【安価・コンマ】孕ませハーレム子孫繁栄! (954)

 このスレは、主人公がある神さまからお願いを受けて、異世界で女を孕ませハーレムを作り、末永く子孫を繁栄させるスレ、であーる。

 まずは主人公キャラメイク。

主人公:男
在籍:地球、日本(現実の日本)
種族:人間
名前(名字含めて):>>下1
職業、身分:>>下2
身体的特徴:>>下3
性格や趣味:>>下4、下5

中出 静樹

 >>3
 ひでえ名前w
 名字と名前は普通なのに……
 おkやで。
 安価下。

 主人公は死にます。
 幼稚園児の少女二人の命を救って死にます。

 どんな場所で>>下1
 何がどうなって>>下2
 どんな風に救って死んだ?>>下3

 すまん、やり直し。

 いつ>>下1
 どんな場所で>>下2
 何がどうなって>>下3
 どんな風に救って死んだ?>>下4

 場所:大きな歩道橋採用。

自殺しようとした2人と一緒に落ちようとして

 うわあああ混乱させるようなことしてすまん。

 >>20
 一緒に落ちようとしてってどういうことや?

あっ、これは飛行機でIDが変わってるから答えられないパターン

夕方に
病院の屋上で
落ちかけた園児二人を助けようとして
クッションになって死んだ。

ということで。

単発末尾oころころと飛行機でID変えてるっぽいしなんか対策したほうがいいのでは?

 PIPIPIPPIPIPIPIPIPIPIPI………

 バンッ!

 ムクリ

俺「くぁ………! っはぁ……」

 バサッ、ヒッタヒッタヒッタヒッタ



 俺の名前は、中出 静樹(なかだ しずき)。
 19歳の、ごく一般の大学生だ。
 体型は中肉中贅。
 ウソついた。
 ちょっとぽっちゃりだ。
 ウソついた。
 メタボだ。
 ボヨンと飛び出したこのお腹。
 たぬきならぽんぽこと鼓でも叩きそうな腹だ。
 まあ、あまり痩せようとも思わないが……

>>34
 すまぬが、飛行機とはなんぞや。

>>36
スマホの機内モード
使うと何度でもIDを変更できる

>>37
 なるほど。

 末尾小文字oって、何?

(やべえシークレットモード使ってるワイ死んだ)

「O(オー)」だと携帯、
「o(小文字のオー)」だとWILLCOMの一部機種、
「Q」は中間サーバ型携帯用ブラウザ、
「I」・「i」はiPhone、
「P」だとp2.2ch.net→ http://p2.2ch.net/ からの投稿、
それ以外が「0(ゼロ)」(PC・PDA・京ぽん etc)
らしい

イッチは安価出す側だから関係ないだろ!

末尾はこれでも変わったような?

>>43
 ほうほう

>>44
 そういやそうやった。

今まで飛行機って本当に飛行機に乗りながらやってるのかと思ってた

>>46
 ほえー

>>48
 同じく。

おーぷんに移動してアク禁でも使わん限りこの手のを追い出すのは不可能
モバマス安価SS界隈はこういうので壊滅的なダメージ受けた

 荒れそうで怖いなあ。
 対策は考えるで。

現時点ではよほど変なのは再安価、くらいでいいんじゃないかね?

>>58 分かったで。

 電車に揺られ、スマホで無名のなろう小説を読みながら思いにふける。
 ああ、いつか天からドストライクの少女でも降ってきて、俺に惚れて結婚してくれねえかなあ。
 童貞は卒業済みのものの、彼女いない歴=年齢。
 もう大学生にもなったし、結婚までは行かずとも、せめて彼女作りてえなあ。
 それで、父さんと母さんに紹介でもして、安心させたいなあ。


 それでも、メタボな俺には無理な事だ。
 その子がよっぽどデブ専でもない限り……。

 ◆大学後◆


 ~先輩が研修に行っている病院~




先輩「よ、後輩クン。よく来たね」


俺「ああ、先輩。どうも」


 待合室でぽーっとしていると後ろから誰かに頭を叩かれた。
 振り向くとそこには看護服を着た先輩がいた。
 この先輩は>>下1(女性)さん。
 >>下2で>>下3で>>下4な人だ。
 いい身体だなあ……なんて、ほんの少し邪な事を考えながら、俺は返事をした。


先輩「まあ、常識的に考えておかしいところ以外はどこでも入って勉強すればいい。もし、何かわからない事があれば、私に聞いてくれ」


俺「わかりゃした」

 楓先輩はああ見えて、引っ込み思案なところがある。
 気配りが上手なのだが、あまり人前に出たり目立つ事を苦手としていた。
 しかし、消極的ながらも、病院という現場では患者のために頑張って明るく振舞っているようだ。
 飲み会の時は隅の方で縮こまっていて、よく別の先輩に絡まれたりする。
 その前にも一応俺が注意したはずなのだが、それでもその先輩はしつこく楓先輩に言いより、セクハラなどをするため、この前カッとなってその男の先輩少し強く当たってしまった。
 おお、あの時の俺の虚勢が怖い。
 あの時周りの女性陣が味方してくれなければボコされてた。
 帰り道に楓先輩からありがとう、って言われたなあ。




 ………ああ、楓先輩が俺の彼女ならなあ。
 分かっている。
 そんなもは夢のまた夢。
 不釣り合いというものだ。
 俺メタボだし、顔は中の下の上くらいだし。
 もっとルックスがあれば良かったかもな。

 夕焼けが辺りを満たして来た頃。
 俺は、楓先輩に病院の4階の上にある屋上に呼び出された。



俺「夕焼け綺麗っすね」


楓先輩「ああ。そうだね」


 あなたの方が綺麗だけど。
 そんな事言える筈もない。
 俺は缶コーヒーを口で持ち、両手を冊にかけた。
 屋上には俺たち以外に数人、夕焼けを見に来たのか、それなりの人数がいる。
 車椅子に乗った患者っぽいお爺さん、お見舞いに来たらしい手を繋いでいる幼稚園児くらいの女の子二人、ハトと会話する片腕のない少年。
 そんな顔ぶれだった。


俺「で、どうしたんすか、話って」

楓先輩「……いやあ、その……」


 赤い斜陽の中、楓先輩の髪も光を反射してオレンジ色に煌めく。
 うん、めっちゃ綺麗だ。


楓先輩「…………静樹」


俺「どうしたんすか? 改まって」


 おおう、少しドキッとした。
 下の名前で呼ばれるのはいつぶりか。
 ………そういえば、いつから俺は後輩クンと呼ばれてたんだっけな。
 忘れた。


楓先輩「はっきり言って、私は、今の私がここにいるのは、君のおかげだと思っているんだ」

俺「俺のおかげ、っすか?」


楓先輩「うん」


 楓先輩は続ける。


楓先輩「私が飲み会で絡まれてた時、君が、助けてくれたよね? お互いの事なんて一切知らなかったのに、怖がっていた私に、手を差し伸べてくれた」


 俺と楓先輩は、他の先輩に誘われた飲み会で(俺はノンアルコールノンビール)初めて出会った。
 何度かその飲み会に参加するうちに、先述したような出来事になった。
 その帰り道、楓先輩が「ありがとう」と言ったのが、俺たちの初めての会話だった。
 そこから、ちょっとした交流が今まで続いているのだ。


俺「いやあ……その、勢いで助けたと言いますか、場の空気に酔ってヒーローぶってたといいますか」


楓先輩「それでも、私は助けられた。ずっと、苦しめられていたところから。それに……」


 楓先輩が一息ついた。
 何か重要な事でも言う前のように、嵐の前の静けさのように。


楓先輩「私がこうして看護師の夢を諦めなかったのも、君のおかげなんだ………色々、君と話して、君に何度だって勇気付けられて………」

 ………なんだか告白でもする前の会話見たいだな。
 いやあ、まさかそんなね。
 告白でもする前の会話見たい………
 いやあ、まさかそんな………


 ドクンッ


 そんな、筈は………


楓先輩「全部……君のおかげなんだ」

 ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ


 いーや、ないないないないないない!
 無いったら無い、あり得ない!
 確かに楓先輩とはたくさん話したし、相談もしたけど!
 それは無いって~。


 ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ


 だから期待するなってんだ俺の心臓ッ!
 冷静を保て、冷静をよそおえ……!


楓先輩「ああ……ステージに立ってる訳でも無いのに、こんな、心臓が跳ね上がってる……心拍数が、上昇している………」


俺「………?」


 楓先輩は自分の胸に手を当てて、苦しそうに息をしている。
 まさか告白しようとして、緊張してるのか?
 いやバカかなに考えてるんだ俺。
 楓先輩に限って俺に告白するなんてそんな筈が………


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


 そう思っても、俺の心臓は全日本太鼓早打ち選手権を開催している真っ最中だった。

楓先輩「漫画とか、ドラマで見るには容易いのに、実際にするのは、こんなに緊張するんだ……」


 …………ウソ……
 マジで?


楓先輩「ずっと……君に、言いたかった事があるんだ………」


 死んでしまう。
 その言葉を聞いたら多分俺死んでまいます。
 心肺停止いたします。
 ………あ、その時は心肺蘇生宜しくお願いします。


楓先輩「私は、君の事が………」


 ガコンッ


























 午後×時××分ごろ、〇〇病院の屋上で突然給水塔が倒れる事故が発生。
 巻き込まれた5歳の少女二人が軽い怪我、二人を助けた19歳の大学生、中出静樹(なかだ しずき)さんが頭を強く打つなどして死亡。

俺『……………え?』


神『おはよう。まずは称賛の言葉を送ろう、勇者よ』


俺『……………え?』


 おい、待て、ここ、どこ。
 俺は辺りを見回す。
 全ての色が均等になったような、白い世界。
 その世界には、俺以外に目の前の少年しか存在していなかった。

俺「>>下」

俺『楓先輩は!?』


 な、何があったんだ!?
 俺は、俺は楓先輩の告白を受けるところだった筈……!


神『ふむ。自分より愛する者の心配とは。まさに勇者と言ったところだな』


俺『いや、勇者とか訳ワカメ……マジでどこだ……記憶が抜けて……』


 朝から記憶を辿って行く。
 起きて、朝ごはん食って、電車に乗って、異世界転生ものでも読みながら揺られて…………

 異世界転生…………?

 何度も、何度も、読んだ事がある。
 溢れるほど、読みきれないほど、「なろう」にはこびったジャンル。

 異世界転生。

 何もない空間、飛んだ記憶、そして神々しい謎の人物。
 あり得ないほどのデ・ジャ・ヴューの三拍子。
 これが異世界転生だと言うのなら、転生という言葉の定義通りなら………


俺『じゃあ、俺は…………死んだのか?』


神『うん。死んだ』

俺『ざけんなっ!』


神『因みに私は神だ』


俺『ざけんなって言ってごめんなさい!』


 俺はそれはもう全力で土下座した。


神『ああ大丈夫大丈夫。別に気にしてない』


 良かった………
 俺はそこで今一度その神を名乗る少年を観察した。
 筋肉のない身体に、ギリシャのような白いローブ。
 そこにこれまた神っぽい2メートルほどの杖を持っている。


神『さて、告白される直前という最悪のタイミングで死んだ勇者よ』


 やっぱり告白されるところだったのかーっ!
 そう思うと、記憶が徐々に蘇ってきて来たぞ……

 ◆◇◆◇◆



楓先輩「私は、君の事が……」


 ガコンッ


俺「え?」


 そういえば、あの時、急に屋上の給水タンクが落ちてきた。
 異音が起こって俺が振り向いた瞬間にはもう、幼稚園児二人の上にゆっくりと給水タンクが倒れていた。
 実際にゆっくり落ちていたわけではなかった。
 まるで走馬灯のように、あの二人の、口をポカンと開けていた顔が忘れられない。


俺「あ、危ない……」


 そんな情けない声しか出なかった。
 しかし、身体は動いていた。
 園児二人を両手に抱えた瞬間、横から激しく重い衝撃に突き飛ばされた。
 激しい水しぶきと共に、俺の身体が手すりを乗り越えた。
 骨がバキバキと折れた音がした。


 そして、俺の身体が宙を舞った。




 ◆◇◆◇◆

俺『そういや……俺、それで死んだのか……』


神『そう。あの二人は君がクッションになった事で救われた。君は自身の命を持って、尊く、日本の未来である幼き命を救ったのだ。その行動は、まさに称賛に値する』


俺『はぁ……』


 神はパチパチと拍手をした。


神『そんな日本の尊い子供を救った勇者に頼みがあって、姿を現したのだ』



 俺が死ななかったら楓先輩と結婚して子供産んでましたけどね。
 まあ、それでもあの子達を救えたのは良かった。

神『シズキ・ナカダ君。君にはぜひ異世界で子孫を繁栄してほしいんだ』


俺『…………え?』


 ……………は?

神『詳しく原理を説明すると面倒くさいからしないが、要は異世界で君の子が生まれれば生まれるほど、日本に子供が増えるんだ』


俺『ふーん……』


神『と、言うわけで。日本の少子化を救うために、是非君には異世界で生き残りつつハーレムを作って欲しい。あ、拒否権はないから』


俺『…………マジでえ……』


 俺には心を決められた楓先輩という人が………
 そんな事を思っていると、心でも読んだのか、神が顎に手を当て、言った。


神『そうだね。もしカエデセンパイに未練があるって言うのなら、彼女が死んだ後同じ時代に転生させてあげるよ。どうせ彼女一生独身だし』


俺『マジで!?』


神『まあ、会えるかどうかは、君次第だけど、ね』


俺『そうかあ……』


 異世界って、広いんだろうなあ……
 よっぽど運命的な出来事がない限り、楓先輩に再会することは叶わないだろうなあ………

神『まあ、勇者と言えど私も流石に肌身着のまま異世界に放り出してさあ、ハーレムを作れとは言わないさ。そのままプレーリードッグに食われかねない』


 異世界のプレーリードッグ怖え。


神『だから君にハーレムを作るための神々の加護を授けよう!』


俺『おおう……なろうにありがちの異能だあ……』


神『私だって君にはちゃんとハーレムを作って欲しいしね。奮発したよ』

神『まずは「アフロディーテの加護」。初っ端から大目玉だ。ハーレムを作るにはこれが一番必要とも言えるだろう』


 いきなり美の女神の名が出たぞ。
 まさか凄くイケメンになるとか……!


神『容姿には特に影響が無いが、態度とか話し方に微妙に影響する加護だ』


俺『なんだぁ……』


 俺がうなだれると、チチチ、と神が言った。


神『おっと、侮る事無かれ。この加護によって女が君に惚れる確率が平均約2倍になるんだ!』


 おお?
 ………ぉぉおおぉ……??
 それは……すごいのか?


神『すごいよ。君自身にはあまり実感は無いだろうけどね』


俺『うん……』

神『次に「アルテミスの加護」。これはどんな女でも、もっと言えばメスでも受精率が100パーセントになる。おまけに、無事に出産する確率も格段に上がる加護だ』


俺『まずセックスしなきゃいけないのか……』


神『そこは頑張って。とりあえず、この加護があれば普通は受精させられないような異種族でも、メスである限り君の精子は確実に受精する。もちろん、初潮は迎えてなきゃ行けないけどね』


 異種姦かあ。
 獣も、まあ頑張ればいけるかなぁ………


神『別に人間の女の子ばっかり狙ってもいいけど、なるべく多くの種族を孕ませて欲しいな。そっちの方がエネルギーの関係で少子化対策に貢献できるしね』


俺『分かりました』

神『次に「ヘラの加護」。これは君が伴侶とした女性をほかの男から守る加護だ』


俺『おお。寝とられないって事か……』


 神は頷いた。


神『うん。その代わり君も人妻みたいな愛する相手がいる人は寝取れないから、気を付けるように』


俺『はい』

神『次に、「アテナの加護」』


俺『加護多い……至れり尽くせりですね』


神『うん。普通はどれか一個、とかなんだけどね。流石に日本の少子化が深刻過ぎて……。じゃあ続けるね。この加護は、一人子を孕ませる度に、君の全ステータスが1、4倍(小数点以下四捨五入)される加護だ』


俺『ステータス?』


神『要はrpgゲームの攻撃力とか防御力だ。ステータスは可視化出来ないから、なんとなくどれくらい強くなったかは自分で感じ取ってくれ』


 神様。
 rpgゲームだとロールプレイングゲームゲームになってしまいやすぜ。
 俺はそう言いたいのをぐっと抑えつけて、頷いた。

神『最後に、「ゼウスの加護」』


 いきなり男神かい。
 しかもヤリチンの浮気野郎じゃねえか。


神『この加護はね、絶倫と性感染症の無効化を付与する』


俺『ハーレムには不可欠ですね……』


神『そうだろう。君と性行為した女性がもし性感染症を持っていた場合、それは消える。そんな加護だ。それに性行為中はいくらでも射精出来るし、疲れない。ただし翌日反動が来るから本当に気を付けてね』


俺『肝に命じておきます』

 ゼウスの加護の説明を終えると、神を名乗る少年は息をついた。


神『さて、これで僕からあげれる加護は全部だ。ちなみに有名どころに神の名前がついてるけど、本人達とはなんの関係も無いからね』


 そうだな。
 アルテミスの加護とかはともかくとして、ゼウスの加護なんてヤリチンの部分が強調されすぎだもんな。
 神はくるくると杖を回した。
 フォン、と青白い魔法陣が俺の足元に現れた。


神『割と長く話したね。そろそろ、君には異世界に旅立ってもらうとしよう。なにか、質問は無いかい?』


 聞きたい事>>下3つ

 質問か……
 俺はそう思いながら自分が授かった加護を思い返した。
 そこで、大事なことに気がついた。


俺『……あれ、戦闘力を上げる加護とかは……? あとコンティニューとかは? 死んだら死ぬの? SEXの加護オンリー!?』


 俺がそう叫ぶと、神を名乗る少年は頷いた。


神『うん。私に出来るのはこれくらいが上限。せいぜい、死なないように頑張ってくれ。二度目はないからな』


俺『し、死んだら、終わり……?』


神『贅沢言うなよぉ。だって、君もう一回死んでるんじゃん。そこを一回生き返らせてあげるんだから。頑張って』


 頑張って、か………
 マジかあああ……

俺『で、次の質問なんですけど……』


神『いいよ、言って言って。時間無いし』


俺『時間無いの!? えっと、異世界ってどんな世界ですか?』


 俺が慌ててそう聞くと、神はふむ、と顎を触った。


神『そうだな。ゲームに例えるのが良かろう。ドラゴンクエストとか、ファイナルファンタジーだ。文明レベルはドラゴンクエストレベルだな。まあ、機械とか絡繰は期待するだけ無駄だな。しかし安心せよ。魔法はきちんとあるから』


 魔法があるのか……!
 いやっふぅぅぅううぅぅうぅ!!!
 ありがとう神様!


俺『ありがとうごぜえやす、ありがとうごぜえやす』


神『拝むな』

俺『で、さっきの話なんですけど………』


神『ん? なに?』


俺『俺、SEX以外では弱いので、サポートキャラとかアイテムは………』


神『頑張れ。適当に小国の姫でも籠絡して国宝級のマジックアイテムでもなんでも手に入れれば良かろう』


俺『いや、そう言われても、籠絡する前に死……』


 その時神がいつのまにか付けていた自身のロレックスの腕時計に目をやった。


神『おっと、もうこんな時間だ』


俺『早っ!』


神『そろそろ君を転送しないと門が閉じる。じゃあ、転送するぞ』


俺『あ、待った、まだ聞きたい事が……!』


 楓先輩の事とか!
 さっき一生独身とか言っていたし……
 しかし神はグルングルンと杖を回し、空間に突き立てた。


神『アディオス・アミーゴ!』


 瞬間、視界が青白い光に包まれた。
 そして生命の全てが流れ込んでいるようなエネルギーの流れに流された。
 人間、家畜、虫、様々な生命の叫びが聞こえる中、俺の意識は川に霧散していった。







 ヒュッ!

 転生or転移。
 転生の場合記憶が一時的に無くなり、種族や身分などのキャラメイクから人生スタート。
 転移の場合ルックスなどはそのまま異世界に放り出される。

 >>下

 主人公のステータス(主人公からは見えない)(基準としてこの世界の装備無しモブ剣士などは知力10、それ以外全部100)


 筋力:10
 体力:8
 瞬発力:6
 知力:50(大学生)



神「ここにスキルポイントが30ある」


 好きに振り分けて、コンマ2桁が一番多かった振り分けに決定
 >>下5つ

 なお、ハーレム要員は一人ずつキャラメイクするで。
 キャラメイクしたやつ以外は基本的にハーレム要員にはならん。
 ルールとして、


 ①なるべく違う種族
 ②寝取りなし
 ③ノットブサイク
 ④亜人等も大体人間と同じ速度で歳をとる


 という事だけや。

 キャラメイク項目はこんな感じ。


 性別:女
 種族:
 名前:
 身体的特徴(見た目):
 職業、身分:
 処女か:
 性格や趣味:
 年齢:
 備考:
 主人公との出会い&惚れ方:


 多いけど、許してや。

 安価下。

 わお荒れてる。

これはキャラメイクの安価?

安価下

 じゃあ、やり直し。



 筋力>>下1
 体力>>下2
 瞬発力>>下3
 知力>>下4


 それぞれコンマ一桁分ずつ増加。

 >>147
 すまん、まだ。

はい

 コンマこの下から。

 ミス。

もう楓先輩の生まれ変わりは出していいのでしょうか?それとも生まれ変わりが登場するのは決まってますか?
性別女
種族エルフ
名前 リアンノン
身体的特徴 透き通るような白い髪と白い肌
職業 部族の姫巫女
処女か 処女
性格趣味 気弱でオドオドした小動物系 動物とふれあうこと
年齢 16
備考 楓先輩の生まれ変わり(無理なら無しで)
主人公の出会い&惚れかた 運命を感じて一目惚れ

 >>150-153
 を採用するで。

1の書き込みをろくに読んでないのがよくわかるね

すみません
リロードしてませんでした

 >>161
 まだや、まだ。
 落ち着いて落ち着いて。
 生まれ変わりは備考で言ってくれたらそうなるで。
 すまんが、そのキャラは無効やで。

 >>164
 無問題。
 おまいらも164せめるなよ、

 というわけで主人公のステータスステータス、こうなったで!


 筋力:10(+8)
 体力:8(+7)
 瞬発力:6(+7)
 知力50(+5)


 まあええ感じやな。
 瞬発力が二倍以上になったやね。
 体力もだいたい二倍。
 ちなみに異世界生活の中で訓練すればちょっとずつ増えるかも、やで。

 >>163-171
 静まれいおまえら。
 平和になってくれい。
 安価ならともかくコンマなんてサイコロを振るようなもんなんやからワイがやっても一緒やから連取りでもなんでも変わらん。
 でも安価連取りだけは勘弁やで。

せんせー!
ハーレムキャラメイクはだいたい何人ぐらいまで募集予定ですか!?

 >>174
 ワイが飽きるまでや。

 さて、この安価が終わったら一旦もう一つのスレに行くで。


 主人公が強制的に転移された場所。
 そこはどんな場所だった?
 詳しくよろす>>下

>>145で項目数が多い直下採用のキャラメイク安価を必死に書き込んだら、>>148>>149で無しにされて>>163でろくに読んでないと煽られたり>>165で落ち着いてと子供に対する扱いをされたID:KsbOGdbDOはちょっと哀れだな

 教会兼孤児院か。
 もう一個のスレがちょっと時間かかるから、先に最初のハーレム要員決めてしもた方がええな。

 >>181
 本当にすまないと思ってる。
 子供扱いをしたつもりはないんや……

 とにもかくにも………
 一人目や。



 性別:女
 種族:>>下1
 名前:>>下2
 身体的特徴(見た目):>>下3
 職業、身分:>>下4
 処女か:>>下5
 性格や趣味:>>下6、下7
 年齢:>>下8
 備考:>>下9
 主人公との出会い方&惚れ方:>>下10

性別:女
種族:人間
名前: エクレア
身体的特徴(見た目): 金髪のロングの美女。身長は年齢の平均値よりやや上。巨乳(Fカップ)
職業、身分:教会兼養護施設のシスター
処女か: 処女
性格や趣味:天然が入っているお淑やかなシスター。敬語口調で基本的に優しい(怒る時は相手のことを思っての時)
好きなことは人に世話(or役立つこと)で趣味は家事全般(掃除、料理、洗濯、裁縫など)で特技でもあるがそれを趣味と言っていいのか疑問に残る(好きなくても本人は本気)
年齢:17歳
備考: 教会の近くで倒れていた主人公と出会う
その後、主人公と日々を過ごし不器用ながら誠実(少なくても彼女からそう見えた) の彼に惹かれていく。
ある事件などで自分を助けてくれた彼に本当に好きになり、彼を支えたい(役立ちたい)と思うようになる

てっきり>>161みたいな方式かと思ったらこういう感じで決めるのか。
となると楓先輩の生まれ変わりは出しづらそうかな

 >>196
 ちゃうねん。

>>196はスルーで>>161の方式だと思ったけど違ったか

 >>198
 まあ、備考に当たった人次第やな。

 >>200
 沢山書いてもらったのにすまん。

場合によっちゃ楓先輩が狂気に堕ちたカタワ奴隷ロリ幼女になる可能性もあると?

 >>203
 そうならないことを祈るで。
 マジで。

>>203
楓先輩、意を決して告白しようとしたら目の前で思い人に死なれた上にその後ずっと独身だから記憶保持して転生したら相当病んでてもおかしくは無い。
というか
>>神『そうだね。もしカエデセンパイに未練があるって言うのなら、彼女が死んだ後同じ時代に転生させてあげるよ。どうせ彼女一生独身だし』

これ『主人公のことを想い続けて天寿を全うして転生』とかより『主人公のことを想い後追い自殺して転生』のがしっくり来すぎる

 じゃあ早速始めるで。

俺「うぁっ!?」


 あるだろ?
 教室とかで机に突っ伏して居眠っているとビクッ、ってなって起きる事。
 今俺はそれで起きた。
 手を動かす。
 わさわさと青い草が俺の手に触れ、さざめいた。


俺「て……転生、した、のか?」


 いや……転移だ。
 俺はいわゆる異世界転移をしたのだ。
 まあ一度生き返っているが。
 俺はまず起き上がり、自分の服装を確認した。
 白いTシャツにズボン、ってこれ病院にいた時の服装まんまやないかい!
 鎧も皮の服すらなし。
 あたりは鬱蒼とした森だ。
 今魔物に襲われたら死ねるな……
 とりあえず、歩いてみるか。
 じっとしていても仕方がない。

 俺がなんとなく人の痕跡がある方向に歩いて人を探していると、急に甲高い悲鳴が聞こえてきた。


俺「何事……!」


 今のは女の子の声か?
 助けを求めていた声だったな……
 ああ、クマがいたら仕方がない!
 俺は悲鳴が聞こえた方に駆けた。
 もし駆けつけそこにクマがいたなら、俺の人生もそこまでだったという訳だ……!
 俺はなぜかとっても身軽になった身体を揺らしながら、森をかき分けていったのだった。


 駆けつけるとそこには妖精のような少女が!
 どうなってた?>>下

 寝るで。

妖精「や………あ……!」


化け猫「ヅルウウウウウウ……ヅルウウウウニャアアアアアアアン……!」


 私が駆けつけてみると、ちょっとした広場のような場所に、少女と巨大な化け猫がいた。
 恐らく少女が化け猫に捕食される寸前。
 少女は化け猫の前脚の中で脱出を試みていたが、努力虚しく化け猫の前脚はピクリとも動かない。
 一瞬化け猫が超巨大に見えたが、そんなに大きくは無く、子牛ほどの大きさだった。
 というかもう虎だろこれ。
 でも猫なんだよなあ。
 どちらにせよ驚異的な存在だろう。
 そして、俺が化け猫の大きさを見間違えた理由でもある少女。
 彼女はぱっと見14、15歳ほどの少女のようだったが、サイズ感が違った。
 頭身などはそのまま、全体的な大きさだけが普通の人間の3分の1ほどなのだ。
 少女は、化け猫の爪にかかってズタズタにされたであろう、恐らく少女の物の血が滲んだ白いワンピースを着ている。
 そして新緑のような長い髪をストレートに下ろし、人間の物とは思えないような美しい金色の瞳を持っている。
 小人などの亜人の類かとも思ったが、よく見れば背にトンボの羽のような物が付いており、妖精であるということが推測される。

 何にせよあの少女を助けよう!


俺「おい!」


化け猫「ヅニャアン?」


 俺がそう叫ぶと、化け猫はぬうと俺の方を向いた。
 二つの巨大な瞳が俺を捉えた。
 あ、やべえ。
 多分勝てねえ。
 というか絶対勝てねえ。
 素手ならなおさらだ。
 化け猫が少女から足を離し、俺の方に向いた。


化け猫「ヅガアアアアアッ!!」


 ブワワワッ、と化け猫の毛が逆立ち、同時に俺の全身の汗腺という汗腺から汗が吹き出る。
 怖えよおおお。
 どうしろってんだよおおおお。
 ともかく今の優先順位、最高位は俺の命、次にあの少女の命だ。
 白状だなんて思うなよ。
 何かあれば逃げるのも手だ……!


 どうやって少女を助ける?(初っ端から最高難易度のクエストやで。最悪、ここで死ぬで)>>下

 まあよっぽど下手やらかさない限りは大丈夫やで。
 安価下。

 絶対に接近戦は無理だ。
 何か良いものでも……!
 そう悩んでる間にも化け猫がジリジリと間合いを狭めてくる。
 その時、俺の視界にまあまあな大きさの石が映った。
 俺は素早く拳より数回り大きい石を拾い上げ、力のかぎり化け猫に投げた。


俺「くらいやがりゃあああああっ!」


 ゴッキン


化け猫「ヅブッ……!」


俺「おっほ……!」


 自分でも変な声が出るほど、石は綺麗に化け猫の鼻先にぶち当たった。

 というかなんか俺強くなってね?
 身体も軽やかだし……


化け猫「ヅ、ヅヅヅッ……!」


 石の当たりどころが悪かったのか、化け猫はフラッとよろめいた。
 しかし、次の瞬間にはしっかりと地面を踏みしめ、ギロッと俺のことを睨みつけた。
 とりあえずあの少女に注意は行っていない……
 今だ!


俺「化け猫ぉ! こっちにおいでえ!」


 俺は駆け出した。
 茂みの間を駆け抜け、なるべく距離を離す。


化け猫「ヅルウウガアアアアッ、ヅカアアアアアアッ!!!」


 しばらくして、背後の茂みからガサガサと音が聞こえてきた。
 狙いどおり追ってきたか……!
 だがこっからどうする!
 奴は今鼻が使えない……
 それをなんとか利用できれば、なんとかなるか!?



 どう倒すか、振り切るか>>下

 俺は一度身を潜めることにした。
 茂みに隠れ、まず奴の狙いから外れる。


化け猫「ヅニャアアアア………ヅニャアアアアアアアアアアア………」


 俺を見失った化け猫が、鼻を上に向け匂いを嗅ごうとする。
 だがボタボタと垂れる鼻血が絡まって嗅ぎづらいのか、鼻をプピュプピュと鳴らしながらうっとしそうに首を振る。
 良し……今がチャンス……!
 俺は近くにあった石を少女がいる方角とは真反対の方向に石を投げた。
 ガサッ、と茂みが鳴った。


化け猫「ヅニャッ!!」


 そっちか!
 というように化け猫が駆けて行った。
 ガサガサと茂みが揺れる音が遠ざかって行った。


俺「…………よし………!」


 化け猫の後ろ姿が見えなくなった頃、私は立ち上がり、なるべく音を立てないように先ほどの少女の所に戻ることにした。

 ミスった。
 私じゃないで。
 こいつの一人称は俺やで。

妖精「ひ、ぃぃっ………!」


 俺が茂みから姿を表すと、妖精の少女はビクッと驚き、カタカタと身体を震わせた。
 どうやら逃げなかった、いや、逃げられなかったらしい。
 背中の羽はよく見れば一枚が半分ほど破れてしまっている。
 それに足もさっきの化け猫にやられたらしく、立とうにも立てなそうだ。
 よく見れば身体も所々爛れている。
 あれは今ではなく、もっと昔に負った火傷だな。
 とにかく、いつあの化け猫が戻ってくるとも知れない。
 今はこの妖精を連れて安全な場所に逃げなければ……!


俺「>>下」

へいべいびー、むーぶ、ほろーみー

 >>227
 Hay baby move follow me.
 再安価でええか。

俺「よう、生きてるかー……?」


 俺はとりあえずその妖精にそう話しかけた。
 妖精は俺の問いかけに身体を更に震わせ、後ろにジリジリと下がった。


俺「あー……心配しなくていい。俺は、君の敵じゃ無い、よ? 大丈夫だ。あの猫も、追い払ったから」


 まあ、振り切って逃げて来たんだが………
 俺がそう弁明すると、妖精の少女は少し身体の緊張を解いた。


俺「大丈夫だ。怖くない。大丈夫だから」


 ところで、言葉は通じているのか?
 明らかに日本人ではないし、そもそも異世界だしな……
 転生もの特有の自動翻訳よ、付いていてくれ……!


妖精「あ……あなた、は?」


 よっし!
 俺は言葉が通じたことで心の中でガッツポーズを決めた。


俺「>>下1」


 妖精の少女の運び方>>下2

潰さないように着ているものを風呂敷みたいに使って背負う

 >>237
 ゆうて50cmだけどな。
 着ているもので背負う、やな。

 別にええけど、もっとロマンチックな持ち方は無かったんかい。
 お姫様抱っことかお姫様抱っことか。











俺「俺は、その……」


 異世界から来た、というのは言わない方が良いだろうな。
 遠いところ、と説明すれば良いか。


俺「……ここからずっと離れた遠いところから来た、旅人みたいなものだな」


妖精「たび……びと……」


俺「とにかく、ここを離れよう。……そうだ」


 俺はTシャツを脱ぎ、地面に敷いた。
 シャツ一枚のメタボがミニマムな少女の前にいる……
 危ない絵面だな。


俺「これで包んで運ぼう。足も痛いみたいだし、ちょっとした担架だ」


 俺がそういうと、妖精の少女は驚いたように首を横に振った。


妖精「……た、高い服……ち、血が滲んで……l


俺「大丈夫だって」


 これ1000円ちょっとだし。
 俺は妖精の少女をシャツの上に寝かせ、風呂敷のようにクルクルと巻いた。
 羽が折れないように、傷口に当たらないように。
 巻かれたシャツの上からぴょこっと少女の頭が出ている。


俺「ちょっと汗臭いけど、ごめんね。痛くないかい?」


妖精「だ、大丈夫………です…………楽、です………」


俺「よし……」


 俺は少女を背に背負った。

妖精「……………」


 とにかく安全な方に行かないと………そう思って辺りを見回していると、妖精の少女が小さい手である方向を指差した。


俺「そっちに行けば、安全なのか?」


 妖精は無言で頷いた。
 よし、急がないと……
 俺はなるべく音立てないように、早足で妖精の少女の導くままその場を移動した。

 しばらく進むと、俺たちはレンガの壁のような物に行き当たった。
 レンガはびっしりと噛み合っており、その上部には鋭い剣山のような物が並んでいる。
 侵入者を容易く寄せ付けないような構造になっているようだ。


俺「ここか……」


妖精「」コクン


俺「で、どっから入れば良いんだ?」


 俺がそういうと、妖精は静かに右を指差した。


俺「了解」


妖精「」コクン

主安価さばきうまいな
このままこの路線でいってほしいわ

 >>242
 せやろか。
 自覚皆無やな。
 ありがとうございますやで。

俺「ほー、教会かあ」


 さっき行き当たった場所から壁に沿って少し歩くと、すぐに鉄格子の門のようなところに着いた。
 鉄格子の向こうにまあまあな敷地が広がり、教会のようなものも建っているのも分かる。


俺「たしかに安全そうだな。どうやって開ければいい?」


妖精「ハァ、ハァ、ハァ……」


 妖精は答えない。
 代わりに、熱く、小さい吐息が俺のうなじにハアハアと吹きかけられている。


俺「どうした?」


 俺は背負っていた風呂敷Tシャツを回し妖精の少女を見た。
 すると、少女は目を潤ませ、顔を耳の先まで赤く染まらせ、苦しそうに肩で息をしていた。
 さっきまでこうではなかった。
 明らかに異常だ。


俺「おい、ど、どうした?」


妖精「ハァ、ハァッ……あ、あちゅい……あちゅぃ、よぉ………ハァッ、ハァッ……!」

俺「まさか傷の熱か……? いや、違うな……」


 妖精の体温は分からないが、ともかく計ってみない事には分からない。
 そう思って少女の額に手を当てようとした時だった。


妖精「はぷ……」


俺「っ!?」


 突然、少女がその俺の手を掴み、咥え込んだのだ。
 俺の人差し指と中指を小さい口の中いっぱいに含み、ちゅぱちゅぱと舐める。
 どこか恍惚とした表情で舌を使いながら、14か15の少女が飴のように俺の指を舐め続ける姿は、ロリコンではない俺もエロく感じてしまった。


俺「……そ、そうするといくらか楽なのか?」


妖精「ん……ふぅ……」コク……


 な、なら仕方がないな……
 このまま舐めさせておこう。
 俺は反対の手で少女の熱を計る。


俺「やっぱりすごく熱い……しかも全身か………原因は分からないが、どちらにせよ人を呼ばなくては……」

 この状況を見られるのはいささかマズいかもしれないが、仕方がない。
 俺は教会に向かって力のかぎり叫んだ。


俺「おーい! 誰か、いませんかー! 助けてくださーい!」


 すると、しばらくして教会の入り口から誰かが顔を覗かせた。
 優しそうな女性だ。
 修道服を着た、絵に描いたようなシスターだった


???「はーい、今行くのでそのまま動くな」


 前言撤回。
 可愛らしい声から一瞬でドスの効いた声になった。
 そしていわゆる美ドス声だった。
 扉から出てきたシスターは左手に1メートル程ある既に引き絞ったボーガンを持っていた。
 矢は杭のように大きく、明らかに対人用じゃない大きさだ。
 そしてシスターの目線と標準を結んだ直線上にはしっかりと俺がいる。
 殺す気100%じゃねえか。
 シスターは俺にしっかり狙いを定めたままゆっくり歩いてきた。
 そして一ミリも標準をずらさないまま鉄格子を開いた。


シスター「フィーちゃんから手を離せ」


俺「ア、ハイ」


 ごめんなさい殺さないでください。
 俺は妖精の少女から手を離しホールドアップした。
 左手がよだれでびちょびちょだった。
 つうと銀の糸が伸びた。
 で、この妖精の少女フィーちゃんって言うんだ。


妖精「ハア……ハア………」


シスター「言い訳を聞こうか」


 どうする>>下

 説明シーンが面倒だから割愛。
 因みに見たところシスターは人間。


 ◆◇◆◇◆



シスター「フィーちゃん、この話本当?」


 シスターがそう聞くと、フィーは身体をよじらせながら頷いた。


シスター「化け猫、ですか……少々マズいですね………」


 そう言うとシスターはギャリギャリとハンドルを回し、張り詰めていた弓を解放した。


シスター「疑った事は申し訳ございませんでした。お礼も言いますが、今はとりあえずフィーちゃんの介抱が優先です。その錠前で門を閉めて付いてきてください」


俺「あ、はい」


 シスターはそういうとボーガンを背負い、喘ぐフィーを抱き上げた。
 なんだろう。
 このシスターからは強い女というよりも歴戦の戦士感がぷんぷんする。
 俺はシスターの言った通りしっかりと錠を閉め、彼女を追って教会に入っていった。

 ◆◇◆◇◆



俺「あの、フィーちゃんは………」


 シスターが介抱と言ってフィーを奥の部屋に連れて行って数十分。
 その間俺は緑茶を飲みながら時間を潰していた。
 この世界に緑茶という物が存在するかは分からないが、味は完全に緑茶のそれだった。
 シスターが戻って来たため、俺はそう聞いた。


シスター「心配ございません。体調は良好。足の怪我も大したことないようです」


 彼女はそう淡々と告げた後、俺の向かいに座った。


シスター「因みにこの話し方は別に貴方を嫌っている訳では無いので気を悪くしないでください。もとよりこういう話し方ですので」


俺「あ、はい」


 シスターはため息をつき、まずは深々と俺に頭を下げた。


シスター「先ほどはあんな不敬な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした。フィーちゃんの命を救っていただき、とても感謝しております」


俺「あ、いえいえ……人間として当然の事をしたまでです」


 実は、その直前にも二人救っている、と威張りたいのをぐっと抑え、よくある『人間としていないな』の謙遜をする。
 シスターは顔を上げ、表情を変えぬまま続ける。


シスター「知っているとは思いますが、あの化け猫はここいらには現れた事のないとても強力な魔物です。それを追い払ったあなたはさぞかし腕の立つ戦士であるとお見受けします。失礼ですが、どちらに所属しているのでしょうか。ダイムラー帝国ですか。手ぶらで森にいたという事は、もしや修行中だったのですか」


 どう説明する>>下

 ハーレムとかセックスの加護とか神の事とか「以外」の転移した経緯について説明。



 ◆◇◆◇◆



シスター「なるほど……シズキ・ナカダさん……転移者、ですか」


 シスターが私に緑茶のおかわりを入れながらそう呟いた。
 緑茶美味え。


俺「あ、あの。俺以外でそんな体験をしたっていう人の話とかって………」


 転移者について俺がそう聞くと、シスターは頭をひねった。


シスター「ううん………特に無いですね。もしそんな話があったとしても、頭がおかしい人物として受け止められるでしょうね。今の私みたいに」


俺「すいません……」


 結構毒舌だな。
 毒舌と言うか歯に衣着せぬと言うか。


シスター「ですがまあ、今は真実として受け止めた方が都合が良いですね。その方がこの見たこともない材質の服などの謎も解けますし」


 因みにシャツは洗濯中で、今はシスターに渡された布の服を着ている。
 なんだか ぼうぎょが すこし あがった ような きがする。


シスター「そういえば、申し遅れました。私、ここの教会兼孤児院でただ一人働いているシスターのエクレア(名前だけ>>196からいただいたで。ハーレムにはならん)と申します」


俺「エクレアさん、ですか。よろしくお願いします」


シスター「どうか私のことはシスターエクレアとおよびください」


俺「あ、すいません………」


 シスターエクレアは気にしないでくださいと首を振った。
 そして一息つくと、急に深刻そうな表情になった。

 シスターの容姿も大体>>196の通りやで。
 ただし容姿以外の設定については色々変えさせてもらうで。

シスター「ところでナカダさん。急ですみませんが、一つ、頼みたい事が有るのですがよろしいですか」


俺「はい」


 頼み事か……
 なんだ?
 まあ事と次第によっては断るけど。


シスター「先ほど貴方が話していた巨大な化け猫についてなのですが、恐らくそれはニャンガルキャットという種類の猫で、この地方では見られた事のない種類です。非常に高い攻撃性や身体能力から要注意生物の認識されています。なので恐らく、この教会の周りの壁もやすやすと乗り越えてしまうでしょう。先ほども言ったように、ここは孤児院、子供たちが居ます。ですが、私だけでニャンガルキャットから子供たちを守り切るのは不安が有ります。ですからどうか、子供たちの安全のためにもニャンガルキャットを討伐するのを手伝っていただけないでしょうか。少しのお力添えで構いません」


 あいつを討伐だって……?
 そんなことが………
 そういやシスターどデカイボーガン持ってたな。
 行けるわ。


 どうする?>>下

俺「その、お力添えって……具体的に、何をすれば良いんですか?」


 俺がそう聞くと、シスターは頷いた。


シスター「そうですね。失礼ながらもし良ければ、囮をしてもらいます」


俺「おとり」


シスター「はい。最大限貴方の安全は確保します。貴方にあのニャンガルキャットの注意を引きつけて貰っている間に、私がボーガンで貫きます」


 シスターがどこかボーガンの引き金
 まあ確かに俺に戦闘力は無いけどさ……


俺「>>下」

 ミス


 シスターがどこか自信有り気な顔でボーガンの引き金を引くような動作をした。

俺「分かりました。あいつを倒すためなら、手伝います。どの道倒さなければ俺が無事に過ごせませんし………」


シスター「ですね。利害の一致、ということで。ありがとうございます。礼は致します」


 うん、あの猫がいたらこの教会も出れないし、この教会に泊まることになっても安眠は絶対に出来ないな。
 ………というか泊まらせてくれるのか?


俺「じゃあ、図々しいようですが、しばらくここに泊まらせていただけませんか?」


シスター「宿泊、ですか」


俺「ついでに働かせて貰えれば……この世界のお金も持っていないし、寝る場所も無いし………衣、食、住が1ミリも揃って無い状態で外に放り出されたら俺死ぬので………」


 (生きていく上で 至極当然な必要な事なので無安価)
 (あとフィーとの関係を発展させるため)


 これはどうしても譲れない。
 ラノベとかではここで身体を求めたりするが、先が見えない上に愛されてもいない女性を抱くのは………
 というか俺のスペックではむぅりぃっ!


シスター「いいでしょう。最近、子供が増えたのでその世話を手伝って貰います。宿泊する、と言う事で少し少ないですが、相応の対価は支払いましょう」


俺「ありがとうございます」


 一応、俺だって社会人だ。
 働きノウハウは備えてるつもりだ。
 ………その前に、命賭けなきゃいけないけどな………

 昼 シスターとの話し合いの直後



俺「参ったな………」


 俺はソファーにもたれかかって頭を抱えた。
 ニャンガルキャット………
 どう考えてもベンガルトラだろ、あれ……
 頭身そのままの猫……だからこそ、ヤバい。
 強いだろうな……
 作戦の結構は夕方らしい。
 それまで、もうしばらく時間がある。
 へいの外には出れないから、教会の中を散策してみるか?
 割と広いらしいしな。


 どこに行く? もしくはどうする?>>下

 では、先に孤児の子達の安価。
 フィーのような境遇の子が多いから人目を避けた森の奥に有る、という設定やで。

 性別、名前、種族、見た目、年齢、境遇、その他設定、備考、などなど。好きに書いてええで>>下5人分

質問ーこの子達はハーレムメンバーに入らん系?


