楓「あれ……敬語が喋れんごとなったよ」 (30)

これは

古泉「あれ……敬語が喋れんごとなったよ」

のコピペ/改変SSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542916752

真奈美「やあ、楓」 

楓「んー? なんね?」 

真奈美・楓「!!」 

真奈美「楓、君……」 

楓「ち、ちがっ……さっきのは間違えただけったい」 

真奈美・楓「!!」 


のあ「ユニーク」

楓「のあさん、これ、どういうことね」 

のあ「千川ちひろの影響と考えられるわ。 
    彼女は先日、博多華丸大吉のネタを視聴した。 
    そして、貴女のような人格が、方言を用いて会話をするところを想像した」 

楓「私んごた人格が?」 

のあ「……日本語で喋ってもらえると有り難いわ」 

楓「こすかー」

真奈美「それにしても、凄い違和感だな」 

楓「これ、なおらんの?」 

のあ「千川ちひろの興味が無くなるまでは治らない」 

楓「そ、そんな……。皆にはどげん言えばよかとよ」 

のあ「……喋っても通じないと思うわ」

楓「ちひろさんの前でも、この喋り方でよかと?」 

のあ「問題はないと思われる。 
    けれど、意思の疎通が図れるかは不明」 

楓「のあさん、さっきから方言を馬鹿にしすぎちゃ!」 

真奈美「ちゃ?」 

楓「ちゃ」 

卯月「あ、お茶ですか? いま、用意しますね」

楓「そういえば、今日、ちひろさんやけに遅かね」 

真奈美「ああ、用事があるらしい。……というかだな、楓。 
     口を噤むわけにはいかないか」 

楓「ひどかー。方言を喋った途端発言権を奪う気ね?」 

真奈美「いや、ちょっと……違和感がだな」 

のあ「私も集中出来ないわ」 

卯月「私も、ちょっと……」 

楓「……じゃあ、黙っとくことにするったい」

楓「…………」 

真奈美「……睨むのはやめてくれないか」 

楓「…………」 

真奈美「……参ったね。もう喋ればいいだろう、喋れば」 

楓「…………」 

真奈美「…………はあ」 


心「おっす。みんな元気か〜? しゅがーはーとのお出ましだぞ☆」

心「どしたの、楓ちゃん。 
    いっつもはあんなに笑ってるのに、今日に限って不機嫌顔だけど」 

楓「別にそんなことないったい」 

心「ん? あれ? その喋り方はどうしたの? 
    不思議なイントネーションで」 

のあ「楓は、方言について学習中」 

心「そうなの? そっかそっか。勉強熱心だな☆
    方言と言えば、昨日の博多華丸大吉のお笑いライブ見た? 
    めっちゃ面白かったよ
   ちひろさんにも、メールで連絡したんだけど、結局見たのかな? 
   それが知りたくてここに来たんだけど、まだ居ないっぽいね
   また出直すわ」 





真奈美「心さんが全ての元凶か」 

のあ「そう思われる」

卯月「か、楓さん、お茶です」 

楓「別にお茶が欲しかったわけやねえちゃ」 

卯月「……? ご、ごめんなさい、私英語ってよく分からなくて……」 

楓「…………」 



真奈美「私も、英語はよく分からないんだが。楓が何を言ったか分かるか? のあ」 

のあ「私にも不明」 

真奈美「そうか……」

ちひろ「おはようごさいます! って、何ですか、暗いですね。 
     どうかされましたか?」 

真奈美「あ、ああ、ちひろさん。早かったね」 

ちひろ「はぁ…? その言い草。 
     まるで、もっと遅く来れば良かったのに、みたいな……」 

真奈美「い、いや、そんなことないんだが」 

卯月「そ、そうですよ、そんなことありません。 
     ちひろさん、お茶飲みますか?」 

ちひろ「……怪しい。そうだっ、楓さん、二人が何を隠してるか教えてもらえますか?」 

楓「…………」(首を振り) 

