今度の衣装も素敵だねー
可愛いねー
出来上がるのが楽しみだよー
Aqoursの面々が各々次のライブの衣装案に感想を述べている。
「・・・。」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1541004085
専ブラ使ってみたけど、やっぱりこっちに立っちゃった・・・
何度もすみません
速報にも立ってる?
でも書き込めない・・・
速報RRに書き込むと反映される?
訳わかんない・・・
でもここで、私は、私こそは敢えて苦言を呈さなくてはなりません。
むしろ私にしか言えない事があるのですわ!
「ちょ、ちょっとスカートの丈が短すぎません?」
私の発言に、一同の視線が集まる。
「そう?」
「私はとっても可愛いと思いマス。」
ぐっ・・・ある意味予想通りの反応ですわね・・・。
果南さんは露出に関してほぼほぼ無関心。
鞠莉さんはむしろ露出に関しては積極的。
しかし、ここは私が手綱を握らなければ、Aqoursは破廉恥なアイドルグループと印象付いてしまいますわ!
昨今、女子高生のスカート丈が短くなっている事は重々承知しています。
私も一応例外ではありませんわ。
しかし、それではあまりにも短絡的、下世話な方向で人気を得ようと言う事に他なりません。
アイドルとは言え、私たちはあくまでアマチュア。
学生の本分を忘れ下世話な露出に走ってはいけないはず!
「ダイヤさんは今回の衣装ちょっと異論アリな感じ?」
曜さんが不安げにこちらを窺う。
「今回は私もお姉ちゃんに着て欲しくて、あの衣装をデザインしたんだけど、イヤだった?」
うっ、愛しのルビィまでもがアレを着て欲しいビームを発してきます。
今までは曜さんに任せっきりだった衣装の制作に、ルビィが加わった最初の衣装・・・。
姉として、妹の想いを無碍にはしたくありません・・・しかし!
「わ、私はどちらかと言えば、古風というか地味というか、その・・・あまり派手な衣装は似合わないと思うのです・・・。」
「えーーー!そんな事ないよ~~~!」
くっ!
黙っていれば良いものを、ここで千歌さんが鶴の一声を発してくる!
「ダイヤさんは確かに黒髪ロングだしー、お堅そーで如何にもな感じだけどぉ、その圧倒的なキャラクターだからこそ、あえてセクシーな路線で攻めるんだよ~!」
「私はセクシー路線を望んではいませんわ!」
「いやいや、ダイヤこそセクシー路線でしょ。」
「Oh,Yes!ダイヤのそこはかとなく漂う色香は武器にするべきネ!」
笑顔!
果南さんも鞠莉さんも、その眩しいほどの笑顔が雄弁にこの流れを楽しんでますわっ!
「お姉ちゃん・・・やっぱりヤダ?」
ぐふぅっ!
ここぞとばかりルビィの上目ビームが私の戦意を削ぎにかかるっ!
でも、ここで挫けてはいけません!
「と、とにかく、このデザインは破廉恥すぎます。」
「破廉恥破廉恥、って言う方がよっぽど破廉恥なんじゃない?」
「そうズラ。心頭滅却すれば火もまた涼し。破廉恥と思うから破廉恥になるズラ。」
ここへ来て一年'sまで参戦してくる。
「で、でも、ダイヤさんも嫌がってるみたいだし、スカートの丈はちょっと考えてみた方が良いんじゃない?」
さすがAqoursの良心!
梨子さんがグジョブな援護射撃をしてくれる。
「あー、梨子ちゃんもスカート短いの気にしそうだよね~。」
千歌さん!?
まった、あなたは余計なことを・・・。
「わ、私は別にスカート短いのなんか気にしてないから。」
梨子さん!!!
それは煽り耐性低すぎですわ!?
