モバP「厳しくならなければ…」 (96)

モバP(彼女と別れた…)

モバP(理由は、アイドルにかまけてばっかりだったから…)

モバP(アイドルが彼女にいろいろ言ってきたこともあるらしい…)

モバP(俺は彼女を本気で愛していた。でもそれをアイドル達に伝えるべきだった…)

モバP(俺は甘かった。アイドル達を傷つけまいとしてやったことが間違えていたんだ。)

モバP(そうだ、俺が悪いんだ。)

モバP(だからこれから厳しくなるぞ、自分にも、アイドルにも。)



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次の日

智絵里「終わりました、プロデューサー。」

モバP「ああ、お疲れ様。」

智絵里「プロデューサーさん、いつもみたいに撫でてくれますか?」

モバP(今までは撫でてやっていたが、今は違う。)

モバP「ダメだ。」

智絵里「えっ!?」

モバP「智絵里、おまえはもう少し出来るはずだ。あれじゃダメだ。」

智絵里「で…でも前は…」

モバP「関係ない、甘いこと言うな。」

智絵里「そんな…」

モバP「行くぞ、スタッフさんの邪魔になるからな」

智絵里「あっ、待ってくださいプロデューサーさん!」


モバP「橘、今日は撮影だ。」

ありす「はい…ってあれ?」

モバP「なんだ橘?」

ありす「いや、いつもはありすって…」

モバP「大人になりたいんだろ?だったらこれくらいのことは普通だ。」

ありす「…」

モバP「ボーっとするな!」

ありす「あっ!は、はい!」

加蓮「ねぇ、凛。」

凛「何?」

加蓮「最近プロデューサー、変じゃない?」

凛「うん。」

奈緒「確かに、なんか…厳しくなったよな…」

加蓮「みんなそう言ってる。小中学生は褒められなくなったって言うし…」

奈緒「あー、大人組は仕事の前日は酒を飲むなって強く言われたらしいなぁ…」

凛「そういえばこの間私ら怒られたよね、仕事ミスって。」

凛「前は怒られなかったのに…どうしたんだろ、プロデューサー。」

まゆ(ふふ…あの女は去りました…)

まゆ(Pさんは私のもの…誰にも渡しません)

モバP「まゆ」

まゆ「はぁい、何ですかぁプロデューサーさ…?」

モバP「そこまでだ。奏や志希にも言ったが、これからは距離を置かせてもらう。」

まゆ「な、何でですか!?」

モバP「お前らの自分勝手な恋愛観に付き合ってられないからな、あと家に来るのもやめろ。正直気持ち悪い。」

まゆ「き、気持ち悪い…」

まゆ(ちょっとやりすぎたかも…?)

杏に「仕事以外でもシャンとしろ」
蘭子に「仕事以外では普通に喋れ」

アイデンティティを崩しかねないこれらのこともPは言ってのけるのだろうか

ちひろ「プロデューサーさん」

モバP「何ですか?」

ちひろ「最近アイドルに厳しくないですか?」

モバP「今までが甘かったんです。だからこれでいいんです。」

ちひろ「いや、アイドル達からも不満が出てますし…」

モバP「慣れてないだけですよ。」








友紀「…」

友紀(ど…どうしよう。)

友紀(私、見ちゃった…プロデューサーさんがフラれてるとこ…)

友紀(プロデューサーさん…すごい悔しそうだった…)

友紀(私のせいだ…)

友紀(私のせいでプロデューサーさんがあんなになっちゃったんだ…)

数日後



楓「ちょっとプロデューサーさん!どういうことなんですか!」

友紀「!?」

モバP「何がですか?」.

