アイドルマスターシンデレラガールズ、小日向美穂メインの二次創作です
デレマス2018年エイプリルフールのマスコット総選挙より、
プロデューサーくんをこっそりもふもふしたことのあるアイドル達の一部が登場します
ほんのちょっぴりだけ百合要素あり
全部で10,000字程度です
※〇〇にはあなたの名前を入れて読んでね!
(えっ? ファンの方からプレゼント…? 私に?)
(じ、じゃあ、開けますね………)
(わぁっ! おっきなくまさん!)
(○○さん、あの…あ、ありがとうございました!)
(…送り主の書いてないプレゼント、だ、誰がくれたんでしょうねぇ…ふふ!)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531592061
…くん。
……○○くん。
プロデューサーくん(……ん)
美穂「○○くん、ただいまーのぎゅー! だよ」(ぎゅっ)
プロデューサーくん(あ、美穂ちゃん。おかえりなさい、今帰ったんだね)
プロデューサーくん(ボクの名前は『〇〇くん』)
プロデューサーくん(はじめて会ったときにこの子がつけてくれた、プロデューサーさんと同じ名前)
プロデューサーくん(そしてこの子がボクの大事な持ち主の小日向美穂ちゃん)
美穂「ふーっ…」
美穂「今日もいちにち、いーっぱい頑張ってきちゃった!」
美穂「ねえ聞いて○○くん、今日は素敵なことがいーっぱいあったんだよ」
プロデューサーくん(ふふっ、その顔を見ればわかるよ。今日もお仕事お疲れさま、美穂ちゃん♪)
美穂「あのね、今日は美嘉ちゃんと奏ちゃんと一緒のお仕事だったんだ」
美穂「ふたりとも私と同い年なのにすっごくかっこよくて、もうドキドキしっぱなしだったんだよー」(ぎゅーっ)
プロデューサーくん(美穂ちゃんったら、まだドキドキしてるみたいだね。心臓の音、すごいよ?)
美穂「えへへっ、思い出したらまたドキドキしてきちゃった」
美穂「デートのお芝居って、相手が女の子でもこんなにドキドキするんだね。美嘉ちゃんと奏ちゃんだからかな?」
プロデューサーくん(二人のお話は美穂ちゃんからいっぱい聞いてるからね。想像つくなあ、恥ずかしがってる美穂ちゃん)
美穂「……はぁ。デートかぁ…」
プロデューサーくん(ん?)
美穂「私もいつか、あんな風に……○○さん、と…」
美穂「ん~~~~~!だめだめだめ!恥ずかしいよぅ~~~~!」(ぐりぐりぐり)
プロデューサーくん(わわわっ、くすぐったいよぅ)
美穂「…ふぅ。…でも、やっぱりまだ…私にはちょっと、早いのかなー…」
プロデューサーくん(……)
美穂「なーんて!」(ぼふっ)
美穂「……はぁ……」
プロデューサーくん(ボクもね、こんなふうに美穂ちゃんといっしょのベッドでもふもふする権利は誰にも譲る気は無いよ)
プロデューサーくん(でも美穂ちゃんはもっと勇気を出してみてもいいと思うんだけどなあ)
美穂「○○さん…」
プロデューサーくん(がんばれ、美穂ちゃん)
美穂「……」
美穂「! そうだ!」(がばっ)
プロデューサーくん(? どうしたのかな?)
美穂「あのね、○○くん! 美嘉ちゃんね、こんどおうちに遊びに来るんだよ!」
プロデューサーくん(わぁっ、ほんと!?)
美穂「○○くんは会うのはじめてだよね? ちゃんと紹介するねっ」
プロデューサーくん(美嘉ちゃんかあ。カリスマギャルで、内面は美穂ちゃんぐらいウブで、やさしいお姉ちゃん)
プロデューサーくん(美穂ちゃんのお話を聞いてて、ずっと会ってみたかったんだよね)
美穂「楽しみだねっ! ○○くん!」
プロデューサーくん(うん! 僕もだよ、美穂ちゃん)
・
・
・
・
・
ガチャッ
??「どうぞ、上がって上がって!」
??「はーい、それじゃあ、お邪魔しまーす」
プロデューサーくん(あっ、帰ってきた! おかえり、美穂ちゃん)
プロデューサーくん(そして、この声は――)
美嘉「わーっ、美穂ちゃんの部屋かっわいー! まさに美穂ちゃん、ってカンジ!」
美穂「え、えへへ…照れちゃうよー」
プロデューサーくん(はじめましてだね、美嘉ちゃん! ようこそ!)
