ゆるゆり】あかり「さーて、今日はお散歩に行こっかな?」 (153)


(ごらく部)


京子「この前、ふと空を見上げたらトナカイが飛んでてさー」

結衣「そーんなわけないだろー」

ちなつ「ほーんと、京子センパイって冗談ばっかりなんですから」

あかり「え?トナカイさんが?」



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京子「あれ、絶対サンタが飼ってるのが逃げ出したんだって」

結衣「んなわけないだろ」

ちなつ「いくつなんですか京子センパイは」

あかり「じゃあ、サンタさん今ごろ困ってるかもねー」



京子「いやー、空飛ぶトナカイが逃げたら、捕まえるのが大変だねぇー」

結衣「そんじゃ、こっちも空飛んで追いかけるしかないな」

ちなつ「ヘリコプターとかで追いかけるんですかね?」

あかり「きっと、お腹が空いたら帰ってくるよー」



京子「・・・」

あかり「ん?どうしたの京子ちゃん?」

京子「あかりってさ」

あかり「ん?」



京子「何かこう、会話がありきたり過ぎて面白みに欠けるっていうか・・・」

あかり「え、ええっ?」

あかり「そ、そんな事ないよね?結衣ちゃん、ちなつちゃん?」



結衣「・・・」

ちなつ「・・・」

あかり「結衣ちゃん!?ちなつちゃーん!?」



京子「正直、普段の会話はあかり抜きでも成立している気がする・・・」

結衣「い、いやそれは、な?京子」

ちなつ「あ、あのそんなにはっきりと・・・」

あかり「みんなーっ!?」



京子「だから、あかりってミジンコ並に存在感ないんだよなー」

結衣「いやそこまで無くはないだろ」

ちなつ「うーん、ミジンコよりかはあると思いますけど・・・」

あかり「もう、京子ちゃん!あとちなつちゃんも!」プンスカ










(夜、京子の家)


京子「さーって、明日は休みかー」

京子「なーにすっかなー・・・。そうだ」

京子「みんなに声かけて、たまには休日をごらく部で過ごそう!」



京子「放課後に集まるのとは違う、いつもと違った雰囲気のごらく部・・・」

京子「よし、これは楽しいぞ!それじゃみんなに電話してっと」

京子「・・・あ、もしもし結衣?明日みんなで部室に集まってダラダラしよーぜー」

京子「うん、10時ごろ。うん、そんじゃーねー」



京子「さてと、次は・・・あ、もしもしちなつちゃん?」

京子「明日、みんなで部室で過ごそうかって。うん、結衣も一緒。え?や、槍が降っても来る?」

京子「明日の天気予報は晴れだから、たぶん槍は降らないと思うけど・・・。う、うん、そんじゃ明日10時にねー」


京子「ふぅ、これでよしっと、全員に連絡したし。・・・ん?したよな・・・?」

京子「まいっか。さーて、明日が楽しみだなー」










(次の日、あかりの家)


あかり「うーん、いいお天気ー」

あかり「今日はお休みだし、外もいいお天気だし」

あかり「さーて、今日はお散歩に行こっかな?」



あかね「あら、あかりお散歩?」

あかり「うん、行ってくるねお姉ちゃん」

あかね「車には気をつけるのよ?」

あかり「はーい」










(ごらく部)


