【ミリマス】横山奈緒「空を彩る星に乗って!」 (18)

17日なのでシアター17歳組のSS

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島原エレナ「わ……! 空、キレイだネ!」

宮尾美也「午前中の雨が嘘のようですね〜」

真壁瑞希「はい。一時はどうなることかと思いましたが、無事に晴れて何よりです」

横山奈緒「時間も時間やし、さすがにちょっと寒いけど……まあ我慢やな」

白石紬「カイロを持ってきましたので、よかったらどうぞ。みなさんの分もご用意しておきました」

高山紗代子「ありがとう紬ちゃん。私はたい焼きを持ってきたから、温かいうちに食べてね!」

奈緒「それにしても、劇場から見える夜空がこんなにキレイだったとはな〜。流星群なんて初めて見るし、みんなと一緒やし、俄然楽しみになってきたわ」

美也「屋上を使う許可を出してくれたPさんのおかげですな〜」

エレナ「Pも一緒に見たらいいのに……」

瑞希「まだまだ仕事が残っているそうです。……残念」

紬「お仕事が、こんな時間まで……?」

紗代子「もう日付が変わるのに……」

奈緒「しかもこのあと私らを送ってくれるしな……まあ、今日はPさんへの感謝を忘れずに楽しもうや」

紗代子「見頃は何時くらいからだったっけ?」

瑞希「このサイトによると、あと30分くらいだそうです」

奈緒「30分か。それなら、そろそろ決めとかんとな」

エレナ「決めるって?」

奈緒「願い事に決まってるやん! 流れ星が消えるまでの短い時間に3回言わなあかんねんから、入念にシミュレーションしとかんと!」

紬「今年は大出現の年のようですし、そこまで意気込まずとも機会は何度もあるのでは?」

奈緒「甘いで紬。そこに甘えているようじゃ願いを叶えるなんて夢のまた夢や」

紬「は、はあ……」

エレナ「願い事……やっぱり、トップアイドル?」

美也「そうですね〜。私たちはアイドルですから〜。紗代子さんはどうですか〜?」

紗代子「……うん、私もトップアイドルになりたい。でも、それはお願いすることじゃなくて、自分で叶えることだから──」

奈緒「あ、紗代子。今回はそういうのええわ」

紗代子「え!?」

奈緒「七夕とかお正月とか、何かお願いするときいっつもそんな感じのこと言ってるやん。だから今回はそういうのナシや。どっちかっていうとしょうもない感じの願い事しかしたらアカンで!」

瑞希「では、私は『クロスワードパズルの懸賞が当たりますように』とお願いします」

奈緒「そうそう、そういう深刻じゃない感じや」

エレナ「明日の小テストがなくなりますように!」

紬「島原さん……」

美也「通学路で猫ちゃんと出会えますように〜」

奈緒「ええやんええやん。みんなわかってきたな。ほら、紬と紗代子も」

紬「マンションの水道管の修理が早く終わりますように、でしょうか」

奈緒「それはかなり深刻ちゃう?」

紗代子「新曲のステップのテンポが早くなりすぎませんように、とか?」

奈緒「それもちょっと重いな」

紬「深夜にふと故郷が恋しくなることがなくなりますように」

紗代子「ハリ子がいつまでも元気でいてくれますように」

奈緒「重いわ!」

紬「これもですか……」

紗代子「そういう奈緒ちゃんのお願いは?」

奈緒「私? 私の願い事は『毎日たこ焼き100個食べたい』や!」

紗代子「それ、お願いなの?」

紬「単なる欲望のような……」

奈緒「今はそういうカタいことはええんやって」

紗代子「じゃあ、私も『毎日たい焼き100個』……は食べ過ぎだよね。それに、たまに食べるから美味しいんだし、毎日食べたせいで飽きて嫌いになっちゃったら……」

奈緒「だから考えすぎやっちゅうねん」

紬「では私は『作り過ぎたてるてるぼうずを処理する名案が思い浮かびますように』にします」

奈緒「うわ、考えないようにしてたのに!」

瑞希「横山さん、気付いてしまいました」

奈緒「なんや瑞希」

瑞希「みなさんの願い事は、どれも流れ星が消えるまでに3回唱えられるような長さではありません」

奈緒「それは……気合いでどうにかなるやろ」

瑞希「では実際に試してみましょう。島原さん、屋上の端から端までダッシュをお願いします」

エレナ「わかったヨー! でも、どうして?」

瑞希「流れ星の代わりです」

奈緒「よーし……絶対に3回言ったるで!」

エレナ「行くヨー? ヨーイ……ドン!!」

奈緒「毎日たこ焼き100個食べたい! 毎日た」

エレナ「ゴール!!」

奈緒「あー! 1回しか言えんかった……みんなはどうやった?」

紬「私は1回も言い切れませんでした……」

紗代子「毎日たい焼き10個なら……? いや、それでも……」

奈緒「紗代子はまだ考えてんのかい!」

瑞希「どうやら根本的な見直しが必要なようです」

奈緒「そうは言っても……あ、そうや! 美也、早口言葉が得意って前言っとったよな?」

美也「はい〜。得意ですよ〜」

奈緒「コツとかあるん?」

美也「早口言葉のコツは、ゆっくり言うことですよ〜。ゆっくり言えば噛みませんからね〜」

奈緒「それは、そうやけど……」

紗代子「もっと短い願い事にしないといけないのかな」

瑞希「願い事を変える必要はありません。ですが文章を3回唱えるのは間に合わないので、一番大事な単語に絞りましょう」

奈緒「なるほど……エレナ、もっかい頼むわ!」

エレナ「ハーイ! ヨーイ……ドン!!」

奈緒「たこ焼きたこ焼きたこ焼き!」

瑞希「懸賞懸賞懸賞」

紗代子「たい焼きたい焼きたい焼き!」

美也「猫ちゃん猫ちゃん猫ちゃん〜」

紬「てるてるぼうずてるてるぼうずてる」

エレナ「ゴール!!」

紬「あっ」

奈緒「よし、間に合った! これで本番もバッチリや!」

瑞希「見頃まであと10分です」

奈緒「よし、ここからは空に集中せんとな」

紗代子「絶対見逃さないようにしなきゃね……」

エレナ「まだカナー、まだカナー」

美也「楽しみですね〜」

紬「……おや? メッセージが……Pから?」

奈緒「Pさんから? なんやって?」

紬「『誰か俺の代わりに、休みが取れるよう流れ星にお願いしてくれ』……だそうです」

一同「…………」


奈緒「重いわ!!」

おしまい
流れ星を見る話でもエモくない雰囲気にできる

しし座流星群の見頃は今日の深夜~18日の未明。でも今年はあんまり流れないらしい。

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