美嘉「へえー…あっ、この子が○○くん?」
美穂「そうだよ! よろしくね、美嘉ちゃーん」
プロデューサーくん(ふふっ、よろしくね、美嘉ちゃん)
プロデューサーくん(美穂ちゃんってば、僕の手を持ってふりふりしてアテレコなんかしちゃって、可愛いなあ)
美嘉「……なんか、プロデューサーの名前で呼ぶのって…ちょっぴりハズいね」(ぼそっ)
美穂「うん? なにか言った、美嘉ちゃん?」
美嘉「へっ!? いやあ、な、なんでもないよ! ないない!」
プロデューサーくん(おっと、これは、もしかして…こんなところにも強力なライバル出現なのかな?)
美穂「あっ、ちょっと待っててね、美嘉ちゃん。私、お茶淹れてくるね。お紅茶でいいかな?」
美嘉「ありがとー! うん、なんでもオッケーだよ★」
美穂「良かった! 卯月ちゃんからおすそ分けしてもらったお茶葉があるの。ちょっとゆっくりしててね」
ガチャッ パタパタパタ…
美嘉「……いやー、でもなんか、ホント美穂ちゃんってカンジのお部屋だよねー…」
美嘉「一見フツーだけど、ところどころカワイさがにじみ出るカンジ。いーなー」
美嘉「そしてこの、○○くん」
プロデューサーくん(やあ)
美嘉「むむむ…」
プロデューサーくん(? どうしたのかな?)
美嘉「……○○プロデューサー…似てる…のかなー…」
美嘉「うーん」
プロデューサーくん(僕自身もよくわからないんだけど、美穂ちゃんがそう思うのならきっとそうなんじゃないかな)
美嘉「あ…でもなんとなく…なんとなくだけど、言われてみればそう見えてきたかも」
美嘉「………………○○、くん」
プロデューサーくん(なんだい、美嘉ちゃん)
美嘉「うわ、ちょっとこれヤバ…」
プロデューサーくん(わっ、顔真っ赤にしちゃって。ふふっ、可愛い子だなあ)
(きょろきょろ)
美嘉「ち…ちょっとぐらいなら、ヘーキだよね」
(ぎゅ…)
プロデューサーくん(わふっ、なんかくすぐったいよ。もっとぎゅーっとしてくれていいのに)
美嘉「んあっ、これ美穂ちゃんのにおい…すごい…」
美嘉「なんか…これ、プロデューサーをだっこしてんのか美穂ちゃんをだっこしてんのか…わかんなくなってきた…」
(もぞっもぞっ)
美嘉「美穂ちゃんって同い年なのになんか、ちょっと子供っぽいところとか…いいよね…」
美嘉「うまく言えないけどみりあちゃん達とはまた違った、こう…なんというか…すごくいいよね…」
プロデューサーくん(あっ、あーっ…そっちの人…?)
