佐天「事象を拒絶する能力かぁ…」 (150)
美琴「聞いたわよ、佐天さん。たしか能力者になれたみたいね」
白井「やりましたわね、ついに努力が実を結びましたの!」
初春「おめでとうございます佐天さん」
佐天「えへへ、ありがとうございます」
美琴「で、どんな能力なの?」ニヤ
白井「まーたお姉さまは面白がって…」
美琴「そ、そんなんじゃないわよ!」
佐天「あはは…えっとですね、盾舜六花っていうみたいです」
初春「しゅんしゅんりっか…?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1539754414
白井「それが能力名ですの?」
佐天「それが二つ名みたいで、本当は事象を拒絶する能力、みたいなんですよね」
美琴「へー…私の発電能力が超電磁砲って呼ばれてるみたいな感じよねきっと」
佐天「たぶんそうなんですよね~」
初春「うーん、なかなかに珍しい能力ですね」
白井「たしかに聞いたことありませんの」
美琴「で、具体的にはどんなことができるの?」
佐天「えっとですね、例えば…」
佐天「孤天斬盾、私は拒絶する」ズバッ
初春「!?」
白井「石が真っ二つですの」
美琴「切断能力…?」
美琴「あれ、たしか佐天さんの能力って事象の拒絶なんじゃ…?」
佐天「そうなんですけど、なんかこれが唯一の攻撃手段みたいで」
美琴「どういうことなのかしら…」
佐天「私にもさっぱり。学園都市で私しかこの能力を持っていないみたいで、不明点が多いみたいなんですよね~」
白井「それほど稀有な能力ってことですわね」
初春「佐天さんすごいじゃないですか!これで料理するときも包丁いらずですね!」
佐天「初春ったらもう」
白井「その使い方はどうかと思いますが、とにかく佐天さんが能力者になって良かったのですの」
美琴「そうね、良かったらこれからお祝いってことでみんなでクレープ食べ行こっか」
白井「それは良い考えですわね!お姉さまとクレープの食べ合いっこできますのグフフフフフ」
美琴「くーろーこー?」ビリリリ
初春「ほんとに白井さんったら」
佐天「変わらないよね~、でも私も甘いもの食べたいので行きましょっか!」
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________
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佐天「やっぱりクレープはチョコバナナだよね~」
初春「私はいちごおでん派ですね~」
白井「私はお姉さまと一緒ならなんでも!あまつさえお姉さまのたべかけなら…」
美琴「気色悪いっての!」ビリビリ
白井「危ないですの!」シュン
美琴「逃げ足だけは早いんだから…」ビリリ
佐天「御坂さん、街中ですからねここ」
美琴「わ、わかってるわよ!ただ黒子が」
ドゴォン!!
初春「!?」
白井「初春、アンチスキルに連絡を!最近頻発している爆弾魔の可能性大ですの!」
美琴「よっし、そしたら」
白井「お姉さまは手出し無用ですの」
白井「ここはアンチスキルにお任せください、お姉さまと佐天さんは一般人の避難をお願いしますの」シュン
美琴「ちぇ、黒子ったらまたジャッジメントだのアンチスキルだのって」
佐天「まぁまぁ、仕方ないですよ」
ドゴォン!!
初春「とにかく、避難の方を勧めましょう!」
美琴「まったく爆弾だなんて派手よねぇやることが」
美琴「ま、黒子に任せてやれることやりますかっと」ビリリリリ
佐天「御坂さん!?」
美琴「私はなるべく爆弾の被害が出ないように瓦礫をそらすから二人はその間に外に誘導して!」
初春「わ、わかりました!」
佐天「いくよ初春!」
初春「はい!!」
美琴(これが爆弾魔のしわざだっていうの…?噂に聞いてたレベル3程度の力を優に超えてるじゃない)
美琴(なんだか嫌な予感がするわ…)
美琴(黒子…)
白井(ここ最近の爆弾事件の犯人)シュン
白井(何を狙っているのかわかりませんでしたが、ここで遭遇したからには絶対捕まえますの)シュン
白井「!?」
白井「ショッピングモールの3階から爆発音がありましたが…」
白井「人気はないようですわね」トコトコ
白井「だとすると4階から…?」
白井(ここは全部で6階、できれば下の階で爆発を起こさせたくはありませんわ)
白井(もし建物が倒壊してしまったら近くにいる市民にケガを負わせてしまう可能性も…)
白井(一度6階に向かってから順番に探してみますの)シュン
白井(ここが6階…)
白井「誰かいますの!?これ以上の抵抗はよして大人しくお縄についてくださいまし!」
白井「…」
白井(誰もいない…?とすると5階ですの?)シュン
キュイイイイン
白井(!?)
白井(まずいですわ!!)シュン
ドガァン!!!
白井「はぁ、はぁ、はぁ、」
白井「いまのは危なかったですの…こちらの動きが読まれていた…?」
白井「5階に飛んだ瞬間に爆発が…テレポートのインターバルがバレている…?」
白井「そしてこちらも位置も…」
白井「初春!初春聞こえますの!?監視カメラから犯人を捜してほしいですの!」
白井「…応答なしですのね」
白井「仕方ありませんわ…ここからはより一層慎重になりませんと…」キュイイイン
白井「!?」
ドガァァァン!!
美琴「また爆発…黒子!」
佐天「み、御坂さん!?」
美琴「なんだか嫌な予感がするの!ごめん先行ってもいい!?」
佐天「待ってください!それなら私も…」
美琴「ううん、大丈夫。それより初春さんを手伝ってあげて」
佐天「御坂さん…わかりました…」
美琴「頼むわね!!」ビリビリ
佐天「…私もきっとそのうち…」
白井(やられましたわ…足がうまく動きませんの…)
白井(位置は相手にバレている、そして設置型の爆弾。)
白井(遠距離から起爆している様子ですのね)
白井(ただ、他の一般人を狙っていないとすると)
白井(相手はわたくしがターゲットですの?)
白井(なんのために…いや、今はこの状況から抜け出さないと…)キュイイイン
白井「!?」
美琴「私の後輩に」チュイン
美琴「手出してんじゃないわよ!!」ドゴォオオオオ
白井(レールガン…)
白井(さすがお姉さまですわ…)
美琴「黒子、大丈夫なの!?」
白井「お姉さま…ちょっと足をくじいてしまいましたの」
美琴「アンタ…くじいてるどころじゃないわよ、ひどい傷じゃない」
白井「油断してしまいましたの…それより犯人はここにはいないみたいですの」
白井「どうやら私がターゲットみたいですのよ」
美琴「どうして黒子を?」
白井「さぁ…?」
美琴「まぁ、アンタ色々恨み買いやすいからね」
白井「そんなことありますの!?」
美琴「ま、それだったらさっさとここ抜けた方がいいわね」
美琴「あんた飛べる?」
白井「まだいけますの…」
美琴「そしたらいったんここから離脱して」
キュイイイイン
白井「おねえさま!!」
美琴「ちぃっ」
ドガァァァァァン!!
佐天「また5階が爆発…」
初春「白井さんとも連絡が取れません、」
佐天「ねぇ初春」
佐天「ここ、任せても良いかな?」
初春「佐天さんまさか…」
佐天「うん、ちょっと行ってくるね」
初春「え、でも佐天さんは」
佐天「私だってもう何もできないわけじゃないから」
初春「…」
佐天「絶対大丈夫だよ。帰ってくるから。じゃ、任せたよ」タタタタタ
初春「佐天さん…」
初春「アンチスキルとの連絡もなく、白井さんとも連絡が取れません!おそらく通信障害を意図的に起こしていると思います!佐天さんも気を付けて!」
佐天「ありがと初春!」
佐天「さ、腕ならしといきますか!」
美琴「…黒子、大丈夫?」ビリビリ
白井「なんとか大丈夫ですの」
美琴「上の階ごと爆破して瓦礫で生き埋めにしようとするなんて」
美琴「なかなかむごい手つかうじゃない」
美琴(磁力操作でなんとか瓦礫はそらせたけど)
美琴(やっぱりこんなのレベル3の仕業じゃないわね)
白井「お姉さま、やはりこれはただの爆弾魔ではないような気がしますの」
美琴「奇遇ね、私も同じこと考えてたわ」ビリィ
白井「とにかくここから離脱したほうが良いですの」
美琴「そりゃそうなんだけど、爆弾がどこに仕掛けてあるかわからないうちに移動はできないわね」
白井「わたくしがテレポートできてれば…」
美琴「無理もないわ、あんな何回も爆風に巻き込まれながら飛んでたら危ないもの」
美琴(っていったって、さぁどうするか…)
佐天「御坂さん!!!」
美琴「って、佐天さん!?」
白井「ここは危険ですのよ!」
美琴「佐天さんは早く非難して!」キュイイインン
白井「佐天さん!!」
佐天「三天結盾、私は拒絶する」キュイン
ドガァァァァン!!
美琴「佐天さん!!!」
佐天「ふぅ、全くおっかないですねほんとに」キュイイインン
白井「それは…光の盾ですの?」
美琴「爆発を防いだ…?」
佐天「爆発を拒絶しました。そして今後は…」
佐天「双天帰盾、私は拒絶する」キュイイイイン
美琴「黒子の方に光が…」
白井「体が回復していきますの…」
佐天「さ、とにかくここからでましょう!」
佐天「御坂さん、相手はここにはいないんですよね?」
美琴「そうね…私のレーダーには人影が写ってないわね」
佐天「それならここにいても爆弾のえじきになるだけですね」
佐天「白井さん、テレポートできそうですか?」
白井「ずいぶん元気になりましたわ…これならいけますの」
佐天「じゃあ、いったん出ましょう!」
白井「ですわね、撤退ですの」シュン
てことで一回出かけます
帰ってきて残ってて気が向いたら書きます
白井「一時はどうなるかと思いましたの」シュン
白井「佐天さんが来てくれて助かりましたわ」シュン
佐天「役に立てたみたいでよかったです」
白井「結局あの能力はなんでしたの?盾に回復能力なんて」
美琴「ん、その話してる暇はなさそうね」ビリビリ
美琴「どうやら犯人っぽいのがいたわよ」ビリビリ
白井「さすが電磁レーダーですの」シュン
佐天「じゃ、いきますか」
介旅「やってやったぞ…」
介旅「エラソーなジャッジメントめ、いい気味だ…」
介旅「今度は誰を狙おうか…」
佐天「誰を狙うですって?」
介旅「!?」
白井「よくもやってくれましたわね」シュン
白井「お仕置きですの」ドゴン
美琴「相変わらず容赦ないわね、アンタのドロップキック」
白井「当たり前ですの」
介旅「くっ…どうして誰もケガしてない…!?あれほどの威力なら…」
美琴「あんたのちゃっちぃ能力なんかじゃ何もできないわよ」ビリビリ
介旅「くっそぉおおおおおおおお」キュイイイイイイン
白井「まずいですの!」シュン
佐天「三天結盾、私は拒絶する」キュイン
ドガァァン!!!
美琴「自滅まがいの爆発だなんてやめなさいよ」
白井「全く、私がテレポーターだったから助かりましたのよ?」
佐天「私の能力も忘れないでくださいね」キュイン
介旅「なんで…僕まで助けて…」
美琴「アンタの能力、なかなかすごいじゃない?レベル4相当よ。それをこんなことに使わなくても良いんじゃないの?」
白井「全くですの。たとえ能力があったとしても、それを使う側の人の心が何よりも大事ですの」
佐天「私はえらそーなこと言えないけど、きっとその力をもっと別なことに使えると思います」
佐天「目の前の人に傷ついてほしくないから、白井さんは白井さんの能力で助けたんですよ」
佐天「あなたにも、あなたの能力で誰かを助けられるようになってほしいっていう気持ちで…」
介旅「僕は…僕はああああああ」
白井「やれやれですの」
佐天「さ、アンチスキルに引き渡しましょうか」
美琴「とりあえず一件落着ね」
初春「佐天さん、白井さん、御坂さん!!」
初春「もう、心配したんですよ!!」
佐天「あはは、ごめんごめん」
白井「初春が避難誘導してくれたから、こっちも対処できましたのよ」
初春「白井さん…」
美琴「もー初春さんったら」
美琴(けど…)
美琴(初春さんから聞いた通信妨害が気になるわね)
美琴(なんとなく、裏がいそうな気がするわ…)
佐天「御坂さん?みーさーかーさん!」
美琴「え?あ、ごめんなに?」
白井「もーお姉さまったら。これからみんなで支部に戻りましょうって話してましたのよ」
美琴「え、あはは。ごめんちょっとね…」
白井「変なお姉さまですの、まあでも物思いにふけっているお姉さまの真剣な顔もむふふふふふふ」
美琴「気色悪いっての!」ビリリリリ
白井「アウッ」ビリリ
初春「ほっといて帰りましょうか…」
佐天「そう、だね…」
白井「で、例の爆弾魔の身元はわかりましたの?」
初春「はい。介旅初矢、量子変速の能力でレベルは2だそうです」
美琴「レベル2!?あれはレベル4相当の威力だったわよ」
白井「レベル2はさすがにありえませんの」
佐天(結局私の能力)
初春「ですがバンクには…」
佐天(事象を拒絶する能力なのに、どうして防御と回復もできるのかな?)
美琴「なんっかきな臭いのよねぇ」
佐天(あのときはなんとなく発動できたけど…)
美琴「通信妨害と言い、こっちの位置がバレてたと言い、なにか裏にあるような気しかしないわ」
初春「それも含めて探ってみます」
白井「頼みますわよ初春」
佐天(とにかくまた学校の先生に相談して、もう一回システムスキャンを受けさせてもらおっと)
白井「それと佐天さんの能力についてですが…」
佐天「え!?」
佐天「あ、私の能力についてですか?」
白井「そうですの。事象の拒絶の能力では説明がつかない気がしますの」
美琴「まーたしかに、回復能力、切断能力、防御能力。出来ることだけ挙げてみたら多重能力な気もするわね」
佐天「そこは私にもわかっていないんですよね…」
佐天「だから明日またシステムスキャンを受けてみようかなって思ってます」
初春「まぁ、それが妥当ですよね」
初春「レベル4相当の爆発を防げたっていうことは、佐天さんの能力もそれぐらいあるってことになりますし」
白井「たしかにそうですわね…最初のスキャンではレベルはなんていわれましたの?」
佐天「うーん、測定不能みたいでした」
美琴「測定不能!?」
白井「測定不能だなんて聞いたことないですの」
佐天「前例がない能力だから強度を決めにくいといわれました」
初春「なかなか謎な能力ですねぇ」
美琴「うーん、まあでも佐天さんの能力に助けられたのも事実よね」
白井「たしかにそうですの」
初春「考えてもわからないことですし、とりあえず明日のシステムスキャンの結果見てからにしましょう」
白井「ですわね」
佐天さんが能力開花したのは月島さんが居たからじゃないか!
