セーラー戦士の悪夢! 恐怖悶絶くすぐり攻撃! (27)

以前某掲示板にも投稿したくすぐり小説です。

それでは開始します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530972611

冬の冷たい風が吹き荒れる、とある公園の広場。

今ここで、五人のセーラー戦士たちと妖魔が、激しい闘いを繰り広げていた!

「シャボォォォン・スプレェェ!」

「グギャッ!?」

セーラーマーキュリーの必殺技シャボンスプレーが、妖魔を凍結させる!

「敵が凍り付いた! 今がチャンス!」

「セーラームーン、トドメを!」

「うん!」

セーラージュピターとセーラーヴィーナスの呼びかけに、頷くセーラームーン!

すかさず額のティアラを外し、必殺技のモーションを取る!

「ムーンティアラァァ、アクショォン!」

投げられた光のティアラが狙い違わず、妖魔へ向かって真っ直ぐに伸びた!

「グギャアアアアアア!」

断末魔の叫びとともに、妖魔は光の中へ消えていく!

セーラームーンの勝利だ!

「やったわね、セーラームーン!」

セーラーマーズは笑みを浮かべ、セーラームーンの肩をポンと叩いた。

「ありがとう、マーズ!」

満面の笑みをマーズに返すセーラームーン。

これにて一件落着!

……と、普通ならなるところなんだが。

この日ばかりは、そうはいかなかった。

「ほー、なかなかの戦いぶりだなぁ」

突如セーラー戦士の背後から、新たな声が響き渡った!

「誰っ!?」

真っ先に反応したジュピターが、声の主の方を振り向く!

他の四人も、慌てて声が聞こえた方へと体を向ける!

そんな五人の眼前にいたのは!

「やっぱりこの星に来たのは正解だったぜぇ!」

下半身は人間と同じ二本足にして二足歩行。

しかして上半身は、イモ虫の胴体に数十本の手が生えた、何とも珍妙な生命体だった。

「……何? この歩くイモ虫みたいなの?」

「し、しししし失礼なぁ!」

ヴィーナスの間の抜けた声に、謎の生命体は顔を真っ赤にして憤った。

「俺の名はキャタピー! とある武道大会に出場予定の戦士だぁぁ!」

そう!

彼こそは大人気アニメ、ドラゴンボールの超ウルトラチョイ役にして、我々系の強い味方!

南の銀河代表というなかなかの肩書を持つれっきとした戦士、キャタピーだった!