ちひろ「そうですか。楓さんも知らないんだったら、しょうがないですね。 
     ま、いいですけど。卯月ちゃん、お茶いいですか?」 

卯月「は、はい、ただいまぁ」

真奈美「楓、もう帰って良いぞ。 
     これ以上ここに居ても、どうしようもないだろうしな」

楓「…………」 

真奈美「な? ちひろさんには私からうまく言っておくから」 

楓「…………」(こくん) 

真奈美「……色々、言い過ぎて悪かった。 
    私も、英語の勉強を頑張って、君と普通に喋れるようにするよ。 
    暖かくして寝てくれよ」 

楓「…………」 

真奈美「な、何故私はいま睨まれてるのかな」 



卯月「真奈美さん、天然で酷いですね」 

ちひろ「卯月ちゃーん、お茶まだですかー?」 

卯月「あ、はーい。もうすぐでーす」

真奈美「ちひろさん、楓はちょっと具合が悪いから帰るらしいよ」 

ちひろ「えっ、大丈夫ですか? 楓さん」 

楓「…………」(こくん) 

ちひろ「本当ですか? そういえば、今日は楓さんの声一回も聞いてない気が。喉が痛いんですか?」 

楓「…………」(こくん) 

ちひろ「そうですか。一人で帰れます?」 

楓「…………」(こくん) 

ちひろ「……嘘ですね。それだけ元気がなくて一人で帰れる筈ないです! 
     皆さんっ、今日のお仕事はここまで! 皆で一緒に送りますよ!」 

楓「!」 

真奈美「い、いや、ちひろさん。彼女は一人で……」 

ちひろ「何言ってるんですか! 
     楓さんは、デリケートなんですから! 
     手荒に扱って良い存在じゃありません! ね、楓さん」 

楓「あ、……ありがとうごぜえやす」 

ちひろ「ん? 何か言いました?」 

楓「…………」(首を振り)

真奈美「楓」 

楓「…………」 

真奈美「だから睨まないでくれ。普通に喋っていい」 

楓「……別に喋ることなんかねえちゃ」 

真奈美「ん? お姉ちゃんがどうかしたのか?」 

楓「…………」 

真奈美「だ、だから睨まないでくれないか」 


ちひろ「そこの二人。何ひそひそと喋ってるんですか。 
     というか、真奈美さん! 楓さんは喉が痛いんだから、無理矢理喋らせるのはやめて下さい!」 

真奈美「そんなことしてねえちゃ!」 

ちひろ「ん、真奈美さん?」 

真奈美「あ、いや、別に何でもない」 


真奈美「……君が姉ちゃん姉ちゃん言うからうつっただろう」 

楓「…………」 

真奈美「だから、そう睨んでくれるな」

ちひろ「それでは、楓さん。ちゃんとうがい手洗いをして、あったかくして寝て下さいよ? 分かりました?」 

楓「…………」(こくん) 

ちひろ「それでは、また明日」 

卯月「また、明日」 

のあ「……明日」 

真奈美「姉ちゃんによろしく伝えといてくれ!」 

楓「…………」 






ちひろ「真奈美さん、楓さんに相当睨まれてましたよ」 

真奈美「今日一日だけで彼女に一生分睨まれた気がするよ」

楓「はあ……これ、どげんすればいいんやろ。 
    とりあえず、親に報告せな……」 


楓「……もしもし、あ、私。楓やけど……。 
    いや、ふざけとるわけやないって。 
    これ、事務員さんの影響で方言しか喋れんごとなっちょうとよ。 
    嘘やないって。こんなしょーもない嘘つかんって。 
    ちょ、切らんで。まだ電話切らんで。信じて。
    あ、じゃあ、姉ちゃん。姉ちゃん出してくいれば、そいでよかけん。 
    …………切れた」 