>>21
月島さんの能力を佐天さんが持ってるss面白いかもね
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___
佐天「ていうことで、もう一度システムスキャンしにきたんですけど…」
研究者「なるほど…ただ、やはり測定不能として出てしまいますね」
佐天「どういうことですか?」
研究者「正しくはレベル0という数値で出ています。しかしあなたの話を聞いていると間違いなく能力者であると思われます」
研究者「ただ発電能力者には発電量を、空間移動能力者には重さ、距離、個数などを」
研究者「能力の強度を図るのがシステムスキャンですが、なにぶん学園都市で初の能力なので測定方法がうまく合っていない可能性もありますね」
佐天「なるほど…」
研究者「なので、とりあえずはまた様子見にしましょう。もしまたなにかありましたら連絡を」
佐天「わっかりました!ありがとうございます!」
研究者「いえいえ…」
研究者(とは言ったものの、AIM拡散力場の数値も検出されていない能力者なんているんだろうか…)
研究者(悪ければこの子の妄想、良ければ新たな原石の発見になるかもしれない…)
研究者(しばらくは要観察ですね)
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白井「結局佐天さんの能力は測定不能のままですの?」カタカタ
佐天「そうみたいなんですよね~よくわかってなくて」
初春「ん~でも話を聞くとレベル4ぐらいはありそうですよね~」カタカタ
佐天「っぽいんだよねぇ~」
美琴「もういっかい試しにやってみたら?あ、今私空いてるからちょっと外でウォーミングアップがてら…」
白井「お姉さま!能力はむやみに使うものではありませんの!」
白井「それにまだ佐天さんの能力は安定しないないと思われますの。暴走したらどうなさるおつもりですの?」
美琴「うぐ…わ、わかったわよ」
白井「まったく…第三位としての行動をわきまえてくださいまし」カタカタ
初春「まぁまぁ」カタカタ
佐天「えっと、ところでこの前のあの人はどうなったんですか?」
白井「あぁ、爆弾魔のことですわね。実はあの後意識不明に陥っていますの」
美琴「意識不明…?」
初春「命に別状はないみたいなんですけどね~」カタカタ
美琴「やっぱりなんか裏があるわね…」
白井「そうなんですの、だから今それを調べているんですが…」カタカタ
初春「…見つけました!!」
初春「爆弾魔のバンクに登録されていたレベルは2、けど事件当時はレベル4相当だった理由。」
初春「レベルアッパー、っていうのが横行しているみたいです。」
佐天「…レベルアッパー?」
初春「なんでも使用したらレベルが上がるみたいですね」カタカタ
佐天「名前のまんまじゃん!」
初春「それはそうなんですけど…驚くのはそこじゃなくて、短期間にレベルを上げる、ってところなんです」
美琴「短期間…?それは難しいんじゃない?」
初春「通常は長いカリキュラムを経てレベルが上がっていくはずなんですけど…」
白井「調べてみるしかなさそうですわね。そのレベルアッパーっていうのはどういうものですの?」
初春「それが…わからないんです。いったいどんな形をしていて、どのように使うのかも不明です」
美琴「それが一番気になるところなのよね~」
白井「どうこう言ってても仕方ありませんの。初春!そのレベルアッパーとやらが取引される場所のリストをすべてリストアップしてくださいな」
初春「えぇ~…まさか全部回る気ですか?」
白井「こうなったらしらみつぶししかありませんの」
初春「わかりましたけど、ケガだけには気を付けてくださいね。どうやら主にスキルアウトの方に流れているみたいなので」カタカタ
美琴「そしたら、私たちは一応その爆弾魔の様子を見にいこっか。何か見つかる事もあるかもしれないしね」
佐天「ですね、いきましょう!なんか探偵みたいな気分ですね~」
白井「佐天さん!遊びじゃありませんのよ?」
佐天「はぁ~い」
美琴「じゃ、二手に分かれて行動開始!なにかわかったら連絡頂戴ね」
白井「わかりましたの、お姉さま、佐天さん、いってらっしゃいませ」
初春「気を付けていってきてくださいね~」
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美琴(レベルアッパーねぇ…)
美琴(短期間にレベルが上がるなんて、そんなこと本当にありえるのかしら)
佐天「なんだか大変なことになってきましたね~」
美琴「まぁたしかにそうね。爆弾魔からこんなに色々発展するとはねぇ」
佐天「ですね…えっと、たしか病室は202?ですね」
美琴「ここね…」コンコン
佐天「誰もいなさそうですね」
美琴「よし、いくわよ」ガチャ
佐天「…寝てるだけ?ですね」
美琴「見た目はね…」
美琴「意識不明ってことだから、何か体に異常が起きているはずなんだけど…」
カエル医者「おっと。不法進入かい?」
美琴「えっと、すみません」
美琴(ゲコ太!?って思ったら似てるけど違う…!!)
佐天「一応お見舞い?に来たんですけど…」
カエル医者「なにも持たずにかい?」
佐天「それは…えっと…」
カエル医者「まぁまぁ、見たところ何か聞きたそうだね?」
佐天「あはは、お見通しですね」
カエル医者「この業界は長いからねぇ~さあ、何がききたいんだい?」
美琴「今のこの人の様態と、出来たらレベルアッパーのことを聞けるかしら」
カエル医者「今のこの患者は昏睡状態に陥っていてね、脳の活動が極端に制限されている状態だね」
カエル医者「脳をパソコンに例えると、スリープモードになっている、といった方がわかりやすいかな?」
カエル医者「別段体に支障はないが、脳の活動だけが鈍くて寝たきりの状態になっているね」
美琴「脳の活動が極端に制限…?」
カエル医者「それと、レベルアッパー、っていうのはよくわからないねぇ」
佐天「レベルアッパーについては収穫なしかあ」
美琴「その脳の活動が制限されているって、もっと詳しく聞けますか?」
カエル医者「元々人は脳から電気信号を送って筋肉を動かしているのは知っているね?そのある程度の波を脳波っていうんだけどね」
カエル医者「その脳波の動きが通常よりかなり鈍くなっているみたいなんだ」
美琴「脳波が鈍くなっている…?」
カエル医者「その原因を今は探っているけど、なかなか解明できなくてね。力になれなくてすまないね」
美琴「レベルアッパーとなにか関係があるのかしら…」
佐天「昏睡状態かぁ…」
佐天「はやく目が覚めて元気になってくれれば、レベルアッパーのことも聞けるかもしれないんだけどなぁ」
カエル医者「健康な状態に戻るまで少し時間はかかると思ってみていた方が良いかもしれないね」
美琴「健康な状態…?もしかして…」
美琴「佐天さん!佐天さん、あのとき黒子のこと治したわよね?回復能力で」
佐天「たしかそうでしたね」
美琴「この人も、佐天さんの能力で治せないかしら…?」
佐天「そんなことってできるんですか!?」
美琴「うーん、わからないけど…もしあの時の力が肉体再生みたいな能力なら、治せるかもって…」
カエル医者「君は他者を治癒する能力があるのかい?」
佐天「話すと長くなるんですけど…前に友達がケガしたときに治せたことがあります」
佐天「ただシステムスキャンには測定不能ってエラーが出ちゃうので、レベル0のままなんですけどね」
カエル医者(レベル0の能力者…これはまたなにか絡んできそうな気がするね)
カエル医者「そうだね、その前例があるなら君の能力を信用したいと思う」
カエル医者「もしダメでも、僕が治るまでしっかり責任をとるから大丈夫だね」
佐天「わかりました…ありがとうございます!」
美琴「じゃあ佐天さん、お願い!」
佐天「…双天帰盾、私は拒絶する」キュイイイイン
介旅「…」コォォォォオ
美琴「…どう?治せそう?」
佐天「なんだか白井さんの時とは違って複雑な感じがします」キュイイイイン
カエル医者「始めて見る能力だね」
美琴「肉体再生っていう自分への自動治癒能力はあるけど、他者への治癒能力はそうそうないわよね」
佐天「…」キュイイイイイン
佐天「…たぶん、これで終わったと思います」
美琴「どうかしら?」
介旅「……ここは…?」
カエル医者「驚いた、本当に目が覚めたね」
佐天「なんとかできたみたいで良かったあ」
美琴「やっぱりレベル0じゃないみたいね」
カエル医者「寝起きで悪いけど、検査を受けてもらっても良いかな?」
介旅「けんさ…?」
カエル医者「終わったら声をかけるから、少し外に出てくれていたら助かるね」
美琴「そうね、わかったわ。佐天さんいこっか」
佐天「ですね、行きましょう!」
頭の中で話はまとまってすが、書き溜めていないので気が向いたら書いていくスタイルで
寝ます
これすき
>>34
亀ペースだがさんくす
___________________________________
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_________
カエル医者「検査が終わったよ」
佐天「…どうでした?」
カエル医者「驚いたことに、全くもって健康な状態だったよ」
カエル医者「君の能力のおかげだね」
美琴「佐天さん、すごいじゃない」
カエル医者「脳波まで回復させる治癒能力なんて初めてだねぇ、ここで働かないかい?」
美琴「治癒って言っても、たしかにそんなことできるのはかなり珍しいわね…それぐらいレベルが高いってこと…?」
佐天「うーん、私にもよくわかんないんですよね」
佐天「ただ白井さんを治すときとはちょっと違ったような」
美琴「まぁ、まだ発言したばかりだものね」
美琴「それより、あの爆弾魔にレベルアッパーのこと聞き出さなきゃ」
カエル医者「こらこら、まだ回復したての僕の患者にあまりひどいことはしないでもらえないかな」
美琴「そ、そんなつもりはないわよ」
佐天「だけど、少し話はしてみたいですね」
カエル医者「…まったく、仕方がないね。僕も同行するなら許可しよう」
美琴「条件付きってことね、わかったわ」
佐天「白井さんも心配ですし、話を聞いてはやく支部に戻りましょう」
カエル医者「あの子の部屋はここだね」
美琴「ここがあの爆弾魔の…」
カエル医者「ちなみに爆弾魔じゃないね、あの子にもちゃんと名前があるんだよ」
カエル医者「介旅初矢っていう名前が」
美琴「介旅…さん」
佐天「御坂さん、私に任せてもらってもいいですか?」
美琴「…佐天さんに?」
佐天「私、介旅さんと話してみたいんです」
美琴「…わかったわ、佐天さんがそういうならお願いね」
佐天「ありがとうございます」
佐天「さてと…じゃ、いきますか」
prrrrrrrrrrrrrrrrrr
佐天「あれ、初春から電話…?」ピッ
初春「あ、もしもし佐天さん?」
佐天「おー初春、そっちはどう?」
初春「実は色々とわかったことがあって、それを伝えようと思って連絡しました」
佐天「ふむふむ、言ってみたまえ」
カエル医者「病院内は通話禁止なんだけどねぇ」
初春「どうやら、違う病院でも意識不明の患者が急増しているみたいです」
佐天「なるほど…その人たちがレベルアッパーを使っていたかもってことだよね?」
初春「そうですね、レベルアッパーには意識不明になる副作用があるってことです」
佐天「それが新しく分かったことだね」
初春「それともう一つ、レベルアッパーの拡散が進んでるってことにもなりますよね」
佐天「たしかに…なんとかして止めないとだもんね」
初春「いまだに白井さんからは報告がないので出元がわからないんですけど…」
佐天「それはこっちで聞けそうかも」
初春「ほんとですか!?」
佐天「うん、またなんかあったら伝えるね」
初春「ありがとうございます」
初春「佐天さんも無理しないようにしてくださいね」
佐天「初春もね!」
初春「佐天さんには言われたくないです」
佐天「ちょっと、なんでよ!」
佐天「っと、待たせてるからきるね」
初春「わかりました、また連絡くださいね」
佐天「はーい、またね」ピッ
美琴「黒子は大丈夫そうだった?」
佐天「いまのことろまだ取引現場に遭遇してないみたいなので」
美琴「そっか」
佐天「とにかく、介旅さんに話を聞いてみましょう。なにかわかるはずです」
美琴「そうね、いきましょう!」
介旅「…」
佐天「お久しぶりです。体の調子はどうですか?」
介旅「君が治してくれたんだってね…」
佐天「あはは、治したっていうかなんていうか」
介旅「どうしてそんなことしたんだい?僕は君の友達をケガさせたし、君も傷つけようとした」
介旅「助ける義理なんてないだろ」
佐天「あなたにレベルアッパーについて聞きたかったからです」
介旅「はん、結局そういうことか」
佐天「まあ、それだけじゃないですよ?」
美琴「どうやらレベルアッパーには意識不明になる副作用があることがわかったわ」
美琴「そして他の病院でも意識不明の患者が急増してる…」
佐天「レベルアッパーの拡散」
佐天「それをなんとか食い止めたいんです」
佐天「っていうが一つ目の理由です」
介旅「一つ目…?」
佐天「二つ目の理由が、ほっとけなかったから」
介旅「…」
佐天「私も最近まではレベル0でした、だからレベルアッパーなんてものがあったら頼りたくなる気持ちもすごくわかります」
佐天「確かにあなたが私の友達を傷つけようとしたことは許せません」
佐天「だけど、それとこれとは別です」
佐天「あなたも能力のレベルに悩まされていたんだって感じたから」
佐天「昔の自分を見ていたみたいで、ほっとけなかったんです」
介旅「…」
佐天「意識不明の患者の急増…それだけレベルアッパーを使う人がいるっていうことは、それだけレベルに悩んでいる人がいるってことで…」
佐天「私はその人たちに寝たきりになってほしくない」
佐天「つらいだろうけど、それでもあきらめてほしくないって」
佐天「私はそう思うんです…」
佐天「もう私は能力があるから、あまり偉そうなことは言えなくなっちゃったけど」
介旅「…mp3」
佐天「mp3?」
美琴「音楽ファイルのことね」
佐天「レベルアッパーは音楽ってことですか!?」
介旅「そうだ…レベルアッパーを聴けばそのうち能力が上がっていくんだよ」
佐天「そんなことって可能なんですか?」
美琴「まさか…」
カエル医者「共感覚を利用するとはねぇ」
佐天「共感覚?」
美琴「そう、一つの感覚で別のもう一つの感覚を刺激する事よ」
美琴「例えば赤なら温かい、青なら冷たい」
美琴「つまり、視覚情報から触覚を刺激していることになるのよ」
カエル医者「音楽で脳波をいじっているってことになるね」
佐天「なるほど…」
美琴「でも、脳波をいじって能力なんて上がるのかしら?」
カエル医者「考えられるのは脳波リンクだね」