「あ、うーん、とりあえず衣装は保留って感じかな?」
曜さんが空気を読んで話をまとめる。
はぁ、なんとか修羅場を回避して一息つく。
・
・
・
「それじゃ、私はルビィちゃんと衣装の練り直しするねー。」
「お姉ちゃん、ごめんなさい。今日もちょっと遅くなるかも・・・。」
時々ルビィの上目ビームは狙っているのではないかと思う時がありますわね・・・。
「えぇ、しっかりと曜さんとお話なさい。ただ、帰るときには連絡をする事。良いですわね?」
「はい!お姉ちゃん!」
私もまだまだ甘いですわ。
「で?どうしてダイヤは、そんなに露出を気にするノ?」
帰りの最中、突然鞠莉さんが切り出す。
「ですから、あくまでも部活動の範疇で健全な格好というものが。」
「ルビィだって、お姉ちゃんに可愛い服を着て欲しい、て思って作ったんじゃないのさ。」
「そうですわね。そのセリフ是非とも真顔で言って欲しかったですわ。」
「まぁ・・・。私達が一年の頃も大して違いのない衣装を着ていた気がするんだけどねぇ」
「むしろ、ダイヤが一番ノリノリだったヨ♪」
「ブッブーーー!ですわ。」
「とにかく、今回の衣装はぜーーーったいに容認することは出来ませんから!」
---ある日の放課後---
『ダイヤさんっ!』
不意に呼び止められ振り返ると、そこには千歌さんと曜さんの姿が・・・。
「どうかなさいました?」
「あの、衣装の話なんですけど・・・。」
やはりそうですか・・・。
曜さんの言葉に、思わず身構えてしまう。
「ダイヤさん的に、膝上は何cmくらいが理想なんですか?」
「なん、センチ・・・?」
曜さんの意外とストレートな質問に間抜けな反応をしてしまいましたわ。
「だってぇ~、今のダイヤさんの制服のスカートも結構きわどいと思うんだけどなぁ?」
くぅ~~~~!
無垢な顔して千歌さんは恐ろしいところに喰いついて来る。
ぐぬぬぬ・・・。
「ち、千歌さん?ほぼ知り合いみたいな地元で着ている制服と、知らぬ他人が見守るステージでは、少々違うと思う・・・ますわ。」
自信がなさ過ぎて、もう言葉が出てこない!!!
「・・・、あー、やっぱり何cmなんて聞かれても、良くわかんないですよね。」
曜さんが空気を呼んで下がっていく・・・。
はぁ・・・。
2人が去ると、何ともいえない申し訳なさが襲ってくる。
曜さんだって、きっと真面目に素敵な衣装をと思っているはず。
それを私1人のワガママで困らせて良いものかどうか・・・。
「そんな所で何してるずら?」
ひぃっ!
背後から突然声をかけられて焦る私。
「は、花丸さん・・・?・・・ぃぇ、何でもありませんわ・・・。」
?を浮かべる花丸さんを前に、ふと思い立つ。
「あの・・・、少しよろしいかしら?」
・
・
・
誰もいない図書室。
花丸さんと向き合って座ると、一連のことを切り出す。
「いきなりですが、花丸さんはスカートの丈に関して思う所はありませんか?」
キョトンとした花丸さんが、納得したように相槌をうつ。
「あぁ、衣装のことずらね?」
「そ、そうですわ・・・。」
少し考え込むそぶりを見せると、こちらを向きなおす。
「まるは今まで自分に対して全く自信がなかったんです。」
真っ直ぐな瞳が私を見抜いてくる。
「確かに、短いスカートを気にする事が無いって言えば嘘になるけれど、大事なのは其処じゃないと思います。」
普段ポヤポヤしてるみたいな花丸さんから、思いもよらず真剣な返答が来たことに、少し自身を恥じずにはいられませんでした。
「自分の望みを、自分の気持ちを大事にしようって、ルビィちゃんや千歌ちゃんから教わりました。」
花丸さんは私なんかよりずっと、大人なのかもしれません。
「だから、ちょっとくらいスカートが短くっても、気にしないことにしたズラ♪」
そう言って、笑顔を向けられると、今まで自分がどれだけつまらない事に固執していたのか・・・。
「あ、そうズラ!」
「な、なんでしょうか?」
「この間、ルビィちゃんとお話したんだけどー・・・。」
・
・
・
下校途中、私はとてつもなく凹んでいた。
『ダイヤさんは気づいてないかもしれないけど』
そこから始まった話はある意味私にとって衝撃でした。
『鞠莉ちゃんはオープンなエッチさ、果南ちゃんは健康的なエッチさ、そして、ダイヤさんはエッチなエッチさがあるって意見の一致を見たズラ♪』
それは私を慰める為の言葉だったと信じたい・・・。
私って他人からそういう目で見られていましたの?
