【安価・コンマ】悪の女幹部シミュレーター (553)

このスレッドはフィクションです。劇中に登場する人物、団体などは全て架空のものです。また、犯罪行為を推奨、教唆、または特定の主義、思想に賛同するものではありません。

女幹部とは、

組織の女性の幹部である。例:「彼女は早稲田卒だし仕事もできるから早くから幹部に出世した」
創作における、悪の組織の女性の幹部である。ここでは2について記述する。

 悪の組織や敵のうち、女性の幹部のこと。名前もなくわらわら出てきてはすぐ殺される女ザコや、その一話限り、もって3話限りのエピソードで死んでおしまいの一般の敵女や女怪人などよりは地位が高いため、だいたい終盤まで生きている。女ボスよりは低いけど。

 別に特撮に限らず、アニメ漫画ゲーム様々な創作に登場するが、検索すると特撮の、それも仮面ライダーシリーズではなく戦隊モノがたくさんひっかかる。これは、戦隊モノの女幹部はかつてはアイドルや女優が顔出しで、けっこうエロチックな格好で演じることが多かったためその印象が強いため。
これは子供にチャンネル権を奪われてサンモニとかを見ることが出来ず付き合いで戦隊モノを見せられるお父さんたちへのサービスだったと言われている。中にはなんとAV女優が演じたケースもあった。いいのか子供が見てるのに
 ただ最近はさすがに苦情が来るのか、着ぐるみをスーツアクターが着て声優が声を当てることが多くなった。
(出典:ニコニコ大百科)

『Female Executive of Criminal Organization Simulator』

・悪の組織の女幹部になって、組織のために働きましょう。

・役職に応じて仕事をこなしたり、部下を使役して目的を達成しましょう。

・ボスは絶対です。失敗してお仕置きされないように気をつけましょう。

・敵は正義のヒーロー。正面から戦いを挑むも、搦手で懐柔するもあなた次第。



・不定期更新。エタる可能性。



では、始めましょう。
まずは組織の概要をば。

安価下1〜3でコンマ最大
①人間、改造人間が主体の秘密結社(ショッカー方式)。

②別世界、または地球外から来た侵略者集団(クライシス方式)。

③表向きは普通の企業だが、裏で怪人が糸を引いている(スマートブレイン方式)

④その他要記述

 ___喫煙所で、スーツ姿の男2人が会話している。

「今度の人事、見たか?」

「ああ。役員に女が増えたようだ」

「ふーん。で、どこの部署だっけ?」

「確か…」



安価下1〜3でコンマ最大
①実働部隊(ヒーローと直接相対する)

②外交部(企業、政治家などに接近し、取り入ったり脅したりする)

③研究部(ガジェットの開発や、怪人の育成などを行う)

④秘書部(ボスの下で色々やる)

「確か…」





 ___『株式会社 ミライシャ』。通信インフラ整備やサーバー管理などを主な業務とする、資本金数十億円の超大企業であり、この国の重要な通信事業を担っている。

 しかし、それは表向きの姿。

 この企業の、真の姿。それは……





「…やあ」

 49階建てビルの最上階。広い社長室に入ってきた人物に向かって、革張りの椅子に座る男は軽く会釈した。

「失礼します」

「君が、実働部隊の新しい隊長だね」

「身に余る光栄です」

 男は、柔和な笑みを浮かべた。白髪交じりの髪を後ろに撫で付け、上質な灰色のスーツを着た、60歳くらいの紳士であった。
 それから…彼は、ふと笑みを消した。

「…ときに」

 次の瞬間、男の輪郭が歪み…やがてそこには、ライオンと人を混ぜたような怪人が座っていた。

「聞いたよ。君は、この前脱走した兵士の…」



安価下コンマ
01〜70 特に面識はない
71〜98 一緒の部隊だった
ゾロ目 恋人

 目の前の怪物にも関わらず、相対する人物は一切動じない。何故なら、この人物もまた、同じ存在だからだ。

「何ら面識はありません。別の部隊でしたので」

「なら、良い」

 ライオンの怪物が、元の老紳士に戻る。
 この企業の正体…それは、人間を超越した怪人が率いる、世界征服を目的とした組織であった。

「期待しているよ。…『リーヴォ』の、理想のために」

「『リーヴォ』の、理想のために」

 復唱すると、深く頭を下げ、社長室を辞した。
 長い廊下には、幾つもの鏡が置かれている。前を通ると、その人物の…『彼女』の姿が映し出される。人間。人間。人間。___怪人。
 エレベーターに乗り込む頃には、また元の女の姿に戻っていた。

安価下 22:00まででコンマ最大 主人公について

人間としての名前、容姿、服装、性格など

怪人としての容姿、能力など

できるだけ詳しく。人間と怪人両方書いてないレスは無効

最初のキャラメイクが一番時間かかるな
今日の本編更新はここまで

怪人の格好は、近年の着ぐるみ基準・少し前の普通の格好に追加装備、のどちらでもよろしいですか?

人間体
兎走 雷火 (とばしり らいか)
20代半ば
爆乳爆尻でスタイル抜群
紫がかった黒髪ポニテ 度の強いメガネ
薄いグレーのビジネススーツ
一見生真面目で計算高そうだが脳筋思考
ど近眼でありメガネがないと日常で支障をきたしてしまう

怪人体
兎怪人 ライトニングラビット
雷火の髪色が金色に瞳は赤に服装は白いバニーガールのような姿に変わる(バニー部分の生地は本物の兎のようにフワフワで気持ちいい)
ウサギの脚力を身につけた怪人であり瞬足と跳躍力に長けている 戦闘時にはその脚力を生かし象100頭分を蹴り殺す威力のキックを放つ またサブウェポンとして手のひらから電気ショックを放つことができる
なお変身すると近眼はなおりメガネ不要となる

>>16 どっちでもいいよ

ていうかもう99出たし
諦めないで皆さんも安価してくれたら、良いことがあるかも知れない(無計画)

(一例)

人間態
『刃山 血波』
長い銀髪を7:3に撫で付け、黒いパンツスーツスタイルにハイヒールブーツを履いている。ネクタイは締めていない。背中に大ぶりの太刀を背負っている。
スーツの下は黒いTバックブルマにタンクトップ。そのバストは豊満であった。
あらゆるものを武器として戦うのが信条で、背負った太刀だけでなく全身に隠し持った暗器や、その場で調達した物品なども武器として扱う。己の肢体をも武器とし、色仕掛けや目眩ましなども厭わない。

怪人態
『水銀リーヴォ』
全身が水銀の流体となった、文字通り『全身が武器』の怪人。シルエットは人間態と変わりないが、全裸で全身が銀色。体の一部を伸ばして刃にしたり、弾丸のように飛ばすだけでなく、相手を沈めて窒息させることも出来る。ただし思考し人型を保つために脳だけは水銀化できず、頭を潰されると死ぬ。

>>17

シミュレーターあるある
90代後半で殴り合うコンマ

ちなみに前スレではスタート00もあったぞ

『Female Executor of Criminal organization Simulator』





「もう、逃げられんぞ」

「くっ…」

 土砂降りの路地裏に、ボロボロの男が一人。それを、黒ずくめの兵士たちが取り囲む。

「選べよ。『シンカクベルト』を返し、苦しむこと無く処刑されるか」

 隊長の姿が揺らぎ…コウモリの怪人へと変わる。

「ここで、俺たちに嬲り殺されるか」

「くそ…くそっ、くそおぉっ!」

 男は叫ぶと、上着のポケットから無骨な機械を取り出し、腰に当てた。すると機械からベルトが伸び、腰に巻き付いた。
 バッタの絵が刻まれた緑色のカセットを取り出すと、機械のソケットに差し込んだ。



『ジーン! グラスホッパー!』



「! 何をする気だ」

「うおおおおおっっっ!!! …変身っ!!」



「はぁっ…はぁっ…」

 土砂降りの中、肩で息をする男。
 周囲には、兵士だったものが散らばっている。その中に、コウモリ怪人の姿もあった。

「われらに…刃向かうと…どう、なるか…」

 掠れた声で言い終わる前に、怪人はボロボロの腐肉となって崩れ落ちた。

「今日から、実働部隊の総隊長になった。兎走 雷火(とばしり らいか)よ」

 整列した兵士たちの前で、その女は言った。
 紫がかった黒髪を後ろで1つに括り、厚い眼鏡を掛け、グレーのスーツにタイトスカートを着ている。スーツの上からでも分かるほどに、胸と尻の充実した、若い女だ。とても戦闘部隊を率いるようには見えない。

「女だから、と見くびる者は、この場にはいないでしょうね? 少し前までは、私もそこにいたもの。それに」

 雷火の姿が揺らめき…次の瞬間、そこには全く別の存在が立っていた。
 髪は金で、瞳は紅色。スーツは消えて白いふわふわのレオタードに変わり、むっちりとした脚には網タイツと鋭いヒールを履いている。頭頂部からは、長い耳がぴんと伸び、その周囲には黄金色の稲光がパチパチと煌めいていた。

「…リーヴォに、性差などという下らない概念は無い」

 リーヴォ。『Evolution(進化)』『Revolution(革命)』『Reborn(再生)』を語源とする、人類の進化系。選ばれた人間のみが、死の危機に瀕したときに迎える、生命の新たな段階。
 ___人類の、敵。

「社長が目指される、リーヴォの楽園は近いわ。私の指揮のもと、お前たちが目標に貢献してくれることを期待する」

 兎の怪人が、元の雷火の姿に戻る。
 雷火は、右手を振り上げて叫んだ。

「リーヴォの理想のために!!」



「「「リーヴォの理想のために!!」」」



 兵士たちが復唱する。それを満足気に聞くと、彼女は彼らの前を去った。

「…あーっ、緊張したーっ!」

 執務室に戻ると、雷火は伸びをした。そしてずれた眼鏡を元に戻すと、椅子に腰掛けた。

「と、ここまでは良いものの…」

 机の上の書類を手に取る。目を細めて文字を読みながら、彼女は唸った。

「年度初めだけあって、やることが多いわね…『野良リーヴォの保護』『タワー建設の護衛』…『脱走者の始末』。…頭痛くなってきた」

 書類を置き、額を押さえる。

「一人でやるのも厳しそうね…手伝いを募るという手もあるわ」

 ずれた眼鏡を戻す。強すぎる近眼のせいで、少しでも眼鏡がずれるとよく見えないのだ。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①任務

②視察

③私兵作り

④その他要記述

「思い立ったが何とやら、ね」

 実働部隊には、リーヴォの隊長と人間の兵士で編成された部隊が数個あるが、それらは任務のために動かすものだ。雷火が個人的に使うことはできない。それなら、自分で私的な部下を作ろうということである。

「さて、どこからスカウトしようかしら」



安価下1〜3でコンマ最大 どこから連れてくる?
①部下からスカウト

②野良リーヴォをスカウト

③研究部に打診

④その他要記述

「…リーヴォ探知システムを起動」

 コンピュータを立ち上げ、社内イントラネットに接続。それから、幹部専用のページにアクセスした。
 株式会社ミライシャは、表向きは情報インフラ整備を生業としている。つまり、街中の監視カメラも彼らが作ったものである。そしてそれは、いつどこでリーヴォが現れても、いち早く探知できることを意味していた。

「この辺りには…」



安価下コンマ
01〜20 収穫なし
21〜50 1人
51〜80 2人
81〜98 3人
ゾロ目 ???

「…えっ?」

 思わず、眼鏡を外して、もう一度付け直した。
 画面に写っているのは、10歳にも満たないくらいの少年。

「装置がバグってる? …いいえ、ちゃんと動いてる」

 変身もしていない、何なら覚醒の機会すら迎えていなさそうな少年が、強いリーヴォ反応を放っている。
 嫌な予感がした。しかし…

「…こういう子こそ、保護してあげないと」

 雷火はパソコンを閉じ、椅子から立ち上がった。そして、執務室を後にした。



 夕暮れの道を、一人でとぼとぼと歩く少年。ランドセルはボロボロで、着ている服もやたらと汚れている。
 そこへ、一人の若い女が近付いてきた。

「…ねえ、ぼく」

「…」

 少年が顔を上げた。小学生とは思えないほど、荒んだ目つきをしていた。

「学校は楽しい?」

「…」

 少年は何も言わず、歩き出した。
 女は、その後を追う。

「お父さんとお母さんは?」

「…」

 少年が、立ち止まる。

「…帰りたくない」

「どうして?」

「父さんも、母さんも…ぼくがいたらダメだって」

「…そうなんだ」

 どうやら、家庭環境は良くないようだ。学校でどんな扱いを受けているかも、想像がつく。
 さて、この少年をどうやって連れて帰ろう。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?

(まあ、この年頃の男の子なら)

 雷火は、豊満なバストに少年の顔を埋めるように抱きしめた。

「!?」

 突然の出来事に、硬直する少年。
 雷火は、小さな背中を優しくさすりながら言った。

「もう、家には帰らなくていい。私のところへいらっしゃい」

「…な、んで」

「あなたが、選ばれた人間だからよ」

「…嘘だ。学校では虐められて、親にはお前なんかいない方が良いって言われて…なのに」

「あっちの方が、いらない存在なの」

 胸の谷間に押し付けるように、少年の頭を抱く。おずおずと乳房に載せられた手を、彼女はわざと受け入れた。

「…本当に?」

「ええ」

「…」

 迷っているようだ。もうひと押し、といったところか。



安価下 どうする?

「あなたは、『こっち』側の存在…」

 バチバチと、雷火の身体から電光が迸る。

「!?」

 飛び離れる少年の前で、雷火の姿が変化する。稲光を纏った、兎の怪人へと変わる。

「う、わ」

「あなたもなれる」

 掲げた両手にパチパチと電光を弾けさせながら、雷火が歩み寄る。

「あ…あ…」

 少年が、頭を押さえてもがき始めた。

「さあ…目覚めなさい!」

 雷火が、スパークを放つ手のひらで、少年の頭に触れた。



「あ…あああああああっっっ!!!!!」



「なんだ、もう帰って…っ!?」「誰!? もしかして…」「うわあっ! く、くるな、くるなあっ!!」「ぐっ」「がっ…や、め…」



「やっと謝る気になったか…あぁっ!?」「ひぃっ! 助けてっ! たすけ」「嫌だ! 死にたくない、死に…」「ゆるして…おねが」



 気がつくと、2人は銃を持った兵士たちに囲まれていた。

「…昇進して早々、大仕事だね」

「社長…」

 兵士たちの中から、ゆっくりと歩み寄ってくる老紳士と秘書の女。穏やかな笑みを浮かべる彼に向かって、少年は唸った。

「ヴゥゥ…」

「この子は、うちで保護すべきです」

「もちろんだとも」

 雷火の訴えに、社長は頷いた。

「! では」

「だが、今の我が社の設備、戦力では、確実に彼を持て余してしまうだろうね」

 敵意を剥き出しにする少年。彼は、雷火を庇うように前に立って、両腕を広げていた。

「…君。名前は」

「…ユウキ」

「では、便宜的にそう呼ぶとしよう」

 そう言うと彼は、雷火に目を向けた。

「兎走君。この子のことは、君に任せるとしよう。というよりも、そうする他にあるまい。徒に兵を失うのは、愚かなことだ」

「! はい」

 兵を連れて去っていく社長と秘書。深く頭を下げる雷火を、少年ユウキは、不思議そうな目で見ていた。





”…また、死亡した夫婦の長男、優希君の行方が分からなくなっていることから、警察は事件に巻き込まれたと見て調査を進めています。同日、近所の小学校では集団轢き逃げ事件があり、小学生6名がいずれも死亡…”



「…」

「…しゃちょー」

 間延びした声に、社長は天井を見上げた。そこには、奇妙な形のシャンデリアがぶら下がっていた。
 黒い針金を、ランプシェードめいてドレス姿の女の形に巻き上げてある。広がったスカートの裾には数十本の火の付いた蝋燭が立っており、虚ろな胸の中にも炎が揺らめいていた。なお悪趣味なことには、ドレスから伸びた手足と頭部だけは、真っ白な磁器のようになっていて、首を吊るような形で天井に吊るしてあった。

「何だね、火廻(ひまわり)君」

 そのシャンデリアに向かって、社長が呼びかける。見上げたスカートの中の下半身は、虚ろではない白磁のそれであったが、黒い靄がかかっていて局部がどこまで作り込まれているか窺うことはできない。
 そのシャンデリアの頭部が、社長の方を向いた。更に、白磁の口が滑らかに動き、言葉を発した。

「さっきの男の子ぉ…ちょっと、大変じゃないですか」

「大変なことだよ。だが、避けては通れないことだ」

 社長は、あくまで穏やかに言った。

「…後天的でない、生まれながらのリーヴォ。つまり、進化はもうその段階まで来たということだ」

「いーんですかぁ? そうなったら、私たち後天性は、彼らに駆逐されちゃいそうですけど」

「そうならないためにも、最初の世代に施す教育が重要なのだよ、火廻君。あの新しい総隊長に、期待しようじゃないか」

「はぁーい…」

 シャンデリアは返事すると、また虚ろな目で空を見つめ、ただの照明器具に戻った。

今日はこの辺で。

第一話にラスボスの伏線が張ってあるアレ(壮絶なネタバレ)

『Female Executor of Criminal Organization Simulator』
…長いな
『F.E.C.O. Simulator』





「…あんた、ミライシャの人間だったんだろ」

 ボロ布のテントの中。粥の煮える汚い鍋を囲みながら、汚れた作業服を着た老人が口を開いた。
 鍋の向こうで、破れた戦闘服を着た青年が、空っぽの椀を見つめながら答えた。

「だったら?」

「やつらの中にも、人の心が残ってる奴がいて、安心したよ」

「…」

 老人は青年から椀を取り上げると、粥を掬って差し出した。青年はそれを受け取ると、ふと問いかけた。

「…あんたらは、何でずっとここに居座ってる。命が惜しくないのか」

「惜しいさ。だが、息子や孫たちの未来のほうが惜しいからな」

 テントの隙間から、外をちらりと窺う。
 廃材を組み上げたバリケードに、『ミライタワー建設反対』の張り紙。その向こうから、硬質な足音が定期的に聞こえてくる。ミライシャの兵士が、定期的に近付いては、居座る住民に投降を要求しているのだ。

「…タワーが完成すれば、ここら一体は陽の光も届かねえ、更地になっちまう」

「…」

 バリケードの向こうからは、拡声器越しの怒鳴り声や空砲が聞こえてくる。



「…この面々が集まるのは、初めてかな」

 会議室。円卓の一角に社長が座り、等間隔に他の幹部たちが座っている。社長の隣には、スーツを着た妙齢の女が佇んている。先日社長とともに兵を連れてきた、専属の秘書だ。
 まず、黒いスーツをきっちりと着込んだ男が口を開いた。

「建設部から報告いたします。現在、主な事業は中部地方におけるミライネットの整備、並びに『ミライタワー』の建設です」

「進捗は」

 秘書の質問に、男は額を拭って答える。

「…基礎の、20%ほど…全体では、まだ1%にも満たないかと」

「反対運動はどうなっている? 外交部」

「はい」

 社長直々の指名に、縞模様のジャケットを羽織った茶髪の男は、動じること無く答えた。

「土地の所有者は既に懐柔済み。SNS上で『#ミライタワーが見たい』運動を展開し、トレンド世界一位。報道にも介入し、世論の大半は味方に付いております」

 そこで、雷火の方をジロリと見る。

「…残るは、居座るデモ隊の排除のみかと」

「…頑張ります」

 重々しく言った言葉に、その場の殆どが吹き出した。

「まあ、待ちなさい。彼女はつい先日、今の任に就いたばかりだ。前任者のツケを押し付けるのは酷というもの」

 社長がなだめに入る。

「それに、この場に集ってもらった一番の目的は、別にある。…その前に、研究部の報告を聞いておこう」

「は、はっ」

 よれよれのシャツに白衣を羽織った、瓶底眼鏡の男がへこへこと頭を下げる。

「…ま、結果論じゃあありますが、持ち去られたのが試作品のベルトで良かったですわ。アレは拡張性を求めるばかり実用に耐えない仕様で…へ、もっと使いやすいのを鋭意開発中でございます」