楓「何がですかじゃないですよ!何で明日仕事が入ってるんですか!?」

楓「私は明日ちひろさんに頼んでオフにしてもらってたんですよ!?」

モバP「知らないですよそんなの!ちひろさんだって忙しいんですよ!?」

楓「私だって休みなしでずっと忙しいんです!一日くらい休みたいんですよ!」

モバP「だったらなんで直接言わなかったんですか!電話くらいできてたはずです!」

友紀「ふ、二人共落ち着いてよ!」

モバP「…」

楓「…」


モバP「…分かりましたよ。じゃあ明後日オフにしますから明日は頑張ってください。」

楓「…お願いします」

友紀「…」

友紀(プロデューサーさんと楓さんがあんな怖い顔で睨み合ってたの初めて見た。)

友紀(前はあんなことなかったのに…)

モバP「おい、友紀」

友紀「ひっ!?」

モバP「仕事、終わったんだろ?やることないなら帰れよ。」

友紀「は、はい…」

モバP(みんな不満を言ってきたりしているが、それも俺が甘かったからだ。)

モバP(もっと…アイドルに厳しく…アイドルを嫌いであるかのような感じで…)

まゆ「プロデューサーさん!」

モバP「?」

まゆ「私が移籍って…どういうことですか!?」

モバP「ああ、すまない、詳しく話してなかった。」

モバP「その事務所はウチの系列の事務所なんだ。新しくできたばっかりの事務所でな。」

モバP「まだ軌道に乗ってないようだから、お前とまた別の事務所の優秀なプロデューサーをそっちに移すことにした。同じ系列である以上、力をつけて欲しいと思っている。」

モバP「雰囲気もまゆに合ってる。一か月後には行って…」

まゆ「嫌です!!!!」

モバP「嫌じゃない、行ってもらう。」

まゆ「私は、プロデューサーさんのそばにいたいんですよ!」

モバP「そのプロデューサーの言ってることなんだぞ?聞けるだろ?」


まゆ「聞けるわけないです!私は…」

モバP「まゆ、お前にはもっといろいろな経験をして欲しいんだ。お前の為なんだ。」

まゆ「…一体どうしたんですかプロデューサーさん。まさかあの女のことですか。私はあの女より…」

モバP「ともかく!お前には移籍してもらう!わかったな!」

まゆ「…」



友紀「はぁ…」

友紀(最近、調子が悪い…)

友紀(お酒も飲めてないし…)

友紀(飲もうとしても、あの時のこと思い出しちゃって、結局やめちゃう…)

友紀(謝ったら、許してくれるかな…)


次の日

美波「プロデューサーさん。」

モバP「どうした?」

美波「…みんなから聞きました。プロデューサーさんが彼女と別れたから八つ当たりしてるって…」

モバP「何を言っているんだ?」

美波「どうなんですか?」

モバP「それは違う…」

美波「何が違うんですか!」

美波「だっていきなり厳しくなったり怒るようになったり…そう思われても仕方ないじゃないですか!」

美波「こう言っちゃ悪いですけど…プロデューサーさんがこんな器が小さい人だと思いませんでした!」

モバP「!」








美波「戻ってください!あの頃のプロデューサーさんに!」

モバP「…美波、落ち着いてくれ。」

美波「何ですか!何か言い訳でも…」

モバP「いいから落ち着け!」

美波「!」

モバP「いいか!俺はお前らにアイドルとして上に行って欲しいからだ!」

美波「だ、だったらなんで言わないんですか?」

モバP「今のお前らに言って、すんなり聞いてくれるとは思えないから、俺はそうやったんだ。

モバP「そこまでアイドルが堕落したのは俺の責任だ。だから、自分から変えることにしたんだ。」

美波「…」

モバP「それに…相手に器が小さいとか言う人間ってのはその器そのものがない人間の言うことだ。お前がそんな人間だったとは思わなかったぞ。」

美波「…すいませんでした。」

モバP「俺はお前らのことを思ってやってたのに…まあいい。わかったらさっさと行ってくれ。」

美波「はい…」

モバP(それから数日、一部は元カノのことで話になった。)

モバP(正直、嫌になってくる。何度も何度も人の過去を掘り返しやがって…)