カエル医者「脳波を一定に合わせることで、脳波のネットワークを形成する」
カエル医者「そうすることで並列処理ができるようになって、演算能力が上がりレベルも上がるってところかな?」
美琴「ってことは、その調整元の脳波リンクの出元を調べれば何かわかるかも…?」
カエル医者「そういうことになるねぇ」
カエル医者「今、もっているかい?譲ってもらえたら助かるんだけどねぇ」
介旅「…」
佐天「ダメ、ですか?」
介旅「携帯に入っているから、勝手に持っていけばいいんじゃないか」
佐天「ありがとうございます!」
美琴「ってことはさっそく解析ね」
カエル医者「なかなかに大仕事になりそうだねぇ」
佐天「こーゆーときは」prrrrrrrr
カエル医者「…病院内は通話禁止だっていってるんだけどねぇ」
初春「もしもし佐天さん?」ピッ
佐天「初春?ちょっと解析してほしいものがあるんだけど…」
初春「なんですか?」
美琴「ちょっとね、レベルアッパーを入手したの」
初春「えええ、ほんとですかそれ」
美琴「音楽ファイルなんだけど、これの解析を頼みたいの」
初春「なるほど…ちょっとやってみます」カタカタ
カエル医者「一応こっちでも解析をしてみようか」
佐天「お願いします」
初春「でも、レベルアッパーが手に入ったなら白井さんは無駄足ってことですね」カタカタ
美琴「あ…」
佐天「ま、まぁそこは気にしないでおこっか」
初春「…そろそろ解析できそうです」カタカタ
初春「音声データから脳波パターンを抽出…」カタカタ
初春「…出来ました」カタ
カエル医者「早すぎないかい?」
美琴「こっちの道なら無敵の友達がいるのよね」
カエル医者「なるほど、頼りがいがありそうだ」
佐天「で、どう?」
初春「私はお医者さんじゃないのでよくわからないんですよね」
初春「ちょっとそっちに送りますね」
佐天「お、きたきた」ピコーン
佐天「これ、どうですか?」
カエル医者「…やっぱりこれは脳波リンクを強制的に調整するためのものだねぇ」
カエル医者「ただ、この調整元の脳波リンクが割れているから、これが誰のかを調べれば犯人がわかるはずだね」
佐天「だって、初春」
美琴「そっか、書庫から検索すれば一発で見つかるじゃない」
初春「全くさらっと言いますけど本当はダメなんですからね」カタカタ
初春「今は非常事態だから仕方ありませんけど…」
初春「割り出せました」
初春「名前は木山春生、大脳生理学者でAIM拡散力場について専攻しているようです」
美琴「だから脳波ネットワークの構築なんて思いついたわけね」
美琴「よっし、そいつのところに乗り込みに行くわよ!」
カエル医者「全く、無茶しないようにするんだね」
佐天「大丈夫です、みんながいますから」
カエル医者「心強いねぇ」
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白井「ってことは、私は無駄足だったってことですのね」
初春「まぁまぁ白井さん」
白井「きぃいいい~~~、全くどれだけ動き回ったかと思っていますの」
白井「腹立たしいですの」
佐天「落ち着いてください白井さん…」
美琴「けど、レベルアッパーの被害報告はかなり出てるみたいね」
白井「即アンチスキルに通報して警戒態勢を敷いていただいてますの」
初春「それにネット上で隠しリンクとして配布されていたようなので、それをすべて割り出して削除しておきました」
白井「まぁ、それでも10万人は副作用と思われる昏睡状態に陥っているそうですが…」
美琴「10万人!?それって学園都市の人口の30%じゃない」
佐天「かなりの人数が、昏睡状態に…」
白井「許すまじ行為ですわ」
初春「ですね、早めに止めないと」
白井「幸運なことに木山春生は無能力者ですの」
白井「あとはアンチスキルが拘束してくれますわ」
佐天「だといいんだけど、なんか引っかかるなぁ…」
美琴「佐天さん…?」
ピピゥ
初春「アンチスキルからの通信映像…?」ピッ
初春「まさかこれって…」
美琴「ちょっと、どういうことなのよこれ」
美琴「木山は無能力者じゃなかったの!?」
白井「能力を…しかも多重能力をつかってアンチスキルを退けていますの…」
佐天「能力は一人に一つじゃなかったんですか?」
美琴「そうね、基本はそうなんだけど…どうなってんのよこれ」
白井「行ってみて確かめるしかなさそうですわね」
白井「それに、ジャッジメントの名に懸けて放っておくわけにはいきませんの」
初春「白井さん、燃えてますねー」
白井「あんなに無駄足をさせた報いをうけさせてやりますの」ゴゴゴゴ
佐天「白井さんからどす黒いオーラが」
美琴「ってことは、私も行っちゃっていいのよね?」
白井「お姉さまは大人しくしててくださいまし」
美琴「そうはいっても、もう首を突っ込んじゃってるのよね」
美琴「自分が手を出した案件は最後まで関わらないと、無責任ってもんじゃない?」
白井「それはそうですが…」
佐天「その考えで行くと私も同行していいってことになるんですよね?」
初春「佐天さんまで!?」
佐天「だって、介旅さんを治したのは私だもん。それに、皆をはやく昏睡状態から復帰させたいって思うよ」
佐天「誰かになにかをしたいって思った時ジャッジメントとかアンチスキルとかそんなものって必要なのかな」
白井「ぐぬぬぬぬ…そこまで言うならわかりましたの」
白井「私が佐天さんをテレポートで連れていきますの、お姉さまは大丈夫ですのよね」
美琴「聞かれるまでもないわね」
初春「決まりですね。学園都市中の監視カメラから木山春生を探します!場所は指示するので三人は向かってください!」
初春「三人とも気を付けてくださいね」
美琴「よっし、行くわよ!」ビリビリ
佐天「初陣じゃあああ」
白井「串刺しにしてあげますのよおほほほほほほ」
白井「き、気を付けてくださいね…」
美琴「ここらへんね…」
佐天「ひどいありさまですね…」
白井「木山はいったいどこに?」
木山「まったく、今度は援軍か」
美琴「見つけたわ!先手必勝!!」ビリビリ
木山「無駄だ」キュイン
木山「人の話も聞かずにいきなり攻撃だなんて」
木山「レベル5は人格破綻者ばかりだな」
美琴「失礼なこと言うわねアンタ」ビリビリ
佐天「あなたが木山春生、ですか?」
木山「いかにも」
白井「そしてこのレベルアッパー事件の首謀者ですのね」
木山「まぁ言い方を変えるとそうだな」
美琴「なにが言い方を変えると、とか言ってんのよ。そのまんまじゃないの」
木山「やれやれ。これだから子供は嫌いなんだ…」
美琴「子供呼ばわりするなんて、アンタ後悔するわよ」ビリビリ
美琴「黒子!!」
白井「わかりましたの」シュン
美琴(背後にテレポートしてからの電撃…これで!!)ビリビリ
木山「無駄だ」キュイン
佐天「さっきと一緒の能力…!!」
美琴「ちぃっ」ビリビリ
白井「テレポートが読まれましたの…?」
木山「君たちに、10万の脳を統べる私をとめられるかな?」
佐天「とめて…見せます!」
美琴「ったく、出し惜しみしてるからよね」キュイン
美琴「これで…」ビリビリ
木山「レールガンか」
美琴「いっけぇええええええ」ドガーン
白井「…やりましたの?」
美琴「…木山がいない?」ビリビリ
佐天「う、うえです!」
木山「レールガンの射程はせいぜい50m」
木山「しかも一方向だけの攻撃なんて、今の私には効くわけがないだろう?」
美琴「っと見せかけて」ビリビリ
佐天「…黒い粉?」
白井「砂鉄ですの」
美琴「あんたをまるっと砂鉄で包めばこっちの勝ちよね!」ビリビリ
木山「なるほどな」
木山「もういい、遊びは終わりだ」ゴポポポ
白井「これは…水の塊…!?」
美琴「水流操作まで…!」
木山「まるっと君たちを水で包んであげよう」
白井「ぐっ…」
美琴「こんなの…」ビリビリ
佐天「いつっ」
木山「そこで使うと大事なお友達が感電するようだな」
美琴(く…佐天さんや黒子を巻き込めない…!)
白井(だったらわたくしが…)シュン
木山「テレポート、便利な能力なことだ」
木山「先につぶしてしまおう」コォォォォ
白井「そこですの!」シュン
白井(…外しましたの!?)カラン
木山「光学操作、というところかな?」
白井「光を捻じ曲げて座標を…」
木山「さぁ、眠るがいい」
白井「な、これは…」
美琴(電撃が使えないんじゃ、ここから脱出できない…)
美琴(黒子…)
佐天(私がやるしかない)
佐天(三天結盾、私は拒絶する)キュイイイイン
美琴(佐天さんの能力が足元に…?)
佐天(この水流操作が座標固定されているなら、そこから抜け出せれば良いだけ)
佐天(お願い、そのまま水の外まで私たちを押し出して!)キュイイイイイン
美琴(そっか、盾を足場にしているのね。さすが佐天さん!)
佐天「ぶっは~、窒息死するかと思いました」ハァハァ
美琴「ふぅー…助かったわ、ありがと佐天さん」
佐天「いえいえ…それより白井さんは?」
美琴「そうだわ、黒子!!」
木山「テレポーターなら、いま眠りについたみたいだ」
美琴「あんた、黒子になにしたの!?」ビリビリ
木山「皆と同じさ。10万人のうちの仲間にしたんだよ」
佐天「まさか…レベルアッパーをわざと…!!」
美琴「ぶさけんじゃないわよ!!ビリビリ
木山「うるさい小娘だ」シュン
木山「さぁ、眠るがいい」キュイイイイン
美琴「な、これはレベルアッパー!?」
佐天「どうして!?スピーカーもなにもないのに!?」
木山「簡単なことだ、今の私では音ですら操作することも可能なんだよ」
美琴「フォノンキネシスってやつ…ね…」グタッ
佐天「御坂さん…御坂さん!?大丈夫ですか!?」
木山「ふふふ…レベル5がネットワークに追加されるとは…さぁ、どんな変化が起こるかな…?」
佐天「なんで…なんでこんなことをするんですか!?」
木山「もうすぐ眠る君には関係ないだろう」
佐天「こんなやりかた…私は拒絶する!!」キュイン
木山「おっと」シュン
佐天(あれ…私、自分の能力を言わなくても発動できた…?)
木山「君の能力も実に興味深い。ただ、言葉で縛られているから避けやすいがね」
木山「さ、そろそろ時間かな…眠るがいい」
佐天「なんとしてでも、白井さんも御坂さんも助けてみせる…!!」キュイイイイン
木山「…?バカな、レベルアッパーが聴いていないだと?」
佐天(いまがチャンス)
佐天(何をしてもテレポートでよけられたら意味がない。速攻で反応できない攻撃を叩きこむ!)
佐天「孤天斬盾、私は拒絶する!」キュイン
佐天(まずは…)ドガアアアン
木山「車を爆破して目くらましか…だがそんなもので隠れられると思うな」ゴォオオオォォオ
佐天「隠れるつもりなんてありません」シュン
佐天「私は、あなたを拒絶する!!」ドガン
木山「ぐっ…」
木山「君は、脳筋か…?」
木山「ただのこぶしで殴りこんでくるなんて」フラッ
佐天「元々レベル0だったんで、こういうのは慣れているんですよ」
佐天(っていってもほとんどバクチみたいなもんだったけどね)
佐天(足元に三天結盾、それから孤天斬盾で与えた衝撃でそのまま突っ込むなんて)
佐天(やってみるもんだね、ほんとに)
木山「ははは、面白いじゃないか。レベルアッパーに耐性を持つ能力者なんて初めてだよ」
木山「君は原石かなにかかい?」
佐天「原石…?そんなこと、今はどうでも良いです」
佐天「みんなを元にもどしてください!!」
木山「それはまだダメだな。こっちもやるべきことが残っている」
佐天「こんなにも大勢の人たちを巻き込んでおいて、何を言っているんですか!」
木山「うるさい!!!!!」
佐天「!!」ビクゥ
木山「こっちだって大人の事情というものがあるんだ…子供が口出しを…」
木山「ぐっ…くっ…うああぁあ…」
佐天「なに?なんか様子が変…?」
佐天「なに、これ…」
幻想猛獣「キシャアアアアアアアアアアア!」
佐天「なん、なの…?」
幻想猛獣「キシャアアアアアアア!」
木山「これ、は…まさかこんなものができるとはね…」
佐天「ちょっと、どういうこと!」
木山「これはおそらくネットワークの暴走によりできたAIM拡散力場の塊だろう」
木山「まさかこんな形になって顕れるとはね」
佐天「え、えーあいあむかくさんりきば…?」
木山「君はどうやら本当に脳筋のようだな。要するに10万人の能力の塊ってことだ」
佐天「そ、そんな…どうやってあいつを止めればいいの!?」
木山「リカバリーチップを私が持っているんだが…」
木山「先ほどの戦闘で壊れてしまったようだな」
佐天「な、なんとかしてくださいよ!!」
木山「まぁ待て。方法がないこともない」
木山「核だ…AIM拡散力場を引き留めている核があるはずだ…それを破壊すれば…」
初春「佐天さん!?」ピピー
佐天「初春!?」
初春「やっと通信が繋がりました!いま外の状況は!?」
木山「さすがに能力による通信妨害が途切れたか…」
佐天「御坂さんと白井さんが巻き込まれたみたいで…」
初春「衛星画像からみてます!なんなんですかこの胎児みたいなのは!」
佐天「わかんないんだけど、とにかくこれを倒さないといけないから!初春は画像から分析出来たらお願い!」
初春「わ、わかりました!とにかく無茶しないようにしてください!」カタカタ
佐天「さぁて…これなら…」
佐天「孤天斬盾、私は拒絶する!!」スパッ
幻想猛獣「ギィアアアアアアアア!!」
佐天「よっし、真っ二つ!」
幻想猛獣「」ゴポゴポッ
佐天「な、なんで…再生してる…?」
木山「まさか…ネットワークから切断できていないからか」
佐天「どういうことですか!?」
木山「先ほどのリカバリーチップの中に入っているワクチンソフトの音源を使用しないと、周囲のAIM拡散力場を吸収して再生してしまう、ということだ」
佐天「つまり、さっきのがないと絶対倒せないってことですね?」
木山「そうだ」
佐天「そんなの無限に回復するボス戦みたいなもんじゃん~」
佐天「どうしたら…」
幻想猛獣「キシャアアアアアア!!」ビリビリ
佐天「わ、私は拒絶する!!」キュイン
幻想猛獣「キシャアアアアアアア!!」ビリビリ
木山「すごい電撃だな、これがレベル5を取り込んだ結果か。実に興味深い」
佐天「冷静に分析していないで、しっかり解析してくださいよ!!」
佐天「お願い!御坂さんならわかりますよね!?私です!佐天です!!やめてください御坂さん!!!」キュイン
幻想猛獣「…」
木山「電撃が止まった?」
幻想猛獣「キシャアアアアアアアアア」ビリビリビリ
佐天「うっ…ぐっ…も、もう防げない…っ!!」キュィン
佐天「うぎぁああああああ」ビリビリ
木山「ぐっ…」ビリビリビリ
初春「佐天さん!?さて…さ…」ビリビリ
佐天「う…ぐっ…」ビリビリ
木山「ぐぅ…」ビリビリ
幻想猛獣「キシャアアアアアア!!」
佐天(こんな相手、どうやって相手にしたら…)
(せんせい?)
