マクギリス「インフィニットストラトス…胸が踊るな」 (537)

筆が乗ったら書く
クソガバ設定
スーパーマクギリス無双
異世界オルガネタ
アグニカバエル馬鹿
時折地の分あり
以上で良ければ読んで貰えたらな、と。

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第0話 マクギリス・ファリド

マクギリス(俺も、もう終わり、か。)

ガエリオによって撃たれ、致命傷を負い、消え行く意識の中でそう思考する。

マクギリス(まさに身から出た錆というやつか。)

不思議と恐怖も無く、消え行く感覚に身を委ねる。

だからこそ、目覚めが訪れた事に少し困惑した。

マクギリス(…アリアンロッドの船の中、ではない?)

目にした光景は陽光差し込む、医務室の内装だった、

マクギリス(…火星でも無いな。地球?わざわざラスタル・エリオンが俺を生かしておく必要もあるまい。どういう事だ、これは)

軽く拘束された状態ではあれど、傷の痛みすらなかったのがよりマクギリスを困惑させた。

物音に気付いたのか、足音が近付いて医務室のドアを開けた。黒髪の、スーツを着た女性。見覚えは勿論無い。

女性「目は覚めたか、奇妙な侵入者」

マクギリス(日本語、だったか。厄祭戦以前の国家の一言語。しかし、奇妙な侵入者、だと?)

困惑は止まらない、加速していくばかりだがとりあえず言葉を返す事にする

マクギリス「失礼だが、状況が飲み込めない。侵入者、とはどういう意味だ?私は何故、此処に居るのかわからないのだが」

女性「…三日前、学園敷地内に異常なエネルギー反応が検知された。現場には、貴様が倒れていた。私が知り得るのはそれだけだ。だからこそ聞いている。貴様が何者で、何故倒れていたかをな。単純なスパイなどではあるまい」

マクギリス「私が、倒れて…いや、それ以前に私を知らないのか?かなりの報道がなされていたはずだが」

女性「最近の報道で貴様を見た覚えはない。で、何者だ」

マクギリス「…マクギリス・ファリド。セブンスターズの一角であるファリド家当主だ。こう言えば、理解して頂ける筈だが」

だが、女性の反応はまたしてもマクギリスの予想を裏切った。

女性「セブンスターズとはなんだ。秘密組織か?」

マクギリス「…ギャラルホルンの名前くらいは聞いた事があるだろう?」

流石にいくら辺境であろうと必ず通じるであろう名前を出してみる。

女性「知らん」

頭を抱えたくなった。現在地の確認が必要だと判断する。

マクギリス「…学園と言っていたな。どの星の、どこの学園だ?」

女性「星云々が何故出て来る。日本のIS学園だ。貴様こそIS学園を知らぬ筈はあるまい」

マクギリス(…これは夢だ。そうでなければおかしい)

厄祭戦前の国の名前に、知っていて当たり前の様に語られるIS学園、なる組織。流石に目眩がした。

女性「…貴様、インフィニットストラトスという兵器の名前くらい聞いた事があるだろう?」

マクギリス「存じないな。それほどまでに高名な兵器なのか?」

女性にため息をつかれる。付いて来いと促され、手錠をつけたまま付いていく羽目になった。

そこは、モビルスーツの格納庫を遥かにダウンサイジングした様な一室だった。

そこに鎮座していたのは、人が纏うように作られたと思しき奇妙な形の鎧のような物。

マクギリス「これがそのインフィニットストラトス、なるものか。」

女性「触れてみろ。貴様に適性があれば起動する」

促されるままにインフィニットストラトスに触れる。途端、様々な情報が頭に流れ込む。流石に驚嘆して手を引く。

女性「…貴様も、起動出来るのだな。」

あからさまに厄介な事が増えたと言わんばかりの態度に疑問を抱く。

マクギリス「適性かあれば起動するのだろう?私に適性があったからこそだと思うが。」

女性「それは本来女にしか起動出来ん。出来たのは世界中で貴様ともう一人だけだ」

困惑は、更に加速した。

それからISに関して説明と、学園に入らないかと言う誘いを受ける。

マクギリス(…乗るしか無いな。私にはほかに道はあるまい。)

女性にしか扱えないオカルト兵器、インフィニットストラトス。そんな物は自分の世界には存在していないはずだ。如何なる資料にも厄祭戦前にその様な珍妙な兵器は無かったのだから。

マクギリス「良いだろう。私もこの世界に興味が湧いた。」

女性「…世界、だと?」

掻い摘んで厄祭戦、ギャラルホルン、モビルスーツの事を語っておく。当然、胡散臭げな顔をされたが。

「織斑先生~!」

格納庫の入り口から女性が駆け込んで来る。

女性「山田先生。結果はどうでしたか?」

山田「このマクギリス・ファリドさんですが、やはり何処の国にも合致するデータはありませんでした」

女性「鬼籍にも、ですか」

山田「残念ながら…」

女性「…貴様の話、少しばかり信憑性が出てきたな。ともかく、今後はこの学園で生活してもらおう。私は織斑千冬、こっちは山田真耶だ」

手錠を外され、手を差し出される。その手を取る以外、マクギリス・ファリドに選択肢は無かった。

今回ここまで。また筆が乗ったら書きます

第0.5話 入学準備
マクギリス(よもや高等学校の教育を二度も受ける羽目になるとはな)

分厚い資料を読み進めながら思案を続ける。

マクギリス(ギャラルホルンの様な組織が無い上に、数の限られたISのコア、それを奪い合う国家達…女尊男卑の社会風潮。モビルアーマーの様な技術が産まれれば、それに頼る土壌は出来ているわけだ。とはいえ、ISの性能ならば打倒し得る力はある。厄祭戦前の世界に来てしまったと考えるのは早計過ぎるな)

自身に充てがわれた部屋のドアがノックされる。

千冬「どうだ、明日までになんとかなるか」

マクギリス「問題は無い。生きて行くのに必要ならば尚更だ」

千冬「まあ、気楽に行く事だ。お前には専用機はまだ用意出来んが、新鋭企業の新型試作機が用意される。テストパイロット扱いではあるが、こなして見せろ。お前が結果を出して見せれば、例の話の信憑性も上がるしな」

マクギリス「なるほど。君からすればお伽話に等しい話だが、興味はあるわけだ」

千冬「まあ、そうなるな。そんな未来は来て欲しくは無いがな…それと、明日からは生徒と教師だ。歳が近いとは言え立場はわきまえておけよ」

マクギリス(教師としては生徒に舐められるわけにもいかんからな)

マクギリス「承知した。頼りにさせていただきますよ、織斑先生」

千冬「ではな。お前の力を示して見せろ」

マクギリス(…全く、困った女だ。だが、その期待には応えよう)

渡された資料を読破し、明日に備える。波乱の初日になるには違いないのだから。

第1話 クラスメイトは大半女子
マクギリス(これほどとは、な…)

見渡す限りの女子率の高さ、男は自分と、織斑千冬の弟である織斑一夏のみ。ISの特性と、女子が集う場所故の男性の入り難さ。職員の末端に至るまで女性のみであった。

思案に耽っているうちに、自分に自己紹介の番が回ってくる。

マクギリス「…私はマクギリス・ファリド。最近まで事故で昏睡していて、社会的マナー、常識に疎い面があるかも知れない。何か可笑しな点があれば、遠慮なく指摘して欲しい」

様々な面を考え、そう言う事にして置いた。世界情勢がまるっきり違う以上、何が他者の地雷となるかもわからない。

休み時間に入ると金髪の少女に声を掛けられた。

金髪「少々宜しくて?」

マクギリス「私に何か御用かな、お嬢さん」

マクギリス(イギリスの代表候補生、セシリア・オルコットだったか。早々に目を付けられるとはな)

セシリア「先程昏睡状態だった、と言いましたわね。よろしければ、このイギリス代表候補生であるセシリア・オルコットが御教授して差し上げますわよ」

マクギリス(なるほど。あくまで私を下として、優位性を保ちたい訳か。私としても、代表候補生ともなればパイプがあるに越したことはない、がな…)

マクギリス「それは有り難いな。是非当てにさせて貰うよ」

セシリア「ええ!それではまた」

上機嫌にその場を去り、もう一人の男へと向かって行った。

マクギリス(…彼女とは一戦交えておきたいな。代表候補生の力を測らせて貰いたいが…)

計らずもその機会はすぐに訪れた。

セシリア「納得が行きませんわ!」

金髪の少女、セシリアが声を張り上げた。自身の能力の高さに誇りを持つが故に、男性というだけで二人がクラス代表に祭り上げられたのが気にくわない様だ。更には日本に対する侮言まで飛び出す始末だった。

マクギリス(だが、好機でもある)

マクギリス「…実に品位に欠ける発言だな。個々の素質に、産まれも国も関係あるまい。君の国とて、欠点はいくらでもあるだろう」

セシリア「貴方…私を侮辱しますの?この、セシリア・オルコットを!」

マクギリス「立場のある者ならば、相応の振る舞いをしたまえ。君の言動は驕りが過ぎる」

セシリア「ならば、私の力を思い知らせて差し上げますわ!私と決闘なさい!」

マクギリス「…良いだろう。受けて立つ」

思い通りに事は進んでいった。

次回予告

マクギリス「数奇な巡り合わせから女性率99%のISパイロットの養成学校、IS学園へと入る事となった。この世界が厄祭戦前の世界とは思えないが、見極める必要があるだろう」

マクギリス「そしてクラス代表の決定会議にて、私はセシリアを挑発、決闘に漕ぎ着けた。見せて貰おう、代表候補生の力を」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。対代表候補生」

マクギリス「大人にはなり切れない物だな。これ程までに、胸が踊るとは」

ISはあまり知らないが原作通りのキャラクター付けだとすると
このセシリアとか言うのは三下悪役感がひどいヒロインキャラだな
この手の状況で「男だから気に食わない、女だから気に食わない」などと因縁をつけてくるような馬鹿な輩は
性別問わず手早く退場させるのが一番だと思う

とりあえずマクギリスに手酷く負かされて無用のプライドが原因で精神崩壊というのが無難じゃないか
寿命が尽きるまで病室のベッドの上で虚ろな目で天井を眺めて過ごすのが似合いだと思う

>>18

マクギリス「かなり酷いキャラクターに見えるかも知れないが、実のところかなり彼女の描写を端折らせて貰っている。あくまで彼女の態度が悪いのは世界的に男性の地位が圧倒的に引い上に情けない父親を、両親が死ぬまで見てきたからこそだ。更に彼女にはオルコット家という名家の当主としての誇り、そして価値を示さねばならないという脅迫観念にある。テンポの都合と私からの視点、書きやすさの点で解りづらくなってしまっているが、彼女もまた、ヒロインの一角足りえる人物でな。詳しくはアニメ、もしくは原作を見てくれ。彼女の魅力に関しては、今後は保証しよう」

第2話 対代表候補生

マクギリス(試合当日、私は格納庫で試作機を受け取り試合に出る事となった。そしてそこでまた、数奇な巡り合わせをする事になる)

千冬「これが学園に貸与された試作機、名前が…」

特徴的な赤い装甲に、二本の剣を備えた盾。見間違える筈が無かった。

マクギリス「グリムゲルデ、ではないかな?」

千冬「…何故知っている」

マクギリス「私がかつて扱ったモビルスーツに酷似していてね。ヴァルキュリアフレームの機体だったが、こちらではフレームではなく人が中核となるようだな」

千冬(…やはり、この男…)

千冬「では、扱い方は解るな?やってみせろ、ファリド」

マクギリス「ご期待にはお応えしよう。それと、これを開発した新鋭企業とやらに連絡を後で取り次いで欲しい」

千冬「わかった。…そろそろ時間だ。行け」

促され、グリムゲルデに搭乗、装着する。全身に装甲が纏わり付き、完全な姿に変わる。

マクギリス(なるほど。操縦方法は阿頼耶識とほとんど同じ、か)

マクギリス「マクギリス・ファリド、グリムゲルデ、出るぞ」

カタパルトを用いて試合会場のアリーナに飛び出した。その先に待ち構えるはセシリアの遠距離射撃型IS、ブルー・ティアーズ。

セシリア「来ましたわね。マクギリス・ファリド、貴方にチャンスを差し上げますわ!」

マクギリス「チャンス、とは?」

セシリア「今謝れば多少の手加減くらいはして差し上げますわ」

マクギリス「…フッ。なるほど。負けの言い訳作りはしておきたい訳か」

セシリア「なっ…そこまで私を侮辱するなんて…泣いて後悔なさいな!」

激昂と共に放たれた一撃。敢えて避けずに盾で受けて見る。盾表面のナノラミネートアーマーであえなく受け流されるビームを見て、より確信を深める。

マクギリス(やはり、グリムゲルデをISに作り替えたに等しい機体か。誰が作り上げた物やら)

セシリア「初撃を防いだくらいで!」

セシリアの機体から四つの子機が飛び立ち、ビームを多方から同時に撃ち込む。

マクギリス「君の機体特性は把握しているのだよ」

グリムゲルデの高い機動力を利用し、回避。並びにライフルでの射撃をブルー・ティアーズ本体に撃ち込んでいく。

当然、直撃を避けるために回避に意識を割く。それ故に子機の動きが鈍る。その隙を見逃さず、子機を撃ち落として行く。

マクギリス「君の戦闘データは見させて貰っていてね。弱点も把握済みだ」

セシリア「この…!調子に乗って!」

ブルー・ティアーズのライフルからビームが連射される。だが、機動力に富むグリムゲルデを捉えるには至らなかった。

マクギリス「すまないが、一気に行かせて貰うぞ」

急速に接近し、二本のヴァルキュリアブレードを展開する。近接戦闘では、グリムゲルデにブルー・ティアーズでは敵わない。

セシリアが、不敵に笑う。

セシリア「掛かりましたわね!」

ブルー・ティアーズのサイドアーマーを前面に展開、先端からミサイルが射出された。

マクギリス「っ何、っ!」

データに無かった攻撃手段。それ程までに追い込んだ証左ではあれど、回避の間に合わない距離まで踏み込んでしまっていた。

マクギリス(ならば…!)

二本のヴァルキュリアブレードで、斬り払う様にミサイルを両断。その爆発を、加速に利用する。

セシリア「そんな、馬鹿な…!?」

肉薄し、サイドアーマーとライフルを突き刺して沈黙させる。武器を捨て、距離を取るセシリア。

セシリア「無茶苦茶ですわね、貴方…インターセプター!」

マクギリス(遠距離機体でありながら、不得手な近接武器を出した、か。誘いのブラフか、最後の悪あがきか。見せて貰おう)

再びグリムゲルデとブルー・ティアーズが交差する。

交差した内の一機が、地面に叩きつけられた。

マクギリス「どうやら、ここまでの様だな」

その目の前に、グリムゲルデが舞い降りる。

セシリア「まだ、まだ負けてはいませんわ…!私は、負ける訳には…!」

既に満身創痍ながらも、グリムゲルデに立ち向かう。

マクギリス「…ならば、終わりにしよう」

インターセプターを弾き飛ばし、装甲に幾度となく剣を突き立てる。試合終了まで、さほど時間はかからなかった。

セシリア「私が、負ける…?」

ブルー・ティアーズの展開が解けると共に、崩れ落ちるセシリア。

マクギリス(…もう、充分だな)

グリムゲルデから降り、セシリアに手を差し伸べる。

マクギリス「済まなかった。私は君を侮っていたが、君はあの複雑な兵器をあれほどまでに扱って見せた。今回私が勝てたのは、偶然に過ぎない。…君とは、良き友人になりたいと思っている」

セシリア「…これほどまでに無様な大敗を喫した私を、?」

マクギリス「君の実力は本物だ。次に戦えば、勝てるかは分からない。…だからこそ、互いに高め合う友になりたいのだよ」

セシリア「…ありがとう、ございます…」

セシリアは手を取った。よろける彼女を支え、医務室へと連れて行く。

千冬(初見の筈の新型試作機の特性を完璧に把握し、完全に使い熟す。やはり、奴の言っている事は真実だと言うのか…?)

だとすれば、いずれ世界には厄祭戦という地獄が待ち受けているという事になる。

千冬(冗談であって欲しい物だ、そんな未来)

グリムゲルデの回収指示を出しながら、コーヒーを口に含む。いつもより、苦い気がした。

次回予告

マクギリス「セシリア・オルコットとの対決に勝利し、クラス代表の座を手にした。そんな最中、急遽の転入生が現れる」

マクギリス「織斑一夏の幼馴染らしいが、果たして彼女の真意は」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。転校生はカルタ・イシュー…ではない。幼馴染ではあるようだがな」

マクギリス「新たな代表候補生に、胸が踊る」

ダインスレイヴを回避できるなら意表を突いたとはいえ、ミサイル程度避けられるよなぁ

>>31.32
マクギリス「ダインスレイヴはあくまでバエルであれば避けられる、という話さ。グリムゲルデもIS世界では機動力は高い扱いだが、バエルと比較出来るほどではない。一旦はミサイルなら避ける事も可能だろうが、その隙に更に追加→四方から追いかけ回されてしまうだろう。何気にあのミサイルの誘導おかしいしな。だから実質避けるという選択は無いに等しい、となる。ちなみにバエルならばミサイルランチャー見てから発射迄に両足でバク宙の如く蹴り上げ→上に放たれたミサイルをレールガンで撃破→一回転してブルー・ティアーズをフルボッコ、という流れが出来上がる」

マクギリス「さて、長々と解説してしまったが、どうにも風邪が悪化したらしい。しばらくは単発でこのように書くか静養させて貰おう。仕事には出るが、な」

マクギリス「では諸君、バエルの元へ集え!」

ガエリオ「何を寝込んでいるんだマクギリス!俺を見ろ!!!」(林檎をウサギの形に切りながら)
ゆっくり療養してください

グリムゲルデとバエルって言うほど性能差あるか?
一期だと同じガンダムフレームのキマリストルーパー圧倒してたし
バエルでダインスレイヴ良けれるのも阿頼耶識あったからだし

グリムゲルデの方が性能良いまである

>>34
マクギリス「ガエリオ…お前は、俺にとって…」(リンゴもっしゃもっしゃ)

第3話 転校生はカルタ・イシュー…ではない

マクギリス「グリムゲルデの製造元に連絡は着きましたか。織斑先生」

千冬「ああ。代表の名前は石動・カミーチェだ。明日直々にお前に会いに来る」

マクギリス「…石動、か。なるほど、彼ならばグリムゲルデに必要なデータを持っていてもおかしくはないか」

千冬「知り合いか?」

マクギリス「数奇な巡り合わせだが、彼は私の副官だった。…私を庇い、戦場に散った男だが、よもやまた出会えようとは」

千冬「良かったな、感動の再会じゃないか」

マクギリス「それは、どうかな…」

モチベーションの問題だろ
グリムゲルデも決して悪い機体じゃないがバエルに乗ったマッキーはテンションMAXぶち抜いて有頂天だから
機体性能にそれほど差が無いなら後はマッキーの気分次第だろうさ

>>35
マクギリス「あれはガエリオの動揺故だ。グリムゲルデは単純なパワーとスピードでキマリストルーパーには劣る。対してバエルはグリムゲルデには出来ない、長時間の大気圏内飛行も可能な上にあの速度だ。阿頼耶識による差も考慮に入れれば、その差は歴然だろう。細やかな設定は是非ともプラモデルを買って確認すると良い。…折れない設定?はは、なんの事やら」

>>36
マクギリス「先にも挙げたが、グリムゲルデはパワー、スピード共にガンダム・フレームには劣る点が多い。バエルは、強い。ご理解いただきたい」

>>39
マクギリス「無論、それもある。だがバエルにはグリムゲルデには無い大出力スラスターウイングやツインエイハブリアクターの高いパワーもあるのだよ。後は細かいインストを参照するならば、グリムゲルデの攻撃はきっちりと機体重量を乗せられないと決定打になり得ない場合もある、ようだ。その辺りの差はやはり大きいだろう。阿頼耶識システムの恩恵の差も大きいな」

おっそうだな(こいつバエルの話になると早口になるな)

マクギリス(さて、どのような顔をして会えば良いのか…)

廊下に出れば、この学園において二人しかない男の内のもう1人、織斑一夏とポニーテールの少女が立っていた。

マクギリス「確か一夏君、だったな。何か御用かな?」

一夏「試合、見てました!凄かったです、あんな風に戦えるなんて」

マクギリス「いや、私などまだまだ未熟さ」

少女「一夏、食事に誘いに来たのだろう?さっさとしないと席が無くなるぞ」

マクギリス「私を、食事に?」

一夏「はい!クラスメイトですし、男同士ですから色々と話してみたくて。飯、まだですよね?」

マクギリス「ああ、これからだ。それと、敬語は不要だ。私達は対等なクラスメイトだ。謙る必要は無い」

一夏「んじゃ、えっと…俺も一夏って呼んでくれ。こっちは箒」

マクギリス「君もクラスメイトだったな。改めて、宜しく。一夏、箒」

箒「あ、ああ。」

マクギリス「では、共に食事と行こう」

>>42
マクギリス「ご理解いただけて何よりだ。バエルは素晴らしいと思わないか?造形美、手持ちの武器は二本の剣のみ。アグニカ・カイエルの魂を感じるだろう」

マクギリス「これが…伝説に聞くカツドン、か。実物をこの目で見る事があろうとは」

一夏「やけに大袈裟だな…」

マクギリス「日本食は書物にちらほらと出て来る程度の知識しか無くてね。少し、感動している」

箒「では、天麩羅や刺身なども無いのか」

マクギリス「まさにお伽話さ。…なるほど、アグニカ・カイエルも絶賛する筈だ」

カツドンを箸で掻き込む。アグニカ・カイエルと同じ物を食べたのだ、と感慨深く思う。

一夏「…アグニカ?」

マクギリス「私の尊敬する、もっとも偉大人物だ」

素晴らしいのは分かったのでエクバで空中に連れ去るのやめてくれませんかね…
やっぱマッキーが楽しそうだからいいや(テノヒラクルー)

マクギリス「ところで、君たちはこの後に予定は空いていないか?」

一夏「訓練、くらいかな。白式の実戦に備えて、だけど」

マクギリス「ああ、噂の君の専用機か」

箒「私も同じく訓練をやる。一夏に付き合ってで、専用機は持っていないが」

マクギリス「なるほど。私にも専用機があれば加わってみたのだが、残念だ」

一夏「あれは専用機じゃないのか?あの赤いの」

マクギリス「グリムゲルデはあくまでも貸与品で、扱いは学園の備品なのさ。もっとも、私が使う為に貸し出された物だがな。どちらにしても、次回以降は申請が必要になる」

一夏「面倒くさいんだな…じゃ、今度模擬戦付き合ってくれないか?」

マクギリス「ああ、構わない。さて…日本では、ご馳走さま、というんだったな」

一夏「はやっ」

マクギリス「では、また明日」

>>46

マクギリス「バエルのあの調整はなかなかに素晴らしいと思う。欲を言うならば、是非家庭用で乗り回したい物だ。ただしステダイブぴょんぴょんゲーはお断りさせていただきたい。スタイリッシュさのかけらもない挙動は無い」

マクギリス「さて、まだ転校生のての時も出ていないが、今回はここまで。仕事もあるのでな」

マクギリス「では諸君、共にアグニカポイントを稼ごうか」

マクギリス「もう、労働は十分だろう…さあ、休暇の時だ…」

マクギリス「土曜出勤は辛いな」

マクギリス「では、再開だ。いよいよ諸君の待ちわびた転校生が登場となる」

マクギリス「プラモデル作成の手休めに書いているので遅筆だが、勘弁願いたい。積みプラの山を消化せねばならないのでな」

マクギリス(一度部屋に戻るとしよう。明日には石動と会うのだからな)

曲がり角を曲がったところで、走って来たツインテールの少女とぶつかった。

ツインテ「いったあ…」

尻餅をついてしまっていた。

マクギリス「すまない、こちらの不注意だ。怪我はないかい?」

手を差し出す。

ツインテ「ご、ごめんなさい。怪我してませんか?」

マクギリス「私は大丈夫だ。…お詫びに受け取って貰えないかな?」

チョコレートを差し出してみる。

ツインテ「チョコレート…?ご丁寧にどうも…あっ、一夏、織斑一夏を見てませんか?」

マクギリス「一夏か。彼の友人かな?彼なら、アリーナで訓練中だと思うが」

ツインテ「ありがとうございます!」

そのまま走って行った。せっかちな子だ。

マクギリス「…見ない顔だったな。少し、調べておくべきか」

自室に戻り、パソコンを起動する。ギャラルホルンの機器に比べれば旧式に過ぎるが、なかなか尖った部分もある。

しばらく調べて、答えに行き当たる。

マクギリス(中国の代表候補生か。なるほど、IS学園に興味は無かったが一夏の入学を知り転入してきた訳か。彼も隅に置けん男だな)

マクギリス(そろそろ、眠るか…)

明日には、石動に会う。話さねばならない事は山積み。そして…

マクギリス(どんな顔をして会えば良いのか。どんな顔をされるだろうか)

悩みは、尽きない。

ツインテ「アタシは中国代表候補生、風鈴音!今日は宣戦布告に来てあげたわよ!」

教室に、昨日の少女。威勢の良いことだが、宣戦布告とは。

一夏「何格好付けてんだよ、似合わないぞ」

鈴「なんて事言うのよアンタ!?まあ良いわ、アタシもクラス代表になったんだから、次のクラス代表マッチでアタシの力、アンタに見せたげるわ!」

一夏「いや、俺クラス代表じゃないし」

鈴「えっ」

鈴「…えっ?」

マクギリス「すまない、確かに男がクラス代表なのだが、彼ではなく私なんだ。…また会ったね。私はマクギリス・ファリド。よろしく」

鈴「アンタ学生だったの!?てかチョコレート、アンタが代表!?」

チョコレート呼びされるとは。少々懐かしくなる。…少女、風鈴音の背後に黒い影が迫る。

マクギリス「すまない、パーツを無くして心が折れたので本日はここまでだ」

マクギリス「ちなみに、フレームアームズガールのアーキテクト用スプリングに代用出来る物を提示した者には300アグニカポイントを進呈しよう」

マクギリス「俺の、目指した、アーキテクトの完成が…」

もういっこ買えばいいんじゃないかなぁ

スプリングなんてアレ使うの?

>>55
マクギリス「それしか無いのか、と近所を回ったらナックル部分だけのパーツがあってな。購入出来たぞ。運命か…」


マクギリス「さて、待たせてすまない、諸君。本日深夜より投稿しよう」

マクギリス「そういえば、次が最終刊の筈の本家はいつになったら出るのだろうな」

マクギリス「あの状況下から風呂敷を畳む技量が、彼にあれば良いのだがな」

マクギリス「とりあえず、更識姉妹とゼフィルス、黒騎士のAGPを私は待ち続けるぞ」

マクギリス「では同志達よ、時を待て」

>>56

マクギリス「彼女の巨大なナックルにはスプリングを利用したパイルバンカー機能がある。彼女らの出来は素晴らしいの一言に尽きる、バンダイ製に比べて組みやすさに難はあるがそれを補って余りある子達だ。君も是非、組んでみたまえ」

本人が望んだ形かどうかは別として、白騎士事件で力を示したISは認められて世界は変わった
マッキーがやろうとしていた事の一部、純粋な力で世界が変えられると証明してしまった世界でもある

>>59
マクギリス「確かにその通りだ。しかし、未だ世界は性別による差別が残っている。私は証明せねばなるまい、生まれも性別も所属も関係無く、人が己の力を研ぎ澄ます事で、誰であろうと退屈な世界に変革を齎す事が出来るのだ、と」

マクギリス「では諸君、いよいよはじめるとしよう」

鈴の背後から、出席簿が振り下ろされた。意外と硬いのだが。

千冬「ホームルームが始まる。クラスに戻れ」

鈴「ち、千冬さん…失礼シマシタ!」

マクギリス(彼女は、織斑千冬に苦手意識を抱いているのか)

つつがなく進んでいく日常…時折、セシリアと箒が出席簿による制裁を受けていたが。

セシリア「貴方のせいですわっ!」

まったく、困った子だ。

マクギリス「身に覚えが無いが…とりあえず、食事に行くとしないか。話はそこで聞こう」

一夏「あ、俺も一緒に行くぞ」

マクギリス「ああ、構わない。皆で食べた方が、美味しくなる」

セシリア「私は構いませんわよ、織斑さん」

一夏「箒ー、一緒に行こうぜ」

なにやら難しい顔をしていた箒。あの鈴という少女が気になるのだろう。

食堂に着けば、件の少女、凰鈴音が我々を待ち構えていた。

鈴「待ってたわよ、一夏!」

一夏「鈴、そこすっげえ邪魔だぞー。食券出せないし」

鈴「アンタを待ってたんだっての!」

周りが見えにくいタイプらしい。

マクギリス「我々は別の方が良さそうだな。ここまで大所帯では邪魔だろう」

セシリア「ですわね。行きましょう、マクギリスさん」

マクギリス「ああ。ところで、君はさきほど何かが私のせいだと言っていたな。あれはどういう意味かな」

セシリア「…なんでもありませんわ、ええ。なんでも」

マクギリス「そうか。私が何か失礼を働いたのでないなら良いさ」

セシリア「時にマクギリスさん、放課後は何か予定はお有りですの?もし宜しければ特訓などは…」

マクギリス「すまない、放課後はグリムゲルデの開発元が私に会いに来る予定でね。長い話になりそうだ」

セシリア「それは、残念ですわね」

マクギリス「機会があれば、お相手しよう」

セシリア「はい、是非!」

随分と嬉しそうな顔をするものだ。

食事を済ませ、午後の授業をこなす。放課後には、石動との面会も控えている。さしたる支障もなく、授業は進んでいく。

放課後。案内された一室に、彼は居た。

マクギリス「…待たせて、すまないな。…石動」

石動「…いえ。准将との別れからすれば、些細な時間です。お久しぶりです、准将」

マクギリス「やはり私の知る石動のようだな。…君には、詫びねばなるまい。君を死なせておきながら、この様だ」

石動「謝罪は結構です。私は、貴方の理想に夢を見たのです。たとえ世界が変わろうとも、それは変わらない。…准将、また貴方は夢を見せてくれるのでしょう?」

マクギリス「…今度は夢では終わらせんよ。現実に、変えてみせる。…ところで石動、君はこの世界をどう見る」

石動「どう、とは」

マクギリス「この歪な世界であれ、厄祭戦前の年号、国家群。私もいろいろ調べてみたのだが、結論を出しかねている。これから厄祭戦が起こるのか、とな」

石動「なるほど…准将の危惧はもっともかと。我々もこの世界に来た当初は困惑しました」

マクギリス「…もしや、あの戦いで戦死した者たちも、か?」

石動「はい。ライザ・エンザ以下革命軍戦死者は、ほぼ同時期にこちらに。とある人物の協力を得て、こちらでの生活基盤を取得、革命軍メンバーで企業を起こし、私が取り纏めております」

マクギリス「個人でそこまでの影響力となれば、…彼女、か。」

石動「はい。篠々乃束、インフィニット・ストラトスの開発者です」

マクギリス「彼女の技術提供を利用したのが、グリムゲルデやグレイズか」

石動「はい。こちらからの見返りは勿論…」

マクギリス「エイハブリアクター、だな。この世界に無く、我々が提供出来る技術となればそれしかあるまい」

石動「お察しの通りです。…准将、貴方には再び我らの指導者として代表の座に就いて頂きたいのですが」

マクギリス「…いや、それは少々不味いな。あらぬ勘ぐりを世間に招きかねん。私の名は、既に売れ過ぎてしまっている。様々な不都合を鑑み、君がそのまま代表で居てくれ。無論、必要な指示は出そう」

石動「はっ。承りました」

マクギリス「それと、革命軍メンバーにISの適正者は居ないか確認しているか?」

石動「現状、我々革命軍、ならびに鉄華団のメンバーに男性適正者は居ません」

マクギリス「…そうか。となれば、私に適性がある理由の推論としては、これしかないな」

石動「真の阿頼耶識、ですね」

マクギリス「他には無い物として明確なのはこれだけだ。鉄華団の諸君にも適正者が居れば阿頼耶識、というだけで納得出来た物だがな」

石動「ならば、誰かに施術を行うというのはいかがでしょう」

マクギリス「…いや、良い。要らぬ争いの火種になるかも知れん。しばらくは様子見だ」

マクギリス「それと、学園に貸与されているグリムゲルデを、私の専用機にしたい」

石動「いえ、その必要は無いかと。既に准将に相応しい機体をこちらで製造中です。完成までは、自由に乗れる様に手配しておきます」

マクギリス「助かる。申請を出さねばならないのは骨折りだからな」

石動「では、その様に。准将、他に何かご要望は」

マクギリス「…いや、良い。忙しいところにすまないな。君達の忠義には必ず応えよう」

石動「准将、御武運を」

次回予告
マクギリス「石動との会談を終え、グリムゲルデを自由に扱う許可が下りた。そんな矢先のクラス対抗戦」

マクギリス「一回戦の相手は、二組の凰鈴音。激闘の最中に、想定外の乱入者が現れる」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。交差するリーグマッチ」

マクギリス「新たなる戦いに胸が踊る」

マクギリス「待たせてすまないな、諸君」

マクギリス「今回は少々立て込んでいてな、時間がない上に疲労も酷い。あまり書けるコンディションではないが、少しずつ書かせて貰う」

マクギリス「明日から私も活躍するコードギアス 復活のルルーシュが公開となる。私も観に行く」

マクギリス「ジョーシンにロボ魂の予約をしに行ったらまだ受け付けていなかった。田舎は困るな」

マクギリス「では、果たすべきを果たすとしよう」

第4話 交差するリーグマッチ

マクギリス(なるほど、厄介なものだ)

私と凰鈴音の試合は、若干の不利へと傾きつつあった。

マクギリス(パワーではあちらが格段に上。近接戦闘では不利、その上に砲身、砲弾が不可視の衝撃砲)

パターンを作らない様に縦横無尽に回避運動を取る。外れた衝撃砲が砂塵を巻き上げる。

マクギリス(機動力で勝負に出ようにも、青龍刀の薙刀形態のリーチの長さで対応されてしまう)

山田「ファリドさん、押されてますね…」

千冬「無理もあるまい。グリムゲルデの強みをことごとく潰し易い機体が相手だ。衝撃砲がナノラミネートが無い部分に当たれば格段に不利に繋がるのに、その砲身砲弾は不可視で予測が難しい。…だが、奴ならその程度は物とはせん」

マクギリス(ならば)

ヴァルキュリアライフルで遠距離から回避運動を続けながら狙撃を続ける。…その裏で、イグニッション・ブーストの準備に掛かる。

鈴「やるじゃ無いの、初見でこうまで躱すなんて!」

千冬「遠距離戦ならば、ファリドの技量であれば凰に対抗出来る。…この勝負、ファリドが衝撃砲の直撃を受けるのが先か、凰が痺れを切らすのが先かで勝負が決まるな」

鈴(こいつ、強い…!乗り始めて一カ月経ってない癖に、ここまでやるなんて…)

マクギリス(回避にパターンが見え始めたな。余裕が無くなってきたのならば、あと一押しか)

鈴(また当てられた…!?このままじゃこっちが不利になる、戦況を変えないと)

鈴のIS、甲龍が加速、接近してくる。

それは、こちらの目論見通りだった。

マクギリス(今ならば、!)

イグニッション・ブーストを発動。甲龍とグリムゲルデが急速に接近する。

マクギリス(懐に飛び込み、イグニッション・ブーストと奴の加速を利用した一撃ならば)

勝負を決めるには、十分だろう。目論見に気付いた鈴の顔に驚愕が浮かぶ。

二機がぶつかり合う…直前に、爆発が巻き起こる。グリムゲルデの軌道を逸らし、甲龍とぶつかるのを避ける。

マクギリス「何…!?」

状況から見て、どちらかの攻撃では無い。予想だにしなかった、乱入者の存在を認識する。

マクギリス(今のはビーム兵器…しかもアリーナの遮断フィールドを容易に破壊する威力とは…)

爆煙の中に、敵機体の反応を確認。即座に射撃を行う。

鈴「ちょ、アンタ警告も無しに」

マクギリス「無意味だ。この場に武力を持って介入している以上、奴に話し合う気も、勿論降伏するつもりもあるまい。それに、奴の火力は野放しには出来ん」

晴れた煙の中から敵機体が現れる。無骨かつアンバランスな歪な形状の、全身に鎧を纏った機体。

鈴「アンタのと同じ全身装甲…?」

マクギリス(最新のマッチングリストには該当しない。ならば、秘密開発機か。どこの組織かは知らないが、愚かにも程がある)

山田「凰さん、ファリドさん!すぐに教員部隊を送り込むので退避を!」

マクギリス「それは出来ません。奴の火力が観客席に向けば、不要な被害が出る。そちらの準備と観客の避難が終わるまで、私達で奴を惹きつけるしかないでしょう」

マクギリス「協力してくれるだろう?」

鈴「当たり前じゃない!あんな奴、コテンパンにしてやるわ」

二機で連携し、射撃戦へと移行する。

マクギリス(重厚な機体形状に反して機動力は高いな。パワーとスピードを兼ね備えた厄介な機体だ)

鈴「なんなのアイツ、全然当たらない!)

マクギリス「仕掛けて来るだけの技量はあって然るべきだろう。下手に攻め入る必要は無い、増援が来れば我々の勝利だ」

マクギリス「そちらの状況は」

千冬「アリーナのシステムがロックされている。避難も突入もままならん、まだまだ掛かる…奴の仕業だな」

マクギリス「了解した。ならばこちらで、なんとかしよう」

マクギリス「今回はここまでだ。では、夜に体力があればまた会おう」

マクギリス「待たせてすまなかった、諸君」

マクギリス「なかなかに興奮冷めやらぬ身でな。筆もそれなりに乗りそうだ」

マクギリス「彼らもまた、アグニカの魂を受け継ぐ者達なのだろうな。とりあえず、今日はルプスレクスを0030から作成予定だ。その合間に書かせて貰おう」

マクギリス「では諸君、しばらく待っていてくれ…というか、待っている人間が居るか定かでは無いがな」

待っている人がいること…そんなことも分からないのか…!?

>>77
マクギリス「では、私も果たすべきを果たさなければならんな」

マクギリス「では、本格的に書かせて貰おう」

鈴「アンタ、どうするつもりよ」

マクギリス「我々だけで奴を破壊するしかあるまい。出来なければ、間違いなく死人が出る」

マクギリス(しかし。我々と戦いながらハッキングとは、器用な奴だな…いや、やはり…」

鈴「なんか、打つ手は無いの?」

マクギリス「策はある。博打に近いがな…それより、奴の回避パターン…気付いているか?」

鈴「どれも似たようなパターンよね。まるで機械みたいに」

マクギリス「正解だ。奴はおそらく、無人型だろう」

鈴「はあ?んなわけ無いじゃない…って言いたいけど、人間味が無さ過ぎるよね、アイツ」

マクギリス「君の衝撃砲が鍵になる。最大限にチャージしておいてくれ」

鈴「了解」

マクギリス「さて、時間稼ぎの必要があるな」

グリムゲルデで接近しながらヴァルキュリアライフルで射撃を行う。当たる事に期待しない牽制程度だが。

マクギリス(イグニッション・ブーストのチャージだな。さて、どこまでやれるか)

鈴「行けるわよ、チョコレート!」

マクギリス「最大拡散で奴にかましてやれ。体勢を崩せば私がやる」

ダメージは低いが、拡散された衝撃砲を躱し切れず、敵機体が体勢を崩す。

マクギリス(イグニッション・ブースト…!)

隙を逃さず、グリムゲルデが疾走する。すれ違い様にヴァルキュリアブレードで一閃する。

マクギリス(まだ終わりではない)

機体を反転、再度イグニッション・ブーストで加速、背後から突き刺しながら吹き飛ばす。

そのままヴァルキュリアブレードを幾度となく突き刺す。最後の一突きが、敵機体を串刺しにした。

マクギリス「やはり無人型か」

マクギリス「とりあえず、無人機を駆逐したところで今回はこれまでだ」

マクギリス「レクスネイルの塗装に手間取ってしまったな…明日の予定もあるので中途半端だが眠らせて貰おう」

マクギリス「では諸君、また明日

マクギリス「待たせてすまない、読者諸君」

マクギリス「フレームを組み終わったら存外装甲を着けるのが楽しくてな、時間を忘れてしまっていた」

マクギリス「少しずつ描いていくので、しばし待っていて欲しい」

マクギリス「では。バエルの元へ集え!」

無人機の撃破直後。私は、学園地下の秘密施設へと招かれた。

マクギリス(なかなかの規模だな。しかし、私にわざわざ明かすとは)

千冬「来たか。…ファリド、機体の残骸のデータだ。何か解るか」

マクギリス「…自律型という事だけ、だな。機能中枢は私が潰してしまったから判然とはしないが、遠隔操縦ではあるまい。おそらくは撃破される事も前提として、繋がり足り得る物は無いだろう」

千冬「…ファリド、もしこの手の技術が流出すれば…」

マクギリス「厄祭戦に繋がる火種の一つにはなりかねないな。現状コアの能力への依存度が高い故に、そう簡単には行かないだろうが、コアに頼る事なくISの技術を十全に扱える様になれば、状況は加速的に悪化するだろうな」

千冬「…打開策は」

マクギリス「もはや後手に回るしかあるまい。現れ次第、なんとしても潰す。民間人を誘導して機械化風潮を抑制しようが、軍事機関、企業の秘密裏での開発は止められないだろうからな。人は実際に痛い目を見ねば学習するのは困難だ。まして、力が絡むとなれば多少の危険があろうと手を伸ばしてしまうのが人間だ」

千冬「何処の馬鹿者かは知らんが、やってくれるな…」

マクギリス「遅かれ早かれ、この手のモノは作られるだろう。我々で真っ先に対処出来たのを幸運と思う他あるまい」

マクギリス「このデータを石動に送っておいて欲しい。もしかしたら製造元が掴めるやも知れんしな」

千冬「わかった、送っておく。あと、この施設の事は…」

マクギリス「言われずとも分かっている」

千冬「…なら良い。部屋に戻って、ゆっくり休め。今回はご苦労だったな」

マクギリス「私は、果たすべきを果たしたに過ぎんよ。何か解れば、また連絡を」

一人になった部屋で、千冬は一人呟く。

千冬「…コアの製造、無人型インフィニット・ストラトスの開発。そんな事が出来るのはお前しか居ない。…お前は何を望んでいるんだ、束…」

その言葉は、誰に届く事なく虚空に消えた。

次回予告
マクギリス「無人機による襲撃の熱冷めぬIS学園に、二人の転入生が現れる。果たして彼らの目的は。」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。アグニカ・ミーツ・バエル!」

マクギリス「いっそ親しみ易くする為に、口調とか変えちゃったりしとくぅ~?…いや。やはりないな」

マクギリス「諸君、ようやく週末だ。待たせてすまないが、また今夜書かせて貰おう」

マクギリス「とりあえず、昼からアグニカポイントを稼ぐ。アグニカバエル馬鹿という岐阜県のプレイヤーを見たら、お手柔らかに頼むぞ」

マクギリス「さて、諸君に問いたいのだが、今後の展開に悩んでいてな。君たちの望む理想を提示して欲しい」

マクギリス「シャルロットとラウラに関してだ」

マクギリス「流石にヒロインが増えすぎるのも如何か、と思うので彼女達は原作ルートにするか、はたまた私の傘下に加えるか。というのを決めかねてな」

マクギリス「原作ルートを希望するならば「そんなもの、偽りの幸せだ…」と」

マクギリス「私の傘下に加えるならば「バエルの元へ集え!」と書き込んで欲しい」

マクギリス「無論、彼女らが減る場合には他のヒロインの描写を増やす事を約束しよう」

マクギリス「それでは。君たちの意見が、世界を変える…!」

マクギリス「少々、伝わりにくかったみたいだな。すまない」

マクギリス「原作ルート、つまりは織斑一夏が彼女らの問題を解決し、彼女達と交友を深めた場合だ。その場所、私と彼女らの接点はほとんど無くなってしまうと言って過言ではない。つまり、多少の共闘時以外はほとんど彼女らは出てこなくなるだろう。現状の箒、鈴に近い物になる」

マクギリス「次に、私の傘下に入った場合。一夏とのイベントや一部本来一夏がかかわらなかったイベントにも変更点が加えられ、私との交友が深められるだろう。彼女達の魅力を見てみたいならばこちらになるだろう」

マクギリス「原作ルートの場合はセシリアや今後の展開により増えるヒロインの描写が優先される。反面傘下ルートでは各ヒロインの描写が平等になるであろう、と言った具合だ。話の大筋等は変わらない」

マクギリス「選ばれなかったルートは書くつもりも気力も無いので、自らの選択に悔いのない様にして欲しい」

マクギリス「では。本日0030辺りからルートを完全に決定して書き始める。諸君らは、吟味して選択してくれ」

マクギリス「しかし、グレイズリッターを1/100化しないとはな。グレイズから改造で作るしか無いな…」

第5話 アグニカ・ミーツ・バエル

マクギリス(こんな状況下で、転入生…?しかも二人、このクラスにだと)

無人機による襲撃から日も浅い中で、山田先生より告げられた二人の転入生。その上…

金髪の少年「シャルル・デュノアです。こちらには、僕と同じ境遇の方が二人も見えるとのことで転入する事になりました。よろしくおねがいします」

マクギリス(男子の操縦者だと?それに、デュノア…デュノア社の関係者か?)