「よろしい。では、本題に入るとしよう。…兎走君」

「はい」

 雷火は立ち上がると、円卓に座る人々を見回した。
 これからの世界を担うべき、選ばれた存在。その中に、自分もいる。

「…ご周知の通り、実働部隊の総隊長を拝命しました。兎走雷火です。私から皆様へは、ご報告を一つ。……生まれながらのリーヴォを、保護いたしました」

 どよめく一同。事の顛末をかいつまんで説明しながら、雷火は昨日の帰宅後のことを思い出していた。



「ここが、今日から君が帰るところよ。ユウキくん」

「うわ…」

 広いリビング。大型テレビを始めとする最新の家電に、カウンターキッチンには様々な機器が充実している。
 ここは、都内の高級マンションの一室。ミライシャの幹部に与えられる住居であった。
 それはつまり、彼女にとっても初めて入る部屋であった。

「…ていうか思ったより広いわね…一人だと、持て余すところだったわ」

「お姉さんと、一緒に住むの…?」

 おずおずと尋ねる少年。雷火は頷いた。

「ええ。これからよろしくね」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①取り敢えず飯

②これからのことを相談しよう

③汗かいたしお風呂

④その他要記述

「汗かいたし、取り敢えずお風呂入ろ」

「えっ!?」

 少年が、真っ赤な顔で雷火を見た。

「え? …どっちから入る?」

「えっ? あ、うん…どっちでも」

「もしかして、一緒に入るとか思っちゃった?」

「う、うるさい!」

 ユウキは声を張り上げると、足音荒く風呂場へ向かった。



「ふぅ、お待たせー」

 風呂から上がった雷火。彼女の格好は…



安価下1〜3でコンマ最大 風呂上がりの格好

「ちょっ、何だよその格好!?」

「えー?」

 平然と聞き流し、ソファに座ってビールを開ける。喉を鳴らして缶ビールを飲む彼女は、裸にバスタオル1枚だけを身体に巻き付けていた。

「なっ、何か着ろって」

「着てるじゃない。タオル」

「それは着てるって…」

 顔を背けながらも、ちらちらと覗き見るユウキ。白いバスタオルは、彼女の身体に沿って、刺激的な形に出たり凹んだりしている。しかも濡れているせいで、目を凝らすと大きな胸の膨らみの先端に、薄っすらと突起が…

「…ていうか、君も似たような格好じゃない」

「!」

 着替えを持っていないユウキは、雷火の私服のTシャツしか着ていない。ぎりぎり隠れた太股の付け根が、隠せないほど膨らんでいる。

「…えっち」

「うっ、うるさいなあっ!?」

 顔を赤くして怒鳴る少年に、雷火は…



安価下 どうする?(コンマ50以上で寝室に逃げられる)

 雷火は、ビール缶を胸元に下ろして…

「あっ」

「っっっ!?」

 はらり。折り目が解けて、タオルが落ちた。忽ち、豊満な肢体が露わになる。
 大きく膨らんだおっぱいに、見えてはいけない赤い先端。ユウキは口をぱくぱくさせながら、雷火の身体を凝視していた。

「…えっち」

「っ、やっ」

 慌てて目を逸らす。もぞもぞと脚を擦り合わせ、しきりにシャツの裾を引っ張る。
 タオルを巻き直しながら、雷火は…



安価下 どうする?(コンマ40以上で寝室に逃げられる)

「…おいで」

「うわっ」

 雷火は、ユウキの腕を引っ張ると、裸の胸に抱きしめた。

「は、離せ…」

「こうやって、ぎゅっとされたこと、ある?」

「! …」

 ユウキが、抵抗を止めた。風呂上がりの熱い乳房の中で、呟く。

「…覚えてない」

「これからは、お姉ちゃんが君のママになってあげる。いつでも、甘えていいんだよ」

「…っ」

 ユウキが、恐る恐る両腕を、雷火の背中に回した。雷火も、彼の身体を抱き返した。
 しゃくり上げる声。雷火は、優しくその背中を叩いた。
 その夜、2人はそのまま、抱き合って眠りについた。



「…以上です。一度は覚醒しかかったものの、彼はまだ未完成な存在です。しかし、それでも戦力は、現在確認されているあらゆるリーヴォを上回っていると思われます」

「どうしてくれるんです。彼は…その、明らかに…」

「『優れて』いる!」

 外交部長が声を張り上げた。

「このままでは、我々の存在まで危うくなる」

「そこで、私が彼を教育します。先天性でも後天性でも、リーヴォであるならば全て対等。人間を滅ぼすという使命の前には、差異にすらならないと」

「できるのかね」

「やってみせます」

 堂々と、雷火は宣言した。

「…そういうことだ。周知をよろしく。それから、徒に彼を刺激しないようにね」

 そこまで言って、社長は椅子から立ち上がった。

「以上、解散!」



「どうだった、お姉ちゃん」

「大丈夫だったよ」

 執務室に戻ると、ユウキが待っていた。
 彼は雷火と一緒に出社して、執務室で彼女の仕事を手伝うことになっている。一周回って、当初の目的を果たしたことになる。

「さてと、お仕事お仕事…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①任務

②視察

③その他要記述

「まずは、総隊長の顔を覚えてもらいに行こうかしらね」

 椅子から立ち上がると、ユウキもついてきた。



安価下1〜3でコンマ最大 どこに行く?
①タワー建設予定地

②訓練場

③拷問室

④その他要記述

『女子控室』

「…ぼく、入っていいの?」

「気にしないわよ」

 そう言うと、雷火は扉を開けて中に入った。
 籠もった部屋には、制汗剤や香水の匂いが充満していて、ユウキは顔をしかめた。

「ごきげんよう」

「…! どうも」

 近くの椅子に座って書類を広げていた女隊員が、慌てて立ち上がった。



安価下1〜5でコンマが高い順に3人 その場にいた女性隊員
主人公候補の中から(ちょっとアレンジはする)

「あら、可愛い子」

「!」

 奥から、別の女が近寄ってきた。黒い戦闘服の前を開けて、スポーツブラからはみ出すほどの爆乳が露わだ。ユウキが、どうにか顔に集中しようと、必死に上を向く。

「…で、総隊長さんは何の用かしら」

「視察を、と思ってね」

「さっ、さささサボってませんからっ」

 別の隊員が慌てて弁明する。前髪を長く伸ばした、猫背の女だ。猫背でも分かるくらいにこの女も胸が大きい。

「…あっ、ひっ、日向ひかげです…」

「三尼 真実(みつに まみ)でーす」

 最初に気付いた女も自己紹介する。ウェーブの掛かった銀髪で、小柄だが起伏に富んだ体つきをしている。
 最後に、近寄ってきた長身の女も名乗った。長い黒髪を、雷火のように後ろで纏めている。

「白瀬 千里(しらせ せんり)。…もしかして、その子が噂の?」

 しゃがんで目線を合わせてくる千里。ユウキは、雷火の後ろに隠れた。

「やだ、可愛いじゃない!」

「あまり虐めないであげて。…で、あんたたちはここで、何を?」

「ひっ! さっ、サボってませんからっ!」

「脱走者の、情報を見てたんだよー」

 真実が、読んでいた書類を差し出した。そこには、少し前までここの兵だったが、研究部から開発中の装備を奪って逃走した男のことが書かれていた。

「『紫電 燈(しでん とう)』…」

「出来損ないのガジェットを持った人間が、いつまで逃げ切れるかしらね」

 サディスティックな笑みを浮かべながら
、千里は言った。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①執務室に戻る

②もう少しここにいる(何をするかも併記)

③別の場所を視察する(場所も併記)

今日はこの辺で。

今の所行動安価は

平日→職場で2回、帰宅後1回

休日→午前、午後、夜の計3回

で、内容によっては2回分以上消費するという風に考えてます

 執務室に戻ってきた。

「脱走者、ねえ」

 社長にも言ったが、彼女は紫電なる男と面識は無い。そもそも彼は人間の下等兵で、彼女はリーヴォの隊長格だ。脱走の話を聞いて思ったのは、自分の隊じゃなくて良かったという一点だけであった。
 書類を置いて、パソコンを立ち上げる。進行中の任務は部下たちに任せて、事務仕事でも進めていよう…



安価下コンマ
00〜10 特に何も起こらない
11〜40 応援要請(野良リーヴォ保護)
41〜70 応援要請(タワー建設予定地)
71〜98 研究部から来客
ゾロ目 ユウキが甘えてくる

 不意に電話が鳴った。

「兎走だ」

”すみません、タワー建設予定地のR小隊です。至急、応援を”

「まずは報告」

”はっ。デモ隊の中に、例の脱走者が”

「!! 分かった。増援を送る」

 電話を切ると、立ち上がった。

「お姉ちゃん?」

「いらっしゃい。私たちの仕事を見せてあげるわ」



「ぐわあああっっっ!!?」

 蜘蛛のリーヴォが倒れ、息絶える。

「はあっ…はあっ…」

 見回すと、周囲には倒れた兵士たち。背後のバリケードからは、老人が恐る恐る彼らを覗き見ていた。

「あ…あんた」

「一宿一飯の恩義、というやつだ」

 変身を解除すると、男は歩き出した。

「ま、待ってくれ! あんたなら、あいつらを」

「じきに増援が来る。そうなったら、俺一人の手には負えねえ。…すぐに逃げろ。ここは…」

 言葉が、止まる。
 彼の目の前には、一人の女と、一人の少年が立っていた。女はグレースーツだが、少年は戦闘服を着ていた。

「…もう、来やがったか」

 男は、ベルトを再び装着した。



『F.E.C.O. Simulator』

「あんたの顔を知ってるぞ。どっかの隊長だったか」

 男が、バッタの絵が刻まれた緑色のカセットを掲げた。スイッチを押すと、合成音声と共に端子が飛び出す。



『ジーン! グラスホッパー!』



「増援か。ご苦労なこった」

「上司として、尻拭いに来たわ。…呼んだ本人は、もうやられたのね」

「…変身!!」

 ベルトのバックルに、カセットを差し込む。次の瞬間、緑色の閃光がバックルから迸った。



『ホッパーステップ! シンカローン!!』



 男の体を、緑色の外骨格が覆う。やがて彼の姿は、バッタめいた機械的な怪人へと変わった。

「それが、盗んだガジェットの力ってわけ。…ユウキ君、持ってて。後ろで見ててね」

 雷火は、眼鏡を外してユウキに渡した。そして、電光を纏って兎怪人へと変身した。

「…行くぞ!!」

 男が地面を蹴り、猛スピードで迫ってきた。



安価下 どうする?

「せぇやっ!! …っ!?」

「…ふっ」

 渾身の飛び蹴りを、網タイツの脚で軽く受け止め、不敵に笑ってみせる。そのまま、脚を振り抜いた。

「うわっ!?」

 飛び離れ、着地するバッタ男。

「口ほどにもない。社長が特に触れもしなかったはずね」

「こ、この…っ!」

 再びジャンプで距離を詰め、キックの連撃を放ってきた。それすらも、片足で全ていなしてみせる。

「ここは…」

 彼は距離を取ると、どこからともなく別のカセットを取り出した。鷹の刻まれた、黄色いカセットだ。

『ジーン! ホーク!』

「超変身!」

『ホークハント! シンカローン!』

 カセットを差し替えると、バックルから黄色い閃光が迸り、バッタから鷹へと装甲が変形した。
 その手にボウガンが出現すると、それで雷火に向かって無数の矢を飛ばしてきた。

「これでどうだ!」



安価下 どうする?

出かけるので一旦区切る

ちなみにこのライダーは『スマートブレイン』が『ビルド』方式で作った『ゼロワン』みたいなイメージです。

名前決めといたほうが良いかな

あ、安価下

「…はっ」

 雷火は、鼻を鳴らすと…雷光を纏った脚で、地面を蹴った。

「っ!?」

 普通の兎は、上に跳ねる。しかし、この兎は真ん前に跳ねる。矢を掻い潜り、目にも留まらぬ速さで肉薄すると

「はあぁっ!」

「ぐっ、あああっ!!?」

 懐から掬い上げるように、蹴りを見舞った。
 木っ端のように跳ね上げられ、吹き飛ぶ男。そのベルトから、黄色のカセットが外れて宙を舞った。



安価下コンマ
00〜70 取れない
71〜99 奪取

「!」

 とっさに手を伸ばす。が

「くっ…」

 雷火の手が届くより先に、空中で男がキャッチしてしまった。
 地面に叩きつけられる男。変身も解除されてしまった。

「…まあ、この様子じゃ一緒ね」

 悠々と歩み寄る雷火。
 その前に、いきなり一人の老人が立ちはだかった。

「お、おい…こっから先は、通さねえぞ…」

「やめろ…逃げろ…」

 そこへ、他のデモ隊員も駆け寄ってくる。彼らは、倒れた男を庇うように、雷火の前でスクラムを組んだ。

「ミライシャは出ていけーっ!」「この人は、やらせねえ!」「こっ、ここは、通さん!」

「…」

 息巻く集団を冷ややかな目で見ると、雷火はユウキに目を向けた。

「…ユウキ君、どうしたらいいと思う?」

「えっ…」

 困惑するユウキ。雷火は、再び群衆の方を向いた。



安価下 どうする?

「先に手を出したのはあっち。こっちは、大事な社員を多数失った。つまり」

「ひっ!?」「くっ、来るなっ!」

「…これは、正当な専守防衛」

 次の瞬間、雷火の姿が消えた。そして

「ぐわっ!?」「あ゛っ」「ぐぇっ」

 スクラムの真ん中が、消し飛んだ。雷火が、電光を纏った蹴りで吹き飛ばしたのだ。
 更に、手のひらに電気を纏って振るうと、軽く触れた人間の頭が弾け飛んだ。

「はっ、やっ!」

「ひぃっ」「やっ」「やめ」

 逃げていく者にも電撃を飛ばし、人型の燃えかすに変える。
 ものの数十秒で、デモ隊は物言わぬ肉塊に成り果てた。
 ところが、肝心な男の姿がない。老人と共に、逃げ去ってしまったようだ。

「…ま、良いわ」

 振り返ると、ユウキが呆然と、雷火と散乱する肉片を見ていた。

「…あら、怖がらせちゃった?」

「あ…お、お姉ちゃん…」

 兎怪人から、元のスーツ姿に戻る。彼女はユウキの手を掴むと、笑顔で言った。

「お仕事完了。さ、帰ろっか」



 家に帰っても、ユウキは青い顔で黙り込んでいた。

「どうしたの。君だってやってたでしょ」

「ぼ…ぼくだけが、あんなことをできるのかと思ってた」

「ああ、そういう」

 雷火は、ふんと鼻で笑った。

「君なんて、まだまだヒヨッコよ。私たちリーヴォは、人間の進化系。より、高等な存在。人間が、蚊を叩いて潰すように…リーヴォは、人間を軽く潰す」

「そ…そうなんだ…そう…」

 ユウキは、自分に言い聞かせるように呟いていた。



安価下1〜3でコンマ最大 家での行動

「…ま、でも」

 雷火は、ユウキを優しく抱きしめた。

「!」

「最初は戸惑うよね。私も、成り立ての頃はそうだったし」

 小さな頭を撫でながら、囁く。

「君は、今までにない存在。私たちでさえ分からないことを、これから沢山経験していくことになる。だから…とにかく、私のところにいて。今は、そうとしか言えないわ」

「お姉ちゃん…」

 ユウキが、おずおずと手を上げた。



安価下コンマ ゾロ目で…

「…っ」

「…」

 恐る恐る差し上げた手を、ユウキは背中に回した。

「うんうん」

 抱き返す雷火。その夜も、2人で寄り添って眠った。



「いやー助かったよ兎走さん。これでタワー建設の進捗が進む」

「それはどうも」

「何より、アレだけド派手にやってくれたお陰で、来週くらいまではあの外交部長の顔を見ないで済む」

 ホクホク顔の建設部長の言葉を聞き流しながら、執務室に入った。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①任務

②視察

③その他要記述

「さてと、お仕事お仕事」

「今日は、何するの?」

「そうね…」

 イントラネットに、遂行中の任務が一覧で表示される。既に小隊が向かっているのだが、総隊長が自由に加勢することもできるのだ。



安価下1〜3でコンマ最大 どれにする?
①タワー建設の護衛

②野良リーヴォの保護

③脱走者の捜索



 ジープから降りると、先日控室で会った日向ひかげが駆け寄ってきた。彼女が護衛隊の隊長のようだ。

「ごっ、ごごご苦労さまですっ!」

「ご苦労。進捗は?」

「滞りなく…場所も確保できましたし、急ピッチで進んでます」

 見回すと、資材を積んだトラックが列を成して入ってきている。その向こうでは巨大なショベルカーが、地面を深く掘っていた。

「…『あっち』は?」

 建設地を遠巻きに取り囲む、バリケード。その向こうでは横断幕を掲げた人々が、『建設反対』のシュプレヒコールを上げていた。

「今の所、騒いでるだけです。バリケードを突破しようとはしていません」

「そう」

 群衆の中には、テレビカメラも紛れている。彼らは市民運動に加担する振りをして、その実彼らが非暴力を破る瞬間を待ち構えている。『野蛮な市民団体が、ミライシャの真っ当な活動を非合法な手段で妨害している』。予め提示された筋書きに合った画を求めているに過ぎない。
 無論、メディアに対する外交部の働きかけあってのこと。ジャーナリズムとは、所詮そういうものだ。

「じゃあ、引き続き警備を」

「はいっ!」

「…ユウキ君、折角だからこの辺を見学してみましょうか」

「うん」



安価下コンマ
01〜30 特に何も起こらない
31〜60 反対者の一人が侵入してきた
61〜98 バリケードが破られた
ゾロ目 紫電襲来

「…こちらが、完成予想図です」

 作業員が図面を広げてみせる。雷火の隣に佇む、明らかに場違いな少年をちらちら見ながら、彼は説明を続けた。

「このタワーの完成によって、次世代型超高速大容量通信が完成します。4時間の映画も、1秒足らずでダウンロードできる計算です」

「へぇ」

 軽く聞き流す雷火。実際、この男はタワーの真の目的を知らない。ミライタワー建設の真の目的は、社長と各幹部を始め一部の社員にしか知らされていない。無論、その中に人間は一人もいない。

「動画とかも、いっぱい観れる?」

「それは、もう」

「…さ、そろそろ本社に戻りましょう」

 興味津々に質問するユウキを引っ張って、雷火はジープに戻った。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①別の任務

②社内の視察

③執務室に戻る

④その他要記述

 社内でノートパソコンを開くと、別の任務も残っている。

「折角だから、このまま向かいましょう」



安価下1〜3でコンマ最大 どれにする?
①野良リーヴォの保護

②脱走者の捜索

③新装備の開発協力

 研究所に着くと、研究部長が出迎えた。

「やあやあ、今日はありがとうね。ささ、こっちこっち」

 自動扉を潜り、白い廊下を歩きながら、彼は雷火に質問した。

「ときに、例の脱走兵には会ったかね」

「ええ。口ほどにもない相手だったわ」

「ま、そうじゃろ。奴さんが持ち出した『シンカクベルト』…遠い昔にコンセプトごと凍結された、失敗作ですわ。アレは、元から人間にも扱えるように作ってある」

「どうして?」

「あの頃は、社長とワシと、リーヴォ自体が少なすぎてなぁ。どうにか仲間を増やそうと…それか、人間にリーヴォ並みの力を与えようとしてたんですわ。ま、すぐにそれが間違いだと気付いた訳じゃけど…」