シェリー
人間
黒髪 めがね 垂れ目 低身長 むちむちぼいん
17

 >>262
 基本的に無い。
 ただし、入れたきゃ相応の行動、安価をするがええ。
 しっかりキャラメイクしたキャラ以外のキャラ(例を上げればシスター)とかも、行動によっちゃ……やで。

 >>263
 すまん、境遇は書いて欲しいで。
 後4人。

【名前】ミシュラ
【性別】女
【種族】夢魔
【見た目】ボロ布フードをかぶりあまり顔や肌が見えないようにしている。12歳とは思えぬ乳とエロ尻。
巻き角が生えストレートの紫髪で可愛らしい顔
【年齢】12
【境遇】夢魔だがエッチがクソ雑魚のため同族から追い出され捨てられさ迷ってるところを拾われた。
同年代の同じ孤児の男の子から性を貰っていることを申し訳なく思っている
【備考】夢の中でもエッチがくそ雑魚のためフェラや手コキのみですませている
【その他設定】夢の中の出来事はダイレクトに現実の自分にも影響がある

 >>266-268
 ありがとやで~。
 あと2人。

 ミス、あと1人。

 俺はとりあえず教会の敷地内を散策することにした。
 敷地の形は割と綺麗な丸で、広さは良くある広めの校庭くらいだ。
 敷地内には、教会の他に畑があり、そこで野菜などを栽培しているようだ。
 まずはキッチンにでも行ってみるか……
 俺はソファーを立ち上がり、伸びをした。
 その時、誰かが廊下から俺がいるリビングを覗いているのに気づいた。
 それは、低身長で黒髪の、メガネの少女だった。
 高校生くらいか?
 しかし低身長ながら、スタイルがとても良く、むちむちのボインだった。
 まあ、もちろん性的な目では見ない。
 そんな目で見たら、失礼だからな。


俺「どうか、したのか?」


 なるべく怖がらせないように、俺はそう話しかけた。


メガネっ娘「あ……あの……ありがとうございます……」


俺「…………?」


 何に感謝をしているんだ……?
 俺がそう思っていると、慌てたようにその少女は物陰から出てきて、頭を下げた。

 念のため。




 採用されたのは「メガネっ娘:シェリー」「夢魔:ミシュラ」「多腕族:ローガ」「精霊王:サーリア」「人魚:ルーシェ」


 やで。

メガネっ娘「あ、すいません……! 私、シェリーって言います!」


 シェリーって言うのか。
 日本人に近い顔だな。
 シェリーはばっと顔を上げた。


メガネっ娘「あの、あの、あれです、あの、あれ、あの……ありがとうって言うのは、フィーちゃんを助けてくれて、です!」


俺「>>下」

お礼というのは言葉だけでは不十分なのだよ?特にそれが大きな事であれば尚更ね

 >>277
 欲望が露骨っ。

俺「気にしないでくれ」


メガネっ娘「あうっ!?」


 俺は子供にするみたいにシェリーの頭を撫でた。
 シェリーはビクッと一回震えたが、その後は「ぁぁぅぅぅ………」と言いながら、気持ち良さそうにしばらく俺に撫でられ続けた。


俺「……………」


メガネっ娘「ぁぁぅ……ぁぅうぅ………………はっ!?」


 ハッと、細めていた目を開け、シェリーが驚いた声を上げた。


メガネっ娘「あ、ちょっ………や、やめてくださひっ……!」


俺「おっと………済まない」


 俺は撫でる手を止めた。


メガネっ娘「な、撫でるのは、べ、別に良いですけど………と、取りあえずありがとうございましたっ!」


 そう言ってシェリーは走って行ってしまった。
 …………完全に親戚の子の感覚で撫でてしまった。
 まあ、良いか。

 この世界に方角という概念があるかどうかは知らないし、あったとしても分からない。
 だから分かりやすいように以後は教会のエントランス、敷地の鉄格子の門方面を南、反対を北と仮定して説明する。

 まず、教会の東方面にあるキッチン。
 シチューの良い香りが漂って来ている、と言うことは誰かが夕食の下準備でもしているのか?
 俺はキッチンを除いて見た。
 そこには緑色の髪をした少女がシチューの仕込みをしていた。
 細身だが体格がしっかりしていて、スタイルが良い。
 ………というか髪の隙間から四、五本双葉がピコッと上に伸びている。
 なんだあれ。


緑髪「あ……キジュは………」


 俺がシチューの匂いに釣られてキッチンの中に入ると、少女は俺に気づき、俺の方を向いた。
 …………キジュ?


緑髪「シスターが話していたナカダさんですね?」


俺「ああ、うん」


 少女はシチューを混ぜるおたまから手を離した。
 ………なぜかおたまはまだくるくる回っている。
 双葉の少女は俺に頭を下げた。


緑髪「ホンジュは、サーリアと言います。シスターから話は聞きました。本当にありがとうございます」


 …………ホンジュ?


俺「>>下」

俺「いや、大したことはしてないよ。情けない事だけど、引き付けて、逃げるので精一杯だったからね」


緑髪「いえ、ご謙遜を。ニャンガルキャットを振り切るなんて、よほどの腕の立つジュでなければ出来ません。フィーちゃんを救ってくれて、ありがとうございました」


 …………ジュ?
 なんか、頭の双葉がピクピク動いてる……
 なんだろう、すっごい気になる。


俺「ところで、失礼なんだけど……その、ジュって、何?」


 俺がそう聞くと、双葉の少女は「あっ」と言って顔を上げた。


緑髪「すいません、失礼しました……ちょっと独特ですが、私の種族の呼び方なんです。ジュが「人」で、ホンジュが「私」、キジュが「あなた」、タジュが「三人称」の単数、ジュリンが「あなた達」などの複数詞です」


 ………ジュって、もしかして「樹」?
 樹、本樹、貴樹、他樹、樹林………
 なんで日本語……
 ま、いいか。


俺「今夜は、シチューかい?」


緑髪「そうです。全部、ここで作った野菜なんですよ」


 ちょっと見えた庭の畑で作ったやつか。


俺「美味しそうだな」


緑髪「無事にシスターとニャンガルキャットの討伐を済ませたら食べれるので、頑張ってください」


俺「無事にって……がんばるよ」


緑髪「はい!」


 とりあえず俺は、キッチンを後にした。

 次に、教会の北の礼拝堂。
 ちょっと小さいが、よくインターネットとかで見た教会その物だった。
 ステンドグラスの貼られた窓から、色とりどりの日光が差し込んでいる。
 ちょっと目に痛いな。
 パイプオルガンは無いが、荘厳な雰囲気がとても良い。
 そうやって異世界の教会の雰囲気を楽しんでいた時だった。


??「貴方は……」


俺「うお!?」


 なんでさっきまで気づかなかったのか、礼拝堂の真ん中にフードを被った少女が座り込んでいた。


フード「………貴方、シスターが言っていたナカダって奴ね………ふうん………」


 その少女は立ち上がり、俺を品定めするように眺めた。
 少女はお世辞にも綺麗ではない長い黒いローブを着ており、肌がほとんど見えていない。
 俺からは鼻から下しか見えない。
 フードの端から覗く紫色の髪が怪しく光っている。
 しかし、そんな長いローブを着ながら、彼女の体型はある程度把握出来た。
 幼い声と背丈からは想像も出来ないほどの大きい胸。
 爆乳かな。


フード「私は、ミシュラ。あなた、割とイイ男じゃない……まあ、良いわ。フィーちゃんを助けてくれて、ありがとう。心から、礼を言うわ」


俺「>>下」

 緑髪→双葉


 安価下。

俺「おっぱい揉みてぇ……」


フード「え?」


 しまった。
 異世界に来て命の危機に晒されたりした為か、欲求が溜まって口が滑ってしまった。


俺「あ、いや、その………」


フード「…………ふーん。男って結局、みんなそう………だけど残念だったわね。私の胸はもう、1人の男に捧げているの」


 彼氏持ち………っていうか捧げてる!?
 こんな歳でもうそういう事しているのか……
 最近の子は元気だなぁ……
 良く考えたら俺も最近の子の部類に入るか。


俺「いや……ただ、口が滑っただけだ。すまない、そんなつもりは、無かったんだ……」


フード「ふーん、へー、そー………」


 ぐいぐいとフードの少女が俺に迫る。


フード「シスターに言いつけようかしら?」


俺「ごめんなさい本当にそれだけはやめてください殺されます」


フード「フフフ……まあ、シスターならやりかねないわね………良いわ、言わないであげる。その代わり、ここにいる間は私の言うことを聞いてもらうわよ」


俺「………はい」


 マジか~っ………
 なんか、変なところで主導権握られてしまった………


フード「フフフ………」


 少女はそう笑った。

 すまんが、設定により、ミシュラのエロ安価は無いで。

※こいつはクソザコである

って事でいいんだよね?

 >>290
 いや。
 ヘラの加護のせいやで。

あ、いやそういうのではなく
>フード「フフフ………」
> 少女はそう笑った。
>※ただしこいつはクソザコである
という感じ?

 >>292
 すまん、分からん。

タダの酔っぱらいのネタなので気にしないでくらさい

 >>294
 ほい。

俺「あの少女には逆らわないでおこう……バレたら死ぬ………」


 俺はそう思いながら、庭に出た。
 一応子供達のプライベートスペース以外は見回り終わったから次は外を見てみようと思ったんだ。
 すると、教会の東らへんで木刀を振るっている上裸の少年を見つけた。
 銀色の短髪に、褐色の肌の少年だ。
 うわあ、めっちゃ身体締まってる。


銀髪褐色「フンッ……フンッ……!」


 両手で木刀を振り、右手でダンベルを握っている。
 …………ん?
 腕が、三本ある。


銀髪褐色「フンッ………お……」


 その少年が俺に気付いた。
 もう一本の腕は、肩のちょっと下の位置にもう一個肩のようなものから生えている。


銀髪褐色「おう、お前がシスターが言っていたナカダって奴か! なんだそのだらっしない身体は。運動しろよ!」


俺「唐突にダメージ喰らわせてくるな」


 その少年は二本の右手で親指を立てながら俺に強烈なダメージを与えた。
 運動するか………


銀髪褐色「筋肉は裏切らねえからな! 筋トレは良いぞ!」


俺「うん」


 どっかで聞いた事あるぞそのキャッチワード。


銀髪褐色「まあ、それは置いといて。フィーちゃんを助けてくれて、マジでありがとうな! 感謝してるぜ!」


俺「>>下」

俺「どう致しまして」


銀髪褐色「あっはっは! 筋肉ねえ割にやるな! 俺の名前はローガ! よろしくな!」


俺「ああ、よろしく」


銀髪褐色「ん? もしかしてこの腕が珍しいのか?」


 少年は俺が三本目の腕を気にしているのを察したのか、そう言った。


銀髪褐色「いいだろ! 一本多いの! 鍛える達成感も一本分多いんだぜ!」


俺「ああ。良いな」


 多分、そう言う種族なのだろう。
 少年は誇らしそうに三本の手でピースを作った。


俺「………ん?」


 その時、俺は少年の銀髪に別の色の髪が混じっているのを見つけた。
 綺麗に光っている紫色の髪だ。
 なんか、すごくさっき見たような気がするんだが。
 それに、良く見れば褐色の肌にキスマークが付いている。


俺「もしかしてだけど……フードの子の彼氏って、君?」


銀髪褐色「なっ!?」


 俺がそう指摘すると、褐色の少年はわかりやすく同様し、ダンベルを落とした。
 そして視線を右上に反らしながら、腕を三本綺麗に前に組む。


銀髪褐色「………そ、それがなんかお前に関係あんのかよ……///」


 おぅおぅ、頬を赤らめちゃってさあ、ヒューヒュー。
 青春かおい。
 いや、よくよく考えたら俺こんな事言えねえや。
 彼女をめっちゃ邪な目で見てたからな………
 気まずいな。
 とりあえずは、この場を離れよう。


俺「いやあ、ちょっと気になっちゃって」


銀髪褐色「べ、べべべっ、別に良いだろっ! よそもんのお前に言われる筋合いはねーよっ////!」


俺「じゃ、俺はここら辺で。お幸せに~」


銀髪「あ、おい! お前っ/////!!」


 俺は急いでその場を離れた。

 その後、魔法的な力が働いていそうな四季とりどりの野菜が豊富に実る畑を見終わった後、最後に俺が見て行ったのは、西側にあるちょっとした小池だ。
 いや、綺麗ではあるが、流れが無いから定義上は沼か。
 まあ語感上池と呼んでおこう。
 俺はその池を覗き込み、魚などをボーっと観察していた時だった。


人魚「………………」


俺「うぉあう!?」


 いつのまにか、水面下から少女が俺の事を見つめていた事に驚き、俺は尻餅をついた。
 少女はスーっと水しぶきの一つも立てずに水面から胸のあたりまで上がって来た。
 と言っても、しっかり水着のような胸当てはしているが。
 流れる清流のような青いストレートの髪を持ち、体格はスラリとしている。
 そして何より、下半身が魚で、首から肩にかけた側面に、エラのような切り込みがいくつもある。
 人魚だ。
 その人魚の少女は尻餅を付いている俺に向かって話しかけて来た。


人魚「…………オドロカシてゴメね。アナタ、シスターがイッテたオデブさんネ? ワタシは、ルーシェってイウノ………フィーちゃをタスケてクレテ……ホントに、アリガぶくぶくぶくぶくぶくぶく」


 どうやら、ちょっとシャイな性格のようで、途中からズブズブと池の沈んでいっている。
 もう頭のてっぺんまで沈んでいる。
 おーい、戻ってこーい。


俺「>>下」

「戻らないと山葵つけて食べるぞ」

 >>301
 流石に再安価でええか、これは。

 手が届かなくなってしまったため、俺はルーシェの頭を撫でようとしていた手を静かに引いた。
 シェリーみたいに撫でたかった……


俺「どういたしまして………あと俺の事はおデブじゃなくてナカダって呼んでくれ」


人魚「がぼ、ごがぼがぼ………ぷはっ、ウン、ワカタ、ナカダ」


 やっぱり痩せよう……


人魚「ちょとマッテね………オチカヅキのシルシにオミアゲあげる」


 そう言ってルーシェは後ろに反り返り、トプンと水中に姿を消した。
 なんだ……?
 それよりも、この池割と深いな。
 落ちないようにしないと。
 彼女の影は何かを探すようにスイスイと水底を動き回っている。
 そして、ガッ、と何かを捕まえるような仕草をしたのが見えた。
 魚がお土産かな?
 ザバッ、と少女が水面から浮き出て来た。


人魚「タコ」


 なんで池にタコが。
 それに目が四つあるし多分それタコじゃなーい。
 人魚の少女の口に咥えられた色鮮やかなタコはグネグネと必死に抵抗し、なんとか逃げようともがいている。
 やんわりと断ろう。


俺「いや、いいよ。そんなの貰っちゃ悪いし、食べ方も分からないから……」


人魚「エ? コウヤッテ………あしをカミチギルんだヨ」


 ニチチチッ


タコ「ぴぎいいいい!」


俺「実践しなくて良いから。あとそれ鳴くんだ。逃してあげなさい」


人魚「ハーイ……きゃ!」


 人魚の少女がそう言って手を離すと、タコは足に歯型をつけられたお返しにとこれまた色鮮やかな極彩色の墨を少女に吹き付けてから素早く去って行った。
 髪から身体から粘度の高い液体に包まれた少女は、鬱陶しいように髪を手でとかしながら言った。


人魚「うえ、ベトベト………これオユでアラワナキャおちないノニ……」


俺「ごめん、なんか俺のせいで………」


人魚「ウウン、イイノ。オフロはいらなキャ……」


 そう言って人魚の少女は身体をよじらせ器用に陸に上がった。
 陸に出ても大丈夫なのか? と一瞬思ったが、それは心配無いようだ。
 少女の魚のような下半身は溶けるようにして形を変え、人間の足になったのだ。
 長めの腰布を巻いていたためすっぽんぽんでは無いが、少女が立ち上がった時によろめき、転んだ事で見えてはいけないところまで全て見えてしまった。
 アイムノットロリコンアイムノットロリコン………!


俺「大丈夫か……?」


 俺が手を差し出すと、少女は顔を赤らめながらその手をとり、おぼつかない足取りで立ち上がった。
 そして一言も話さずに頭を下げ、教会の方に駆けて行ってしまった。
 そうやって走ると危ないって………
 ………また転んだ。
 そして全開。
 流石にいたたまれないため、俺は目を逸らした。

 その後、俺は教会内に戻った。
 そう言えば、あの妖精の子、フィーの容体はどうだろうか。
 さっきから少し時間が経っているから少しは良くなっているだろうと思い、俺は彼女の部屋に足を運んだ。
 その道中シスターの部屋を少し覗いたら、あんなに無表情だったシスターが笑みを浮かべながら片刃のサーベルを研いでいたのでそっ閉じした。
 シスター怖。
 あの人俺が思ってる修道女と違う。
 冷たいものが背を這うのを感じながら、俺はフィーの部屋の前に来た。
 扉を叩き、入って良いか聞く。


俺「俺だ。ナカダだ。その、様子が気になって来た……入っても、良いか?」


 中から小さく、苦しそうな「はい」という返事が聞こえて来た。
 俺はそおっと扉を開けた。

 彼女は、彼女専用の小さいベッドに横たわっていた。
 俺が入ると身体をよじらせ、俺の方を向いた。


妖精「……その節は……本当に、ありがとうございました」


 俺は本日6か7回目くらいのお礼を言われた。
 しかし、彼女自身の口から出たその言葉が、一番心が温かくなった。
 彼女は目を潤ませている。


 どうする?>>下

俺「体調は、どうだ。もう、辛く無いか?」ナデナデ……


妖精「………はい」コク……


俺「怪我も直ぐ治りそうで、良かった」ナデナデ……


妖精「ありがとうございます………」………モジ


俺「色んな子から感謝されたぞ。シェリーって子からも、サーリアって子からも、ミシュラって子からも、ローガって子っからも、ルーシェって子っからも………沢山の子から感謝された。君を救ってくれて、ありがとうって。フィー、愛されてるな」プニプニ………


妖精「はい…………あの…………」モジモジ………


 フィーが頬を紅潮させ、プルプルと震え始める。
 どうしたのだろう。
 因みに全く関係の無い事だが、俺は彼女の頭をナデナデしたり頬をプニプニしたりしている。
 ああ本当に手触りの良い事感触の良い事。
 兄貴の赤ちゃんの生まれたばかりの頃を思い出す。
 可愛いなあ………

俺「………あの、もし嫌だったらやめるけど……?」


 念のため俺はそう聞く。
 最悪これがセクハラと捉えられてシスターに報告されたら、俺が死ぬからだ。
 しかし、フィーは黙ったままプルプルと首を横に振り、俺がする事に身を任せた。
 撫でられ、頬を揉まれ。
 真っ赤になりながらそう好き勝手される姿は、とても官能的だった。


妖精「ん……んふっ………ひ、ぅ………♡」


 なんかヤバそうな声が出ている気もするが、これはスキンシップだ。
 なんか感じているような声を出しているが、これはあくまでスキンシップだ。
 スキンシップだよスキンシップ。
 よし、健全健全。
 ところで、俺は彼女を愛でている間に彼女の左手の甲に不思議な物を見つけた。
 魔法陣のような、紋のような、そんな模様だ。
 それは、彼女が色っぽい声を上げるたびにチカッと光る。
 なんだろう……
 まあ、あとでシスターに聞くか。
 その時、不意に扉が開いた。


シスター「ナカダさん。そろそろ出発……そろそろフィーちゃんから離れろ」


 そう言ってシスターはどこかに隠し持っていた巨大なソードを俺に向けた。
 あ、そういやこの人もいるんだった。


俺「>>下」

 この安価終わったら奴隷を買っての方に一回戻るで。
 あと、今日はもう寝るで~、限界。

 安価下

俺「うぃっす、さーせん」


 俺はバッとフィーから手を離し、ホールドアップした。
 シスターはナイフを袖に戻し、素早い手つきでフィーの身体を触診した。


妖精「あ、え、シスター………」


シスター「大丈夫ですね」


 シスターは呆れたように、そして安心したようにため息を付いた。
 袖に仕込んでるって事はどんなタイミングでも飛び出してくるんだなそのナイフ。
 マジで変な事しないでおこう。


シスター「絶対に手ェ出すなよ………」


俺「………はい」


 再び激しくドスの効いた声でシスターが俺に釘を刺した。

 ◆◇◆◇◆



俺「あの………」


シスター「何ですか?」


 さあ、ニャンガルキャット討伐に出発するぞ、という時、俺はシスターに話しかけた。
 因みに作戦は既に聞いている。
 ニャンガルキャットがフィーを襲ったあの広場に行き、獣の血を撒く。
 そして俺が囮になり、ニャンガルキャットの気を引きつけている間に、シスターが撃ち抜く。
 そういう作戦だ。
 なのだが………


俺「俺の武器って、この剣だけですか?」


 俺は1メートルほどある腰に付いている剣を示した。


シスター「そうですが。鎧も着込みましたし、大きい盾もありますし、充分でしょう?」


俺「いや、割と腹出てますし……それに、俺剣の扱いも……」


シスター「ごちゃごちゃ言うな。それでも充分な装備なんだよ。それともなんだ? 私のボーガンの腕を信じられないとでも?」


俺「なんでもないです」


 シスターマジこええ。

シスター「では、参りましょう」


俺「はい」


 因みに、今のシスターの装備は漆黒のスリムな鎧を着込み、さながら歴戦の女騎士のようだ。
 修道服の前を開け、マントのように羽織っている。
 着込み、というか最初から修道服の下に着ていた。
 なんで日常からフル装備なのこのシスター怖い。
 しかし………これは現代でいうところのいいデザインだな。
 修道女の特徴を残しつつのこの強キャラ感。
 いつもはフードに隠れて見えないが戦闘態勢に入った時にのみその姿をあらわにする烏の濡れ羽色のポニーテール。
 RPGだと好きなヒロインランキング絶対上位に入るぞこのデザイン。

 俺とシスターが討伐に出る時には、教会の子供達が見送ってくれた。


シェリー「必ず、必ず無事に帰って来てくださいねー!」


ミシュラ「シスター頑張ってー!」


ローガ「俺も………! 俺もあと六年歳をとってたら………!」


サーリア「美味しいシチューが待ってますよー」


ルーシェ「……………!」


フィー「ナカダさん………」


 シェリーは元気よく、ミシュラは思いっきり、ローガは悔しそうに、サーリアは穏やかに、ルーシェは無言で手を大きく振りながら、フィーは心配そうに見送る。
 俺は不安そうなフィーの頭を撫でた。


俺「大丈夫だって」


フィー「……………はい」


 それでもフィーは、やっぱり不安そうだった。
 ………まさかなんか嫌な予感してるんじゃ無いんだろうな。
 それ死亡フラグなんだが、俺の。


俺「嫌な予感でも、するのか?」


フィー「あ、いえ! そ、そんな事ありません! が、頑張って来てください!」


 おいいい!
 絶対あっただろ今?
 絶対「何か嫌な予感がするの………」とか言おうとしてただろ!?


俺「わかってる。頑張るよ」


 まあ、そんな死亡フラグなんて物を気にしてる暇はない。
 これはラノベでも映画でも無い。
 現実だ。
 死ねば死ぬ、生き残れば生き残る。
 それが、絶対だ。


シスター「ナカダ?」ゴゴゴゴゴゴゴ……


俺「さーせん」


 そんなことをしてたら、シスターから震え上がる程の殺気を浴びせられた。
 俺はフィーの頭からバッと手を離し、おなじみのホールドアップを披露した。


シスター「では行きましょう」


俺「はい」


 鉄格子が音を立てて閉まる。
 教会の前から、子供達が声援を送り、手を振る。
 ああ。
 絶対に生き残ってやんよ………!

 ナカダとシスターのニャンガルキャット討伐……


 結局どうなった>>下

 ◆◇◆◇◆



シスター「ここですね。血を撒きましょう」


 シスターはそう言うと持ってきた紙袋の蓋を開け、草むらに撒いた。
 独特の鉄の香りが辺りに漂う。


俺「うぷ………」


シスター「嗅ぎ慣れてないと気分が悪くなるでしょう。ですが、気持ち悪くなっている暇はありませんよ。すぐにニャンガルキャットが来るので」


 まあこれだけ濃い血の匂いを漂わせれば、肉食獣は一瞬で飛んでくるだろう。
 シスターはそう言うと素晴らしい跳躍力で一発で近くの木の内一本のてっぺんに飛び乗った。
 そして、ボーガンを構え動かなくなると、漆黒の衣装は自然に紛れ、よく目をこなさなければ見えないし、知らなければ気づかないだろう。

 ◆◇◆◇◆



シスター「ここですね。血を撒きましょう」


 シスターはそう言うと持ってきた紙袋の蓋を開け、草むらに撒いた。
 独特の鉄の香りが辺りに漂う。


俺「うぷ………」


シスター「嗅ぎ慣れてないと気分が悪くなるでしょう。ですが、気持ち悪くなっている暇はありませんよ。すぐにニャンガルキャットが来るので」


 まあこれだけ濃い血の匂いを漂わせれば、肉食獣は一瞬で飛んでくるだろう。
 シスターはそう言うと素晴らしい跳躍力で一発で近くの木の内一本のてっぺんに飛び乗った。
 そして、ボーガンを構え動かなくなると、漆黒の衣装は自然に紛れ、よく目をこなさなければ見えないし、知らなければ気づかないだろう。
 あれならニャンガルキャットもイチコロだ!

 寝るで。

化け猫「ヅグルルルルルルルルルルルルルゥゥゥウゥウウゥゥ………」


 しばらくして、茂みの中からそんな恐ろしいうめき声が聞こえて来た。


俺「来たなぁ……化け猫…………!」


 俺は盾を構えた。
 油断するな……
 俺はただ奴の気をこっちに向けることだけに集中してればいい……!


俺「さあ来い……出来るなら来るな………!」


化け猫「ヅニャアアッグゥウウウゥ………」


 ガサガサと茂みを大きく揺らしながら、奴は茂みから姿を表した。
 大きく、俊敏に獲物を捕らえるために進化した最強のフォルム。
 それは、俺を的確にロックオンしていた。


化け猫「ヅニ゛ヤオオオオオオオオオオッ!!!」


俺「怖え……だがな………俺だって、お前に素直に食われてやる訳にはいかないんだよぉおおおぉお!! おぁああああああああああああああああ!」


 俺は力のかぎり叫んだ。
 低く、相手を威嚇し、さながら野生動物のように!
 その声に、一瞬ニャンガルキャットが怯んだ。
 次の瞬間。




 バカンッ!


 そんな巨大な空気が破裂したような音が鳴った。
 風よりも速く杭のような矢が正確にニャンガルキャットの頭部めがけて打ち下ろされた。

化け猫「ヅニャッ!!」


 パチンッ!


俺「………え?」


 俺は一瞬の出来事に、何が起きたか分からなかった。
 シスターのタイミングも、俺の威嚇も完璧だったはずなのに、あいつは鉄の矢を叩き落とした。
 恐らく、予感も、何もしていない。
 血が垂れていたし、鼻もまだ治っていない筈だから、匂いでシスターを感知していた訳じゃない。
 音と、視覚で、動体視力で叩き落としたのだ。
 想像以上に、奴がヤバかったらしい。


俺「マジ?」


 ついでに、俺も爪で弾き飛ばされた。
 盾で斬撃は防げたが、衝撃は殺せず、俺は木に弾き飛ばされた。


俺「ぐっ……は!」


 いって……ぇ……!


化け猫「ヅニャァ…………」


シスター「っ!」


 ニャンガルキャットがギロ、と矢が飛んできた方向を睨んだ。
 つまり、シスターを睨んだのだ。

化け猫「ヅガアアアアニァアアァァアァッ!!!」


 化け猫がシスターの乗っている木に激突した。
 シスターがバランスを崩しかけるが、なんとか持ちこたえた。
 ガリガリと木を引っ掻き、一気に登ろうとしている。


シスター「くっ………!」


 シスターが懐から巨大なナイフを出し、応戦しようとするが、木の上は明らかにニャンガルキャットの土俵だ。
 ニャンガルキャットはすごい勢いで登っていく。
 シスターが、危ない………!


 だったら、どうするか………?


 俺は手元のロングソードを握った。
 背中も痛いし、骨にヒビが入ってるかもしれない、でも………


 俺は踏み込んだ。


 助けるしか、無いだろうがぁああ!

化け猫「ヅニャ?」


俺「あああぁああぁぁああぁあぁあぁぁあぁぁあぁあ!!!」


 俺は思いっきり踏み込み、跳躍した。
 こちとら一度も剣使ったこと無えんだコノヤロオオオオオオッ!
 ニャンガルキャットの背中に剣が深く突き刺さる。
 始めて生々しく肉を裂く感覚が手に伝わる。


化け猫「ヅガアアアアニァアアァァアァッ!!!」


 ニャンガルキャットが背に張り付く俺を振り落とそうと暴れた。
 巨大な爪が鉄の鎧を穿ち、肩口がバックリと割れ血が吹き出る。
 あちい、つめてえ、いってえええええ!


俺「ぐ、ぁああぁああぁあああああああ!」


化け猫「ヅガッ! ヅガニャアアッ! ヅアアアアァァァア!」


 こいつだって生きるのに必死なんだ。
 だがな、俺だって生きたいんだ!


俺「クソおおおおぁぁああぁぁああっ!!」


 俺は剣を捻った。
 そして切り口を支点にニャンガルキャットの内臓を切り裂いた。
 これは、行った…………
 手応え、あり……!


化け猫「ヅガ………ヅ、グググググッ………!」


 ゴボッ、とニャンガルキャットが血を吐いた。

 そのまま、ドサッ、と力なく木から落ち、ニャンガルキャットは動かなくなった。
 背に張り付いていた俺は、勿論下敷きだ。


俺「痛え、肩がいてええええ! ぐ、血が、血が出て…………!」


 シスターが木から飛び降り、ニャンガルキャットの死体の下から俺を引きずり出し、木に寄りかからせる。
 そしてシスターが何やら呪文を唱えると、全部では無いが、不思議と痛みが引いた。
 マジか!
 やっぱりこの世界魔法あるんだ!


シスター「良くやりましたナカダ。まさか、あそこまでニャンガルキャットが俊敏に動くとは……私が迂闊でした。あなたの安全は絶対確保すると言っていたのに」


俺「いえ……シスターが無事なら………痛え………」


 そこで、俺は事切れてるニャンガルキャットの死体に目をやる。
 もう、あの身体は動かない。
 原因は、その背に突き刺さっている剣だ。
 あの剣は………俺が………


俺「うぶ……おげえぇえぇえっ………!」


シスター「ナカダ!?」


 鎧を脱がせ医学的な治療を施していたシスターが驚いた声をあげた。
 俺は思いっきり吐いた。
 自分の手で、あれほどの動物を殺した事なんてない。
 罪悪感と、血の匂いが俺を吐かせた。


シスター「……大丈夫ですか?」


俺「うぶ……おえ……」


 シスターが俺の背をさすりながら言う。


シスター「………あなたに負荷をかけ過ぎました。剣など持ったこともない手に剣を握らせ、守ると言っておきながら自身を守らせ……本当に、申し訳ありません」


俺「>>下」

俺「いえ……シスターが無事ならそれでオロロロロロロロロロロ」


シスター「分かりましたからとりあえず吐ききってしまいましょうか」


 かっこ悪い。


俺「ハァ、ハァ………」


シスター「しょうがありませんね」


俺「え?」


 シスターはそういうと俺を背負いあげた。
 おんぶだ。
 なんだろう……
 赤ちゃんみたい。


俺「あ、あの……」


シスター「気になさらないでください。少し重いですが、こんなものどうってことはありませんよ。あ、吐くときはさすがに言って下さいね」


俺「はい」


 シスターはそういうと、ニャンガルキャットの死体を引きずりながら教会戻ったのだった。

 戻ってきたぞー。


メガネっ娘「あ、おかえりなさ……ぎゃ! ナカダさん!?」


フード「あーらら……バックリ行かれてるわね」


銀髪褐色「ナカダアアアアアア! 俺がいればああああ!」


双葉「や、薬草持ってきます!」


人魚「~~!!! っ!!?!」


妖精「ナカダざあああんっ!!!」


 教会に帰ると、みんなからそれぞれの反応を貰った。
 特にフィー、お前涙と鼻水でぐしょぐしょになってるぞ。


妖精「ご、ごめんなざい、わ、私が嫌な予感してたのに言わながったがら……!」


俺「うん、それに関しては大丈夫。予感はあくまで予感だから」


 言ったら死亡フラグなんだって。
 時と場合によっちゃ予感するだけで死亡フラグになるけどな。


シスター「とりあえず落ち着いてください、フィーちゃん。嫌な予感がどんなものかは分かりませんが、ニャンガルキャットはこの通り討伐しました。ナカダさんの怪我も命に別状はありません。なのでまず治療に行かせてください」


妖精「は、い……ぐすっ……!」


 フィーは涙をぐしゅっ、と拭き、頷いた。


俺「>>下」

俺「大丈夫だよ……シスターやフィー達が、無事で良かった」


 俺はフィーにそう言って微笑んだ。
 シスターが俺を抱えたまま言う。


シスター「自分の心配よりも人の心配とは……血みどろでそんな事を言っても説得力がありませんよ? とりあえずここは私に任せて、フィーちゃんはみんなと一緒にお夕飯の準備をしていて下さいね」


 フィーはもう一度頷き、みんなと一緒に教会に入っていった。

 食卓にて。


俺「イテテテテ………」


 俺は肩からタスキのように包帯をぐるぐるに巻いた状態で食卓についた。
 あの魔法はどうやら長くは継続せず、一時的にのみ痛みを抑えるだけのようで、徐々に痛くなって来た。
 そのおかげで利き手なのに動かせないんじゃ……
 俺は泣く泣く逆の手でスプーンを持つことになった。
 ちなみに俺の隣はフィーとローガで、食卓自体は円卓だ。
 俺の真っ正面にいるシスターが騒がしい子供達をなだめる。


シスター「皆さん静かに。いただきましょう。手を合わせて、せーの……」


全員「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」


 ちなみに、俺は割と下の方で手を合わせた。


 さーて、食うか。
 メニューはシチューにサラダにご飯。
 そう、ご飯、つまり米、つまりライス。
 あの畑で作っていたらしい。
 まさか異世界に来てまで米が食えるなんて思っていなかったから、これは嬉しい驚きだ。
 どの道、どうやって食べるか。
 お椀すら持てないし、利き手じゃない手で気をつけながら一口一口食べるしか無いか。
 そう思っていた時だった。

 ちょっと描写不足のため書き足し。

シスター「こら、ローガくん。いつもお椀は一個だけ持ちなさいって言ってるでしょ?」


銀髪褐色「はーい」


 右手の一本でスプーンを持ち、左手ともう一本の右手でそれぞれ別の皿を持っていたローガが行儀が悪いと注意された。
 ローガはその右手を後ろに組むと、そのまま食事を続けた。
 みんな大体同じメニューを食べているが、ミシュラはメニューを細かくペースト状にしたジュースのような物を飲み、サーリアは生の野菜を多めに食べている。
 そしてフィーはみんなよりも量が少なめだ。
 さて、俺はどう食べようか……
 そう思っていた時だった。
 不意に視界の端にスプーンが現れた。


妖精「はい、ナカダさん」


俺「フィー? どうしたんだ?」


 フィーが俺にスプーンを差し出していたのだ。


妖精「いや……その、ナカダさんが食べづらそうなので、食べさせてあげようと思いまして………」


 そう言ってフィーははにかむ。
 ほう。
 俺にアーンをしようとしたのか。
 ………可愛いし美少女にアーンをして貰って嬉しくない訳はないのだが、シスターが無表情のまま俺に向かって殺気を放っている怖い。
 このまま甘えて良いものかどうか………


俺「>>下」

俺「ありがとう。それなら、食べさせてくれないかな」


妖精「! ………で、では………はい」


 うーむ、美味。
 地球に居た頃みたいにゴロゴロ肉は入っていないが、野菜の旨味がたっっっぷりだ。


シスター「…………………」


 これぐらい甘えても良いだろ?
 ね? シスター。ね? ね?

 シスターはしばらく、じと、っとした目でフィーがスプーンを運ぶのを見ていたが、俺が美味しそうに食べた時のフィーの嬉しそうな笑顔を見て、諦めたようにため息を付き自分の食事に戻った。
 っしゃあシスター公認!
 ふふふ、治るまでは食べさせてもらいますよフィーさん。


フィー「どうしたんですかナカダさん。ニヤニヤして」


俺「ん、いや、何でもない。フィーに食べさせてもらうと嬉しいなーって」


シスター「……………………」


 あ、ごめんなさいシスターさん変なこと考えてませんから許して。

 ※もうちょくちょく間違えるしめんどくさいから全員名前にで表記するで。




 ところでさっきからもうジュース状のご飯を食べ切ったミシュラが俺とフィーを見つめてるんだが。
 目がシスターと似ているぞ。


ミシュラ「……………ローガ」


ローガ「ん? なんだ、ミシュラ?」


ミシュラ「あーん」


ローガ「ああ、大丈夫だよ俺は。別にどこも怪我は」


ミシュラ「あ~ん」


ローガ「大丈夫だってば。自分で食べた方が早いし」


ミシュラ「あ~ん!」


ローガ「あ、いや、だから」


ミシュラ「…………ひぐ、ぐすっ」


ローガ「なんで泣くの!?」


 あららら……
 女心知らぬローガくん、彼女を泣かせてしまいました。
 特に自分で食べたら早いっていうのは言っちゃダメだったね。
 昼の妖艶な雰囲気は何処へやら、か弱い少女のように泣くミシュラを前に、オロオロするローガ。


サーリア「あーあ、ローガが泣かせた」


 双葉をぴこぴこさせながらサーリアが言った。


ローガ「俺悪いの?」


シェリー「女心が分かってませんね」


ルーシェ「……………」コクコク


シスター「ローガくんが悪いですね」


フィー「シスターに賛成です」


ローガ「とほほ…………」


 そして女性陣から滅多打ちにされるローガ。
 俺は何も言わないぞ。

ミシュラ「ローガのばかぁ………ぐす、ぇえぇ………」


ローガ「ご、ごめんミシュラ。俺が悪かったから、な? 食べさせてくれ」


 ローガが必死にミシュラに謝る。
 ミシュラは何度か涙を拭うと、鼻をすすりながらスプーンを突き出した。


ミシュラ「………ん」


ローガ「あーん」


 ローガはそれをパクッとくわえ、とても美味しそうに食べた。


ミシュラ「…………美味しい?」


ローガ「うん。美味しい!」


ミシュラ「良かった………ふふ……」


 とりあえず、そこのカップル間のいざこざは解決したようだった。
 …………と思ったら、ミシュラが何やら色っぽい笑顔を浮かべながら、ローガの耳元で囁いた。


ミシュラ「今夜は二倍ね…………」


ローガ「…………はい」


 よく聞こえなかったが、何やらローガが震えている。
 よっぽど恐ろしい事なのだろう。


フィー「あーん」


俺「あ、はい。あーん」


 うーむ、美味い。
 そんなこんなで、俺はこの世界に来て初めての食事を食べ切ったのだった。

 次の朝。


俺「あー………空気が綺麗だ」


 俺は窓を開け放ち、新鮮な冷たい朝の空気を入れた。
 地球の季節で言えばやっぱり春の序盤くらいだな。
 窓からは昨日倒したニャンガルキャットの皮が干されているのが見える。
 昨日の内にシスターが剥いで置いたのだ。
 ………命を、殺めた。
 これから先、もっとこんな事があるだろう。
 もしかしたら、人も殺すかもしれない。
 だから、こんな事じゃダメだ。
 ハーレムを作って、子孫を繁栄させなきゃいけないという使命の為に、俺はもっと強くならなければいけない。
 運動しよう。




 とりあえず、ここから一週間は滞在するで。
 方針を決めるのはそこからや。
 シスターからの給料は1日銀貨二枚(約二千円。銅貨一枚役百円。銅貨十枚で銀貨一枚。銀貨十枚で金貨一枚。この世界の平均月収は金貨十枚)
 現在の所持金0。


 一週間の内に起こった事件やイベント>>下1
 フィーとの関係に展開があるようなきっかけ>>下2
 ミシュラのお願い(エロ無し)>>下3


 起こる順番は任せるで。
 何日めとか書いて貰えればええで。
 書かなくてもええで。

 忘れてた。

 一週間やる運動>>下4

 内容によって上がるパラメーターが変わるで。
 一週間なら合計3%まで。
 例えばマラソン一筋なら体力が3%上がる。
 筋トレ一筋なら筋力が3%上がる。
 反復横跳び一筋なら瞬発力が3%上がる。
 マラソン2:筋トレ1なら体力2%、筋力1%あがるで。
 知力は上がらないで。

 運動はリストに無いものも可とするで。
 安価下。

サーリア「いや~、ナカダさんほんとに助かります。今度はあっちの収穫お願いします」


俺「はあ、はあ………うっす」


 俺は次にニンジンの収穫に向かった。
 3日が過ぎて、感じたこと、知ったことがいくらかあった。
 まず、今の季節はまだ肌寒い冬。
 もう少しで春になるらしいが、ここの畑は季節など関係無いらしい。
 トマト、キュウリ、イチゴ、スイカ。
 全て地球にあったものとは見た目や味などが地味に違いそれぞれ名前があるが、面倒なので地球の名称で呼ぶことにする。
 今日はその中でモモとブドウとニンジンの収穫だ。
 因みに果物類は全て同じ木に成っており、太い枝ごとに一種類ずつ、7種類ほどが成っているのだ。
 これは膨大な魔力を持つ、緑色の長髪の間から双葉が出ているこのおっとりとした少女、サーリアのおかげだそうだ。
 サーリアは種族で言えば精霊と言うらしく、もともとはとある精霊の国の女王だったらしい。
 しかし「虫」という存在に国を追われ、様々な人々の助けからなんとか危機を脱したそうだ。
 そうしていろいろあったが、結局はここにたどり着き、暮らしている。
 治療されながら、俺はそれ以外にも様々な、この世界の話をされた。

 今「虫」と言ったが、これは地球でいう虫とは違う特別な存在を差す。
 この世界は、戦争が少ない、というよりも、ほとんど無いらしい。
 種族間のいざこざも、種による差別も、余りない。
 それは、なぜか。
 「虫」がいるからだ。
 どこからともなく大量に発生し、そこの生態系を食らいつくし、爆発的に繁殖する。
 それがこの世界の「虫」。
 全種族、全生物共通の敵だそうだ。
 しかも厄介な事に、虫がはびこった場所には、災害が訪れるらしい。
 サーリアの国も、虫による襲撃の後、災害によって跡形もなく消え去った。
 因みに、サーリアの国を襲ったのは巨大なイナゴの群れだったそうだ。
 植物を愛し糧とする精霊にとって最悪の敵。
 それになすすべも無く蹂躙され、最後には災害によって消え去った。
 惨いな………
 サーリアは目に涙を浮かべながら、今は無きその国のことを語っていた。
 この災害というのもこの世界の特別な存在だ。
 災害その物でなく、災害を起こすほど強大な力を持った生物達。
 それをこの世界は、「災厄の獣」と呼ぶ。
 災厄の獣は普段は大人しい生物だが、一度虫がはびこればその土地に大移動し、虫を喰らい糧とするために災厄を巻き起こす。
 それが災厄の獣。

 災厄の獣か………とても興味深い。
 泣きそうなサーリアにそれ以上その話を踏み込むのはつらそうなので、俺はそこでもう良いと切り上げた。
 トラウマ踏み込みすぎるのは良くないな。
 その後シスターなどに聞いたところ、災害にはクラゲの「洪水」、カニの「津波」、ウナギの「暴風」、クジラの「噴火」、ウニの「地震」、そしてオキアミの「隕石」というのがいるらしい。
 それがどう災害を起こすのか想像できないが、どうやら文字通りの災害を起こすらしく、虫をその災害がたどり着くまでに排除しきれなければ、災害がその土地もろとも虫を滅するらしい。
 つまり、虫よりも災害の方が厄介という事らしい。


 虫や災害の他にも、サーリアからこの世界の色々な常識を聞かせて貰った。
 世界は円盤の形で、あるところより先は海が終わりのない滝になっている、とか、この世界の中心には蝶の魔王エクリプスの住まう魔大陸がある、とか。
 その話から、本当に異世界なんだな、と言うことを実感した俺であった。

 シスターからも他の子の境遇などを聞いた。
 ローガは元々腕が四本ある多腕族の子だったらしいが、一本少なかったため、小さいうちにやっかい払いとしてこの孤児院の前に先述の捨てた理由を書いた手紙と共に置かれていたらしい。
 しかしそんな境遇悲観せず、むしろみんなよりも一本腕が多いことを自慢に思っているらしい。
 シェリーは没落貴族らしく、奴隷商人に身売りされたが、そのシェリー運んでいた馬車が何者かに襲撃され、その隙に逃げたところをシスターに匿われたそうだ。
 何者か、の所でなぜかシスターが微笑んでいた。
 こいつやったな。
 ルーシェの故郷は人間に荒らされたらしい。
 どうやら、人魚の肉を食べれば不老不死になると信じ込んだ一部の人間による仕業だそうで、なんとか逃げられたらしい。
 魔法で人間になっているときは一切しゃべれないらしく、それでルーシェが地上にいるときはやけに静かだった謎が解けた。
 ミシュラに関してはシスターがあまり話してくれなかった。
 こういうときは何か事情があるため、俺はあまり聞かなかった。
 しかしシスターが教えてくれた範囲では、とある事をなにわいとするとある種族に生まれたミシュラだったが、その技術がとことん無く追放されたそうだ。
 フィーはシェリーと同じく逃亡奴隷だそうだ。
 シスターが言うには不定期に体温が高くなる病気らしいが、命に別状は無いらしい。
 手の甲と下腹部にある紋章はその病気の効果を抑えるものだそうだ。
 そして奴隷であった経歴やその道中で美しいその白い肌に大火傷を覆い、片目を失っている。
 片羽ニャンガルキャットによるものでなく、もとの持ち主がちぎった物らしい。
 ………酷い話だ。
 

 詰むことはない。
 まあ、ちょっとミスったとは思ってる。

 今日で、俺がこの世界に来てから4日になる。
 初日からあんな化け猫がでるなど難易度ルナティックだった為もしかしたらすぐ死ぬんじゃないかと少し警戒気味だったが、あれからあんな負けイベレベルのモンスターは出ていない。
 というか、俺が教会の敷地から出ていない。
 塀の中が安全だし、出たって行くとこ無いしなあ………


 関係ないけど、最近ぜんぜんオナれて無いしなあ………
 地球いたころよりは性欲は溜まっていないが、それでもたまる物はたまる。
 でも、ここでは場所もタイミングもない。
 我慢するか……………

 やっぱりフィーの話し方を以下に統一させるで。
 変更点多くてすまん。






フィー「……………ナカダさん……………これも…………」


俺「ああ、ありがとう。フィー」


フィー「……………♪」


 俺はフィーが示したニンジンを引き抜いた。
 そのニンジンは丸々と大根のように太っていた。
 この世界の基準は知らないが、明らかに成長限度を超えているのは見て分かる。


俺「ところで………フィーはずっと俺の側にいて良いのか?」


フィー「…………?」


俺「いや、みんなと遊んだりとかしないのかな、って思って。こんな冴えないデブと一緒でいいのか?」


 ここ数日はずっと俺の近くにいるな。
 ちなみに「あーん」はシスターに右腕をもうほとんど完全に動かせることを指摘されて出来なくなってしまった、トホホ………
 俺がニンジンの泥を落としながらそう聞くと、フィーはちょっと考えてから言った。


フィー「……………私、暗いから…………あんまり、みんなと遊ばないんです………………ナカダさんは、私の命の恩人ですし……せめて、ちょっとでも、力になりたいと思って………それに、近くにいると安心するんです………………♡」


俺「そうか………」


 そう言えば、趣味は人形作りだったな。
 言い方は悪いかもしれないが、その趣味も彼女性格が暗く他の子供達との接触が少ないからこその趣味だろう。
 草などを編んで動物がベース人形を作る。
 時々布などが手に入れば、それを使ったりもするらしい。
 昨日それを少し見せて貰った。
 色々な材質の人形があったが………………
 そうだな…………
 リ○&ス○ィッチの女の子がもってる人形近い感じだった。
 可愛いが、なんか、不気味なあの感じだ。
 上手だったぞ?
 決して下手とは言っていないからな。

 野菜と果物を収穫し終わって、俺は根菜類を洗っていた。
 汲み上げ式の水道って初めて生で見た………
 脇にはフィーが泥を落としていく俺の指を見つめながら何か考えているような顔をしている。


 因みに、レタスなどの葉っぱ類は洗う必要が無いらしい。
 サーリアにさすがに青虫などがいるんじゃないかと聞いたところ、サーリアがそのレタスに話しかけたことですぐにその必要が無いことがわかった。
 青虫がボロボロと葉っぱの間から出てきて、地面に降りると一匹一匹サーリアにお辞儀をするような動きをして畑に列を成して帰って行ったからだ。
 流石にレタスから湧き出てきたあの青虫の量は、ヒュッ、とかいう変な声がでたよ。


 俺が野菜を洗い終わり井戸のハンドルを固定すると、待っていたかのようにフィーがどこか暗そうな顔をしながら聞いた。


フィー「あの………………………………」


俺「なに?」


フィー「………………………その、私が近くにいるの…………………迷惑じゃないかな、って………………思っていたので………………」


 もじ、と手を後ろに組み、フィーは顔を逸らし下を見る。
 どうやら先ほどからその事で悩んでいたようだ。


俺「>>下」

俺「いや、むしろとても嬉しいよ」


フィー「え!」


俺「あーんは出来なくなったけど…………いろいろ手伝ってもらって、とても助かってるよ」


フィー「そ、そおですか………………♡」


 それに美少女が常にそばに居てくれて内心大喜びしてます本当にありがとうございます。


俺「じゃあ、そろそろ昼食の準備にむかうか」


フィー「はい!」

 ~異世界生活6日目~


俺「買い出し?」


 朝食を食べていると、シスターがみんなの前でそう言った。


サーリア「そう言えば今日でしたね」


シスター「はい。いつも一ヶ月に一度は街に下りて全員で行っているものです。全員変装魔法でニュートラルとなり、自給自足では賄えない生活ひちゅじゅ品を買ったり野菜を売ったりします」


俺「へえ…………」


ローガ「それに今日はでっかい収穫品があるしな!」


 ローガがそう言ってダイニングにかけられている自分の背後のニャンガルキャットの皮を親指でビシッと示した。


俺「あれ売れるんですか?」


シスター「ええ。魔物の部位などは割と良いお金と取引されるんですよ。魔物が強く、稀少であればあるほど値段も高くなります。ニャンガルキャットはこの地域にはいないので、割と良い値段で売れるでしょうね」


 へえ…………
 シスターがぶつぶつと呟きながら金の計算をしていると、俺の隣にいるミシュラが寄ってきた。


ミシュラ「ねえねえナカダ。お願いしていい?」


俺「ア、ハイ」


 そう言えば、俺はミシュラに弱みを握られているんだった。
 初めてお願いをされるが、何をされるのだろうか。


ミシュラ「えっと、街に行くのって時々だけだし、おこづかいも他に使い道ないから買えるときに買っておきたいの。だから、町に着いたらちょっと荷物持ちとしてお買い物に付き合ってくれないかしら?」


 なんだそんな事か………
 さしあたりローガへのプレゼントとかだろうな。


俺「いいぞ」


ミシュラ「うふふー、ありがとー」


 ミシュラは寄せていた身を戻し、ペースト状の朝食を飲むのを再開した。

フィー「………………………ナカダさん」


 今度はミシュラの反対側のフィーが俺に身を寄せる。
 シスターも見慣れたのか、その行為自体にあまり殺意を向けなくなってきた。


フィー「…………………その………街に行ったら……………お買い物に………………」


 フィーもか。
 既にミシュラと約束してあるのだが、そうキラキラした目で見られると断れないじゃないか…………


俺「いいぞ」


フィー「ほんと………! ありがとうございます………………♡」


 ううむ、ダブルブッキング。
 まあなんとかなるだろう。

 俺は朝食を食べながら、手持ちの銀貨10枚の使い道を考えていた。

 ~ウィールストンの街~


俺「へえ………なんだかヨーロッパの街並みっぽいな」


シスター「ヨーロッパ、ですか?」


俺「あいや、俺が前にいた世界の地域の事なんです。ちょうどこんな感じの街並みなんですよ」


 街に着いて、建物などを見回して見た感想だ。
 はっきり言ってほとんどヨーロッパそのままの街並みだった。
 まずはサーリアの魔法で人間の姿になっている子ども達と一緒に換金場に行ってこのニャンガルキャットの皮や牙を金に換えてから、その先は自由行動らしい。
 治安も良い静かな街だからこそ自由行動も有りのようだ。




 ニャンガルキャットの換金>>下コンマ×金貨一枚、ぞろ目なら×十枚。

 おっしい!