「武道……大会?」

「その見た目で?」

訝しげな眼を向けるセーラームーンとマーズ。

そんな二人に向かって、キャタピーは大量の手をぶんぶん振り回して反論する。

「本当だぁ! これでも実況アナには、大ベテラン戦士って紹介されてるんだぞぉ!」

「は、はぁ……そうなんですか」

必死なキャタピーの姿に、呆気に取られた様子のマーキュリー。

しばし気まずい空気が、公園の広場を支配した。

「……んで? そのベテラン戦士さんが、私たちに何の用よ?」

気まずい空気を打ち破ったのは、マーズの問いかけだった。

マーズの質問に、キャタピーは喜々として目的を告げる。

「う、うむぅ! 実はこの俺と、一つ手合わせを願えないかと思ってなぁ!」

「手合わせぇ?」

すっとんきょうな声を上げるセーラームーンに、大きく頷くキャタピー。

「もちろんだぁ! 是非ともお願いしたいんだぁ! 是非ともだぁぁ!」

「あのぅ、ちょっと聞きますけど」

一人でエキサイトしているキャタピーに、マーキュリーが疑問を投げかける。

「他にも強くて有名な人はたくさんいるのに、どうして私たちなんですか?」

「入念なリサーチの結果、様々な観点からふさわしい相手だと思ったからだぁ!」

キャタピーはえっへん、と胸を張った。

「銀河ネットで様々な萌え映像を確認した結果、副産物的に確かな実力が見て取れたんでなぁ」

理路整然と答えた後、キャタピーの瞳には涙が浮かぶ。

「特に旧アニメ版無印最終回前話と最終回……あれは涙なくしては見られなかったぞぉ……」

よよよ、とその場に泣き崩れるキャタピー。

なかなか感情豊かなイモ虫……もとい、男である。

「へえぇ。この人、私たちの戦いをちゃんと見てくれてるんだぁ」

キャタピーにつられて感動の涙を浮かべるヴィーナスに対し。

「動機、すごく不純な感じがするけど……」

「私も……そう思う」

「だよねえ……」

訝し気に首を傾げる、マーキュリーとマーズ、ジュピターであった。

「そんなわけでぇ! この星に愛されてる戦士たちに、俺の技を試させてほしいんだぁ!」

涙を振り払ったキャタピーは、五人に向かって深々と頭を下げた。

「ねえ、どーすんのよ?」

「どうするも何も……うーん」

微妙な表情で、マーズとジュピターが顔を見合わせていると。

「お願いだぁ! 今月家計がピンチなのに、高い銀河鉄道代払ってここまで来たんだぁぁ!」

キャタピーは瞳に滂沱の涙を溢れさせ、土下座して頼み込んできた。

「ちょ、ちょちょちょちょちょっと!」

「そんな、泣かないでくださいってば!」

キャタピーの必死過ぎる姿に、慌てふためくセーラームーンとマーキュリー。

「イモ虫男と呼んでもいいからぁ! 勝負ぅぅ! 勝負してくれぇぇ!」

「わ、わかった! わかったから! み、みんな! 勝負してあげましょ!」

あまりにも必死すぎる姿を不憫に思ったのか、ヴィーナスが折れた。

さすがは愛を司る戦士。

普段はおバカキャラでも、何だかんだで優しいのだ。

「う、うーん……まあ……そうね」

「何だか、かわいそうだし」

「色んな意味でね」

セーラームーンも同調し、マーキュリー、ジュピターも曖昧に頷く。

「もっとイケメンな戦士さまなら、いくらでも相手するんだけど……ま、しょうがないか」

しぶしぶという様子で、最後に賛同するマーズ。

こうしてセーラー戦士VSキャタピーという、異色の対決が実現することとなった。

「うおっしゃああああああああ! やっほほーい!」

キャタピーは数十本の腕でガッツポーズをしたかと思うと。

「ルールは簡単。相手をギブアップさせたら勝ち、それだけだぁ!」

早速勝手にルールを決めていた。

なかなか切り替えが早い男である。

「ところで、一人で私たち全員を相手にするつもりなんですか?」

マーキュリーの問いかけに、キャタピーは自信ありげに笑う。

「モチのロンだぁ。俺の計算では、一対五で同レベルぐらいだろうからなぁ」

先ほどまでの卑屈な姿とは違い、キャタピーの声には妙な力強さが溢れている。

戦士としての実力には、確たる自負があるということだろうか。

「へーえ、ふーん。一対五で同レベルねぇ……」

キャタピーの余裕の態度にプライドを刺激されたか、マーズのこめかみがヒクリと動いた。

「おうともさぁ。いわゆる一つの、客観的に考えて、ってやつだぞぉ!」

このキャタピー、余裕綽々である。

「ずいぶん甘く見てくれるじゃないの……なら」

鋭く目を細めたマーズの指先に、紅蓮の炎が収束していく!

そして!

「受けてみなさい! ファイヤァァァ・ソォォォォル!」

凛とした声が響き、マーズの指先から火の玉が螺旋状に伸びた!

さらに!

「シュゥプリィィム・サンダァァァ!」

「クレッセントォォォ・ビィィィィム!」

マーズの必殺技に合わせてジュピターが雷を、ヴィーナスが光線を、同時に放った!

三位一体となった必殺技が、キャタピーをふっ飛ばして地面に転がす……はずだった。

が!

「わっはっはっはぁ! 分身の術ぅ!」

何と直撃の寸前、キャタピーの身体が五つに分裂した!

「ウソぉ!?」

勝利を確信していたセーラームーンが、まさかの展開に目を剥く!

分裂したキャタピーたちは、それぞれが素早く必殺技の軌跡を避けるように移動する!

目標を外された三人の必殺技は空を切り、あえなく不発に終わった!

「そんな!? 私たちの技を避けた!?」

必殺のシュープリーム・サンダーが不発に終わり、動揺するジュピター!

「ぶ、分身の術!?」

「日本の忍者の技を、こんなイモ虫男が使えるの!?」

目を見開いて驚愕する、ヴィーナスとマーズ!

「どうだぁ! この俺にかかれば、この程度は朝飯前よぉ!」

五体に分裂したキャタピーたちは、自慢げな顔でにやりと笑う!

「これがアニメでは見せなかった、俺の必殺技その1だぁ!」

「和が盟友、宇宙忍者バルタン星人から教わったのだぁ!」

「言っておくが、一つ一つが質量を持った分身だからなぁ!」

「これで五体五ぉ! 俺が大きなアドバンテージを握ったってわけだぁ!」

「もっとも、こんなもんで驚いてもらっちゃあ困るぞぉ!」

好き勝手に喋りまくるキャタピーたち!

各々が実力を誇示するように、手をワキワキと蠢かしている!

「ううっ……。あの手つき、何かすっごくイヤ……」

鳥肌が身体を抱きしめ、身震いするマーズ!

「確かにすごい実力を持ってるみたい! みんな、油断しないで!」

マーキュリーの忠告に、ヴィーナスが厳しい顔で頷く!

「能ある馬鹿は爪を隠す、ってわけか……」

ズルッ!

ヴィーナスのトンチンカンな諺引用に、ずっこけるセーラームーンたち!

