【R-18】縦穴式住居【安価】 (3)
妹「お兄ちゃん」
男「おいおい、どうした?」
妹「あたし、さっきね……!」
産まれて、物心付いた時から俺の側には妹が居た。
俺の部屋で、学校の廊下で、近くの空き地で。
本気になって戯れ、お互いの共通点と差異を知り、夢で見た広い世界の話をした。
俺たちの世界は狭くて、俺たちの世界は平和だった。
妹『お兄ちゃん……!』
男『お、おい、どうした? 何があった!?』
妹『車が……お父さんが……! お母さんがぁ……!!』
あの日。
俺のスマホに、妹からの着信があった日。
俺たち兄妹はこの世界でふたりきりになり。
悲しむ間もないまま、絶望する間もないまま、お互いを守って生きていく事を定められたのだ。
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