 ◆◇◆◇◆




シスター「まあまあの値段になりましたね」


 日本換算にして約90万円。
 この世界の給料9ヵ月分。
 やべえ。
 魔物ハンターやろうかと一瞬思ったが、死にたくないからやめておいた。


ローガ「うわあすげえ………………」


サーリア「沢山お花が買えますね。スプリンクラーも着けたいです」


シェリー「キラキラしてまふ…………」


ルーシェ「!………!!………………!!!」


フィー「私じゃ持てないね」


ミシュラ「おおお…………」


 子供たちが袋一杯の金貨を見てそれぞれの感想を上げる。
 まあまあの大金だからな。
 シスターは袋から二枚ずつ子供たちに金貨を渡した。


シスター「ボーナスお小遣いです。大切に使ってください」


子供たち「「「「「やったー!」」」」」


 全員が歓声を上げる。
 ルーシェも声にならない歓声を上げながら飛び跳ねていた。


シスター「では、これはナカダさんの分です」


 そう言ってシスターは俺に30枚の金貨を渡した。


俺「いいんですか?」


シスター「ええ。倒したのはナカダさんですし、本当なら全部差し上げたいのですが………残った分で教会の補強等もしなければいけないので」


俺「>>下」

俺「いえ、充分です。まだこの世界のお金の使い方にも慣れていませんし。ありがとうございます」


シスター「はい。そう言って貰えると、私も安心です」


 シスターは次に子供たちに向いた。


シスター「では…………これから自由時間です。今日は大金を持っているから、気をつけてくださいね」


子供たち「「「「「はーい!」」」」」


 そう言って子供たちはフィーとミシュラを残して蜘蛛の子のように散っていった。


フィー「じゃあ…………一緒に買い物を………………」


ミシュラ「さ、行きましょ」


 同時にそう言って、二人は顔を見合わせる。


ミシュラ「え、なんでフィーちゃんも?」


フィー「ミシュラちゃんこそ…………………」


 ………………………





俺「うん、ごめん」

 結局、俺は二人を連れて一緒に買い物をする事になった。
 まあ、ダブルブッキングしたことで俺は二人にめたくそに怒られた。
 ダブルブッキング、ダメ、ゼッタイ。






 ミシュラが買ったもの>>下1

 フィーが買ったもの>>下2

 ナカダが買ったもの>>下3




 どんな店で、どんな理由で、何を買った、みたいに書いて欲しいで。

 あと値段。

 まず向かったのはミシュラが行きたいと行った貴金属店だ。


ミシュラ「治安がいいといってもやっぱり貴金属店は泥棒とかが不安だし、どっちにしても子供の私一人じゃ買い物が出来ないしね。シスターはついて来てくれないし……」


俺「なるほど」


フィー「キラキラ………」


 恐らくローガへのプレゼントを買うつもりだろうと思っていたが、貴金属店に入るなり、ミシュラは想像もしなかったコーナーのショーウィンドウを物色し始めた。


ミシュラ「あー、あったあった。この前見た時より安くなってるー♡ ふふふ♡」


俺「……………え?」


 まさかの金のインゴットを見ておもちゃを見つけた子供のようにはしゃいでいた。
 え、それ買うの?
 というか……買えるのか?


俺「ミシュラちゃん……所持金いくらもってるの?」


ミシュラ「ん? えっと……金貨二枚と銀貨十一枚、だわね」


俺「………買えるの?」


ミシュラ「ええ。これください!」


 買えた……
 恐らく一キロほどの金のインゴットを金貨一枚と引き換え、ミシュラは頬ずりして喜んでいた。
 この世界だと金貨一枚と金一キロが同価値なのか?
 不思議だ………
 俺が首を捻っていると、ミシュラが説明してくれた。


ミシュラ「あら不思議そうな顔してるわね……知らないなら教えてあげるわ」


 ミシュラは金塊を抱きしめながら言う。


ミシュラ「この世界の金貨は特別な魔法をかけて作られているの。だから壊すことも出来ないし、偽物を作るのはもちろん無理。だから金貨一枚で金の延べ棒が買えるのよ。まあ、今は金が安いだけなんだけどね。高くなったら売るのよ。もっとお小遣い貯めて高いもの買うんだ~♡」


 ふーん、そんな不思議な効果が金貨にあるんだな。
 というか安くなってるにしても金塊安すぎだな!

フィー「綺麗………」


 因みにフィーは様々な宝石が埋め込まれた指輪がズラリと並んだショーウィンドウを覗いていた。
 ………付けたそうだが、多分、というか絶対サイズは合わなそうで、少し可愛そうだ。
 本人も自分の指と指輪を見比べて心なしか悲しそうな顔をしている。


俺「>>下」

 >>397の後、ナカダの感想。


 がめついなぁ………

 安価下。

 (買ってあげよう)



 俺はそう思い、二人との買い物の後フィーに合う指輪を買う事を決めた。
 サイズは人間の三分の一の物を作ってもらおう……

 次はフィーの買い物だ。
 フィーはミシュラのような特別な買い物では無く、薬局で何かあった時の為の傷薬を買った。


俺「傷薬でいいのか?」


フィー「…………はい………ナカダさんの傷も、治せるから………」


俺「………俺の為?」



フィー「……………はい…………傷薬って………作るのに時間がかかるので………」


 わあい俺の為かあ。
 この前ニャンガルキャットにバッサリ行かれた時は薬草で応急処置のような形になっていたからな。
 傷薬があるのは心強いな!


俺「>>下」

 ガンガン好感度稼いでいくナカダァ!

中田氏、ハーレムメンバーとはいえ慢心はしない

 >>406本人は知らないから……

俺「ありがとう。傷薬もだけど、なによりフィーの気持ちが一番嬉しいよ」


フィー「そっ………そそそそう、ですか………♡」


 フィーは恥ずかしいのか顔を赤らめ手に持つ薬瓶に顔を隠してしまった。
 俺が微笑ましく思っていると、ミシュラがじと、と俺の事を見ていた。


俺「ん?」


ミシュラ「いや……よくもそんなにつらつらと………ねえ………」


 そう言ってミシュラはフッと笑って横を向いた。
 ………何なんだよ?
 とりあえず、これでフィーの買い物は終わった。

 次は俺の買い物だ。
 ミシュラはローガと合流するらしく俺と別れたが、フィーはまだ俺といたいらしく俺の買い物に着いて来るらしい。
 自由時間はまだ残っている為、俺は街に来た時から実用的にも男のロマン的にも行ってみたかった所に行った。
 秋葉原などにそうゆう店もあるが、本物は見たことはない。
 そう。
 浪漫。



 武器屋!!!

 たまたま見つけたで使いやすそうな武器を見つけたが、どんな武器を見つけた?


 どんな店?>>下1

 どんな武器?>>下2

ブラックジャック

 >>412どんな形や。
 調べたら色々出てきた。

砂の詰まった黒い袋がくくりつけられている棒(片手で持てる程度の長さ)
という感じでお願いします

 ついでにブラックジャックの特殊効果コンマ。
 50以上00以下なら何か一つ特殊効果。
 ゾロ目ならその分特殊効果(77なら7つ)

 >>下

 >>415ありがと。

 コンマ下。

 というか一多い。

 ◆◇◆◇◆


俺「武器屋なんて来ても欲しいもの無いだろ?」


フィー「いえ……………私は、ナカダさんと…………一緒にいたいだけなので………………♡」


俺「おう、そうか」


 俺とフィーは街で一番大きい総合武器屋に入った。
 すると突然、


店員1「へいらっしゃいませええええ↗!!!」


俺「うおう!?」


フィー「ひっ………!」


 耳鳴りがするような大きな野太い声で出迎えを受けた。
 驚いた俺が声が聞こえてきた方を向くと、髭やら腕毛やらがボーボーに生えたがたいの凄く良いいかにも武器屋の店主! という男がカウンターに立っていた。


店員2「くら! あんた! お客さんが怖がってるでしょうに!」


店員1「イダッ!?」


 俺が戸惑っていると、カウンターの裏から出てきた女性が男の頭を金床で思いっきり殴った。
 痛そうだ、というか生身の人間だと死ぬんじゃないかその攻撃。


俺「あ、あの…………」


店員2「ああ、うちの亭主が怖がらしちゃってすまないねお客さん。ウチらの総合武器屋にようこそ。どうぞ見ていっとくれ。ほらあんた! ちゃんと案内するんだよ!」


店員1「わかったよわかったよ!」


 男は女性に尻をひっぱたかれてすぐに立ち上がった。
 頭からはどくどくと血が流れている。
 いや………驚きだ。
 俺が驚いているのは男が血を流しているにも関わらずそれを拭こうともしていないからじゃない。
 俺が驚いたのは男勝りな女の店員…………血を流している男の妻と見られる女性の見た目と言動が一致していない事に対してだ。
 普通ならばふくよかなおばさんキャラに当てはまりそうな声とセリフは、華奢で色白で美人なエルフから発せられた物だったからだ。
 むしろ、守ってあげたいという穏やかさすら感じられる顔つきだ。
 ちょっとキャラが合わなすぎて頭が軽くパニックだ。


店員1「で、お客様はどんな武器を探してるんだ?」


 ごつい方の男の店員が頭の血を拭きながら俺にそう聞いてきた。

俺「どんな武器、と言っても……………使いやすい武器が欲しいですね」


店員1「使いやすい武器、か。お客様あまり武器使い慣れてないな」


俺「ええ、まあ………」


 俺がそう応えると男の店員はドンと胸を張った。


店員1「じゃあ俺に任せときな! お客様にぴったりの武器を見つけてやるさ!」


俺「あ、ちょ…………」


店員1「まあまかせなって!」


俺「ぁああああ」


 そうして俺は半ば連行されるような形で、武器とのマッチングをされたのだった。

 ◆ロングソード

 やっぱり男としてはこれを一番使いたいのだが……………


店員1「駄目だな。腰がまるで入っていない。練習すれば上達はするが、即戦力にはならなそうだ。次」


 ◆短剣


 短剣は動きやすさが武器。
 風のように相手を切り裂く!


店員1「遅い。次」


 ◆レイピア


 いや、これは俺でもわかる。
 技術が無いと駄目な奴やん。


店員1「……………次」


 なんか言えや。


 ◆爪


 手の甲につけるタイプのド○クエのような爪だ。
 これを使ってみたいとも思うが、手を曲げるときに右手で自分の左手の指先を切ってしまった。


俺「いっつ……………!」


フィー「傷薬…………………」ヌリヌリ


俺「ありがと………………」


店員1「次だ」


 ◆弓矢


 あ、ダメだ。
 まず弓を引き絞れない。


店員1「次」


 だんだん雑になってねえか?

 ◆クロスボウ


 ハンドル引いた時に指挟んだ。


店員1「次」


 ◆棍棒


 ん?
 なんだろうか。
 今まで違う感覚がする。


店員1「ふむ。手応えがありそうだな。他の似た系統の武器も使ってみよう」


 ◆棍


 スネ打った。


俺「~~~~っ!」


店員1「離れたな。こっちはどうだ?」


 ◆クウォータースタッフ


 頭打った。


俺「~~~~っ!」


フィー「大丈夫、ですか……………………?」


俺「うん、大丈夫……………」


店員1「うーむ、あと少しなんだがな……………そうだ、こんな変わり種なんてどうだ?」


 ◆ブラックジャック


 お?
 なんだか、良い感じだぞ?


店員1「まさかブラックジャックとはな………そいつは見ての通り砂袋が先についてるんだ。柔らかいように見えるが、相手に逃げない衝撃を与える事が出来る。棍棒で殴りつけるのと違って、スライムとかにも有効なんだぜ」


俺「へえ、スライムにも………………」


店員1「そうだ。ちょっと待ってな」


 店員はそう言うと奥から銀色の金属光沢を持ったプルプルしたサンドバッグのような物を持ってきた。

 そのサンドバッグは棒のような支えがついており、サンドバッグ自体は棒についた鎖でぶら下がっている。
 まさにサンドバッグと言ったところだ。
 すると店員は俺に棍棒を渡して来た。


店員1「これはミスリルスライムのサンドバッグだ。衝撃とか熱とかのエネルギーを全部吸収してその分だけ増殖していくミスリルスライムの能力を抑制してサンドバッグにした代物だ。さ、その棍棒で思いっきり殴ってみな」


俺「は、はい」


 説明はよく分からなかったが、俺は言われた通り棍棒をバットのように振りかぶり、思いっきりそのサンドバッグを殴った。
 すると、バットがサンドバッグに当たった瞬間、ぼふ、と間抜けな音がしてバットの勢いが死に、ころんっ、と俺が殴った反対側から小指の先ほどの大きさの銀色のぷよぷよとした玉が飛び出た。
 店員はそれをつまみ上げ説明する。


店員1「これが今お客様が与えた衝撃だ」


俺「小さ!」


店員1「まあ鍛えてない奴ならこんなもんだな。次はブラックジャックを使ってみてくれ」


 俺はブラックジャックを装備し、同じように振りかぶってサンドバッグを殴った。
 すると、反対側から、ぽぽぽぽん! と親指の先ほどの大きさのぷよ玉がいくつか飛び出た。
 店員はそれを練り固め最初に棍棒で殴って出来た衝撃と比べる。


店員1「な? 結果は歴然だろ?」


俺「はい」


フィー「へー…………………」

店員1「ロングソードとかも鍛えりゃあ強いが、最初からいくらか肌に合うもんを使った方が断然良いからな。まあ強制はしないが、俺はそれを買うことを勧めるぞ」


俺「ううん……………」


 少し剣と迷ったが、やっぱりここは本業の人の言葉を聞くべきだな。
 餅は餅屋、武器は武器屋。
 俺は頷いた。


俺「いくらですか」


店員1「左右合わせて金貨二枚だ」


 あ、左右なんだ。
 まあいいか。


俺「買います」


店員1「毎度あり!」


 そうして、俺は俺専用の武器、50センチほどのブラックジャック(左右)を手に入れたのだった。

 所持金
 310000円→290000円(金貨29枚)

俺「ちなみに、参考までに店員さんがあれを殴るとどうなるんですか?」


 俺は興味本位でそう聞いてみた。


店員1「おう、俺か? 俺は……………」


 店員はさっき俺が使った棍棒を手にとり、振りかぶって殴った。


店員1「これくらいだ!」


 ドスンッ! と言う重い音がして、ぶるんっ、と三十センチほどのぷよ玉、もといメタ○スライムが現れた。


俺「おお、すげえ!」


フィー「ぷよぷよ……………ひやひや…………」


 フィー(そう言えば言い忘れていたが、フィーは魔法で他の人からは幼女に見えている)が両手でそのひんやりとしたスライムをぶよぶよしていると、店員が笑った。


店員1「はっはっはー! お嬢ちゃん、なんならそれ持って帰ってもいいぞ。まあサンドバッグ用だから1日で消えちまうがな」


フィー「ほんと………!」


店員1「ああ。殴った分だけ増えたから好きにすればいいさ」


 フィーは目を輝かせてそのスライムに抱きついた。
 ちょっと身体を沈ませながら、フィーがそのひんやりさに頬をほころばせる。
 まるでウォーターベッドみたいだ。
 その時。


店員2「さっきから何騒いでんだいあんた」


 エルフの店員が男の店員の笑い声を聞きつけたのか、様子を見にきた。

店員1「ああ。お客様にデモンストレーションをやってたんだ。ブラックジャックが二個売れたぞ」


店員2「そうかい。毎度あり。その武器、ちゃあんと可愛がってやるんだよ」


俺「はい」


 エルフの店員は俺にそう微笑んだあと、サンドバッグに目をやった。


店員2「お、ミスリルスライムのサンドバッグじゃないかい」


 エルフの店員はウキウキとした様子で腕を捲った。


店員1「え、やるのか?」


店員2「ああ。最近ちょっと鈍っちまったからねえ。前よりは小さいかもしれないけどね」


 そして、エルフの店員はぎゅっと拳を握りしめ、ぐぐ、と正拳突き構えを取った。


店員1「ちょちょちょ、待った。さ、さっき俺がやったばっかりだし、お前がやると俺の面子が…………」


店員2「なんだい別に良いじゃないか減るもんじゃないし。むしろ増えるもんだしさ。せぇの、よいしょ」


 男の店員に構わず、エルフの店員はそう拳を突き出した。
 ぺす、と拳がサンドバッグに当たった。

 そして、サンドバッグが弾けた。
 いや、そう錯覚するほど、大量の大きいぷよ玉が反対側から飛び出るように発生したのだ。


 ぷよぷよぷよぷよぷよぷよぷよぷよぷよ


店員2「お、わりと行ったねえ」


店員1「ああもう…………」


 ぼよんぼよん、と沢山のメタ○スライムがそこいらを転がりはねる。
 すげえ……………


店員2「さて、お客様。好きなだけ持って帰って良いよ。まあ、一日で消えちまうけどね」


 そう言った時のフィーのキラキラした顔といったら…………
 結局、全部は無理だがフィーの為に俺はバッグが重くなったのだった。

 特別なお店コンマ>>下
 50~99で発見。

 武器屋を出た俺とフィーはシスターと合流するために街の中央に向かっていた。


フィー「ぷよぷよひえひえ………………♪」


 どうやらフィーはご満悦の様子。
 メタ○スライムをぎゅっと抱きしめ、いつもは無口なのにぷよぷよひえひえと歌を歌っている。
 小動物みたいで可愛い。
 そうやって歩いていた時だった。


俺「……………………………」


 あからさまに怪しい屋台を見つけた。
 お菓子や液体などの入った瓶や何に使うか分からない棒などが陳列されており、黒い看板に紫の文字で「不思議雑貨ウィールストン店」と書かれているのが見て取れた。
 フィーもそれに気づいたらしく、好奇心旺盛の目で俺の顔とそのお店を交互に見ている。


フィー「………………………いかない?」


俺「いや、俺も凄い気になってる。行ってみるか」

 俺とフィーは屋台を覗いた。
 屋台には沢山の商品らしきものがある。
 「夜泣かずおしゃぶり」と言う名前とすやすやと眠る赤ん坊が描かれた瓶、「勇気のお菓子」と言う名前とモンスターが描かれた箱、「蛮童英怒(ばんどうえいど)」と言う名前と傷だらけの戦士の書かれた箱など、面白そうなものばかりあった。
 蛮童英怒を買ってみたいとも思ったが、値札も無ければ店員がいない。


フィー「…………………『氷河砂糖』、『うつくシガレット』……………『星込め飴』…………綺麗…………」


 フィーが低い位置にある瓶などを覗いてそう呟く。
 なぜ異世界なのに駄洒落が…………
 とにもかくにも、店員はいないのか?


俺「誰かいませんかー?」


?「おるよ」


俺「うわっ!?」


 呼んだ瞬間に返事が返って来た。
 よく見れば、影が落ち真っ暗になっている屋台の店員の席に黒く深いフードを被った人物が座っている事に気づいた。
 いたのか………
 気づかなかった。


魔女「えっえっえ」


 しかもその店主は絵に描いたような魔女だった。
 大きな目にしわくちゃな顔、鷲の嘴のようにひん曲がった鼻。
 それに笑い方、これをもってして魔女以外なんと言おうか。

魔女「いらっしゃぁいお二人さん。うちの店を見つけるとは運がいいねえ。好きな物を買っていくといいよ」


 運が良い?
 こんな目立つ店なら他にも見つける人はいるだろう。
 裏路地じゃあるまいし………
 俺がそう思いながら後ろを向くと、さっきまではもっといた人通りがぱったりといず、街は恐ろしいほどの静寂に包まれていた。


俺「ど、どうなってるんだ?」


魔女「えっえっえ。まあそんな細かいことはどうでも良いじゃないかお兄さん。まあうちの商品を見ていってくれ。妖精のお嬢ちゃんも、欲しいものがあったら私に言うんだよぉ」


フィー「はい………………どれにしよ…………………♪」

 ………待てよ、「妖精のお嬢ちゃん」……………?
 どうしてこの魔女はそれを知っているんだ?
 今のフィーは魔法で人間になっている筈だぞ?


魔女「えっえっえ。どうしたのかねお兄さん」


俺「…………………あんた、何者だ?」


 俺がそう聞くと、魔女はにっこりと微笑んだ。


魔女「何者も何も、あたしゃただの通りすがりの魔女だよ」


 そうあっけらかんに言った。


俺「………………………」


魔女「えっえっえ。まあ警戒しなさんな。別に害したりせんでな」


俺「……………わかった」


 まだ疑問は残っているが、なぜか俺の中の魔女に対する警戒心は消えた。
 目線が魔法にかけられたように陳列されている商品に行き、それを見回す。
 「レベルアップル」、「邪無パン」、「妖グルト」などのお菓子。
 「水はきぼうき」、「フルーティーフルート」、「刻印消し」などのおもちゃ。
 マジでなんなんだこの店は…………



 ナカダが買ったもの>>下1~3の内コンマ最大。

 フィーが買ったもの>>下4~6の内コンマ最大。



 まだ名前が出てないオリジナルなものも可。
 名前と効果と使用方法を明記。

 というかなるべくオリジナルが欲しい。

華麗粉
振り掛けられた者が異性同性問わず魅力的に見えるしいい匂いするようになる(持続は短め)

 >>441
 これはかけられた人が魅力的に見えるのか、かけられた人が周りの人を魅力的に感じるかどっちなんや。

 こういうコンマの場合00は最低って事にするで。
 ぞろ目だけど。
 指示がある時以外はファンブルやで。

 俺はしばらく色々な商品を見回していた。
 沢山あるな………
 そうやって見ていると、一つピンと来たものがあった。
 華麗粉(コンマ一桁>>下1)回分。
 持続時間(コンマ一桁>>下2)時間。
 それがまるで俺が望んでいる物のようで、それだけは絶対に買わなければいけない気がした。
 俺は手を伸ばし、その華麗粉を手に取った。
 裏に書いてある説明を読んで、それこそ俺の望むものだと確信した。
 そしてその効果を微塵も疑わなかった。


俺「……………………これください」


魔女「えっえっえ。まいど。銀貨(コンマ二桁>>下3)枚だよ」


 ついでにフィーが買った刻印直しの値段、銀貨(コンマ一桁>>下4)枚。

はい

 なお下4つの中で一回でもぞろ目が出ればおまけでなにか貰える。

いけるか

はい

 >>450 >>452 >>453 >>454
 を採用するで。





 割と良心的な値段だと思いながら、俺は代金の銀貨5枚を払った。
 …………いや、よく考えれば約5000円ってクソ高くねえか?
 まあ払った物は仕方ない。


フィー「…………………これ」


 フィーは木で出来た小さい消しゴムはんこのような物をカウンターに出した。


魔女「おお、良い物に目を付けたね嬢ちゃん。あんたにピッタリだ。銀貨4枚だよ」


フィー「はい……………」


 やっぱり高めだな。


魔女「えっえっえ。じゃあクジを引いて貰うかね」


 そう言って魔女は丸い穴のあいた木箱をカウンターに置いた。
 中には沢山折り畳まれた紙が入っている。


魔女「四回引けばいいのさ四回。ぞろ目が出たらおまけだよ」


俺「そうですか……………じゃあ………………ん?」


 俺が手を入れようと思った時、くいくいと袖を引っ張られた。
 見てみると、フィーが俺の袖をきゅっとしていた。


フィー「………………………引きたい………………」


俺「うん。良いよ」


 小さい時はこういうのって無性にやってみたくなるよな。
 俺はクジを引く係をフィーに譲った。


フィー「がんばります………………」


俺「おお、がんばれー」

フィー「…………………ダメでした……………………」


 残念ながらフィーが引いたのは23、23、05、94であった。


俺「まあ気にするな。こう言うのは当たらないように出来てるんだよ」


魔女「えっえっえ。失礼じゃの。ちゃあんと入ってるでよ」


俺「まあ今回は残念だ」


フィー「…………………はい」


 うなだれるフィーを見て魔女が笑った。


魔女「えっえっえ。じゃあ、そろそろ店じまいするでな。またあえればあおうぞお二人さん」


俺「ああ。また何か機会があったら買うよ」


魔女「えっえっえ。機会があったらの」



 ナカダの所持金 290000円→285000円

 フィーの所持金 22000円→18000円

フィー「またくるねー!」


魔女「えっえっえ。お嬢ちゃんも幸せになるんだよ。えっえっえ」


 俺達は、屋台を離れた。


俺「不思議な店だったな…………」


フィー「はい…………でも、良い物が、買えましたね…………………」


俺「そうだな。良い物か…………よく考えたら他の物も買えるな。買ってみるか」


フィー「まだ、買うんですか………………?」


俺「ああ」


 あの蛮童英怒というのがやっぱり気になる俺は、踵を返し不思議雑貨に戻ろうとした。


俺「……………え」


 しかし、そこにはもう屋台は無く、最初から何事も無かったかのように普通の花屋になっていたのだった。
 それは、周りの人々話し声が、足音が、生活音が戻っていると俺達が気づくのと同時だった。

 ◆◇◆◇◆


シスター「あ、戻って来ました」


 俺とフィーが集合場所である噴水に行くと、もう既に全員が集まっている所だった。
 因みに、買った物の効果についてはフィーも話したくないようで、お互い秘密という事にした。
 俺の華麗粉なんてかけたら異性同性に関係なく三時間惚れられる惚れ薬だからな?
 なんでこんな物買ったんだ俺は…………
 シスターは教会から持ってきていた組み立て式の手押し車に大きな袋のような物を一袋とペンキの缶のような物を二つほど乗せていた。


ミシュラ「あら、面白そうなもの買ったじゃないの」


 ミシュラがフィーが抱えるぷよ玉に興味を持つ。
 まあ最初に目をつけるのはそこだろうな。


フィー「うん……………ぷよぷよひんやり………………」


俺「これは貰ったんだ。まあ、一日で消えちゃうもんだからな」


 みんながフィーが持つぷよ玉をぷよぷよし始める。


ローガ「スライムか?」


 ローガは三本の腕で。


シェリー「はわわ………ぷよぷよですね」


 シェリーがぷよぷよするのに参加する。
 ぷよ玉が三つに増えた。


ミシュラ「なんだか癖になるわね」


 ミシュラが参加してぷよ玉が5つに増えた。
 あ、ごめんなさいシスターなんでもないです。


ルーシェ「……………………………!」


 そして相変わらず表情で全てを語る人魚姫。


サーリア「むむ、これはミスリルスライムですね。ですが生きていない、と言うことはサンドバッグ用の残骸ですね」


 サーリアはそう冷静に種族を判別しつつ、思いっきりぷよぷよを堪能する。


俺「まだあるぞ」


みんな「「「「やったー!」」」」


 沢山持ってきて良かったな。
 シスターがそれを見て呆れたようにため息をついた。

 他のみんなが買った物。

 シスター:教会を修復するためのセメントっぽいものとペンキ(ここまで合計金貨十枚)と>>下1

 サーリア:>>下2

 シェリー:>>下3

 ローガ:>>下4

 ルーシェ:>>下5



 名称と値段と詳細。

竹みたいな物質でできた額縁 3G

 >>462
 3Gってなんだ。
 金貨?

>>465
ゴールド、ギル、ガメル、貨幣の最低単位のつもりじゃない?

つまり銅貨三枚?

 >>467
 まあ本人が来なけりゃ分からないやが………
 一旦銀貨のGって事にしとくで。

 俺はみんなに買った物を聞いてみた。
 シスターは修理の材料の他に竹のような何かで作られた額縁のようなもの。
 サーリアは両手でギリギリ持てるほどの大きさの袋に入った大量の砂糖。
 シェリーはやはり本が好きなようで、分厚い本三冊。
 ローガはおやつ用の胡椒漬けの500グラム程の肉。
 ルーシェは綺麗なオカリナを買い、早速楽しそうにぴぽぴぽふいていた。


シスター「では、皆さん。帰りますか」


みんな「「「「「はーい!」」」」」


ルーシェ「ぴぴー」


 こうして、月に一度の孤児院の買い物は終わったのだった。

自分で投げておいてアレだがギリ抱えられるほど大量の砂糖とか何に使うんだ

普通にお菓子とかにすべきだったかも

 >>471
 まあサーリアは料理が好きだからお菓子づくりとかじゃないか?

 ~その夜!~


ローガ「サーリアこれうめえよ!」


サーリア「失敗しないでよかった~! 一度作ってみたかったの。ペプパプリクトパンフプアポポリン」


ローガ「なんて?」


 俺たちは今サーリアが砂糖を使って作った夕飯後のデザートを食べているところだ。
 因みに俺も手伝った。
 ペプパ………なんとかというお菓子は非常にマカロンに似ており、サクサクした食感がなんともたまらない。
 ペプパなんとかはあっという間に無くなった。


ミシュラ「この大きさと柔らかさなら私も食べれるし、良かったわ。サーリア、ありがと」


シェリー「後味もたまらないですぅ…………」


リーシャ「ぴー」


シスター「最高でしたよ」


フィー「……………」コク


俺「マジでうまかったぞ」


ローガ「また作ってくれ!」


 俺達が口を揃えてそう誉めると、サーリアはえへへとによによしながら恥ずかしそうに笑った。

ローガ「もぐもぐ。マジでうめぇ」


サーリア「えへへ…………ってなにもう次の物食べてるの!?」


 全員がペプパなんとかの後味を楽しんでいると、もうローガが昼に買った肉を食べ始めていた。


サーリア「それ胡椒すごいかかってるじゃん! 甘いの無くなっちゃうでしょ!」


ローガ「そう言っても、もぐもぐ。我慢できなかったんだからしょうがねえだろ? ごくん」


 サーリアの制止虚しく、ローガはその分厚いベーコンの塊のような物をもぐもぐもぐもぐと胃に納めていった。


サーリア「仄かに甘い後味がぁ~、もったいない~……………」


 サーリアはそう言って机に突っ伏した。


ミシュラ「まあ良いじゃないの。十分おいしかったわよ」


シェリー「はい!」


サーリア「でもお……………」

 ~食後~



ミシュラ「あれ? そう言えばローガは?」


 全員が食器を洗い終わり、まったりしていた時、ミシュラがそう言った。
 みんなが周りを見る。


シスター「そう言えば…………」


サーリア「あ、ローガ君ならさっき部屋に戻ってるって言っていたよ」


ミシュラ「そう。じゃあ良いわ」


 まあ特に問題は無いだろう。
 そう思っていた時だった。


俺「…………あれ? ローガ君?」


 突然、ローガがずかずかと早足でリビングに入ってきた。
 しかし、様子がおかしい。
 苦しそうに肩で息をし、褐色の頬を赤く染めている。
 この症状、どこかで見た気が…………?


ミシュラ「どうしたの? ローガ…………」


ローガ「ミシュラ……………来てくれ……………ハァ、ハァ……………」


ミシュラ「え? え?」


 ローガはそうとだけ言ってミシュラの腕を掴んで行ってしまった。
 よっぽどの急用でもあったのか、用事も言わなかった。
 ……………なんだ?
 どこかで扉が閉まる音がした。
 俺たちが疑問符を頭に浮かべていると、一人表情を変えないシスターが立ち上がった。


シスター「私も少し用事を思い出したので失礼します」


 そう言ってローガ達と同じ方に行ったシスターは、直ぐに戻ってきた。


シスター「これで良いですね…………」


サーリア「用事って何だったんですか?」


 サーリアがなぜか呆れたような表情を浮かべているシスターに聞いた。


シスター「何でもないです。とりあえず、みんな街に行って疲れたでしょうし、早く寝なさい」


 ああ…………
 そうだな。
 何だか急に甘い香りがしたと思ったら、一気にまぶたが重くなった。
 子供たちも眠くなってきたらしく、あくびをしている。

 さっきまでそんな眠くなかったのに、だ。


シスター「さあ、みんな自分の部屋に戻って、お休みなさい…………」


 ううん…………
 抗いがたい眠気だ。
 ここは言葉に甘えて部屋に戻ることにしよう。
 突然の眠気に持っていた疑問は、シスターの言葉でなぜかすぐに消え去った。
 俺と子供たちは眠気でふらつく足取りのまま、それぞれの部屋に戻っていった。
 そのまま、俺は俺の自室のベッドに倒れ込んだ。


俺「ねみい……………」


 ギシ………ギシ…………ギッ…………


 孤児院のどこからか聞こえてくる、木が軋むような音が気になったが、俺は風の音か何かだろうと思いそのまま深い眠りに落ちた。

おかえりー

 ◆◇◆◇◆


シスター「はぁ。久し振りに魔法を使ったので疲れました」


 静まり帰った孤児院で、一人そう番人が呟いた。
 いや、実際にはギシギシとどこからか木材が軋む音が聞こえる。
 番人は魔法を施行するのに使った紫苑の花を花瓶に刺した。
 彼女が使用した魔法は、『防音』と『催眠』。
 片方はこの孤児院の壁に、もう片方は自身ととある二人を除いたこの孤児院の住人全員に使用した魔法だ。
 番人は卓上に残っている肉片をつまみ上げ、舐めた。


シスター「確かローガくんはこれを豚肉として買っていましたね。確かに味は似ていますが、これは魔獣であるイボンヌシシの肉。イボンヌシシの肉は適切な処理を施さなければ性欲を爆発させる効果があるんですよね。あの豚店主、適当な物売ってやがったな」


 番人がぶくぶくに太った肉屋の店主を思い浮かべながら突然人が変わったような低く生物が本能的に恐怖を感じる声を出すと、屋根の梁からシスターを覗いていたネズミが飛び上がり逃げ出した。


シスター「まあ、爆発してしまったものは仕方ありません。もう取り返しも付きませんし。あれだけ大量に食べていたならその効力も強く継続時間も長いはずですし、ローガくんの種族も種族なのでちょっとミシュラちゃんには辛いかもしれませんが、まああの二人には大丈夫でしょう」


 番人はそう言うと、規則正しいリズムを奏でる軋みに耳を澄ませた。
 そして、成長する我が子を見守るような、母の表情を浮かべた。


シスター「まさか、スパイだった頃の魔法がこんなところで役に立つなんて。では、お二人が励んでる間、私は別のことをしていましょう」


 番人とは、守るもの、排除するもの。
 守るべき物が脅かされた時、その真の力を発揮する。
 番人のローブの中から、ジャゴンッ! と何かの重低音が聞こえた。


シスター「豚は豚らしく、豚箱に行ってもらうぞ」


 そう言って、番人は微笑んだ。
 その目は、獲物を狩る狩人の目………いや、豚を屠殺しに行く農家の目だった。
 獲物とも思っていない、圧倒的な存在の目だった。
 そして、番人は孤児院を飛び立った。


 ◆◇◆◇◆


 その次の日から、何の肉か分からない肉を安く購入し何の肉かも分からないのに高く売り払っていたぶくぶくに太った豚のような店主がいる悪徳肉屋は、店主はそのまま、しっかりと肉が種別分けされ、格安の値段で肉が売られる、最高の肉屋になった。
 なお、店主は現在ダイエット中。
 なぜか黒い服を見るとありえないほど恐れる仕草を見せるが、その理由は一切話したがらない。
 結局、彼が死ぬまで急に人が変わったように優しくなった理由と、黒い服を怖がるようになった理由は明かされる事はなかった。
 月日が経ち、好中年となった店主はいつしかとある少女と恋に落ちることとなるのだが、それはまた別の話である。
 そして、もしその話が世に出るのならば、『豚と真珠』という題名が相応しいだろう。

 >>499
 ただいまやで。

 で、早速で悪いが、寝るで。

 ギリ寝ぼけながら書いたから文章おかしいかもしれんが、許してやで。

 なんだ『豚と真珠』って。
 眠かったんや。

普通に豚に真珠のことわざを捩って豚と真珠というタイトルにしたと思った

 >>508いや、そのとうりなんやけど、なんで書きもしない作品の題名まで書いたんやろと……

◆◇◆◇◆


私「ねえ、ちょっと……ローガ?」


 息の荒いローガが私の手を掴んだまま、なんの理由も話さず私の部屋に駆け込んだ。
 そして、ローガが鍵をかける。


ローガ「ハァ………ハァ……ハァ……」


私「ねえ、なんなの? まさかまだみんなが寝静まってもいないのに始めようって訳じゃ無いわよね?」


 そう私が言うと、ローガが目を怪しくギラつかせたままこちらを向いた。
 その股間は見たことも無いほど爆発的に膨れていて、布ごしにぷっくりと粘度の高い我慢汁が染みている。
 私は口元を抑えた。


私「ロ、ローガ!? あなた何勃ててんのよ!?」


ローガ「はぁ……はぁ……ミ、ミシュラ……もう、が、我慢出来なくって……」


私「な、何言って、まだみんなも起きて……」


ローガ「ご、ごめん……」


私「きゃっ……!?」


 そう言うとローガは私をベッドに押し倒し、ローブをめくってパンツを脱いだ。


私「バ、バカじゃないの!? ねえ!? ローガ、お願いだからやめ………!」


ローガ「はぁ…………はぁ………」


 嫌なのに、私は抵抗出来なかった。
 毎日死ぬほど鍛えているローガの三本腕は、がっちりと私の足と腰を抑えつけ、逃がさない。
 確かに毎日フェラをしてローガから栄養たっぷりの精液を貰っている。
 だけど、まだエッチもした事もない。
 私は処女だしローガは童貞。
 というか、エッチはしたくない。
 夢魔の里にいた頃、追放されるほどエッチが下手だったんだから。
 毎週のテストはいつもー100点。
 だから、先生からも、友達からも、親からも見放された。
 シスターに拾われてから長い間、生きるためにローガから精液を貰っていた。
 それで、なんかいろいろあって恋人になって……
 でも、エッチはしない約束だったのに、なんで、今になって………
 ローガが私のあそこに震える舌を這わす。
 くちゅ……と音を立てて、ローガのよだれがあそこに塗りたくられる。


私「ああ……ん……んんっ………!」


ローガ「ん………はぁ……ふぅ………」

サキュバスの癖にクソ雑魚チョロマンがローガくんに発覚するときが来てしまったか

 うっすらと産毛の生えているアソコを、ローガはまるで蜂蜜でも舐めるみたいに、美味しそうに舐め続ける。


私「ロ、ローガ……お願い………やぁ、や……やめて……っ!」


ローガ「ご、ごめん、ミシュラ……お、俺、なんか変で……! はぁ……!」


 私が半泣きでそう訴えても、ローガがクンニを止める気配は無い。
 むしろ、さらに顔を埋めてあそこ全体を口に含むように舐め始めた。
 私が抑えている喘ぎ声と、しょりしょりとローガがあそこを舐める音だけが部屋に響いている。


私「んっ………んんっ………!」


ローガ「ん……んちゅ………んぅ……」


私「んっ……う!?」


 私がそう声を上げたのは、突然、ローガが舌をあそこにねじ込んできたからだ。
 私は思わず反り返り、腰を痙攣させた。
 ゆっくり内側から押しのけられるような感覚に、身体が新しい快楽を覚える。


私「んっ……! あ……んぁあっ♡ あっ♡」


ローガ「ふ……んっ…………ぉんん………」


 ローガのその気持ちよすぎるクンニに、私はいよいよ声を抑えられなくなった。
 いくら手で抑えても、漏れた声が部屋に響き渡る。


私「バレ、ちゃう……! ローガ、やめ、やめっ……♡」


ローガ「んっ……ん………ふぅ……」


 いくら私が訴えかけても、ローガは止める気配が無い。
 その時、私は何かが体の奥から込み上げて来るのを感じた。
 もしかしたら、これって……!


私「んん! ん~! ぁんんっ♡」


ローガ「んむ……んっ……!」


 とてつもない快楽の波が来る………!
 私の腰が、ガクガクと痙攣した。


 ぶしゃぁああぁっ……


私「んぁあああああぁああっ♡」


 そして、おしっこではない物がローガの口の中に満ちた。
 ローガは喉を鳴らして、その愛汁を飲み込んで行った。


ローガ「んっ………んくっ………ふっ………」


私「あぁ、あ………あ……!」


 初めて、ローガにイかされた。
 いつもは私がイかしてばっかりだった。
 いままで溜め込んだ分を全て吐き出すみたいに、羞恥と不思議な達成感の中、私はローガの口に注ぎ続けた。

 >>511他の孤児院の子には秘密だけど、事情を知って引き取ったシスターと彼氏であるローガは知っとるで。

寝ます。

 眠いで。寝るで。

ローガ「はぁ………はぁ…………めっちゃうめえ…………」


 私の愛汁を飲み干したローガが頬を熱くしながらそう言う。
 夢魔族の愛汁はとっても美味なのだ。
 自分でも舐めたことはあるが、苦くも酸っぱくもなく、ほんのりと甘い発情する味だった。
 そのまま私に覆い被さってきたローガの股間は、さっきよりもさらに大きく膨張していた。
 ズボン越しに染みていた我慢汁がたれ、私のあそこにぽとりと落ちた。


ローガ「ミシュラ………も、もう、俺…………」


私「ろ、ローガ………お、ねがいだから………………」


 そう抵抗する私の声も、弱々しい。
 夢魔族は元より貪欲な種族なため、これほど濃厚な性を五感で感じ取ってしまえば、もう、戻らないスイッチが入ったも同然。
 私の生まれつき男を欲している身体は、ただ目の前のオスを搾取するためのフェロモンを全身の穴という穴から分泌させていた。
 それを真っ正面から受けているローガが、急に私の肩と腰と手首を掴み仰向けになった。
 その反動で、引っ張られた私が起き上がりローガにまたがるみたいな形になり、私のももの間にはズボンを押し上げそそり立つローガの肉棒が押しつけられていた。


私「ろ、ローガ。もしかして、騎乗位で始めるつもりなの?」


ローガ「うん…………」


私「で、でも私、エッチがもんの凄い下手だって………騎乗位も……………」


ローガ「だから、俺が全部ミシュラをリードする。俺がミシュラを気持ちよくさせる」


私「っ!」


 私は、その言葉に果てしない喜びを感じた。
 全てをローガに委ね、全てをローガに捧げるという、その言葉に。


私「………………嬉しい……………でも………………それじゃあ、疲れない…………?」


 私はローガの身体を心配してそう言った。
 夢魔族は性欲も強く、私に搾り取られ過ぎてローガの体力が尽きちゃうのではないか…………と。
 でも、ぎらぎらと輝くローガの目は、覚悟に満たされていた。


ローガ「俺が、どれだけ毎日修行していると思う………?」


 心配は、無用のようだった。


ローガ「だから…………ミシュラ。俺と、未来を誓ってくれ。俺がお前を幸せにするから。結婚してくれ」


 子供時代のエッチだけのお遊びの繋がりでいつかは別れてしまい、彼は彼の彼女を作って私は色々な男を行ったり来たりして、ビッチみたいに、いや、ビッチな夢魔として、愛のない精液をお布施みたいに貰い回る。
 そうなると思ってた。
 私は涙が溢れた。
 その言葉が真実であると知ったから。


私「うん……………っ!」


 私は、全てをローガに任せるために、全身の力を抜いた。


ローガ「ミシュラ……………はぁ………はぁ…………ありがとう…………」


 ローガがまるで空き箱でも持ち上げるみたいに、軽々と私を持ち上げた。
 私が手を伸ばしローガのズボンをおろすと、カタパルトみたいに勢いよくちんちんが跳ね上がり、石の代わりに先走り汁を飛ばした。
 私は自分のあそこをくぱっとピースで広げて、そそり立つちんちんを迎え入れる準備を整えた。


私「ローガ……………」


ローガ「ん………?」


私「だいすき…………♡」

ごちゅっ!