 網膜認証で扉を開けると、気密された小部屋に辿り着いた。
 部屋の真ん中には四角い台座が置かれていて、ガラスで封じられた箱の中に一本のベルトが収められていた。

「…これが、シンカクベルト? 確かに紫電…あの男が持っていたものに似てるけど」

「うんにゃ、金型は流用したが、中身は別物よ。カセットの代わりに、強化装甲のデータを詰めたトリガーを差してある」

 見ると、確かにソケットには、既に黒いカセットが半刺しになっている。
 研究部長がパネルを操作すると、ガラス箱が開いた。ベルトを手に取って、雷火に差し出す。

「量産ベースに乗れば、君のところに届くよ。試してみたまえ」

「…」

 雷火はベルトを腰に巻くと、黒いカセット型のトリガーに手をかけて…ふと、尋ねた。

「安全なんでしょうね?」

「少なくともリーヴォなら問題ない。ワシも自分で試した」

「そう。…えいっ」

 トリガーを押し込む。



『スチルアーマー!』



 合成音声と共にベルトから黒い装甲が展開し、雷火の身体をぴったりと包み込んだ。紫電の変身したバッタ怪人から、色を抜いて装飾を徹底的にオミットしたようなデザインだ。

「うんうん、いい感じだね」

 満足気に頷く部長。変身を解除すると、雷火は質問した。

「これを、人間の兵に渡すの? 反逆に使われない?」

「無論、完成品には自爆装置を入れておくとも。リーヴォが使ったところで、対して役に立たない…人間が使って初めて役に立つものだからね」

「…ときに」

 ふと、部長がユウキの方を見た。

「!」

「君が、これからの時代を担う生まれながらのリーヴォ…『ナイーブ』だね」

 彼は、雷火から受け取ったベルトを、何とユウキに差し出した。

「君にも扱えるはずだ。さあ、試してみなさい」

「…」

 恐る恐る受け取ると、彼は雷火を見た。

「心配ないわ。君ほどの強力な存在なら」

「…うん」

 ユウキはベルトを腰に巻くと、トリガーを押した。

『スチルアーマー!』

 ベルトから、装甲が展開した。



安価下コンマ
01〜20 拒絶
21〜70 適応
71〜98 進化
ゾロ目 覚醒

「…おお」

 掌を見つめながら、感嘆するユウキ。

「どうだね、子供の体にもピッタリフィットだ」

「へえ、これは良いわね。ユウキ君はまだリーヴォの力を使いこなせていないから、つなぎには使えるかも知れないわ」

「うんうん。良い機会だから、その試作品は君にあげよう。引き続き、実験体の調達をよろしく頼むよ」

今日はこの辺で。

展開遅いかなと思ったけど、女幹部が本格的に動くのはストーリー終盤と決まっているので問題ないです

『F.E.C.O. Simulator』





「…くそっ」

 ゴミ捨て場にうずくまって、男は毒づいた。
 今の状態では幹部連中には、とても勝てない。人々は追い詰められていく。何より、彼らを守ろうとすれば、反撃の口実を与える。

「どうすれば…」

「…紫電、燈」

「…?」

 頭上から飛んできた声に顔を上げる。
 そこには、一人の女が立っていた。

「誰だ…?」

「あなたと、志を同じくする者。ただ、あなたと違って…わたしには、勇気と力が無かった」

「…ミライシャか」

「これを」

 女が、青いカセットを差し出した。表面には、シャチの絵が刻まれている。

「!!」

「あなたが取り損ねた分。今は、これだけ」

「…良いのか。見つかったら、殺されるぞ」

「上手くやる。信じて」

 そこまで言うと、女は彼に背を向けた。

「ま、待ってくれ! あんた、名前は」

「名乗らない。お互い…いや」

 彼女は、自嘲するように口元を歪めた。

「…わたしの、安全のために」

「そうか…」

 ゴミ捨て場を去っていく女を、紫電はちらりと見て、それから青いカセットに目を移した。





 マンションの駐車場に車を停めながら、雷火はぼやいた。

「昇進したんだし、もうちょっとマシな車が欲しいなぁ」

「…そう?」

 首を捻るユウキ。
 ちなみに、今乗っているのはごく一般的な国産軽自動車。雷火が人間だった頃から乗っているものだ。隊長の頃からそれなりの給料は貰っていたが、買いに行く暇が無かった。
 ユウキは特に気にしていないのだが、高級マンションの地下駐車場に並べた時に、周りの高級車の中にぽつんと汚い軽自動車が混ざっているのが、雷火にはどうも気持ち悪かった。

「週末にでも見に行こうっと。君の服とかも買いたいしね」

「うん」

 オートロックを開け、部屋に帰った。



安価下1〜3でコンマ最大 夜の行動、出来事

「ユウキ君はさ」

 風呂上がり、ビールを飲みながらふと、雷火は尋ねた。ちなみに、先日の一件以来、流石にジャージを着るようになった。

「これから、どうしたい?」

「これから…?」

 不思議そうに聞き返すユウキ。

「ここに来て、ミライシャのために働いて…で、その先。将来の夢、みたいな」

「…」

 ユウキは考え込むと、やがて首を横に振った。

「分かんない。考えたこと無い。…お姉ちゃんは? 何か、あるの」

「私は…」



安価下 雷火の夢

「…私も、あんまり考えたことは無かったけど」

 ユウキの顔を見て、言う。

「でも、君を見ていたら…そうだね。いずれやって来る、リーヴォが人間に代わって支配する世界…戦いが終わった後に生まれてくる子どもたちを、この手で育てたい、かな」

「そういう日が、来るんだ」

「来るよ。近い内に」



 翌朝。目を覚ましてから、この日が休日であることを思い出した。

「ん…っ、ユウキ君…?」

 見ると、ユウキはまだ隣で寝息を立てている。眠い目を擦りながら、雷火は昇進して初めての休日に何をするか、ぼんやりと考え始めた。



安価下1〜3でコンマ最大 午前の行動

「…よしっ!」

「っ!?」

 ユウキが慌てて飛び起きた。きょとんとする彼に、雷火は高らかに宣言した。

「今日は休み! 買い物行くわよ!!」



 自動ドアを潜ると、制服姿の店員たちが一斉に頭を下げた。

「「「いらっしゃいませ!」」」

「い、いきなり車…?」

「色々行きたいからね。荷物にならない順に済ますのが良いの」

 そう言うと雷火は、一人の店員に従って丸テーブルの前のソファに腰掛けた。
 カタログを開き、説明を始める店員。

「ふむ…多分、あんまり大人数は乗せないと思うけど…あ、これとか」

「…」

 隣で、ユウキはうつらうつらしている。どうやら、彼はあまり車には興味がないようだ。



 1時間ほど経った。

「…よし、これにする」

「ありがとうございます。お支払いは」

「これ、一括で」

 黒いカードを差し出すと、店員が一瞬、固まった。だが、すぐに笑顔で頷くと、カードを持って奥へ引っ込んでいった。

「…ん、終わった…?」

「ええ。お待たせ」

「何にしたの?」

 ユウキの質問に、雷火はカタログに大きく貼られた写真を指差した。



安価下 買った車のデザイン

 それは、銀に塗装された無骨なミニバンであった。

「え、でっか」

「大きいのは良いことよ」

 うんうんと頷く雷火。
 店員が、カードと伝票を持って戻ってきた。

「お待たせしました。こちら、一括でのお支払いとなっております」

「ええ」

 カードを財布に仕舞う。

「1ヶ月ほどお時間を頂きます。出来上がりましたらご連絡いたしますので」

「待ってるわ」

 店員たちに見送られながら、ディーラーを後にした。



「さ、好きなのを選んで」

「良いの…?」

 量販店やモールの一角とは違う、れっきとしたブランド衣料品店。ユウキは戸惑いながら、ハンガーに掛かったジャケットに触れる。

「君、今までまともな服持ってなかったじゃない。そろそろお洒落しなさい」

「うん…」

 店員に尋ねたりしながら、ユウキは服を選び始めた。



安価下1〜3 新しいユウキの私服

1〜3全部採用です

あといっこ

「…ん゛っ」

 試着室から出てきたユウキの姿に、雷火は思わずむせた。
 髑髏の刺繍されたキャップに、兎のプリントされたTシャツ。黒のレザーパンツを穿いて、黒縁の伊達メガネなんて掛けている。

「い…良いんじゃないかな」

 Tシャツの兎とか。
 ユウキは雷火の表情に気付いてか、試着室に引っ込んだ。

 数分後、再び試着室のカーテンが開いた。

「これなら、どう…?」

 今度は、灰色のパンツと黒のボタンシャツに、茶色いツイードのジャケットを羽織っている。

「大人っぽいの選んだのね」

「こっちの方が良いかな?」

「どっちも買ってあげるわよ。他には無いの?」

「後は…」

 試着室に引っ込む。
 次にカーテンが開いた時、雷火は彼の趣味を凡そ理解した。

「お、おかしくない…?」

 兎耳の付いた半袖パーカーに、ハーフパンツ。どうやら、彼はカッコイイ系よりは可愛い系が好みのようだ。1つ目にもあった兎のモチーフは、同居人に対する彼なりの敬意か。

「よしよし、じゃあ今の、全部買うわ」

「ありがとうございます」

 例によって店員にカードを差し出すと、支払いを済ませた。

「さて、これで目をつけてた分は終わりね。良い時間だし、お昼にしましょ。それから、何するか考えよう」



安価下1〜3でコンマ最大 午後の行動



「映画は見たことある?」

「ううん」

「じゃあ、これが初めてだね」

 ポップコーンとジュースを買い、劇場に入る。真っ暗な部屋に巨大なスクリーンを目の当たりにして、ユウキは小さく竦んだ。

「大丈夫、怖くないよ」

「う、うん」

 二人で並んで席につく。長い広告や上映中の注意事項が終わって、ようやく映画が始まった。



安価下 映画の内容
①アクション

②サスペンス

③ラブストーリー

④その他要記述

「…マジかぁ」

「…」

 ちらりとユウキの方を窺うと、彼は居心地悪そうな顔で膝を掴んでもぞもぞと身体を揺すっていた。
 スクリーンでは、俳優の演じる男子高校生が、主人公の若い女教師を教卓に押し倒し、乱暴にブラウスを脱がせているところであった。

「…!」

 ユウキと目が合った。彼は、小声で言った。

「…と、トイレ行ってきて良い?」

「ええ」

 彼は立ち上がると、そそくさと劇場を出ていった。
 スクリーンでは、生徒を跳ね除けた教師が泣きながら何か叫んでいる。予告の段階で教師と生徒の恋愛モノというのは分かっていたが、過激なシーンがあるのは予想外だった。隣にユウキを連れてきたのは失敗だったか。
 ユウキが戻ってくる頃には、もうそういうシーンは終わっていた。彼は、ぼうっとスクリーンを見つめながら、ポップコーンをしきりに口に運んでいた。



「…帰ろっか」

「うん」

 気まずい雰囲気で、映画館を後にする。外はもう、夕暮れであった。



安価下1〜3でコンマ最大 夜の行動、出来事 なお安価下コンマがゾロ目で…

「…ううぅっ…!」

「…っ、何?」

 苦しげな声で目を覚ました。見ると、隣でユウキが、背中を丸めて唸っていた。

「ユウキ君…?」

「許して…許して…」

「!」

 どうやら、悪夢を見てうなされているようだ。一体、どんな夢を見ているのだろう。虐待されていた頃の夢か、それとも学校で虐められている夢か…
 汗で濡れた額を、指で拭う。枕が、涙で濡れている。



安価下 どうする?

 いつかやったように、彼の頭を抱き寄せた。

「よしよし、大丈夫」

 豊満な胸に抱きしめて、囁く。

「お姉ちゃんが、ここにいるからね」

「ん、んっ…」

 ユウキが、濡れた鼻先をパジャマの胸元に擦り付けてきた。

「ちょ、くすぐったい…っ!」

 更に、両手で乳房を掴んできた。雷火は、寝るときはブラジャーを付けていない。薄い布越しに乳房に触れられて、思わず竦み上がった。

「や、めっ」

「ん、ん…っ」

 無邪気におっぱいを揉みしだくてを掴むと、はっとユウキが目を覚ました。

「…!! ごめん」

 彼は手を引っ込めると、申し訳無さそうにベッドの隅に引っ込んだ。



安価下 どうする?

「…触りたい?」

「べっ、別に、そんな」

「いいよ」

「えっ?」

 雷火は、パジャマのボタンを外すと、前をはだけた。それから、背中を向けるユウキの首に腕を回し、裸の胸に抱き寄せた。

「…こっち向いて、触って良いよ」

「…」

 おずおずと寝返り、雷火の方を向く。それから、震える手で雷火のおっぱいを、そっと掴んだ。

「あっ…♥」

「…」

 柔らかな膨らみを、中途半端な力で揉む。息が荒い。身体が震えている。

「…おっぱい、気持ち良い?」

「ん…っ」

 おっぱいの谷間に顔を埋めながら、ユウキが呟いた。

「…た、い」

「何?」

「…おっぱい、飲みたい」

「…」

 雷火は、ユウキの肩を掴んで引き離した。それから、片方の乳房を両手で包み、彼の鼻先に突き出した。

「…吸っていいよ。出ないけど……あっ♥」

「んっ、んっ、んっ…」

 ぽってりと膨らんだ、赤い乳首に夢中で吸い付いた。舌で弄るでも、前歯で甘噛するでもなく、ただ唇で懸命に、母乳も出ない乳首をちゅうちゅうと吸っていた。



 その日、雷火は外構部長に呼び出されていた。

「どうしてくれるんだよ、あの惨状!」

 パーマの掛かった茶髪を振り乱して、迫る。

「証拠隠滅、清掃作業、メディア工作…俺は3日間は寝てないぞ」

「それはご苦労さまです」

「ご苦労さまです、じゃあないんだよ!」

 机をドンと叩く。

「派手にやってくれてねえ? ただでさえ忙しいってのに」

「心中お察しします、外交部長」

「…」

 彼は、頭を抱えた。それからふと、ちらりと雷火の方を見た。

「…俺の名前は戸隠(とがくし)だ。外交部長とかよそよそしいからやめろ」

「はあ」

「分かったら、もう帰れ。次やったら、覚えてろよ」

「分かりました、戸隠部長」

 軽く頭を下げると、雷火は外交部を後にした。



「あー、朝っぱらから疲れた!」

「…」

 難しい顔で黙り込むユウキ。雷火は、慰めるように言った。

「結局、リーヴォも社会的な動物なのよ。しがらみからは逃れられない…少なくとも、今はね」



安価下 どうする?
①任務

②視察

③その他要記述

1

ねる

次の更新までに安価無かったら>>201

えっ

あっ

ごめん

今まで通り安価下1〜3でコンマ最大のつもりだった

ていうか同コンマじゃん

安価下 1 or 2

『F.E.C.O. Simulator』





「おらっ! さっさと金を出せ!」

「ひっ! 出します、出しますから、撃たないで」

「だったら早く…」

ポン

「…ねえ」

「! んだよテメエ! ぶっ殺されてえか!?」

「『んだよテメエ! ぶっ殺されてえか!?』…だってさ。ははは」

「おちょくってんのか! 舐めやがって…」

「…コンビニ強盗。社会のゴミ。人類の最底辺」

「あ…?」

「君みたいなクズには、この世界は生きづらいだろう。…さあ」

メキメキメキ…

「あ…あ、あああ…」

「死ね。それが君の救いだ」



「うわあああああっっっ!!!」





「さてと、気を取り直して今日もお仕事お仕事…」

 イントラネットに接続。任務一覧は、あまり代わり映えしない。

「どうしようかな…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①タワー建設の護衛

②野良リーヴォの保護

③脱走者の捜索

またも同コンマ

安価下 2 or 3



 現場に向かうジープの中で、雷火は通信機を起動した。相手は、現地で野良リーヴォの保護に当たっている部隊の隊長だ。

「対象の概要を」

”はっ。対象は19歳男性。覚醒は2週間程前と思われます。コンビニ強盗を殺害したところがミライシャの監視カメラに映っており、存在が発覚しました”

「能力は」

”モチーフはカマキリ。高い敏捷性と、両手の鎌で相手を素早く切断するようです。プロトコル通り勧誘を試みましたが、どうやらミライシャを敵視しているようで…”

「部隊は?」

”騒ぎを広げるだけかと思い、展開しませんでした”

「じゃあ、あんたはどうやって掛けてるの」

”隠れてます。自分、モチーフがカメレオンなもので”

「…そう。じゃあ、私が来るまでそこを動かないでね」

”了解”



 指定された路地にジープを停めると、電柱の影が揺らめいて、一人のトカゲめいた怪人が姿を現した。

「お待たせ。相手は?」

「それが…」



安価下コンマ
01〜20 帰ろうとしている
21〜50 こちらを探している
51〜70 別の人間を襲っている
71〜98 紫電と交戦中
ゾロ目 後ろ

「あっちに」

 路地から小さく顔を出し、指差す。その先に、ひょろりと背の高い青年が歩いている後ろ姿が見えた。

「あれ?」

「はい。しばらくは自分を探していましたが、先程諦めたようで」

「ふぅん…」

 今なら、不意を打てそうだ。ユウキに目配せすると、彼は戦闘服のポシェットから貰ったばかりのベルトを取り出した。



安価下 どうする?

「…よし」

 雷火は、ユウキの肩をぽんと叩いた。

「ユウキ、やってみなさい」

「!」

 ぎょっとするユウキ。

「もしもの時はなんとかする。好きなようにやってみなさい」

「…うん!」

 ベルトを装着し、トリガーを押し込む。

『スチルアーマー!』

「おお、新装備ですか」

「量産できたら、ウチに配備されるそうよ。…さ、行ってらっしゃい」



 パワースーツを纏ったユウキは路地裏から出ると、素早く対象に近付いた。それから…やおら、後ろから殴りつけた。

「うわっ!?」

 慌てて振り返る青年。ユウキに気付くと、すぐにカマキリ怪人に変身した。

「ミライシャめ、わざわざ自分からやられに来たか」

「…」

 鎌を振りかざす青年。ユウキは拳を固めると、殴りかかった。



安価下コンマ
01〜30 不利
31〜70 有利
71〜98 片鱗
ゾロ目 覚醒

「はっ、はっ! せっ!」

「くっ、このっ」

 素早く立ち回り、拳を打ち込むユウキ。小柄な体格も相まって、敵の反撃を受け付けない。
 とうとう、青年が叫んだ。

「何だよぉっ! 罪のない人々を傷つけて…何で、のうのうと…ぐはっ」

「ふんっ!」

 下からのジャンピングアッパーカットが、カマキリの下顎に突き刺さる。相手は引っくり返った。

「…お見事」

 拍手しながら、路地から雷火とカメレオン男が出てきた。後ろから兵士たちがぞろぞろと出てきて、気絶したカマキリ男を捕縛した。

「連れ帰って、『教育』ね」

 ジープに収容される青年を見ながら、一言。それから、変身を解除したユウキの頭を撫でた。

「お疲れ。帰ったらご馳走にしましょ!」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①別の任務

②社内の視察

③執務室に戻る

④その他要記述

「ただいまー…」

「…」

 暑い屋外から、涼しい執務室に戻ってきた。雷火は上着を脱ぐと、ボタンを2つ外してあおいだ。ユウキは自分の椅子に座りながら、ちらちらとそれを見ていた。

「さてと、疲れたし事務仕事でもしてよっと。ユウキ君、休憩してていいよ」

「うん」

 雷火はパソコンを開くと、未承認の書類一覧を開いた。



安価下コンマ
01〜20 特に何も起こらない
21〜40 応援要請(タワー建設地)
41〜50 応援要請(脱走者追撃部隊)
51〜70 研究部から来客
71〜98 ユウキが甘えてくる
ゾロ目 社長から呼び出し

 不意に、執務室の扉がノックされた。

「はい?」

「やあ」

 扉が開き、入ってきたのは研究部長であった。

「! 研究部長、お疲れ様です」

「うん、うん。お疲れ」

 彼は応接用のソファに腰掛けると、ふと言った。

「…雑賀、だ。研究部長では呼びにくかろ」

「は、はあ」

「よろしい」

 彼は頷いた。それから、ユウキの方を見た。

「ときにナイーブ君。ベルトの使い心地はいかがかね」

「えっ? …うん、役に立ってる…ていうか、ナイーブってぼくの名前なの?」

「お互い、君についての認識はまっさらだからね。社長と相談して、社内ではそう呼ぶことにしたんだよ。ま、気に入れば、の話じゃが」

「うーん…」

「午前中の野良リーヴォ捕獲は、彼の仕事よ。このベルトが早速役に立ったわ」

「それは重畳」

 雑賀はニマニマ顔で立ち上がると、不意に真面目な顔になった。

「…実は、ウチのラボから試作品が盗まれてね」

「えっ?」

「それも、シンカクベルト…あの脱走兵が盗んでいったヤツの、拡張パーツなんだよ。例の一件以来、一応厳重に保存してはいたんだが、盗まれっちった」

「監視カメラに何か映ってないの?」

 すると雑賀は、溜め息を吐いて首を横に振った。

「奴さん、カメラの位置や周期をバッチリ把握しとる。完全に内部犯じゃな。ワシとしたことが」

「…怪しいやつ、片っ端から絞り上げちゃう?」

「ならん、ならん!」

 もじゃもじゃの白髪を振り乱して抗議する。

「皆、リーヴォの未来を担うだいーじな頭脳たちだ。自首してくれるなら、それが一番。だが」

「駄目なら、紫電燈…脱走兵側から接触するところを、捕まえれば良いわけね」

「まあ、そうなる」

 去り際、雑賀は書類の束を置いて行った。

「持ち去られたガジェットの詳細を置いておくよ。イントラのメールで送るのは、止めとこう。万が一内通者に、横から仕様を覗かれたらかなわん」

「ベルトは何時ごろ配備されるの?」

「気長に待ちなさい。じゃーね」

 そう言うと、彼は執務室を去って行った。



「かんぱーい!」

「かんぱーい…」

 ホットプレートに、サシの入った肉。包むための青菜に、申し訳程度の焼き野菜。
 ユウキの初陣を祝しての、戦勝会である。

「…ユウキ君も、ビール飲んで良いよ?」

「えっ? ぼく、未成年だけど」

「それは人間の話でしょ」

 缶ビールを空けながら、雷火は上機嫌だ。ユウキも、酔った雷火に戸惑いながらも、高級な肉に舌鼓を打っていた。



安価下1〜3でコンマ最大 夜の行動、出来事

ねる

「ユウキく〜ん…」

「な、何」

 雷火はユウキの腕を掴んで引っ張ると、自分の膝の上に乗せた。それから、焼けた肉を箸でつまんで、彼の口元に運んだ。

「はい、あ〜ん」

「あ、あーん…」

 豊満な胸に押し付けるようにユウキを抱いて、彼に肉を食べさせていく。しばらくは大人しく従っていたが、とうとう耐えかねて言った。

「ちょっと、酔っ払ってるでしょ」

「えー? 君も飲む?」

「飲まないってば」

「じゃあ…」

 すると雷火は、おもむろにシャツのボタンを外し始めた。

「!!?」

 へその辺りまでボタンを外し、前をはだけると、ブラをずらして片方のおっぱいを出した。

「ユウキ君にはこっち。はい、召し上がれ」

「ちょっ、ほんとに酔い過ぎだって…んっ!?」

 頭を掴んで、乳房に顔を押し付けられる。ユウキは諦めて、汗ばむ雷火の乳首を口に咥えた。

「そう、そう…この前なんて、夜通しちゅうちゅうしてたもんね…」

「…」

 ビールを一口飲むと、もう片方のおっぱいもさらけ出し、ユウキに掴ませた。

「あ、んっ…♥ 後で、そっちも吸ってね…」



安価下 どうする?