完全に意識を金髪の少年…シャルルに向けている中で、教室に乾いた音が響いた。

その音源は、銀髪に眼帯をした小柄な少女…ラウラ・ボーデヴィッヒ。彼女が、一夏の?にビンタを見舞ったのだ。

マクギリス(…いろいろと、面倒が舞い込んで来た物だな)

千冬「ファリド。デュノアとお前は同室になる。ついでに色々と面倒を見てやれ」

ホームルームの終了と同時にそう告げられる。

マクギリス「了解しました。…私はマクギリス・ファリド。とりあえず、女子が着替えを始めるので、移動しながら話をしよう。私に着いて来てくれ」

シャルル「うん、ありがとう。僕の事はシャルルって呼んで」

マクギリス「私にも、敬称は不要だ。同じクラスメイトなのだからな」

アリーナの更衣室に向かう。なかなかに察しの良い少年だ…本当に少年なのかは疑わしいが。

一夏「二人とも、早く着替えろよ。織斑先生は怖いぞ」

マクギリス「ああ、分かっている」

制服の上着を脱いだところで、シャルルが小さく悲鳴を上げた。

マクギリス「…どうかしたのか?」

シャルル「あ、いや、ごめん。悪いんだけど、二人ともあっち向いててくれない?」

マクギリス「すまない、配慮に欠けていた」

同性とはいえ、他人に裸を見られるのには嫌悪感を抱く場合もあるだろう。…判断材料としては薄いか。

専用スーツを着用し、グラウンドに走る。

二組との合同授業が始まると、セシリア、鈴の二人と山田先生が模擬戦を行う事になった。

マクギリス(第二世代型のリヴァイヴでああもやってのけるか。二人が直情的とはいえ、なかなかに優秀だな)

山田先生に翻弄され、呆気なく地に伏す二機。教師は伊達ではない、という事か。

千冬「教員の技量は理解出来たろう。これからは敬意を持って接するように。では各員、専用機持ちを中心として班をつくり、訓練機を用いて実習だ」

一夏、シャルルの元に密集するクラスメイト達。

マクギリス「そこまで集まっては訓練は難しいだろう。出席番号順に各専用機持ちにバラけるとしよう」

私の一声で、クラスメイト達は均一に分かれていった。グリムゲルデではなく、打鉄に乗る事になった。

マクギリス(やはり違うな。こうも動かし難い物か。一般的なISは)

昼。私はセシリアに誘われて、共に昼食を摂る事になった。

シャルル「僕も同席して良かったの?」

マクギリス「構わないさ。君とは親睦を深めておきたいのでな」

セシリア「ええ、遠慮なさる必要はありませんわ」

セシリア「ところで、私お弁当を作って参りましたの。良かったら如何ですか?」

彩り豊かなサンドイッチだな。食欲が踊る…!

マクギリス「頂こう」

シャルル「ありがとう、セシリア」

二人同時に、サンドイッチを口に入れた。

マクギリス「すまない。そろそろ眠気の潮時のようだ。諸君らも、夜更かしはほどほどにな」

マクギリス「ではまた会おう」

マクギリス「今週も労働、ご苦労だったな諸君。もしくは学業か」

マクギリス「土曜日出勤は辛い。いや本当に」

マクギリス「ところで、私のグレイズリッターを作ろうとグレイズを買ったのだが、グレイズ改の方がパーツ揃っていたと知り絶望したぞ。仕方ないのでグレイズ改も買ってきたが、一機余るので何かにしたいのだがなにが良いと思うか意見が欲しい」

マクギリス「では、とりあえず必要なパーツを組みながら書かせて貰おう」

マクギリス(不味い。非常に)

シャルルも固まっていた。私の味覚が彼女らからズレている訳ではない、と思うが…試してみるか。

マクギリス「私ばかり食べてしまっては申し訳ない。君も、食べるといい」

セシリアに一つ差し出してみる。

セシリア「では、ご一緒に」

サンドイッチがセシリアの口に運ばれる。直後、セシリアの表情が困惑、そうして驚愕へと移り変わった。

セシリア「な、ななな、何ですのこれは、っ」

マクギリス「私の味覚がおかしい、訳では無いようだな」

セシリアの?に、涙が伝う。

セシリア「申し訳ありません、この様な物を食べさせてしまうなど…直ぐに処分を、」

駆け出そうとする彼女の手を掴み、制止する。

マクギリス「落ち着くといい。…君はただ、純粋な厚意で作ってきてくれたのだろう?ならば、それを私が蔑ろにする訳にはいかないな」

セシリア「こ、好意!?い、あ、その、そうですけれども…」

マクギリス「ここから先は、私の出番だ」

サンドイッチを、次々と口に放り込む。正直なところ、味さえ気にしなければ特に問題は無いのだから。

マクギリス「すまない、何故かほお、という漢字が書き込むと誤変換される様だな。この掲示板の問題と思われるので、読者諸君は脳内変換をお願いしたい」

マクギリス「?。何故だ?」

難しい方の『頬』は環境依存文字だぞマッキー!

セシリア「マクギリス、さん…」

マクギリス「君の涙を、私は望まない。だから、笑っていてくれないか」

サンドイッチを全て完食し、セシリアにハンカチを差し出す。

セシリア「申し訳、ありません…」

マクギリス「気にするな。失敗は誰にでもあるものだ。いくらでも挽回の機会はある。今度は美味しいサンドイッチを食べさせて欲しいな」

セシリア「はい、必ずや。セシリア・オルコットの名に懸けて」

マクギリス「さて、私は満腹でな。君たちで、食べるといい。購買の物ですまないな」

パンを二人に渡す。

>>101

マクギリス「頬だと、書けるのか。すまなかった。報告に感謝する」


マクギリス「少々、やる事があるので一旦これまでだ。続きは0030辺りから、書かせて貰おう」

放課後。私は石動に連絡を取った。

マクギリス「忙しい中すまないな、石動。調べて欲しい事がある」

状況を手早く伝える。

石動『フランスとドイツの代表候補生、しかもフランスの方は男でしたか。たしかに奇妙な話ですね。解りました、こちらで調べておきます』

マクギリス「頼む。それと、私の専用機の進捗はどうだ?」

石動『申し訳ありません、作業が難航しておりまして…今暫く、お待ち下さい』

マクギリス「そうか。最近妙な事態が多い、出来る限り早めに頼む」

石動『はっ』

次回予告
オルガ「ってちょっと待て、何で一度も出てねえ俺が予告やんなきゃなんねえんだ!?しかもまだこれから書くんだろ!?」

三日月「仕事だよ。それに、区切りをわかりやすくしないと書きづらいってチョコが言ってた。あと様式美とかどうとか」

オルガ「なんだそりゃ…まあ、仕事ってんなら仕方ねえ」

オルガ「次回、インフィニット・オルフェヒギュッ」

三日月「ダメだよオルガ、それはダメだ。他人のだし、そこはチョコの人の場所だから」

オルガ「ああわかったよ、ちゃんとやるよ!ちゃんと次回予告やりゃ良いんだろ!」

オルガ「次回、インフィニット・マクギリス。ルームメイトはアグニカバエル馬鹿」

オルガ「っておい、タイトルなんか合わなくねえか?ルームメイトになんのはあの美少年だろ?なんでマクギリスなんだよ」

三日月「美少年じゃないでしょ?」

オルガ「は?何言ってんだミカ…つか金髪イケメン…どっちもマクギリスじゃねえか…」

第6話 ルームメイトはアグニカバエル馬鹿

マクギリス「ここが、私達の部屋だ。何か困った事があれば、遠慮無く言って欲しい」

シャルル「ありがとう、マクギリス。ところで、さっきは誰と話してたの?」

マクギリス「私の専用機の件でね。確認程度のものさ」

シャルル「へー…グリムゲルデって、専用機じゃないんだよね」

マクギリス「ああ。現状では、私は許可無くの使用を許されているだけだ。君も乗りたければ、申請するといい」

シャルル「話題だもんね。CMIのグレイズやグリムゲルデは。独自の技術を持ち、第2世代型ながらポテンシャルは第3世代にも匹敵するシリーズだって」

マクギリス「そう言って貰えれば、彼らも鼻が高いだろうな」

シャルル「それだけじゃないよ。かなりピーキーなグリムゲルデを高い技術で扱いこなすマクギリスも話題なんだよ」

マクギリス「一目置かれている、ということかな」

シャルル「うん。だから明日、模擬戦に付き合ってくれないかな?是非戦ってみたいんだ」

マクギリス「ああ、受けて立とう」

マクギリス「すまない、よもや寝落ちしてしまうとは」

マクギリス「お詫びに、少し書いていく。暇があれば読んでくれ」

マクギリス(なるほど、良い腕だ)

グリムゲルデの有利な近距離戦を避け、連射性の高い武装で確実にグリムゲルデのシールドエネルギーを削る。

マクギリス「だが、君の思惑通りにはさせんよ」

ライフルで応射する。対してシャルルは、武装の高速切替を利用した、パターンを読ませない戦闘機動でグリムゲルデから逃げ回り続ける。

マクギリス(ミラージュデザート、だったな。実に高い練度だ。最近発覚しだした男性操縦者にしてはやはり熟達し過ぎている)

シャルルの射撃を回避しながら予測したポイントに狙いを定める。

マクギリス(だが、まだ甘い)

スラスター部に直撃して、リヴァイヴが体勢を崩す。チャージしておいたイグニッションブーストを解放。一気に距離を詰める。

マクギリス「今回は、勝たせて貰おう」

銃を弾き飛ばし、剣を突き付ける。以下に高速切替であっても、対処は困難なはず。

シャルル「やっぱり凄いね、マクギリスは。とても最近乗り始めたばかりとは思えないよ」

マクギリス「君こそ、素晴らしい技量だ。私は機体性能に頼っているに過ぎないさ」

マクギリス「では一夏、今度は君が…?」

アリーナの周りで訓練していた他の生徒が一点を見てざわつき始めた。

マクギリス(あれは、ドイツの…ラウラ・ボーデヴィッヒか。しかも最新鋭機まで用意してのお目見えとはな)

その彼女…ラウラ・ボーデヴィッヒの視線は、一夏にのみ注がれていた。

一夏「なんだよ、何か用かよ」

流石に初対面で頬を打たれたのだから警戒していたようだった。

ラウラ「織斑一夏、貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話は早い。私と戦え」

一夏「お断りだ。理由がねえよ」

ラウラ「貴様に無かろうと私にはある。理由が無ければ戦えんと言うなら、理由作りくらいはしてやろう!」

ラウラが右肩側に装備された、巨大なレールガンを一夏に向け、発砲した。

マクギリス(愚かにも、程があるぞ…!)

即座に間に割り込み、跳弾を避ける為ヴァルキュリアブレードで弾丸を地面に叩きつけられる軌道に強引に変更する。着弾した弾丸が、盛大に砂埃を巻き上げる。

ラウラ「何…邪魔をするな、部外者が」

マクギリス「邪魔以前の問題だと気付けないのか?模擬戦用に貸し切りにしている時間帯ならばまだしも、今は既に周りに起動テストや調整を行ないに来た生徒もいる。彼女達に万が一今のが当たっていればどんな事態を招くのかすらわからないほど、ドイツ軍人とは愚鈍なのか」

ラウラ「貴様…マクギリス、と言ったな。私を邪魔するのならば、貴様から…!」

スピーカーから、咎める教師の声が響いた。

ラウラ「…今日の所は引いてやろう。だが、私の前に立ち塞がるならば、貴様から潰してやる」

そんな捨て台詞を吐きながら、彼女は去っていった。

シャルル「随分、傲慢な人だったね…」

マクギリス「ああ。厄介な事だ…」

だが、あの目。あの言動に、少なからず私は既視感を覚えていた。

マクギリス(まさに過去の私だな。力に固執し、それのみを求め、歪んだ道と知りながら突き進んでいった私に…)

シャルル「マクギリス?どうかした?」

マクギリス「いや、なんでもない。教員に、説明の必要があるだろう。私がしておくので、君たちは先に戻るといい」

一夏「ありがとな、助かったよ」

マクギリス「礼は不要だ。やれたからやった、それだけだ」

困った案件は、増えてしまったがな。

次回予告

アイン「ラウラ・ボーデヴィッヒの攻撃を退けたファリド特務三佐。民間人も居る場での発砲とは野蛮な…!」

アイン「その直後、ファリド特務三佐は彼女の過去、そしてシャルル・デュノアの真実を知る」

アイン「次回、インフィニット・ファリド特務三佐。じゃなかった、インフィニット・マクギリス。アグニカ・デイズ/阿頼耶識スイッチ」

アイン「清廉なる真道を理解しようとしない、野蛮な獣…この俺が、悔い改めさせて見せ…え?俺の出番は、無いのですか?」

マクギリス「同志達よ、執筆の時は来た!」

マクギリス「エク2での階級が上がったので今日はかなり筆が乗りそうだ。バエルはやはり素晴らしい」

マクギリス「しかし。デカールというのはいまいち敷居が高い気がしてならないが、そろそろ色々貼ってみたい。もし技術アドバイスがあればアグニカポイントを委譲しよう」

マクギリス「では諸君、しばし待っていて欲しい」

同日、夕刻。寮への帰路の中、聞き覚えのある声を耳にした私は、自然と物陰に潜んだ。

ラウラ「何故この様な僻地で、教員などと…!」

千冬「何度も言わせるな。私には私の役割がある。それだけだ」

ラウラ「ここでは貴女の能力は半分も活かされないというのに役割などと!?お願いです教官、再びドイツにて御指導を!この学園の、ISをファッション程度にしか考えていない様な腑抜けどもに時間を割かれるなど…」

千冬「そこまでにしておけ、小娘。何に意義を見出すかは私が選ぶ。それに、此処には随分と面白い奴も居るしな」

ラウラ「…あの男、マクギリスとやらですか」

千冬「さあな。それより、さっさと寮に戻れ。門限に間に合わなくなるぞ」

ラウラ「…失礼します」

悲痛な表情の中に怒りを混ぜ合わせながら、彼女は走り去った。

千冬「…立ち聞きとは、感心せんぞ」

マクギリス「失礼。だが、この様な通り道で話されては、素通りもしづらいのでな。彼女は私に敵意を抱いてしまっている様でもあるからな」

千冬「…お前なら、アイツをなんとかしてやれるかもな…」

マクギリス「…かもしれない。彼女と私は、案外似た者同士な様だからな」

千冬「何…?それは、どういう…」

マクギリス「失礼する。そろそろ、門限だろうからな」

千冬「あ、ああ。ではな、ファリド」

自室に戻る道すがら、石動からの報告に目を通す。

マクギリス(ラウラ・ボーデヴィッヒの方は…遺伝子強化試験体。兵器として産み出された親なき子供。なるほど、彼女にとっては、ドイツで教官をしていた織斑千冬こそが唯一絶対という訳だ)

マクギリス(シャルルは…該当なし?近年までデュノア社には御曹司などは確認出来ていない、か。ますます、怪しくなって来たが…)

戻った自室に、シャルルの姿は無かった。

マクギリス(まだ、戻っていないのか?まあいい、今のうちに浴室用品を補充しておこう。そろそろ、切れてしまうだろうしな)

補充物資を持ち、浴室へと繋がる脱衣所の扉を開ける。

そこには、服を脱ぎかけていたシャルルが居た。ただし、露出した裸身は、どう見ても女性としか言い様のないものだったが。

マクギリス「…すまなかった。物音がしなかったので居ないものと思っていた。これから入浴するのならば、これの補充が必要な筈だ」

足元に補充物資を置くと、彼女の裸を視界に入れない様にしながらドアを閉める。

シャルル「あ、あの、その…」

マクギリス「まずは、入浴をすませると良い。互いに、落ち着く必要があるだろう」

失態だな。ここまで事態を火急にするつもりは無かったのだがな

しばしの時を置き、彼女はジャージ姿で脱衣所から現れる。その豊かな胸の膨らみが事実を再認識させる。

マクギリス「…まずは、茶でも飲むと良い。市販品だが。」

シャルル「…ありがとう。」

マクギリス「…本題に入るとしよう。何故、男性と偽っていた?」

シャルル「…デュノア社の社長である、僕の父さんの命令、なんだ。」

マクギリス「私や一夏、その搭乗機のデータ収集か。デュノア社は近年、業績の悪化が著しい様だからな」

シャルル「流石マクギリス、察しが良いね…」

マクギリス「何故、そんな命令に従う。親とはいえど…」

シャルル「僕はね、マクギリス…愛人の子、なんだよ。母さんが死んで、二年前に引き取られたんだ。父にあったのは、たったの二回程度。IS適性が高い事がわかって、テストパイロットをやる事になった。普段は別邸で生活してたんだけど、一度だけ本邸に呼ばれてね。本妻の人に殴られたんだ。泥棒猫の娘が、ってね…母さんも、少しくらい教えて置いてくれたら、身構えれたのにな…」

シャルル「そんな中で、デュノア社は

シャルル「そんな中で、デュノア社は経営危機に陥ったの。リヴァイヴは所詮第二世代型だから、フランスは欧州の統合防衛計画から外された上に、第二世代のシェアですら、急激な隆盛を遂げたカミーチェ・ミリタリー・インダストリーのグレイズに奪われつつあるんだ…」

シャルル「第二世代でありながら、基本スペックは第三世代にも比肩し、半永久動力であるエイハブリアクターと、それに反応して他にはない防御性能を誇るナノラミネートアーマー。その技術が独占されている上に、グレイズ自体の拡張性の高さでリヴァイヴは完全に時代遅れになりつつあるんだよ」

マクギリス「だから、第三世代機である白式と、私が操るグリムゲルデ。そして貴重な我々男性パイロットのデータが必要だった訳か」

シャルル「貴方達に近付く為に、そして広告塔代わりって訳なんだよ…僕が男性パイロットとして、送り込まれたのは…」

シャルル「…話したら、気分が楽になったよ。ありがとう…今まで騙していて、ごめんなさい」

マクギリス「…君は、これからどうする?もはや企業スパイとして成り立つまい」

シャルル「…本国に連行されて、良くて牢獄行きかな…デュノア社は、庇ってはくれないだろうから…」

マクギリス「…君はそれで良いのか?生まれだけで、未来を左右されるなどと」

シャルル「…もう、どうしようもないんだよ。僕には道は無いんだ」

マクギリス(…そんな道理が、あってたまるものか。親だからと、未来を奪われるなどと。使い捨てて構わないなど)

マクギリス「君は、どうしたい?」

シャルル「…さっきも言った通り、牢屋行きなんだろうね、僕なんかは…」

マクギリス「違う。君がどうなるべきかではなく、君がどうしたいかを、私は聞いているんだ」

シャルル「…自由に、なりたいよ…友達に、仲間に、嘘なんてつきたくない…」

その言葉で、私の取るべき道は決まった。

マクギリス「ならば、私が君の道を作ろう」

涙を流す彼女の頬を、ハンカチで拭う。

シャルル「え…?」

マクギリス「この学園には、外部干渉は許されない。如何なる組織だろうと、だ。それに、私がこの事を明かさなければ、事は露見しない。三年間の間に、新たな手段を見つければ良い」

シャルル「でも…良いの?僕は貴方を騙して…」

マクギリス「本意で無かったのだろう。君を断罪する理由にはならない」

シャルル「…僕は、ここに居ても、良いの…?」

マクギリス「ああ。君の居場所は、此処にある。たとえどの様な事態になろうとも、君は私が守る。君が理不尽な運命を受け入れる必要はもうない。だから、安心するといい」

シャルル「なんで、そこまで…」

マクギリス「私も君と、同じだったからだ」

シャルル「同じ…?」

マクギリス「ああ。私は…ファリドという名は、本来の名ではない。本来の親の顔すら、私は知らない。孤児であった私は、自身を慰み者として扱う男に引き取られ、その唾棄すべき存在を父と呼ばねばならなかった。成長して、奴の性癖の範囲外となってさえ、奴を排除するまでは政略の道具にされてきた。」

シャルル「そんな、そんなのって…」

マクギリス「だからこそ、君を捨て置く訳にはいかない。」

シャルル「…強いんだね、マクギリスは…」

マクギリス「心の支えが、あったからだ。君にも、その支えを分けよう」

一冊の本を差し出した。

シャルル「ライフ オブ アグニカ・カイエル…?」

マクギリス「混迷を極める時代の中で、圧倒的な力を持ち、人が人らしく生きられる世界を築きあげた伝説の英雄、…という題材の空想伝記小説だ。私はアグニカ・カイエルに、人生の指針を見出した」

この世界では、だがな。

シャルル「良いの?大事な物なんじゃ…」

マクギリス「構わないさ。君の助けになれば、それは本望だ」

シャルル「ありがとう…マクギリスは、優しいんだね」

マクギリス「そう思って貰えるなら、私の人生も無駄では無かったのだろう。それに、君はどうやら抱え込み過ぎる性分の様だ。少しは、甘える事を覚えた方がいい」

そう言ったところで、部屋のドアがノックされる。

セシリア「マクギリスさん、デュノアさん?お食事がまだのようですが、如何なさいました?」

間が悪い事だ。

マクギリス「シャルル、少しベッドに隠れていたまえ。応対は私がしよう」

ドアを開け、顔を見せる。

マクギリス「ああ、心配させてしまったかな。すまないな。どうも、シャルルの調子が悪いようでな。様子を見ていた」

セシリア「まあ、それは大変ですわね…大丈夫なのですか?」

マクギリス「心配には及ばないだろう。これから彼の食事を持ってくるつもりでな。君はどうする?」

セシリア「私もこれからですので、ご一緒しますわ。デュノアさん、少しマクギリスさんをお借りしますわね」

シャルル「ご、ごゆっくりどうぞ…ごほっごほっ」

演技が雑だったが、見抜かれる事なく切り抜ける。

食事を手早く済ませ、部屋に戻る。

セシリア「では、デュノアさん。お大事に。マクギリスさん、また明日」

マクギリス「ああ。気遣いに感謝しよう。ではまた明日」

マクギリス「シャルル。食事だ。定食でも、問題は無かったかな」

シャルル「ありがとう、マクギリス。ごめんね、早速頼っちゃって」

彼女の表情が、一瞬曇る。

マクギリス「気にするな。

マクギリス「…どうかしたのか?」

シャルル「う、ううん。なんでもないよ」

そう言いながら握られた箸は、ぎこちない動きで魚を掴もうとして失敗する。

マクギリス「すまない、配慮が足らなかった様だな。今スプーンを…」

シャルル「そんな、良いよ!持って来て貰えただけで十分だよ、これで頑張ってみるから」

マクギリス「先程も言ったが、君は抱え込み過ぎる。もう少し、私を頼りにして欲しい。君と私は、秘密を共有する者なのだからな」

シャルル「…えっと、じゃあ…マクギリスが、食べさせて…?」

マクギリス「わかった。引き受けよう」

シャルル「じゃあ、そのお魚からお願いするね」

マクギリス「ああ」

シャルルに食事を食べさせる。存外、こういうのも楽しい物だと感じた。

翌日。事態は更に、加速していった。

アリーナで、なにやら騒ぎ。嫌な予感と共に、駆け足で向かう。

シャルル「こんな、酷い…」

一夏「なんだよ、なんでこんな…」

そこには、既に戦闘続行困難にも関わらず、ラウラから嬲る様な攻撃を受ける鈴とセシリアという、凄惨極まる惨状だった。

マクギリス「これ以上は不味いな。一夏、緊急時だ。アリーナの防壁を零落白夜で破れ。二人を救出する」

一夏「わかった!」

グリムゲルデを用意し、一夏、シャルルと共に内部に突入する。ヴァルキュリアライフルの威力を以って、ラウラを二人から引き離す。

ラウラ「貴様…また貴様か、マクギリス・ファリド…!」

殺意と憎悪を滾らせ、此方を標的に切り替えるラウラ・ボーデヴィッヒ。

マクギリス「どうやら、話し合う気は無いようだな。正に狂犬か。戦うだけの戦闘マシーンの様だな、君は」

ラウラ「黙れっ!貴様と織斑一夏さえ居なければ!」

二人を医務室に運ぶ様一夏にプライベートチャンネルで指示を下しながら、ラウラを挑発し、此方に惹きつける。

マクギリス「君は少々、悪戯が過ぎるな。灸を据えてやろう」

ラウラ「貴様ごときが!」

一夏達と離れる軌道を取りながら、ヴァルキュリアブレードを展開する。ラウラの迎撃は正確なれど、グリムゲルデに掠りもしなかった。

ヴァルキュリアブレードを突き出したし、突進…ラウラの顔が、不敵に歪む。その瞬間、グリムゲルデはその動きの一切を封じられた。

マクギリス「何…?」

これが、ラウラ・ボーデヴィッヒの機体、シュヴァルツェア・レーゲンに搭載されたアクティブイナーシャルキャンセラーの力という訳か。

ラウラ「噂ほどでは無かったな。この私の、停止結界の前では貴様など!」

シャルル「マクギリスッ!」

シャルルの背後からの銃撃により、AICが解かれ、自由の身となったグリムゲルデを一度後退させる。

マクギリス「すまない、助かった」

シャルル「気にしないで。援護は任せて」

マクギリス「頼む」

ラウラ「この…雑魚風情が!」

レーゲンとグリムゲルデがぶつかり合う。数度刃を交え、互いに距離を取る。加速し、互いに距離を詰めぶつかり合う…寸前で、黒い影が間に割って入り、レーゲンのエネルギーブレードを受け止める。咄嗟に、此方も剣を引く。

千冬「やれやれ、手間の掛かる馬鹿どもめ」

IS用ブレードを生身で扱い、介入とは。何という剛腕か。

ラウラ「きょ、教官…」

千冬「織斑先生、だ。模擬戦をやるのは構わないが、アリーナの防壁を破る様な事態は教師として黙認しかねる。この決着は、学年別トーナメントでつけろ」

ラウラ「教官の御命令とあらば、異論はありません」

千冬「お前たちも、構わんな?」

マクギリス「了解した」

シャルル「僕も、異論はありません」

千冬「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁じる。各員解散」

彼女達が気掛かりだ。医務室に向かわねば。

マクギリス「傷は…残る物でも無さそうだな。何よりだ」

セシリア「ご迷惑を、お掛けしましたわね…」

鈴「別に、もう少しで勝てたっての…」

一夏「いやいや、無理だろあれ。」

マクギリス「しかし、君らしくないな。あんな戦いを引き受けるなど」

セシリア「乙女として許してはならない事を言われましたので、つい…」

マクギリス「そうか…ともかく、体を休めるといい」

途端、医務室に女子生徒が雪崩込む。曰く、次の学年別トーナメントではタッグでの参加を必須とする、と。

一夏「シャルル、俺と_

それは、させられないな。彼女の正体が露見しかねない。

マクギリス「シャルル、私と組もう」

シャルル「うん、僕もマクギリスと組みたいな」

女子集団から歓声が上がる。何故だろうか。

セシリア「そんな、マクギリスさん、私と組んでくださいな!」

鈴「一夏、あんたもアタシと…」

マクギリス「君達のISのダメージレベルもかなりの物だろう。学年別トーナメントへの出場は許されまい」

鈴「そんなぁ…」

セシリア「ぐぬぬぅ…」

マクギリス「待たせてすまない、諸君」

マクギリス「まずは謝罪をさせてもらおう。寝落ちした挙句日曜日には更新無しだったな」

マクギリス「少々、心が折れてな。フレズヴェルクアーテルにデカールを貼ってアーマーを着けたら、見事にデカールが剥がれた。スーパークリアーのトップコートではいけないんだろうか…」

マクギリス「剥がれた部分は青で塗り直して事なきを得たが、分解して素体にするのに躊躇する羽目になってしまった…」

マクギリス「ままならぬ物だな」

マクギリス「では、階級も再び上がったので気をとりなおして深夜辺りにまた書き始める。今暫く、待っていてくれ」

マクギリス「では、我々は退室するとしよう。君達も、怪我人の近くであまり騒ぐものではないよ」

女子集団に連行されていく一夏を尻目に、医務室を後にする。

マクギリス(すまない一夏、今は君を救えない)

部屋に戻ると、シャルルに礼を言われた。

シャルル「マクギリス、さっきはありがとう。助けてくれて」

マクギリス「気にするな。事が露見すると私にも飛び火しかねんからな。それに、私達は秘密を共有するパートナーだ。必要な事があれば、遠慮なく言って欲しい」

シャルル「パ、パートナー…う、うん。ありがとう」

マクギリス「では、着替えるとしよう。私は浴室で着替えている。終わったら声を掛けて欲しい」

シャルル「うん、わかったよ」

大会当日。

マクギリス(まったく…運命、とでも言わせたいのかな、これは)

一試合目から、ラウラ・ボーデヴィッヒと箒のペアと対決となった。

マクギリス(一夏を取られて組む相手が居なくなってしまったのか。同情を禁じ得ないな)

ラウラ「一試合目から貴様らか。ちょうど良い、織斑一夏の前に貴様から叩き潰してやろう」

マクギリス「残念だが、君の望みは叶わない。私がここで仕留めよう。…シャルル、援護は任せたぞ」

シャルル「うん、任せて!」

箒(…どうしてこうなった)

試合開始と同時に、グリムゲルデとレーゲンが相対する。AICによる停止結界が、グリムゲルデの自由を奪う。

ラウラ「開幕からの機動性を活かした近接攻撃。悪くはないが、貴様では私には届かん!」

マクギリス「いいや、届いているさ。君が私の攻撃を躱すのではなく、私を止める事を優先した時点で、な」

ラウラ「なっ!?」

背後から躍り出たシャルルのリヴァイヴの銃火器が一斉に火を噴く。AICを解除して回避行動に移るラウラだが、少ない直撃弾受けた筈。

次回予告

名瀬「あ?もう終わり?やる事が出来たから明日の夜に本格的に、だと?ファリド公も大変だねえ」

名瀬「さて、ではクイズと行こうか。花を育てるのに必要なのは?…そう、太陽の光に、水に、栄養のある土だ」

名瀬「では、子供が育つのに一番重要なものはなんだ?」

名瀬「美味い飯?寝所?確かにそれも必要だが、一番じゃねえ」

名瀬「答えは愛情、だ。親にしろ兄弟にしろ、愛情を貰えない子供ってえのは悲惨なもんだからな」

名瀬「さて、ファリド公はそれをあの子供に与えてやれるのか、ね」

名瀬「次回、インフィニット・マクギリス。ファインド・アウト・マイ・マインド」

名瀬「これ見てるお前らも、子供は大事にな。大人の一方的な事情で、傷付けたり食いモンにしたりするモンじゃないんだからな」

第8話 ファインド・アウト・マイ・マインド

マクギリス(戦局はこちらが有利。焦りが見えるな)

箒(やはり、マクギリスは強い…私が知る、誰よりも…)

ラウラ「たかが、第二世代機の寄せ集め風情が…!」

マクギリス「君を倒すには、十分だ」

ラウラ「貴様ぁああ!」

激昂と共に、肩の上に配置されたアーマーからアンカーが発射される。その軌道はワイヤーにより、まるで生物のようにうねる。

マクギリス(モビルアーマーのテイルブレードに近い武装か。だが、奴ほどではないな)

舞うように、発射されたアンカーを斬り捨てる。

マクギリス「すまない、書いている最中に寝落ちてしまった。疲れが溜まっているのだろうか…」

マクギリス「とりあえず、今日の夜には書く、はずなので見捨てずに待っていて欲しい」

マクギリス「では、また夜に」

お疲れ。待ってるよー

>>137
マクギリス「君の言葉が、私の励みになる。期待には応えさせて貰おう」


マクギリス「しかし、生涯初めてセミスクラッチに挑戦したが、存外難しいものだな…アンテナと肩の延長だけでこれほど気力がなくなるとは。しかし、諦めるわけにはいかんな。1/100の私の機体コンプリートの為にも頑張らねばな」

マクギリス「完成したら、こちらにもアップロードしよう。素人なので、あまり期待しないで欲しいが」

マクギリス「では、少しずつ作業しながら書いていかせて貰うぞ」

箒(ラウラは冷静さを失っている…ならば!)

唯一の訓練機、箒の打鉄がグリムゲルデの前に割り込む。

箒「一度、手合わせ願おうか!マクギリス、覚悟!」

マクギリス「まったく、人気者というのは多忙なものか」

ラウラ「貴様、私の邪魔をするなっ!」

レーゲンが箒を巻き込む事を厭わない砲撃が放たれようとして、その砲身が吹き飛ぶ。

ラウラ「何っ…貴様…」

シャルル「皆してマクギリスに群がるなんて感心しないなー。僕も相手してくれなきゃ、さ!」

マクギリス「そちらはしばし任せるぞ、シャルル」

シャルル「任せて!」

打鉄とグリムゲルデの刃が、幾度と無く打ち合わせられる。

箒(やはり強い!これがまだ一年にも満たない奴の動きだというのか!?)

マクギリス「良い腕だな、箒。こんな状況下でなければもう少し遊びたいところだが、そんな時間は無いのでな」

箒「くう、っ!」

箒(届かない…一太刀も…これでは、一夏達に近付く事さえ出来ない…)

打鉄の刀が弾かれ、グリムゲルデの刃に平伏する箒。打鉄は、完全に沈黙した。

マクギリス「すまない、待たせたな」

AICに捕まったシャルルを、ヴァルキュリアライフルによる銃撃でレーゲンを弾き飛ばす事で抜けださせる。

ラウラ「くっ…マクギリス・ファリド…!」

マクギリス「そうだ。怒りも、憎悪も、全て私にぶつけるといい。君の相手は、この私だ」

ラウラ「うああああっ!」

両腕のブレードを展開、突撃してくるラウラ。ヴァルキュリアブレードで猛攻をいなし、レーゲンのシールドを着実に削る。

ラウラ(何故だ、何故届かない!?こんな男にすら負けると言うのか!?)

ラウラ(またあの頃に戻るというのか!?嫌だ、もっと、もっと力を!このままでは、私は…!)

レーゲンに、変化が訪れた。

マクギリス「なんだ、これは…?」

シュヴァルツェア・レーゲンが、ラウラを呑み込む様にしながら変貌していく。もはや機械的なそれでは無く、生物の様に。危険を感じ、距離を取る。

シャルル「これは、いったい…」

やがてそれは、人に近しい物を象る。見覚えのある形状、右手に一体化した雪片。かつての織斑千冬と、その乗機である暮桜。それを醜悪に模した存在へと、シュヴァルツェア・レーゲンは成り果てた。

シャルルが、反射的に銃口を向ける。それに反応し、暮桜擬きの右腕が一閃してリヴァイヴが吹き飛ばされる。

マクギリス「シャルル、手を出すな。奴は攻撃行動に反応している」

シャルル「なんなの、これ…」

周りを取り囲むように展開された教員部隊も、攻めあぐねている。

マクギリス「エネルギーが尽きるのを待つしかあるまい。もはやラウラの意思で動いてはいないのだろう。下手に手出しをする必要は無い」

だが、突然に暮桜擬きの挙動が変化する。グリムゲルデに、暮桜擬きが襲い来る。

マクギリス「何!?どういう事だ…!」

ヴァルキュリアブレードを用いて暮桜擬きの攻撃を捌く。

千冬「ファリド、離脱しろ!そいつは危険だ!」

スピーカーから、織斑千冬の声が飛ぶ。だが、その指示を遂行するのは困難だった。

マクギリス「そうしたいのはやまやまなのだが、っ!」

暮桜擬きの執拗な追撃。距離を離す事を許さず、苛烈なまでの攻撃を向けてくる。

マクギリス(近過ぎてシャルル達は援護もままならないか。自分一人で切り抜ける必要があるか)

ヴァルキュリアブレードを操り、暮桜擬きと本格的に斬り結ぶ。その速さ、巧みさに舌を巻く。

マクギリス(これが、この世界の最強の力か!)

幾度も、幾度も。数えるのが億劫な程に剣をぶつけ合う。

マクギリス(このままではジリ貧か。ならば、防御を捨ててでも!)

ヴァルキュリアブレードを盾から外し、手持ちに変えて斬り結ぶ。更に盾を投げつけて暮桜擬きに死角を作る。

投げつけた盾は、暮桜擬きに両断される。

その隙に、剣先を突き出す。だが、届く事無く弾かれる。一本は、だが。

マクギリス「心なき機械になど、負けられんな」

雪片の腕を斬りとばす。残った左腕を掴み、逃げ道を塞いで再度剣を振るう。沈黙し崩壊した暮桜擬きから、ラウラがこぼれ落ちる。それを受け止めた瞬間に、奇妙な感覚に襲われる。まるで、ラウラと意識が一つになるような。

マクギリス《これは、いったい…?》

ラウラ《マクギリス・ファリド…何故、貴様が…これは、なんだ…》

マクギリス《私にもわかりかねる。…これは、君の記憶、か》

ラウラ《違う、と言っても信じないだろう。そうだ、私は軍で作られた。最強だった、ISが世に出るまでは。しかし、そのISに適応し切れず、出来損ないの烙印を押された。そんな私を、再び最強の座に帰り咲かせたのは、織斑教官だった。私を見てくれたのは、織斑教官だけだった。私の唯一の救いだった》

マクギリス《だが、一夏が誘拐された事で、その織斑教官はモンドグロッソ…IS世界大会の、二連覇を逃した。だから、彼を快く思っていなかった訳か》

ラウラ《そうだ。奴だけは…》

マクギリス《そんな物は、お門違いというものだ。彼を傷付けて、織斑千冬は喜ぶと思うのか?そんな人間か?》

ラウラ《それは…》

マクギリス《君は、正しい方法で、彼女を喜ばせるといい。…君が間違った道を行くのならば、私が正してやる。私が見ていてやる》

かつて、私の友が私を正してみせた様に。大切な物から、眼を逸らさないように。

ラウラ《お前は、私を…見ていてくれるのか。遺伝子強化試験体でなく。黒兎部隊の隊長ではなく。ただの、ラウラ・ボーデヴィッヒとして》

マクギリス《ああ。かつて、私も道を誤った。共に探そう、正しき道を》

ラウラ「ここは…」

千冬「医務室だ。…しばらくは動けないだろ、無理するな」

ラウラ「私は、いったい…」

千冬「VTシステムは知っているな?」

ラウラ「ヴァルキリー・トレースシステム…過去の大会上位陣のデータを使い、操縦者にそれに匹敵する力を与える…」

千冬「強引に他人の動きをさせるが故に、負荷も大きく禁止されている技術だ」

ラウラ「それが、私の機体に…?」

千冬「ああ、おそらくな。ファリドに感謝しろ。執拗に狙われながらも、お前を助けてみせたんだからな」

ラウラ「…マクギリス、が…」

千冬「…発動条件は、おそらく…」

ラウラ「私の意思、ですね…私が、望んだから…」

千冬「…良い機会だから言っておく。お前は私にはなれんぞ。…お前はお前だ。お前であれば、それで良い。自分の道を歩め。迷ったならば、頼れる男がいるだろう。仲間と共に歩んでいけ」

ラウラ「…マクギリス…」

千冬「ではな。ゆっくり休め」

織斑千冬が、医務室から出て来る。

マクギリス「…あれが、ヴァルキリー・トレースシステムだったのか。資料としては見た覚えはあったが、あれ程苛烈とはな」

千冬「それだけではないだろうな。あのシステムは、執拗過ぎる。何かわかったら教えてやる…ラウラの事を、頼む。私の教え子でな」

マクギリス「わかっている。彼女と、約束したからな」

マクギリス「キリも良い、今回はここまでだ。では、諸君。また来週」

マクギリス「しかし、後は胸部と肘に爪先、剣。未だにやる事が多すぎる…キマリスヴィダールに取り掛かれるのはいつになるのか…」

続きが気になるぜ

>>147

マクギリス「すまないな、夜勤明け故に全く書けていない。だが、今夜には書くのでしばしバエルに乗って待っていて欲しいな」

マクギリス「そういえば、ライトニングは実装から下方を受けたのか?最近見かけない気がするな。当初はリンクライトニング二体に手も足も出なかったが…」

マクギリス「とりあえず、また今日もアグニカポイントを稼ぐとするか」

実装から一週間で下方されたよ
具体的にはレバサブの誘導弱体と特格の移動距離短縮、ブースト消費量増加、特射のリロ増加、前格の発生と誘導弱体と前格から直接下派生出来なくなった
変形時の武装には一切弱体入ってないから気をつけてね

山田「男子の、大浴場です!」

マクギリス「先生、唐突に何事ですか」

一夏、シャルルとの食事中に山田先生が駆け寄って来ての開口一番がそれだった。

山田「えーっとですね、今日から男子も時間配分で、大浴場が使えるようになったんです!」

マクギリス「今までは女子だけでしたね」

山田「はい!ですので、時間を見て大浴場を堪能して下さい!」

一夏「そりゃ良いな。マクギリス、シャルル、一緒に入ろうぜ!」

シャルル「うええ!?ぼ、僕は遠慮するよ!」

まあ、そうなるだろう。私とて、背中の阿頼耶識を見られるのは余り良くは無いだろう。

マクギリス「私も遠慮しよう」

一夏「つれない事言うなよ二人共ー。たまには、一緒によ。裸の付き合いって奴でさ」

マクギリス「あまり、他者に強要するものではないぞ、一夏。同性であろうとそこまでしたくない人間も居るものだ。例えば、体に見られたくない傷を持つ者や、自分の体にコンプレックスを抱く者、とかな。…とはいえ、せっかくの大浴場だ。入らぬのも不粋、ならば時間をずらして入るとしよう」

一夏「俺はそんなこと気にしないんだけど…」

マクギリス「君が気にせずとも、本人が気にしてしまう事もあるのだ。君はもう少し、デリカシーを弁えるべきだな」

マクギリス「さて、一夏。一番風呂、というのは君に譲ろう。次に私、最後にシャルル。それで良いかな?」

一夏「ああ、わかった」

シャルル「う、うん。了解」

シャルルが最後ならば、以前の様な間違いは起こるまい。

>>149
マクギリス「なるほど。道理で随分と追いやすくなったものだった訳だ。正直、リンクリンクで延々連打されて気分がかなり萎えたのでな。あれでは修正も止む無しか。情報提供、感謝する」

なるほど…大浴場。開放感に満ち溢れ、心身共に癒される。

マクギリス(一夏の喜びようにも、納得が行くものだな。本音を言えば、裸の付き合いというのも悪くはないのだが…)

背中の阿頼耶識。他者には、感性次第ではグロテスクにも見えるであろう代物。

マクギリス(まったく。付けた当初は、こんな後悔を抱くとは思いもしなかったな。力に固執した代償、か)

物思いに耽って居ると、控えめながら大浴場の扉の開閉音が響く。

シャルル「お、お邪魔します…」

マクギリス「!?……!?」

馬鹿な、まだ交代の時間には早かったはず!

マクギリス「す、すまない。交代の時間だったか。すぐに上がる。出来れば入る前に声を掛けて欲しかったが」

シャルル「ち、違うよ!その、マクギリスと、話したい事があって…」

マクギリス「ここここの様な場所でなくとも自室でも良かったのではないかな!?」

シャルル「僕と一緒じゃ、嫌かな…?ていうか、動揺してる?」

当然だ。こんな状況は初体験だぞ、いくらなんでも。

シャルル「マクギリスって、恋人とか居なかったの…?」

マクギリス「…婚約者は、居た。政略結婚で、まだ9歳ではあったが立派な女性だった。もう二度と、会う事は叶わないが…」

アルミリア…また、泣かせてしまったのだろう、かな。

シャルル「…ごめん。要らないこと聞いたね…その、ね?マクギリスが、ここに居れば良いって、力になってくれるって言ってくれて、凄く嬉しかった」

マクギリス「…当然だ。君は、酷い扱いを受けるべき人間ではないのだから」

シャルル「そんなマクギリスが居たから、僕は心から此処に居たいって、思えるんだ」

マクギリス「そ、そうか。それは、なによりだ」

シャルル「だから、マクギリスには、僕の本当の名前を呼んで欲しいんだ。二人っきりの時だけで良いから」

マクギリス「本当の、名前…」

シャルル「うん。シャルロット。僕の、お母さんが付けてくれた名前」

後ろから、抱き着かれただと…!?

マクギリス「そ、そうか。わかった、シャルロット」

シャルロット「うん。ありがとう、マクギリス…所で、この背中に突き出てるのは、いったい…」

気付かれて、しまった…いや、これ以上、彼女に隠し事を続けるのも、問題か。

マクギリス「…阿頼耶識システムさ。モビルスーツを動かす為の、な」

シャルロット「えっ?それって、アグニカの…?」

マクギリス「…君には、空想伝記小説と説明したが、実際には違う。あれは、これから起きる、もしくは別の世界で実際に起きた記録なのだよ」

シャルロット「それって、いったい…」

混乱するのは仕方ない、か。

マクギリス「口外は控えて欲しいが、私は本来此処に居る筈のない存在なのだろう。厄祭戦から三百年後の時代の存在が、この私なんだ」

シャルロット「…石動さん達もなんだね。なるほど、マクギリスが強いのは実戦経験があったからなんだ」

マクギリス「…信じるのか?こんな荒唐無稽の話を」

シャルロット「信じるよ。マクギリスの言葉だもん。嬉しいな。僕にはちゃんと、話してくれたんだ」

マクギリス「…君に、隠し事をしたくない。そう思ってな」

今度は、友を裏切らない。同じ過ちを繰り返す訳にはいかない。

マクギリス「すまなかったな、あまり気分の良くない物を見せたな」

シャルロット「ううん。全然平気だよ。それも含めて、マクギリスだから」

いつか、彼女の様に一夏達も受け入れてくれるだろうか。

シャルロット「そろそろ、上がろう?時間だろうし…また、マクギリスの話を聞かせて欲しいな」

マクギリス「ああ、約束しよう」

山田「えーっと、デュノアくんは、デュノアさん、という事でした…」

翌日のホームルームで現れた、女子の制服を着たシャルロット。その事実に、クラスが一瞬静まり返る。

箒「…は?」

一夏「…はあっ!?」

セシリア「どういう事ですのマクギリスさん!?貴方同室でありながら知らなかった訳ありませんわよね!?」

「つまり、どういうこと?」「ファリりん、どーゆー事なのー!説明してよー」

ファリりんとは私の事だろうか。

「てか昨日男子が大浴場使ってたわよね!?」

不味い、非常に不味い。

箒「一夏貴様もしや、女子と入浴したというのか!?」

一夏「してないしてない!皆時間をずらして…」

教室の壁が、突き破られた。二組の鈴の甲龍によって。

鈴「一夏あんた女子お風呂入ったんですって!?何してんのよ!」

甲龍が衝撃砲の発射態勢に入る。…いや待て、こんな所でそんな物を…!?