私「あ………え………?」


 気がついた時には、もう私の子宮口とローガの亀頭は濃厚なキスをしていた。
 耐え難い激痛が股に走る。


私「あっ………あっぐうぅううぅぅ!?」


 私は痛みに悶えながら、ローガを睨んだ。
 愛汁のおかげで変に傷ついてはいないみたいだけど、ローガといえど、これは許容出来ない。
 無理にこじ開けられた処女膜の血が結合部に垂れた。
 もっと優しく出来なかったの!?


私「あ、あんた、ねぇ…………」


ローガ「ハァ……………ハァ………ぐあ……………」


 ローガは私の言葉に一切反応しなかった。
 なんか、様子がおかしい。


ローガ「ミシュラ………ミシュラ………………!」


私「ろ、ロー…………ガ? …………んぐっ!?」


 ローガがまた私を浮かせた。
 そして、ごちゅっ、と同じように落とした。


私「あっくぅ………っ!」


 さっきよりは痛く無かったけれど、痛いことは痛い。


私「ローガ…………や、やめ…………」


 私は、ローガの目を見て息を飲んだ。
 その目はローガじゃなかった。
 理性のひとかけらもない、性欲に溺れた野獣の目だった。


ローガ「ふーっ……………ふーっ……!」


私「あ……………」


 息を荒く、筋肉を唸らせ、野獣がまた私を持ち上げる。
 そして落とす。
 いつものローガからは想像も出来ない自己中な反復運動。
 私は何度も何度も物のように上下に激しく動かされ続けた。


私「ろ……おぅっ! あ………んっぐ! やめ゛っ! いぎっ!」


ローガ「ぶふっ、ふぅ、ぐっ、ふうぅっ!」

 逃げようにも、上の右手で両手を、下の両手で両足をがっちり鉄枷みたいに拘束されているから逃げられない。
 だから、私は諦めて目を瞑った。
 そうやって、全てをローガに委ねた。


私「あっ、ぐ、うっ! ひぐっ!」


ローガ「ふーっ、ふーっ………ぐっ、ふっ…………!」


 私が目を閉じて大人しくしていようが、ローガはお構いなしに私を動かし続ける。
 そのうち、私はちょっとずつ気持ちよくなってきた。
 何度も何度も子宮口をノックされ、快楽がようやく顔を出してきたらしい。
 一突きされるごとにそれは大きくなっていき、私は子宮の奥がどんどん熱くなっていくのを感じた。


私「あっ………♡ んっ………♡ くぅぁ……………♡」


ローガ「ぐぅっ……! ふーっ! ふっ、ふぅっ!」


 激痛で冷めていた愛しさは、ローガが私を内側から犯していくたびに熱く、大きくなってきた。
 私の脈動する熱い膣内を、愛するローガの肉棒が満たしている。
 なんで急にローガがあんなに乱暴になったかは分からない。
 でも、今はその乱暴ささえ愛しい。
 今私は、夢魔とか、そういう種族的な物は関係なしに、メスとしてローガに屈服している。
 屈服が心地よい。
 最後まで、全部ローガにこの身を預けたい。
 最期まで、全部ローガにこの身を捧げたい。
 支配し尽くされたい。
 
 ……………そのとき、私は気づいた。
 私、ドMなんだっ、て。
 それに気づいた瞬間、私の背筋が熱くざわめき、今までの少しだけだった快楽は一気にメーターを振り切らせ頂点に達した。


私「おっ♡ おおっ、おぐ♡ あっ♡ あぎぃっ♡」


ローガ「ふっ、ふーっ……! ぐっ! ぐぅぅっ!」


 もう、目なんて瞑ってられない。
 代わりに、快楽に口が開きだらしなく舌が垂れている。
 もっとローガを見たい。
 感じたい。
 肩にかけていたロープがぱさ、と落ちた。
 夢魔族であることを表すコウモリみたいな小さい羽がぱたたたたと嬉しそうに羽ばたいている。
 ああ、大好き。
 ローガ大好きっ♡
 突然、ローガが自身の腰を激しく上下させ始めた。
 さっきよりも力強く亀頭が子宮口に叩きつけられ、快楽の波が大量に押し寄せる。


私「おおおぉっ♡ ろーがっ♡ ろーがあぁあっ♡」


ローガ「おぐぅ、ぐっ、ふぅっ、ぐぅっ……!」


 自由は一切無い。
 でも、むしろそれが気持ちいい。
 私はローガの名を叫んだ。
 ゴツゴツと身体の奥から音が響いている。
 電撃みたいな衝撃と快楽が身体を突き抜けている。
 ローガのピストンがさらに早くなった。
 私の身体が浮き、落ち、また下から突き上げられ浮く。
 ローガのちんちんが膨らんできた。
 もうローガが射精しそうなんだ、と本能からそれを感じた。


ローガ「あああっ、あああああっ! ぐぅううぅううっ!」


私「おおおおおっ♡ おーっ♡ おっ、おおおっ♡」


 ローガが私の腰を掴み、下に叩きつけた。
 同時に腰を浮かせ、子宮口に亀頭を激突させる。
 ごり、と子宮口をこじ開け亀頭が子宮内に侵入し、メリメリと音を立てながら膨らみが頂点に達した。

びゅっぐううううううううううっ、びゅううううううっ♡


私「あっ、おおおおおおっ、おお~っ♡ おおおっ♡ ろぉがあ♡」


ローガ「ぐっ! んぐぅっ、ふっ、ぐっ! ぐあっ!」


 若々しくて、新鮮で、熱くて、あり得ないほど力強い精子が私の中に注がれている。
 私の子宮内は一瞬でローガに染まったが、それでもなおローガが射精を続け、ごぼごぼと結合部から精液が勢いよく溢れ出した。


びゅぶ、びゅぶ、びゅくっ………♡ ぼぶ…………っ♡


ローガ「あ………おぅっ……ぐ…………ふぅっ…………」


私「あーっ…………♡ お……♡ ローガの……せー……しっ……♡」


 夢魔は精を栄養にする種族。
 経口でももちろん栄養は得られるが、膣内射精の方が効率はいい。
 妊娠は望まなければしないし、ほとんどの夢魔は毎回膣内から栄養を摂取している。
 なお、初めての膣内射精は特別らしく、普通より何百倍もの栄養を取られるらしく……………


メキメキッ……メギッ…………!


私「は…………は、ぐ………!」


 痛みと共にコウモリのような羽が妙な音を立てている。
 まるで、成長の早送りを見ているみたいにどんどんとパーツが大きくなっていき、それが収まった頃には私が飛べるんじゃないかと錯覚するほどまで大きくなっていた。
 少し遅れて角にも変化が起きる。
 髪に隠れてちょっと覗くくらいしか無かった巻き角は根元からどんどん生え始め、牡羊に勝るとも劣らないほど立派な角となった。
 これが、夢魔の成人の証。
 年齢関係なく、これさええれば大人と同等に扱われる。


私「あ……あは…………♡ ローガ………♡ 立派になったでしょ……♡」


 私はローガにそう微笑みかけたけど、ローガはまだ正気を失っているらしく、返事は荒い息だけだった。


私「もう、いいよ………♡ 全部、めちゃくちゃにして、ローガ………♡ 全部あなたの物にして………♡」


 私は膣内にまだ固くそそり立っているちんちんを感じながら、そうローガに言った。
 意味を理解したかどうかは分からないけれど、ローガはそのまま起き上がり、今度は私を押し倒した。
 ああ、ずっとローガのターン………
 また、思いやりのないエッチが始まる…………
 だけど、私は幸せだった。
 とぉっても……………幸せだった…………♡

 いったん休むで。

 ローガがもう必要無いと判断したのか私の四肢の拘束を解いた。
 もう私も逃げるつもりはない。
 ローガは挿入させたまま私の胸に舌を這わせた。
 孤児院の誰よりも大きい私のおっぱいをローガがおいしそうに舐めている。
 蛇みたいにうねる舌の動きに合わせて、私の身体もぴくぴくと痙攣する。


私「んっ♡ んんっ…………♡ あっ♡」


ローガ「ふー…………♡ ふーっ♡」


 ローガったら、赤ちゃんみたい…………
 そう思ったとたん、ぬっとローガの両腕が伸びてきて私の胸を揉み始めた。
 ぐにゅぐにゅとパン生地をこねるみたいに、ローガの両手が踊る。
 たまに立っている乳首を摘まんで、ピンとはじくのがとっても気持ちいい。
 こんなの赤ちゃんじゃないっ………♡
 ローガが胸から口を離し、私と見つめ合った。


ローガ「はぁ…………はぁ…………ミシュラ………ごめん…………俺、こんな……………」


私「ろ、ローガ………!」


 変わらず鋼のようなちんちんは私の中で脈打っているけど、ローガは正気が戻ったようだった。
 私はローガの首に手を回した。


私「忘れてない…………?」


ローガ「な、何を…………?」


私「ローガが野獣みたいになっている間の記憶………ちゃんと、覚えてくれている………?」


ローガ「ああ……………全然身体の制御は利かなかったけど………全部、覚えてるぞ……………ミシュラの身体の感覚も…………声も、表情も………」


 良かった………記憶も残ってなかったら、もうよくわかんなくなっちゃってたもん…………
 ちゃんと、ローガが私を意識してくれてて、良かった………♡


私「じゃあ、ローガ……………さっき言ったとおり、めちゃくちゃにして…………♡ 私を全部あなたの物にして♡」


ローガ「分かった…………………『俺の』、ミシュラ…………!」


 ローガがそういって私の唇を奪った。

 三本の腕で右胸、左胸、クリの三ケ所をそれぞれ刺激されながら熱いディープキスをする。


私「あう、あふ♡ ん♡ んん♡」


 私の口の中全部を味わうみたいに、ローガの舌が暴れまわる。
 上でも、下でも、ローガと深く繋がれて、幸せ………♡
 ローガがそのままピストンを再開した。
 それも、優しくじゃなく、突き上げるみたいに強く、激しく、容赦なく私を内側から犯し尽くしていった。
 脳みその奥までめちゃくちゃにされるぐらい気持ちいい。
 ゴツゴツと子宮口をノックし、ローガの亀頭は私に排卵を促す。


私「ん゛っ!? んぐ♡ ん゛ん゛んっっ♡♡」


ローガ「はあ、ふーっ……! んっ、ぐぅ! はぁっ……!」


 ほんとに、ほんとにめちゃくちゃにする気なんだ……!
 私のぜんぶ、ぜんぶローガにめちゃくちゃにされてるっ………♡
 ああ、私今ローガのモノになってる…………♡


私「ん〜〜〜〜〜っ!♡」


 私はまた盛大にイッた。
 ローガと上下で溶け合いながら、足をピンと伸ばし潮を吹き出させた。
 もう、こんなの逆らえない。
 逆らいたくない………♡
 ローガのピストンが急にスピードアップしてきた。
 また、イクんだ。
 私は伸びたままの脚をローガの腰に絡み付けた。
 私はローガの物。
 ローガは私の物。
 精子一匹だって逃さない。


私「ああ♡ また、またちょうだいローガ♡ また栄養たっぷりのせーし注いでえっ♡♡♡」


ローガ「み、ミシュラッ♡ ミシュラあああああっ♡」


 ずん! とローガが腰を落とし、いままで入った事がないところまでちんちんが入った。
 これたぶん………子宮にはいってる………♡
 ギッチギチに詰まった精液がまたローガのちんちんを膨張させながら私の膣内をこじ開けていく。
 来る…………


どぼびゅぼびゅ〜〜〜〜っ♡ どくっ♡ ばびゅ〜〜〜っ♡


私「あああああああっぐぅっあ♡ ローガのせーしがっ♡ 卵子探して力強く暴れてるうぅっ♡ ああああっあああああ♡


ローガ「孕めぇぇ…………ミシュラァ…………お、俺たちの子供お………っ!」



 ローガが半分獣みたいにうなりながら、そう言った。
 まだどびゅどびゅと精液は子宮を満たしていく。
 というか、満たし尽くされて溢れている。
 支配されるのって、こんなに嬉しいんだ………
 全部、全部私はローガのもの。
 私は意識が朦朧とする中、なんとか微笑んで頷いた。

 ローガはそのまま私と舌を絡め、手を握りしめた。
 両方のてで恋人つなぎしつつ、ローガの余った手は私の頭を撫でている。
 髪をナデナデされ、角の付け根をぐりぐりされ、とっても気持ち良かった。
 ローガは射精したあと栓をするみたいにしばらくぎゅうぎゅうと腰を押し付けていたけど、もう充分と感じると絡めていた舌をほどきちんちんをゆっくりと抜いていった。


私「あ………♡ う………っ♡」


 ズルズルと吸い付く私の膣を引き離しながら、ローガの逞しいちんちんが抜かれた。
 精液と愛汁でぐちゃぐちゃになったちんちんはズボンっと音を立てて抜かれると同時にべちんっと私の下腹部に叩きつけられた。


ローガ「はぁ…………はぁ……………」


 私はちんちんをきれいにしなければと思い、砕けた腰をなんとか起こしローガのちんちんの亀頭にキスをした。


私「おちんちんさんがんばったね…………♡」


ローガ「ああ……………ふぅ……………すまないミシュラ………………」


 ちゅぽちゅぽと休止状態になっているローガのちんちんを口に含み、なめ取りきれいにしていく。
 もう、今夜は寝よう…………
 フェラをしながらそう考えていると……………


私「ん……ちゅ…………………ん?」


 もう休止状態に入っていたはずのちんちんがまた大きくなって来た。
 さっきからだけど、回復が早すぎない……………?
 そう不思議に思いながら私が掃除を終えようとしたその時、突然私はローガに成長した角を掴まれた。


私「ふん!? ろーは!? ん………んご!? ぐぇ………!」


 そのまま有無を言わさず私の頭は下向きに落とされた。
 ローガの長いちんちんが根本まで私の喉に突き刺さり、空気が押しつぶされたみたいな声が出た。
 ごりごりと容赦なくローガは私の頭を上下に動かす。
 息が詰まって苦しい。
 突然どうしたんだろうと半ば窒息しかけのなかローガを見ると、またさっきみたいに目をギラギラさせて、野獣と化していた。
 そのままなんの予告も無くローガが私の喉に精液をぶちまけた。


ボグルルルルルッ、ビュールルルルルッ!!


ローガ「お、ぐぁ……………うく……………」


私「んっ…………げぼ、んんぶっ、ぶぶっ、ごぼ……………」


 私はなすすべなく白目を向いたままその射精を受け入れた。
 胃に直接注ぎ込まれるような新感覚。
 息が出来ずに咳き込み、鼻からも精液が逆流して、今私の顔はひどい有様だと思う。
 そんな私にお構いなく、ローガは射精しきると私の角を上に持ち上げた。
 圧迫されていた喉奥が解放され、でろでろとよだれと精液を引きながらちんちんが私から引き抜かれた。

私「ぷは……………はぁ…………おぇ………………………」


 なるべく口内の精子をじっくり味わってから飲み込む。
 苦しくはあったが、ローガの精液はやっぱり美味しい。
 すると突然ローガが私をひっくり返しうつ伏せにさせ、ぐにと両手でお尻を左右に広げた。


私「も、もう…………! 唐突すぎる…………!」


ローガ「ふーっ………! ぶぶーっ………!」


 私は呆れながら、それに逆らわなかった。
 また、野獣と化したローガに思いっきり犯される事を思うと、背筋がぞくぞくしたから。
 一瞬もしかしてお尻に入れられるのかとも思ったけど、ローガがしっかり亀頭を膣口に押し当てたから、安心した。

ごりゅんっ!

私「おぐ…………!」


 と思ったら一気に子宮まで貫かれた。
 私のお腹がぽっこりと膨らみ、ぼびゅ、と精液が溢れた。
 さっきまでとは全然違うところに亀頭が当たり、新しい快楽に晒された私はえびぞりになりびくびくと痙攣した。
 ローガがそんな事知るかと言うように容赦なくピストンを始めた。

私「お、おおっ♡ ん、うっぐ♡」

ローガ「ふっ……! ふっ……! ふぐう……!」

 寝バックの体位の状態で、ローガの手は私の口、胸、腰をそれぞれ担当している。
 ぐちゅぐちゅと私の口に指を出し入れさせ、胸を揉み時折乳首を刺激し、しっかりと腰を掴み子宮の最奥と抜けそうになるくらいギリギリのところをちんちんがぼちゅぼちゅと激しく往復している。
 そんな手加減をしらないローガ。
 でも、好き。
 いや、むしろ容赦ないからこそ好きなのかもしれない。


ローガ「ぐっ、ぐううう、ぐ………! ふーっ!」


私「んんっ♡ ちゅぷ、ふ♡ ん゛っ♡ おおーっ♡」


 ローガの腰の上下運動が更に激しくなった。
 私の腰はベッドから浮き、ローガに突かれるごとにベッドが大きく軋む。
 ローガのピストンの激化に伴い、ローガのちんちんがめきめきと膨らんできた。
 また、射精するんだ……………♡
 全部、ちょうだい…………♡


私「お、おぐ♡ あああっ♡」


ローガ「ふーっ! ぐっ………!」


 ローガが腰を突き出した。

ビュルブルルルルッ! ビュグッ! どびゅ〜〜〜〜〜〜っ♡

私「あっ……………♡ お……………………♡」


 また、これまでに無い量。
 新しく記録更新。
 私のお腹がぼびゅぼびゅと膨らみ、子宮に目一杯精液が流れ混んでるのが分かる。
 あ………だめ……………気持ちよすぎ………………♡


ローガ「はぁ…………はぁ……………ミシュラ…………………」


 また、正気に戻ったみたい…………
 ああ……………疲れた……………


私「ごめん…………ローガ……………寝…………る………………」


 気持ちよさと、けだるさと、満足感で、私は意識を闇に落とした。
 自分のお腹を抑えて、その中にひしめく精子を感じながら…………


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


私「………………ん……………あれ…………ここ………は?」


 私は不思議な空間で目が覚めた。
 あの孤児院のベッドのシーツと同じフカフカの感触。
 でも、辺り360度どこを見回してもその白いシーツの海が永遠に続いている。
 私の格好を見ると、真っ裸だった。


私「ああ…………夢か……………」


 私は犯され疲れて寝てしまったようだ。
 夢だから疲労は無いが、精神的に疲れた…………
 私はローガとの甘い夜…………いや、甘いと言うにはいささか刺激が強すぎたかもしれないけど、とりあえずローガとの甘い夜を思い出しながら、体を文字通りのシーツの海に沈めた。
 その時。


ローガ「ミシュラ……………」


私「え……………」


 私が声がした方向を見ると、さっきまでいなかった筈のローガが仁王立ちしてそこにいた。
 それも、一糸纏わない姿のまま、その男の象徴を塔のようにそそり立たせながら。
 そういえば。
 私は自身の種族の能力を思い出した。
 私は、夢魔。
 他人の夢の中に侵入し、精を吸い取ることが出来る。
 でも、これは…………
 私が、無意識のうちにそれを発動させて、ローガとリンクしてしまったようだ。
 つまり、この世界はローガと私の二人っきりの夢の世界。


私「ウソ…………でしょ………………」


 流石に、もう勘弁だった。
 腰も痛いし、何よりイキ過ぎてもうこれ以上気持ちよくなったら壊れてしまう。
 本当に全部ローガの物になってしまう。
 そして…………この世界では、気絶も、離脱も許されないし、疲労もない。
 ローガの………相手方の精が尽きるまで、この世界からは出られない。
 本来なら夢魔にとって有利な効果は、今の私にとっては絶望だった。
 私は、シーツの海を逃げ出した。


 ガシッ


私「あ………………」


 ◆◇◆◇◆


 その夜、私は奴隷になった。


 ◆◇◆◇◆

 という訳でミシュラ編やっと終わったで。
 ようやく主人公目線に戻るで。

 ◆◇◆◇◆


俺「ふあぁあぁぁ…………」


 俺は目が覚めた。
 爽やかな朝の空気が満ちている。
 ゴキゴキと肩を鳴らし、地面に降り立った。


俺「なんか昨日の夜ずっとギシギシ響いてた気がするけど………何だったんだ?」


 俺は耳をほじってから装備を整え、朝ごはんまでに用事を済ませるために運動ついでに街まで降りることにした。
 街と教会の間には森がある、というか教会の周りは森に囲まれてるが、この付近は余り凶暴なモンスターは出ないらしい。
 ニャンガルキャットが異常だっただけだ。
 一応子供一人でも降りれるらしいが、それは危ないのでシスターが容認していないだけだ。
 俺は自己責任という形で許可は得ている。
 まあ、そんな危ない事は無いだろうがな。


 ◆◇◆◇◆


 装備:左右ブラックジャック、革の鎧(支給品)、サークルシールド(支給品)
 所持金:金貨28枚、銀貨5枚。(285000円)
 所持品:サーリア特性傷薬(支給品)、華麗粉(三回分)


 ◆◇◆◇◆


 森の中コンマ。
 50以下でモンスター遭遇、51以上で何事もなく。
 ゾロ目の場合それ以外のイベント。

 ◆◇◆◇◆


 俺は何事もなく街に着いた。
 さて、俺がこの街に来たのは他でもない、フィーの指輪を作るためだ。
 少しサプライズのような形で渡したかったからこうやって一人で来たのだ。
 俺が宝石店の扉を押すと、チャイム代わりなのかカラカラと石同士がぶつかるような音が響いた。


宝石職人「へいらっしゃい」


 そこのカウンターには昨日と同じ、いかにも職人と言ったドワーフのようなおじさんが座っていた。


宝石職人「おや、あんた昨日も来たね。なにがほしいんだい?」


俺「ああ。ちょっと、指輪が欲しくてな。まあ、普通の指輪じゃ無くてこんなサイズの指にはまるような指輪が欲しいんだが…………」


 俺はそう言って昨日さり気なく測ったフィーの指と同じ太さの枝をカウンターに置いた。


宝石職人「ほう。ずいぶん小さい指だね」


俺「作れるか?」


宝石職人「まあ作れるが、基礎から作らなきゃいけないから即日じゃあ無理だな。作るとしたら明日の昼ぐらいに出来るだろうな」


俺「早っ」


 宝石職人は枝を受け取り、ふむふむと眺めた。


宝石職人「妖精にでも求婚するのか?」


俺「いいや。妖精の子にプレゼントとして贈るだけだ」


宝石職人「なるほどな………ちょっと待っててくれ」


 そう言うと宝石職人はサラサラと紙のようなものに数字を書き込んでいった。


宝石職人「だいたいの見積書だ。デザインの精巧さにもよるが、作業が細かくなるから単純に普通の指輪よりは高くなる。これはこの指輪をあんたが言ったサイズで作った時の値段だ」


 そう言って宝石職人はシンプルなリングに宝石とちょっとした模様がついた指輪を俺に見せた。


俺「金貨十枚からか…………元が五枚だから、二倍だな」


 それでも、安いっちゃあ安いと言えるだろう。
 さて、もう少しシンプルな指輪にして値段を抑えるか、もう少しいい指輪を買ってやるか…………


宝石職人「宝石は小さくなるから値段は抑えられるぞ。まあカットに手間がかかるからあんまり変わらないんだがな」


 俺はなやみに悩んだ末、結論を出した。


 どんな指輪を注文したか。
 デザインと値段を安価下。
 値段が高くなれば単純にクオリティが上がる。

俺「どんなデザインがいいか………ん?」


 俺が自身でデザインを考え出せる自信はない為指輪の陳列を見ていると、その中で青を主体にしたカラフルな輪がいくつにも捻れたような模様の指輪を見つけた。
 緑もあるし、美術についてはよくわからないが全体の色がフィーの金の瞳に合いそうだ。
 それにしても……金貨12枚か………
 念のため聞いておこう。


俺「これは妖精サイズにするといくらになる?」


宝石職人「ああ。金貨15枚だよ。それはそんなに手間がかからないからな」


 思ったよりは高くならなかったが、それでも所持金の半分以上だ。
 う~ん………
 まあこれにするか。


俺「じゃあ、これでよろしく頼む」


宝石職人「あいよ。作っとくから、明日の昼来てくれ」


俺「ああ。ありがとう」


 俺は注文を済ませて店を出た。
 さて、指輪の注文は済んだがせっかく街に降りてきた事だし、朝食までもまだ時間がある。
 どこかの店にでも寄ってみようか。

 どんな店に行ってみるか(不思議雑貨店以外)>>安価下。

 俺が日の高さを気にしながらダラダラと街を歩いていると、ふと道端にどんぐりが落ちている事に気付いた。
 なんでこんなところに……と思っていると、視界の端にもう一つどんぐりが光っているのに気づいた。
 それに視線を動かすと、また視界の端にもう一つ、それをみるともう一つ、というように、何かを導くようにどんぐりが並べられている。
 そのどんぐりの道は、路地裏に続いていた。
 俺はそれがどうしても気になったため、あとをつけてみる事にした。


 ◆◇◆◇◆


俺「………不思議雑貨店といい、この街はこんな店が多いのか?」


 俺がどんぐりをたどって行き着いた先は、路地裏でひっそりと営業していた店だった。
 外観はちょっとしたカフェのように見え、店名はどこにも書いてない。
 明らかに他の場所とは違う空気が流れており、建物の隙間から見える空は快晴だというのになぜかこの一角だけ鬱蒼とした森の中のように暗い。
 俺はとりあえず入ってみる事にした。


店員「……………いらっしゃい………」


 内装もカフェのようだった。
 しかしカウンターを挟んで反対側にいるワングラスタイプのサングラスをかけた銀髪の渋いおっさんの後ろに並んでいる試験管やら布を被せた箱やらがここが普通のカフェでない事を語っている。


俺「えっと………ここはどういう店なんだ?」


 カフェのようなメニューも置いておらず、全く売り物の検討がつかない為俺は店員の渋いおっさんに話しかけた。


 どういう店か(何を取り扱っている店か)>>安価下。

店員「ここは…………人の傷を治す物、人の食を彩る物、それらを生成する種を扱っている店………」


 おっさんは容姿に負けない渋い声で言った。


店員「どんぐり薬局へようこそ…………」


 店員はゆっくりとお辞儀をしながら、そう言った。
 1960年代の殺し屋のようなおっさんと小学生が通ってそうな店名にギャップがあったため少し吹き出しそうになったが、なんとか堪えた俺は商品の陳列を見る事にした。
 どうやら薬や香辛料の類があらかた揃っているようだ。
 緑色の雑草のような吊るされた草、ランプのような物に入れられ常に燃え盛っている薔薇、草が身体花が頭に見える人のようなシルエットを形作っている根は普通の逆マンドラゴラのような植物、ばくばくと明らかにやばそうな音を立てながら口を開閉させこちらに威嚇してくる生き物のようにうごめく赤地に白い水玉柄の植物。
 ちょくちょくどこかで見たような植物もあった。
 しかし、名称も効果も何も書かれていないためどうすればいいのか何一つ分からない。
 俺が謎植物やその種を見て回っていると、店員が話しかけてきた。


店員「お客様……………お困りで…………?」


俺「ああ。全然効果が分からん」


店員「では……効果をお申し付けください…………ここには大抵の薬の原材料はありますので…………」


 大抵の薬、か………
 絶対ヤバいドラッグとかも置いてあるんだろうなぁ。

 どんな薬を探すか。
 >>下3つの中からコンマ最大。
 値段は>>下4のコンマ下2桁×銀貨

 誰じゃいヒロイン早耶Pって。
 安価下。

速報を荒らしてる奴の名前
早耶(モバマスのキャラの名前)をオリジナル安価で登場させたりキャラを外道にしたり欠損淫紋キャラを出したりするやつ
安価下

 >>556なるほど。
 わかったで。
 値段コンマ下。

水 面 に 落 ち る ナ イ ス ダ マ

俺「そうだな………例えば、一時的に身体能力を上げたりする薬はあるか? あくまで安全にな安全に」


店員「そうだな…………ちょっと…………………待っててくれ……………」


 俺がそう聞くと、店員は店の中をしばらくウロウロし、3つほどの瓶を抱えてカウンターに戻ってきた。


店員「これが………その薬の材料だ…………回数にもよるが………規定の量通りに使えば…………十回分で……………金貨8枚と……………銀貨1枚だ」


俺「たっかいなぁ…………まあそんなもんか………………」


 俺は自分の予算を考えた。
 残り金貨14枚と銀貨5枚。
 いまここでこの薬を買ってもいいが、所持金がまたごっそり減ることになる。
 時間的にあと一つだけ別の薬が見れそうだ。
 参考としてあと一つぐらいは聞いておいてもいいだろう。
 それから買うかどうかを決めてみよう。


 どんな薬を探すか。
 >>下3つの中からコンマ最大。
 値段は>>下4のコンマ下2桁×銀貨

 >>560
 ナイスダマも誤爆。
 安価下。

 すまん、主人公の初対面の奴に対するしゃべり方を敬語にするで。
 一応社会人やし。


俺「うーん…………よくわかんねぇな………」


 俺が不思議な植物達を見ながらそう悩んでいると、見かねたように店員が話しかけてきた。


店員「どうしても選べないと言うのなら…………私がお客様にぴったりの物をお選びしましょう…………」


俺「うーん。じゃあ、おまかせします」


 店員は先ほどのようにいくらか店内をウロウロすると、また瓶や鉢植えを抱えて戻ってきた。

店員「これは……………服用すると感覚器官はそのまま………生命を維持する為の器官以外の筋肉の力が完全に抜け………自我も薄くなる薬だ…………量によって効果時間は変わり…………合計三時間分で……………金貨3枚と……………銀貨8枚だ…………」

俺「うーーーん…………」

 説明を聞く限り、人を人形のようにする薬のようだ。
 しかし金貨三枚…………さっきのドーピング薬よりは安いが、高い事は高い。
 俺は悩んだ。
 どっちも買うか、どちらか一方を買うか、どっちも買わないか。
 なるべく所持金は維持しておきたい、だが…………
 どうしたもんか(もう他の商品は見れない。買うか買わざるか)>>安価下

 俺は少し考え、より有用そうな方を購入した。


俺「この脱力する薬をください」


店員「あいよ……………」


 店員は俺がそう言い金を払うと、それを受け取り、材料を調合した。
 薬を調合する工程はよくわからず、途中フラスコやらすり鉢やらも使っていた気がするが、気づけば粉薬は完成していた。


 残り所持金:金貨9枚、銀貨7枚。(97000円)


俺「じゃあ、ありがとうございました」


店員「ああ………………またいつか……………会えれば、な………………」


 俺は薬を受け取ると、店員に挨拶をいいその店を後にした。
 路地裏を抜けると、少し空気が冷たくなっていることに気づいた。
 空はいつの間にか雲に覆われ、今にも雨が降りそうな湿った匂いがする。


俺「まじか…………シスターたしか今日キノコ狩りに行くとか言ってなかったっけ? 大丈夫かあ…………?」


 俺は朝食に間に合うために急いで孤児院に戻る事にした。


 ◆◇◆◇◆


 森の中コンマ。
 50以下でモンスター遭遇、51以上で何事もなく。
 ゾロ目の場合それ以外のイベント。

 ◆◇◆◇◆


 どうやら俺は運が良いらしく、モンスターに会うことは無かった。
 まあ会わないのが一番だ。
 俺が孤児院に戻ってきたころ、ちょうど朝食を知らせる鐘が鳴り、俺は食卓についた。
 ギリギリセーフだ。


フィー「朝いなかった……………」


俺「ああ。ちょっと用事があってな」


 指輪はサプライズだ。
 フィーには渡すときまで秘密にしておこう。


サーリア「今日は春野菜炒めにしたよー!」


 サーリアが満面の笑みで蔓を操り食卓に食事を並べた。
 春野菜炒めはやけにカラフルだが、特に食べることに抵抗は起きない。
 むしろ今すぐにでも食べたいほど良い香りのする湯気を放っている。

 食事が全て並べられ、シスターがみんなを見回す。


シスター「では、みなさん。今日も世界の恵みに感謝して…………いただきます」


みんな「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」


 今朝も元気いっぱい、孤児院は普段通り朝を迎えたのだった。
 …………と言いたいところだが、少し気になる事がある。


ミシュラ「あ………じゃ、ろ、ローガ……………あーん…………」


ローガ「お、おう……………あーん…………」


ミシュラ「……………」


ローガ「………………」


 なんだかローガとミシュラの様子がおかしいのだ。
 地味にイチャイチャしてはいるのだが、何だかいつもと違い、二人の間に謎の距離を感じる。
 それに、ミシュラ。
 彼女は見た目からして変わっていた。
 昨日まで深く被っていたフードはもうしておらず、紫色のストレートが惜しみなく外気にさらされている。
 それに、昨日まで無かった大きな巻き角が頭の上に二本生えている。
 フードの下にそんな膨らみは感じられ無かったから、もしかしたら昨日今日で生えたものなのか?
 それに、小さな蝙蝠のような翼も生えており、ローガにあーんするごとにぱたたたっ、と羽ばたいている。
 態度、見た目と明らかに昨日とは違っているのだが、なぜか誰も指摘しない。
 俺と同じようにただ聞き辛いだけなのかも知れないが。

 二人に話しかける?(話しかける時は内容も)>>安価下

俺「なんか二人ともさっきからギクシャクしてるが、どうかしたのか?」


 俺は思い切りそう聞いてみた。
 すると二人は目に見えて動揺し、互いに目を合わせ一瞬で赤面した後ばっと顔をそらした。
 ここまでシンクロ率百パーセント。
 そのシンクロ率から仲が悪くなった訳では絶対に無いと見て取れる。


サーリア「そうそう。なんか私も気になってました。二人ともどうしたの?」


シェリー「なんかあったんでしょ? うりうり」


ルーシェ「……………! …………………!」キラキラ


 サーリアは蔦で器用に頭上で「?」を作り、実は色恋沙汰には敏感と言うことが分かったメガネっ娘のシェリーはうりうりと二人を冷やかし、ルーシェは目を大きくしてキラキラしている。


フィー「どうしたの……………?」


俺「さあ?」


 俺達がそう二人の異様な様子に不思議がっていると、シスターが落ち着き払った様子で俺達に言った。


シスター「ほら、みんな止めなさい。二人とも嫌がっているでしょう?」


 シスターがそう言うと、冷やかし組はしぶしぶと二人から引き下がった。
 恐らく、ここで長いこと子ども達を見ているシスターは二人の何かを知っている、もしくは二人の様子から何か察しているのだろう。
 どのみち、あのシスターが注意することだから、これ以上踏み込む必要はない。
 特に俺が無理に詮索したら殺されるだろう。
 まあ、何があったかは気になるが、そこら辺は二人の恋舵にまかせよう。


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


シスター「では。これから昨日話した通りキノコ狩りを初めます。きちんと教えた通り真っ赤なキノコ、鮮やかな色のキノコだけは取らないでくださいね」


みんな「「「「「「はーい!」」」」」」


 シスターがそう子ども達に言い、子ども達も元気に応える。
 現在地は町とは反対の森。
 植生が豊富で、また食用の植物なども多量に生えているため時々サーリアなどはここらの食物を収穫し町に売りに行っているらしい。
 因みに、今日採るキノコは数日分のシチュー用らしい。

 俺は大人の男なので、みんなが採った分のキノコは全部俺の背中の籠に入れることになっている。
 まあ力仕事は全体的に俺の仕事だな。
 一応俺は労働という事になっているから、それ相応の働きはしないとな。
 子供達は食べれそうなキノコを見つけてはサーリアに有毒無毒の判断をしてもらっている。


シェリー「これは?」


サーリア「マッシェレイメ。食用だね」


フィー「………ん」


サーリア「あ、フィーちゃん残念。これはシチミミサキっていう毒キノコだよ」


ローガ「…お、おう。サーリア。これは?」


サーリア「これは食べれるオウリョクガサ。野菜みたいで美味しいよ!」


フィー「…………ん?」


サーリア「あー…色は鮮やかじゃ無いけど、これはグリリガサ。毒だねー」


ルーシェ「……! ………………!」


サーリア「これはシオサイキノコ。塩っぱくて御御御付けでは塩の代わりにもなるんだよ」


フィー「……………」


サーリア「えっと………モモギリコっていう………毒キノコかな」


ミシュラ「これ綺麗だけど……もしかして毒?」


サーリア「ううん。ミシュラちゃんよく見つけたね! これニジイロダケって言って、とっっっっても美味しいんだよ!」


フィー「………………」


サーリア「チャドクガサ………」


フィー「………ぐすっ……! ひぐっ………!」


サーリア「フィーちゃんっ!? 元気出してっ!」


 どうやらフィーがまだ一つも採れていないようで、泣き出してしまった。
 フィーに対してナカダの行動>>安価下。

俺「フィー」


フィー「ぐす……ナカダさん………………」


 俺はフィーの頭をぽんぽんと撫で、慰めた。


俺「そんな落ち込む必要は無いよ。見つかるかわからないけど、一緒に探そう」


フィー「ううぅ……………ナカダさぁん……………!」


 それから俺は地球にいた頃の記憶を必死に思い出し、フィーと一緒にキノコが生えてそうな場所を探しまくった。
 フィーはさっきまで泣いていたのが嘘のように笑顔で俺とキノコ狩りを楽しんだ。
 そうして帰る時間になる頃には…………


フィー「やった……………! 五個も………………!」


 フィーがキノコを抱えてぴょんぴょんと跳ねる。
 ほかの子に比べては少ないが、五個も採れたのだ。


俺「よくやったな!」


フィー「そんな…………ナカダさんのおかげ……………」


 そうやって顔を赤らめ、フィーは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
 はは……………かわいいなぁ。


シスター「ではみなさん。小雨も降って来たことですし、そろそろ帰りましょう」


 シスターエクレアがみんなにそう呼びかけ、帰る準備をしていた時だった。


ミシュラ「あれ…………シェリーは?」


シスター「えっ?」


 ミシュラのその言葉に、みんなが辺りを見回した。

 シスター、俺、フィー、ミシュラ、ローガ、サーリア、ルーシェ…………
 マジか。
 あのムチムチメガネっ娘のシェリーがいない。
 シスターが目を見開き絶句する。


シスター「そんな……………シェリーちゃん! シェリーちゃんっ!?」


 小雨が少し強くなっており、辺りには霧が立ちこめているため、視界も悪い。


シスター「みんな、探して!」


みんな「「「「「うん!」」」」」


俺「はい!」


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


俺「おーい! シェーーーリーーーーー!」


フィー「シェリーちゃん………」


 これ以上迷子になるわけにも行かないため、グループを分けた。
 俺が今フィーと一緒にいるのは別に俺が志望したわけじゃないぞ。
 フィーがどうしてもとだだをこねたからだ。
 そんなに俺がいいか…………
 あのニャンガルキャットの一件もあるだろうが、グループ分けの時シスターが凄い嫌そうな顔をしていたぞ。


俺「いないな………シスター。こっちにはいな………………」


 俺は振り返り、シスターにそう呼びかけようとした。
 しかし、俺は言葉を詰まらせた。
 シスターがいない。


俺「フィ、フィー。シスターは?」


フィー「………………? …………………あれ?」


 とてつもなく嫌な予感がした。
 雨足はさっきよりも強くなり、サアアアアアア………と音を立てている。
 とてつもなく嫌な予感が頭をよぎる。
 …………まさかはぐれたのでは?
 俺は叫び、シスターや他の子達の名を呼んだ。
 何度も、何度も。



 …………しかし、誰も来なかった。

 無情にも、雨は更に強くなっきた……………


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


 その頃、シスターエクレア側。


シェリー「しすたあああああっ!」


シスター「ああよかったシェリーちゃん……………!」


 心細かったシェリーがシスターに泣きながら抱きつく。


ローガ「ったく。手間かけさせやがって……………大丈夫だったか?」


ミシュラ「よかったぁ…………」


サーリア「もう。だから離れないでって言ったのに」


ルーシェ「………………! …………………!」


 シスターがシェリーの頭を撫でる。


シスター「さあ。では帰りましょう。雨もそろそろ強くなって来ましたし。今夜はキノコパーティーですしね」


 シスターはみんなににっこりと微笑みかける。


みんな「「「「わーい!」」」」


シスター「ナカダさん。シェリーの最後のキノコをカゴに入れておいてください」


 シスターはそう言い、シェリーが最後に見つけたキノコをしまおうとした。
 しかし、しまえなかった。


シスター「………………あれ?」


 サーリアが辺りを見渡し、シスターに告げる。


サーリア「大変ですシスター。今度はナカダさんとフィーがいません」


 シスターが再び絶望したのと、雨が突然土砂降りに移行したのはほぼ同時だった。


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


俺「はぁ………………はぁ………………」


フィー「ひぃ…………ふぅ………………」


 俺達はびしょ濡れのまま洞穴の床にへたり込んだ。
 ああ、最悪だっ。


俺「急に土砂降りになるなんて聞いてねぇよ……………それにしても良いところに洞穴があったな。…………さみっ。フィーちゃん大丈夫?」


 俺はフィーの方を向いた。
 フィーはカチカチと歯を鳴らしながら小さく「寒い………」とつぶやいた。


俺「マズいな……………」


 フィーは小さい。
 それゆえ体温が奪われるのも早いのだろう。
 それに、洞穴は涼しく、フィーの衣服はびしょ濡れだ。
 どうにかして暖をとらなければ、フィーだけじゃなく俺も低体温症になってしまう。


 装備:左右ブラックジャック、革の鎧(支給品)、サークルシールド(支給品)
 所持金:金貨9枚、銀貨7枚。(97000円)
 所持品:サーリア特性傷薬(支給品)、華麗粉(三回分)、マリオネットメディスン(人形になる薬)(残り三時間分)、服(濡れ)、カゴ、大量の食用キノコ


 まずどうする?>>安価下

俺「フィーちゃん。こっちおいで」


フィー「え…………?」


 俺は震えるフィーを手招きして膝の上に抱きかかえた。


フィー「ふええ……………///」


俺「ああ逃げないで。こうしないと身体が冷えて風邪ひいちゃうから」


フィー「あう………………」


 ふふ、俺の脂肪は伊達じゃないっ。
 これでフィーの暖は応急処置としてはとれた。
 しかし、俺が寒い。
 一応フィーは暖かいのだが、身体が小さいため俺を温めるにはいたらない。
 俺は火をおこそうと考えた。
 火をおこすために必要なのは乾いた木だ。
 一応カゴがそれにあたるが、これを壊すのはちょっと…………
 一部だけでも削れば着火の際の火付け役には役立ちそうなため、着火時には使わせてもらう。
 カゴを燃やすのは最終手段として、他の道具になる木材も無いものか………
 俺は洞穴内を見回した。

 洞穴にあったもの>>安価下1~3(コンマ21~99で無事発見、それ以外の場合見つからず)

 とりあえず洞穴にあるのは………
 何かの動物の骨、それに、人間の骨だ。
 なんでこんなに骨ばっかり…………


フィー「ほね…………」


 俺は骸骨が服を着ている事に気づき、それを観察した。
 普通の庶民が着るような服。しかし、乾いている。
 とりあえず俺はその骸骨の服を剥ぎ、フィーに着るように言った。


フィー「え、こ、ここで着替えるんですか…………?」


俺「俺はいいよ。とりあえず脂肪があるし。後ろ向いているから早くその濡れた服を脱いで」


フィー「はい………………見ないでくださいね……………」


 見ないって。
 フィーが着替えている間に俺も濡れた服を脱ぎ、出っ張った岩にかけておく。


フィー「………………いいよ」

 フィーがそういったので後ろを向くと、だぼだぼの服を着たためかいろいろと見えそうなフィーがいた。
 本人は全く危なくないと思っているらしいが、なるべく見ないようにしよう。
 俺は火をおこすためになるべくまっすぐで使いやすそうな何かの骨を一本借り、土砂降りの中三十秒でそこら辺の濡れた枝を仕方なく拾い集め、カゴを一部削って着火材を作った。
 俺の行動を不思議に思うフィーを横目に、俺は火を着ける準備を始めた。

 火付けコンマ下二桁>>下
 コンマ下二桁×分
 ぞろ目の場合奇跡が起きて秒で着く。

 まあ一時間よりはええな。
 あのナ○Dは5分らしいで。


 ◆◇◆◇◆


俺「よし…………! つけつけ……………っしゃ!」


 ボォッ!


