まったの的なのが見たいなー、なんて

乙です
ヒラナリ編もハガネ編もユタ編もとても良かったです(一番好きだったのはユタ編です)
しかし、最後の最後で出た単語が気になる…
新作が終わった後でも構いませんので、光の勇者と闇の魔王編(ユタ編の続編?)も見てみたいです

 >>637
 あー、続編全く考えてないっ!
 気が向いたら、なぁ………
 期待は厳禁やで。

 >>636.638
 良いね。
 主人公とその嫁達、一回集めてみようか。

 ~楽屋裏、天上にて裏話~



 主に会話だけで進むで。
 最初の頃のキャラとか、覚えてなかったらすまん。


 ◆◇◆◇◆


ヒラナリ「…………あ?」


マオ「あら?」


ハガネ「む?」


ウグイス「え?」


シラサギ「へ?」


ユタ「お?」


ルイ「ん?」


パトリシア「んん?」


アテナ「なにっ?」


オパビー「……よっし。全員召喚完了やで」


オパビー「さあさあ、皆さん。ここは楽屋裏の間。時空も空間も歪めて主人公とその嫁を集めたで」


オパビー「誰かに質問したいときは、どんなタイミングでも良いから、聞くが良いで」


オパビー「記憶の時系列も、身体の時系列も、全員エンディング直後」


オパビー「してほしい事とかも、好きなタイミングでリクエストすれば良いで」


オパビー「まあ全部拾えるかは分からんが」


オパビー「それと、わいが『終わりっ!』っていったら、質問はもう受け付けないでそこから先は拾ってない質問を消化してくで」

じゃあ>>1に質問
各篇のストーリーは元々の構想から大きく変化したりとかあった?
あったら>>1なりにどんな感じの話を考えてたとか知りたい

ハガネ「……ここはどこだ?」チャキッ


オパビー「うん、落ち着いてハガネ」


ハガネ「貴様は誰だ! 答えろ!」


ルイ「もしかして誘拐犯? 脱出する?」シュボッ


オパビー「ルイも」


シラサギ「こ、子供達はっ!?」オロオロ


ユタ「アテナ。もしかしたら君の力を借りるかもしれない」


アテナ「あ、ああ。頼りにするが良い!」グググッ


オパビー「ちょっと、みんな。落ち着いて」


マオ「どこ、ですの、ここ……?」


ヒラナリ「俺の後ろに隠れていろ、マオ。絶対に守ってやる………」ガシーン、ガシャーン


オパビー「そういやあ腕をアッチ用にも戦闘用にも魔改造してんやっけ。まあそんなことは今どうでもいいんや。やっぱりみんな一気に集めるんじゃ無かった」


オパビー「『ちょっとそこのところいい感じにビーム』」


 ウィウィウィウィウィウィウィ


 シーン………


オパビー「これで、全員違和感は無くなったで」


オパビー「いわゆる、ドラ〇えもん効果や」


オパビー「平和が一番。さ、まずはみんな自己紹介やで」

オパビー「おっと、その前に質問やで。なになに……?」


 >>641


オパビー「なるほどやで………」

オパビー「そうやね。まず元々の構想自体があんまり無いんやで」

オパビー「途中から追加したストーリー、例えばハガネ編の強姦殺人の誘拐とか、ユタ編のリカアルとかはあるが、それでも最初からは無くって、いきあたりばったりだったんやで」

オパビー「まさか強姦殺人犯が誘拐してた少女がヒラナリ編の初っぱなに出てきた子に繋がったっていうのは本当にびっくりだったんやで」

オパビー「あと、焦った安価はヒラナリ編の急な凌辱かなあ」

オパビー「まとめられたから結果オーライやったで」

オパビー「あとパトリシアとお見合いも考えて無くて焦ったやな」

オパビー「わいはその内ルイに発情期がきてうんたらかんたらとか思ってたんやけど、パトリシアのお陰でいい感じになって良かったで」

オパビー「まあ、ルイが想いに気づく過程が割とハガネ編のサイドストーリーの、リッカとかぶるんやけどな」

奴隷募集のときに色々な種族やケモ度分類が登場していたけど、>>1の好きな種族とケモ度は何ですか?

オパビー「じゃあ今度こそ自己紹介」


オパビー「すまん、ちょっと待ってな>>646


オパビー「あ、いつでも質問はええんやからね」


オパビー「多すぎたらストップするけど」

オパビー「じゃあ、自己紹介行くで。まず、ヒラナリから順番に行こか」


ヒラナリ「俺は、ヒラナリだ。ゴーレムで、ちょっとした貴族の三男坊だ。こっちは嫁のマオ。よろしく頼む。俺は、義手や義足の会社を経営しているが、見たところ、二人ウチの商品がお世話になっているようで良かった」


シラサギ「そういえば、ぱぱ、そんな事言ってたね。確か義手製作会社ひらなりだっけ?」


ウグイス「本当にすごいですよね……まるで本当の羽みたいにふわふわ」


ハガネ「ああ。この義翼おかげで、今のシラサギがあると言ってもいい。本当に感謝している」


ヒラナリ「ウチの製品は世界最高水準だと自負している。そう喜んでもらえると、嬉しい」


ユタ「私もだな。この義手は本当にすごいな。肘から先が無くなったというのに、まるで本当の手のように動く。私からも感謝しよう」


ヒラナリ「最高の技師をかき集めたもんで」


オパビー「この話長くなりそうやな。というわけで次、マオ」

オパビー「まあ、こんな風にスピーディーに進めるから、詳しく聞きたいことはリクエストするがいいで」


オパビー「あと、誰かから誰かにこんな質問をして欲しい、っていうこともリクエストしていいで」


マオ「はい。ではえっと……自己紹介してもよろしいですか?」


オパビー「いいで」


オパビー「因みに、この空間の魔法で正直に話すで」


マオ「分かりましたわ。えっと、わたくしはマオと言いますの。こちらのヒラナリ様は、私の旦那様ですの。元々奴隷でしたが、ヒラナリ様に買われて色々ありまして、その、お、お嫁に、なりましたの」

ウグイス「えっ、元々奴隷だったんですか!?」


マオ「そ、そうですけど……それが、なにか?」


ウグイス「私もです! 私も元々奴隷で、このパパ……じゃなくて、ハガネ様に買われて、お嫁さんになったんですよ!」


ルイ「私もだよ!」


ヒラナリ「ふむ。意外な共通点があったな」


ウグイス「それで、私は幸せなんですが、お二人は?」


マオ「そりゃあもちろん! とっても幸せですわ♡ ね、あなた?」


ヒラナリ「ああ」


ウグイス「良かったぁ。私も幸せです!」


ルイ「私も♡」


オパビー「幸せで何より。next、ハガネ、と思ったけど、長くなりそうだからハガネから後の自己紹介は飛ばすで」


オパビー「スピードとテンポが大事や」


オパビー「ワイがやりたいのは主に質問コーナーなんや」


オパビー「まあ要望があったら、自己紹介も続けるで」

 キング〇リムゾン!



オパビー「さて、みんなの自己紹介が終わったところで、リクエストのコーナーや」


オパビー「まずは溜まってる質問……なになに?」


 >>646


オパビー「なるほど」


オパビー「ワイが特に好きなのは俗にケモ耳と呼ばれる物を除いたケモノやで。自分で言うのもなんやが、生粋のケモナーや」


オパビー「ケモ度は3~4が好きやな」


オパビー「その他異類婚姻譚は全般大好きやで」


オパビー「『みぞね』って先生を知ってたら嬉しいで」


オパビー「さあ。どんどん質問やリクエスト応募するで」

オパビー「はーい、一列に並んで並んでー」


ヒラナリ「何をするんだ?」


オパビー「なんか身長比較するんだって」


ユタ「並びたくないな……」


オパビー「グズグズ言わない! 右ならえ右っ!」


ユタ「あぁぁ身体が勝手に……!」

 結果

 登場順から


 ヒラナリ:182cm


 マオ:177cm


 ハガネ:228cm


 ウグイス:162cm


 シラサギ:154cm


 ユタ:122cm


 ルイ(普通に四足で立った時、頭のてっぺんまで):135cm


 パトリシア:154cm

ユタ「小さい……」


オパビー「ルイ割とデカイな」


ルイ「デカイって言わない!」


オパビー「すまんて」


ハガネ「分かってはいたが、やはり私が一番大きいか」


ウグイス「まあ、そりゃあそうだよパパ」


シラサギ「多分……ぱぱ、あっちの方も一番だと思うよ?」ボソッ


ウグイス「こら」スパーン!


シラサギ「うぐ」

そういえば同一世界の話のようだけど時間軸は各シナリオでどれくらい離れているのかな

オパビー「すまん、完全に忘れてた」


アテナ「貴様!」


オパビー「ごめんって」


 アテナ:191cm


オパビー「これだけ高身長で、ボンキュッボン……もはや凶器やな」


オパビー「ちょっとルイ二足で立ってみ?」


ルイ「オッケー」


 ルイ(二足で立った時、足から頭のてっぺんまで):192cm


ヒラナリ「私を超えるか」


アテナ「我より大きいとは、以外だな」


オパビー「良くセックスの時ユタ潰れないな」


アテナ「セッ……!!……っ!!」


ユタ「え、なんで知って……」


オパビー「やべ、口が滑った」


オパビー「『イムビーム』」


ユタ「やはりルイは大きいな」

パトリシア制作の獣姦BL同人誌読んだことある人~?

そもそもパトリシアが獣姦BLにはまったきっかけは何だろう?

 >>656

オパビー「なるほど。興味深い質問やな」


オパビー「ガバガバやけど、だいたい時系列でまとめるとこうなるかな?」


オパビー「サイドストーリーも入れるで」






 1000(あくまで基準)年 ヒラナリ、マオを買う。


 同年 SS ヒラニチとヒラヒト編。


 1004年 ハガネ、ウグイスを買う。


 同年 SS シキ編始まり。


 同年 ハガネ、シラサギを助ける。


 同年 SS リッカ編始まり。


 1005年 ヒラナリ編終わり。


 1009年 ハガネ編終わり。


 同年 SS シキ編終わり。


 同年 SS リッカ編終わり。


 1015年 ユタ、ルイを買う。


 1016年 ユタとパトリシア結婚。


 1017年 ユタとルイ結婚。


 1021年 ユタ編終わり。

シラサギ「どこかで見たと思ったら、あの時の人だったんですね」


ヒラナリ「いい人に買われててよかった」


オパビー「はーい、皆さんちゅうもーく、やで」


ハガネ「どうした?」


オパビー「えっとな……」


 >>658


オパビー「この人のマンガ読んだことある人~」(パトリシアの名前は伏せつつ、名作『双龍inらんぶ♡』を高々と上げて)


パトリシア「っ!!!!」


ユタ「っ!!!!」


ルイ「何その本? ドラゴンの本?」


オパビー「ふむ。(パトリシアとユタ以外には)おらんようやな」


オパビー「ちなみに、ここにいる以外の登場人物だと、みりんとダチュラとヒラニチとピヨコと三太夫が愛読者やな」


オパビー「名前は各自思い出してくれい」

オパビー「で、なになに? 次の質問は……」


 >>659


オパビー「すまん」


オパビー「一ミリも考えてない」

オパビー「と言うわけで」


 困った時の安価ぁああああっ!


 いつ>>下1
 どこで>>下2
 何が>>下3
 どうなっているのを>>下4
 どうしたから>>下5

 本屋店主何しとん!

オパビー「なるほど」


 ブゥンッ


マオ「ん?」


シラサギ「何ですかこの四角いの」


オパビー「いやあ、ちょっと、な」


ウグイス「あれ、なんか始まった」


ルイ「なになに?」


ヒラナリ「何かの記録か?」


アテナ「本屋………?」


ユタ「あれ、この少女どこかで…………」


パトリシア「……………へ? ま、まさ、か?」

 植民地の国、とある本屋。




 からんからんころん……


お忍びパトリシア「……………」そー……


女店主「しゃらっせー」


お忍びパトリシア「……………」ペコリ


お忍びパトリシア (またいい感じの本ないかなぁ………)



 ~1時間後~



お忍びパトリシア (無いなあ……)


お忍びパトリシア (あれ、なにこののれん?)


お忍びパトリシア (そういえばここ入った事無かったな……いい本あるかもしれないな)

お忍びパトリシア (なんか変な題名ばっかり)


お忍びパトリシア (高確率でハートとか入ってる)


お忍びパトリシア (児童向け? どうだろう……?)


お忍びパトリシア (というか、一冊一冊が薄すぎない……?)

女店主「………」コソコソコソコソ……


お忍びパトリシア (あ、さっきの人だ)


お忍びパトリシア「すいませーん……」


女店主「んっ!?」


女店主「あっ、えっ、ななななっ、なんでしょうかっ!?」


女店主 (さ、さっきの女の子っ……あれ?)


女店主 (よく見たらハーフリング……ハーフリングの人って事は、実年齢高めだよね?)


女店主 (油断してた……じゃあ、ここにいてもおかしくない、か)


女店主 (他にお客さんがいないと思ってここに来たのが間違いだった………!)


お忍びパトリシア「あのー、このコーナーでおすすめの本って有りますか?」


女店主 (えっ、私におススメ聞く!?)

女店主 (う、うーん…………)


女店主 (き、聞かれたからには、答えなきゃいけないよね………?)


女店主 (は、恥ずかしいけど、答えるしか無いよね………?)


女店主 (よ、よーし。覚悟を決めるのよキルリキルラキルレイン!)


女店主「その、おススメって言うのは、私のおススメって事で良いですか?」


パトリシア「はい。ちょっと定員さんのおすすめを聞いてみたくて」


女店主「で、ではコチラデース」ニコッ

 ~~~~~


女店主「えっと、これが私の一番のおススメですねぇ………」


お忍びパトリシア「これ、ですか?」


お忍びパトリシア (やっぱりこのコーナーの本って薄いな。なんかカラフルだし)


お忍びパトリシア (なになに? 『おおきい迷子の猫さんとわかい犬のお巡りさんの交♡』? なんで交番の『番』を隠すんだろう……?)


お忍びパトリシア (もしかして噂のマンガってやつかしら)


お忍びパトリシア (絵も可愛いし、せっかくのおすすめだし………)


お忍びパトリシア「せっかくおすすめしてもらったんだから、試しに買ってみるわ」

女店主「あ、ありがとう御座います!」


女店主 (やった! よくぞ羞恥心を抑えて乗り切ったわ! キルリキルラキルレイン!)


女店主「じゃあ、お会計こちらでーす♪」

 ~~~



お忍びパトリシア (また本買っちゃった)


お忍びパトリシア (でもおすすめされたし、買わなきゃね)


お忍びパトリシア (初めてのマンガ……噂には聞いていたけど………食わず嫌いだった………)


お忍びパトリシア (帰って読むのが楽しみだわ♪) ギュッ




 turning point

 ◆◇次の日◇◆


女店主「んふんふーんふーんふんふんふーんふんふー♪」ザカザカザカ


女店主「んふーんふんふんふー、んふんふんふー♪」ザカザカザカ


女店主「んふんふ、んふんふ! んふ、んふー♪」ザカザカキュッキュッ


女店主「んふー、んふんふ………」ピタッ


女店主「………」ムラッ


女店主 (今日もR18コーナー行こ)


 ………タッタッタッタッタッダッダッダ


 ギィ………


女店主「あ、しゃっしゃっしぇー」


お忍びパトリシア「……ハァッ、ハアッ………」


女店主「えっと、どうされました?」


お忍びパトリシア「ハァ、ハァ…………」カツカツカツカツ……


女店主 (まっすぐR18コーナーに行った)


 ◆◇◆◇◆


女店主 (あ、戻って来た)


お忍びパトリシア「ハアッ………!」ドサッ!


