ルビィ「お風呂とトイレは別々がいい」 (40)

~福岡公演前日~

曜「よし!ホテルに荷物も預けたし、まだいっぱい時間あるし何する?」

花丸「勿論観光ずら!」

鞠莉「私福岡のSOUL FOODの明太子食べたーい!」

ダイヤ「皆さんお静かに!観光も構いませんが、あまり福岡の観光地ではしゃぎ過ぎますと、私達のファンの方々の目につきますわよ」

ルビィ「た、確かに…」

梨子「ファンの皆さん、もう福岡に来てるのかな…」

果南「ここに来る途中も何人か私達のグッズを身に付けてる人チラホラいたよ」

ルビィ「いたんだ!?」

ダイヤ「ですので、周りの目に注意しつつ行動する事!そして私達はスクールアイドル!誤解を生まない為にもはしたない行動は厳禁ですわよ!」

8人「はーい」

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ダイヤ「特に千歌さんに善子さんに鞠莉さん!」ビシッ!

千歌「ほぇ?」

鞠莉「what?」

善子「え?」

ダイヤ「貴女方は一度暴走すると制するのは骨が折れますので、そこの所自覚を持って頂かないと」

鞠莉「大丈夫大丈夫~モラルはあるから!」

千歌「そうそう!私達もう高校生だよ~?」

善子「そうよ、高校生にもなって人目気にせずはしゃぐ訳無いでしょ?」




──────────

──────

──


~博多駅~

善子「見てみて豚骨ラーメン!!」ダダダッ!

千歌「食べよう!早く早く!」ダダダッ!

鞠莉「ダイヤ~!早くしないと置いてっちゃうわよぉ~!」ダダダッ!


\ワーワー!!ギャーギャー!!/


梨子「………」チラッ

ルビィ「………」チラッ

果南「………」チラッ

花丸「………」チラッ

曜「………」チラッ

ダイヤ「」ヒキッ


──────────

──────

──


千歌「……」セイザ

善子「……」セイザ

鞠莉「……」セイザ

ダイヤ「……あれほど節度を持って周りの目に注意しつつ行動するようにと言いましたわよね?」

3人「…………」

ダイヤ「言いましたわよね!?」ピキピキ

3人「はいっ!」ビクッ

ダイヤ「全く……福岡に来て浮かれる気持ちも分かりますが、私達はこの後ライブがあるんです。無駄にはしゃぎ過ぎてライブの時に体力が無くなってしまったらどうするんです?」