京子「どう?みんな。休日に過ごすごらく部!」

結衣「どうって言われてもなー」

ちなつ「ええ。まぁ、結衣センパイと一緒なのは嬉しいですけど」



京子「何かこう、新鮮な感じがしない?」

結衣「まぁ、新鮮っていえば新鮮だけど」

ちなつ「普段なら、この時間は教室で授業ですもんねー」



京子「今日は折角だから、普段できない事をやろう!」

結衣「普段できない事?どんな?」

京子「例えば、普段よりもっとダラダラするとか!」

ちなつ「それじゃいつもと同じじゃありませんか」



京子「さーて、マンガ読もっと。結衣、お菓子とってー」

結衣「結局それかよ」

ちなつ「それ以外にないんですか」











あかり「うーん、お天気が良くて気持ちいいなー」

あかり「今日は、いいお散歩日和だよぉ」

あかり「さーてと、どこ行こっかなー」

櫻子「あれ?あかりちゃんじゃん」



あかり「あ、櫻子ちゃーん。こんにちは」

櫻子「どっか行くの?」

あかり「ううん、いいお天気だからちょっとお散歩しようと思って」

櫻子「ふーん。ま、今日は確かにいい天気だよねー」



あかり「櫻子ちゃんは、どこか行くの?」

櫻子「それがさー、ねーちゃんと花子がこれから料理作るから」

櫻子「料理作りに役立たないアンタは、せめて材料買ってきなって」

櫻子「どーせ、私は役立たずだよー。くっそー、姉ちゃんと花子め・・・」

あかり「えー?そんな事ないよ。櫻子ちゃんは役に立ってるよー」



櫻子「え、ホントに?」

あかり「うん、そうだよー」

櫻子「私って、何の役に立ってんの?」

あかり「だって」



あかり「いつも、クラスで櫻子ちゃんがするお話とっても楽しくって」

櫻子「マジで?」

あかり「うん、あかりの役に立ってるよー」

櫻子「そ、そっかー・・・」

あかり「そーだよー」



櫻子「私って、あかりちゃんの役に?」

あかり「うん、立ってるよ」

櫻子「ヘ、へへ・・・」

あかり「うふふ」



櫻子「・・・あれ?何か元気出た。あかりちゃんのお陰かも」

あかり「え?そんな事ないよー」

櫻子「あかりちゃん、ありがとね!そんじゃ、またねー」

あかり「うん、またねー」










(ごらく部)


京子「いやー、この時間に部室でダラダラするのって、新鮮だねぇー」

結衣「ありがたがってるのはお前だけだぞ?」

ちなつ「どうせなら、結衣センパイの家でダラダラしたかったですぅ」



京子「時間も、いくらでもあるし!」

結衣「一日いっぱいダラダラする気か!?」

ちなつ「そんなに付き合い切れませんからね」



京子「えー?だってこれ、休みの日にしかできないんだよー?」

結衣「積極的にやりたくなるもんでもないだろ」

ちなつ「そうですよ」



ちなつ「・・・ところで、あかりちゃん遅いですね」

結衣「そうだな」

京子「まぁ、待ってればそのうち来るっしょー」











あかり「櫻子ちゃんって、明るくって面白いな」

あかり「さーて、どこ行こっかなー」

向日葵「あら、赤座さん」



あかり「あ、向日葵ちゃん!こんにちはー」

向日葵「偶然ですね。どこかに行くんですの?」

あかり「ううん、ちょっとお散歩してるんだ」

向日葵「あら、そうでしたの」



あかり「向日葵ちゃんは、どこか行くの?」

向日葵「ええ、ちょっと図書館に本を借りに」

あかり「へー、向日葵ちゃんって読書家なんだね」

向日葵「いえそんな・・・」



向日葵「本当なら、友達と遊んだ方がいい過ごし方なんでしょうけれど。けど櫻子は忙しそうでしたし」

あかり「あ、お使いに行ってたもんね」

向日葵「それに・・・」

あかり「ん?」

向日葵「私には友達が少ないと、櫻子にも言われて・・・」

あかり「あ、う、ううん?そ、そんな事ないよ?」



向日葵「お前は性格がキツいから、誰も寄ってこないんだよと。くっ、櫻子・・・!」

あかり「えー?そんな事ないよー。だって櫻子ちゃんも、あとちなつちゃんも・・・」

向日葵「はい」

あかり「向日葵ちゃんといると、楽しそうだもの」

向日葵「え?そうですの・・・」



あかり「うん。一緒にいて楽しいのはお友達の証拠だよー」

向日葵「じゃあ、赤座さんは?」

あかり「うん、あかりも向日葵ちゃんとお友達」

向日葵「ふふっ・・・。もう、赤座さんは」

あかり「えへへ」



向日葵「はぁ、何だか照れくさいですわね」

あかり「照れる事ないよ、向日葵ちゃん」

向日葵「何だか心が軽くなりましたわ。ありがとうございます赤座さん。それじゃ、また学校で」

あかり「うん、向日葵ちゃんまたねー」










(ごらく部)


