百瀬莉緒(以下、莉緒) 「もー、なーんで誕生日なのにこんな歩かなきゃいけないのよー……」ムスー
ミリP(以下、P) 「莉緒が調子乗ってグイグイ飲むからだろ……」
莉緒 「楽しかったんだから仕方ないじゃないの……」ブルブル
P 「にしても、まさか終電終わるまで飲む事になるとはなぁ……」
莉緒 「……くちゅん!」
莉緒 「うぅ、今日は冷えるわねぇ……」フルフル
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P 「……莉緒、ちょっとこっち来てくれるか?」
莉緒 「?」トコトコ
P 「はい、これなら暖かいだろ?」マキマキ
莉緒 「プロデューサーくんのマフラー……暖かいけど」
莉緒 「でも、それならプロデューサーくんはどうするのよ?」
P 「俺はこのままで大丈夫だって」
莉緒 「ダメよ!それじゃプロデューサーくんが風邪ひいちゃうじゃないの!」
P 「担当アイドルに風邪をひかせるよりマシだからな」
P 「ほら、遠慮せず使ってくれよ……くしゅん!」
莉緒 「…………」ムゥ
P 「……だ、大丈夫だって!」アセアセ
莉緒 「大丈夫な訳ないでしょ……どうすれば良いかしら」
莉緒 「あっ、そうだ!プロデューサーくん、失礼するわね♪」マキマキ
P 「もう……だから、莉緒が使ってくれって」
莉緒 「二人で巻いたら、二人とも暖かいでしょ?」ニッコリ
P 「二人で……って」
P 「……いや、それは」
莉緒 「大丈夫よ、誰も見てないから♪」マキマキ
P 「確かに、人気はないけどさ……」
莉緒 「ふふっ……完成!」
P 「もう巻き終わってるし……」
莉緒 「ちゃんと暖かいし……これ良いわね!」ダキッ
莉緒 「ね、プロデュー……」ポカン
P 「莉緒、あのな――」ピタッ
莉緒 「…………」ジッ
P (か、顔が予想以上に近いな……)カァアア
莉緒 「……あ、あの」カァアア
P 「…………」ドキドキ
莉緒 「……は、早く帰りましょ!ね?」カァアアア
P 「あ、ああ!そうだな!」ハハハ
―――――
P 「結構歩いてきたな……」
莉緒 「…………」ギュッ
P 「莉緒、疲れてないか?」
莉緒 「ん、大丈夫よ?」
P 「……本当は?」
莉緒 「……ちょーっとだけ足が痛いかも」アハハ
P 「それを早く言ってくれ……大事になったらどうするんだ」
莉緒 「大丈夫よ、大した事ないから!」
P 「そうは言ってもだな……」
P (どこかに、一旦休めるところは……)キョロキョロ
P 「……っと、公園か」
P 「莉緒、あの中ちょっと入ってみないか?」
莉緒 「へ?どうして?」キョトン
P 「少しだけ休憩しようと思ってな、どうせなら座った方が良いだろ?」
莉緒 「もう、気を遣わなくても良いのに……」
P 「ただでさえ歩かせてるんだ、これくらいさせてくれよ」
莉緒 「……ふふっ、アリガト♪」
―――――
莉緒 「ふぅ……」サスサス
P 「……痛むのか?」
莉緒 「平気、このくらいならレッスン後の方が全然辛いから」
P 「それは……判断に困るな」
莉緒 「プロデューサーくんは心配しなくて良いって事!」
莉緒 「もう、こんな時くらい仕事は休めばいいのに……」
P 「……莉緒、勘違いしてるぞ?」
莉緒 「?」
P 「仕事だから莉緒を気遣ってるんじゃないって事だ」
莉緒 「ふふっ……分かったわよ」
莉緒 「ありがとね、プロデューサーくん」
P 「……それにしても、今日の誕生日会は豪華だったな」
莉緒 「春香ちゃんのケーキも美味しかったし、雪歩ちゃんもお茶入れくれたり……」