善子「はい…」

千歌「すみません…」

鞠莉「マジごめん」

ダイヤ「……」

鞠莉「いえごめんなさい…」

ダイヤ「はぁ……まぁいいですわ」

ルビィ「でもどうするの?お姉ちゃん?」

果南「結局観光するったって、この人数だとバレバレだと思うけど…」

梨子「そうよね…9人だとお店の人も迷惑になるかも…」

花丸「じゃあ別行動にする?」

千歌「別行動?」

ダイヤ「えぇ、それがいいかもしれませんわね」

曜「福岡は見て回る所がいっぱいだからね!別行動にしてそれぞれが観たい所へ行った方が時間効率もいいかも!」

鞠莉「それはNice idea!」

花丸「じゃあ振り分けはどうするずら?」

ダイヤ「それに関しては私にお任せを」


~~~~~

ダイヤ「まずAチーム」

千歌「A!」ビシッ!

花丸「A!」ビシッ!

果南「え、A!」ビシッ!

ダイヤ「こちらの3人は主に果南さんが引っ張ってあげて下さいね」

果南「分かった。と言っても2人とも良い子だししっかりしてるから私が先導するまでもないと思うけど」

千歌「そりゃ千歌も高校生だし!」フンス!

花丸「マルも結構しっかり者だし!」フンス!

果南「……多分大丈夫かな」

ダイヤ「……まぁ、何かありましたらすぐ駆け付けますので」

果南「よろしく」

ダイヤ「続いてBチーム」

鞠莉「ハァイ!」

ルビィ「ルB!」ビシッ!

曜「賑やかなメンバーだね!」

ダイヤ「こちらの3人はとにかく鞠莉さんを抑えつつ、ルビィのお世話をお願いしますわ、曜さん」

曜「えっ」

ルビィ「宜しく曜ちゃん!」

鞠莉「曜!頼りにしてる!」

曜「えっちょ、わた、私が…?」オロオロ

花丸「うーわ曜ちゃん可哀想ずら」

千歌「Aチームで良かったかも」

梨子「曜ちゃん…頑張って…!」グッ

ダイヤ「Cチームは私と」

善子「クックックッ……我がリトルデーモン達よ…汝、漆黒の闇に染まれ…!」ギラン!

梨子「Cは結構落ち着いたチームね」

曜「何でCチームはまともが2人もいるの!?」

善子「ちょっと!1人抜けてるわよ!」

ダイヤ「これには理由がありまして」

曜「えっ?」

梨子「私達Cチームは観光だけじゃなくて、今回の舞台のマリンメッセ福岡の下見や簡単な打ち合わせも兼ねて行くの」

果南「え?それなら皆で行った方が良くない?」

ダイヤ「私もそうは思いましたが、今はライブの建設途中、9人で伺ってはお邪魔になりますし、何より賑やかな3名をそれぞれ分散させたいという思惑もあるんですの」

善子「思惑って」

千歌「あぁ言っちゃうんだそういう事」

曜「でも3人に任せちゃっていいの?観光とかする時間が…」

梨子「私は何度か福岡に来た事あるし、正直あんまり人混みの中とか得意じゃなくて…」

ダイヤ「私も観光よりまずは色々とステージの設計や周辺を確認しておきたいと思いまして」

果南「なるほどね、まぁ3人がそれでいいなら任せちゃうけど」

ダイヤ「お任せを」

善子「私はちょっと福岡の地で堕天しなきゃならないし…AかBチームに入っても問題は無いはず…」コソコソ

ダイヤ「善子さん、消去法ですわ」ガシッ

善子「ちょ!ダイヤ!離しなさい!嫌よ私も美味しい物食べたいし博多華丸大吉も生で見たいの!」

ダイヤ「博多華丸大吉さんは知りませんが私達も美味しい物は食べますし観光もしますわよ!」グイッ!

善子「いやぁぁ!!誰かぁ!!」ズルズル

ダイヤ「では皆さん、また後程!」

梨子「あははは…じゃあまた後でね…」

善子「不幸だぁー!」ズルズル

千歌「いってら~」フリフリ

花丸「アーメンずら善子ちゃん」

曜「じゃあ私達も行こうか」

ルビィ「うん!」

鞠莉「イェース!行きまっしょ~!」

果南「そだね、時間も勿体無いし、行こうか」

千歌「だね!」

花丸「いっぱい観て回るずら~!」




──────────

──────

──


花丸「ん~!明太子美味しいずらぁ~!」モグモグ

果南「豚骨ラーメンに明太子丸々1本って斬新だね…」モグモグ

千歌「ん…確かに、ングッ沼津じゃこんっズルズルッ!……なもの食べ……んぐんぐはぁ…ゴクゴクッ……っぷはぁ!無いもんねん、ズルズルズルッ!」モグモグ

果南「喋るか食べるかどっちかにしよ?汚いよ」

千歌「あ、果南ちゃん今どっ“ちか”と“千歌”を掛けたでしょ~」ウリウリ

果南「掛けてないから」モグモグ

花丸「おにぎりおかわりずら!」

千歌「あ!私も!」

果南「私替え玉~」


~~~~~


ダイヤ「これがマリンメッセ福岡…」

梨子「大きいですね」

ダイヤ「ここでライブ…フフ、腕がなりますわぁ!」

梨子「ですね!絶対にここを満員にしてやりましょう!」

ダイヤ「えぇ!ではいざ!場内へ!」トコトコ

善子「……」スッ

梨子「ん?善子ちゃん?」

善子「あぁもしもし?えっ?今?うん大丈夫大丈夫、あー近くにいるわよ?えぇ!?それは大変!待ってて今行くか──」スススッ

ガシッ!

ダイヤ「お待ちなさい」

善子「げぇ!な、何!?今ルビィから電話があって何やらトラブルらしくてぇ!」アセアセ

ダイヤ「通話中はスマホの裏側が光るんですのよ」

善子「えっ!?嘘ぉ!?」

ダイヤ「嘘ですわ」

善子「にゃああああああ!!!嵌めたわねダイヤァ!!」シャー!

ダイヤ「さ、行きましょうか」ニッコリ

善子「やぁだぁぁぁぁぁああ!!遊ぶもぉぉぉぉん!!」ジタバタ

梨子「……まるで親子ね」クスッ


~~~~~


曜「さて、私達はどこ行こうか」

鞠莉「ズバリ!博多タワー!」ビシッ!

ルビィ「博多駅周辺で遊ぶのもありじゃない?」

曜「んーそうだね…みんなお腹はどう?」

鞠莉「ペコペコ!」

ルビィ「ルビィもお腹すいた!」

曜「じゃあまずは美味しい物食べて、それから博多タワー行こうか!」

鞠莉「賛成でぇーす!」

ルビィ「うん!」

曜「よし!じゃあ博多駅に出発であります!」トコトコ

ルビまり「「おぉ~!」」トコトコ

曜(あれ、すっごい扱いやすい)



鞠莉「2人とも!見てみて!豚骨ラーメンが重箱に入ってる!!やっべ!!すっげ!!」ウキウキ

ルビィ「豚骨ラーメン美味しい!」ズルズル

曜「美味しいね!」ズルズル