「…」

 しばらく、ユウキに乳首を吸わせていた雷火だったが、おもむろに手を伸ばすと

「…っ!!」

 ユウキの、ズボンの股間に触れた。

「まっ、待って、ホント…んぐっ」

 抗議する口を、乳首に押し付ける。そのままズボンのファスナーを開け、ユウキの小さな、しかししっかりと硬くなったイチモツを取り出した。

「んふっ…いっちょ前に硬くして…♥」

「んん…」

 泣きそうな顔で呻くユウキを無視して、掌でそっと握る。そのまま、ゆっくりと上下にしごき始めた。

「ちっちゃいのに、あっつい…びくびくしてる…♥」

「んっ…っ、あ、あっ!」

 縮れた包皮の先端を、親指の腹で擦られて、ユウキは竦み上がった。

「やっ、だっ! あ、ああっ…」

 不意に、ユウキが雷火の腕を掴んだ。

「…出そう、何か」



安価下 どうする? なお、コンマ60以上で…

 雷火は、手を止めること無く促す。

「我慢しなくていいよ。出して」

「あっ、あ、あ、あっ…」

 ユウキが、腰を浮かせてビクビクと震えた。勢いよく跳ねる子供チンポの先端からは…

「…あら、まだか」

「あっ、うっ、うぅっ……あっ!」

 ユウキが、息を呑む。と思った次の瞬間



 ___じょろろろ…



「あっ、あ、うぅ…」

 泣きながら、雷火の膝でおしっこを漏らすユウキ。

「本当のおしっこが出ちゃったね」

「…バカっ!」

 ユウキはおしっこを出し切ると、叫びながら寝室へと逃げてしまった。

『F.E.C.O. Simulator』





「そもそも、何であんなベルトを作ったんですかー?」

 天井にぶら下がった、人型のシャンデリアが問いかける。

「若気の至り、というやつだよ」

 社長は、しみじみと言った。

「私も、まだ心が人間だった頃があったのだよ」

「それ、何年前の話ですか」

「大東亜戦争が終わって、間もない頃だったかな」

 大真面目に答える社長に、シャンデリアは閉口した。
 そこへ、建設部長が入ってきた。

「!」

 すかさず天井から降り、人間の姿に戻るシャンデリア。彼女は、社長の側に控える秘書であった。

「失礼します。一つ、お耳に入れたいことが」

「何だね」

 スーツをきっちり着込んだ、小太りの男が、額を拭いながら言う。

「ここ数日、我が社の設置した街頭の監視カメラに不具合が続いておりまして…」





「はぁ…」

 机に肘を突いて、頭を抱える雷火。酔いが回っていたとはいえ、とんでもないことをしてしまった。ユウキはあれからいじけてしまい、今日は寝室に籠もったきり出てこない。会社へも、一人で来た。

「帰ったら謝らないと…」

 ひとまず、仕事だ。後のことはそれから考えよう。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①任務

②視察

③訓練

④その他要記述

「任務は…」

 パソコンを開き、任務一覧にアクセス。

「どれどれ」



安価下1〜3でコンマ最大 どれにする?
①野良リーヴォの保護

②脱走者の捜索

③新装備のテスト



「…おや、今日はナイーブは一緒じゃないのかな」

「色々あって」

 雑賀の問いかけを気まずい顔であしらうと、雷火は広い実験場に、数名の兵を伴って入った。

「こちらを」

 助手の女が、バックルを兵たちに手渡す。

「付けたまえ」

「はっ」

 雑賀に言われた通り、バックルを腰に当てると、ベルトが伸びて腰に巻き付いた。
 壁面のスクリーンに、バックルの構造図が映し出される。

「トリガー内部に記録された装甲のデータを、ベルトから身体に出力するのだ。名称は…スチルベルトで良いか」

 レーザーポインタで、トリガーを指し示す。

「ここをカチッと音がするまで押すと起動する。では始めよう」

「陣形!」

 雷火の号令に、隊員たちが三角形の陣を組んだ。

「着甲!」

「「「着甲!」」」

 隊員たちが、一斉にトリガーを押し込む。

『『『スチルアーマー!』』』

 合成音がして、彼らの身体に黒い鉄の装甲が展開された。

「ん、まずは合格かな。次は機動力」

「陣形!」

 雷火の号令に従って、次々に陣を組み替えていく。見るからに重い装甲を付けながら、彼らは軽やかに走って陣形を組んでいく。

「疲れないだろう。関節部に稼働補助のモーターが入れてある。こういう細やかな気配りが、技術屋の腕の見せ所ってわけよ。…外していいよ」

「解甲!」

「「「解甲!」」」

 装甲を解除する。助手にベルトを回収させながら、雑賀は雷火に言った。

「後は、対応する兵装だね。もう大体は出来てるから、来週には実装できそうだよ」

「よろしく頼むわ」

 雷火たちは、実験場を後にした。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①別の任務

②社内の視察

③執務室に戻る

④その他要記述

「さてと、久しぶりに見回りでもしようかしら」

 隊員を元の隊に帰すと、雷火は社内の視察を始めた。



安価下1〜3でコンマ最大 どこに行く?
①訓練場

②武器庫

③拷問室

④その他要記述



「お疲れ様です」

 鉄の扉をくぐると、入り口に控える兵士が敬礼した。
 薄暗い廊下の両側には、強化アクリルの扉が3つずつ並んでいて、その中の幾つかの部屋が使用されていた。
 ここは、拷問室。ミライシャに害を為そうとする人間や、保護したもののこちらに従わないリーヴォなどを閉じ込めて『教育』する場所だ。

「あら、総隊長じゃない」

 奥からやって来たのは、何時ぞやの白瀬千里。彼女がここでの作業に当たっているようだ。

「お手伝いに来てくれたの?」

「そんなところよ」

「あの子は?」

「…」

 黙り込む雷火に、千里は思わず吹き出した。

「何やってるのよ。…ま、良いわ。いらっしゃい」

 廊下を進むと、一つの扉を開けた。



安価下コンマ
01〜50 先日捕まえたカマキリ男
51〜70 産業スパイの女
71〜98 新聞記者の男
ゾロ目 戦闘服を来た男

今日はこの辺で。

これもしかして、1スレに収まらない…?

ちなみに、裏では着々と部下がやられてます。そろそろ強化フォーム入ったんじゃないかな

『F.E.C.O. Simulator』





「見つけたぞ、紫電!」「監視カメラを破壊していたのもお前か」「大人しく投降しろ!」

「…」ジーン! グラスホッパー!

ザッ ザッ ザッ

「…ハジメマシテ、ですねー。紫電さん」

メキメキメキ…

「まあ、ここでサヨナラですけど」スッ

リーン…



「…わ、たしの、催眠が…」ガクッ

「はぁっ…はぁっ…」

ヒタ ヒタ ヒタ

「…紫電」

「! …あんたか」

「ここの監視カメラは、もう壊したのね?」

「ああ」

「なら、これを」スッ

「これは…?」ガチャ

「!!」

「最近作られた、より高いセキュリティエリアにアクセスしたら、設計図が見つかった。持ち出して、別の場所で出力したら、これが」

「…シンカクベルトを、強化するガジェットに違いない」





 薄暗い小部屋には、鉄の椅子が一つ。そこに、一人の女が縛られていた。

「どこかの競合他社に雇われた、産業スパイよ。ウチの持ってる次世代型超高速なんたらかんたらの技術を狙って侵入したみたい。どこが雇ったのか、それから何を盗んだのか、聞き出して欲しいの」

「…」

 黙り込む女。千里は手をひらひらと振ると、部屋を出ていった。
 地味なスーツを着た、地味な女だ。銀縁の眼鏡を掛けて、髪を2つに括っている他に、特筆するような特徴が見当たらない。こういう印象に残りにくい人間ほど、潜入捜査には向いているのだろう。

「…どこで捕まったの」

「…」

 下を向いて、何も言わない女。雷火は溜め息を吐いた。



安価下 どうする?

 やおら、雷火は椅子を蹴り上げた。床に固定されているはずの椅子が、雷火の蹴りであっけなく外れ、後ろに倒れた。

「い゛っ」

 後頭部を床に強打し、呻く女。
 雷火は、入り口にいる見張り兵に命じた。

「ひとっ走り社内の掃除屋捕まえて、使ってる途中の雑巾とバケツを持ってきて。水捨てたら駄目だからね」

「はっ」

 兵士は敬礼すると、部屋を出ていった。



「お待たせしました」

「ご苦労」

 青いポリバケツに、黒ずんだ雑巾が引っかかっている。中身も、しっかり濁った水が満たされている。

「じゃあ、質問。お前を雇ったのは、どこ? 言えば、お前の身の安全は保証するけど」

「…」

 女は、何も言わない。

「あ、そ」



安価下 どうする?

「この私に汚れ仕事させるなんて、いい度胸ね」

「代わりましょうか?」

「そういう意味じゃない。…さて」

 汚水に雑巾を浸し、絞らずに女の顔の上に持っていく。それから、上を向いた顔に、じっとりと濡れた雑巾を被せた。

「…っ」

 濡れた雑巾が気道を塞ぐ。しばらく見ていると、女の喉がひくひくと動き始めた。
 雑巾を剥がし、すかさず問う。

「どこに雇われた?」

「…」

 再び、雑巾を被せる。
 息が詰まるたびに雑巾を外し、問い続ける。時々は一瞬外すだけで、何も言わずに被せた。
 次第に、女の顔が青くなってきた。



安価下 どうする?

 とうとう、雷火はバケツの中身を女の顔にぶち撒けた。

「っ…げほっ、げほっ」

 雑巾が流され、女がむせる。
 雷火は、兵士に言った。

「道具を使う。何かあるでしょ、電気ビリビリとか」

「ジェネレーターですね。お待ち下さい」

 兵士が機材を取りに行く間、雷火は女に向かって言った。

「面白くないわね。せめて声くらい上げてくれないと、寂しいわ」

「…あの」

 初めて、女が口を開いた。

「何、話す気になった」

「トイレに行きたいんですけど」

「…」



安価下 どうする?(最後)

「…」

「お待たせしました」

 兵士が持ってきたジェネレーターから電極を取り上げると、女の固定された椅子を起こした。それから、スーツとシャツを捲り上げて下腹部を露出させると、そこに電極を押し当てた。
 兵士が、スイッチを入れる。

「あっ…あ、あっ!」

 女の腰が、ビクンと跳ねた。そのまま、ガクガクと震え始める。

「あっ、あああっ、あああっ…」

 兵士が、電圧を上げる。

「あああああっっ!! 痛っ、あ゛あっ!!」

「…」

 雷火は何も言わず、電流を浴びせ続ける。普段リーヴォとして電気を扱うだけあって、絶縁をしなくとも自分が電流を浴びることは無い。
 女の白い腹が、赤くなってきた。

「いっ、ま、待って! もうやめて! はっ、話すからっ!」

「…」

「お願いっ、これ以上は、おしっこが…」

「…」

「おしっこ、漏れ……ああっ!」

 スーツの尻から、熱い液体が広がって、椅子の座面から床に落ちていく。失禁しながら痙攣する女から、雷火はようやく電極を離した。

「…はい」

 電極を兵士に渡し、部屋を出ていく。

「千里によろしく。話すって言ってたって」

「お疲れさまでした」

 敬礼する兵士に見送られながら、拷問室を後にした。



「ただいま…」

 恐る恐る自室に戻る。電気は点いていなくて、物音もしない。
 しかし、寝室を覗くとベッドに一人分の膨らみがあった。

「ユウキくーん、ただいまー…」

「…」

 布団が、もぞりと動く。しかし、返事はない。



安価下1〜3でコンマ最大 夜の行動、出来事

「…ぐすっ」

「!?」

 突然聞こえてきた嗚咽に、ユウキがベッドから顔を出した。

「えっ?」

「ひぐっ…グスッ…」

 嘘泣きかと思いきや、本当に泣いている。

「ユウキ君…返事、してくれないの…?」

「あ…」

 おずおずと、ユウキが出てきた。しかし彼は、雷火から少し離れたところで立ち止まった。

「…そう言って、また恥ずかしいことするんだ。学校のやつらみたいに」



安価下 どうする?

「…そうだよね。学校や家で、虐められてたんだよね」

 雷火は床に正座すると、深く頭を下げた。

「知ってたのに…何も考えないで好き放題やって、ごめんなさい…」

「…」

 ユウキが、ゆっくりと近付いてきた。

「…もう、しない?」

「ええ」

「…じゃあ、いい」

 頷いたユウキを、雷火は抱きしめた。

「ありがとう…ごめんなさい…」

「わ、分かったから、分かったから…」



 翌朝。イントラに届いたアラートを見て、雷火はぎょっとした。

「三尼真実が、やられた…?」

 三尼と言えば、以前控室で会った部隊長だ。どうやら、紫電を交戦し敗れたらしい。

「いい加減、無視できなくなってきた…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①任務

②視察

③訓練

④その他要記述

「今は…」

 任務一覧にアクセス。
 ユウキが、緊張した顔で雷火を見た。



安価下1〜3でコンマ最大 どれにする?
①脱走者の捜索

②タワー建設の護衛

③競合他社の制裁

「ライトネット社の制裁…?」

 新しく追加された任務が気になって選んでみる。
 どうやら、先日雷火が尋問した産業スパイは、この会社に雇われていたらしい。備考欄には、興味深いことが書かれていた。

「最近、3Dプリンター事業にも手を出し始めた…」

 通信事業の会社が3Dプリントに手を出す例は無いでもない。しかし、ミライシャにスパイを放ったこのタイミングと言うのが引っかかる。

「まあ、行きましょうか」



 ジープの中から、ライトネットの社屋を窺う。当然、このまま兵を連れて出ていけば大騒ぎになる。めぼしい人物が出てくるのを待って、拉致するとしよう。



安価下コンマ
01〜30 広報部長
31〜50 技術開発室室長
51〜80 専務
81〜98 社長
ゾロ目 助手

 一人の男が、社屋から出てきた。社用車に乗ってどこかへ出発したのを、ジープで追いかけた。
 数十分後。社用車を追い詰め、人気のない高架下に誘導した。

「…な、何だね君たちは!?」

「ライトネット社の…お前は、専務ね」

 橋脚に男を追い詰め、兵で取り囲む。

「だったら何だ。こいつらは何だ」

「我が社の、知的財産を保護しているの」

 雷火の言葉に、専務があっと声を上げた。

「あの女、しくじったか!」

「理解が早くて何より。…口封じしようとしても無駄よ。彼女は、我が社で保護している」

 雷火が合図すると、兵たちが専務に銃を向けた。

「答えなさい。いつから、スパイを送り込んでいた? あの女だけじゃないでしょう」

「…」

 専務は青褪めた顔で、雷火を睨んだ。



安価下 どうする? なお、コンマ80以上で…

 雷火が、前列の兵士に合図した。
 専務の足元に、実弾が撃ち込まれる。

「うわっ!?」

「お前が話さなければ、次を当たる。お前の首を土産にね」

「…」

 専務は青い顔で雷火を睨んでいたが、やがて震える声で言った。

「…こちらが送ったのは、彼女が最初だ」

「ちょっと引っかかる言い方ね。そっちが送ってないスパイは、前からいたってこと」

「それは…知らん」

「社長なら知ってるかしら。それとも、筆頭株主?」

「…」

 専務は、黙っている。



安価下 どうする? なお、、コンマ60以上で…

ねる

そして お ま た せ

『F.E.C.O. Simulator』







『燈、ミライシャに人が襲われている。場所は…』



 言われた場所へバイクに乗って向かうと、正に一人の男が、武装した兵たちに囲まれているところであった。
 その、隊長と思しき人物を見た瞬間、燈はバイクを飛び降り、叫んだ。

「見つけたぞ、ミライシャ! …兎走、雷火!!」

「…!」

 こちらに気付いて、隊長が振り返った。黒い戦闘服の兵士たちの中にあって、彼女だけはグレーのスーツを着て、分厚い眼鏡を掛けていた。
 彼女は燈を見ると、口元を歪めた。

「これは、答え合わせ、ということで良いのかしら」

「何のことだ?」

「し、知らん! 私は」

 言いかけた男が、兵士に撃たれて倒れた。

「よくも…!」

 バックルを取り出し、腰に当てる。
 バッタが刻まれた、緑色のカセットを掲げ、スイッチを押した。



『ジーン! グラスホッパー!』



「ここで、お前を倒す! ……変身!!」





『ホッパーステップ! シンカローン!!』

 緑色の装甲を纏う紫電。雷火は、兎の怪人に変身した。

「ぼくも行くよ、お姉ちゃん」

 兵士たちの中から、ユウキが出てきた。彼はスチルベルトを装着すると、トリガーを押した。

『スチルアーマー!』

「子供を…戦わせるのか…?!」

 驚愕する紫電。雷火は、鼻を鳴らした。

「ただの子供と、見くびらないことね。この子は、これからの世界を導くのよ」

「…させるか! たあっ!」

 紫電がバッタの脚力で高く飛び上がり、雷火に襲いかかってきた。



安価下 どうする?

「ふんっ!」

 脚を上げ、飛び蹴りを防御する。そのまま、雷火は言った。

「ユウキ君!」

「やあっ!」

「くっ!?」

 ユウキが、下から脛めがけてチョップを振るった。紫電は雷火の脚を蹴って、後ろへ飛び下がった。

「どうして、ミライシャの味方をするんだ!?」

「お姉ちゃんは…ぼくに、いても良いって…必要だって、言ってくれた…!」

 ユウキは、素早く距離を詰め、拳を突き出した。紫電がそれを両腕で防御すると、ユウキは更に連続で拳を打ち込んだ。
 紫電は反撃すること無く、ただユウキの攻撃を防御している。



安価下 どうする?

