【ガルパン】沙織「武部沙織のファンレター大作戦だよ!」 (67)

※ボコ注意

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~大洗女子学園~

桃「今日の練習はここまでとする!」

全員「「お疲れ様でしたー!」」

沙織「んー! やっと終わったー!!」

優花里「本日の練習も大変充実していました!」

みほ「あはは、そうだね。でも、ちょっとお腹すいちゃったかな」

華「みなさんでアイスでも食べに行きますか?」

麻子「行こう。すぐに行こう」


桃「みんな静かに! 練習は終わったのだが、お前らに渡したいものがある。解散はそれからだ」

優季「えー、なんですかー?」

あや「きっと、ご褒美くれるんだよ!」

桂利奈「なにかなー? わたしは最近流行りのSSDがいいな!」

紗希「・・・」

あゆみ「紗希は昆布茶がいいってー」

梓「みんな、静かに・・・。それに、河嶋先輩がそんないいものくれるわけないでしょ?」

桃「一年生ども、うるさい! それから、澤! 貴様にはあとで罰を与えるからな!!」

梓「ええ~!? ご、ごめんなさーい!!」


杏「まあまあ。でも、そんな悪いものでもないんだよね~、これが。小山!」

柚子「あのね、みんなにいっぱいファンレターが届いてるの。だから、それを配りたいと思いまーす!」

左衛門佐「おおっ、艶書か!」

カエサル「いや、それは違うだろう」

エルヴィン「我々の全国大会と大学選抜戦での戦いは全国中継されたからな」

おりょう「維新には人気も必要ぜよ!」

ねこにゃー「ぼ、ボクたちにファンレター・・・」

ももがー「あまり有名になるとベランダからボトルが捨てられなくなるナリ・・・」

ぴよたん「そ、それは有名じゃなくても家庭内で処理した方がいいと思うっちゃ」

そど子「ファンレターなんて、風紀にとっては大敵よ! 校則違反よ!!」

パゾ美「そんなことないと思うよ、そど子」

ゴモヨ「じゃあそど子はファンレターいらないの?」

そど子「何言ってるのよ! 風紀委員が全国区になったってことでしょ? 受け取らないなんて、それこそ人の道に背いてるわ!」

パゾ美「もう言ってることめちゃくちゃだよ、そど子・・・」


沙織「みんな聞いた? ファンレターだって! これをきっかけにイケメンと交際が始まって・・・どおしよ~!! やだも~!!」ブンブン

みほ「沙織さん、落ち着いて・・・」

優花里「西住殿! どんなファンレターが西住殿に届いたとしても、一番のファンはこのわたしですよ!!」ズイッ

みほ「ゆ、優花里さんも・・・。ちょっと近い、かな」スッ

優花里「くぅ~ん」

華「だけど、少し気後れいたしますね。わたくしたち、ただの女子高生ですのに・・・」

麻子「眠い。お腹すいた。いいから早くしてくれ」


桃「じゃあ配るぞ! ウサギさんチーム、アヒルさんチーム、カバさんチームはここに並べ!」

柚子「カモさんチーム、レオポンさんチーム、アリクイさんチームはこっちに来てくださーい」

杏「あんこうチームはあたしんとこねー」

沙織「なんでわたしたちだけは会長の・・・って、箱でっか!!」

杏「いやあ、さすが優勝の立役者だねえ」

柚子「他の全チーム合わせても、あんこうチームの三分の二ぐらいしかないのよね・・・」


桃「けしからん・・・なんで会長のファンレターが一番じゃないんだ!」

杏「うーん、さすがのあたしも西住ちゃんたちには勝てる気しないや」

柚子「うちのチームの中では会長宛てが一番多いんですけどね」

杏「まあ、その中にはこんな呪いの文書も入ってるからね。ほら、辻廉太からのがこんなに」

優花里「うわぁ・・・。A4コピー紙に毛筆で廃校って文字がびっちり。同じものがざっと100枚はありますね」

麻子「一枚あたり平均542回、廃校の文字が書かれているな。それも全部手書きで」

華「麻子さん、すべて数えたのでしょうか?」

麻子「見れば大体の数はわかる。・・・こいつの異常さも、一目でわかるがな」

沙織「異常なのはわたしたちでもわかるよ、麻子・・・」

みほ「あはは・・・」

桃「整列したな? じゃあ配るぞ!」

~~~~~

~~~~~

沙織「・・・」


典子「なぜだ・・・。なぜバレー部入部希望者からの手紙がないんだ。来てるのは戦車女子と男からばっかりだ!」

妙子「わたしも男の人ばっかりです、キャプテン。入部希望者はいませんでした・・・」

忍「わたしは福ちゃんから来てましたよ。アヒル殿へって。あとは、みんなと一緒かなあ」

あけび「わたし、プロレスラーの蝶野さんからもらっちゃった・・・!」

典子「プロレスラーの・・・? はっ! その人に宣伝を頼もう! その人なら有名人だから、きっと入部希望者をたくさん連れてきてくれるはずだ!」

一同「「はい! キャプテン!」」


沙織「・・・・・・」

ねこにゃー「にゃっ! あなたの眼鏡の奥の瞳に惚れました・・・だと・・・?」

ぴよたん「うわっ、男の人からいっぱい! ねこにゃー氏、さすがぴよ!」

ももがー「我々は五通ぐらいずつしか男の人から来てないもも・・・」

ねこにゃー「ぼぼ、ボクなんて全然だめだめなのに・・・」

ぴよたん「でも、ちょっとだけでも男の人から来てるとやっぱ照れるっちゃ」

ももがー「これからはボトラーはやめてオムツァーになるナリ!」

ぴよたん「ええ・・・」


沙織「・・・・・・・・・」

ナカジマ「今度一緒に日本GPを見に行きましょう、かー」

ホシノ「わたしもそんなのばっかり」

スズキ「あんまり試合みてなかったのかなー?」

ツチヤ「もっとEPSとか褒めてくれてもいいのに。せっかくルールの穴見つけてぶっ飛ばしたのになー」

ナカジマ「やっぱり炎上しちゃったからねー。エンジン燃えないようにするには、5秒だけとか制限かけないと無理かもねー」

沙織「・・・・・・・・・・・・」


優花里「はわわ・・・。あなたの力強い装填に一目ぼれしました、とか書いてありますぅ・・・。わわ、これも男の人から・・・。父に怒られてしまいます・・・」

みほ「わ、わたしも。この男の人は、プラウダ戦でのキューポラ上の姿にハートを射抜かれました、って。そ、そんなに変なことしたつもりなかったんだけど・・・」

華「わたくしは、サンダースのタカシさんという方から何通も・・・。あと、殿方から他にもこんなに。ちょっと、戸惑ってしまいますね。あら、これは新三郎から?」

麻子「ドライビングテクニックに惚れました、一生僕の車の運転をしてください・・・って。一体こいつはわたしを何だと思っているんだ?」



沙織「・・・・・・・・・・・・・・・・」


沙織「・・・」チラ


『沙織ちゃんがんばって! トメ』

『孫のようにめんこいのう イワオ』

『あとワシが75年若ければのう ゲンゾウ』

『一目ぼれです、結婚してください! 花子』

『沙織先輩に憧れて大洗女子を受験しました! 梅子』


沙織「」




沙織「やだもーーーーーー!!!!!!!!!」



みほはなゆかまこ「!」ビクゥ


沙織「なんで!? どうしてわたしにはおじいちゃんと女の子からしか来てないのよう!!」

みほ「さ、沙織さん落ち着いて・・・。ほら、わたしも女の人からのが大半だから」

沙織「母数が多いだけでしょ!? それに、みぽりんの女の子からのファンレター、大半がみぽりんのお姉さんからの手紙と黒森峰からの匿名の手紙じゃん!! きっとファンの数的には男の子の方が多いじゃん!!」

優花里「学園艦だけでなく、熊本市内からも匿名の手紙が来ていますね。・・・これって、まさか」

麻子「秋山さん、言うな」


沙織「麻子も華も、ゆかりんも!! 男の子からこーんなにもらっちゃって!!!」

優花里「あうう・・・、面目次第もございません・・・」

華「でもこれは、ラブレターではなくファンレターですし・・・」

麻子「別に男からもらったからってどうというわけでもないだろう」

沙織「そんなことないよ! 麻子なんてそれプロポーズされてるじゃん!!」


麻子「これか? ・・・ただ、こいつが自分で運転したくないだけだろ」

沙織「そんなわけないじゃん! 一生って書いてあるじゃん!! 夜のシフトレバーも握らされようとしてるのよ!! やだもー!!」

華「落ち着いてください、沙織さん。みんな見てます」


桂利奈「夜のシフトレバーってなにー?」

優季「わかんな~い♪ あやは詳しいよね~?」

あや「え、わたしっ? いやいや! 優季ちゃんの方が絶対詳しいでしょ!!」

優季「あやったらひどぉ~い!!」

梓(わたしにシフトレバーがあったら、西住隊長と・・・。いや、ダメダメ!)

あゆみ「梓、どうしたの?」

梓「違う、逆! わたしがシフトレバーを隊長に入れてもらうんだからぁ! ・・・あっ」

あや「・・・」

あゆみ「・・・」

桂利奈「?」

優季「・・・梓ったら、だいた~ん♪」

紗希「・・・・・・」

梓「も、もー!! みんなあっちいってよー!! バカー!!!!」


麻子(・・・一年生たちは一体何の話をしているんだ)

優花里(考えないようにしましょう、冷泉殿)