~~~~~


ルビィ「アイス!ルビィアイス食べたい!」

鞠莉「what!?豚骨味や明太子味のソフトクリーム!?ルビィ食べてみましょ!!」

曜「ちょ」


~~~~~


鞠莉「アイス食べ過ぎちゃった…」ゲフゥ

ルビィ「でも美味しかったよね!」

曜「うん…あ、そろそろバスの時間じゃない?」

ルビィ「ほんとだ、バス停行かなきゃ!」

鞠莉「よぉぉおっし!全速前進で行くわよぉぉ!!」ダダダッ

ルビィ「あぁ!鞠莉ちゃん走っちゃ危ないよぉ!」タッタッタッ

曜「あぁ2人とも走らないでよぉぉ!!」タッタッタッ


~~~~~


鞠莉「走らなくても余裕だったわね」ケラケラ

ルビィ「うぅ…走ったからお腹痛い…」

曜「ハァ…ハァ…」


~~~~~


鞠莉「おっほほ!高いわ!高いわ曜!ルビィ!」

ルビィ「あ!見てみて!おっきい建物!」

曜「ふ、2人ともペース早くない?」


~~~~~


ルビィ「次あれ!!あれあれ!」ダダダッ

鞠莉「イェーイ!Let's Go!」ダダダッ

曜「ちょ…まっ……」ゼェゼェ


~~~~~


ルビィ「あ、千歌ちゃんからLINEだ」

ルビィ「あと1時間したらホテル集合だって」クルッ

曜「ハァ……ハァ……そ、う……」ゼェゼェ

鞠莉「oh…」グギュルルル

ルビィ「ぅえっ!?ど、どうしたの!?」

曜「いや…ぜんぜ……だ…ハァ……じょ、だから……」ゼェゼェ

ルビィ「全然大丈夫そうじゃないよ!?鞠莉ちゃんに至っては今にも死にそうな顔だけど!?」

鞠莉「ヤバい……ソフトクリームが……あぁ……っ」グギュルルル

曜「お腹壊したの!?そりゃまずい!近くにトイレとか…!」キョロキョロ

ルビィ「この場所からだったらホテルの方が近くない!?」

曜「だ、だね!鞠莉ちゃん保ちそう!?」

鞠莉「いや……保たせないと色々と不味いでしょ…」

曜「よし!じゃあ走れる!?」

鞠莉「(笑)」

曜「あ無理っぽいこの笑い!」

ルビィ「じゃあどうするの!?もしかして…こ、ここで!?」

曜「それはアイドル以前に人として駄目だから!」

ルビィ「じゃあタクシー!タクシー使お!」

曜「その手があった!!」



~~~タクシー移動中~~~


ルビィ「ありがとうございました!」バタンッ!