「あ、あのねえ! それを言うなら、馬鹿じゃなくて鷹でしょーが!」

思わずツッコミを入れるマーズ!

「次ぃ! 盟友バルタン星人から授かった必殺技その2、テレポーテーションだぁ!」

そんな彼女たちの隙をつき、第二の必殺技名を叫ぶキャタピー!

すると次の瞬間、五体のキャタピーが忽然と姿を消した!

「き、消えた!?」

「まさか、あのでっかい図体で!?」

目の前の光景が信じられない、という表情で仰天するジュピターとマーズ!

「ど、どこに行ったの!?」

慌てて辺りを見回すマーキュリーだったが、視界には何も入って来ない!

「むむむむむぅ……何かヤな予感がするぅ……!」

不安を打ち消すように、その場で足踏みをするヴィーナス!

と、その時!

ヒュンッ!

「えっ!?」

他の戦士同様困惑するセーラームーンの背後から、触手のような何かが伸びた!

「あ、きゃあっ!?」

「セーラームーン!?」

異常に気づいたマーキュリーが声を上げたが、時すでに遅し!

触手のようなモノは瞬く間に、セーラームーンの腕と脚に、一斉に絡みつく!

「な、何なのコレ、ひゃ、ひゃややややあああああっ!?」

悲鳴を上げたセーラームーンの体が、物凄い勢いで後方に引っ張られていく!

そして、その終着点で待ち構えていたのは!

「もらったぁぁ! 捕らえたりぃ!」

誰あろう、分裂したキャタピーの一体だった!

「なっ!? これ、腕!?」

そう!

セーラームーンを捕らえた触手群は、キャタピーの上半身から無数に生える腕だったのだ!

一気にセーラームーンを手元へ引き寄せたキャタピーは、すかさず彼女を羽交い締めにする!

「あっ!?」

さらに太ももと足首にも腕を絡みつけ、完全に自由を奪うことに成功した!

「ああっ……う、動けない!?」

キャタピーの腕の中でジタバタもがくセーラームーン!

しかしキャタピーの力は凄まじく、振りほどくことができない!

「はっはっはぁ! これはアニメでも見せた十八番だなぁ!」

「俺は、手足を自由自在に伸ばすことができるのだぁ!」

「テレポーテーションで姿を消した俺は、お前たちの20メートル後方に移動したんだぁ!」

「そこから手を伸ばしてお前たちを捕まえて、それから引き戻せばぁ!」

「この通り、セーラー戦士の磔の出来上がりってわけだぁ!」

自身が披露した戦術をとうとうと語り、勝ち誇るキャタピー!

さらには!

「し、しまった!?」

「あうっ!?」

「くうっ!?」

「いやあっ!?」

マーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナスの四人も、全く同じ状況に陥ってしまった!

分身したそれぞれのキャタピーに羽交い締めにされ、脱出不能状態となっている!

「まさか、こんな絡め手を仕掛けてくるなんて……!」

悔恨の表情を見せるマーキュリー!

さすがの天才少女も、臨機応変な戦術の応酬に、為す術もなく捕らわれてしまった!

しかしながら不意打ちで手を伸ばすこの戦法は、かの有名な元気玉使いも捕らえた実績アリ!

初見で見抜けというのは、少々酷であると言えよう!

そうそう今日のマーキュリー、原作&新作テレビ版準拠な戦闘コスを着てくれている!

ただ一人ノースリーブなコスチュームのせいで、全開になっているマーキュリーの腋の下!

そこはかとなくエロい、エロすぎる!

「これは……ちょっと、まずいわね……!」

マーズの声にもはっきりと、焦りの色が滲む!

「くっ! このっ! このおっ!」

「離して! 離しなさいってばあ!」

ジュピターとヴィーナスが全身に力を込め、どうにかして脱出を試みるが!

「そんな力じゃあ、俺のぷにぷにはんどはビクともしないぜぇ!」

パワー自慢のジュピターも、夢の鏡の拘束を砕いた実績があるヴィーナスを持ってしても!

キャタピーの弾力ある腕から逃れることは出来ず、ただ手足をばたつかせるだけであった!

「わぁっはっはっはっはぁ!」

焦燥感を募らせるセーラー戦士たちを尻目に、高らかに笑うキャタピー!

「さーて、待たせたなぁ!」

「ここからが本番だぜぇ!」

そう言うとキャタピーは、一旦各々が捕らえているセーラー戦士たちの足首から手を離した!

かと思うと、次の瞬間!

「ポイポイポイっとぉ!」

電光石火の早業で、セーラー戦士の履物を次々に脱がせるキャタピーたち!

セーラームーンとマーキュリーのロングブーツが!

マーズのハイヒールが、ジュピターのハーフブーツが、ヴィーナスのパンプスが!

綺麗な軌跡を描き、宙に放り投げられる!