京子「よーし、1冊目終ーわりっと。2冊目に突入ー。んー、お菓子んめぇ!」

結衣「本当にあかり遅いな」

ちなつ「昨日連絡した時、あかりちゃん遅くなるとか言ってませんでしたか?」



京子「え?昨日あかりに連絡した時?えーと、昨日連絡した時、確かあかり・・・」

ちなつ「何て言ってました?」

京子「えーと、確かそん時・・・」

京子「・・・」



京子「・・・」

結衣「・・・まさか」

ちなつ「あかりちゃんにだけ連絡し忘れてたんじゃないでしょうね?」



京子「あ、あれ?私、昨日あかりに連絡したよな?そう言われれば、自信が・・・」

結衣「お前、ひどいな」

ちなつ「今からでも電話しましょうよ」

京子「お、おう今携帯に・・・。あ、あかりの携帯つながんないなー。バッテリー切れかよ、あかりの奴・・・」



京子「仕方ない、じゃ家に・・・あ、もしもしあかりのお母さん?京子です」

京子「今、あかりは・・・。あ、外に散歩に出かけてる。じゃ、帰ってきたらごらく部に来るように・・・」

結衣「あかりには、一人だけ連絡行ってなかった事は内緒にしとかないとな・・・」

ちなつ「え、ええ、確かにあかりちゃん傷つきますねこれは」



京子「・・・ふぅ、まーったく、あかりの奴手間かけさせやがって。これも全部」

京子「あかりに存在感ないのが悪い!」

結衣「い、いやどう考えてもお前が悪いだろ」

ちなつ「結衣センパイのいう通りですよ」











あかり「向日葵ちゃんって、優しいから一緒に居るとホッとするよー」

あかり「さーてと、公園にでも行こっかなー」

綾乃「あら、赤座さん?」



あかり「あ、杉浦先輩!今日はー」

綾乃「これから、どこかにお出かけ?」

あかり「いえ、天気がいいからちょっと散歩してるんです」

綾乃「あー、確かに今日はいい天気ねー」



あかり「杉浦先輩は、どこか行くんですか?」

綾乃「いえ、ちょっと勉強の気分転換に外の空気を吸いにね」

あかり「あ、勉強してたんですね」

綾乃「ええ。そろそろテストも近いし。それに」



綾乃「この前のテストの点数、また歳納京子に負けて・・・」

あかり「あ、きょ、京子ちゃんはテスト得意ですからねー」

綾乃「ぬぬぬ・・・次こそは、見てなさいよ歳納京子ー!」

あかり「あ、あはは・・・杉浦先輩って、がんばり屋さんなんですね」

綾乃「当然よ。歳納京子なんかに負けるわけにはいかないんだから」

あかり「そうなんですかー・・・」



綾乃「ん?どうかしたの赤座さん?」

あかり「いえ・・・京子ちゃん、杉浦先輩と仲良くしてくれたらなーって」

綾乃「あ、あなたいきなり何を言い出すのよ。と、歳納京子と私が仲良くなんて、そんな・・・」

あかり「きっと、京子ちゃんも杉浦先輩と仲良くしたいなーって思ってますよ」



綾野「そ、そうかしら?歳納京子が、私と・・・」

あかり「はい。京子ちゃんもきっと、杉浦先輩とテストで競争したいと思ってませんから」

綾野「ふふ・・・。まー、確かに赤座さんの言う通りかも知れないわね」



綾野「けど、それはそれよ。やっぱり、歳納京子に負けたら悔しいし」

あかり「そうですかー・・・」

綾野「それに、私の勉強やる気の原動力になってるのよ。歳納京子は」

あかり「あ、そうなんですかー!京子ちゃん、杉浦先輩の役に立ってるんですねー?」

綾野「ふふ・・・。ええ、そうよ。・・・や、やだ私ったら、何でこんな話してるのかしら」



綾乃「・・・赤座さんて」

あかり「はい?」

綾乃「誰か好きな人はいるの?」

あかり「あかりですか?」

綾乃「ええ」



あかり「えーと、お姉ちゃんと、ごらく部のみんなと、あと櫻子ちゃんに向日葵ちゃんに・・・」

綾乃「私のことは?」

あかり「え?は、はい、好きですよ」

綾乃「そう。どんな所が?」



あかり「え?えーと、生徒会副会長をがんばってる所とか・・・」

綾乃「それから?」

あかり「そ、それから、えーと・・・」

綾乃「ふふ・・・面白いわね、赤座さんって」



綾乃「はぁ、いい気分転換になったわ。ありがとね赤座さん」

あかり「あ、いえそんなー」

綾乃「それじゃ、また学校でね」

あかり「あ、はい!杉浦先輩、それじゃまたー」










(ごらく部)