曜「着いたよ鞠莉ちゃん!もう少しの辛抱だから!」

鞠莉「は、はは……2人とも…もし私がダメになったら………後はお願いね……」

曜「何言ってるの!?たかが腹下しでしょ!?」

鞠莉「その腹下しに1人の人間の人生が懸かってるのよ…」

曜「何重たい感じにしてるの!元はと言えばソフトクリーム食べ過ぎのせいでしょ!?」

ルビィ「ルビィ鍵貰ってくる!」

曜「お願い!鞠莉ちゃんあと少しだから!」

鞠莉「はぁ……はぁ……」


~~~~~


ルビィ「間に合った……」グッタリ

曜「うへぇ……疲れたぁ…」グッタリ

ルビィ「お疲れ様曜ちゃん…」

曜「ははは……それほどでも…」

ルビィ「とりあえずお姉ちゃん達に先ホテルに戻ってるってLINEするね」

曜「うん」

ルビィ「はぁ~…にしてもいいホテルだねここ」

曜「うん…ベッドもふかふかで眠くなっちゃうよぉ……」

ルビィ「あはは、まだ皆戻ってくるまで時間あるし少し寝たらどう?」

曜「うんそうしよっかなぁ……」ウトウト

曜「でもまだ観光した……ぃ……Zzz」グゥ…

ルビィ「はやっ!」


ガチャッ


鞠莉「無事帰還したわ…」

ルビィ「あ、おかえり鞠莉ちゃん」

鞠莉「完全にはしゃぎ過ぎたわ……ダイヤにまた怒られちゃう…」

ルビィ「ルビィもはしゃぎ過ぎちゃった…」

鞠莉「あら?曜ったら寝ちゃったのね」

ルビィ「うん、ルビィ達が散々振り回しちゃったから疲れたんだね…」

鞠莉「ごめんなさいね曜…ぐっすりお休み」

ルビィ「お腹の調子は大丈夫?」

鞠莉「えぇ、何とかね……」

ルビィ「そっか!なら良かった!」

鞠莉「ルビィにも迷惑掛けたわね」

ルビィ「うぅん、そんな事無いよ」

鞠莉「もっとしっかりしないと、私は先輩なんだし…!」

ルビィ「あまり気を張りすぎないでね?」

鞠莉「はぁ~一安心したら喉渇いちゃった…」

ルビィ「あ、それなら事前に買っておいたコーラがあるよ」ガチャッ

鞠莉「んーコーラよりもコーヒーって気分かなぁ…」

ルビィ「あー…コーヒーは無いよぉ…」

鞠莉「確か下に自販機あったわよね?」

ルビィ「あ、そう言えばあった」

鞠莉「ちょっと買ってくるわ。ルビィは何かいる?」

ルビィ「ううん、ルビィはコーラでいいよ」

鞠莉「そう、じゃあ鍵持って行くわね」

ルビィ「はーい」


ガチャッバタン!

ルビィ「ルビィも喉渇いちゃった」グググッ


プシャァァァァ!!!


ルビィ「ピギャッ!?」

ルビィ「うぇぇ……ベトベトだよぉ……」ビチャビチャ

ルビィ「お風呂……溜めないと…」





ガチャッバタン


鞠莉「フンフフンフーン♪」

鞠莉「あら?お風呂?」

鞠莉「曜?……は寝てる。じゃあルビィね」


コンコンッ


\わっ!?/


鞠莉「ルビィ、着替えは持ってる?」

\あ、持ってるよぉ/

鞠莉「そう。………あら、床が湿ってる…?」

\ごめんなさい、コーラ溢しちゃって…/

鞠莉「あぁそうだったの、大丈夫?」

\うん/

鞠莉「なら良かったわ。ごゆっくりね」



ルビィ「あ、ありがとう…」

\ちゃんと温まるのよ?/

ルビィ「はぁ~い」

ルビィ(ふふっ…鞠莉ちゃん、お姉ちゃんみたい…)


グギュルルルルルルルル!!


鞠莉「はぅわっ…!?」

鞠莉「oh…不味い……第二波がく…る……ッ!」ギュルルルルル

鞠莉「でもホテルのトイレってお風呂と一緒なのよね…」

鞠莉「今はルビィが入ってるし…」

鞠莉「あぁ……っ…!だ、め…これは…っくぅ……」ギュルルルルル

ルビィ「はぁ~♪お昼頃に入るお風呂も気持ち良くていいなぁ~♪」


コンコンコンコンッ


ルビィ「あれ?鞠莉ちゃん?」

\sorryルビィ…ちょ、トイレを…/

ルビィ「え?…あっお腹痛いの!?」

\yes……うああぁ……/

ルビィ「えっあっい、今上がるか──」ハッ


ルビィ(ルビィが身体拭いて着替えてる間、辛そうな鞠莉ちゃんをほっとく訳にはいかないよね…。しかも間に合うかどうかも分からないし…)


ルビィ「……か、鍵開いてるよ!」

\………え?/

ルビィ「大丈夫、ルビィは全然そういうの気にしないから!」

\え、でも……流石に…っずぅ!……ぐぁ…ッ……は、ぁあ……!!/

鞠莉(ヤバい…!間に合わなさそう…!)ギュルルルルル


ガチャッ!