甲龍から放たれた衝撃砲を、窓から飛び込んだラウラがAICで無効化する。

マクギリス「…すまない、助かった」

ラウラ「気にするな。少し、顔を貸せ」

マクギリス「構わないが、何を…?」

言うやいなや、ラウラの唇が私の唇に重ねられる。いやいきなり過ぎるのでは。

ラウラ「おまえはわたしの嫁にする。決定事項だ、異論反論は認めない」

セシリア「…えっ」

シャルロット「ええっ!?」

マクギリス「…婿ではなく、嫁?どう言うことだ?」

ラウラ「日本では、気に入った相手を嫁、というらしい。故に嫁だ」

マクギリス「そうか。そんな風習があったとは」

一夏「いや無いから!誰だよそんなデタラメ言った奴!」

マクギリス「…そういえば、身体はもう大丈夫か?」

ラウラ「ああ。問題無い。しかし、夫の気遣いとはやはりお前は出来た嫁だ」

マクギリス「そ、そうか。ならば良いが」

まあ、彼女が嬉しそうなので、構う事もあるまい。

放課後

マクギリス「石動、例の件はどうだ?」

石動『VTシステムの件ですが、事件の当日中には開発、研究していた組織は消滅したようです』

マクギリス「消滅?なるほど。証拠を隠滅した訳か」

石動『いえ、どうやら外部からの攻撃により、人員以外が消滅させられた様です』

マクギリス「外部からの…つまり、施設ならびに研究データそのものが他者に抹消された、と?」

石動『脱出した人員も酷く怯えた状態の様で、これ以上は調査も困難かと…』

マクギリス「そうか、わかった。なにかあれば、また連絡する」

石動『はっ』

マクギリス(VTシステムの研究施設の抹消…我々に、調べられたく無い事が…つまり、VTシステム以外にも何かあったというのか?)

行く末に、暗雲が立ち込め始めた気がした。

次回予告

石動「VTシステム、その先に隠された真実。混迷の兆しが垣間見得ようとも、時は刻まれていく。たとえ苦難が待ち受けようと、我らは先に進んで行く」

石動「次回、インフィニット・マクギリス。マクギリスの心はアグニカのちバエル」

石動「准将、依頼されていた報告をお持ちしました。失礼します…!?失礼しました!」

マクギリス「さて、アグニカポイントも稼いで階級も上がったので、この時間から書かせて貰おう」

マクギリス「しかし、階級が上がるとなかなかに難しくなってくるな。下手の横好きではままならんな」

マクギリス「もし共に組んだ場合には、足を引っ張る事もあるやもしれん。大目に見て欲しい」

マクギリス「では、始めるとしよう」

第9話 マクギリスの心はアグニカのちバエル
マクギリス(まず、状況を確認しよう)

隣には、何故か全裸で眠るラウラ。そう、全裸。弁明しておくが、やましい事をした覚えも、そうなりそうな事をした覚えは無い。

マクギリス(いや、誰に弁明しているんだ私は…)

とはいえど、安らかな寝顔で眠る少女を起こすのも如何なものか。

マクギリス(…そうか、人の温もりに飢えているのか。彼女には、軍事的立場しか無かったのだろうからな。一個人として接する人間は居なかった訳か。…私に、温もりを見出したのか)

この華奢な少女に、暖かな感情が込み上げる。

マクギリス(もう少し時間はある。寝かせてあげよう。)

シャルロット「マクギリス、もう起きてる?…あれ、開いてる?不用心だなあ。入るよ?」

不測な事態過ぎるのではないか、これは。

マクギリス「まて、シャルロット…!?」

シャルロット「…何を、しているのかな?マクギリス?」

不味い、これはいけない。

マクギリス「あまり、騒がないで欲しいな。もう少し寝かせてやりたい」

シャルロット「…で、どういうことなの?」

マクギリス「どうやら、寝ているあいだに忍びこんだらしいな。困った子だが、致し方ない」

シャルロット「まったく、ラウラったら…」

マクギリス「彼女も、人の温もりが欲しいのだろう。今まで、誰かと共に眠る事など無かったのだろうし、な。あまり彼女を責めないでやって欲しい」

シャルロット「もう、仕方ないなぁ…にしても、ぐっすり寝てるね」

マクギリス「私の側なら安心出来るのだろう。さしずめ父親代わりだろう」

隣のラウラが、もぞもぞと身体を起こす。その左目…鮮やかな金色が目を惹く。

マクギリス「おはよう、ラウラ。シャルロット、すまないが彼女の制服を用意してあげてくれないか」

シャルロット「うん、わかった」

ラウラ「もう朝か…」

マクギリス「ああ。とりあえずシャルロットに服を頼んだから、少し待つといい。ところで、何故裸で寝ていたんだ?」

ラウラ「夫婦とは、包み隠さぬものだと聞いたぞ?」

マクギリス「それは精神的意味合いだと思うが。…ところで、その左目は?」

ラウラ「…ISへの適合実験の失敗によるものだ。あまり、見ないで欲しい」

マクギリス「そうか。残念だ、綺麗な目をしているものだ、と思ったのだが」

ラウラ「そ、そうか?ならば二人きりの時だけ眼帯を外すとしよう」

放課後
シャルロット「そういえば、マクギリスって水着、買わないの?」

マクギリス「水着、か…いや、今の私には阿頼耶識があるからな。嫌悪感を抱く者も少なからず居るだろう。水着は遠慮しよう」

シャルロット「そっか…マクギリスは、厄祭戦から三百年経った世界から来たんだよね?」

マクギリス「ああ。ギャラルホルンは腐敗し、権力闘争の舞台と成り果てた。貧富の差は拡大し、地球圏外ではスラムなど珍しくなかった。時として人の命すら二束三文で売られている世界へと。…私はその中で、怒りを抱き、そしてそれのみを生きる原動力として、道を踏み外していった。友との幸せな時間すら、力の為に切り捨てる修羅として、な」

マクギリス「力を得る為に…バエルを手に入れ、ギャラルホルンを掌握する為に、阿頼耶識システムを復活させた。その果てが、この私だ」

シャルロット「でも、今は違う。でしょ?マクギリスは優しいから」

マクギリス「…そうだと、良いがな。でなければ、ガエリオに顔向けは出来ん。もう、会う事は無いだろうが」

シャルロット「お友達?」

マクギリス「ああ。生涯唯一の、親友だった」

マクギリス「しかし、シャルロット。何故急に皆に正体を明かす気になったんだ?」

シャルロット「いろいろと理由はあるけど、やっぱりマクギリス以外の人でも、騙し続けるのは嫌だったからね」

マクギリス「君らしいな。汚い大人に利用されながら、その心は清らかだ。君の母上は、立派な人だったんだろう。その清らかさは、決して無くしてはいけない」

ああ、そうか。ガエリオやアルミリアに似ているのだ。彼女の心の清らかは。

マクギリス「…それにしても、シャルロット、か」

シャルロット「何?」

マクギリス「いや、もう二人だけの呼び名で無くなってしまったな、と思ってな」

シャルロット「そうだね…じゃあ、二人だけの、特別な呼び名、付けてくれる?」

マクギリス「そうだな…シャル、でどうだろうか。シャルルとシャルロット、共通する部分を抜き出し、肯定する意味合いでな」

シャルロット「…うん、凄く嬉しい。あの時の僕まで大事にして貰えてるみたいだ」

マクギリス「では、今後はシャル、と。なかなかに、良い響きだと思う」

シャル「ありがとう、マクギリス。…ね、マクギリスが水着、選んでくれない?」

マクギリス「私が、か?私のセンスがこの時代に会うかわからないが、良いのか?」

シャル「うん。マクギリスが選んでくれたら、嬉しいな」

マクギリス「それならば引き受けよう」

シャル「うん!それじゃ、また明日!」

翌日。

マクギリス「臨海学校、か。最近の行事には異常事態ばかりだから、そろそろ平穏に終わって欲しいのだがな」

シャル「僕やラウラが来る直前にもあったんだよね?正体不明機の乱入」

マクギリス「ああ。さすがに海でまで騒動は勘弁願いたいな」

シャル「…やっぱりマクギリスも水着、買わない?臨海学校でなくても、使う機会もあると思うし」

マクギリス「…阿頼耶識が隠せるタイプがあれば、良いのだがな」

シャル「…ん?」

マクギリス「どうした、シャル?」

シャル「着けられてる。隠れよう」

マクギリス「何?何故私達を…?」

シャル「わからない。とにかく、やり過ごそう」

物陰にしばし、身を潜める。

マクギリス「…どうかな?」

シャル「行ったみたいだ。追われてるって感じがしなくなった」

マクギリス「捕まえる、という手もあったのではないかな?」

シャル「下手に藪をつついて蛇を出したら大変だよ。やり過ごせたんだし、良いんじゃないかなぁ」

物陰から出る。その場面に、予想外の二人と出会す。

千冬「何をしている。こんなところで」

山田「ふ、ファリドさんにデュノアさん!?物陰で何をやっていたんですかっ!?」

あらぬ誤解を、招いたらしい。

事情を説明し、誤解を解く。

千冬「…それは多分、オルコットとボーデヴィッヒだろう。何やらコソコソしていたのを見かけたからな」

マクギリス「あの二人が?何故そんな真似を…」

千冬「…はあ。朴念仁め。そういうのは一夏だけにしてくれ」

マクギリス「どういう事だ?」

千冬「自分で気付け、馬鹿者」

用事があったが尻込みでもしたのだろうか。

千冬「ではな。私達も用事がある」

山田「ではファリドさん、デュノアさん、また学校で」

シャル「…あの二人だったんだ。ライバル多いなぁ…」

マクギリス「…何か用なら、今日は遠慮して貰うとしよう。君との約束が、最優先だ」

シャル「ありがとう。…あ、これなんかどうかな?」

マクギリス「悪くはないが、君にはこちらが似合う気がするな」

シャル「良いね!流石マクギリス、センスあるよ」

マクギリス「そうか、それなら良かった」

かつての様な、されど怒りを隠す必要も、抱く必要もない幸福な時間が、流れていった。

次回予告

石動『准将、例の専用機ですが、準備が整いました。臨海学校での引き渡しとなりますが、よろしいでしょうか』

マクギリス「ああ。ようやく、と言ったところか。感謝する」

石動『いえ。それと、アグニカ・カイエルの伝記ですが、かなりの売れ行きです』

マクギリス「売り出したのは君だったのか…セシリアやラウラには渡したが、何故か他人もアグニカを知っていて驚いたぞ」

石動『あれはこれからの活動の為に必要でしたので』

マクギリス「アグニカが、か?ギャラルホルン以外でも、か」

石動『はい。これから先の為に。』

石動『次回、インフィニット・マクギリス。海に着いたらギャラルホルンの正義』

マクギリス「さて、諸君にまず謝罪しよう」

マクギリス「友人からの救援要請で、荒ぶる神々を狩らねばならなくなったので、しばしアグニカしてくる故今回は更新無しだ」

マクギリス「明日は色々と所用で名古屋に行く。書けるのは明日夜からとなる」

マクギリス「では、すまないが暫く待って欲しい」

第10話 海に着いたらギャラルホルンの正義
マクギリス(旅館には着いた。大半の女子は海に繰り出す、か)

石動「准将、お待ちしておりました。こちらへ」

旅館裏手、駐車場の一角。そこに止められた、鉄華団の紋章入りのトレーラー。

マクギリス(なるほど。護衛役には鉄華団か。たしかに一番信頼できる組織だな)

石動「あとは准将のパーソナルデータを今現在の物に更新、最終調整が完了し次第准将にお引き渡しします」

マクギリス「分かった。では、始めようか」

トレーラーのハッチが開く。その中に鎮座する機体。ギャラルホルンの象徴にして、ガンダムフレーム一号機。かつての乗機が、ISとして、眠っていた。

「バエルだ!アグニカ・カイエルの魂ッ!」「そうだ、ギャラルホルンの正義は我々にあるッ!」

マクギリス「…また、会えたな。バエル。待っていろ、もうすぐお前を目覚めさせてやる」

促されるまでもなく、バエルに乗り込む。メカニック達による最終調整が開始された。

石動「…データの取得を確認。あとはこちらでお引き受けします。准将は海水浴を楽しまれると良いかと」

マクギリス「私には阿頼耶識がある。他者に嫌悪感を抱かせる危険が…」

石動「こちらをどうぞ。パイロットスーツを改造したスイムウェアです。阿頼耶識も隠せますので、是非活用ください」

マクギリス「…わざわざ用意したのか。流石、出来る男だ」

石動「臨海学校となれば、必要かと。では、調整が済み次第連絡させて頂きます」

セシリア「マクギリスさん、どこに行ってらしたんですの?」

水着に着替え、最初に遭遇したのはセシリアだった。

マクギリス「野暮用、というものだ。その水着、大変似合っている」

セシリア「そ、そうですか?ありがとうこざいます。ところで、お時間がよろしいのならばお願いがあるのですが」

マクギリス「なにかな?」

セシリア「サンオイルを塗って頂きたいのです。どうも後ろは塗り難いので…」

マクギリス「なるほど、引き受けよう」

セシリア「お願いしますわ」

サンオイルを受け取り、横になる彼女の背中に塗っていく。そのきめ細やかな白磁の肌に、サンオイルによるコートがされていく。

マクギリス「こんなところかな?」

セシリア「あの、出来ればお尻も…」

マクギリス「それは自分で出来るだろう?流石に私の理性が持たんよ」

セシリア「そ、そうですわね。ありがとうございました」

マクギリス「なに、気にするな。ではな」

次に遭遇したのは、シャル。そしてタオルで身を隠したミイラ風の装いの少女。

マクギリス「…その格好はどうしたのかな、ラウラ」

シャル「あ、やっぱわかってくれるんだ」

マクギリス「彼女を見ていてやると、約束したからな」

マクギリス「どこか、痛めたのか?」

シャル「ほーら、マクギリスなら大丈夫だから、ね?」

ラウラ「う、うむ…だがその、心の準備が、だな…」

マクギリス「問題ない。君ならば、大丈夫だ。君の姿を、見せて欲しいな」

ラウラ「う、わかった…」

タオルを脱ぎ捨てたラウラ。その眩い銀髪をツインテールに纏め、黒い水着で固められている。彼女の白く透き通る肌によく映える、彼女の魅力を理解しているコーディネートだ。

ラウラ「ど、どうだ…?」

いつも堂々とした彼女の、珍しく自信無さげな様子がよりギャップとして装いと共に、彼女の可憐さを演出する。

マクギリス「ああ、とても似合っている。可愛らしさが増しているな」

ラウラ「か、かわっ!?」

ラウラの顔が、赤く染まる。

マクギリス「…大丈夫か?夏の日差しの浴びすぎには気をつけた方がいい」

ラウラ「は、う、…」

顔を覗き込むと彼女は更に顔を赤くして海へと走っていった。

マクギリス「…大丈夫なのか、彼女は」

シャル「照れてるんだと思うよ。多分大丈夫」

マクギリス「そうか。なら良いが…シャル、君の水着も、似合っているよ」

シャル「ふぇっ?だ、だってマクギリスが選んでくれた物だし…」

マクギリス「いや、実際に着てみて貰うのはやはり段違いだな。君がより一層輝いている」

シャル「あ、ありがとう、マクギリス」

一夏「おーい、みんなー」

マクギリス「どうした?」

一夏「いや、ビーチバレーやるんだけどよ。マクギリス達はどうだ?」

マクギリス「ほう。面白そうだな、受けて立つ」

シャル「相手は…うわあ。織斑先生かあ」

マクギリス「たしかに難敵だが、それに挑んでこそだ。我々は、彼女を超える必要がある」

シャル「マクギリス、これビーチバレーだよ…」

マクギリス「わかっているさ。だが、無様を晒す訳にもいかんだろう」

シャル「ま、頑張ろっか」

激戦の火蓋が、切って落とされた。

マクギリス「くっ…これほどとは…」

マクギリス(的確なパス繋ぎに、正確なスパイク。これが、世界最強、織斑千冬の本性か…!)

マクギリス「ぐっ!?」

千冬「すまん、コントロールを誤った」

シャル「マクギリス!?」

マクギリス「ここまで、か…」

私はそこで、意識を手放した。

暫く時が経ち、夕食前には、意識を取り戻す事が出来た。

セシリア「マクギリスさん、お加減は…」

マクギリス「心配は不用だ。もう、大丈夫だ」

セシリア「何かありましたら、私にお任せくださいな」

マクギリス「…むしろ君が大丈夫なのか?先程から足元が辛いようだが。なんなら、椅子の席に移らせて貰ってはどうだ。正座、キツいのだろう?」

セシリア「こ、これくらいなんてことありませんわ」

マクギリス「無理はするなよ。君は大切な友人だからな」

セシリア「友人…」

マクギリス「セシリア?」

セシリア「いえ、なんでも」

シャル「マクギリスって、普段鋭いくせにそういうとこあるよね」

マクギリス「どういう事だ?…って、待て、シャル。その香辛料を直接口にするんじゃない」

シャル「え?…~ッ!?」

マクギリス「遅かったか…それは魚の生臭さを中和する為の香辛料、ワサビだ。風味は良いが、多量に摂取するとそうなる。これを飲むと良い」

茶を差し出すと、シャルは涙目ながらに受け取った。

夕食後。私の部屋を、一人の男が尋ねた。

マクギリス「…君か。まさか、こんなところで再会するとは。喜んで良いのか、悪いのか」

「なに、どうって事ねえだろ。お互いやれる事やって、死んで。ここに流れ着いた。そんだけだ」

マクギリス「…君には怨まれていると思っていた。私に関わらねば、こうはならなかった。違うか?オルガ団長」

オルガ「ま、確かにな。けどよ、クーデリアのお嬢さんを地球に届ける時、アンタが手助けしてくれなきゃ、鉄華団は終わってた。アンタのおかげで、俺たちは短い間だろうがマシになれた」

マクギリス「だが、君たちは私の話に乗ったからこそ…」

オルガ「乗ると決めたのは俺らだ。それによ。まだミカや昭弘が来てねえって事は、俺が繋いだ道をアイツらは止まらずに進めたって事だ。アンタが単身ギャラルホルンを惹きつけてくれたから、鉄華団のメンバーの道は拓けた。最後まで裏切らなかったアンタを怨む気はねえよ」

マクギリス「…君たちとは、この世界でも協力関係で居たい。どうせ、アリアンロッドも居なければ、火星も土地としてはない。地道に這い上がるとしよう。どうかな」

オルガ「ああ。今後とも、鉄華団を御贔屓に」

オルガ「にしても、アンタなんか変わったな、マクギリス。憑き物が落ちたっつーか。野望を果たせなかった割には良い顔する様になったじゃねえか」

マクギリス「…かもしれないな。あの世界で無くした物や切り捨てた物が、戻ってきたような気がしている」

オルガ「あのお嬢さん方か。なら、アンタが守ってやれよ。仲間を、家族をな。…じゃあ、またな」

マクギリス「…ああ。ありがとう、オルガ団長」

翌朝。旅館の通路に、何故か相当に嫌な顔をした箒が居た。その視線の先には、引っ張って下さいと書かれた看板と、一対の機械の…耳?の様な物。

マクギリス「箒、どうしたのかな。こんなところで。それは?」

箒「知らん。マクギリス、処理は任せるぞ」

それだけ言うと、去っていった。なんなんだ、これは。

セシリア「マクギリスさん?どうなさいましたの?」

マクギリス「いや、これはどうすべきか、とな」

セシリア「引っ張って下さい、と書いてありますわね。引っ張ってみては?」

マクギリス「そうだな。では、引かせて貰おう…!」

手答えも殆ど無く、簡単に地面から抜けてしまった。

マクギリス「……なんだこれは」

セシリア「…?マクギリスさん、上を!」

マクギリス「なにっ!?」

上から、人参の様な巨大なロケットもどきが目の前に突き刺さる。

マクギリス「離れろ、セシリア」

言うと同時に、けたたましい笑い声が内部から響きながら、人参ロケットが縦に割れた。

「いやあ、引っかかったねマー君、ぶいぶいっ!あれ、箒ちゃんはー?」

呆気に取られる。なんだ、これは。

「ま、良いや。この箒ちゃんセンサーで探すから。またね、マー君」

彼女もまた去っていった。

セシリア「今のは、なんですの?」

マクギリス「わからない」

次回予告
ハッシュ「次回、インフィニット・マクギリス。ギャラルホルンの上に立ち」

ハッシュ「三日月さん、元気でやってるかな…」

マクギリス「待たせて、すまないな」

マクギリス「友を失うのは辛い、本当に。見ていて辛いな、あれは」

マクギリス「しかし、次回作はとうとうアリシゼーションか。アニメ一話から付き合って来た身としては感慨深いな」

マクギリス「さて、なかなかに階級が上がらなくなってしまったな…もう少し、2側の感覚に馴染まねばならんな。未だにフルブの感覚が抜けない」

マクギリス「では諸君、書いている間今しばらく待っていて欲しい」

第11話 ギャラルホルンの上に立ち


千冬「それでは、各班は振り分けられた機体で装備試験、専用機持ちは専用パーツのテストだ。ファリド、お前のグリムゲルデはメンテナンス中だ、専用機持ちの補佐に回れ」

マクギリス「了解した」

千冬「篠ノ之、お前はこっちだ。お前には、今から専用機が…」

凄まじい音と共に、今朝方の奇妙奇天烈な女が崖を駆け下り、織斑千冬に飛びかかった。

「ちーちゃーん!会いたかったよー!さあハグハグしよ、愛を確かふぎゅっ」

そのまま織斑千冬のアイアンクローに阻まれた。なんだこの女は。

千冬「うるさいぞ束」

束「ぐにゅにゅう、相変わらず容赦ナッシングだねぇ!良いけど!」

一瞬して抜け出した、だと…

マクギリス(……束、だと?)

束「やあ、久しぶりだね箒ちゃん!何年ぶりかな!?大きくなったね?特におっぱふぎゅっ!?」

箒「殴りますよ?」

殴ってから言っても仕方ないのでは。

束「殴ってから言ったぁ!箒ちゃんひっどいよう!」

千冬「漫才もほどほどにしろ。生徒たちが戸惑っているだろ。挨拶くらいしろ」

束「えっへん!私が天才の篠ノ之束さんだよー!ハロー!終わりん!」

マクギリス(これが、あのインフィニットストラトスの開発者、だと…!?)

予想の斜め上に突き抜けすぎた様な人物性だった。

千冬「はあ…こいつは気にするな、作業を続けろ」

束「ひどいなー、らぶりす束さんって呼んで良いんだよ?」

千冬「うるさい黙れ」

山田「あの、この場合どうしたら…」

千冬「気にしなくて結構です、山田先生。そのまま各班のサポートをお願いします」

束「ちーちゃんが優しい、だと…!?おのれおっぱい魔神、私のちーちゃんを誑かしたなぁ!?うらやまけしからんッ!」

山田「んきゃあああ!?」

セクハラをしだしたぞ、この天才。

千冬「誰がお前のだ。それに、胸ならお前もあるだろ」

束「てへへ。ちーちゃんの、え・っ・ち」

千冬「死ね」

なんだこの女、意味がわからない。

箒「あの、姉さん。例のあれは…」

束「んふふー、もっちのロング!用意してあるよ!現在稼働中の全てのISを上回る、箒ちゃんのワンオフ、オンリーワンの最高級品がね!さあさあ、大空をご覧あれえ」

空から、銀色に輝くコンテナが我々の目の前に落ちた。

束「これこそが、世界唯一の第四世代完成型!全てのスペックが現用機を凌駕するウルトラハイスペック!その名も、紅椿!」

マクギリス(馬鹿な、第四世代だと!?)

各国が様々な策謀、非合法な手段を用いてまでも未だに第三世代の開発途上。この機体は、そんな現状を嘲笑うかの存在だ。現時点をもって、既に他のISを時代遅れにしてしまったのだ。

マクギリス(世界のパワーバランスを一変させかねない危険な機体だな。そんな物を、妹とはいえ一個人に預けるとは)

「篠ノ之さん、妹だからって機体貰えるんだ…」「なんかずるいなー」

女子たちのなんて事はない会話に、篠ノ之束が目敏く反応した。

束「あっれえ、君達は歴史の勉強をしてないのかなぁ?人類が誕生してから、一度たりとも世界は平等になんてなってないんだよ?」

マクギリス「…とはいえ、人は平等を理想とするものだ。互いに等しく競い合い、等しく成果を手にする。生まれや所属、地位や家督も関係なく、力を研ぎ澄ます事で高みを目指す事の出来る世界を、皆が望んでいる」

束「…ふふふ、やっぱり君は一味も二味もそこらのザコとは違うなー。面白いよ、君は」

束「さーてと、最終調整完了!さっすが私、速いよね。さ、箒ちゃん。君の力を見せる時だよ!

紅椿が、空に舞い上がる。

一夏「速いな…」

その機動性は、第四世代の名に恥じない、凄まじいものだった。

束「どうどう?思ったよりも動くでしょ?」

箒「機体が、私の思考について来る…これが、紅椿の力!」

束「次は武器試そっかー。武器特性のデータを送るよー」「右がハワード、左がダリルだ」

束「いや違うから、っていうか今の何処から聞こえたの!?」

束「…こほん。右が雨月、左が空裂だよー」

束「んじゃ、これを撃ち落としちゃって」

篠ノ之束の横に、ミサイルポッドが出現した。そこから放たれたミサイルを、紅椿は難なく駆逐して見せた。

マクギリス(凄まじいな…)

山田「お、織斑先生っ!」

山田先生が駆け寄ってくる。それもかなり慌てた様子。

千冬「どうしました、山田先生。…これは…)

千冬「全員、作業を中止。訓練機を片付けて旅館の部屋にて待機。許可なく出た者は身柄を拘束する」

束「んん?どったのちーちゃん」

千冬「お前が言うか」

束「ふえ?どゆこと?」

千冬「…まあいい。専用機持ちとファリドは私についてこい。無論篠ノ之もだ」

箒「はいっ!」

マクギリス(随分と、浮かれているな)

旅館の一室。そこに急拵えされた司令室が、異常な事態の進行を予感させる。

千冬「状況を説明する。ハワイ沖で試験中だったアメリカ、イスラエル共同開発軍用機、シルバリオ・ゴスペルが暴走、制御不能に陥った」

マクギリス「まさか、それを我々で対処せよ、と?」

千冬「そのまさか、だ。福音と呼称するが、その福音は護衛部隊による包囲を突破、監視空域を離脱。衛星監視による軌道からの予測では、ここから2キロの地点をマッハ2以上の速度で通過する。あまり時間はない」

マクギリス「暴走状態の軍用機の対処を、仮にも学生に行わせるとは」

千冬「仕方あるまい。現行の軍用機では福音に対処しきれん。曲がりなりにも最新鋭機である専用機持ちに対処を委ねる、と言うのが上層部の意向だ」

千冬「ファリド、専用機の方はどうなっている」

マクギリス「まだ調整が済んでいない。少なくとも夜までは掛かりそうだ」

束「この速度でなら、紅椿なら間に合うよ?すぐに準備すれば、だけど」

千冬「…篠ノ之、やれるか?」

箒「はい!お任せを!」

千冬「この状況下では、会敵は一度きりか。一夏、お前の零落白夜が切り札だ。紅椿に運搬役を担わせ、お前が仕留める。最適な作戦ともなればそれしかあるまい」

一夏「…わかりました。やってみせます」

マクギリス「…私に出来る事は無いな。一夏、これは訓練ではない。必ず、無事に戻って来い」

一夏「ああ。行ってくる」

千冬「二人とも、準備に掛かれ」

一夏と箒、二人が部屋を出て行く。私はその背中に一抹の不安を感じていた。

そして、その不安は、作戦の失敗と、一夏の危篤状態という最悪の結末をもって、現実となった。

次回予告

マクギリス「重傷を負った一夏、奮起する少女達。劣勢へと追い込まれてもなお立ち向かう気高き少女達の元に、ついに白亜の悪魔が舞い降りる」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。その機体の名は」

マクギリス「これこそが、唯一絶対の力…!」

マクギリス「さあ、土曜日だ、諸君。私は仕事だったが。現在ゲーセンでアグニカ中だが、なかなか三連までは行けないな」

マクギリス「しばらくアグニカの予定なので、下手で良ければ店で組んで貰えると助かる。気軽に声をかけてくれ。まあ、居れば、だが」

マクギリス「最新話は今夜の予定だ。しばらく待っていて欲しい」

ガンダム・バエル
第十二話 その機体の名は

夕刻。私の予測通り、彼女らは動いた。

マクギリス「本気で、行くつもりか」

鈴「当たり前じゃない。奴を仕留めるなら、今からじゃなきゃ間に合わないわよ」

箒「ここで引き下がる訳にはいかない、絶対に」

セシリア「織斑さんは大切な友人ですもの。敵討ちなら協力いたします」

ラウラ「教官は自由に動けぬ方だ。我々がやるべきだ。教官の代わりに」

シャル「このまま見て見ぬ振りは出来ないよ、マクギリス。あの時は、見てるだけしか出来なかったんだから。力があるからこそ、引けないよ」

マクギリス「止めても、無駄なようだな」

鈴「当然じゃない。女には、引けない時があんのよ」

シャル「マクギリスだって、グリムゲルデが使えたら行くでしょ?」

マクギリス「…困った子達だ」

鈴「ま、こっちは五人。負ける道理は無いわよ。ゆっくり待ってなさい、チョコ」

ラウラ「では、嫁。帰る場所を守っていてくれ」

彼女達は、決意を胸に、敵地へと向かう。私には、それを止める事は出来なかった。

そして、日が落ちた頃。私は司令室に居た。

マクギリス「彼女達は動くぞ。もはや止められる者は居ない」

千冬「お前でも、か。やれやれ、問題児ばかりで困る」

マクギリス「私にも、出撃許可を貰おうか」

千冬「やると思うか、馬鹿者」

マクギリス「彼女達を放ってはおけない。それは、君も理解しているだろう?」

千冬「ダメだ。策もなく生徒を危険にさらす訳には…」

山田「織斑先生、福音が!」

マクギリス「どうやら、始まった様だな。では、二択といこうか」

千冬「二択、だと?」

マクギリス「私に出撃許可を出すか、処罰する対象が一人増えるか。どちらが君にとって有益か、聡明な君なら分かるだろう?」

千冬「馬鹿者が。脅迫かそれは」

マクギリス「私も、果たすべきを果たす必要がある。それに?」

突如、生徒数人が司令室に入り込んで来る。

「先生、織斑君が、織斑君が…!」「おりむー、行っちゃったよぅ…」

マクギリス「何!?あの怪我で、彼が…」

千冬「ええい、どいつもこいつも!ファリド!」

マクギリス「…何かな」

千冬「全員連れて戻って来い。失敗は許さんぞ」

マクギリス「勿論だ。私がこちらで、何かを仕損じた事は無いだろう。必ず、連れて戻る」

タイミング良く、端末に着信。出ながら、駆け足で石動の元へ向かう。

推奨BGM IBOオリジナルサウンドトラック Sings of Victory

マクギリス「石動、準備は出来ているな」

石動「勿論です。カタパルトの方角も問題ありません。御武運を」

バエルを装着、起動させる。バエルと一体化し、カタパルトに乗る。

マクギリス「素晴らしい仕上がりだ。…マクギリス・ファリド、ガンダム・バエル、出るぞ!」

カタパルトによる一時加速、さらにイグニッションブーストを五回連続発動。流星のごとく、空を駆ける…!

マクギリス「あれか。まったく、困った奴だ」

一夏の白式を捕捉、そのまま掴んで共に加速する。

一夏「な、なんだこいつ、放せ!」

マクギリス「一夏、私だ。傷は問題無い様だな。このまま戦闘に介入するぞ」

一夏「ま、マクギリス…!?その機体は、それにこのスピードは…!?」

マクギリス「話は後だ。…見えた、箒が捕まっているな。私が突撃して引き?がす、その隙にほかの皆と共に態勢を立て直せ」

一夏「わかった!」

白式を放し、更に加速。的確に福音に加速を載せた蹴りを見舞う。近くの砂浜に叩き付け、盛大に土煙をあげる。

箒「な、なんだ今のは…!?」

一夏「箒、無事か!?」

箒「一夏!?何故お前が…!?」

一夏「話は後だ、今は福音を!」

シャル「今の白い閃光みたいのは一体…」

土煙の中から、バエルソードを抜剣しながら舞い上がる。

マクギリス「諸君。反撃の時は来た。見せてやろう、奴に我々専用機持ちの力を…!」

推奨BGM One Way

福音が、土煙から飛び出してくる。損害はほとんど見受けられ無い。

マクギリス「奴は私が惹きつける。君たちは一度態勢を立て直し、隙を見て奴に攻撃を叩き込め」

ラウラ「嫁…!?その機体は、いったい…」

マクギリス「これこそが、私が持つ唯一絶対の力…ガンダム・バエルだ。後方支援は任せるぞ」

セシリア「あれが、ガンダム・バエル…」

シャル「マクギリスの、専用機…!」

スラスターウィングの出力を一気に最大に引き上げて、福音へと突撃する。

マクギリス「遅れた分の仕事はしよう。この、バエルで!」

福音とバエルがぶつかり合う。致命傷は避けられてはいるものの、目に見えて福音にダメージが溜まっていく。

シャル「速すぎる…!これじゃ援護だって…」

ラウラ「これが、マクギリスの真の力だと言うのか…!」

福音の拡散射撃を、間を縫う様に左右移動しながら肉薄する。バエルソードの一撃が、福音を吹き飛ばす。

マクギリス「今だ!」

体勢を崩した福音に、ラウラと鈴、セシリアの主力武装が叩き込まれる。

マクギリス「存外硬いな。軍用機だけはある」

福音は未だ健在だった。

福音が、バエルから逃げ回りながら射撃をばら撒く。弾幕を掻い潜り、斬り付け、突き刺し、叩き伏せる。

鈴「なんなのよ、あれ…あれが人間の動きなの…?」

セシリア「あの福音を、圧倒していますわ…!」

螺旋を描く様にして、幾度と無くぶつかり合う。

マクギリス「まだ、墜ちないか…!」

バエルソードでX字に斬り付け、吹き飛ばす。

一夏「今だ!箒!」

箒「ああ!」

体勢を崩した福音に、二人が一太刀叩き込む。

マクギリス「まだ浅い…」

福音が、白式にエネルギー砲を撃つ。左腕のシールドで、それを防いで見せた。

一夏「くそ、もうエネルギーが!」

マクギリス「私に任せて下がれ」

福音を惹きつける。その間に、箒の紅椿がワンオフアビリティを発現、味方の機体を接触によるエネルギーの回復を成し遂げた。

福音とバエル、二つの白が夜空に舞い、激突する。互いに弾かれた所を、一夏が肉薄する。

一夏「これで、終わりだ!」

一夏が零落白夜を、福音に叩き込んだ。

マクギリス「まだ、倒れないか…!」

マクギリス「だが、隙は出来たな」

イグニッションブーストを瞬間的に複数回発動する事による、超加速。その一撃が、福音を捉える。

マクギリス「これで、終わりにしよう」

バエルソードを突き刺さしたまま、砂浜に叩き付ける。ガリガリとシールドエネルギーが削れる手答えと共に、ついに福音が沈黙した。

シャル「倒したの…?」

ラウラ「なんという…これが、ガンダムバエルの力か…」

マクギリス「…作戦は、成功した。皆、怪我はないか」

福音から解放された女性パイロットのバイタルを確認する。…命に別条は、無いみたいだが。

マクギリス「では、帰るとしよう。皆が、待っている」

ちょうど、朝日が昇り始めていた。暖かな光が、皆を照らしていた。

マクギリス「すまない、疲労がピークに達した。少し眠らせて貰おう。深夜には再開するので、しばらく待って欲しい」

マクギリス「すまない、よもや熟睡してしまうとは」

マクギリス「とりあえず、ちょくちょく書かせて貰おう」

旅館に戻り、我々を出迎えたのは織斑千冬と、山田真耶。

千冬「作戦成功、と言いたいところだが。わかってるな?お前たち。学園に戻ったら、反省文と懲罰用トレーニングを課してやるから覚悟しておけ」

マクギリス「命令違反の咎は、受けねばならない。励むと良い」

千冬「貴様もだぞ、ファリド」

マクギリス「なっ!?私は許可は取ったはすだろう」

千冬「教師を脅す馬鹿者にも懲罰は必要だ。反省しろ」

マクギリス「…バエルを持つ私は、その様な些末事で、断罪される身ではぐっ!?」

千冬「関係あるか、馬鹿者が」

鋭い出席簿による

出席簿による鋭い攻撃が私を襲う…!

山田「ま、まあまあ、織斑先生。怪我人も居ますし、皆さん疲れているでしょうからその辺で…」

千冬「まあ…よくやった。よく無事に帰ってきたな」

マクギリス「約束したからな。全員無事に帰すと」

千冬「…ふっ。そうだったな。そろそろ朝食だ、着替えて食卓に着け。働いた分、美味い飯にありつけるぞ」

マクギリス「ああ。堪能させて貰おう」

自室へと戻る道すがら、一夏に疑問を投げかける。

マクギリス「そういえば、君の怪我はどうなっている?一朝一夕で治るものでは無かったろう」

一夏「いや、なんか起きたら治ってた」

箒「あれほどの傷がそう簡単に治るのか…」

マクギリス「まあ、なんにせよ今回は切り抜けられたな。今後も、励まねばならんな」

マクギリス(しかし。あの傷がこの短時間で治る筈がない。ISの隠された機能か、一夏には何か秘密があるのか…)

マクギリス(まだ、何か…裏があるな。福音の暴走も、その裏の一端。そう考えるべきか)

マクギリス(だが、まずは…守られた日常を、謳歌するとしよう)

生徒達の喧騒。平和な日常、手に入れる事が出来なかったはずの物が、私を待っていた。

次回予告

シャル「目覚めたバエルの力により、福音を乗り越えた僕達。そこに現れる、新たな転入生」

シャル「その存在は、新たな波乱の幕開けか」

シャル「ねえ、マクギリス。なんかこの台本格好つけすぎだよ…」

シャル「次回、インフィニットマクギリス。約束の果て」

シャル「少しだけまってて!色々ひと段落したら書くから!多分四時位!」

マクギリス「少し、謝罪しておこう」

マクギリス「福音との戦いはもう少し激しく描いてみたかったのだが、福音の装備に近接用武装が無いためバエルのカモとなるだけになってしまった。あまりに呆気なく感じてしまったかもしれないが、私の文才ではこれが限界だ。今後は、精進させて貰おう」

マクギリス「さて、次はかのアーキタイプブレイカーに関してだ」

マクギリス「既に終わってしまった作品ではあるが、その設定、ストーリーを流用しようかどうか考えているいてな」

マクギリス「諸君らに問いたいのだが、アーキタイプブレイカーの設定等を加味するか否か。判断を委ねたい」

マクギリス「加味する場合、アーキタイプブレイカーのヒロインの登場も視野に入れてこれからは書かせて貰おう」

マクギリス「加味しない場合、アーキタイプブレイカーは完全にスルーしてアニメ、原作のみを参考に書いていく」

マクギリス「ゲームに関しては…すまない、私はあの手のゲームは苦手でな。格闘やアクション系ならば問題無かったのだがな…」

マクギリス「では、加味する場合は『もっとお前の話を見せろ!』と」

マクギリス「加味しない場合は『虚しい話だ…』と投稿して貰いたい。」

マクギリス「これに関してはしばらく猶予を置こう。では諸君、また会おう」

第十三話 約束の果て

山田「臨海学校から戻ったばかりですが、皆さんに新しいお友達が、増える事になりました!」

マクギリス(また、か。いくら人を増やすつもりなのか)

だがその人物は私にとって縁の深い、予想しつつも、やはり驚愕せざるを得ない人物であった。

山田「オーガス君、入って来てください!」

マクギリス「な、なんだと…」

そこに現れた人物に、目を疑った。

「三日月・オーガス、です」

クラスの少女達がざわめいた。

「え?男の子?」「ちっちゃくて可愛い!」「お菓子、食べる~?」

「ていうか、なんでチョコも居んの?アンタも死んだの?」

クラスが、一気に静まり返る。それと同時に、私は現実に引き戻された。

マクギリス「…三日月・オーガス。その話は後で、二人で話すとしよう。皆を混乱させてしまうからな」

一夏「え、?死んだって、どういう…アンタも、って…?」

シャル「あ…そっか、知り合いなんだ。あの子と…」

マクギリス「気にしないで貰いたい。彼なりのジョークだ」

要らぬ爆弾を、撃ち込んでくれたな。

三日月「ま、なんでも良いや。アンタ、オルガを見てない?こっちに居るはずなんだけど」

千冬「オーガス、席はあそこだ。無駄話は後にして座れ」

三日月「わかった」

マクギリス(予想しなかった訳では無い。だが、彼でさえ生き残れなかったか…)

山田「そ、それでは授業を始めますね?オーガス君、わからないところがあったら遠慮しないで聞いて下さいね」

三日月「うん」

しばらく、授業が進んだ頃。

山田「ここまでで、何か質問はありますか?」

三日月「俺、聞きたい事あるんだけど」

山田「はい、何ですか?」

三日月「ねえ、ISって何?俺は何をすれば良いの?」

マクギリス(そこからなのか…)

山田「え、ええ!?」

千冬「…オーガス、必読と書かれた本が渡されたろう?それはどうした」

三日月「これ?この分厚いの」

千冬「そうだ。読んで無いのか」

三日月「読めない」

千冬「…もしや、使用言語が違ったのか?」

三日月「いや、そうじゃない。字が読めないんだ、俺」

マクギリス「…彼は少年兵でな。読み書きから教える必要があるようだな」

クラスが、再びざわめいた。

千冬「静かにしろ!…オーガス、放課後に山田先生と共に読み書きを練習しろ。山田先生、頼みます」

放課後。

千冬「ファリド。お前は今後オーガスと同室だ。色々と、面倒を見てやれ」

マクギリス「了解しました」

三日月「チョコレートが同じ部屋なんだ」

マクギリス「その方が、色々と良いだろうからな」

三日月「ふーん…ところで、オルガは?」

マクギリス「ああ、君の言う通り、彼もこちらに来ている。…何があった、君達に」

三日月「…オルガが街で殺されて、俺はあいつらになんかを上から撃たれて、暴れて回ったけどダメだったみたい」

マクギリス「アリアンロッドに…そうか」

三日月「チョコレート、アンタは?」

マクギリス「私はラスタルに一人で挑み、奴を討ち取る前にガエリオに敗北した…すまなかった」

三日月「何で?」

マクギリス「私がラスタルを倒せていれば、君達も生き残れたかもしれん」

三日月「良いよ、別に。今更言っても無駄だし」

マクギリス「そうか…それと、我々が別の世界から来たかもしれない、というのは秘密にした方がいい。要らないトラブルに巻き込まれたくはないだろう?」

三日月「わかった」

ペシャン公の出番はありますか?