京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「・・・ねぇ」

結衣「ん?」

ちなつ「何ですか?」



京子「何か、話題ない?」

結衣「い、いやいきなりんな事振られても」

ちなつ「マンガ読んでダラダラしてたらいいじゃありませんか」



京子「いやー何かさー、みんなマンガに集中しちゃうと、こうシーンとなってさー」

結衣「い、いやそれがお前の望みだったんじゃないのかよ」

ちなつ「ええ。ダラダラしようって京子センパイが言ったんじゃありませんか」



京子「なーんか、イメージと違うー」

結衣「ったく、ワガママだなお前は・・・」

ちなつ「京子センパイ、まさか真っ先に飽き始めてませんよね?」



京子「はー、それにしても、あかり今頃どこほっつき歩いてるんだろなー」

結衣「まぁ、あかりって昔から散歩好きだったからな」

ちなつ「え?そうなんですか?」



結衣「そうだよ。それで私たちも一緒になって結構遠くまで行ったよなー」

京子「あー、そういやそんな事もあったなー、懐かしい・・・」

ちなつ「へー、そうだったんですかー」

結衣「そうそう、それで1回なんか・・・」











あかり「杉浦先輩って、がんばり屋さんだね。あかりも見習わなきゃ」

あかり「さーて、公園についたよー」

千歳「はー、今日は暑いなー」

千鶴「全くだよ姉さん、どうしてこんな日に公園の草むしりなんか・・・」



あかり「あ、池田先輩に千鶴先輩?」

あかり「こんにちはー。何をしてるんですか?」

千歳「ん?おお、赤座さん?今日はー」

千鶴「姉さんの提案で、公園の草むしりだよ」



あかり「じゃあ、あかりもお手伝いしていいですか?」

千歳「え?手伝ってくれるん?いやー助かるわー、なー千鶴?」

千鶴「うん、手伝ってくれるのはありがたいね」










(ごらく部)


ちなつ「へー、小さい頃、あかりちゃんとそんなに遠くまで行ったんですねー」

結衣「そう。もう帰ってきたら夕方近くで3人ともヘトヘトでさー」

京子「あかりってば、ほんと昔から散歩好きだよなー」



京子「まーったく、その辺歩いてなーにが楽しいんだか」

結衣「こうやって、一日中ダラダラしてるよりかはマシだろ・・・」

ちなつ「そうですよ」



京子「いーや、絶対こうしてダラダラしてる方が楽しいに決まってる!」

結衣「私は、この休みの過ごし方を徐々に疑問に思い始めている・・・」

ちなつ「はぁ、本当今頃あかりちゃん何してるんでしょうねー」



京子「そういうわけで、私は徹底的にダラダラする!ああ楽しい!結衣、ジュースとってー」

結衣「半分、ヤケになってないか?」

ちなつ「絶対、失敗したと思ってますねあれは」











千歳「いやー、赤座さんのお陰で助かったわー」

あかり「いえー、お役に立てて良かったですよー」

千鶴「これは、何かお礼をしなきゃね」

千歳「そうやなぁ」



千歳「じゃあ、はい赤座さん、アイス。うちのおごりや」

あかり「え?そ、そんな悪いですよー」

千鶴「遠慮しないでもいいよ」



あかり「そ、それじゃ、いただきます・・・。んー、おいしー!」

千歳「ふふ・・・。かわええなぁ、赤座さんは」

千鶴「そうだね、姉さん」



千歳「なぁ、赤座さん」

あかり「はい?」

千歳「どうや?ウチらの妹にならへん?」

千鶴「ああ、それはいいね」

あかり「え、えーっ?あかりが池田先輩と千鶴先輩の妹にですか?」



千歳「そうや。いっぱい可愛がるで?」

千鶴「うそうだよ。どう?赤座さん」

あかり「え、えーっと・・・」



あかり「あ、あかり、お姉ちゃんがいるし、お姉ちゃんが困っちゃうっていうか、その・・・」

千歳「ふふ・・・。ほんまにかわええなぁ、赤座さんは」

千鶴「ふふっ・・・。本当にね」



千歳「残念やなぁー。けど助かったわ赤座さん、草むしり手伝ってくれて」

千鶴「ああ、ありがとね赤座さん」

あかり「あ、いえー。あかりこそ、アイスご馳走になっちゃって」



千歳「それじゃ赤座さん、また学校でな?」

千鶴「うん、今日はお疲れ様」

あかり「あ、はい。お疲れ様でした、池田先輩と千鶴先輩も」



千歳「あ、そうそう、ウチらの妹になりたいなら遠慮せんといつでも言ってな?」

千鶴「そうだね。みんなで一緒にお風呂入って、一緒の布団で寝て・・・」

あかり「あ、は、はい、それじゃ、失礼しまーす」










(ごらく部)