フィー「やった…………!」


 カゴをなるべく壊さないように削った竹くずにようやく火が付いた。
 俺はそこに枯れ葉と湿った木を慎重に入れ火を大きくする。


俺「ふう……………暖かいな……………これで、とりあえずは何とかなるだろ」


フィー「ほわぁ………………」


 フィーが俺の膝の上で火に手を伸ばす。
 身体が小さいからこんな火でもキャンプファイヤー並みに感じるんだろうな。
 とりあえず安定した洞穴内。
 木に含まれた水分が蒸発し、水蒸気が洞穴内に満ち、サウナのようにとても暖かい。
 これからどうするか…………
 俺は外を見た。
 相変わらずの土砂降りで、外にでられそうにはない。
 空が暗くなっているのが見えるため、どうやら雲の上で日が落ちてきたようだ。


 どうする?>>安価下

俺「とりあえずフィーちゃん。キノコ食べようか」


フィー「ん…………」


 俺はカゴから安そうなキノコを取り出し、ちぎって木の枝に焼き串のように連ならせて刺して火にかけた。
 それを数本作り、とりあえず体力を回復するには十分と思える量を準備した。
 しばらくするとかぐわしい香りがしてきたので、串を取り二人ではむ。
 調味料が無いのが残念だが、無いにしてはうまい。
 キノコそのものの旨味や、溢れ出るジューシーな汁がおいしい。


フィー「はふ………はふはふ…………んぉぃしぃ…………❤」


 フィーも美味しそうにキノコを口いっぱいに頬張っている。

 キノコを食べ終わった後、俺はまたフィーを抱え火の前で暖を取った。
 時おり湿った枝を放り込み、火力を維持する。
 そうして話題もなくしばらく沈黙の時が流れた。


フィー「…………………ナカダさん…………………」


俺「ん、なに?」


 火の前でぼーっとしていると、突然、フィーが話しかけてきた。
 その声は、どこか寂しそうだった。


フィー「私……………ナカダさんに隠してること、あります………………」


俺「うん?」


 フィーは自分を抱えている俺の腕を抱きしめた。


フィー「いつもはシスターがいるけど……………今二人っきりだから、話します……………」


俺「うーん…………いや、別に秘密なんて人それぞれだから俺は気にしないし…………っていうかなんで俺?」


 俺がそう聞くと、フィーは俺の太い腕をさすった。


フィー「ナカダさんが、助けてくれたから……………優しいから……………信じれるから、話すんです」


俺「ああ…………うん。いいよ」


 その何かの覚悟を決めたようなフィーの言葉に、俺は頷いた。


フィー「シスターから…………私は病気だって聞いてますよね…………」


 俺は頷く。
 確か不定期に体温が高くなる病気で、手の甲と下腹部にある紋章で症状を抑制してると言っていたな。



フィー「あれ………ウソなんです」


俺「…………………」


 フィーは苦しそうに続ける。


フィー「この紋章も……………熱を抑えるものなんかじゃない…………あの熱は……………この紋章のせいで…………はぁ……………っ、はぁ…………!」


俺「フィーちゃん、辛かったら言わなくても…………」


 奴隷、紋章、熱。
 これだけのワードが揃えば、ラノベを読んでいる物ならいやでも察する。
 フィーは苦しそうに息をしながら、俺の制止も聞かずに言い切った。


フィー「これは……………淫紋………はぁ…………私を、不定期に発情させるための…………淫紋、なんです……………」


 涙を流しながら、思い出したくもないであろう過去を幻視しながら、フィーは俺にそう打ち明けた。
 なぜ俺に?
 どうして今?
 なんにせよ、フィーがその秘密を打ち明ける人物を俺に決めたことは事実だ。
 恐らく孤児院ではシスター以外は知らないだろう。


 どうする?>>安価下

俺「とりあえず気を落ち着かせて。大丈夫、大丈夫……」


 俺がそういうと、フィーはゆっくりと呼吸を整えていった。


フィー「これで………私のこと………嫌いになりましたよね……?」


 フィーがそう聞いてくる。
 俺は首を振る。


俺「いや。たとえ秘密があったって、フィーちゃんのことは嫌いにならないよ。それに、そんな辛い秘密を打ち明けてくれるなんて、シスターエクレアとおんなじくらい俺のことを信頼してくれてるってわかって嬉しいよ」


 俺がそう伝えると、フィーは一瞬驚いたような顔をした。
 そして、ボロボロと涙を零した。
 突然の落涙に慌てる俺。


俺「だ、大丈夫っ?」


フィー「う、わ、私、私………ごめ、ごめんなさい、ごめんなさい………!」


俺「な、なんで、フィーちゃんが謝るの……? えっと……とりあえず、涙拭いて」


 だぼだぼの服で涙を拭いたフィーが涙の訳をポツリポツリと話し始める。


フィー「私……私、聞いたんです。シスターとナカダさんが話しているところ………それで、ナカダさんが一ヶ月後にここを離れるって…………」


俺「ああ、うん。いつまでもここにいるわけには行かないしね。お金がある程度貯まったら、ここを離れてとある目的のために旅に出なきゃいけないんだ」


フィー「だから……だから……私、ナカダさんに嫌われようと思って………秘密を、話したんです………」


 …………ん?
 前後関係が分からない………

俺「俺に嫌われようと思ったって………俺の事が嫌いってこと?」


フィー「ち、違うんです! そうじゃ、なくて………」


 フィーがうつむく。
 そして、小さく呟くように言った。


フィー「……………ナカダさんの事が………好きなんです………」


俺「…………え?」


 それは、完全に予想外だった。


俺「その、好きってのは………」


フィー「好き、です………あの時、助けてくれて………嬉しくて…………おとぎ話の王子様みたいって思って………心がときめいて……しばらく一緒にいるうちに、私、恋してるんだって気づいて…………」


 待て待て待て待て………
 俺に恋してる?
 そんなちょっと助けたくらいだろ?
 ………まさかアフロディーテの加護のとかいうやつの効果か?


俺「いや、俺デブだし、それにイケメンじゃないでしょ?」


フィー「それでも、好きなんです………」


 ぐっふ。
 そんな純粋な目で見られたら何にも言えなくなるって………


フィー「このまま、ずっと一緒に居たいと思える人に会えたと思った………いつか、この気持ちも伝えたいと思った…………でも………いつかはナカダさんが、行ってしまうと知った…………」


 フィーがまた嗚咽し始める。


フィー「だから、だからっ………もういっそ、もう嫌われちゃえば、忘れられると思って……! 忘れて、今まで通り暮らしちゃえばと思って………! そう思って言ったのに……! 嫌われ無くて………!」


 だから、こんな辛い秘密を打ち明けたのか……
 好きな俺に嫌われるために?
 それは………辛いだろ。
 フィーが顔を上げる。


フィー「ナカダさん………っ!」


俺「う、うん?」


 俺に詰め寄り、顔をぐしゃぐしゃにして、フィーが言う。


フィー「わ、私を……! ナカダさんの旅に連れて行ってくださいっ……! 私、何でもしますっ、からっ………!」


俺「旅に…? そ、それは………」


フィー「な、なんでもしますからっ……! ナカダさんと一緒にいたい、だけだからっ……!」


 フィーは必死にそう懇願する。
 俺は戸惑う。
 たしかに、フィーがいるのは孤児院だ。
 だから、手続きをすればちゃんと引き取る事も出来、そうやって引き取られて行った子も多いという。
 しかし、フィーを連れて行くのは難しい。
 なぜなら、俺はハーレムを築かなくてはいけないから。
 あの神と名乗る少年からそう言われたからか、フィーとだけ添い遂げようという選択肢は選べないらしく、魂の奥底からその選択肢の否定がされる。俺は初めてあの神と名乗る少年を心の中で罵り、現状を見た。
 フィーを旅に連れて行くとなれば、目の前の無垢な少女に全てを伝えなければいけない。俺はハーレムを作ると。それはフィーを一途に愛さないという意の表明であり、フィーは深く悲しむだろう。だが、旅に連れて行かないとなれば、同様にフィーは深く悲しむだろう。
 どうする? 全てを伝えるか? それとも、嘘をつくか……? 俺の選択は………

俺「>>安価下(フィーがハーレム入りするか否かの決定やで……)」

 俺はたっぷり悩んだ後、フィーの目をまっすぐ見て言った。


俺「フィーちゃん………」


フィー「はい……」


俺「俺は、君の気持を受け止めたいと思っている」


 フィーの顔がぱっと明るくなる。


フィー「そ、それなら………!」


俺「だが、俺も君に隠している……というか、言っていないことがある」


フィー「………?」


 俺は、フィーのためにも、俺のためにも、全てを話すことにした。


俺「俺の秘密を君に話す。これから言うことを嘘と判断してもらっても構わない。でも、まぎれもない真実だ。俺についてくるかどうかは、俺の話を聞いてから、判断してくれ」


フィー「………はい……」


 俺は、全てを話した。
 自分がこことは異なる世界から来たということ、神となのる少年から様々な力を授かり、この世界で子孫を反映させる、すなわちハーレムを築かなければいけないこと、たとえフィーと共に旅に出ても、フィー一人だけを愛せないということ、それに、とある女性から告白を受け、その女性は今もこの世界で俺を探しているかもしれないということ。
 その全てを話す間、フィーは一言もしゃべらなかった。


俺「そういうこと、なんだ。フィーちゃんが俺を最低だと思ってついてこないのなら、それでいい。この話を聞いてもなお俺についてくるというのなら、それでいい。全部、君にゆだねるよ」


 フィーは静かに俺を見ている。
 これは、嫌われたかもな………
 そう思っていた時だった。


フィー「………それでも………私は、ナカダさんと一緒にいたいです……」


俺「本当に? 俺は、俺を好きと言ってくれたフィーちゃんの目の前で堂々と浮気を宣言しているんだよ?」


 フィーが首を横にする。


フィー「ううん。それは、浮気って言わないです……それはただ、ナカダさんを好きな人が多いだけ。それなら、ナカダさんのことが好きな人みんなと結婚しちゃえばいいじゃないですか」


 っそう来たか………


俺「………確かに、フィーちゃんの言う通りだね………みんなと結婚する、か。考えもしなかったよ」


 そういうと、フィーがその小さい体を俺によりかけてくる。
 顔を真っ赤にして、小さい小さい声でつぶやく。


フィー「じゃあ………ナカダさん。手始めに……私と……その………」


 ああ……まさか、こんな小さい子がなんて、思いもしなかったな。
 俺はフィーの頭をなで、頷いた。


俺「>>安価下」

 俺はそのフィーの言葉に、少し察し過ぎてしまったらしい。
 フィーが来てくれると言ってくれたことで、舞い上がってもいたかもしれない。


俺「うん…結婚するなら、『夫婦の営み』もちゃんとしないとね……でも、少しでもいやだったり怖いと感じたら言うんだよ」


 俺の言葉にフィーがぽかんとした表情を浮かべる。


フィー「へ………ふうふのいとなみ……って?」


俺「……あ」


 そこで俺は気づいた。
 フィーは「そっち」ではなく、「私と結婚して」と言おうとしていたということに。
 そもそもこんな小さい女の子が正面からそんなことしてくれて言うわけないじゃないか……
 俺のバカ。


俺「あ、いやいやいや、なんでもないなんでもない。今のは忘れ……」


 突然、フィーに唇を塞がれた。
 人間の三分の一も小さい唇で。


フィー「………夫婦の営み……ってことは、結婚は前提ってことですよね………?」


俺「あ、ああ。そうだよ! あはははは………」


 ご、ごまかしきれたか?
 そう思っていた矢先、フィーの潤んだ眼がもう一度接近し、再度唇が濡れる。
 今度は可愛らしい舌も入ってきた。


フィー「………ぷぁ………別に……私は、いいよ………今………ここでシても…………」


 とてつもなく妖艶な表情でフィーが言う。
 スルって、つまり、あのスル?
 フィーが俺に考えるすきを与えないまま、呟いた。


フィー「ナカダさん………シよ?」


 いや、まあ言い出しっぺは俺だが……
 シてしまおうか?
 本当にシてしまっていいのか(童貞)!?


俺「>>安価下」

 その時、俺は今生き残るためにとっても大事なことを思い出した。
 張り裂けそうになっていた性欲が穴のあいた風船のようにしぼんでいく。


俺「い、いや、ちょっとまったフィーちゃん。そう言えば俺達遭難してるから。こういうのはいろいろ落ちついてから……………」


フィー「そ、そんなの関係ないよぉ…………ナカダさぁん❤ ナカダさぁん❤」


俺「ちょ、ちょちょちょフィーちゃん! ストォップ! ストォップ! まさか淫紋の効果かっ!」


フィー「ナカダしゃああああんっ❤」


 ◆◇◆◇◆


 フィーがぶーんと羽を羽ばたかせて前のめりに俺に抱きついてきたため、どうにか止めた。
 ふぅ………収まってよかった…………
 今、フィーは俺の人差し指と中指をしゃぶることで性欲を霧散させているらしい。


フィー「んぅ………ちゅぱ、ふむ………………ふぁ…………」


俺「お、落ち着いた?」


 フィーが俺の指をくわえながらこくこくと頷く。
 ああ…………俺の嫁がエロい。


フィー「ひゅぁ…………ふぅ…………」


 つぅと銀の糸を引き、フィーが指から口を話す。

フィー「あ、あの………」


俺「どうした? フィーちゃん」


 俺がそういうと、フィーは恥ずかしそうにぱたたっ、と羽を羽ばたかせた後、自分の頬に手を当てていった。


フィー「あのぉ…………フィーちゃんじゃなくて、フィーって呼んでほしいなぁ…………って………」


 ああ、なんだそんな事か。
 俺は咳払いをした。


俺「あー……んっんん。………フィー」


フィー「はうう………♡ ナカダさんが私の名前をっ…………!」


 フィーはひどく赤面し、くねくねと身体をくねらせた。


俺「あのー、フィー。その敬語は………」


フィー「やめる………!」


 早い。

 互いに呼び名と話し方を変えた俺たちは、その後について考えた。

俺「うーん……フィー。この後、どうしよう?」


フィー「この………後って?」


俺「いや………とりあえず、シスターが来るまで待つとして。その後どうしようか。俺とフィーは結婚……するんでしょ?」


 俺が結婚という言葉を出すと、フィーは顔を赤らめながら言った。


フィー「そりゃ、その………シスターにちゃんと報告して………あそこ教会だし、そのまま結婚…………」


俺「いや……シスターの俺に対する態度、知ってるでしょ………なんというか………フィーを大事にしてるから仕方ないんだけど……俺殺されそう」


フィー「あはは………まあ、ちゃんとした理由ならシスターも大丈夫でしょ…………二人で報告しよ、ナカダさん………♡」


 そう言って腕にすり寄ってくるフィー。
 ………うん。
 ま、いっか!


俺「じゃあ、フィー。これから、よろしくね」


フィー「うん…………ナカダさん………♡」


 その後、しばらくシスターが来るまで待つことになるが………
 ナニかあった? それとも何も無かった?>>安価下
 なお、シスターが来るのは翌日の昼ごろやで。

 ◆◇◆◇◆


 次の日


俺「ん…………ぐあああぅ…………ふああ……………ん? いい匂い…………」


 俺が硬い洞穴の床で起きると、キノコの焼けるにおいがし、身体を上げると、フィーがキノコを焼いて朝食の準備をしていた。


フィー「あ、おはよう、ナカダさん」


俺「ああ…………おはよう。んー…………まだ降ってるね」


フィー「はい。だから…………まだ二人きりだね…………」


俺「ああ、うん…………」


 そのままキノコを食べ、また二人してくっついていた。
 そうしていると、フィーが不意に口を開いた。


フィー「ナカダさん…………実は、本当に嫌われると思って、もう二個くらい言ってない事があるの…………」


俺「うん。言って良いよ。もう結婚するんだし」


 俺がそう言うとフィーは「だからこそ話したくないことなんだけど…………」と小さく呟いていた。


フィー「えっと、まずね…………私、お尻だけ処女じゃないの……………」


俺「ほぶふっ!?」


 突然のカミングアウトに俺は吹いた。


フィー「…………嫌いになった?」


俺「いや…………なんっ…………びっくりしたけど…………マジ?」


 フィーは悲しそうに顔をうつむけた。


フィー「うん…………前の『持ち主』に、お尻におちんちん入れられて…………気持ち悪かった………………」


俺「…………もう、思い出さなくて良いよ、そんな事は……………」


 うーん、生々しい…………可愛そうだ。
 しかし、フィーは俺の顔を見上げ、ぱぁと表情を明るくした。


フィー「で、でもね? ……………おまんこは、シンピンだから……………ナカダさんにハジメテあげられるよ…………?」


俺「やめてくれ…………今は誘惑しないでくれ………………」


フィー「ふふふ……………❤」

 衝撃は受けたが、まあ、言ってくれて良かった。
 どの道俺は尻を犯す趣味はないけどな……………


フィー「で、でね? …………もういっこなんだけど………………」


俺「うん」


 フィーは顔を赤くした。


フィー「…………この、この淫紋ね……………? ……………実は、ちょっと変わったの」


俺「変わった?」


 俺は思わず聞き返した。
 するとフィーは自分の下腹部を撫でて言った。


フィー「えっと………この前変なおばあさんのところで、私、ハンコを買ったでしょ………?」


俺「あ、ああ」


 俺は他人を魅惑させる粉を買った事は秘密だ。


フィー「……………あれ、すごく特別な物でね…………刻印を良い方向に書き直す事が出来るの…………」


俺「へえ…………?」


フィー「それでね…………ハンコで淫紋の上から押し付けた後、淫紋がどう変わったか、不思議と分かったの……………不定期に発情するんじゃなくて、自分から発情した時に感度があがるようになるっ………て❤」


俺「お、おおう……………」


 じゃあ、昨日のあれは…………
 自分から発情してたってことか?


フィー「うん…………そゆこと❤」


俺「はは……………せめて正式に結婚してからね………………」


フィー「うんっ❤」


 ◆◇◆◇◆


俺「す…………す…………寿司」


フィー「スシ?」


俺「ああこっちにはねぇのか…………じゃあ、水分」


フィー「………………ん」


俺「あっ………………だあああっ! 色々言葉が使えないのがうっとおしい! スルメも無いし! 『す』攻めずるい!」


フィー「まだあるよ……………スンナとか、スンガルッキァとか」


俺「なにそれ!?」


 暇なので、俺たちはしりとりをしていた。
 なぜ日本語で通じるかは謎だが、なんとかしりとり出来た。
 フィーはしりとりを知らなかったが、ちょっと教えるとすぐ理解して一緒に楽しんだ。

俺「はぁー……………来ないな」


フィー「来ないねー…………」


 雨はまだやみそうに無い。
 もう数日はキノコパーティーになりそうだ。
 …………と思っていた時だった。


 ヒュッ!カツッ!


 俺の頬スレスレに黒い何かが飛んできて岸壁に突き刺さった。
 だいたい予想は出来たが、その物体を見ると…………


俺「……………………クナイ…………って事は来たか」


フィー「もぉ…………………」


 俺は今フィーを上裸で抱え込んでいる。
 上裸の[ピザ]が妖精の少女を抱っこ…………まあ、絵面はマズいね。


俺「フィー、弁明宜しく」


フィー「うん……………」


 その人物は雨の中から姿を表し、ジャキンとナイフを構えた。


シスター「イマスグフィーカラハナレロ」


俺「うっす…………」


 ◆◇◆◇◆


 パスパスパスパス…………


 とても素早い手つきでシスターがフィーのボディチェックをした。


シスター「異常なし………」


フィー「だ、だからそうですってば……………………」


 シスターがため息をつき、立ち上がった。


シスター「失礼しました、ナカダさん。今まであなたを誤解していたようです。こんな状況でも本当に手を出さなかったなんて」


俺「いやぁ、はは………まあ、当然ですよ」


 …………これ、手出してたらどうなってたんだ?
 そう思うと背筋がぞっとした。


シスター「では、帰りましょう。お二人とも」


フィー「はい……………!」


俺「……………はい」

 ~孤児院~


ローガ「良かったっ! 良く、帰ってきたーっ!」


ミシュラ「………し、心配したんだからっ……………」


サーリア「うふふー。キノコもたくさんありますねー。さあ、濡れた身体を暖めるために、キノコスープを作りますよー」


ルーシェ「……………………! …………………!」


シェリー「あああああああああああっ! ごめんなさいいいいっ! わたしっ、わたしのせいでえええええっ!」


 みんなそれぞれ俺たちの帰還を喜んでくれた。
 俺とフィーの帰還を喜んでくれるように、雲の隙間からも光が差し込んでいた。


 ◆◇◆◇◆


フィー「ナカダさんあーん❤」


俺「あ、あーん……………」


シスター「………………」


 あれ、なんかピンチ。
 フィーはスプーンで俺の口にキノコスープを運んでいるが、その態度があからさまに前と違うことをシスターは読みとっているらしい。
 ついでに、シェリーも。


シェリー「ねぇ~? ふぅ・たぁ・りぃ・とぉ・もぉ? 二人っきりの洞穴でなぁにかあったのぉ?」


 うりうりうりとシェリーが肘を寄せてくる。
 うん。
 大きく色々あった。
 シスターの目線が痛いよぉっ。


シスター「……………ナカダさん。後でお話があります」


 あ、はい。
 フィーが俺に不安げな表情を見せるが、俺はなんとかどうにかするとウインクを仕返した。


 ◆◇◆◇◆

シスター「………………」


俺「………………」


 シスターが絶対零度の目線で俺を見ている。
 キマズイ…………
 しばらくしてシスターが口を開いた。


シスター「正直に、話してください」


俺「な、なにを…………」


シスター「分かっているでしょう。昨日、フィーちゃんと何があったのか。フィーがあなたに好位を抱いていることは、ナカダさん、あなたも気づいているはずです。しかし、あなた達が迷子になった後、あからさまにフィーがあなたにベタベタしています。人目もはばからずあんなにベタベタベタベタ。怒らないので、全て話しなさい(吐きなさい)」


 怖いよぉ怖いよぉ。
 俺は悩んだ。
 これは全て話すべきか、なにもなかったと言うべきか………


俺「>>安価下」

 ここはもう素直に全て話してしまったほうが良いな………


俺「はい………全て、話します……………」


 俺は覚悟を決め、シスターに洞穴で起きた全てを話した。
 フィーが紋様について俺に秘密を話したこと、フィーから好きだと告白を受けたこと、俺が了承をしたが自身の旅立ちの目的を話しそれでもいいかと聞いたこと、俺の目的、ハーレムを作らなければいけないということ、それでもいいとフィーが言ったこと、一度危ないところまで行ったこと、それでも押しとどまったこと、結婚を決めたこと、そしてフィーの尻が元の持ち主によって犯された事があるということを聞いたこと。
 その、全てを。
 シスターは俺が話し終わった後、少し間を置いて口を開いた。


シスター「……………一夫多妻をなさなければいけないという事には、抗えないのですか?」


 うぐ………そうだよな…………


俺「はい。狂言に聞こえるかもしれませんが、事実なんです」


シスター「ええ……………まったく、ふざけた事です」


 これは、家の娘はやらんパターンか………?
 しかし、シスターはもう一度ため息をつくと、なぜかほっとしたような表情になった。


シスター「でも…………あの子が認めたと言うのなら…………仕方がありませんね。雀の子も、巣立つときが来たようです」


 シスターは立ち上がった。
 こ、これは、認めてくれたの、か…………!


シスター「良いでしょう。あなたにフィーちゃんを任せます。ただし、孤児院の長として、フィーちゃんを見てきた者として…………これだけは言わせてもらいます……………………」


 ジャコンッ、という重音とともに、どこからともなく黒塗りのクロスボウが現れた。


シスター「ハーレム…………その中で、一番フィーちゃんを幸せにする事。分かりましたね?」


俺「>>安価下」

俺「はい。フィーを一番幸せに…………いえ、もちろんフィーも幸せにします。でも、ハーレム全員も一番幸せにすると誓います!」


 俺がクロスボウにもたじろがずそう言うと、シスターはハーレム全員という言葉に一瞬顔をしかめたが、俺の目を見据えた後肩の力を抜き、クロスボウを修道服の懐に収め(なぜか修道服は一切膨らんでいなかった)、あきらめたように言った。


シスター「本気、なのですね…………まあ、良いでしょう。あなたなら、出来る気がします。フィーちゃんに止まらず、ハーレム全員を幸せに、ですか…………私が求めていた答えより、ずっと、ずっと素晴らしい答えです」


 シスターは静かに席に着いた。
 そして、僅かに口角を上げ、ゆっくりと言う。


シスター「初夜の際は私に一言申しつけてください」


 俺はずっこけた。


 ◆◇◆◇◆


 シスターのあの言葉は冗談ではなかったらしく、まじめな顔で色々教えられた。
 シーツはいくらでも汚してもいいが自分たちで洗えとか、避妊は気にしなくてもいいとか、色々だ。
 あと、結婚式は明日らしい。


俺「なんだ…………色々、ぶっとんだな」


 物事の進みがジェットコースターのようだ。
 そのスピードに俺が疲れソファーにもたれていると、フィーがひょっこりソファーの後ろから顔を出した。


フィー「ナカダさん……………」


俺「ああ、フィー…………」


 フィーはソファーを飛び越えると一回転して俺の隣に着地した。
 そしてちゅーをほっぺにしてきた。


俺「んっ………急にどうした?」


フィー「いやあ…………ちょっとしてみたくなっただけ…………❤」

俺「でさ……なんか、明日結婚式らしいんだ」


フィー「あー……シスターなんか早いよね、決断」


 えへへ、とフィーが笑う。


フィー「結婚、かぁ……びっくりだなぁ」


俺「俺もおんなじ気持ちだよ……」


 ソファでフィーがぱたぱたと足を振る。


フィー「ねえ、今夜………えっちシない?」


俺「何でそんなにシたがるの………」


フィー「だって………早くナカダさんと繋がりたいもん……」


俺「最近の若い子はすごいなぁ………」


 にへらとフィーが微笑み、俺の腕に抱きつく。
 えぇ………どうするんだ?
 え……俺どうするんだ?


 今夜、どうする?>>安価下

 俺はため息をつき、覚悟を決めた。


俺「そうだな………今夜……するか………」


フィー「えっ……ぁ、ああっ……はいっ………///」


 フィーは一瞬不安そうな顔をしたように見えたが、すぐに恥ずかしそうにはにかんだ。
 結婚前夜。
 今夜、俺は勝負に出る。
 ………シスターに報告しよう。


 ◆◇◆◇◆


シスター「なるほど……」


俺「……………」


フィー「……………」


 シスターは俺とフィーを交互に見比べ、頷いた。


シスター「別に、これと言って特別な事をする必要はありません。ローガくんとミシュラちゃんの時と同じように、部屋に防音をしてほかの子達に催眠を施すだけなので………」


俺「え?」


フィー「ローガくんとミシュラちゃん………?」


シスター「あ」


 シスターは口元を抑えた。
 い、今のって……


シスター「失言でした。もう言ってしまったので言いますが、ローガくんとミシュラちゃんもそういう関係なので。明日サプライズで一緒に挙式しようと思っていたのですが……」


 ちょ、ちょちょちょちょちょ……
 ………なーるほどね……今日やけにギクシャクしていたのは昨夜が初夜だったからか………どうりでギシギシ言ってたわけだ………


俺「どうする? フィー。一緒に挙式しても良いかな?」


 俺がそう聞くと、フィーは笑顔で頷いた。


フィー「うん……! 私も、あの二人と一緒に結婚式あげれて………嬉しいよ!」


 明日はダブル結婚式か………俺の人生、色んな初体験が協力すぎる件について………


シスター「では、ナカダさん。フィーちゃんの初めて、貰ってあげてください」


 締めに、シスターはそう言い深々と頭を下げた。


 ◆◇◆◇◆


 ~その夜~


 ◆◇◆◇◆

俺「……………」


フィー「……………」


 とても、静かだ。
 誰かの足音も聞こえなければ、外の環境音も一切聞こえない。
 唯一、どこかの部屋からか伝わった振動が、昨夜と同じように木材を僅かに軋ませている以外は、静かだった。


俺「………もう、あの二人は始めている見たい、だね………」


フィー「う、うん…………」


 見つめ合う俺たちは、とてつもなくぎこちない。
 でも、これから始める事を思えば、そのぎこちなささえも余興のように感じるのだった。


 えっちの流れ。
 始め、中、終わり>>下3つ。

 うん、ちょうど膝ぐらいやな。
 ちいさっ。
 フィーが普通の人間の子供なら、主人公がだいたい五メートルぐらいの巨人だとおもって貰えばいいで。
 しかもデブだから普通に押しつぶしそう。
 なお、チンコサイズはあとで安価するで(ゼウスの加護のおかげで巨根は確定やで)。

 安価下やで。

 なあ、600越えてやっと一人目ってペースやばないか?
 前スレでは大体400以下で一話終わっとったのに………
 ペースこのままでええか?

じっくりやってほしい感はあるけど1にまかせます

前スレってタイトルなに?

 >>644「奴隷を買って好きにいじれ」やで。
 アフターストーリーを書きたいけど滞ってるやつや。
 パート1と2があるで。

カエデセンパイなら今頃持ち主の下で泣き喚きながらだいしゅきホールドで中出しされてるよ

 >>647ヤメロォ!
 まじでワイにもカエデパイセンの現状は分からんから。
 ワイネトラレは嫌やぁ。

 じゃあストーリーのペースは今まで通りでいくで。
 あと、あんまり口出しはしたくないからこれはあくまでおまいらの善意に呼びかけるお願いや。
 「カエデパイセンは幸せにしたって~っ!」

 俺は改めて目の前の少女を見る。
 背が俺の膝上までぐらいしかない小さい妖精の少女。
 細くて、小さくて、小枝のようにすぐおれてしまいそうな…………
 あれ、これ出来るのか?
 まだ俺の息子は反応していない。
 でも、こんなにも小さいフィーと、セックスなんて出来るのか………?
 何はともあれ、ここまで来たら始めるしかない。
 俺は小さく手をこまねき、フィーをこちらに来させた。


フィー「ナカダ………さん……………」


 小さく質素なパジャマに身を包んだ少女は、立ったまま小さく俺の名を呟いた。
 俺はその背に手を回し、優しくキスをする。
 こんなささいなキスも、俺は座っているにも関わらずフィーは立ってしなければいけない。
 俺の唇の上を走る小さな舌にも、俺の手の中の人形のような彼女の手にも、大きな差を感じる。


フィー「はぁ…………ん……………❤」


 俺と口付けを交わしながら、フィーが可愛らしい声を上げる。
 俺はそのまま彼女のパジャマに手を入れ、小さい身体を触ろうとした。
 しかし、俺は柔らかい皮膚とは違うザラザラとした感触に思わず手を止めてしまった。


俺「これは…………火傷…………痕」


 フィーが悲しそうな顔をする。


フィー「は、い…………でも、もう、痛くないから…………気に、しないで………………」


 そう言われても…………
 俺はなるべく皮膚のただれた場所を避け手をまさぐらせていると、小さな膨らみと、出っ張りを指先で感じた。
 フィーがピクッと震えた。

 親指でそこを僅かに押し込み、小さい円を描くように動かす。


フィー「は………ぁ、う………♡」


 隻眼を潤ませながら、胸を揉まれることに快感を感じたフィーが小さく喘ぎ声を漏らす。
 その表情がたまらなく可愛い。
 俺はもう一度静かに口づけをした。
 小さな口に舌の先を滑り込ませると、小さく熱い舌が絡みついてくる。
 とっても小さいけど、とっても熱い。
 フィーは俺の首に腕を回し、さらに密着する。
 舌もさらに絡み合う。
 とっても、気持ちが良い………


フィー「はぁ、はぁあ………♡ な、ナカダさん………♡ お腹に、大きいのが当たって………♡」


 俺は、興奮していた。
 童貞ではないが(そういや主人公童貞じゃない設定やった。すまんすまん)、まるで初体験の時のような興奮だ。
 こんなに小さな、人間じゃない女の子と深いキスをして、おっぱいを揉んで………


 ナカダのサイズ>>安価下(コンマではない)

どんな女でも思わず見とれるほどの巨根。
また加護の効果か、どんな女の膣内にもピッタリフィットして快感を与える。

無理なら後半は無しで。

 >>652原文ママでいかせて貰うで。
 その女にとって最高のチンポ………ナカダ最強やな。

 ワイ的にはアウトや。というかNTRやん!
 処女ならセーフや。

 あ、処女ってのは膜があるってだけじゃなくてもちろん成功経験が無いっていう(ry

 >>649あんまりこう言う事言わんかった方がええかもなぁ。

全然関係ないけど、ミシュラもヒロインになってほしかったなぁ
なぜ、男持ちだったのか。おっぱいが惜しい

 >>657それはまあ、>>1の趣味って事で。

俺「あ、ご、ごめん……」


 フィーの下腹部を押し上げている俺の息子を恥ずかしく思い、俺がフィーから離そうとすると、フィーの細い指がシャツ越しに亀頭を掴んだ。


フィー「別に………いいよ……?」


 あれ、というか、シャツ越し?
 どうやら俺の息子はズボンをはみ出してシャツの裏まで膨張しているようだった。
 フィーが二、三度指を動かした後、ゆっくりと座り込み、俺のズボンに手をかけた。
 そして、ズボンを下ろした瞬間……


 ばるんっ


フィー「………ぁえ……?」


俺「なん……だこれ……」


 俺の息子は、ありえないほど大きくなっていた。
 と、いうか、どっから来たんだこの筋肉量。
 俺の息子は座り込んだフィーの座高を軽く超え、というか、40センチぐらい?
 なんだこれ……?
 太く、長く、まるで水筒のようだ。
 こんなのが入るわけがない………
 それはフィーも同じように感じたようだ。


フィー「こ、こんなの………? は、入らない………よ………はぁ……♡」


 フィーは少したじろいだが、我慢汁溢れる俺の息子の匂いを嗅ぐとゾクッと震え、手を上下にゆっくりと動かし始めた。
 そして鈴口に舌を這わせる。
 小さい口で一生懸命に鈴口を咥え、舐める。
 ああ……こそばゆくて気持ちが良い……


フィー「んむ……んれぅ………はぁ………き、気持ちいいれふ、か………?」


 両手と口周りを俺の先走り汁でびちゃびちゃに濡らしながら、フィーがそう聞いてくる。
 俺は、快楽に悶えながらゆっくり頷いた。
 しばらくそうやってフィーが小さな小さなフェラを続けていると、フィーが身体をもじもじさせ始めた。
 内股を擦り合わせ、時折ピクピクと震えている。


 どうする?>>安価下

 俺がフィーの背中側から手を回し、中指を股に添わせパジャマ越しに膣口を優しく押し上げるように触ると、フィーが「あふん………♡」と声を上げた。
 パジャマをめくり、パンツの中に指を入れれば、そこは既にしっとりと濡れていた。
 俺は中指で小さい濡れ濡れの膣口を愛撫し始めた。
 フィーは俺の指の動きに合わせて時々カクンと足の力を抜いてしまいながらも、一生懸命にフェラを続けていた。
 しばらくそうしていると、突然フィーがガクンと俺の方に倒れこみ、俺の指がびちゃっと濡れた。
 絶頂したのだろう。


フィー「あ、あぁあっ………♡ あっ……はぁ………♡」


俺「どうだ?」


フィー「はぁ……ん………ナカダさんの指ぃ……気持ちよすぎて、いっちゃった………♡」


俺「そ、そうか………」


 ああ、とても可愛い。
 ロリコンとか、そういうの関係なしに、フィーが可愛い。
 フィーは「んしょ……」と震える膝で立ち上がり、俺に見せつけるようにゆっくりとパンツと一緒にズボンを脱いで行った。
 パンツと膣の間に銀の糸が伸びる。

フィー「じゃ、じゃあ………始めよ………♡」


 流石に正常位では色々と無理があるから、対面座位で入れる事にした。
 フィーが亀頭にまたがろうとするが、足が届か無いため、俺がフィーを腰を掴んで持ち上げる事にした。


俺「お……やっぱり、軽いな………」


フィー「ん………妖精だから………」


 俺はフィーの膣口と亀頭をゆっくりとくっつけた。
 どっちもびちゃびちゃに濡れてはいるが、どれだけ滑りが良くてもこんなもの入るわけがない。


俺「ど、どうする、フィー……?」


 俺がそう聞くと、フィーはプルプルと首を振った。


フィー「い、入れる………!」


俺「わかった……じゃ、じゃあ、行けるところまでな……」


 俺はそう言ってゆっくりとフィーの腰を降ろした。

俺「あ……んっ? な、なんだ、これ……?」


 俺は変な感触に驚いた。
 膣の感触にではない。
 なぜかすんなりと入った感触にだ。
 俺の息子の太さは変わっていない筈だ。
 それなのに、なぜかフィーの中にはすんなりと入っている。
 いや、正確にはフィーの膣はきつく、初物のそれではあったが、俺の息子がフィーの膣に入ったところから細くなっていると考えなければおかしい。
 これは……まさかゼウスの加護の影響か?


フィー「あ、あれ……思ったより………?」


 フィーも驚いているようだ。


俺「じゃ、じゃあ、降ろすぞ……」


フィー「ん、うん………」


 俺はそのままフィーをゆっくりと降ろし、きつい膣内に侵入させていく。


フィー「あ、は、ぁっ………!」


 フィーは苦しそうに、しかし気持ちよさそうに声を上げた。
 息子を半分ほどまで挿入させたところで亀頭が膣内で何かにぶつかる。
 処女膜だ。
 やはりここまで入れて分かったが、あからさまに俺の息子はサイズが変わっている。
 まるでフィーに合わせたように、小さくなっているらしい。
 フィーのお腹は確かにポッコリと膨らみ、その向こう側にある息子の存在を感じさせるが、入っていない部分と合わせて見るとやはり魔法的な力が働いてサイズが変わっているのが分かる。


フィー「な、なにこれ………?」


俺「多分、この前話していた加護の魔法だ……フィーの大きさに合わせて、小さくなっているらしい……」


フィー「は、ぁあ………入って、よかったぁ………♡」


 俺も、同じ気持ちだ。
 もし入らなかったら最悪膣口に押し当ててでも受精させようかと………
 それはともかく。


俺「じゃあ、フィー。少し、痛いかもしれないけど、我慢出来る……?」


 フィーはコクコクと頷く。
 フィーにとってはもう精一杯のようなので、なるべくゆっくりとフィーに合わせて降ろす。


 ブッ……ブツッ………!


フィー「は……あ、くぅ…………っ!」


 つうと結合部から一筋の血が垂れ、シーツに赤いシミを作る。


俺「痛かった……?」


フィー「ちょ、ちょっと………ね………でも………気持ちいいか、ら………はぁ………♡ つづけ、て……♡」


 苦しそうに、でも笑顔で、フィーは俺にそう言った。
 俺はゆっくりと挿入を再開した。

 か弱い、細いフィーをいたわりながら、ゆっくりとそうやって進めていくと……
 やがて、俺の息子は根元まで全てフィーに飲み込まれ、ちょうど子宮口と亀頭がディープキスをした。
 まるで剣の型と、その型で作られた剣がぴったり収まるみたいに、俺とフィーは相性抜群だった。
 加護の効果であるのは分かっているが、それはとっても幸せで、気持ちよかった。
 子宮口と亀頭がディープキスをした瞬間、フィーの身体がビグンと震えた。


フィー「は……ぅぅうぅ………っ♡」


俺「だ、大丈夫、か……?」


 頬を染めて、フィーが一回頷いた。
 このままあまり動いてはフィーを苦しませてしまいそうだ……
 とりあえず抱きしめて、ゆっくり撫でる。
 息子の感覚は全然違和感は無い。
 でも、自動的にサイズ合わせしてくれるってやっぱり良いな。


 ◆◇◆◇◆


 ゆっくり色々話しながら、30分(ポリネシアなため)


 どんな話をした?>>下1~2

 俺は繋がったままフィーを潰さないように抱きつつ、頭を撫でながらとりあえず話をする事にした。


俺「なあ、フィー」


フィー「………ん、なぁに…………♡」


 フィーが頬を赤らめながら応えた。


俺「将来について……なにか考えてる?」


フィー「将来について、かぁ………私は、ナカダさんと結婚して、子供を産んで、幸せに暮らしたいな……♡」


俺「それはなんというか………確定事項だな」


フィー「えへへ………♡」


 フィーはそう笑うと続ける。


フィー「それで………ハーレムの人たちとも仲良くなって、みんなの子供達も楽しく遊んでて………♡」


俺「そ、それも確定事項なの………?」


フィー「そりゃ、そうだよ………♡ だって、それがナカダさんの運命なんでしょ……? ん………♡ だったら、ちゃんと仲良くしないと………ね♡」


 うぐ……
 そう言われると、反論できない……俺は誤魔化すようにフィーの頭を撫でた。

俺「…………なぁ、フィー」


 次に、俺は今までの経緯について話す事にした。


フィー「なぁに………?」


俺「俺の、俺自身の、これまでの話を聞きたいか?」


フィー「うん……聞きたい。ナカダさんのこれまでの話、聞きたい…………♡」


 フィーが俺と繋がったまま、そう言う。
 俺は前世の小学校の頃から、大学時代まで、ざっくりと話した。


俺「ーーーで、告白されかけたんだ。そしたら………」


 もちろん、あの時の事も。


フィー「それで、死んだんだね………」


俺「うん。まあ、それのおかげで………まあおかげっていうか……神様にこの世界のこれたんだけどね」


 俺が苦笑いすると、フィーはニッコリとして亀頭の形に膨れている下腹部をさすった。


フィー「でも……神様には感謝だね。今こうして、ナカダさんと繋がっていられるんだし……♡」


俺「うん、まあ。結果論だけどね。でも、俺もフィーと会えて良かった………」


 楓先輩は今、どうしているんだろうか。
 ………というか浮気してるじゃん俺。
 ああああああああああ!
 どうすんだこれえええええええっ!
 浮気と言うのかどうかもわからないけど、とりあえず心の中で楓先輩に謝っておく。
 …………そして、楓先輩には失礼だけど、今はフィーとセックスしているため、楓先輩のことは一旦考え無いでおく。
 ごめんなさああああああああいっ!


俺「………そろそろ、動いても大丈夫かな?」


 長い時間繋がっていたが、そろそろフィーも大丈夫そうだろう。
 俺がそう言うとフィーは顔を赤らめながら嬉しそうにコクリと頷いた。


フィー「うん………♡ ナカダさんが長く繋がっていてくれたから、もう大丈夫そう、だよ………♡」


俺「分かった………じゃあ、動く、よ………!」

 フィーに入り切ったものをゆっくりと引き抜くように、フィーを持ち上げる。
 引き抜けた部分から息子の太さが戻っているようだ。
 感触的には普通なのに………不思議だ。


フィー「ぁっ……♡ ぅっ、かっ♡」


 細くなっているとはいえフィーにとっては太いらしく、フィーが嬌声をあげながら目をぎゅっと閉じ快楽に耐える。
 そして抜けるぎりぎりのところまでフィーを持ち上げ、抜く時と同じようにゆっくりと沈めていく。


フィー「あっ、ぁああぁあああああぁっ………♡」


 カクンッとフィーが身体の力を抜き、俺に寄りかかり声を押さえ込むように叫ぶ。
 ぎゅっと俺の胸の辺りの肉を掴み、荒く息をしている。
 そしてまた、子宮口と亀頭が濃厚な口付けをする。


フィー「はぁ~っ………♡ はぁ~っ………♡」


俺「だ、大丈夫か………?」


フィー「う、うん…………あ……♡ やっぱり、気持ちいい………♡ ナカダさんと………繋がって、る、から………♡」


俺「ん、可愛いなぁ………」


フィー「ん………♡」


 俺は上から覆い被さり、フィーの小さい唇にキスをした。

 >>670キスは対面座位のまま。

フィー「あっ♡ ………っう、あぅ……♡ んっぁああ…♡ ナカダさぁぁぁぁん……………♡」


俺「はぁっ、はぁっ………フィー………ぁあ、フィー…………!」


 そのまま、ゆっくりゆっくりと、俺はフィーを上下に動かし続けた。
 チンコがきゅうきゅうと締め付けられ、それでいて最強の相性。
 愛しのフィーと繋がっている、愛し合っている、気持ちいい、嬉しい、幸せ。
 本能が内から染み出し、俺にもっと気持ちよくなれと急かしてくる。
 でも、この速度は、これ以上は越えてはいけない。
 フィーを傷つけてしまってはいけない。
 欲望を必死に抑え、ゆっくりとフィーと愛の言葉を交わしながら、撫であいまがら、セックスをした。
 途中フィーが少しずつイき、シーツをびしょびしょに濡らしていた。


 そうしているうちに、俺は自分の射精が近い事を悟った。


 どうする?>>安価下

俺「なあ……フィー。イキそう、だ………」


フィー「う、うん………♡」


 もう、今更確認なんてしない。
 フィーの小さい足が震えながらも俺の腰をがっしりと掴んでいるから。


俺「はぁっ……赤ちゃん、産んでくれる……ね? ふっ……!」


フィー「う、うんっ……赤ちゃん、産むっ……♡ ナカダさんの赤ちゃん産むっ………♡」


 俺は僅かに上下運動を早めた。


俺「はぁ、はぁっ……! 好きだよ、フィー……!」


フィー「う、んっ………! 私もっ、す、きぃっ……♡」


 ああ、来る、来る……!


俺「好きだ、好きだッ……!」


フィー「好きっ…♡ 好き♡ 好きっ♡」


俺「好きだ、好きだ、フィーが、好きだっ!」


フィー「ナカダさんが好きっ♡ 大好きっ♡ 大好きぃっ♡」


 ぎゅ、と子宮に亀頭が押し当てられる。
 俺は更にフィーの腰を押した。
 子宮口がこじ開けられ、子宮壁にみずみずしい音とともに当たった亀頭が、これまたぴったりフィットする。
 あ、イク………


俺「愛、してるっ……♡」


フィー「私、も、だよっ……♡」


 ごびゅううううううううっ! ごびゅっ! びゅぐううううううううっ♡

フィー「あ、あぁああぁあっ!♡ 熱っ、ぅうぅっ♡ あっ、ナカダさんの赤ちゃん、ぅっ♡」


俺「はぁっ、ぐ、はああああっ♡ あぁ、ううううっ……! ぐっ♡」


 止まらないっ……ごぼごぼと音を立てて大量の精液がフィーの子宮を膨らませていく。
 外から見てもわかるくらい精液が流れ込み、膨らんでいる。
 絶対に孕ませるために、一滴も漏らさないようにぎゅぅぅぅっと互いに抱きしめる。
 フィーがトロンとした表情でビクンビクンと脚を跳ねさせている。


 びゅぐ! ごびゅうううううううっ♡ びゅご~~~~っ♡ ごぼっ♡


俺「ぁ、あっ……あっ……! くふっ……♡」


フィー「ぁあっ♡ お腹っ……あっ♡ 赤ちゃぁあぁあぁんっ♡ んぉっ♡ おっ♡」


俺「は、ぁっ……ん、んちゅっ………♡」


 俺はもう一度フィーに口づけをする。
 ああ、好きだ、フィー。
 大好きだ………


 ごぼっ………びゅぅっ………♡


 それから、俺たちはゆっくり一晩かけて愛し合った。
 ゆっくり、ゆっくり、一番深くまで。
 愛しあって………


 ◆◇◆◇◆


 >>シークレットコンマ
 ゾロ目の場合
 1~2 ○○○
 3~4 ○○○
 5~6 ○○○
 7~8 ○○○○
 9~0 ○○○

 特に何も無かったで。

 翌朝


 ◆◇◆◇◆


 チュン、チュンチュン………


俺「………これが………マジの朝チュンか…………」


 俺は起き上がり、隣に寝ているフィーを見た。
 ヤケドだらけの白い肌。
 誰がなんと言おうと、とっても綺麗な肌。
 俺がその寝顔を見ていると、フィーは身をよじり、「ナカダしゃぁん………♡」と寝言を言った。
 ああ、可愛い。
 ………さて、フィーが目覚めてしまう前に、あれを取ってきておかないと………


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


 チュン、チュチュンチュン………


私「………ふ、ぁぁあ………ん、ぅ♡」


 私が目を覚まして身体に力が入ると同時に、こぽっ、と音を立てて私のアソコから白いモノが溢れた。
 ああ、ナカダさんのだ………
 昨日は、とってもステキな夜だったなぁ………♡
 お腹を撫でて、そこに生命の鼓動を感じる。


私「………あれ、ところで、ナカダさんは………?」


 私は辺りを見回す。
 ナカダさんの姿はどこにも見えない、見つからない。
 私はお股を拭いて服を着た。


私「ナカダさん………?」


 まだ、誰も起きていないみたい。
 孤児院は静かだ。


サーリア「あら、おはよう、フィーちゃん。どうしたの?」


 キッチンに行くと、早起きのサーリアが朝ごはんの仕込みをしていた。


私「えっと……ナカダさん見なかった?」


サーリア「ああ。ナカダさんならさっき出て行きましたよ?」


 私はその言葉にドキッとした。
 今日、結婚式なのに、なんで………
 もしかして、そんな、嘘……
 ナカダさんは言っていた。
 前の世界で、自分に告白してきた人がいると。
 そして、その人はこの世界にいると。
 ナカダさんは、その人を探すって。

 もしかして………結婚したら、探すのに邪魔になるから、私を、置いていった?
 私は………いらない、子………?
 そんな、そんな………!