桃「お前たち、ファンレターの内容ごときでいちいち騒ぐな!」

柚子「・・・ふふっ」ニヤニヤ

桃「なんだ、柚子。ニヤニヤと気色の悪い」

柚子「昨日、自分あてのファンレターを読んで、舞い上がって踊ってた桃ちゃんにしては珍しいことを言うなーって」

桃「柚子ちゃぁん!? どうして、それを・・・」

杏「いや、生徒会室の隣の部屋で突然どったんばったん聞こえたらだれでも覗くっしょ」

桃「会長!?」

杏「まあ、みんなそんだけ期待されてるってことだから。今度、冬季大会が復活するって噂だから、そん時はよろしく頼むね」

柚子「各自解散してくださ~い!」

桃「うう・・・見られてたなんて・・・。もうおしまいだ・・・」

梓(今のうちに帰っちゃお)コソコソ

~~~~~


~沙織宅~

沙織「というわけで、わたしもナウなヤングからファンレターをもらうためにはどうしたらいいのかを考えたいと思います!」

麻子「お前のファン層の言葉遣いに引っ張られてるぞ、沙織」

沙織「うっ・・・。とにかく! イケてる男の子から手紙をもらいたいの!」

麻子「なんでわたしと二人でそれを話し合おうと思ったんだ。いいから早く寝かせろ。眠い」

沙織「だってみぽりんとかゆかりんとか華のモテテクニックは難しそうなんだもん! だから、まだ寝ちゃダメ!!」

麻子「わたしのモテテクニックとやらはどうなんだ」

沙織「うっ・・・。ま、まあ麻子には今までも何回もこんな話に付き合ってもらってるんだから、今回も付き合ってよ」

麻子「確かに今まで何回も生産性のない話をされたな」

沙織「麻子ひどい! いいもん! もしわたしがモテモテになっても麻子には分けてあげないからね!」

麻子「分けなくていい」


沙織「コホン・・・。で、どうすればいいのかな」

麻子「ノープランなのか」

沙織「だって、今までもわたしなりにモテテクニックを磨いてきたんだもん! それをあっさりとみぽりんや華、全く興味なさそうなゆかりんにまで負けるなんて・・・」ワナワナ

麻子「秋山さんは男子と話が合いそうだからな。秘密基地とかすごく好きそうだし」

沙織「なによそれ! わたしだって、秘密基地の中で×××とか、夜の森林で○○○とか、たとえ土の中雲の中わたしのスカートの中でだって」

麻子「落ち着け沙織。男の秘密基地のロマンをピンクに染めるな」


沙織「うう~・・・。もう決めた! これからみんなの真似をしてみる! そしたらモテるはずだもん!」

麻子「さっき真似できないって言ってなかったか」

沙織「それはそれ! 狂人の真似をすれば即ち狂人なのよ!」

麻子「早速ダージリンさんの真似か。・・・あの人モテるのか?」

沙織「・・・確かに、あまりモテなさそう」

麻子「美人なんだから普通にしてればモテるだろうにな」

沙織「そばにいて常に旦那さんを立ててくれるオレンジペコさんとか、才色兼備なアッサムさんとかの方がモテそうだよね」

麻子「そうだな」

~~~

~聖グロ~

ダージリン「ほどほどに愛せ。そうすれば恋は長続きするだろう」

オレンジペコ「シェイクスピアですね。・・・って、どうしたんですかいきなり」

ダージリン「どこかでわたくしの噂をしている人がいるみたいなの」

オレンジペコ「はい?」

ダージリン「激しく燃え上がるような恋は一瞬で燃え尽きてしまうのよ」

オレンジペコ「はあ・・・」


オレンジペコ「ところでダージリン様、それはいいんですが・・・」

ダージリン「なにかしら?」

オレンジペコ「ダージリン様のお部屋の隅で見つけたこれを見てください!」バッ

ダー布団『おい、気をつけろ! キノコが生えちまったじゃねえか!』ニョキ

ダージリン「あら、キノコ。おいしそうだけど食べちゃだめよ、ペコ」

オレンジペコ「食べません! というより、おねしょ布団隠すのはやめてくださいっていつも言ってるじゃないですか!」

ダージリン「だって、ペコに教える前に突然ローズヒップがわたくしの部屋に入ってきたんですもの」

オレンジペコ「それにしたって、その日のうちに何とかしてください! ほら、キノコまで生えちゃって・・・」

ダージリン「キノコはどこへでも生えるわ。心がしおれない限り」

オレンジペコ「それは五十鈴華さんの名ゼリフです! 名言を汚さないでください!」

ダージリン「・・・けち」

オレンジペコ(もうやだこの格言おばさん)

~~~~



沙織「やっぱり、同じ真似するならうんとモテモテの人よね!」

麻子「まあ、ダージリンさんも沙織よりは男からのファンレターは多そうだがな。・・・ゼロってことはないだろう」

沙織「ぐふっ」

麻子「沙織!? すまん、言いすぎた」

沙織「うう・・・。麻子、ひどいよ・・・」

麻子「すまん」

沙織「女の子の心は繊細なんだからね!」プンプン

麻子「わかった、気を付ける。・・・それで、とりあえず誰の真似をするんだ?」

沙織「そんなの決まってるじゃない! 一番男からのファンレターが多かったみぽりんだよ!」

麻子「・・・また難しいところから始めたな」

沙織「難しくないもん! わたしだって、きっとこうすれば・・・」ゴソゴソ

麻子「おい、それは西住さんなのか? というか、それは止めといたほうが・・・」

沙織「いいの! やるんだもん!!」

麻子「どうなっても知らないからな」