凛「…それ、本当?」

友紀「うん…プロデューサーさんが彼女と別れたのは、私のせいなんだ。」

友紀「お酒飲んで酔った勢いで彼女さんに言っちゃったんだ…プロデューサーと別れてよ、って」

友紀「それで、プロデューサーさんは彼女と別れちゃったんだ…私の目の前で…」

奈緒「ま、マジか…」

加蓮「…」

友紀「ごめんなさい…私の、私のせいなんだよ。」

加蓮「…でもそれ、別に友紀のせいだけじゃなくない?」

奈緒「加蓮!?」

凛「そうだよ、だってプロデューサーのこと好きな人って結構いたじゃん?私もだけど。」

奈緒「確かに…って、えっ!?」

加蓮「ま、マジで!?」

凛「確かに、プロデューサーに彼女がいたのは正直悔しいよ。でも、それでそれを邪魔するのは間違いじゃん。」

加蓮「確かに…応援するべきではあるね…」

奈緒「私は実際そうなったことがないからわかんないけど…」

凛「それでも、納得出来なかった人はいたと思う。まゆとか…」

奈緒、加蓮「ああ…」

友紀「…」

凛「だから、自分だけ悪いと思わないほうがいいよ。」

友紀「うん…」

「いい加減にしろ!!」

4人「!?」

友紀「プロデューサー…」

奈緒「とにかく行こう!」



モバP「俺のことはどうでもいいだろうが!!!!」

まゆ「…」

美優「い、いやだからその…プロデューサーさんがそうなったのが彼女さんと別れてそうなったなら、他の人が…」

モバP「だから私達が変わりになります、か?バカにしてんのか!」

留美「そんなつもりじゃないわ。その人のことは…」

モバP「そもそもお前ら自分の立場わかってないだろ!アイドルなんだぞお前らは!」

瑞樹「それはわかっているわ、でも…」

モバP「俺がお前らをスカウトしたのはアイドルにして利益を得る為なんだ。ナンパじゃない。」

凛「…」

モバP「それをお前らなんだ?勘違いしやがって。お前らは俺ら事務所の商売道具なんだぞ?商売道具は商売道具らしく、処女じゃない女は中古だとかほざく粗悪品野郎共の慰み者になってればいいんだ!」

美優「!」

美優「そこまで…そこまで言うことないじゃないですか!!!!」

加蓮(美優さんがキレた!?)

美優「みんな、みんなあなたを信じてたんです!それなのにそんなこと言うなんでひどい!」

留美「ちょっと落ち着いて…」

美優「みんなあなたのことが好きだった!好きだったの!!!!」

モバP「俺はお前らが大っ嫌いだよ!!!!」

まゆ「!!」

友紀「あっ…」

モバP「お前らは一方的に自分の思いやら何やらをこっちのことは御構い無しに押し付けて、やめてほしいと言ってもやめなかった!」

まゆ「…」

モバP「俺は彼女と結婚するつもりだった。その為に少しずつ貯金もしてたのに、お前らアイドルが全部無駄にした!全部踏みにじった!!!!」

美優「私達のせいだって…」

モバP「他に誰がいる!別れる時、彼女はいろいろ言われたって言ってたぞ!別れてとか、私のものだとか!」

瑞樹「…」

モバP「お前らはなんて言ったんだ!答えろよ!」

美優「わ、私は何も…」

モバP「嘘をつくな!」

友紀「もうやめてよ!!!!」


モバP「!?」

友紀「私…私が悪かったから…お願いだから…もうやめてよ…」

モバP「…」

友紀「ごめんなさい…ごめんなさい…」

モバP「…ち、違うんだ。それもこれも俺が悪かったんだ。俺が…」

凛「違うよ。プロデューサー。」

凛「悪いのは、私達だよ。」

モバP「…」





友紀(このことは他のアイドル達にも伝わっていった。)

友紀(プロデューサーに好意を持っていたアイドル達はプロデューサーを想ってはいたけど、皆、プロデューサーのことを考えていなかった。)

友紀(自分達の行動の結果が、好意を持った相手から嫌われたということにようやく気付いた。もう遅いけど。)

まゆ「私は…プロデューサーさんのことを運命の日だと思い込んで、プロデューサーさんと少しでも長く一緒にいたくて、いろんなことをしました。嫌がらせもしました。」

まゆ「でも…全部、全部間違ってました。私はあの人のそばにいてはいけなかったんです。」

友紀「…」

まゆ「私はあの人に言われた通り、別の事務所に移籍します。」

まゆ「美優さんや瑞樹さんも事務所を変えたいって言ってましたから、誘ってみましょうか…」

友紀「…」

友紀(みんな、プロデューサーと距離を置いていった。)

友紀(ある日、あの日から浴びるように酒を飲むようになってしまった留美さんや楓さんを送った後のことだった。)