鞠莉「sorry…使わせてもらうわ…」

ルビィ「あ、うん…」カーテンシャッ

鞠莉「…………」スッ

ルビィ「……えと、ルビィその間浴槽の中に潜ってようか?」

鞠莉「多分それだと溺死するわ」

ルビィ「あ、だ、だよねぇ!」アセアセ

ルビィ(はぁ……こういう事もあるから、お風呂とトイレは別々にして欲しいなってルビィは思うなぁ…。だってお互い気まずいもんね)

鞠莉「…………の、……っ…らごめ……さ…」ボソボソ

ルビィ「え?」

鞠莉「ぅ……その…」

ルビィ「……?」

鞠莉「に、臭ったらごめんなさい…////」

ルビィ「え、あ、う、うん大丈夫だよ」

ルビィ「…………」

ルビィ(え、なに!?すっごく可愛い!何今の!?カーテン越しで顔見えないけど声震えてるし絶対顔真っ赤だよ!)

ルビィ(どうしよ、ルビィの中の母性が疼いたよ。果南ちゃんみたいに今すぐ鞠莉ちゃんをハグしたいんだけど)

ルビィ(……ダメダメ。落ち着いて黒澤ルビィ。鞠莉ちゃんは今苦しんでるんだよ。何を考えてるんだろ…とにかく、鞠莉ちゃんに気を遣わせないようにしなきゃ!)

ルビィ(でも何をしよう…何か話題………話題……えぇっと……、気が散るかなぁ…)ウゥム

ルビィ(敢えて何も言わないでこのままの方がいいのかな、それかササッと出て鞠莉ちゃんを一人にした方がいいのかな…)

ルビィ(鞠莉ちゃんはどうして欲しいのかな…)

鞠莉「……っふ、く…………んっ……」

ルビィ「」

ルビィ(……………………はっ!ボーっとしてた……のぼせちゃったかな……)

ルビィ(というか、鞠莉ちゃん我慢してる…?声震えてるような……)

鞠莉「はぁ…はぁ…ふぅ、…っつ……ん……」

鞠莉(マズイ……これ絶対音出るわね…いえそれどころか臭いも凄まじいかも……)

鞠莉(やっぱりここじゃなくて1階のトイレを使った方が……)

鞠莉(…………間に合う気がしないわ。もし道中で漏らしてしまったらテロになってしまうし、何より私達はAqoursとして顔を知られている……)

鞠莉(外で脱糞しようものなら、それは浦の星女学院に糞を投げつけているようなもの…!)

鞠莉(だからその選択肢はまず無い……となるとやっぱりここで……)

鞠莉「……っふ、んん……」ギュルルルルル

鞠莉「はぁ……はぁ……」チラッ

鞠莉(このカーテンの向こうにルビィがいるのよね……うぅ……恥ずかしすぎる…)

鞠莉(ダイヤの妹だし、小さい時もよく知ってるし、それが余計に恥ずかしいわ////)

鞠莉(しかも優しいルビィは真っ先に「そういうの大丈夫」って言ってくれた事……このせいで余計にし辛い状況になった上、もし出してしまった時に「oh!ごめんなさいルビィ!私ったらお腹が空いてたのね~!凄いお腹の音鳴っちゃった~!」って誤魔化しも効かなくなってしまった……!)

鞠莉(マズイ……完全に八方塞がりよ…もうここで出すしか……)ギュルルルルル

鞠莉(…………ハッ!そう、そうよ!
解決するのはそこじゃない…!
する場所じゃなく、音の問題を解決すればいいのよ!)

鞠莉(今日本の女性用トイレには欠かさない新システム……!そう!音姫!!)


説明しよう!
音姫(おとひめ)
正式名称、トイレ用擬音装置(トイレようぎおんそうち)

音姫とは、音響機器の一つで、水洗音などを擬似的に発する機能を持つ。

主に女性用トイレ内の個室に設置される。水洗トイレの洗浄音を擬似的に発生させることで、排便・排尿や生理用品を交換する時、および衣服をずらした時などに発生する音(これらの音を以下「排泄音」という)をマスキング(より大きな音で隠すこと)するために用いられる音響機器の一種である。

こういった装置の生まれた背景には、日本人の特に女性に見られる自分の排泄音を他人に聞かれるのを嫌う羞恥心があげられる。擬音装置が開発される以前は、排泄音を隠すため、排泄時に水洗トイレの水を流す(場合によっては個室を使用している間中水洗レバーを倒して水を流しっぱなしにする)人がおり、こと多くの人が利用する公衆トイレでは無視できない水資源の無駄遣い、ひいては施設の維持コスト増加の要因ともなっていた。擬音装置はこうした水の無駄遣いを防止し、また経済的負担を軽減するため、水を流して音を消す行為を代替させる目的で開発された。こうした意識は日本特有であり、外国において排泄中の音が他人に聞こえることを恥じたり、それに伴う“音消し”行為はほとんど見られない。