三日月・オーガスにISの事をレクチャーしながら、日々が過ぎていった。

一夏「いやあ、三日月もマクギリスも強いよな。全然歯が立たねえよ」

三日月「別に、普通でしょ?」

マクギリス「三日月、君のISはどこで手に入れた?」

三日月「束って奴がくれたんだ。ここまで送ってくれたのもそいつ」

マクギリス「…バルバトスルプスレクス、か。数奇なものだ」

三日月「何が?」

マクギリス「君と共に戦う事が、だ。こんな運命が、待っていようとはな」

マクギリス(にしても、あの女。何を企んでいるかわからんな)

次々と増える、懸念。嫌な予感は増すばかりだった。

一夏「そうだ、二人とも今度の休みは空いてるか?」

マクギリス「私は空いているが」

三日月「俺も」

一夏「今度、夏祭りがあるんだよ。行かないか?」

マクギリス「それは楽しみだ。是非、同行させて貰おう」

三日月「へー。面白そう」

マクギリス(日本の祭り。初体験だな)

そして、その休日。

マクギリス「これが、夏祭りか。なるほど、独特の雰囲気だが悪くない」

一夏「だろ?おみくじも引いてみようぜ」

三日月「何、それ」

マクギリス「丸められた紙をランダムに引き当て、運勢を占う日本の風習さ。引くのは初めてだがな」

そこには、見知った顔が居た。

箒「一夏…!?マクギリスに、三日月まで!?」

三日月「うーっす」

一夏「よ、箒。来てると思ってさ、ついでに二人も誘ったんだ。初めてだろうしさ」

箒「そうか!是非、楽しんで行ってくれ」

三人揃って、おみくじを引いてみる。

一夏「どうだ、マクギリス、三日月。俺は中吉だった」

三日月「俺は大吉。大切な人との再会叶う、だって」

マクギリス「凄まじいな、三日月。私は…」

マクギリス「凶、だな。前途多難。危険多し、だそうだ」

箒「そ、それは残念だったな。それなら、あれにおみくじを結んでおけ。少しは良い方向に向かうだろう」

マクギリス「ああ、そうさせて貰おう」

「あら、箒ちゃんのお友達?久しぶりね、一夏くん」

一夏「お久しぶりです、雪子おばさん」

マクギリス「はじめまして。マクギリス・ファリドと申します」

三日月「三日月・オーガスです」

「あらあら、ご丁寧どうもー。箒ちゃん、せっかくだし一夏くん達と遊んでらっしゃい」

箒「良いんですか?ありがとうございます」

箒が着替えて我々と合流した。

マクギリス「では、我々は別行動としようか、三日月」

一夏「え?なんでだよ、皆で回ろうぜ」

マクギリス「君はもう少し、女性の心理を学ぶべきだ。行こうか、三日月」

三日月「腹減った」

マクギリス「分かっている。食べ歩きと行こう」

一夏「なんだ?一体…」

箒「…感謝する、マクギリス。行くぞ、一夏」

一夏「お、おう」

三日月と共に、屋台の食べ物を回る。

三日月「これ美味い」

マクギリス「ああ。食欲が踊るな。この様な喧騒に満ちた祭りも、良いものだ」

三日月「だね。今度は、オルガ達も誘わないと」

マクギリス「我々には、時間はたくさんある。その日を楽しみにしておくと良い」

花火が上がる。不安も懸念も忘れ、祭りを堪能する。これこそが、本当に求めるべき未来だったのだ。

次回予告

ラウラ「ほう、これは…是非、誘わねば!」

シャル「どうしたの?」

ラウラ「な、なんでもない!」

シャル「そう?」

ラウラ「次回、インフィニットマクギリス。とある夏の思い出」

>>205
マクギリス「クジャン公の出番は無論もう内定している。君が望む形かは保証しかねるが」


マクギリス「では、諸君。デュナメスの完成次第ではまたもう一話更新するかもしれないが、とりあえず寝て休んでくれ」

この三日月阿頼耶識の副作用治ってるんだよね?

マクギリス「待たせて済まないな、諸君」

マクギリス「夜勤明けにバエルに乗り、疲労困憊でしばらく寝溜めしていた」

マクギリス「今から書いても、あまり書けそうもないな。明日も仕事があるしな。すまないが、来週まで待って欲しい」


>>213

マクギリス「彼の後遺症はこの世界に来た際には消えている。誰かが担いで授業をさせる訳にもいくまい」

マクギリス「諸君、待たせてすまないな」

マクギリス「今夜、再開させて貰おう。ゆっくりと待っていて欲しい」

マクギリス「ヴィダールも買ってきたし、作らねば…!」

第十四話 とある夏の思い出

夏季の授業休み。その終盤の朝。私はいつも通り、寮の部屋で目を覚ます。

マクギリス「…やれやれ」

いつの間にか、隣に眠る美しい銀髪の少女。その安らかな寝顔に、不思議と心が安らぐ。

その綺麗な頭を撫でてやる。しばらく撫でていると、ラウラが目を覚ました。

ラウラ「もう、朝か…」

マクギリス「ああ、おはよう、ラウラ。よく眠れたかな?」

ラウラ「うむ、お前の隣はすごく、寝やすい。出来た嫁だ」

マクギリス「それは良かった。ところで、何故学校指定の水着なのかな」

ラウラ「このためだ」

ラウラが差し出したのは一枚のチラシ。内容は、最近オープンしたばかりのアミューズメント施設だった。

マクギリス「なるほど。皆で夏の思い出作りがしたいのかな?」

ラウラ「そ、それも悪くはないのだが…その、だな」

マクギリス「ん?」

ラウラ「その、マクギリスと二人で、行きたいのだ」

父親を独り占めしたい、といったところか。

マクギリス「ああ、では二人で行こう。たまには二人で思い出作りと行こう」

ラウラ「すまないな、私のわがままを…」

マクギリス「気にするな。そのような可愛いワガママなら構わないさ。それに、この場面ではもっと相応しい言葉があるだろう?」

ラウラ「…ありがとう、マクギリス」

マクギリス「どういたしまして」

ラウラの頭を、優しく撫でる。嬉しそうな笑顔に、私の心が洗われていく気がした。

昼過ぎ。食事を済ませ、買い出しに出るとする。

「あら、マクギリスさん?」

マクギリス「…セシリアか。帰国していたのだったな、お帰り」

セシリア「はい。マクギリスさんは?」


マクギリス「私はこれから買い出しに行く。色々と、必需品を補充せねばならん身でな」

セシリア「で、でしたらご一緒させていただいても?」

マクギリス「構わないが…疲れているのでは?」

セシリア「大丈夫ですわ!少々お待ちを!」

少しして、着替えて来たセシリア。

マクギリス「さて、では行くとしよう」

セシリア「はい!」

向かうは、商店街。

セシリア「マクギリスさん、今日はどちらに?」

マクギリス「必需品の補充にスーパー、ついでに色々と見て回る程度かな」

セシリア「そうなんですの…では、必需品の補充が終わりましたら、私のオススメのお店はいかがでしょう?」

マクギリス「君のか。では、楽しみにさせていただこう」

セシリア「はい!」

セシリア(例のパン屋さんにマクギリスさんを連れて行けば…恋が叶う、との噂。チェルシー、私やって見せますわよ!)

マクギリス「しかし、一夏のオススメだけあって品揃え、価格共に素晴らしいな」

セシリア「そうですの?私にはあまりわかりませんが」

マクギリス「君も、こういったことに関する目を養うべきだな。いつ何時、何が必要になるかわからないからな」

セシリア「そ、そうですわね。…あら、紅茶も買われますの?」

マクギリス「最近、来客が多くてね。困ったものだ」

セシリア「マクギリスさんとバエル、紅椿と並んで注目の的ですものね。最近再編改名された、CMI改めギャラルホルン。その最新タイプISであるガンダムバエル」

マクギリス「おかげで、私も随分と有名になってしまった」

セシリア「能力有るものが注目されるのは当然ですわ。…我が祖国イギリスでも、だいぶ有名でしてよ?」

マクギリス「目立ち過ぎれば、いずれ要らぬ火の粉は掛かる。払うだけで済めば良いがな」

セシリア「マクギリスさんの実力であれば大半は敵にならないのでは?」

マクギリス「それはないな。私とて、負けた事はあるさ。正直、何故負けたのかはわからないがな」

セシリア「マクギリスさんでさえ、ですか…」

マクギリス「ああ。物事に絶対は無いのさ。…さて、これだけあれば十分か」

会計を済ませ、セシリアと並び歩く。

マクギリス「では、案内願おうか」

セシリア「はい!こちらですわ」

セシリアに付いて歩く。その先にあるのは一軒のパン屋。

セシリア「このお店のパフェが有名なそうですわ」

マクギリス「…クランク・ベーカリー?」

聞き覚えのある名前の様な気がした。どこで聞いたのだったか。

「おや、いらっしゃいま…」

店員の声が、途切れた。私もまた、言葉を失う。

セシリア「店員さん?どうかなさいまして…?」

「ファリド、特務三佐、なのですか…?」

マクギリス「…久しいな、アイン・ダルトン三尉。君と再会するとは、世界は広いのか狭いのか」

アイン「何故です、何故貴方がこの世界に…?」

マクギリス「君の想像通りさ。君と同じ、な。そうか、この店はクランク二尉の店なのだな」

アイン「はい…貴方がいらっしゃるならば、まさかボードウィン特務三佐までもが…?」

マクギリス「…いや、あいつはまだ来ていないはずだ。大丈夫だろう」

アイン「そう、でしたか…」

マクギリス「…では、セシリア。君のオススメを教えてほしいな」

セシリア「は、はい。ここのオススメはパンを使用したスペシャルパフェでして…」

マクギリス「では、それを頼めるかな」

アイン「はい、スペシャルパフェお一つですね。すぐにお持ちいたします」

マクギリス「いや、二人分で…」

セシリア「マクギリスさん、スペシャルパフェは一つで二人分でしてよ」

マクギリス「そう、なのか?」

席に座り、パフェを待つ。

セシリア「アインさん、でしたか。あの店員さんとはどの様なお知り合いで?」

マクギリス「何、大した話しではないさ。昔の同僚で、親友の部下だった男だ」

「ええい、配達の奴等は何をしている!?この程度の配達に何を手間取る!?減給だっ!」「落ち着けオーリス、今は道が混む時間帯だ。仕方ない」

運ばれてきたパフェ。それに付いてきたスプーンは何故か一つ。

マクギリス「…アイン、スプーンは一つだけ、なのか?」

アイン「は、はい。二人で交互に食べさせあうものでして…」

マクギリス「そうか。…ん?食べさせあう、だと?」

セシリア「そうですわ!二人で食べさせあい、絆を深めるものなのですわ!」

マクギリス「それはまた…恋人か何かと食べるべき代物なのでは?」

セシリア「ですが、このパフェは二人でなければ食べられない、特別メニューなのです!郷に入りては郷に従え、と申します。特別メニューを頼む以上、前提は守りませんと!」

マクギリス(そんなに食べたかったのか…)

マクギリス「わかった、引き受けよう」

マクギリス(…しかし、これは女子高生を誑かす大人、という構図に見えかねないのでは)

パフェを、交互に食べさせ合う。羞恥心やらでどうも落ち着かない。

セシリア「ああ…私はこの日の為に産まれてきたんですわね…」

マクギリス「よ、喜んでくれているならば何よりだ…」

恍惚な表情を浮かべるセシリア。よほど気に入ったのだろうな。

セシリア「また、このパフェを一緒に食べてくださいますか?」

マクギリス「それは、早く恋人を作ってその恋人に頼むべきだ」

セシリア「…鈍感」

マクギリス「どういう事かな…?」

そんな、奇妙な時間を過ごした1日だった。

マクギリス「本日はここまでだ。では、謝罪をさせてもらえないだろうか」

マクギリス「昨日だが、仮眠のつもりが朝まで熟睡してしまったのが原因だ。約束を違えるつもりは無かったのだ、許して欲しい」

マクギリス「来週はかなり書ける、と良いのだがな…」

マクギリス「では、同士諸君。しばしの別れだ。気をつけてな」

乙乙

少しずつでいいから頑張って
社会人が女子高生とこんなことしてたらそりゃ落ち着かないよねww

マッキーは本物の幸せが何なのかとか、愛とは何かとか知らないまま死んじゃったからなぁ
アルミリアのことは本気で幸せにしたかったんだろうけど、あれは政略結婚とかの側面もあるし
アインも決戦の時にシステムが焼き切れたから、たしかに死んでるよね

マッキーラスボスなら良かったのに…
そう言えば3人ともゾイドで高速戦闘ゾイドに乗ってたな、マッキーは砲戦、格闘、基礎、高速、前の都合でラスボス含めだけど

/0のビット+マッキー足したらバトスピのゾルダーになりそう

>>225
マクギリス「ありがとう。寛大な心に敬意を表する」

>>226
マクギリス「私がその幸せを知っていく物語、というのが今回のコンセプトの一つなので、ゆっくり見守って欲しい」

マクギリス「あと、個人的にアインは三日月に倒された時点で人としては死んでいる、と考えている。ただのシステムにされた記憶があったら私は耐えられないしな」

>>227
マクギリス「済まない、私はゾイドはあまり詳しくなくてな。幼少期にジェネシス?だったかを視聴した程度だ。話題についていけなくて申し訳ない」

マクギリス「私がラスボスだった場合、おそらくバエルにハマる事も、この話を書いている事も無かっただろうな。何せ、ネタとして優秀かつ、バエル自身のロマンさ故に惹かれているのだから。私がラスボスではネタに欠け、結果的に気にも止まらず興味を持たなかったかもしれんな」


マクギリス「では、色々と待たせて済まないな。これから入浴。そのあとゲームのレべリングをしながらゆっくり書かせて貰う。今しばらく待っていて欲しい」

ラウラとの約束当日。

マクギリス(待ち合わせ場所には30分前に着いたな。予定通り…今日は忙しくも楽しめそうな1日になりそうだな)

「ま、待たせたか?」

マクギリス「…いや、私も先程着いたばかりだ。しかし、その私服。とても似合っているよ」

ラウラ「そ、そうか?頑張ってみた甲斐があった」

マクギリス「では、お手をどうぞ、レディ。夕方までは私は君の貸し切りだ。存分に、楽しむとしよう」

ラウラ「ああ、行こう、マクギリス」

嬉しそうに手を繋ぐ。やはり、父親の様な存在が彼女には特に必要なのだろう。

マクギリス(ならばその役目は、しっかり果たさねばな)

暑い日差しの中、目指すはアミューズメント施設内のプール。彼女の足取りは日差しに負ける事なく軽やかなものだった。

マクギリス「ほう。少々、侮りが過ぎたようだな」

水着に着替え、待ち構えたのは広大なプール施設。スライダーの様なものまである。

ラウラ「うむ。では遊ぼう、マクギリス。まずはあれからだ!」

彼女が示した先には、長大なスライダー。

マクギリス「たしかに、あれは体力がいりそうだな。先に楽しむとしよう」

ラウラ「ああ、行こう」

彼女に手を引かれ、スライダーの頂点へと向かう。

マクギリス「ペア滑り、だと…?」

「はい。女の子がこちらに座って、男の子が後ろに座って、女の子をぎゅっとするんです」

どう考えても、成人男性と女子高生がする行いではない気がする。

マクギリス(これは、女子高生を誑かす大人、という構図に見えるのでは…)

既視感を覚えるシチュエーションな気がするが、どうすべきか。

ラウラ「…嫌なら、無理にとは言わん。別の事をしよう」

ラウラの表情を見て、覚悟は決まった。

マクギリス「いや、大丈夫だ。少し面食らっただけだ、問題は無い。共に滑り降りようか」

ラウラの後ろに座り、優しく抱き締める。

マクギリス(…華奢で、か細い身体だ。私が守ってやらなければな)

「では、いってらっしゃい!」

背中を押され、共に滑り降りる。その身体を守るように、守れるように抱き締めながら。

ラウラ「ぷはっ」

マクギリス「なかなかに、凄まじい勢いだったな…」

外観では平坦に近い部分もあるはずだったのだが、思いの外減速せずにプールに投げ出された。

ラウラ「さ、流石にあの勢いは何度も味わいたいものではないな…」

マクギリス「同感だ。では、時間もまだある。流れるプールはどうだろう」

ラウラ「ふむ、それはいいな」

プールサイドを、手を繋いで歩く。道中で浮き輪を買う。

マクギリス「…ん?」

三日月「あれ、チョコレートじゃん」

「あれー、ファリりんも来てたのー?」「うわ、ボーデヴィッヒさんの水着可愛いなー」

マクギリス「三日月、君とこのような場所で出会うとはな」

三日月「うん。本音ちゃん達に誘われたから」

マクギリス「そうか。てっきりオルガ団長達と来るものと思っていたが」

三日月「オルガ達は仕事。夕方には合流するってさ」

マクギリス「そうか。では、また夕方に」

三日月「うん」

ラウラ「…良かったのか?共に遊ぶというのも、手ではないのか」

マクギリス「言ったろう?今日は君と私の二人で、こころ行くまで遊ぶのだ、と」

ラウラ「マクギリス…まったく、流石は私の嫁だ」

流れるプールで、ラウラを浮き輪に乗せて共にゆっくりと漂う。

ラウラ「…その、だな。マクギリス」

マクギリス「何かな?」

ラウラ「ありがとう。お前のおかげで、私はこの様な幸せな時間を過ごせている」

マクギリス「私の、か…そうであれるならば、嬉しいな」

ラウラ「お前のおかげだ…お前が居てくれたから、大事な事に気付けたのだからな。だから、これからも私を見ていてくれ。道を間違わないように」

マクギリス「無論だ。約束、しただろう?」

ラウラ「…ありがとう、マクギリス」

マクギリス「ああ。では、共に遊び尽くそう。今日はまだ始まったばかりだからな」

ラウラ「ああ、楽しもう!」

夕刻まで、ラウラと共に様々な事をした。その中で見られたラウラの笑顔は、私の記憶にしっかり刻まれた。

マクギリス「待たせて済まなかった、読者諸君」

マクギリス「結局、連休中はしばらく

マクギリス「Take2だ、諸君」

マクギリス「待たせて申し訳ない。連休中、共闘要請が友人からずっと来ていてな。なかなかに時間が取れなかったのだ」

マクギリス「さて、今日は階級昇格寸前まで行けたのでかなり筆が乗りそうだ」

マクギリス「というか、クアンタは相変わらず乗りやすく強い良い機体だな。フルブ感覚で乗ってみたが、軽く三連勝出来てしまって少々驚いた」

マクギリス「では、同志諸君。再開だ」

夕刻。着替えて縁日の舞台へとラウラを連れて参じる。

マクギリス「夏祭りと似た様なものか」

ラウラ「人が多いな、シャルロット達も見当たらん」

マクギリス「合流ポイントはこの辺りの筈だが…」

「おーい、こっちこっちー!」

その声に導かれ、一夏達と合流する。

鈴「チョコレート、アンタも来たのね」

セシリア「な、何故ラウラさんと…?まさか、お誘いした時の先約というのは…!」

ラウラ「ふふん」

何故か得意げな顔のラウラ。対照的に悔しげな顔のセシリア。話に介入すべき…なのだろうか

シャル「抜け駆けはずるいよー、ラウラ。ていうかセシリアも」

一夏「まあ、ここで話しててもなんだし…三日月達は?」

マクギリス「彼らも来る筈だが…いや、あそこだ」

「マクギリスじゃねえか…」

マクギリス「旅館以来だな、オルガ団長」

オルガ「ああ。今回は誘っていただき、感謝する」

マクギリス「発起人は彼だ」

一夏「えっと、こんばんは…?織斑一夏です」

オルガ「どうも。鉄華団団長のオルガ・イツカです」

マクギリス「三日月はどうした?彼と一緒ではないのか」

オルガ「それがよ、腹減ったからなんか買って来るって戻って来ねえんだ」

箒「あの辺りでは?何故か女性が集まっているし」

マクギリス「…なにやら、騒ぎになっているな」

「やだ、この子可愛いー」「どこの子?迷子?」「ねーねー、お姉さんと回らない?」

逆ナン、という奴だろうか。

三日月「…ウザい…」

マクギリス「すまない、彼は私の連れでな。そこまでにして貰いたい」

三日月「チョコの人だ。もう来たんだ」

マクギリス「ああ、待たせたな。では行こうか、皆が待っている」

三日月「うん」

女性陣がさっと行く手を開ける。あまりしつこいタチでも無いようだ。

オルガ「まったく、心配掛けやがって」

三日月「ごめん、オルガ」

一夏「そんじゃ、行くか」

マクギリス「ほう、これがタコ焼き、か。不思議な食感だな」

三日月「食いづらい…」

オルガ「へー、結構美味いんじゃねえか」

一夏「だろ?縁日といえばタコ焼き、みたいな」

セシリア「オクトパスを食べますの…?」

マクギリス「なかなかに美味だ。君も、如何かな」

セシリア「え、遠慮しておきますわ」

シャル「僕もデビルフィッシュはちょっと…」

マクギリス「そうか、残念だ」

ラウラ「まったくだ、こんなに美味いのに」

三日月「ねえ、この水ん中の変なの、何?」

一夏「金魚掬いだな。これで、こうして…こうなったら終わりな」

三日月「掬ってどうすんの?食べるの?」

一夏「いやいや、食わねえし食えねえから」

マクギリス「単に飼育して愛でる物だろう。とはいえ、魚は繊細な物だ。あまりオススメはできないな」

箒「金魚掬いでこうも深く考える者が居るとは…」

鈴「こいつら結構ズレてるわね…」

ラウラ「見ろ、この雲みたいなの!甘いぞ!」

マクギリス「ほう、初めて見るタイプだな?」

一夏「綿飴だな。そこで買えるみたいだ」

マクギリス「なるほど。味わわせて貰おう」

オルガ「縁日ってえのは変わったもんがいっぱいだな」

シャル「ねえ、あれやってみない?」

マクギリス「あれは…銃、か?」

一夏「射的だ。あれで撃って、倒したのを貰えるんだよ」

マクギリス「なるほど。我々も、やってみよう」

オルガ「なんだよ…結構当たんねえじゃねえか…」

三日月「簡単だね、これ」

オルガ「すげえよ、ミカは…」

マクギリス「この距離だ。一度試射すれば簡単な物だろう」

ラウラ「くう…やはり私では…」

マクギリス「…あの奇妙な猫もどきか。デカイな…諸君、一斉射撃で仕留めよう」

一夏「了解!」

セシリア「はい!」

シャル「それじゃ行くよ!」

箒「私にも…!」

鈴「楽勝よ!」

三日月「そろそろ、消えろ…!」

マクギリス「当てる…!」

一斉射撃を受け、猫もどきは地に伏した。作戦は、成功した。


マクギリス「花火?」

三日月「この前見た奴?」

一夏「違う違う、こうやって手に持ったりするタイプだよ。やらないか?」

オルガ「へえ、こんなんもあるのか」

セシリア「ネズミ花火…こちらはやめておきましょう」

ラウラ「ふむ…花火にも色々あるのだな」

シャル「この人数なら線香花火とかだけでいいんじゃないかな、下手に火が飛ぶと危ないし」

箒「花火をやる時は水の用意を忘れるな」

鈴「終わったらキチンと鎮火を確認する。でないと大変な事になるからね」

マクギリス「君達は誰に言っているんだ…?」

一夏「んじゃ、全員線香花火持ったな?」

マクギリス「では、競争と行こう。誰が一番長く線香花火が落ちずにいるか」「ここから先は競争だ」

一夏「誰だ今の」

オルガ「落ちるんじゃねぇぞ…あっ」

マクギリス「私の…線香花火が…」

三日月「ああ…もう、終わっちゃった…」

一夏「お前ら早いな!?」

ラウラ「き、気を落とすな。今度は競争無しに楽しめば良い」

マクギリス「ありがとう、ラウラ…」

存外、心に響く。

シャル「綺麗だね、マクギリス」

マクギリス「ああ。こういうのも、悪くない」

セシリア「また、こうして集まって花火をやれたら良いですわね」

一夏「なら、約束だ。来年もまた、花火をやろう」

オルガ「ああ。必ず、な」

三日月「うん。絶対に、また来年も」

ああ、夏が終わる。これほどまでに、過ぎ去って欲しくない時があるとは思いもしなかった。

次回予告

マクギリス「そういえば、三日月。いつになったら私の名前を呼んでくれるんだ」

三日月「アンタの名前、なんだっけ」

マクギリス「…マクギリスだ」

三日月「…ギリギリ?」

マクギリス「どうしてそうなった」

三日月「次回、インフィニットマクギリス。アグニカ・MAキラー」

マクギリス「待て三日月、まだ私の話は…」

マクギリス「まず、謝罪をさせて貰おう」

マクギリス「今週は少々、やる事が多くてな。階級は上がったのだが、夜には時間が無くてな。すまないが、来週まで待って欲しい」

マクギリス「目的は今回で達成出来たので、来週はしっかり書かせて貰おう」

マクギリス「しかし、クアンタやはり強すぎでは無いだろうか。冷静にトランザムを二回回せればかなり勝率が高くて良いな。バエルの爽快感には劣るが」

マクギリス「では諸君、また来週」

マクギリス「またせて済まないな」

マクギリス「今日は、あまり上手く戦えなくて階級据え置きだったな。先週の好調はマグレだったか…」

マクギリス「では、書かせて貰おう」

第十四話 アグニカ・MAキラー

三日月と一夏の新学期初の模擬戦。意外にも、一夏が押していた。

山田「この分なら、織斑君も勝てそうですね?」

マクギリス「いや、それは無いだろう。彼はエネルギー配分を考えてはいまい。勢いだけで勝てるほど、三日月は容易くは無い」

千冬「そういう事だ」

その言の通り、エネルギー切れによる隙を晒した一夏に、ルプスレクスの連撃が叩き込まれた。メイス、爪、テイルブレード。

マクギリス「…いや待て、三日月やり過ぎでは無いのか…?」

三日月「あー…殺さないようにって難しいなぁ…」

一夏「殺す気かっ!?」

マクギリス「やれやれ、困ったものだな…」


直後の授業。一夏は遅刻するという醜態を晒す。曰く、知らない女子に引き止められたが故だと。…そして、箒に制裁を受ける。

マクギリス(モテる男というのは辛いのだな…)


全校集会。議題はどうやら学園祭のようだが…生徒会長、更識楯無。その視線はあからさまに私に注がれていた。

マクギリス(目を付けられた、か?いや、そもそも付けられない方がおかしいか)

一夏は少々驚いた顔をしていたが、なんだったのか。

楯無「それじゃ、皆頑張って出し物を決めてねー」

最後に、私に笑みを浮かべて見せた。

マクギリス(厄介事の予感がするのは気のせいだろうか…?)

そうして開かれたクラス会議。

マクギリス「…男子三人とポッキーゲーム…ホストクラブ…君達、真面目な意見はないのか。全て却下させて貰おう」

「「「えー!?」」」

マクギリス「えー、ではないよ。こんな不健全な出し物、誰も得をしないだろう?」

「私は得するよ!」「男子はクラスの共有財産である!」「女子を楽しませる責務を全うせよ!」

三日月「絶対、ヤダ」

マクギリス「いつから私は所有物扱いなのか。ともかく、もう少し真っ当な意見を…」

ラウラ「メイド喫茶はどうだ。経費の回収も出来るぞ。男子は執事をやらせれば良い」

マクギリス「…確かに、それならばまだこのふざけた案よりかはマシか」

三日月「俺執事なんてやれないよ」

一夏「あくまで真似事だろ?むしろ三日月はそのままで良いだろ」

三日月「そう?ま、面倒じゃなきゃ良いや」

マクギリス「では、執事とメイド喫茶。それで決定だ」

そして、放課後。所用で職員室を訪れた一夏と私の前に、件の生徒会長が現れた。

楯無「やあ、マクギリスさんに一夏君」

マクギリス「更識楯無、だったか。私に何か用かな」

一夏「生徒会長さん…?」

楯無「水臭いなあ、楯無で良いのよ?」

マクギリス「…用件を聞こうか」

楯無「つれないわね?簡単なお話、一夏君達を強くしてあげようって事よ」

一夏「…言われるほどには弱くはないつもりですけど…」

マクギリス「いや、我々はまだまだだ。軍用機一機に七人掛かりであれでは、弱いと言われても仕方あるまい」

楯無「貴方は別格なんだけどねー。だーかーら、マクギリスさんには私と一緒にコーチ役を担って欲しいの」

マクギリス「…なるほど。例の組織絡みという訳か。良いだろう、引き受けた」

楯無「流石マクギリスさん、話の理解が早くて助かるわね」

一夏「え、ちょ…」

マクギリス「君も彼女を見返したいだろう?ならばこの場は承諾したまえ」

一夏「まあ、良いけど…」

三人並んで、アリーナに向かう。

マクギリス「で、これが君の戦闘データという訳だが…自覚はあるか?」

楯無「あらあら、これはちょっとねー」

一夏「えっと、 射撃に当たりすぎ…?」

マクギリス「そうだな。それもあるが…やはり零落白夜の消費が大きすぎるな」

一夏「それはもうどうしようも無いんじゃ…」

マクギリス「累計エネルギー消費の80パーセントとはな。だが、改善案はある」

楯無「どうやって?」

マクギリス「一夏、君は使う段階になれば常に零落白夜を発動し続けているだろう?」

一夏「ああ、そうだけど…」

マクギリス「ならば、振り始めた瞬間に発動し、振り抜いたと同時に解除する。常に発動しながら振り回すよりは大分マシにはなるだろう」

一夏「な、なるほど…そう簡単に上手くいくもんじゃないけど…」

マクギリス「なればこその特訓だろう、励むと良い」

マクギリス「後は…やはり射線の見積もりが甘いな。回避もパターンを作り過ぎている。直感に頼りすぎだな」

楯無「容赦ないわね…」

マクギリス「ともあれ、君には射撃武器の理解が必要だな。避けるだけでなく、君も使う側になったのだから」

一夏「荷電粒子砲だよな。確かに威力はあるんだけど…」

マクギリス「まず、簡単な対処から学ばせよう。一部例外はあるが、銃口から射線は割り出せる。その射線を見極め、射線に入らない。シンプルだが、射撃に対しては有効な対処だ」

一夏「例外?」

マクギリス「鈴の衝撃砲が分かりやすい一例だろう。あれは銃身も銃口も不可視なのだからな」

一夏「そういうのの対処はどうしたら良いんだよ?」

マクギリス「相手を観察しろ。視線や仕草を見極め、着弾点を見切る。あるいは単純に撃たせる前に近距離戦闘に持ち込む、だな」

一夏「どっちも難しい様な…」

マクギリス「まあ、白式はスピードには秀でている。回避に専念し、パターンを作らないようにしながら動き回れば、隙が出来るまでは生き延びられるだろう」

一夏「余計な事を考えず、同じ避け方をするな、って事か」

マクギリス「そして、君の荷電粒子砲だが、下手に撃ち続けるよりは隙を探して狙い撃つ方が良いだろう」

マクギリス「もしくは、接近して至近距離から叩き込む…は零落白夜のある君であれば必要無いに等しい。せいぜい、エネルギー切れ間際の攻撃として、程度か」

一夏「牽制に使う、っていうのはダメなのか」

マクギリス「悪くない、と言いたいがこの荷電粒子砲のエネルギー消費は安くはない。牽制といえど連射するより体勢を崩す、もしくは回避先を潰す程度に単発で撃つ程度に留めるべきだな。高機動近接戦が持ち味であるが故に、そちらにエネルギーを回したいしな」

一夏「へえ…なるほど…」

マクギリス「機体運用理論はこの程度で大まかには纏まるだろう。次は実戦技術を学んで貰おう。具体的には、回避や各種技能の組み合わせだな」

一夏「うへえ、なんか難しそうだな…」

マクギリス「励めよ、一夏。強くなりたいんだろう?」

マクギリス「待たせてすまないな、投稿開始だ」

マクギリス「先週は飲み会でな。やはり、ビールは慣れない。頼むから飲ませようとしないでくれ…」

マクギリス「にしても、アルビオンゼロ…色が変わればこうも印象が変わるとは。個人的な意見だが、アルビオンにはヴァリス二丁持ち、アルビオンゼロにはMVS二刀流が似合うと思うのだがどうだろうか」

マクギリス「明日も昼からアグニカポイントを稼ぎに行く。共闘することがあればよろしく頼む」

マクギリス「では、始めるとしよう」

マクギリス「さて、まずは回避理論だな。君は回避をどういう行動だと考える?」

一夏「そりゃあ、攻撃を避ける為のもんだろ?」

マクギリス「その答えでは半分くらいだな。より正確には、攻撃に繋げる為の一手としての回避、と言ったところか」

一夏「攻撃に繋げる一手…」

マクギリス「逃げに徹したところで、勝利は掴めない。チャンスを見極め、手にする為の一手が回避、と考えた方がいい。無策に避け続けるのでなく、回避を通して相手の行動をコントロールする事も出来る様になれば、自ずと勝ち筋は見える筈だ」

一夏「む、難しいな…」

マクギリス「まずは自分の有利な間合いに入れる様に動く、というのが肝要だな。闇雲に動くのではなく、相手の攻め方、逃げ方に応じて回避の仕方を考えねばならない」

一夏「なるほどな…俺は直感でやっちゃうからな」

マクギリス「勘は悪くない。だがまだ未熟だからこそ、考えねばならないのだ。後は…回避しながら、攻撃の準備を整える、くらいか」

一夏「イグニッションブーストとか、零落白夜か?」

マクギリス「正解だ。回避しながら、そう言った物を仕込める様になればより立ち回りやすくなるだろう」

マクギリス「後は…相手毎の戦術の変更か」

一夏「でも、白式じゃ近接戦しかやりようがないんじゃ…」

マクギリス「より近接戦の内容を詰める、と言った具合だ。君は紅椿とはどう戦う?」

一夏「そりゃあ、近付いて零落白夜で…」

マクギリス「では、甲龍とはどう戦う」

一夏「それも、零落白夜で…」

マクギリス「…君があまり深く考えていないのはよくわかった。だが実際、その二機相手では近接戦で圧倒されるのではないか?」

一夏「確かに…思うように戦えないっていうか…」

マクギリス「当然だ。その二機は膂力、手数共に白式を上回っているのだからな。零落白夜は本体に当てられねば意味がない、剣戟戦においてはただの刀に過ぎん」

一夏「なら、どうすれば…」

マクギリス「簡単だ。戦闘の基本は相手の得意分野では戦わない、だ。手数と膂力で負けるならば、一撃の威力で戦うのだ」

一夏「だから零落白夜だろ?」

マクギリス「ああ。だが、剣戟戦に応じるのではなく、相手の剣戟範囲外からの奇襲を主にすべきだ。ヒットアンドアウェイを繰り返し、一撃毎のダメージレースに持ち込めれば、零落白夜は脅威になる。なんせ、当たれば大打撃なのだからな」

一夏「なるほど…それはわかりやすいな」

マクギリス「逆に、セシリアやシャルならば剣戟戦に持ち込めれば勝ちは見える。それが、相手によって戦術を変える、という事だ」

マクギリス「回避も直線軌道、バレルロール、左右移動を織り交ぜて規則性を作らない…この辺りは実際にやって慣れるしかあるまい。セシリア辺りに協力を頼むとしよう」

マクギリス「基礎的な理論はこの程度でいいだろう。座学だけでは掴みきれんものでもあるし、後は修練あるのみだ」

一夏「でも、すっげえ考えてんだな。反射能力とかのが大事だと思ってた」

マクギリス「それも間違いではない。反射的行動も時には必要にもなるからな。だが、それだけでは動物と変わらん。我々には考える力がある、それは絶対な武器だ。使わない手は無いさ」

楯無「じゃ、実践訓練は私が引き受けるわ。マクギリスさんは、他の子達と模擬戦でもしてて貰おうかしら」

マクギリス「確かに。そろそろ、体を動かしたくもなってきたしな」

マクギリス(さて、誰と戦ってみるか…)

↓1と戦ってみる(模擬戦後イベントあり)

マクギリス「では、シャル。模擬戦の相手を頼もうか」

シャル「手本を見せる、ってつもりならそう簡単には行かせないよ?」

マクギリス「何。手本にならずとも、得るものはあるのさ。私も一夏も、そして君もな」

シャル「なら、とりあえず勝ち星を貰おうかな」

互いにバエルとリヴァイヴを展開し、距離を取る。

リヴァイヴからの銃撃を合図に、互いにスラスターを吹かしての戦闘行動に移る。

マクギリス(流石はシャル、私の動きを予測して近距離戦に持ち込ませない様に上手く軌道上に弾丸を撃ち込んでくれるな)

上下左右、ランダムに動き回りながら弾幕を回避する。ラピッドスイッチによる瞬時の切り替えから、ネット弾が放たれた。あえて回避でなく両断することで一気に距離を詰める。

シャル「読めてるよ、その動きっ!」

マクギリス「なっ…!」

距離を詰めた先に待ち構えていたのは、ショットガン二丁による弾丸の雨。バエルソードで粗方防いだが、距離を詰めるのは断念せざる得ない。

マクギリス(やはり対策してきたか、ならば…)

レールガンで応射しつつ、一度逃げの一手に徹する。

シャル(何かを待ってる…いや、攻め手を焦れば思う壺だ。堅実に削る取る!)

弾幕を掻い潜り、急速反転。スライドする様にしながら背後を取る。

マクギリス「先程のお返しだ、シャル!」

シャル「はやい、けどねっ!」

盾での防御を選択したシャル。その盾を弾くのではなく、そのまま押し込む事で体勢を崩させる。

シャル「うわわっ!?」

体勢の崩れた所に、更に蹴り上げで盾を跳ね上げさせる。

引っ張られる様に更に体勢を崩したリヴァイヴにスラスターを瞬時に吹かして横に一回転しながらバエルソードを振り抜く。リヴァイヴの装甲に多大なダメージを与え、吹き飛ばす。

シャル「やっぱりバエルは速いな…けど、ね!」

吹き飛ばされた体勢のまま、反撃の斉射。

マクギリス(やはり一筋縄では行かないな。流石はシャル、と言ったところか)

射線にバエルソードを重ね、弾丸を悉く弾く。

シャル「うっそ…なんで見えるの…」

マクギリス「見えてはいないさ。射線を塞いだに過ぎない」

弧を描きながら弾幕を回避、しながらバエルソードを投げ付ける。

シャル「くっ…!」

直撃を避けるべく、弾幕が止む。その隙を、見逃せる筈は無かった。

イグニッションブーストで加速、投げたバエルソードに追従、空中で掴み取りながら方向展開で急接近する。

シャル「しまっ…!?」

リヴァイヴの横を取り、斬撃を数度見舞う。リヴァイヴのスラスターの片側が沈黙したところで、回し蹴りを放ち距離を置く。

予測通り、斬られてもなお用意されていたシャルの反撃の大型ライフルが空を切る。

シャル「…今のも読んでたの?」

マクギリス「有り得る、と思ったのでね。私は臆病なのだよ」

シャル「嘘だあ…もう降参。この機体状況でバエルについてくのは無理だよ。捉えきれない」

マクギリス「では、勝ちは拾わせて貰おう」

シャル「あーあ、今度は行けるかと思ったのに…」

マクギリス「作戦は悪くなかったな。ショットガン二丁は肝が冷えたぞ」

シャル「あれでスラスターを潰せたりしたら勝ちも見えたんだけどねー」

マクギリス「…とまあ、この様に近距離機対策と、その対策の対策。大体理解出来たろう、一夏?」

一夏「いやあ、すげえな二人とも…マクギリスはマクギリスでなんであんなん避けれんだって攻撃躱したりシャルはシャルできっちり反撃差し込んだりしてたし」

マクギリス「こうなりたいならば、練習を重ねるといい。経験こそが、強くなる近道だ」

マクギリス「さて…大分、汗をかいてしまったな。私は先に部屋に帰らせて貰うとしよう」

シャル「あ、あとで部屋に行っても…良いかな?」

マクギリス「ああ、構わないが」

一夏「じゃあ、また明日」

楯無「またねー」

シャワーを浴びて、シャルを待つ。さほど時間を置かず、彼女は訪れた。

シャル「お、お邪魔しまーす…」

マクギリス「ああ。紅茶で構わないかな?」

シャル「ありがとう。いただくよ」

マクギリス「…さて、本題に入ろうか。私の所を訪れた理由を聞かせて貰いたい」

シャル「…えっとね、今度の休みって予定、入ってたりするの?」

マクギリス「いや、特には無かった筈だが…」

シャル「だ、だったら一緒に街を歩かない?美味しいお店知ってるんだー」

マクギリス「なるほど。それなら、先程話してくれれば他にも誘えたんじゃないか?」

シャル「二人っきりで!二人っきりでお願いします!」

マクギリス「わ、わかった。…何故敬語なのかわからないが、それなりに思惑あってと言う事なのだろう?引き受けた」

シャル「ありがとう…これを機に一気に…」

マクギリス「いま、何か?」

シャル「ううん、なんでもない!紅茶美味しいなーって」

マクギリス「私も気に入っている。それなりに値は張るがな」

シャル「でも、すっごく美味しいよ。どこで買ったの?」

マクギリス「一夏イチオシのスーパーだ。なかなかに品揃えも良くてな」

シャル「スーパーも侮れないんだね…僕にも今度教えて、そのスーパー」

マクギリス「では、共に行くとしようか」

シャル「うん!じゃあ、お邪魔しました」

マクギリス「いつでも来てくれて構わない。持て成そう」

シャル「あはは、紅茶御馳走様でした」

マクギリス「ああ、ではまた明日」

週末。待ち合わせ場所、30分前

シャル「待たせてごめんね!」

マクギリス「いや、私も先程到着したばかりだ。気にしなくていい」

シャル「にしても、早いんだね来るの」

マクギリス「少々、所用があったのでな。では、君のオススメの店に案内して貰おうかな」

シャル「うん!そこのパフェがね、すっごく美味しいって評判なんだよ!」

マクギリス「ほう、それは楽しみだな」

シャル「っと、マクギリス…手、繋いでも良い?人がなんか多いし…」

マクギリス「そうだな。逸れても面倒だし、繋ぐとしよう」

見慣れた道を歩きながら、所用…石動からの報告を思案する。

マクギリス(イギリスの強奪された新型…それが、米軍の秘密基地、福音の封印場所を襲撃したとは。例の組織はかなり活発化して来ている。厄介だな…)

シャル「ここだよ、マクギリス」

マクギリス「………えっ」

アイン「いらっしゃいま…えっ」

シャル「どしたの?マクギリス」

マクギリス(どうすべきだ、これは)

頭を抱えたくなった。

アイン「あの、ファリド特務三佐…?」

マクギリス「気にするなアイン、友人だ。」

シャル「もしかして知り合いだったり?」

マクギリス「ああ、昔馴染みでな…」

シャル「そうなんだー。あ、店員さん。スペシャルパフェお願いします」

アイン「あ、は、はい。承りました…」

マクギリス(やめてくれアイン、ゴミを見るような目をしないでくれ…)

あの世界での所業を考えれば自業自得なのだろうが、この方面は甚だ不本意である。

シャル「どうしたの?具合良くないの…?」

マクギリス「いや、少々悩みの種が、だな…」

シャル「悩み?なら、今度は僕がマクギリスの力になるから、なんでも言って」

ならば今すぐ帰らせて欲しい…とは言えないな。

マクギリス「ああ、時が来たら力を借りるよ」

アイン「おまたせしました…」

マクギリス(完成されたクズを見る目だぞコレは…!)