サーリア「あ、ちょっと? フィーちゃん!?」


 私は気づいたら走っていた。
 嫌だ、そんなの嫌だ、好きになったのに。
 ナカダさんだけは、離したくない、離れたくない……!
 置いてかないで、置いてかないでっ……!
 私は扉を勢いよく開けた。


ナカダさん「え?」


私「えっ」


 私は思いっきりナカダさんのお腹に激突した。

俺「うお! あぶねっ!」


 俺は扉を開けて俺の腹に激突してきたフィーを倒れる前に支えた。


フィー「あ、ああ、ナカダ、さん………!」


俺「どうしたの急に」


 俺がそう言うと、フィーはみるみるうちに目に涙を溜めて、ぼろぼろと泣き始めた。


俺「え、ちょっ!? なに、どうしたの!?」


フィー「あううううう………! よがった、よかっだぁああぁぁぁぁ………!」


 ◆◇◆◇◆

俺「…………で、俺が居なくなったと思って泣いていたんだ………」


フィー「う、んっ、だ、だって、ナカダさんにはカエデさんがいるし………! ひぐっ……!」


 俺が町に降りて『例の物』を取りに行っている間にそんな寂しい思いをしていたのか……


 >>安価下

 俺はフィーを抱きしめ、撫でた。


俺「フィー、本当にごめん………」


 フィーの鳴き声が徐々に小さくなっていく。


フィー「もう、行っちゃやだよ………」


俺「うん………」


 ぐしゅ、とフィーが鼻をすすった。


俺「ああ……えっと、それで謝りたい事があるんだけど……」


フィー「ん……なぁに?」


 俺は懐から箱を出した。


俺「これを町に取りに行ってたんだ」


フィー「こ、これ………は?」


俺「えっと、まあ………もともとそう言うつもりで買った訳じゃないんだけど。………指輪」


フィー「えっ………!」


 俺の言葉にフィーが顔を赤く染めた。
 俺は頭をかいた。
 職人の人が早めに完成してくれていて良かった。
 俺は箱を開けて、デザインを見せた。


俺「まあ、うん。結婚指輪、って事で……な。渡すのは、本番でいいか?」


 俺がそう言うと、フィーは目を潤めながらこくこくと頭を縦に振った。


 ◆◇◆◇◆

 朝食の席にて


 ◆◇◆◇◆


シスター「では、今日の昼はローガ君とミシュラちゃん、ナカダさんとフィーちゃんの結婚式がありますので」


みんな「「「「「はーい!」」」」」


 ああ、結婚か………
 不思議な感覚だな。


フィー「えっと…………ところで……」


 フィーが朝食を食べながら俺に聞く。


俺「ん? 何?」


 フィーが俺の顔を見、身体を見てから、また顔を見た。


フィー「なんか……ナカダさん、痩せた?」


俺「えっ?」

 筋力:18×1.4
 体力:15×1.4
 瞬発力:13×1.4
 知力:55×1.4

 リザルト:
 筋力:25.2
 体力:21
 瞬発力:18.2
 知力:77

 また、一週間の成果もプラス。
 体力:21.4
 瞬発力:18.4

ローガ「ああ。なんか痩せたぞナカダ」


ミシュラ「肉でも削ったのかしら?」


シェリー「不思議ですね………」


ルーシェ「………………」


サーリア「そうですね」


シスター「………まさか昨夜の運動で………」


 おいシスター。
 みんながみんな俺の姿に疑問を示す。
 そういえば……なんだか身体が軽い気がする。
 そういえば宝石商の店員も俺の姿を見て驚いていた気がするが………


俺「そう?」


フィー「うん。なんか、デb……ぽっちゃりから普通になったみたい」


俺「別に俺気にしないから普通にデブでいいよ。それより、鏡鏡……」


シスター「洗面所に姿見がありますよ」


 俺はシスターに言われた通り洗面台に行った。
 そして、少し割れた大きな鏡の前に立つと……
 そこには、俺がいた。
 しかし、昨日までの、いや、正確にいえば今日の明朝までの俺はいなかった。
 俺は痩せていた。
 まあスリムではない。
 しかし、あからさまに痩せている。
 メタボではなく、中肉くらいだ。
 原因不明の事態に俺は驚く。


俺「やっぱり、痩せている……」


 俺は考えを巡らす。
 なにか、急に痩せるような原因は………
 そこで、俺は一つの考えに当たった。
 ………アテナの加護………
 ステータスが1、4倍になる加護。
 そうか、この加護の影響で俺は……


 俺はその時、神と名乗る少年が話していた、その加護の説明を思い出した。


 『この加護は、一人子を孕ませる度に、君の全ステータスが1、4倍(小数点第二位以下四捨五入)される加護だ』 (小数点以下を小数点第二位以下に変えたで)


俺「……………あ」

俺「………」


 俺がリビングに戻ると、みんなが俺に注目する。


俺「やっぱり痩せてる………」


シスター「原因になにか思い当たることはあるんですか」


 俺はシスターのその言葉に、思わずフィーの方を向く。
 フィーが無垢な瞳を向け、可愛らしく首を傾げた。
 ど、どうしたものか………


 一発で子供が出来た事についてどんなタイミングでどうフィーやシスターに伝える?>>安価下

 ………いや、今日はせっかくの結婚式だ。
 忙しくなる前に変な刺激を与える必要も無いだろう。
 フィーが妊娠したことは、もっと落ち着いてから話すことにしよう。
 俺は首を振った。


俺「いや………さっぱりです。まあ、俺だから何か変な力が働いたかも知れませんが、原因は分かりません」


シスター「そうですか」


 席に着くと、フィーが心配そうな顔で言う。


フィー「身体に、何かあったら、言ってね…………?」


俺「大丈夫だよ」


 愛しきこの幼妻に、心配だけは、させたくない。
 俺は微笑み、フィーの頭をポンと撫でた。

 結婚式。
 何かトラブルやイベントはあったか?(何もなければ描写スキップ)>>安価下

◆◇◆◇◆


俺「なあ、フィー」


 結婚式を終え、シスターが狩ってきた巨大イノシシの丸焼きを全員で食べ終えひと段落ついた頃。
 俺たちは幸せだった。


フィー「うふふ…………♡ なに、ナカダさ……ん。ごめん。シズキさん………♡」


 そうだった。
 フィーと俺は結婚した。
 だから、フィーの名前もフィー・ナカダになったのだ。
 フィーは幸せを噛みしめるように『シズキさん』と俺の事を呼んだ。


俺「うーん、っと………これからの事について話そうか」


フィー「これからの事………?」


 俺は頷いた。


俺「ああ。これから、しばらくしたらこの孤児院を出るだろ? その後の話だ」


 ここにいれば、安定した生活が約束される。
 しかし、ここに居たままではハーレムは作れないし、楓先輩にも会えない。
 だから、シスターとフィーと話し合って、あと一ヶ月したら荷物をまとめこの孤児院を出て行く事を決めたのだ。


フィー「そ、その……例えば…………赤ちゃん、とか………♡」


俺「あ、ああ、うん。子供、な………」


 すいませんそれもう出来てます。
 因みに妖精の妊娠期間は四ヶ月程で、旅立ちが一ヶ月後なのは安定期だからでもある。
 ………まだ子供の話はしていないけど。


フィー「…………女の子がいいな……♡」


俺「ああ。俺もだ」


 女の子か。
 まあ、女の子は可愛いし、可愛いし………それに、可愛いからな。
 然るべきタイミングでシスターとフィーに報告して、早めに子供の話もしたいな。


 一ヶ月の運動>>安価下1
 4週間×3で合計12パーセントを割り振る。
 運動内容と鍛える部位(瞬発力、筋力、体力)

 どのタイミングでフィーが孕んだ事を言うか(今度は言う)>>安価下2

 一ヶ月の間に何かイベントやトラブルはあった?無ければ平和に過ごした>>安価下3

◆◇◆◇◆


 俺とフィーが結婚してから、一週間が経った。
 結婚し新婚とは言え、生活は今までと変わらない。
 朝起きて、子供達と遊んだり、野菜を収穫したり、ご飯を作ったり、シスターの教会改装の手伝いをしたり、運動したり。
 そんな普通の日常だ。
 スマホも、情報機器も、現代日本の物はほぼ無いが、孤児院のみんなとシスターと暮らせることはとても楽しく、退屈しない。
 因みに、夜の情事については…………


俺「はぁっ…………はあ………………」


フィー「んっ、んぁっ…………♡ んっ、んぅっ♡」


 お察しの通りだ。
 まだ一週間目だが身重であるフィーに負担をかけないようにピストンも遅めにしている。
 流石に毎晩はシスターがみんなを眠らせる魔法を連続で行使するのが辛いと言っていたので、ローガとミシュラのカップルと話し合って、行為をした後は最低二日は開けると言うことにした。
 二人も今頃はハッスルしているだろう。


俺「フィー、だ、出すぞっ……………!」


フィー「はぁっ、んんっ♡ シズキさんっ♡ んんんっ…………♡」


 フィーの細い指の感覚を手の中に感じながら、俺は亀頭で子宮口を叩いた。
 亀頭が少し子宮口を押し開け、子宮に直接精液を注ぎ込む。


 びゅっ、びゅるるるるっ、びゅぐっ! ぼびゅううううぅぅぅぅぅ♡


フィー「あっ、はっ…………♡ ……………っは…………♡」


俺「ふっ、ぐぅっ……………………ふっ……………んっ……………」


 出しながら腰を揺らし、フィーの子宮に精液を染み込ませる。
 もう受精しているし、避妊する必要も無いから好きなだけフィーの中を俺の色で染める。
 気持ちいい……………


 びゅ~っ、びゅびゅびゅっ、ごぽぉぉ……………♡


俺「はぁ………………はぁ………………」


フィー「し、シズキ、さん……………♡ シズキさぁん………………♡」


 フィーが可愛らしくきゅうっと俺の身体を抱きしめる。
 天使っ!
 こんなに可愛いフィーとの子供も、さぞ可愛いだろう…………
 ……………子供か。
 そろそろ、言うか。
 新婚という不安定さも、少しずつだが払拭されてきている。
 明日、シスターとフィーに言おう。


 その晩も、俺たちは疲れ切るまで愛し合った。

◆◇◆◇◆


 次の日


◆◇◆◇◆


 俺は個室にシスターとフィーを呼び出した。
 今まで知っていながら黙っていた事を話す時が来たのだ。


俺「ごめんなさい」


 俺は開口一番謝り、頭を下げた。


フィー「シ、シズキさん……?」


シスター「とりあえず顔を上げてくださいナカダさん。………深刻そうな顔ですね。洗いざらい話すように」


俺「はい」


 心配そうな顔をするフィー、俺を見て顔に影を落とすシスター。
 俺はもう隠す気は無い。
 俺は今まで言っていなかった神の加護を話した。
 惚れっぽくさせる加護、絶対に妊娠させる加護、寝取り禁止の加護、一人孕ませる度に強くなる加護、絶倫の加護、貰った加護を全て。


シスター「…………そんなに貰っていたんですね。この世界では加護を一つ貰うのでさえとてつもなく珍しいのに」


俺「はい……」


 俺はフィーの方を向いた。


俺「黙っててごめん、フィー。俺は、ちょっとだけフィーを惚れっぽくさせてたんだ」


 そう、あの出会いの時も。
 俺がこんな加護を持っていたからこそ、フィーは俺を好きになった確率が高い。
 この加護が無ければ、フィーは俺のことを好きにならなかったかもしれないのだ。
 そういう申し訳ないという気持ちを込めてフィーに謝ると、フィーは目に涙を浮かべていた。
 やっぱり、そんな事は許されなかったのか……!


俺「ごっ、ごごごごめんっ! 本当にすまなかった! そんな、そんな思考操作するみたいな真似を………」


 痛いほどのシスターからの目線が机に頭を下げている俺の後頭部に突き刺さっている。
 しばらくの沈黙があった。
 フィーが口を開いた。

フィー「…………赤ちゃん…………」


俺「…………え」


 フィーの声は震えていた。


フィー「あ、赤ちゃん出来てるの…………?」


 顔を上げると、そこには顔を赤らめ、明らかに喜びの涙を浮かべているフィーがいた。
 そして、震える手で自分の下腹部をゆっくりとさすった。


俺「お、怒っていないのか………? こんな男に惚れさせたこと………」


 フィーはプルプルと首を振る。


フィー「わ、私、嬉しいもん…………シズキさんを好きになれて………シズキさん色々知っているし、楽しいし、カッコいいし………♡ シズキさんに惚れて、私、嬉しいよ………♡」


 シスターがため息をついた。


シスター「ナカダさん………自分に惚れた女に惚れさせた事で謝るなんて、どうかと思います。絶対に幸せにすると言いましたよね」


俺「………はい」


 シスターがギロッと俺を睨んだ。


シスター「だったら、二度と謝らないでください。確かに、他人を惚れさせるというのは使いようによっては悪用出来ます。ですが、ナカダさんはフィーちゃんを幸せにすると言いました。それなら、絶対に幸せにしてください。分かりましたか?」


 ああ、さっきの刺すような目線はそう言う意味だったのか………
 そうか……そうだ、俺はフィーを幸せにすると誓ったんだ。

フィー「ねえ………シズキさん………赤ちゃん出来たって話………」


俺「ああ、うん……本当だ。俺が痩せたのも、それが原因だ」


 俺は微笑んだ。


俺「………嬉しいよ。フィー。その、黙っててごめん」


 フィーの顔がぱあと明るくなり、同時に涙をこぼし、泣き笑いのような表情になった。


フィー「う、うん。良いの。私もっ、嬉しいっ………シズキさんとの赤ちゃん出来て、嬉しいよ…………♡」


 俺はフィーを抱き寄せ、その腹を撫でる。


俺「ああ。俺とフィーの子供だ。元気に産んでくれよ」


フィー「うんっ………♡ うんっ…………♡」


 フィーはボロボロと涙をこぼしながら、満面の笑みで俺に微笑んだ。


シスター「一件落着、ですね」


俺「本当に黙っててすいませんでした………」


シスター「いいえ。これから二人の事は二人で解決していくんですから、シズキさんもなるべく隠し事はしないようにしてくださいね」


 俺は頷いた。


◆◇◆◇◆

◆◇◆◇◆


 二日後


◆◇◆◇◆


私「ねえ、ローガ」


 私は添い寝しているローガに話しかけた。
 今日は二日ぶりにローガとセックスする日だ。
 まだ今日は始めていない。
 どこかの部屋からか聞こえてくる柱が軋む音に耳を傾けながら、ローガが私の成長した角を撫でながら応えた。


ローガ「なんだ? ミシュラ」


 私は二日前に妊娠報告をしたフィーちゃんの事を思い出しながらローガに言う。


私「あの、さ……フィーちゃんとナカダさんさ、赤ちゃん出来たじゃん……?」


ローガ「ああ。俺たちも出来れば良いな」


 ローガはさも当然と言うようにそう言った為、私は顔を赤らめた。


私「う、うん。出来れば良いねっ………♡ って、そそ、そうだけどっ、そうじゃなくてっ……!」


ローガ「ん~?」


 私は肩から服を脱ぎ出した。
 するとローガも火が着いたのか、いそいそと服を脱ぎ始めた。


ローガ「よしっ。始めるかっ!」


 逞しい肉体が露わになっていき、私の気持ちも高まっていく。
 先に脱ぎ終わったローガは三本の腕を独特に組み、私が脱ぎ終わるのを鼻息荒く、ズボンを膨らませて見つめている。


ミシュラ「え、えっとね、ローガ………」


ローガ「うん?」


 私は上のパジャマを脱ぎ捨てた。
 バルンッ、と大きい双丘が姿を表した。
 ローガの精を吸収し、少し成長した身体。
 でも、私の身体には肉がついた以外にもう一つ変化があった。

 バルンッ、って言うより、どちらかと言うとドタプンッ、やな。
 垂れすぎず、固すぎず、良い形や。
 身体は12歳から13歳くらいまで成長したで。

 身体は13歳やが、胸は巨乳やで。

 じゃあ今日は落ちるで~。

ローガ「………ん? ミシュラ、その腹の紋章は………?」


 そう、私のお腹にはピンク色に光るハートの形をした紋章があった。
 昨日まではなかった複雑な紋章。
 それはとても綺麗で、不思議な魅力があった。


私「これね、私達夢魔にだけできる特別な紋章なの…………」


ローガ「特別な紋章………?」


私「うん。この紋章がある時はね……………排卵してるの」


 ローガが唾を飲み込んだ。
 一回り、ローガのちんちんがおおきくなった。


ローガ「は、はいらん…………っつーことは…………」


 私は頷いた。


私「今日、危険日なの…………らんしがローガのせーし思いっきり受け入れる準備して、スタンバイしてるんだよ…………♡」


 私がそう言うが早いか、ローガがシーツに押し倒してきた。


私「んもぅ、ローガ……………♡」


ローガ「ミシュラ…………そんな事言われると、俺、ガマン出来ないっ……………」


 私はローガの大きくなったちんちんをズボン越しに撫でた。


私「うん、我慢しないで。ローガ、私のお婿さん。私を孕ませて。赤ちゃん作って。せーし注いでぇっ………………♡」


 ローガの耳にありったけの甘い声でおねだりする。
 私は夢魔、でも男の人の精を吸い尽くしたりしない。
 私は注がれる側、全てを捧げる側。
 私の最愛のローガに………………♡


ローガ「……………愛してる」


私「私、もっ……………♡」


 大好き…………♡


◆◇◆◇◆

シークレットコンマ
ゾロ目の場合
1~2 ○○○
3~4 ○○○
5~6 ○○○
7~8 ○○○○
9~0 ○○○

 何にも無かったで。

 ゾロ目になったときのお楽しみやで。

◆◇◆◇◆


数時間後


◆◇◆◇◆


私「んあっ、あっ、あああっ♡ ろーがぁああっ♡」


ローガ「うっ、ふぅっ! ふうっ、はぁっ………!」


 ローガが私に覆いかぶさったままドスンドスンとベッドを揺らし、その度に私の子宮が貫かれる。
 全部ローガの動きで、完全に私は支配されている。
 でも、気持ちいい、好き………♡
 もっと、もっと支配してっ………♡


ローガ「だ、出すぞっ、ミシュラッ♡ 孕んでくれえっ♡」


私「うんっ、うんっ♡ 危険日のらんしにせーし注いでぇっ♡」


 ローガは私の背に手を回して、深い深いキスをした。
 ローガのちんちんも私の子宮にディープキスをして、そのまま子宮口をこじ開けて最奥の壁を貫いた。
 そのままローガのちんちんは根本からメキメキと膨らんで、子宮が破裂するみたいにせーしが爆発した。


 どっびゅるるるるるるるぅううぅうぅぅぅっ♡ どぶぅんっ♡ どびゅぶぅうううううぅううっ♡


私「~~~~~~ぅっ♡ んんっ♡ むぅうううぅ~~~~っ♡」


ローガ「ん、ふぅぁっ、んっ♡ んむぅう………♡」


 しばらく出し続けて、ぶるるっ、と震えてせーしを全部出し切ったローガが私から肉棒を引き抜いた。
 ごぼぼと大量の濃いいせーしが私のアソコから流れた。


ローガ「はぁっ、はぁっ…………ミシュラ………♡」


私「はぁ、んん……ローガァ…………♡」


 その時、私は突然初めての感覚を覚えた。
 カッカと下腹部が熱くなり、脳の奥が幸せで溢れた。


私「あっ、ぁぁあああっ………っあっ♡!?」


ローガ「ミ、ミシュラ!? どうした!?」


 私が背を反らせガクガクと震えると、ローガが心配して声をかけてきた。


私「だ、大丈夫っ……♡ あ、あぁっ………♡」


 私は何となく本能で自分の身体に何が起こっていたのか分かった。
 だから手でハートを作って、下腹部の紋章に重ねた。


ローガ「ど、どうしたんだ……?」


私「み、見てて………♡ ほら、ね………?」

 よく見ると、そのハートにさっきまで無かったはずの小さいピンク色のおたまじゃくしのような紋章が群がっているように見える。
 しかも、その紋章はピロピロと生物のように動き、ハートにその頭を押し付けている。


ローガ「こ、これは………」


私「うん。これ、今のらんしの中継だよ………♡ ほらっ、見てっ、ローガのせーしが私のらんしにっ、入っっっ♡」


 ずぶんっ、と一つのせーしがハートに頭を入れると、ドクンッ! とハートの紋章が脈動した。
 同時に、幸せと快楽が溢れ出した。


ローガ「あ、入った………」


私「あ、あぁ………んっ………じゅせー、したよっ………♡ こ、これで、赤ちゃん、出来たよ………♡」


ローガ「よく分かんねえけど、妊娠、したんだな?」


 私は微笑んで頷いた。
 ローガは知らない用語にいまいち納得しないようだったが、頭を掻くとニッコリと笑った。


ローガ「ま、いいや。とりあえず、良かった!」


私「うんっ………♡」


 私とローガは抱き合った。
 そのまま口付けして、また流れでもう一回戦………いや、数回戦した。
 これで本当に私とローガは夫婦。
 愛の結晶も私の中で脈動し始めている。
 ああ、本当に私、ここに来れて、ローガに出会えて良かった………♡
 そう思って流した涙を、少しローガに心配されてしまった。
 うふふ………優しくて強くてセックスも上手くて妻思いでカッコいい………♡
 こんな最高な旦那、他にはいないよぉ………♡
 あ、また泣いちゃった………♡


◆◇◆◇◆

◆◇◆◇◆


ミシュラ「という事で妊娠したわ♡」


ローガ「ま、そういう事だ!」


俺「おめでとう!」


フィー「私達に続いたね~♡」


シェリー「おめでとうございます!」


サーリア「うふふ………♡」


ルーシェ「……………! ……………!!!!」


シスター「まあ遅かれ早かれでしたからね。お二人ともおめでとうございます」


 みんなそれぞれの言葉でミシュラの懐妊を祝った。
 ミシュラとローガはぴったりとくっつきながらイチャつき、俺とフィーは同じ様にくっつきながら祝福し、シェリーは純粋無垢な微笑みで祝福し、サーリアは植物の蔓でハートを作り祝福し、ルーシェは目をキラキラさせて無言ながら精一杯祝福し、シスターはいつも通りあまり表情が無いながら微笑んで祝福していた。
 さて、サーリアが言うには、懐妊祝いで今日はお赤飯らしい。
 まあ日本の物とは違い、お赤飯っぽい何かだ。
 フィーの懐妊祝いといい、ここ数日はずっとお祝い通しだ。
 でも、お祝いだらけの日々も良いもんだと、思ったりした今日この頃だった。

 なお、ミシュラは妊娠した事でさらに角と翼が成長したで。


◆◇◆◇◆


 このまま、みんなと過ごしても良いなと、そう思っていた。
 ここにいれば、一生安心して安定した楽しい暮らしが保証されるだろう。
 でも、その選択は許されない。
 そんな楽しくも激動の日々はあっという間に過ぎていってしまった。
 フィーのつわりが始まったり、ルーシェが傷ついた犬っぽい生き物を拾ってきたり(シスターはその生き物を見てどこか怪訝な顔をしていた)、ミシュラのつわりも始まったり、ローガからの指導を受けなんとかブラックジャックを使えるレベルまで鍛え上げられたりと、相当に濃いい一ヶ月を過ごした。
 本当に、濃く、楽しく、手放すには惜しい日々だった。
 でも………俺には、使命があるんだ………
 あの時、楓先輩の告白を遮って幼ない少女二人の命を救った時から、俺の運命は決まっているのだ。
 この世界で、ハーレムを作り子を孕ませ、子孫を残す。
 そういう、運命が………


◆◇◆◇◆

 今日は落ちるで。
 次は1ヶ月経って旅立つところやで。

 というかマルチタスクしてるからちょくちょく文章乱れてスマソ。

 リアルな方の生存報告やで。
 おまいらもきぃつけな。

◆◇◆◇◆


 俺は目を覚ました。


俺「ふ、ぅぅうう………………」


 清々しい、孤児院の朝。
 いつもより、少し早い朝だ。
 緊張のあまり、早く起きてしまったようだ。
 隣を見ても、今日はその日では無いからフィーはいない。
 窓からはとてもきれいな清んだ空気が入り、明朝の薄青い空が見える。
 旅立ちには、ぴったりな天候だ。
 …………そうだ。
 今日は、俺たちの…………
 俺と、フィーの、旅立ちの日だ。

フィー「あ、シズキさん…………おはよ♡」


 俺がリビングに行くと、フィーが出迎えた。
 そのお腹は少しだけ、ぽっこりと膨らんでいた。
 妊娠一ヶ月、人間で言えば二ヶ月と半分のお腹だ。


俺「ああ、おはよう。早いね」


フィー「うん。ちょっと、緊張しちゃって……………早く眼が覚めちゃった…………」


 フィーの目に不安げな色が浮かぶ。
 俺はそのフィーの頭を撫でた。


俺「まあ、今日は旅立つ日だからな。不安になるのも仕方がないさ。大丈夫だ」


 俺の言葉に、フィーは少し安心したような表情を浮かべた。
 フィーは猫がやるみたいに俺の手に頬をすり寄せた。


フィー「うん……………ありがとう、シズキさん…………大好き……………♡」


俺「…………………!」


 俺はそのしぐさがとても可愛くて、思わずその唇を奪ってしまった。


俺「ん…………ふ………………」


フィー「あん………シズキさ…………ん………………♡」


 少女の可愛らしい吐息と、小さいの水音が誰もいないリビングに響く。
 俺も、フィーも、互いを求めあって、舌を絡めあう。
 キスをしながら、その命の宿るお腹も撫でる。


俺「フィー…………フィー………………!」


フィー「シズキさぁん♡ はふ、はぅ………ん…………♡ ん、ぁ……………♡」


 フィーは甘い声を出しながらももをもじもじとこすり合わせている。
 可愛いなあ………………
 そうやって俺とフィーがお互いの唇を濡らしあっていると、リビングの入り口の方からガタッという物音がした。


俺「ん?」


フィー「あふっ……!?」


 俺とフィーが一緒にその方向を向くと、そこには寝巻のシェリーがぽーっと俺たちを見つめながら立っていた。
 シェリーは俺達に見られていることに気づくと、はっとして顔を赤らめ、ババッ! と髪を振り上げる勢いで頭をさげた。


シェリー「あ、あひゃぁっ、お、おはようございましゅっ、お、お二人とも、お、お楽しみのところしちゅれいしましたぁあっ!」


 シェリーはそう言うと走って行ってしまった。
 しばし、気まずい空気が俺達の間に流れる。


俺「あー……………」


 俺が何を言おうか迷っていると、フィーは唐突に背伸びをし、唇にキスをした。
 そして、可愛くも、どこか嫉妬の色を含んでるような微笑みを浮かべる。


フィー「シズキさん。次は、シェリーちゃんをお嫁さんにするの?」


俺「いや、違うから」

 俺は全力で無実無罪を訴えたのだった。

◆◇◆◇◆


 それから、ご飯を食べて、みんなと遊んで………
 特に、何のトラブルもイベントも無かった。
 なんの変哲もない、ただの日常だった。
 一つ違うといえば、これが最後だと言うことだけ。
 できるだけ沢山食べて、できるだけ走り回って………
 それはもう、全力で。
 なぜなら最後だから。
 でも、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
 この一ヶ月も、今日の一日も、俺にとっては等しくもう取り返せない物だ。
 朝ごはんを食べて、一時間が経ったころ。
 俺たちは、旅立ちの時を迎えた。


シスター「さぁ、みなさん。二人にお別れの挨拶を」


 みんな、泣いている。
 フィーも、俺もだ。
 唯一泣いていないシスターは、子の巣立ちを見守るような優しい微笑みを浮かべていた。


ローガ「フィーちゃん………! 元気にしてろよっ…………! ぐずっ! シズキィ………! 訓練怠るなよっ……! うぉおぉおんっ!」


 ローガは俺達に二本の右手を差し出し、同時に握手した。
 左手は、もちろん目を抑えている。


俺「うん……ありがとう、ローガ君。君のお陰で、俺は強くなれた…………!」


ローガ「ああ!」


フィー「ローガ君………ありがとうっ………! ぐすっ………うっ…………」


 ローガの挨拶が終わり、ミシュラがフードを深く顔を隠すような形で引っ張りながらつぶやく。


ミシュラ「げ、元気で、ねっ…………! い、いつでも戻ってきてもいいんだがら、ねっ…………!」


 ボタボタと沢山の涙が地面に染みを作っている。


俺「ああ。もしなにかあったら、すぐにでも戻ってくるよ。ミシュラちゃんこそ、お腹の子を大事にね」


ミシュラ「あんだらも、ね…………フィーとフィーちゃんの子に何かあったら、シズキ…………あんたを許さないわよ…………ぉぉっ…………!」


 俺は苦笑いした。


俺「死ぬ気で守るよ」


フィー「頑張って、うんでね………!」


ミシュラ「あんたも、ねっ…………!」

 ミシュラの挨拶が終わると、シェリーが口を開いた。


シェリー「ぐすっ、え、びぐぁっ、ぅ、うぇっ、げほっ、げぇーっほげほ!?」


俺「大丈夫!?」


 シェリーは一度むせた喉を鳴らしながら頷いた。


シェリー「お、お見苦しいところを………………ひぐっ…………ずずっ…………い、いままでありがとうございましたっ! フィーちゃんもっ、シズキさん、もっ………! 楽しかった、ですっ………! えっ、えぇえぇえっ…………!」


フィー「シェリーちゃぁんっ……………!」


 ボロボロと涙をこぼすシェリーの脇を、ミシュラが肘でつつく。
 それに気付いたシェリーがはっと何かを思い出し懐から何かを取り出した。


シェリー「こ、これを忘れてましたっ…………お、お二人の旅の無事を祈って、一生懸命作りました…………! お、お守りっ、です!」


 それは小さい巾着袋のような物だった。
 青と、ピンクの二つの袋。
 俺達はそれを受け取った。


フィー「可愛い……………」


俺「お守り、か……………ありがとう」


 シェリーはもじもじしながら言う。


シェリー「はい…………た、旅、風邪とか、引かないでください…………ね!」


 最後の一言と一緒に、シェリーの目から涙が溢れる。
 フィーがシェリーと抱き合い、次に俺とシェリーが抱き合った。
 互いの無事を願って。

 シェリーの挨拶が終わると、次にルーシェが音を立てずに泣きながら前にでた。


ルーシェ「~~~~~~っ…………! ~~~~~っ、じゅるっ…………!」


 ルーシェは子供のように、もし声が出ていたら森全体に泣き声が響き渡るであろうほど大きく口を開けて泣いていた。
 フィーは涙を流しながら、無言でルーシェを抱く。
 ルーシェはフィーを抱き返した。


ルーシェ「……………! ………………!」


 発せない別れの言葉を身体全体でいるのだろう。
 これでもかと言うほど身体を撫で回している。
 ルーシェはフィーから離れると、次は俺の方を向き、ゆっくり歩いてきてお腹に顔をうずめた。


ルーシェ「っ………………! ~~~~~……………!」


 俺も何もいわず、ただただその頭を撫でた。

 ルーシェが俺から離れ、最後にサーリアが前に出てきた。


サーリア「っっづっ、ぐっ……………がんばっで、ぐだ、ざいねっ…………! えいようも、ばらんずよぐ、ちゃんどどっでぐだざいねっ………!」


 サーリアは、思いっきり泣くのを我慢しているようだった。
 両手をぎゅっと握り締め、口元を真一文字にしている。
 我慢し過ぎて、変な顔になっている。


フィー「さ、サーリアちゃん…………」 


俺「泣いてもいいんだぞ…………」


サーリア「泣いでないですっ……………!」


 ぎりっと歯ぎしりをしたサーリアは懐からジャム瓶のような物を取り出した。
 中にはこの孤児院で沢山お世話になった軟膏が詰められている。


サーリア「お、お二人のためにっ、つぐりましだっ……………! 役に、だででぐだざいっ………………!」


俺「ありがとう、サーリアちゃん…………」


フィー「大事に使うね…………!」


 俺は軟膏を懐にしまった。
 サーリアがしゃがみこみ、フィーと抱き合う。


サーリア「が、がんばっで…………ぅ、うわああああああっ、ああっ…………ああああぁあああっ……………!」


フィー「ぅうっ、うっ……………!」


 フィーと抱き合った事で何かが決壊したのか、サーリアが大粒の涙を流しながら大声で泣き出した。
 触手………蔦でもフィーを抱きしめ、ナデナデしている。
 それをほどくと、大声を上げたまま俺の方に来た。
 ルーシェと同じように、ただお腹に顔をうずめて目一杯泣くサーリアを、俺は撫でた。


俺「軟膏、大事に使うから…………」


サーリア「うわああぁああああっ、あああああああっ…………………!」

 しばらくして、サーリアが俺から離れた。
 全員が挨拶を澄ませたのを見て、シスターが口を開く。


シスター「では、出発しましょう。私が森を抜けるまで護衛します」


俺「はい……………」


フィー「ぐすっ……………うんっ……………!」


 シスターに連れられ、孤児院の門を出る。
 みんなの方を振り返る。
 目に涙を浮かべながら腕を組み、今にも崩れそうな笑顔を保っているローガ。
 フードを外し、泣きながらこっちをまっすぐ見つめて小さく手を振っているミシュラ。
 精一杯手を振り、さようならと叫んでいるシェリー。
 こっちをしっかり見ながら静かに大泣きしているルーシェ。
 頭から生えている双葉がどこか元気が無く、誰よりも涙腺が決壊しているサーリア。
 涙で前が見えない。
 俺達は、みんなと、とても楽しかった日々に別れを告げる。
 手を大きく上げ、叫んだ。


俺「また、なぁっ…………!」


フィー「またねーーーーっ!」

 ◆◇◆◇◆


シスター「ここまでくれば安全でしょう」


 シスターが森の出口でそう言う。
 フィーはまだ少し泣いている。
 …………結局、シスターは一滴の涙も流さなかったな。


俺「今まで、色々とありがとうございました……………シスター・エクレア」


 シスターがまた優しい微笑みを俺に向ける。
 本当に優しそうな微笑みだ。


シスター「いえ、シズキ・ナカダ。これが、私の仕事です。あなたこそ、色々と手伝っていただきありがとうございました」


 シスターがゆっくりと頭を下げた。
 シスターは顔を上げるとしゃがみこみ、フィーと目線の高さを合わせた。


シスター「フィー・ナカダ……………」


フィー「シスタぁ……………」


 その時だった。
 不意に、シスターの目から涙が流れ出た。
 フィーも俺も驚いた。


俺「………………!?」


フィー「し、シスター……………?」


 シスターは変わらず微笑んだまま、涙をとめどなく流している。
 震える声でシスターが言う。


シスター「い、いつもダメですね、私は…………いつも、この瞬間だけは泣いてしまう…………巣立ちは、とても嬉しいことの筈なのに、ど、どうしても悲しくなってしまう……………」


 シスターは一層笑顔を輝かせ、呆然とするフィーを抱きしめた。


シスター「ああ、フィー……………可愛い子……………幸せにおなり……………」


 フィーはその言葉を聞き、また目に涙を浮かべ、嗚咽を始めた。


フィー「うんっ、し、シスター……………! 幸せになるから……………!」


 シスターはそのフィーの言葉を聞き、目を閉じて頷いた。
 シスターは抱擁を解くと、涙を拭き、立ち上がった。
 そして潤んだ目のまま俺を見る。


シスター「シズキさんも。フィーを幸せにしてくださいね。いや、しろ」


俺「突然怖いですよシスター……………そんな事を言われなくても、フィーは俺が全力で幸せにします」


 シスターが俺の言葉にも頷く。


シスター「ええ。よろしくお願いします」

 シスターがもう一度頭を下げた。


シスター「…………では、お二人とも。これで本当にお別れです。ですが、何かあったら、また孤児院に戻ってきてくださいね」


 その言葉は、母のように、とても優しかった。
 俺は頷いた。


俺「はい。シスター・エクレア」


 フィーが涙を流しながら言う。


フィー「本当に…………本当にいままでありがとう、シスター…………!」


 シスターが俺とフィーを見て、また頷いた。


シスター「シズキさん、フィーちゃん……………幸せになってください」


 そういうと、シスターは忍者のように跳んで木々の中に消えてしまった。
 本当に、忍者のようだった。


俺「…………………行こうか、フィー」


フィー「うん……………ナカダさん………………!」


 そうして、俺たちの2人っきりの旅が始まった。


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


 町の入り口で、俺とフィーは話していた。


俺「必要な物は揃っている。この街は素通りで良いね」


フィー「うん…………………次、どこいくの………………?」


 俺は地図を広げる。


俺「西に行ったら町があるみたいだからね。そこに行くことにするよ」


フィー「へー、どんな町……………?」


俺「えっとね………………」


 次の町、村、都市安価やで。


立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4

 ◆◇◆◇◆


 町の入り口で、俺とフィーは話していた。


俺「必要な物は揃っている。この街は素通りで良いね」


フィー「うん…………………次、どこいくの………………?」


 俺は地図を広げる。


俺「西に行ったら町があるみたいだからね。そこに行くことにするよ」


フィー「へー、どんな町……………?」


俺「えっとね………………」


 次の町、村、都市安価やで。


立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4

 すまんで。
 安価ずらしや。

大きな都市。壁に囲まれており守りが硬い。
人口は多く多種多様な種族がいる。

 重ね重ねすまんで。
 もう一回や。

立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4

 >>753は採用やで。
 あとみっつ。

種族固有の風習や文化が入り乱れ半ば無法状態、他種族への寛容を求める風潮がある

その分治安維持のため自警団(ヤクザ)や交渉人・仲介役が沢山いる

多種族のため必要な物がそれぞれあるがその全てが揃っているといわれる大きい朝市

 備考>>安価下1
 名前>>安価下2

城塞都市カドプレパス

 >>753 >>756 >>757 >>761
 次の町は城塞都市カドプレパスや。

俺「城塞都市カドプレパスだって」


 俺がそうフィーに教えると、フィーは難しそうな顔をした。


フィー「城塞都市かどぷ………?」


俺「カドプレパス。シスターから聞いた話では沢山の種族がいて、巨大な城壁があるらしいよ。でも種族や民族が沢山いるせいで治安も少し悪いみたいだ…………」


 カドプレパス…………城塞都市とだけあって強そうな名前だ。
 治安が悪いと言うことは、フィーぐらい小さいと危ないな。


俺「街の中ではぜっったいに俺から離れないでね」


フィー「ん…………………分かった、シズキさん………………」


 フィーはそう言うと俺の指をきゅっと握ったのだった。


 半日かけて日が沈む前にカドプレパスに行くで。
 道中でイベント(商隊と出会う等)やトラブル(魔物と出会う等)はあったか。
 なければ何もなかった。
 >>下

 ◆◇◆◇◆


 俺とフィーは城塞都市カドプレパスに向かってもう数時間歩いていた。
 道は余り整備されておらず、草を刈り地面を平らに慣らしただけ、という道だ。
 まあ道のりが分かるだけ、歩きやすいだけ良いだろう。
 道中でフィーは疲れ切ってしまい、俺の腕の中ですやすやと寝息を立てている。
 フィーは小さく軽いから、どれだけ持ってもへっちゃらだ。
 なんならずっとここで寝ててもいい。
 俺の嫁は天使です。
 そうフィーの寝顔を覗き込んで思った。
 因みに、ここまで数時間歩いて数人とすれ違った。
 様々な種族がいるという街に続く道だけあって、人間じゃない種族の方が多かった。
 犬の獣人に、魚っぽい人など、ファンタジー物の映画で見るよりもとてもリアルだった。
 またすれ違った人々はみんな気さくで、良い夫婦だねと言ってくれた。
 …………このカップルで夫婦に見えたのか………
 多種族のいる異世界こそだな。


 その時、ガタガタという車輪の音とともに馬車のような物が向こうからやってきた。


商人「おぉ、こんにちは」


 それは馬車だった。
 馬車以外なんと言えば良いんだ、と言うほど馬車な馬車が来た。
 手綱の繋がった馬に、それに引かれる馬車、片眼鏡をかけた御者。
 俺は初めて見る本場の馬車に感動した。
 俺は御者の人に頭を下げた。


俺「こんにちは」


 御者の人は背が低く耳と鼻が尖っており、どうやらこの人も人間では無いらしい。
 俺と寝ているフィーを交互に見て、御者の人はははーんと微笑んだ。


商人「ほうほう、新婚さんですか。おめでとうございます」


俺「あ、どうも……」


 俺は会釈をした。
 そして不思議に思っていた事をその御者の人に聞くことにした。


俺「あの………少しお聞きしたい事があるのですが………」


商人「何でしょうか。私に答えられる事なら、何でも」


俺「えっと、実は先程から数人の方とすれ違っているんですが、なぜ僕達が夫婦だと分かるんですか……? ちょっと夫婦には見えないと思うんですが………」


 俺はぽっちゃりの人間20歳、フィーは妖精の14歳。
 夫婦どころか親子にも見えず、フィーの大きさも相まってむしろ誘拐中に見える。


商人「ああ。確かにニュートラルと妖精の夫婦は珍しいですが、それは指輪を見れば分かりますよ。幸せそうですしね。随分お若いうちにご結婚」


 指輪か………そんな簡単な事だったのか。
 にしても指輪だけでも夫婦と判断できてしまうのか。
 不思議だ………

 それにしても、今の会話で分からない単語があった。


俺「ありがとうございます。ところで………ニュートラル? って何ですか?」


 恐らく会話の流れから俺の事だが、それなら妖精であるフィーに対して俺は人間、じゃないのか?


商人「ほお、ニュートラルを知らない………まあ、教えましょう。ニュートラルとは、あなたの事です」


 やっぱりか。


商人「まあ人間の事ですね。ですが数十年前からあなた方の種族のことを人間と言う事は無くなり、『普通』という事を意味するニュートラルと呼ぶことになったのです。因みに私はノームです」


俺「はーなるほど。色々と教えていただきありがとうございます」


 俺がそう言うと、ノームの商人はいえいえと微笑んだ。


商人「ところで新婚さん。ちょっと余っている商品があるから、買っていかないかね?」


俺「良いんですか?」


商人「はい。ウチは雑貨を扱っているから、もしかしたらお気に入りの掘り出し物が見つかるかもしれませんね」


俺「ああ、ではありがたく………」


 商人の御者が馬からおり、ホロを開けた。
 そして引き出し式の商品棚を展開し、素早く商品を並べた。
 ガチャガチャと物を動かす音でフィーが目覚めてしまった。


フィー「ん、んぅ………ふぁぁ…………うん………?」


商人「おっとすいません。起こしてしまいましたか」


 フィーはこしこしと目を擦ると、俺に地面に下ろすように促した。
 地面に立つと少しふらふらしながら俺に話しかける。


フィー「ん~………シズキさん、この人は………?」


俺「商人さんだって。雑貨屋さんだけど、何か欲しいものがあったら買って良いよ」


商人「どうも可愛らしい奥さん。好きな物をお選びください」


 フィーはコクリと頷き、眠気ナマコのまま商品棚を物色し始めた。


 ナカダが買ったもの>>下1~3の内コンマ最大。

 フィーが買ったもの>>下4~6の内コンマ最大。


 名前と効果と見た目を明記。
 陳列されているものは主に雑貨で、あったとしても低ランクの魔道具まで。
 ゾロ目が出た場合はコンマ×10と効果上乗せ。

 シズキの所持金:118000円
 フィーの所持金:22000円


俺「うーん、色々有るなあ」


 俺は様々な雑貨に目移りしていた。
 しかし長く引き留めるのも悪いし、早く決めてしまわなくては…………
 輪ゴムのような物に、不思議な生物の置物、その他もろもろと沢山ある。
 そうやって俺が悩んでいる内に、フィーが先にお気に入りを見つけたようだ。


フィー「……………あれ」


俺「ん? どれだ?」


 フィーが指さした先には、ニュートラルの形をした人形があった。
 とても大きく、サイズ的にはフィーと同じサイズだ。


俺「………………これ?」


 俺が取ってやると、フィーはこくこくと頷いた。


商人「おお奥さん。それにいたしますか。それはこちらの服5着とセットです」


 商人は人形の近くに置いてあった女の子向けのようなとても可愛らしい服を示した。
 色々な種類の服があり、人形用にしてはとても作りがよい。
 ……………というかこの服そのままフィーが着れないか?