モバP「…!」

友紀「あっ…」

モバP「友紀か…」

友紀「…」

モバP「別に何もしないよ。ただボーっとしてただけだ。」

友紀「ここ…プロデューサーが別れたところだったよね。」

モバP「ああ…」


モバP「好きだった…でもダメになった。」

モバP「みんな、俺や彼女に別れてとか言ったり、別れさせようとしてた。でも、それだけみんな好きだったんだよな…」

友紀「…」

モバP「今はギクシャクしてて、もう完全に戻れないだろうよ…全部俺がダメにした。俺は最低の男だ。」

友紀「それは…」

モバP「いいんだ、その最低の男ももう消える…」

友紀「えっ!?」

モバP「もう事務所を辞める。退職願も出してきた。」

友紀「そ、そんな…」

モバP「じゃあ、元気でな。」

友紀「…」

友紀(何故か私は、止めようと体が動かなかった。私に出来たのは、ただ闇の中に消えていくプロデューサーを見つめるだけだった。)

友紀(幸せになろうとしたのに、私達アイドルのせいでその幸せがなくなったプロデューサー。)

友紀(私はプロデューサーに向かって、ごめんなさいと、呟いた。)

友紀(でも、そのあと大変なことが起きた。)

友紀(ウチの事務所のアイドルが、SNSに私達がプロデューサーにやったことを書き込んでしまった。)

友紀(もちろんそれはネットで大炎上し、週刊誌にも取り上げられ、私達は「横恋慕アイドル」と揶揄された。)

友紀(智絵里ちゃんは影で「見た目あれだけどやることはえげつない」と噂され、)

友紀(美波ちゃんは「その体でプロデューサーを誘惑してたんでしょ」と言われ、)

友紀(まゆちゃんの事務所にも飛び火して、まゆちゃんは一部から犯罪者呼ばわりされた。)

友紀(でも、みんなそれを受け入れた。プロデューサーを別れさせたのは紛れも無い事実だから。)

友紀(そして、多くのアイドルが去っていった。)

友紀(凛ちゃんは残ると言っていた。それがプロデューサーに対する懺悔なんだそうだ。)

友紀(そして私は…)





数年後

俳優「…それで姫川さん、アイドルやめてマネージャーになったんですか…」

友紀「うん。アタシも耐えられなくなっちゃってさ、でもプロデューサーがどんな仕事してたのか知りたくなったからこの仕事やり始めたのよ。」

友紀「まああのアル中も着いてきたけど。」

俳優「アル中って、楓さんのことですよね?いいんですか?同じ事務所のアイドルだったんでしょ?」

友紀「そんなこと言われたってさぁ、毎日毎日相手にさせられてみ?絶対そう言いたくなるから。本当に。」

友紀「まあ、タレントとしてやってくれてるからいいけど。」

友紀「…」

友紀「ハァー…」

俳優(元アイドルがしゃがんでIQOS吸ってるなんてなかなか見ない光景だぞ…まあ、それだけ辛かったってことか…)

友紀「…とりあえず私は言っとくよ。アタシはあんたに彼女が出来た時は出来るだけ応援するからね。」

俳優「イケメンじゃない三枚目の俺に、彼女なんて出来ないと思いますけど。」

友紀「いやいや、わかんないよ。あんたの行動次第で、あんたに惹かれる女は意外といるからね。」

俳優「そんなもんですかね…」


俳優「姫川さんは恋愛しないんですか?」

友紀「ダメでしょ、アタシ人の恋路を邪魔して台無しにしたのよ?資格なんてないよ。」

俳優「いや、話聞く限り、姫川さん謝ってるしそこまでひどいことしてないから許されていいと思うんですよ。」

友紀「…」

俳優「まああくまで俺の意見なんですけど、そこまで自分を責めちゃダメですよ。」

友紀「…ふふ、ありがと。近いうち彼女出来るんじゃない?」

俳優「ハハハ…」

俳優(姫川さんの話は、従姉妹の話とほぼ同じだった。)

俳優(俺は言うべきなのだろうか。姫川さんの言う彼女が俺の従姉妹かもしれないことと、その従姉妹が、元アイドルのプロデューサーの元彼と寄りを戻し、結婚できたことを…)



おわり

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