美嘉「すんっ…すんっ…あーいい……すんっ…すんっ…」
美嘉「あーヤバ…これヤッバい…すっごくヤバい」
プロデューサーくん(えっと…いや、ボクは別に構わないんだけどね…うーん…)
美嘉「すんすん…はぁ…くんかくんかくんか…」
美嘉「はぁもふもふ…もふもふだよぉ…〇〇プロデューサー…美穂ちゃん…」
タッタッタッタッ…
美嘉「!!!???」ガタッ
美嘉「うわっ、もう戻っ…えっあっヤバっ、どうしよどうしよ…!!」
プロデューサーくん(落ち着いて美嘉ちゃん、見られたからって何もおかしい状況じゃないよ)
美嘉「は、早く元に戻さなきゃ…! どっどどどこに置いてたっけ、えっと、えっと」
美嘉「あっ」ズルッ
ズテーン
ガチャッ
美穂「お待たせー! 卯月ちゃんおすすめのフレーバーティーだ…よ…?」
美嘉「あ、あはっ、あははは…」
プロデューサーくん(うーん、僕をだっこしたままベッドにダイブなんて…美嘉ちゃん、持ってるね)
美嘉「あっあの…こ、これはね? その、ね? なんてゆーか」
美嘉(な、なんて説明しよ…この状況…)
美穂「わっ、わかるよ! うん! すっごくわかるよ美嘉ちゃん!」
美嘉「えっ、あ…わかるの?」
美穂「うんうん! だってほら…」
美穂「も、もふもふだもん!」
美嘉「だ…」
美嘉「…だよねー! もふもふ! すっごいもふもふだよ!」
美穂「でしょ? もふもふ♪」
美嘉「もふもふ★」
美穂・美嘉「「ふふふっ♪」」
美嘉「ふぅ…」
美穂「どうかな? お茶のお味は」
美嘉「うん! いいねーこれ★ 落ち着くってゆーか…アタシ好きかも! 」
美穂「良かったー! 私もこれ、お気に入りなんだ♪」
美嘉(心臓バックバクだったけど…おかげで落ち着いたかも…)
美穂「でも良かった。美嘉ちゃんも〇〇くんと仲良しになってくれて」
美嘉「ぶふっ!!★?」
美嘉「あああっ、あつあつあつっ!」
美穂「わーーーっ! 美嘉ちゃん大丈夫!? 拭くもの、拭くものっ」
美嘉「ごっごめんっ、ヘーキだからっ! ハンカチあるし! 服はかかってないしっ」
美穂「そ、そう? なら良かった…」
美嘉「〇〇くんにもかかってないよね…はー、焦ったー…」
美穂「…私ね」
美嘉「ん?」
美穂「この歳になってもくまさんのぬいぐるみ抱っこして寝てたりとか、自分でも子供っぽいなって思ってて」
美穂「実はちょっと恥ずかしかったんだ…」
美嘉「そ、そうなの?」
美穂「うん。だけどね、事務所の仲間でも…美由紀ちゃんに由愛ちゃん、雪菜さん…それから穂乃香ちゃん」
美穂「ぬいぐるみが好きな人達といっぱい出会えたり」
美穂「沙織ちゃんや里奈ちゃんとは、くまさんマスコット好き繋がりで仲良くなれたりして」
美穂「別に恥ずかしくなんてないんだって、思えるようになってきたの」
美嘉「美穂ちゃん…」
美穂「美嘉ちゃんにはオシャレを教えてもらったり、その…セクシーさとかっ、勉強させてもらったりしてるから」
美穂「あんまりこういうのは興味とか無いかな、って思ってたけど…」
美嘉「ううんっ、そんなこと無いよ!」
美穂「うん! だからね、今日美嘉ちゃんが〇〇くんと仲良しになってくれて、私すっごく嬉しいんだ!」
美嘉「美穂ちゃん! アタシも…」
美嘉「アタシ達も、ズッ友…ってか、もふ友だよ!」
美穂「もふ友…!」
美嘉「うん、もふ友!」
美穂「え…えへへっ」
美嘉「へへっ★」
・
・
・
美穂「はぁ…今日は楽しかったなあ」
プロデューサーくん(美嘉ちゃんって、第一印象と違ってすっごく可愛い子だったね)
美穂「もふ友…もふ友! ふふっ、ふふふっ」
プロデューサーくん(美穂ちゃんが嬉しそうで、僕は何よりだよ)
美穂「もっともっと、広がるといいね。もふ友の輪♪」
プロデューサーくん(そうだね♪ 僕も、もっといろんな人と会いたいなあ)
美穂「今日は楽しかったね。おやすみ、〇〇くん」
プロデューサーくん(うん! おやすみ、美穂ちゃん)
・
・
・
・
・
??「さあどうぞ、入って入って♪」
??「うむ! 天国の門よ、我をいざないたまえ!」
(お邪魔しまーす♪)
プロデューサーくん(おや? この声は…?)
美穂「ごめんね、ちょっと散らかってるけどゆっくりしていってね」
蘭子「案ずるでない、我と汝との仲ではないか!」
(ううん、全然気にしないよ!)
プロデューサーくん(このゴシックファッションと不思議な言葉遣いは、うわさの蘭子ちゃんだね)
蘭子「おお…まさに虚飾なき乙女の聖域…穏やかな精霊の息吹を感じるわ」
(うわあ、美穂ちゃんらしい素敵なお部屋です!)
美穂「ふふっ、蘭子ちゃんったら大げさだよう。照れちゃうな」
蘭子「…ほう。彼の者が、我が友の名を冠せし依代か」
(あっ! 〇〇くんだー!)