「包囲!」

 雷火の号令で兵たちが動き、紫電とユウキをぐるりと取り囲んだ。
 雷火は地面を蹴って飛び上がると、ユウキと打ち合う紫電の背後に着地し、背中に電撃を放った。

「ぐわあっ!?」

 よろめく紫電。そこへ、ユウキが蹴りを叩き込む。
 倒れて地面を転がりながら、紫電が青いカセットを手に取った。

「あれは…?」



『ジーン! グランパス!』



「超…変身!」

 シャチの刻まれた青いカセットを、ベルトに差し込む。そのまま、彼は跳ね起きた。



『グランパスソー! シンカローン!』



 装甲が青く、シャチめいた形状へ変わる。その手に、青いノコギリめいた剣が出現した。
 剣を両手に構えると、その刃がチェーンソーのように、唸りを上げて回転し始めた。



安価下 どうする?

撃たれた専務を投げてぶつけてみる

どうする?で行動書いてないので念のため。

出来事安価はちゃんと出来事と書くので、>>323を採用



「へえ、それは見たこと無いやつね」

 平静を装いながらも、雷火は雑賀から渡された仕様書に目を通していなかったことを後悔していた。
 ひとまず、武器の威力が分からない以上は様子見だ。雷火は、射殺された専務の死体を担ぎ上げると、ひょいと投げつけた。

「!」

 死体とは言え、流石に人間は斬れないのか、紫電は片手でそれを受け止めた。
 すかさず雷火が跳び、死体ごと紫電に飛び蹴りを見舞った。

「くっ…!」

 剣を振るい、応戦する紫電。雷火は電光を纏った脚で、連続キックを叩き込む。

「せぇやっ!」

「っ!」

 横薙ぎの剣をかがんで躱す。耳の毛が少し切れて、宙を舞った。
 起き上がりざまに、下から剣を持つ手を蹴り上げた。

「ああっ!?」

 剣が宙へ跳ね上がる。それが落ちてくるより速く、雷火は渾身のキックを、紫電の胸に打ち込んだ。

「ぐわああああっっっ!!!?」

 跳ね飛ばされ、変身が解除される。

「これで終わり…」

 止めを刺さんと歩み寄る雷火。紫電は、よろよろと立ち上がると…

「…こうなったら」

 懐から、緑色のカセットと…銀色のパーツを取り出した。

「今度は何?」

 紫電は、バッタのカセットに銀色のパーツを取り付け、スイッチを押した。



『スーパージーン!』



「試してやろうじゃないか…変身!!」

 強化されたカセットを、ベルトに差し込む。



『スーパーホッパーステップ! シンカ、シンカ、シンカローン!!』



「おおお…」

 紫電の身体に、緑色の装甲が展開されていく。銀に縁取られた、より鋭いデザインの装甲だ。尖った顎のバッタめいた仮面が顔を覆うと、紫電は空高く飛び上がった。

「はああっ!!」

「オモチャが増えようと、同じこと…!」

 回し蹴りで迎撃を試みる。が

「くあっ!?」

 受けきれず、雷火は地面に倒された。

「お姉ちゃん!?」

 駆け寄るユウキに向かって脚を振るうと、空気の刃が彼を弾き飛ばした。

「うわあっ!?」

「終わりだ…!」

 ベルトのスイッチを3回押す。紫電の右足に、ベルトから光が流れて、収束していく。



『スーパージーン! オーバーロード!!』



「おおおお…」

「こ、の…」

 どうにか立ち上がる雷火。紫電は、再び飛び上がると…



安価下コンマ
01〜30 敗走
31〜50 破甲
51〜80 脱皮
81〜98 侵蝕
ゾロ目 捕食

「たああぁぁぁっっっ!!!」

「あああああっっ!!?」

 必殺の飛び蹴りが、雷火を直撃した。爆風が、部隊を吹き飛ばした。
 やがて、砂塵が収まった頃…そこには、抉れた地面の中心で倒れて動かない雷火がいた。

「…」

「…ユウキ…くん」

 そこへ、ユウキが歩いてきた。彼は装甲を解除すると、バックルを投げ捨て、雷火の側に跪いた。

「に…げ…」

「…」

 彼は何も言わず、白い毛に覆われた雷火の胸に手を置くと、その膨らみに口を付けた。

「んっ…」

「…ぁ…」

 乳房を通して、何かが雷火から、ユウキの中へと流れ込んでいく。消えていくはずの生命が、彼に向かって流れ込む…

「…」

 雷火の身体が、腐肉となって崩れ落ちると、ユウキは立ち上がった。
 その視線の先で、紫電は油断なく成り行きを見守っていた。

「…あぁ」

 ユウキが呻く。次の瞬間

「ああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」

 その身体が、粉々に砕け散った。人間の殻を破り、中から異形が顕れた。
 それは、ヒトとカブトムシを混ぜたような姿をしていた。濃緑色の外骨格に、四肢を覆う鋭いトゲ。虚ろな黒い複眼の間からは、二股に分かれた角が生えている。
 広げた両手を、電光が駆け抜けた。それは周囲を駆け抜けると、倒れ伏す兵士たちを一人残らず消し炭に変えた。

「くっ…」

 紫電は跳び下がると、無念そうに歯軋りした。しかし、今の自分でも敵わないと判断し、バイクに跨って逃走した。





 数日後。会議室の円卓には、各部門の長たちに混じって、一人の少年の姿があった。

「紹介しよう」

 困惑する幹部たちに向かって、社長が言った。

「新しい実働部隊総隊長、ナイーブだ」

「…」

 少年は、荒んだ目で会議室の面々を見回した。
 彼は黒い戦闘服の上から、兎耳の付いたパーカーを羽織っていた。






『Female Executive of Criminal Organization Simulator』

『Story mode : Sacrifice end』



 運が悪かったと言う他ありません。
 時代の特異点とでも言うべき存在と出会ったあなたは、その目の前で反逆者に敗れ、彼の成長の礎となって死にました。
 ですが、その死は無駄にはなりません。あなたを捕食したあの少年は、あなたの能力を継承しました。これからも、数多くの同胞を喰らって強くなり、いずれは組織のトップに立つことでしょう。
 彼が、あなたの仇と対峙した時、どうなるか…それを、あなたが知るすべはありません。

一周したので約束通りハーレムやる

『F.E.C.O. Simulator』

最近のトレンドはウルトラマン



というわけで安価下3票先取 組織の概要
①人間、改造人間主体の侵略組織(ショッカー方式)

②異世界から来た侵略生物集団(インベス方式)

③表向き仮面ライダーの味方してるけどそもそもこいつらが元凶(鴻上ファウンデーション方式)

④その他要記述

 ___ある日、空にヒビが入った。そこから、人知れず何かが、この世界に滲み出てきた…



「…」

 ゆっくりと、目を覚ます。これは、光を感知する器官。振動を感知。温度を感知。匂いを感知。
 目の前に、緑色の肌をした何かが立っている。その足は地面に埋まっており、動物というよりは植物に近い存在に見えた。
 それは、赤い目でこちらを見た。

「…この世界の生物の肉体を模倣した」

「…」

 見回すと、肌色の四肢を備えた動物が3匹。自分の手を見ると、彼らと同じ形をしていた。

「元の姿にも戻れる。だが、この外では長時間維持できないだろう」

 緑色のそれが、4匹の部下を見回した。

「…『メタモズ』の種子を広げるのだ」



『メタモズ』

 異世界から何らかのルートでこの世界に来た、侵略的外来種。
 彼らは植物に近い生態をしており、最初に標的世界に送られるのは、たった一本の『苗木』。それが人知れず根を張り、花を咲かせ、そして果実という形で部下を産み落とす。
 部下は標的世界に馴染みやすい形で生まれるが、メタモズとしての姿も持ち、そちらでは超能力や身体能力を発揮することができる。
 また繁殖力も高く、あらゆる生物種との間に子を成すことができる。様々な世界で優れた形質を採集して、彼らは力をつけてきたのだ。

 彼らの目的は、各地にメタモズの種子を蒔き、全世界をメタモズの繁殖地とすることである。

というわけで、キャラ案募集

(例)
人間態
『夜灯シャーリア』
褐色肌に黒髪を長く伸ばしている。深紅の長いマントに身を包んでいるが、その下は踊り子めいた露出の多い衣装。そのバストとヒップは豊満であった。
無言で何を考えているのか分かりづらいが、内心ではこれから侵略するこの世界に強い興味を持っている。

怪人態
目や耳といった感覚器官を、身体の至るところに好きなだけ出現させる。基礎的な身体能力が高いため、強化された感覚と相まって隙が無く、人間相手ならまず負けることはない。しかしあくまで感覚を強化するだけのもので、彼女自身はあまり戦闘向きの存在ではない。情報収集や敵の撹乱が主な任務となる。



安価下 20:00まででコンマ最大 主人公について
容姿、能力、正確などできるだけ詳しく

『氷結の女王 フリーア』
人間態
色白で黒髪ロング、ターコイズブルーの美しい瞳を持ち、美乳美尻美脚の彫刻のようにバランスの取れたプロポーションを持つ
色白の肌とは対照的な黒いワンピースを着ており、基本的に薄着
常に冷静沈着で感情の起伏は少なく、『侵略』にもあまり積極的ではないが降りかかる火の粉は全力で払い火元まで徹底的に潰すタイプ

怪人態
髪は銀髪となり、耳はとんがってエルフ耳のようになる
黒いマントのような物が出現するが、服は水色のビキニのようなものに変化して見た目はほぼ裸マント状態になる
冷気(正確には熱量)を操る能力をもち、敵を氷結させたり燃やしたりする事で戦う
非常に強い熱帯性(冷却耐性)を持つ

妖花精『アルノルディ』

人間態
ストレートの長い黒髪、青い瞳、白い肌。小柄で童顔。頭に白い花の髪飾り。主に子供服を着ており薄着を好む。時おり体操服やスク水を着たりランドセルを用意することも。
小学生高学年程度の幼い少女のように見えるが、その年代の少女逹に比べて豊かに実る胸や安産型の尻、仄かに香る花の匂いなど妖しい色気を放っている。
生意気で小悪魔気取りな所謂「メスガキ」のような性格で、繁殖のために夜な夜な不良や浮浪者などを挑発している。
彼女は人間態でもフェロモンを発し、交わった者は花粉をつけられ操り人形と化す。

怪人態
髪飾りが大きな赤い花に変わり、全身に蔦がまとわりついたような状態になる。
この形態になると人間態よりも強力なフェロモンを発し、耐性や何らかの対策が無ければ交わっていなくても操り人形になる。

書ききれない。

『F.E.C.O. Simulator』



「ごちそうさま、陽子さん」

「またいらっしゃいね」

 会計を終え、店を出ていくサラリーマンに笑顔で手を振る女。白いシャツの上からオーバーホールを穿き、白黒のエプロンを身に着けた若い女は、空になったカレー皿を持ってカウンター裏に引っ込む。エプロンの上からでも分かる豊満な肢体に、他の客の男が、密かに熱っぽい視線を送った。
 白い皿を洗うその女は、赤い髪の毛を長く伸ばしてお下げに編み、微笑みを浮かべた顔は凛として美しい。若くして、この喫茶店を一人で切り盛りするこの女を、常連たちは陽子と呼んで慕っている。
 サラリーマンと入れ替わりに、また新しい客が入ってきた。

「ごめんよ」

「あら、一樹くん」

 入ってきたのは、一人の青年。擦れたジーンズにシワの付いたシャツ、よれよれのジャケットといううだつの上がらない格好で、それでもその顔は活き活きとして、陽子の目の前のカウンター席に腰を下ろした。

「いつもの」

「はいはい」

 陽子は頷くと、『いつもの』…すなわち、ミルクのたっぷり入ったコーヒーと、プレーンのロールケーキを、一樹と呼ばれたこの青年に供するべく、コーヒー豆をミルに入れながら…



安価下 
①普通に淹れる

②『盛る』

「…そろそろね」

 不意に、陽子が誰にも聞こえないような、小さな声で呟いた。

「外、雨は大丈夫だった?」

「うん? よく晴れてたよ」

「そう。天気予報で、昼過ぎから曇るって言ってたから心配で」

「ええ? それは困ったな…」

 一樹が、陽子に背中を向け、窓の方を見る。その隙に、彼女はミルクポットを取り上げ、さっとオーバーオールの脇、更にはシャツの隙間に差し入れた。

「…んっ」

 軽く身じろぎする陽子。服の中から出てきたポットには、もう白いミルクが並々と入っていた。



「はい、どうぞ。ミルクは入れておいたわよ」

「いただきます!」

 いつものように、コーヒーに口を付ける青年。一口飲んで…

「…あれ?」

「! 何かしら」

「いや…いつもより、美味しいなって。あ、いや! いつも美味しいんだけど…」

「…ふふっ、分かっちゃう? 実は、ミルクの仕入先をね」

 それらしい相槌を打ちながら、陽子は密かに、口元を歪ませた。



 夜。シャッターを閉めた店の中で…陽子は、両腕を広げた。
 次の瞬間、彼女の纏う衣服が全て消え…瞬時に、豊満な胸と尻が、ホルスタイン種めいた白黒柄のビキニに包まれた。更に、両手両足にはグローブとブーツを身に着け、頭からは短い角まで生えている。
 彼女はバックヤードに入ると、秘密の入り口を通って隠し部屋に入った。

「おまたせ、子供たち」

 狭い部屋には、無数の異形たちが蠢いていた。
 陽子が、ビキニトップを上にずらす。たっぷり詰まった乳房が露わになると同時に、彼女のくびれた腰に辺りに、8つの細長い突起物が現れた。
 子供たちが、一斉に陽子に群がる。そうして、剥き出しの乳房や、その下の突起を咥えると、夢中で吸い始めた。
 競うように乳を吸う子供たちを愛でるように、陽子は言った。

「大きくなるのよ…私の、愛しい子供たち…あんっ♥」




 ___と、これが彼女の概要。

 一日働いて、自由に動けるのは夜になってからになるでしょう。勿論、自営業なのでお店を閉めればいつでも行動できますが、あまり閉めていると怪しまれます。

 この街には、彼女を含めて4人のメタモズが潜んでいます。それぞれはまだ連携はせず、独自に動いているようです。



 他に質問はありませんか? 22:00まで受け付けます。

目標は世界征服です。
具体的には、メタモズを世界中に広げることです。そのために、人間などの生物を改造したり、交配して繁殖したり、物理的にメタモズの種子を土などに植え付けることができます。主人公は繁殖が主な手段になるでしょうか。

交配して生まれた子供は、相手の特徴を受け継ぎます。魚と交配すれば泳げるようになり、鳥と交配すれば飛べるようになります。ただし、体格や膂力も相手の影響を受けます。人間相手なら、少なくとも生まれた子供が人間に負けることはないでしょう。

他の幹部は…
能力の概要は把握していますが、彼らがどこにいて、どのような手段で目的を果たそうとしているのか、今のあなたは知りません。
今の所分かっているのは…



『グリージャ』
人間態は筋骨隆々の大男。怪人態はワニ頭の獣人。見た目通りの怪力で、難しい思考は苦手。仲間を増やすというよりは、原生生物を滅ぼすのが目的と勘違いしているフシがありそう。

『ウエス』
人間態は小柄な少年。怪人態は蔦を編んで作った人形。種子から仲間を増やすだけでなく、増えた仲間を吸収して強くなることもできる。

『リヴァ』
人間態は黒い長髪の陰気な男。怪人態を、あなたは見たことが無い。能力も、仲間にさえ見せたことがない。

といったところで今日はこの辺で

えっ、てなる前に予め聞いておきたいんだけど、ヒーロー側で>>1の趣味全開で遊んで良い?

『F.E.C.O Simulator』







「いやっ、助けて! 誰か…」

「へっへっへ…」

 路地裏に追い詰められた女に迫るのは、ワニ頭の恐ろしい大男。彼は鋭い歯を剥き出しにしながら、ゆっくりと女に近寄っていく…



「待て!」



「…?」

 突然響いた声に、面倒臭そうに振り向く。そこには、一人の青年が立っていた。

「お前の、思い通りにはさせない…」

「…だが、てめえ」

 鼻を鳴らすワニ男。彼の指差す先、青年の足は、一目見て分かるほどに震えていた。

「オレは…戦う…」

 彼は懐から、赤と白の楕円形の装置を取り出すと、腰に当てた。すると側面からベルトが伸びて、腰に巻き付いた。
 更に彼が取り出したのは、円盤を半分に割ったような、2枚の半円形の板であった。よく見ると、それぞれには異なる紋章が描かれている。

「…先輩方、オレに勇気を貸してください…!」

 腰に装着した装置の右側に、板の一枚を挿し込む。



『クウガ!』 ”(変身音)”



 青年の右側に、赤い戦士が現れる。
 更に、左側に一枚。



『ゼロワン!』”プログライズ!”



 青年の左側に、黄緑の装甲を纏った戦士が現れる。
 最後に、バックルの上面にあるスイッチを押すと、彼は叫んだ。

「変身!!」

 2枚の板がスライドし、中央で一枚の円盤になると、それは高速で回転を始めた。



『一・新・紀・元! ライジングレジェンド!!』



「さあ…行くぜ!!」





 開店前の店に、陽子はいた。特に何か企んでいるわけではなく、純粋に開店の準備をしている。侵略生物メタモズの尖兵として、この街に入り込んでからは、ここで喫茶店を経営しながら、客の中から利用できる者がいないか品定めしているのであった。
 コーヒー豆の在庫を確認しながら陽子はふと、先日の青年に思いを馳せた。
 うだつの上がらない、定職に就いているのかすら怪しい男であったが、彼女は彼に不思議な魅力を感じていた。無論、それは男としてではなく、侵略の足掛かりとして、である。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(午前)
①働く

②その他要記述

 表に出ると、ドアに掛かった表札を『CLOSED』から『OPEN』にひっくり返す。まだ、朝の7時過ぎだが、もう店の前には客が待っていた。

「お待たせしました、中へどうぞ」

 口元にいつもの笑顔を浮かべ、陽子はせっかちな客人の顔を見た。



安価下コンマ
01〜10 ボロボロの大男
11〜90 普通のサラリーマン
91〜98 陰気な長髪の男
ゾロ目 一樹

「あら、早いのね」

 そこにいたのは、一樹と呼ばれた昨日の青年。彼はいつになく憔悴した顔で、陽子を見た。

「あ、うん…」

 血走った目に、震える声。ただならぬ様子の彼を見て、陽子は内心ほくそ笑んだ。
 昨日、彼女が一樹に与えたミルク。あれは陽子のメタモズとしての能力の一つであり、強力な依存作用があるのだ。早速、身体がミルクを求めて来たに違いない…

「さ、いらっしゃい。コーヒーを淹れるわね」

 まだ誰もいない店内に、一樹を招き入れた。
 彼がいつものカウンター席に座ると、陽子は「いつもので良い?」と尋ねた。

「うん、あ、いや…」

「一樹くん?」

「…か、カツサンドが良いかな。あとコーヒー。ミルクと、砂糖も入れて」

「ええ、待っててね」

 まあ、いつも来るおやつ時ではなく、今はモーニングだ。しっかり食事がしたいのだろう。そう思いながら、衣を付けて冷蔵しておいた豚肉をフライヤーに入れた。豆を挽き、サイフォンにかける。勿論、ミルクポットには自分の母乳を。
 カツサンドとコーヒーをカウンターに出した時、一樹がぽつりと呟いた。

「…オレ、生きてる…?」

「何を言ってるの。ちゃんと、生きてるわよ。…」

「…っ」

「…え?」

 ぽたり。カウンターに落ちる雫に、陽子はぎょっとした。
 一樹は、肩を震わせながら、静かに涙を流していた。

「ど、どうしたの一樹くん?」

「オレ…頑張るから…何かあっても、陽子さんのこと…絶対、守りますから…!」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする? 自由安価

「…ありがとう、嬉しいわ」

「!」

 陽子はカウンターから出ると、そっと一樹の頭を自らの豊満な胸に抱き寄せた。

「ん…でも、辛いときには、辛いって…ちゃんと言わないと駄目よ」

「陽子、さん…」

 一樹が呟く。陽子の乳房の間で呼吸している。陽子は、オーバーオールに染みるほどに、中毒作用のある母乳を滲ませていた。

「…ありがとう」

 我に返ったように、一樹が陽子の胸から離れた。それから、いそいそとカツサンドを頬張り、コーヒーで流し込んだ。密かに混ぜたミルクも、一滴残らず飲み干した。
 それから彼は