フィー「これがいい」


 自分の背丈の人形を抱きかかえ、フィーが目をキラキラさせる。


俺「分かった。自分のお小遣いでいいね?」


 フィーは頷く。


俺「じゃあ、会計は俺のが決まってからね。ちょっと待ってくれ」


 俺はいくつもの雑貨にまた目線を戻した。
 その時、棚の中で一つ不思議に光る燭台を見つけた。
 それは透明で、触った感じはガラスで出来ているようだった。


俺「これは………」


商人「ああ、それは魔道具ですよ。燭台のね」(ゾロ目だったため効果付属)


俺「魔道具? と言うことは何か魔法がかかっているんですか?」


 商人が頷く。


商人「それは(安価>>下1)という魔法がかかっているうえに魔道具だから壊れづらいんですよ。そちらの燭台の値段は銀貨(コンマ一桁>>下2)枚で、そちらの人形は銀貨(コンマ一桁>>下3)枚です」


 シズキとフィー、それぞれ買うか買わざるか。
 シズキ、安価>>下4
 フィー、安価>>下5

 やっぱり値段は
 銀貨(コンマ一桁)枚→銅貨(コンマ二桁)枚
 で。
 銅貨10枚で銀貨10枚。

 訂正。
 銅貨10枚で銀貨1枚。
 安価ずらし。

 参考までに。


俺「光量調節…………?」


 俺がそう言うと、商人はロウソクを取り出し燭台に刺すと火を付けた。
 デモンストレーションをしてくれるようだ。


商人「はい。こうやって火をつけて燭台のコックをひねると………」


 商人が燭台のつまみを左にひねると、ロウソクの火が小さくなった。
 俺は思わず簡単の声を上げた。


フィー「………………貸して貸して」


商人「はい、奥さん」


 商人がかがむと、フィーが小さな手でつまみをキュッと右にひねった。
 ロウソクの火が最初の二番ほど大きくなった。


フィー「おー……………」


 ペチペチと人形を抱えたままフィーが手をたたく。


商人「最大で八倍、最小で八分の一まで幅があります。それに比例してロウソクの消費も変わりますよ」


俺「なるほどな……………」


 買うか買わざるか……………


 安価下
 シズキ、買うか(7200円)(安価>>下1)
 フィー、買うか(1200円)(安価>>下2)

俺「うーん…………悩みましたけど、ちょっと高いですね…………」


商人「まあ魔道具ですしね」


俺「…………ごめんなさい、買いません」


 俺がそう言うと商人は頷いた。


商人「わかりました。奥さんは?」


 フィーは銀貨二枚を商人へ差し出す。
 人形はわりと荷物だが、フィーのためだ…………


商人「ほい。じゃあ八枚のお返しです。ありがとうございました」


 フィーは銅貨を荷物にしまうと、人形を抱きしめ嬉しそうに飛び跳ねた。


俺「じゃあ、俺たちはこれで。あまり引き止めても悪いですしね」


商人「わかりました」


 商人はパタパタと棚をたたむとひらりと馬車に乗った。


俺「ありがとうございました」


フィー「ありがとう、ございました………………」


 俺たちがそうお礼を言うと、商人はにっこりと笑った。


商人「いえいえ。お二人とも、お気をつけて」


俺「はい」


フィー「はい…………」


 商人はそう言うとピシッと手綱を鳴らし、ゴトゴトと車輪を慣らしながら行ってしまった。
 その背中を見送りながら人形を抱きしめるフィーに話しかけた。


俺「じゃあ、行こうか、フィー」


 フィーはコクリと頷き、俺の手をきゅっと握った。
 その後少し歩いてから、人形の足がわりと擦れることがわかり、だっこひもを作ってあげてフィーの背中におんぶさせる事にした。

 ◆◇◆◇◆


 それから数時間歩いて………………
 夕方頃。


俺「これだな、城塞都市カドプレパス」


フィー「かとぶ…………」


 それは横に長く続く壁だった。
 壁にはとこらどころに穴があいており、時々人影がちらっと見える。
 これが城塞だろう。
 開け放たれている分厚く巨大な城門のようなあり、兵士のような鎧を着込んだ門番のような人が左右に一人ずつ立っている。
 そこが入り口のようだ。


俺「入ろう、フィー。手を離さないようにね」


フィー「うん……………」


 人形をおんぶしているフィーの握る力が少し強くなった。
 そうして俺たちは、多種族の入り乱れる城塞都市、カドプレパスにたどり着いたのだった。

 このタイミングで二人目行くで。
 カドプレパスは
 ・多種族がいて治安が悪い。
 ・自警団等もいるため均衡は取られている。
 ・もちろん路地裏は格段危ない。
 ・発展具合は高い。
 そんな都市やで。


 性別:女
 種族:>>下1
 名前:>>下2
 身体的特徴(見た目):>>下3
 職業、身分:>>下4
 処女か:>>下5
 性格や趣味:>>下6、下7
 年齢:>>下8
 備考:>>下9
 主人公との出会い方&惚れ方:>>下10

 俺はフィーと手を繋いで、カドプレパスへと入っていった。
 少し門番に怪訝な顔をされたが、普通に通してもらえた。


俺「やっぱり壁の内側って異質だな」


フィー「…………ちょっと息苦しい…………」


 言ってみれば、カドプレパスの内側はごちゃっとしていた。
 パリのように升目で区切られておらず、道はあっちにこっちに広がっている。
 そして、やっぱり一番目につくのは、道よりも入り乱れている様々な種類の種族だ。
 パッと見ただけでニュートラルの他にノームや獣人、エルフやおそらくドワーフのような種族がいる。
 ………ちょくちょく妖精もいるな。
 フィーのように身体が小さく、ブーンと虫のような羽を羽ばたかせキャハキャハと空を待っている。
 いかにもピクシーとかシルキーとか言う種族に見える。


フィー「おんなじ種族だ…………」


俺「ああ。みんな髪の色とか羽の種類とかが違うんだね」


フィー「うん…………」


 俺は入り口の近くの立て看板に貼られているカドプレパスの地図を覗き込んだ。


俺「どこに行こうかな………」


 どうやら南の赤い印が現在地のようだ。
 丸い壁の反対、北がお金持ちのエリアだそうだ。


 時刻は夕刻。
 どこに行く? 位置関係も>>下1
 また、そこに行く途中でイベントやトラブルなどもあれば。
 無ければ無し>>下2

俺「先ずは宿を探そう。もう時間だしね」


 フィーが頷いて、俺たちは宿を探しに行く事にした。
 お金持ちエリアから離れすぎたら治安は悪いだろうし、お金持ちエリアに行きすぎると確実に値段が高くなる。
 だから真ん中辺りのエリアを目指す事にした。


 ◆◇◆◇◆


俺「サダーナの宿………値段もいい感じだね」


フィー「ん………」


 俺たちはしばらく歩いていい感じの値段設定の宿を見つけた。
 一晩一部屋銀貨二枚。
 まあまあ安い値段だ。
 街並も、入り口付近よりはごちゃごちゃとしていない。


俺「よし、チェックインしようか」


 フィーがコクリと頷いた。
 そしてチェックインしようとした瞬間、どこからか助けを求める声が聞こえた。


???「え、いや、あの………ちょ、ちょっと、通してください…………」


???「へっへっへ、姉ちゃん良いじゃんかよ。あんた上層のお嬢様だろ? なあんにも知らないんだから俺たちが楽しい事教えてやるよぉ………」


???「そうだよ姉ちゃん連れねえなぁ。なあ、教えるっつってんだろ!?」


???「ひ、ぁ、助け……………」



 俺の耳は特別良い訳では無いのだが、その路地裏からのか細い声ははっきり聞こえた。
 俺に聞こえたと言うことは周りの人にも聞こえた筈だが、周りの住民はその方向をチラッと見るだけで素通りして行く。


フィー「し、シズキさん……………」


 フィーが不安そうな声を上げ、ギュッと俺の手を握る。
 俺の腰にはすぐ持ち出せる位置にブラックジャックがある………


 どうする?>>下

 とりあえず今日はここまでや。
 落ちるで。

 俺はブラックジャックに手を………かけなかった。
 フィーに物陰に隠れるように言い、その路地裏に入っていく。


柄悪男A「姉ちゃん名前なんてーの?」


???「ぷ、プリシラです……あ、あの、手を…………」


柄悪男A「へー、プリシラちゃん…………おれんちあっちにあるんだわ。いこーぜ」


柄悪男B「ひぇひぇひぇ………いいなぁ?」


???「いや、わ、私は…………」


 あからさまに柄が悪そうなニュートラルの男2人が貴族令嬢っぽい華奢なメガネをかけた女の人の腕を掴んでいる。
 女の人は良く見るとニュートラルでは無さそうで、ドラゴンっぽい角と翼と尾がある。
 俺は意を決してその2人に叫んだ。


俺「おい、プリシラに何しているんだ!」


柄悪男A「あぁん? お前なんだ?」


 柄が悪い男はぐりんと凄んできた。
 ぐ、怖い………だが一瞬でも怯んだら負けだ………!


俺「知り合いだ…………その手を離せ」


 俺も精一杯怖い顔をして男達を睨みつける。
 男達は俺が怯まないのを見て分が悪いと思ったのか(俺の内心はビックビクだが)、舌打ちをすると踵を返した。


柄悪男A「チッ………んだよ運悪いな………行くぞ」


柄悪男B「え、ぶっ飛ばさないんで?」


柄悪男A「めんどくせえよ。ほら、来い」


柄悪男B「へーい。チッ……」


 そう言って男達は路地裏の奥に行ってしまった。
 種族の分からない女の人………と言うか、よく見たら思ったよりも幼い。
 女の人、と言うよりは少女だ。
 少女は目に涙を浮かべながらへなへなと座り込んだ。


俺「>>下」

 あ、あーっ、怖かったーっ!
 あのまま襲いかかって来たらどうしたか………!
 とりあえず、俺は床にへたり込んでいるプリシラという少女に手を差し出した。


俺「大丈夫………?」


 俺がそう話しかけると少女はピクッと震えて俺を見上げて来た。
 その目には恐怖が浮かんでいたが、俺と目があった瞬間にそれは無くなった。
 少女は俺の手を取り、俺をぽーっと見つめている。


プリシラ「は………はい………だいじょうぶ………です…………♡」


 ………ん?
 なんか、少女の瞳が熱っぽいぞ?
 ………いや、まあ、大丈夫だろ、うん。
 たった一回危険から助けただけで惚れるなんてことは………
 ………フィーという前例があるな。


俺「う、うん。とりあえず、立てる?」


プリシラ「は、はい………おい、しょ……っとと……」


 手を引いて立ち上がらせた瞬間、プリシラがよろけた。
 俺は慌ててその身体を支えようと前に回ったが、それがいけなかったらしい。
 プリシラの身体はそのまま俺の胸に収まり、ブニュッ、と胸と胸が押し付けられる。


プリシラ「え、ぁ、あっ………」


俺「あ、ご、ごめんっ!」


 その瞬間、少女の顔がボッと赤くなり、固まった。
 少女の荒い息が俺の首元にかかる。


プリシラ「………あ、ありがとうございます………その、助けてくれて……………」


 ゆっくりと俺の背に手を回そうとしたので、慌てて優しくつき離す。


俺「あ、ああ! うん! 良かった! と、とりあえず出ようか!」


 少女は少し戸惑ったが、コクリと頷いて俺の手を握った。


プリシラ「は、はい…………♡」


 ああ、これ完全に惚れられている…………ど、どうしよう………
 とりあえず、俺は俺の手を握って、というか腕に手を絡めて離そうとしない(相当力が強い)少女を連れたまま路地裏を出た。
 そこで人形とごっこをしていたらしいフィーと目が合う。


フィー「あ! シズキさん。大丈夫だっ………」


 俺の腕には顔を赤らめて腕を絡ませる角と翼と尾のある美少女。
 フィーが言葉を詰まらせる。
 少女もフィーを見て驚いている様子だ。


プリシラ「シズキさんとおっしゃるんですね…………♡」


フィー「シズキさん………その人は?」


 プリシラは俺の名前を知ってさらに顔を赤らめ、フィーはどこかジトッとした目で俺を見ている。


俺「>>下」

俺「えっと、フィー。この人はさっき悪そうな人に絡まれていたプリシラさんという人だよ」


 俺はとりあえず少女を紹介した。


プリシラ「あ、はい。プリシラです…………って、そう言えばシズキさん、なんで私の名前を……………?」


俺「さっき柄の悪い奴らに言っていましたから」


 少女はなるほどと頷いた。
 フィーはジトッと俺を見ている。


フィー「へー……………………………プリシラさんねー……………………………」


 なんでもありませんからフィーさん。
 多分、というか十中八九惚れられてますけど、なんでもありませんから。


プリシラ「あのー、ところでシズキさん……………あのフィーという方は…………? 妹さんですか……………?」


 少女が変わらず俺の腕を抱えたまま俺に聞く。
 そう言えば、初めて夫婦以外に見られたぞ。
 兄妹か…………フィーは耳も尖っているし、羽もあるし、まず種族が違うような……………
 俺は少女に言う。


俺「妹では無いです…………えっと、プリシラさん。彼女は、俺の妻のフィーです」


フィー「どうも……………………妻です……………」


プリシラ「へぇ、妻………………え、つま? え、おっと???」


 少女が明らかに動揺した様子でフィーと俺を交互に見ながら俺に聞き返す。


俺「はい。夫婦です」


プリシラ「え、そんな……………ふうふ? めおと?」


俺「はい」


 俺とフィーの関係を知った少女は何度か聞き返した後、絶望したような表情のまま力を抜いて俺の腕から離れた。


プリシラ「ご、ごめんなさい…………わ、私、ご夫婦の前でこんな、事を……………」


 あからさまに少女はダメージを受けているらしい。
 地面を見たまま、顔を上げようとしない。


フィー「…………………シズキさん?」


俺「………………はい」


 どうしようか戸惑っていたら、フィーがやっぱりジトッとした目で俺を見ている。
 口説いたの? とか、責任取るつもり? とか、そんな色々な気持ちがこもったジト目だ。


フィー「…………とりあえず、宿屋入ろうよ。そうとう暗くなってきたし……………」


俺「うん」


プリシラ「あっ、わ、私はどうすれば…………………あっ、いえ、何でもないです………………自分で帰りますので……………」


 少女は何が原因とは言わないが、大きいショックを受けた様子でトボトボと帰ろうとした。

 どうする?>>下

 俺は声をかけて一人で帰ろうとした少女を引き留めた。


俺「あの、ちょっと………」


プリシラ「はい………?」


俺「あんな事もあった後ですし、家まで送ります。もう日も落ちていて危ないですからね」


 俺は少女にそう言った。


フィー「うん、そうだね………危ないし………まあ、ちょっとシズキさんの下心も不安だけどぉ………?」


俺「無いってば……」


 フィーがボソッと少女に聞こえないように俺に言った。
 俺はもちろん全力否定した。


プリシラ「え、あ、そうですか……えっと、じゃあ、お願いします…………」


 少女は嬉しいような寂しいような返事をして俺の横にぴったりついた。
 しかしフィーがいるからか、俺には触れず、なるべく俺の方も見ないようにしている。


俺「ところで、家はどこらへんですか?」


 俺が話しかけても、少女は俺の方を見ようとしない。


プリシラ「はい………えっと、私の家は…………」


 ◆◇◆◇◆


俺「………………やっぱり貴族だったんですね」


プリシラ「は、はい…………」


フィー「おっきー…………」


 プリシラが家だと案内したのは、カドプレパスの北、それもお金持ちエリアの相当中心部の方にあった、大きい屋敷だった。
 プリシラが屋敷の扉、というか門を叩く。
 ギイィ………と重々しい門が開き、中から裕福な髭を蓄えた片眼鏡の鳥の獣人が出てきた。


???「はい、どなたで………お嬢様!?」


プリシラ「えっと、ただいま………」


 鳥の獣人は見たところフクロウのように見える。
 フクロウの獣人、多分格好からして執事だと思われるその獣人は、両方の翼で少女の肩をガッ! と掴んだ。


梟執事「お、お嬢様! どちらにいらしたんですか!? お嬢様が家にいらっしゃらないからいまもうご主人様と自警団に連絡したところで……! ご主人様~っ! プリシラお嬢様がお帰りになりましたよ~っ! と、とりあえず中にっ!」


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


梟執事「いやぁもうわたくし達共々本当に心配で心配で…………」


プリシラ父「お前………なんで今になって家出なんて…………」


プリシラ「ごめんなさい…………」


俺「………………ズズ」


フィー「…………………あち」


 ああ、紅茶が美味しい。
 多分割と高い紅茶だ。


 …………しばしの沈黙。


プリシラ父「………………ところでお前ら誰だ」


梟「そういえば」


プリシラ「あ………」


フィー「………………」


 あの後、普通に梟執事に少女と一緒に屋敷に招き入れられ、紅茶を出された。
 そのまま流された俺達も俺達だけど、梟の執事もなにか気付けよ。
 因みに、少女の父と見られる人物は、一言で言えば、マフィアだった。
 少女と同じ金髪を持っているが、それをオールバックにしており、顔には謎の深い傷などが走っている。
 角も翼も尾も少女と比べ物にならないほど力強く、荒々しい。
 怖い。


プリシラ父「火傷だらけの隻眼の妖精になんの特徴もねえニュートラルの冒険者………お前らプリシラとどういう関係なんだ? まさかお前らがプリシラを誑かして連れ出したのか………!?」


 怖い。
 視線だけで殺されそう。
 フィー、何か助け舟を……………めっちゃ茶菓子食ってる。
 リラックスしすぎじゃない?
 と、とりあえず俺がなにか話さなくては………


俺「>>下」

 俺はビクビクしながら少女の父親に全てを正直に話した。
 お金持ちエリアと貧困エリアの丁度真ん中の宿に泊まろうとしたところ、少女が柄の悪い男に無理やり連れて行かれそうになったところを見かけたため、放って置けず勝手ながら助けた。
 そう、下手に言い訳せずに正直に話した。
 助けたシーンを話している時、少女が顔を赤らめていたのを、梟の執事と少女の父親がチラッと見たのを、俺は見逃さなかった。
 ああ、これ殺されないか………?
 助けた後にも少女が危険だと思い付いていき、それで屋敷まで来たという事も話した。


俺「それで、その、執事さんが招き入れるままに入ってきてしまって………ごめんなさい」


 俺が話し終わると、少女の父親が口を開いた。


プリシラ父「………ってこたぁ、お前達が連れ出した訳じゃねえのか………むしろ、危ねえところを助けてくれたって事か…………プリシラ。合っているか?」


 少女はコクリと頷いた。
 その瞬間、少女の父親がガタンと席を立ち、俺とフィーがそれにビビった。
 まさか鉄拳が飛んでくるのでは、と思ったが、少女の父親はその手を地面につけると、角を叩きつける勢いで土下座した。


プリシラ父「感謝する………! 娘の危ないところを助けてくれて………!」


梟執事「ご、ご主人様っ!」


 俺とフィーと少女は呆気に取られた。
 見た目いかつい男の綺麗な土下座は圧巻だった。


プリシラ父「感謝しても仕切れない…………礼はする…………で、それはそれとして、プリシラ。後で話がある。……………なんで家出したか、についてなぁ…………」


プリシラ「ひ、ひぃ………!」


 少女が身体を硬らせた。
 少女の父親が手をスイッと振ると、少女は涙目のまま部屋の奥に消えていった。
 少女の父親は立ち上がるとまた椅子に座った。
 そして隣に座る梟の執事の顔を見ていう。


プリシラ父「なんだ、なんか文句あるのか? 実の娘の命の恩人に土下座しちゃあ悪い、ってか?」


梟執事「い、いえ………」


 梟の執事はパタパタと自分の顔を仰ぎ、片眼鏡の位置を正した。

プリシラ父「まあいい…………ところで、お前ら。名前は何だ? 俺はプリシラの父親であるガルシアだ。ガルシア・ドラゴヴェール。よろしくな」


 そう威厳たっぷりの声でプリシラの父、いや、ガルシアは俺たちに聞く。
 俺はとりあえず自己紹介する事にした。


俺「あ、お、俺、私は、シズキです………シズキ・ナカダです。こっちは、私の妻の………」


フィー「フィー・ナカダです」


 妻、という言葉を聞いた時、ガルシアが驚いたように目を見開いた。


ガルシア「これは驚いた………そんなに若く見えて夫婦なのか」


俺「まあ、はい………」


フィー「ほんのちょっと前に、なんですけれどね………」


 ガルシアは少し考えると、俺達に言った。


ガルシア「まあいい。とりあえず、ナカダ夫婦。娘の命の恩人だ、もてなそう。ホッホ、夕食の準備を」


 この梟の執事ホッホって言うのか………


梟執事「は、はい。あの、お嬢様は……?」


ガルシア「今夜は俺の説教だ。夕食は作らせない」


梟執事「は………では、準備しておきます」


 執事は立ち上がり部屋を去っていった。


ガルシア「まあ、もう外も暗い。今夜は泊まって行ってくれ」


俺「あ、ああ、はい………ありがとうございます」


 断れるような雰囲気ではないため、俺はそう返事をした。


フィー「ありがとうございます………」


 俺たちがそう言うと、ガルシアは笑った。


ガルシア「はは……礼を言いたいのはこっちだ。本当に、助かった。俺はプリシラと話をしてくる。準備ができるまで、ゆっくりしていてくれ」


 そう言って、ガルシアは部屋を出て行ってしまった。


俺「……………行ってしまった………」


フィー「……………うん」


 ど、どう、しよう………?

 夕食まで何してるか(数十分)>>下1
 そしてプリシラがガルシアにシズキの事をどれぐらいどんな風に話したか>>下2

 ガルシアが部屋を去ってちょっとした時、フィーがソファーに座ったまま俺に話しかけてきた。


フィー「……………シズキさん………」


俺「ん? なーに?」


 フィーがプーとほっぺを膨らませている。
 なんとなく機嫌が悪そうだ。


フィー「………私今、なに思ってるとおもう………?」


俺「えっと………」


フィー「……………やいてる」


俺「ごめん」


 機嫌が悪そう、と言うか悪かった。
 フィーは膨らませていたほっぺを解除すると、ソファーの上をススススと移動し俺の方に寄って来てトスと頭を預けて来た。
 俺が申し訳ない気持ちを含めてその頭を撫でると、フィーはスリッとその手に頬をすり寄せて来た。


フィー「………ねー、シズキさん…………」


 俺に体重を預け、フィーにしてみれば巨大な人形を抱きしめながら、さっきより甘えの感情が入った声でフィーが聞いてくる。
 ん? と俺が聞くと、フィーは抱きしめていた人形を横に置いて、替わりに俺の腕を抱えた。


フィー「…………プリシラちゃん………どうするの?」


 俺は思わずギクッとした。
 フィーの質問の意味がなんとなく見えたからだ。


俺「どうするって………」


フィー「ハーレムに入れるの………?」


俺「……………うーん…………」


 まあ、そういう質問だろうなと思った。
 あの少女………プリシラはどっからどう見ても俺に気がある。
 出会った時から俺にピッタリくっついて顔を赤らめて、フィーという妻がいるという事を知った瞬間落ち込んだ。
 これで惚れていないと言う方がおかしい。


フィー「…………私は、良いよ…………」


 フィーが俺に言う。


フィー「…………最初に言ったでしょ………? ………私は………ハーレムを応援するって……………私、シズキさんの事大好きだし…………ね♡」


 フィーはこう言っているが、どうしたものか………
 ハーレムを作るとは言ったが、今更ながら一夫一妻制の日本人としてはやはり抵抗がある。
 それに、あのめっちゃ怖い父親がいる…………
 どうしよう………
 あの父親に娘さんを貰いますなんて言った時には………
 俺は腕にしがみ付いているフィーの頭を撫でながら言った。


俺「>>下」

俺「流石に、今日会ったばかりでは決められないかな。フィーとは出会ってしばらく過ごしてからこういう関係になったでしょ? フィーは本当に俺を愛してくれていたし、俺もフィーの事を色々知っていた状態だったしね」


フィー「うん……………じゃあ、時間かけて知り合うの…………?」


 俺は頷いた。


俺「まあ、そういう事になるね。それから、プリシラ、彼女が助けられたからという一時の感情で俺に惚れたんじゃなくて本気で俺のことを愛してくれるようになったなら、そして俺自身も彼女の事を一生大切にしたいと思うほど愛してると思うようになったら、彼女の事を迎え入れたいかな………」


 出会いは、フィーと同じだ。
 しかし、ここまで知り合った時間が全然違う。
 今日明日では、決めたくはない。
 それより、俺に惚れる、と言うのは、俺の加護の影響を受けている、という事だからな。
 あんまりそれで会って惚れたからヘイ、ハーレム! というのは………


フィー「ふーん………分かった…………シズキさん…………優しいね」


俺「優しいって言うか、なんて言うか……………あの怖いお父さんと戦争になったら助けてね」


フィー「大丈夫だよ…………あのお父さん、ああ見えてすごく優しそうだし、ね…………ん………♡」


 フィーはまたスリッと俺の手に頭を擦り付ける。
 猫みたい。
 プリシラの事は、もっとしっかり考えないと…………
 不意にフィーが立ち上がり、俺の股の間に座り込む。


フィー「やっぱり、ここが落ち着くね~…………」


俺「そうだなー…………」


 そうしてイチャ付きながら、俺とフィーは時間を潰した。

 ◆◇◆◇◆


 それからしばらくして梟の執事、ホッホが部屋の扉をノックして開けた。


梟執事「失礼します。お夕食の準備が整いました」


俺「はい。今行きます」


フィー「あー、いー匂ーい………………♡」


 俺とフィーは一緒に食堂に行った。
 そこには既に4人分の豪華な食事が並べられていた。
 見た目も豪華だが、しっかり量もある贅沢なA級グルメのようだ。
 フィーの分は妖精使用でしっかり少量だ。
 プリシラとガルシアはまだいない。


梟執事「お嬢様とご主人様を只今呼んできますので、先にお着きください」


 そう言うとホッホは二人を呼びに行った。
 俺たちが先に席に着いてからしばらくすると、執事がプリシラとガルシアを連れてやってきた。
 どこか2人とも難しそうな顔をしている。
 執事が椅子を引き、2人を座らせると、お辞儀をして料理の説明をした。
 ちなみに、料理は2人のシェフが作っているらしい。


梟執事「えー、メインディッシュは」


 (ry


梟執事「以上で説明を終わらせていただきます。では、ごゆっくり………」


 そう言って執事は奥の部屋に消えて行った。
 俺たちは4人だけになり、静かに夕食が始まる。
 フィーが手元の食器を持って首を傾げる。


フィー「…………なにこれ」


俺「ナイフだよ。えっと、こうやって………」


ガルシア「……………」


プリシラ「……………」


 そうしてしばらく静かに食事を続けていた時、ガルシアが口を開いた。

ガルシア「母親のミラシカが死んでから、プリシラは大切に育ててきた」


プリシラ「…………!」


 突然そんな話を振られ、俺は驚いた。
 ガルシアは食事を進めながら続ける。


ガルシア「この200年………生まれてから一度も外に出さずに、危険の及ばないこの場所で、好きな事をさせ続けた。しかし………この広い屋敷でも、プリシラには狭く退屈だったようだ。俺に隠していた憧れは溢れ出て、今日こっそり俺や使用人達の目を盗み外に出た。窓からしか見たことがなかった外の世界は、プリシラにとってとても輝いて見えたらしい。楽しくもあったようだが、当然のように土地勘も全くないため下の方に降りて結果危険な目に遭ってしまったがな」


 うん、ちょっと待って情報が多い。
 生まれてこの方家から出た事がない箱入り娘ってのは聞いたことがある。
 でも200年ってなに。


ガルシア「そして、シズキ。お前が危険な目からプリシラを救った。まあ、偶然だ………運命かも知れない」


プリシラ「…………っ……」


 ガルシアが運命、と言うプリシラが顔を赤らめた。


ガルシア「しかし………まあ、ここから先はみなまで言うまい。プリシラ、もし自分の気持ちを優先したいのなら、覚悟を決めるんだな。色々な覚悟を、な」


 よく理解が出来ない。
 この話の意味も、ガルシアがどう言う意図でプリシラにこういう話をしているのかも、俺達の前でそう言う話をするのかも。


俺「……………えっと………」


ガルシア「………………話は終わりだ」


 ガルシアはそう言うと食事を再開した。
 俺とフィーは困惑しながらもそのまま食事を終わらせた。


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


 俺たちは食事を終えた後用意された寝室に移動した。
 そこでフィーとイチャ付きながら話す。


俺「なんだったんだろうね。夕食の時のあのガルシアさんの話………」


フィー「うーん………私達よりも、プリシラちゃんに話していたみたいだけどねー………」


 俺とフィーはうーんと首を傾げた。


俺「…………まあ良い。とりあえず寝ようか。明日からの事は明日から考えよ。ガルシアさんからも、色々この街の話とかも聞いてみよう」


 俺がそう言うと、フィーが頷いた。
 色々と部屋の中に面白そうな物もあるが、今日は色々と疲れた。
 触るのは明日にしよう。
 ベッドは二つあるが………まあ一緒に寝よう。
 俺は布団をめくり、フィーを誘う。


俺「おいで、フィー」


フィー「……………シズキさんのえっち」


俺「何が………」


 人の家で如何わしい事なんてする訳がない。
 フィーはパジャマに着替えさせた人形を空いているベッドに寝かせると、俺の胸の中に飛び込んできた。
 ちっちゃくて可愛い…………
 俺は基礎体温の高い小動物のようなフィーの身体を優しく抱きしめた。


フィー「じゃ、おやすみなさい…………ちゅっ♡」


俺「あ、ぅぅぅ…………可愛いよフィー………ちゅ……♡」


フィー「んー……………♡」


 俺はフィーを撫でながら眠りについた。


 その夜…………なにかあった?>>下

 誰もが寝静まったドラゴヴェール家の屋敷。
 その中で一つ、起き上がる影があった。
 その影は自分の部屋を出ると、足音を立てないようにゆっくりととある部屋にと向かっていく。
 影は目的の部屋の前に着くと、その扉をゆっくりと開ける。
 その部屋には二つのベッドがあり、一つには小さい膨らみ、もう一つには大きい膨らみがある。
 影は二つの寝息がある事を確認すると、安心したようにため息をついた。
 そして………


 >>下

 その影はゆっくりと大きい膨らみに近付くと、そのかたえにしゃがみ込んだ。


プリシラ「…………寝てますか?」


 その影、龍人の少女は少しその男に触れ、本当に寝ているかを確認した。
 そしてその男が寝ている事が確認できると、少女はどこか寂しげな表情で呟き始めた。


プリシラ「…………寝ているので言います……………シズキさん…………好きです…………起きているあなたには言えません…………ただ、言わせてください。卑怯でごめんなさい…………あ、あなたが、助けてくれて、嬉しかったです………………に、200年、ずっと屋敷の中だけ充分だと思っていましたけど、いつからか外への憧れが止められなくて………出てみたらあんな怖い事になって…………でも、助けてくれて、ありがとうございました………………それで、好きになっちゃいました…………でも、奥さんがいたから………私は、諦めます…………は、うっ…………初恋、でした…………もう、外には出ません…………恋も、しません…………恋を教えてくれて、ありがとうございました…………楽しかったです…………ぐっ………ふぐっ………ひっ……ぁあっ…………! さ、さようなら……………ひぃーん………っ…………!」


 声を殺して泣く少女の声を部屋の外で聞いていたその父は静かに首を振ると、そこを静かに離れて行った………


 ◆◇◆◇◆


 ……………俺は目覚めてしまった。
 恐らく、プリシラが入ってきて俺が寝ているのを確認してから寝ている俺に気持ちを吐露したのだろう。
 しかし気持ちが高まり、声が大きくなってしまったのだろう。
 俺はその声で起きてしまった。
 寝ている間も耳は聞こえていたため、ほぼ全て聞こえてしまった。
 プリシラの気持ちが、全て聞こえてしまった。
 腕の中のフィーはまだ寝ているようだ。
 どどどどどどどどどっどーすればいいんだ………


 どうする………?
 このまま寝たふりを続けるか、起きるか…………>>下

 俺は寝たふりを続ける事にした。
 プリシラが何かしでかしたら起き………
 そう思っていた時、俺の頬に何か柔らかい物が当たり暖かい水滴がパタタッと落ちた。
 柔らかく、少し湿っている物。
 俺は何度も経験した事がある、唇の感覚だ。


プリシラ「ごめんなさい…………ごめんなさい…………ごめんなさいぃ…………ひぐっ、ひぃーん……………!」


 プリシラが立ち上がった気配がした。
 さらにポタポタと暖かい水滴が俺の頬に落ちる。
 


プリシラ「ぁっ、ふぁっ……………ぅっ……………」


 立ち上がったプリシラはゆっくりと扉の方に歩いていく。
 このまま立ち去らせてもいいのか………?
 俺は………
 >>下

 俺は寝起きを装って身体を動かした。
 布団の擦れる音に気づきプリシラが振り返る。


俺「ふ………んん…………あれ、プリシラちゃん…………?」


プリシラ「あ、ああ………えっと、あ、シズキ、さん………」


 プリシラは目元を急いで拭くと、何も無かったように手を後ろで組んだ。
 しかし目は思いっきり腫れ、目の下には涙の跡がある。
 というか俺の頬も濡れているし………


プリシラ「お、起こしてしまいましたか? ごめんなさい………」


俺「ああ、うん………どうしたの?」


 俺がそう聞くと、プリシラは焦ったように何かを考え、答えた。


プリシラ「あ、いや、あの、たまたま通りかかったらお二人の布団が乱れていたので、直そうと思って………直していました」


俺「うん。ありがとう………フィーの布団も直してくれたの?」


プリシラ「あ、はい………しっかり寝ていましたよ」


 フィー、ここにいるんだけど………
 隣のベッドに寝ているのはフィーのお気に入りの人形だ。


俺「ありがとうね」


 俺はとりあえずプリシラにそう言った。
 プリシラは俺が目覚めた事に動揺しながらも、笑みを浮かべる。


プリシラ「あ、は、はい。お役に立てて良かったです…………!」


 しかし、その笑みには明かな悲しみが含まれていた。
 俺は先程のプリシラの気持ちを思い出し、胸がとても痛くなった。


プリシラ「で、では、これで…………」


 プリシラは今度こそ部屋を出ようとした。


 どうする(安価多くてすまんで)>>下

 俺は耐えきれず、部屋を出ようとしたプリシラをベッドから降りて後ろから優しく抱き締めてしまった。
 堅い龍の翼が強張る。


プリシラ「え、えぁ…………? あ、あの、シズキさ……………?」


俺「……………………」


 徐々にプリシラの翼から力が抜けていく。
 俺は内心パニックになっていた。
 勢いで抱きしめてしまったが、これからどうしようか考えていた。
 とりあえず、いやらしくないように抱きしめ続ける。


プリシラ「は………ぁ……………はぁ………シズキ、さぁん……………/////」


 そうこうしている内に、プリシラは目に涙を浮かばせ、熱い吐息を吐き始める。
 危ない雰囲気になってしまった………
 その時………


フィー「ん、あれ………シズキさん…………」


 俺が起き上がった事でフィーが目覚めたらしい。
 フィーと目があったプリシラがもう一度固まった。


プリシラ「え、なんで、あっちは…………人形…………? で、でもシズキさん…………あれ………?」


 フィーがコスコスと目を擦りながら床に降り立つ。


フィー「…………で、どうするの、シズキさん…………プリシラちゃんをそんなんにしちゃって……………」


プリシラ「え、ど、どうするって…………」


 プリシラの顔は赤く吐息は熱い。
 ま、まあ、確かに俺がこうしたけれど…………


フィー「今決めて…………今この場で、プリシラちゃんをどうするか……………もう、逃げちゃダメだよシズキさん………これから先、プリシラちゃんの気持ちを受け入れるか、どうするか…………」


プリシラ「わ、私の、気持ち……………………?」


 プリシラはまだ自分の気持ちが知られていないと思っているようだ。
 フィーの鋭い眠気なまこが俺に刺さる。
 割と外堀も内堀も埋められている。
 内堀はもちろんフィーだ。
 外堀は………直接本人が言っている訳ではないが、多分だがプリシラから話を聞いていたガルシアが埋めていると思う。
 …………その上で、俺の覚悟は、>>下だ。

 ………俺を愛してくれる人がいるのなら、例え何人でも背負って見せる………
 時間をかけて知り合ってからハーレムに迎え入れるかどうかを決めたいというのもあるが、あれだけの気持ちを聞かされて断るなんてのは、あまりにも冷酷だ。
 俺は、決めた。
 プリシラを、ハーレムに入れる。
 そして、必ず幸せにする。
 俺はプリシラを抱きしめながら、彼女の耳元で言う。


俺「…………すまない、プリシラちゃんの気持ちには気付いていたんだ…………」


プリシラ「え、え………」


 プリシラの身体が徐々に熱くなってくる。
 俺の言葉の意味に気づき始めたらしい。


プリシラ「な、なん、え……………どうして……………い、いつから………………」


俺「うーん…………ごめん、ずっと。最初っからかな………会った時から?」


 プリシラの顔がカァーッ、と赤くなる。


プリシラ「え、ぇぇぇえ…………えっ、うそぉ……………き、気づかれて…………?」


フィー「バレバレだったよ…………」


 恥ずかしかさからかプリシラの身体の力が抜ける。
 俺が慌てて身体を支えると、プリシラは涙を零して泣き始めた。


プリシラ「う、うぅぅぅぅぅぅぅぅ………………」


 プリシラは嗚咽を上げながら言う。


プリシラ「で、でも、シズキさんは、フィーちゃんと結婚していて………! わ、私は………!」


フィー「大丈夫だよ、プリシラちゃん…………シズキさんはハーレム作ろうとしているから」


 おい、それ言うのか。
 プリシラがその言葉に涙を止める。

プリシラ「へ………そ、それって、不倫………」


俺「うん、えっとね。そう思うよね。じ、事情があるんだけど………プリシラちゃんは、俺の事が好きなんでしょ?」


 プリシラは呆気に取られていたが、俺のその言葉になんとかコクリと頷いた。


俺「えっと、実はさっき寝ている俺にいろいろ言った事もほぼ全部聞こえていて………」


プリシラ「え………!?」


 プリシラの顔が再び真っ赤になる。


プリシラ「ぜ、全部、全部バレてぇ……………/////」


俺「それで、プリシラちゃん言っていたよね。俺はプリシラちゃんの初恋だって。それに、俺を最後にするとも」


 プリシラが首を縦に振る。


プリシラ「はい………もう、シズキさん以外に恋は出来ないです…………シズキさん以外に恋は知りませんし、本気で、好きになってしまったので…………ひぐっ…………!」


 こんな純粋な箱入り娘を俺は惚れさせてしまったのか…………
 じっ、とフィーが本日何度目かのジト目を俺に向けてくる。
 俺は申し訳ない気持ちと一緒に、覚悟を決めた。
 プリシラの頭を撫でながら、言う。


俺「プリシラちゃんの気持ちを、無碍にはしない………プリシラちゃんの最初で最後の恋を、失恋では終わらせないから」


 プリシラが一瞬驚いたように息を止めた後、ボロボロと大量の涙を零す。
 フィーがホッとしたように笑顔になった。


プリシラ「そ………それっ、て…………?」


俺「>>下」

 俺は腕の中の少女を抱きしめながら、覚悟と優しさを込めて言った。


俺「俺の恋人に……………いや、妻になってくれないか?」


 その言葉に、プリシラは息を呑む。
 まだ付き合ってすらいないのに、こんなプロポーズをしてしまった。
 でも、もう覚悟は出来ている。


プリシラ「私が……………私が、本当に良いんですか………………? 本当に…………………?」


俺「うん。プリシラちゃん……………あのお父さんが許してくれるかどうかは分からないけど………………結婚、しよう……………?」


 プリシラはぐじゅっと鼻をすすった。


プリシラ「は、はい。し、シズキ、さん……………! ごめんなさい、本当に、私なんかが……………!」


 プリシラがそう言うと、フィーは首を振り言った。


フィー「ううん………………謝る必要は無いんだよ……………二人で、一緒に幸せになろう?」


プリシラ「っ………………! は、い………………!」


 プリシラはフィーのその言葉に勇気を貰ったように涙鼻水だらけのままにぱ、と微笑んだ。


 ◆◇◆◇◆


 一旦落ち着いて三人で俺のベッドに座った。
 俺が真ん中で、左右には腕をしっかりと掴んでいるフィーとプリシラがいる。
 さあ、ここからどうしようか……………
 話すというのも良いな。
 幸い、話すことは沢山ある。
 俺達はお互いをあまり知らないから、お互いの事を知り合うのも良い。
 これまでの道のりの話も出来る

 何かについて話すか、寝るか、それとも別の事をするか?>>下

 俺は互いのことを知り合うためにプリシラと話すことにした。


俺「とりあえず、話してみようか。まだ、お互いのことあまり知らないしね」


フィー「うん……………」


プリシラ「話、ですか………分かりました」


 まだ目を赤く腫れさせながら、プリシラが頷く。
 俺はまずプリシラに話を振った。


俺「じゃあ、プリシラちゃん。君の事について、教えてくれるかな?」


 プリシラはコクリと頷いて自分のことについて話し出した。


プリシラ「は、はい。……………私は、ご存知の通りドラゴヴェール家のプリシラ・ドラゴヴェールです。えっと、父の方針上お恥ずかしながら生まれてから今日まで屋敷を出たことが無く、今日が初めての外出でした。それからシズキさんに助けられました。それまではずっと家に引きこもり、本を読みあさっていました。そして、蓄積させた知識をなんとか活用したいと思い、ここ最近は学者として研究をしたり小説を書いたりしていました」


俺「へぇ、学者として、ねぇ…………凄いじゃん」


フィー「………………うん」


プリシラ「いえいえ、すごいなんてとんでも……………だって、実際に研究現場に行ったことなんて一度もありませんし、全部本の知識だけですよ…………」


俺「でも凄いと思うけどね」


プリシラ「あ、ありがとうございます……………♡」


 プリシラは俺に褒められたことで顔を赤らめてもじもじしながら続ける。


プリシラ「で、あと…………大事な事を伝えたいんですけど」


俺「なに?」


 今までとは違い、プリシラの声色が悲しそうになった。


プリシラ「その……………私、龍族なので、寿命が長いんです」


 あ、ああ……………そう言えば、二百歳とか言ってた気もするな。


プリシラ「だから、その……………どうしても、シズキさんを置いて行ってしまうんです」


フィー「…………………!」


 俺はようやくプリシラが言わんとすることが分かった。

俺「置いていく……………ってことは、あれだよね。寿命が………………」


プリシラ「…………………っ、はい…………………」


 プリシラの目に涙が浮かぶ。
 年月が経てば俺は老いていく。
 しかしプリシラは寿命が長く、一人変わらぬまま俺を、周りの人間を置いていく……………
 …………ダジャレじゃないぞ。


俺「龍族の寿命………って?」


プリシラ「寿命なら、五百年くらいです。お父さんは、三百七十九歳です。まだ、私は折り返し地点にも着いていない……………」


 ファンタジーの世界でも、よくある話だ。
 人間(ニュートラル)、エルフ、ホビット、ノーム、獣人…………
 それぞれにそれぞれの生き方、文化、考え、そして…………寿命がある。
 生きている時間は同じだが、それぞれにとっては一年の重さが違う。
 そして、他種族との間には、どうしてもその時間のずれが悲しみを生んでしまう。


プリシラ「な、なのでシズキさん。ナカダさんが寿命で亡くなってしまえば、私は一人ぼっちになってしまうんです。妖精のフィーちゃんも、私ほど長くは生きられない……………な、なので、もしシズキさんが亡くなったら、私は…………」


俺「だめだ」


プリシラ「えっ…………」


 とっさに、その言葉が口を衝いた。
 プリシラが何を言おうとしたのか、話の流れからなんとなく分かってしまった。


俺「………………お願いだから、俺が死んだら一緒に死ぬなんて言わないで欲しい……………」


プリシラ「でっ、でもっ、私っ、シズキさんが亡くなったら、あと二百年はずっと一人ぼっちなんです………! そんなのっ、耐えられないです…………! だ、だからせめて、後を追って………!」


俺「それは、許せない」


プリシラ「……っ!」


 俺は少し怒った。
 フィーはおろおろとしている。
 プリシラには、俺の後を追って欲しくない。
 死後の世界があるとは限らないから、追えるかも分からないのに。
 だから、俺が死んでもプリシラにはプリシラの人生を歩み続けて欲しい。
 俺は目に涙を浮かべたプリシラに願いを込めて語りかけた。


俺「…………お願いだ。生きてくれ、プリシラ。死後の世界が存在するとも限らない。死んだら楽になるなんて、思わないで欲しい。プリシラにはなるべく多くの物を残すから…………」


プリシラ「……………ひっ…………ひぐしゅっ…………!」


 プリシラは俺の言葉にまたぶわ、と涙をこぼす。
 そして、耐えきれなくなったのか、そのまま俺の胸に飛び込んできた。


プリシラ「わ、私泣いてばっか、でっ、ごめなさっ、ぁっ…………!」


 突然の出来事に少し驚いたが、俺は受け入れた。


プリシラ「わ、わがりましたっ、私っ、生きます…………! ずっと、生きますからっ…………! ナカダさんの事、たっくさん書いて、世界に発信しますからっ……………! 世界に、残しますからっ………………!」


 まあ、まだあと五十年は先の事だろうけどな…………
 それまで、あと五十年。
 あと五十年もあるのだ。
 フィーと、プリシラと暮らせる時間は、そんなにもまだ残っているのだ。
 俺はしゃくりあげるプリシラの背中に手を当て、さすった。


俺「>>下」

 (シズキのプリシラの呼び方はプリシラちゃんやで。忘れてたで)


俺「もちろん、フィーやプリシラちゃんを悲しませたくないから頑張って長生きはする。でも、まだ時間はたっぷり残っているんだし、それまで俺も多くの物を残せるように頑張るよ。楽しい思い出も……………家族も、ね」


 最後にしっかりと宣言しておく。
 今はまだこんな感じだけど、いつかは必ず「そんな」関係になる…………夫婦として、子を作るのだ。
 だから、宣言は早い方がいい。
 腕の中のプリシラが顔を赤らめて固まり、フィーも頬を染める。


プリシラ「し、シズキさん………………?」


俺「それはまあ…………夫婦になるからね。家族もちゃんと残さないと。それとも………」


 もしかして嫌かと聞こうかと思ったら、プリシラが風を起こす勢いでブンブンと首を振った。


プリシラ「いえいえいえっ! 欲しいですっ! 欲しいですシズキさんの赤ちゃ……………ん………………\\\\\」


 よし、作ろう。
 うん、絶対にいつか作ろう。


俺「とりあえずプリシラちゃんが落ち着いたら、次は俺達の事情を話すよ。それまでは好きなだけこの状態で良いからね」


 プリシラは俺の言葉に頷くと、ぽふっと俺のちゆ胸に顔をうずめた。
 その時、俺が目線を感じその方向を見ると……………


フィー「…………………………ハーレムは容認するけど……………嫉妬はするんだからね」


 俺がプリシラを撫でている手とは逆の手を広げるとそこにフィーも収まった。


 ◆◇◆◇◆


 しばらく後。
 俺はベッドの上で座ったままフィーとプリシラにサンドイッチされている。


プリシラ「では、シズキさん。その…………シズキさんとフィーちゃんの話も聞きたいです」


 左手のプリシラが言う。


俺「うん、分かった。…………俺はこの先も一緒にいるつもりだから、包み隠さず話すよ。一応、嘘はつかないって事は先に言っておくね」


プリシラ「はい」


 俺がフィーの方を見ると、頷いて話して良いよと伝えてきた。


俺「えっとね、まずは俺の故郷について、なんだけど……………」


 ◆◇◆◇◆

 ◆◇◆◇◆


プリシラ「ええ…………異世界、から…………?」

プリシラ「神様からそんな加護を………」

プリシラ「カエデさん…………こちらの世界のどこかにいるんですね…………」

プリシラ「私と一緒でフィーちゃんも助けて貰ったんですね」

プリシラ「あっ…………そ、そうして初夜を………そ、そう、ですか…………\\\\ い、いえ! 興味なんて、そんな……………」

プリシラ「ハーレム、ですか……………」


 そう、本当に包み隠さず話した。
 もっと言えばフィーが元奴隷で尻の方は既に俺より前に犯された事があることまで話した。
 そうやってここまでの道を話している内に、あっという間に一時間ほどが過ぎてしまった。


プリシラ「へぇえ……………お二人ともそんな壮絶な人生を送っていたんですね…………二百年引きこもっていた私とは人生の質が違います…………」


俺「それでも、その二百年は好きなことをしていたんでしょ? 好きなことを好きなだけやるって、良いことだと思うよ」


プリシラ「そう言ってくれると嬉しいです…………♡」


 プリシラはそう言った後少し表情を暗くした。


プリシラ「それで………この世界のどこかにいるそのカエデさん。見つかると良いですね」


俺「うん…………プリシラちゃんとフィーの前でこんな事言うのもあれだけど、会いたいな、と思っている…………」


 もし会ったとして、どう話しかけるのか、どんな話をするのか…………そして、カエデ先輩の方も今の俺を見てどう思うか…………
 何もかもが、分からない。
 なにせ、異世界転生するのも、転生した先で自分のことを好いている同郷の先輩に会うのも初めてなのだから。
 その時は、その時考えるとしよう。

 ……………さて、色々話したから今はもう日を跨いでいるだろう。
 あまり遅くなって寝不足になってもいけない。
 ………明日はプリシラと俺の事をガルシアさんに言わなければならないしな。


俺「じゃあ二人とも。そろそろ夜も遅いし、寝ようか」


 俺は二人にそう言った。
 すると二人は………


 二人はどうした?>>下

 俺は二人にそろそろ寝ようかと聞いた。
 すると…………


フィー「………………プリシラちゃん」


プリシラ「はい、何でしょうか…………?」


 フィーがプリシラの耳を借り、そこでゴニョゴニョと何か呟いた。


プリシラ「えーっ………! そ、そんなことっ……………!」


フィー「いいのいいの…………………それでね…………………」


 プリシラは顔を真っ赤にしてる。
 再びフィーが耳元でゴニョゴニョと言うと、プリシラの顔は更に紅に染まった。


プリシラ「で、でも、できませんって…………!」


フィー「…………………いいからやる。チャンスはもう無いかもよ………………?」


プリシラ「は…………はい……………! 頑張ります………………!」


 なんだ、何を話したんだ?
 なにやらもじょもじょしているプリシラはベッドから立つと俺の方を向いた。
 そして胸の前で手を動かした。


 プチッ、プチッ………パサッ…………


俺「………………えっ」


 唐突に、プリシラがパジャマのボタンを外し脱ぎ捨てたのだ。
 下着姿になったプリシラの身体はすらりと均等がとれており、大きめなたゆんとした胸がその存在を主張している。
 一瞬、俺はなにが起きたかわからなかった。


プリシラ「あ、あの…………シズキさん………………ぅ//////」


俺「えっ、えっ」


 プリシラは羞恥に耐えられないという表情のままパジャマのズボンにも手をかけゆっくりと脱いだ。
 大人しい貴族使用の純白のパンティが露わになる。
 ウロコの生えた翼がぱたぱた、同じくウロコが生えた尻尾がふりふりしている。
 そして、プリシラが言った。


プリシラ「し、シズキさんっ……………! こ、このプリシラめをっ、お召し上がりっ、くだしゃぃっ………………//////!」

 おぶふ。
 あ、ヤバい、興奮する。
 下腹部が熱くなって来た。
 ……………多分、今フィーが吹き込んだんだな……………
 な、なんつー事を………………!