(きやませんせい?)
佐天(なに、この声…これってまさか…)
木山(さっきの電撃による一時的な脳波リンクだと…クソ)
佐天「なる、ほど…そういうことだったんですね」グググ
佐天「だったら、諦めるわけにはいかないじゃないですか」
木山「勝手にのぞいたな…」
佐天「こんなやり方じゃなかったら協力します。だから、諦めないでください」
佐天「私も、諦めませんから」
幻想猛獣(私も…僕も…能力者になりたかった…)
幻想猛獣(誰だって能力者になりたかった)
佐天「今度はなに…?」
木山「どうやらネットワークに取り込まれている人たちの思念のようなものだな」
佐天「なんでそんなもの…」
幻想猛獣(レベル0って、欠陥品なのかな?)
佐天「…」
幻想猛獣(見下しているくせに)
幻想猛獣(だと思っていやがる)
佐天「…うん」
幻想猛獣(あなたにはわからないでしょうけど)
佐天「…ううん、わかるよ」
幻想猛獣(許さない、絶対に許さない)
佐天「もういい、もういいんだよ。」
佐天「本当は頑張りたいんだよね、本当は誰も恨みたくないんだよね」
佐天「だったら、もう一度頑張ってみよう?私も、もう能力使えるから偉そうなことは言えないけど」
佐天「双天帰盾、私はレベルアッパーを拒絶する」キュイン
木山「これは…AIM拡散力場が分散していく…」
佐天「もう一度、自分の力で頑張ってみようよ」
佐天「もう一度…!!」キュイイイイイン
木山(まさか…10万人のネットワークを能力で解いていくとは)
木山(この子の能力はいったい何なんだろうか…)
幻想猛獣「」サラサラサラ
佐天「これで…なんとかなりましたか?」
木山「そうだな、どうやらさっきのネットワークは解かれたようだ」
木山「差し詰め、さっきのはAIMバーストと名付けよう」
佐天「のんきにそんなこと言っている場合じゃありませんよ」
佐天「どうするんですか?子供たちのこと」
木山「勿論諦めるつもりはない。もう一度やり直すさ…刑務所だろうと世界の果てだろうと、私の頭脳はここにあるのだから」
佐天「まったく、懲りないですなぁ」
佐天「まぁでも、きっとみんな協力してくれますよ」
佐天「御坂さんも白井さんも初春も、きっと…」
佐天「…さてと」
佐天「とりあえず、御坂さんと白井さんを…」
佐天「双天帰盾、私は拒絶する」コオォォォオォ
美琴&白井「」コォオ
佐天「今治してますから、ちょっとまっててくださいね…」
木山「…10万の能力者を束ねたネットワークを解いていくその能力」
木山「例えるなら途方もなく絡んだ糸を一人でほどいていくようなものだ」
木山「その力、いったいどこから…」
木山「君なら、この街の闇にも立ち向かえるだろうか…」
佐天「闇…?」
佐天「それって、どういう…」
アンチスキル「見つけたじゃん!さっさと拘束するじゃん!」
木山「ちっ、学園都市の犬が。こういうときだけは早いんだな」
アンチスキル「無駄口たたくな!木山春生、お前をレベルアッパー事件の首謀者として逮捕する!」
佐天「ちょ、ちょっとまってください!」
アンチスキル「なんだ?」
佐天「この人にはちゃんと理由が…」
アンチスキル「理由があれば、人を傷つけて良いのか?」
佐天「そういうわけじゃっ」
美琴「佐天…さん…?」コォオ
白井「くっ…」コオォ
佐天「御坂さん、白井さん!」
美琴「どうして…こんなやつを…」コォオ
佐天「子供たち…子供たちが…!!」
木山「もういいんだ。自分のことは自分で何とかする。」
木山「君たちには迷惑をかけたな」
アンチスキル「さぁ、いくぞ!」
佐天「そんな…くそっ…」
美琴「ふぅ、だいぶ元気になったわ」
白井「回復しましたの」
佐天「それは、良かったです…」
美琴「木山春生と何かあったの?」
佐天「それが…」
白井「なるほど、そんなことが…」
美琴「だから、木山春生は巨大なネットワークを構築していたのね」
佐天「私、自分のしたことが正しいのかわからなくなっちゃって…」
「正しいに決まっています!」
佐天「?」
初春「佐天さんの頑張りは、ずっと衛星映像から見ていました」
初春「佐天さんは、10万の人たちを昏睡状態から解放したんです」
初春「正しいに決まっているじゃないですか」
佐天「初春…」
佐天「ってなんで?通信機は電撃で壊れたはずじゃ?」
白井「わたくしのがまだ生きてますの」
佐天「あ、そうだったっけ」
美琴「まぁ、でもそうよね…」
美琴「もし子供たちが目覚めたときに、自分たちのために何万もの人たちが犠牲になっていたら」
初春「そうですよ、わたしだったらそんなことしたら怒りますもん」
佐天「そう、だよね…」
佐天「ありがとう初春、ありがとう御坂さん白井さん」
初春「てことで、いまから全力で子供たちを探します」カタカタ
佐天「ええ!」
初春「私の本気、出しちゃいますよ~」カタカタカタ
初春「なんていったって、今回なにもできませんでしたから!」
白井「珍しくはりきってますの…」
佐天「と、とりあえず支部にもどって休憩でも…」
白井「それが得策ですの」
美琴「じゃ、回復したことだし、そっこーで帰るわよ!」ビリビリ
佐天「ですね!」
白井「はいですの!」シュン
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佐天「で、なんかわかった?」
初春「うーん…どうやらそのような能力開発に子供たちが携わっているものはありませんね~」カタカタ
佐天「まぁ、そんな簡単にみつかるわけないか」
美琴「うーん、でもあの戦闘の時に脳波リンクを介して子供たちの顔は見れたのよね?」
佐天「そうですけど…」
美琴「それなら顔写真から身元特定とかできないかしら?」
白井「学園都市230万人の中からですの?」
美琴「んー、なにか絞れればねぇ~」
佐天「そういえば、子供たちはどこかの施設で生活していました」
白井「ってことは、もしかしてチャイルドエラーですの?」
佐天「チャイルドエラー?」
美琴「学園都市の社会現象のことよ」
初春「簡単に言うと、学園都市に置き去りにされてしまった子供たちのことですね」
佐天「そんな子たちもいるんだね…」
美琴「やっぱ、木山春生の経歴から探るしかないか」
初春「仕方ないですね…」
初春「バンクにさらっとのぞいてみましょう」カタカタ
初春「でました」ピコン
初春「木山は小児用能力教材開発所にいた経歴があります」
初春「その時の当時の生徒のリストを参照すると…」
初春「…出ました。この中のどの子が佐天さんには見えましたか?」
佐天「え~と…あ、いた!この子!」
初春「どれどれ…」
初春「枝先絆理っていう子みたいですね」
白井「特定早すぎますの」
美琴「さすが初春さんだわ…」
初春「えっへん」
初春「で、えっとですね…」カタカタ
初春「うーん…」カタカタ
白井「どうしましたの?」
初春「なかなかセキュリティが固くて」
美琴「よっこらせっと」ビリィ
初春「あ!ちょっと御坂さん!」
美琴「こうやると早い時もあるのよ」
白井「お姉さま!さすがに犯罪ですの!!」
美琴「子供たちを助けるためなんだから、仕方ないじゃない」
白井「二度目はありませんのよ」
美琴「はいはいっと」
初春「でもおかげで見つけました」
初春「木原幻生」
初春「そして暴走能力法則解析誘爆実験」
佐天「能力…ごめん、なにそれ?」
美琴「暴走能力法則解析誘爆実験…」
白井「どういうことですの?」
初春「こ、これは…」
初春「能力を意図的に暴走させて、その法則を解析しようとした実験です!」
美琴「ちょ、能力を暴走ってそれ」
白井「能力者が自らの能力を制御できなくなった場合、自身の体にも周囲にも危険が及びますの」
白井「そんなことを子供たちにしていたなんて…」
白井「黒子、許せませんの。」
初春「かなりひどい内容みたいですね」
初春「木原幻生って研究者が発案したみたいですけど」
初春「どうやら今は行方不明になっているそうですし…」
美琴「だったら、その施設に行ってみるしかないわね」
白井「なにか手がかりが残ってるかもしれませんの」
佐天「また突入ですね!」
初春「まったく…でも今回は私もついていきますよ」
佐天「初春が…?」
白井「後方のバックアップはどうするつもりですの?」
初春「そのまま持ってきたPCでこなします」
初春「もちろん性能は落ちますけど、もし施設の機械が生きているなら情報を引き出せるはずです」
美琴「まぁ、もう閉鎖されているから危険性は低いと思うけど…」
白井「全く、仕方ないですの」
佐天「まー4人で行った方が心強いし!」
佐天「さ、しゅっぱーつ!!」
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白井「」シュン
白井「さ、つきましたの」
美琴「ここね」ビリビリ
佐天「よいしょっと」
初春「うーん、見たところ稼働していないようですけど…」
美琴「まって、なんか私のレーダーに映ってるわ」ビリビリ
ウィーーーン
ガシャ ガシャ ガシャ
白井「これは…パワードスーツですの!?」
初春「型番的にどうやら有人タイプみたいです」
美琴「ふーん、じゃあ引きずりだして話を直接聞いた方が早いってことね」ビリビリ
佐天「み、みさかさん…?」
美琴「さっきは何もできなかった鬱憤を」チュイン
美琴「晴らさせてもらうわ!!」
ギュイイイイイイン
白井「いきなりレールガンですのね」
佐天「御坂さん気合はいってるなぁ」
初春「今のうちに施設のマップを入手しておきますカタカタ
美琴「ったく」
美琴「つまんないもん被ってないで、さっさと降りてきなさいってーの!!」ビリビリィ
佐天「…」
初春「で、結局」
白井「全員のしてしまいましたの」
美琴「あはは、やりすぎちゃった」
白井「情報を聞き出す手はずではありませんでしたのお姉さま」ジトー
美琴「ご、ごめんってば」
佐天「まぁまぁ、でもこれで施設の中に入れますから」
佐天「また新しいことがわかるはずです」
初春「ですね、じゃあ行きましょう」トコトコ
白井「建物の中ですから、あまりおあばれにならないようにお願いしますの」
美琴「わかってるっての!」
初春「ここがメインコントロールセンターみたいです」
佐天「動く…かな?」
初春「うーん」カタカタ
ウィィイイイィィイン
美琴「ん、なんかいけそうね」
初春「動きましたね」
白井「で、ここには子供たちがいそうですの?」
初春「んー、まってくださいね」カタカタ
初春「これって…」
佐天「なになに?」
初春「ここのメインコントロールセンターと同じかそれ以上電力を使用している場所があります」
初春「こどもたちがいるなら、たぶんそこだと思います」
美琴「そういうことね」
佐天「で、場所は?」
初春「ここからかなり下の地下になります」
白井「地下ですのね」
初春「地上からの通信がとれなくなりますが、向かうしかなさそうです」
美琴「そうね、逆にこどもたちを保護できれば目的達成だし」
初春「けど、どうやら階段しかないみたいですね」
佐天「げぇ、階段…」
初春「電力制限がかかっているみたいですから、エレベーターは使えません」
初春「さぁ、文句言ってないでいきましょう」
佐天「はぁい…」
コツ コツ コツ
佐天「だいぶ下に降りてきたけど…」
初春「うーん、もうすぐみたいですね」
コツ コツ コツ
初春「このフロアみたいです」
美琴「ここにいるかもしれないのね」
白井「いったいどこに…」
美琴「たぶん、こっちだわ」ビリィ
佐天「さすが御坂さん」
美琴「ここらへんになんとなく」
美琴「見つけたわ!」
佐天「この子が…枝先ちゃん」
初春「やっと見つけましたね…」
美琴「やったわね…」
白井「とりあえず一件落着ですの」
初春「えっと、ここのシステムは…」
佐天「ちょっとまってて、私向こう見て来る!」
白井「お願いしますの」
初春「待っててください、今助けて…」
キュイイイイイイイイイン
白井「く…」
初春「ぐっ…くぅ…」
美琴「頭に響く…まさか…またレベルアッパー?」
「このクソガキどもがぁ」
美琴「!?」
「よーくここまでたどり着いたなぁ、ごほうびやるよ!!」
白井(まずいですの、ここはテレポートで…)
白井(テ、テレポートできない…!?)
白井「あぁ!!」
美琴「うぅ…」
初春「白井さん、御坂さん…!」
初春(頭が…痛くて…ぐっ…)
初春「あなたは…いったい誰ですか…?」
「あぁん?」
「モルモットに名乗る名前なんてねえよ」ギャハハ
美琴「モル…モット…?」
「あぁそうだ、レェルガン」
「学園都市の第三位ですら、この街のモルモッドなんだよぉおお」ギャハハ
白井「あなたが…木原幻生ですの…?」
「お前、面白いこと言うな」
「んなわけねぇだろ」
「テレスティーナ・木原・ライフライン」
テレスティーナ「まぁ、お前らはここで消えるから覚える必要はねぇけどなぁ」ニヤ
佐天「みんな…!!」
初春(佐天さんには、効いていない…?なら…)
初春「この音は…レベルアッパーのようなものですね!!」
テレスティーナ「レベルアッパァー?んなもんじゃねーよ」
テレスティーナ「これはキャパシティダウンっていってなぁ」
テレスティーナ「おまえらモルモッドの能力を制限する便利アイテムってところだっつーの」
初春「それにこれだけの音量…施設中にスピーカーが設置されているようです!!」
テレスティーナ「あぁ、だからどうしたぁ?なんなら一個一個壊して回るかぁ?」
初春「これだけのものなら、制御できる場所が限られているはずです!」
初春「この施設内を調べた限り、それができるのは…」
初春「私たちがさっきまでいたメインコントロールセンター!!」
佐天「…初春」
テレスティーナ「だったら…」
初春「あぅ…!!」ドカン
テレスティーナ「やってみろよ…?」
テレスティーナ「やれるもんならなぁ?」ニヤ
佐天(初春…ごめん、待ってて…)タタタタ
初春(頼みましたよ佐天さん…)
テレスティーナ「っったくごちゃごちゃうるせぇガキだ」
テレスティーナ「せっかくいいもん見せてやろうと思ったのに」
美琴(くっ…)
美琴(この変な音のせいでうまく能力は使えないけど…)
美琴(黒子も本調子じゃないみたいだし、私が…)
テレスティーナ「能力体結晶の完成っていうなぁ」ニヤ
美琴「なんでよ…」
美琴「なんであんたはこんなことするのよ…」
テレスティーナ「あぁん?んなこと決まってんだろーが」
テレスティーナ「レベル6を生み出すためだろうがよぉおおおお」ギャハハ
美琴「レベル…6…」
テレスティーナ「そぉおおおだ!学園都市初のレベル6を生み出すんだよ、」
テレスティーナ「このガキどもをつかってなぁあああ!!」
佐天(急がなきゃ…)
佐天(急がなきゃみんなが…)
佐天「あぁもう!なんでここはエレベーターがないのよ!!」
佐天「こんなん階段で登ってたら時間なくなるっての!!」
佐天「ん…あ、そうだ!」
佐天「三天結盾、私は拒絶する」キュイン
佐天「この前の時みたいに、これを足場にすれば…」
佐天(お願い、時間がないの。このまま上まで運んで…!!)