女店主 (…………うわあ、すっごい量のBL獣姦同人誌)


お忍びパトリシア「ハァ、ハア………これ下さい!」


女店主「毎度ありー」




 再生終了。

パトリシア「……………………」

ユタ「なるほど」


ルイ「え、どう言う事?」


シラサギ「?」


他全員「………………」

アテナ「うむ?」(なぜか毎度忘れられる可哀想な人)


オパビー「へえ。なるほど」(お前イッチだろ)


オパビー「結局根っからの変t


パトリシア「うわああああああああああああああああっ!!!!!」


パトリシア「なんで、なんでこんな、こんなっ!?」


パトリシア「うわああああああああああああああああっ!!!!!」


パトリシア「何が目的!? ねえ、何を脅迫するつもりなの!?? 私を脅迫してどうしようって言うのよおおおおおおおおおっ!?!?」


オパビー「まあ落ち着いて落ち着いて」


オパビー「『落ち着いてって言ってるでしょビーム』」


 シュゥウゥゥゥン…………


パトリシア「ハア、ハア…………」

オパビー「で、どう思いますユタさん」


ユタ「え、私?」


ユタ「ううむ………」


ユタ「>>下」(結局安価任せかよ)

ユタ「パトリシアのこの趣味に嫌悪感を抱いたのなら、最初のお見合いの時に断っているさ」


ユタ「私はパトリシアのこういう面も含めて好きになったんだ」


ユタ「な? パトリシア」


パトリシア「いや、嬉しいんだけど、嬉しいんだけど違う。違うの。違うんだってばあ………」


オパビー「そうやな~。ユタも思いっきり愛妻家やからな。パトリシアの全てを受け止めるつもりなんやろな」


オパビー「さて、そろそろパトリシアの過去についての記憶を消して次行くか?」


オパビー「このままパトリシアの羞恥プレイを続けたいのなら質問どうぞ」

オパビー「これはワイに対する質問か」


オパビー「ふむ」


オパビー「リッカと小太郎かな。異論は認める」

オパビー「自分で書いたのに読み返して甘い甘い。思わずニヤついてしもうた」


オパビー「もちろん、主要キャラ同士のカップリングも好きやで」


オパビー「おまいらは?」

オパビー「すまんそん」


オパビー「カップリング………?」


オパビー「ああ………そう言うカップリングね。やっと理解した」


オパビー「まあそれはちょっと後でやるとして、おまいらの好きなカップリングも教えて欲しいで」

オパビー「途切れたから次行くで」


オパビー「『正直にお答えビーム』」


 ヲヲヲヲヲヲヲヲヲ………


パトリシア「ん……?」


オパビー「パトリシア。BLやNLや獣は問わない」


オパビー「一番好きなカップリングを教えてやで」


パトリシア「一番好きなカップリング、ですか?」


パトリシア「それなら、やっぱり……」




 攻め>>下1
 受け>>下2

 種族、容姿、性別。

 おk。
 質問コーナー思った以上に長くなりそうや。
 おやすみ。

そういえばあの世界の平均寿命ってどれ位?
ユタ編で亀貴族の人?が300歳とか言ってたし種族によってバラバラ?

あと本文中でリカアルの事に触れだけど、300年前なら
リアルタイムでリカアルの事件知ってる人が居そうだと思ったのは内緒

 今後名前が変わるで。
 よろしくな。

 >>701
 後で答えるで。



 その前に、『ぱとろん・ぱーしばる』先生作の『子獅眩い』(ししまい)をご覧やで。

チーター『ぱぱ♪』


ライオン『……………』




ライオン「……………」


チーター「父さん」


ライオン(ああ、もう………こんなに大きくなったのか………)


ライオン「おい、しょ………」


ライオン「今行くよ」


チーター「うん」

 ライオン:大きく立派な髭と鬣を蓄えている。オス。


 チーター:すらりとしてしなやかな体躯。オス。

 ◆◇◆◇◆




ガゼル「!」


ライオン「追うぞ、息子よ」


チーター「はい、父さん」




 ◆◇◆◇◆




 ガッ!


ライオン「よし…!」


チーター「やった………!」


ライオン「ああ……こいつ、全部食って良いぞ」


チーター「え、また、良いんですか? 父さん」


ライオン「今回は、お前の手柄だ。全部食って良い」


チーター「では、お言葉に甘えて」


 ガツッ、びりっ、ボキッ

ライオン(…………こいつは、食えない)


ライオン(早く食える獲物にあり着かなければ………)


チーター「本当に良いんですか? 父さん。今日まだ食べて無いですよね」ポタポタ


ライオン「ん、ああ。昨日の夜食ったから、俺は次の獲物で良い」


チーター「そうですか」もちゃもちゃ、ごくん

ライオン(もう、6日)


ライオン(食える獲物にありつけていない)


ライオン(ガゼルの群れでも……シマウマの群れでも………リスクは高いが、キリンでも良い)


ライオン(腹が減って……そろそろ、空腹を取り繕うのも、限界だ………)

 忘れてた。


 チーター:背中に巨大な古い噛み跡がある。

 ◆◇◆◇◆



 キュウキュウ………メイメイ………


ライオン「……居たぞ……! ガゼルの群れだ……!」


チーター「子連れが多いですね」


ライオン「あの親子を狙うぞ」


チーター「分かりました」



 ◆◇◆◇◆

 もう一個忘れてた。


 ライオン:全身傷だらけ。両目にシャン○スみたいな爪痕がある。

ライオン「ハァ、ハァ、ハァ…………クソ………!」


チーター「父さん、転んだけど、大丈夫ですか?」


ライオン「ちょっと、足がもつれただけだ………ハア……ハァ……」


ライオン「俺に気にせず、あのガゼルの親子を狙えば、捕まえられたかもしれないのに………」


チーター「そんな訳に行かないですよ。ちょっと前足腫れてるし……捻ったんじゃありませんか?」ペロペロ


ライオン「舐めなくていいっ……!」プイッ


チーター「そうですか」ショボンヌ


ライオン「ハァ……ハァ………」


ライオン(思うように動けねえ………)


ライオン(せっかくの、チャンスだったってのに………)


ライオン(クソ………意識が………もう………)フラ……


チーター「とりあえず、あの群れを追いましょう」


チーター「気づかれないように行けばまた………父さん?」


ライオン(クソが……………)ドサッ


チーター「父さん、ちょっと……え?」


チーター「父さんっ!? 父さあああああんっ!」

 ◆◇◆◇◆

    ザクッ



    ………ぁぁぁぁぁぁあああああっ!



 ◆◇◆◇◆




ライオン「」ハッ


ライオン(また…………あの声だ……)


ライオン(俺の………呪い………)ムクッ


ライオン(……ここは、岩穴か? あいつが、俺を運んだのか………?)キョロキョロ


 ガサガサッ


ライオン(誰だ!)


チーター「あ、父さん。起きた……」ヒタ、ヒタ、ヒタ………ドサッ


チーター「これ、ウサギ。自分で捕まえてきたんだ。ちょっと小さいけど」


ライオン「お前………」

チーター「なんで、父さん、お腹が減っているのに、食べたなんて嘘を付いたんですか」


ライオン「…………」


チーター「なんで、お腹が減っているのに全部獲物を僕にくれたんですか」


チーター「ここ最近、ずっとだったじゃないですか」


チーター「どうして…………」


ライオン「……………」チラッ


ライオン(ああ………ダメだ。このウサギも、ダメだ………)


ライオン「このウサギは、受け取れない………」

チーター「なんでですか」


チーター「どうしてなんですか!」


チーター「このままだと餓死しますよ!」


ライオン「…………」


ライオン「すまない…………」


ライオン「これだけ空腹になっているのに、よだれすら出ない………」


チーター「もしかして僕が取ったものは食べれないんですか!」


チーター「自分で取ったものしか、食べたく無いんですか…………」ジワ……


ライオン「違う……」


ライオン(もう、話すしか、無いか………)


ライオン「………お前が取った物を、食いたく無い訳じゃない」


ライオン「むしろ、喜んで食いたい…………」


ライオン「だが、そのウサギは、今日取ったガゼルは、食えないんだ………」


ライオン「……………身体が、拒絶するんだ…………」

ライオン「例え、俺が取っていても、だ……………」


チーター「………どう言う事ですか…………?」


ライオン「………………」


ライオン「………お前にとっては、信じられない事だと思う」


ライオン「だが、聞いてくれるか?」


チーター「…………僕は、父さんの為なら、なんでも」


ライオン「………そうか………」

ライオン「俺が、お前の本当の父親でないことは、知っているよな」


チーター「………はい」


ライオン「傷つき、血にまみれた小さいお前を、俺が保護したと言っていたな」


ライオン「そして、息子として育てた、と」


チーター「…………」


ライオン「お前は、俺のことを強く、気高い最強の獅子と慕っていた、俺も慕わせた」


ライオン「だが、あれは、違う」


チーター「…………ウソだ」


ライオン「俺は獲物もロクに取れず、プライドを追い出され、他のプライドに挑むもボロクソに負け、挙句に小便までかけられた、ただのダサい、そこら辺にいるライオンだ」


チーター「ウソだ!!」

ライオン「……………」


チーター「だって、父さんはカッコいいじゃないか! 僕に狩りを教えてくれて、カッコよく獲物を取って、僕が獲物を取ったら褒めてくれて………!」


チーター「僕を、僕を拾って、助けて、ここまで、育てて………!」


チーター「そんなの、そんなのウソだ………」ポロ、ポロポロッ


ライオン「………………」


チーター「…………違う……の?」

ライオン「……………」


ライオン「プライドを追い出されて………」


ライオン「小便臭い俺が、最初に見つけた、『獲物』………」


ライオン「それが…………親からはぐれて、弱々しくサバンナをさまよっていた……お前だった」


チーター「…………え…………」

ライオン「お前は、親を探して、よちよちと歩きながらみいみい鳴いていた」


ライオン「ライオンである俺を見ても、なんら警戒する仕草を見せなかった」


ライオン「そんな弱かったお前を、空腹だった俺は、食ったんだ」




 ◆◇◆◇◆




ライオン「…………」


子チーター「みぃ?」


ライオン「…………」ガブ


 ザクッ


子チーター「………ぁ………?」


子チーター「あ、あ………あああああああああああっ! 」




 ◆◇◆◇◆




ライオン「その時、俺の口内を満たした血の味が、俺の耳をつんざいたお前の叫びが………俺を正気にさせた」


ライオン「同時に俺は、呪われた」


ライオン「それ以来、オスの血を味わうたびに、吐くようになった」


ライオン「せめてもの罪滅ぼしと、自身の手足として獲物を得るために、お前を育てたんだ」


ライオン「………自分で獲物を取れないから」

ライオン「俺の事は、放っておけ」


ライオン「どうせ、餓死する………」


ライオン「俺を許せないと言うのなら、殺しても良い」


チーター「……………」グッ……


ライオン(……なぜ………)


ライオン(なぜ、俺は、口内をよだれで満たしているんだ?)


ライオン(どう考えても、今そんな状況じゃ無いだろ?)


ライオン(ウサギの血の匂いのせいか? なんで、よだれが………)


チーター「………殺せません」


チーター「放っても、おきたくない」


チーター「それでも………あなたは私の父さんだから」


チーター「私の、父さんだから………ひぐっ………」ボロボロボロッ


ライオン「ハア、ハア……ハア…………」タラー……


ライオン(欲が、とめどなく、溢れる)


ライオン(空腹の、限界、なの、か?)


ライオン(なんだ、俺の体に、なにが、起きている?)


ライオン「グルルッ、グルルルルッ、グルルルルルルルゥゥゥッ…………!」ポタポタ、ポタッ、ボタッ……


チーター「ぐすっ…………父さん?」


ライオン(こいつを………クイタイ)


ライオン(………は? 俺は今、何を………?)


ライオン「グルルルッ、グルッ………!」ブフーッ、ブフーッ……!


ライオン「ゴグルルルルッ、グルルルッ……!」のそり


チーター「………もしかして、僕を食べたいの? 父さん」


ライオン(違う、違………俺、は………オレ、ハ………)

ライオン「ハァッ……ハアッ、ゴルルルルルルッ、グルウウウッ………!」ノソ、ノソ……


ライオン(ああ……たまらなく、クイタイ。コイツヲ、クイタイ………)


チーター「………」シーン……


チーター「……もし父さんが言う呪いが、僕を食べる事で治るのなら………僕は、食べられるよ」


チーター「それでも、父さんが、好きだから………」ポロポロッ


チーター「父さん…………今まで、ありがとう」ニコッ………

ライオン「ハァッ……ハアッ、ゴルルルルルルッ、グルウウウッ………!」ノソ、ノソ……


ライオン(ああ……たまらなく、クイタイ。コイツヲ、クイタイ………)


チーター「………」シーン……


チーター「……もし父さんが言う呪いが、僕を食べる事で治るのなら………僕は、食べられるよ」


チーター「それでも、父さんが、好きだから………」ポロポロッ


チーター「父さん…………今まで、ありがとう」ニコッ………

 多重すまん。

ライオン(……………クイ、タイ………)


ライオン(………ヨクヲ、ミタサ、ナケレバ………)


ライオン「ハアッ、ハアッ………グルル………!」ボタッ、ボタッボタタッ! フシューッ……!


チーター「…………ふ……」


チーター(せめて……一噛みで絶命さして欲しいな…………)


チーター(もし、そうじゃなくても………最後まで全部食べて欲しいな………)

ライオン「グルルルッ、グルルルルルルゥッ……!」ドサッ、グッ!


チーター(うつ伏せにされて、頭を押さえつけられた)


チーター(……とうとう、食べられるんだ)


チーター(父さん……ありがとう………今まで……本当はカッコ悪くても、僕を食べかけた事があっても、それでも、やっぱり好きだったよ)


ライオン「グルルルルルル…………グルゥ……」ムクッ…ムクムクッ、ムクッ

 *ここから下、文章有り。





 チーターはまだ、ライオンの股間で膨張していく物に気づいていない。
 人間の腕よりも大きく膨張したそれは、仰向けになったチーターの尻に数センチのところまで近づけられ、ドクドクと脈打ち、熱された鋼鉄のように熱を発していた。
 凶悪な棘を持ち、一度繋がった者を放さないような「返し」が付いている。
 それは、ライオンのペニスであった。


 ビキッ、ビキッ、ビキッ、ビキッ……!


 何故、ライオンが興奮しているのかは分からない。
 だが、僅かながらに推測できる事は、食欲が性欲と重なったのであろう、という事だ。
 ライオンは唾液でベトベトにコーティングされた舌を出し、既にライオンの胃袋に収まる覚悟を決めているチーターの頬を横から撫でた。


ライオン「フーッ、フーッ……ブフーッ………」ザリィ………


チーター「ふっ………!」ビクッ……!


 舐められるという初めてでくすぐったい感覚に、チーターは震える。
 彼らは、互いに毛づくろいをしたことが無かった。
 一度チーターを食べかけたライオンにとって、その行為はチーターに教えたく無いものだったのだ。

 ごめん、ちょっと続くで。
 獣姦BLが好きくない人は見るのよした方がええで。

 まだ質問は受け付けてるでよ。

ライオン「グルルルッ………グルッ………」ザリィ……ジョリィ………


チーター「く……ふ、ぅっ……………」ピクッ、ピクビクッ!


 まるで味見をするように、ライオンは何度も何度もチーターの身体を舐める。
 耳、うなじ、背。
 その位置は、徐々に下がっていった。
 ある位置まで下がった時、チーターの脳に何かが迸った。


チーター「はぁっ…っぅ、ああっ………!」ビクッビククンッ!


チーター(あっ? なに、こ、れぇ……力が、抜けて変……に…)


 ライオンに尻尾の付け根を舐められたチーターは、またしても初めての感覚に困惑していた。
 手応えを感じたのか、ライオンは再びチーターの尻尾の付け根を舐める。


チーター「んふぁっ!? 父さっ……やめっ、そこっ……!」ビックンッ!

 ライオンはジョリジョリと毛づくろいでもするように、何度も何度もその性感帯を舐める。
 チーターは後ろ足を伸ばし、尻を上げ、経験したことのない不思議な感覚に持て余される。


チーター「んふぁ……ん、は……んふっ……♡」


ライオン「グルルルゥ……ゴルルゥ……」


 じょり、ジョリィ……ざりりっ、ざら……


 ビクッ、ビクッ……ピクッ、ビクッ♡


 チーターの声に、明らかな色がつき始める。
 まだチーターは自身が感じていることに気づいていない。
 知りもしないのだから、仕方がないのかもしれない。


チーター(はぁ……なに、これぇ……やめて、よぉ……はぁっ、はぁっ……)

 チーターの股間から、ライオンと同じように赤いペニスが頭を見せた。
 チーターが感じたのを、身体が交尾の準備を始めていると認知したのだ。
 それは一舐めされるたびにピクピクと脈打ちながら大きくなっていき、最大まで大きくなった頃にはチーターの表情もとろけていた。
 その先っぽからは、たらりと細い我慢汁が垂れている。


チーター「あっ……♡ んっ、う……♡」ビクンッ、ビクンッ♡


チーター(ど、どう、して……僕のおちんちん、どうなっちゃってるの……? 見えない……)


 ライオンが舐めるのを止めた。


チーター「ああ、止めないでっ……父さぁん……♡ はぁっ、はぁっ………♡」


ライオン「グルウルルルル……ゴルルッ…………♡」

 寝るで。

 いつのまにか、ライオンに性感帯である尻尾の付け根を舐められる事を懇願しているチーターは、頭を抑え付けられながらフリフリと誘うように尻を振っていた。
 うねんうねんと尻尾を踊らせ、ライオンに舐められたいと尻が踊る。
 しかし、既に舐めるなどと言う行為は、ライオンの頭から消え去っていた。
 ライオンが次の行為に移行するため、チーターに覆い被さるような形になる。
 その体制は、完全にライオンの交尾の体制であった。


チーター「え……父さん……何か、お尻にあたって………」


 自分の尻に当たる異物に、チーターの思考が一瞬凍結する。
 ライオンが腰を引き、チーターのライオンとは比べるまでもないほど小柄で華奢な尻に、狙いを定めた。


ライオン「グルゥウウ……♡♡♡」


 ドチュンッ


 そして、チーターは貫かれた。
 一気に、根元まで入れられて。


チーター「あっ……が?」

 ひたひたに垂れていた先走り汁の為か、それはスムーズに根元まで入った。
 しかしペニスの荒々しい棘が、肉壁をえぐる。
 激痛がチーターを襲った。


チーター「あぁ、あっ、痛いっ! いだいだいいだいいだいぃいいぃぃいぃっ!! どうざんっ、やめ、い゛っ……!」


 言葉はもう、ライオンの耳には届かない。
 ライオンが気持ちよさそうに身体を震わせ、ピストンを始める。


チーター「えぁっ、あがあっ! ぐぅう、ううっ、ハァッ、いっ! ぐあう、えぇう、ええっ、ぐすっ、ええええぇええ……いだい、いだいよぉっ……!」


ライオン「グルッ♡ ウルルルルグッ、グフゥ♡♡ ハァ、ハァッ♡ グルウッ♡」


 ズチュッ! ドチュッ! ズバンッ! ズバンッ!