美穂「うん! そうだよ、よっと…はじめまして、蘭子ちゃん♪」(ふりふり)
プロデューサーくん(はじめまして、蘭子ちゃん♪ 美穂ちゃんがいつもお世話になってます)
蘭子「な、なんて愛らしいの…穢れなき純白の毛並は主の心を映すかのよう…」
(可愛い…! 美穂ちゃんと、すっごくお似合いです!)
美穂「ふふっ、ありがとう! よかったね、〇〇くん♪」
蘭子「さて。…改めて、今日は招待に与り、光栄の至り」
(お招きいただきありがとうございます♪)
美穂「えへへっ、どういたしまして♪」
蘭子「礼には礼を以て尽くすもの…今日は甘美なる禁断の実を携えてきたわ」
(お招きいただいたので、私もスイーツを持ってきました!)
美穂「うわあ、ありがとう! 中身は何かな?」
蘭子「クックック…時が来れば知れるものよ」
(中身は開けてのお楽しみです♪)
美穂「うーん、気になるよー。あっ、ごめんね! 私ったらお茶も出さずに」
美穂「ちょっと待っててね! 蘭子ちゃんは緑茶は好き?」
蘭子「うむ! 紅茶派ではあるが、緑茶も悪くないわね」
美穂「良かった、菜帆さんからいただいたお茶っ葉とおまんじゅうがあるの。用意してくるね!」
タッタッタッ…
蘭子「ふう…」
蘭子(じっ)
プロデューサーくん(ん?)
蘭子(じーっ…)
プロデューサーくん(ボクが気になるのかな?)
蘭子「ち、ちょっとだけ…」
プロデューサーくん(いいよ。好きなだけ、思いっきりもふもふしていってね♪)
蘭子「えいっ」(もふっ)
プロデューサーくん(ふふっ、優しい子だね。蘭子ちゃんは。もっと強くしてもいいんだよ?)
蘭子「美穂ちゃんが言ってた通り…〇〇プロデューサーに、ちょっとだけ似てる、かも」
プロデューサーくん(みんなそう言うけど、そうなのかなあ)
蘭子「はぁ…プロデューサー…」
蘭子「いいなあ…私も欲しいなあ…くまさん」
蘭子「闇に染まりし堕天使たる者のしもべ…イメージ、変かな…むむむむむ…」(もふもふもふ)
蘭子「はぁ…あったかい…安心する…プロデューサーさんみたい…」
蘭子「あぁ…プロデューサー…」(ぎゅー)
蘭子「プロデューサー…プロデューサー…」(もふもふもふもふ)
ガチャッ
美穂「お待たせー」
蘭子「プロっ!!!???」
美穂「ぷろ?」
蘭子「ぷろっ、ぷろっ、ぷ、ぷ…」
美穂「…ぷ?」
蘭子「プリン!!」(ばっ)
美穂「え、わっ! これって…」
蘭子「し、然り! かの名店の幻の甘味よ!」
(例のお店の限定プリンです!)
美穂「うわあ、ありがとう! クラリスさんが言ってたのだよね? ずっと気になってたんだー!」
蘭子「うむ、煩わしい太陽との戦いを経て、ついに手に入れたわ…さあ、共に堪能しようぞ!」
(朝から並んだ甲斐がありました! いっしょに食べようね!)
美穂「うんっ! …でも良かった♪」
蘭子「む?」
美穂「蘭子ちゃんも〇〇くんと仲良しになってくれたみたいで」
蘭子「なぁっ!? …そ、それはその…」
美穂「蘭子ちゃんはくまさんは好き?」
蘭子「き、嫌いでは…ない…」
美穂「私ね、ずっと気になってたことがあるの」
蘭子「? それは一体…」
美穂「あのね、私たちの故郷の熊本って、どうして『熊』ってつくんだろう、って」
蘭子「そ、そのことなら過去に禁書を紐解いたことがあるわ!」
(昔図書館で調べたことがあるよ!)
