フレデリカ「プールごっこ」 (23)


これはモバマスssです

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杏「……あつい……」

肇「心頭滅却すれば火もまた涼し、ですよ。杏ちゃん」

杏「いや無理じゃない?これ落ち着きとかで涼しくなるレベルじゃないって」

肇「……ですね……」

杏「廊下ももっと冷房ガンガンにかけてくれれば良いのに」

肇「ま、まぁ部屋に戻ればきっと冷房で冷え切ってる筈ですから」

杏「たしかに。文香ちゃんの事だから『汗で本が滲んでしまっては大変ですから』とか言いそうだしね」

肇「そうと決まれば、部屋まで競争ですね!」

杏「走んないよ?」

肇「負けるのが怖いんですか?」

杏「その安い挑発に乗るのは文香ちゃんくらいだから」





ガチャ

杏「ただーいまー」

肇「お疲れ様です、ただいま戻りました」



フレデリカ(水着の姿)「ひゃっほーっ!」

文香(水着の姿)「ふふ、フレデリカさんったら……ウォータースライダーは1日3回までですよ?」

フレデリカ「文香ちゃんも本読んでないで泳ごー?」

文香「……そう、ですね……せっかくの海なのですから、勿体無いかもしれません」

フレデリカ「プールプール、ここプールだからねー?」

文香「……失礼、せっかくのプールなのですから、の間違いです」



杏「もう何やってるか分かった」






フレデリカ「あ、おはよー肇ちゃん、杏ちゃん」

肇「ふふ、お疲れ様でした」

文香「……逃げるんですか?」

肇「は?」

文香「……なにか?」

杏「あー……もう逃げられないやつだ」

フレデリカ「えっとねー、いまねー?」

杏「どーせ最近暑いから、プールに来た事にして涼しいと思い込もう、とかでしょ?」

フレデリカ「……いまねー?」

杏「続けなくていいから」

フレデリカ「いまじねー?」

杏「やっぱ想像じゃん」






肇「それで、二人は水着姿なんですね」

フレデリカ「いぇーっす!やっぱりこういうのは気分だからねー?」

文香「悔しいのですか?」

肇「言い返しませんよ?悔しくありませんから」

杏「取り敢えず冷房入れていい?」

フレデリカ「だめだめ杏ちゃん」

文香「そうです……海に冷房などありませんから……」

肇「プールではないんですか?」

杏「設定が適当過ぎるでしょ」



フレデリカ「二人も水着に着替えたらー?きもちいいよ?」

肇「事務所に予定なく水着を持ってくると思ってるんですか?」

杏「杏たちの事バカにし過ぎでしょ」

文香「…………?」

杏「文香ちゃんその『事実では?』みたいな目やめよ?」

文香「目は口ほどに物を言う、と言いますから」

杏「あー口に出すまでもないと」

フレデリカ「でもアタシ達だけプール楽しんじゃうのなんだか可哀想だよねー?」

肇「二人の方が充分可哀想な人だと思いますが……」

杏「事務所で水着に着替えてソファでウォータースライダーごっこやってる人の方がよっぽど可哀想でしょ」




フレデリカ「…………むむっ?」

文香「………………あぁ、なるほど」

フレデリカ「杏ちゃんや肇ちゃんがここまでこき下ろすって事はー?」

文香「……持って来ていない……ふむ、そういう事ですか」

杏「おっ?」

肇「ふふ、どうやら私達の事を多少は理解出来ているようですね」

杏「まぁね、うん」

肇「つまり、そういう事です!」




杏「本気で二人をバカだって思ってるって事だよ」

肇「家から水着を着て来ました!!」バッ!