~~~~~


~校門~

麻子「おう、そど子」

そど子「あら、おはよう冷泉さん。今日は早く起きたのね・・・って」

ボコ?「おいそこのおかっぱ! 気をつけろ!! あやうく遅刻するところだったじゃねえか!!」

そど子「なによその着ぐるみ! というか誰よ! 校則違反よ!!」

麻子「まあ落ち着けそど子」


そど子「落ち着いていられないわよ! っておいうか冷泉さん、この人と一緒に歩いてきたわね? まさか冷泉さんが・・・?」

麻子「違う。わたしは止めたぞ」

そど子「むむむ・・・。そこのあなた! 着ぐるみの頭を取りなさい!!」

ボコ?「えー? しょうがないなあ・・・」モゾモゾ

沙織「ぷはっ」

そど子「武部さん!? 何をしてるの!?」

沙織「今日のわたしはみぽりんなんです!」

そど子「え? 武部さんが西住さん? 一体どういうこと!?」

麻子「あー・・・。そど子に理解は無理だ。わたしだって理解できないからな。ほら、行くぞ沙織」

沙織「あ、待ってよ麻子!」ノッソノッソ

そど子「ちょっと、それどういう意味よ! というかそのまま校内に入っちゃダメ!! こらー!!!」

~~~~~


~2-A教室~

みほ「うわぁ~!!!! ボコだ!! ボコボコボコボコ!!!」キラキラ

ボコ?「おい、気をつけろ! 太ももが当たったじゃねえか!!」

華「ボコさん、来るなり沙織さんの机にケンカを売ってますね」

みほ「写真を撮って愛里寿ちゃんに見せよう!」パシャパシャ


ボコ?「おう! 今日はこのぐらいにしといてやるぜ!」ストン

華「あら、さっきまでケンカを売っていたのに普通に着席してますね」

みほ「ボコ~!! こっち向いて~!!!」ブンブン

華「というかあの声、この匂い。あれは、沙織さんでは・・・?」

みほ「華さん」

華「は、はいっ!?」ビクゥ

みほ「ボコはボコだよ? なんでそんなわからないこと言うの?」ズイッ

華「すすす、すみません! ボコさんはボコさんです!!」

みほ「わかってくれたんだ! そうだよね、華さん!!」ニコッ

華「は、はい・・・」

華(お母さまより怖かったです・・・)ドキドキ

~~~


~戦車格納庫~

華(結局沙織さ・・・、ボコさんは一日中あのままでした)

麻子「五十鈴さん、なんというか・・・、すまない。止められなかった」ボソボソ

華「やはり、あれは・・・」ボソボソ

麻子「ああ。勘違いしたモテない女の末路だ・・・」

みほ「うわぁ~!! ボコも戦車に乗るんだ!!」キラキラ

ボコ「おいこら! おいらになにさせやがる!! 振動でけつが痛くなるじゃねえか!!」

みほ「うんうん! そうだよね、ボコ!!」キラキラ

麻子(うわぁ・・・)


優花里「どういう状況ですかこれは」

麻子「ああ・・・。そういえば秋山さんは見るのが初めてなんだな」

優花里「普段の武部殿のスペースにボコ殿が収まってる気がしますが・・・」

華「優花里さん、そこは考えないようにした方がよろしいかと」

優花里「え? どうしてですか? だって、あの位置にあの声、どう考えても・・・」


みほ「優花里さん? ど う し た の か な ? ? ?」ゴゴゴ


優花里「ひっ!?」

みほ「ひょっとして優花里さんもよくわからないことを言うのかな?」ゴゴゴゴ

優花里(に、西住殿からなんか変な黒いのが出てますぅ!!!)

優花里「いえ! めめめ、滅相もございません! 本日は、ボコ殿も参加されるんですね! 感謝感激雨あられですぅ!!」

みほ「そうだよね! 今日はなぜか沙織さんが来ていないから、その席に乗ってもらおうね!」パァァ

優花里「は、はい!」


優花里(ち、ちょっと漏れましたけどかき混ぜれば大丈夫でしょう。現場の的確な判断です!)

華(あら、優花里さんの太ももに一筋の線が・・・)

麻子(漏れたな)


ボコ「おう! おいらの席ぐらい常に開けとけよな!!」

みほ「ごめんねボコ! 明日からずっと開けておくから・・・」

優花里「えっ」


みほ「どうしたの、優花里さん?」ニコッ


優花里「ななななんでもありません!!」


華(あら、もう片方の太ももにも線が・・・)

麻子(また漏れたな。・・・それにしても沙織。お前、自分が何をやってるかわかってるのか・・・?)

沙織(しょうがないじゃん! だって、今日のみぽりんの迫力がすごくてボコになりきるしかないんだもん!!)


桃「それでは本日の練習を始める・・・って、こらぁ武部!! なんだその恰好は!!」

優花里(ばっ・・・)

沙織(やだもー!!!)