美穂「ほんとう!? ねえねえ、どんなのか教えて教えて!」
蘭子「良かろう! ならば同じ火の国の同胞の手土産を味わいながら語るとしようぞ! 胸が高鳴るわ!」
(菜帆さんのお茶とおまんじゅうをいただきながら熊本トークだー♪)
美穂「うん! 限定プリンもいただきます♪」
プロデューサーくん(そっか、この子も菜帆さんも熊本出身だったね)
蘭子「そもそも昔、熊本の『くま』には目のくまや隈取りと同じ『隈』の字が用いられており――」
・
・
・
美穂「ふうー。今日は楽しかったね、〇〇くん!」
プロデューサーくん(二人ともすっごくテンション上がってたね)
美穂「まさか加藤清正が関わってたなんて、はじめて知ったよー。熊本の超有名人だよね」
プロデューサーくん(うん。熊本城が武将の居城として相応しいようにって、強そうな『熊』の字にしたとはね)
美穂「…私がくまさんを好きなのって、可愛いからだけじゃなかったのかもしれないなあ」
プロデューサーくん(えっ、そうなの?)
美穂「〇〇くんが〇〇さんに似てるって思うのは…雰囲気とか、可愛いところもだけど…」
美穂「いざというときに私を助けてくれる、頼もしいところとか」
美穂「その強さと優しさが、私のくまさんのイメージと一緒だったからなのかな…」
プロデューサーくん(…ほんとうの熊さんは、美穂ちゃんのイメージよりもっと残酷で、危険かもしれないんだよ…?)
美穂「…たとえ、〇〇さんがほんとうは獰猛な男の人だったとしても」
プロデューサーくん(!)
美穂「私にとっての〇〇さんは、森のくまさんの歌みたいに…」
美穂「優しくて素敵な、紳士のくまさんだって、私は信じてるよ」
プロデューサーくん(……)
美穂「〇〇さん、〇〇くん…これからも私を守ってね」
美穂「おやすみ、〇〇くん」
プロデューサーくん(…うん。おやすみ、美穂ちゃん)
プロデューサーくん(ボクには見守ることしかできないけれど…〇〇さんから託された、大事な大事なご主人様だから)
プロデューサーくん(ボクはずっとそばで見守っているよ)
・
・
・
・
・
プロデューサーくん(冬の美嘉ちゃんの来訪以来、美穂ちゃんのお部屋へのお客様はどんどん増えてきてる気がする)
プロデューサーくん(この前は美波さんや藍子ちゃんが来てくれて、こっそり僕をもふもふしていったっけ)
プロデューサーくん(…いいにおいだったなあ)
プロデューサーくん(…アイドルを初めて間もない頃、ボクと出会った頃と比べると)
プロデューサーくん(美穂ちゃんの交友関係はどんどん広がってる)
プロデューサーくん(加蓮ちゃんや奏ちゃんのような、明らかにタイプの違う子達とも積極的に話すようになったし)
プロデューサーくん(ボクがその一助になれてるなら、ぬいぐるみとしてとっても誇らしい)
プロデューサーくん(…だけど)
プロデューサーくん(〇〇さんとは一向に進展が無いみたいなんだよなあ…)
プロデューサーくん(…どうやらライバルはとても多いみたいだし)
プロデューサーくん(ボクはそれが、ちょっと気になっている)
・
・
・
・
・
ガチャッ
プロデューサーくん(あっ、帰ってきたね。おかえり、美穂ちゃん)
??「さあどうぞ、上がって上がって♪」
プロデューサーくん(あれっ、今日もお客様かな?)
??「んー。それじゃあ、お邪魔します」
プロデューサーくん(この微妙にテンションの低い声は…はじめて聞くなあ)
美穂「杏ちゃん、私のお部屋ははじめてだっけ?」
杏「そだねー。そもそも杏、人様のお部屋にお呼ばれすること自体、あんまり無いかも」
プロデューサーくん(杏ちゃんかあ。はじめまして、杏ちゃん。噂は聞いているよ)
美穂「ふふっ。杏ちゃん、レッスンやお仕事終わったらすぐ帰っちゃうもんね」
杏「基本、自室でぐーたらキャラだからねー。…あ、きらりんルームは別か…」
美穂「きらりちゃんにならって、ちょっと強引に誘ってみました♪」
杏「まあ、ゆっくりできるならどこだっていいけどねー」
美穂「うん! ゆっくりしてってね。お座布団いるかな?」
杏「まあまあ、お気遣いなく。杏には心強い携帯座布団がいるのです」
(むぎゅっ)
プロデューサーくん(あっ…)
美穂「う、うさぎちゃんに座るんだ…」
杏「うさぎはいつだって杏の全てを受け止めてくれるのです」
プロデューサーくん(う、うーん…ずいぶん乱暴な扱いを受けてるんだね…よく見たらボロボロだし…)
うさぎ(そーでもないよー)
プロデューサーくん(あっ、君も意識があるの…?)