近年は節水や施設利用者へのサービスの一環で、この装置を導入する施設が増えている。装置の形式としては、洋式便座の一機能となっているものと、電源が得にくく個室も狭い既存のトイレにも後付け可能な壁掛け電池式


鞠莉(OK、もういいわWikipedia)

鞠莉(フフフ……音姫さえあれば誰も傷つかずこの場を乗り越えられる!)

鞠莉(今こそ歌の女神!音姫よ!あなたの華麗な旋律を奏でなさい!)チラッ

鞠莉(…………………………あれ、ボタンが無い)

鞠莉(嘘、あれ……?あれ……?)キョロキョロ

鞠莉(……ここのトイレ、音姫システム無いの?)

ギュルルルルル

鞠莉「はぅっ……!」

鞠莉(ヤ、ヤバい…!コイツ…一瞬の隙を突いてきた……ッ!!駄目……決壊する……!!)

鞠莉(せ、せめて………!!!流水音だけでも!!!)ググググ


ギュルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!


鞠莉「あ」




~只今音声が乱れております~





───────────


──────


──



ルビィ「…………」

鞠莉「」

ルビィ「…………ぁ」

鞠莉「」

ルビィ「あの、鞠莉……ちゃん……?」

鞠莉「」

ルビィ(どうしよ、反応が無い。
何かその……凄い音だったけど、やっぱりルビィに聞かれたから多分今死ぬ程恥ずかしいんだと思う…)

ルビィ(で、でも鞠莉ちゃんならきっと)


『鞠莉「あっはははは!!ごめぇ~んルビィ!!いやぁ~やっぱりアイスは程々にするべきね!てへぺろっ!」』


ルビィ(…………うん、きっとこんな感じ───)

鞠莉「……ぅう……ぐすっ…………、ひっく……っ…」

ルビィ(ってえええええ!?!?号泣!?!?)

ルビィ(嘘でしょ!?こんなのルビィが何をどうフォローしたって無理だよ!)

鞠莉「うぅ…ごっ……め、なさ……ルビィ…ごめんなさい…っ…!」

ルビィ「えぇ!?い、いや…う、うぅん!全然全然!!気にしてないから!それより大丈夫!?」カーテンシャッ

鞠莉「きゃああああああああああああ!!!//////////////」


ガチャッ!ダダダダッ!!

ルビィ「うぇええええ!?!?鞠莉ちゃんどこ行くのぉ!?!?」ガバッ!

ルビィ(というか何でルビィに見られて恥ずかしがるのぉ!?恥ずかしいのは音じゃないのぉ!?)

ルビィ「ま、待ってぇ!!」タッタッタッ


ガチャッ!


ルビィ「えっ、鞠莉ちゃん!?」

ルビィ(部屋から出ちゃったよ!!どうしよ!鞠莉ちゃんパンツ穿いてないよ!!)

ルビィ(もし誰かに見られたら不味い……Aqoursがノーパン集団だって誤解されちゃうかも!)

ルビィ「……止めなきゃ!鞠莉ちゃん!!」ダダダッ!!


ガチャッ!


鞠莉(もう無理、耐えられない)

鞠莉(ルビィにあんな汚い音を聞かせて)

鞠莉(ルビィは気遣ってくれたけど)

鞠莉(きっと内心では私を軽蔑してる)

鞠莉(あぁ……これがAqoursの終着点なのね……)

鞠莉(悪くない青春だったわ)


\…リチャ……マ……チャ……/


鞠莉「……え?」クルッ

ルビィ「鞠莉ちゃ~ん!!」タッタッタッ

鞠莉「えぇ!?!?ルビィ!?!?」

ルビィ「駄目!!早まらないで!!」ガシッ

鞠莉「ス、STOP!別に何もしないわよ!?」アセアセ

ルビィ「……へ?そうなの?」

鞠莉「えぇ、別に何か良からぬ事をしようとか、そんな事考えてないわよ」

ルビィ「よ、良かったぁ~……あのまま鞠莉ちゃんがルビィの前から消えちゃったらどうしようって……ルビィ怖くて……」グスッ

鞠莉「ルビィ……」

鞠莉(私は……なんて馬鹿なの)

鞠莉(解っていたじゃない。ルビィはこんな事で人を嫌いになんてならないって)

鞠莉(なのに私はルビィに嫌われるのを恐れて……逃げて……ほんと、迷惑掛けてばかり……)

ルビィ「良かった……本当に良かったよぉ……」ポロポロ

鞠莉「……ルビィ」


ぎゅっ


ルビィ「あっ……」

鞠莉「ごめ……うぅん。ありがとう」ギュッ

ルビィ「鞠莉ちゃあん……ルビィは嫌いにならないから……っ!どんな事があっても!ルビィは鞠莉ちゃんの事大好きだよっ!!」