コォオオオオォオオ
佐天「よっし!成功!!盾だけじゃなくて足場としても使えるんだね、便利ー!」
佐天「さ、さっさとメインコントロールセンターまで行くぞー!!」
テレスティーナ「神ならぬ身にて天井の意思に辿り着くもの」
テレスティーナ「そのための学園都市だろうがぁ!!」
美琴「くっ…」ビリビリ
テレスティーナ「無駄無駄ぁ!!」ドガン
美琴「あぅ…」
テレスティーナ「レベル6さえ誕生すればこの街なんて用済みだろうがよぉおおお」ギャハハ
美琴(くっ…能力が使えないだけじゃない…)
美琴(この音のせいで、ちょっとうごくだけでもかなりの頭痛が…)
美琴(うまく動けない…)
白井「お、ねぇさま…!!」シュン
カラン
白井(座標指定が…うまくいきませんの…)
白井(これがキャパシティダウン…)
テレスティーナ「手ぇ、焼かせんなよ」ドガン
白井「ぐうっ」
初春「白井…さん…!!」
テレスティーナ「てめぇはそこで大人しくしてろぉ」
初春(佐天さん…)
初春(佐天さん…!!)
佐天「ど、どれなの…」
佐天「なんとかダウンってのは…!!」カタカタ
ぐうわぁあああああああ
佐天「!!」
佐天「この声…」
テレスティーナ「わかってねぇなぁ」
テレスティーナ「お前ら全員がモルモッドなんだよおお」
テレスティーナ「学園都市は実験動物の飼育場」
テレスティーナ「てめぇらガキは、一人残らず家畜なんだよぉおお」
佐天「…」
テレスティーナ「そろそろとどめと」
キュイイイイン
テレスティーナ「あぁん?なんだ?」
佐天「モルモッドだろうがなんだろうが」
佐天「そんなの」
佐天「知ったことじゃない!!!」
美琴「これって…」
初春「佐天さん…!!」
テレスティーナ「ガキがもう一匹!?なんで動ける!?」
佐天「あたしの友達に…」キュイイイイイン
佐天「手を出すなぁあああああ」
スパァン
初春「音が…!!」
シュン
テレスティーナ(鉄の杭!?)
白井「ふぅ…」
美琴「おらああああ」ビリビリ
テレスティーナ「ぐっ!!」
佐天(無意識だったけど、能力が発動してた…)
佐天「私も怒ると怖いってことだね…」アハハ
佐天「さ、笑ってる場合じゃない」
佐天「最短距離でみんなのところまで向かうよ!!」
佐天(木山先生の時と同じ方法で…)
佐天(三点結盾を足場に、孤天斬盾の衝撃で加速…)
ボシュン
佐天(この繰り返しでまずは階段まで出る…)
佐天(そんで階段は下らず、一気に急降下!!)
佐天(私が事象の拒絶の能力なら)
佐天(落下時の衝撃でさえ拒絶できるはず!!)
佐天「三点結盾、私は拒絶する!!」キュイン
テレスティーナ「うふふふふ」
テレスティーナ「ギャハハハハハ」
テレスティーナ「もういい、わかったよ…」
テレスティーナ「てめぇらこの施設ごと」キュイン
テレスティーナ「まとめてふっとばしてやんよおおおお」ゴオオオオォオオオ
白井「くっ…」
初春「あれは…」
美琴「レールガン…!?」
テレスティーナ「こいつはてめぇの能力を解析して作ったモンだ」
テレスティーナ「エレクトロマスター、レベルファイブ」
テレスティーナ「てめぇなんて、この街じゃただのデータ」ヒャハハ
テレスティーナ「そォだ、減らず口を叩くただのデータだ」ギャハハ
佐天「そんなことない」
美琴「佐天さん!!」
白井「ナイスタイミングですの」
初春「みんなを…子供たちを守ってください!」
佐天「学園都市は、私たちが自分らしくいられる最高の居場所だから」
佐天「私ひとりじゃできないことも…みんなと一緒ならやりとげられる…」
テレスティーナ「てめぇらは人間じゃねぇ、ただのサンプルだ」
テレスティーナ「それが学園都市の…」
佐天「だから…私は…」
佐天「あなたを、拒絶する…!!」キュイイイイイイイイン
ドガァァァァァァァァン
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______________
__________
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佐天「ハァ、ハァ、ハァ」
白井「お疲れ様…助かりましたわ」
佐天「…テヘ」
初春「さてと、あとはこの能力体?の解析をしないとですね」
美琴「っていっても、これって初春さんの得意分野とは少し違うんじゃ?」
白井「ですわね、またあの回復能力で子供たちを治せませんの?」
佐天「え、ええ~…ま、まぁやってみますけど…」
佐天「…双天帰盾、私は拒絶する」キュイイイイン
枝先「」コォオォオオオォオオォ
初春「…どうですか?」
佐天「…なかなか難しいなぁ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
佐天「ってなにこれ!?」
美琴「地震!?」
初春「このタイミングで!?」
prrrrrrrrrrr
美琴「誰からだっっつーの!」ピッ
「もしもし?あの子の力で一人ずつ治そうとしているならやめておいた方が良いね」
美琴「この声って…もしかして」
カエル医者「そう、私だね」
佐天「あの時のカエルさん!?」
初春(誰ですか)
白井(誰ですの)
美琴「なんでなのよ、ようやく子供たちを治せるっていうのに」
カエル医者「治すことは賛成だけど、一人ずつっていうのには反対だねぇ」
佐天「どうして、ですか?」
カエル医者「今の地震はただの地震ではなく、RSPK症候群というものだね」
初春「RSPK?」
白井「症候群…?」
佐天「ルビサファのプレイヤーキル?」
カエル医者「ゲームの話じゃあないね」
カエル医者「俗に言うポルターガイストってやつだね」
美琴「ポルターガイスト…?そんなオカルト的なものが起こるとは信じられないわね」
カエル医者「実際には複数の能力者の暴走によって起きるものでねぇ」
カエル医者「どうやらその子たちが覚醒状態に近づくにつれて、暴走が激しくなるようでね」
白井「じゃあどうすればいいんですの?」
カエル医者「そのファーストサンプルのデータを解析してワクチンプログラムを作るぐらいしかないね」
初春「なるほど…暴走の下を消してしまえばいいってことですね」
美琴「それならさっそく」
佐天「ちょっと待ってください」
白井「佐天…さん?」
佐天「その大元を消せばいいなら、私にもできるはずです」
美琴「ちょ、ちょっと、それ本気で言っているの?」
佐天「一応、本気です」
カエル医者「おやおや」
佐天「さっきのは子供たちの暴走状態を拒絶しようとしたけど」
佐天「今度は、全員の…」
佐天「それも大元の能力体結晶ってのを拒絶すれば…」
キュイイイイイイン
初春「す、すごい…」
カエル医者「どうだね?」
白井「佐天さんの能力が…子供たち全員を包んでいますの」
美琴「これなら…回復に向かってくれるかも」
佐天「木山先生と話した時に思ったんです」
佐天「子供たちを助けたいって」
佐天「こんな理不尽な理由で子供たちがつらい思いにあっているなら」
佐天「私は、そんな理不尽さを拒絶します」
コオォォオオオオォオオ
枝先「…」
枝先「…ここ…は…?」
初春「佐天さん…!!」
白井「やりましたの!!」
カエル医者「全く、本当にやり遂げるとは」
カエル医者(実に興味深い能力だねえ)
佐天「ふぅ…とりあえずこれでなんとか…」
佐天「あとは子供たちがもう二度と同じ目に合わないように保護してあげましょっか」
カエル医者「とりあえず全員僕の病院で異常がないか検査だねぇ」
美琴「ま、それが妥当よね。じゃあみんな連れていきますか!」
佐天「ですね!」
なんと、幻想御手編とポルターガイスト編をなんと一日で解決した佐天さん
上条さん並みの過密スケジュールだったり
春上さんという存在をガン無視したり
木山先生が子供たちの覚醒に立ち会えなかったり
色々改変しまくりました。
さすがにポルターガイスト編すべてを書こうとは思えず短縮
許してくだせぇ
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カエル医者「とりあえず全員の検査は終わったよ」
佐天「それで、どうでした?」
カエル医者「事故の影響はほとんど見受けられなかったよ」
初春「よ、良かったぁ…」
白井「やりましたのね!」
カエル医者「保護という形でしばらく入院はしてもらうけどねぇ」
美琴「まぁ、そりゃあんなことがあったものね」
カエル医者「あの子たちのいる病室に寄ってから帰るかい?」
佐天「…」
佐天「木山先生に、子供たちはちゃんと無事でしたって伝えたいから」
佐天「もう一回ちゃんと会ってから帰りたいです」
美琴「佐天さん…」
カエル医者「わかった、じゃあ案内しよう」
カエル医者「ここだね」
佐天「どれどれ…」ガララッ
「……なの」
白井「!?」
白井「誰ですの!?」
春上「え、、えと…」
カエル医者「君はここで何をしていたんだい?」
春上「わ、私は…」
初春「あ、あれ?もしかしてその制服…」
佐天「私たちと同じ、柵川中学の!?」
美琴「ちょ、どういうことなの?」
春上「あ、怪しいものじゃないの!!」
白井「その発言がすでに怪しいですの…」ジトォ
春上「ほ、本当なの!!」
佐天「ほうほう」
佐天「まぁまぁ、言い分を聞いてみようじゃないかい」
春上「声が聞こえたの…」
美琴「声って…」
春上「絆理ちゃんのなの」
白井「いったいどういうことですの?」
初春「つまり、精神感応の能力者ってことですよね?」
春上「そういうことなの」
春上「どうしてだかわからないけど、絆理ちゃんの声だけはとてもよく聞こえるの」
春上「最近ずっと苦しそうな声だったけど、それが止まったと思ったらここの病院にいるってさっき声が聞こえて…」
春上「勝手に入ったらいけないってわかってたけど、心配で…」
白井「そういうことでしたのね」
美琴「色々ありすぎてちょっとピリピリしてたわ…」
初春「うーん、話はわかりましたけど、学校で全然見かけたことないですね」
春上「実は転校生なの」
佐天「て、転校生…!?」
カエル医者(全く、ここは喫茶店じゃないんだけどねぇ)
白井「詳しい話はあとで聞くとして…もういい時間ですし、一緒に帰りませんの?」
白井「えーっと…」
春上「あ…」
春上「春上、衿衣なの…」
美琴「春上さんも一緒にどう?」
佐天「ですね、帰りながら話しましょっか」
初春「さすがにここだと、お医者さんも迷惑そうですし…」
カエル医者「全く…」
カエル医者「じゃ、僕は仕事があるから先に行くね」トコトコトコ
美琴「私たちも帰ろっか、春上さん」
春上「…はいなの!」
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佐天(で、結局春上さんが転校してきて、枝先さん達は元気になり)
佐天(木山先生もどうやら釈放されたみたいで…)
佐天(ちょっと前の私じゃ思いもよらなかったことが最近じゃたくさん起こってる)
佐天(あんなに欲しかった能力も、いざ持っちゃえばなんら変わりないのかなって思ったり)
佐天(ま、まだ御坂さんみたいに使いこなせてはないけど…)
佐天(いつかはあんな風に…)
佐天「なんちゃって」
佐天「さ、今日も学校頑張りますか~!!」
バリバリィ
佐天「あ、あれ…」ビリビリ
ドサッ
白井「きぃいいいぃ」
白井「初春はどこで油を売ってますの!?」
白井「わたくしに全部押し付けるなんて、ありえませんの!」
白井「レベルアッパー事件からもう3日も経ってますのに!」
白井「まだ報告書を一枚も提出できてませんの!!」
美琴「まぁまぁ、ほら、春上さんも困ってるだろうし学校に馴染めるように手伝ってるんじゃないの?」
白井「それにしても遅すぎですの!!」
白井「全く、初春はやっぱり風紀委員としての責任感が足りてませんのもっとこう訓練を」ブツブツ
美琴(これは初春さんも大変そうね…)
初春「す、すみません遅れました…!!」
白井「う~い~は~る~?」ゴゴゴゴゴゴ
初春「ひえっ」
白井「いますぐこの報告書のデータを見つけ出してくださいますの…?」
初春「わ、わかりましたっ!」カタカタ
美琴「事件があるたびに報告書報告書って大変よねぇ」
白井「仕方ありませんの、同じ事件を繰り返さないためにも大事な業務ですのよお姉さま」
白井「ですわよね、初春?」
初春「もちろんです!全力でやらなきゃいけない大事な業務です!」
白井「よろしい」
美琴(風紀委員ってのも難儀なものよね~)
白井「で、春上さんはどうですの?」
初春「どうって、どういうことですか?」カタカタ
白井「学校には馴染めそうか、ってことですのよ」
初春「担任の先生が配慮してくれて、同じクラス、ルームメイトにしてくれましたから」
初春「きっとこれから楽しくなるはずです」カタカタ
白井「そう…それは良かったですの」
美琴「帰り道話した感じ、控えめだけど良い子っぽかったわよね」
初春「それが良い人なんですよ~春上さん」
初春「実はこの前」
白井「初春、手が動いてませんわよ」
初春「ぐ…す、するどい…」
白井「このわたくしを欺けるとでも?」
美琴「初春さんに同情するわ…」
美琴「あれ、そういえば佐天さんは?」
初春「うーん、なんか学校お休みしているんですよね~」
初春「あんまり休んだりしないんですけど」
白井「おおかた風邪でも引いているんでしょう、後でお見舞いでも行きますわよ」
初春「それならおいしいたい焼き屋さんがあるのでそこに」
白井「そのまえに。しっかりやることは終わらせてからにしますのよ?」
初春「わ、わかってますって…」ゲッソリ
初春「あーーー、やっと終わった…」
初春「指がちぎれるかと思いました」
白井「全く、二人でちゃんとやれば一日で終わるものを」
美琴「まぁまぁ。終わったんだからいいじゃない」
白井「んもう、お姉さまったら初春に甘いんですから」
美琴「そ、そんなことないわよ」
美琴「ただ佐天さんが心配なだけっていうか」
美琴「覚えたての能力を連続使用って案外きついのよね」
美琴「その反動で熱でも出てるんじゃないかなって思って」
白井「まぁたしかに、その説はありますわね」
初春「いまだにちゃんと解明されてませんしね~」
初春「佐天さんならピンピンしてるような気しかしませんけど…」
初春「一段落もしたし、春上さんの歓迎会もやりたいし、その打ち合わせをみんなでしたいですね」
美琴「いいじゃない、春上さんの歓迎会」
美琴「みんなでプレゼント交換とか~、みんなでたこ焼きパーティーとか~」
初春「ベタ中のベタですね」
美琴「そ、そんなことないわよ、ねぇ黒子?」
白井「そんなことあるかもしれませんが、一度佐天さんの自宅に伺ってみますわよ」
白井「本当に体調崩していたら笑えませんの」
初春「そうでした…!!」
美琴「それもそうね…じゃあ行きましょ」
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白井「で、ここが佐天さんの自宅ですの?」
初春「そうですね」
美琴「いるかしら…」ピンポーン
シーーーーーーーン
美琴「留守みたいよ」
初春「うーん、いつもなら帰ってる時間なんですけどね~」
白井「裏技ですの」シュン
美琴「ちょ、黒子!?」
ガチャ
白井「ささ、お入りなさいまし」
美琴「それ、犯罪よ…」
初春「白井さん、アウトです…」
白井「友情があればセーフですの。ささっ早く早く」
美琴「ほんとに都合がいいんだから…」
白井「やっぱり人の気配はしませんわね」
初春「やっぱり出かけてるんじゃないでしょうか?」
美琴「まぁそう考えるのが妥当よね」
美琴「引き返そっか」
白井「!!」
初春「なんですか、このにおい…」
美琴「ほんと、なんか腐ったにおいがするわ…」
白井「キッチンからですの」
白井「これは…作り置きしたご飯?」
初春「佐天さんの手料理ですね」
美琴「でもものすごく痛んでるわね」
初春「…なんかおかしくないですか?」
白井「わたくしも思いましたの」
美琴「そうね、どう考えてもこれは2,3日経ってるわね」
白井「しかも、その日に作って近いうちに食べようと置いておいた様子ですの」
初春「こんな状態で佐天さんが家を数日間空けるとは思いません」
美琴「しかも学校も休んで…」
白井「これはまさか…」
初春「白井さん、アンチスキルに連絡しましょう」
白井「ですわね、捜索願を出さなければなりませんの」
美琴「佐天さんが…行方不明…」
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白井「おかしいですの」
白井「化学品を用いた捜索法でも手がかりなし」
白井「読心能力者ですら遺留品から佐天さんの形跡がつかめませんでしたの」
初春「佐天さんの自宅やその近辺の監視カメラの映像からも、それらしき人物は映っていませんでした」
美琴「じゃあ、佐天さんは突然消えたってこと?」
美琴「いや、そんなはずないわ。この学園都市で証拠もなく消えるなんてことはありえない、非科学的すぎる」
美琴「佐天さんはいったいどこに…?」
初春「とりあえず今はアンチスキルからの現場データをもう一度細かく解析してみます」カタカタ
白井「私も、他のジャッジメントの支部に協力を要請してきますわ」シュン
美琴「私、私は…」
美琴「…なにかできることがないか探してみる…」トコトコ
初春「御坂さん…」
主人公行方不明編スタート
美琴「…」
美琴「うろたえてる場合じゃないわ」
美琴「私も私なりに行動してみるしかないわね」
美琴(さっきの部屋の様子から考えて、佐天さんが自発的にどこかに行ったことは考えにくい)
美琴(ってことは、誘拐もしくは拉致された方向で間違いはない、か…)
美琴(だとしたら誰が?なんのために…)
美琴(佐天さんを良く思ない人がいるってこと?)