ボコ「な・・・、なにいってやがる! おいらはボコだぜ!!」

桃「馬鹿なこと言ってないでとっとと着替えてこい!」

華「か、河嶋先輩! ボコさんはボコさんです!!」

桃「五十鈴まで何を言っているんだ・・・。おい、西住からもなにか・・・」


みほ「何を言ってるんですか河嶋先輩」


桃「え・・・?」

みほ「ここにいるのはボコです。沙織さんじゃありません。ボコはボコなんです!」

桃「な、なにを言っているんだ西住・・・? おい、柚子からも何か言ってやれ!」

柚子「西住さん、桃ちゃんが分かんないこと言ってごめんね?」

桃「なっ・・・、か、会長!!」

杏「西住ちゃーん。かーしまがよくわかんないこと言ってるねー」

桃「そ、そんな・・・」


みほ「河嶋先輩・・・」ズイッ


桃「ひっ・・・! お、おい!! だれでもいい! 磯辺! 澤! そど子! 鈴木! ナカジマ!! だれでもいいから、西住に・・・」

典子・梓・そど子・カエサル・ナカジマ「・・・・・・」プイッ


みほ「ひょっとして、河嶋先輩はボコのことが分からないんですか?」

桃「わ、わかるもなにもあれは武部で・・・」


みほ「わからないのならしょうがありませんね・・・」ガシッ


桃「え? ・・・に、西住?」

みほ「ぼこぼこ作戦です! やーってやる、やーってやーる、やーってやーるぜー♪」グイッ

桃「ひっ・・・、やめ・・・。ゆ、柚子ちゃぁん!! 会長!! だ、誰か・・・」ズルズル


杏「元気でねー、かーしま」

柚子「ごめんね桃ちゃん・・・。わたしもまだこの世でやりたいことがあるから・・・」

桃「ひぃいいいいぃぃぃ・・・」ズルズルズルズル


一同「「・・・・・・」」


華「え、えっと・・・」

麻子「隊長と副隊長がいなくなったし、今日はこれで解散でいいんじゃないか?」

優花里「そ、そうですね! 時には休息も必要です!!」

優花里(パンツも大変なことになっていますし)

杏「そだねー、じゃ、解散で」

一同「「お、お疲れさまでした!!」」

~~~~~~~~


~沙織宅~

沙織「えぐっ・・・、えぐっ・・・。怖かったよう・・・」

麻子「一番怖い思いをしたのは河嶋先輩だろう・・・。それに、お前が真似してたのは西住さんじゃなくボコだったぞ」

沙織「仕方ないじゃん! それしか思いつかなかったんだから!!」

麻子「いや、仕方なくないが。大体、お前は西住さんのことを何だと思ってるんだ・・・?」

沙織「ただの可愛い女の子だと思ってたよ・・・。昨日までは」

麻子「お前の中での可愛い女の子は常に着ぐるみを着てるのか」


沙織「ううう・・・。もうみぽりんの真似はしないよ」

麻子「うーん・・・。今回は西住さんの真似はしてなかったように思うが、まあそれがいいだろうな」

沙織「ちょっとでもボコらしくない言動をしたらみぽりんが迫ってくるんだもん・・・しょうがなかったんだもん・・・」ブツブツ

麻子「・・・おい、沙織。これに懲りてもうみんなの真似をするのは」

沙織「それは嫌! 次はゆかりんの真似する!!」

麻子「懲りろよ」


沙織「今回はやり方がまずかっただけだもん! それに、他の人たちと違ってゆかりんは普通の女の子だから真似しやすいはずだもん!!」

麻子「お前昨日と言ってることが違うぞ。難しいんじゃなかったのか」

沙織「いいの! 女の子は気まぐれなんだから!! ゆかりんならこうしてこうしてこうしちゃって・・・」

麻子「お、おい。そんなことしたら・・・」

沙織「うるさーい!! わたしは頑張ってモテかわガールになるんだもん!!」

麻子「・・・本当にどうなっても知らないからな」

~~~~~~~


~校門~

そど子「お、おはよう冷泉さん。昨日は、その・・・」

麻子「言うな」

そど子「コホン。今日は着ぐるみと・・・」

みほ「・・・」

ゴモヨ「そど子、着ぐるみじゃなくてボコだよ」ヒソヒソ

そど子「げ、げっふんげっふんげふん!! ボコと一緒じゃないみたいね!」

麻子(すまん、そど子)


そど子「って・・・」

パンチ武部「おはようございます! そど子殿!」

そど子「た、武部さぁん!? な、なな、何よその髪型!!」

パンチ武部「ちょっとしたイメチェンです! その方が、相手(男)からの砲撃を受けやすいかと思いまして」

パゾ美「砲撃を受けてどうするの・・・?」


そど子「えっと・・・。冷泉さん?」

麻子「止めたぞ」

そど子「そ、そう・・・。じゃなくって! 校則違反よ、そんな髪型!!」

麻子「すまんそど子。行くぞ沙織」

パンチ武部「はい、麻子殿! そど子殿、それではまた、明日の遅刻チェックでお会いしましょう!」

そど子「ま、待ちなさいよぉ!!」

ゴモヨ「一体何が起こってるんだろう・・・」

パゾ美「かかわらない方がいいと思うよ・・・」

~~~~~

~教室~

パンチ武部「おはようございます、みほ殿!」

みほ「お、おはよう沙織さん」

華「今日はまた、随分と変わった髪型ですね・・・」

パンチ武部「はい! モテ道を究める為なら、この武部沙織、努力を惜しんだりはしません!」

みほ「あはは・・・。い、いいこと、なのかな」

華「ま、まあ皆さんの注目の的なのは間違っていませんし・・・」

パンチ武部「ほんとですか? いやぁ~、華殿に褒められちゃいました~」

みほ「あ、あはは・・・」

華「いいのでしょうか・・・?」

~~~~~~

~戦車格納庫~

パンチ武部「~♪」


優花里「なんなんですかこれ」

麻子「やっぱそうなるよな」

華「麻子さんは、何か知ってらっしゃるのですか?」

麻子「・・・いや、何も知らん」


パンチ武部「おや、これは優花里殿! 今日の戦車道の授業も楽しみですね!」

優花里「は、はい・・・。冷泉殿、ひょっとしてこれはわたしの真似ですか?」ヒソヒソ

麻子「知らん。沙織に直接聞いたらどうだ?」

優花里「そ、それは・・・。わたしには難しい作戦でありますぅ・・・」

みほ「あはは・・・」

パンチ武部「いやあ、それにしても我々も強くなりましたね! アヒルさんチームの八九式も、最初は小さな戦車だと思いましたが口径で言えば知波単学園のチハを上回っていますし!」

優花里「」ピク

華「?」


パンチ武部「それに我々あんこうチームのⅣ号も、H型仕様になってシュルツェンが付きました! これならKV-2でも来ない限り平気であります!!」

優花里「・・・・・・」ピクピクピク

みほ「あっ・・・」

麻子(おや? 秋山さんのようすが・・・)


優花里「待てやコ・・・。待ってください、武部殿」


パンチ武部「え?」


華(あらあら)

麻子(今待てやコラって言わなかったか?)