うさぎ(やあ。はじめまして、うさぎだよー)
美穂「そういえば、杏ちゃんっていつもうさぎちゃんと一緒だよね」
杏「付き合い長いからね。ちっちゃい頃からだから、もう何年になるかな…相棒みたいなもんだよ」
うさぎ(そーだよー)
プロデューサーくん(そ、そうなんだ…)
美穂「あっ、そうだ。私飲み物持ってくるね。あったかくなってきたから、冷たいものがいいかな?」
杏「お構いなくー。コーラとか、なんか適当なジュースとかでいーよ」
美穂「うん、わかった! おやつも何か持ってくるね」
タッタッタッ…
杏「……」(じっ)
プロデューサーくん(な、何かな…?)
杏「……ふーん。ずいぶん大事にされてるねー」(なでりなでり)
プロデューサーくん(そ、そりゃそうだよ。美穂ちゃんはボクをお尻に敷いたりしないからね)
プロデューサーくん(…抱っこしてそのまま寝るから寝汗とかもつくけど…ちゃんと洗ったりお手入れしてくれるし)
うさぎ(そっかー。いーよねー、そーゆーのもー)
杏「どれ。味もみておこう」(ぎゅっ)
プロデューサーくん(わわっ)
うさぎ(安心していーよー。杏ちゃん、力も体重もあんまり無いしさー)
プロデューサーくん(そ、そういう問題?)
杏「はぁー。…もふもふだね、もふもふ」
杏「やー、美穂ちゃんいい子だね。めんどくさがらずにちゃんとお手入れしてるじゃん」
プロデューサーくん(ふふん、でしょ?)
杏「でも、ちょーっと大事にされすぎなのかもね」
プロデューサーくん(えっ…?)
うさぎ(ねーねー、キミってあんまりおでかけとかしない方かなー?)
プロデューサーくん(そりゃボクはぬいぐるみだからね。おでかけなんて…あっ)
うさぎ(おうちでのご主人様を守るだけだとー、つまらなくなくなくない?)
プロデューサーくん(それは…)
うさぎ(ボクはねー、こーやってねー)
うさぎ(最近がんばってお外に出るようになったご主人様をね、お外でもサポートできることが誇りなんだー)
うさぎ(だからボクはちょっとぐらい乱暴に扱われても幸せなんだよー)
プロデューサーくん(……)
ガチャッ
美穂「お待たせー! ポテトチップスがあったのを思い出して、探してたらちょっと時間かかっちゃった」
杏「やー、気にしなくていーよー。ありがと。…おー、コーラじゃん」
美穂「うふふっ。杏ちゃんといえばコーラだって、きらりちゃんに聞いてたからねっ」
杏「うーん、きらりめ…よくも杏の個人情報をー」
美穂「ふふふっ♪」
プロデューサーくん(お外…お外、か…)
プロデューサーくん(お外での美穂ちゃんを守るのは、〇〇さんの役目だって思ってたけど…)
杏「ところでさー」
美穂「なあに? 杏ちゃん」
杏「こんどみんなでお花見行くじゃん? 満開スマイルのみんなで」
美穂「うん! 楽しみだよね!」
杏「そん時さー、この子も一緒に連れてかない?」
美穂「えっ」
プロデューサーくん(そ、それは…)
美穂「うーん…ち、ちょっと恥ずかしいかな…って…」
プロデューサーくん(そうだよ。美穂ちゃんはそういうの、気にするんだから)
杏「そう? 杏もうさぎ連れてくしさー、別に気にすること無いんじゃない?」
美穂「そう…かな」
うさぎ(そだよー)
美穂「うん。…そうだね!」
杏「てかさー、まゆちゃんや桃華ちゃんにも紹介しちゃおうよ」
美穂「…そっか、うん! そうしよう!」
プロデューサーくん(美穂ちゃん…)
うさぎ(やったねー。いっしょにのーんびりしよーねー)
プロデューサーくん(…うん! よろしくね、うさぎちゃん)
うさぎ(こちらこそよろしくー)
美穂「うわぁっ、なんだかもーっと楽しみになってきちゃったよ!」
杏「ま、杏はぐーたらできれば何でもいいんだけどね」
美穂「お天気良かったら、シートで一緒にお昼寝するのも気持ちよさそうだよねっ」
杏「おー、それいいねー。…周りがうるさくないことを祈ろっか」
プロデューサーくん(……)
プロデューサーくん(美穂ちゃんは…ボクらの予想を超えて成長していく)
プロデューサーくん(出会いが繋がって、連鎖して、思いもよらない化学反応が生まれて)
プロデューサーくん(少しずつ少しずつ、何かを克服して変化していくんだね)
うさぎ(…泣いてる?)