美琴(学校の子?いや、それなら初春さんが気付くはず)
美琴(それ以外の関わりのある人は…)
美琴(あー、私、佐天さんのことこんな知らなかったんだってつくづく思い知らされる)
美琴(さすがに不甲斐なさ過ぎるっての)
ドガッ
美琴「いった…ちょ、ちょっとどこ見て歩いてんのよ!」
美琴「って…」ビリビリ
美琴「こんな時に限って邪魔すんじゃないわよ」ビリビリ
キュイン
上条「あのー、どちら様ですか…?」
美琴「ふっざけんなああああ」ビリビリビリ
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美琴「あー、スッキリした」
美琴「じゃなくて」
美琴「あいつのせいで本来の目的を忘れかけていたわ…」
美琴「マイナス方向に思い悩んでも仕方ない、収穫がないのは痛いけど一度支部に戻って情報交換するしかないか」トコトコ
美琴(でも怪しい人物なんていないのよね~、佐天さんが悪いことしていた感じもないし…)
美琴(怪しい人物…テレスティーナ木原は捕まってるし、木山春生は枝先さんたちで罪は晴れたし…)
美琴(まって、いるわ一人だけ…)
美琴(…)
prrrrrrrr
ピッ
美琴「もしもし黒子?」
白井「お姉さま!そっちはどうですの?」
美琴「収穫なかったわ」
白井「ですのよね…」
美琴「その様子だと黒子もか」
白井「不甲斐なさ過ぎますの」
美琴「ほんとよね…」
美琴「あのさ、黒子」
美琴「ちょっと相談があるんだけど」
白井「…相談、とは?」
美琴「…言いにくいんだけど、」
美琴「春上さんを調べてほしいのよね」
初春「ちょっと、それ本気で言ってるんですか!!!!」
白井「初春、落ち着いてくださいまし」
初春「だって、それって春上さんのこと疑ってるってことじゃないですか!」
白井「それは安直すぎますの」
白井「繋がりがないか見つけ出そうとしているだけですのに」
初春「まず、春上さんを疑う理由がわかりません」
初春「納得しないことには、私は力を貸せませんから」
美琴「…」
美琴「最近あったら変化と言えば、佐天さんの学校に、いや、私たちの回りに新しく春上さんが来たこと」
美琴「けど、それだけじゃないわ」
美琴「春上さんと病室で話した時は、精神感応の能力だって言ってた」
美琴「けど、もしそれが違っていたら?」
初春「違ってたらなんだっていうんですか?」
美琴「それは春上さんを疑わなきゃいけない理由になるわ」
初春「だとしても友達を疑うなんてできません」
白井「初春…」
白井「気持ちはわかりますが、これも佐天さんを見つけ出すため」
白井「そして春上さんとの確執を取り払うためだと考えてはくれませんの?」
初春「…」
美琴「私も心苦しいのはわかってるわ、けど、佐天さんを見つけ出したいの」
初春「私には、二人が春上さんしか疑えるものがないから疑ってるように思えます」
初春「今回のことには協力でkません」
美琴「そっか、それなら仕方ないわね」
美琴「ごめんなさい、春上さんを疑っちゃって」
白井「お姉さま…」
初春「…」
美琴「今日はもう遅いし、帰るわね」
初春「私は私で佐天さんを見つけますから…」
美琴「うん、わかってるから」
美琴「また明日ね」トコトコ
白井「また明日、お待ちしてますの…」
美琴(さてと)ビリィ
美琴(…)ビリビリビリ
美琴(なるべく端末が古くて位置情報がバレにくい場所まで移動してっと…)ビリビリ
美琴(ここらへんか)
美琴(ちょっとずるいけど、こうするしかないか)ビリィ
美琴(春上さんの情報はたぶん今触ったら初春さんにブロックされちゃうだろうし)
美琴(いまはさすがにやめとこっと…)
美琴(佐天さんの目撃情報が隠蔽されてないか検索してみるか…)
美琴(どこかにいるはず…この街のどこかに…)ビリィ
美琴(…)
美琴(ここだけ妙にプロテクトが何重にもされてる)
美琴(ああもう、初春さんと喧嘩なんてしなればこんなのすぐなのに)ポチポチポチ
美琴(…通った!)
美琴(まて、なにこれ…)
美琴(佐天涙子が原石の可能性あり…?)
『妹達超能力調整計画』
「本計画は、超電磁砲量産計画『妹達』の後釜である。」
「レベル5を生み出す遺伝子配列パターンを解明し」、
「遇発的に生まれるレベル5を100%確実に誕生させることをその目的とした」
「なお、その素体は…」
美琴「超電磁砲、御坂…美琴、である…」
「しかし、計画の最終段階で樹形図の設計者により予測演算を行った結果」、
「妹達のスペックは素体である超電磁砲の1%にも満たない…」
「そのスペックは平均してもレベル2程度のものであり、強力な個体でもレベル3を超えることはない」
美琴「私の、劣化版しか作れないってこと?レベル2くらいじゃ量産したところで…」
「遺伝子操作、後天的教育を問わずクローン体からレベル5を誕生させることは不可能」
「以上、ツリーダイヤグラムの演算結果を受け、本計画により被る損害を最小限にとどめるため」
「委員会は進行中のすべての研究の即時停止を命令」
「超電磁砲量産計画、妹達を中止し、永久凍結とした」
美琴「しかし…原石、佐天…涙子の、事象の拒絶の能力の発現を確認…」
「それにより計画の凍結を解除」
、
「事象の拒絶の能力をもってクローン体がレベル5になりえない先天的、後天的な原因を拒絶」
「レベル5への進化を達成するとともに、原因を究明」
「なお、流用するクローン体は二万体の妹達とする」
美琴「佐天…さん…」
美琴「2万体の私のクローン?実験?」
美琴「ぶっとびすぎてついていけないっての…」
美琴「でも、たしかにDNAマップを提供したことはある…」
美琴「佐天さんが行方不明になっているのも…」
美琴「…あれ、続きが」
美琴「原石の能力強度が足りない場合は、妹達との戦闘をもって補完することとする…」
美琴「っ!!」
美琴「こんなバカげたことをやっているのなら、止めなきゃ」
美琴「ここまで出てんのなら座標の割り出しぐらいはできるっての」ビリィ
美琴「…数か所あるわね」
美琴「本当に行われているなら、佐天さんが計画の中心だから」
美琴「佐天さんさえ助け出せればあとはなんとかなるはず…」
美琴「本拠地まで乗り込むしかないか…」ビリィ
美琴「…さすがに制服じゃまずいわよね」
美琴(こっちの正体もある程度は隠したいし…まぁ、佐天さんとつながりのある能力者ってだけでバレそうだけど)
美琴(第三者に騒がれるとめんどうよね)
美琴(服着替えるかあ…あとはマップも手に入れてと…)ビリィ
美琴(黒子たちには…いや、やめておこう)
美琴(黒子の空間移動も初春さんの情報処理能力も頼りにしたいところだけど)
美琴(もしこの実験が本当だった場合、黒子や初春さんたちを巻き込みかねない)
美琴(二人を危険な目に合わせたくない、もちろん佐天さんも)
prrrrrrrrrr
美琴「…出ないわね、黒子」
美琴「留守番だけ残しといてっと…もしもし黒子?佐天さんのことなんだけど、ちょっと今日はなるべく遠くまで探してみるから」
美琴「もしかしたら変えるのが遅くなるかも。その時だけ、寮監ごまかしといて、頼んだわよ」ピッ
美琴「これでよしっと」
美琴「…さ、いくわよ」
__________________________________________
_________________________
_________________
____
美琴(着替えたし携帯も電池切ったし)
美琴(準備OKっと)
美琴(なるべく侵入の痕跡は残したくないし、ささっとやりますか)ビリィ
美琴(…監視カメラとか電子ロックとかは無効化できるけど)
美琴(人に会った時どうするかが悩みどころよね…)
コツコツコツ
美琴(まずっ)ビリィ
研究員男「昨日の実験の結果はひどかったな」ハァ
研究員女「仕方ないわ、あの子のあの性格だもの。戦闘向きではないにしろ、少しはすすんでるんだから」
美琴(まさか…実験は本当に行われていた…?)
美琴(戦闘ってことは、能力強度が足りなかったってこと?佐天さんが戦わされてる…?)
研究員男「まぁな。それに比べて今日の実験は見た限り良いデータが取れそうだ」
研究員女「まさかあんなことさせるなんてねぇ…」フフフ
美琴(くっ…)
美琴(実験場とやらはこの先…変にここでトラブルを発生させるのは得策じゃない)
美琴(分かっているけど…こんな風に平気で話しているこいつらが腹立たしい…)
コツコツコツ
美琴「佐天さんっ!!」ダッ
美琴(マップによるとここね!!)ダッ
美琴「こんな扉なんて…」ビリビリ
美琴「ふっとばす!」チュイン
ドゴォオオオォオオオオオォオォオオオン
美琴「…」ビリィ
美琴「佐天さん!?いるの?佐天さん!!」
美琴(砂煙で見えない、けど私の電磁レーダーに人影が二つ…)
美琴「佐天…さん?」
佐天「御坂…さん?」
美琴「佐天さん!良かった無事で…ほんとに良かった」
??「邪魔をしないでください、とミサカはオリジナルに警告します」
美琴「ウソ…あんたは…」
??「ミサカ0006号です、とミサカはミサカは自己紹介してみます」
美琴「な…ほんとに私のクローンが…」
美琴(ほんとに作られていたなんて…)
ミサカ00006号「ここに何をしにきたのですか?と、ミサカは問いただしてみます」
美琴「なにって…そりゃ佐天さんを助けに来たにきまってるじゃない」
佐天「…」
佐天「ごめんなさい、まだ帰れません…」
美琴「ちょ、ど、どうして?なんでなのよ…!?」
ミサカ6号「ミサカ達には空よりも高く海よりもふか~い理由があるのです、とミサカは抑揚をつけて説明してみます」
美琴「そんなの説明になってないっての」ビリビリ
ミサカ00006号「で、どうしますか?このまま実験を続けますか?、とミサカは上司に状況を確認してみます」
研究者「うーん、そうだねぇ、どうしようか…」
美琴「アンタが」
美琴「こんなくだらないこと始めたのかああああ!!」バリバリバリバリ
研究者「さすがはレベル5ともなると威力ははかりしれないね?けど…」
美琴(あたしの電撃が効かない…?)