京子「いえーい、上がり!どーだ、私が大富豪ー!」

結衣「・・・何か、3人で大富豪もな」

ちなつ「イマイチ、盛り上がりませんね。カードが多すぎて持て余し気味っていうか・・・」



結衣「やっぱ、トランプは最低でも4人居なきゃな・・・」

ちなつ「そうですね・・・」

京子「そ、そんな事ないだろー?」



京子「何だよさっきからみんな!せっかくの休みだってのに!」

結衣「そ、その休みをこうやって過ごそうって誘ったのはお前だろ?」

ちなつ「切れられても困りますよ」



京子「じゃあもういい!トランプはお終い!」

京子「ダラダラを再開する!」

結衣「はぁ、またか・・・」

ちなつ「本当に仕方ありませんね・・・」



京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「・・・はぁ、それにしても」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「遅いねあかり」

結衣「お前は何を人事みたいに」

ちなつ「京子センパイが連絡し忘れたんじゃありませんか」



結衣「まぁ、でもあかり今ごろ山の方とかまで行ってるかもな」

ちなつ「え?あかりちゃんそんな遠くまで散歩に行ったりするんですか?」

京子「そーなんだよ。だから気にしないでほっとこうぜー」



京子「・・・それとも、今ごろ変な事件に巻き込まれてたりして」

結衣「お、おいやめろよそういうの」

ちなつ「本当に無神経ですね」











あかり「池田先輩と千鶴先輩、お休みの日に公園の草むしりなんて感心だよー」

あかり「アイスもご馳走になっちゃったし。今度、お礼しなきゃね」

あかり「さーって、山の方まで来ちゃった」



あかり「んー、空気が爽やかだよー。涼しくって気持ちいい・・・」

「・・・」ガサ

あかり「えっ・・・」


あかり「ええーっ?」










(ごらく部)