「ちょ、ちょっと!? 何すんのよ!?」

いきなり素足を晒され、抗議の声を上げるマーズだったが、次の瞬間!

「ひっ!? あ、あひひひひひひひひひひひ!?」

身体をびくん! と震わせたマーズが、けたたましく笑い始めた!

さらには!

「ぶっ!? ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!?」

「きゃっ!? きゃは、きゃはははははははは!?」

「わあっ!? うあっはっはっはっははははは!?」

「あうっ!? にゃ、にゃへへへへへへへへぇ!?」

笑い出したのは、マーズだけではなかった!

セーラームーンが、マーキュリーが、ジュピターが、ヴィーナスが!

一斉に身を捩り、可愛らしくも苦しそうな声で笑い始めたのだ!

それもそのはず!

彼女達を押さえつけていない、キャタピーたちの自由になる数十本の腕!

その先端の指先が、一斉に腋の下を、脇腹を、アバラ骨を、太ももを、裸足にされた足の裏を!

こちょこちょ、こちょこちょと、まさぐるようにくすぐり始めたからだ!

「これが俺の超ウルトラアルティメット必殺技ぁ、くすぐり地獄よぉぉ!」

「わーっはゲフンゲフンゴフン!」

彼女達の全身をくすぐりながら、再び声高らかに笑おうとしてむせるキャタピーたち!

しまらないことこの上なし!

「ちょ、くひゃっひゃひゃひゃひゃ! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ひーっ!」

「やめてーっ! くすぐったい! きゃはははははは、きゃははははーっ!」

いかにも古典的な攻撃ではあるが、効果は抜群だった!

セーラームーンがツインテを振り乱し、マーキュリーは身体を捩り恥ずかしいダンスを踊る!

「どうだあぁ! この攻撃に耐えられるかなぁ!」

歴戦の戦士キャタピーは、こんなエッチな姿を間近で見ても全く動じない!

あくまでもギブアップを奪うために、彼女達をくすぐり続けているからだ!

さすがは戦士の鑑、恐れ入る!

「こっ、こんな馬鹿みたいな攻撃でっ……!」

口を一文字に結び、どうにか笑うのを耐えようとするマーズだったが!

「のひゃひゃひゃへっへへへへ! らめぇぇ!」

とても耐えられるはずもなく、あっという間に吹き出し悶絶してしまう!

「ちょっ、いやっへへへへタンマタンマタンマタンマ、一旦ストップぅ!」

爆笑しながらストップを懇願するヴィーナスであったが!

「はっはっはぁ! タンマと言われてタンマするわけないだろぉ!」

勝利に向かって驀進中のヴィーナス担当キャタピーは、意に介さずくすぐり続ける!

「い、息ができな……っはっはっはっは! 死ぬぅぅぅ!」

ジュピターの悲痛な叫びが、公園中にこだまする!

「さあ降参しろぉ!」

「降参するんだぁぁ!」

こちょこちょと全身をくすぐりながら、ギブアップを迫るキャタピーたち!

しかし!

「じ、冗談じゃないわ! あ、あうあう、あーっはっはっはっは!」

太ももを震わせ、苦痛の笑い声を上げながらも!

ジュピターの瞳から力は失われていなかった!

「いい加減にしにゃいと、本気で火星に変わってせっかんっへっひっひ! くうぅぅ!」

マーズも眉間に皺を寄せ、懸命に腰を振り、笑いを堪えようと試みる!

並みの相手ならば数秒で屈するだろうくすぐり攻撃に、彼女たちは耐え続けていた!

「ほほぅ、さすがだなぁ!」

「やはり、ただの萌え系美少女ではないということかぁ!」

「見込み通りだぞぉ!」

感服した、というような表情を見せ、感嘆の声を上げるキャタピーたち!

「あっ、当たり前れしょーっほほほほへへへへ! んぎぎぎぎぃぃ!」

足の指を丸め、目に涙を浮かべながらも、ヴィーナスが再び全身に力を込める!

「く、くすぐりくらいで、きゃははは! わ、私たちの心は折れません!」

キレイな腋の下を汗で濡らしつつも、自らを鼓舞するように首を左右に振るマーキュリー!

これまでに何度となく、激しい死闘を勝ち抜いてきた彼女たち!

くすぐられてギブアップなどという敗北は、彼女たちの誇りが許さないのだろう!

そう、それが単なる手合わせといえども!

「絶対負けない! あっひひひひひいひいひい! こんなずるい攻撃なんかにぃぃ!」

内股姿で爆笑しながらも両手で握り拳を作り、闘志を燃やすセーラームーン!

涙ぐましいまでの精神力で、反撃しようと必死のセーラー戦士たち!

……であったが!