研究者「ここの壁は絶縁体になっていてねぇ、電気に対する対策はばっちりってところかな?」
美琴「…余裕ぶっこいてんじゃないわよ」
美琴「今からでもあんたをそこから引きずり降ろしてやるんだから」チャリン
研究者「まぁまぁ待ちたまえよ」
研究者「どうして佐天くんが残ろうとしているか知りたくないのかい?」
美琴「…」バリバリ
研究者「どうかね、6号、少し説明してあげては?」
ミサカ00006号「承知しました、とミサカは出来る部下風に返事をしてみます」
ミサカ00006号「ミサカ達はとある実験のために作られた、定価18万円の個体です」
美琴「妹達超能力調整計画ね…」
ミサカ00006号「さすがオリジナル、話が早い、とミサカは褒めてみます」
美琴「ちゃちゃいれんじゃないわよ」バリバリ
佐天「…」
ミサカ00006号「ミサカの体はオリジナルの毛髪から、様々な薬品を投与して約二週間でこの大きさに作られています」
ミサカ00006号「とミサカは現代科学の進歩に驚きながら説明します」
美琴「薬品で2週間…!?それって」
ミサカ00006号「元々ミサカの体は超電磁砲量産計画の流用…たとえ佐天涙子の能力でレベル5になれていたとしても、赤ん坊では意味がない」
ミサカ00006号「そう考えた結果のことでしょう、とミサカは推測します」
ミサカ00006号「しかしその結果、ミサカの寿命は通常より比べ物にならないぐらい短命になってしまいました、とミサカは悲しげに言ってみます」
佐天「…」
ミサカ00006号「ただでさえ寿命が短いとされるクローン体に、強制的に成長を促進させる、細胞分裂を促進させる薬品を使うとなると…」
ミサカ00006号「頭の良いオリジナルならお分かりですよね、とミサカはオリジナルの顔を覗き込んでみます」
美琴「なんなのよ…それって…」
ミサカ00006号「そこで登場したのが佐天涙子なのでした、とミサカは救世主が現れたかのように崇めながらチラリと横目で佐天涙子を見てみます」
ミサカ00006号「事象の拒絶の能力を使えばミサカ達の寿命を延ばすことができるかもしれない…」
ミサカ00006号「そう考えて、佐天涙子は自身の能力を研鑽すべくミサカと一緒にトレーニングをしているのでした」
ミサカ00006号「っと、ミサカは懇切丁寧に説明してみます」
美琴「解せないわ…」バリィ
美琴「あんたたちは、あんたを大事にしようとしてる佐天さんの心がわかんないの?」バリバリ
ミサカ00006号「ミサカ達はもともと軍事目的で作られた量産型のクローン体ですが…?」
研究者「無理だよ」
研究者「この子たちは自分たちのことを実験動物としか認識していないんだからねえ」
美琴「そう教え込んだのはあんたたちでしょうが!!!」バリバリバリ
研究者「そうピリピリしないでほしいけどねぇ」
研究者「まぁそういうことだから、ここには君の居場所なんてないんだよ、御坂美琴クン?」
美琴「ふっざけんな」バリィ
研究者「君に何が出来るのかな?」
美琴「ハハッ」
美琴「私の能力が、電撃飛ばすだけだと思ってんの?」チャリン
美琴「これでもくらいなさい!!」バリバリ
ドガァアアァアァアアアァアン
美琴「な…」
佐天「…」キュイン
美琴「これ…佐天さんの盾…?」
美琴「どうして…どうしてあいつを守るの!?ねぇ!!!」
佐天「こうするしか…ないんです…」
美琴「そんなことない!ちゃんとみんなで協力すれば…黒子にも初春さんにも協力してもらえば…」
佐天「それで、二人を巻き込むんですか?」
美琴「…!!」
佐天「じゃあ聞きます。御坂さんは、ここにいる6号さんの寿命を延ばせますか?」
佐天「白井さんや初春は?できますか?」
美琴「…」
佐天「出来る可能性があるのは、私しかいないんです。」
佐天「私が自分の能力をもっと伸ばせば…そしたら…」
美琴「佐天…さん…」
研究者「話は終わったかね?」
研究者「オリジナルも来たわけだし、ここは御坂クンにも手伝ってもらうのはどうかな?」
研究者「レベル5との戦闘の方が、この欠陥電気よりも質の高い経験値が得られるだろうし」
美琴「…」
美琴「わかったわ…」
研究者「やる気になってくれたかね?」
美琴「この街がどんだけイカレてるか、わかったっていってんのよ!!!」バリバリバリ
佐天「御坂さん…やめてください…」
美琴「佐天さん…悪いけど、私はここでくじけないわ…絶対に」
美琴「だから…」
美琴「あんたたちを倒してでも、絶対に佐天さんは連れて帰る」
研究者「さすがレベル5、言うことがちがうねぇ」
研究者「けど、出来るかな?君に友達を傷つけることが…」ニヤ
美琴「友達を傷つけたとしても」
美琴「絶対に佐天さんは連れて帰るんだから!!」バリバリ
佐天「三天結盾」キュイン
美琴(やっぱ防がれたか…くそ…)
美琴(前の時はこんなに防御力高くなかったはず、)
美琴「なんだけどねぇ!!」バリバリ
佐天(広範囲にわたっての電撃攻撃、か)
佐天(それなら…)
佐天「三天結盾、孤天斬盾」シュン
美琴(上方に回避!?)
美琴(しかもあの使い方…木山春生のときの!!)
ミサカ00006号(フフフ…ミサカとの特訓が活きているようです、とミサカはひっそりとニヤつきます)
美琴(けど…)
美琴「上に逃げたのは間違いだったわね!!もらった!!」バリバリ
美琴(さすがに浮いてちゃよけらんないでしょ)
佐天「私は…拒絶する!!!」キュイン
美琴「なっ…」
佐天「避けられちゃうんですよね」
ミサカ00006号(上方に回避したのと同様、空中でも能力を展開して回避するとは、とミサカは関心します)
佐天「孤天斬盾、私は拒絶する」キュイン
美琴「はっ、どこ狙ってんのよ」
美琴「って…」
ガラガラ
美琴(最初から足場を狙って…!)
佐天「出直してきてくださいね、御坂さん」
佐天「でも、来てくれたのは…うれしかったです」ボソッ
ガラガラガラ
ドガーン
ミサカ00006号「やりましたね、とミサカは勝利の定型句を述べてみます」
美琴「だーれをやったって?」ビリィ
佐天「なっ!!」
美琴「空中移動なんて、私だってできるってぇの!!」ビリビリ
佐天「拒絶する!」キュイン
佐天(壁に張り付いてる…?まさか、磁力で…?)
美琴「佐天さんの能力はたしかに伸びている」
美琴「けど歴ってもんがちがうのよ!!」バリバリバリ
佐天「くっ」キュイン
美琴「天井から電撃放たれてちゃ、逃げようもないでしょ!」バリバリ
佐天「くっ…」キュイン
ミサカ00006号(ま、まずい、押されてます…とミサカは誰もいないのに実況を続けてみます)
美琴「佐天さんの能力には弱点がある」バリバリ
美琴「一つはその盾の力、」バリバリ
美琴「確かに強力な守りの力だけど、その形状は三角形」バリバリ
佐天(…御坂さんの電撃がここまでだなんて…)キュイン
佐天(いままでは本気じゃなかったってこと…?)
美琴「だからこそ、その力は一方向にしか発揮できない!!」バリバリ
佐天「くぅっ」ガク
美琴「二つ目は…」バリバリ
美琴「各能力は一つにつき一個」
美琴「つまり…同系統の能力を複数展開できない!!」バリバリ
佐天(全部…ばれてる…)
美琴「こういう風に上方からの攻撃を守るために盾を使っているなら…」バリバリ
美琴「その側面からの攻撃には対応できないはずっ!!」ビュン
佐天(さっきの瓦礫が…!!)
佐天(防げない…!!)
佐天「あうっ」ドガン
ドサッ
美琴「…ふぅ」
ミサカ00006号「そ、そんな…、とミサカは共に戦ってきたパートナーの敗北に呆然としてみます」
美琴「なんで友情意識わいてんのよ!」
ミサカ00006号「ナイスツッコミです、とオリジナルのキレの良さに感心します」
美琴(ちょ、思わずつっこんじゃったわ)
美琴「ったく、で?」
美琴「佐天さんは持ち帰らせてもらうわ?」
美琴「あんたはどうすんの?」
研究者「うーん。これは困ったねえ」
美琴「っていっても」チャリン
美琴「逃がすわけ、ないんだけどね!!!!」バリバリバリ
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美琴「結局、ホログラムか…」ビリィ
美琴「結構派手にやっちゃったなぁ…」
ミサカ00006号「ここまで性能の差を見せつけられるとは…とミサカはオリジナルに嫉妬します」
美琴「…」
美琴「あんたは、これからどうすんの…?」
ミサカ00006号「ミサカは…」
ミサカ00006号「ミサカは、研究所に戻ります、と家がなくなってしまった感を抑えつつ帰路に戻ろうとします」
美琴「…また実験につかわれるとしても?」
ミサカ00006号「だとしても」
ミサカ00006号「ミサカには…居場所はありませんので…」
美琴「あんたはそんなんでいいの!?こんな大人のいいなりになって、こんなことやって!!」
美琴「もっと自由に生きたい~とか、やりたいこととかないの!?」
ミサカ00006号「ミサカのやりたいこと…」
ミサカ00006号「…もしあったとしても、今のミサカたちには生命活動を維持するためのチューニングが不可欠です」
ミサカ00006号「と、ミサカは自身の体が完璧ではないことを悟ります」
美琴「…そう」
美琴「悪いけど、実験の施設は全部消させてもらうわ」
美琴「こんなくだらない実験をしているやつらを、野放しにはできない…」
美琴「人のDNAマップをだまし取って勝手に使ったこと、後悔させてやるんだから」
ミサカ00006号「…」
美琴「さ、帰るわよ佐天さん」
美琴「って」
佐天「」ぐでーん
美琴「ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかな…」
美琴「けどそれなら」バリィ
美琴(電磁操作で空中移動していった方がはやいわね)
美琴「よっし、行くわよ!」バリィ
ミサカ00006号「…」
ミサカ00006号「さよなら、お姉さま…」
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初春「さ、佐天さん!?」
白井「佐天さんですの!!」
美琴「よいしょっと」
白井「お姉さま!佐天さんはどこに!!」
美琴「あ、あはは…」
美琴(二人には…話せないわよね…)
美琴(佐天さんのいた場所のことを話したら、私のクローン体や実験のことまで話さなきゃいけなくなる)
美琴「くっ…」ギリ
白井「…お姉さま?」
初春「御坂さん?」
美琴「ご、ごめん…とにかく佐天さんのこと看病してあげて」
美琴「私、ちょっと外の空気吸いにいってくるね」トコトコ
白井「お姉さま…」
初春「御坂さん…」
白井「それよりもアンチスキルに連絡を!佐天さんが見つかったことを報告しないと!」
初春「ですね!」
美琴(これからどうする…?)
美琴(私の2万体のクローンに、佐天さんの能力のこと…)
美琴(問題が山積みすぎる…)
美琴(佐天さんを助け出したのはいいけど、これから先また利用される可能性の方が大きい)
美琴(それに、佐天さんのあの様子…)
美琴(自ら実験に加担することも考えられるわ)
美琴(そうなったら。今回みたいにまた対立することに…)
美琴(いや、それは避けたい)
美琴(だったら実験に関するデータをを全部潰して凍結させるしか…)ビリィ
カチャ
美琴(……)
美琴(ネットワーク経由で、研究所にウイルスを流し込む…!!)バリィ
研究者「な、なんだこれは…!!」
研究者「施設から同時に火災が起きています!!」
研究者「原因を探れ!!」
研究者「…どうやらネットワークからの攻撃みたいです!」
研究者「すぐにネットワークを切断しろ!はやく!!」
美琴「…くそっ、勘付かれたか」バリィ
美琴「私の能力がバレているから?なんらかの手段を使ってデータを消しにかかろうとしていたのは見え見えってことね…」
美琴(でも今ので、かなりの数を潰せた…)
美琴「あとは実際に乗り込んで潰すだけ…」
美琴「…やるしかないわね」バリィ
美琴「その前に、佐天さんと話さなきゃ」
白井「ええ、はい、見つかりましたの、ええ」
白井「たった今意識が戻ったみたいで…はい」
白井「…わかりましたの」
白井「佐天さん、今までご自身がどこにいたか覚えていらっしゃいますの?」
佐天「……」
初春「佐天さん…?」
白井「さまか…記憶喪失ですの?」
初春「三日間どこにいたんですか!?」
白井「意識がまだ混濁としている様子ですの…」
白井「…はい、ええ、わかりましたわ」ピッ
白井「一応、病院で検査入院してもらうように、とのことでしたの」
初春「入院…」
白井「佐天さんの体に異変がないか調べてもらうためにもですのよ」
初春「そう、ですよね…」
白井「一応お姉さまにも連絡を」ピッ
白井「もしもしお姉さま?黒子ですの…えぇ、そのことなんですが…」
初春「佐天さん…」
初春(なんだろう、三日しか離れてないのに…)
初春(佐天さんが、手の届かない遠いところまで行っちゃった気が…)
初春「佐天さん、帰ってきてくれて良かったです…」
佐天「…」
初春「心配…したんですよ…ぐすっ」
佐天「初春…」
佐天「ごめんね…」
初春「うええええええん…佐天さんのバカァァ~」グズグズ
佐天「…」
白井「という感じですのよ、ええ、はい、わかりましたの」ピッ
白井「とりあえず、皆で病院まで向かいましょう」
白井「お姉さまももうじき来るそうですの」
初春「うえええええん…」
白井「全く、泣き虫ちゃんったらありゃしませんわ」
白井(けど…)
白井(一件落着ですの…)
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カエル医者「まーた君たちかい?」
白井「また私たちですの」
白井「今度は正式に患者として、ですが」フンス
佐天「…」
カエル医者「おや…?どうやらなにかありそうだねぇ」
白井「事のあらましはとにかく…検査入院ということでお願いできますの?」
カエル医者「うーん、まぁ入院するかしないかは検査の結果によるけどねぇ」
白井「頼みますの」
初春「お願いします…」グスッ
美琴「…」
カエル医者「…検査の結果」
カエル医者「入院してもらうことになりそうかな」
白井「そう…ですの」
初春「佐天さん…」
カエル医者「体のどこが悪いとかはないんだねぇ」
カエル医者「ただ、一応3日間の失踪ってことで、何か見落としがあったら嫌だからね」
カエル医者「だから入院してもらうことにしたんだけどね」
美琴「そっか…」
初春「それなら良かったです…」
白井「顔の割にはなかなかに丁寧ですわね」
カエル医者「ははは、よく言われるね」
カエル医者「まぁ一週間は様子を見たいから、そこぐらいはしばらく検査入院だね」
初春「ありがとうございます」
白井「ほんとに良かったですの」
カエル医者「帰る前に彼女の病室に寄っていくかい?」
カエル医者「一応部屋番号はこれに書いてあるから」ペラ
カエル医者「じゃ、僕はこれで失礼するよ」トコトコトコ
初春「帰る前に、いいですか?」
美琴「もちろんよ、初春さん」
白井「当たり前ですの!」
コンコン
初春「佐天さん?」