チーター「あがぁ……うえぇええ……」


 チーターが泣き叫ぶ事もつゆ知らず。
 ライオンは一方的に、激しく快楽を求め続けた。
 愛汁というものが存在しない交尾は、貫かれる方にとって、非常に痛いものであった。

 本能のまま、性が叫ぶまま、ライオンは腰を振り続けた。
 ある時、それは急激に激しくなった。


 バチュンッ! ドヂュッ! ゴリュウウッ!


チーター「ああっ、あぐ……あう、え……ごっ………お………」


ライオン「グルルルルゥ♡ グフーッ♡ グフーッ♡ ガオオオオオオッ♡」


 ゴチュッ!!!


チーター「おえ………」


 そしてライオンは、一方的な快楽の結果をチーターの中に吐き出した。

 ドボボボボボッ、ドボッ、ドビュルビュルビュルビュル……ッ♡


チーター「ああああああっ!? んあああああああああっ!?」


ライオン「グフーッ♡ グフーッ♡ ブフッ♡ ハァッ、ハァッ……」


 確実にメスを孕ませる為の大量の精液が、チーターの腸内に満ちる。
 ライオンは快楽に顔を歪めた。
 そして腹のなかに大量の精液を吐き出されるというのは、チーターにとっても悪い感覚では無かった。
 むしろ、激しい快楽を、チーターに与えた。


 ビュググググッ♡ ドビュルッ、ビュッ♡


チーター「お、おおおおっ……♡ あ、おぉ………♡」


 目の焦点は合わず、舌をだらけなく垂らし、射精される快楽に溺れ……
 もはやそれは、メスの顔だった。

チーター「おっ………おおおおっ………♡………あへ、ぇ………♡」


 再び、ライオンはピストンを始める。
 しかし、先程と違うのは一度精液が吐き出された事。
 それはペニスと肉壁の摩擦を減らし、トゲの激痛を和らげた。
 激痛が和らぎ、快楽がそれに勝り始めた。


 バチュッ、バチュッ、バスッ、ドチュッ♡


チーター「おっ、んっ♡ んは、う、えへ♡ ええぇう、んぉ♡♡♡」


ライオン「グルルルゥ♡ ガオオ♡ ガウッ、ガウッ♡♡」


 それこそまさに交尾であった。
 一匹のオスと、一匹のメスが、互いに快楽を求めあい、愛を貪りあい、そして尾を絡めあい。
 交尾以外の何とも、言いようが無かった。

 ライオンがひと突きするごとに、チーターのペニスからもボタボタと精液が垂れる。
 岩穴の床は、既ににひきの精液で濡れまくっていた。


チーター「おおおぉおっ♡ んひいぃっ♡ ひぎっ、ぎぃいいぃ♡」


ライオン「グオッ♡ グールルルッ♡ グルオォォオオンッ♡」


 バチュンッ、ドチュッ、ドボチュッ、バチュッ♡!


 再びライオンのピストンが激しくなる。
 射精が近づいたのだ。


チーター「んぎぃいぃっ♡ んっほぉおおぉっ♡」


 チーターが射精を、もう一度快楽を求める為に、腰をひねる。
 ぐり、ぐりとペニスを奥までねじ込むように。


ライオン「グルウッ♡ グルオオオオッ♡ グオッ、グオッ♡ グオオオオオオッ♡」


 ライオンがそれに答えるように、雄叫びをあげた。
 サバンナ中に響き渡るような巨大な咆哮。
 ライオンは、果てた。

 バビュッ! ドビュルッ! ボビュッボビュッボビュウウウウウウウウウウッ♡♡♡


チーター「ぁぁぁあああぁぁあぁあぁ♡♡ とおさっ、とおさあぁぁぁあぁぁぁあぁんっ♡♡♡」


ライオン「グフーッ、グフッ♡ ガオオオオオオッ♡」


 何度もピストンをしながら、自身の睾丸からチーターの腸内に精液を送り込む。
 ドピュッ、とチーターも同時に射精をし、地面に精液が叩きつけられる。
 チーターのスリムな腹はゴボゴボと膨らみ、まるで妊娠したかのようになっていった。
 それでもなお足りないと、ライオンは未だ止まらぬ精子の流れをピストンしながらチーターの中にねじ込んだ。

 ちょっとつぎの更新まで待ってな。
 夕方くらいや。

 そこから約30ページに渡って熱くチーターとライオンの交尾が描かれるが、割愛。



 ◆◇◆◇◆





 ゴボッ、ゴビュウッ♡ ドボボボッ……ドビュッ、ボビュグゥ♡


チーター「はぁっ、はぁっ♡ んぁ……はぁ………♡」


 チーターはほとんど白目を向きながら、後ろ脚をガクガクと痙攣している。
 もう意識を繋げるのが精一杯といったようで、時々腰の力が抜けている。


ライオン「グフゥ……フゥッ……グ……♡」


 そこでようやく、ライオンの動きが止まった。
 精液を出し切ったようだ。
 ライオンはため息を吐き、ゆっくりとペニスを引き抜いた。
 ゴリュゴリュとトゲがチーターの肉壁を刺激しながら引き抜かれる。


チーター「あ、あ……ぐ……♡」


 ガクッと腰を落とし、衝撃で尻穴から精液が溢れ出した。
 そして、その刺激がトドメになったように、チーターは意識を手放した。


チーター「あへぇ………♡♡」カクンッ


 どぷっ……


 ◆◇◆◇◆

チーター「……………ん…ふ……?」パチッ


ライオン「目が、覚めたか……?」


チーター「あ………父さん………」ゴプッ


チーター「んっ………」トロ~……


ライオン「………すまない、息子よ」


ライオン「あんな、本能のままお前を犯すなんて………」


チーター「…………」


チーター「いいよ………」


チーター「それに………食べたの? ウサギ………?」


ライオン「ああ………なぜか、食えた……」


チーター「じゃあ、呪い、無くなったんだね……」


ライオン「………美味かったぞ」


チーター「よかった………♡」

ライオン「………息子よ」


チーター「………何ですか、父さん」


ライオン「俺と、番(つがい)になってくれるか?」


チーター「番……?」


ライオン「そうだ……なってくれるか?」


チーター「僕は、オスですが……父さん、良いんですか?」


ライオン「お前さえ、良ければ………」


チーター「…………」


チーター「良いですよ、父さん」ニコッ……


チーター「僕と、番になってください………♡」


ライオン「ああ…………」

 ◆◇数か月後◇◆







ライオン「ただいま」ドサッ


チーター「ありがと、父さん」


ライオン「ああ、動かなくて良い。俺が噛んで切り分けるから」ミチッ、ブチッ


チーター「ごめんね、ここ最近ずっとご飯任せちゃって」


ライオン「いや、心配無い」


ライオン「お前はいま腹に子供がいるんだから、無茶しなくていい」


ライオン「俺に、無茶させてくれ」

バットマンも孕めるし問題ない

 >>729
 すまん、元ネタ教えてくれ。

 生命の神秘か、超自然現象か。
 子宮も無いのにどこで育っているのか?
 どこから生まれるのか?
 種族が違うから妊娠しないのではないか?
 そもそも卵子も無いのに、なぜ受精をしたのか?




 そんな人間の疑問は、今の彼らには意味をなさない。
 ありえるはずの無い超自然の現象も、彼らにとっては幸せの一つでしか無い。
 チーターは子を産む一匹の母親として。
 ライオンは家族を守る立派な父親として。
 これから、生きていくだろう。




 彼らは、互いに微笑んだ。




 めでたし、めでたし。
 

 間違えた。
 >>749
 これの元ネタを教えて欲しかったんやで。

「バットマン 妊娠」あたりで検索すると膨れたお腹を愛おしそうにさするバットマンとそのお腹に耳を澄ますスーパーマンとかいう理解を超えた画像がヒットする
海外のファンアートらしい

 >>753
 うん、調べたで。
 なんとも言えない感覚に陥ったで……

オパビー「スーパーマンって彼女持ちやったような………」


オパビー「と、ともかくまあ、この『子獅眩い』を読んだ上でアンリミテッドなパトリシアのカップリング語りをどぞ」

パトリシア「それならやっぱり………」


パトリシア「ライオン×チーターですね」


ユタ「ちょ、パトリシア!?」


ユタ「おい、お前、パトリシアに何をし……」


オパビー「『ビーム』」


ユタ「興味深いな。もっと聞かせてくれ」

パトリシア「そうですね。ライオン×チーターで一番いいと思うのはやはり同じネコ科である事ですね。種族として近いながらも、体格差が違うため、そのギャップから様々なシチュエーションが作れます。ライオン×チーターはいくつか描いてますが、やはりその中でも『子獅眩い』が一番好きですね。その中ではライオンが父親としてチーターを育てていたという設定にしました。ちょっとあの呪いというか、トラウマの設定はもう少しどうにか出来たと思うんですが、割と人気が高かったみたいで良かったです。まあ人気のために描いてる訳じゃ無いんですけどね。話は戻りますが、ネコ科だとやっぱり荒々しい交尾が見どころですかね。実際はそんなこと無いんですが、イヌ科の栓のようなロックと違いネコ科はトゲトゲの返しが付いていますからゴリゴリと肉壁を抉るような激しい交尾が描けるんですね。それに、ライオンとチーターは体格差がありますから。どちらも筋肉質ですが、人間で言えばゴリマッチョと細マッチョのような感じですね。チーターも筋肉はあるのですが、ライオンと並べると少女のような華奢感がでて本来とは違うような描き方が出来ますね。大きく広く強そうな背中を見せながら華奢なチーターを種付けプレスしているのは描きがいがあります。上からドリルで岩盤を貫くようにこうどちゅそちゅと付いて、それに目に涙を浮かべながらチーターがトコロテンするのもとても良いです。あとやっぱりチーターはお腹が細いですから、ライオンの質量のある性器をねじ込まれたらそのままの形で膨らむんですよ。まあ現実ではありませんが。曲線のある細い身体に性器をねじ込んで歪ませるのって、やっぱり興奮するんですよね。そして、射精。ゴボゴボと音を立てながら、まるで妊娠したように身体の芯から染まる感じがまたいいんです。時々口から逆流させたりするのも良きですね。あと、どう見てもライオンとチーターって性格が違いますよね。身体的にも得意分野が違います。だから致した後は互いの短所を補い合いながら夫婦生活を営むのも尊いです」

ユタ「ふむふむ」


ルイ「……ええ……」


アテナ「しゃせーとかせーえきとか、どういう意味だ?」


その他全員「…………」(引き)


オパビー「めっちゃ長文やね………書くの疲れた」

オパビー「あ、二番目のカップリングについて話し始めた」


オパビー「ほっとこ」


オパビー「で、長らく待たせたで」


 >>701


オパビー「ふむ、お応えするで」


オパビー「ワイの世界では一部例外を除いて寿命はみんな仲良しや」


オパビー「エルフでも行って120歳くらい」


オパビー「しかし、爬虫類の寿命は長い長い」


オパビー「例えばドラゴンとか、さっき言ってた亀の貴族とかやな」


オパビー「ドラゴン200歳、龍人は130歳、亀とかの一族は200~400歳くらいやで」


オパビー「たしかにリカアルの事件知ってる奴十数人いそー」


オパビー「ちょっと考えが甘かったやね」


オパビー「まあ、それはワイやし、ガバガバなところは許して」

オパビー「さーて、ここに来て質問とかリクエストが無くなったで」


オパビー「おまいら、特に聞くこととかリクエストは無いんか」


オパビー「ほら、アテナのこととか、ほらほら、アテナの事とか」


オパビー「まあべつにアテナ以外の事でも良いで」


オパビー「あと完全に描写し忘れてた事が一つあるやが、トキが王になってユタが側近についた後は、奴隷制度の改正を行ったんや」


オパビー「せめていつの日か見たあの奴隷市場のような光景を、二度と見ない為に」


オパビー「ジャパンの奴隷市場のように上下水道完備したり、予防接種したり」


オパビー「努力のかいあって五年でめっちゃ綺麗になったで」

えーと聞いていいのかな…
アテナ、誰狙いだったん?

 >>762
 言っといてすまん。
 寝るで、また明日。

オパビー(答えを知ってるワイ)「ここはあえて『正直にお答えビーム』を打たずに聞いてみるか」


オパビー「なあなあアテナ」


アテナ「ん? なんだ?」


オパビー「君が好きな相手って誰なん?」


アテナ「ん、ぐっ!?」


アテナ「き、きさ、貴様。なななななぜそんな事を知って……!」


ユタ「ああ、私からも聞いてみたいと思ってた。いつもアテナ教えてくれないじゃないか」


ユタ「サンジェルマンとメイドは何かを知ってそうだけど………」


アテナ「お、おおおおおおおおおお教えるわけ無いだろう!」


アテナ「だだだだだだい、だいたい、なんでお主らに教える必要があるんだ!」


ユタ(最初の頃のパトリシアみたいだな………)





 どうやら答えてくれなそう………
 どうやって答えさすか。

 安価やで。

 >>下

オパビー「せやな」


オパビー「せやったら、もし君の思いびとを言ってくれたら、何でも願いを叶えるで」


アテナ「む? そそ、それは本当か?」


オパビー「ユタが」


ユタ「は!?」


オパビー(ここは話を合わせるんや。ユタだってアテナの思いびとは知りたいやろ?)ヒソヒソ


ユタ(いや、知りたいが、ここまでリスクを負ってまでは知りたくないな……)ヒソヒソ


アテナ「言う!」


ユタ「言うのか!」

オパビー「ではどうぞ」


アテナ「今か?」


オパビー「うん。みんなに聞こえるような大きい声で頼むで」


アテナ「大きい声で……? 耳打ちでは……」


オパビー「ダメや」


アテナ「…………うう………」モジモジ……

アテナ「ほ、本当に何でも叶えてくれるのか……?」


ユタ「あ、ああ。何でも」


何かを察したパトリシア「…………」ジト


ユタ(なんかパトリシアが凄く見てくるんだが)


ユタ(急に不安になってきた)


オパビー「さーん、にー………」


ルイ「あ、カウントダウンが始まった」


アテナ「それどころかもう終わりそうでは無いかっ!?」


オパビー「いーち……」


アテナ「ま、待て、貴様! きき、貴様待てっ!!」


オパビー「ぜろ! はいどうぞ」


アテナ「あ……あうう………」モジモジ


アテナ「……そ…その………」チラッ


ユタ「ん?」


アテナ「…………タ………」ボソ……

アテナ「……………うぅ……」ボロボロボロッ


ユタ「アテナ!?」


オパビー「えっ!?」


アテナ「やはり、言えぬぅぅぅ………ううううぅ………」ボロッ、グスッ


オパビー「え、あっ、ごめん! ごめんって!」オロオロ


ユタ「やっぱり無理に言わせるべきじゃ無かったな………」


ユタ「すまないアテナ。大丈夫か?」ハンカチスッ


アテナ「ううう、ユタァァァァ………グスッ」フキフキ……


オパビー「なんかワイが悪いみたーい………」


アテナ「うううう………」ダキツキーノ


オパビー(体格差がありすぎてアテナのたわわな胸にユタが突っ込んでしまってるでな)


ユタ「おおぅっ………」


ユタ「……ううむ……」ダキカエシーノ


パトリシア「…………」じっとおおおおおお

アテナ「願いごとがぁぁぁ………」ポロポロ


オパビー「泣かないでえ、ワイ女の子が泣いた時どうすればいいか分からんよぉ………」


ルイ「大きいおっぱい……」


完全に察したパトリシア「…………」じとじとじとじと


ユタ「あっ、っと。す、すまないアテナ一回離れてくれ………」


アテナ「ううう………」グスッ


オパビー「言えんかったなら仕方がないで……じゃあ次の質問」


ユタ(アテナの思いびとも願い事も気になるが、まあ仕方がない)