「よぉし!」

「ここからは先はぁ!」

「勝利を掴むためぇ!」

「更なる本気をぉ!」

「出すしかないようだなぁ!」

なんとキャタピーたち、ここで非情なる宣告!

まさかの、今までは本気じゃなかった発言!

「ふぇっ!?」

「ひっ!?」

「なっ!?」

セーラームーンの、マーキュリーの、ジュピターの顔に、恐怖と緊張の色が漂う!

「ウ、ウソでしょ本気ってそんなのーっへへへへへーっひひひひひ!」

「ちょ待ってこれ以上何をする気うひゃひゃひゃへへへ!」

笑いと悲鳴交じりのマーズとヴィーナスの問いかけに、キャタピーたちは不敵に笑った!

「はっはっはぁ!」

「まずは第一の地獄だぁぁ!」

「行くぞぉ!」

「そうれぇ!」

「太ももぐにぐに地獄ぅぅ!」

その瞬間、セーラー戦士たちの太ももをくすぐる動きが変わった!

それまでのこちょこちょ攻撃から、柔らかく揉み込むモミモミ攻撃へとパワーアップ!

「ぶへっへへへへへへ!?」

この攻撃に、先ほどまで闘志を燃やしていた、セーラームーンの吊り上がった眉は!

「ひひひひひひひぃぇぇぇぇ!?」

あっという間にへの字に崩れた!

「きゃははははははぁ!」

今までとは違う新たな感触に、再び笑い転げてしまうマーキュリー!

「うきゃあああ、やめてぇぇぇ!」

「ひゃーっははははぁ!」

マーズもヴィーナスも、全く抗えずに笑い地獄へ転げ落ちていく!

中でも!

「ちょ、だめだ! それはだめだああぁぁ!」 

ひと際大きな反応を見せたのは、ジュピターだった!

「私は太ももが弱いんだぁ! だーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁぁぁ!」

ジュピターが最も苦手とする部分は、健康的な太ももだった!

「だははははははははは! あひ! あひあひあひあひあひあへへへ!」

弱点をわしわしと握られ、全身から汗を吹き出してガクガクと震えるジュピター!

「だめだってぇぇぇ! だははは、だーっはっはっはあ! うわぁっはっはっは!」

ジュピター、ピンチ!

屈するのは、時間の問題なのだろうか!

頑張れジュピター! 負けるなジュピター!

建前だけども言っておく!

「続いて行くぞぉぉ!」

「第二の地獄、腋の下高速コチョコチョ地獄だぁぁ!」

キャタピーたち、全く容赦なし!

間髪入れず、次なるテクニックが炸裂する!

腋の下をくすぐっていた指が、目にもとまらぬ超速スピードで動き始めたのだ!

「くひょぉぉぉぉ!? ああああああ効くぅぅ!」

「ちょ待って速いひひひひ! 速すぎるぅぅぅぅ!」

「ちょっちタンマタンマ本気でひゃあああああ!」

人体の中でも間違いなく最大級にくすぐったいポイントへの、高速攻撃!

セーラームーンが、マーズが、ヴィーナスが悲鳴を上げる!

「んあっはっはっっへへへへへ!」

ジュピターにいたっては、アヘ顔見せられないよレベルの悶絶顔を見せてしまっていた!

加えて!

「わ、私そこ弱いんです! きゃはははははははお願いやめてやめてやめてぇぇっ!」

特に反応してしまったのは、マーキュリーであった!

「きゃはははははははぁ! わ、腋の下だけは勘弁してぇ! きゃははははははははは!」

原作や新テレビ版で、五人中唯一ノースリーブコスチュームのマーキュリー萌え!

ゴホン、ではなく!

腋の下丸出しコスチュームでの高速コチョコチョは、はっきり言ってつらい!

つらすぎる!

「いやぁぁぁぁ! もういやだぁ! いやいやいやいやいやあぁぁぁぁっ! ぐずっ」

美しい瞳から涙を流し、泣きじゃくり始めるマーキュリー!

いいぞキャタピー、もっとやれ!

「まだまだ行くぜぇ!」

「第三の地獄、足の裏指の付け根ゴシゴシ地獄ぅ!」

プロのくすぐり師、もとい!

プロの戦士、キャタピーの責め、もとい攻撃はまだまだ終わらない!

三つ目の奥義が彼女たちの可愛らしい裸足、その中でも最大のポイントであろう個所!

足の指の付け根の盛り上がった部分を左へ右へ、恐怖の往復運動が始まった!

「んひょわひゃっひへっへっひひひひひ! 強烈ぅぅ!」

「くすぐったすぎんへへへへへへへへへへ! ひぃあぁ!」

セーラームーンとマーズの笑い声が、どんどん甲高くなっていく!

「あっへへへへへへへ! ぐっへへへへへへへあへあへあへ!」

「もう嫌よぉぉぉぉ! ぐずっ、ううっ、あああああああっ!」

ジュピターとマーキュリーは息も絶え絶えといった様子で、キャタピーの腕の中で踊り回る!