私の風評にあらぬ被害が予想される一件だ。

マクギリス(周囲の視線がやたらと痛く感じる…)

シャル「はい、あーん」

ひたすらに平静を装いながらパフェを食す。

シャル「美味しかったでしょ?ここのパフェ!」

マクギリス「ああ。ただ、私には少々甘過ぎるようだ」

シャル「あ、あはは。マクギリスは大人だもんね。じゃあ、次に行こ?」

マクギリス「ああ、是非そうしよう」

アインの視線が痛い。早く退散したい。

店を後にし、シャルの案内に任せる。

シャル「ここのクレープ美味しいんだー。すみません、ストロベリーとブルーベリー下さい」

「はーい、少々お待ちください」

マクギリス「ふむ、確かにこれは美味そうだ」

マクギリス「ふむ、なかなかに美味だな」

シャル「でしょ?ね、半分こしない?」

マクギリス「そうだな。では、どうぞ」

パフェを差し出す。とても嬉しそうな笑顔でシャルは受け取った。

シャル「はい、マクギリス」

マクギリス「いただこう」

シャルのパフェを受け取り、賞味する。

マクギリス「こちらもなかなかに美味しいな。今度、他のメニューも食べてみたいものだな」

シャル「うん!ならまた一緒に来よう、マクギリス」

マクギリス「ああ。その時を楽しみにしている」

二人、手を繋いで帰路に着く。鮮烈な記憶と共に、今日という日を思い出にしてこの日を終えたのだった。

次回予告

マクギリス「さて、この場を借りて謝罪させて貰おう」

マクギリス「先週はすまなかったな。土曜日は飲み会でな。月曜日は昼勤務であったが故に書く事が出来なかった」

マクギリス「階級は上がったので、まだまだ頑張りたいところではあるのだが、やらねばならない仕事があるので一旦これまでとさせて欲しい。それが終わり次第書くやもしれないが、あまり期待はしないでくれ」

マクギリス「では次回、インフィニットマクギリス。キマリスヴィダールのドリル音。…我ながら思うのだが、毎回サブタイトルがやっつけ仕事過ぎるのでは…?」

マクギリス「待たせてすまない、諸君」

マクギリス「とりあえず、前回最後。パフェではなくクレープだ。他にも細かいミスがあるが、見逃してもらえると嬉しい」

マクギリス「さて、では書かせて貰う。が、原作を読み返しながらなので若干スローなのは許容して欲しい」

マクギリス「それと、この機体やこのキャラどうなってんの?などと言った質問に関しては構想が練れていてかつ話の重大部分にならない程度には答えていくので気軽に質問して欲しい」「答えちゃうんだなぁこれが!」

マクギリス「!?…では、執筆を始めよう」

第十五話 キマリスヴィダールのドリル音

マクギリス「まず、説明して貰いたいな。更識楯無」

部屋に戻れば待ち構えていたのは、エプロン水着というマニアックな格好の生徒会長、更識楯無。

楯無「それは勿論、コーチ役同士で交流を、ね?」

マクギリス「では、いつの間にか学園祭の出し物の投票で男子を景品代わりにしていた件にも説明をして貰おうか」

楯無「あ、あはは…それは色々事情はあるんだけど、ね?もしかして怒ってる?」

マクギリス「勝手に事態を引っ掻き回された上に不法侵入されたのでは怒るな、というのは無理だろう」

楯無「あら、不法侵入じゃないわよ?私もここに住むの」

マクギリス「…なん、だと…」

頭が痛くなってきた。

楯無「ま、まあまあ。詳しい事は明日生徒会室で話しましょ?」

マクギリス「やれやれ。困った女だ、君は…ところで、繰り返し聞くが何故そんな格好なんだ、私の評判を落としたいのか」

楯無「んー、何か面白い反応があるかなーって、ね?」

マクギリス「君と真面目に会話をするのを辞めたくなるな、その発言は。年頃の女性がみだりに肌を晒すな、はしたない」

楯無「お堅いわねー。大人の余裕たっぷりなのもそれはそれで悪くないけど」

マクギリス「君は私をなんだと思っているんだ…」

楯無「ギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊司令官、マクギリス・ファリド准将でしょ?」

マクギリス「…なるほど、君は、いや君の家はこちらの組織と繋がりがあるわけか。それに、私を利用するつもりで近付いて来たということか」

楯無「あらやだ人聞きが悪い。私はただの生徒会長よ?学園の皆が幸せに学園生活を送れるように、力を貸して欲しいだけよ」

マクギリス「どこまで本気なのやら…にしても、随分と急な話だな。なにから何まで、学園祭は明後日だと言うのに」

楯無「貴方なら口八丁手八丁で逃げ道を作っちゃいそうだもの。だから、仕掛けるなら逃げ道を作れないギリギリにしないとダメでしょ?」

マクギリス「厄介な女だ…」

面倒事ばかり、舞い込んでくるものだ。

マクギリス「では、改めて説明をして貰おう」

生徒会室。その卓を囲むは、私と更識楯無、その楯無の家に代々仕える家系であるという、布仏虚、その妹であり私のクラスメイトでもある布仏本音。

楯無「まず、学園祭での投票決戦。あれは実は男子を生徒会に引き入れたい、というのが本音よ」

本音「えー、私ー?」

虚「違うわよ。しばらく静かにしてなさい」

楯無「男子を巡って部活間で水面下で小競り合いが頻発しててね。まあ、他にも思惑はあるけどそれは後述するわ。ともかく、貴方にも生徒会に入るメリットはあるはずよ」

マクギリス「確かに生徒を統括する立場となれば動き易くなるだろうからな。では、他の思惑も聞かせて貰いたい」

楯無「もうギャラルホルン経由で情報は来ているんでしょう?亡国企業、それの対処のためよ」

マクギリス「近年…いや、特に最近になって活発化しだしたISテロ組織、か。やはり君も、仕掛けてくると考えている訳だな?」

楯無「ええ。ISを奪うことを考えている組織である以上、バエルとバルバトス、白式は格別の獲物の筈。間違いなく、仕掛けてくるわ」

マクギリス「その為の戦力補充にサイレント・ゼフィルスにシルバリオ・ゴスペル。もっとも、福音の方は失敗したようだがな」

楯無「…そこまで掴んでいるの?ギャラルホルンはやっぱり凄いわね…」

マクギリス「ともかく、事情は把握した。ならば、仕掛けてくるとなれば間違いなく…」

楯無「ええ。人が集う明日の学園祭。一般人は招待された人物限定とはいえ、紛れ込むのは造作もない筈よ」

マクギリス「協力はさせて貰おう。私とて、学生の一人なのだから」

楯無「うん、頼りにさせて貰うわ。じゃあ明日、頑張ってね」

生徒会室を後にし、明日に備える。

マクギリス(執事喫茶に亡国企業…厄介にも程があるな)

学園祭、とりあえず職務に勤しむ。

マクギリス「いらっしゃいませ、お嬢様」

「やばい、すっごくカッコいい」「なんか、風格あるよねー」「執事似合い過ぎでしょー」

一夏「やっぱマクギリスはかなりしっくりくるな」

マクギリス「そうか?だと良いのだがな…」

三日月「いらっしゃい。何にするの?」

一夏「三日月のあれはあれでいい感じだけどな」

マクギリス「無駄口を叩いている暇は無いようだ。仕事に掛かるぞ、一夏」

一夏「おう!」

女性客の行列が、既に出来上がっていた。

マクギリス「さて、今週もやってきた、執筆の時間だ」

マクギリス「仕事上がりのバエルはやはり格別なものだな。疲れもストレスも綺麗に吹き飛ばしてくれる。階級も上げられたしな」

マクギリス「HGCEデスティニーを買ってきたので、組み上げながら書かせて貰おう。しかし、感慨深いものだ。私が子供の頃憧れた初めてのガンダムを再びHGで組む日が来ようとは…」

マクギリス「では、始めよう」

マクギリス(やはり、凄まじいな。解っていた事ではあるが)

多数のお嬢様、もとい客を捌きながら目を光らせる。

マクギリス(流石にこの場では仕掛けないだろうが、仕込みはする可能性がある。私や三日月ならばともかく…)

どこぞの企業の一員であろう女性に、しつこい勧誘を受ける一夏の姿が目に映る。

マクギリス「鷹月さん、すまないが一夏に助け船を。対処に困っているみたいだからな」

鷹月「うん、解った。マクギリスさんは次8番お願い」

マクギリス「ああ、了解した」

マクギリス(彼は陰謀だのへの嗅覚に疎い。要らぬ事態になる前に忠告は済ませておくべきか)

マクギリス「一夏、少しいいかな?」

一夏「ん?どうした」

マクギリス「なに、少し気になったのでね。…外部の人間に、どの様に誘われようとも二人きりになるのは避けた方がいい。我々男性操縦者とは、ある意味特別過ぎるというのを意識に留めておいてくれ」

一夏「まあ、そりゃどこだって男性操縦者のデータは欲しいだろうしな」

マクギリス「そういう事だ。最悪、拉致などの事態も考えられる。気を付けておいてくれ」

一夏「解った、気を引き締めておくよ」

「あ、いたいた。マクギリス君にミカ君に一夏君」

マクギリス「…楯無か。なんの用かな?」

楯無「こっちのお仕事。三人ともこの服に着替えて、これを被ってね」

マクギリス「…なんだ、これは…」

どこの国の王子だ、と言いたくなるコスチューム。

楯無「これから生徒会主導の観客参加型演劇をやるのよ。三人は主役」

一夏「だ、台本も無しにいきなりですか!?」

マクギリス「我々には仕事があるのだが?」

楯無「基本アドリブのお芝居だから台本は無いわ。話は付けてあるし、問題無いわよ。さあレッツゴー!」

彼女に連れられ、会場に向かう羽目になる。困った女だ…

楯無の指示の元、配置に着く。

続く、楯無のアナウンス。…シンデレラ、だと…?

楯無「否、それはもはや名前では無い。幾多の舞踏会を切り抜け、群がる敵兵を薙ぎ倒し、灰燼を纏う事厭わぬ最強の兵士達。それを呼ぶに相応しき称号、即ち『灰被り姫』ッ!」

マクギリス「……は、?」

話が意味が解らない。これは、いったい…?

疑問を解消する間もなく、ナイフが頭目掛けて飛んでくる。咄嗟に回避して投擲元を探す。それは、見覚えのある銀髪の美少女。

マクギリス「どういうつもりだ、ラウラ…?」

ラウラ「問答の暇がない。黙って私に王冠を渡せ」

マクギリス「ならば先にそう言ってくれ。こんなもので良いならば差し出す。武器は収めてくれ」

ラウラ「流石嫁、察しが良くて助かる」

王冠を外そうとした瞬間、楯無のアナウンスが響き渡る。

楯無「王子様にとって国とは全て。その機密が隠された王冠を失うと自責で電流ビリビリよ」

マクギリス「……は、っ?」

その言に違わず、体を電流が襲う。

マクギリス「ぐう、っ…!?」

慌てて王冠を戻さざるを得ない。

マクギリス「悪趣味な…すまない、ラウラ。これでは渡すに渡せん、命に関わることなのでな」

ラウラ「あの女め…仕方ない、代わりに誰にも取られるな。絶対に」

マクギリス「解っている。これでは手放せん」

ラウラ「フォローはしておく、逃げろマクギリス」

マクギリス「感謝する」

言葉に従い、離脱する。王冠狙いと見える女子の群れが、既に迫っていたのだから。

隠れ、逃げ回り、やり過ごす。不意に、嫌な予感に襲われる。

マクギリス(殺気…この様な混乱、奴等には恰好の状況か。楯無め、考え無しに引っ掻きまわし過ぎだ)

事実、三日月や一夏の姿は見えず、逃げ込んだ先に待ち伏せされる、などと言う危険もある。

そんな危惧は、数分で現実と化した。

次回予告

三日月「アンタ、何?敵なの?」

一夏「気を付けろ三日月、こいつは…!」

「ああ、お察しの通りさ!お前らのISをよこしやがれ!」

そして、戦場に混ざり込む異物。

マクギリス「馬鹿な、この機体は…!?」

「そうか、貴様には馴染み深いのだろう?喜ぶがいい、この世界で再会した事を」

次回、ガンダム・フレーム。

マクギリス「さて、謝罪に移らせて貰おうか」

マクギリス「本当は昨日の内にここまで書きたかったのだが、用意している合間に睡魔に敗北してしまった。申し訳ない」

マクギリス「次回はきっちりと一話分書きたい…が、あまり期待はしないでいてくれ。最近、仕事が激務でな…」

マクギリス「では諸君、また来週」

マクギリス「待たせて申し訳ない。そろそろ、書きに入らせて貰う」

マクギリス「どうにも最近、仕事もバエルも調子が悪くてな…降格の憂き目に遭うなど、不調でな…」

マクギリス「気を取直して、なんとか再開させて貰おう」

マクギリス「ところで諸君はもうFAガールの劇場版は見たかな?」

マクギリス「最後に出てきた彼女達の活躍、期待させて貰おう…!」

マクギリス「それと、総集編に近いからと言って途中で退室するのはやめて欲しい。マナーとして、そして映画に対して失礼極まるからな。一人くらいならトイレか体調不良だろうと思えたが、三人四人と出て行かれると、な」

マクギリス「そういえば、今はもうMよりFの方がバエルには良いのだろうか?最近見かけるバエルは大概Fだし、私もFバエルに慣れるべきか…」

マクギリス「では、デスティニーを完成させながら書かせて貰おう」

第十六話 ガンダム・フレーム

敵襲の知らせと共に、バエルに通信が入る。

千冬「ファリド、オルコット、凰は哨戒に当たれ。敵は内部に潜入して戦闘を始めた以上、必ず外部からも来る」

マクギリス「了解した。三日月、そちらは」

三日月『大丈夫。すぐに仕留めるから』

マクギリス「…頼もしいな」


一夏「ミカッ!」

三日月「生きてる?一夏。で、…アンタが敵って訳だ」

「ハッ!ノコノコとこのオータム様の前に出やがって、誘い出さ…ぬがぁっ!?」

死角からのテイルブレードがオータムの機体に襲い掛かり、台詞を中断させた。

三日月「ごちゃごちゃとうるさいよ。さっさと消えろ」

オータム「テメエ…ブチ殺してやるよ!クソガキがぁっ!」


IS学園上空、バエルで先行する。

マクギリス「あちらは問題無いだろう…さて、敵は何処から…」

セシリア「来ましたわ!2時の方向、三機の機影を確認しまし…!?」

マクギリス「エイハブウェーブだと…!?」

先行する、真紅の機体。エイハブウェーブに驚く隙もなく、手にしたライフルからビームが放たれた。実に正確な射撃。

「見せて貰おうか、この世界のガンダムの性能を…!」

マクギリス「この距離から狙って来るか!」

散開して直撃を避ける。敵はサイレント・ゼフィルス、マッチングリストに該当しない真紅の機体。そして…最後の一機が、手にした得物を構えて突進してくる。

マクギリス「よもや、この世界で見える事になるとは…!」

かつて友が駆り、自分を打ち倒した機体。偽装を解いたキマリスが襲い掛かって来ていた。


三日月「邪魔だよ、アンタ」

オータム「この、ガキが!調子付きやがって!」

一夏「こっちも居るって忘れてないか!?」

背後から雪片が振るわれる。回避に意識を割くオータムをメイスの一撃が打ち据え、戦っていたロッカールームから演劇の舞台となっていた会場へと叩き出す。


マクギリス「そちらは任せる、この機体は私でなければ相手にもなるまい…!」

キマリスの攻撃を捌きながら、観察する。

マクギリス(ガンダム・フレームをそのまま再現している。つまりは無人機か…ふざけた真似をしてくれる)

マクギリス「そんな仕様で、私を倒そうとはな!」


セシリア「そんな…BT適性は私が最高値の筈、それが何故…フレキシブルまで、!」

ブルーティアーズから放たれたミサイルを、ビームが湾曲、追尾するかの様にして破壊した。


鈴「なんなのこいつ、この速さ…!?」

甲龍を、ビームが襲う。

「君では私の相手にはならんよ」

オータム「クソがっ!こんなガキ共に!」

三日月「だからさ、ごちゃごちゃうるさいよ」

オータムの機体が、バルバトスに蹂躙される。


増援の迎撃部隊が突破される。

鈴「こいつ、いったい…!?」

真紅の機体の蹴りが、甲龍を吹き飛ばした。

セシリア「鈴さん!くっ…よくも!」

対峙するブルーティアーズとサイレントゼフィルス。力量差は、歴然だった、

マクギリス「このままではいかんな…」

キマリスとの打ち合い、撃ち合いは並行線を辿る。幾度となく剣と槍がぶつかり合う。

「ふん、噂通りなのは貴様だけか」

横合いから、セシリアを退けたゼフィルスのビーム攻撃。回避に意識を割いた隙を、キマリスのランスが的確に突き、バエルを舞台へと叩き付けた。

マクギリス「ぐっ…」

ラウラ「マクギリスっ!無事か!?」

見れば、機能の大半を潰された敵機を捕縛する寸前だった。

「不様だな、オータム」

オータム「うるせえ!まだ機体に馴染んでねえだけだっての!」

ゼフィルスのビットと真紅の機体のビームが包囲網をズタズタにする。その隙にオータムと呼ばれた女は機体のコアを外し、その機体の自爆機能を起動した。

「これ以上は少々厄介になる。今の内に離脱するぞ、エム、オータム」

真紅の機体のパイロット…仮面を付けた男が、そう発した。

マクギリス「逃すものか…!」

真紅の機体への突進を、キマリスに阻まれる。

それと同時に、オータムが捨てた機体が爆散する。…その隙に、既に敵影は消えていた。

マクギリス「…逃した、か。無事か、皆」

シャル「うん、なんとか…ラウラが爆風を逸らしてくれたから」

楯無「あの赤い機体、ただ者ではないわね。男な上に、あの実力…」

一夏「ちくしょう、なんなんだあいつらは…!」

マクギリス「無事に済んだ事を喜ぶべきだろう。課題は増えたが、な…」

そう口にしながらも、内心解っていた。これだけの数の専用機、二機のガンダムフレーム。それがたった四機に掻き回され、誰一人捕まえられなかった。この世界に来て初めての、明確な敗北であった。

次回予告

楯無「ところでマクギリスさん、これなーんだ?」

マクギリス「私が付けていた王冠….?戦闘のどさくさに紛れて回収とは、阿漕な真似を」

楯無「これを手にした女子は、被っていた男子と同室になるのです!いえーい」

マクギリス「なんだと…聞いてないぞ、そんな話は…!」

楯無「生徒会長権限で絶対よ?観念なさいな」

マクギリス「何故そんな真似を…」

楯無「聞きたい事が色々あるから?あと面白そうだから!」

マクギリス「困った女だ…」

楯無「次回、インフィニットマクギリス。サイレント・ゼフィルス」

マクギリス「また厄介事の予感がするな…」

マクギリス「随分と、待たせてしまったな。申し訳ない」

マクギリス「体調が悪かったり、夜勤明けに名古屋遠征したら次の日まで死に掛けていたりでマトモに書く余裕がなくてな」

マクギリス「では、HGシナンジュスタインを組みながら書かせて貰おう」

マクギリス「キャノンボール・ファスト…確か、国際競技の一種だったか」

楯無「でもって、このIS学園のあるこの地では市の行事の一環で毎年開催されてるのよ」

マクギリス「…またしても、催事とはな。多過ぎでは無いだろうか」

楯無「まあ、今年は特に、ね?」

マクギリス「どう考えても事件の匂いしかしないんだが、警備は万全と言えるのか?」

楯無「むーり。野外競技だしね」

マクギリス「…困った物だな」

楯無「で、競技の自信の程は?」

マクギリス「速さを競うなら、バエルの相手になりうるのは白式と紅椿だな。もっとも、単純なレースではないので一概には言えないがな」

楯無「で、終わったら一夏君ちで誕生日パーティーでしょ?」

マクギリス「だからこそ、無事に終わって欲しいんだ」

キャノンボール・ファスト当日。

マクギリス「専用機持ちによるバトルレース…流石の観客数だな」

シャル「だね。楽しみだよ」

マクギリス「…セシリア。随分、気合が入っているな」

セシリア「え、ええ。良い試合にしましょう」

マクギリス(…随分、根を詰めていたようだが…やはり以前サイレント・ゼフィルスを取り逃がしたのが大分堪えたみたいだな)

三日月「あー…つまり、別に攻撃はしてもいいんだよね?」

マクギリス「ああ。もっとも、回避した方が距離は稼げるだろうがな」

三日月「ふーん…」

マクギリス「さて、そろそろ時間だな」

周りは全て競い合う相手となる。各自は切り札を隠し、勝負に臨む。

戦いの時間となり、一年専用機持ちが並び立つ。

マクギリス(壮観だな。私のバエル、三日月のバルバトス。セシリアのあれはストライクガンナーか。強襲離脱用装備だったか)

マクギリス(鈴のは初めて見るタイプだな。横向きの衝撃砲からして、完全にキャノンボール・ファスト仕様と言ったところか?)

アナウンスに従い、スタート地点まで移動する。 シグナルランプが点灯し、カウントが始まる。

スタートと同時に、セシリアが先頭に踊り出る。

コーナーを過ぎ、鈴が勝負を仕掛ける。衝撃砲を用いてセシリアを牽制、回避に余裕を割いたセシリアを鈴が抜き去る…それを更に、鈴の背後にスリップストリームを用いて機会を窺っていたラウラが先に出た。

シャル(バエルが先頭になれない筈がない。何か仕込んで…いや、悉く先手を取るしかない!)

鈴が対応するより早く、ラウラの大型砲の弾丸が鈴を捉える。直撃ならずとも、大きくコースを外れる。

マクギリス(では、そろそろ行かせて貰うと…!)

混戦しだした前方を一気に抜くべく力を込めようとした私を、白式が襲撃する。

一夏「マクギリスを自由にさせといたら間違いなく首位を取られるからな」

マクギリス「挑んでくるか。その心意気、買わせて貰おう!」

バエルソードと白式のクローが交差する。

箒「背後が空いている!」

紅椿の奇襲。それを白式を弾いた反動で避け、双方にレールガンの弾を見舞う。…掠めた程度。被害は殆どない。

マクギリス「今の連携は悪くなかったな。即席か?」

一夏「いや、打ち合わせ通りさ」

マクギリス「何…!?」

二人に気を取られている私の頭上から、バルバトスが強襲を掛ける。辛うじて、バエルソードを交差させて受ける。

三日月「やっぱチョコの人は厄介だな。先に潰さないと」

マクギリス「まったく、随分と目を付けられた物だな」

混戦模様なったバトルレース。だが、そこに一石を投じたのは参加者達では無かった。

降り注ぐ、上空からの砲撃。見覚えのある機体が、次々と先頭を駆けるシャル達を撃ち抜いていく。

マクギリス「つくづく暇な連中め…!」

三日月「アイツ…この前の」

セシリア「サイレント・ゼフィルス…あの機体は、私が!」

一方的に通信を切り、セシリアがゼフィルスに突撃を掛ける。

シャル「行って、マクギリス!」

マクギリス「大丈夫か、シャル。機体の損傷は」

シャル「僕もラウラも鈴もスラスターをやられた。このままじゃセシリアが…!」

マクギリス「わかっている。私が必ず、彼女を連れて戻る。三日月、君達はここの防衛を。奴一機とも限らない」

三日月「わかった。アンタも気をつけて」

市街地に抜けたであろう二機に向けて、スラスターを最大限に使用し空を駆ける。

マクギリス「見えた…!」

ゼフィルスと、セシリア。状況は劣勢。

ゼフィルス「…ようやく、白馬の騎士様のお出ましか」

マクギリス「何…?このエイハブウェーブは…!」

敵の狙いはセシリアではなく、セシリアの身を案じ追撃に出た私自身、というわけか…!

迫り来るキマリス。応戦の隙を、ゼフィルスが付け狙う。

マクギリス「くっ…セシリア、即席ではあるが後ろは任せる。良いな?」

セシリア「あ…はい、お任せを!」

まずはナノラミネートアーマーを持つキマリスを狙う。キマリスのランスとバエルソードが甲高い音を立てぶつかる。互いに引かぬ押し合いに、セシリアの援護とゼフィルスの妨害。一進一退の攻防が飛び交う。

私の隙をセシリアが。セシリアの隙を私がフォローする。

ゼフィルス「ちいっ…」

対して、ゼフィルスとキマリスは互いに協力するのではなく、目の前の敵を叩く事を優先しているが故に、互いに邪魔をし合う結果になっていた。

キマリスの頭部に、バエルソードが突き刺さる。その隙を狙うゼフィルスを、セシリアのライフルが妨害する。

ゼフィルス「使えん木偶人形が…」

互いに心を通わせた連携こそが、戦局を覆す。そう、我々の戦いは一人ではないのだ。

キマリスの膝のドリルを蹴り折り、機能中枢にバエルソードを突き刺さす。沈黙するキマリス。

ゼフィルス「この…!」

セシリアの射撃を躱し、突撃してくるゼフィルス。

切り結ぶ私の背後から、高出力ビームが放たれた。回避は不可能に近い。損害を覚悟し、ゼフィルスへの攻撃を優先する。

セシリア「マクギリスさんっ!」

そのビームを、セシリアが身を呈して庇った。

「引き上げだ、エム。これ以上は消耗戦になる」

ゼフィルス「…ちっ」

赤い、金の装飾の施された機体。それの指示で、ゼフィルスは引き上げていく。

マクギリス「セシリア、無茶をし過ぎだ」

セシリア「マクギリス、さんは…無事、でして?」

痛みに呻くセシリア。右腕に痛々しい傷。

マクギリス「ああ。君のおかげだ。感謝する」

セシリア「良かっ、た…」

気を失い、機体が待機状態に戻ったセシリアを抱える。

マクギリス「…私だ。敵機を破壊した。コアは無事だろうから、回収を頼む」

千冬『キマリスとかいう無人機か。良くやった。オルコットは』

マクギリス「負傷はしているが、命に別状はない。治療の手配を」

予定外の事態ではあったが、乗り切る事は出来た。

セシリア「マクギリスさん、次はケーキをお願いしますわ」

一夏の家での、誕生日パーティー。…人数、やけに多い気がするのだがな。

マクギリス「ああ。どうぞ」

セシリアの口にケーキを運ぶ。まさに至福、といった顔のセシリア。

シャル「ずるいなぁ…僕が食べさせてあげようか?」

マクギリス「いや、私の仕事だ。彼女には救われた借りがあるからな。この怪我も、私の責任だ」

シャル「マクギリスは本当にそういう所生真面目だなぁ…」

セシリア「マクギリスさん、私はもう大丈夫ですから一夏さん達とお話しなさっては?」

マクギリス「本当に良いのか?では、御言葉に甘えよう」

マクギリス「…ん?君は、確か一夏の友人の妹さん、だったかな?」

蘭「は、はい!マクギリス・ファリドさんでしたよね!五反田蘭です!ご活躍はかねがね伺っております!是非サインを…あいたっ」

鈴が背後から蘭を小突く。

鈴「なーに誕生日パーティーでサインなんてねだってんのよ。大方クラスの連中に頼まれたんでしょ」

マクギリス「ふむ、なるほどな。あまり慣れてはいないが、私ので良いなら構う事はないぞ、鈴」

蘭「ありがとうございます!」

鈴「そう?アンタがそういうなら良いけど」

楯無「人気者ねえ。少しジェラシー、かしら」

マクギリス「物珍しいだけだろう。では、失礼」

サインを渡し、このパーティーの主役の元へ向かう。

一夏「お、マクギリス。セシリアは大丈夫そうか?」

マクギリス「ああ。義理深い少女だよ、彼女は。傷よりも友の誕生日を祝いたいとはな」

一夏「まあ、セシリアも皆も良い奴だからな」

マクギリス「同感だ。では改めて一夏、お誕生日おめでとう。受け取って貰いたい」

プレゼントを渡す。

一夏「これは?」

マクギリス「バエルだ」

一夏「…えっ?」

マクギリス「正確には発売中のフルメカニクスのガンダム・バエルだ。出来は凄まじく良いぞ」

一夏「あー、プラモデルか。ありがとな」

マクギリス「何、悩んだ末に私が貰って嬉しい物を、とな。気楽に作ってくれ

マクギリス「…飲み物の消費が激しいな」

一夏「人数居るしなぁ…買ってくるよ」

マクギリス「いや、私が行こう。主役に雑用をやらせる訳にはいくまい。君は友人に希望を聞いて来てくれ」

一夏「なんか、悪いな」

マクギリス「気にするな。私も少々、外の空気を吸いたいのでな」

セシリア、シャル、ラウラに箒に楯無、鈴の希望を書き留め、一夏の友人達の分のメモを受け取り、外に出る。

マクギリス(この分ならばスーパーの方がいいか)

手早く仕入れ、一夏の家に戻る…その行く手、街灯の下に佇む小柄な少女。

マクギリス「君、どうかしたのかな…!?」

その容貌は、織斑千冬の生き写しと言わんばかりの、瓜二つだった。

次回予告

楯無「ねーえ、私の見せ場全然無いんだけど?」

マクギリス「唐突に何を言いだすんだ。君は散々好き勝手して来たろう」

楯無「私も暴れたいの!」

マクギリス「勘弁してくれ」

楯無「次回、インフィニット・マクギリス。失敗作とガンダム。ガンダムは…敵ぃいい!」

マクギリス「近いが違うだろう君はっ!?」

「誰が失敗作だ、誰が出来損ないだ!」

マクギリス「君の事ではない、下がれ」

第十八話 失敗作とガンダム

マクギリス「君は、一体…」

「織斑マドカ、だ。マクギリス・ファリド」

マクギリス「織斑…なるほど、その声はゼフィルスのパイロットか」

マドカ「ほう、流石だな。腑抜けた学生どもとはやはり違う」

マクギリス「何用だ。まさか、軍門に下りに来た訳ではあるまい」

マドカ「バエルを差し出せ。そうすれば、貴様には手出ししない」

マクギリス「良いだろう。君にバエルを差し出そう」

マドカ「ほう?話が解る奴で何よりだ」

差し出すは、フルメカニクスのバエル。

マドカ「…貴様、馬鹿にしているのかっ!?」

律儀に受け取り、一度しまってからの発言だった。

マクギリス「違ったか?私の直感では、君もアグニカとバエルが好きだと思ったが」

マドカ「違わないが違うっ!しかも初回限定ではないではないかっ!」

マクギリス「すまない、初回限定のバエルは一夏に渡したのが最後でな」

マドカ「おのれ織斑一夏め、またしても…覚えておけっ!」

ゼフィルスを展開、逃げる様にして飛び去って行った。

マクギリス「……本当に何をしに来たんだ…?」

流石に、困惑せざるを得ない。

翌日。自室に戻ると待ち構えていたのは更識楯無。

マクギリス「お引き取りいただきたい」

楯無「扱い雑すぎないかしらっ!?」

マクギリス「私は少々疲れていてな。君の企みに付き合う余裕は無いんだ」

楯無「背中流してあげるから、話を聞いて貰えないかしら?」

マクギリス「そういうところだぞ楯無。…で、用件は」

楯無「襲撃…ぽいの受けたんでしょ?護衛、つける?」

マクギリス「結構。生半可な戦力で対処出来る相手ではあるまい」

楯無「そうよねー…あと、もう一件」

マクギリス「なんだ?」

楯無「うーん、と、その、ね?」

珍しく、歯切れが悪いな。

楯無「妹を、お願いします!」

マクギリス「更識簪。君の妹で、四組の専用機持ち、か」

楯無「そうなのよ。だけど、専用機は未完成で実戦段階じゃ無いのよ」

マクギリス「なるほど、キャノンボール・ファストに四組の専用機持ちが居なかったのはそれが理由か。それで、私に何をさせたいんだ」

楯無「それでね、昨日の襲撃事件を受けて、全体の練度を上げる為に全学年合同でタッグマッチをするんだけど…そこで、簪ちゃんと組んであげて欲しいの!」

マクギリス「それは構わないが…何故、私なんだ?」

楯無「それは簪ちゃんに会えばわかるわ。それじゃ…よろしくお願いします」

マクギリス「…ああ。私としても、学園の戦力増強は必須と考えていた。その為ならば引き受けるさ」

楯無「ありがとう。遅くにごめんなさい」

マクギリス「気にするな。必要な話であるならば問題はない」

楯無「それじゃ、おやすみなさい」

マクギリス「ああ、おやすみ」

眠りに着いた頃に、緊急通信で叩き起こされた。

マクギリス「エネルギー波、だと?」

千冬『お前が現れた時と同じ物だ。第2アリーナだ』

マクギリス「わかった、急行する」

バエルを使い、上空から無人の筈のアリーナを見下ろす。倒れている人影を捕捉、近くに降り立ちバエルを解く。

そしてその顔に、絶句せざるを得なかった。

マクギリス「…ガ、エリオ、?」

間違いだ。他人の空似の筈だ。此処に居る筈がない。居て良い筈がない。

そう、否定しても、目の前の現実は、自分の認識は。かつての友の姿を、如実に捉えていた。

マクギリス「…何故だガエリオ、何故、何故お前が現れた!?」

ガエリオを揺さぶる。ゆっくりと開かれたその眼は、やはり間違えようがないものだった。

ガエリオ「う、俺は…」

マクギリス「答えろガエリオ、何故お前が此処に来る!?」

ガエリオ「な…マク、ギリス…なのか…?」

マクギリス「…やはり、ガエリオ、なのか。向こうで、何が起きた…何故、お前が…」

ガエリオ「ば、化けて出たのか!?いや偽物か!?此処は何処だ!?」

マクギリス「…何を言っている。私は私だ。お前こそ、何故この世界に来た」

ガエリオ「…本当に、マクギリス、なのか?…どういう事だ…?」

千冬「ファリド、そいつがそうか。…知り合いか?」

駆け付けた織斑千冬。それに背を向け、ガエリオから視線を外す。

マクギリス「ああ。私の友じ…いや、顔見知りだ。悪い男ではない、説明して丁重に扱ってやるといい」

ガエリオ「マクギリス…?何故、今…」

千冬「…ファリド?」

マクギリス「私も明日は早いのでな。失礼する」

ガエリオ「な、待て、マクギリス!マクギリス!」

その呼びかけに応えぬまま、私は部屋へと逃げ帰った。

マクギリス(今更、どのような顔をして接しろと言うのだ。否、接するだけの権利は、もはや私にはあるまい)

翌日。転入生という扱いで、ガエリオは一組に入る事となった。

ガエリオ「ガエリオ・ボードウィンだ。事故で記憶喪失でな。すまないが、色々と知らぬ事ばかりなので手助けしてくれると有難い」

三日月「ね、良いの?あれ、ガリガリでしょ」

マクギリス「気にする必要は無い。遺恨などは引きずるなよ、要らぬ波風になる」

三日月「俺は別に…けど、アンタは?」

マクギリス「既に終わった話だ。気遣いは無用だ」

三日月「そう。」

そう、既に終わった関係でしかないのだ。奴と、俺は。

放課後。早速、更識簪の元へ…向かわんとする私の前を、ガエリオが遮る。

マクギリス「…すまないが、通して貰えないか。私は忙しい身でね」

ガエリオ「先に話を付けるべきは俺ではないのか、マクギリス」

マクギリス「先約がある。それに、君と話す事はない…君とて、本当は私と顔を合わせるのも嫌だろう」

ガエリオの脇を、強引に通り抜ける。

ガエリオ「…マクギリス…」

一夏「えっと…ガエリオ、さん?マクギリスと知り合いだったりするのか?」

ガエリオ「…ガエリオで構わない。奴とは幼馴染だ」

一夏「そうなのか」

シャル(ガエリオ…確か、マクギリスの…)


マクギリス「失礼、更識簪さんは居るかな?」

簪「何か、御用ですか?」

マクギリス「今度のタッグマッチ、是非とも私と組んで貰えないかな?」

簪「…何故、ですか?」

マクギリス「タッグマッチの目的は、全体の練度を上げる事だ。私としては、君との連携訓練も積んで置きたい。勿論、必要な助力はさせて貰おう」

簪「…一つ、条件が、ある」

マクギリス「何かな?」

簪「バエルの写真、沢山撮らせて。色んなポーズで」

マクギリス「あ、ああ。分かった」

楯無の言っていた事を、ようやく理解した。

マクギリス「では、まずは君の専用機の完成から目指…」

簪「必要ない。一人で完成させる」

マクギリス「な、待ってくれ。君の機体は…」

簪「姉さんにも出来た、私にだって…!」

駆け出してしまう、簪。

マクギリス「…困ったものだ…」

彼女を追う。曲がりなりにも、パートナーなのだから。

アリーナに着き、簪を探す。…飛行試験中の様だった。

マクギリス(基本形は出来ていたのか。ならば完成は近いはずで…む、?)

簪の機体のスラスターの一基が不自然に明滅、爆発した。制御を失ったらしく、墜落していく簪。

マクギリス「不具合か!?」

バエルを緊急展開、簪に追い付き、壁に激突する寸前でバエルを割り込ませ、簪を受け止める。

マクギリス「くっ…」

簪「マ、マクギリス、さんっ!?」

マクギリス「怪我はないか、簪」

簪「わ、私は平気。でもマクギリスさんが…」

マクギリス「マクギリス、と、呼び捨てで構わない。バエルはこの程度では傷一つつかない」

簪「その、ごめんなさい。ありがとう、助けてくれて」

マクギリス「気にするな。だが、今後は一人で無理をするな。こんな事故で怪我をしては、勿体ない」

簪「は、はい…」

マクギリス「では、私は報告を上げておく。事故が起きた以上、必要だからな」

簪「本当に、ごめんなさい…」

マクギリス「何、謝罪は不要だ。ゆっくりと休め。明日から、皆で完成を目指そう」

簪「はい…本当に、ありがとう」

マクギリス「ああ、では、また明日」

報告を上げて、自室に帰る…待ち構えるは、ガエリオ。

簪「本当に、ごめんなさい…」

マクギリス「気にするな、事故では仕方ない。君に怪我が無くて良かった」

簪「でも…」

マクギリス「ならば、私の言う事を一つ、聞いては貰えないかな?」

簪「私に出来る事なら、なんでも…!」


マクギリス「皆で、君の機体を完成させよう」

簪「えっ、?」

マクギリス「一人では出来ない事は当然ある。だからこそ、人は助け合う。こんな事故で怪我をしても仕方ないのだから、な?」

簪「は、はい…」

マクギリス「では、私は報告に行ってくる」

簪「そ、それは私が…」

マクギリス「いや、そう行った事は得意でな。君はゆっくりと休め、そして明日から、完成を目指そう」

簪「ありがとう、ございます」

マクギリス「ああ。また明日」

簪「はい、また明日」

報告を上げて、自室に帰る。待ち構えるは、ガエリオ。

マクギリス「書き込み出来ていないと思ったら書き込まれていた罠。」

マクギリス「では、キリも良いし一時中断だ、また土曜日に余裕があれば書き始めよう」

マクギリス「しかし、近頃は暑過ぎて死ねるな。諸君はくれぐれも熱中症などには気をつけてくれ」

マクギリス「さて、階級は中尉まで上げる事が出来た。准将までは遠いな…」

マクギリス「スターウイニング、強いな。とはいえ散々たたかったら慣れたおかげで取れなくはない部類になったが」

マクギリス「諸君もまた、頑張ってくれ。私も色々と頑張るのでな」

マクギリス「バエルの元へ集え!」

マクギリス「随分と、暇なようだな。ガエリオ」

ガエリオ「友の為ならば、時間を割くのは当然だ。そうだろう、マクギリス」

マクギリス「友、か…誰の事だ?」

ガエリオ「…また目を逸らすつもりか、マクギリス」

マクギリス「お前こそ、今更なんのつもりだ。俺を友などと…」

ガエリオ「確かに、今更なのかもしれないな。友と呼んでいた男がどんな扱いを受けていたかも知らず、本心も知らず。挙げ句その心を救えずに死なせた。その汚名すら良しとして生きるしか無かった俺には、お前の友である資格も無いのかもしれない」

マクギリス「何を言っている。…隠したのは私だ。そして、利用し、切り捨て、殺したのも私だ。そんな私を君は友と呼ぶつもりか?」

ガエリオ「ならば俺とて、お前を殺した。そんな俺を、お前はあの時…」

マクギリス「それを否定したのは君だろう、ガエリオ。…全ては、終わった事だ。」

ガエリオ「違う、まだ終わっていない、いなかった!此処でこうしてお前と話す機会があった、話さなければいけないんだ!今度こそ、お前を…俺は…!」

マクギリス「私には必要ない。…許されるつもりも、ない」

ガエリオ「お前は死んでもなお足りないと言うのか!?それだけの罪を背負うのが当たり前だと言うつもりか!?」

マクギリス「今更何を言う、ガエリオ。それが、私の道だ」

ガエリオ「愚直にも程があるぞ、マクギリス…お前を慕うあの子たちはどうなる!?彼らにすら背を向け、目を逸らすのか!」

マクギリス「彼らは知らないだけだ。私という人間を。知れば嫌悪するだろう」

ガエリオ「…本気で、そう思うのか、マクギリス…」

マクギリス「失礼する。私も、忙しい身なのでな」

自室に逃げ込む。…そう、今更なのだ。切り捨てた身でありながら、今更その暖かさに浸る資格など、あるはずが無い。

翌日、放課後。

マクギリス(やるべき事は、やらなくてはな…)

4組に、簪を迎えに行く。道中、整備を手伝えそうな人員に声をかけて。

簪「大丈夫?なんか、疲れた顔してる、ような…」

マクギリス「心配は無用だ。君の機体を完成させねばならない。その為に、何人かに手を貸してもらう事にした」

簪「ありがとう…」

マクギリス「それは彼女らに言ってやれ。私では、基礎的な事しか担当出来ないからな」



ラウラ「貴様は知っているのだな、何故マクギリスが我々を避ける様になったのか」

セシリア「教えて下さい、あの方に何があったのか」

シャル「僕はあの人の口からしか聞いた事はないんだ。だから、知りたいんだ。あの人を、もっと」

ガエリオ「わかった。だが、約束して欲しい。マクギリスを、あいつが過去に何をしていようと、見捨てないと。見限らないと」
箒「無論だ。マクギリスは、私達のかけがえのない仲間だ」

鈴「胡散臭かったのは昔だけだしねー。今では大切なライバルよ」

一夏「俺はあの人を超えたい。教えてくれ、あの人を」

タッグマッチ前日。本音や新聞部の黛らの手助けもあり、実戦には耐え得る完成度へと、簪の機体…打鉄二式は仕上がった。

楯無「どう?私の機体のデータ、役に立ったでしょ?」

マクギリス「ああ。これならば、明日の試合には問題ないだろう」

その会話をとある少女が聞いていた事に、誰も気付く事は無かった。

楯無「で、貴方はいつまで避けるの?あの子達を…」

マクギリス「…なんの話だ、楯無。避けていたのではなく、彼らに割く時間が無かっただけだ」

楯無「嘘ばっかり。ただ、私の考えを述べるなら…一度死んだなら、もう良いじゃ無い。終わった事だって、開き直っても」

マクギリス「君は要らない事を知り過ぎだな。…私に、そんな資格はない。今更なんだよ」

楯無「それこそ今更よ。貴方がそうして勝手に抱えたまま生きるのをあの子達は誰も望んで無いわ。自覚しなさい、モテ男」

マクギリス「…やれやれ、愚かな事だ…」

楯無「それは、誰に対してかしら?」

マクギリス「…」

楯無「ま、良いわ。タッグマッチが済んだら、きっちり話しなさい。あの子達と」

そう言って、私の部屋を後にして行った、更識楯無…困った女だ。

タッグマッチトーナメント当日。

マクギリス(簪、一体何処に行った…既にアリーナに向かって居るのか?)