美琴「失礼するわね」
白井「お邪魔しますの」
佐天「…」
佐天「みんな…」
白井「帰る前に、顔を見たくなったって、初春が…」
初春「えへへ、だって久しぶりに佐天さんに会えたんですもん」
初春「本当に、元気でよかったです」
白井「一週間の検査入院みたいですけど、その期間は安静になさってくださいな」
佐天「…」ギリ
美琴(佐天さん…)
初春「また明日も絶対来ますから!」
初春「毎日きますから!」
白井「もう初春ったら、ちゃんとジャッジメントの仕事が終わってからですのよ?」
初春「分かってますって!」
佐天「…ふふ」
初春「!!」
佐天「ありがと、初春。白井さん。そして…」
佐天「御坂さんも」
美琴「…!!」
初春「佐天さん…」
白井「…初春、それはもうびやーんって泣いてましたものね」
初春「び、びやーんってなんですか!びやーんって!」
白井「びやーんはびやーんですの」
初春「そんな風に泣いてません!!もう白井さんったら!!」
佐天「もう今日は遅いから…大丈夫だから」
美琴「そっか…」
白井「ですわね。ささ、帰りますのよ初春」
初春「ええー、まだ」
白井「ジャッジメントの仕事がこんもり溜まっているの、まさかお忘れですの?」
初春「…帰りましょっか、家に」
白井「支部にですわよ?」ニコリ
美琴「鬼ね、黒子」
白井「そんなことありませんのオホホホホホ」
初春「御坂さんー!助けてください!!」
美琴「初春さん…頑張って」
初春「そんなぁ」
白井「さぁー!帰りますわよ!ささっと!さくっと!なんなら私のテレポートでささっと!」
初春「能力使ってまでなんて卑怯です!!」
白井「聞こえませんのよ」シュン
初春「鬼」シュン
美琴「…」
佐天「…」
美琴(き、気まづい…)
美琴「怪我、」
美琴「させて悪かったわね…加減が難しくて…」
佐天「自業自得ですから、大丈夫です。御坂さんのせいじゃないです」
美琴「…違うの。自業自得なのは私の方」
美琴「騙されてDNAマップを提供したのがいけなかった…」
佐天「…」
佐天「御坂さんも、こんな実験に使われるとは思ってなかった?」
美琴「あたりまえじゃない…あれは筋ジストロフィーの治療法として提供したもので、」
美琴「こんな風に使われるなんて…」ギリ
佐天「良かった…それが聞けて安心しました」
佐天「最初聞いたときは、御坂さんが協力しているのかと思っちゃいました」
美琴「…まぁ、そうよね」
美琴「これは私の責任だから、私がケリをつける」
佐天「ま、まってください!私も…!!」
美琴「佐天さんは、ゆっくり休んでて」
佐天「で、でも!!」
美琴「佐天さんは今まで一人で頑張ってくれたじゃない」
美琴「今度は…私が頑張る番だから…」
佐天「御坂さん…御坂さんだけには背負わせられないです」
美琴「ううん、佐天さんにもやってもらいたいことがあるの」
佐天「やってもらいたいこと…?」
美琴「そう、それは…」
美琴「公式に原石能力者として登録して、風紀委員になることよ」
佐天「えっと、どういうことですか…?」
美琴「私、ちゃんと考えてみたの」
美琴「あの計画は、要となる佐天さんの能力が頼りになっている」
美琴「ってことは、佐天さんの身柄を確保することが前提条件となる」
美琴「結局今のままだと佐天さんは無能力者のまま」
美琴「例えば、佐天さんじゃなくて私が失踪したらどうなると思う?」
佐天「それは…学園都市の第3位がいなくなったら大騒ぎですよ」
美琴「でしょ?学校も回りもさすがにほっとけないはず」
美琴「知名度がある人ほど、欠けたら騒がれるものよ」
佐天「そっか、それを利用して…」
美琴「そう、佐天さんが能力者として、そして風紀委員としてこの学園都市で有名になれば」
美琴「向こうも簡単には拉致できなくなるはず」
佐天「たしかに…」
美琴「そうすれば、前提条件である佐天さんの身柄も確保できず、能力を使用してもらうこともできなくなる」
美琴「ってのはどうかしら?」
佐天「一理はあります。けど…」
美琴「そんなことしている時間があるのかって?」
佐天「は、はい…」
美琴「クローン体の寿命…たしかに短命ではあるけど、きっと今までも調整してきているはずだわ」
美琴「それにこの計画をやめたとしても、2万体ものクローン体を破棄するとは考えにくいと思う…これは予想でしかないけど…」
佐天「…」
美琴「私は、なるべく研究所を襲撃してデータを削除してみる。これで研究が頓挫すればこっちの勝ち」
美琴「頓挫しないにしても、研究の振興を遅らせることができれば対策を練る時間も増える」
美琴「…どう?」
佐天「うーん…」
佐天「私の能力が、そこまでのものじゃないって証明してっていう作戦はダメですかね?」
美琴「そうね…」
美琴「たぶん向こうもこれまでのことを考慮して計画を立てた気はするわ」
佐天「これまでのこと…?」
美琴「爆弾魔事件から幻想御手事件、あと枝先さんたちの件よ、忘れたの?」
佐天「あ…」
佐天「ここ最近色々ありすぎて…」
美琴「まぁ、そうね」
美琴「幻想御手事件の、あの10万人の脳波ネットワークを能力で解いたのがまずかったかもしれないわね」
佐天「け、けどあれは」
美琴「状況的に仕方ないは仕方なかったんだけど…ワクチンプログラムもなかったし…」
美琴「でも佐天さんは自分がしたことの意味をよく分かってないと思うわ」
佐天「それって…?」
美琴「例えるなら10万の絡まったすーんごい長いイヤホンコードを一人で全部ほどいちゃうぐらいのことをしたのよ?」
佐天「げぇ…想像するだけで頭がいたくなります…」
美琴「でしょ?けど、それを一人でやってのけた」
美琴「きっとまだ佐天さんの能力は解明できてないところがあるかもしれないけど…」
美琴「それでもあいつらが利用できるって目踏みしたのは理解できるのよね」
佐天「そう…ですね」
佐天「なんかとんでもないことしちゃってたのかあ~」
佐天「意外と自分の能力って自覚ないものですね」
美琴「それはまぁ…たしかにね、私もあんまり第3位なんて自覚はないけど…」
美琴「あとは、またあいつらが襲ってきた時やなにかあったときの防衛手段も必要なのよね」
佐天「それは必須ですね。私も、ちゃんと誰かを守れるようになりたい」
美琴「そうね、だからそれは黒子にはわるいけど風紀委員での活動をを実践の場として考えてもらうのと」
美琴「あとは私との模擬訓練でなんとかするしかないかぁ」
佐天「御坂さんとの模擬訓練!?」
美琴「曲がりなりにも第3位よ、これでも」バリィ
美琴「私とそこそこ戦えるようになったら、そこらへんのスキルアウトなんて屁でもないわ」
佐天「本人からそういわれると説得力あるなぁ…」
美琴「佐天さんはたしかに能力は使えてる、けどそれだけなのよね」
佐天「…えっと、それってどういうことですか?」
美琴「使うことと、使いこなすことは全く違うの」
美琴「例えば私は発電能力が大元だけど、磁力操作でさっきみたいに壁に立つこともできる」
美琴「電子ロックを解除することも、ハッキングしてこんな資料を手にいれることもね」ペラッ
佐天「これ…!!実験の資料!!」
美琴「こうやって、能力をうまく応用させるためには、緻密なコントロール力だったり発想力が必要なの」
佐天「そっか…これが能力かぁ」
美琴「まぁ、難しいのよねこれって」
美琴「けど佐天さんもきっとうまく使いこなせるようになったら」
美琴「さっき言った同系統の能力を複数使えたり、もしかしたら三角形型の縦じゃなくて形状も変化できると思うの」
美琴「というか、なんで三角形なのかが逆に疑問なんだけどね~」
佐天「ふむふむ…これは奥が深そうですなぁ」
美琴「幸い原石だから演算は必要ないのかもしれないけど…」
佐天「あのぉ~、えんざん、ってなんですか?」
美琴「やっぱり必要なかったか~…」
美琴(あんなに勉強してきた自分の努力が…!もう!)
美琴「演算っていうのは、能力を使うための工程みたいなものよ」
美琴「難しいから説明は端折るけど…」
佐天「な、なるほど…」
美琴「演算しないってんなら、どうやって能力使ってんのか気になるわね逆に」
佐天「どうって言われても…うーん…なんとなく…?」
美琴「な、なんとなく…」
美琴「けどそういうなんとなくをなくしていけば、能力を使いこなすことが出来ていくはずよ」
佐天「ふむふむ…」
美琴「ま、まぁとにかく」
美琴「佐天さんはまずシステムスキャンを受けて原石認定を受けること」
美琴「あとは風紀委員になること、ある程度の功績をあげて知名度を高めること」
美琴「そして自衛のために能力を使いこなすこと」
美琴「この三点かしらね」
佐天「三点…」キュイン
美琴「!?」
佐天「あ、そっか、言葉に反応しちゃったのか」
美琴「そこも改善点であり、長所よね…」
美琴「これ以上考えても仕方ないわ!長く話し込みすぎちゃったし、私はこれで帰るわね」
美琴「明日も初春さんが来るはずだから…よろしくね」
佐天「はい…ありがとうございます!」
美琴「うん、佐天さんが元気になって良かった。それじゃ」
佐天「あ、あの御坂さん!!」
美琴「?」
佐天「初春たちには…」
美琴「…
佐天「私は、話さないほうがいいかなって。巻き込みたくないし…」
美琴「そうね、私も同じ意見だわ」
佐天「しばらくの間ですね…」
美琴「…」
美琴「じゃあ、帰るわ」
佐天「引き留めちゃってすみません」
美琴「なーに言ってんのよ、それじゃね」トコトコトコ
佐天(御坂さん…ありがとう)
佐天(御坂さんのこと、言われた通り実験に加担してる協力者だと思ってた…)
佐天(早くなんとかしたい…よね…)
美琴「ふぅ…」
美琴(佐天さんの説得は成功)
美琴(これでもうあっち側に寝返ることもないと思う)
美琴(けど…妹達のタイムリミットがあるかどうかは別)
美琴(そこだけは話をそらして出さなかったけど、実際問題どうなのか…)
美琴(それは推測をたてるしかない…)
カエル医者「来ると思ったよ、君なら」
美琴「やけに察しがいいわね」
カエル医者「何年この業界にいると思うんだい?」
カエル医者「で、何か聞きたいことがあるんだろう?あの子のことかい?」
美琴「そうじゃないの」
美琴「クローン体について知ってることがあったら教えてほしいのよ」
美琴「薄々気付いてたけどあんた何者なの?ただ者じゃないわよね」
カエル医者「…君は僕について知りたいのか?それともクローン体について知りたいのかい?」
カエル医者「全く、欲張りだねぇ」
美琴「…クローン体のことよ」
カエル医者「クローン体ねぇ…そういえばどこかの誰かが昔研究していた気がするね」
美琴「もし、もしもクローン体をつくったとして、それを私ぐらいまで薬で強制的に成長させたら…」
美琴「その子たちの寿命はどれぐらいになるのか知りたいのよ」
カエル医者「どれぐらいになるのかは実際に見てみないとわからないけど」
カエル医者「そんな無茶なことをしたらかなりの短命になるだろうねぇ」
美琴「そうよね…」
カエル医者「とはいってもさすがに数週間とかはないかもしれないね」
カエル医者「2万もの数が数週間もの短時間で倒れたら、どう考えても損だしねぇ」
美琴「!!」
美琴「どうして2万って…」
カエル医者「…」
カエル医者「患者のことは何でも知ってる」
カエル医者「っていうことじゃだめかい?」
美琴「…まさか関係者じゃないでしょうね」ビリィ
カエル医者「僕は命を無駄にすることだけはしないね」
美琴「…まぁ、さすがに八つ当たりすぎるわね」
カエル医者「けど、もし困っていて」
カエル医者「もしなにかあったら、きっと力になれるはずだね」
美琴「…」
美琴「参考になったわ」トコトコトコ
美琴(やっぱ。ゆっくりしてる時間はないか…)ビリィ
美琴(とにかく施設の破壊が第一)
美琴(さっきのでだいたい6割は潰せたけど…)
美琴(あと4割は直接乗り込んでいくしかないか)
美琴(一つずつ…)
prrrrrrr
ピッ
美琴「あ、もしもし?黒子?」
黒子「お姉さま?どうなさいましたの?
美琴「あのさぁ…風紀委員ってすぐなれるもんなの?」
黒子「まさかお姉さま…合法的に暴れられるから風紀委員になろうとお思いですの?それでしたら」
美琴「私じゃなくて…佐天さんなのよね」
黒子「佐天さんが…?」
美琴「そうそう、それでどんだけかかるのかなぁーって」
黒子「そもそも学校の推薦がないと無理ですの」
美琴「え、そうなの!?」
黒子「しかも9枚の誓約書にサインして、13種類の適正試験がありますの」
美琴「…」
黒子「研修期間は4か月」
美琴「よ、四か月はさすがに間に合わないか…」
黒子「?どうしましたの?」
美琴「ううん、なんでもない」
美琴「なるほどねぇ…」
美琴「あのさ、その研修期間ってどうにか短縮とかできないの?」
黒子「そんなこと聞いたこともありませんわ」
美琴「だよね~…」
黒子「そんな簡単になれるもんじゃありませんのよ?いいですの風紀委員とは」
美琴「わかったありがとね黒子」
黒子「ちょ、お姉さま!!」
美琴「ごめん、あと今日遅くなりそうだから寮監ごまかしといて、それじゃ」ブツッ
ツー、ツー、ツー
黒子「…お姉さまったら」
美琴「やっぱ簡単には無理か…」
美琴(能力の方で頑張るしかなさそうね…)
美琴「とりあえず、襲撃といきますか」ビリィ
佐天「行っちゃったな、御坂さん…」
佐天(私の能力かぁ…)
佐天(私もいまいちわかってないんだよねぇ)
佐天(だいたい原石ってのもよくわかってないし…)
佐天(はやく助けてあげたいし…)
「~~~~なんだよ!!」
「そんなこと言われても…」
「食べ物はないの!!」
「だからここ病院だって…いってええええ」
佐天「なーんか騒がしいなぁ…」
上条「だからやめろってインデックス!!」
禁書「やめないんだよ!」
上条「家じゃねーんだから!」
禁書「ぐぬぬぬぬぬぬ」
佐天「…」
上条「…」
禁書「…」
禁書「」ガブッ
上条「いってぇえええええ!!」
上条「今のはやめる流れだろ!!」
佐天「あは、あはははは…」
佐天「病室、隣なんですね」
上条「すみません静かにしますから、こいつが帰れば!!」
禁書「なんなのその言い方!!」
上条「事実なんだから仕方ないだろ」
禁書「むううううううううう…」
禁書(あれ…?)
禁書「その髪飾り…」
佐天「えっと…これ、ですか?」
禁書「そうそうそれなんだよ!うーん…ふむふむ」
禁書「なんだか不思議な感じだね」
佐天「そうかなぁ…」
禁書「特にスターオブベツヘレムってところが」
佐天「すたーおぶ?」
上条「ほらほら困ってますのよインデックス!」
上条「病室で大人しく待ってなさい!」
禁書「ぶーーーーーーやだーついていくもん!」
上条「まったく…」トコトコ
佐天「あ、行っちゃった…」
佐天「インデックスちゃんと…」
佐天(隣の病室だったよね…)
佐天「上条…当麻さんかぁ」
しばらくここまで
月島さんの能力はつよすぎてすぐ終わっちゃうからやめた
やっぱ攻撃に向かない能力の方が個人的に好き
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