京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「もー、おっそいなーあかりのヤツー」

結衣「だからお前が連絡し忘れたからだろ」

ちなつ「そうですよ」



京子「もうそろそろ2時間だよ?そんな散歩する?フツー」

結衣「いやほら、昔からあかりって散歩好きだったし」

ちなつ「山まで行ってるなら、そのくらいかかりますよ」

京子「そうなんだけどさー」



京子「はっ・・・。も、もしかして」

結衣「ん?」

ちなつ「どうしました?」



京子「あかり、まさか今ごろ変なオッサンに・・・!」

結衣「い、いや考え過ぎだろ」

ちなつ「だ、大丈夫ですって、そんなに心配しなくても」

京子「そ、そんで・・・」



京子「京子ちゃーん、助けてーって、今ごろ必死に私に助けを・・・!」

結衣「何でお前に助けを求めるんだよ」

ちなつ「そうですよ」



京子「えー?だって、何だかんだ言って一番あかりの面倒見てるの私でしょー?」

結衣「いやいやいや」

ちなつ「むしろ、あかりちゃんに一番ひどいじゃないですか」

結衣「そうだよ。だから、もしあかりが助けを求めるとしたら・・・」



結衣「私に決まってるだろ」

京子「えー?結衣にー?」

ちなつ「ゆ、結衣センパイ?」



結衣「そうだよ。もしそんな危ない目にあった場合、あかりは絶対に私を頼る」

京子「いやー、それはどうかなー?」

結衣「絶対そうだって」

ちなつ「うーん、けど・・・」



ちなつ「そういう時なら、きっとあかりちゃんは私のことを・・・」

京子「ちなつちゃんにー?」

ちなつ「ええ。だってクラスで一番の仲良しですし」

結衣「うーん、仲がいいのと、いざという時に頼るのはまた違うような」



京子「ま、結局あかりが一番頼りにするのは私なんだけどねー」

結衣「いや、京子よりかは私だ」

ちなつ「いえ、私です」



京子「いーや、絶対に私だ」

結衣「いや、私だ」

ちなつ「きっと私ですよ」



京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「何であかりの事で言い争ってんだろ、私たち・・・」

結衣「い、いやお前が変な事言い出すから」

ちなつ「そ、そうですよ」



京子「もー!あかりのヤツ居るときは存在感ないクセに、居ないときに存在感出してどうする!」

結衣「あかり、本当今頃何してるんだろうな。さすがに、何かに巻き込まれてはないと思うけど」

ちなつ「ま、まぁ大丈夫ですよ、きっと」











あかり「えっ、しっ・・・」



あかり「シカさん?」

「・・・」



あかり「へー、この山って、シカさんが居たんだねー」

あかり「あかり、初めて見たよー。シカさーん、おいでおいで?」

「・・・」



あかり「あ、寄ってきた。おりこうさんなシカさんだね」

あかり「あかり、ビスケット持ってるよ。食べる?」

「・・・」

あかり「わぁ、食べてる食べてる。うふふ、人なつっこいシカさんだねー」

あかり「もしかして、お腹空いてたのかな?もっと食べていいよー」


「おーい・・・」



あかり「え?あ、こ、今日は・・・」

飼い主「ふぅ、ふぅ・・・」



飼い主「やー、ありがとうな、こいつを捕まえてくれて」

飼い主「こいつが二日ほど前から逃げ出してしまってな、今やっと見つかって・・・」

あかり「え?このシカさんって、おじさんが飼ってるんですか?」

飼い主「シカ?ふふふ・・・」



飼い主「これはな、シカじゃなくてトナカイじゃよ」

あかり「え?これって、トナカイさんなんですか?」

飼い主「そうじゃ」



飼い主「山向こうにワシの牧場があってな。そこでトナカイを飼育してるんじゃよ」

あかり「へー・・・。日本にもトナカイさんって居るんですねー。あかり初めて知りました」

飼い主「ああ。それで、そこから逃げ出したこいつをほうぼう探し回って・・・。助かったよ、お嬢ちゃん」

あかり「いえー、トナカイさんの方から寄って来たんですよー。ねートナカイさん?」



あかり「・・・それにしても、おじさんって」

飼い主「ん?」

あかり「白いおヒゲが生えてて、トナカイさんも飼ってるし・・・。何だか、サンタさんみたいですね」

飼い主「ワシが?はっはっは・・・よく言われるよ」



あかり「良かったねー、トナカイさん。迷子になってたんだね」

トナカイ「・・・」

あかり「飼い主さんが見つかって、良かったねー。よーしよし・・・」

飼い主「おやおや、すっかり懐かれてしまったようじゃのー」



飼い主「・・・お嬢ちゃん。実は、ワシはお嬢ちゃんの言う通りサンタなんじゃよ?」

あかり「え?」

飼い主「どうじゃ。お嬢ちゃんはトナカイ扱いも上手じゃし」

飼い主「ワシの弟子になって、一緒にフィンランドに住まんかの?」

あかり「えー?やだもー、おじさんってば冗談ばかりー」

飼い主「いやー、はっはっは・・・」



あかり「それじゃ、あかりこれで失礼しますね」

あかり「トナカイさん、もう迷子になっちゃダメだよ?じゃーねー」

トナカイ「・・・」

飼い主「ああ、気をつけてなー」










(ごらく部)