さらには!

「ああああそこだめそこだめそこだめくすぐったすぎへへへへへへへへへ!」

驚きの表情で身体をのけ反らしてたのは、ヴィーナスであった!

「わ、私こんなの初めてなにょぉぉっほっほっほっほっ! ほほほほへへ!」

物心ついてから足の指の付け根を触られた経験がない場合!

大人になってから初めて誰かに触られ、あまりのくすぐったさに醜態を晒してしまうことは!

稀によくあります!

「ちょ涎がぁ! 涎出ちゃうっへっへっへっ! じゅる」

飲み込めない涎を口元に垂らし、足の指を反り返らせ、ヴィーナスは初体験に悶絶!

「きゅひょひょひょひょひょーっ! んあんあんあ、へひーっひひひひひひひぃ!」

刻一刻と近づく、ノックアウトの時!

「続いて最終地獄だあぁ!」

「こいつの威力はすごいぞぉぉ! アバラコリコリ地獄ぅ!」

イケイケ頑張れ! 僕らのキャタピー!

セーラー戦士たちの身体を押さえつけてくすぐるだけでも羨ましいというのに!

抜群のスタイルを誇るウエスト部分のアバラ骨をコリコリ揉みしだいちゃうなんて!

ああ羨ましい、ホント羨ましい、混ぜてほしい!

「ぎゅおへぇぇぇぇ!? ほひゃーっへへへへへ!? ぐひょぉぉぉ!?」

声も表情もコミカル、精神状態はコミカルでは済まされない限界ギリギリセーラームーン!


「あっへっへっへ、へへへへへへへへへ、へーっへへへっへ、へへへへへへへへ」

「もう嫌だってばあぁぁぁ! えぐぅ! 嫌だって言ってるでしょぉぉぉぉ!」

「どーしてこんな勝負を受けちゃったのぉほほほ! あっダメ、ノォォォォォッ!」

焦点の定まらない虚ろな瞳のジュピター!

泣きじゃくり、珍しくキレ口調のマーキュリー!

軽はずみな手合わせの受諾を後悔するヴィーナス!

そして、彼女も!

「ちょ、無理無理無理無理無理無理! 無理無理無理ぃ! それは反則ぅ!」

さしものマーズもテクニカルにアバラをコリコリと擦られ、ついに身体を激しく痙攣させた!

「た、助けて! あひひーっひひひひひ! だ、誰でもいいから助けてぎひひひひひぃ!」

恥も外聞も捨て、ダンシングドールのように踊りながら助けを求めるマーズ!

しかし残念無念至極当然、誰も助けになど来ない!

「いひひひひ助けてぇ! ずびっ、ぎひひひひひひ! ああああ助けてぇぇぇぇ!」

綺麗な顔を鼻水で濡らし、クネり、お尻を振り、うわごとのように助けを求めるマーズ!

炎の戦士の燃え盛るスピリットは、まさに風前の灯火であった!

「うひょっほほほほ! みっ、みんなぁっへっへへ! 負けちゃだめぇひょひょひょひょ!」

仲間たちの大ピンチに、自身も笑い狂いながら励ましの言葉をかけるセーラームーン!

「どうだぁこの四大奥義はぁ!」

「降参すれば今すぐに楽になれるぞぉ!」

しかしすかさずキャタピーたちが、セーラー戦士たちに甘い誘惑の言葉を投げかける!

そして今のセーラー戦士たちに、抗える心の強さは残っていなかった!

「あへへへへへへ、ギ、ギブ、あへへへ、ギブアップ、あへへへへへ、ギブアーップ」

「ぐずぐずっ、降さぁん! 降参するからやめてよぉぉぉ! ひぐぅぅ!」

ついにジュピターが!

マーキュリーが!

「にゃひゃひゃひゃひゃひゃ! 私の負け! 負けでいいからもうストップゥゥ!」

「ギブギブギブギブギブ! ギブだから助けて助けて助けて助けてぇ!」

ヴィーナスが!

マーズまでもが!

くすぐり攻撃の前に完全に心を砕かれて屈服し、敗北の言葉を口にしてしまったのであった!

「よーしわかったぁ! 今、楽にしてやるぞぉ!」

敗北宣言を聞いた後の、キャタピーの動きは早かった!

「分身の術、解除ぉ! ニンニぃン!」

その一言で、四大戦士を羽交い締めにしていたキャタピーたちが、煙とともに掻き消えた!

くすぐり地獄から解放された四戦士は、そのまま地面へと倒れ込む!

その身体は、ピクリとも動かない!

「み、みんな! みんなーっはっはっはっはっへっへっへっへっ!」

微動だにしない仲間たちの姿に、笑いながら絶叫するセーラームーン!

