モバP「楓さんが猫かもしれない……」 (25)



 藤原肇「あれ。この緑の石、何ですか?」

アーニャ「エメラルド、ですね。村でのお買い物に使えます」

 藤原肇「貨幣制度ではないんですね……」



 モバP「楓さんが猫かもしれないんだ」

アーニャ「ダー。聞こえていますよ」

 藤原肇「どうぞ続けてください……あ、もう一つありました」

 モバP「うん。あ、足元溶岩だから気を付けてね」


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 藤原肇「それで、楓さんが……」

 モバP「猫かもしれないんだ」

アーニャ「コーシュカ……にゃんと鳴く、あのネコちゃんですか?」

 モバP「うん」

 藤原肇「楓さんは人間だと思いますが……どうしてまた? あ、ダイヤもある」

 モバP「いや、俺も普通の人だとは思うよ。ただ……何というか、材料がさ」

 藤原肇「あの活躍ぶりで普通と言われても……材料、と言いましたか」

 モバP「そうそう」

アーニャ「どんな材料、ですか? 肇。水のバケツ、持ってますよ」

 モバP「どんなと言うか……幾つもあるんだよ。だから猫じゃないかと思ったんだけど」

 藤原肇「と、言いますと」

 モバP「どうも魚が好きらしいんだ」


  ◇ ◇ ◆


 店員「お待たせしました。レモンサワーと生です」

モバP「どうも」



高垣楓「では」

モバP「乾杯」

高垣楓「かんぱーい♪」



高垣楓「ん……んく…………はぁ♪」

モバP「いつもながら、美味しそうに飲まれますね」

高垣楓「美味しいですから。プロデューサーと一緒だと、もっと♪」

モバP「……それは、どうも」


モバP「さて、早速頼みましょうか。何にされます?」

高垣楓「そうですね……この、お刺身五点盛りと……たこわさを」

モバP「楓さん、最近は魚介系をよく頼みますよね」

高垣楓「え?」



モバP「えっ?」

高垣楓「あ、いえ……そうですね、何でも食べられますけれど、やっぱりお魚は好きで」

モバP「あぁ、和歌山出身ですもんね。やっぱり海の幸は豊富でしたか」

高垣楓「そう、そうなんですよ。ふふっ。もちろんお魚以外も好きですよ?」

モバP「じゃあ俺、いきなり牛たたき頼んじゃっていいですか」

高垣楓「あら……プロデューサー、今夜は肉食系なんですね」

モバP「言い方を少し変えませんか?」


  ◇ ◇ ◆


 藤原肇「普通にお魚が好きなだけじゃないですか」

 モバP「確かに」

アーニャ「アーニャもお魚、好きですね。港町ですから、よく食べました」

 藤原肇「いつか私も行ってみたいですね」

アーニャ「観光地、いっぱい案内できます。ペトログラード、一緒に行きましょう♪」

 モバP「う~ん……まぁ、魚介が好きな人なんていっぱい居るかぁ」

アーニャ「他にはどんな材料、ありますか? 肇、ハサミを貸してください」

 モバP「そうだなぁ……たまにさ、にゃんって鳴くんだよ」



 藤原肇「にゃんって鳴く」

 モバP「うん。4ヶ月に一回くらい」

アーニャ「チェストがいっぱいです」


  ◇ ◇ ◆


モバP「さて、再来週のロケは泊まりになります」

高垣楓「はい」

モバP「行き帰りは新幹線で、駅からは迎えの車が来ますので」

高垣楓「はい」

モバP「入りは午前10時30分頃を予定、食事と軽い打ち合わせの後に夕方から撮影です」

高垣楓「にゃん」

モバP「初日は夕食の懐石と付近の温」



モバP「楓さん?」

高垣楓「どうかされましたか?」

モバP「にゃんって鳴きましたよね?」

高垣楓「いえ……?」

モバP「半年ぐらい前にもありましたけど」

高垣楓「半年くらい前にも言ったと思いますが、空耳ではないでしょうか」



モバP「そうですかね……?」

高垣楓「そうですよ」


  ◇ ◇ ◆


 藤原肇「空耳では?」

 モバP「肇もそう思う?」

アーニャ「普通の人は、急に鳴いたりしませんから」

 モバP「まぁ、言われればそうなんだよなぁ」

 藤原肇「プロデューサーさんの疲れによる可能性は」

 モバP「全く否定できないの環境がちょっとヤではある」



 藤原肇「やっぱり、楓さんが猫である可能性は低いと思いますが」

 モバP「いや、まだ材料は幾つもあるんだよ」

アーニャ「蜘蛛の目をくり抜いて来ます」

 藤原肇「お供しましょう」

 モバP「楓さんが事務所に来た頃の話なんだけどさ」


  ◇ ◇ ◆


高垣楓「ふぅ……ふ……っ」

モバP「失礼します。お疲れ様です、高垣さん」



高垣楓「あ……えと、お疲れ様です」

モバP「自主トレの調子はどうですか?」

高垣楓「調子……」

モバP「……? 高垣さん?」

高垣楓「あ……そう、ですね。悪くはない、と思います」

モバP「それは良かった。今日、何か気になる事はありましたか?」