鞠莉「ありがとうルビィ…私も大好きよ…!」

ルビィ「……えへへ!」

鞠莉「……………ところでルビィ」

ルビィ「ふぇ?」

鞠莉「あなた全裸で追い掛けてきたの?」

ルビィ「…………………………へ?」

鞠莉「いや、あなた全裸よ?」

ルビィ「嘘」

鞠莉「………目線、下に向けてみて」

ルビィ「…………」チラッ


すっぽんぽぉぉぉぉぉんん


ルビィ「~~~~ッッッ!?////////」カァァ

ルビィ「ピギャ────」ムグッ

鞠莉「駄目よルビィ!」

ルビィ「ん~~!ッッ……つ、ふ……っ………」

鞠莉「ここで大声を出したら他の宿泊客が出てきちゃう!」

ルビィ「っ…………んむぅ……」コクコク

鞠莉「とりあえず部屋に戻るわよ…」コソコソ

ルビィ「ん………」コクッ

鞠莉(大丈夫、今日はまだ平日。宿泊客もまだそんなにチェックインしてないはず……時間も時間だし、きっと大丈夫…)トコトコ

鞠莉「……ふぅ、よし着いたわ」スッ


ガゴン!

鞠莉「……ん?」

ルビィ「ん?」

鞠莉「…………」ガシッ


ガゴン!


鞠莉「………………っふー…………」


ガン!ガン!!ガン!!!


鞠莉(オートロックゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!)

ルビィ(ああああああああああああ!!!)

鞠莉「不味いわ!不味い不味い不味い!!ルビィ鍵は持ってないわよね!?」

ルビィ「うぅ……ぅ…………」ポロポロ

鞠莉「持ってないわね!その反応は駄目なやつね!」アセアセ

鞠莉(どうする!?考えろ!考えるのよ鞠莉!ここは5階…1階のフロントに行って事情を話せば開けてくれるのは間違いないわ……)

鞠莉(けど、その間全裸のルビィはどうする!?ここの廊下には隠れる場所が無い!一緒に連れて行っても確実に見られる!)

鞠莉(ダイヤ達がホテルに戻ってくるまで早くても30分は掛かる…スマホも持ってない……チェックメイトね……)

鞠莉(ダイヤ……果南……助けて…私、どうすればいいの……?)


ぎゅっ


鞠莉「!」

ルビィ「まり……ちゃ……っ……」ウルウル

鞠莉「っ!……ルビィ…!」

鞠莉「…………」

鞠莉「…大丈夫よ、絶対に護るから!」ニコッ

ルビィ「ま…鞠莉ちゃ……鞠莉ちゃあん!」ダキッ

鞠莉「No Problem、私に任せて」

ルビィ「うん…!」

鞠莉(……とは言ったものの、どうする?)

鞠莉(1階のフロントにも行けない。鍵もスマホも無い。隠れる場所も無い。私はノーパンだし、ルビィに至っては全裸……)

鞠莉(見つかるのも時間の問題……)


\ピンポーン/


ルビまり「!!!」


\5階です/


鞠莉(誰かが降りた!?不味い!このままだと見られる!)

ルビィ「うぅ……っ」ギュッ

鞠莉「くっ…!」ギュッ

鞠莉(どうする!?どうする!?どうすればルビィを護れるの!?)

鞠莉(…………私なんかに護れるの……?)

鞠莉(幼なじみも、学校もろくに護れなかった私に……今更護れるの……?)

鞠莉(……ダイヤ、あなたならこんな時どうする……?)

鞠莉(果南、あなたならこんな時…………)

鞠莉「………」


『ルビィ「鞠莉ちゃあん……ルビィは嫌いにならないから……っ!どんな事があっても!ルビィは鞠莉ちゃんの事大好きだよっ!!」』

『ルビィ「まり……ちゃ……っ……」ウルウル』


鞠莉(……ほんっと、私ってばお馬鹿ね。
ルビィが私を頼りにしてるって言うのに!私ったらナーバスになって!!
本ッッッ当に嫌になる!!!
一度護るって決めたからには、私の全部を犠牲にしてでも護り抜く!!!)グッ


\ソレデソイツガサー!アハハハハ!!/


ルビィ「ピギッ!?おと、男の人の声…」サーッ

鞠莉「………っ」ギュッ

鞠莉(絶対に護る…理事長としてじゃなく、Aqoursのメンバーとしてでもなく……)


鞠莉(一人の小原鞠莉として!!)


鞠莉「ルビィ」

ルビィ「鞠莉…ちゃん…」ウルウル

鞠莉「少しだけ、我慢して貰える?」ガバッ

ルビィ「……へ…?」ドサッ

鞠莉「シーッ…」



男1「つか部屋どこよー?」トコトコ

男2「508号室だからかなり奥じゃね」トコトコ

男3「景色良いの期待するわw」トコトコ

男1「5階だから大した事ないだろw」トコトコ