優花里「一体どこから・・・。いや、先におっしゃられた八九式と九七式の対比の件からいきましょうか。これ、ひょっとして新砲塔チハのことを言っていますか?」

パンチ武部「し、新砲塔?」

優花里「はい。知波単学園も保有するチハに新砲塔と旧砲塔が存在するのはご存知ですよね?」

パンチ武部「えっと・・・」

優花里「ご存知としておきましょう。まあ、頭のフットーしそうなスイーツ()女子以外は知ってると思いますから、これは失言でした」

ゼクシィ「」


優花里「新砲塔のことなら、口径は確かに小さくなっていますが、口径長は長くなっており、砲弾の初速は倍増、装甲貫徹力も大幅に向上しています。そのことは、分かった上での発言なんですよね?」

パンチ武部「え、えっと・・・」

優花里「もしわかってないのでしたら、あとで知波単学園の方に土下座してください。あと、Ⅳ号のシュルツェンのことですが、KV-2を引き合いに出してましたけど、これは・・・」


ゼクシィ「」


みほ「あちゃー・・・」

華「戦車の知識の浅い沙織さんに、優花里さんの物まねは荷が重かったようですね・・・」

麻子「何かが琴線に触れたんだな、あれは」


優花里「ですから、まさか! まさかとは思いますが! そんなにわか知識で戦車女子を名乗り、あまつさえ西住殿と同じ教室で授業を受けようなんて・・・」クドクド

ゼクシィ「う、う、うう・・・」


みほ「・・・あれ?」


麻子(あれ、私怨がかなり入ってないか?)

華(そんな気がしますね)


優花里「体育のときの更衣室も一緒なんてなんてうらやましい・・・。そういうのは戦車の知識をもっと身につけて、戦車を西住殿の体に見立てて・・・」クドクド


みほ「 ・ ・ ・ 」


みほ「優花里さん、あとで屋上かな」ボソッ

麻子・華「!?」

~~~~~~


~沙織宅~

沙織「うう・・・。すっごい怒られた・・・」

麻子「あの後の練習の最中もずっと何か言われてたな」

沙織「ことあるごとにわたしの無知を指摘された・・・うっうっ・・・もうゆかりんの真似はできない・・・」

麻子「だからやめとけと言っただろう。・・・それから、今の秋山さんは別にパンチパーマじゃないぞ」

沙織「しょうがないじゃん! それが一番最初に思い浮かんだイメージだったんだから!!」

麻子「いや・・・。まあ、うん。それはいいとしてだな」


沙織「それにしても、練習の後、みぽりんがゆかりんを屋上に呼んでたけど何の用だったんだろう・・・」

麻子「考えなくて、いいと思うぞ」

沙織「ま、まさか無知なわたしを懲らしめる算段を・・・」ガクガクブルブル

麻子「いや、それは違うと思うぞ」



沙織「ううう・・・。なんだか戦車が怖くなってきたよう」

麻子「戦車は悪くないだろう。悪いのはお前のやり方だ。・・・いい加減諦めたらどうだ?」

沙織「そんなの嫌!! やっぱり時代は戦車じゃなくてもっと女の子らしいことなのよ!」

麻子「・・・と、なると次は」

沙織「華になりきってやる! 華道をやって女の子らしくなって、モテ道も極めるんだから!!」

麻子「・・・もう好きにしたらどうだ?」



パンチ武部「・・・だから、このパンチパーマをもとに戻すの手伝って」

麻子「はぁ・・・」


~~~~~~


~華の部屋~

沙織「う、う、うう・・・」

麻子「だから言っただろ。・・・やめとけって」

華「おしゃべりしない!! 沙織さん、手が動いてませんよ!! ほら、鋏の素振りをあと80分!!」

沙織「なんでこうなるのよ・・・」

華「髪型と口調を変えたぐらいでお花の道を極められると思ってもらっては困ります。ほら、麻子さんも手を動かして!」

麻子「いや、わたしは別に・・・」

華「しゃんとしてください!」

麻子「う・・・。はい」

麻子(おばあみたいで逆らえない・・・)