高垣楓「えっと……その、レッスンに来る途中、自転車を見かけて」

モバP「ええ」

高垣楓「……」

モバP「……?」

高垣楓「……ただ、それだけなんですけれど……」



モバP「……え。あ、はい」

高垣楓「それだけです……ごめんなさい」

モバP「い、いえいえ。はは……」


  ◇ ◇ ◆


アーニャ「……?」

 藤原肇「……今の楓さんとは、随分違う印象を受けますね」

 モバP「だろう?」

アーニャ「それで、コーシュカ……ネコはどこに出てきますか?」

 モバP「うん? どこって言うか、今の楓さんを見ての通り」

 藤原肇「……?」

 モバP「昔の楓さんは借りてきた猫状態だったんだよ」



 藤原肇「上手い事言いたいだけじゃありませんか?」

 モバP「いや、至って真面目に……」

アーニャ「……! 肇! 宝釣りⅢが付きました!」

 藤原肇「やりましたね」


 モバP「あ、そうだ。アーニャちゃんって猫カフェによく行くんだっけ?」

アーニャ「アーニャの心のふるさとです」

 モバP「ロシアでも北海道でもないんだ……」

 藤原肇「アーニャさんが入店するなり、店中の猫さん達が寄って来るんですよ」

 モバP「魔術師か何か……?」

 藤原肇「それを一匹ずつアーニャさんへ載せていくのが楽しくて」

 モバP「動物使いか何か……?」

アーニャ「アイドルですよ?」



 モバP「まぁ、それは置いといて」

アーニャ「ダー」

 モバP「楓さんと猫カフェに行った時の話でさ」


  ◇ ◇ ◆


高垣楓「~♪」

モバP「えらくご機嫌ですね、楓さん」

高垣楓「あ……すみません。一人で浮かれてしまって」

モバP「いえいえ」

高垣楓「初体験ですから。きっかけをくださってありがとうございます、プロデューサー」

モバP「猫カフェの話ですよね?」



 店員「いらっしゃいませー」

高垣楓「こんにちは~♪」



  猫『…………?』



モバP「……ん?」

高垣楓「二名でお願いします」

 店員「ただいまカップルシートもご案内できますが」

高垣楓「神よ」

モバP「普通の席でお願いします。楓さんは自分を見失わないようお願いします」



モバP「……」

高垣楓「ほらほら、お菓子ですよ~♪ おいで~♪」



  猫『…………?』



モバP「……楓さん。なんか、店中の猫から不思議がられてませんか?」

高垣楓「どうしてでしょう……皆さん、私を遠巻きに……」

モバP「えぇと……おいでー。お菓子もあるよ」

三毛猫「……!」

モバP「おとと、待った待った、たくさんあるから」

高垣楓「……」

モバP「……普通に来ますね、俺の方には」

高垣楓「くすんくすん」



モバP「どんな猫より楓さんの方が可愛らしいです」

高垣楓「やったぁ」


  ◇ ◇ ◆


 藤原肇「ついでとばかりに惚気けないでください」

 モバP「ごめん」

アーニャ「アー……匂い、でしょうか。野良猫と遊んできたまま、とか」

 モバP「うーん……警戒と言うよりは、どっちかって言うと困惑してる様子だったかなぁ」

 藤原肇「困惑?」

 モバP「何と言うか……『え? なんで君がウチに来るの?』みたいな……」

アーニャ「……?」

 モバP「でも、楓さんが猫だとすれば辻褄が合うんだよ」

 藤原肇「辻褄さんも流石にびっくりしちゃいますよ」

 モバP「うーん」

アーニャ「あ。肇、その下には感圧板と」



 モバP「あ」

 藤原肇「あっ」

アーニャ「アー」


 藤原肇「くすん」

 モバP「ダイヤ結構持ってなかった?」

アーニャ「20個くらいですね」

 モバP「あー」

 藤原肇「……もういいです。砂と土と粘土で遊んでいます」

 モバP「拗ね方が地域密着型だなぁ……」



アーニャ「材料、おしまいですか?」

 モバP「いや、もう……二個あるかな」

 藤原肇「やっぱり土。土は私を裏切りません」


  ◇ ◇ ◆


高垣楓「プロデューサー。少しいいですか?」

モバP「ええ。大丈夫ですよ」

高垣楓「プロデューサーは猫派ですか? それとも犬派ですか?」



モバP「そうですね……」

高垣楓「猫派ですか?」

モバP「……うーん」

高垣楓「やっぱり猫派ですか?」

モバP「……」



モバP「……猫派、ですね」

高垣楓「…………!!」


モバP「ちなみに楓さ」

高垣楓「猫派ですとも」

モバP「疾い」



高垣楓「そうですか……やっぱりプロデューサーも猫派でしたか……」

モバP「えぇまぁ」

高垣楓「猫、良いですよね」

モバP「そうですね」

高垣楓「猫が一番ですよね」

モバP「何かあったんですか?」

高垣楓「にゃにっ、何も」



モバP「噛みました?」

高垣楓「すごく噛みました」

モバP「そこまで強く肯定しなくても」


  ◇ ◇ ◆