プロデューサーくん(…泣かないよっ)
プロデューサーくん(だって…)
プロデューサーくん(ボクは美穂ちゃんを守る、強いくまさんだからねっ)
・
・
・
・
・
美穂「…桜、綺麗だったね」
プロデューサーくん(…うん。とっても綺麗だったね)
プロデューサーくん(テレビで見るより、ずっとずっと、綺麗だったよ)
美穂「…あのときみんなで誓ったこと、覚えてるかな」
美穂「この桜を、きっと私たちは忘れない」
美穂「とっても素敵な、大事な思い出だよ」
プロデューサーくん(ボクもだよ、美穂ちゃん)
プロデューサーくん(美穂ちゃんと、杏ちゃんと、卯月ちゃんとまゆちゃんと桃華ちゃんと)
プロデューサーくん(〇〇さんと…それからうさぎちゃんと)
プロデューサーくん(みんなで見たあの桜を、ボクはきっと忘れない)
美穂「…楽しかったね」
美穂「すっごくすっごく、楽しかった」(ぎゅっ)
美穂「…だけどね、〇〇くん」
美穂「一番忘れられないのはね」
美穂「…まゆちゃんと一緒に、お弁当作ったよね」
美穂「…私はほとんどまゆちゃんに頼りっぱなしだったけど」
美穂「だけどね」
美穂「私のがんばって作った、明太子入りの卵焼きを〇〇さんが食べてくれたときのね」
美穂「あの笑顔が、忘れられない」
プロデューサーくん(…美味しい! って、言ってくれたよね)
プロデューサーくん(頑張ってほんとうに良かったね、美穂ちゃん)
美穂「なんでなんだろう」
美穂「私、まゆちゃんに…大好きな人に食べてもらうところを想像してみて、って言われて」
美穂「思い浮かんだのが〇〇さんだったんだ」
美穂「ねえ、〇〇くん」
美穂「私のこの気持ちって、何なんだろう」
美穂「…今だって、ドキドキしてる」
美穂「思い出して、考えて、ドキドキしてる」
美穂「…だけど私は、恋なんて知らないの」
プロデューサーくん(……)
美穂「この気持ちが、恋っていうものなのか」
美穂「まゆちゃんの強い強い想いと、同じものなのか」
美穂「確証も何も、どこにも無いの」
美穂「それでも…それでも、あの人を」
美穂「〇〇さんのことを」
美穂「…………」
美穂「……好き、って」
美穂「大好きなんだって、思っていいのかな」
美穂「…教えてよ、〇〇くん」
美穂「もうずっと、目を閉じてもあの笑顔だけが…」
美穂「眠れないよ…」
美穂「怖いよ」
美穂「恋なんて、知らない…わからないよ…」
プロデューサーくん(……)
プロデューサーくん(…答えはもう、君が持っているんだよ)
プロデューサーくん(だけど、それでも見えないのなら)
プロデューサーくん(探しにいこう。たくさんの仲間と一緒に)
プロデューサーくん(仲間というか…うん、ほとんどライバルばっかりだけど…)
プロデューサーくん(大丈夫。ボクがずっとついているよ)
プロデューサーくん(だから今日はおやすみ。いっぱい眠って、いっぱい育って、またいっぱい悩もう)
プロデューサーくん(君はそうやって、成長した姿をボクに見せてくれるんだから)
美穂「…………すぅ……すぅ…」
プロデューサーくん(…おやすみ。ボクの――)
プロデューサーくん(ボクらの大好きな美穂ちゃん)
―――おしまい
以上で終わりになります。読んでくださりありがとうございました
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