男「就職できねぇ……どうすればいいんだ」
男「くそ、とりあえずまとめサイトでも見て時間潰すか」
男「いいよなブログやってる奴らは。これで金貰えるんだから」
男「……! そうか、俺もこれをやればいいんだ!」
男「そうと決まったらブログを作るぜ!」
男「といっても殆ど知識が無いんだよな」
男「まあググりながらブログ作ればなんとかなるだろう」
男「えーと、まずはどこのサービスでブログを作るかだな」
男「昔趣味でやってたブログは忍者だったけど……あんまり人来なかったなぁ」
男「相互だった〇〇さん、××ブログでめっちゃ人来てたし俺も××にしてみるか」
男「よし、ブログ作成っと」
男「……作ったはいいけどどんなブログにするか決めてなかった」
男「転載ブログは意外と労力かかりそうだから嫌だなぁ」
男「かといってクソ情報アフィサイトを作るのもちょっと……」
男「よし、よく本とか漫画読むしレビューブログにするか!」
男「そうと決まればアマゾンと楽天のアフィリエイト設置だ!」
男「あとブログランキングとかにも登録しまくるぜ!」
男「よーし書きまくるぞー!」
9日後
男「思ったよりたくさん人が来てしまった」
男「1日のPV数1000とか初めてだぞ……。昔やってたブログは多くても1日50PVだったのに」
PV=ページビュー。ページが表示された回数
男「でもコメントは来ないしアフィリエイトも売れてねぇ」
男「……そういえばクリック広告の存在を忘れてた」
男「ググるか。ふむふむ、一番いいのはアドセンスなのか」
男「でもアドセンスって審査が厳しいらしいし、規約も面倒って聞くよなー」
男「クリック単価は低いっぽいけど、こっちのよく分からん広告を載せとこ」
1ヶ月後
男「嘘だろ……」
男「クリック広告だけで月1万になった……」
男「おい聞いてくれ妹!」
妹「あ? なに?」
男「このブログを見てくれ。兄が作ったブログだ」
妹「働けよ」
男「ちっちっち。働くなんてもう古いぜ。兄は広告収入で1万稼いだのだ」
妹「嘘つけ!」
男「これを見な。広告サイトの明細だ」
妹「え、これほんとにお金貰えるの?」
男「ああもらったぜ。兄はこれからブログで生きていく!」
妹「ちょっと! 私にもブログのやり方教えてよ!」
男「いいだろう。設定とか細かい部分は自分で調べてもらうとして……」
男「(説明中)」
妹「ふーん。じゃあ私も作ってみよっと」
男「上がってこい。兄の高みまで……」
妹「うざ!」
その後、俺のブログはどんどん成長していき
広告収入は月3~4万程度
PV数は月に50万、UU数は3万を超えるようになった
しかし……
UU=ユニークユーザー。ざっくり言うと来た人間の数
コメント「〇〇なんて絶対おかしい! 管理人はにわか!」
コメント「にわかとか言うお前がにわか!」
コメント「△△とか言ってる時点でここの管理人は終わっている」
コメント「早く潰れないかなこのゴミサイト」
コメント「ゴミサイトとか言うなら来るなよ(笑)」
コメント「炎上した気分はどうですか管理人さん?」
男「なんだよ……なんでお前らいっつもコメント欄で暴れるんだよ……!」
男「△△とか記事のどこにも書いてねぇよ……」
男「炎上ってほどコメントもされてねぇよ。30コメントだけじゃん……」
俺は連日送られてくる暴言コメントに心を苦しめていた
妹「やったー! 私のブログも月1万円くらいは貰えるようになった!」
妹「寄稿の依頼も来たよ!」
男「俺のところには詐欺みたいな誘いしか来ねぇ……」
妹「だってお前のレビュー、内容が薄っぺらいんだもん」
男「でもみんな見に来てくれるし! 海外のサイトを頑張って翻訳したりもしてるんだぞ」
妹「あれ? それお前のレビューじゃなくて、みんな翻訳が見たいんじゃない?」
男「あ……」
試しにブログ内でアンケートを取り、海外情報の部分を多く書いてみた
アクセス数がぐーんと上がった……
男「相変わらずコメント欄が荒れるから、NGワードとかで対処しよう」
コメント「言論統制し始めたぞ!」
コメント「あいつは気に入らないコメント消すから終わってる」
コメント「ブログ潰れるのも時間の問題だなw」