アーニャ「アー、9割以上の人は猫派、です。材料にはなりませんね」

 モバP「流石に盛り過ぎだと思う」

アーニャ「アーニャも猫派、です。アーニャの家族もみんな猫派でした」

 モバP「世界をアーニャちゃん中心に回したいのは分かるけど、ぐっと堪らえようね」

アーニャ「にゃん」

 モバP「鳴いてもダメ」

アーニャ「にゃん……」

 モバP「肇は元気出た?」

 藤原肇「はい。やはり土は偉大ですね、陶芸セラピーの流布を検討し始めた所です」

 モバP「流石に逸り過ぎだと思う」


 藤原肇「すると、次が最後の材料ですか」

 モバP「そうなるのかな」

アーニャ「わくわく」

 モバP「楓さん、寒いとなんかくっついてくるんだよ」



 藤原肇「回復のポーション持って行ってもいいですか?」

アーニャ「一緒に行くならスプラッシュポーションにしましょう」

 モバP「去年の冬もだったんだけどさ」


  ◇ ◇ ◆


高垣楓「……おはようございます」

モバP「あ。楓さん、おは……楓さん、お髪が……」

高垣楓「か、風が強くて……くしゅんっ」

モバP「大変でしたね……出発まではまだありますから、どうぞ暖かくしてください」

高垣楓「はい……お言葉に甘えます……よいしょ、っと」



高垣楓「ふぅ……んー……」

モバP「楓さん」

高垣楓「? はい」

モバP「くっついていませんか?」

高垣楓「くっついていますね」

モバP「その確認をしたかった訳ではないですね」



モバP「……えぇと、その……何故くっついていらっしゃるので」

高垣楓「寒いので暖かくしようと」

モバP「くっついた」

高垣楓「はい」

モバP「猫じゃないんですから」



高垣楓「……確かに、私は猫じゃないですもんね」

モバP「あ……え、はい」

高垣楓「すみませんでした。蘭子ちゃんを抱っこして暖を取る事にします」

モバP「えっあはい」

高垣楓「では、また後ほど」



モバP「……」

 蘭子『ひにゃあぁぁぁぁぁっ――――!?』

モバP「…………」


  ◇ ◇ ◆


 モバP「……という訳なんだよ」



 藤原肇「じゃあ経験値を……え? あ、はい。そうですね、猫かもしれませんね」

アーニャ「ダー。猫は、かわいいです」

 モバP「結局、確証には至らなかったかぁ……」



アーニャ「……そろそろ集合時間、ですね」

 モバP「ん? あぁ、今日は集会があるって言ってたっけ」

アーニャ「ダー。肇、お先に失礼しますね? またやりましょう」

 藤原肇「私も楽しかったです。お気を付けて」

アーニャ「ダスヴィダーニャ!」

 モバP「うん。ダスヴィダーニャ」


モバP「肇はこの後はレッスンだけか?」

藤原肇「そうですね」

モバP「遅れないようにな」

藤原肇「早めに向かいます……ところで、アーニャさんはどちらへ? 集会と言っていましたが」

モバP「あぁ、この辺の野良猫達の定期集会だって。最近相談役に就いたらしくて」



藤原肇「えっ」

ちひろ「プロデューサーさーん、休憩はまだ掛かりそうですかー?」

モバP「あぁ! 今戻ります! じゃあ肇も気を付けてな」

藤原肇「え、あ、はい」



藤原肇「……」



藤原肇「……えっ?」


  ◇ ◇ ◆


モバP「ふぅ……ただいまー」



モバP「……? あれ?」

モバP「ただいま帰りましたよー……あれ、どこだ?」

モバP「おかしいな……あ」



モバP「もう……また炬燵で丸まって寝てたんですか」

高垣楓「……んにゃ……? むぅ……」

モバP「ほら、夕飯にしますよ。起きてくださいってば」

高垣楓「ふふ……むにゃ…………んー……」

モバP「あぁもう。自分で起きないなら引っ張り出しますよ」



モバP「よい、しょっ……うわ意外に伸びる」


おしまい。


http://i.imgur.com/T9xpyoq.jpg
http://i.imgur.com/Xml6tWf.jpg

猫垣楓さんは公式 公式なんだよ 猫垣楓さんは公式なんだ
それを忘れずに生きていきたい

前作とか
アナスタシア「しとしと、わくわく」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1596370317
モバP「Uber Kaede……?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590312353
猫垣楓「猫になっちゃいましたにゃん」 モバP「えぇ……めっちゃ落ち着いてる……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1558262873


ちなみに微課金なので案の定12%が当たってくれません
誰か助けてくれ

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