俺「ま、待って落ち着いて。召し上がるの意味、分かって言ってるのか? フィー、あんまりプリシラにこんな事を言わせるんじゃな…………」


 俺が横を見た瞬間、今まで膨れ上がりかけていた欲望は、爆発的に膨張して一気に限界を突破した。


フィー「………………………♡」


 フィーも、服を脱いでいた。
 凹凸は少ないが、その味を知っている俺にとっては、その姿はどんなグラビア女優よりもエロかった。


プリシラ「シズキさん、私、ちゃんと意味も分かって言ってます………………! だから、その、き、既成事実作りませんかぁっ!?」


フィー「ね、シズキさん……………先に事をすましちゃおうよ……………そしたら、明日有利になるよ?」


 どうやら二人は明日ガルシアさんにプリシラと俺の結婚を認めてもらうために「先に既成事実作っちゃおう!」という考えらしい。
 加護の事は話しているので、百パーセント受精という事も含めての「既成事実」だろう。
 ………父親に断られる前に赤ちゃん作っちゃおう、か…………
 二人の身体を見て、勝手に喉が鳴り股間が熱く膨れてくる。
 いや、とても魅力的だが、とても魅力的だがっ……………!


 >>下

 行動、もしくは言葉>>安価下

 ……………誘われた以上、男としては後には引けない。
 女の子が男に抱かれる事を決意する事が、どれだけ大変なことか…………


俺「…………プリシラちゃん。本当に、良いね? …………絶対に、妊娠するんだよ?」


 俺がそう聞くと、プリシラはゆっくり、首を縦に振った。


プリシラ「は…………はぃ………///// そ、それと…………わ、私の事は………プリシラ、と………………♡」


俺「……………分かった」


 俺は、プリシラを抱くことにした。


 えっちの流れ。
 今回は控えめに抱くで。
 始め、中、終わり>>下3つ。
 二人一緒に抱くことも、プリシラ一人だけ抱くことも可能。

 そういえば……………
 俺は大事なことに気が付いた。


俺「このベッドってさ……………」


プリシラ「あ、えっと、大丈夫です……………その、汚しても、買い換えれば良いので……………………あ、それと、防音もきちんとしてるので、どんなに声を出しても、その、漏れることはありません、よ…………♡」


 …………まあ、お金持ちだからな。
 シーツ一枚ぐらい何てこと無いんだろう。
 それに、防音もしっかりしてると聞いて、どんなに抱いても良いことがわかり安心した。


俺「じゃあ、始めようか…………」


プリシラ「…………はい…………♡」


 プリシラが
 俺はプリシラに触れる前にフィーの方を向いた。


俺「…………フィー。今夜はプリシラ優先で良いかな?」


 今夜はプリシラの初夜だ。
 だから、フィーよりも今夜はプリシラを優先したい。
 もちろん、後で埋め合わせはするつもりだ。
 フィーは俺のその言葉に、にこ、と微笑み頷いた。
 フィーの意志を確認すると、俺は頷いてからゆっくりとプリシラの手を握った。


プリシラ「ふぁっ…………」


 プリシラは一瞬怯えたように身体を震わせると、俺の手を握り返してきた。
 俺はそのままプリシラの手を引き、とさ、とベッドに横にさせた。
 いよいよ始まる情事を思い浮かべたのか、プリシラの顔が真っ赤に染まっている。


俺「……………脱がすよ」


プリシラ「は、ふぁい……………♡」


 俺はプリシラの背中に手を回し、留め具を外した。
 まだ温もりが残るブラジャーを、フィーが受け取り棚に置いた。


プリシラ「………………っう………………//////」


 プリシラの華奢な腕に隠されて、乙女のやや大きめな胸がそこにある。
 プルンとしたフィーよりも成長したやや大きめな胸。
 俺は、まだ発展途上のこの胸が成長しきった姿を見ることは出来るのだろうか………
 広げられた翼は時折震えるように風を送り、脚の間から覗く尾は局部を隠すように丸まっている。
 俺はプリシラの手を優しく掴み、ゆっくりとのかした。
 首をプルプルと振り少し抵抗したプリシラだが、すぐに弱まり、その腕はどかされた。
 二つのピンク色の乳首が姿を現し、プリシラが恥ずかしそうに目を瞑った。
 ……………暑い………………
 俺は服の上を脱いだ。
 デブではなくなった中肉中贅の身体。
 これもまた明日の朝にはもっと引き締まるのだろうな。


俺「………………触る、よ?」


 プリシラが涙目で俺を見ながらコクリと頷く。
 俺はプリシラの身体のラインに手を沿わせた………


 プリシラの一番の性感帯>>下1
 二番>>下2
 尾、翼、角がある。
 (安価に関わらず性器、乳首は気持ちいい)

 俺はプリシラを怖がらせないように、傷つけないようにそっと包み込むように胸に触れた。
 俺が確かな柔らかさを手のひらに感じながらそれをそっと揉んだ時………


プリシラ「あ、ひぃんっ………!?」


 ビクッ、とプリシラの身体が震え、俺は慌てて手を離した。


俺「だ、大丈夫? プリシラ…………?」


プリシラ「あ…………♡ だ、大丈夫、です…………♡」


 プリシラは息を荒くしながらそう答えた。
 痛くはなかったみたいだが……………
 俺はもう一度胸に触れ、今度はさっきよりも少し大胆に胸をこねた。


プリシラ「んっ、あっ…………!!」


 すると、プリシラはとても気持ちよさそうな声を上げた。


俺「胸が…………敏感なのかな?」


プリシラ「わ、わからない、です…………♡ こ、こんなの、初めてで…………………♡ な、ナカダさんに触られるとっ…………私のおっぱい、どうかしちゃったみたいでっ…………♡」


 どうやら、胸全体が感じやすくなっているようだ。
 俺は両手でプリシラの胸を包んでから、上に、下に、もみもみと動かした。


プリシラ「あ、ふぁ、いっ…………♡ いあっ……………♡」


 プリシラは俺が手を動かす度に嬌声を上げ、また身体をびくんびくんと震わせている。
 そして俺がぐにっ、と両胸を少し強く押し込んだとき、プリシラは身体をひときわ大きく跳ねさせ、脚と翼をピンと伸ばした。


プリシラ「あ、ぁっ…………!? ~~~~~~っ♡ っ、んっ…………んんっ……………♡」


俺「ぷ、プリシラ?」


 プリシラは声を出さないように抑えていた手をゆっくりとのけ、目に涙を浮かべながら答えた。


プリシラ「はぁっ……………♡ はぁっ……………ぁっ…………♡ な、ナカダ、さん…………♡ わ、私…………なんか、キてっ…………あっ…………♡ 身体が、はぁっ…………びりびりっ、て………………♡」


 どうやら、プリシラは絶頂したらしい。
 俺はプリシラの頭を撫でながら言った。


俺「それは、イク、って言うんだ。絶頂とも言うけどね………」


プリシラ「イク…………これが、絶頂………………♡ 人生、初めての絶頂、でした……………♡」


 トロンとした顔でプリシラが俺に報告してくる。
 かわいい………
 俺のムスコが反応し始めるが、まだだ………
 俺はなんとかムスコが起きないようにクールダウンさせながら、さらにプリシラの身体を探求していった。

 俺は恐らく濡れているだろう性器には触れないようにして、そこ以外に性感帯が無いか探った。
 そうして探していたところ、次にプリシラが反応した場所は……


プリシラ「あ、あんっ……………」


 俺がゆらゆらと揺れている尻尾に触れた時だった。
 プリシラがまた、身体を震わせた。


俺「ここ、かな…………?」


 プリシラが頬を紅潮させながら静かに頷いた。
 俺は重量感のある太いその竜の尾を撫でたり、揉んだり、時には舐めたりした。
 そのたびにプリシラがさっき胸を触ったときみたいにびくびくと身体を反応させる。


プリシラ「んぁ…………♡ んぅあ、しっ、シズキさんっ………♡ そこもっ、きもちぃっ、あっ………♡ ぁ、あ、あっ、ぁあっ♡ くっ、いきま、いきますっ、イクっ…………イッ…………♡」


俺「んぅ……………ん………ふぅっ……………」


プリシラ「いぃっ……………~~~~~~っ♡♡っぁ♡」


 プリシラが仰け反って、また下着が湿った。
 なるほど……………プリシラの性感帯は、胸と尻尾らしいな…………
 性感帯を見つけ終えた俺は尻尾を弄るのを止めて、またプリシラに覆い被さる形で向き合った。


プリシラ「………………ぁあ…………はぁ………………シズキ、さん……………♡」


俺「プリ、シラ……………」


 温度が高まっていく中、俺は一度フィーを見た。
 フィーは俺とプリシラの絡みを見て興奮したらしく、じっと俺達を見ながら股を擦り合わせていた。
 そして俺がフィーを見ている事に気づくと、フィーはにこと微笑んで、気にせず続けて良いよ、と目で伝えてきた。
 俺は頷き、プリシラを見た。
 ウブで、処女で、俺を一途に愛してくれている竜人の女の子…………
 お互いに見つめ合っていく内に、ゆっくり、ゆっくりと二人の唇は近づいて行き……………俺はプリシラのファーストキスを奪った。
 柔らかい、優しい、ただ唇を濡らし合い、舌の先っぽがちょっと触れ合うくらいのキス。
 それでも、お互いの体温を底上げするには、十分すぎる口付けだった。
 俺のムスコが、熱く、なってきた…………!


俺「>>下」

プリシラ「はぁ……………ぁ♡ し、シズキさん…………わ、私のキス、下手でした……………?」


 プリシラがファーストキスを終えると、そう俺に聞いてきた。
 初めてだから上手いも下手も無いと思うが…………
 俺は少し考えて、こう答えた。


俺「……………気持ちよかったよ、プリシラ……………心が、蕩けそうだった………………」


プリシラ「そ、そう、ですか………………♡」


 プリシラが頬に手を当てて、はにかんだ。
 さて……………俺は頃合いと見て愛撫を止めることにし、プリシラに覆い被さる格好からベッドに座り込む格好に体勢を変えた。
 こうしないと、既に痛い…………


プリシラ「シズキさん………?」


俺「ああ、ごめん、プリシラ…………イテテテ…………」


 俺ははちきれそうになってるズボンのチャックに手をかけ、ボタンを外した。
 ビンッ! と腕のように太く大きい俺のチンコが、パンツ越しに起った。


プリシラ「………………へ?」


フィー「やっぱ凄い…………………♡」


 先走り汁でパンツが漏らしたように濡れていて、ムワッ、とキツい匂いが部屋に充満する。
 目の前の出来事に固まるプリシラと、そのプリシラの様子を見て頬を紅潮させながら俺のチンコによりかかってくるフィー……………


フィー「シズキさん…………私がプリシラちゃんにちょっと教えても、良い……………?」


 そう言ってフィーはペロリと唇を舐めた。
 教える、ってフェラの手解きを教えるのか…………
 流石に初体験のプリシラに急に咥えろとは言うつもりは無かったが、フィーが先導してくれるのなら少しやって貰おうか。
 俺が肯定の意味で、フィーは嬉しそうに目を細めた。

フィー「ん……………♡ じゃあ、プリシラちゃん…………………プリシラちゃん?」


 フィーがプリシラを見ると、プリシラは俺のチンコを凝視しながら、小さな声で「え、男の人ってあんな……………えっ、入らない……………絶対入らない………………」と言いながらプルプルと首を横に振っていた。
 よく見れば目に涙も浮かべている。


フィー「……………………大丈夫だよ、プリシラちゃん」


 フィーがそう言うと、プリシラがはっと顔を上げる。


プリシラ「あっ…………ごっ、ごめんなさい………………少し、その、驚いて…………………」


フィー「まあ、気持ちは分かる……………………でも、心配しなくて良いよ……………とりあえず、今はこっちに来て…………ね? ……………こんな風に、触ってみて………………」


 フィーが俺のチンコを離れ、プリシラの手を引いた。
 そして、その手をゆっくりと俺のチンコに導く。
 指先が俺のチンコに触れた時、ピクッとプリシラが震えたが、そのまま包み込むように俺の亀頭を触った。


プリシラ「………………っ…………………あ、熱い………………」


フィー「…………………次、脱がしてみて…………………」


プリシラ「え、ぬ、脱がすって、そんな………………」


フィー「………………やる」


プリシラ「は、はい……………」


 フィーの気迫に押されて、プリシラがパンツを脱ぐために少し俺に近づく。
 その時、プリシラの胸にチンコが触れ、俺のチンコの長さを再確認したプリシラはたじろいだ。


フィー「……………大丈夫………………私も入ったんだから」


プリシラ「あう……………」


 一瞬信じられないという表情をしながら、プリシラは恐る恐るチンコチンコで伸びきっている俺のパンツに手をかけた。


プリシラ「で、では、失礼、します……………」


 プリシラにずりずりとパンツが引っ張られ、徐々にそのグロテスクな本体が姿を現す。
 そして、パンツの縁が亀頭を越えた時、溜められた弾性が解放され、ばるんっ、とチンコが跳ね、我慢汁をピチピチと跳ばしすぐ近くにいたプリシラにいくらかかかった。


プリシラ「きゃっ……………!」


フィー「ん………………良くできました………………」


 フィーは頷いてプリシラの横に座り込んだ。


フィー「………………じゃあ、これから舐めるよ」

プリシラ「な、舐める………………あの、これを……………?」


 プリシラが人生で初めて見るであろう家族以外のチンコに恐る恐る直で触れた。


フィー「そ………………私が教えてあげるから、その通りにやってね……………♡」


 フィーの言葉に、プリシラは戸惑いながらもコクリと頷いた。


 どこまでやってもらう?
 最初なので少し舐めて貰うだけか、寸止めまで舐めて貰うか、最後まで舐めてもらってぶっかけるか。
 >>下

新年アヘまして御目出度でございます

 >>903今年も宜しくオナがいします。

俺「じゃあ、俺が止めて、と言ったら、止めてくれる…………?」


 最初っから顔射は流石に気が引けるので、俺が寸止めして貰うつもりでそう言うと、プリシラとフィーはそれぞれ可愛く頷いた。
 プリシラは俺のチンコに目をやる。


プリシラ「じゃ、じゃあ、えっと………………」


フィー「…………こう、ベロを出して………………チロリッ、て………………」


 何をすればいいか分からないプリシラに、フィーが手本を身振りで見せる。
 プリシラはフィーに教えられたとおりに、まずビコビコと脈打つチンコを両手で優しく固定し、震える舌を出し亀頭の表面をペロッと舐めた。
 玉になっていた先走り汁を舌の先で拾い、口の中に収めると、プリシラはもにゅもにゅと口を動かした。


プリシラ「ん………んむ………………」


 そして小さく喉を鳴らすと、熱い吐息を吐いて言った。


プリシラ「はぁぁ……………♡ ふ、不思議な……………味、です…………………♡」


俺「お、おぅ…………………」


 その仕草に、俺の本能が一段と興奮する。
 フィーが続けるように促すと、プリシラはまた俺のチンコをまるで高級なアイスクリームでも舐めるように、上品に、かつエロチックに舐め始めた。


プリシラ「ぁ………………ん、ぺちゅ…………………んぉぅ………………ん、んろぉ…………………♡」


俺「あ、ああ…………………ん、あ…………………」


 フィーでは舐めきれない範囲を、先の尖った龍の舌が綺麗にしていく。
 平均的な人間の舌よりも長い龍の舌は、より沢山の先走り汁をかき集め、味わうために動き回る。
 ああ………………ちょっと、ヤバい、な…………………
 割とすぐにイってしまいそうだ……………
 そう思っていた時、フィーがプリシラの口淫を制止した。


フィー「………………………ちょっと、良い?」


プリシラ「ん……………は、はい。なんでしょうか……………?」


 プリシラが舌を離すと、舌とチンコの間で唾液か先走り汁の銀の糸が伸びた。


フィー「…………………私には無いものがせっかくあるんだから、使っちゃわないと……………………ね?」


 フィーが自分の胸を寄せながらそう言うと、プリシラは一瞬はわわと恥ずかしがったが、すぐに言われたとおりに胸をぐに、と持ち上げ、俺のチンコを挟んだ。
 全然収まりきっていないが、それでも暖かい物に包まれたことによる快楽は格別だった。


俺「あっ……………………うぁっ……………くぅ…………………!」


プリシラ「んぉ………………んちゅる……………ちゅぅ……………♡ ぺろぉ……………♡」


 プリシラはまだ初々しい手付きで胸を動かしながら、ペロペロとカリ、鈴口など俺が反応した部分を中心的に舐めていく。
 プリシラは勢いがついてきたが、俺とて夜の戦士ではない。
 これ以上やられたら、せっかくの精子が出てしまう……………


俺「はぁっ…………………プ、プリシラ……………ごめん、もう、ストップ………………!」


プリシラ「んちゅ…………………ん、はい…………………ん…………………♡」


 そろそろ限界だったため、夢中でチンコを舐めるプリシラの頬を撫で、止めさせた。
 プリシラはしぶしぶといった様子で口と胸を離した。

プリシラ「ど、どう、でしたか…………?」


俺「うん……………とても、気持ちよかったよ」


 ちょっぴり舌なめずりしながらプリシラが聞いてきたため、俺は素直な感想を伝えた。
 フィーもコクコクと頷いている。


フィー「プリシラちゃんは私より大きいから、こういうのは私より断然得意…………………これからも、頑張ってナカダさんを気持ちよくしてあげてね…………………♡」


プリシラ「はい……………………♡」


 何か女子同士で変な絆が出来たらしい。
 俺はチンコが冷めないうちにプリシラと繋がろうと思ったので、その旨を伝えた。


俺「プリシラちゃん……………そろそろ、つ……………繋がる…………?」


 俺がそう言うと、プリシラは顔をカアと赤らめ、ゆーっくりと、頷いた。
 プリシラはその場で立ち、秘部の下に俺のチンコが来る位置まで移動した。


プリシラ「あ、あの、ほ、本当に、こ、こんな大きさの、入るんですか………………?」


フィー「大丈夫だよ…………………私も、ちゃんと見守ってるから………………ゆっくり、そのまま下ろして……………………」


俺「あ、ちょっと待って……………」


 俺が一度確認のためにプリシラの秘部に触れてみると、プリシラは「ひゃん………………♡」と小さく可愛らしい声を上げた。

俺「うん………………大丈夫そうだね」

 触ってみると、愛液が股を伝うほどトロトロに染み出ており前戯の必要は無さそうだった。
 俺がプリシラの腰に手を添え、もしプリシラの足の力が抜けても俺のチンコが貫くような事にならないようにしっかりと支えると、プリシラも尻尾を俺の腕に巻き付けて来て自身の体重を支えた。


プリシラ「じゃ、じゃあ………………はぁ……………はぁ………………♡ お、お願い、します…………………♡」


俺「うん………………ゆっくり、ね…………………」


 俺の言葉の後もプリシラは緊張しているのかしばらく静止していたが、目を閉じると、ゆっくり腰を下ろしてきた。


 プチュ


プリシラ「ぁ………………ふっ………………………!」


俺「んぅ………………!」


 俺のチンコとプリシラの秘部がくっつき、キスを交わす。
 またプリシラが止まり、息を吐いた。

俺「大丈夫………………ゆっくりで、良いから……………」


プリシラ「は…………………………いっ……………!」


 そう言いながら、プリシラが数センチ腰を落とした。
 チンコの先が少しだけプリシラの膣内に侵入し、刺激を与えた。
 その瞬間プリシラの腰がカクンッと抜けたため、俺は慌ててプリシラを支えた。


プリシラ「あ、ぁっ………………………♡」


俺「うぉっと!?」


プリシラ「は、ぁっ………………はぁぁ…………ご、ごめにゃさっ…………………♡ ん………………………♡」


 あ、危うく串刺しになる所だった………………
 俺はプリシラの頭を撫でて、気を落ち着かせた。
 落ち着いたプリシラはまたゆっくりと腰を落として行く。


プリシラ「ぁ……………………ぁあぁっ…………………♡ ひゃあ…………………ん…………………あ、あれ………………意外と……………………大丈夫、です、ね………………♡ んぁ……………………♡ 熱いぃっ………………♡」


 ズプ……………ズプププ………………………♡


 フィーの時と同じように、俺のチンコは膣内でどうやら変形しているようだ。
 この力は本当に助かる………………ありがとう、神様……………

 ゆっくり、じわじわながら、俺のチンコが半分ほどプリシラの中に挿入された時。


俺「ふぅ……………ふぅぅ…………………」


プリシラ「はぁ………………はぁ……………♡ ……………っ!? い、痛っ…………………………!」


俺「プ、プリシラちゃん………………!?」


 プツンッという小さい音と共に、プリシラが目に涙を浮かべた。
 恐らく、処女膜だろう。

俺「大丈夫………………?」


プリシラ「は……………はい…………………これ、処女、膜ですよ、ね………………」


俺「うん、多分……………………どうしたい? 一気に行っちゃうか、ゆっくり、痛まないようにするか……………」


 俺がプリシラにそう聞くと、プリシラは息を荒くしながら選択を伝えた。


プリシラ「い、一気に…………………行って欲しい………………です……………………♡」


 俺は頷いた。
 俺は一気にというプリシラのお願いを実行するために、俺はプリシラの腰に腕を回した。


俺「じゃあ、合図を言ったら、力を抜いてね…………………! 痛いかも知れないけど、我慢して、ね…………………!」


プリシラ「は、はい………………………!」


 俺はプリシラと目を合わし、息を合わし、鼓動を合わし……………………


俺「せー、のっ………………!」


プリシラ「……………………っ!」


 プリシラを、思い切り引き寄せた。


 ブチブチブヂッ、ブヂンッ! コリンッ♡


プリシラ「……………………~っ…………! ~~~~~っ………………♡」


 俺のチンコは根元までずっぽりとプリシラの中に飲み込まれ、先がコリコリとした何かに衝突した。
 つうと結合部を赤いものが流れる。
 プリシラは舌を出し、金魚みたいに口をぱくぱくさせている。
 痛かったり気持ち良かったりで、脳がパニックを起こしたのだろう。
 

プリシラ「はっ……………! はぁっ…………………♡ はっ、はっ………………!!!」


俺「はぁ………………♡ ぷ、プリシラちゃん……………!」


 俺の感覚的に、プリシラの大きさに合わせて変化したチンコは、三十センチ程になっていると思う。
 俺はプリシラの背に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
 息が荒かったプリシラもその内少しずつ収まっていき、俺の背に手を回し、抱き返してきた。


プリシラ「はぁ……………し、シズキさん……………わ、私…………………シズキさんと………………繋がって、る…………………?」


俺「うん……………繋がってるよ、プリシラちゃん…………………」


プリシラ「あ、よ、良かった……………です………………♡ す、好き………………………♡ し、シズキ、さん………………♡」


 それからしばらく、俺とプリシラは動かずに抱きしめあい、ちょっとずつ呟き合った。


俺「そろそろ、動くよ……………」

 もう充分この時間を堪能したと思った俺がプリシラにそう言うと、プリシラは頷いた。


プリシラ「はい………………♡」


 そう言うが早く、プリシラは自分から腰を五センチほど浮かした。


 ズ、ズズッ、ズズゥ……………♡


プリシラ「あっ、あぁっ、あああっ……………♡ んあっ……………♡」


俺「あっ、んっ………………プリシラ、ちょっ………………♡」


 プリュプリュと言う不思議なプリシラの膣壁の触感が、柔らかく、それでいてキツく俺のチンコを擦り付ける。
 プリシラはそのまま一気に腰を落とした。


 ポチュッ♡


プリシラ「ぅああっ♡ はぁっ♡」


俺「ま、待って、もっと、ゆっくり………………!」


 俺がそう言うのも聞かず、プリシラは更に腰を浮かす。
 今度は、羽根をパタパタと嬉しそうに動かしながら。


プリシラ「はぁぁっ♡ んはぁっ♡ ん~っ…………………♡」


俺「ま、あっ………………♡」


 そして、羽ばたきが止むと共に、重力に従ってプリシラも落ちる。


 パヂュンッ♡


プリシラ「んぁぁぁっ、んあっ……………♡」


俺「まって、ほ、ほんとに、あっ……………! ストッ…………………!」


プリシラ「と、止まらないっ、ですっ♡ 気持ちよ、すぎてっ♡ ごめんなさいっ♡ シズキさぁんっ♡」


 プリシラがそう言いながらガクガクと震えた。
 イった。
 だが、俺も、そろそろヤバい…………………!
 ぽちゅぽちゅぽちゅぽちゅと亀頭と子宮口がディープキスを繰り返す度に、多福感がどんどんと高まっていく。
 ま、まさかこんなに積極的な子だったなんて……………………!


 パチュパチュポチュコチュペチュペチュトチュ♡


プリシラ「はん、あん、いっ♡ んあっ♡ あんっ、あぁっ♡ シズキさんっ♡ シズキさんっ♡」


 あ、ああっ……………! 精子が、決壊しようとしてる……………!


俺「ぷ、プリシラちゃんっ、も、もう出そうっ! 出る!」


 俺がそう叫ぶと、プリシラは嬉しそうに目を細めさせ、プチャペチュと上下運動を止めないまま俺の口に吸い付いた。


プリシラ「んっ、んんっ♡ んぅぅ♡ んむぅむ♡」


俺「ん、んんんんっ♡ ん~っ♡ んんんんんっ♡」


 舌をいやらしく絡め合いながら、俺はプリシラの腰を思い切り抱きしめ、チンコで子宮口をこじ開けた。
 そして、子宮内で…………………爆発したっ……………!

 ボビュグウゥウウウウゥウウウゥゥゥッ♡ ビュゴルルルルルルルルルルッ♡ ボリュウウウゥウッ♡


プリシラ「んんん~~~~~っ♡ んうっ……………………ふぁ……………………………♡」


 俺がイったと同時に、プリシラもビクンビクンと身体中の筋肉を痙攣させた。
 有り得ない量の精子を子宮に叩きつけられながら、プリシラはとてつもなく恍惚とした表情を浮かべている………………


俺「んぁ………………んぅ…………………♡ んれろ…………………♡」


 ボビュウウウッ、ボビュゥゥゥッ………………♡ ビュル~ッ♡


 俺は舌を絡めに絡めながら、プリシラの尾を揉みまくった。
 プリシラがビクビクと跳ね、喘ぎ、更に追加でもう一度イった。


プリシラ「おっ、あえっ、んぁっ……………♡ そ、そこらめぇ………………♡」


 とうとう許容量を越したのか、結合部から俺の精液とプリシラの愛液が混じった物が溢れ出した。
 ゴポゴポと音を立てながら、シーツに赤色の混じった白い水溜まりを作る。


プリシラ「ん、んひぃ…………………あ、あか、ちゃん…………………♡」


 プリシラが朦朧とした感じで俺にもたれ掛かってきた。
 俺は力の抜けた手でその頭をゆっくりと撫でる。


俺「はぁ……………………♡ はぁ……………………………♡」


プリシラ「し、シズキさん………………こっち、向いて………………♡ んむ………………んちゅ………………♡」


 また、プリシラにキスをされた。
 俺もそれに従って舌を出し、尾を揉む。
 またプリシラがイく。


俺「ふぅ………………ふぁ……………じゃ、じゃあ、抜く、よ…………………」


プリシラ「は、はいっ…………………♡」


 俺は体勢を変え、プリシラに覆い被さる形になってから、ゆっくりとチンコを引き抜き始めた。


 ズル、ズルルルゥ………………ズルッ……………!


プリシラ「はっ、はぁっ…………………あぁっ………………♡ んあっ♡」


 元の大きさになったチンコがプリシラから抜け、ビュ、ビュ、と精管に残っていた精液を撒き散らしながらベチャンとプリシラのお腹の上に音を立てて乗った。


プリシラ「あ、ああ…………………♡ びちゃびちゃに……………なっちゃいました…………………♡」


俺「あ……………ご、ごめん…………………」


 俺がそう言うと、プリシラがこれまたエロくはにかんだ。

 一段落が付いた俺はそう言えばと思い、フィーを見た。


フィー「はっ………………んぁっ…………………………………んんんっ…………………………………♡」


 ……………フィーは俺のチンコを凝視しながら自慰をしていた。
 俺が見ている事に気付くと、ニッコリ微笑んで身体を振るわせ、プチャッと可愛らしい絶頂をした。


フィー「……………………終わった……………………?」


俺「まあ……………………うん」


 おっと……………しかしどうやらこれは終わりでは無かったようだ。
 フィーに見られて、またチンコが元気を取り戻してしまった。
 プリシラが生まれたての小鹿のように身体を震わせながら起き上がり、フィーが四つ足で嬉しそうに近づいてきた。


プリシラ「はぁ、はぁ…………………♡ フィーちゃん……………今は、私の番ですよ…………………?」


フィー「ん………………プリシラちゃんの番は終わり…………………もう、私も我慢出来ない……………………♡」


プリシラ「じゃあ………………一緒に…………………♡」


フィー「…………………ナイスアイディア……………………♡」


 そう言いながら、二人揃って舌を俺の精液まみれのチンコに這わす。

 ああ………………まだ、今夜は眠れなそうだ………………


 ◆◇◆◇◆


 次の朝、どんな時間にどう起きたか>>安価下

 翌朝 〜異世界生活51日目〜


 俺は窓から差し込んできた朝日に照らされ、自然に目が覚めた。


俺「ふ……………ん…………………?」


 俺はのびをしようとしてそれが出来ない事に気づいた。


フィー「………………………すぅ………………」


プリシラ「ん……………う……………………♡」


 昨日よりも引き締まった両腕を、美少女二人に抱きしめられていたからだ。
 その裸体は綺麗な白いシーツに隠されてはいたが、昨夜それを堪能した身としてはその下がありありと想像出来ていけない。
 ………………また、その時あることに気づいた。
 昨夜カーテンはぴったりとしまっていたハズだ。
 それなのに、今カーテンは朝日をめいいっぱい部屋に取り込むために全開にされている。
 また、このシーツ。
 昨夜の情事でシーツは血やら精液やら愛液やらでドロドロになっていたハズだ。
 それなのに、今俺達にかけられているシーツは天使の羽根がごとく白い。

 …………………誰かが、整えた………………?

 その事に気づいた俺はまず二人の胸の中からゆっくりと腕を引き抜き、状況を整えようと起きあがろうとした。
 しかし、その時全身に激痛が走った。


俺「イデデデデデデデデデッ!?」


 まるで筋細胞全てが引きちぎられるような痛み。
 それと、下腹部、主にキンタマとチンコへの雷のような強烈な痛み。
 俺は思わずベッドから転げ落ちてのたうち回った。


俺「がっ……………! ああああっ………………! う、いいったああああぁあぁっ……………!」


 継続した激痛に襲われながら、俺は激痛の原因に思い当たった。


『性行為中はいくらでも射精出来るし、疲れない。ただし翌日反動が来るから本当に気を付けてね』


 まさか、これが、あの神が言っていた反動か…………………?
 確かに、フィーとセックスしている時はスローで、はっきり言ってそんなに大変では無かった。
 しかし、二人を同時に相手にしたことで、神が言っていた反動が起きるほどの運動量と射精量を越えたのだろう……………
 いっつぁあああぁぁっ………………!


フィー「し、シズキさん、どう、したの…………………………?」


 俺が床で元気のないミミズのようになっていると、俺がベッドから落ちた衝撃で起きたらしいフィーが心配して声をかけてきた。


俺「あ゛、ああ゛……………だ、だい、じょうぶ…………………」


フィー「ほんとに………………?」


俺「う、うん……………………」


 少しずつ痛みは治まってきた………………ああ、マジ最悪だ………………

俺「はぁ………………はぁ…………………」


フィー「……………………………本当にどうしたの………………? なんか、叫んでたけど………………」


 俺は、俺の頬を撫でているフィーに反動の事を話した。


フィー「反動………………じゃ、じゃあ、私たちが、はしゃぎすぎちゃったの………………?」


俺「まあそうだね………………次は、もちょっとゆっくりやって欲しいな………………」


フィー「ん、分かった…………………♡」


 俺はまだズキズキとするチンコを抑えながら、立ち上がった。
 どうやら、まだプリシラはすやすやと寝ているようだ。
 それよりも、今は誰かに手を加えられたとしか思えないこの不自然な状況が気になる………
 まさか、執事のホッホが部屋に入ってきて整えて行ったのか………………………?
 それなら必ず裸の俺達が目に入るハズだ……………どうして、俺達に何も言わずに出て行った………………?
 …………………わからない………………
 とりあえず、現在全員が全裸だ。
 どうする………………?>>下1

俺「と、とりあえず、身体をきれいにして服を着ないと…………!」


 俺たちの身体は色々と張り付いてカピカピベタベタになっている。
 俺の言葉にフィーも乾いた精液が痒いのか身体を掻いた。


フィー「まあ………そだね」


 俺はゆっくり、静かに、優しくプリシラを起こした。


プリシラ「んっ……………♡ ん、んぅぁっ………………そ、そこ、らめっ………………♡ し、シズキ、さ………………………ん………………? あ、ん……………おお、おはよう、ございます………………////」


 プリシラは寝ぼけてとても艶めかしい寝言を言い、目を開けると顔を赤らめながら起きた。
 おおかた夢の中でも俺と情事に浸っていたのだろう……………


プリシラ「あ、あの…………聞こえて、いました?」


俺「聞こえていたって………………寝言?」


プリシラ「えっ、あっ………………はい………………………//// あ、あの、わ、私はなんと…………………?」


 プリシラが恐る恐るそう聞いてくると、フィーが唐突にベッドに仰向けになった。


フィー「ん、んんんっ♡ あっ、ああっ♡ ソコらめぇえぇええっ♡ シズキさん、シズキさぁああぁあぁぁぁんっ♡♡♡ んあっ♡ いっひゃぅううぅぅっ♡♡♡ ………………………って」


プリシラ「う、嘘は駄目ですよ嘘は!? 私、そ、そんなに言ったつもりはありませんからね!? ねー、シズキさん!」


 どうやらフィーはモノマネをしたつもりだったらしい。
 似ているかどうかは置いておいて、迫真の演技だった………
 フィーのあんな声を聞いてしまった俺は、何だか股間が元気になってしまいそうになり、慌てて心頭を滅却させた。


俺「………うん、ちょっとフィーのはやりすぎだけど、確かにあんな事言ってたよ」


プリシラ「そっ…………そんにゃ…………/////」


 プリシラは顔からプシューと煙を出してへたり込んだ。


俺「………とりあえず、シャワーを浴びよう。だ、誰にも見つからないように行かないと…………」


フィー「そうだね……………」


プリシラ「は、はい……………////」


 俺たちは服を抱え、廊下に誰もいないかを確認し、さながら映画スパイのように風呂に滑り込んだ。
 脱衣所に服を置いて、いざシャワータイムだ…………!


俺「ふう……………あ、ところで、お湯って出るの?」


 風呂場に入ってから俺がそう聞くと、プリシラは頷いた。


プリシラ「はい。ここをひねると、自動的に水がお湯になります」


 プリシラそう言ってハンドルをひねると、最初こそ冷たい水が出てきたが、少しすると湯気が風呂場に満ち始めた。
 多分、これも魔法の類いなのだろう。
 俺たちはその温かいシャワーを浴びながら、互いに洗いあった。
 …………理性を保つのが大変でした、ハイ。

フィー「あったかーい……………♡」


プリシラ「あの、所でシズキさん……………んっ……………♡」


俺「なに?」


 俺がプリシラの尻尾を洗っていると、プリシラが聞いてきた。


プリシラ「あの、起きたときから気になってはいたんですが……………その、お身体、ど、どうされたのですか………………?」


 ああ、そうだった。
 俺の身体は、また………

 筋力:26×1.4
 体力:22.3×1.4
 瞬発力:19.3×1.4
 知力:77×1.4

 リザルト:
 筋力:36.4
 体力:31.2
 瞬発力:27
 知力:107.8

 今日はおやすみやで。

俺「えっと…………実はプリシラちゃん。昨日、確か赤ちゃん一発で出来る、って言ったよね?」


 俺がそう聞くと、プリシラは頬を染めて頷き、お腹を撫でた。
 俺はプリシラの身体を洗いながら続ける。


俺「………これは俺がハーレムを作ろうとしている理由の一つにもなるんだけど、赤ちゃんが出来るたびに、俺の力が増強されるんだ。だから、元々太ってる俺はこうして痩せたんだ」


プリシラ「な、なるほど…………あ、ん………♡」


 俺はプリシラの胸を洗った。
 あくまで洗った。
 下心は無いぞ、ただ洗ったんだ。

 とりあえず、そうして互いに洗いあって綺麗になってから、俺たちは服を着ようとした。


俺「……………え?」


プリシラ「…………あれ………?」


フィー「………………誰かが…………入れ替えた?」


 ………まさか思ってもいなかった。
 置いておいた服が無くなっていて、綺麗なバスローブが替わりに置かれているなんて。

 ◆◇◆◇◆


 一度そのバスローブを着て、俺たちは自室に戻った。


俺「……………ど、どう、するか…………」


フィー「かくじつに、バレてる……………」


プリシラ「お、怒られるよぉ…………!」


 俺のバスローブは昨日のサイズのままだったので少しブカブカで、フィーのはサイズが無かったのか赤ちゃん用のバスローブだった。
 この状況は、完璧に確定だ。
 …………ホッホが、ちょっとずつ俺たちの世話をしている。
 梟は、音もなく獲物に近づくという…………


俺「…………ガルシアさんも、知ってるよね」


プリシラ「そ、それはまだどっちか…………」


フィー「……………それも、かくじつ…………」


プリシラ「う、うぅ……………」


 …………このまま俺たちの部屋に籠城している訳には行かない。
 いつかは一階に降りて、お義父さん達の前に姿を現さないと………

 どうする?>>下

 よく見れば、俺たちがついさっきまで寝ていたシーツすらも取り替えられている。
 ここまで来るともう怖いぞ………


俺「…………一階に降りるか」


プリシラ「は、はいぃ…………」


 俺の言葉にプリシラは頷いたが、フィーは少し険しい顔で俺に言った。


フィー「……………ガルシアさんと会うの…………覚悟しといてね」


俺「は、はい……………」


 その言葉に、俺の心は極寒の如く凍りついていた。


 ◆◇◆◇◆


俺「………………」


フィー「…………………」


プリシラ「………………ぅぅ……………」


 鉛の如く………いや、黄金の如く重い食卓の空気。
 食事の味など頭に入らないほど、空気が張り詰めている。
 スプーンを口に運ぶ手の重いこと重いこと。
 …………一人、フィーだけは人形を膝の上に、パクパクと食べていた。
 そのとてつもなく重い空気の原因はもちろん…………


ガルシア「…………………………」


 ガルシア・ドラゴヴェール、その人だった。
 ガルシアは普通に食事を口に運びながらも、殺意にも似たあり得ない程の威圧感を発している。
 しばらく後、ガルシアがゆっくり口を開いた。


ガルシア「………たった一晩で随分変わったな、シズキ君」


俺「は、はい…………こ、これには理由が…………」


 俺は痩せた訳を話そうとしたが、ガルシアが手を挙げたので反射的に黙ってしまった。


ガルシア「………………何か言うことはないか?」


 それは有無をも言わせぬ死刑宣告。
 …………俺はその発言と目線に何か言わないといけないと運命付けられた。


俺「>>下」

 俺は威圧感で震える手でスプーンを置き、ガルシアに向けて頭を下げた。
 全身全霊で、出来るだけ頭を下げた。


俺「……………むっ………娘さんを、私にください……………っ! か、必ず、幸せにし続けると誓います……………っ!」


 人生二度目の、この言葉。
 しかし決して軽い訳ではなく、なんなら一度目よりも重いように感じられる。
 ポタポタと油汗が頬を伝い机に落ちる。
 既に嫁が一人いると明言していた男のこの言葉………ガルシアはどう捉えるのだろうか…………
 カチャン、と誰かがスプーンを置いた。


ガルシア「……………プリシラ」


プリシラ「ひゃ、ひゃい…………!」


 俺は頭を下げたまま二人の会話を聞く。


ガルシア「…………良く、覚悟を決めて決断した。一度は寝ているシズキさんの耳許で独り言を言っただけでやはりダメかと思ったが、それでも最後にはちゃんとシズキさんに心の内を言えたんだな」


プリシラ「い、いや、そんな…………わ、私の力じゃなくて、シズキさんがあそこで引き止めてくれたから…………って、見てたんですか!?」


ガルシア「ああ、告白の様子は見ていた。まあ、プリシラが諦めたと思って途中からは見ていなかったがな。その後は…………分かるよな? 防音と言っても、全ての音を消せる訳じゃ無いんだぞ?」


プリシラ「は、はわぁ………………////////」


 全て、ガルシアにはお見通しだったようだ。
 寝ている俺にプリシラが心の内を吐露した事も、その後の事も………


ガルシア「シズキさんには既にお嫁さんがいる………それを、プリシラも、フィーさんも、承知の上なんだろう」


フィー「……………はい」


プリシラ「う、うん……………」


ガルシア「……………ふぅ…………」


 その二人の言葉を聞いて、ガルシアはなにかホッとしたように息を吐いた。
 そして、ガルシアが俺に向けて頭を下げたのが分かった。


ガルシア「………………娘を頼む。恋をしてしまった娘を、幸せにしてくれ」


 それは、強大な力を持った龍人の御言葉でも無く、マフィアのボスの死刑宣告でも無く、ただ、一人の父親としての、優しい言葉だった。


俺「>>下」

 生存報告。

俺「あ、ありがとうございますお義父さん! 必ず幸せにします!」


 俺はそれはもう凄い勢いで頭を下げてガルシアに感謝した。
 たった一人の娘を、俺にくれると言うのだ。
 それはそれは、全身全霊で頭を下げた。
 2人揃って頭を下げ合っている。
 フッ、と先に頭を上げたガルシアが笑い、言った。


ガルシア「頭を上げてくれ、シズキ君」


俺「は、はい…………!」


ガルシア「…………頼んだよ。プリシラも、幸せになりなさい…………」


プリシラ「………はい!」


 プリシラは、恥ずかしがりながらとっても元気よく頷いた。


 ◆◇◆◇◆


 今はガルシア……いや、ガルシアお義父さんの勧めで、まだ屋敷に居座らせて貰っている。
 だが、ずっとここにいるわけにも行かない。
 いつか俺たちがプリシラと一緒にこの街、カトプレパスを離れると言う事はガルシアお義父さんも了承してくれている。
 カトプレパスを離れるまでの計画を立てる為に、俺たちは地図を覗き込んでいた。


プリシラ「シズキさん、この後どうしましょうか?」


俺「うーん………一度朝市にも行ってみたい気もするが…………あんまりお義父さんのお屋敷に頼るのもな……………」


フィー「ごはん買っても良いかも…………3人分……………」

 いつ頃(何日後頃)カトプレパスを出発する?>>下1
 出発するまでに行った所、イベント>>下2


 所持品:
 装備:左右ブラックジャック、服(前世から持ってきた服と孤児院で貰ってきた服)
 シズキの所持金:118000円
 フィーの所持金:20800円
 所持品:華麗粉(三回分)、マリオネットメディスン(残り三時間分)、旅の食料(2人×8食分=16食)

突撃異世界性産業

娼館に行ってみる

俺「あと3日………プリシラは二百年生きていながら、この街のことは全然知らないんだろう?」


 地図を見ながら俺がそう聞くと、プリシラが頷いた。


プリシラ「はい………ですが、知識はありますので……!」


フィー「そう………? じゃあ、道案内できる………?」


プリシラ「はい………! 流行のいろんなお店の場所も分かりますよ………!」


俺「心強いな」


 プリシラは両手でガッツポーズをしたが、何かを思い出し、悲しそうに言った。


プリシラ「あ………でも、昨日行きたいなって思ってたお店に行ってみたら、3年前に閉店してました…………」


フィー「ちょっと情報が古かったんだね………」


俺「切ないな」


プリシラ「………でも今度こそは新しいお店に行きましょう!」


俺「そうだな」


 俺たちはプリシラの知識を元に、地図に描いてある行きたいと思ったお店に印をつけて行った。


 ◆◇◆◇◆

>>944娼婦に行ってどうするんや。


 ◆◇◆◇◆


 赤丸がいくつか付いた地図を見て、フィーは満足そうに頷いた。


フィー「これだけ丸があったら、3日はすぐ埋まりそう…………」


プリシラ「楽しそうですね…………♡」


俺「朝市もあるからな。全部は回りきれないだろうな」


 俺たちが出かける為に荷物を整理していると、扉がノックされた。
 俺が開けると、ガルシアお義父さんがいた。


ガルシア「出かけるのか?」


俺「はい。カトプレパスを出る前に、プリシラちゃんとこの街の中を見て回りたいと思いまして」


ガルシア「ふむ………長いこと箱入りだったからな。頼んだぞ」


 小さい鞄に小遣いなどを詰め込み終わったプリシラが嬉しそうに俺の横に並ぶ。


プリシラ「はい、お父様♡ 楽しみです…………♡」


ガルシア「目一杯楽しんで来い。ただし、気を付けてな」


 お義父さんは腕を組みながら俺の方を見た。
 俺はお義父さんが言わんとすることを読み取り、頷いた。


俺「しっかり守ります………!」


ガルシア「………それでこそ、俺の娘の旦那だ」


 ◆◇◆◇◆


プリシラ「わぁ~…………♡ やっぱり、自分の目でみると、違いますね~♡ わー………凄い凄~い♡」

 屋敷の扉の外でピョンピョンと翼を羽ばたかせながらはしゃぐプリシラ……かぁ~わい~ぃなぁ~。
 フィーが人形を背中に背負って出てきたフィーがそのプリシラの様子を見て少し微笑んだ。


フィー「ふふ……………ねえ、シズキさん。まず、どこ行く…………?」


 その言葉にプリシラが地図を広げて指差す。


プリシラ「ここ行きましょここ♡」


 この3日で行くお店>>下1~5(カトプレパスは富裕層、中間層、貧困層と分かれており、富裕層に近づけば近づくほどお店の値段、質は高くなる)(朝市の屋台は別安価)

 そろそろ終わりやから次のスレ立てておくで。
 以下は感想を書いてくれたら嬉しいで。

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