京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「・・・あ、そうだ」

結衣「ん?」

ちなつ「どうしたんですか?」



京子「あかりが来たらさ、みんなで死んだフリしようぜ!」

結衣「何だそれは」

ちなつ「どうするんですか、そんな事して」



京子「そんでさー、あかりが誰を真っ先に心配するか賭けようぜ!」

結衣「は?」

ちなつ「誰を真っ先に心配するかですか?あかりちゃんが?」



京子「そう!きっとあかり、真っ先に私の所に京子ちゃーん、大丈夫って・・・」

結衣「だから、何であかりが真っ先にお前の事を心配するんだよ」

ちなつ「そうですよ。京子センパイなんて最後まで放置ですよ」



京子「いーや、絶対私最初に私の心配するって!」

結衣「そんなわけないだろ・・・。あかりが真っ先に心配するのは私だ」

ちなつ「いえ、あかりちゃんが真っ先に心配するのは私だと思います」



京子「いーや、絶対に私だ」

結衣「いや、京子よりかは私だ」

ちなつ「いーえ、私です」



京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「・・・やっぱやめよっか、こういう話」

結衣「あ、ああ、またあかりの事で言い争って・・・」

ちなつ「何やってるんでしょうね、私たち・・・」

結衣「もうあかりの話はやめだぞ?京子」

京子「へーいへい」



京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」



京子「・・・あ、じゃあさ、もしあかりが」

結衣「だから、あかりの話はやめようって」

ちなつ「さっき言ったばかりじゃないですか」











あかり「ふぅ、今日はいっぱいお散歩しちゃったなー」

あかり「色んな事があって、充実したお散歩だったよー」

あかり「さーて、お家に到着っと。ただいまー」

あかね「あら、お帰りなさいあかり」



あかね「そうそう、お友達から電話があったそうよ。ごらく部にみんなで集まってるって」

あかり「え?何時ぐらいに?」

あかね「えーと、10時ぐらい?」

あかり「えーっ、10時に?今、12時回ってるから・・・」



あかり「大変、急がなきゃ!行ってきまーす」

あかね「あ、ちょっとあかり?」







あかり「急げ、急げ・・・」





(キャスト)


大室櫻子



撫子「ちょっと櫻子、それ塩じゃなくて砂糖。全くアンタは・・・」

花子「ほーんと、櫻子は役立たずだし」

櫻子「へーん、いいもん!私、あかりちゃんの役に立ってるもんねー」



古谷向日葵



楓「お姉ちゃん、何だか今日はご機嫌だねー。どうしたのー?」

向日葵「え?ふふ・・・。いいえ、何でもありませんわ」



杉浦綾乃



綾乃「さーって、勉強頑張るわよー!見てなさいよ、歳納京子ー!」



池田千歳

池田千鶴



千歳「いやー、今日は赤座さんのお陰で助かったなぁー」

千鶴「そうだね、姉さん」



トナカイ

飼い主



トナカイ「・・・」

飼い主「いい子じゃったのー。さーて、ワシらも帰ろうか」



赤座あかね



あかね「はぁ、またあかりのあとをつけて盗撮しなきゃね♪」



歳納京子

船見結衣

吉川ちなつ



京子「じゃあさ、もしあかりが・・・」

結衣「だから、あかりの話はやめるってさっき」

ちなつ「んー、そうですねー・・・。それじゃあ」



赤座あかり



あかり「はぁ、はぁ・・・」

あかり「ふぅー、やっと、着いたよぉー・・・」


(ごらく部)


ガラ

あかり「みんなー、ごめんね?遅くなっちゃった」

あかり「ん?」


京子「あかりが1番好きのは、私だ!」

結衣「いーや、私だ」

ちなつ「私に決まってます!」



あかり「みんな、どうしたの?」

京子「ん、い、いや・・・」

結衣「な、何でも」

ちなつ「お、遅かったね、あかりちゃん」



京子「もー、どこまで行ってたのさあかりー」

あかり「え?えーと、山の方とか行ってたのー」

結衣「ほら、やっぱりね」

ちなつ「ほーんと、あかりちゃんって散歩好きなのね」



あかり「それでね、今日はお散歩してたら色んな事があったよー」

京子「へー、何々?」

結衣「何があったの?」

ちなつ「聞かせて聞かせて?」



あかり「えっとね、まずお散歩してたら櫻子ちゃんに会ってー」

京子「へー、さくっちゃんに?」

結衣「あー、大室さんね」

ちなつ「櫻子ちゃんに会ったんだ」



あかり「次に、向日葵ちゃんに会ったんだー」

京子「あー、そうなんだ、へー」

結衣「古谷さんに?」

ちなつ「向日葵ちゃんねー」



あかり「あと、杉浦先輩にも会ってー」

京子「へー、綾乃に」

結衣「あ、そー・・・」

ちなつ「へー・・・」



あかり「それから、公園で池田先輩と千鶴先輩にも会って」

京子「へー・・・」

結衣「そー・・・」

ちなつ「ふーん・・・」



あかり「あっ、それから山の方に行ったらね」

京子「・・・やっぱり、あかりの話はつまらんな」

結衣「い、いやあ、な?」

ちなつ「こ、これからですよ。きっと、山で何か面白い事が・・・」



あかり「そうしたら山に、迷子になったトナカイさんが居て」

あかり「それを、飼い主のサンタさんみたいなおじさんが探してて・・・」

京子「こ、この前の私の話を、そのまんま・・・」

結衣「あ、ああウケを狙ったんだろうけど」

ちなつ「あかりちゃん、スベッてるよ、その話・・・」



終わり

以上になります
読んでくれた方、ありがとうございました

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