楓「……欝や、死ぬしかなか」

真奈美「のあ」 

のあ「何かしら」 

真奈美「楓のあれはどうしたら治るんだ?」 

のあ「千川ちひろの興味を無くさせるしかない」 

真奈美「そんなこと言っても、どうやって?」 

のあ「…………考えておくわ」 

真奈美「分かったよ。私にも何か出来ることはあるか?」 

のあ「……高垣楓のケアを」 

真奈美「……すまない。英語は分からないんだ。ケアってなんだ?」 

のあ「…………何でもないわ」

楓「サンポール、サンポールっと……。あれ、サンポールがなかよ」 



楓「あ、電話がかかってきたったい」 


真奈美『あ、もしもし?』 

楓「…………」 

真奈美『電話越しに睨まれてる気がするんだが。あの……今日はすまなかったな。 
     のあに色々咎められた。だけど、わざとではない。それだけは分かって欲しい』 

楓「……そんなん言われんくても分かっとるっちゃ。ちょっと、すねとっただけよ」 

真奈美『そうか。……私も方言の勉強をするよ。 
     君も、あまり気にするな。中々良いと思うよ、君の方言は』 

楓「……本当にそう思いよると?」 

真奈美『嘘を吐くわけないだろ。のあも君の方言は可愛いと言ってたぞ』 

楓「……ほんなこてや?」 

真奈美『ああ、はんだごてだ』 

楓「…………」 

真奈美『心なしかまた睨まれてる気がするんだが……』

周子「あ、楓さん、おはよー」 

楓「…………」(こくん) 





周子「ねーねー、今日の楓さんいつもと違う感じしない?」 

奏「どうしたのかしら? 失恋?」 

幸子「むぅ、このボクが慰めてあげるべきでしょうか」 







真奈美「まあ、ある意味失恋だな。日本語に失恋して英語にチャレンジしてるわけだからね」 

のあ「……貴女も、少し口を噤むべきね」

瑞樹「あら、楓ちゃん。どうしたの。元気ないみたいだけど」 

楓「…………」(ふるふる) 