「はーっはっはっはぁ! 安心しろぉ! 催眠ガスで眠ってるだけだからなぁ!」

しかしあくまで平然と、あくまで余裕の口調で!

キャタピーは四戦士の無事を告げるのだった!

「うひぇ!? ね、眠ってるってどーゆうっひひ、うひひょひょへへへ!」

「俺の分身は、解除すると催眠ガスが発動する仕組みになっているんだぁ!」

「くひょっひょひょひょ、ど、どうしてそんなしくみににょへへへへ」

「敗北した相手を必要以上にいたぶるのは、俺の主義に合わんのでなぁ!」

キャタピー、何という紳士!

まさに戦士の鑑!

本当にすごいのは、分身解除と同時に催眠ガスを発動する謎な仕組みな気もするけど!

気にしない気にしない!

「ゆっくり眠るがいいぞぉ! さあさあぁ、残るはあと一人だけだぞぉ!」

くすぐりの手を全く緩めず、勝ち誇ったように宣言するキャタピー!

分身が消滅したといえど、結局のところは一対一!

加えて勝敗はほぼ決したような、圧倒的キャタピー有利の状況である!

セーラームーン、大ピーンチ!

「ひょへへへへへへ! ま、負けない! 私は負けないぃぃぃ!」

だが!

そこは国民的アイドル戦士にして番組の主人公!

全身を様々なテクニックで蹂躙されながらも、笑いすぎてヘトヘトにも関わらず!

「あっひょひょひょひょ! きゅひぇひぇひぇ! のひゃぁぁぁ!」

セーラームーンは驚異的な粘りを見せている!

「ほほぅ! まだ頑張るのかぁ! 見上げた根性だなぁ!」

「こっ、こんなずるいやり方なんかに、絶対負けたくないんだからぁぁっはっはっは!」

「限られたルールの中で、勝利条件を満たしただけだぞぉ!」

「そっ、しょうかもしれないけどおおぉ! ひひぃ死んじゃうぅぅ! うひょっひょひょ!」

大爆笑しながらも、踏み留まり続けるセーラームーン!

そう!

凄腕の戦士キャタピーの体力とて、決して無尽蔵ではないのだ!

いくら相手が体重の軽い女の子とはいえども、ずっと抱えたままくすぐり続けていれば!

いずれ疲労が蓄積されるのは明白に明瞭!

キャタピーが疲れた隙をつき、脱出して必殺技をお見舞いすれば!

あるいは、一発逆転の可能性が残されているかもしれないのだ!

……と、一応それっぽいことを言って盛り上げておいて、大変申し訳ないのだが!

「ふっふっふぅ! ならば、ついに裏奥義を出すしかないようだなぁ!」

何と何とキャタピーさんは、まだ全力を出していなかった!

この後に及んで隠していた、超必殺技があったのである!

「えっ」

キャタピーの無慈悲なる裏奥義宣告!

セーラームーン、これには絶句!

「う、裏奥義!? う、うしょでしょしょんなのもー無理だってぇぇ!」

死刑宣告にも等しいキャタピーの言葉に、セーラームーンの心は絶望の淵へと叩き落される!

残念無念セーラームーン!

現実は非常であった!

まあ仕方ないね!

「そうよぉ! 裏奥義、ツボ入れ地獄だぁぁ!」

「ま、待ってってっへっへ、さ、さっきので全部終わりじゃなかったのぉぉ!」

「切り札は最後まで取っておくものと、相場が決まってるぞぉ!」

「しょ、しょんな! しょんなあああーっはっはっはっへっへっへ!」

「いきなりエターナルセーラームーンに変身したら、視聴者も白けるだろぉぉ!」

「しょ、しょれとこれとは話が別よーっほっほっほぉ! イヤだぁホントに無理ぃぃ!」

頑なに堪え続けていたセーラームーンに、とうとう諦めの表情が浮かんだ!

明らかに、戦意を喪失してしまっている!

「わっはっはぁ! さあ受けてみるのだぁ!」

「イヤだあああああああああ!」

金切り声を上げるセーラームーンだったが、戦闘のプロ、キャタピーは物ともしない!

満を持してキャタピーは、脇腹をこちょこちょとくすぐっていた両手を、一点に固定する!

ちょうど、ウエストとおへその中間部分!

まさにそここそが、セ-ラームーンの急所であった!

そして!

「裏奥義ぃ、ツボ入れ地獄ぅぅ!」

セーラームーンのツボに指を突き立て、クリクリクリと動かし始めるキャタピー!

「んぎゃああああ!? ちょ、ツボ入ったうひひひひいひへへえへへへんぎゃああああ!」

体内が爆発するようなくすぐったさに襲われ、喚き暴れ出すセーラームーン!

火事場の馬鹿力と呼べるレベルのパワーを発揮し、くすぐったさから逃れようとのた打つ!