莉緒 「ホント、賑やかだったわねー……」
P 「それだけ、皆莉緒を祝いたかったって事だ」
莉緒 「……プロデューサーくんは、祝ってくれる?」
P 「当然だろ?なんたって、莉緒の特別な日なんだからさ」
P 「皆から、沢山贈り物をもらったな……」
莉緒 「そうね……」
莉緒 「……でもね、今日一番嬉しかったのはそれじゃないのよ」
P 「違うのか?じゃあ、一体……」
莉緒 「……キミ」
P 「俺?」
莉緒 「そうよ、こうやって二人でいられるのが嬉しいの」
P 「……大した事じゃない気がするんだが」
莉緒 「……プロデューサーくんはいつも色んな子の面倒見てるでしょ?」
莉緒 「だから……ね、今一人占めできてるのが嬉しくて」
P 「いつも二人で飲んでるじゃないか、それじゃダメなのか?」
莉緒 「ダメよ、今こうしてるのが良いんだもの」
P 「……?」キョトン
莉緒 「いつもの一人占めは、大抵部屋の中でしょ?」
莉緒 「でも、今はこうやって外で二人なんだもの」
P 「……言われてみれば、そうだな」
莉緒 「でしょ?世界がとても静かで――」
莉緒 「――まるで、世界に二人っきりになったみたい」フフッ
P 「……莉緒も、中々のロマンチストだな」
莉緒 「もう、こういう時くらい良いじゃない」プクー
P 「はは、ごめんって」
P 「……でも、分かる気がするよ」
P 「いつもは、もっと騒がしいはずなのにな……」
莉緒 「ね……なんだか、夢の中みたい」コテン
P 「莉緒……」
莉緒 「……プロデューサーくん」
P 「うん、どうした?」
莉緒 「私ね、今日キミから欲しいって思ってたのが一つあるの」
P 「俺から?プレゼント、渡し損ねたっけ……」ガサゴソ
莉緒 「違うわよ、それはね――」
チラチラ
P 「……ん?」
莉緒 「……雪?」
P 「ああ……寒いとは思ったけど、まさか雪まで降るとはな」
莉緒 「…………」
P 「それで、何が欲しかったんだ?」
莉緒 「……こういう静かな時に、折角二人きりなんだもの」
莉緒 「今日くらい、キミにワガママ言っても良いわよね?」
P 「?構わないが……何を言うつもりなんだ?」
莉緒 「――キミに、キスしてもらいたいの」ジッ
P 「…………っ」ドキッ
莉緒 「ずっと気になってたのよ、されたらどんな気持ちなのかって」
莉緒 「こういうのって、本で読んだのとは全然違うものでしょ?」
P 「だ、だがそれは……」
莉緒 「いつもはダメだって分かってるけど……今日は特別だから」
莉緒 「……ね、ダメ?」ウルッ
P 「――――」
P (お、俺はどうすれば……)
莉緒 「…………」ウルウル
P 「り、莉緒……俺は」
莉緒 「……ご、ゴメン!困らせちゃったわね!」アハハ
P 「……莉緒」
莉緒 「さ、さ!早くかえ――」チュッ
莉緒 「――――!」
P 「…………」
莉緒 「……っはぁ」
P 「っ……俺は、別にダメなんて言ってないぞ」
莉緒 「キミってばもう……ホントに、ズルいんだから」
P 「ズルいのは莉緒の方だろ……」
P 「あんな顔されて、断れるわけないじゃないか」
莉緒 「もう、バカぁ……」ダキッ
P 「バカってなんだよ……」
莉緒 「バカって言ったらバカなのよ、バカぁ……!」ギュゥウ
P 「…………」ナデナデ
莉緒 「……りがとう、プロデューサーくん」
P 「……どういたしまして」
―――――
莉緒 「それにしても……こんなに素敵な贈り物をもらっちゃったら」