杏「えっ」

肇「えっ、違ったんですか?」

フレデリカ「わぁお、肇ちゃんの水着かっわいー!」

文香「ふふ……肇さん、理解(わか)っていますね」

杏「えマジ?」

肇「……え、逆に杏ちゃんはなんでこんなに暑い日に水着を着て来なかったんですか?」

杏「どこらへんが逆なのか知りたい」

フレデリカ「……杏ちゃんは、大人になっちゃったんだねー……」

肇「プールのある日は、家から下に水着を着て行くものですよね?」

文香「……きっと、そのような童心は失ってしまったのでしょう……」

フレデリカ「世間の荒波に揉まれすぎたんだねー……」

肇「可哀想……」

文香「なんて……哀しい……」

フレデリカ「杏ちゃん……そんなになるまで、疲れ果ててたんだね……」

杏「ツッコむの面倒だから杏寝てるよ?」




杏「ってかさ、暑くないの?冷房入れずに室内ではしゃぐとか」

フレデリカ「えっ?べ、べつにー?」

杏「汗凄いけど」

フレデリカ「プール上がりだからねー。良く言うでしょ?水も滴るイオン」

杏「水没してるじゃん」

肇「ビーチバレーしませんか?」

文香「構いません、負けた方がバーベキューです」

フレデリカ「ボールはどーする?」

肇「流石に持って来ていないので、何かで代用しましょう」

文香「……丁度良いところに、良さげな湯呑みが……」

肇「こっちの本棚とかでどうでしょう?」

杏「やめて。スルーしようと思ったけど杏に流れ弾来たらやばいからやめて」



杏「はい、せめてコンビニのビニール袋でやってね」

フレデリカ「チームはどうするー?」

肇「私は杏ちゃんと組みます」

杏「やらねぇつってんだろ!」

文香「では、私はフレデリカさんとですね」

フレデリカ「あれー?なんで杏ちゃんはまだ水着に着替えてないのかなー?」

杏「無いからだけど」

文香「仕方ありません……水着の代わりに、こちらの夏の代名詞をお貸しします」

杏「うん、ビーチバレーって浴衣でやるもんじゃないと思う」



杏(浴衣の姿)「よし、杏からサーブだね」

フレデリカ「ふぁいとー!」

文香「何処からでも……かかって来なさい」

肇「狙うなら目ですね。後は首の後ろがおススメです」

杏「……えいっ」

ぱしゅっ

ぽとん

杏「とばない」

肇「でしょうね」




フレデリカ「次は何するー?」

杏「杏が言うのあれだけど飽きるの早過ぎるでしょ」

文香「……っ!ビーチと言えば……!」

フレデリカ「プール」

文香「……プールと言えば、プールフラッグです!」

杏「あー、廊下の方が長いし廊下でやらない?」

肇「旗はどうしますか?」

杏「ペットボトルで良いんじゃない?」




~廊下~

杏「じゃ、先にペットボトル取った人が勝ちね」

肇「……良いでしょう」

文香「異論はありません」

フレデリカ「おっけー!」

杏「……事務所の廊下にアイドル三人が水着で突っ伏してるのめっちゃシュール」

肇(ペットボトルまで約20メートル。普通に走れば私は負けませんが……)

文香(普通に走っては、肇さんに勝てない……ここはやはり、定石通り……)

フレデリカ(もー飽きた)

肇(おそらく文香さんはこちらへ攻撃を仕掛けてくるでしょう……その場合、私が取るべき行動は……)

文香(おそらくフレデリカさんも、開始と同時に肇さんへ攻撃を放つ筈……2対1なら、いくら肇さんと言えど……)

フレデリカ(ふんふんふふーん、ふんふふふーん)



杏「位置に着いてー?」

文香「…………」

肇「…………」

フレデリカ「…………」

杏「よーい」

文香「先手必勝っ!」

肇「後手必殺っ!!」

ごんっ!

どすっ!

文香「まだ……ですっ!」

肇「太刀筋が見え見えですよ……甘いっ!」

杏「……どん」

フレデリカ「ふっふーん!アタシの勝ちー!」

文香「なっ、いつの間に……っ?」

肇「フレデリカさんの手に、ペットボトルが……!」

フレデリカ「実は最初からもう一本隠し持ってたんだよねー」

文香「……たしかに、ルールは先にペットボトルを取った人が勝ち」

肇「どのペットボトルかは指定されていない……完敗です、フレデリカさん」

杏「いや反則だから」





~部屋~


フレデリカ「次、なにするー?」

文香「海っぽい遊び……海っぽい……」

肇「……陶芸?」

杏「昼寝」

フレデリカ「パリジェンヌ」

文香「読書」

杏「じゃ、各々それで」

肇「……水着になった意味は……?」

杏「無い。杏なんて浴衣だし」




杏(浴衣)「……んんー……ねむ……」ゴロンッ

文香(水着)「……ふむ……そういう展開ですか……」ペラッ

肇(水着)「…………ふぅ、なかなか悪くない出来ですね」

フレデリカ(水着)「ふんふんふふーん、ピサの斜塔は夏と冬で長さが数センチ異なるフレデリカ~」

バタンッ!

朋(サンタさんの服)「ねぇみんな、茄子さんがクリスマス気分味わいたいからサンタコスしよとか言ってくるんだけど一緒にどうかしら?!」

杏「うわそっちバカだ!」

朋「うわこっちバカしかいないわ!!」



以上です
とても久し振りに書いた気がします
お付き合い、ありがとうございました

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