沙織「うう・・・、もうやだー! わたし、華になるのやめるー!!」

麻子「あ、こら沙織、逃げるな――――」


華「沙織さん?」ズイッ


沙織「ひっ・・・」


華「まさか、一度志した道を道半ばで放り出すつもりではありませんよね・・・?」ズゴゴゴゴ


沙織「ひぃいい・・・・・・」


華「そんなことをされるとわたくし・・・ と て も 困 っ て し ま う の で す が ・ ・ ・ ?」ゴゴゴゴゴ


沙織「ひぃっ!? つ、続けます、やります!!」

麻子(・・・ほら見ろ)

~~~~~


~一か月後・沙織宅~

沙織「や、やっとやめられた・・・」

麻子「こうなることぐらい最初からわかっていただろ。あ、そうだ沙織。玄関が寂しかったから花を生けておいたぞ」

沙織「麻子ずるい! どうして麻子だけそんなに上達してるのよ!!」

麻子「一通り教えられればその通りやればできる。まあ、まだまだ五十鈴さんには及ばないが・・・」


沙織「ううう・・・。で、でもこれだけ華に近づけば、男の子からのファンレターも・・・」

麻子「そういえば、明日は帰港日か」

沙織「ふっふっふ・・・。見てなさいよ!! 明日は両手からあふれんばかりの男の子からのファンレターを受け取って見せるんだからぁ!!」

麻子(・・・なんだかオチが見えてきたぞ)