開会の挨拶に立つ楯無との姉妹仲は良好では無かったのは知っていたが、よもやこれまでとは。

その姿を探し、走る。…突如走る衝撃と、警告。

マクギリス「なんだ、一体…」

胸騒ぎに従い、アリーナへと駆ける。

目にしたのは群れと言うべきであろう、視界内だけで40は下らない、おそらくかつてグリムゲルデで下した無人機の発展型。それに抵抗する、専用機持ち達。

マクギリス「状況は最悪か…ならば、バエルで斬り開くのみ」

迷う事はない。ただ、力を示せば良いのだ。それだけが、俺に許された真実、俺にあるべき全てなのだから。

バエルを顕現させて、突喊する。さながら、かつてアリアンロッドに単独で挑んだ様に。

推奨BGM One Way

そう、孤独とは自由なのだ。自由である事こそが、最大の力を発揮し、最強の力となる。

独り、敵機の群れを蹂躙する。袈裟斬りにし、刺し貫き、抉り、刎ね、叩き伏せる。残骸を投げ付け、敵の注意を引く。暴力を見せ付け、本性を剥き出しにし、暴れ狂う。残骸の山を築きあげ、更なる残骸を作り上げる。

マクギリス「これこそが、唯一絶対の力だ!」

甲高くスラスターを吹かせ、敵の群れをすり抜け様に斬り、裂き、蹴り、刺し、抉り、断つ。

そうして暴れ回る最中に、簪を見付ける。…恐怖に竦み、打鉄を着ける事すら出来ていない。敵の魔手は、既に簪に届かんとしている。

敵の只中に居ることも忘れ、ただ全力で簪の元へ飛ぶ。攻撃が掠め、行く手を阻む。しかし、なおも飛ぶ。この身を動かす想いが、何なのかわからぬままに、簪と敵機の間に割り込み、攻撃を簪の代わりに受け、壁に叩き付けられた。

簪「え、っ、?嘘、そんな、マクギリス、っ?」

マクギリス「が、はっ…絶対防御やエネルギーバリアを無効化しているとは…無事か、簪…」

簪「わたしは、…でも、貴方が…!」

マクギリス「気に、するな。早く打鉄を、」

遅れながら打鉄を展開した簪を見ながら、機体状況を確認する。…攻撃を受けた部分の肉体へのダメージが酷い。骨折は間違いないだろう。

意識が、遠のく。…かつて、ラウラと起こした、他者と意識を共有する感覚。それに似ていた。

マクギリス《これは…あの時の…》

間違いない、かつてラウラと意識を共有したような感覚。…そこに現れたのは、彼女達だった。

ラウラ《マクギリス…お前は、私の嫁だ。たとえ、かつては悪鬼羅刹であろうが、今のお前は違う。私は知っている、お前の優しさを、暖かさを》

セシリア《私は知っていますわ、貴方の誠実さを。貴方がこの世界に来る前がどうであれ、今の貴方にも私にも、関係ありませんわ》

シャル《僕は知ってるよ。マクギリスがどれだけ優しくて、後悔を抱えてるか。それでも、他人に優しく出来る人なんだって》

箒《私はマクギリスを尊敬している。その気高さと、ただ力だけではない強さを。過去に囚われ、今から目を背ける男ではないはずだ》

鈴《アンタらしく無いわよ。過去でうじうじ悩むとか。アンタは大人なんだから、悩みを聞く側でしょ?》

一夏《皆、マクギリスに助けられた。マクギリスは俺達の仲間だ。前の世界だとか、罪だとか。そんなもん今のマクギリスには関係ないんだ。俺達にとって、マクギリスはバエル馬鹿なだけの大事な友達なんだ!》

楯無《言ったでしょ?此処にいる誰も貴方に苦行なんか求めてない。貴方と一緒に楽しい未来を過ごしたいの》

マクギリス《馬鹿な…俺の、本性を知った上で、そんな事を…》

ガエリオ《これが、彼らの本心だ。見縊るな、目を背けるな。…お前はもう気付いて居たはずだ、友情、愛情、信頼。それがいつしか自分にとっても大切になっていたことを》

マクギリス《そんな資格、俺には…》

ガエリオ《ええい、うじうじとお前らしくない!お前は俺の友だ!お前がなんと言おうがな!拒否権はこの全員が認めん!》

マクギリス《強引にも、程がある…》

ガエリオ《カルタや、アインの為に。そして友として、今度こそお前の心を救ってみせる》

マクギリス《まったく、困ったお人好し連中だな…》

ガエリオ《お前とて、俺が来るまで随分お人好ししていたじゃないか。今更目を逸らすな、馬鹿》

マクギリス《言ってくれる。だが…そうだな。ここまで言われて、目を逸らし続ける訳にもいかんな》

ガエリオ《わかったならさっさと働け。まずは…》

マクギリス《この窮地、乗り切るぞ。我々全員の力でな。見せつけてやろう、心なき機械では、我々には勝てぬとな》

ガエリオ《それでこそだ、親友》

その一言を皮切りに、意識は現実へと引き戻される。

目を開けば、簪の目前…簪を庇ったと思しき、倒れ臥す楯無。重傷ではあるが、まだ助かるはずだ。

簪「だ、誰か…助けて…」

既に損害は甚大。しかし、屈する訳には行かない。痛む体を、機体を無理矢理に起こす。

簪「だ、ダメ…そんな怪我で…」

マクギリス「簪。自ら立ち上がれ。この世に、都合良く助けてくれる英雄は居ないんだ」

簪「え…?」

マクギリス「かつて英雄と呼ばれた者たちが英雄足り得たのは、自ら困難を打ち破り、立ち上がって見せたからだ。彼らに、都合良く助けてくれる英雄は居なかったからこそだ」

簪「そんな…それじゃあ、どうしたら…」

マクギリス「自らの手で、仲間と共に、道を斬り開く。それを成し得た者だけが、英雄となりえるのだ。さあ、立ち上がれ。大切な物を、共に守ろう」

簪「大切な物を、共に…」

マクギリス「足りない分は、皆で補おう。さあ、目覚めの時だ」

簪の瞳に、強い力が宿る。

マクギリス「とはいえ、戦況は悪い。覆す一手が必要だ」

簪「何でも言って!お姉ちゃんを、皆を助ける為なら!」

マクギリス「良い答えだ。…幸い、その一手がある、いや、出来たと言うべきか。道を開けてくれ。バエルが高く飛び、全てを見渡せる位置まで」

簪「わかった!」

打鉄二式のミサイルハッチをフルオープン。マルチロックオンシステムの開発に難航し、手動で動かさざるを得なくなった多弾頭ミサイル〈山嵐〉その全てを解放した。

ミサイルの、まさに嵐を受け、敵の群れに穴が空く。

マクギリス「良くやった。此処から先は…私の出番だ」

バエルが、白き羽根を広げて舞い上がる。それは正に、見る者に可能性と希望を見出させる英雄の姿だった。

次回予告

ガエリオ「状況は最悪。敵は多数。正に地獄絵図と化す寸前の戦場で、遂にバエルが真の力を解き放つ」

シャル「天高く舞い上がる白き悪魔は、人を狩らんとする心無き天使たちに反撃の狼煙を上げる」

ラウラ「次回、インフィニット・マクギリス。アグニカの魂を継ぐ者の条件」

セシリア「これこそが、真の英雄足り得る者の力ですわ!」

マクギリス「うーむ…なかなかにやはり、構想を文字にするには難しいものだな」

マクギリス「理解し難かったり多少突飛、強引な部分には済まないが脳内保管での対処を頼む。私の文才はこの程度らしいのでな…」

マクギリス「次は風呂から上がり次第、書くつもりだ」

マクギリス「想像を文字にする、というのは案外ままならないな」

マクギリス「一応、描写されていない部分は基本的に原作やアニメとは相違ないので足りない部分はそちらを参照して貰えるとありがたい」

マクギリス「では、しばらく待っていてくれ」

第十九話 アグニカの魂を継ぐ者の条件

マクギリス(やはり、押されている。この物量、尋常ではないな)

学園全体を襲う百を優に超す無人機。対するは専用機持ちと、戦闘教員。どちらが不利かは見るまでも無く明らか。

マクギリス(だが、目を背ける訳にはいかない)

この状況、覆さねば未来は無い。そして、覆す為の最初の一手は既に手にしている。

マクギリス(敵はエネルギーバリアと絶対防御に干渉、阻害している。不利な一番の原因はそれだ)

技量で勝る教員、専用機持ちが押される原因。

マクギリス(後はエネルギー問題。長期戦によるエネルギーの損耗が更なる不利を呼び込む)

その前提を覆せれば、勝機はある。高く舞い上がり、学園全域を見渡せるポジションに着く

マクギリス「さあ、お前の力を見せろ、バエル!」

ハイパーセンサーのリミッターを解放、味方機を細かく精査する。

推奨BGM Crescent Moon

「もう駄目だ…こんなの、勝てる訳が…」

絶望に負けそうな声を、塗り潰す。

「戦いは終わっていない!」

味方機と、敵機。その全てを視界に収め、的確に識別する。

「諸君らの輝かしい未来を、決して閉ざさせてはならない!」

正に道化。しかし、悪くないとさえ思えてくる。

「アグニカ・カイエルの魂は、常に我々と共に在る!」

全ての味方が、バエルに注目する

「ギャラルホルンの真理は此処だ!皆、バエルの元に再び立ち上がれ!」

剣を掲げ、その威光を示す。同時にバエルのワンオフアビリティーが発動、味方機のエネルギーを全回復させ、敵機からの干渉への抵抗性を付与。戦況を覆す準備は、整った。

押し負けようとしていた学園の戦力に、活力が戻る。

マクギリス「そうだ。これが始まりの一手。そして…」

当然、敵は無人機とはいえ、一番厄介な敵を今、理解したはず。

マクギリス「陣形も何もあったものではないな。正に烏合の集だ」

バエルを最優先の排除対象と認定した無人機の群れが、我先にと迫る。

マクギリス「今は機嫌が良くてな。勝利の凱歌を盤石にさせて貰おう」

再び、突喊。だが、かつてとは違う。仲間が居るのだ。それだけで、力が込み上げてくる。その力のままに、無人機を斬り伏せ、道を開いて行く。

マクギリス「各員は私に群がる敵を背後から撃て。奴等はもはや烏合の集、恐るるに足らず!」

刺突、貫手、殴打、蹴り、斬撃、砲撃、投げ。ありとあらゆる技を駆使して、死線を潜り、敵機を擦り抜け、攻撃を敵を利用して防ぎ、同士討ちをさせる。…オレンジの、閃光。かつて自分に向けられ、部下達を無慈悲に屠った光が、背後から迫る敵機を一瞬にしてガラクタに変える。光が駆け抜けた穴を、一機のISが飛び込んでくる。

マクギリス「なんだ、…」

飛び込んで来たのはキマリス。

ガエリオ「生きているか、マクギリス」

マクギリス「無論だ。まだ、終わる訳にはいかない」

ガエリオ「そうか。ならばちょうどいい。背中は任せろ、マクギリス。代わりに、俺の背中は任せる」

マクギリス「フッ…良いだろう。足を引っ張るなよ、親友」

ガエリオ「馬鹿を言うな、怪我人に遅れは取らん。無理するなよ、親友」

マクギリス・ガエリオ「「行くぞ…!」」

バエルの刃が、キマリスの槍が。敵を貫き、打ち据え、叩き伏す。レールガンの一撃が、キマリスのダインスレイヴが。敵に風穴を開けて行く。

マクギリス「すまない、だいぶ待たせたな」

マクギリス「階級が上げられない…というか、ヴェルティゴ色々と酷すぎではないかな…」

マクギリス「ハイニューと組まれたら勝ち目が見えない…ライトニングの再来なんて次元ではないのだが…」

マクギリス「とりあえず、ゲージは八割か…残り二割が辛い」

マクギリス「親友から貰ったハイネデスティニーも組めたし、そろそろFAガールも組まねばな…」

マクギリス「首尾良くゲーム攻略が進めば、深夜にも書かせて貰う。あまり、期待しないで待っていてくれ」

マクギリス「待たせて申し訳ない。色々、やりたい事を済ませていたらこんなにも時間が空いてしまった」

マクギリス「ベルティゴだったか。済まなかった。にしても、即消えてて流石に失笑を禁じ得なかったな。まあ、そんなものか」

マクギリス「階級をようやくあげる事が出来た。特に、やたらと強いヴァサーゴのお陰だがな。感謝する」

マクギリス「では、HGCEストライクを組みながら書かせて貰おう。というか、ストフリと言いこのシリーズハズレが無さすぎるな。素晴らしい。このようなクオリティで、是非ともMGバエルに臨んで貰いたいな」

三日月「コイツら、結構弱いな」

バルバトスのメイスに、無人機の一機が叩き潰される。

ガエリオ「信念も理想も無い、ただの機械か。俺たちの敵では無い!」

キマリスのランスが、敵のコアを貫く。

マクギリス「そうとも。いくら数を揃えようが、我々の敵でない。それを証明させて貰おう」

バエルの剣が、敵を両断する。

ガエリオ「…不思議な気分だ。懐かしいものだ、こうしてお前と肩を並べて戦えるとはな!」

バエルの背後を狙う敵機を、マシンガンが風穴を開けて行く。

マクギリス「私も、君と再び肩を並べるとはな。望むべくもないと思っていた…だが、悪くない」

キマリスに襲い掛かる敵を、イグニッションブーストで加速した刺突で串刺しにする。沈黙した敵機を剣を振り、別の敵に叩き付ける。

一気に覆された戦局。ガンダムフレームによる蹂躙の嵐。敵が全滅するまで、さほど時間はかからなかった。

セシリア「お、終わりましたのね…」

鈴「みたいね…つっかれた…」

一夏「皆、大丈夫か?」

箒「こっちは大丈夫だ。なんとか、だがな」


マクギリス「…く、っ…」

敵の全滅を確認し、バエルを収める。同時に、膝をつく。

マクギリス(少し、無茶をし過ぎたか。力が入らんとは…)

ガエリオ「無茶をするな、マクギリス。今医務室に連れて行く」

ガエリオの肩を借り、立ち上がる。

マクギリス「まさか、君に肩を借りるとはな…楯無は、無事か…?」

ガエリオ「先に妹が連れて行った。お前はお前の心配をしていろ。…今度は生きろ。なんとしても」

マクギリス「フッ…ああ、解っているさ。彼らを、悲しませたくはない…」

ガエリオ「…そうだ。ちゃんと、目を逸らさずに向き合ってやれ。それがお前のすべき事だ」

友に…親友に担がれ、医務室に運ばれる。傷は痛むが、何か温かいモノが、私の心を満たしていた。

次回予告

マクギリス「全く…つくづく、君とは縁があるな」

楯無「あら、不満?人の胸を見ておいて?」

マクギリス「不可抗力だ。カーテンが破損し落下するなど予想外にも程がある」

楯無「責任、取ってね☆」

マクギリス「困った女だ…」

楯無「次回、インフィニット・マクギリス。辿り着いた先」

マクギリス「私を振り回せるのは君くらいだ」

楯無「特別って事かしら。照れちゃうわ」

マクギリス「勘弁してくれないか」

マクギリス「随分待たせてしまっている。申し訳ない」

マクギリス「なかなかに、書く余力も時間もなくてな…」

マクギリス「今日も名古屋に今から遠征せねばならないのだ。夜には共闘。深夜帯、書ける余力があれば書かせてもらいたい」

マクギリス「果たすべきは果たす。完結は必ずさせるので、気長に待って欲しい」

第二十話 辿り着いた先

マクギリス「まったく、負傷者である身を鑑みて欲しいのだがな」

千冬「すまない。だが火急の事態なのは理解しているだろう」

地下の秘匿施設。そこに集められた、私とガエリオ。

ガエリオ「奴等の機体、何か解ったのか」

千冬「…ああ。エイハブリアクターの搭載、それに登録の為されていないコア。厄介な案件と言わざるを得ん」

マクギリス「待て、待ってくれ。エイハブリアクターだと?」

ガエリオ「どうした、マクギリス?エイハブリアクターがあると不味いのか?俺たちの機体も同様だろう」

マクギリス「今現在、エイハブリアクター、そしてコアの技術。そのどちらをも持ち得るのは、ただ一人なんだ」

千冬「無論、コアの作製を行える者は他にいたとて可笑しくはない。だが、エイハブリアクターは…」

マクギリス「そう、ギャラルホルン製しか現存し得る筈がない。製法を知るのは、協力関係にある束博士…無論、コア技術はギャラルホルンを持ってしても解明出来ていない」

ガエリオ「待て、それでは…いや、まさか」

マクギリス「仮想敵の最有力候補に、あの天才がなってしまうのだ」

ガエリオ「待て、それは流石に…妹である篠ノ之箒も居るんだぞ!?そんな施設を襲わせる筈が…」

マクギリス「私とて、世界のパワーバランスを簡単に変え得る人間が分別が付かない、そんな存在である可能性というのは認め難いし、寒気すら覚える」

千冬「まだ、奴であるという可能性は五分だがな」

マクギリス「確かに、あの女が本当に敵に回ったのならば、キマリスの件が可笑しな話しになる」

ガエリオ「確か、テロリストが無人機として使ったのだろう?奪った機体を改造して」

マクギリス「ああ。コアもエイハブリアクターも、わざわざ奪取された物。本当に束博士が奴らと繋がりがあるならば。奪取せずとも、キマリスを作るくらい簡単な筈だ。それをしたのは…」

ガエリオ「無人化技術との親和性テスト、並びにエイハブリアクターのデータ収集の為の試作品だったという訳か、このキマリスは」

マクギリス「そう考えるのが自然だろう。事実、以前襲撃を仕掛けて来た無人機にはエイハブリアクターは搭載されていない。そして何より、奴はバルバトスルプスレクスを手掛けている。つまり、今更エイハブリアクターを奪わずとも、自力で作製出来るのは間違いない」

ガエリオ「…となると、エイハブリアクター、そしてコアの作製出来る第三者か…」

千冬「もしくはカムフラージュか、だな。いずれにせよ、確定的な証拠にはなり得んか…」

マクギリス「だが、少なくとも彼らはこちらの動きを完全に把握しているのは間違い無いな」

千冬「内通者、か…」

マクギリス「亡国企業、そして無人機。どちらをも警備の穴を的確に突き、かつ我々の行動に邪魔を入れている。内通者無くして、ここまで我々の動きが抜ける筈がない」

ガエリオ「問題は、どこの誰か、ということか…」

マクギリス「職員か、生徒か。代表候補生に裏切り者が居る、とは考えたくはないがな…」

ガエリオ「…そうだな。俺とて彼らを疑いたくはない」

マクギリス「ともかく、こちらは奴等に対して、後手に回るしかないな。本来であれば、我々が対処するのは可笑しな話なんだが、な…」

千冬「すまない、迷惑を掛ける」

マクギリス「気にしなくて良いさ。こちらは襲撃を受ける身だ…降り掛かる火の粉は、払わなくてはな」

マクギリス「…そう言えば修学旅行の件は?流石に中止になったとは思うが…」

千冬「最悪だが、決行だそうだ。上層部はテロには屈するつもりはない、などと息巻く馬鹿どもが多いようでな…」

ガエリオ「馬鹿な、本拠地であるIS学園でこれだというのにまた警備の手薄にならざるを得ない行事だと?」

マクギリス「あるいは、業を煮やしたのかもな」

ガエリオ「なんだと?まさか…」

マクギリス「釣り餌、という事かもしれん。奴らを釣り上げ、駆逐する為の」

ガエリオ「生徒を危険に晒して、か」

マクギリス「まだ、上の真意は測りかねるがな」

マクギリス「ちょっと仮眠のつもりが、こんな時間まで寝てしまうとは…やはり最近疲れているのか…」

マクギリス「すまないが、今日はここまでだ。来週は夜勤明け故、更新にはあまり期待しないでくれ」

マクギリス「では、また次回」

マクギリス「ヤークトアルケー…なんだか楽しそうだな。だがバエルに乗る(決して散らない鉄の意思)」

マクギリス「長らく待たせてしまってすまない」

マクギリス「残念だが、現状かなり忙しくてな…土曜出勤ラッシュの11月が終われば、もう年の瀬だ。大掃除にクリスマスのプレゼントの作成等、書く時間がなかなか取れないのだ…」

マクギリス「月末まで、あまり余裕は無さそうだ。今しばし、待っていて欲しい」

マクギリス「ところで、クロスレイズ…楽しいのだろうか?戦略ゲームは好まないタイプではあるのだが、やはり私としてはバエルが気になる。まあ、やる暇が無いのだが」

マクギリス「最近、寒くなって来ている。風邪やインフルエンザには気をつけて欲しい。今年も残りわずか、共に駆け抜けよう」

マクギリス「使わせて貰うぞ、イオリア…」

マクギリス「クリスマスにクロスレイズを貰ってしまった。バエル、やたらと使い勝手が良くて良いな。フェイズシフトなど、バエルソードの前には無力…!」

マクギリス「さて、諸君。大変待たせてしまったが、のんびりと書きながら年越しをさせて貰おう」

マクギリス「では諸君、来年もバエルの元に集え!」

マクギリス「それで、いくつ確保出来たんだ?当然、秘匿するのだろう?」

ガエリオ「なに?それはなんの話だ」

千冬「やはり、気付くか。お前ならば。確保したコアは14機分だ」

マクギリス「それだけの数を悪戯に晒せば、水面下での奪い合いに繋がりかねない。とはいえ、隠せば学園を危険に晒す」

ガエリオ「…面倒な事だな。いっそ壊してしまえばいい。そうすれば、要らぬ争いにはならない」

マクギリス「事はそう簡単ではないのさ、ガエリオ。戦力が必要なのは諸外国だけではない。…この学園も、戦力が必要なのさ。特に、事態が混迷しつつある現状には、な」

ガエリオ「だから使う、ということか」

千冬「ああ、そういう事だ。本来なら学園に戦力なんぞ要る事態になる方がおかしいんだがな…」

マクギリス「致し方ないさ。我々の様なイレギュラーに、一夏。火種は撒かれてしまっている。…ともかく、機体の手配はこちらでしよう。ギャラルホルンならば、秘密裏の輸送が出来る。ガエリオ、君の力を借りたい」

ガエリオ「いいだろう。何をすれば良い」

マクギリス「レギンレイズのデータだ。覚えている範囲で構わない。多少なり、性能を向上させる事が出来れば御の字だ。アリアンロッドに居た君ならば、多少は目にしただろうしな」

ガエリオ「なるほど、それを量産して学園の護りにとするわけだな」

マクギリス「ああ。この場所は、失うには惜しい…いや、失う訳にはいかない」

ガエリオ「…ふっ」

笑われた。何故だ。

マクギリス「…笑う所だったか?」

ガエリオ「いや、すまん。お前も随分と良い方向に変わったものだと、な。…夢にも思っていなかったからな」

マクギリス「夢ではないさ。彼らとの生活は、決してな」

千冬「…ともかく、明日には事情聴取もある。今日はもう休め。ファリド、機体の方は出来る限り急いでくれ」

マクギリス「ああ、解っている。行くぞ、ガエリオ」

ガエリオ「…ああ。行こう、マクギリス」

翌日。事情聴取の為に部屋を出た私の前に居たのは簪だった。

マクギリス「…何故、私の部屋の前に?」

簪「ま、ママ、マクギリスも、行く、でしょ?」

マクギリス「ああ、事情聴取かな?無論だとも。共に行こうか…ところで、楯無の具合は?」

簪「お姉ちゃんは…しばらく、医療室で経過観察…」

マクギリス「無理もない。彼女に見舞いの差し入れが必要だな。楯無は何が好きなんだ?」

簪「けん玉。」

マクギリス「確か、玉を木槌で突き上げるなどして遊ぶ玩具だったか。意外だな…後は編み物などはどうかな」

簪「お姉ちゃん、編み物は…下手」

マクギリス「ふむ…良い機会だ、編み物もついでに入れておこう」

簪「マクギリス、いじわる…」

マクギリス「ささやかな仕返しさ。彼女には散々振り回されているんだからな」

簪「ふふっ…」

マクギリス「ところで、その紙袋は?」

簪の抱える紙袋が、気になり始めた。

簪「これは…マクギリスに、見て欲しいの…」

マクギリス「ふむ、これは…」

中身は、この時代のデータ記録媒体…アニメーションを記録したDVDだった。

簪「良かったら、見てみて…欲しい」

マクギリス「この国の文化なんだったな。ちょうど良い、学ばせてもらおう。アニメ文化というものを」

マクギリス「にしても、これほどの種類とは…よほど、好きなんだな」

簪「う、うん。…好き…」

マクギリス「これは…ロボット、か?興味深いな」

簪「あ、の…」

マクギリス「ん?どうした、顔が赤いが…」

簪「だっ…大好き…!」

マクギリス「あ、ああ…」

簪「そ、それじゃ…!」

そのまま、走って先に行ってしまった。

マクギリス「…よほど、アニメが好きなんだな。そんな簪が勧めるのだから、とても素晴らしいんだろう」

紙袋を抱えたまま、聴取の現場たる指導室へ。…何故だか、嫌な予感がする。

マクギリス「さて、すまないが明日は所用でな。朝早くから出掛けねばならんのでここまでだ」

マクギリス「明日も夜には書きたいと思う」

マクギリス「では諸君、明けましておめでとう。今年もまた、読んで貰えると嬉しい」

マクギリス「ところで、正月特別編とか…やはり、読みたいかね?読みたいと思うのであれば「さあ、目覚めの時だ…」と、本編、早く進めろ!と思うのならば「アンタ何言ってんの?」と書き込んで貰いたい」

マクギリス「では、また明日の夜に」

正月特別回「ニューイヤー・ニューアグニカ」

一夏「いやぁ、今年も無事乗り切れたな」

初詣の列に、早朝から並ぶ中で一夏がぼやいた。

マクギリス「無事…なのか?散々大変な目にあった気がするのだが…」

一夏「頼む、言わないでくれ。新年早々嫌な事件を思い出したくない」

シャル「今年は何も無いと良いなー…いや、やっぱ無理かな…」

ガエリオ「やめないか、新年早々に気が滅入る。…しかし、これが日本の風習か」

箒「ああ。新年には神社に初詣に行き、新しい年が良き一年になる様に祈る」

鈴「まあ、細かい作法とかは気にしないで良いわよ。取り敢えず神頼みってもんなんだし」

ラウラ「まあ、細かく言われても分からんのだがな」

「右から2番目、ワンテンポ遅れてるわよ!はいもう一回!」「「「「「「「新年、明けましておめでとうございます!」」」」」」

ガエリオ「なあマクギリス、今の声…」

マクギリス「気のせいだガエリオ。気にしてはいけない」

一夏「…えっと…うん、気にしないでおこう。にしても、他の皆も来れたらなー」

マクギリス「仕方ないさ。大半は帰国せねば家族に会えんしな。更識姉妹とて本家に顔を出さん訳にはいかんだろうしな」

ガエリオ「これ以上の大所帯では、色々苦労するだろうしなぁ。…と、俺たちの番みたいだ」

マクギリス「確か、賽銭箱に金銭を入れて、ご利益を願う…だったな」

箒「ああ。15円辺りでいいと思うぞ」

マクギリス「そんな低価格で?何か意味が?」

一夏「十分に御縁があります様に、ってさ」

ラウラ「なるほど、語呂合わせというやつだな」

マクギリス「成る程。日本人は古来よりその様なげん担ぎを生業としてきた訳か」

納得して、小銭を賽銭箱に放る。

鈴「これやんないと、新年って感じしないのよねー」

ラウラ「そんな物か」

シャル「ねえ、おみくじ引いてみない?」

箒「うむ。先行きを見てみるのも正月の醍醐味だな」

マクギリス「…おみくじ、か」

ガエリオ「どうした、マクギリス」

一夏「前回は凶引いてたからな。まあ、今回は大丈夫だろ」

揃って、おみくじの紙を開く。結果は…

マクギリス「なん、だと…?」

シャル「あちゃ、凶だったんだ…」

ガエリオ「くじ運が無いな、マクギリス…俺は中吉だな。何、恋愛の兆しあり、だと?」

マクギリス「犯罪だぞ、ガエリオ」

ガエリオ「待てマクギリス、生徒に手を出すつもりはないからな!?というかお前に言われたくないわっ!」

シャル「あー、婚約者は9歳だったんだっけ…僕は吉かな。幸せが陰ることは無い、らしいよ」

マクギリス「…波乱、留まる事を知らず。そろそろ胃に穴が空きそうだ」

ラウラ「そう肩を落とすな、嫁よ。私は大吉だから、運気を分けてやる」

マクギリス「ありがとう、ラウラ…」

鈴「うーん、末吉かー…」

箒「私は大吉だぞ」

鈴「ドヤ顔やめなさいよ、腹立つわね」

一夏「喧嘩すんなってお前ら…お、俺も大吉だ」

マクギリス「ドヤ顔はやめて貰おうか、抉るぞ」

一夏「何処を!?」

ガエリオ「まったく、僻むなよマクギリス…色々変わり過ぎだろ、お前…」

マクギリス「ガエリオ、再度言っておくが生徒は犯罪だぞ」

ガエリオ「さっきのは悪かったから犯罪犯罪言うのはやめろ!周りの目が痛い!」

ガエリオ「で、これからどうする」

一夏「絵馬にお願い事を書いたり、かな」

マクギリス「それはまた…なんだか、他力本願な気がするのだがな」

箒「まあ、叶えてくれたらありがたい、程度の物だ。あまり変な願いにはするなよ?」

鈴「そうそう。あたしは…取り敢えず秘密」

ラウラ「ふむ、私は嫁との幸せな結婚生活だな」

シャル「ラウラ、それは色々とおかしいよ…僕は皆と笑って過ごせたら良いかな」

マクギリス「…楯無がもう少し自重という言葉を理解してくれますように、かな…」

ガエリオ「どれだけ振り回されて来たんだ、お前…俺は、そうだな。……いや、俺はいい。あまり思い付かない」

一夏「そうか?俺は無病息災かな」

箒「年寄りかお前は…私は…うん、私も秘密だ」

一夏「なんだそれ。まあ、他人の願いを詮索する趣味は無いけどさ」

一夏「書いた奴は皆掛けたなー?あとはお守りくらいか?」

箒「だな。…む、甘酒を配っているな。皆で貰おう。体が温まるぞ」

マクギリス「甘酒?」

ガエリオ「君たちは未成年だろう?感心しないな」

鈴「字面だけ見るとアウトだけど、分類的にはお酒じゃないから大丈夫よ」

シャル「へー…あ、美味しい」

ラウラ「ほんの僅かだがアルコールがあるな。1%未満だろうが」

マクギリス「よくわかるな、それを…ふむ、これはこれで良いな」

一夏「まあ、マクギリス達には新鮮だろうな」

マクギリス「三百年後のギャラルホルンには見られない文化だからな。いや、もしかしたらイシュー家やクジャン家ならばこの様な文化を知っていたかもな」

ガエリオ「確かに、あの二人が好みそうな気風だな」

マクギリス「で、次はお守りか。…私は厄除けだな。どこぞの会長という厄をなんとかして欲しい」

ガエリオ「お前がお気に入りなんだろう。微笑ましいじゃないか」

マクギリス「その台詞、あの女に振り回されてから言って欲しい」

ガエリオ「やけに言うな。まあ、お前が周りにしっかり目を向ける様になった証なんだろうがな…俺は…そうだな、旅行安全といこう」

一夏「どっか旅行でも行くのか?俺は家内安全かな」

箒「お前は…いや、もう何も言わん。私は…恋愛成就だ」

鈴「あたしもあたしも」

ラウラ「私は子宝祈願にすべきと、クラリッサが言っていたな」

シャル「待とうかラウラ、その副官絶対ダメなタイプだから」

マクギリス「にしても、これが初詣か。馴染みは無いが、悪くはないな」

一夏「だろ?誘って良かったぜ」

箒「うむ。祝い事は大勢で楽しむべきだ」

マクギリス「ああ。では諸君、改めて…」

「「「「「「「「明けましておめでとう!今年も宜しくお願いします」」」」」」」」




オルガ「今年も一年、止まるんじゃねえぞ…」

三日月「うん。俺たちは止まらない」

マクギリス「さて、正月記念回はここまでだ。次回からは本編に戻ろう」

マクギリス「本当は三箇日中に終わらせるつもりだったが、携帯を祖父母宅に置き忘れるというミスを冒してしまったのだ…」

マクギリス「ともかく、早ければ今週末には更新するつもりだ。気長に待っていて貰いたい」

マクギリス「では諸君、新年もバエルの元に集え!」

指導室に着いた私だったが、何やら騒がしい事に気付く。

意を決して、ノックを行い中に入る。

ガエリオ「いやだから、折檻ってなんだそれはっ!?」

カルタ「お黙りっ!この世界に居る時点で無様を…」

取り敢えず、ドアを閉める。部屋を間違えた様だ。

ガエリオ「いや待てマクギリス、助けてくれ!」

カルタ「逃がさないわよ!というかマクギリス、貴方も来なさい!」

マクギリス「…どういう状況なんだ、これは。何故、君が此処に居るんだ、カルタ」

仕方なく、ドアを開け直す。そこには、よく知る二人が居た。

カルタ「それは私の台詞よマクギリス!コイツだけじゃなくて貴方までこっちに来てるなんて!」

ガエリオ「相変わらず俺の扱い雑だな…」

マクギリス「…何故、か。君と同じさ、カルタ。私も命を落とした、それだけだ」

カルタ「…そう。貴方も、鉄華団…だったかしら、に?」

マクギリス「いや、違う」

ガエリオ「俺は死んだ覚えはないぞ、言っておくが」

マクギリス「…えっ」

カルタ「…えっ?」

ガエリオ「色々ありすぎて詳しく話せて無かったが、俺は死んだ覚えはないんだよ。普通に暮らしていたら、何故かこの世界に飛ばされた。それだけだ」

ガエリオ「…で、だ。マクギリス。…やはり、打ち明けるのか?全てを」

マクギリス「…当たり前だろう。カルタには知る権利も、断罪する権利もある…隠し立てする事は、許されない」

そうして、私は全てを打ち明けた。私の死の経緯を。行いを。…カルタが命を落とす様に仕向けたのは、誰か、を。

一夏「マクギリス、大変だああっ!」

マクギリス「うん?どうした、一夏」

一夏「これを見てくれっ!」

マクギリス「これは…」

2020年 マキシブーストON 発売決定

マクギリス「…フッ、ハッハッハッハ!」

ガエリオ「乗れ、マクギリス。(家庭用で)乗れるのだろう?」

マクギリス「俺は先に(家庭用に)進むぞ、ガエリオ…!」

セシリア「サバーニャもありましてよ!乱れ撃ちですわ!」

箒「フルセイバーも良いな。トランザムすれば紅椿だ!」

ラウラ「エクセリアに乗ればバエルと組みやすいな。練習しよう」

シャル「アリオスはコストアップしてGNHW付きになったね。これも機動力あるしバエルの援護しやすいかな」

楯無「色んな機体が増えてるから良いわね。どれにしようかしら」

簪「皆、気が早過ぎ…」

マクギリス「…つまり。君や君の部下を間接的とは言え殺したのは、この私だ」

カルタ「なるほど、ね…あああ、もう、腹立つわぁ!」

マクギリス「君の怒りも当然だ。如何なる断罪でも甘んじて受けよう」

カルタ「違うわよっ!つまり結局のところ私があいつらより、弱かった!全て貴方の評価程度の力しか無かった!そういう事じゃないの!」

ガエリオ「カルタ、お前…」

カルタ「私が強ければ良かった!弱かったから貴方の思い通り!違うかしら!?」

マクギリス「いや、それは…」

カルタ「はぁ…今更もう、恨む気は無いわ。なんだかんだでこっちも楽しいし、今の私は立場ある身の上。貴方に手を出してしまえば部下共々路頭に迷う羽目になる。そんな選択は出来ないわ」

マクギリス「…やはり君は、変わらないな。高潔で誇り高い…」

カルタ「で、ガエリオ。やっぱりアンタも無様晒してるじゃない!?ここ一番でマクギリスに負けたとか武官ぶってた癖に情けないわね!」

ガエリオ「いきなり矛先がこっちに!?仕方ないだろう、流石に動揺したんだ!」

マクギリス「そう仕向けたのは私だ。ガエリオを責めても仕方ないさ」

カルタ「…はあ、もう良いわ。聴きたい事は聞いたしさっさと帰りなさい、つぎがつかえてるのよ」

ガエリオ「やっぱり俺の扱い雑だな…同じ幼なじみなんだがなぁ」

カルタ「次、入りなさい」

ドアを開けて告げるカルタ。応えたのは…

三日月「あ、俺?」

カルタ「その、声…バルバトスの…」

三日月「ん?誰だっけ」

マクギリス「か、カルタ?どうした?」

そのままガタガタ震えると、パタリと倒れた。…どういう事だ

ガエリオ「か、カルター!?しっかりしろ!」

カルタ「バルバトス怖いバルバトス怖いバルバトス怖いバルバトス怖い」

ガエリオ「トラウマになってる!?しっかりしろ、カルタぁあ!」

数日後。女子のスリーサイズを測るという楯無の謀略や、一夏の風邪などを乗り越え学園の機能が取り戻されつつあった。

マクギリス「三日月、ガエリオ。少し、私に付き合ってくれ」

三日月「どしたの?」

ガエリオ「ガンダムフレームのパイロットを集めてとは、穏やかでは無いな」

マクギリス「何、そう深刻な話では無いさ。先の戦いでのダメージチェックとシステムメンテナンスが必要だろう。ガンダムフレーム機は損傷が薄かったとはいえ、そろそろ、な」

ガエリオ「他の連中…特に二年、三年は本国でのメンテナンスが必要な程だと聞いた。厄介な事だ」

マクギリス「一年も被害は甚大だ。主力になり得るのは我々だけだ」

三日月「だから、さっさと万全にメンテしようって事?」

マクギリス「ああ。石動が準備してくれている」

ガエリオ「なるほど。では、早く済ませてしまおう」

向かうは、IS学園からさほど遠くない場所に新設されたギャラルホルン本社地下工廠。

石動「お待ちしておりました、准将。こちらへ」

マクギリス「ああ、頼む」

メンテナンス用ハンガーに、起動状態のバエルをセットする。

ガエリオ「まさか、これほどの設備を用意しているとはな…」

三日月「頼んだ」

同じく、キマリスとバルバトスがセットされた。

石動「本社の改名と移転と同時に、全てギャラルホルンで解析、製造し直した設備だ」

ガエリオ「移設した訳では無いのか?」

マクギリス「旧CMIの設備は全て、篠ノ之束が用意したものだったからな。…奴にはキナ臭いモノを感じる。下手な事をされない様に、設備は一新させたんだ」

ガエリオ「なるほどな」

石動「加えて、この工廠は独自のスタンドアロンタイプのシステムにしている。ハッキングは不可能だ」

ガエリオ「それまた、厳重な事だ」

マクギリス「ギャラルホルンの技術は外部には遥かに高度過ぎる。漏れれば要らぬ争いに繋がる危険もある。当然だ」

マクギリス「…どれくらい掛かりそうだ?」

石動「ハード自体の損傷はバエル、バルバトス、キマリス…どれも軽微です。多少の整備で問題無いかと。ただ、無人機による干渉、それに対するバエルによる強制的な耐性の構築によるソフト面での負荷がかなり大きいですね…この分であれば、5時間程頂きます、よろしいですか?」

マクギリス「万全に仕上げる必要がある、頼む」

石動「承知しました」

マクギリス「三日月は適当に休んでいてくれ。ガエリオ、こっちだ」

三日月「ん、わかった」

ガエリオ「例の奴か?」

マクギリス「ああ。レギンレイズのデータを頼む」

ガエリオ「とはいえ、乗った事は無いが…整備を見た事はある。ある程度は任せろ」

マクギリス「苦労をかけるな」

ガエリオ「気にするな。お前の、ようやく見つけた居場所を守る為だ」

マクギリス「…私の、か。そうだな。お前にはまだ、向こうでやるべき事があるから、な」

コンソールに入力されていく、レギンレイズのデータ。

ガエリオ「…お前は、戻る気は無いのだろう?」

マクギリス「…今更戻れんし、戻る権利は無いさ」

ガエリオ「今のお前ならば、身分を隠せばラスタルだって…」

マクギリス「ガエリオ。俺の役目はもう終わったんだ。…私はこの世界で、頑張って行くさ」

ガエリオ「…すまない、無粋な事を聞いたな」

ガエリオ「…こんなところか。微々たるものですまんな」

マクギリス「いや、想像以上だ。これならば、防衛戦力の構築も予定より速められそうだな」

石動「准将!緊急事態です!」

マクギリス「どうした?」

石動「先程学園から緊急連絡が入りました。地下施設ならびに学園のメインシステムが攻撃を受けている模様です」

マクギリス「やってくれる…状況は」

石動「既に別口から、米国の特殊部隊の潜入をこちらも確認しています」

マクギリス「早急に学園に戻る必要があるな。機体は」

石動「後は空輸機で調整しながら学園まで移送すれば、移動中に完遂出来ます」

マクギリス「わかった、準備を急いでくれ」

石動「はっ!」

ガエリオ「忙しい事だ…俺たちが離れた途端にこれか」

マクギリス「むしろ、離れたからこそだろうが…腑に落ちないな。学園のシステムがそう簡単にハッキングされる筈がない。厄介だな」

ガエリオ「裏がある、か…ともかく、戻るしかないな」

三日月「なんにしても、皆が心配だ」

石動「こちらです、お急ぎを!」

空輸機での輸送中に、織斑千冬に連絡を取る。

マクギリス「私だ。状況は」

千冬『あまり芳しくは無い。着き次第、ファリド隔壁を破壊して地下施設に合流を。他は学園周囲の警戒を』

マクギリス「了解した」

ガエリオ「中枢はお前か。まあ、適任だな。頼むぞ」

三日月「近付いてくる奴を叩けば良いんでしょ?」

マクギリス「殺すなよ?この世界では特に問題になる」

三日月「わかってる」

石動「では、御武運を、准将」

マクギリス「ああ、ありがとう、石動」

各員、機体に乗り込み降下する。

マクギリス「あれは…!」

黒ずくめの、恐らくは潜入した部隊。それが運んでいた少女に、考えるよりも早くバエルを操る。渡り廊下の窓を突き破り、周りの黒ずくめを回し蹴りで蹴り飛ばし、運ばれていた少女…楯無を受け止める。

マクギリス「楯無、しっかりしろ…楯無!」

生体反応に問題はない。…なんらかの薬品か。

楯無「マク、ギ…りす、さん?」

マクギリス「ああ、私だ。…君らしくないな、全く。もう医務室に着く、守りは三日月達に任せて、君は休んでいろ。腹部の怪我は…治療はされているな。生け捕り目的か。下衆が…」

楯無「ごめん、なさい…」

マクギリス「殊勝な君も悪くはないが、やはり君は不敵に笑っていた方が好ましい。早く傷を癒せ、良いな?」

楯無「う、うん…」

楯無を医務室に預け、地下施設へと急ぐ。…途中、一夏と合流する。

一夏「こんな施設があったのか…」

マクギリス「口外はするなよ。学園の安全に関わる」

一夏「解ってる」

ドアを開けた先には、拘束された見知らぬ女、織斑千冬に山田先生。

マクギリス「状況は?何が起きている」

千冬「説明の時間が惜しい。二人で篠ノ之達を救出しろ。座標データを送る」

マクギリス「了解した」

一夏「な、何が起きてんだ…?」

座標データの先には…簪と、ベッドに眠る一年の専用機持ち達。

マクギリス「一体何事だ、これは…?」

一夏「更識さん、何があったんだ!?」

簪「えっと…その…」

口下手な簪には説明は難しかったのだろう、端末の画面に詳しい状況を書き出して見せてきた。…どうやら、箒達は乗っ取られてしまった学園のシステムを取り返すべくISを使い、メインシステムへの電脳ダイブを敢行。しかし、敵の攻撃により連絡が途絶え、彼女達も目覚めないだろう、との事。

マクギリス「それで、我々はどうすれば…!?」

不意打ちで簪に押し付けられたスタンガンにより、速やかに意識を刈り取られた。

マクギリス「何をするっ、…ん?」

気付けばそこは、森の中…否、電脳空間なのだろう。

一夏「いってえ!?何すんだよ!?…あれっ」

遅れて、一夏も現れた。

簪『聞こえる?二人とも…森の中のドアに急いで。その先に、皆は居るはず」

「その先に俺は居るぞぉ!」

マクギリス「今、何か聞こえたか…?」

一夏「き、気のせいだろ、多分…とにかく行こう」

意を決して、ドアに突入する。

セシリア「ふう…」

セシリア(私はセシリア・オルコット。イギリスで最大規模のオルコット社を束ねる、若き総帥)

手元の特別製のベルを鳴らす。三秒後に、ドアが開く。

「お呼びでしょうか、代表」

セシリア「…私、今日の職務は終わっていますわよ」

「これは失礼しました、お嬢様」

セシリア「もうっ、二人っきりの時は…解ってらっしゃいますわよね?」

「フ、すまなかった、セシリア」

そう答えたのは、私専属の執事にして幼なじみのマクギリスさん。

セシリア(今は主従関係ですが、いずれは将来を誓い合う仲。二人っきりですし、甘えませんと!)

マクギリス「いや、意味がわからないぞ、セシリア。私は君の執事ではないだろう」

セシリア「へ、?」

セシリア(ま、マクギリスさんが二人!?)

マクギリス「どういう構造かは知らないが、偽者に勝手をされるのは気分が悪い。消えて貰おうか!」

バエルの剣の一太刀で、執事服のマクギリスさんが両断された。

セシリア「あ、あああー!?」

マクギリス「…認識を弄られているのか?セシリア、よく思い出せ。私は君の執事では無かったはずだ。違うか?」

セシリア「違…いませんけど、…うう…」

マクギリス「…全く、困った子だ。しっかりしてくれないか」

セシリア「でも、でも…むうう、頭に来ましたわ!」

偽物の空間に、ヤケになった攻撃を放つ。空間が崩壊し、元の森に戻される。

マクギリス「ん?」

セシリア「えっ?」

一夏、鈴「「あっ」」

そこに居たのは…何故か、中学生の制服の鈴と、その鈴のパンツを太ももの中間あたりにさせている一夏、だった。

マクギリス「………は、っ?」

セシリア「な、何をしてらっしゃいますの…」

流石に、ドン引きせざるを得ない絵面だ。

一夏「まっ、待て待て待て、誤解だあああっ!」

鈴「そっ、そうよ二人とも!私もこの一夏とはやましい事は何もしてないから!してないから!」

セシリア「いえ、この非常時にやらしい事をなさっていた弁明なら後で織斑先生にでもなさって下さい。マクギリスさん、お手を煩わせましたわね」

マクギリス「いや、気にするな。君は先に戻っているといい。まだ、他にも居るだろうからな。始末せねばなるまい」

セシリア「御武運をお祈りしてますわ」

一夏「頼むから話を聞いてくれ!?」

マクギリス「まあ、その、…葬式には、キチンと出席するから安心してくれ」

一夏「死ぬの確定かよ!?いやだから誤解なんだってぇえ!」

マクギリス「ともかく…次だ」

まだ、目覚めていないメンバーが居るはず。何やら甚大なダメージを受けて蹲る二人を無視してドアに再び入ろうとして…開かなかった

簪『多分、反撃に気付いて敵にロックをかけられた」

マクギリス「どうすればいい?」

簪『変装。恐らく、敵は皆がマクギリス、と認識出来る存在をブロックしてるから…』

マクギリス「なるほど、各々の認識を利用している訳か。ならば、こうするまでだ…フッ、久しぶりに、胸が躍る」

仮面と、ウィッグ。モンターク商会代表の完成だ。

モンターク「では行こうか」

扉を抜けた先には…

メイド姿のシャルと、それを押し倒し、何やら囁く自分、という形容し難い光景だった。

モンターク(なるほど、もう少し遅ければあの執事ギリスもあのような行動に出ていた訳か。腹立たしい)

苛立ちのままに、気付かれる前に鞘に入れられた剣を掴み取り偽者の脇腹に向けて全力フルスイング。偽物は変な声を上げながらシャルの上から吹っ飛んだ。

シャル「ご、ご主人様あああ!?」

マクギリス「落ち着けよシャル、私は君の主人でも無ければ君はメイドでも無かったはずだ。思い出せ」

仮面を外し、シャルに告げる。

シャル「えっ、マクギリス…あれ、えっ?」

マクギリス「とりあえず…私は今、機嫌が悪い。八つ当たりに付き合って貰おうか?偽者が」

蹲る偽物に、鞘に入れたままの剣を何度も叩き付ける。苛立ちを多分にぶつけ、少しだけ溜飲を下げる。

マクギリス「シャル、この空間を破壊しろ。そうすれば出られる」

シャル「う、うん。分かった」

森に戻るのに時間はかけられ無かった。

マクギリス「さて、夕方ボチボチと再開させて貰うが…一区切り付いたらバレンタイン特別編を書くか、そのままメインストーリーを書くか、選んで欲しい」

マクギリス「バレンタイン特別編が読みたいなら「止まるんじゃねえぞ…」と、ストーリーを進めて欲しいならば「その先に俺は居るぞぉ!」と書き込んで貰いたい」

マクギリス「バレンタイン特別編は基本的に時系列は無視、今後のストーリー展開との矛盾点は気にしないで貰いたい」

マクギリス「では諸君、また夕刻に」

マクギリス「申し訳ない、急用が舞い込んでしまってな…すまないが、来週まで待って欲しい」

マクギリス「来週であれば、次は夜勤となるが故に徹夜も可能だ。私の全ての力を用いて、書かせて貰おう」

マクギリス「今回の失態の穴埋めとして、ひと段落付き次第バレンタイン特別編、並ぶに書けるだけ本編も進ませて貰いたい」

マクギリス「では諸君、来週に会おう」

マクギリス「ところで、コミックの鉄血…四巻だけやたらと高いんだが、何故だ…」

マクギリス「インフィニット・ストラトスの最終巻も未だに発売されないのだが、どうなっているんだろうか…」

マクギリス「諸君、仕事は終わったかな?早速書いていくのでゆっくり見ていってくれ」

マクギリス「さて、いよいよ鉄華団コンプリートセットとアリアンロッド艦隊コンプリートセットが手に入った…素晴らしい、これで漫画版バエルの活躍が再現出来る…」

マクギリス「では、目覚めの時だ…」

シャル「なんか…ごめんね…」

マクギリス「気にしなくて良い。認識を弄られた上であの偽者では、な…」

シャル「お、怒ってない…?」

マクギリス「君には別に。むしろ私の姿で風評被害甚だしい行いをされる方が腹立たしいだけだ」

シャル「え、えっと…」

マクギリス「気にするな、ともかく先に帰還するといい。私に任せてくれ、落とし前はつけさせる」

シャル「オルガさんみたいになってるよ…ところであの二人は?」

マクギリス「淫行現場を同級生に見られてダメージを受けただけだ、気にしなくて良い」

一夏「違うって言ってんだろぉお!?」

シャル「う、うん…マクギリス、待ってるね」

一夏「シャルロットまでスルーしないでくれよぉ!」

無視して次の扉に。遅れて一夏も並ぶ。

マクギリス「後はラウラと箒、かな?」

一夏「ああ…くっそ、やっぱ開かねえ」

マクギリス「…使わせて貰うぞ、ガエリオ」

ヴィダギリス「さあ、行こうか…我々の戦場に」

剣道装備一夏「おう!」

扉が開かれる。その先には…

裸エプロンのラウラと、それにお触りする偽者の自分。完全に、色々とアウトだ。

ヴィダギリス(これが外部に漏れたらもれなく社会的に死ぬ。最悪だなこれは!)