アテナ「言えなかった………うう、ぐすっ」


ルイ「アテナもうメソメソしない」


どこかホッとしたパトリシア「そうですよ」


アテナ「ぐすっ、ずずっ……本人の前で言うなんて、無理に決まっとろうが………」グスッ

オパビー「………………ん?」


ユタ「え?」


全員「………え?」


あちゃーっとしてるパトリシア「…………やっぱり、ですか………」


アテナ「………え? お主ら、どうし………た…………………」


アテナ「あ」

ユタ「マジで?」


アテナ「あ、あああ、あああああ…………」


ルイ「じゃあアテナが好きな人ってユタ?」


アテナ「言うな貴様ああああああああああ///////!!!!!」


アテナ「ま、まだっ、まだギリギリ誤魔化せたかもしれんというのにいいいっ!!」ポカポカ


オパビー「いや無理無理無理無理」ブンブン


ルイ「あ、痛っ、痛いって! ていうかそれも言わなければよかったじゃん!」


アテナ「あ……」

パトリシア「ハァ………」


オパビー「で、ユタ。結局アテナのこのカミングアウトについてどう思う?」


ユタ「いや、急なことすぎて、正直驚いている………」


パトリシア「私は最近怪しいと思っていました」


ユタ「サンジェルマンとかの様子がおかしかったのはこれのことかあ……」


ユタ「鈍感だったの私だけ?」


ルイ「私も」


ユタ「うううううん………」


ユタ「………アテナ」


アテナ「うっ……な、ななな、なん、だ?」キョドキョド


ユタ「>>下」

ユタ「すまない………君の気持ちは受け取れない」


アテナ「え……」


ユタ「本当にすまない」


アテナ「そ、んな………な、ぜ…………」ポロ……ポロポロッ


アテナ「うええ、うぇっ……あぁ、ああああっ……!」


ユタ「……………」


ルイ「振っちゃうの……?」


パトリシア「………理由を聞きましょうか。女を振るには、相応な理由がなければいけませんよ」


オパビー(ワイの知らんところに話が行ってる)


ユタ「>>下」

まだ安価募集している感じ?
>>778のルイとパトリシア大切だからと自分に3人を愛する器があるのか不安

 >>779
 それで行くで。
 今日はお休みや。

ユタ「私は、アテナの事を本当の家族のように思っている」


ユタ「子守も、料理も上手いし、もしアテナが意中としている誰かを伴侶としたなら、それはそれは良い夫婦になるだろうとも思っていた」


ユタ「………しかし残念ながら、私はアテナに愛人だとか、そう言った感情を持った事が無い」


ユタ「それは……わかってくれるな?」


ユタ「でも、嫌いという事じゃ無いということも、理解して欲しい」


アテナ「ひぐっ、ぐすんっ……」コクリ……


ユタ「私は、ルイとパトリシアの事を、愛し、誰よりもとても大切に思っているんだ」


ユタ「もしアテナの思いを受け止めたとしても、私に三人を愛し切れる器があるか不安なんだ」


ユタ「…………だから………申し訳ないが、私なんかでは、アテナを幸せに出来ないと思う……」


アテナ「うぅぅう………うう、ぁぁああ……」ぼろっ、ボロボロボロッ……!


パトリシア「よしよし……」ぎゅっ(女神の抱擁)


アテナ「うううう、ぅぅうぅぅ……ぁあっ、ひぐっ………」ぎゅっ


パトリシア「酷い人ですね……」ナデナデ


ルイ「ねー」


ユタ「……………」


ユタ(こうは言ったものの……恐らく、パトリシアとルイに説得されるだろうな………)


ユタ(…………幸せにする、か……)


ユタ(よく考えて見れば、よっぽど振った方が、アテナにとっては不幸だな)

パトリシア「………前に私が言った事、覚えていますか?」


パトリシア「五年前、ルイ(五年経った事で呼び方が変わったで)があなたの事を愛しているという話を私が聞いた時」


パトリシア「あなたが、私と接する時間が半分になるんじゃないか? そうなれば私が不満を持つのではないか、と不安を漏らした時」


パトリシア「私は、こう言ったんです」


パトリシア「『愛は半分にはなりません。むしろ、養えば養うほど、増えるものなんですよ』……って」


アテナ「え………?」


パトリシア「考えても見てください」


パトリシア「サンジェルマンの妻であるあのメイドの三人が、不幸に見えますか?」


パトリシア「子が生まれる時は互いに祝福しあって……幸せそうでしょ?」


ユタ「………そう、だよな………」


ユタ「…………………」


ユタ「……………4p………体力………」ボソッ


パトリシア「何か?」


ユタ「いや、なんでもない………」


ユタ「…………ルイの時も聞いたが……本当に良いのか? ルイも、良いのか?」


パトリシア「私は全然構いませんよ。むしろ、アテナの願いが叶うと思えば、嬉しいですもの」


パトリシア「それに、アテナとの距離も近くなりますし、ね」


ルイ「良いよ!」


アテナ「お……お主ら………ぐすっ…………」


ユタ(…………アテナも、可愛いな)


ユタ(妻が三人か……………)


ユタ(……………………それもまた、良いかもな………)


ユタ「>>下」

ユタ「さっきは、幸せに出来ないだなんて、酷い事を言って、済まなかった……」


ユタ「幸せに出来る出来ないじゃない。私が、幸せにしなければいけなかったんだ」


ユタ「だから、アテナ。君を幸せにする」


アテナ「ひっぐ……ひっぐ………!」


ユタ「こんな私で良いのなら、妻になってくれないか?」


アテナ「ああっ、ひぐ、えああっ……!」


アテナ「もちろんだぁぁあぁああぁ! 喜んでえぇぇえぇえ!」だきっ!


ユタ「おぶうっ!」オパイボフッ!


パトリシア「むう……あの大きさは驚異ですね………」ヒソヒソ


ルイ「そだね。私たちも頑張んないと……」ヒソヒソ


オパビー「めでたしめでたし………」


オパビー(と言いたいところなんやが………)

アテナ「ユタアァァァ………ユタアアアアア………!」


ユタ「アテナ……そこまで私を……」ナデナデ


パトリシア「私が調べたところによると、胸を大きくするためには…………」ヒソヒソ………


ルイ「私ドラゴンなんだけど………」ごにょごにょ………


ヒラナリ「今目の前でカップルが成立した……しかも三人目とは、あの男やるな……」


マオ「あなた変な対抗心燃やさなくて良いですからね。私だけを見てください」


ヒラナリ「わーてるって。言われなくても俺はお前だけだよ」


マオ「もう………/// 今夜は背中によろしくお願いしますね………♡」


ウグイス「あなた、私も撫でてください」


シラサギ「私もぉ」


ハガネ「わかったわかった」ナデナデナデーン


ウグイス「えへへへぇ……」


シラサギ「んふっ………///」ピクピクッ


オパビー(アテナ幸せそうやなぁ………)


オパビー(今は、言わない方がええやろなあ……)


オパビー(せめて今だけは、幸せに浸らせてあげたほうが、ええな)

オパビー(……この集会が終わったら、その間の記憶は消えるんやで)

アテナ「ユタァ………」デロデロ


ユタ「どうした? なにか、言いたい事でもあるのか? とりあえず鼻水をどうにかしろ」スッ


アテナ「チーン!」


ユタ「で、なんだ?」ナデナデ


アテナ「願い事………」


ユタ「……………あ」


アテナ「今『あ』って言いおったな!? 完全に忘れとったろ!」


ユタ「い、いやいや。ちゃんと覚えてたよ」ダラダラ


アテナ「本当だろうな……」ジト……


ユタ「うん」


アテナ「………まあ、よい………」グスッ


アテナ「…………本当に、なんでも叶えてくれるんだろうな?」


ユタ「まあ、言ったのはそこの人だけど、私に出来る事ならなんでも………」


アテナ「『なんでも』、だな?」


ユタ(何言われるんだろう)ダラダラ


アテナ「……じゃ、じゃあ、遠慮なく………ズズッ………」


 アテナの願い>>下

アテナ「そ、その………」


アテナ「い、1日、デートしてくれないかのう………?」


ユタ(よかった…! アテナが純粋のままで良かった!)


ユタ「勿論いいぞ。パトリシアもルイもそれならいいだろ?」


ルイ「良いよ!」


パトリシア「良かったですね(エロいのじゃ無くて)」


ユタ(うん本当に良かったな)


アテナ「…………!」キラキラ


アテナ「えへへ……えへへへ………(о´∀`о)」によによ


ユタ「ふふふ………」


他全員「」ホホエマシーヌ


オパビー(甘い。口から砂糖が流れ出て家の砂糖代が浮くほど甘い)


オパビー(それだけに………)


オパビー(胸が痛い! 今リアルにめちゃくちゃ胸が痛い!)


オパビー(記憶消えるのにこの甘さはめちゃくちゃ痛い!)


オパビー(………大丈夫やで)


オパビー(一応救済処置は考えてあるやが………)


オパビー(それでも胸が痛い!)


オパビー(ハァ………)


オパビー(すまぬ、アテナ………)

オパビー「じゃあ今度こそ次の質問やリクエスト受け付けるで」


オパビー「あと二、三個くらいで切り上げよか」


オパビー「あととてつもなくどうでもいいことやが、パトリシアに関して誰の記憶も消してへんから純粋な数人を抜いたこの場にいる全員のパトリシアに対する認識は獣姦BLのカップリングについて熱弁した変態って認識になってるでな」


オパビー「じゃ、質問リクエスト受け付け中~、やで」

シラサギが抜け駆け?しかけた後、翌日には話し合い済だったり抜かりない状態になってたけど、あの辺り実際裏ではどういう動きだったのかはちょっと気になる。
あとあのまま致してたらのIFもちょっと気になる。

 >>791


オパビー「なるほど。ifの世界線か」


オパビー「それはエロも交えて書いてみるで」


オパビー「シラサギが抜け駆けした翌朝の事やが、完全に説明不足やったな」


オパビー「ハガネとシラサギは、あの朝何事もなかったかのように過ごしたんやで」


オパビー「だから、スムーズに話が進んでいたのは話し合いがあったとかじゃなくて、ウグイスが知らなかっただけや」


オパビー「そんな感じやで」

オパビー「という訳でハガネ、ウグイス、シラサギ」


ハガネ「なんだ」


ウグイス「はぁい?」


シラサギ「どうされました?」


オパビー「『あの頃を思い出して ~メモリアル分岐セックスのお時間ですよ~ ビーム』」

 ◆◇◆◇◆


 月光の降り注ぐとある家。





ハガネ「………はっ……!」


ウグイス「ここは……?」


シラサギ「見た事があるような………」


オパビー「さて」ストン


オパビー「ここはみんなの思い出が深い場所やで」


オパビー「覚えてないやか?」


シラサギ「………あ!」


ハガネ「どうした?」


シラサギ「ここ、私たちの家ですよ!」


ウグイス「…………江戸にいた頃の………?」


ハガネ「言われてみれば………そうだな」


ハガネ「蚊帳も、あの頃使っていた布団も……なぜ………」


オパビー「これからみんなにはもう一度温泉旅行の前日の夜と当日の少しを過ごしてもらうでー」


ハガネ「前日の夜だと?」


ハガネ「何が目的だ?」


オパビー「あー、覚えてへんかな……」


オパビー「ほら、押し倒してチュッチュって………」


ハガネ「……!」


シラサギ「あっ……!」


ウグイス「え……?」


オパビー「無事、思い出せたようやな」


オパビー「じゃあ、記憶も姿も、当時の情報に戻すで~」


ウグイス「ちょっと待って! せめて何があったのか……」


オパビー「『もしかしたらキャラとかセルフが違っておかしくなるかもしれんがまあ善処するし許しとくれビーム』」





 ぱひゅーん

 俺は暑さで目が覚めた。
 なにやら身体の右半分が妙に触り心地のいいものに包まれている。
 右手を動かすと、ふわっとその物体が動く。
 なんだこれは。


 ぷにっ


 ぷに?
 柔らかい部分も有るぞ?
 これはいったいどういう……………


シラサギ「んぅ………」


 ………………シラサギ?
 なぜ、シラサギが俺の布団で寝ている。
 しかも全裸だ。
 おいちょっと待て、シラサギ。
 どういうことだ。


シラサギ「んむぅ…………はがねさまぁ…………」


 しかも俺の夢を見ているのか。
 さて、困った事態になったぞ。
 この現場をウグイスに見られれば勘違い待ったなしだ。
 かといって起こすのも良い手段とは言えない。
 よし、シラサギを動かすのは危険だ。
 俺が布団から出よう。
 俺は自分の上に被せられている羽を摘まみ、そっとよけた。
 そしてそっと布団から出っ…………


シラサギ「鋼様…………?」


 シラサギが俺の名を呼んだ。
 ゆっくりそっとシラサギの方に頭を向ける。
 また、寝言なのか、それとも………


 ぱっちりと開かれた目が、俺の視線とかち合った。


シラサギ「鋼様」


 起こして、しまった………


俺「待て、俺は何もしていない」


 昨日、寝る前に酒は飲まなかったか?
 いや。
 もしくはどこかの間で起きて酒でものんだか?
 いや。
 下着は塗れているか?
 いや。
 よし、俺は無罪だ。
 それをシラサギが認めてくれるかどうかだが…………
 本当に俺は無実なんだ。


シラサギ「………………」


 シラサギは目をこすり、身体を起こした。


シラサギ「…………わかっています」


 良かった………
 やはりどうにかして寝ぼけたシラサギが素っ裸のまま俺の布団の中に潜り込んでしまったのだろう。
 その時雲の隙間から月明かりが差し込み、シラサギの裸体を暗闇の中に写し出す。
 青白い光を反射させるその肌は、白く綺麗だった。

シラサギ「でも…………」


 青白い光の中、シラサギが微笑む。


シラサギ「鋼様にだったら、私、なにされてもいいです…………」


 馬鹿な事を、と言おうとしたが、月明かりに照らされ光るシラサギを見て、思わず喉を鳴らしてしまった。
 片翼の天使は、それほどまでに美しかった。

 きらきらとした羽を輝かせ、静かにそこに佇むシラサギ。
 目を、離せない。


俺「ふ……ぅう………!」


 気がついたら、俺は彼女を押し倒し、口づけをしていた。


シラサギ「んっ………んんっ……………………♡」


 羽をバタバタさせながら、シラサギが色香のある声を出す。
 シラサギの唇を舐め、濡らす。


俺「はぁ………はぁ…………」


 熱い。
 俺も、シラサギも、あり得ないほど体温が高くなっている。


 どんな流れでエッチするか>>順番に下3つ(今度は不可避)

 最後は事後の状況も含めてくれれば良し。

対面座位からそのままシラサギが下に
だいしゅきホールドでフィニッシュするけどいつまでもホールドを解除してくれない

ところでリクエストって募集中って書かれてるタイミング以外で投げちゃダメです?
中々タイミングが合わなくて

 >>800
 全然大丈夫やで。
 あと二個くらい質問とか受けたら終わりにするで。

質問というか知りたいことだけど、ヒラナリ編とユタ編の最初に選ばれなかった奴隷二人のその後は知りたいな ハガネ編の選ばれなかった奴隷二人は番外編で補完されたけど

 >>802
 おh……
 超絶長くかかりそうやな。
 まあ、リクエストだし、書ききっちゃるでな。
 4人分だと次のスレまで続くから、ちょっとそのリクエストは後回しにするで。
 次の質問、リクエストで最後~。

>>801ありがとうございます

人数が人数な上エロにはならないんだけど子供たちのその後(思春期や反抗期とか10~20代辺り)が見てみたい
特にアリシアとかは両親どちらとも種族から違うからひと悶着なドラマがありそうで是非みたい

 >>804-805
 だあいじょうぶ!

 がんばるぅ………ヽ(;▽;)

 もお流石にリクエストしゅーりょー。
 長いの二個来たからな。

 再開するで。

 イヤ……ダメだ……
 このまま手を出せば………ウグイスを裏切る事になる…………
 例え、合意の上であったとしても………妹に近しい存在を俺が抱いたとなれば、どんな気持ちになるか………
 ウグイスは、俺を見放すだろうな……
 そんなふうにいけない事だと分かっていても、俺の身体は反応してしまっている。
 ダメだ……
 収まってくれ………!