「ごちそうさま」

 と一言、店を出て行った。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(午後)
①働く

②その他要記述



「あれ、もう閉めちゃうの?」

「ごめんなさい、今日は仕入先の人とお話があって」



 山道を車で走っていると、目的の牧場が見えてきた。
 駐車場に車を停め、建物に近付くと、中から一人の男が出てきた。

「陽子ちゃん、待ってたよ…」

「馬小屋を使わせてもらうわね」

 ふらふらと近寄ってくる男をあしらうと、陽子は馬小屋に向かって歩いて行った。
 後ろからよろよろと追いかけてくる牧場主の男は、目が虚ろだ。街で喫茶店を開くに当たって、数人ほど関係者をミルク漬けにした。牧場主もその一人で、店で使う『普通の』牛乳や肉などは、彼から全てタダで仕入れている。
 さて、馬小屋にやって来た陽子は、いつものオーバーオールから牛柄ビキニの怪人態へ変身すると、馬たちを品定めするように見回し…特に身体の大きな一頭の前に立った。

「…君に決めた!」

 ビキニのボトムスをずりおろし、柵に手を突いてふっくらと大きなお尻を、馬に向かって突き出す。
 馬は引き寄せられるように、彼女の元へ近寄ると…腕より太い巨大なペニスを、剥き出しの膣穴に突っ込んだ。

「ん゛っ、おおおっっっ…♥♥♥」

 はらわたを突き抜けるような衝撃に、思わずおかしな声が漏れた。
 馬は、一切の遠慮なく腰を振る。

「お゛っ♥ ごほっ、んああっ♥ …ふぅん゛っっっ♥♥」

 内臓を根こそぎ引っこ抜かれるような、激しい交尾。

「んぐっ、お゛あっ♥ あ、はあっ♥ うぅ…」

 やがて、陽子の膣穴に、夥しい量の精液がなだれ込んだ。口元までこみ上げるほどの凄まじい射精に、陽子の足が震えた。

「お゛っ♥ ほっ♥ ふぐっ、うぅ…♥」

「陽子ちゃ、陽子ぢゃぁ…んっ、んくっ、んくっ…」

 いつの間にか来ていた牧場主が、陽子のビキニを勝手にずらして、乳首を夢中で吸い始めた。
 馬の精液で膨れ上がった陽子の腹には、もう新しい命が宿っていた。



「…ふぅ」

 店に戻る頃には夜中になっていた。彼女の腹は既に臨月近くの妊婦のように膨らんでいて、中では新しいメタモズの子供が動き始めていた。
 この格好で店に出るわけにはいかない。翌日の昼過ぎまで店は閉めることになる。丸一日あれば、子供が生まれるには十分であった。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(夜)
①情報収集

②子供の世話

③レシピ開発

④その他要記述



「はいはい、争わないで…」

 2つの乳房と8つの乳首を子供たちに与えながら、陽子は隠し部屋に横たわった。
 まだこの世界の環境は、メタモズの生命維持には厳しい。メタモズの密度が高まることで、彼らがより長く本来の姿を維持できるようになる。逆に言えば、狭い部屋に子供たちを詰め込んだこの部屋でなら、ほぼ一日中メタモズの姿でいることが可能であった。
 子供たちに乳を与えながら、陽子は特に成長した者がいないか視線を走らせた。ここで増やすだけでなく、外に放つことも必要だろう…



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①まだやめておく

②一匹だけ出してみる

③その他要記述

「…まだその時じゃないわね」



 翌日。陽子の腹は更に膨れ上がって、立ち上がることも困難だ。当然店は開けないので、家でできることをしよう。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①情報収集

②レシピ開発

③休む

④その他要記述

ねる

オーブとかジードみたいな仮面ライダーっていないなと常々思ってたんだよね

 ノートパソコンを立ち上げると、ここ最近のニュースを検索し始めた。
 メタモズの中には、偵察に向いた能力を持つものもいるが、彼女はそういった行動が不得手だ。こうして、人間の用いる手段を利用させてもらっている。



安価下コンマ
01〜40 明日は雨
41〜60 通り魔
61〜80 通り魔+謎のヒーロー
81〜98 植物園開園
ゾロ目 求人



「『小さな植物園、開園のお知らせ』」

 郊外の住居を改装したと思しき、小さな温室の前で微笑む小柄な青年の姿に、見覚えがあった。

「ウエス…」

 何を隠そう、陽子と同じメタモズ、それも最初の苗木から生まれた4匹のうちの一つであった。
 思えば、彼の正体は人型に編まれた植物の蔓だ。正体を隠しながら、仲間を増やすのに都合のいいよう植物園を作ったのだろう。
 住所を控えると、陽子はパソコンを閉じた。



「う…っ、うっ…」

 膨れ上がった腹を抱え、四つん這いになる陽子。

「…っ、あああああっっっ!!!」

 次の瞬間、その脚の間から、馬と人を混ぜたような生物が生まれ落ちた。最初から陽子と同じくらいの大きさのそれは、生まれてすぐに立ち上がると、陽子の乳房から乳を吸い始めた。
 馬人間の身体が、どんどん成長していく。日が沈む頃には、もう陽子の2倍ほどの背丈に、分厚い筋肉を備えた逞しい怪人に成長した。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(第1週2日目 夜)
①馬怪人を放つ

②他の怪人を放つ

③植物園に行ってみる

④その他要記述



 夜。車を降りると、そこは例の植物園であった。
 昨日の午後から、今日一日店を閉めてしまった。店を開ける用事は、できるだけ今のように夜にしたほうが良いだろう。

「ごめんください」

 戸を叩くと、中から写真に写っていた青年…というより、少年が出てきた。
 彼は、怪訝な目で来客を見て…すぐに、「ああ」とうなずいた。

「クイーン。ということは、記事を見てくれたんだね」

「ええ」

 玄関から中に入ると、そこはまだ普通の洋館といった感じで、受付に簡単な見取り図、植物図鑑などが並んだ棚などが置いてあった。
 陽子を連れて、ウエスは洋館の奥へと進んでいく。フローリングを剥がし、コンクリートを敷いた床の上には、様々な植物の植わった鉢がずらりと並んでいた。

「『苗木』は、ちょっとイライラしてるよ」

「どうして?」

 歩きながら、少年は肩をすくめた。

「いつまで経っても、ぼくたちが種子を広げないからだってさ。バイオームができないと、折角広げてもすぐに駆逐されちゃうのにね。…」

「今まで、何をしてたの」

「見ての通り、バイオーム作りさ。ここに植わってる植物は、普段はこの世界のものに擬態させてるけど、全部ぼくが植えたメタモズの種子だ。ようやく、この中でメタモズの姿を維持できるようになった」

 次の瞬間、少年の姿が消え、代わりに濃緑色の蔓をぐるぐる巻きにしてできた、同じ体格の人形が現れた。人形は手から蔓を伸ばし、陽子の首元に触れた。

「…君は? 随分と、この世界に馴染んでるじゃないか」

「…」



安価下1〜3でコンマ最大 話題、行動

「…ええ。街で、お店をしているの。良かったらいらっしゃいな」

「へえ」

 蔓人形が、元の少年に戻っていく。

「それに、子供たちもたくさん産んだわ。もう、お店でならメタモズに戻っても大丈夫よ」

「それを聞いて安心した。グリージャは馬鹿だし、リヴァは何考えてるか分からないし、君だけが頼りだよ。あとは…」

 ウエスは腕組すると、何かを思い出そうとした。



安価下コンマ
01〜20 特になし
21〜60 グリージャがボコボコにされた
61〜80 グリージャが謎の人間にボコボコにされた
81〜98 この前リヴァが訪ねてきた
ゾロ目 ↑+何か妙なものを作ろうとしていた

「…ふっ、そうだ」

 いきなり、ウエスは吹き出した。笑いを堪えながら、言う。

「風の噂によるとね…ふふっ、この前、グリージャがボコボコにされたそうだよ…ひっ」

「誰に? あの腕力だけが取り柄の男が…」

「さあね。あんまり聞き分けが無いものだから、『苗木』にでもお仕置きされたんじゃないかな。ははは…」

今日はこの辺で



 翌朝。馬怪人を人の姿にして車に乗せると、陽子は店に来た。仕込みより先に、秘密の隠し部屋に怪人を入れる。

「ここも、狭くなってきたわね…」

 もうこれ以上、ここで子供たちを過ごさせるのは難しそうだ。そろそろ、何人か表に出す時期かも知れない。例えば…

「…お店の手伝い、とか?」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(第1週3日目 朝)
①一人で働く

②子供と働く

③その他要記述

 そうと決まれば、早速実行だ。陽子は、部屋を埋め尽くす子供たちの中から、特に成長した者を見繕った。
 一日中、人間の姿でいられる者、それもあまり目立たない姿になる方が良い。例えば、馬怪人は人間態も巨漢だ。隣で働かせないほうが良いだろう…



安価下1〜3でコンマ最大 表に出すメタモズについて 名前、容姿(人間態と怪人態両方)、性格などできるだけ詳しく
>>349>>356で採用されなかったものでも可

>>355
現状だと学習がてらのイメージで良い?

>>425 いいよ



「…ホーラ、いらっしゃい」

「!」

 歩いてきたのは、一人の少女。童顔で背も小さいが、母親譲りの匂い立つような身体をしている。
 一見、彼女は普通の人間に見える。しかし、その白魚のような左手には、鋭い牙と強力な消化液を備えた巨大な口を隠し持っている。この世界に来て最初の頃、珍しい食虫植物の花粉を手に入れて設けた子供であった。

「今日から、私のお仕事を手伝ってもらうわね」

「良いんですか?」

 ホーラの目が、期待に輝く。少し前から、彼女はこの世界に興味を持っていた。良い機会だ。



 そして。

「おはよう、陽子さん。…あれ? その娘は?」

「今日から、ウチで働くことになったの」

「雪下ホーラって言います。ご注文はお決まりですか?」

 カウンターを出て、注文を取りに行くホーラ。客の男はどぎまぎしながら答えた。

「あっ、い、いつもの…」

「いつもの?」

「厚切りトーストにいちごジャムとバター、それにブラックコーヒーのセットのことよ。すぐに用意しますね」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(第1週3日目 午後)
①働く

②その他要記述



「雰囲気は掴めたかしら?」

「うん。これなら、上手くやっていけそうな…気がします」

 午後からも、引き続き2人で店を回した。
 新しい店員に対する客の反応は、概ね良好だ。ホーラ自身が可愛らしい顔をしているのもあるし、陽子と並ぶと姉妹のような雰囲気で良いのだろう。不慣れなのも、また初々しくて良いものだ。
 昼時、入ってきた常連のカップルが、目敏くホーラに気付いた。

「…お、本当に新入りが来たんだね。ずっと一人だったのに」

「お腹空いたー。鉄板ナポリタンちょうだい!」

「ちょっと待っててね。…ええ。おかげさまで、最近忙しくって」

 いつもの笑顔で、陽子は答えた。



安価下コンマ
01〜20 ホーラが皿を落とした
21〜50 頑張って働いた
51〜70 ホーラに、男が絡んできた
71〜80 ウエスが来た
81〜98 一樹が来た
ゾロ目 ↑+???



「オムレツプレートです。コーヒーは食後でよろしかったですか?」



「はい、お冷お持ちしました。ご注文はお決まりですか?」



「お会計、1120円になります。ありがとうございました!」



「お疲れ様」

 表札を『CLOSED』に裏返すと、陽子は言った。

「すっかり、仕事には慣れたみたいね」

「うん」

 ホーラは頷くと、ふと遠い目になった。

「…ここは…良いところですね」

「そうね。いずれ、私たちのものになるわ」

「…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(第1週3日目 夜)
①情報収集

②レシピ開発

③怪人を放つ

④その他要記述



 家に帰ると、陽子はテレビを付けた。世間の動向は知っておくに限る…



安価下コンマ
01〜20 明日は晴れ
21〜60 強姦殺人魔
61〜80 近所で爆発音
81〜98 ウエスから電話
ゾロ目 インターホン

”明日の天気です。明日は、高気圧が日本列島を覆い、全国的に晴れとなるでしょう。一週間の天気です。週末は…”

「…」

 陽子は、テレビを消した。

今日はここまで

ぼちぼちグリージャがしにます

『F.E.C.O Simulator』







「見つけたぞ…今度こそ!」

「クソッ! しつこい奴だ…こうなったら!」

 ワニ頭の怪人は、付き添っていたトカゲのような肌の男を掴むと

「…っ!? ぎゃあああっっ!!?」

「はぐっ、がりっ、ばくっ」

 頭からバリバリと喰い始めた。
 怪人の身体が、更に膨れ上がり、硬い鱗に覆われていく。

「…」



『クウガ!』『ゼロワン!』

『一・新・紀・元! ライジングレジェンド!!』



「これ以上…お前の好きにはさせない!!」





 朝。いつものように陽子は店に来た。

「おはよう、ホーラ。いい子にしてた?」

「うん。今日も働くの?」

「ええ、よろしくね」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?(第1週4日目 午前)
①働く

②その他要記述

行動安価は能動的な行動のみな





「いらっしゃいませ! ご注文はお決まりですか?」

「サンドイッチとコーヒー…」

「かしこまりました、少々お待ち下さいね」

 昨日より慣れた様子で注文を取るホーラ。客の男が、ねっとりとした視線を彼女に向けているのに、陽子は気付いている。



安価下コンマ
01〜30 特に何も起こらない
31〜60 ホーラがセクハラされた
61〜80 やけに身なりのいい男
81〜98 爆発音
ゾロ目 乱入

「ホーラ、この料理を…」

 陽子が言いかけたその時、突然入り口の扉が吹き飛んだ。



「きゃあっ!?」

「うわあーっ!?」



「…!」

 カウンター目掛けて、逃げ込んでくる客たち。その真ん中に立って、陽子は土煙の中に立つ、2つの影を見た。
 片方は、ワニ頭の大男。何を隠そう、先日話にあったグリージャその人。そして、もう片方は…

「…よくも、陽子さんのお店を…!!」

 怒りの声を上げる、異形。それは赤い甲虫めいたスーツの上から、蛍光グリーンの装甲を纏った、真っ赤な複眼の怪人であった。よく見ると、彼の腰には赤と白のバックルが装着されていて、中央では何かの円盤が回っている。

「陽子? …! クイーン、そこにいるんだろ!」

「!」

 陽子は、カウンターの裏に座り込んだ。同胞として、グリージャの助太刀をするべきか。しかし、そうすれば今まで築いてきたものが、全て…

「おらあっ!」

「ぐあっ!?」

 ところが、怪人は有無を言わさずグリージャを殴りつけると、そのまま店の外へと引きずって行った。

「…! ホーラ、こっちに逃げて!」

 思い出したように、入口近くで呆然と立つホーラを呼び寄せる。
 ホーラは駆け寄ると、小声で尋ねた。

「あれは…ママの?」

「…」

「…一樹くん?」

 ふと、陽子は呟いた。

「クイーン! クイーン! 俺を、手伝え…っ!」

「てめえ! 陽子さんに何する気だ!」

 グリージャを押し留めると、彼は店の方に向かって叫んだ。

「…陽子さん! ここはオレに任せて…皆を連れて、裏口から逃げるんだ!」



安価下
①従う

②グリージャに助太刀する

③その他要記述

「…」

 陽子は…カウンターを、飛び出した。破壊された入り口を通って、戦う二人の元へ迫る。

「やめろ、来るな! 逃げて…」

 その身体から、服が消えていく。露わになった肢体を、牛柄のビキニが包んでいく。

「そ…そんな」

「そうだ、来い! 俺たちには、使命がある!」

 側に立った乳牛の女王の肩を抱き、ワニ男はニヤリと嗤った。



安価下コンマ
01〜20 絶望
21〜80 授乳
81〜98 開放
ゾロ目 捕食

「クイーン!」

「ええ」

 陽子…クイーンホルスタインは、ビキニをずらすとたわわに実ったミルクの果実を曝け出した。濃いピンクの乳首に噛み付くと、グリージャは貪るように母乳を飲んだ。

「んっ、んぐっ、んぐぐっ……ッハ! いい気分だぜ!!」

「…このおっ!!」

 グリージャと一樹が、再び激突する。体力を回復したおかげで、一転してグリージャが優勢だ。
 頭突きを食らって倒れた一樹は、どこからともなく2枚の半円盤を取り出した。



『龍騎!』 ”(変身音)”

『ウィザード!』 ”プリーズ”

「竜の力…使わせていただきます!」



 それぞれバックルに挿すと、中央で一枚の円盤になる。



『画・竜・点・睛! クリムゾンミスト!!』



 2つの戦士の幻影が重なると、一樹の身体が宝石を全身にあしらった甲冑に包まれた。

「はあっ!」

 掌を空に向けると、魔法陣が出現し、中から深紅の竜が姿を現した。


「バハムレッダー! こいつを、倒す…」

 その時、店の方から悲鳴が上がった。

「!?」

 見ると、中から客たちが逃げ出すところであった。その後を追って出てくるのは、無数のメタモズたち。…クイーンの、子供たち。
 最後に出てきたのは、ホーラ。その手が震えている。きっと、彼女が隠し部屋の扉を開け、彼らを解き放ったのだろう。

「こいつは良い!」

 グリージャが哄笑した。

「このまま、人間どもを滅ぼすぞ!!」



「…ふぃーっ、首尾は上々!」

 瓦礫の山に胡座をかいて、グリージャは上機嫌で言った。
 店を中心に、半径1km程度。全て瓦礫に変え、人間は殺した。これ以上広げると、メタモズの密度が下がる。
 グリージャと交戦していた一樹は、ある時点で放たれた子供たちによる被害を止めるために戦線を離脱していった。しかし、焼け石に水だろう。

「このまま、ここに『苗木』のヤローを呼んじまおうぜ」

「それも良いわね」

「…」

 ホーラは先程から、じっと黙って、一人の男の死体を見つめている。

「…やあ、派手にやってくれたね」

「ウエス…」

 どこからともなく現れた少年は、手に持った鉢植えを地面に置くと、ふっと笑った。

「まあ、こうなっちゃコソコソしてても仕方ない。…こいつを植えよう。すぐに、この辺いっぱいに育つよ」



 ウエスの持ってきた植物が辺りを埋め尽くすのに、一月かかった。
 人間たちはその間に、何度も武器を持った軍隊を送ってきた。そのどれもが返り討ちに遭うと、今度は土やコンクリートで壁を作り、彼らを閉じ込めにかかった。
 街から人は消え、やがてそこには高い瓦礫の山に囲まれた、奇妙な植物の森が出来上がった。

 森は、壁を越えようとしている。

今日はここまで

ここからどうしよう…(無計画)

どっちがいい?
①怪人優勢のまま進める

②ここでエンディングにしてハーレムに戻る

『F.E.C.O Simulator』







「…あなたが、語部、一樹…?」

「あんたは…!」

 目の前の、セーラー服姿の少女の正体に気付くと、一樹はさっと身構えた。

「陽子さんの所の…何をしに来た!?」

「お願い!」

 突然、少女は一樹の腕を掴んだ。

「わたし…この世界が好き…この世界の人が、好きなの!」

「だけど、あんたは!」

「わたしのせいで、あんなことになるなんて…ただ、ママを助けたかっただけなのに…」

 両膝を突き、涙を流す少女。一樹の腕を強く握ると、訴えた。

「お願い! ママを…あいつらを、止めて…!」





「浮かない顔だね」

「…そう」

 ウエスの言葉に、クイーンは曖昧に頷いた。

「そんなに、あの人間が心配?」

「心配なんじゃないわ。あの子、私のミルクを飲んだのに、影響が無さそうだったから」



「彼は、『楔』」



「!」

 はっと、振り返る。鬱蒼と茂ったメタモズ植物の中に、人型の木の幹のようなものが立っていた。それは赤い目で2人を見ると、虚のような口を明けて言った。

「この世界の寄る辺の一つ。故に、異世界の力を浴びて、流されない」

「だから、あんな異世界のヒーローをごちゃまぜにして纏って、頭がおかしくならないんだね」

「…」

「…よう、シケた面してんな!」

 そこへ、グリージャがやって来た。その手には、動かなくなった男児をぶら下げている。『苗木』から少し離れたところに腰を下ろすと、おもむろに持ってきた男の子をバリバリと喰い始めた。

「そんなとこに引きこもってねえで、外に出ようぜ! 気分が晴れるし、役目も果たせる」

「…ぼくは遠慮しておくよ。植物の面倒を見なきゃ」

「私は…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①森の外に出る

②森を散策する

③会話する(『苗木』、ウエス、グリージャから一人併記)

④その他要記述

「…私も、遠慮しておくわ」

 そう言うとクイーンは、その場を離れて森を散策し始めた。



「…」

 殆ど陽の光の差し込まない、濃く茂った葉。時折頭上から、爆発音が響く。人間たちが、爆弾を落としているのだ。
 どうやら、彼らの知る植物というのは、火に弱いらしい。



安価下コンマ
01〜30 特に何も起こらない
31〜50 メタモズに会った
51〜70 人間の兵士と会った
71〜90 一樹
90〜98 一樹+???
ゾロ目 ????