瑞樹「なに、風邪? 顔は赤くないけど……目は赤いわね」 

楓「…………」 





凛「ねえ、楓さんの目、少し赤いの見た?」 

未央「見た見た! やっぱり失恋じゃない?」 

こずえ「ふぁー、あいての女はだれだー、ぶっころー」 





ちひろ「楓さん、相当具合悪いんでしょうか。 
     昨日咳き込んで、涙目になっちゃったんじゃ」 

真奈美「さあ、どうだかな。えーっと、兎はラビット、っと」 

ちひろ「……何やってるんですか」 

真奈美「英語の勉強だ」

楓「……はあ。やっと昼休みやね……」 

楓「時子ちゃんと目があったときはどげんしようかと思ったばい……」 


のあ「楓」 

楓「わあ! 何ね、急に後ろから近づかんでよ。びっくりするやろ!」 

のあ「……ごめんなさい。それより、大分精神が衰弱しているように見えるわ。 
    大丈夫?」 

楓「別に大丈夫よ。こんくらいなんてことなか」 

のあ「…………そう」 

楓「……もし」 

のあ「…………」 

楓「……もし、こんまま戻らんごとなったら、私はどぎゃんすいばよかと?」 

のあ「…………」 

楓「もし、こんまま一生誰とも喋れんごとなったら、私はどぎゃんして生きていけばよかと?」 

のあ「……私が、貴女の話し相手になる。 
    だから、泣かないで」 

楓「べ、別に泣いてなんかなかよ」

のあ「貴女のことだから、昨夜一睡も出来なかった筈。 
    ……目が赤くなっているもの」 

楓「吸血鬼たい。吸血鬼ごっこ」 

のあ「私の前では気丈に振舞わなくても良いわ。 
    貴女は少し休むべきよ」 

楓「でも、今日はレッスンがあるし……」 

のあ「ここに居れば良い」 

楓「……でも、さぼるなんて出来んし」 

のあ「赤信号皆で渡れば怖くない」 

楓「……なんね、それ」 

のあ「つまり、二人でさぼれば問題は無いということ。
    私も少し休養をする。だから、貴女も休んみなさい」 

楓「……気を使ってくいようと?」 

のあ「そういうわけではない。私も休みたかっただけのことよ」 

楓「…………ありがとう」 


真奈美「ん、のあに楓じゃないか! 私もここで英語の勉強していいかな? 
     おいおい、二人して睨むな」

真奈美「宇宙 is ふぉーえばー。 
     I am very なんしー」 

楓「……なんね、そのふざけた英単語は」 

真奈美「ええっと、ラビット! ラビット!」 

楓「…………」 

のあ「彼女に悪気はないわ。極端にエアークラッシャーなだけ」 

楓「まあ、いいったい。私は休む。おやすー」 

のあ「おやすみ」 

真奈美「ぐんないっ」

真奈美「ミラーは田代で、ミスキャストは原田泰三っと……」 

のあ「…………」 

真奈美「おい、のあ。なんだその目は。 
    のあさん、目つき怖っ」 

のあ「……どうして貴女が海外でやってこれたのかが不思議だわ」 

真奈美「ああ、それに関しては私も同意見だ。不思議で堪らないな。 
     まあ、そうなる運命だったんだろうさ。規定事項ってやつだな」 

のあ「…………そう」 

真奈美「そして、私が英語ぺらぺらになるのも規定事項だろうさ」 

のあ「それはないわ」

真奈美「では、そろそろ私はバックすることにする。
     いつまでも続けてさぼったら、流石にアングリーされるだろうからな」 

のあ「……そう」 

真奈美「それじゃあ、君もぼちぼちバックしろよ。 
     楓のこともゲラップしてやってくれ」 

のあ「……わかった」 

真奈美「じゃあな。シーユー」 






のあ「楓、起きて」(ゆさゆさ) 

楓「う……なんね、もう朝ね」 

のあ「朝はとっくに過ぎている。そろそろ笑点がはじまるわ」 

楓「あ……そういえば、ここは事務所やったね。起こしてくれてありがとう」 

のあ「疲れは取れたかしら?」 

楓「微妙やね。夢の中に、ルー大柴が出てきたったい」 

のあ「……そう」

(三日後) 


楓「のあさん! のあさん!」 

のあ「何かしら」 

楓「ほら、元に戻ってます!」 

のあ「そう」 

楓「ありがとうございます。楓さんのお陰ですよ。
    でも一体どうやったんですか?」 

のあ「…………秘密」

ちひろ「あ、真奈美さん。このあいだルー大柴のDVDをのあさんに貸して貰ったんですけど。 
     あの人中々やりますね!」 

真奈美「ああ、彼はインサイドインサイドインタレスティングだな」 

ちひろ「はい? 真奈美さんまだ英語の勉強続けてるんですか?」 

真奈美「いや、サッチつもりは無いんだが。 
    どうやら英語がボディーに染み付いてしまったソートオブだ」 

ちひろ「そ、そうですか。まあ、真奈美さんが喋ってるそれが英語かどうかは不明ですけど」 

真奈美「あとでのあにも私のこの流暢な英語を聞かせてやろうとシンクするよ。 
    やはり、私の言ったストリート。 
    私が英語ペラペラになる規定マターは既に組まれていたのさ」 






楓「本当に有難うございます! 今度、何かのあさんに奢りますね! 
    あ、とおりもんでも如何ですか?」 

のあ「ユニーク」 

                     (完)

元ネタのせいか木場さんは碌なことにならない、ちひろさんの能力も意味不明。
だけど「かえのあ、良いな」そう思えました。
おかげで良い夢が見れそうです。


ちなみに元ネタの作者さん曰く

こすかーって、ちょっと使い方間違ってた。 
標準語で言うと「ずるい」

らしいです。


前作

楓「膣内で男性器を締め付けられるんですよ?」のあ「……………」
楓「膣内で男性器を締め付けられるんですよ?」のあ「……………」 - SSまとめ速報
(http://www.kyodemo.net/demo/r/v_news4ssnip/1542552120/)

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