シラサギ「ん………鋼様………もう、こんなに……♡」


俺「………く……ぅ……」


 しかし、俺の精神力をもってしてもそこは鎮める事は出来ず、そのままシラサギにバレてしまった。
 鬼の一族特有の巨根が袴を突き上げ、碑を建てている。
 シラサギは俺と深く口付けしながら、片翼で俺の身体を抱きしめる。
 布越しにシラサギの腹に男根を押し付けながら、俺は情けないながらされるがままになってしまった。


俺「ハァッ………だ、ダメ……だ……シラ……サギ……………」

シラサギ「…………ん……ふ……♡」


 俺のはち切れんばかりの内なる欲望を、シラサギが更に増幅させる。
 プニ、プニィとシラサギの年の割に大きい胸が俺の胸に押し付けられる。
 シラサギが、押し付けて来ているのだ。
 とても必死にくねくねと動いて、俺を興奮させてくる。


シラサギ「鋼様………好き、です……抱いて、欲しいんです………! 抱いて、ください………♡」


俺「>>下」

 もう、俺の欲望は、俺自身ですら止められやしない。
 それに、もう止めたくもない。
 シラサギの言葉が、俺の最後のタガを、弾き飛ばした。
 止めるという選択肢は、もう、存在「していない」。
 彼女の全てを受け入れ、俺のものにしよう。


俺「俺も、お前を抱きたい……!」


 俺はそう言い、彼女の唇を再び奪った。
 まるで長い間封じられていた、溶岩が溜まりに溜まった火山のように、俺の男根は、熱くたぎっていた。


シラサギ「はあぁ、あふぅ……ん……♡」


 シラサギは、実に艶かしい声を上げている。
 同じ屋根の下にウグイスもいる為か、なるべく抑えるようにシラサギは喘いでいる。
 俺の硬い胸板には、未だシラサギの柔らかい胸の感触が押し付けられている。
 たまらない……
 俺は身体をずらし、その乳を優しく舐める。
 少し塩辛く、甘い、シラサギの味。


シラサギ「んっ……んぁっ、あひぃっ………♡」


 ピクッ、ピクピクッ、と一舐めするごとにシラサギの羽と身体が跳ねる。

 俺は自分の寝巻きを脱ぎ、上裸になった。
 鍛え上げた岩のような胸筋があらわになる。


シラサギ「ああ……これが………私を救ってくれた身体………♡ 本当に、硬い……♡」


 関心したように、シラサギが俺の胸に触れ、撫でる。


俺「ああ……ただ、強くなる為に、鍛え続けたんだ………でも、今はお前達を守る為にある………」


 俺がシラサギの頭を撫でながらそういうと、シラサギは嬉しそうに頷いた。


シラサギ「本当に、嬉しかったです……ある日、突然ゑるふの町奉行の人に解放されて……私、あそこで死ぬんだって思っていたのに……怖かった……犯され続けて………ご飯も、無くて……ずっと、怖かった………ハァッ……ゼハッ……ぜひっ……!」


 目に恐怖の色を浮かべ、シラサギが息を荒くする。
 明らかに正常じゃない息づかいだ。


俺「>>下」

 俺はシラサギの頬に手を触れた。
 優しく、恐怖を包み込み、かき消すように。


俺「もう、そんな事は思い出さなくて良い……」


シラサギ「ハッ………ハッ…………ゼェ…ハァ………は、がね………様………」


 シラサギの異常な胸の上下が徐々に緩やかになっていく。
 そして、ポロポロと涙を流す。


シラサギ「ご、ご……ごめんなさい、私……覚悟は、していたのに………ひぐっ………」


 1人の少女は震えて、俺に謝る。
 シラサギも、あんな事が無ければ普通の少女として暮らせていたのだろうか……
 ウグイスと一緒に、今は無き村で。
 俺は過去の強姦魔の恐怖に震えるシラサギを、抱きしめた。


俺「大丈夫だ、シラサギ…………もう、思い出さないように、俺がその記憶を塗り潰してやる………」



シラサギ「鋼様……ぅう、ぐす、ぁぁ………」


 シラサギの翼が、俺の背に回された。
 赤子をなだめるように、俺はその手の平に収まりそうなほど小さい背をさする。

シラサギ「鋼、様……ぁぁ………ぐすっ……じゃあ………塗り潰して下さい……はぁっ……ずず………早く………塗り潰して、欲しいです………」


 そう言って、シラサギが俺から離れた。
 その目は、熱い涙に潤んでいた。


俺「>>下」

俺「ああ………俺の色で、塗り潰す」


 その汚れてしまっている純白の天使の翼を、染め物のように。
 俺の色に、ひたひたに浸して、染めて、二度と元の汚れが見えないように。
 上塗りでもいい。
 ただ、その翼が俺の色に染まれば………


俺「本当にシラサギは俺で………俺なんかで良いのか? まだ初潮も来てないだろう?」


 俺がそう言うと、シラサギは頬を染め、もじ、と股をこすった。


シラサギ「はい。鋼様で……鋼様だいいのです。それに………初潮は、今夜来ました」


俺「…………今夜?」


 おい、時節が過ぎないか。
 しかしそれはただの奇跡では無かったようだ。


シラサギ「鋼様に助けて貰って、ウグイスお姉ちゃんと暮らして………今日の今日まで、もし抱かれるなら鋼様が良いな、と………鋼様のお嫁さんになりたいな、と。想い続けたのです。だからこそ、身体が急いで準備を整えたのかもしれません………」


俺「…………じゃあ、寝ぼけて全裸で俺の布団に来たというのは、ワザとか?」


シラサギ「いえ、それはただ寝ぼけていました」


 なんだよ………
 しかしそれはつまり、無意識下であっても俺に抱かれたいと願っていたのだな。


俺「可愛いヤツだ…………」

 俺はそろそろ本格的に始めようと座った状態のまま履き物を脱ぎ、ふんどしを解いた。


シラサギ「っ…………!」


 バチン! と勢いよく跳ね上がるように俺のチンコが立った。
 人間の成人男性の腕よりも太く長いこのチンコは、鬼族特有のメスを屈服させるための男の象徴だ。
 シラサギはその鬼族のチンコの規格外さに目を見開いている。
 今になって心配になって来たが、これ、シラサギに入るのか……?
 しかし、シラサギの身体が成熟するまでは待てないため、大きさは仕方がないだろう。
 今日だけでなく、数日かけて徐々にに慣らしていけば良い。

 シラサギは俺のチンコにそっと触れた。
 俺は少しからかってやろうとチンコに力を入れた。
 チンコが跳ねる。


シラサギ「ぴゃ!?」


 シラサギも跳ねた。
 まるで小動物のようだ。
 シラサギはゆっくりとそのチンコにもう一度触れ、撫でた。


シラサギ「これが………私の、中に…………ハァ……ハァ…………」


 上下に優しくしごきながら、シラサギがそう呟いた。
 ああ………細く、柔い指の感覚がこそばゆく、きもち良い。

 だが、シラサギがどれだけ取り繕っても、その手は細かく震え、歯は小さくカチカチと鳴っている。
 やはり、男根が怖いのか。
 まあ、シラサギにとっては恐怖そのものであったからな………


俺「>>下」

俺「いきなり、無理はしなくて良いんだぞ?」


 俺は彼女の頬に手を当てた。
 ゆっくりと、恐怖をうち消すように、撫でていく。


俺「ゆっくりで良い………」


シラサギ「はい………鋼様に優しくされて………嬉しいです………でも、やっぱり、怖いです………」


 シラサギの震えはそれでも止まらない。


俺「………じゃあ………俺と抱き合ってみるか?」


シラサギ「はい…………え、でも……」


 そうすれば、少しは恐怖も薄まるだろう。
 まあ、チンコは思いっきり勃ってはいるが。
 シラサギは戸惑いながらも、俺のチンコにまたがった。


シラサギ「丸太みたいです………」


俺「……なんだか、この体勢気持ちいいな…………」


 シラサギの柔らかい太ももにチンコが挟まれている。
 まあ、今は俺が気持ちよくなるためにこの体勢になった訳じゃない。
 シラサギの気持ちを抑えるためだ。
 俺はシラサギの背に手を回し、抱きしめた。
 シラサギも俺の背に手を回し、抱きしめる。


シラサギ「ん………気が……落ち着いて来ました………」


 シラサギの震えが徐々に収まる。
 それと同時に、シラサギの身体がどんどん火照る。


俺「良かった………」

シラサギ「鋼様……ぁ…………」


 震えが止まったシラサギが、そんないかにも切なそうな声を上げる。
 発情を孕んだ、とても甘い声だ。
 シラサギのこのとろけたこの顔を、いつまでも見ていたい。
 未だ少し怯えているシラサギの為にも、このまま、向き合ったまま抱いてやるのがいいだろう。
 互いの存在を最大限に感じていられる、この体位で。


俺「>>下」

俺「このまましよう。お前の顔を、ずっと見てみたい………」


シラサギ「はい………♡」


 俺はシラサギの頭を撫でた。


シラサギ「では…………」


 シラサギが腰を上げる。
 トロリと愛汁が一筋シラサギの秘部から垂れた。
 もう発情しきってるな。


俺「じゃあ、俺がしっかり援護してやる………ゆっくりで良い………」


シラサギ「わかりまし……た……♡」


 俺はシラサギの腰を掴んだ。
 重力に反するように、しっかりとシラサギの腰を掴み、浮かす。


俺「ゆっくり………行くぞ………」


シラサギ「は………………く………ぅ………」


 ピッタリと亀頭と秘部をくっつけ、シラサギが前後に擦る。


 ちゅく……ちゅくっ、ちゅくくっ………ちゅずっ………♡

俺「ぅ………シラ、サギ………くっ……」


シラサギ「ハァッ………く…ぅっ………ん、はっ……♡」


 シラサギは嬉しそうに腰を振っている。
 目を潤ませ、涎を垂らし、くちゅくちゅに俺のチンコを濡らす。


俺「そろそろ、入れるぞ……?」


シラサギ「はい……早く………♡ 鋼様ぁ……♡」


 シラサギが腰を止めた。
 俺はシラサギの顔色を確かめながら、掴んでいるその腰を沈める。

 ず、ぶ………ずぶぶぶっ………ちゅぅっ………


 ズググッ、ギュウゥゥウゥ………メリッ……


シラサギ「あっ………あ、ぐっ………♡」


 シラサギの膣内は、圧力がとても強かった。
 処女ではない筈なのだが、その膣内はまるで処女のようにきつかった。
 今夜、その子宮に赤子を作る準備を整えたばかりのその膣はぐねぐねと動き、積極的に俺の精液を搾り取ろうとしてくる。


シラサギ「はぁ、はぁ………あ………ふっ………!」


 しかし、俺は一回そこで止めた。
 シラサギが余りにも苦しそうだったからだ。
 まだ亀頭までしか入っていないが、シラサギのためだ。


俺「大丈夫、か?」


 シラサギは震えながら涙を流している。


シラサギ「はぁ、はっ……だ、大丈夫ぶ、です………ハッ………!」


 とても苦しそうだ。


 どうする?>>下

俺「痩せ我慢する必要はない………」


 俺はシラサギを抱きしめた。
 トットットットッ、と早鐘のようにシラサギの心臓が鳴っている。
 シラサギの足が疲れぬように、しっかりと持ちながら。


シラサギ「ハァ……ハァ……鋼様………」


 しばらくして、シラサギが口を開いた。


シラサギ「大丈夫です………続けましょう………もっと、もっと鋼様と深く繋がりたいです………♡」


俺「ああ……分かった」


 俺はシラサギを抱きしめたまま、その身体をゆっくりチンコに押し付けていく。


 ぎゅぷ、ぎゅぅぅ、ぅ………メリッ………!


シラサギ「んっ……ぎいぃ、らぁあああぁあぁ…………♡♡」


 肉壁が押し返してはいるが、滑り具合自体は最高と言ってもいい状態だ。
 骨盤を押し広げ、赤子を生みやすくしながら俺のチンコはシラサギの子宮口に到達した。
 ぽっこりと、シラサギの腹が少し膨れている。


シラサギ「あ、ぁあああ………♡ ぉっ……おぐ………♡ 鋼様と、こんなに、ふ、深く………♡」


 まだ4分の1ほどまでしか入っていないな。
 しかし、シラサギの幼い体ではこれが限界だろう。
 致し方ない。



 どう対面座位を進める>>下

 俺はシラサギに口づけをした。
 最初は唇を濡らすだけ。
 だが、徐々に舌をいれ、シラサギの口内を満たしていく。


俺「ふ……ぅ………ん………」


シラサギ「んっく………くぅ、ふ………♡」


 シラサギが苦しそうな、しかし同時に気持ち良さそうな声を上げている。
 俺は一旦口を離した。
 どろりと濃厚な唾液が垂れる。
 シラサギはぽっかりと口を開けたまま、激しい呼吸を繰り返している。


シラサギ「はーっ……はーっ……♡」


俺「はぁ………はぁ………動かすぞ………」


シラサギ「んふぅ………ひゃ……ぃい……♡」

 俺はシラサギの腰を掴み、上げる。
 シラサギの膣はとてつもない吸引力で俺のチンコに吸い着き、なかなか動けない。


シラサギ「ああっ………うっ………あっ……♡♡」


俺「く……♡」


 亀頭が膣口に引っかかったところで、俺はシラサギの腰を落とした。


 コチュッ!


シラサギ「いひぃっ♡!」


 ブシャッ!


 勿論貫く訳には行かないので、膣口に当たったところで急停止させる。
 亀頭と子宮口が少々荒めの口づけをし、シラサギが首を仰け反らし早速絶頂を迎えた。
 結合部が濡れ、シラサギが舌を出しながらピクピクと痙攣している。


シラサギ「あ………♡ ……っ……♡」


俺「はぁ……ふ………むちゅ……」


シラサギ「あ……ぅうぅ……む………♡」


 俺はその舌をまるでうどんでもすするように口に含み、先程より深い口付けをする。

 そして、ゆっくりと抽送を開始する。


 ヌ、ヌチュ……ゥウウウ………♡


シラサギ「あ……んぉおぉ……ぉお………♡」


俺「ふぅ……ん、ふぅ……」


 ズッ
 ゴリュッ♡


シラサギ「おっ………ご……♡」


 シラサギの身体がビグンッと跳ねた。
 まるで小動物のようで可愛らしい。
 少し虐めてみたくなった俺は、ゆさゆさとシラサギの身体を揺らし、子宮口を小突いた。


 コンッ、コリュチュッ

シラサギ「お゛っ…………?」


 ガクンッ、ガクッガクガクッ


 シラサギが激しく身体を痙攣させ、盛大に絶頂した。
 まるで失禁したように愛汁が溢れでる。


俺「ふ……ぅ……続けるぞ………シラサギ………」


シラサギ「あ………ら、めぇ………今、動いたら………うむ」


 俺はシラサギの唇を塞ぎ、構わず動き出した。


 ずちゅぅう………ごりゅぅ


シラサギ「んぶ…ぅっ♡」

 ゴチュッ………ギュウッ、チュププゥ……コリュチュッ、チュッ♡


シラサギ「鋼さ、ぁ、んくうっ……んむっ♡! らぁっ、らあぐぅっ!♡」


俺「ふぅ、ん……むう………!」


 柔らかいシラサギの膣内は、それでいて俺の精液をその子宮に収めるために今か今かとうねりにうねる。
 シラサギの上の口も、俺の舌を絶対に離さないというように舌を猛烈な勢いで絡めてくる。
 ああ、良い……
 このまま、永遠に離したくない………


 コリュ、ゥウウウゥゥウゥ……♡
 ゴチュゥンッ♡


シラサギ「おぉおおぉお゛っ♡  んぉっんうむううぅううぅ♡♡♡」

 くちゅうう……ごりゅ、ちゅうっ♡ ちゅぷぷぷ……ちゅうう、ゴチュウ♡! ちゅぶっ、こりゅ……ぶちゅっ!


シラサギ「んっ……! ぅうううっむ……ん♡ んんん!」


俺「ふ……うぐ、うううっ……く……!」


 優しく、遅くと思っていても、無意識のうちに抽送が早くなってしまう。
 深い口付けをしながら、愛するシラサギの股にチンコをぶち込んで、俺の頭は真っ白になっていた。
 そして、シラサギのタガも、もう無くなっていた。
 途中から、シラサギ自身も腰を振り、亀頭と子宮口が口付けをする快楽を楽しんでいた。


シラサギ「あ、お゛、ん♡」


俺「ああっ、く……むちゅ、くぅ……! はぁ…!」


 ちゅぷんっ、ちゅぷっ……こりゅっ、ゴリッ、どちゅっ! バチュン!

 シラサギが快楽を抑えきれなくなったのか、バタバタと羽ばたき始める。
 シラサギの身体に浮力が加わり、抽送が止まる。
 そのかわり、シラサギが腰をグネグネと動かしながら俺のチンコをゆっくりと引き抜いていく。
 これはこれで……!


俺「ど、どこに行くつもりだ?」


シラサギ「ハァッ♡ ハァッ♡」


 ダメだ、聞いていない……
 なおもシラサギは羽ばたき続ける。
 本当に飛んで行ってしまいそうだな……


シラサギ「んぉ♡」


 あと少しで抜けてしまうと言う時、俺が少し身をよじった事で、ちょうど亀頭が弱点を突いた。
 それによりシラサギの力が一気に抜けた。
 おい、今力が抜けたら不味いんじゃ……


シラサギ「あ……」

 片翼の天使が、堕ちた。
 愛汁のせいで掴もうとした俺の手も滑り、丸太のように太い俺のチンコはシラサギの幼い子宮口を容易く貫き、内臓を圧迫しつつ最奥まで入った。
 シラサギの腹が薄いカエルの腹のように、俺のチンコの形に盛り上がった。
 と、同時に一気に全て呑み込まれた俺のチンコにも快楽の波が襲いかかった。


俺「ぐぁああ……!」


シラサギ「か、ぁ………」


 シラサギが目を開いたまま、カクンと俺に寄りかかる。


俺「はぁ、はぁ……シラサギ!?」


シラサギ「………………ぉ」


 ビクンッ、ビクッ、ビクッ


 意識が無いままシラサギが痙攣する。
 マズい……!