~~~~~


~戦車格納庫~

桃「今日もみんなに大量のファンレターが届いたぞ! 配るから並べ!!」

杏「今日はあたしんとこにあんこうチーム以外。かーしまんとこにあんこうチームが並んでねー」


桃「よし、並んだな! えっと、このでっかい箱が・・・西住・・・、さんの箱、です」

沙織「・・・」


みほ「はい! ありがとうございます、河嶋先輩!!」

桃「あ、ああっ」ビクッ

華「・・・」


優花里「さ、流石ですぅ、西住殿! か、かっこいいですぅ!!」

みほ「あはは、ありがとう優花里さん。ちょっと離れてね」ギロ

優花里「は、はいぃっ!」

麻子「・・・」


桃「あ、あとのお前らの箱はこっちだ! 取りに来い!!」

~~~~~~


桃「よし、これでお前らの分は全部だ!」


沙織「や、やった!! わたしのファンレター、増えてる!!」

麻子「・・・本当か?」

みほ「やったね、沙織さん!」

沙織「うん!」



沙織「え、えーっと。ど、どんな人からかな・・・」イソイソ ペラリ



『お花まで始めたんだってねぇ わたしの若いころにそっくり カメ』

『うちの息子、今年で57なんだけど、沙織ちゃん嫁にきてくれんか? ツル』

『さおりおねえちゃん、すごいとおもいます 1ねん4くみのみんなより』

『一段とめんこくなったのう イワオ』

『嫁に来てください 児玉七郎』



沙織「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」


みほ「わ! 今回もこの間の人から来てる。け、結婚してくださいって、そんな・・・」

華「わたくしも、サンダースのタカシという人からまた何通も・・・。困ってしまいます」

優花里「わわっ、わ、わたしをペットの犬にしたい? は、破廉恥ですぅ!!」

麻子「運転手になってくださいって、またこいつか・・・。一体こいつはどれだけわたしを運転手にしたいんだ・・・?」


沙織「」


~沙織宅~

沙織「」

麻子「沙織、大丈夫か」

沙織「」

麻子「おーい」

沙織「」

麻子「・・・だめだこりゃ」


沙織「ナンデ・・・」

麻子「ん?」

沙織「なんで・・・、なんでなんでなんで! なんでわたしには若い男の子からお手紙が来ないのよぉ!!」

沙織「うぐ・・・、ううう・・・!! うえ~~ん!!!」

麻子「落ち着け沙織。うえーんって泣くやつ初めて見たぞ」

沙織「ぐすっ・・・、うるさい!! 麻子だってモテモテのくせに!! しれっとみぽりんの次に男の子からのファンレター多いくせに!!!」

麻子「そうだったのか・・・。数えてなかったから知らなかった」


沙織「なによそれ!! 勝者の余裕ってやつ!? どうせわたしのことを嘲笑ってるんでしょ!」

麻子「おい、沙織・・・」

沙織「どうせわたしなんて何をやってもモテないわよ!! みぽりんの真似しても、ゆかりんの真似しても、華の真似しても!! 何してもモテないのよ!!」

麻子「・・・」

沙織「いいわよ麻子は! 美人だし、天才だし! それに引き換えわたしは・・・、わたしなんてぇっ!!」

麻子「」イラッ



麻子「・・・いい加減にしろ!!」

沙織「!」ビクッ


沙織「え・・・? 麻子・・・?」

麻子「さっきから聞いていれば訳の分からないことばっかり・・・」

沙織「だ、だって・・・、だって・・・」

麻子「・・・いいか、この際だから言っといてやる」

沙織「な、なに・・・?」


麻子「わたしは沙織が羨ましい」

沙織「・・・え?」

麻子「身長の高い沙織が。朝早く起きられる沙織が。誰とでも仲良くなれる沙織が。肉付きのいい沙織が。料理の上手い沙織が・・・、憧れなんだ」

沙織「・・・」


麻子「沙織。お前はわたしにないものをすべて持ってるんだ。わたしは小さくてやせっぽちで、おまけに友達も少ない」

沙織「そんなこと・・・」

麻子「ないと本当に言えるか? わたしのことを小さいころからずっと見てきた沙織だ。わたしの言ってることぐらいわかるだろう」

沙織「・・・でも」

麻子「それに、ファンレターがなんだ。ただ、テレビでしかわたしたちのことを知らないやつらじゃないか。それを証拠に、西住さん以外の人たちは戦車道を始める前、男からいっぱい手紙をもらっていたのか?」

沙織「・・・もらってない、と思う」


麻子「ほらみろ。そいつらはわたしたちのことを単なる戦車道の選手としてしか見てないんだ。だから注目されて初めて、わざとらしく手紙を送る。そんな薄っぺらなやつらだ」

沙織「・・・でも」

麻子「それともなにか。沙織はそういう薄っぺらい上辺だけしか見てくれない男と付き合いたいのか?」

沙織「それは・・・」