茶化すような笑顔で誤魔化されていましたが、鞠莉さんと果南さんの言は冗談なんかじゃなかったのですね・・・。
思わず頭を抱えてしゃがみこむ。
『・・・そんなに私に傅きたいのですね。よろしいですわ。存分にお舐めなさい!』
違う違う!
絶対こんなキャラじゃありませんわ!
『・・・あぁ、あなただけのダイヤになりたいの。あなたの色で私を染めて・・・。』
こんなのブッブーーーですわ!
むしろ18禁!
もはやスクールアイドルではありませんわ!!!
「おねぃちゃん?」
「うひぃいいいいいい!!!」
思いっきり振り返ると、そこには心配そうに私をのぞき込むルビィ。
「ルルルル、ルビィ、いつからそこにいましたの?」
「え?今さっきだけど・・・おねぇちゃん、何かあったの??」
心配そうにするルビィをみて次第に我に返ってくる。
「お、オホン。何でもありませんわ。行きましょうか、ルビィ。」
努めて何事も無かったかのように歩き出す。
「あ、まって、おねぇちゃん。」
心臓のドキドキが止まらない・・・。
そ、そうだ。
今の内にルビィを通じて曜さんに伝えてもらいましょう。
「ルビィ、明日は曜さんの所に行きますか?」
「え?う、うん。」
「それでは伝えてくださいな。衣装の件は当初の通りでお願いします、と。」
ルビィの表情が一気に明るくなる。
「は、はい!曜ちゃんにしっかり伝えます!」
きっと、これで良いのですわ・・・。
―――予備予選当日―――
ルビィから手渡しされた、私の衣装に袖を通す。
・・・これが私・・・。
鏡の前で自分自身を見る。
「この曲が出来たとき、一番最初にイメージが湧いたのがおねぇちゃんなんだって!」
ルビィが嬉しそうに語る。
「曜さん、そうなんですの?」
「うん。でもここまで具体的にデザインできたのは、間違いなくルビィちゃんのおかげだよ!」
「だって・・・私が作りたかった衣装を着ているのは、いつもおねぇちゃんだったから・・・。」
「愛の、力で~~~♪」
千歌さんの一言で場がくだける。
まったく・・・、千歌さんは。
それでも、彼女はちゃんと私たちのリーダーなのですね。
「さあ!今は9人揃ってないけど、みんなの力で勝ちあがろう!」
千歌さんの力強い言葉で私たちはステージに向かう。
欲張りな私たちが、全てを手に入れるために。
この素敵な衣装を身にまとい、舞え!熱く!
おわり
―――おまけ―――
あ、あれ?
あそこで蹲ってるのは、おねぇちゃん??
近づくと、おねぇちゃんは死んだような目をしながら、ブツブツと独り言を言っている・・・。
あぁ・・・これは中学生の頃良くやってたアレかもしれない。
そう、おねぇちゃんは小さい頃からアイドルが大好きだったんだけど、黒澤家は少しお堅い家柄なので、屋内で騒ぐ事は許されませんでした。
そこで抑圧された、おねぇちゃんのアイドル愛は発散されることなく、自らの内で消化されるようになったんです・・・。
その姿がアレ。
満たされない想いを自ら慰める。
高校に入ってからは、そんな姿は見なくなったんですけど、妹の私には判るんです!
私にとっては、おねぇちゃんの可愛い一面を見ているだけなんだけど、他の人が見たらきっと気が触れたみたいに見えちゃうかもです。
・・・もうちょっと見ていたいけど、この辺で戻ってきてもらわなくちゃ・・・。
『おねぃちゃん?』
専ブラの話を聞いて使ってみたら、やっと書き込めました
Rの方ではご迷惑をおかけしました
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