偽者と目が合う。…何時ぞやの再現かの如く銃を向け合う。

偽者「ガエリオぉおお!」

ヴィダギリス「なんだこれは…」

そして撃ち合い、いつかの再現…ヴィダールの仮面に防がれ無傷の私と、致命傷を負う偽者…微妙な気分になる。ラウラも唖然としている。

ラウラ「…ま、マクギリスぅうう!?」

ラウラ「貴様、よくも…よくもマクギリスを…」

マクギリス「いやラウラ、気付け。そいつは偽者だぞ」

仮面を外した顔を見て、ラウラは混乱している様だ。…とりあえず、すべき事がある。

マクギリス「ラウラ、服を着て来るんだ。それは私が処分しておくから」

ラウラ「う、うむ?よくわからんが…服を着れば良いのだな?」

マクギリス「ああ」

虫の息の偽者に止めを刺す。ラウラが服を着たのを確認すると空間を破壊する。

微妙な沈黙に落ちる、森の一角。

ラウラ「忘れろ。頼むから忘れてくれ…」

マクギリス「無論だ。私も覚えていたく無い案件だ…」

互いの意思を確認し合う。我々は、分かり合えた。

マクギリス「では、私は先に進む。一夏と箒には先に戻る様に伝えてくれ」

簪「わかった…くれぐれも、気をつけて…」

マクギリス「ああ」

森を抜けた先には…青空に、砂浜。美しいと称せる景色が果てなく続いていた。

マクギリス(よくわからない空間だな。此処がシステムの中枢区画…なのか)

景色の先に佇む、銀髪の少女。どことなく、ラウラを思わせた。

マクギリス「君が、今回の犯人と言ったところかな」

「お初にお目にかかります、ファリド公。私はクロエ・クロニクルと申します。…此度はこれにて失礼させて頂きます」

マクギリス「待て、君の目的はなんだ?何をした?」

クロエ「いずれ、時が来ればあの方と共に、貴方様と目見える事となります。…では」

そう語り、影の様に消えていった。…結局、実行犯の名前だけしか判明していなかった。

マクギリス(…簪達からの反応は無い、か。仕方ない。もう少し先を調べてみるか)

その先に…見間違える筈の無い女性の姿を見つけ…そこで、意識が途絶えた。

微妙な沈黙に落ちる、森の一角。

ラウラ「忘れろ。頼むから忘れてくれ…」

マクギリス「無論だ。私も覚えていたく無い案件だ…」

互いの意思を確認し合う。我々は、分かり合えた。

マクギリス「では、私は先に進む。一夏と箒には先に戻る様に伝えてくれ」

簪「わかった…くれぐれも、気をつけて…」

マクギリス「ああ」

森を抜けた先には…青空に、砂浜。美しいと称せる景色が果てなく続いていた。

マクギリス(よくわからない空間だな。此処がシステムの中枢区画…なのか)

景色の先に佇む、銀髪の少女。どことなく、ラウラを思わせた。

マクギリス「君が、今回の犯人と言ったところかな」

「お初にお目にかかります、ファリド公。私はクロエ・クロニクルと申します。…此度はこれにて失礼させて頂きます」

マクギリス「待て、君の目的はなんだ?何をした?」

クロエ「いずれ、時が来ればあの方と共に、貴方様と目見える事となります。…では」

そう語り、影の様に消えていった。…結局、実行犯の名前だけしか判明していなかった。

マクギリス(…簪達からの反応は無い、か。仕方ない。もう少し先を調べてみるか)

その先に…見間違える筈の無い女性の姿を見つけ…そこで、意識が途絶えた。

目を覚ました先。そこは…学園の医療施設。かつて、この世界で最初に目覚めた所だった。…なんとなく、手元を確認する。拘束は、されていない。

「あら、起きたのかしら?」

マクギリス「…楯無か。傷の具合はどう…」

視線を向けた途端、外れて落下するカーテン。果てしなく既視感。ノーブラで、上着を着替えている楯無。即座に目を背ける。

楯無「二回目」

マクギリス「待ってくれ、完全に事故なのだが」

楯無「しなさいよ、私にもやらしい事!簪ちゃんから聞いたわよ、仮想世界で好き勝手やらしい事してたらしいじゃない!?」

マクギリス「落ち着いてくれ。偽者であり、あらぬ風評被害だ。私は潔白だ。だから落ち着け」

楯無を見ずにカーテンを直す。外れない様に、しっかり付け直す。

楯無「…ねぇ、そっちにいったら…ダメ?」

マクギリス「…ダメだ、と言っても聞く君ではあるまい。好きにするといい」

楯無「なら、失礼します」

ベッドに腰掛ける私の横に座る楯無。

楯無「…その。ありがとう。助けてくれて…」

マクギリス「…偶然通りかかったのが私だっただけだ。三日月でもガエリオでも。一夏でも、君を助けた筈だ」

楯無「それでも。嬉しかったの。…それが貴方だったのが、堪らなくね」

マクギリス「…まあ、それなら光栄、といった所か」

楯無「で、ね。…貴方には、知っておいて欲しいって思ったの」

マクギリス「…何を?」

楯無「私の、本当の名前」

マクギリス「…確か、更識家当主は代々『楯無』を襲名するとは聞いた事があるな」

楯無「そ。私の本当の名前は…刀奈」

マクギリス「…何故、私に?」

楯無「…なんでかしらね?ともかく、二人だけの時は…そう呼んでくれたら、嬉しいかな、って…」

マクギリス「…わかった。二人だけの時、だな?覚えておく」

楯無「ありがと。…じゃあね」

楯無…否、刀奈はそれだけ応えると自分のベッドに戻っていった。

米国、地下軍事施設

「アンネイムドが失敗しただと…」「これでは我々の計画も大幅に先延ばしが必要ですな…」「おのれ、ブリュンヒルデめ…最強は健在か…」

「お困りみたいだねー、君たち?」

途端、騒めく地下の一室。

「馬鹿な、何故此処に…!?」「警備は何をしていた!?」

「まあまあ、そう慌てないでよー。別に君たちを潰しに来たわけじゃないんだしさー」

「…貴方ほどの方が、何故この場所に?」

息を呑む、周りの男達。それに囲まれた一人の存在が、にこやかな笑みを浮かべて語る。

「欲しいんでしょ?無人機の技術が。私が協力してあげようかなーって。他の部分も、君たちの陳腐な計画を遥かに進化させて、ね」

にわかに騒めく一室に、甘言が踊る。…事態は、水面下で動き始めていた。

次回予告

マクギリス「諸君。今年もこの日がやってきた。やって来てしまった…」

ガエリオ「いや、バレンタインデーで何故そんな深刻な顔になるんだ?」

マクギリス「分からないのか、ガエリオ。この学園にはイベントとなればトラブルを起こす女が一人居るだろう?」

三日月「あの生徒会長?」

ガエリオ「ああ、お前をいたく気に入っている…」

マクギリス「嫌な予感しか、しない…早々に雲隠れすべきか…」

楯無「次回、インフィニットマクギリス。バレンタインはダインスレイヴ・スウィート☆」

マクギリス「サブタイトルからして嫌な予感しかしないんだが…」

特別回 バレンタインはダインスレイヴ・スウィート

二月十三日。バレンタインを翌日に控え、異様な雰囲気に包まれるIS学園校舎の一画で開かれた緊急全校集会。それを召集したのはこの学園の生徒会長、更識楯無だ。

楯無「さて、皆議題はうすうす解ってるわよね?そう、毎年恒例のバレンタインイベント。今回は大幅に内容を変更するわ」

楯無「まずは、悪いんだけど当日、男子に対して許可無くチョコレートやプレゼントの類いを渡すのは禁止とするわ」

途端、会場に響く阿鼻叫喚。…耳が痛い。

楯無「まあまあ落ち着いて。許可無く、と言ったのよ。…つまり、許可を得る…いいえ、勝ち取れば良いだけの事!」

マクギリス(何か、企んでいるな…またか…)

楯無「甘いバレンタインを、男子と二人っきりで過ごしたいわよね、皆!?」

おー、とおそらくは全女子生徒が同調した。…嫌な予感が…

楯無「とりあえず、バレンタイン当日は生徒会主催特別イベントに参加して貰うわ!そのイベントで、男子とのひと時を勝ち取りなさい!」

歓声が湧き上がる。男子四人を覗いて。

ガエリオ「…マクギリス、お前も大変だな」

マクギリス「私を生贄にするのはやめろ、ガエリオ」

バレンタイン当日。文化祭のイベントで使われた広いホールの一画に、男子四人…それと何故かオルガ団長と、石動までもが集められていた。

オルガ「更識のお嬢さんから仕事だってんで来たんだが…なんだこりゃ」

石動「私にもわからん。准将、これは…」

マクギリス「…嫌な予感しかしない。本当に」

胸元に付ける様に渡された、ハート型のワッペン。

ガエリオ「…まるで何かの的、ではないか?」

マクギリス「よせガエリオ、嫌な想像をさせるな」

楯無「さて、時間よ。今回のルールを説明するわね!」

会場全体に響く、楯無のアナウンス

楯無「題して、あの人のハートを射抜け!バレンタイン・ダインスレイヴパーティーを始めるわ!」

マクギリス「は、っ?」

ガエリオ「い、今あの女なんと言った?」

三日月「ダイン…なんとかって」

オルガ「ちょっと待て、それってアリアンロッドがバカスカ撃ちやがった禁止兵器じゃなかったか!?」

石動「いや、まさか。なんらかの偶然で…」

次の瞬間、嫌な予感は見事に的中した。

楯無「ダインスレイヴ隊、入場!」

肩に、ダインスレイヴの砲身を担いだ女子達が一斉に現れた。

絶句する、男子計六人。

楯無「ルールは簡単、男子が胸に付けたハート型のワッペンを一番最初に撃ち抜いた人だけが、今日一日その撃ち抜いた男子と一緒にバレンタインを過ごし、チョコレートやプレゼントを渡す権利を得るのです!」

マクギリス「ハートを撃ち抜く(物理)」

ガエリオ「待て待て待て、あんなもので撃ち抜かれたらバレンタインが血のバレンタインになるぞ!?」

三日月「…どうすればいい?オルガ」

オルガ「隙を見付けて逃げるぞ!」

一夏「なあ、話の流れからしてやべえ奴なんだよな!?どうすんだよあれ!?」

石動「この、物量…!?」

楯無「では、男子は30秒数える間に逃げて隠れてね?ではスタート!」

無慈悲にも、楯無の宣言が響き渡った。

きっかり、30秒。同時に楯無の指示が飛ぶ。

楯無「ダインスレイヴ隊、放てっ!」

マクギリス(絶対それが言いたかっただけだろう)

オルガ「何処にも逃げ場なんてねぇぞ…どうすんだこれ…」

逃げ場を見付けられなかったオルガ団長に、独特な撃発音を響かせてダインスレイヴの弾頭が解き放たれた。

オルガ「待ってくれ、流石にそれは…うおおああああ!?」

必死に逃げる団長を尻目に、私は見付からない様に反対側へと退避する。オルガ団長、武運を祈る。

「し、シノさぁあああん!」「は、謀ったな…更識楯無!」「准将ぉおおおお!」

哀れな犠牲者が出た様だ。急いで逃げなければ…

鳴り響く撃発音、ダインスレイヴを担いで闊歩する女子達。

マクギリス(なんだこの混沌は…)

女子達の目を掻い潜り、物陰に潜む。

マクギリス(さて、どうした物か。あれの餌食になるのは避けたい)

チラリと覗けば、飛び交うダインスレイヴの弾頭。

マクギリス(世紀末過ぎるぞ…バレンタインに相応しくないな、まったく)

だが、そんな逃避にも終止符が打たれた。遂に女子達に捕捉され、無慈悲に放たれたダインスレイヴ。


マクギリスを射抜いた女子↓1

楯無「はーい、そこまでー。男子は全員ハートを撃ち抜かれたわ。総員、撤収!」

マクギリス(ホログラムの弾頭が突き立てられると、ワッペンが反応する仕掛け…随分と大仰な…)

楯無「ではでは、男子は自分を撃ち抜いた女子を迎えに行ってあげなさい!」

渡された紙には…布仏本音、と書かれていた。

マクギリス「意外だな、君に撃ち抜かれるとは」

本音「いえーい、マッキーとバレンタインだー」

マクギリス「…では、共に参りましょうか。レディ」

専用の個室が用意されているので、そちらに向かう。…他の面子が若干気になるが、まあ詮索はしない方が良いだろう。

本音「じゃーあ、はい、マッキー。ハッピー・バレンタイーン」

渡されたのはラッピングされた箱。…明らかにお高い。

マクギリス「ありがとう。…一つ、聞いても良いかな」

本音「なーに?かんちゃんのスリーサイズ?」

マクギリス「この状況下でそれを聞くほどの変態ではないのだが…いや。何故、イベントでまで私を選んだのか、と思ってね」

本音「マッキーには色々お世話になってるからー。日頃の感謝?」

マクギリス「言うほど、私は何かしているわけでは無いんだがな」

本音「それでも、かんちゃん達は笑うようになったよ?マッキーのおかげで」

マクギリス「そうか…そうだと、嬉しいな」

本音「それよりマッキー、チョコレート食べてみてー」

促され、包みを開ける。

マクギリス「これは…素晴らしいな」

最初に見えたのはバエルソードを咥えた狐…デフォルメされているが、様々な狐がバエルのパーツを付けていたり、咥えていたりと愛らしく形作られたチョコレートが並んでいた。

本音「自信作なんだよー?食べて食べてー」

マクギリス「すぐに食べてしまっては勿体無いな。記念に、写真を撮らないか?」

本音「おー、流石マッキー。良いよー、バッチリ撮っちゃおー」

チョコレートを挟んで、二人で並ぶ。互いに笑顔を浮かべながらカメラのフレームに収まり、シャッターを押す。

本音「写真、出来たら私にも欲しいなー」

マクギリス「もちろんだ。必ず用意しよう」

手を拭き、チョコを摘む。そのままゆっくりと口に含み、咀嚼してみれば甘いミルクとアーモンドの風味が口に広がる。とても美味しい。

マクギリス「…これは素晴らしいな。本音はこういうのが得意なんだな」

本音「えへへー、しかも一つ一つ味が違うんだよー。はい、あーん」

マクギリス(流石に気恥ずかしいが…拒否する訳にはいかんか。二人きりな訳だ。気にせず頂くべきだな)

口を開け、入れられたチョコ…今度はバエルの羽を付けた狐だったが、それはストロベリーミルクの味付けをされていた。

マクギリス「…最高に美味しいな。ここまで私の好みに合わせてくるとは…」

本音「それは良かったー。ね、マッキー。…この学園に来て、幸せ?」

マクギリス「…ああ。幸せだとも。掛け替えの無い友人達が居るからな」

過ごした時間を、思い出を振り返る。

本音「私もね、マッキーが学園に来てくれて良かったって思うんだー」

マクギリス「…その理由を、聞いても良いかな」

本音「かんちゃん達がまた仲良く出来るようになったり、辛い時でも、マッキーが皆を纏めて、それをひっくり返したり。マッキーが居ると、皆が笑顔になれるんだー」

マクギリス「…そう、だろうか?私は私がすべきと思った事を、やっているだけだが…」

本音「それが、みんなの為になってるんだよー。だからマッキー」

マクギリス「ん、?」

本音「この学園に来てくれて、ありがとー。これからも、よろしくねー?」

胸の中に、暖かいモノが広がる。力だけを求め、信じて友人すら切り捨てる決断さえした私が、此処に居る意味を…生きて来た意味を、その一端を垣間見た気がした。

マクギリス(これが、これこそが…俺が、私が本当に手に入れるべき…望むべき事だったのだ…)

マクギリス「こちらこそ、ありがとう。私もこの学園に来て、とても幸せだよ」

本音「マッキーが幸せなら、生徒会として鼻が高いよー」

マクギリス「ああ。これからも、末長く、頼む」

チョコレートのように甘い感情を味わいながら、バレンタインデーは幕を閉じた。

マクギリス(なかなかに、濃い一日だったな…だが、悪くなかった。今日得られた物はとても大きいな)

ゆっくりと、噛み締めるように足を部屋へと向ける。既に夜は遅いが、静かなこの空間の中で、暖かい思いを胸な刻み付ける。

マクギリス(来年もまた、素晴らしいバレンタインを迎えられるように努力しなければな)

部屋の扉を開ける。…中には、何故か楯無が居た。

マクギリス「…君は本当に可笑しな奴だな、楯無」

楯無「それ、褒めてないわよね?ひっどーい」

マクギリス「こんな夜更に男性の部屋を訪れるのは感心しないな」

楯無「夜更じゃないとダメなのよ。色々とね?」

マクギリス「何?いったい、何の用だ?」

楯無「はい。チョコレート。もちろん本命よ?」

マクギリス「…なん、だと?」

マクギリス「…確か、ダインスレイヴで射抜いた者のみが渡す権利を持つのでは無かったのか?」

楯無「あら、私は当日渡すのは禁止にしただけよ?」

ビッ、と時計が指を差される。12時を既に越えていた。

マクギリス「…悪い女だな、君は」

楯無「魅力的でしょ?で、どっちを選ぶのかしら?」

マクギリス「…何の話だ?」

楯無「告白されたでしょ?本音ちゃんに。私とあの子、どっちを選ぶの?」

マクギリス「いや、されてないんだが?」

楯無「…えっ?」

マクギリス「…」

楯無「…」

楯無「お邪魔しました」

マクギリス「いや待ってくれないか。…とりあえず、茶でも飲んでいけ。このまま放置されたのでは流石に困る」

紅茶を、二人分淹れる。ゆっくりと、楯無はそれに口を付ける。

楯無「あー…あの気合いの入れっぷりだったから、告白するもんだと思ってたのよー…」

マクギリス「…確かに、かなり気合いの入った品だった。…言われたよ、私がこの学園に来て良かった、と。幸せなら良い、とも」

楯無「…そっかぁ。あの子はそんな事考えてたのねえ…」

マクギリス「…それで、君はどうするつもりだ?」

楯無「さっきのは聞かなかった事にしておいて。日頃のお礼。なんだかんだ、付き合ってくれてるから」

マクギリス「振り回している自覚があるならもう少し自重して欲しいのだが?」

楯無「それは無理かなー。紅茶、ありがとね。おやすみなさい」

飲み干して、そそくさと席を立った。

マクギリス「…ああ。おやすみ、刀奈」

驚いた顔で振り返る、刀奈。一瞬微笑むと、『楯無』の笑みに戻る。

楯無「…本当、ズルイ人ね。余計欲しくなっちゃうわ」

マクギリス「約束だろう?二人きりの時は、そう呼ぶのだと」

楯無「…ありがと。じゃあね」

マクギリス「ああ。また、な」

こうして、二人だけの秘密のアフターバレンタインは過ぎていった。

マクギリス「…ビターも、たまには悪くない」

裸エプロンのラウラってなーんかフィギュアがあったよーな

>>413

マクギリス「元々は原作でも似たようなシチュエーションになっていて、その挿絵を再現したフィギュアが発売されているな。私はAGP派なので買っていないが…」



マクギリス「さて、夜勤明けの朝ではあるが…まずは謝罪をさせて貰おう」

マクギリス「指定はカルタで、無理なら…とあったので甘えさせて貰った。申し訳ない。カルタ指定が来るとは完全に予想外な上に、話が思い付かなかった。すまない…」

マクギリス「次に更新だが、今週は恐らく無理だ。というのも、9巻の話しは無くてもあまり支障がなさそうな上、読んだ筈なのに後の巻に比べて記憶に残っていなくてな。読み返した上で9巻の話しを入れるか飛ばすかを吟味させて貰いたい。従って次回予告は更新時に、となる」

マクギリス「しかし、AGPと並べようにもやはりHGバエルでは小さいな…ガンダムユニバースを待つとしようか。出てくれれば間違いなく買う」

マクギリス「では、またゲームセンターで会おう。コロナには、気を付けて欲しい」

マクギリス「諸君、だいぶ待たせてしまっている…本当に申し訳ない」

マクギリス「色々と、精神的にも経済的にも余裕が無くなって来ていてな…書いている気力がない、しばし待って欲しい」

マクギリス「とうとう私の職場近くでも例のが出てな…この状況は楽観出来ない…」

マクギリス「とまあ、暗い話ばかりではいけないな。今夜はビルドダイバーズリライズの二期が始まる。期待に胸が躍るが、私は夜勤だ…」

マクギリス「それと、マキシブーストオンのネットテストの締め切りは明日までだ。まだ応募していないならば、急ぎたまえ」「乗り遅れるなよ諸君!コロナで出掛けれなくても満足出来ちゃうんだなぁこれが!」

マクギリス「諸君はマルコシアスは買ったかな?造形は悪くないが、塗り分けはあまりよろしくない上に一部は筋彫りしなければ塗装困難な部分もある。塗るならば、筋彫り道具は用意した方が良い」

マクギリス「では、また気力が戻り次第書かせて貰う。今しばし、待っていてくれ」

おー、生きてた!心配してたわ

>>417

マクギリス「心配を掛けたな、申し訳ない。一応、頑丈さが取り柄なので単純に筆に詰まっている、と考えて欲しい」


マクギリス「さて、ネットワークテストに応募した諸君、結果はどうだったかな。私は…フッ、バエルは私を選んだ、と言ったところだ」

マクギリス「友人曰く、まだベーターテストがあるであろう、という話しなので当たらなかった者も悲観せずに続報を待っていて欲しい」

マクギリス「しかし、漫画版ISの方が先に完結してしまうとは
…原作も、完結を急いで欲しいものだが…」

マクギリス「今年は著名人の訃報が多い。だが、悲しみに負けず前に進んで欲しい。我々は、立ち止まる訳にはいかないのだから」

マクギリス「では諸君、とりあえず今夜には何かしら書かせて貰いたいと思う。だが、原作がどう転がせば良いのか判断に困っていてな…もう一度読み返して思いつかない場合には没ネタや入れ損ねたネタや番外編にしようと思う。何かしら見てみたい話があるならばリクエストも受け付けよう。では、君たちの意見を待っている」

マクギリス「いかんな…夕食を食べて少し寝たらこんな時間とは…」

マクギリス「すまない、今夜には必ず書かせて貰う。申し訳ない」

番外編 甘味を求めて三百年

マクギリス「三日月、準備は大丈夫かな?」

三日月「うん。…面倒だよね、制服で歩き回るなってのは」

マクギリス「仕方ないものさ。要らぬ問題に巻き込まれてからでは済まないのだからな。では、行こうか。私達の桃源郷に」

三日月「火星ヤシの代わり、そろそろ欲しいから…」

マクギリス「わかっている。だがまぁ、食べ歩きというのも乙なモノだろう」

三日月「まあね。前のお祭りの…なんだっけ、ふわふわしたのはわりと美味しかった」

マクギリス「綿飴か。なら、駄菓子をメインに据えた上で色々と食べ歩いて見るべきだな」

三日月「んじゃ、案内頼んだ」

マクギリス「ああ、任された」

まず訪れたのは、いつぞやのクレープ屋。

マクギリス「三日月、君は何にする?」

三日月「んじゃあ、ストロベリーで」

マクギリス「では、私も同じのを」

「はーい、ストロベリーお二つですねー。少々お待ち下さい」

金銭を払い、受けったクレープの出来たての甘い香りが、食欲を滾らせる。

マクギリス「どうかな?」

三日月「うん、良いね…これ。用事ついでに寄っても良いかも」

クレープに齧り付き、咀嚼しながらそう答えが返る。

マクギリス「ふむ、では次は…和風の菓子にして、移動販売の定番である、鯛焼きはどうかな」

三日月「美味いならなんだって良いよ」

三日月「これが、鯛焼き?なんか、魚みたいだけど…」

マクギリス「まあ、魚を模した焼き菓子だな。中には餡子が詰まっている。まあまずはスタンダードな漉し餡だ。餡子の皮が歯に詰まらないので食べやすい筈だ」

三日月「ふーん…うん、これもなかなか美味い。けど、これの甘いの方向が…なんか、クレープとは違うね」

マクギリス「和風、だからな。どちらの方が好みだ?」

三日月「うーん…どっちもイケる」

マクギリス「なら、下手に選り分けなくて良さそうだな。ちなみに、鯛焼きにも中身には幾つか種類がある。白餡にクリーム、抹茶…売り手次第では更に種類が増える。気に入ったのなら、食べ比べてみるのも悪くはないだろう」

三日月「へえ~…菓子っていっても色あるんだ」

マクギリス「菓子は食文化の発展の只中にあって主食と共に進化を遂げてきたのだからな、多様性に富んでいるのさ」

鯛焼きを食べ尽くす。少し甘くなり過ぎた味覚を、コーヒーで整える。まあ、カフェオレなのだが。

三日月「んじゃあ、次は?」

マクギリス「では、次は…団子、かな。ついてきまえ」

三日月「…古臭い、感じ?」

マクギリス「風情がある、と表現すべきだな。古来の茶屋を再現した店だ。雰囲気から食に入れる、歴史の情緒に配慮した店と言えるな」

マクギリス「まあ、基本の三色団子で良いだろう。みたらしやきな粉は服や顔を汚してしまいかねないからな」

三日月「へえ…綺麗だね。美味しそう」

マクギリス「餅を主材料にしている、喉に詰まらせないように気をつけてくれ」

三日月「オルガみたいになるからね」

マクギリス「…悲しい、事件だったな…」

三日月「…うん、美味い。こういうの、火星にはなかったから新鮮だな」

マクギリス「日本食は島国故の閉鎖的環境で独自に発展した部分が多いからな。目新しい物も多い筈だ」

三日月「…パン屋?」

マクギリス「西洋菓子の代表格というのはパンを応用した焼き菓子の類いだからな。…よし、アインは休みだな」

「いらっしゃいま…ファリド特務三佐殿でしたか、ようこそ」

マクギリス「よしてくれ、今は一般人に過ぎない。オススメのスイーツ類は何かあるかな」

三日月「…アンタ、どっかでみたような…」

「気のせいでしょう。私は一介のパン屋の店員ですので…そうですね、このホットケーキはいかがですかな。良い蜂蜜が入りましたから」

マクギリス「では、それを頼めるかな」

「はい、ただいま…オーリス、ホットケーキ二つだ!」「了解…見せてくれる、私の至高のホットケーキをな!」

三日月「…?なんなんだろ、あの人たち」

マクギリス「ああいうノリの店だ、と言う事さ。あまり気にしなくて良い」

三日月「ふーん…」

「お待たせいたしました」

マクギリス「ありがとう。いただくとしようか」

三日月「うん。…これ、すごく良い。好きだな」

マクギリス「ふむ、流石と言ったところだな。紅茶もなかなかに上質だ」

三日月「お茶は良くわかんないんだけど、それでもわかるよ。この紅茶、すっごくコレに合う」

マクギリス「ああ。これは素晴らしいな。足を運んだだけの甲斐はあった」

三日月「今度はオルガ達も誘おうかな」

マクギリス「…そうだな。それも良いだろう。彼らも忙しい中の癒しが必要な頃合いだろうからな」

マクギリス「次は、ここだ」

三日月「…いや、スーパーじゃん」

マクギリス「スーパーを侮るな。様々なメジャーな菓子を取り揃えていると言えば、スーパーこそが最有力だ」

三日月「ふーん…」

マクギリス「そのラインナップの豊富さは他の追随を許さない。ポテトチップ、チョコレート、シュークリーム…簡単に思い浮かぶ菓子ならば、国を問わずして手に入れられるのがスーパーにおける菓子売り場だ」

マクギリス「なにより、駄菓子と呼ばれる日本古来の安価で少量の菓子を取り扱うのは、今やスーパーやコンビニ程度になってしまったからな。それらを探すにはうってつけだ」

三日月「これ、何?」

マクギリス「美味い棒だな。サクサクとした食感と豊富な味で庶民の心を掴む、素晴らしい菓子だ」

「おーいアシッド、ここならまだあるぞ」「シドウ、まだ買うつもりですか」

マクギリス「この辺りもオススメかな」

三日月「なんか、ちっこいチョコレートが薬みたいに入ってる」

マクギリス「食べやすいが、夏場には溶けるから注意したまえ」

三日月「今日はありがと。色々面白いのがあって良かった」

マクギリス「ああ。私も楽しかったよ」

「あら?二人でお出掛けでしたの?」

マクギリス「…セシリアか。三日月の要望で、甘味巡りをな」

セシリア「まあ、そうでしたの?今度は私も誘ってくださいな」

三日月「うん。今度は皆で行こう」

マクギリス「そうだな。それも、悪くはないか」

セシリア「では、予定を立てないといけませんわね」

マクギリス「皆を誘っておいて貰えるかな」

セシリア「おまかせくださいな」

こうして、いつかの一日は過ぎて行った。

マクギリス「書いている最中に寝落ちるとは…流石に無様が過ぎるな、申し訳ない」

マクギリス「残りは次回…なのだが、来週はまず不可能と考えて欲しい。ひたすらにバエルに乗るのでな」

マクギリス「では、諸君。また再来週あたりに」

オルガ「止まるんじゃねぇぞ…」

マクギリス「申し訳ない、吐き気と頭痛がトランザムしている…落ち着き次第、書き始めたいと思う」

マクギリス「大分心配を掛けたな、申し訳ない…恐らくだが、コロナではないだろう。大分快復しつつあるしな…胃腸風邪の類いだろうか。諸君も体調には気を付けてくれ」

マクギリス「さて、君たちはビルドダイバーズリライズは見ているかな?私は折りに触れては見返している。近年まれに見る良作だと思っている。興味があれば、随時配信されているのを見てみて欲しい」

マクギリス「にしても、コロナウィルスはまだ終息しないな。これでは、バエルに乗る事すら覚束ない…由々しき事態だな。だが今は忍耐の時だ、積みプラを消化するなどして外出を共に控えよう。手洗いうがいも、忘れてはいけない」

マクギリス「ではそろそろ、ぼちぼちと書かせて貰おう」

間話 友情を手にした二人

「来たか、マクギリス」

「すまない、待たせたな…ガエリオ」

学園から、さして離れていないバー。その前に、私服のガエリオ、そしてこの私、マクギリス・ファリドは集っていた。

「随分と洒落た店だな。趣も良い」

「織斑千冬の行きつけだ。…正直なところ、一応は学生と教師なのだから共に酒を飲むのはいかがなものかとは思っていたが、彼女の愚痴を聞いてやれるのは限られているからな」

「お前はカウンセラーか何かなのか…随分と大人になったな、まったく」

「私も君も、子供では居られんということさ。…では、」

「ああ」

「「乾杯」」

酒に満たされたグラスが、小気味よく音を立てた。

「で、だ。ガエリオ。…俺が死んだあの後、世界は…どうなった?」

「いきなり斬り込んで来たな。…まあ、こんな席で酒でも入らねば聞き辛いか」

「割り切っては居るが、それはそれとして知らねばならないだろう?色々とな」

「…おおよそはお前の予想通りだろうよ。ラスタルがギャラルホルンを取り纏めた。合議制は廃止、民主制に移行して…その後継者には、ジュリエッタという女性が有力候補になっているな」

「…待て、確かその女性は君の戦友ではなかったか?幾度と無く三日月とも戦い、あのモビルアーマーとの戦いの場にも居た…」

「ああ、何度か話しただろ?忠義の女騎士と言える奴だ」

「…てっきり、イオク辺りが継ぐと思っていたが…」

「言ってなかったか?鉄華団最後の戦いで、イオクも死んだぞ。だからこそ合議制へと舵を切らざるを得なかったわけだがな」

「…彼は、どうしているんだろうな」

「さあな。この世界に来ているのか…あるいは、また違う世界に居るのかもな」

グラスを傾け、飲み干す。アルコール薄めの果実酒を、空いたグラスに追加する。

「いつか、話してみたいな。同じセブンスターズでありながら、彼はまるっきり私とは違う存在だったからな」

「案外、意気投合するかもな。しがらみが無くなればあいつはなかなかに見どころのある男でもあった。真っ当に成長していれば傑物になっただろうな」

「その芽を、間接的に私は潰した訳か」

「自虐るなよ。今更だ」


「後から気付くものさ。自分の業の深さに、な…」

「気付けたならまだマシだろう?まだ、やり直せる。それが許される世界に、お前は居る」

互いに満たしなおしたグラスを打ち合う。

「案外こういった酒も悪くないな。向こうに戻れたらジュリエッタを誘って飲むかな」

「いよいよお前にも春が来るか。ボードウィン卿も喜ぶだろう」

「さて、どうかね。アイツは良い女ではあるが、相変わらず融通がきかないからな」

「…女、か」

「…あいつは、まだ立ち直れていない。まだ時間が要るだろうな」

「…そうか。」

「まあ、そう気に病むな。立ち直るさ、未来はまだあるんだからな」

「そう願うより他ない、か…」

「そう、女といえばお前は誰を選ぶつもりだ?言っておくが資格がないだとか言うのは聞かんぞ」

「いきなり話を変えすぎだろう、それは…正直なところ、どうすれば良いのかわからないんだ。一応私は妻帯者だぞ」

「そんな建前は要らん、正直なところ誰が好みだ?更識の姉か?」

「私は振り回されて喜ぶような性癖は持ち合わせて無いんだが?」

「その割にはなんだかんだ目を掛けている癖に。スタイル良いもんな?」

「私を犯罪者にしたいのかガエリオ。この世界では捕まるぞ」

「バカ言え、あと少し待てば法的には合法だろうが」

「お前案外酔っているな?話が下世話過ぎるぞ」

「正気故だ!マクギリス!」

「あの戦いの時の台詞を引用とは、本気で酔って来てるじゃないか…少し水でも飲め」

「話題を逸らすな。それともあれか?やはりボーデヴィッヒのが好みか」

「俺をロリコン呼ばわりするのは本気でやめろよ、ガエリオ」

「んぐ、っ…ぷはぁ。お前的には織斑千冬か?歳も近い」

「追加を一気飲みした上でさらに続けるのか、この話を…」

「まだお前の本命を聞いていないからな、さあキリキリと吐けマクギリス!」

「アルミリアだ。それ以外誰が居る」

「そう言う優等生発言は腹一杯だ。本能で語れよマクギリス」

「お前酔うとタチ悪くなり過ぎではないか…?」

「こうも楽しい酒は久しぶり…いや初めてと言えるからなー。じゃあまずは篠ノ之箒について語れ」

「私の所感を、か。…言わねば止まりそうにないな、まったく」

「やっぱ胸か?」

「下世話過ぎるぞ!?…まあ、美人で腕も立つ。少々感情表現に難はあれど、一途で仲間想いな面は素晴らしいと思うが」

「お前的にはナシか」

「彼女の思い人は一夏だろうが。私の出る幕はないさ」

「そういう優等生発言は良いと言ったろう。…ならセシリアはどうだ?あれもスタイル良いだろう」

「お前体しか見てないのか、さっきから下世話な発言しかしていないぞ…」

「マクギリス、まさかとは思うが…不能、では無いよな?幼少期のトラウマとか…」

「本当に下世話だな!?勝手な憶測はやめろ」

「ならいい加減教えろ。誰が好みなんだ?」

「特にそういった目で見ている対象は居ない。そんな暇もない」

「本音は?」

「誰も彼も魅力的で困る…いや、何を言わせるんだ」

「ははは、今のは自爆だろうがマクギリス。このリア充め、爆発しろ」

「酷い言われ様だ…にしても、私も酔いが回ったか…」

「どうしたマクギリス、飲みが足りんぞ。お前の理想はその程度か」

「親友の絡み酒が酷過ぎる…」

注がれた酒を、喉に流し込む。

「そうだ、カルタはどうだ?この世界ならなんの問題も無いだろうが」

「カルタは色んな意味で無理だ…。想像してみろ、自分に所々身体的特徴が近い人間を囲っている幼なじみとか寒気しかしないぞ」

「確かに。あの親衛隊やっぱお前に近いのを選んでるよな」

「やってる事がイズナリオと同じではな…」

「まあ飲め飲め。嫌な事は思い出さずに飲んで忘れてしまえ」

グラスに日本酒が注がれる。

「ありがとう…いや思い出させたのはお前なんだがな」

「で、結局選べないのか?」

「…どう選べば良いのか。今まで、選べる立場にはなかったからな」

「いきなり選べる様になっても戸惑うか。贅沢な悩みと割り切って存分に悩めよ。悩む時間はいくらでもある」

「…だが、選ばぬのは一番の不誠実、か。解っている、私なりに答えは出すさ。必ずな」

「まあそれはそれとして、ムラムラくるのは誰だ?」

「いきなり下世話に戻るなガエリオッ…そんな事、意識した事はない」

「つまらん奴だな、酒の席でくらい下世話な話を遠慮なく、だ」

「遠慮がなさ過ぎるのだが、私の心情には配慮して貰いたい」

「上手いことを言うな。褒美にもう一杯だ」

私のグラスに並々に注がれた洋酒。仕方なく、口をつける。

「どうしたらそんなに酒癖が悪くなるんだ、お前は…」

「向こうでは半身不随だったからな。滅多に飲めんし飲む相手も少ないからな」

「…要らん事を聞いたな」

「悪いと思うならばさあ吐けマクギリス」

「…正直、最近楯無の距離感が殊更近くて困る」

「ほうほう、それは良いな…このラブコメ野郎め」

「風評被害甚だしいな、それは」

「良いさ、存分に謳歌しろよ。今まで出来なかった分を、な。…それで、また飲みながら下らない話を長々とする。それだけでも…」

「…ああ。胸が躍る未来、だな」

互いにグラスに注ぎ、打ち鳴らしては酒を喉に流し込む。

「そろそろ時間か。どうする、梯子でもするか?」

「君は飲み過ぎだ、やめておけ。…また、こうして飲みに来れば良いさ。その機会は、必ずある」

「ま、それもそう………!?」

唐突に顔を青くするガエリオ…いや、まさか、?

「やばい、やばい…」

「ハイペースで飲み過ぎだ…しっかりしろ、ガエリオ」

トイレになんとか連れて行く。…店を後に出来たのは結局30分近く経ってからだった。なんとも締まらない、二人だけの飲み会であった。

マクギリス「本日はここまでだ。次回はとりあえずボツネタ集やら小ネタやら、と言ったところだ。では、また次回に」

ボツ話 ギャラルホルン掲示板

石動「……」カタカタ

安価でガンダムフレーム作ってISにする(870)

30分以内に500行ったら鉄華団に転職するわ(940)

正直准将ってロリコンだと思う奴→(115)

石動「……」カタカタカタ

准将が全裸の銀髪ロリと一緒に寝てた件(1)

社長代理:資料纏めて持って行ったらスレタイだったのだが、どうすれば良いのだろうか

正義:何やってんだよ、准将!

火星の王:何やってんだァアア!

来座:通報待った無し

魂ィ!:いや待て、准将が早々に婚姻もしていない少女に手を出すか?

大リス:ロリにすら好かれるのか…これだからイケメンは

社長代理:准将の衣服に乱れは無かったので少女が潜り込んだ可能性は高いと思われる

流星:くっそ、アイツばっかモテやがってー。俺にも分けてくれよ、胸デカイの!

支部長:おのれ青二才め…ところでそのロリの詳細と画像はまだかね

男児:ロリなら良いや。胸は大事

石動「………参考にならんな。この件は保留にしよう」


石動・カミーチェのとある一日

第十二話より。ボツネタというより入れ忘れ

「貴方がマクギリス、で良いのかしら」

マクギリス「ええ。マクギリス・ファリドと申します…貴女は、もしや」

「そ。シルバリオ・ゴスペル…あの子のパートナーよ。ナターシャ・ファイルス。気軽にナターシャって呼んでね。…これはお礼」

頬に、柔らかな感触。

ナターシャ「じゃあね、白亜の騎士さん。またいつか、会いましょう」

そう言って、彼女は去って行った。

第十三話より

一夏「えっと、こんばんは…?織斑一夏です」

オルガ「ミカァ!」

三日月「いつもの、だね」バンバンバァン!