 どうする>>下

 とりあえず、呼吸に異常はなさそうな為、俺は下手に動かして刺激を与えないようにしばらく今のまま動かないようにする事にした。


シラサギ「ぁ………はぁ……………」


 シラサギはピクピクと軽く痙攣したまま、小さく声を上げている。


俺「……………」


シラサギ「あっ…………ふぅっ…………♡」


俺「………起きたか?」


シラサギ「はぁ………♡ は、ひぃ………♡」


 シラサギが身体を震えさせ、意識を取り戻した。
 ゆっくり長く息をしながら、顔を上げた。


シラサギ「鋼さまぁ…………あ、はぁ………♡ ん、む…………」


 そして、俺の唇を奪う。


シラサギ「はぁあぁ…………ん、ふぁ………ぁあ…………♡」


俺「ふう…ぅ…………んむ…………シラサギ…………ふ……」


 シラサギが力の抜けた翼で俺の肩に手を回そうとするが、なかなか回らない。
 俺はシラサギの翼を支えることで互いの肩に手を回し、抱き合うことに成功する。

シラサギ「動き……ます、ね…………は……ん、ふぅ……♡」


 シラサギがそう言って、腰を動かし始める。
 チンコの4分の3が子宮に入っている為、とても苦しそうに腰を上げていく。


シラサギ「あ……ぐぅう…………」


俺「手伝うぞ」


シラサギ「あ……ぅう………お願い、します………♡」


 俺はシラサギの腰を持ち、ゆっくり浮かす。
 ズルズルと引きずり出すような音が聞こえ、シラサギの膣内が引っ付いてくる。


シラサギ「ぁ、ああぅ……お、ぉお♡ お、ぐぉ♡」


 カリが子宮口に引っかかり、そこで止まる。
 少し無理をするか。
 俺はシラサギの尻をしっかりと掴み、グッ、と引き上げる。


シラサギ「あ、ぁあ、鋼、さ………」


 ガボンッ


シラサギ「まぁっ♡」


 チンコが離れる衝撃に、ぶしゅっ、とシラサギが勢いよく潮を吹いた。
 そのまま俺はシラサギをチンコに押し当てた。


 ドチュンッ!♡


シラサギ「ぉぁおぉぉおっ♡」


 先ほどので割と拡張されたシラサギの子宮は弾性がありながら、俺のチンコを包み込んでくる。
 子宮さえも膣の一部のようになっており、とても気持ちがいい。


シラサギ「ぉ……ああっ……♡ はが……ねさま……ぁあ♡」


 シラサギは腹を膨らませ、目を向き、荒く息を吐きながら、少し慣れたのか今度はしっかりと意識を保っている。

俺「ふぅ……ぐう……♡」


シラサギ「んむぅ…ぉおあ………♡」


 俺はシラサギと深く口付けをしつつ、腰をしっかりと持ち、ゆっくりと大きく抽送を始めた。
 上はチンコが抜けそうになるギリギリまで引き上げ、下はチンコが全てシラサギの中に収まるまで押し付ける。


 ギュゥ、プッ、ズズズゥ、ドチュッ♡ ギュウウッ、ガポンッズチュン!


シラサギ「んぐ、あ♡ ぅえ♡ むぁ♡」


俺「ん、くう、ふっ……! くぁああ………!」


 それを続けるうちに、シラサギ自身も腰を振るようになってきた。
 左右にグリグリと振り、最高点に達した瞬間に足の力を抜き自分を貫かせる。
 シラサギの膣内がどんどん俺のチンコの形に拡張されていく。
 俺の形に、俺の色に染まっていく……

 もう、絶頂しそうだ。
 一杯にシラサギを満たして、完璧に俺の色に染め上げたい。


俺「シラサギッ……ぁあ……くっ……! 中に、中に出すぞ……!」


シラサギ「はぃっ! はいいい♡ 鋼様の赤ちゃんくださいい!」


 シラサギが喜びの声を上げる。


シラサギ「私の準備したての身体に、思いっきり種付けてくださいい♡!♡!♡」


俺「ぐ、ぉお、おおおっ……!」


 俺はシラサギの頭を抱えた。
 精子が精管に行き詰まり、俺のチンコがボコッと膨らんだ。
 もう、出る……!


俺「>>下」

俺「シラサギィィィーーーー!!!!」


シラサギ「鋼様ぁぁあぁぁあぁっ♡♡♡」


 互いにしっかり抱きしめあい、互いに名を呼びながら、最奥で共に果てた。


 ドプン、ドププ…ドブッ………ドグ、ドグググッ! ドビュウウウウウウグッ、ビューーーーールルルルルッ♡♡♡♡


シラサギ「ああああっ♡ あああぁ♡ あーーーーーっ♡♡♡」


俺「ぐぁ……くううう♡ シラサギィイイィ♡ はぁ、ぐううう……!」


 ビュグウウウ、ドビュドビュドビュルルルルルルッ♡ ドビュンッ!


 天使の中が俺の色一色に浸食されていく。
 俺の精液で一杯になって行く。
 まりの様にシラサギの腹が精液に押され膨らむ。


シラサギ「ぁあ………♡ あぐ、ぅうう♡」


俺「はぁ、はぁ…………」


 俺は何度かシラサギの身体を上下に揺すり、精管に残った分を押し出した。


 ビュッ、ビュグッ、ビュゥ


シラサギ「お、おぁ♡ ひぅううん………♡」

 チンコそのものが膣の栓の役割を果たしているからか、結合部からはほんの少ししか精液が溢れて来なかった。
 これは流石に孕んだだろう。
 これだけ深くでこれだけ大量の精子を吐き出したなら、孕まなかったほうがおかしいというものだ。


俺「はぁ……はぁ………シラサギ………」


シラサギ「はい………鋼、様ぁ♡」


 俺はシラサギの頭を撫でながら、抱きしめる。
 こんなに小さい身体なのに、よく頑張った………。


俺「>>下」

俺「ハァ、ハァ……俺のをよく全部受け止められた。頑張ったな」


 俺がそう言いながらシラサギの頭を撫でると、シラサギは目をつぶり、嬉しそうに頷いた。


シラサギ「私も……はぁ♡ 嬉しい、です……ぅ……♡」


 そして、繋がったまままた唇を交わす。
 俺のチンコは未だ鎮まる所を知らず、シラサギの中でそそり立っている。
 まだシラサギを抱きたい。


俺「ふぅ……はぁ………まだ、良いか……?」


シラサギ「んん………はい、もっと、もっと注いでほしいです………ぅう♡」


 そんな俺の、欲望まみれで自己中な質問に、シラサギは可愛らしくそう答えた。
 耐えきれず、俺はシラサギを押し倒した。

俺「ああ……シラサギ……動く……ぞ……!」


シラサギ「はいっ♡」


 シラサギを下に、その小さな身体を覆い隠すような体制から間髪入れずに再び抽送を始める。
 体格差を考えれば、蟻とそれを踏み潰す足程の差がある。
 一つ間違えればシラサギを圧殺しかねない。
 しかしその時は、俺もシラサギも、ただその交尾を楽しみ愛おしみ合いながら愛し合う事しか頭に無かった。


シラサギ「あ、ぐひぃん♡ はぐっ♡ あ、ぉお♡」


俺「ふう、ふう、はあっ、ふう……ぐ、ふう、ぐぅっ………!」


 バチュ、ゴチュッ、ぐちゅぅうう………ドヂュンッ♡ ガポッ、ドチュッ♡


 何度も何度も俺のチンコに掘られて、いつしかシラサギの子宮は先程よりはすんなりと俺を包み込むまでになった。
 とは言え、まだ身体は子供の物。
 きつく、柔く、俺のシラサギにとっては規格外のチンコを受け入れる為の物では無かった。
 貫くたびにシラサギの内臓を圧迫し、肺を押しつぶし、一瞬息が止まる。
 それでも、俺たちは愛し合い続けた。
 互いが欲するままに、本能のままに、愛のたがの外れたままに。


 ぼぢゅん、ぼぢゅっ! ドチュッ♡ ドチュッ♡ ぐぼっ! バヂュッ♡


シラサギ「ぁ♡ お゛ご♡ っか♡ んひぎぃっ♡」


俺「はぁ、はあ♡ ぐ、ぁあ♡ くあ……! ぐぉおお♡!」


 俺が離す訳など無いはずなのに、シラサギは俺の腰に足をがっしりと回し、その鉤爪で鷲掴みにしていた。
 絶対に離したくない、その精をこの身に受けたい、という確固たる意志の如く。
 生暖かい。
 たぶん、流血しているな。
 だが、そんな事は今は、どうでも良い!
 むしろ流れる血が更に俺を奮い立たせた。

シラサギ「おぐ、ぉお……ぐえ♡ あひ♡ ん、ご………」


俺「ぉ、くふぅ……ふ、ぐうう、はぁっ、はぁっ♡ ぐっ……!


 ああ、シラサギ、シラサギ、シラサギィイイイイイイイイ………
 脳内で、愛するシラサギの名を呼んでいた時、ふと気がついた。
 出る。


 メリ、メリリリリッ……!


シラサギ「あ、え♡ また、おお、き……く♡」


俺「>>下」

俺「もう、お前無しじゃダメになってしまう………シラサギ………」


 ピュッ


俺「永遠に、俺の側にいてくれ」


シラサギ「は…い♡」


 ドプドプドプドプドプドプウウウウッ♡ ビューーーーグルビュルルルルッ♡!♡!♡ ドブンドブッ♡


シラサギ「あぁあっ♡ んぐっ、あぁああぁあああああああああぁあああっ♡♡♡」


俺「ぐぉあああぁあああああぁあっ、くうううう♡」


 今までで一番、濃厚で、量の多い射精だった。
 シラサギの鉤爪が深く俺の腰に食い込む。
 俺はシラサギを潰さない程度に体重をかけれるだけかけ、その子宮に精子を染み込ませる。
 とうとう耐えきれなくなったのか、俺が追い射精をし腰を動かすたびに結合部から精液が溢れ出す。
 洪水のようだ……


シラサギ「あぐう、あぐう♡ あぎぃ♡ えう♡」


俺「はー、はーっ………くぁ………っ……」


 長い長い射精が、遂に終わりの時を迎えた。
 シラサギを完全に俺の色に染め切った………
 そう思い、満足してチンコをシラサギじゃら引き抜こうとしたが、シラサギが未だ枷のように足を離さない。


シラサギ「ああ……ぐぅ………♡ 鋼、さま………先ほどの言葉は……おひぃ♡ 求婚と受け取ってもよろ、んぎ♡ よろしいでしょう、か?♡」


俺「ああ」


 俺の記憶に違いが無ければ、シラサギの返事は了承だったはずだ。
 まさか、取り消すのか?
 そんな俺の不安は、次のシラサギの言葉によって打ち砕かれた。


シラサギ「では………鋼様。はぁ、はぁ………♡ 初夜に至りましょう♡」


 もう初夜もへったくれも無いと思うが、それは言わぬが花だ。


俺「そうだな」


シラサギ「あ………♡」


 それから、いつ意識が無くなったか定かでは無いが、それから眠りに落ちるまで、までいっときの休みも挟まぬまま、俺とシラサギは、永遠とも、一瞬とも言える時間を過ごしたのだった。







 ◆◇◆◇◆

 そして夜が明けた!


 どう起きる?
 状況なども>>下

 寝るで。
 また明日。
 鋼編終わったらしばらく更新しないから、堪忍やで。

俺「ん………!」


 俺は自分のチンコにぬくもりを感じながら目を覚ました。
 いつの間にか、寝ていたらしい。
 腕の中には、少し粘ついたシラサギが安らかな寝息を立てながら寝ていた。
 しかも、繋がったまま。
 意識がないにもかかわらず、シラサギの足はまだしっかりと俺の腰を捕まえ、離れることを拒んでいる。
 華奢な身体で俺の巨大なチンコを飲み込み離したがらないというその愛しさに、俺は思わず微笑んだ。


 どうする>>下

>>867
 どういうことや?

>>868
 ということ?

 え、なにこれ。

 この「レスが壊れています」ってなんや。

テスト

 どの道一筋縄では解放してくれないらしい。
 まあ、もうしばらくはこの体制のままでも悪くないか………
 俺はシラサギの頭を撫でた。
 相変わらず、すうすうと可愛らしい寝息を立てている。
 その状態で、俺はしばらく抱き枕にしたようにシラサギを抱きしめ、シラサギが起きるのを待っていた。


 ……………ところでウグイスはどうしたのだろう?
 そんな疑問が一瞬俺の頭をよぎったが、シラサギが寝ぼけ眼を擦ったことでその疑問は消え去った。


シラサギ「ぅう……………ん………あ………鋼様………………」


俺「ああ。おはよう」


 ゴシゴシと羽で目を擦り、ぱちくりと目を開け、俺の顔から腰のあたりまでを見下ろした。
 そして頬を染める。


シラサギ「こ、こんな、繋がったまま………………♡」


 片翼で顔を隠す。


俺「いや、シラサギがずっと離さなかったんだが……………」


シラサギ「え………?」


 未だ俺の腰がっしりと回されている細い足。
 無意識過ぎるだろう………
 腰回りがヒリヒリするのは、恐らくシラサギの鉤爪で裂かれているからだろう。
 後で治療しておかなければ。


シラサギ「あ、す、すいません…………………」


俺「言っている事とやっている事が違うが?」


 シラサギは俺に誤りつつ、俺の腰に回す足の力を緩めない、むしろ、強くした。


シラサギ「ぁう………………すいません…………まだ、鋼様と繋がっていたくて……………♡」


俺「そうか…………」


 どうする>>下

俺「じゃあ、シラサギが満足するまで、繋がっているか……」


シラサギ「………はい♡」


 寝起きで少し意識がはっきりとしないまま、シラサギは嬉しそうに答えた。


 ◆◇◆◇◆


 そして当たり前の事だが、ずっとあのままの体制でシラサギが満足するまで静止しているなど、出来ようはずが無い。
 こうなることは大体予想できた。
 まあ先に愛汁を分泌させ色っぽく舌を出しながら動き出したのはシラサギの方だが。


 パチュッ、ドチュッ、コリコリッ、ブチュンッ!


シラサギ「お、ぉおお~~っ♡ あ、ぉお♡」


俺「ああ、く……ふう、ふう……! シラサギッ………!」


 そのまま昨晩と同じように、俺が上になり押しつぶすようにしてシラサギの子宮を犯し尽くした。
 何度も膨らむシラサギの腹を見て、俺は妙な満足感と征服感に囚われていた。
 もう今朝だけで二度も出した。
 激しく突くたびに、ゴボゴボとシラサギの結合部から精子が溢れる。


俺「あ…ぐ……!」


シラサギ「ぉおおおぉおっ♡ あ゛ーーーーーっ♡♡♡」


 ビュウウウウウウウッ、ビュビュッ、ビュウウウウッ♡


 もはや、遠慮は一寸たりともいらない。
 必ず孕ませてやる……!
 俺はみたび、シラサギの中にぶちまけた。

俺「はぁ、はぁ………」


 もう、そろそろ良いだろう。
 俺も流石に昨日の夜伽と合わせて疲れている。
 俺は力の抜けたシラサギの足をどかし、ゆっくりとチンコをひきぬいた。


シラサギ「あぁ、だ、めぇ♡ ちんちん帰っちゃ、ぅっ♡」


 約二刻半ぶりに、俺とシラサギは離れた。
 シラサギの膣からドボッと精液が溢れる。


シラサギ「ん、ぅう……♡ 鋼様の…せーし……♡」


俺「はぁ………」


 その時、後方で物音がした。


俺「っ!? 誰だ!」

 ………そういえば、忘れていた。
 先ほど我慢して、すぐに起きていれば良かった物を。
 そに襖の隙間からは、ウグイスが股に翼を伸ばしながら生まれたばかりの姿となっている俺たちを覗いていた。


ウグイス「……っ」


 ウグイスは驚いたように身体を震わせた。
 恐らく、朝になり普通に起きてきていたのだろう。
 そしてなかなか起きてこない俺たちを起こしに来た。
 そこで………
 俺たちを、見つけた。
 見つけてしまった。
 しかし声をかける事も出来ず、そのうち気が高揚し、自慰に至った、と言ったところか……


 >>下

シラサギ「う、ウグイスおねえちゃん!?」


 シラサギはようやくウグイスの存在に気づいたのか、恍惚とした表情から一転させ、慌てて布団を被った。
 俺も自分のチンコを隠した。
 布団を被ったままシラサギが嘆く。


シラサギ「お、おねえちゃん、こ、これは違くて……! 私から誘ったの!」


ウグイス「…………」


 自慰の余波か、頬を赤らめどこか息の荒いウグイスは、その言葉に複雑な表情を浮かべた。


俺「ウグイス。許してくれとは言わない。たとえシラサギから誘ったとしても、結局俺が抱いたのは事実だ。悪いのは俺だ……」


シラサギ「鋼様! それは………!」


 シラサギが悲しそうな声を上げる。
 全ては俺のせいだ………

 >>878の直後から。






俺「その………一人にしてすまない」


ウグイス「………っ!」


 いつからいたかは分からないが、ウグイスの様子から見てしばらくは俺達の行為を見て自慰していた事が伺える。
 シラサギと一緒にそばにいろと言った筈なのに、こんな姿を見せて………