「…!」

「!」

 草陰から現れた人物に、クイーンは息を呑んだ。

「一樹…くん」

「陽子さん…本当に、あんたは…」

 彼が度々この森に現れては、メタモズを狩っていることは知っていた。確かに彼にはその力がある。しかし、多勢に無勢と、揃って無視を決め込んでいた。

「オレ…陽子さんのこと、信じてた…この力を手に入れて」

 一樹が、例のバックルを取り出す。

「…あの、ワニ頭を追い払った時…この力で、陽子さんを守りたいって、そう思ってたのに」

「私は、メタモズ。この星を、新たな故郷にするために来た」

「陽子さん…あんたとは、戦いたくないんだ…だから」

 バックルを、腰に装着する。懐から2枚の半円を取り出すと、バックルに差し込んだ。



『ファイズ!』 ”Complete.”

『エグゼイド!』 ”アイム ア カメンライダー!”

「毒を以て、毒を制す! …変身!」



『良・薬・苦・口! フォトンヴァイラサイド!!』



 現れたのは、銀のプロテクターを纏った競輪選手のような、奇妙な姿の戦士だった。スーツとアーマーに覆われた四肢を、赤い光の線が走っている。

「ここで…あんたを、止めてみせる!」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①タイマン

②逃げる

③交渉(内容併記)

ねる

安価下

ごめんあげわすれてた



 クイーンは…踵を返すと、逃げ出した。
 当然だ。いくらメタモズとはいえ、彼女の能力はあくまで繁殖であって、戦闘ではない。戦闘全振りのグリージャと互角の一樹相手では、結果は火を見るより明らかだ。

「待てっ!」

 一樹も走り出す。



安価下コンマ
01〜50 Start up.
51〜70 上手く逃げ込んだ
71〜98 ウエス乱入
ゾロ目 ???

”Start up.”

「…えっ?」

 次の瞬間、クイーンの横を何かが猛スピードで駆け抜けた。それは彼女の前に出ると、急速に方向転換し、一転して彼女に向かって突っ込んできた。

「まっ」

”Exceed charge.”

 爆走する影が消え…無数の赤いポインターが、彼女を取り囲んだ。そして

「っ! あっ!? ひっ…きゃあああっっ!!?」

 目にも留まらぬキックとパンチが、嵐のようにクイーンを襲う。為す術もなく空中へ弾き飛ばされると、更に4つの飛び蹴りが同時に突き刺さった。



”会心の一発!”



「…っ」

 力尽き、地面に落ちていくクイーン。それを…

「陽子さんっ!」

 一樹は抱きとめ、着地した。
 彼の腕の中で、クイーンの服や角が融けていき…そこには、ただ一人の人間が残った。
 陽子を腕に抱くと、一樹は変身を解除し、足早に森から出ていった。



「…っ」

「! 陽子さん…」

 目を覚ますと、見知らぬ部屋のベッドに寝かされていた。駆け寄り、覗き込むのは、一樹と…

「…! ホーラ…?」

「ママ…」

 少し前から、姿が見えないと思っていた。まさか、一樹のもとにいたとは…

「ホーラちゃんから聞いたよ。メタモズについて…この世界を、侵略しに来たって」

「…」

 一樹とホーラを、交互に見る。ホーラは俯いて、一樹はまっすぐに見返してきた。

「この世界は、渡さない。グリージャってあのワニ頭は、絶対に倒す。でも」

「でも?」

「オレ…また、陽子さんの淹れてくれたコーヒー、飲みたいよ…」

「…」

 潤んだ目で、じっと陽子を見つめる一樹。陽子は、メタモズに戻ろうとして…

「もう、ママはメタモズにはなれないわ」

「どういうこと…?」

「ファイズとエグゼイド。怪物を滅ぼすエネルギーと、人間と怪物を分離させる能力…あんたの身体からメタモズだけを取り出して、滅ぼした。今のあんたは、人間だ」

「…」

 頭が真っ白になる。メタモズとして生まれたのに、メタモズの能力だけを失って…人間になった…?

「まあ、驚くのも無理はないよね。オレはしばらく外に出てる。落ち着いたら戻ってくるよ。…ホーラ」

「うん」

 一樹とホーラが、部屋を出ていく。残された陽子は…



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
①じっとしている

②部屋を調べる

③脱走を試みる

④その他要記述

仕事なのでここまで

安価下

『F.E.C.O Simulator』







「…良いぞ」

 ビルの屋上から何かを見下ろしながら、男は呟いた。

「確かに、お前はこの世界の特異点…だが、メタモズにも特異点は存在する…」

 半円形のプレートを2枚、目の前に掲げる。黒と白。腰には、赤と白のバックル。

「…さて、いつ遊びに行くかな?」





「…」

 ベッドの上で途方に暮れる陽子。メタモズの力を失った今、自分は一体何なのだ? それに、ホーラまで一樹の側に付いて…彼女もまた、メタモズの力を失ったのだろうか?
 窓の外は、もう夕暮れだ。そもそも、太陽を久しぶりに見た。森の中へは、日光も差し込まなかった…



安価下コンマ
01〜60 一樹とホーラが戻ってきた
61〜90 ホーラだけ戻ってきた
91〜98 苗木
ゾロ目 ???



「やあ」

 一樹とホーラが戻ってきた。2人の手には、湯気の立つマグカップが握られていた。ホーラは、2つ持っているカップの一つを陽子に差し出した。

「はい。…ママが淹れてるの、こっそり見て勉強してたの」

「…」

 一口、飲む。自分が淹れたものと似た味。しかし、まだまだ直すべきところがある。そう考えて、自分で思っている以上に、かつて用いていた『隠れ蓑』に真剣になっていることに気付いた。

「…あたしにもっと、教えてよ」

「追い払って済むのなら、メタモズだからって無理に全員殺すつもりは無い。グリージャは別だけど…」

 コーヒーを飲み干すと、一樹は立ち上がった。

「ホーラちゃんには、オレの戦力強化に協力してもらってる。できるなら、陽子さんにも」

「…私に、同胞を殺す手伝いをしろと?」

「できるなら、だよ。…今夜は、ここで寝ていいよ」

「おやすみなさい、ママ」

 2人は、部屋を去っていった。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする? 自由安価



「…」

 2人の気配が向こうに消えたのを見計らって、陽子はベッドを下りた。暗い部屋を手探りで、壁のスイッチを付けると、電気が点いた。
 明るくなった部屋は、意外と広い。陽子は何か無いか、部屋の中を調べ始めた。



安価下コンマ
01〜50 冷蔵庫
51〜80 看板
81〜98 設計図
ゾロ目 ???



「…これは」

 見つけたのは、分厚い紙束。それぞれが、何かの設計図になっている。その一番上には、一樹が用いるバックルの設計図が記されていた。
 その下には、半円形のプレートの設計図。それぞれに、異なる戦士のイラストが添えられて…



「…見つけたぞ」



「!」

 はっと振り返る。
 そこにいたのは、長い黒髪の陰気な男。

「リヴァ…今まで、どこに」

「必要なものを集めていた。…見つけた」

「何を? …!?」

 リヴァは、どこからともなく…一樹と同じバックルを取り出すと、腰に装着した。更に、黒と白の半円を装填していく。



『アークオルフェノク』

『バットファンガイア』

「再生」



 2枚の半円が合体し、1枚の円盤となって回転する。



『リクィデイター』



「何する気…嫌…来ないで!」

「ククク…」

 陽子にゆっくりと迫る、いくつもの翼を生やしたバッタのような怪人。その背中から、鋭く尖った透明な触手が2本、陽子に向かって飛来した。

「陽子さん! …!!?」

 駆けつけた一樹が見たのは、見たことのない怪物と、彼の触手に貫かれた陽子。怪物の手には、毒々しい臙脂色の半円盤が握られていた。



「…あ、がっ」

「…ククッ、これで一つ…」



「やめろおおおおっっっ!!!」

 触手から解き放たれ、床に倒れる陽子。一樹が抱きとめると、彼女は弱々しく言った。

「一樹、くん…」

「陽子さん! しっかり…」

 震える唇が、ガラスの破片のように、きらきらと崩れ落ちていく。

「ホーラを…お願い…あの娘が、あなたのために…コーヒー、を…」

 その身体から急速に色が抜け…粉々に、砕け散った。

「陽子さあああああんっっっ!!!!」

 一樹は立ち上がると、怪人を睨んだ。バックルを装着し、2枚の半円盤を掲げた。

「よくも…よくも! 陽子さんを!!」

 その手の中で、プレートがバチバチとスパークを散らし…漆黒と、純白に変わった。
 黒いプレートを装填。



『クウガ アルティメット!』 ”(変身音)”



 白いプレートを装填。



『アークワン!』 ”シンギュライズ!”



「変身…!」

 怒りと涙を、白と黒の仮面が覆い隠す。



『怒・髪・破・面! フォールンレジェンド!!』



「お前を…殺す!!」




『Female Executive of Criminal Organization Simulator』

『Story mode : Sacrifice end』



 避けられない運命でした。
 力を失ったあなたにできたことは、異世界間の移動を通じて身体に宿った、どこかの世界の怪物の因子を、同胞のために提供すること。その、生命と引き換えに。
 あなたの死によって、メタモズは強大な力の一片を手にしました。しかし、同時に人間にも力を与えました。
 怒りと悲しみと、殺意に飲み込まれた英雄。彼が悪意を乗り越える日は来るのでしょうか。それを、あなたが知るすべはありません。

というわけで明日以降ハーレムに戻ります

>>452でグリージャに助太刀するか否かが一番の分かれ目だった

ちなみに『悪の』女幹部シミュレーターなので主人公がヒーロー側に寝返ってもゲームオーバーです

もっとボス然としたボス出したほうがやりやすかったなと反省
それこそヨドンナ様みたいに部下は虐げる、上司には媚びるって分かりやすい女中間管理職が一番求められるところだろうし

ハーレムに戻る前に、ちょっとだけエディットモードする?
するとしても明日以降だけど

じゃあお題を募って3回だけやろう

『今まで出てきた女幹部、もしくは主人公案の中から一人』

『それがどういうことをする、またはどんな目に遭うか』

併記してね

安価下1〜3でコンマ最大



「はぁ…はぁ…っ」

 崩れ落ちる怪人。その後ろで座り込むセイコに、一樹は歩み寄った。

「もう…大丈夫だ。早く、逃げ」

「…ふふっ」

 突然。セイコが不気味な笑みを浮かべた。

「セイコさん…?」

 ゆっくりと立ち上がるセイコ。その服が、一瞬のうちに消え、背中に3対の巨大な翼が生えてきた。

「!?」

「あなた…強いのね」

「セイコさん…っ、くっ!」

 セイコが手を振ると、空中に裂け目が開き、そこから何かの蔓が伸びて一樹を襲った。払い落とすと、また別の蔓が襲いかかる。

「何を、何者なんだっ…っ!?」

 一樹の足が止まる。その足には、別の蔓が絡みついていた。そして

「…! くっ、離せ、このっ…ああっ!?」

 その蔓がばっくりと開き、一樹の足に噛み付いた。
 よく見るとそれは、セイコの腰から伸びていた。異形と化した彼女の、尻尾であった。

「うわあっ!? くっ、ああっ…」

 4つに裂けた尻尾が、一樹の足を呑み込んでいく。

「ふふ、ふふふっ…強い子は、好きよ…」

 嗤いながら、ゆっくりと歩み寄るセイコ。豊満な乳房が揺れる。くびれた腰がうねる。白い肌が、紅潮していく。

「あっ、ぐぅぅっ…くっ」

 必死に抗う一樹。尻尾を掴もうとした両手が、蔓に絡め取られた。

「あああああっ!!!?」

 尻尾が、一樹の腰まで呑み込んだ。両手を封じられた一樹は、抵抗すらできない。
 もがく一樹を捕食しながら、セイコの息が荒くなっていく。

「はぁ…はぁっ、はあっ…」

 その下腹部に、ピンク色の紋様が浮かび上がっていく。

「ぐぅ、離せ、離せっ…っ、あ、あぁ…」

「はあっ、ああっ♥ たまらないわぁっ♥♥」

 そして…遂に、一樹が頭まで呑み込まれた。

 人型に膨らんだ尻尾が、急速にしぼんでいく。それに従って、下腹部の紋様が鮮やかに光り輝いていく。

「あ…ああっ…はぁあっっ…♥♥」

 艶かしく喘ぐセイコの腹が、見る見るうちに膨れ上がっていく。

「あああっ♥ ううぅっ♥ はぁっ、あんっ、ああぁ…♥♥」

 セイコが、その場に仰向けに倒れた。肉付きの良い脚を大きく広げると、秘部をぐいと突き上げた。

「…はああんんっっっ♥♥♥」

 次の瞬間、つるりとした彼女の秘裂がぱっくりと開き、中から黒い何かがずるりと出てきた。

「あっ♥ ああんっ♥ はああっ♥」

 豊満な肢体を震わせ、腰を上下に揺らし、セイコは嬌声を上げる。
 ずるり、ずるりと、粘液に覆われた何かが出てくる。それは、黒い髪の生えた人間の頭であった。頭部が全て出ると、首、肩、そして胴と、順番にセイコの膣穴から滑り出てくる。

「…っ、あああああっっっっ♥♥♥♥」

 身体が全て、自らの胎から出てくると、セイコは祝福の花火とばかりに、空高く放尿した。
 血混じりの小便を浴びて、生まれたばかりの子供がむくりと起き上がる。それは、先程セイコに呑み込まれたばかりの、一樹であった。しかし、その顔つきはどこか違う。

「はあっ…はあっ…『生まれた』…んあっ♥」

「…」

 一樹が、のそのそとセイコの胸に這い寄る。最期の姿よりも10歳ほど幼いが、それだけではない。ほっそりした四つん這いの太腿の付け根には、本来あったはずのペニスがなく、代わりに柔らかい割れ目があるばかりだ。

「…んむっ」

「ぁんっ♥」

 たわわな乳房にかぶりつき、夢中で乳を貪る一樹…『娘』を、セイコは愛おしそうに撫でた。

「んっ♥ …一緒に、頑張りましょう。私の愛しい娘…」



『ン・ダグバ・ゼバ』『エボルト』

「再生」

『アビス』



 白と臙脂の怪人が、軍隊を蹂躙していく。『娘』の活躍を後方から見守りながら、セイコは呟いた。

「いい子ね…メタモズの未来も、近いわ」

2/3回目

『今まで出てきた女幹部、もしくは主人公案の中から一人』

『それがどういうことをする、またはどんな目に遭うか』

併記してね

安価下1〜3でコンマ最大

>>514

明日以降に書く

人間態だけでいい? 怪人態も?

そだね



3/3回目

『今まで出てきた女幹部、もしくは主人公案の中から一人』

『それがどういうことをする、またはどんな目に遭うか』

併記してね

安価下1〜3でコンマ最大

雷火と>>99に出てきた怪人逹がといっしょに雷火の家で女子会という名の酒盛り。
ユウキとの生活を根掘り葉掘り聞く内にユウキの好みは誰かの話題になり、酒の勢いでユウキを誘惑して勝負することに。
ユウキは>>26の催眠能力で理性を抑えられた結果甘えん坊状態になり、皆に甘やかされながらの乱交に発展。

ねる

こりゃ時間がかかるぜ

未登場キャラを何人も捌けないって意味なので登場済みならまあOK

「はい。社長秘書の阿舞です。…申し訳有りません。社長は只今、取り込み中でして。…はい、はい。では、後ほど」

 携帯電話を仕舞った、30代頃の女。一人用のソファに腰掛ける彼女は、普段はきっちり纏めている髪を下ろし、素肌に白いバスローブだけを着ている。
 そこへ、一人の男が歩いてきた。濡れた白髪交じりの黒髪を垂らして、女と同じくバスローブを纏っている。

「やあ、誰だったね」

 古めかしいラベルのワインと、2本のグラスを手に彼女の向かいのソファに深く座ると、男はワインのコルクを指で引き抜いた。
 女が欠伸しながら答える。

「外交部長でした。ナイーブによる戦闘地域への被害の隠蔽工作が、これ以上回らないと」

「ああ」

 男は苦笑しながら、ワインをグラスに注いだ。片方を女に差し出し、片方を自分で取り上げる。

「彼は脱走兵を、相当恨んでいるからね。交戦する度『色々』撒き散らしたくなるのだよ。…さて」

 女がグラスを持ったことを確認すると、彼はソファの横の、大きな窓から外を見た。
 そこには、光り輝く巨大な鉄塔が堂々とそびえ立っていた。頂点から雲に投影された、『ミライタワー』の文字。

「ミライタワーに、そしてリーヴォの理想に」

「乾杯」

 2人…社長と火廻は、グラスを打ち合わせた。



「…いい眺めだ」

 ワインを一口飲み込んで、社長がほうっと息を吐いた。

「タワーがですかぁ?」

「その下の夜景も含めて、だよ」

 火廻は意外そうな目で社長を見た。既にアルコールが回っているのか、垂れ目がさらにとろんとしている。

「人間の作った景色です」

「今だけ楽しめる景色だよ。我々は…元は、人間だったんだ。進化の時まで滅びずにいてくれた先駆者たちに、我々は敬意を払わなければならないよ」

「そんなこと言って、人間の頃なんてもう覚えてないでしょ〜?」

「覚えているとも」

 社長は、大真面目に頷いた。

「もう120年前の話だ。旅順攻略に当たって、地理把握のために私と雑賀君のいる小隊が派遣された。だが、元から杜撰な作戦で…」

 遠い目になった社長に、火廻が顔をしかめた。こうなると、彼は止まらない。



「…慌てて掘った塹壕…いや、もはやただの穴に、生き残った3人で身を潜めたものだ。そこへ、一発の手榴弾が投げ込まれた。それが炸裂した瞬間…私と雑賀君は、『進化』したんだよ」

「…ふぁ」

「あの瞬間の恐怖と、ある種の悟り…この世の全てを知った気になった…それが人間としての、最後の記憶だった。…火廻君」

「…! は、はい何でしょう?」

 半分以上寝ていた火廻は、慌てて飛び起きた。社長は気にする風もなく、手招きした。

「疲れたろう。…来なさい」

「はい…」

 火廻は、ソファに座る代わりに彼のもとへ近寄ると、軽く広げた片脚の上に腰掛けた。
 社長は片腕で彼女の背中を支えると、もう片方の手で頬に触れた。

「ん…」

「…んっ♥」

 唇を重ねる2人。薄暗いスイートルームに、舌を絡め合う水音が響く。
 口を吸いながら、社長は火廻の纏うバスローブの胸元に手を入れ、柔らかい乳房を掴んだ。

「んぁっ…んっ♥」

 やや張りの薄れた乳房は、くにゃりと形を変えて掌に吸い付く。分厚く、広い掌に、火廻は甘い息を吐いた。

「はぁっ…♥ 進化しても…おっぱいは好きなんですねぇ…っ♥」

「リーヴォの君には、おっぱいが無いからねぇ。今のうちに愉しんでおかないと」

 そう言うと、ぼってりと膨れた紅色の乳首を、指先でぎゅっと抓んだ。

「やんっ♥ …もうっ」

 火廻が頬を膨らませた、次の瞬間。社長の膝の上には、鉄と白磁で出来た、人型のシャンデリアが座っていた。

「おっぱいはお預けですぅ。今度は…」

 ふわふわと浮かび上がると、社長の正面で白い両脚を大きく広げて見せた。黒い花びらのような靄が捌けると、シミ一つ無い白い陰裂が露わになった。
 両手でそっと広げると、真珠の彫刻のように美しい、陰核や小陰唇、尿道口、そして膣穴が、慎ましく顔を覗かせた。