一夏「うええっ!?」

マクギリス「な、っ!?」

オルガ「俺は、鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ…」

一夏「だ、大丈夫なんですか!?」

オルガ「こんくれえなんて事ねえ…だからよ、止まるんじゃねえぞ…」

マクギリス「どう見ても大丈夫ではないんだが!?」

三日月「大丈夫、トマトケチャップだから」

どう考えても色々アレなのでボツに。

第二十話より

扉を抜けた先は…夕刻の、外に繋がる通路。

マクギリス「どこだ、此処は…誰が居るんだ?」

「なんか静かですねぇ。街の中にはギャラルホルンも居ないし、本部とはえらい違いだ」

ギョッとして背後に振り返る。鉄華団の構成員の少年と、オルガ団長が歩いてきた。

「火星の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな」「ま、そんなのもう関係ないですけどねー」「上機嫌だな」

マクギリス「オルガ団長…?いや、違う。彼ではない?いや、しかし」

とりあえず、ついて行ってみる。…二人が外に出た途端に、銃撃。

マクギリス「これは、まさか…」「団長!?何やってんだよ、団長!」「うあああああっ!」

反撃により、退散して行く襲撃者。

立ち上がり、前に進もうとするオルガ団長。そして、とうとう倒れ伏した。

「俺は止まんねえからよ…お前らが止まんねえ限り、その先に俺は居るぞ!…だからよ、止まるんじゃねえぞ…」

マクギリス「…何故、オルガ団長の最期が記録されているんだ」

簪「…何これ」マクギリス「私にもわからない」

これも色々考えた上でボツに。

マクギリス「うむ…他にも色々考えたはずなのに思い出せんな。ともかく、次はいよいよ本篇に戻らせて貰う。更新が滞ったら筆に詰まったと考えて欲しい」

マクギリス「にしても、次回のテストが待ち遠しいな。バエルロスが半端ではない…」

マクギリス「では諸君、また次回に」

マクギリス「待たせたな、諸君。マーズフォーを組みながらではあるが、書かせて貰おう」

マクギリス「リライズ、本気で素晴らしくないか?延期は残念だが、何度でも見返せるのはなかなかに良い利点でもあると思う。何度見返したか分からないほどだ…彼等は彼の地におけるアグニカ・カイエルになろうとしているな。まして、それを意識すらせずに…」

マクギリス「さて、諸君に忠告だ。…コアガンダム系列を買うと、沼に嵌るぞ。もし購入するならば、覚悟を持って貰いたい」

マクギリス「では、始めるとしよう」

次回予告

マクギリス「大運動会…しかも女性専用機持ちだけで、だと?」

楯無「そうよ。優勝者が指名した男性操縦者と同じクラスになり、そしてそれ以外の専用機持ちは別のクラスに異動。そして優勝者は指名した男性操縦者と同じ部屋で暮らして貰うわ」

マクギリス「わかった、君達は病気なんだな?待っていろ、今石動に連絡して精密検査の手配を…」

楯無「次回、インフィニットマクギリス…アグニカのライバル注意報」

マクギリス「なんでもかんでもバエルやアグニカを絡めたら私が許容するとおも…待て楯無、私の話は終わってな…」

第二十一話 アグニカのライバル注意報

以前の一件にて生徒会に参加する事になったが故に、放課後には生徒会室で事務作業を行う事になっていた。

マクギリス「…向かうとするか」

「お待ちになって、マクギリスさん」

マクギリス「セシリアか、どうしたのかな?」

セシリア「じつは私、生徒会執行部に入ろうかと思いまして」

マクギリス「ほう、何故急に?」

セシリア「私も代表候補生、ならば生徒会として全校生徒の役に立てるのではないかと思いましたの!」

マクギリス「なるほど…殊勝な心掛けだな。ならば、私が君を推薦してみよう」

セシリア「まあ!ありがとうございます!では参りましょう」

彼女の腕が私の腕に回される。…当然集まる、周囲の視線。

マクギリス「…セシリア、流石に腕を組むのは遠慮して欲しいのだが…周囲の目があるから、な」

セシリア「…ご迷惑、でしたか?」

途端に曇る、セシリアの表情。

マクギリス(…まあ、私が気にしなければ良い話か。彼女の笑顔を曇らせるのは勿体ない」

マクギリス「…いや、君が組みたいなら構わないさ。エスコートさせて貰おう」

楯無「で、なんでわざわざ生徒会室まで手を組んで来てるのかしら?」

ジトっとした目を向けてくるのは、現生徒会長の楯無…と、男子のスケジュール管理を担当している、楯無の妹である簪。

マクギリス「淑女をエスコートするのは紳士の務めであるのは、大概の時代で共通だと思うのだが?」

楯無「なら私もエスコートしなさいよー!」

簪「贔屓、良くない」

マクギリス「淑女扱いされたいのであれば、相応の振る舞いをして欲しいんだかな?特に楯無」

楯無「してるじゃない、淑女」

マクギリス「淑女は男性を引っ張り回したりしないんだがな…ともかく、セシリアは生徒会への入会を希望している」

楯無「却下」

セシリア「な、何故ですの!?」

楯無「簪ちゃんで人数埋まってるもの…とはいえ、流石にそれは殺生よね」

マクギリス「…どうするつもりだ?」

聞かなければ良かった、と後悔するのは…やはり、いつもの事だった。

マクギリス「…流石に、憂鬱だな」

ラウラ「なんだ、不満か?私が居るというのに」

銀髪の少女…ラウラを誘い、急遽決まった運動会の買い出しに来ていた。

マクギリス「いや、そうではないさ。例の運動会自体が、だ…」

ラウラ「心配は要らんぞ、勝つのは私だ」

マクギリス「そういう意味ではないんだがな…とりあえずは、あんパン50個か…配送を依頼するか」

ラウラ「何故そんな物を?」

マクギリス「パン食い競争、という競技に使用するようだ…正直、私には意味がわからないが、な」


ラウラ「同感だ。まあ、そこにしかない意味があるのかもしれん」

マクギリス「あとは軍手に鉢巻か…」

ラウラ「…それも、学園配送にするのだろう?何故私を誘ったのだ、荷物持ちに来たのに意味がないではないか」

マクギリス「何故女性に荷物持ちをさせると思ったのか…君が前に行きたがっていた抹茶カフェに新商品が出たと聞いてな。ついでに飲みに行くのも悪くないと思ったんだ」

マクギリス「…あれか。抹茶シェイク、とやらのようだな」

手早く、二個を注文する…が、

「すみません、抹茶シェイクあと一つしか作れないんです」

マクギリス「すまない、眠気がバーストし始めた。今回はここまで…次回は来週だ。ゆっくりと待っていて貰いたい」

マクギリス「すまない、書いている余裕が取れそうにない。やらねばならない事が全然終わらない…」

マクギリス「申し訳ない。来週に時間が取れたら書かせて貰うが、正直なところ確約は出来そうにない…むしろ、六月は更に状況は混迷しそうだ。その場合生存報告は時折させて貰うが、更新はあまり期待しないでくれ…」

マクギリス「大変待たせてすまない。なんとか私は生きている」

マクギリス「未だに忙しい状況下だ、更新はしばらく待ってほしい」

マクギリス「待っている間には、リライズを見返すといい。来週から再開されるようだからな」

マクギリス「にしてもmetal robot 魂のバルバトス…出来が素晴らしい。ヴィダールも予約を受け付けている、まだの同志達は急ぐといい」

マクギリス「未だコロナは収まらない、諸君らも気をつけて欲しい」

マクギリス「マキオンのバエルはやはり素晴らしい…(恍惚)」

マクギリス「すまないな、たしかにマキオンに夢中…なのだが、転職したばかりで書く内容を考えている余裕がないのだ。頭を空にして乗れるバエルは最高だな。…レクスもいい」

マクギリス「にしても、リライズ…毎回神回とは。今日の放送も楽しみにさせて貰おう…!」

マクギリス「さて、いよいよ土曜日の深夜…少しではあるが、書かせて貰おう。ただ、友人に対戦を申し込まれた場合かなり遅くなる可能性はある。読むのならば日曜日の夜をオススメしよう」

マクギリス「コロナは依然治らない、だが私について来てくれた諸君らならば、乗り越えられると信じている。共に駆け上がろう」

ラウラ「…ふむ、そうか。ならば一つで」

「はーい、ありがとうございます」

マクギリス「会計は私が」

ラウラ「良いのか?」

マクギリス「付き合わせているのは私だからな。余裕もある、気にしなくて良い」

ラウラ「……」

トレイを持ち、空いている席へ。

ラウラ「…では、いただく」

口を付けたラウラの表情が、にわかに明るくなる。

マクギリス「美味いか?」

ラウラ「ああ。素晴らしいぞ、これは。…だから、お前にも飲んでみて欲しい」

マクギリス「では、一口戴こうか」

ストローから口に含む。…なるほど、甘美な味だ。

マクギリス「これは…次はもっと早く来るべきだな、病みつきになりそうだ」

ふと、ラウラの顔が赤い事に気付く。

マクギリス「…大丈夫か?顔が赤いが」

ラウラ「なっ!?き、気にするなっ!少し暑いだけだ!」

マクギリス「すまないな、空いている席は窓際だけでな…辛いなら言ってくれ」

ラウラ「大丈夫だっ」

抹茶シェイクを返す。…やはり喉が渇いたのか一気に飲み干した。

マクギリス「気に入って貰えたようで、何よりだ」

ラウラ「…また、来たい。良いか?」

マクギリス「…フッ。無論だ。私の予定が空いていればいつでも構わないさ」

ラウラ「ありがとう、マクギリス」

日に照らされる彼女の笑顔は、私の瞳に眩しく尊く映った。

ラウラ「…っ!?」

突如、ラウラに腕を引っ張られる。

マクギリス「どうした、何かあったのか?」

ラウラ「良いから、ついて来いっ」

マクギリス「…ゲームセンター?」

ラウラ「ここまで来れば…うん?これは…」

マクギリス「確か、小銭で遊ぶ機械だな。上からクレーンで景品を吊り上げ、特定の場所に落とす事で入手出来る」

ラウラ「…熊」

「熊は冬眠の間…」「はあっ!?」

マクギリス「やってみるか?」

小銭を投入する。軽やかな音楽と共に、操作が促される。

ラウラ「う、うむ…」

何度も惜しいところで、熊は落ちてしまう。

ラウラ「ううう…クマぁ…」

マクギリス「私に任せて貰えないかな?」

ラウラ「頼む、マクギリスぅ…」

小銭を入れる。クレーンの動き方は何度も見た。ならばこそ…!

ラウラ「お、おおお…」

取り出し口に、熊のぬいぐるみが落下した。

取り出し口から、目を輝かせるラウラへとクマを手渡す。

マクギリス「気に入って貰えたかな?」

ラウラ「うむ!ありがとう、マクギリス。一生大事にする」

そう言ってクマを抱きしめる彼女は、何処にでも居るだろう普通の少女に他ならなかった。

マクギリス「…ふむ、ついでだ。思い出作りに写真、というのはどうかな?」

プリクラ、と言ったか。即席で写真の撮れる、便利な機械があったはず。

ラウラ「だが、私はあまり化粧を…」

マクギリス「君ならば問題ないさ。では、行こうか」

ラウラ「う、うむ…」

程なくして、撮られたミニサイズの写真。…そこに書かれた文字に、苦笑いを浮かべるしか無かったが、良い思い出になったのは違い無かった。

マクギリス「本日はここまでだ。今夜も余裕が有れば書きに来るが、あまり期待しないでいてくれ」

マクギリス「リライズが待ち遠しい。これほどに胸が躍るとはな…!」

会長かわいいよ会長

准将...見ましたか...?
涙が止まりません…、涙の止め方を教えてください准将…!

>>472

マクギリス「私も同感だ。…だから、早く最終巻を読みたいのだがな…」

>>473
メイ「好きなだけ泣くと良い、我慢するな」

マクギリス「無論私も観ている。繰り返し観られるリライズは素晴らしいな…配信遅延、だとっ…!?」

???「私は我慢弱いッ!急いでくれ、カタギリ!」

マクギリス「リライジングガンダム…素晴らしい。よもやあれを正面から撃ち破るとはな。イージスナイト、買わせて貰おう…!」

「最後に、アルスの「はぁっ!?」で噴き出してしまったのは私だけではないはずだ。ターンXアーマーに、デストロイドートレス…アルスは私にどれだけ買わせるのか」

「さて、もう一周するとしよう。…次回更新は土曜日夜の予定だ」

「では諸君。週末に会おう」

マクギリス「リライジングガンダム、やはり素晴らしいな…バエルとは対極にありながら、こうも私の魂を揺さぶるとは…」

「では書かせて貰おう。イージスナイトを組みながらな」

マクギリス「失礼するぞ、楯無」

更けた夜の整備室。簪の言葉通り、彼女は居た。

楯無「な、なんで此処にっ!?」

マクギリス「簪だ。あまり、妹に心配を掛けるなよ。…とりあえずは一息入れるべきだ。好きなんだろう、刀奈?」

彼女の好物のポテトサラダをテーブルに置く。

楯無「女ったらし…」

マクギリス「酷い風評被害だな…」

楯無「と、とにかく食べましょ!床で!背中合わせで!」

マクギリス「良いのか?」

楯無「貴方が持って来てくれたんだから当然よ!」

マクギリス「では、失礼しよう」

背中合わせに座る、男女二人。

楯無「ねえ、マクギリスさん」

マクギリス「なんだ?」

楯無「最近…どうかしら?」

マクギリス「問題はないさ。懸念はあるがな」

楯無「そ、そうなのね…」

マクギリス「…では、そろそろ行かせて貰おう」

楯無「ま、待って!」

マクギリス「ん?…何か用件が?」

楯無「…ッ!調整!ISの調整、手伝ってくれないかしらッ!?」

マクギリス「…わかった。私で良いなら、全力を尽くそう」

こうして、ミステリアス・レディの調整が終わるまで共に時間を過ごす事になった。…途中、彼女の様子がおかしかったのは多分気のせいだろう。

マクギリス「お疲れ様、アルス。そしてビルドダイバーズの諸君…私はそこに、アグニカ・カイエルの姿を見た」

「流石にごちゃ混ぜまで使ってくるなとはな。再現できなくは無いが…にしても、最後の最後で奪う専用のアルスコアまで出るとは。どこまで私を楽しませるのか…デュビアスアルケーとリバースターンXを待っているぞ」

「さて、改めてリライズも終了だが、我々の戦いは始まったばかり…いや一年以上経っているんだがな。とりあえず、次回は土曜日だ。ゆっくり待っていてくれ」

マクギリス「ああ、そういえばファイターズ時代同様バトローグがあるんだったか…バエルに投票したのにすっかり忘れてしまっていた」

「それとすまない、夏バテでもしているのか体調があまりよろしくなくてな…申し訳ないが、今回分は来週に回させて欲しい…その間、書いて欲しい小話やシチュエーションが有れば挙げておいて貰えると、採用して書くかもしれない。今回の詫び代り、といったところだ」

「では、諸君も体調管理には気をつけて欲しい」

間話 ガリガリ・パニック

ガエリオ(事実は小説より奇なり、とはよく言ったものだ。奇過ぎる気もするがな)

過去の並行異世界(と、思しき世界)に、意図せずして招かれてはや数月。未だに男女比の差に慣れきれぬままに学園生活を過ごしていた。

「あれ、ガリガリじゃん」

ガエリオ「三日月か。お前も訓練か?」

三日月「うん。チョコの人は?」

ガエリオ「奴は所用だとかで…まあ、またどこぞの女に振り回されているんだろうな」

三日月「ふーん、なら…」

ガエリオ「ああ。受けて立つさ。アイン抜きでも、遅れはとらん」

三日月「良いね。アンタなら歯応えありそうだ」

早速、二人でアリーナへ向かう。…そこに待ち受ける、天才ならぬ天災(マクギリス談)に気付かずに。

「やっほーう!待ってたよー、ガエリンにミカヅキん!」

ガエリオ「なっ、貴様は…」

三日月「なんだ、アンタか。何してんの?」

束「いやーね、久しぶりに君たちの顔を見にー。マー君は?」

ガエリオ「所用だそうだが…何か用なのか?」

束「んーん、顔を見たかったけど、まあいっかー」

相変わらず、考えの読めない女である。

束「ま、元気そうだねー。これから訓練かな?」

三日月「うん。ガリガリと手合わせなんだ」

束「ガリガリ…あはは、それは面白いねぇー。うんうん、励むがよいぞ若人よっ!じゃーねー!」

走り去っていく、束博士…なんだったのか。

ガエリオ「やけにあっさり、だったな…?待っていた割には」

既にアリーナに仕掛けられて居た罠に、この時気付いてはいなかった、

マクギリス「すまないな、諸君。大分間を空けてしまったが、なんとか私は生きている」

「どうにも、スランプに陥ってしまったようでな。書こうとしてはまともに話すら思い付かないまま、ずるずるとここまで来てしまった…」

「もはや自分を追い込まねばまともに書けもすまい。いずれ迎えるメタロボバエルの前で不様は晒せんからな」

「というわけで今週末には書かせて貰う。期待は…あまりしないで欲しい。最後に、心配を掛けてすまなかった。まだ私の作品を望んでくれている君たちに感謝を。では、また週末に」

マクギリス「バトローグ…素晴らしい。動くバエルが再び見られるとはな」

マクギリス「では、書かせて貰おう…!」

ガエリオ「待て!マクギリス!…キマリスヴィダールは…?」

マクギリス「…次回を待て!」

ガエリオ「マクギリスゥ!」

三日月「なんかごめん」

アリーナに着いた俺たちは…絶句した。

三日月「ナニコレ」

ガエリオ「…!?」

キマリス「火星人は…火星に帰れェ!」

キマブー「有り難く思いながら逝けェ!」

トルーパー「そんな非道は…許されるはずがない!」

ヴィダール「俺にはわからない…」

ガエリオ「俺が一番わからんわッ!」

かつて俺が乗った機体の群れから響く、俺の声。こんな芸当をするのは…あの女しか居ない。

三日月「…これ、ISじゃないね。なんだろ」

束「ピーンポーン!正解だよミカリン!」

ガエリオ「やはり貴様か!?なんだコレは!」

束「なんとォ、これは半物質化ホログラム!出力すると実体化して本物に近い物質になるんだよっ」

ガエリオ「無駄に高い技術で無駄に陰湿な嫌がらせはやめろォ!」

束「ちなみに壊すと塵も残さず消滅するよ!」

三日月「…つまり、全部潰せば良いんだろ?」

ガエリオ「…微妙な気分にしかならんなそれ!?」

三日月「来い、バルバトス…!」

ガエリオ「ええい…来い、キマリスッ!」

互いにISを付け、並び立つ。

キマブー「俺には誇り、ガッ!?」「嘘だあああっ!」「宇宙ネズ、ッ!?」

三日月「ごちゃごちゃうるさい」

大型メイスがキマリスの一機を屠り、テイルブレードが更に二機を串刺しにした。

ガエリオ「…地味に嫌すぎるぞこれはっ」

ダインスレイヴでキマリスタイプの群れに風穴を空ける。…断末魔が地味にイラつく。

ガエリオ「しかし…未だに不思議な気分だな。こうして、共に戦う事が出来るとは」

三日月「別に、普通でしょ?あの時は敵で、今は味方。そんだけ」

ガンダムヴィダールの攻撃をいなし、胴体を貫く。

ガエリオ「いや、一つ訂正させて貰うぞ。…今は、仲間だ」

レクスの爪が、キマリスの頭部を穿つ。

三日月「…?」

ガエリオ「利害の一致だけではない。共に背中を預けられる仲間。それが、今の俺たちだろう?」

三日月「…そっか。そうだね」

ガエリオ「では終わらせよう、くだらない茶番を!」

三日月「うん」

きっかり10分。それが、キマリスホログラム達の立っていられた時間だった。

束「うーん、こんなものかなぁ?もう少しやれると思ったのに」

ガエリオ「意思なきコピー品ではこんなものだ。…核たる信念、思いが足りていない」

三日月「まあ…そんなもんじゃないの?」

束「ふむふむなるほどぉ。参考になったよー、ありがとねガエリンとミッカー」

駆け出していく篠ノ之束…

ガエリオ「いや待て毎回呼び方違うじゃないか!?せめて統一しろっ!」

三日月「無駄だよガリガリ、多分もう聞こえてない」

ガエリオ「…困った奴だ、まったく…まあ、ウォーミングアップも終わった。本番と行くか、三日月」

三日月「そうだね。…やろうか、ガリガリ」

白き狼王と深紫の騎士が対峙する。…勝敗は、まだまだ未熟を叩き付けられた、と記して置こう。

マクギリス「昼食を共に、と?」

セシリア「はい。ご一緒して頂けますか?今回は腕によりを掛けましたの!」

マクギリス「…あの時の約束を、果たしに来た訳か。わかった、では共に行こうか、屋上へ」

セシリア「ありがとうございます」

向かった屋上に、二人で腰掛ける。

セシリア「お口に合うと良いのですが…」

トマトスープに、ハムサラダのサンドイッチ。冷たくなり始めた秋風の中に、食欲を唆る香りが漂う。

マクギリス「食欲の秋、とはよく言ったものだな。香りからして素晴らしい。では、早速戴こう」

程よい酸味と味付けのトマトスープ。食欲が止まらない…!

セシリア「いかがですか?お口に…合いました?」

マクギリス「絶品だと評価させて貰おう。良い先生に教えてもらったのだろうな」

半ば我を忘れながらサンドイッチを口に入れる。

セシリア「チェルシーという、私の従者ですわ。彼女も喜びますわ」

マクギリス「だが、作ったのは君だ。…とても美味しかったよ、ありがとう」

セシリア「ふふ、またお作りしますわ。お楽しみあれ、ですわ!」

マクギリス「ああ、刮目させてもらうさ。君の料理を」

食事に夢中だった私は気付かなかった。私達の様子を見て、姿を見せる事なく去って行った少女に。

マクギリス「さて、今回はここまでだ。時間があれば今週末にまた更新しよう」

「さて、君達は既にメタルロボット魂ガンダムヴィダールは手に入れたかな?擬似阿頼耶識発動エフェクト等、素晴らしいプレイバリューを誇る素晴らしい玩具だ。AGPに並べるにもサイズ感も申し分ない。次はバエルだ、ルプスレクスと揃えてバエルの目覚めのシーンを再現して欲しい」

「順次再販されていくリライズのプラモデル。君達はどれだけ揃えたかな?私はエクストラリミテッドチェンジ用のマーズフォーを手に入れれば理想を実現出来そうだ。明後日にはダブルオースカイメビウスが発売される。転売屋に負けぬ様に皆、模型店へ集え!」

マクギリス「あけましておめでとう、諸君。諸君らとも、もう長い付き合いになったな。これからも、よろしく頼む」


「だが、今年はいっそう忙しくなりそうだ。資格も取らねばならん。あまり、書く余裕もないだろう。すまないが、長い目で見ていて欲しい」

「もっとも、年末年始も溜め込んだ積みの消化に忙しいのだがな。無事確保出来たからこその嬉しい悩みだ…リバースターンXとデュビアスアルケーはまだなのだろうか」

「一応、今日の深夜から書くつもりではいる。気長に待っていて欲しい」

「では諸君、2021年もバエルの元へ集え!」

間話 赤き閃光

某国 宇宙軍事要塞

鳴り響く警報音。この要塞では、あるいは初である可能性も高い。内部の職員達も困惑を隠せない。

「敵襲だと!?どこの馬鹿だ、例えISといえど単騎で此処に、だと!?」

司令官たる男の怒声も、決して間違いではない。世界を俯瞰してみれば、それは当然の話だからだ。配備されているISの質、量。並びに対IS用防護も完備されている。一分の隙もない対ISレーザー砲塔、要塞内部からの特殊通信のみで動かせる宙間機雷。一定間隔毎のエネルギーシールド発生装置により、遠距離射撃すら届かぬ先にある、不落の城壁。墜とすには一国レベルの戦力が必要、というのが通説であった。

「間違いありません!ISの反応を感知、機雷群を合間を縫う様に…いえ、爆発を利用しながら…そんな、加速している!?あり得ない!」

「狼狽えるな!機雷群を抜けたとて、単騎ではシールドは抜けえん!すぐに全隊にスクランブル、周辺拠点に応援要請!」

「りょ、了解!」

(愚か者め、例えどんな性能をしていようが物量には勝てん。耐え凌ぎ、包囲して叩き潰してくれる…!)



この日、までは。

「敵機、モニターに出ます!」

星の数程ある機雷群。それを貫く様に進む赤い残影。時には機雷を蹴り付け、軌道変更と共に加速する。

「なんだ、この機体は…どこの機体だ!?」

男の記憶にある大国の最新鋭機。だが、そのどれとも…否、一般的なISとは一線を変えていた。真紅に染め上げられた機体は一般の手足の肥大化したISとは異なり、極めて人に近い…人の関節構造を活かした鎧を着込んだ様なシルエットをしていた。その背には大型のスラスターが備えられ、右手には長大なライフル、左手には大型のシールドを備えている。機体各所には金の装飾が施され、その精緻な動きも相まり畏敬すら感じさせる。

「機体データ照合…これはっ、亡国企業の機体です!」

「例のテロリストどもか…舐めた真似を!レーザー砲塔起動!奴を蜂の巣にしてやれ!」

向けられる面の砲塔の全てが、紅の機体に牙を剥く。だが、ただの一条たりとも擦り傷すらつけられる事は無かった。

次々連射されるレーザーを、凄まじいまでの機動性と反応で回避し、更に進撃する。

「馬鹿なっ、全弾を回避、なおも加速してます!」

「あ、ありえんっ!人間があんな動きに耐えられる筈も無いっ!なんだあの化け物はっ!?」

手にしたライフルを、シールド発生機に向ける。放たれた光条は、エネルギーシールドの僅かな隙間を撃ち抜き沈黙させていく。

「こ、これ以上やらせるな!IS部隊を全隊向かわせろ!」

要塞周辺のエネルギーシールドを一面でも喪えば、超遠距離射撃に対する護りを失う。司令官の男の額に、脂汗が浮かぶ。

一方、要塞の索敵範囲外。そこに、3機の機影。

オータム「正気の沙汰じゃねえな。新手の自殺か?ありゃ」

スコール「慎みなさい、オータム。『大佐』の実力は本物よ。あの方以外に、私達の未来は無いわ」

エム「くだらん。…私達にそんなもの、あるわけが無い」

スコール「慎め、と言ったわよ、エム。無いなら、作れば良いだけの話よ」

エム(…そんな道がある筈が無い。随分と毛並みの良い狗になりやがって、ああ、気持ちが悪い…)

要塞のモニターの中で、真紅の機体が舞う。既に60近いISが無慈悲に屠られ、鉄屑と化した。援護のレーザー砲は大半が沈黙させられていく。既に、エネルギーシールドは全17層を赤の機体…《シナンジュ》に破壊、突破されていた。

「援軍はッ!?まだこんのかっ!?」

「ダメです、あと30分は…!」

「おのれ、悪鬼めぇ…っ」

「敵機、内部に侵入!」

「っ!?何処に向かっている!?」

「マズイですよ!奴、動力室に向かってます!あそこを破壊されたら…!」

「つ、追撃させろ!非戦闘員は直ちに脱出艇へと退避!」

「此処、か…悪いが消えて貰おう」

男の呟きと共に、要塞のエネルギーを賄い制御する中枢機関が破壊される。追撃の追手を薙ぎ払い、赤い機体は要塞を脱する。…直後に、要塞は各所から誘爆、崩壊を繰り返し、職員らと共に宇宙の藻屑と消えた。僅かなIS部隊の生き残りのみを残して。

オータム「嘘だろ、本気で…彼処を潰しやがった」

スコール「ふ、ふふふ…あは、ははは。最高ね。奴等の絶望した死に顔を拝めないのは残念だけど、これなら…世界を変えられる。この腐って腐って腐り切った醜い世界を!」

エム(変える…そんな事に意味はない。私は奴を…殺せれば)

エム(それで。それだけで良い。例え死んだとしても)

生き残りのISパイロットは語る。赤い彗星の如き悪魔、と。

世界有数の軍事要塞の陥落は、その日の内に私の耳に入れられた。

マクギリス「…あの時の、赤…なるほど、やってくれる」

石動「生存者はごく僅かです。にわかには信じがたいですが」

「にしても、腑に落ちんな。これまでの奴等のやり口とはまた違う」

「と、言いますと?」

「奴等は今まで、極力は命は奪わないスタンスだった。福音を奪おうとした一件でもそれは明らかと言える。まして今回は奪うのではなく、壊滅させた」

「奴等にとって、危険であった?」

「もしくは、度し難かったのかもしれん。彼処は随分とキナくさい所だったはずだろう」

「地球の目が届き難いのを利用した、人体実験場…あくまで噂でしたが」

「…電撃作戦による大雑把な破壊だ。その痕跡は残されているだろう」

「既に極秘に調査隊を派遣済みです」

「手際が良くて助かる。何か解ればすぐに報告を」

「はっ」

そんな、諸外の事情など知らんとばかりに、例の厄介な運動会は始まっていた。…まあ、学生には知る由もなく、国側も秘匿に走ったのだから公にはなっていないのだが。

主に一夏と私の精神力と寿命を削る様な競技の数々。発案者には怨嗟の声を上げたくなった。…ガエリオと三日月だけはほとんど被害がない。何故だろうか。

この世界に来てから幾度目かの人生最悪の一日を終えて、私は楯無と行動を共にしていた。

マクギリス「…単に食事、という訳でもないのだろう?君とて情報は掴んだはずだ」

楯無「だから、よ。すぐに調べたい事が出来たのよ。だから付き合って頂戴?」

マクギリス「…やれやれ、仕方ない事か」

行き先は、流石に予想してはいなかった。

楯無「それじゃ、沖合数十キロ先の米軍の秘匿空母へレッツゴー♪」

マクギリス「…なん、だと?」

まさかの行き先、そして手段は…生身で泳ぐ事とまでは、思いもしなかった。

楯無「二手に分かれましょうか。貴方はブリッジの方をお願い出来るかしら」

マクギリス「了解した。…奴等の手掛かり、逃す訳にはいかんな」

手早く、バエルの拡張領域に収納された予備の服を出す。楯無と別れ、即座に着替えをこなす。…随分、懐かしい気もする衣装。

モンターク「…しかし、潜入任務とは。フッ、簪に借りたスパイアニメの様だな。全く、胸が躍るな」

無人に等しき程に、気配を感じぬ艦内を進む。

そして、ブリッジへと近付いて行く度に、違和感は膨れ上がって行く。…衛兵の一人すら、居ないのだ。

モンターク(偽情報に踊らされた?…いや、違う。これは何か…)

ブリッジに侵入。やはり無人。…手早くデータを抜き、精査する。望む情報は確かにはあったが、やはり奇妙でもある。長居は無用。そう判断し、ブリッジを出る。楯無に連絡を入れようとして…

「「あっ」」

我ながら、間抜けな声が出た。

「テメェ何もんだ?艦のこの状況はオマエが「良かった、人が居られましたか。実は、私モンターク商会の者でして。船がトラブルを起こしまして。電子機器が全滅し、止むなく近くを航行していたこの艦に乗り移らせて貰ったのですが…どこにも人影が無く、困っていました」お、おう…?」

苦しい言い訳だが、相手の気勢は削げた。いきなり組みつかれて無力化されはしないだろう。

「…ま、敵なら即銃が出て来て当たり前か。マクギリス・ファリドだの織斑一…一なんとかでも無い限りは。まあそれなら出すならISだろうし。にしても難儀だな、船の故障たぁ。ああ、アタシはイーリス、イーリス・コーリング」

まさかの反応だ。ある意味、この世界の常識に救われた様でもある。

モンターク「存じておりますよ。アメリカの国家代表、でしたか。この様な場所でお会い出来るとは」

イーリス「ってか、アンタもこの艦に誰も居ない理由知らない訳か。どうなってやがんだ、これは…っ!?」

鳴り響く、艦のアラート。秘匿艦であるが故の、自爆装置のカウント開始を告げていた。…罠を張られていた、か。

モンターク「とりあえず、脱出した方が良さそうですね。救命ボートの在処は?」

イーリス「クソッタレ、補給で寄っただけでそんなもん一々覚えてねえよ。ISで飛べばなんとかなるがアンタを抱えなきゃなんねえな」

「とりあえず、小型艇を…!」

嫌な予感、ひいては殺気、なのだろう。凄まじい悪寒に駆られ、半ば無意識にバエルを展開する。

イーリス「テメェ、その機体っ!?マクギリス…

驚愕しながらもイーリスが機体を展開したのに刹那の間さえ置かず、ブリッジに爆発が起こる。自爆装置では無く、外部からの攻撃。それがブリッジを容易く吹き飛ばした。

イーリス「クソがッ、一瞬遅かったらデッドエンドお疲れ様ってか!?どうなってやがる」

マクギリス「この反応…やはり亡国企業か!」

イーリスに構っている暇はなかった。吹き飛んだブリッジの爆煙を払い、艦から脱する。別口でも攻撃を受けたらしく、轟音と煙を上げ、真っ二つに折れながら艦が沈んで行く。交戦中の楯無と所属不明機、そして…急速接近する、赤い機影。

バエルに及ばずとも劣らぬ速度を保ったまま、敵機がビームを放つ。ブリッジを吹き飛ばした攻撃と見て間違いない。恐ろしい程の精密さ。

ギリギリで回避し、剣を構えて吶喊する。真紅の機体もまた、ビームの剣を展開、鍔迫り合う。

マクギリス「誘い込んだつもりだろうが…いつかの雪辱、晴らさせて貰うぞ」

赤い機体のパイロットが、嗤った気がした。

「刮目させて貰おうか。この世界のガンダムの力を」

マクギリス「さて、この暑苦しい夏。君たちは無事だろうか」

「私はまあ、なんとかやれている。諸君らも熱中症には気をつけて欲しい」

「さて、誰もが待望であろうメタルロボット魂ガンダムバエルが、いよいよ来週金曜に受付開始となる。私も買うつもりだ」

???「財布の貯金は十分か!?」

マクギリス「誰だ今のは…それはそうと、メタルビルドデュナメスリペア3…なかなかに素晴らしい造形、ギミックだ。コレはデュナメスやリペアにも期待が高まるな。プラモデルでもサバーニャとハルートの決戦仕様も予約開始と、ダブルオーの勢いは止まらんな。対艦ランスメイスも武器セットでメタルロボット魂用に出してはくれないだろうか」

「夜中辺りには書く予定だ。どれだけ書けるかは保証しかねるが。では諸君、バエルの元へ…集え!」

マクギリス「せあっ…!」

バエルソードの角度を変え、受け流す形にしながら回転蹴りを見舞うも、相手も同じく蹴りを返して来る。反動で距離を取り、牽制のレールガンを放つも、華麗に回避される。

「ほう。腕は悪くは無い。流石はガンダムを駆るもの、と言ったところか」

マクギリス「随分と余裕だな。だが、その余裕…潰させて貰う!」

バエルのスラスターを最大展開、三次元機動を用いて懐に飛び込む。相手もまた、複雑な戦闘機動で回避する。並のパイロットではない。

幾度かの衝突。だが、互いに有効打は与えられていない。戦力の均衡を崩し得るのは…第三者、イーリスであった。イグニッションブーストを用いた超加速による一撃を、見事バエルとの戦闘の合間に差し込んで見せた。体勢の崩れた『真紅』に、突進突きを叩き込む。しかし、驚異的な反応と立て直しの前に、右足のスラスターを斬り落とすに終わる。

イーリス「こいつ、アタシの突撃を受け流しやがった!?バケモンがっ」

マクギリス「だが、戦局はこちらが有利。援護を頼む」

「ナンセンス、とは言うまい。だが…潮時か」

戦場に飛ぶ、二条のビーム。それが、いつの間にか合流していた簪と楯無、そして我々に向かう。一気に掻き回された形となる

イーリス「っあ、今度はなんだってんだよ!?また伏兵かクソが!」

「君とはゆっくり話をしてみたいところだが…今日はお開きの様だ」

マクギリス「逃がすと思っているのか、この状況下で」

「既に彼女らは手負い、それを置いて私を追うかね?」

たしかに、楯無達二人は万全とは言えない損害を受けている。深追いすれば、要らぬ被害が出るかもしれない。

「私の名は、フル・フロンタル。亡国企業を束ねる立場にある。また会うとしよう、ガンダムのパイロット…マクギリス・ファリド」

もう一機を抱え、フロンタルと名乗った男の機体が離脱していく。そのスラスター光が空の彼方に消えるのを、ただ待つしかなかった。

イーリス「さーて説明して貰おうか、マクギリスちゃんよぉ?」

逃げ出すのを忘れていた。いや、手負いの更識姉妹を置いていく訳には行かなかったのだが。

イーリス「テメエのイグニッションブーストには変な癖があるんだよ。そうでなきゃ、あの全裸野郎を仕留め切れたってのに」

マクギリス「耳が痛いな。隙を活かし切れなかったのはこちらの落ち度だ。謝罪はしよう」

何故。自分は夜中の公園で、いささか難しい関係にある彼女に説教されているのか。自分でも理解に苦しみながら、謝罪の言葉を口にする。

イーリス「だが…なるほど、なぁ。ナターシャが気にいるのも分かる気がするぜ」

マクギリス「…福音のパイロットか。彼女は元気かな?」

イーリス「色々あるが、まあ元気だよ。最近は生娘みてえになってっけど。とりあえず今度ツラ見せてやれよ」

マクギリス「考えて置こう…っと、失礼する」

楯無が目を覚ましたようだ。イーリスと私を見ては目を白黒させている。

楯無「大人な女性が良いのかしら、やっぱり」

マクギリス「そんな軽口を叩けるなら大丈夫だな。…さて、もうディナーの時間は過ぎてしまったが。予定は、空いているかな」

「…もうそんな時間かー。空いてるわ、元より他なんて無いし」

「では、行こうか。私としては、リーズナブルに楽しめるのだが…君に合うかどうか」

気を利かせてくれたのだろう、いつの間にか居ない簪とイーリス。気遣いに感謝しながら二人で歩み出す。

立ち寄ったファミレスは、彼女には意外と好評だった。どうにも、行ったことさえなかったようだ。

日本・某所

エム「何故撤退した。あの戦力なら潰せただろう、奴等を」

フロンタル「見解の相違だな。『ガンダム』はそんなに生易しい物ではない。甘く見れば、食い破られるのはこちらだ。調整の済んでいない『黒騎士』での援護を頼んだ上でこの結果は済まなかったとは思っている」

「…スコールの奴は」

「しばらくは動けない…というより、別件に回って貰う。オータムと共にな。その代わり、次の作戦では『彼』の部隊に協力して貰う」

「あのデカブツはまだ使えないのか?そのおかげで黒騎士はまだ未完成なんだぞ」

「いくら天才と言えど、サンプルも無く異世界の技術を再現しろというのも酷な話だろう。次の作戦には間に合わない以上、黒騎士を優先させる他無いだろう」

「…あの女、信用出来るのか」

「気持ちは分かる。だが、我々には彼女の頭脳と力は必要だ。いずれ袂を別つかも知れずとも、今は信じる他無い」

マクギリス「今週も職務ご苦労。明日は休日の諸君らはゆっくり休んで欲しい。仕事の諸兄らはもう少し、頑張って欲しい」

「さて、君たちはバエルは問題無く予約は出来たかな?私は天運に恵まれ、復活したタイミングでなんとか確保出来た。あとは四か月待つのみ。想いは300年待たされた気分だが」

「ところで、バルバトスルプスを予約してあるのだが、何故か発送連絡が来ない。大丈夫なのだろうか…あみあみは発送連絡しないのだろうか。万一に備えて店頭で確保すべきか…?」

ガエリオ「俺のキマリスヴィダールも既に内定している、揃えて是非共に飾って欲しい物だな。サイズ感もAGPと並べるに遜色は無いしな」

マクギリス「鉄血はガンダムフレームの流用が利くのが大きいな。私としてはエクシア、クアンタ辺りも欲しいが…まあ、そう遠くない未来に出るだろう」

「では、明日の夜にまた書かせて貰おう。皆、バエルの元へ集え!」

マクギリス「…なるほど。表向きは修学旅行の安全の為の先行調査。実態は…」

楯無「亡国企業の掃討作戦。私は情報収集に回るから、実戦での作戦指揮はマクギリスさんにお願いするわ。異論は無いかしら?」

楯無が、一年生の専用機持ち達と、二年のフォルテ・サファイア、三年のダリル・ケイシー。今回の為に召集された猛者達に顔を向ける。

ダリル「実戦経験の浅い一年に任せろってか?敵は世界を騒がせてるテロリストだろうが、いくら粒揃いでもそいつは無いんじゃねえか?」

フォルテ「いや先輩、むしろ指揮官なんて任されても面倒臭くねえっスか。一年らしくちょこまか働いて貰いましょーよ」

ダリル「それで失敗したらそれはそれで面倒だろうがよ。オレらに指示したいってぇなら…実力、見せてみろよ一年坊主」

楯無「そういうと思ったわ。マクギリスさん、頼めるかしら」

マクギリス「仕方ない。引き受けるとしよう」

ダリル「うっし、行くぞフォルテ」

マクギリス「ニ対二、という訳か…すまない、↓1。頼めるだろうか」(女性キャラの場合京都でイベント有りかも)

マクギリス「すまない、ずいぶんと間を空けてしまったな…どうにも、忙しくてな。なかなか時間が取れん。オマケにワクチン二回目が、想像以上にしんどい。こうも動けなくなるとはな。とりあえず、もうしばらく更新は待って欲しい。年内には、落ち着く…と思うのでな」

マクギリス「久しいな、諸君。メタルロボット魂ガンダムバエルは、もう既に手にしてくれただろうか?」

ガエリオ「このクオリティー、重厚感…これがメタルロボット魂か!」

マクギリス「アレンジによる若干の大型化で従来のロボット魂の様に1/144とは並べ難いが、バエルの立体物としては最高峰の出来だろう。残すはキマリスヴィダールとグシオンフルシティにフラウロスか」

ガエリオ「ヴィダールに引き続きキマリスヴィダールも予告段階だが決定している。ありがたい物だ」

マクギリス「惜しむらくは、この物語における戦いを再現するには、AGP側の剛性と種類が少ないのがネックだな」

一夏「主人公なのに無いんだが…?」

楯無「ガールなのに無いんだけど、私達」

???「これも全部、イズルって奴のせいなんだ!」

マドカ「なんだと、それは本当か!?」

マクギリス「…まあ、あとはロボット魂グリムゲルデやレギンレイズジュリア等にも期待を掛けたいが…その前にSEEDのシリーズが再始動するだろうな。復活の様に、最新鋭機がメタロボで出ない、などとならねば良いが…」

マクギリス「とりあえず、次回更新は…未だ未定だ。やる事が山積みでな。何から手を付ければ良いのかわからなくなって来ている。なんとか年内には更新するつもりではいる、気長に待っていて欲しい」

マクギリス「すまない、年内のつもりだったのだが…やはり、想定外の事態が多くてな…ようやく、時間が取れたので、これから書かせて貰う。とりあえず…明けましておめでとう。今年も、宜しく頼む」

マクギリス「では、ラウラ。頼めるか?」

ラウラ「無論だ。任せておけ」

自信に満ち、嬉しそうな笑みを浮かべるラウラ。彼女の機体特性は、バエルとの相性も良い。堅牢さは言わずもがな、だ。

ガエリオ「面白い試合になりそうだな。機動性と格闘能力に特化したバエル、堅き守りと高い砲撃能力のレーゲン。…俺も今度、タッグ戦を挑んでみるか」

三日月「そんときは混ぜてよ。俺もやってみたいな」

パートナーは決まった。相手も戦意は十分。戦いの幕が上がる。

ダリルのヘル・ハウンドにフォルテのコールド・ブラッド。片や炎を操り敵対者を地獄に追い込む番犬、もう片方は地獄に足を踏み入れた者を凍てつかせる氷血。試合開始の合図と共に、ダリルの火球とラウラの砲撃が衝突。盛大に爆炎を撒き散らす。

マクギリス(これは…目眩しか)

火力より、広範囲に広がる事に重きを置かれたのはセンサーから見て取れた。ならば、相手の手は一つ。

ラウラ(私か、マクギリスへの先制攻撃!)

時を置かずして、ダリルが現れる。狙いは…

ダリル「遊ぼうぜェ、マクギリスッ!」

マクギリス「受けて立つ、ダリル・ケイシー!」

白の悪魔と、暗き灰の猟犬がぶつかり合う。弾き返し、レールガンで足止めを狙う。

ラウラ「マクギリスッ!」

ラウラからの警告。周囲の炎が、盛大に爆発した。

ダリル「さーて…まだ終わりじゃねえよな?」

爆炎が晴れた先に、無傷のバエルとレーゲン。

フォルテ「今のもダメっスか。厄介っスね、AICは」

目眩しにしては、周囲に残り続ける少炎。違和感が警鐘を告げる中、その温度が急上昇した瞬間にレーゲンのAICの範囲に飛び込んだのだ。

マクギリス「すまない、助かった」

相手の、第一の策は破った。ここからが、こちらのターンだ。


迫り来る炎弾と氷弾を回避しつつ、ラウラの援護砲撃を横目に接近しつつ、先程の爆発を分析する。

マクギリス(最初の撃ち合いで散った爆炎に氷を紛れ込ませた上で、それが溶けて水になった途端に炎の火力を上げ、一気に水蒸気爆発を巻き起こしたか。バエルに強襲を仕掛けると見せかけ、弾かれ距離を取る事も織り込み、前衛たるバエルを仕留める。なるほど、初見での対処は困難な手法だ)

炎弾を迎撃では無く回避すれば、例え氷が仕込まれていようが爆発の範囲には捉えられまい。複雑な軌道を描き、バエルをハウンドに肉薄させる。

フォルテ「間近で見るとマジ早いっスね!?コイツッ!」

ハウンドとバエルの間に、氷の壁が挟まれる。躊躇いなく斬り捨てようとして…即座にバックブーストを掛ける。

ダリル「…へえ」

ラウラの砲撃が氷の壁を貫いた瞬間、壁が盛大に爆発した。

マクギリス「…なるほど。氷壁に、圧縮した高火力炎弾を仕込み、破れば炸裂装甲の如く爆発する、か。互いの機体特性を活かした連携…実に厄介だな」

ラウラ「だが、手の内は大分見えて来た。やるぞ、マクギリス」

マクギリス「無論。高度な連携相手は、胸が躍る」

マクギリス「では、反撃開始だ…!」

上下左右に動きながら、弾幕の間を縫い突き進む。間に置かれる氷壁を、斬るのではなく踏み抜かぬ様に気をつけながら、八艘跳びが如く加速、方向転換に利用する。更に、距離が開いた氷壁をラウラが破壊する事で、その爆風を利用して更に加速する。

ダリル「っ、まだ早くなんのかよっ!?」

バエルに完全に気を取られたダリルのハウンドに、ラウラの援護砲撃が突き刺さる…寸前で、氷壁が逸らすかの様に出現、致命傷を回避させる。

フォルテ「この機動力相手にしながら砲撃機潰せって鬼畜難易度じゃないっスかこれェ!?」

そうは言いつつも、氷壁を自爆させる等で、バエルの行手を阻みつつ、ラウラへも攻撃を送る。その防御は、巌の盾が如く堅い。圧倒はしても、有効打を与えられていない。

マクギリス「ならば…」

ラウラの破壊した氷壁が、爆炎を撒き散らせる。それに紛れた瞬間に、イグニッション・ブーストをときはなつ。

ダリル「うおあっ!?」

ウイングを最大展開しての高速突進突きに、驚愕の声が上がる。

フォルテ「センパ…ッ!?」

バエルに気を取られた隙を、ラウラが見逃す事はない。コールド・ブラッドにレーゲンのアンカー、そこからのレールカノンの連携が鮮やかに決まる。最も、辛うじてレールカノンの直撃は氷壁により減退させたようだが。

ダリル「ちっと舐めてたぜ。…ま、ここまでにしとこうや。本番前にISぶっ壊すのも不味いしよ」

フォルテ「えー、やられっぱなしで終わるんスか?…つっても、面倒臭いですし、お開きっスね」

マクギリス「では、私が指揮を執ることを…」

ダリル「ああ、認めるよ。せいぜい、無能な指揮だけはしてくれんなよ?」

マクギリス「ああ。任せて貰おう」



楯無「と、言うわけで。メイン戦力のマクギリスさんのバエルを筆頭に、精鋭部隊による亡国機業の殲滅作戦を行うわ。散々舐めた真似してくれた連中に、今度は私達でギャフンと言わせてやりましょう?」

楯無が悪戯っ子の様な笑みを浮かべながらウインクをする。

マクギリス「元より、ギャラルホルンの本分は治安維持だ。バエルを与る者として、奴等を見過ごす訳にはいかない」

三日月「新しい俺達の居場所を、滅茶苦茶にはさせない」

ガエリオ「我が盟友達を傷付ける者達を、許してはおけんな。戦働きは任せろ」

楯無「やーん頼もしいっ。まあ、初日からやり合う予定では無いから、暫くはのんびりと観光していても良いわよ?」

マクギリス「…情報の精査に裏取り。なるほど、現地に着いて即座にとはいかんか。ならば、名高い日本の古都を堪能させて貰うとしよう」

こうして、後に京都の嵐戦と呼ばれる大事件の幕は、静かに上がり始めるのだった。

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