シラサギ「え………………え!? ウグイスおねえちゃん…………!?」


 シラサギは恍惚とした表情を青く一変させ、胸元まで布団を被った。


ウグイス「は、鋼………様…………………」


俺「……………………」


 ウグイスの視線に気づき、俺も布団を引き上げチンコを隠す。
 穴があくのではないかというほど俺のイチモツを見つめていたウグイスは、それが隠されるとハッとした。


ウグイス「あ……………う………………!」


シラサギ「ち、違うのウグイスおねえちゃん………! こ、これは私が誘って………!」


 シラサギが慌てて弁明をする。
 ……………いや、違う。
 悪いのは、俺だ…………


俺「>>下」

俺「違うぞ、シラサギ………………」


シラサギ「え……………」


 俺はウグイス向かい、頭を下げる。


俺「ウグイス、すまない…………俺は、誰に流されてシラサギと交わった訳じゃない。俺が、自分の意志でシラサギと交わったんだ」


 これは、ウグイスとシラサギ、二人に対する謝罪だ。
 まるでシラサギを道具のように扱った昨夜の事が思い浮かばれる。
 ただ、俺の欲望のままに、制御する事が出来ず、まるで、手綱の外れた馬のように…………
 シラサギに、己が子を孕んで欲しいという、欲望のままに。


ウグイス「それは………本当に………………?」


俺「ああ。本当だ」


 シラサギが泣きそうな顔をしていまだに頭を下げている俺を見る。


俺「……………それに、もしかしたら、シラサギと俺の間に子供も出来たかもしれない」


ウグイス「え……………!」


シラサギ「鋼様!? な、なんでそんな事まで…………!」


ウグイス「ちょ、ちょっと待ってください! シ、シラサギちゃんはまだ初潮も………………」


俺「昨日来た」


ウグイス「っ!」


 全てを…………話す。
 もはや、それしか道は無いだろう。
 あの晩、ウグイスがシラサギを寝かしつけた後泣いていたあの晩、ウグイスと誓った約束を果たす為には、真実も、俺の本当の気持ちも、全て。


俺「せめて、知ってほしい。俺が、その場しのぎの快楽の為でなく、シラサギの全てを受け入れ、責任を取るつもりで抱いた事を知ってほしいんだ」


 それは、話している相手こそウグイスでも、よく考えてみればシラサギへの求婚そのままであった。


ウグイス「……………………真実、ですね……………?」


俺「ああ…………始まりは、確かに、己が欲望に負けたからだった。しかし、今の俺は本気でシラサギに俺の子を孕んで欲しいと思っている。そして…………自分が成したことの責任を、取りたいと思っている…………」


 シラサギが息を飲む。


俺「だから…………ウグイス。俺を許してくれとは言わない。…………頼む。シラサギを責めないでくれ……………」


 俺がやってしまった事で二人の仲が裂かれてしまわないように、そう、俺は締めくくった。
 姉妹のような関係である筈なのに、シラサギが犯される姿を見てしまったウグイスは、その言葉を、受け入れてくれるだろうか…………

ウグイス「………………………シラサギちゃん……………」


 ウグイスが小さくシラサギの名前を呼ぶ。


シラサギ「ウグイスおねえちゃん………………」


ウグイス「……………本当に、鋼様の子供を産みたいの?」


 何かを確認するため、ウグイスはシラサギにそんな質問を投げかけた。
 シラサギはそれを言って良いのかどうか一瞬迷ったようだが、それでも、最後には静かに頷いた。


シラサギ「…………うん」


 その返答に、ウグイスは微笑んだ。


ウグイス「…………………そう」


 不意に、ウグイスは立ち上がった。


ウグイス「鋼様、シラサギちゃん……………ありがとうございました」


俺「……………?」


 俺は一瞬その言葉の意図が分からず、ウグイスを見つめていた。
 しかし、その真意はすぐに分かることになった。
 ウグイスの目頭から、一筋の涙が流れ落ちた。
 いかにも、悲しい笑顔だった。


ウグイス「どうぞ、末永く、お幸せに。そして、さようなら……………」








俺「………………………え?」

 ウグイスが駆け出した。
 この家の出口に向かって。


俺「く……………!」


 そういう事か……………そう言うことだなウグイス……………!


シラサギ「ウグイスおねえちゃん!」


俺「待て、待ってくれ!」


 ウグイスは止まらない。
 俺は急いで下の袴だけ履き、ウグイスを追う。
 ウグイスが廊下を曲がり、視界から消えた。


俺「ウグイス…………ウグイス!」


 しかし、昨夜長いことシラサギと交わったせいか、足に力が入らない。
 まるで一里走った後のように、足がもつれ、思ったように走れない。
 俺が廊下の角を曲がると同時に、玄関の扉が乱暴に閉められた。
 家の中と外を拒絶する、壁のように。


俺「ウグイス!」


 俺は戸にかじりつき、力の限りそれを開けた。
 戸が吹き飛び、弧を描いて地に落ちた。
 まばらにいる通行人がぎょっとしたように俺を見た。


俺「ハァ…………ハァ………………」


 右にも、左にも、空にも、ウグイスの姿は無い。
 ウグイスは、歌に負けないほど飛ぶのがはやぶさのように得意だった。
 それこそ、少し目を離せば視界から消えてしまう程に。


俺「………………………」


 両手でぐしゃぐしゃと髪をかく。
 食いしばり過ぎたのか、唇から血が流れる。
 俺は、膝を付いた。


俺「ウグ………………………イス」


 失ってしまった…………
 一番、失っては、いけない物を………………



 フワッ



 最後に、後に残され空から落ちてきた黒い羽が、その現実を俺に叩きつけた。


俺「…………………………………」


 ああ…………………


 ウグイス…………………









 どうなった?>>下

 ◆◇◆◇◆





俺「…………………あの竹林か…………」


翁「ああ、鬼の兄ちゃん。俺がきいた話じゃあ、あそこで間違いねえってもんだ。時期も何も、ぴったりじゃないかえ?」


俺「助かった。感謝する」


 俺はその翁に別れを告げ、広大な竹林に向かった。






 ウグイスが消えてからもう五年が経つ。
 俺はその後すぐに江戸に別れを告げ、シラサギを鬼ヶ島の女仲間に預け旅立った。
 火緋金様も、俺が旅立つことを了承してくれた。
 この五年の間、俺はほぼ毎日聞き込みと徒歩を繰り返していた。
 シラサギや火緋金様との文通から、シラサギの子供が産まれたという話も聞いた。
 早く帰りたいが、ウグイスを見つけるまで、俺は帰れない…………
 すまない、シラサギ。


 時折人助けや妖退治などもし、延々とウグイスを探し続けていたのだ。
 しかしいままで有力な情報も痕跡も見つからなかった。
 ただ運が悪いのか、それともウグイスは既に…………


 いや、生きている事を信じるしかない。
 今度の情報は極めて有力だ。
 純白の髪の色も、烏天狗という種族も一致し、歌がとてつもなく上手だという話もある。
 これほどはっきりした情報は初めてだ。
 今度こそ…………今度こそウグイスだ。






 この五年に鋼の身に起きたイベント>>下3

 やっぱり>>下5つ

 押しかけ弟子安価(鋼と同行中)



 性別:>>下1

 種族:>>下2

 名前:>>下3

 身体的特徴(見た目):>>下4

 職業、身分:>>下5

 性格や趣味:>>下6、下7

 年齢:>>下8

 備考:>>下9

ナナシ「ししょ! 今度こそウグイスさんだといですね!」


俺「ああ。今度こそな」


 そして、最後にこいつ…………ナナシ。
 性別は女。
 ナナシは数ヶ月前に夜道で俺に襲いかかってきた、前の主人に捨てられ野盗となっていた野良のカラクリの生命体、ゐいゑむびいいんぐで、身体からは動く度にキリキリと音が鳴る。
 名前が有るようでない奇妙な名前だが、俺がつけた訳ではなく、彼女自身がそう名乗ったのだ。
 見た目は13歳前後の少女だが、肌は象牙のように白く、材質も硬い。
 口はそんな材質にも関わらずなぜか人の唇のように滑らかに動き、左目の上下まぶたから肌に伝い傷つけられた物ではなく、製造された当初からついている切り込みのような物がまっすぐ上下に向かって顔に走っている。
 格好は俺が買ってやった上下が繋がっている藍色の西方の服を着込んでいる。
 ボロボロの服を着て肌上に宝石や金を煌めかせ道行く旅人から金品を奪っていたナナシだが、俺に負けると泣きながら(何故か涙は流していた)命だけは奪わないでくれと懇願してきた。
 金品はただ自分を着飾る趣味として集めていたらしく、俺もその付近にでる少女の野盗の情報として、命は奪わずに金品だけを奪うと聞いていたため、誰の命も奪っていない彼女を逃がしてやることにした。
 すると彼女は態度を一変させ、今度はぜひ俺の弟子にして欲しいと懇願してきた。
 俺は最初は断ったが、結局はナナシの押しに折れてしまい、弟子として彼女を連れまわす事になった。
 なお、奪った金品は全て持ち主に返すか役所に引き渡すかした。

 彼女の武器は全身に埋め込まれた謎の銃火器。
 普通の食事の他に鉛玉や小さい鉄玉を飲み、それを背中や腕から生える鉄砲によって打ち出すという奇怪な攻撃をする。
 勿論、俺の弟子として様々な剣術や銃火器を生かせる体術なども仕込んだ為、恐らくそこらの武士に集団で囲まれても簡単に勝つことが出来る筈だ。

 因みに彼女は排泄しないらしい。
 食べた分はどこに行ってるのだろう。
 つくづく思うが、ゐいゑむびいいんぐとは、不思議な生命体だ。

 なお、俺とナナシには肉体関係や恋仲などは一切無い。
 時折動きがぎこちなくなったナナシに油を差してやったりする際にナナシが裸体になる。
 乳首も性器もあるためあまり見つめたくは無いのだが、彼女自身は一切気にしてないようだ。
 だから俺もあまり気にしないようにしている。

 ◆◇◆◇◆


ナナシ「うっそーとしてて、不気味ですね………ほんとにこんなとこにいるんでしょか?」


俺「いや、話を聞く限りここで合ってる筈だ」


ナナシ「ぅうう…………帰りたいです…………」


 ナナシが俺の裾をしっかりと握って後ろを歩く。
 ウグイスがいると思われる竹林は大量の竹に覆われ昼なのに夜と錯覚するほど暗かった。
 ガサガサとかろうじて道と捉えられる道を行く。


ナナシ「ところで、ししょ」


俺「どうした?」


 深い竹林を進んでいると、ナナシが話しかけてきた。


ナナシ「ししょは、五年前に奥さんを置いてウグイスさんを探してるですよね」


俺「ああ。その話は、前にもしただろ?」


ナナシ「もし、ウグイスさんを見つけたとして…………ししょはどうするつもり何ですか?」


俺「………………」


 俺は足を止めた。
 …………ずっと知っていた。
 俺は今、ウグイスを見つけることを最終目的にしている。
 だが、見つけたとしてどうする?
 ウグイスを連れ戻すのか?
 もしもう家庭を築いていたら。
 もし…………死んでいたら。


 …………ずっと分かっていた。
 分かっていないと言い聞かせていた。
 俺のこの目標のその先が、無いことなんて。


俺「>>下」

俺「どうなるかは分からない…………だが、もし、許されるのならば………また三人で一緒に暮らしたい」


 俺がそう言うと、ナナシは「そうですか」と頷いた。



 ◆◇◆◇◆


ナナシ「あ、ししょ! 家があります!」


俺「そうだな…………」


 俺は辺りを見回した。
 家の周りには竹が生えておらず、茂みに飲まれてもいない。
 手入れが行き届いていると言うことは、人が前まで住んでいた、もしくは誰かが住んでいる、という事だ。
 俺とナナシは扉の前に立った。
 そして俺は意を決し、扉を叩いた。


俺「>>下」

 コンコン。


俺「突然ですまない。ウグイスという女性はいるか?」


 俺は戸を叩き、誰かいるかも分からないその家にそう問いかけた。
 すると、仲から物音と小さい話し声が聞こえてきた。


?「おや、誰か来たねえ。儂が出るよ」


?「気をつけるんだよ玄三さん」


 しばらくしてガラッと扉が開き、よぼよぼの翁が顔を出した。


俺「失礼する。俺は鋼という鬼の一族の者だ。白髪で歌の上手いウグイスという女性を探しているのだが…………」


 俺がそう聞くと、翁はふむ、と首を傾げた。


翁「ここにお客が来ることは珍しいのう。ウグイス、か…………家に似たような一人娘はいるが、名前には心当たりがないのう」


俺「そう、か…………」


 俺はその言葉を聞き一瞬絶望しかけたが、もしかすれば真名を名乗っていないという可能性も考え、少し希望を見いだした。


翁「まあ、ともあれ竹林を抜けてきたんだ。お茶でも飲んでいくと良い」


 そうして俺とナナシは誘われるがまま家に上がっていった。

 ◆◇◆◇◆


翁「取りあえず、鬼のお兄さんはそのウグイスって人を探してるのかい」


俺「そうだ………」


 俺がそう言うと、翁の妻の婆が腕を組んだままため息をつく。


婆「まあなんとも自分勝手な事だよ」


翁「これ弥由夜(ヤユヨ)。そんな事を言うんじゃない」


俺「…………………いや、その通りだ。彼女の今の状況も知らないのに勝手に探しているのは、俺の自分勝手だ…………もしかしたら、拒絶されるかもしれないのに………………」


 翁と婆が揃って考える。


翁「…………さっきも言ったとおり、ウチの一人娘は拾い子だ。もしかしたらお兄さんが探しているウグイスかもしれない……………」


婆「だが、もしかしたら違うかもしれないし、そうだとしても彼女がどうするかは私達の知った所じゃない」


俺「…………………」


 翁と婆は真剣な顔で続ける。


翁「私達は彼女の運命は全て彼女に委ねる」


婆「そう拾った時から決めていたんだ」


翁「だから、ウチの娘の判断次第では……………」


翁と婆「「ウチの娘をよろしく頼むよ」」


 声をそろえて、翁と婆が言った。
 まだ、ウグイスであるとは決まっていないのだが、な………
 その時、玄関で扉が開く音がした。

?「ただいま~。お父さ~ん、お母さ~ん。タケノコ大漁だよ~!」


俺「っ……………!」


翁「……………フム」


 その声に、俺は聞き覚えがあった。
 俺のはっとした顔を見て、翁が頷いた。


翁「今夜はタケノコ汁じゃのぅ」


 小さく、軽い足音が廊下を歩いてくる。


?「下駄あったけど、お客さんいるの?」


翁「ああ。お前にとって、大事な、お客さんだ」


?「え、私にとって………………」


 足音が、止まった。
 バラバラと、タケノコが落ちる音がする。
 俺はゆっくりと振り返った。
 そこには……………


俺「>>下」

俺「どの面下げて……………と想っているかも知れないが、言わせてくれ……………ウグイス。会いたかった………」


ウグイス「ぁ、ぁ……………うう………」


 背も伸び、色々と成長した身体が五年の年月の長さと重さを痛いほど感じる。
 ウグイスが口元を抑える。
 そして、涙をこぼしながら俺に抱きついた。


ウグイス「うう、ぐ、うううう……………! ぁああっ……………!」


 ずっと、後悔していた。
 あの時、どうして引き留められなかったのか。
 俺はウグイスも大事にしていると、どうして言えなかったのか。
 俺はウグイスを抱き返し、失ってしまった年月の穴を埋めるように、その頭をなで続けた。

 ◆◇◆◇◆


俺「すまなかった、ウグイス。本当にすまなかった…………」


 俺は地面に頭を付け、謝る。
 それに対し、ある程度泣き止んだウグイスが鼻声で言う。


ウグイス「あの時、私は、私なんて、もういらないんだって思って…………私も、鋼様が好きだったけれど…………シラサギちゃんと、鋼様の邪魔は、したくないなって、思って………………」


俺「…………だから、姿を消したんだな」


 本当にすまないことをした。


俺「俺にとっては、ウグイスも、シラサギも、他に代え難いほど大事なんだ。だから、あんなところを見せてしまったが、ウグイスのことも本当に大事に思っているんだ」


 翁がほっとした表情を浮かべ、婆がへん! と顔を背けた。
 ウグイスが目元を拭う。


ウグイス「……………ところで、あの…………いくつか聞きたい事があるんですが……………」


俺「なんだ?」


 ウグイスが一度キョロキョロと辺りを見て言う。


ウグイス「その子も気になるのですが………………シラサギちゃんは今、どうしてるんですか…………? 姿が見えないのですが…………」


俺「ああ。流石に身重のシラサギを旅に連れ出す訳には行かないと思って…………」


ウグイス「身重!?」


翁と婆「「なに!?」」


 そう言えば話してなかったな。
 ウグイスと二人が驚愕の表情をする。


俺「ああ。無事、産まれたらしい。今は5歳だ」


ウグイス「らしいって………………まさか、会っていないんですか?」


俺「ああ…………シラサギを鬼ヶ島の女に預けて、すぐに旅に出たからな。まだ、顔すら見ていない」

ウグイス「そんな、私なんかの為に………………?」


俺「ああ………まあ、五年も経ってしまったがな…………」


 ウグイスが顔を伏せた。


俺「『なんか』だなんて、言わないでくれ……………ウグイスも大切だったんだ……………どうしても、失いたく無かったんだ…………」


ウグイス「………………」


 ウグイス口を開く。


ウグイス「嬉しいです………………」


俺「……………………」


ウグイス「そんなに、大切に思っていてくれたなんて………………私のこと、ほおってなくて…………………ずっと、そう思ってたのに……………探してくれて…………来てくれて……………嬉しいです………………」