「…こっちに、お願いしまぁす♥」

「もちろんだとも」

 社長の身体が見る見るうちに膨れ上がる。バスローブを引き裂いて現れたのは、毛むくじゃらの肉体。銀のたてがみが顔を覆い、彼は獅子の怪物となった。
 隠すものの無くなった彼の腰からは、鋭いトゲの突き出た、雄々しい肉棒が堂々と伸びていた。

 一滴も濡れていないはずの膣穴に、棘の生えた肉棒が滑らかに呑み込まれていく。

「あっ、あぁ、んっ…♥」

 一番奥まで挿入すると、社長は片腕で火廻の首を抱き、もう片方の腕で彼女の腰をぐいと引き寄せた。逆棘を食い込ませるように腰を揺すると、火廻が喘いだ。

「あ、あっ♥ はぁっ♥」

 虚ろな胸の中で、ハート型の炎が勢いを増していく。

「あっ、あんっ♥ …燃えて、しまいますわぁっ♥」

「アルコールのせいかね…っ」

「ご存知の、くせに…んっ♥」

 白磁の唇で、獅子の鼻に口づけする。獅子はその顔を捕らえ、噛み付くように唇を押し付けると、一層腰を抱き寄せた。

「んっ♥ …んんんっ♥♥」

 虚ろな胎内に、大量の精液が流れ込む。注ぐ熱に、胸の炎が燃え上がる。鉄格子の胸に触れた獅子の毛皮が、煙を上げる。

「あぁっ♥ 熱い…社長、火傷しちゃいますぅ…♥」

「このくらいでは焼けないよ。ビキニ環礁の水爆実験だって、私を焼き殺すことはできなかった…」



 キングサイズベッドの上には、人間に戻った2人が折り重なっている。裸の乳房を無心に舐める社長に、火廻が笑う。

「これじゃ、ライオンじゃなくて猫ちゃんみたい…ぁんっ♥」

「…」

 ざらついた舌が、乳首を撫で回す。火廻は、彼の白髪交じりの頭を撫でた。

「んっ♥ …そろそろ、お休みにならないと…」

 その時、ナイトテーブルの上で携帯電話が鳴った。

「!」

「…火廻君」

 社長に促されて、火廻が電話を取った。

「はい、社長秘書の阿舞…ああ、戸隠部長。社長は只今…」

 ちらりと窺うと、社長が手を伸ばした。電話を受け取ると、向こうの外交部長と言葉を交わす。

「待たせたね。ナイーブのことだろう。…まあ、それは…何?」

 にわかに、彼の目が険しくなった。部屋の空気が凍りつく。
 静まり返った室内に、今更のように、外からサイレンの音が聞こえてきた。

「タワーに、脱走兵が? ナイーブが、追跡して…分かった。君の裁量で動かせる戦力を、タワーに集めなさい。ナイーブは私が止めよう」

 電話を切り、火廻に返す。急いでスーツを着る社長に、火廻は不安げに声をかけた。

「社長…」

「…ああ、悪いね」

 彼は顔だけ彼女に向けると、気まずそうに微笑んだ。

「行ってくる。支払いと…後始末、頼んだよ。じゃあ」

 そう言うと彼は、大きなガラス窓に向かい…突然、咆哮した。
 たちまち、分厚い強化ガラスが粉々に吹き飛んだ。吹き込む冷たい突風の中…彼は、眼下の夜景、そして輝くタワーに向かって、翔んだ。

>>520 おわり



>>527



「「「かんぱ〜い!」」」



「いやー、上司の金で飲む酒は格別ですねー…」

「ちょっと、後で会費徴収するんだからね!?」

 ホットプレートに肉を囲み、高級…かと思いきや、意外に庶民的な缶ビールを開ける4人の女たち。
 この日、戦闘部隊内の知り合いである4人は、総隊長である雷火の家で女子会と言う名の酒盛りをしていた。
 スタートからハイペースで飛ばす妙齢の女たちに、雷火の同居人であるユウキは完全に縮こまっていた。

「…ユウキくんも、お肉おいしいですよ」

「う、うん…」

 飲みに徹する他のメンバーのために、せっせと肉を焼くひかげが、ユウキの皿にも焼き上がった肉を置く。
 ちびちびとビールを含みながら、千里はユウキと雷火を交互に見て、言った。

「…で、雷火と坊やは、どこまで行ったの?」

「はあ? どこまでって」

「ヤったの?」

 雷火は吹き出し、ユウキはきょとんと千里を見た。

「やっ、ヤるわけないじゃない! まだ子供よ?」

「でも、同じリーヴォじゃない。ほら、坊や…」

 ユウキの目の前に立つと…にわかに、黒い私服が融けるように消えた。透き通るような裸体には、頭に山羊の角、指には狼の爪、背には鷹の翼、髪に獅子の黄金で、尻からは蛇が尻尾めいて伸びて蠢いていた。
 狼の牙を剥き出して、千里は言った。

「…女の子の身体を、見たことはあるかしら?」

「あ…え、その…」

 しかし、ユウキの反応が思わしくない。気まずそうに雷火をちらちら覗き見る彼に、千里は「ああ」と頷いた。

「何よ、ちゃんとヤることヤってるじゃない」

「ヤってない! まだそこまで…」

 そこまで言って、雷火ははっと口を押さえた。
 がたん。そんな音がして見ると、真実がソファから立ち上がっていた。彼女の周りには、空の缶が既に10個以上転がっていた。

「まだ…? …まだ! これは…いけませんねー…」

 真実の手に、巨大な音叉の付いた錫杖が現れる。

「ま、待ちなさい真実、これは総隊長命令…」

「ユウキくーん…」

「ひっ!? な、何…ですか…?」

「素直になーれ!」



 ___リーン……



「はわ、はわわわ…」

 虚ろな目になるユウキに、あたふたするひかげ。雷火は、真実に詰め寄った。

「ちょっと! この子の能力はまだ未知数なのよ! 暴走でもしたらどうするの!?」

「大丈夫ですよー。ちょーっと、自分に素直になるだけですからー」

「…」

 じりじりと迫る千里に、ユウキは…

「…あら」

「あっ」

 そっぽを向くと、一目散に雷火のもとへと駆け寄り、ぎゅっと腰に抱きついた。

「ちょっ、ユウキくん」

「あらあらー…」

 ニヤニヤする真実に、満更でもなさそうな雷火。千里は少し悔しそうに、彼の顔の前に移動した。両手で胸を寄せ、揺すってみせる。

「ほーら、おっぱいよぉ〜。坊やになら、好きにさせてあげても良いわよ?」

「…」

 雷火の陰から千里のおっぱいを凝視するユウキ。彼の股間がぐいぐいと自分の脚に押し付けられているのに、雷火は気付いた。

「だ、駄目ですって! 小さい男の子に、そんなえっちなこと…」

「ユウキくーん…」

 真っ赤な顔で止めに入ろうとするひかげを押し退けると、真実も彼の前に立った。私服のスカートをつまみ上げ、誘うように言う。

「女の子のスカートの中、気になるでしょー?」

「うん」

「素直な君には…」

 スカートをたくし上げ、白いショーツを見せつける。

「…もっと、近くで見て良いですよー」

「ユウキくん、嫌なときは嫌って言うのよ」

「…」

 雷火の心配をよそに、ユウキは真実のスカートの中に近寄る。息がかかるほどの至近距離で下着を見せながら、真実は更に誘う。

「パンツの中も、見たいですかー?」

 すると彼は、何も言わず両手で真実のショーツを掴み、ずり下ろした。
 それと同時に、彼の背後に忍び寄っていた千里が、彼のズボンとパンツを一気に引き下ろした。

「きゃーっ!?」

「女の子だけに恥をかかせるものじゃないわ」

 脱がされたことなど気にも留めず、息を荒くして、毛に覆われた真実の秘部を間近に見つめるユウキ。小さな男根は、すぼんだ包皮の先端まで、ぴんと突っ張っている。
 それを、後ろから千里が掴んだ。

「気持ちいいこと…お姉さんが、教えてあげる」

 ところが

「!」

 性器をいきなり掴まれたユウキは、反射的に千里の手を振り払った。その、見た目に合わないほどの力に、千里が思わず怯む。
 ユウキは勃起したペニスをぶらさげたまま、一目散に雷火のもとへ駆け寄り、また抱きついた。

「よしよし、怖かったわね。……って」

「お姉ちゃん…」

 太腿に擦りつけられる、小さくも硬い感触に、雷火は絶句した。

「…」

 助けを求めるように千里を見ると、千里は雷火の肩を叩いて言った。

「初めては、あんたの仕事よ」

「…マジかぁ」

 雷火は肚を括るように唾を呑むと…ユウキに、優しく囁いた。

「ユウキくん。…おちんちん、苦しい?」

「うん。痛い…」

「そっか。 じゃあ、お姉ちゃんが楽にしてあげる」

 雷火は、ソファに腰掛けると、ズボンとショーツを脱ぎ、脚を広げた。

「うぅ…ちょっと、周りガン見すんなっ! …ユウキくん、見える…?」

 黒い茂みを掻き分け、女の穴を広げて見せる。

「ちょっと、恥ずかしい…っ、ここに、ユウキくんのおちんちんを…」

「お姉ちゃんっ!」

「ひゃっ!?」

 ユウキが、雷火に飛びかかる。胸に顔を埋めながら、腰をぐりぐりと雷火の股間に押し付ける。

「お姉ちゃんっ、あっ、お姉ちゃんっ…」

「落ち着いてっ、ね、ここに、ちゃんと…っ!?」

 手で誘導すると、遂に彼のペニスが、雷火の膣にずるんと入った。

「あっ…ふぁ…っ」

 未知の感触に、呆然と喘ぐユウキ。雷火は、彼の頭を胸に抱き、囁いた。

「…おめでと、ユウキくん。これであなたも、男になったわね」



「わー! 素晴らしいですねー!」

「あわわわ…ほ、ほんとにシちゃった…」

「総隊長さん、最後まで責任を持って、ね」



「うるさい! まだ精通してないし、大丈夫よね、多分…」

「お、お姉ちゃん、ちんこが、あっ」

「…怖くないわ。好きに動いて。きっと、気持ちいいわよ」

 ユウキは雷火にしがみつくと、擦り付けるように腰を振り始めた。

「あっ♥ んっ♥ そう、上手上手…」

 ユウキが、雷火の胸の中で顔をもぞもぞと動かす。物欲しそうに口をもごもごさせているのが、感触で分かった。
 ブラウスの前を開け、ブラジャーをずらす。

「…はい、君の大好きな、お姉ちゃんのおっぱい…んぁっ♥」

 赤い乳首がブラからこぼれ出た瞬間、ユウキがしゃぶりついた。唇と舌で乳首を腫らしながら、夢中で腰を振る。

 やがて、小さくても分かるほどに、ユウキのペニスが膨らみ、震え始めた。

「ユウキくん、イきそう?」

「…っ、お姉ちゃん、おしっこ、出そう…」

「っ…い、良いわ。お姉ちゃんの中に、しちゃいなさい」

 脳裏に浮かんだのは、嫌がる彼に酔って行った手淫。まだ精通前だった彼は、射精するかわりに本当に放尿してしまった。今度も、雷火の膣穴におしっこを出すのだろう。ここまで来たら、仕方ない…

「…あっ、出る! おしっこ、あっ、ああっ!!」



 ___どくん。



「…え?」

 熱いものが、雷火の膣内に流れ込む。ぴゅっ、ぴゅっと、断続的に、勢いよく。
 明らかに、おしっこの出方ではない。

「う…嘘でしょ? ユウキくん…」

「ああぁ…はっ、ぅあっ…」

 虚ろな目で、口をぽかんと開け、気持ちよさそうに『おしっこ』を出すユウキ。青褪めた雷火に、千里が目敏く気付いた。

「…精通したの?」

「た、多分…」

「ひゅーっ! おめでとう、ユウキくーん!」

「おめでとうじゃないって! 私、そろそろ危ないのに…っ!?」

「お姉ちゃん…」

 気が付くと、ユウキが雷火をじっと見つめていた。彼女の中で、再び肉棒が硬くなっていく。

「ユウキくーん」

 真実が、彼の肩を掴んで自分の方へ引き寄せた。片手でスカートを持ち上げると、ショーツを降ろされたまま、裸の女性器が露わになる。

「お姉ちゃんの中にも、おしっこしましょうねー」

「…うん」

 仰向けに寝かせたユウキの、上を向いたペニスの上に、脚を広げて腰を下ろしていく。精液に塗れたペニスが茂みの中に触れると、ユウキはびくんと震えた。

「は、初めてがこれというのも、悪くないですよねー…ほら、おちんちんが…っ」

 歯を食いしばり、すとんと腰を下ろす。

「ぅあっ!」

「はっ! …おちんちんが、おまんこの中にぱっくん! ですねー…ふぅ。思ったほど痛くなかった」

 ぎこちなく、腰を上下させる真実。

「あーヤバい、どうしよ」

「い、良いんですかぁ!? 千里さん…」

「良いじゃない」

 お互いに不慣れな腰つきで交わる、ユウキと真実を見て、千里は目を細めた。

「彼は『先天性』よ。私たち『後天性』との間に子供が出来たら、社長も喜ぶんじゃない」



「…あ、で、出たぁ…っ♥」

「次は、お姉さんにも頂戴ね…」

 千里が、後ろからユウキを抱き上げる。いつの間にか人間の姿に戻っていた彼女は、膝に彼を乗せると、後ろからべとべとのペニスを手で扱いた。

「あ、あっ」

「流石の若さね…ほら、もう硬くなった。ひかげ」

「はひっ!?」

「来なさい。あんたも、遊んであげなさい」

「あ、あわわっ…ああ…」

 半ば脅されるようにユウキに近付く。異臭を放つ彼の肉棒を間近にして、彼女は…

「…あああああっっ!!!」

 野暮ったい部屋着が弾け飛び、隠された豊満な肢体を黒ビキニのようなボンデージが包み込んだ。髪が白く染まり、前髪が左右に分かれ、真っ赤な双眸が光った。

「おっほほほほほ! 子供のくせに、欲張りなことねぇ?」

 今までの引っ込み思案はどこへやら、高笑いするひかげに、雷火や真実、千里までもが呆然とする。

「躾の時間よ。さあ、跪いて、お願いなさ」

「…ふん」

 ユウキが、片手を振り上げる。次の瞬間

「んああああっっ!!?」

 緑色の閃光が迸り、ひかげの身体が壁まで吹き飛ばされた。

「…マズい! ユウキくん、落ち着いて…」

 ユウキは黙って、崩れ落ちるひかげに歩み寄ると…

「…」

「んあっ!?」

 ひかげの穿いている、黒いボトムスを乱暴に引きちぎった。そうして、剥き出しの股間にペニスをあてがうと

「…ひあっ!」

 一気に、突っ込んだ。そのまま、激しく腰を振り始めた。

「あっ、あっ、まっ…あぁっ♥」

 子供のペニスのはずなのに、ひかげは激しく喘ぐ。
 千里が、彼の頭を後ろから胸に抱いた。

「やっちゃいなさい。種を植えてやるのよ」

「…っ」

「っ、ああああっ♥♥♥」

 ひかげの膣内に、3度目の射精を果たした。



「…ふぅ」

「Zzz…」

 アルコールと生臭い匂いの充満した部屋で、雷火が目を覚ました。彼女の上にはユウキがのしかかって、寝ながらもちゅぱちゅぱと乳首を吸っている。散乱した空き缶や食器などの隙間に、他の女たちも転がっている。

「片付け…めんどくさ…」

 確実に来る面倒事を先送りにするように、雷火は目を閉じた。

おしまい

今度こそハーレムに戻る

「ぐわあああっっ!!?」

 壁に叩きつけられ、床に転がる紫電。その身体から、バッタの装甲が剥がれていく。
 獅子の怪人は、ゆっくりと歩み寄った。

「…何故、この国が強大なロシア帝国を破ることができたのか。何故、並み居る列強の侵略に屈せず、東亜の守護者として君臨できたか。何故、敗戦後も領土を引き裂かれることなく、存続することが出来たか! …全て! 我々リーヴォが、陰で命を捨て、戦い抜いてきたからだ!!」

「はぁっ…くっ…」

「君のそのシンカクベルト…それは、リーヴォと人類の、絆の証となるはずだった。だが、シンカセットの製造には…リーヴォ一体分の体細胞、そして遺伝子が必要だった。雑賀君を始め、我々はどうにか犠牲を無くそうと研究を急いだ。だが、軍部は待ってはくれなかった…」

「! やめろ…」

 床に転がった、緑色のカセットを拾い上げる。それを目の前に掲げると、獅子は震える声で言った。

「ジーン・ホッパー…平畑蝗一伍長。勇敢で俊敏な男だった。国のため、人類のためと…喜んで、命を捧げた」

「じゃあ…それは」

「ジーン・ホーク。鷹峯飛雄馬少尉。ドッグファイトで彼の右に出るものはいなかった。撃墜された後も、自ら空を飛び、敵機を撃ち落としてくれた。…ジーン・グランパス。海棠ツバキくん。空襲の中で覚醒し…軍部に、連れ去られた。そして…」

 紫電の首を掴み、吊り上げる。

「特攻作戦で覚醒した若者は一人もいなかった。最早、人類に進化を促すことは無意味だ! ビキニ環礁…戦艦長門のメーンマストに括り付けられ、私は人類の造った最強の光を見た。それが私を滅ぼすのならば、諦めても良いと思った。だが! 私は、生き残った! ならば、人類の何物にも、私の理想を邪魔はさせん!!」

 巨大な拳を振り上げ、吼える。

「滅びよ! 進化に取り残された、敗残者め…っ!!」

「…っ」

 きつく目を閉じる紫電。爪を剥き出し、拳を振り下ろす獅子。
 その腕が…止まった。

「…?」

 薄く目を開ける紫電。その視界に、虚ろな目で固まっている獅子の姿が見えた。剥き出した牙を、ゆっくりと赤い血が伝う。
 その背後に、白衣を着た男が立っていた。その手には、巨大な刃の突き出た無骨な機械を握り…その切っ先を、獅子の背に、深々と突き立てていた。

「…ぬうっ!」

 男が、機械を起動した。次の瞬間、獅子の身体が急速に腐敗し、崩壊を始めた。

「…雑賀、くん」

「隊長…」

 男は…機械から手を離し、獅子の目の前に駆けると、その場に土下座した。

「隊長っ…申し訳ありませんっ…! わたしは…人類の未来を、諦めることが、出来ませんでした…っ!」

 獅子の身体は崩れながら、機械の刃に吸い込まれていく。

「…がはっ」

 腕が崩れ、解放された紫電が床に崩れ落ちる。
 僅かに残った獅子の口元が、歪んだ。

「…きみが…はじ、めて…じぶんのいし、で…わたしに、さからっ…」

 額を床に擦り付ける雑賀。
 獅子は…最後の一片まで崩壊し、機械に吸収された。

「…い、急がんと」

 雑賀は立ち上がると、乱暴に目元を拭い、機械に駆け寄った。そしてソケットから何かを取り外すと、紫電の元へ向かった。

「…ほれ、立たんか」

「あんたは…ミライシャの」

「つべこべ言うな! 何のために社長の目を盗み、脱走する君の前にベルトを放置したと思っとる。…間もなくナイーブが来る。そうしたら、君も、人類もおしまいだ」

「! どうしたら」

 雑賀は、機械から取り外した物体を紫電に握らせた。それは黄金色に輝くカセットであった。筐体には、銀の獅子が刻まれている。

「…社長を、君に託す。どうにかして使いこなすのだ。そしてタワーに登り、装置をぶっ壊せ。ええか、社長は世界で一番強いんや。覚悟して使えよ。それまでは、ワシが時間を稼ぐ」

「! そうしたら、あんたは」

 雑賀は、ふっと笑った。

「…丁度いいわ。あの世で、社長に詫びんといかんからな」

という後日談

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