莉緒 「クリスマス、何をお願いしたら良いのかしらね?」
P 「他に欲しい物とかないのか?」
莉緒 「うーん……でも、一番欲しい物はもらっちゃったもの」
莉緒 「他に……そうだ、赤ちゃんとかどうかしら!」
P 「…………!?」ブフッ
P 「ま、待て……それは流石にやめた方が良いんじゃないか?」
莉緒 「え?キミと二人なら大丈夫じゃないの?」キョトン
P 「そ、それはそうだけどな!流石にそうなると問題が……」
P 「……大体、なんで子供が欲しいなんて言い出すんだよ」
莉緒 「うーん、私自身子供は好きなんだけど……」
P 「それだけじゃ、自分の子供が欲しいって理由にはならないだろ?」
P 「他の理由って一体何なんだよ」
莉緒 「……私ね、コウノトリ見た事ないのよ」
P 「……は?」キョトン
莉緒 「だって、赤ちゃんってコウノトリが運んできてくれるんでしょ?」
莉緒 「今までは見れなかったけど……自分が親になる時なら見られるかなって!」
P 「…………」
莉緒 「どんなのかしら……そもそも、どうやって赤ちゃんを運ぶのかも気になるわね」ムムム
P 「……ふふっ、ハハハ!」
莉緒 「ちょ、ちょっと!?なんで笑うのよー!」
P 「いや、悪い悪い……」
P 「やっぱり、莉緒は莉緒だなって……そう思っただけだ」
莉緒 「もう、何よそれ……」
P 「……でもな、それならやっぱりやめといた方が良いぞ」
P 「自分に赤ちゃんが出来るんだ、責任もって育てないといけないからな」
莉緒 「……むぅ」プクー
P 「……どうした?」
莉緒 「もう、そうなったら結局何も欲しい物なくなっちゃうじゃないのー!」
P 「……別に、それで良いんじゃないのか?」
莉緒 「?」
P 「今日みたく、誰かと祝えばさ」
莉緒 「誰かと、ねぇ……」
P 「……な、だから歌織さんとか誘って」
莉緒 「…………」ジトー
P 「……な、なんだよ」
莉緒 「もう!そこは『俺が一緒に居てやるよ』とか言うところでしょー!?」
P 「生憎、その日は予定があってだな」
莉緒 「誰との?」ジーッ
P 「……しゃ、社長とか?」
莉緒 「折角のクリスマスなのに?」ジトー
P 「……嘘だよ、社長は黒井社長と飲んでる」
莉緒 「……そんなに、私と過ごすのはイヤ?」シュン
P 「嫌じゃない、けど……」
莉緒 「けど?」
P 「なんか、俺なんかが一緒に過ごして良いのかなって……いてぇ!?」ボカッ
莉緒 「なんか、とか言わないの!」
莉緒 「……私は、プロデューサーくんと一緒が良いんだから♪」
P 「……分かった、二人で美味いもんでも食べに行くか」
莉緒 「そう来なくっちゃ♪」ニコニコ
莉緒 「……そういえば、さっきのお返ししてあげてないわね」
P 「へ?お返しって……」
莉緒 「――――♪」チュッ
P 「…………」ポカーン
莉緒 「……こ、これ恥ずかしいわね」カァア
P 「は、恥ずかしいと思うならやるなよ……!」カァアア
莉緒 「だ、だって……その」
莉緒 「私だって、キミにお返ししたかったんだもの……」
莉緒 「それでその……う、嬉しかった?」
P 「……嬉しかったけどさ」
莉緒 「ふふっ、それなら良かった♪」
莉緒 「……これからもよろしくね、プロデューサーくん♪」
おしまい
急ごしらえではありますが、莉緒姉の誕生日お祝いssになります
莉緒、誕生日おめでとう
もっと自然にイチャつきたかったが別件でネタを使い切った模様
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