 ウグイスがまた泣き出す。
 俺はそこで、ウグイスに決断を迫ることにした。


俺「…………………ウグイス………俺は、ウグイスの考えを全肯定する。もし嫌ならば、断ってくれても構わない。俺は許されるのならば、また前のように3人で暮らしたいと思っている……………だから、また一緒に、暮らしてくれるか?」


ウグイス「それは…………」


 ウグイスが翁と婆を見る。


翁「ええよ。お前の好きなようにして」


婆「ふん。娘の言うことにもうあれこれは言わんからの」


 ウグイスはその言葉を聞き、頷いた。
 そして、二人に向く。

ウグイス「この五年間…………身分も分からない私を育ててくれて、ありがとうございました……………お父さん、お母さん。本当に、お世話になりました………!」


 ウグイスが頭を下げる。
 それが、ウグイスの答えだった。


翁「まあええでよ。たまにで良いから、いつでも会いに来なされ」


婆「寂しくなるね。カグヤ………いや、ウグイス。元気にするんだよ!」


 そうウグイスに一言ずつ言った後、俺に向いた。


翁「ウグイスちゃんを、幸せにしとくれよ」


婆「でないと、許さないからねえ!」


 この二人は、俺よりもウグイスと過ごした時間が長い。
 俺よりもウグイスのことを知っているだろう。
 俺はこの五年、ウグイスを育ててくれたその二人に、感謝の意を込め、頭を下げた。


俺「>>下」

俺「お義父様、お義母様。今まで、ウグイスを守っていただいてありがとうございます。これからは、私が精一杯ウグイスを幸せにします」


 隣にいるナナシも、自分だけ普通でいるのが気まずくなったのか頭を下げた。
 翁と婆が言う。


翁「ウグイスちゃんがそれだけ言うあなたなら、しっかりと任せられそうだ」


婆「あたしらも安泰だよ。鋼と言ったかい? よろしく頼むよ!」


俺「………はい!」


 俺はそう、力強く言い放った。

 ◆◇◆◇◆



 二人に別れを告げ竹林の道を歩いていると、俺の左側にいるウグイスが口を開いた。


ウグイス「あの……一方的に別れたのは私なのに、こんなに時間をかけて私を迎えに来てくれて……本当にごめんなさい。それと、ありがとうございます」


俺「……もう、謝らなくていい。それに、礼ももういい。これで丸く収まったんだ……俺はウグイスが戻ってくるだけで、嬉しいんだ」


ウグイス「………はい……♡」


 俺がそういうと、ウグイスは頬を赤らめ、頷いた。


ウグイス「ところで……その子は誰ですか?」


 さっきから気になっていたらしいウグイスが、俺を挟んで反対側にいるナナシを見た。


ウグイス「そう言えば、シラサギちゃんって……まさか、鋼様って……!」


俺「違うからな。あれはシラサギだからだ。こいつはちょっと前に俺の弟子になった……」


ナナシ「ナナシです!」

 ナナシがそう元気よく答えた。


ナナシ「ししょの弟子です! 戦い方を沢山ならいした!」


ウグイス「弟子ですか……もしかしてゐいゑむびいいんぐですか? 初めて見ました……もっと近くで見ても良いですか?」


ナナシ「いよ」


ウグイス「わ、すごい……!」


 ナナシは身体から銃器を出したりして見せている。
 二人は仲良く出来そうだ。
 良かった……

 ◆◇◆◇◆


 とある茶屋にて。


ウグイス「江戸に帰るまで、しばらくかかりそうですね。私だけならすぐなんですが………」


俺「ああ。俺はここに来るまで五年かかったが、歩きでまっすぐ帰れば半年以内に帰れるだろう」


ナナシ「とりあえず、歩きましょ! ししょも早くししょのお子さんに会いたいでしょうし」


俺「そうだな………さあ、歩こう」


ウグイス「はい!」


ナナシ「ししょー!」


 俺たちは銭を置いて茶屋を発った。
 もうしばらくはこの三人の旅が続きそうだ。
 俺はこの旅で進化した馬切り刀を抱え直した。
 ウグイスも、シラサギも、ナナシも。
 大事な、俺の大切な者たちだ。
 絶対に、守り通してみせよう。



 それぞれの思いを胸に、俺たちは鬼ヶ島に向けて、歩みを進めるのだった。



 ◆◇◆◇◆



ハガネ「……はっ」


ウグイス「え?」


シラサギ「あれ?」


ナナシ「………ふぁあ~……ん?」


オパビー「最後の方ちょっと駆け足だったけど、これでイフは終わりやで」


オパビー「不明な点とかがあったら、質問受け付けるで」

イフで顕現したナナシちゃん、ぶっちゃけ師匠にたいする恋愛感情はどうなの?

 >>931
 無いで!
 ナナシちゃんせっかく顕現したから後付けで正規の世界線の鋼の道場では四天王レベルに強いわりと古参の弟子って事にするで。

ナナシ「ししょ、ここどこですか?」


ハガネ「ナナシ、お前も来たのか。私も分からないが、どうやらこういう場所らしい」


ナナシ「へえ」


オパビー「なおイフ世界線の記憶は消させて貰ったで」


オパビー「さて。そろそろお楽しみ時間の終わりやで」


オパビー「ケーキは食べ切るもの、夢は覚めるもの、遊園地は帰るもの。まあ、まだ安価でリクエストがたまってるサイドストーリーはあるが、一旦終わりにさせて貰うでな」


オパビー「このスレで書くのはあと一個だけ…………そう。アテナのエロだけやで」


アテナ「え?」

オパビー「成人ショタ王子×巨乳高身長純愛系龍人。どうなるか楽しみやな」


オパビー「もちろん龍形態でもセックスさせるつもりやで」


ユタ「おいちょっと待て!?」


アテナ「せっくす?」


ユタ「おいアテナ変なこと教えるな!」


オパビー「はっはっはー」


オパビー「まあ教えたって教えなくたって変わらないんやからええやないか」


オパビー「じゃ、みんな」




オパビー「さよならやで……………」




オパビー「夢よ」


オパビー「覚めるが、良い」

 ◆◇◆◇◆






私「はっ! ………………はぁっ、はぁっ……………」


 私は、目覚めた。
 目を開ければいつも通りの天蓋が見える。
 私は滝のように汗をかいていた。


私「ハァ………ハァ……………」


 何か、夢を見ていた気がする。
 何か、大切な決断をした夢を。
 だが忘れてしまった。
 しかし、忘れた夢の残り香の影響か、私は不思議と、ある決意を抱いていた。
 今日こそ絶対に、「アレ」をしてやるという決意が。
 何があっても、それこそ天変地異が起きたとしても、成してみせるという確固たる意志を。

ユタ「ああ、起きたかアテナ」


 私の部屋の窓のカーテンまとめながら、そうユタが言った。
 こやつは、ユタという。
 この国の王子だ。
 そして……………私が恋している相手でもある。
 出会いは五年前、私がこやつを殺そうとしたところから始まった。
 私は傲っていた。
 こやつの現妻であるルイに完膚なきまでに叩きのめされ、殺されそうになった所をこやつに助けられた。
 それが私がこやつを恋している原因ではないが、キッカケの一つであることは間違い無い。
 こやつに匿われ、ルイやこやつのもう一人の妻であるパトリシアと一緒に暮らしていく中で、徐々に、ちょっとずつ、だったのかもしれない。
 私はこやつに恋していった。
 明確な区切りなど無かった。
 緩やかな坂道のように、私はゆっくりと恋に落ちていったらしい。
 今の私のこやつに対する感情は、はっきり言えば愛しさしかない。
 生物としての本能的にも、ヒトとしての理性の部分でも、私はこやつに恋をしていたのだ。


私「ああ。おはよう、ユタ…………」


 ユタが振り返る。
 髪が日の光に輝く。
 私がつけてしまった大火傷もある。
 その綺麗な瞳が私を見据える。
 口元が微笑む。
 細い指が動く。
 そして実感する。
 ああ、やはり私は恋をしていると。


ユタ「どうしたんだアテナ固まって。なにか、あったのか?」


私「いや、何でもない………ちょっと考え事をしとったからの」


 主にユタのことを考えとったぞ。


ユタ「じゃあ、寝間着を着替えたらすぐに降りてきてくれ。朝食が…………」


私「ユタっ…………!」


ユタ「ん?」


 ユタが部屋を出て降りようとしたとき私は奴を引き止めた。
 これが蛮勇かも真の勇気かも分からない。
 だが………もし、言うのなら……………今だ………!

私「ユタ……………わ、わわ、私、は………………」


 しかし、いざ言おうとすると舌がもつれ、上手く言えない。
 引き止められたユタが不思議そうな顔をする。


ユタ「…………………どうした?」


私「わた、私は、お、お主の、こ、事が………………」


ユタ「言い辛い事なら言わなくても良いぞ?」


私「いや! 言う! 絶対に言う!」


 私は深呼吸した。
 しかし、言いよどむ。
 ああ、やはり言えぬぅぅ……………
 私が言えずにいると、ユタがかがみ私と顔の距離を急接近させた。


私「あぅ!?」


ユタ「ああ、驚かせて済まない。だが、そんなに無理に一気に言おうとしなくて良い。ゆっくりでいいから、言ってみろ」


 ユタが私の手に手を重ねる。
 ユタの幼く整った顔が私を覗き込み、私の心臓が早鐘のように鳴る。
 しかし、ユタの言うとおり、一語一語ゆっくりと話そうと、まずは息を吸い、ユタから目線を離し言葉を放つ。

私「わ、私は……………」


ユタ「うん」


 まずは一言。
 ユタが頷く。


私「き、貴様の事が………………」


ユタ「うんうん」


 次の一言。
 私は最後に息を整えた。


私「す……………………」


ユタ「うん?」


 小さすぎて聞き取られなかったようだ。
 私は覚悟を決め、ユタの顔をまっすぐと見据えた。


私「す…………………っ!」


ユタ「す?」


私「…………………………………ぅううぅうう……………」


ユタ「え、ちょっ!」


 羞恥と不安が限界に達し、涙が溢れた。
 やはり、無理だ…………
 ユタが急いでハンカチで私の目元を拭く。


ユタ「まったくどうしたんだよアテナ………」


私「だって、だってぇええ……………」


 振られるかもしれない。
 そんな不安が、この年月ずっとあった。
 それは私がユタに告白できなかった原因の一つでもある。
 だから、言えないのだ。
 私の涙を心配そうに拭きながらユタが言う。


ユタ「そんなに辛いなら、言わなくて良いのに…………」


私「ぅううぅ……………」

私「言うのは辛いがぁ……………言わぬのも辛いのだぁ……………ぅうぅう……………」


ユタ「私にどうしろと……………」


 絶えず溢れる私の涙がこぼれるごとに、ユタはハンカチを濡らす。
 こんな優しいところも私が恋しているのだ。
 ……………これほどまでに恋しているのならば……………言わねばなるまい。


私「ぐすっ……………言う……………………」


ユタ「でも…………」


私「言うったら言う!」


ユタ「わかったよ……………良いよ、言っても」


 私は息を吸い込んだ。
 今度こそ、言えるっ……………!


私「わわわ、私は、貴様の事が好きだっ!」


ユタ「うん…………うん? え?」


私「好きだ……………好き……………ぅううううぅっ、ぐじゅっ………!」


ユタ「ええええええええええええっ!?」


 ユタが叫んだ。
 目を見開き、驚愕の表情を浮かべて。
 私は、言い切ったのだ……………

 あとの流れは家族会議からの多少の差違はあるが>>775-784
 全員なぜか微かなデジャヴを感じながら、アテナの嫁入りが決まった。

 ◆◇◆◇◆


 私は事の経緯をアテナと共にトキに報告した。


トキ「またかテメエふざけんな」


私「トキ、本当にすまないと思っている」


トキ「約束は覚えているな?」


私「覚えている」


トキ「よしじゃあ歯ぁ食いしばれ!」


 パカンッ!


 私はトキに殴られた。
 手加減はしてくれたようだが、それでも痛いものは痛い。


アテナ「き、きさっ、ユタに何するんだっ!」


トキ「いや………前にアテナ手を出したらぶっ飛ばすと言ってたからな。約束通りぶっ飛ばしただけだ」


 アテナは倒れ込んでいる私に駆け寄り、抱き上げる。
 そして殴られた頬を優しく撫でる。


アテナ「ああユタ大丈夫か? 頬が腫れとるぞ?」


私「いや、気持ちは嬉しいんだが…………」


 体制のせいですごい質量の胸が私の頬に押しつけられている。
 やわらかくてあったかい。
 何だろう、母のような包容力だ。


私「というか、大人しく殴られた私も私だが、まだアテナに手は出していないぞ?」


 私はアテナに支えられながら立ち上がった。


トキ「どうせ同じようなもんだろ?」


私「まあな……………」


アテナ「手を出すってどういう事だ?」


私「ああ………うん。アテナは知らなくて良い」


 とにかく、一応これでトキへの報告は終えたな。
 あとすべき事は一つだけ。
 私はとある紙懐から出した。


私「で……………トキ王。頼みたいことがあr」


トキ「婚姻だろ分かってるよ! 祝福してやるよこの野郎め!」


 トキはヤケクソと言った表情で紙を奪い取り、そこに印鑑を叩きつけるようにして押した。
 その瞬間、私達の婚姻が確定したのだった。

トキ「ほらよ。末永くお幸せに!」


私「ああ。祝福感謝する」


 アテナが俺が持つトキから返して貰った婚姻書を見て、納得が行かないという顔をする。


アテナ「ううむ……………これで、私とお主は結婚した、という事なのかの? 実感がないのう………」


私「なんだ? 紙面上じゃ満足行かないか?」


アテナ「うむぅ……………」


 結婚式を挙げる事はアテナも知っているが、それでも納得行っていないらしい。
 まあ言ってしまえば婚姻書なんてインクの乗ったただの紙だからな。
 しかし、こんなこともあろうかと、私はしっかりとあることの準備をしていた。


私「じゃあ、実感が湧くようにしてやろうか?」


アテナ「うむ?」


 私は懐から手のひらに乗るサイズの箱を取り出し、それを開け中身を取り出した。
 そしてアテナの左手を取り、薬指にそれをはめる。
 濃い紫色の、タンザナイトの指輪だ。
 勿論、オーダーメイド、私とアテナだけの指輪だ。


アテナ「お、お主……………こ、これ、は…………」


 アテナの顔が徐々に染まっていく。
 私はアテナの左手を握ったまま膝をついた。


私「>>下」

私「私と結婚しよう。そして、ずっと一緒にいよう」


 ボンッ、とアテナの顔が赤くなった。


アテナ「も……………………もちろん……………だ…………………///」


 そして小さな消え入りそうな声で、その返事は返ってきた。
 互いに、見つめ合い、そして、ゆっくりと唇の距離が近づき……………


アテナ「だ、だだ、ダメだ! わ、私には出来ぬっ!」


 もう少し、と言うところでアテナが顔を背けてしまった。
 キスが恥ずかしいのか。


私「まあ今はまだ恥ずかしがっても良い。だが、いつかはしっかりと口づけをしよう」


アテナ「うう……………すまぬの………じゃ、じゃあ横を向いてくれぬか?」


私「こうか?」


 私がアテナの言うとおりに横を向くと、頬にはプニッと、肩にはブニュンッと柔らかい物が当たった。


アテナ「今はこれが、精一杯での…………」


 前を向くと、アテナがリンゴのように顔を真っ赤にしながら口元を抑えていた。
 意外にアテナも、デレるととっても可愛かった。


トキ「…………………」


私「あ、トキ。いたのか」


トキ「というかここ王の法務室なんだが。お前らに一言だけ、言わせてくれ」


私「どうぞ」


 トキが息を吸い込んだ。


トキ「よそでやれよそで!!!」

 と、言うわけでこのスレは終わりやで。
 アテナのエロも結局次スレに持ち越しやで。

 999までは感想とか欲しいで。


3スレ目ということはアテナのエロ以外にも何か書くのかな(期待)
ナナシというかIM・ビーイングのエロはどうなるのか個人的には気になる

 >>948

 次のスレで書くこと。

 1:アテナの初夜

 2:物語で買われなかった三人の奴隷(安価無し)

 3:獅子眩いの続編(安価無し)


 EM.ビーイングは機械やし普通ならエロは無いで。
 ……………でももちろん、魔道具として人工膣も人工子宮もあるんやで。

 一旦区切りがついたから「孕ませハーレム子孫繁栄!」の方を進めとくで。
 次のスレはそっちが一区切りついたら立てるで。

 さいなら。

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