しかし悲しいかな、それでもキャタピーの羽交い締めを振りほどくことはできない!

「ほれほれ、クリクリクリっとなぁ!」

「うひょわっひゃははははひひゃひゃひゃへへぐへへぐひょごわああっははへへへふ!」

「ぎゅおおおおぎょぎゅううぅぅぅ! ぎゅ、ぎゅぎょぎゅぅぅぅぅぅぅ!」

獣のような唸り声を上げるセーラームーン!

脇腹のツボから指を外そうと、必死に腰をツイストし、エッチな踊りを踊りまくる!

しかしキャタピーの指はしっかりとツボに食い込んでおり、全く離れる気配がない!

まごうことなき完全フィット!

「どひぇぇぇぐひょぉぉぉぉぉ! やめちくりぃぃぃぃぃ! おごわああああ!」

一瞬で吹き出した汗と涙と涎と鼻水で、顔をぐちゃぐちゃにして悶え狂うセーラームーン!

そしてついに!

「ごめんなしゃいぃぃ! ああああああああああああっ! あーーーーーーーーーっ!」

激闘に終止符が打たれる時が来た!

ツボ入れが始まってから十秒と経たず!

とうとうセーラームーンの口から、懇願の言葉が吐き出されたのだ!

「んん? 今、ごめんなさいって言ったかぁ?」

「あーーーーーーーーーーーーーっ! あーーーーーーーーーーーーーっ!」

首をガクガクと縦に振り、セーラームーンは肯定の意思を示した!

くすぐりが強力過ぎて、もはや言葉を喋ることも出来ないようだ!

「降参と受け取ってもいいのかぁ?」

「あがぁぁぁぁぁ! うきゃぁぁぁぁぁ! ああああああああああぁぁぁぁぁぁ!」

キャタピーの問いかけに、首をガクガクガクガク縦に振り続けるセーラームーン!

壊れた人形のように成り果てた、無残な月のプリンセスの姿!

この瞬間!

最後の戦士のギブアップを持って!

セーラー戦士の敗北は決定したのであった!

やったぁ!

俺たちのキャタピーの勝利だぁ!

やったぁぁ!

バンザーイ!

……ふぅ。

さて、ナレーションに戻ろう!

「あああああああああああああ……はうっ」

キャタピーがくすぐりをストップするやいなや、セーラームーンはくたっと頭を垂れた。

同時に、あれだけ死にもの狂いで苦しみもがいていた全身の動きも、ピタッと止まる。

あまりに強力過ぎるくすぐりに、とうとう失神してしまったのだ。

おしっこを漏らしたりしていないのは、彼女にとって不幸中の幸いだったといえよう。

……そこ、残念とか言わない!

「想像以上の頑張りだったぞぉ……!」

熾烈な戦いを終えたキャタピーは、セーラームーンを抱えたまま、その場にしゃがみ込む。

そしてそのまま彼女を、ガラス細工を扱うように優しい動作で、そっと地面へと横たえた。

戦いから外れた場にあっては、あくまで紳士的に振る舞う男。

それが、キャタピーという戦士である。

「やはりこの星にきてよかったぞぉ……! お前たちと戦えてよかったぞぉぉ……!」

キャタピーの顔には、強敵を打ち倒した満足感が満ち溢れていた。

紛れもなく、何かをやり遂げた男の顔であった。

「これで次の武道会に向けて自信がついたぞぉ! ……でもぉ!」

すぐさま勝利の余韻を振り払い、キャタピーはすっくと立ち上がる。

倒れたセーラー戦士達に背を向けると、彼は一歩、また一歩と歩き出した。

「この星には、まだまだ強い萌え美少女戦士がいるはず! 彼女たちにも勝負を挑まねばぁ!」

銀河ネットでのリサーチ結果をもとに、脳内で吟味を重ねるキャタピー。

「次はプリキュア……おジャ魔女ドレミ……東京ミュウミュウ……うーむぅ……ぶつぶつ」

新たなる対戦相手を求め、キャタピーは冬風吹きすさぶ公園を後にするのであった。

次にキャタピーの毒牙にかかる萌え美少女……もとい。

次にキャタピーと戦う戦士は、果たして彼を打ち破れるのだろうか?

それは神のみぞ知るところである。

あとキャタピー、街中を歩いてると確実に職質されるから気をつけた方がいいだろう。

マジで。

そして。

キャタピーが去った後、公園の広場に残ったのは。

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

天国と地獄を両方見たような表情で眠る、五人の美少女戦士たちの姿だけであった。

……いや。

正確にいえばもう一人いた。

「いかん、思わず見とれてしまった……おうっ! おうっ!」

そびえ立つ一本杉の頂上で、そびえ立つ股間を前屈みで押さえる男。

タキシード仮面が。

おしまい

以上となります!

くすぐり小説もっと流行れー流行れーww

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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