麻子「ここまで聞いてもまだそのしょうもない自己嫌悪の言葉を続けたいのか?」

沙織「・・・」

麻子「もしそうなら、今後の沙織との付き合いを考えさせてもらうぞ」

沙織「・・・ごめん」


麻子「なあ、沙織。お前の気持ちは、まあ、わからなくもないが・・・。本当にお前のすべてを見て、好きになってくれる人は必ず現れるはずだ」

沙織「・・・うん」

麻子「だからその時まで黙って待ってろ。お前は別に無理して慣れないことをしなくてもいいんだ」

沙織「・・・」

麻子「鏡見てみろ。お前はかわいいし魅力的だ。おまけに家庭的で、体だってエロい」

沙織「・・・ん?」

麻子「だからそんなに自分のことを悪く言うな。・・・お前は、わたしの憧れなんだから」

沙織(麻子・・・)


沙織「・・・うんっ! 一点だけ気になるところがあったけど、わたし、もうちょっと頑張って待ってみる! だって、真実の愛はそう簡単には見つからないんだもん!」


麻子「・・・そうか」フフッ

沙織「む、何よ麻子」

麻子「お前はそうやって何も考えずに笑ってる方が、きっとモテると思うぞ」

沙織「あ! 麻子、何気にひどーい!!」


麻子「本当のことを言ったまでだ」

沙織「もー! ・・・ねえ、麻子」

麻子「なんだ」

沙織「・・・ありがと、励ましてくれて」

麻子「気にするな、幼馴染のよしみだ。・・・それに」

沙織「ん?」


麻子「・・・いや、なんでもない」

沙織「もー! 気になるじゃん!!」


麻子(もし誰も貰ってくれなかったとしても、わたしが沙織を嫁に貰ってやる・・・)

麻子(・・・なんてそんなこと、言えるわけないな)


沙織「ねー、麻子ー! 麻子ってばー!!」

麻子「んん・・・、うるさいぞこの婚活戦士!!」

沙織「なによ婚活戦士って! やだもー!!」


麻子(少なくとも今は、な)



以上になります。

途中のダー様たちの会話は前作の

ダージリン「おねしょをしてしまったようね」
【ガルパン】ダージリン「おねしょをしてしまったようね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525168299/)

からの引用ですので、気になった方でかつ暇な方は読んでみてください。

例に倣っておまけを投下して去ります。
本編と違っておまけはかなりアレなので注意してください。

おまけ

エリカ「西住さん、結婚してください・・・」カリカリ

エリカ「みほさん、大好き・・・」カリカリ

エリカ「いつも見てます、みほさん・・・」カリカリ

エリカ「・・・うん。さっき書いた普通のファンレターは匿名で出して、今書いた奴はそれぞれ男の名前で出して反応を見るとしましょう。えっと、内海エリヲ・・・と」カリカリ


まほ「お 前 だ っ た の か」


エリカ「・・・え? た、隊長!?」ガタッ


まほ「み ほ に 変 な 手 紙 を 出 し て い た の は お 前 だ った の か」


エリカ「あ、あの・・・」ガタガタ

まほ「結婚してくれ、と言われたと聞いたから、一つずつ手紙を逆探知して行ったら、三通目から五十一通目までの手紙がここにたどり着いた・・・。どういうことだ?」

エリカ「え、えっと・・・」ブルブル


まほ「ど う い う こ と な ん だ ?」

エリカ「あぅ・・・」ペタン


まほ「そうだ、いいものを見せてやろう」ゴソゴソ


コンコロリ


エリカ「こ、これは・・・。ラッキョウ、ですか?」


まほ「はっはっは。そう見えるか。・・・これはな、一通目と二通目にふざけたことを書いた男の・・・」

エリカ「お、男の・・・?」ゴクリ


まほ「大事な大事な、子種の元だ」ニタァ


エリカ「ひ、ひぃいいいっ!?」・・・ジワ

エリカ「あ・・・」チョロロロロ・・・

まほ「はっはっは! いい姿だな、エリカ!! そんなお前からは・・・、そうだな。大事な大事な、子供のお城でもいただこうか?」

エリカ「いやぁ!!!! こ、こないでぇっ!!」

まほ「ふふ・・・、望み通り、騒いでも誰も来ないぞ。なぜなら、今周りには誰もいないからな!!」

エリカ「い、いや・・・。いやああああああああっ!!!!」

まほ「ククク・・・、ふふふ・・・!!」

ハーッハッハッハッ・・・


~~~~~


杏「・・・って感じの映画を、黒森峰に協力してもらって撮ろうと思うんだけど、西住ちゃんどう思う?」

みほ「会長、屋上」

おわり


以上です。

会長もお仕置きしてほしかったんですね。めでたしめでたし

それでは、また

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