男2「まず景色とか子供かよw……ん?」チラッ

鞠莉「………」ギュウウウウ

ルビィ「………」

男2「ぅおっ!?」ビクッ

男1「ん?どした?」

男2「バッ!やめとけ!」サササ

男3「うぉっ……!」ビクッ

男1「すっげ…」ニヤニヤ

男2「おい行くぞ、あんまジロジロ見んなって」サササ

男3「……昼間っから抱き合ってるよ…外国人だよな?」

男1「一人金髪だしそうなんじゃね?」

男3「文化の違いかぁwアメリカとかはあーゆーのオープンだもんなw」

男2「声でけーって!wほらさっさと入るぞ」ガチャッ!


バタン!


鞠莉「…………」チラッ

鞠莉「……っはぁぁぁぁあ……」

鞠莉「何とか誤魔化せたわ…金髪で良かったわ…」

ルビィ「」

鞠莉「あっ!ルビィ大丈夫!?苦しくなかった!?」

ルビィ「……ふ、へへ……////」

鞠莉「……ルビィ?」

ルビィ「えっ////あっ////だだだいじょうぶだよ////」アセアセ

鞠莉「顔真っ赤だけど、もしかして風邪引いた!?」

ルビィ「いやっち、違っ……////」アタフタ


\ピンポーン/


\5階です/


ルビまり「!?」

鞠莉「またきた!ごめんルビィ!もう少しだけ!あと少しだけ我慢して!」ガバッ

ルビィ「きゃっ」ドサッ


\エーイガイー!マジナンダッテー!/


鞠莉(今度は男女ね…数は2~3人かしら…)

ルビィ(……)ポー

ルビィ(ち、近い……////鞠莉ちゃんとルビィの鼻先が当たっちゃうくらいに……////)

ルビィ(これじゃ今から……そ、その、ルビィと鞠莉ちゃんが…………ち、ちっちちちちゅーする雰囲気みたいで…////)カァァ

ルビィ(ダ、ダメだよぉ!ち、ちゅーなんてして、お姉ちゃんにバレたら怒られちゃう……////)

鞠莉(……!やっぱりルビィの顔が赤いわ。湯冷めしちゃったから体も震えてる……)

ぎゅっ!

ルビィ(あぁ…////)

鞠莉「暖めたげる」ボソッ

ルビィ(あぁ………………/////////////)

ルビィ(鞠莉ちゃんの匂い……好き……////)ギュッ

ルビィ(鞠莉……ちゃん…………////)






────────────



───────



──








ルビィ「…………ん、んん……」

ルビィ「……ん~…………?」パチッ

ルビィ「…………ここは…」ムクリ

ダイヤ「全く意味が分かりませんわ!!」

ルビィ「あ、お姉ちゃん…」

鞠莉「だぁかぁらぁ~!再三話したでしょ~?オートロックなの忘れてて2人して出ちゃったのよ!」

ダイヤ「そこは理解してます!私が言いたいのは何故ルビィが全裸で、鞠莉さんは下着を身に付けていなかったのかを訊いてるんです!」

鞠莉「女の子は時々解放したい時があるでしょ?そ・れ・よ!」

ダイヤ「そ・れ・よ!じゃありません!!うちのルビィが風邪でも引いたらどうするんですの!?」

鞠莉「だ、大丈夫だから!さっき熱計ったら平熱だったし!……って、ルビィ!起きたの!?」

ダイヤ「え!?ルビィ!?」ガバッ!

ルビィ「あ、お姉ちゃん……おはよ…」

ダイヤ「ルビィ!何があったのです!?鞠莉さんに何をされたのです!?」ユサユサ

ルビィ「うわっお姉ちゃん落ち着いてぇ!」ガクガク

鞠莉「何もしてないってぇ~」プクー

ダイヤ「お黙りなさい!あの状況を見て何も無いと思わないでしょう!?」

ルビィ「お姉ちゃん違うの!鞠莉ちゃんはルビィを護ってくれたんだよ!」

ダイヤ「……え?ま、護った?」

ルビィ「うん」チラッ

鞠莉「!……////」ブンブン

ルビィ「……鞠莉ちゃんはルビィを護ってくれたんだもん」

ダイヤ「護った、とは?」

ルビィ「…………」

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「ふふっ♪ヒミツ!」

ダイヤ「…………なっ!?」

鞠莉「そうデース!これは私とルビィのヒミツなのデース!」

ダイヤ「はぁ!?」

ルビィ(そう、これはお姉ちゃんにも言えないルビィと鞠莉ちゃんだけの)

ルビィ(ちょっぴりドキドキで暖かい想い出)

ルビィ(やっぱりお風呂とトイレは一緒でもいいかな)



~終わりですわ~

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