男「レビュー部分の評判悪いからアンケートの結果を載せるだけの記事を書くぞ」
コメント「読者に頼るようになったか。終わったな」
コメント「海外の情報載せて、読者の意見載せて、何がしたいの?」
コメント「早く死んでほしい」
もはや俺のブログは何をしても暴言が書かれるようになってしまった
だがアクセス数と収入はどんどん伸びていくのだった
そして
男「つ、ついに月10万。もう確定申告しなきゃいけないレベルだな」
男「親父もお袋もフリーターだし、たぶん俺がこの家で一番稼いでるぞ」
男「うはははは。うははははははは!! 俺は、俺はブログで食えるようになったんだ!」
だがそれ以降、広告収入が上がることは無かった
コメントをこまめに管理するようになった結果、荒らしが来なくなってしまった
アクセス数は全盛期の半分以下まで落ちたのだ
男「クソ……今月は2万かよ。これじゃあ全然ダメだ!」
かつては月1万円で喜んでいたのに、今は月2万で毒づく
荒らしの数は減ったが暴言コメントは未だにされる
俺の精神はどんどん削られていった
ついに広告収入は月1万を割った
もう更新作業や管理に対し得られる費用は完全に見合っていない
それにも関わらず俺は毎日数時間更新を続けた
コメント「色々言われているみたいですが私は応援してますよ!」
コメント「いつも助かってます。頑張ってください!」
男「数は少ないけど応援してくれてる人もいるんだ。頑張るぞ」
コメント「人減りましたねw」
コメント「はやく潰れろ」
コメント「検索結果に出てきてムカつく」
コメント「記事にミスがありまちゅよ~~~ww」
コメント「ゴミアフィサイトくたばれ」
コメント「死ね」
コメント「消えろ」
男「頑張るぞ…………」
ストレスで体調を崩し、毎日続けていたブログ更新を休んだ
男「ブログ開設から数年。こんなにPCから離れるのは久しぶりだな」
男「もう疲れた……」
小学生の頃に買った漫画を取り出し布団の中で読む
昔、少年サンデーで4巻打ち切りになった漫画だ
レビューやブログのことを考えずに漫画を読むのはとても新鮮で楽しかった
男「はは……やっぱり3巻からは微妙だな。でも1巻と2巻はおもしれえや……」
この時、もう俺はブログをやめることを決意していた
コメント「大丈夫ですか?」
コメント「心配です」
コメント「応援してますよ!」
コメント「体調崩したとか嘘。飽きてやめたんだろ?w」
コメント「いつも楽しく読ませてもらっています。お身体をお大事に」
コメント「次の更新を心待ちにしています!」
コメント「お大事にー」
コメント「頑張って!」
管理画面にログインしてみると、信じられないことに荒らしのコメントはほぼ無く
俺のことを心配するコメントで溢れかえっていた
思わず、普段見ないようにしていた5chのスレも確認してしまうのだが
5ch「最近〇〇更新ないな。大丈夫なのか?」
5ch「いつも見てたから心配だ」
5ch「あのブログ見て集めだした漫画もあるし早く復活してほしい」
なんと5chでも心配されていたのだ
この時は本当に目を疑った
しかし俺の決意は揺るがなかった
だっていくら心配されても広告収入は増えないんだもん
更新休止することを書いた記事を上げ、
最後に「ブログで稼ぐ方法」的なことを書いて管理画面からログアウトした
男「最後書いた記事よかったな。定期的にアクセスされるから放置で収入くるわ」
妹「せこいな。新しいブログやんないの?」
男「兄はしばらく休む。ところでお前のブログどうなん?」
妹「ジャニーズの記事で炎上したから私もやめたわ。でも未だに月1万入る」
男「そうか……」
男「妹よ。次はメルカリで稼ぐぞ! ハンドメイド品をひたすら作るんだ!」
妹「うん!」
俺たちの戦いはまだまだ続く!
終わり
あとがき
半分実話です
メルカリは全く稼げないのでやめました
売れた品を送る為に郵便局に行ったり来たりしてる話を友達にしたら
「どうぶつの森」って言われた
放置で月1万稼げるなら、似たようなブログをいくつも作れば不労所得いけるのでは?
と今は考えてる
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