千川ちひろ「えっちなSSのすゝめ」 (19)
●はじめに
※メタネタ注意
※このSS内に性描写は含まれていません
※あらすじ
・はじめに
・題材……書くべきものは「あなたがソソる」モノ
・ストーリー……えっちする理由は適当で
・文章……えっちSSが書きやすい理由
・えっちSSでしか書けないこと/おわりに
※登場人物
千川ちひろ
https://i.imgur.com/ndXZrgN.png
以下本文
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530376155
●はじめに
ちひろ「天は『SS書きの上にSS書きを作らず、SS書きの下にSS書きを造らず』と言いました。
しかしなぜえっちなSSを『書ける人』と、『書けないと言う人』がいるのでしょうか?
それは方法を知っているかどうかだけの話です。知れば書けます!
方法さえ知っていれば、えっちSSは非えっちSSより書きやすい、とさえ言えます!」
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モバP(以下P)「ぬわぁあぁあぁあぁん……書けない……」
ちひろ「仕事中なのにひどい呻きですね……企画書か何かをお書きですか」
P「SSが書けない」
ちひろ「SS……?」
P「SSとは……かくかくしかじか」
ちひろ「……いや、SSそのものはわかってますけど……プロデューサーさんはSSを書いてたんですね。
……仕事中なのに」
P「……モバマスのSSですからね!?
これも、アイドルの魅力を宣伝するための手段の一環なんです……っ!
何卒、職務専念義務には違反していないってコトで処分はご容赦を……っ!」
ちひろ「SSを書くのが職務だとすると、それがうまくいかないってのは問題ですね。
何か私に力になれることがありませんか?」
P「…………」
ちひろ「…………」
P「……とにかく、書けないんです……実は、SSを書くのも初めてで……」
ちひろ「それなら……えっちなSSを書いてみたらどうです?」
P「えッ、む、ムリですよ俺なんか!? だって、その……あの……」
ちひろ「ナニをカマトトぶってるんですか。
あなた実際に芸能界でプロデューサーやった経験なんてないでしょう?
それでもSSが書けると思ったんでしょう? 別にあなただってえっちなSSは書けますよ。
あなたが童貞であっても」
P「ああアアああぁああああああアアあゝああぁああああ!!!!」
ちひろ「童貞でも『ソープへ行け!』とか言ったりシませんから。私は北方謙三じゃありません。
もちろん、そういうお姉さんに実体験を聞くのもアリでしょうが、そこまでしなくても書けます」
ちひろ「ちなみに、『女性のことを知らないなら、私が教えて差し上げます』なんて展開はありませんからね」
P「正直ちょっと期待してました! すみません!」
ちひろ「だってえっちSSはカンタンに書けるっていうのが私の言い分ですから。
書き方さえ知っていれば、非えっちSSより格段に書きやすいはずですよ。
私も営業のために書いてたコトありますもの。
えっちSSは非アイマスPでもえっちSSってだけでたまに読んでくれますし」
P「このオンナ、ゲス……いや、営業熱心で感心します!」
●題材……書くべきものは「あなたがソソる」モノ
ちひろ「ところでPさんはホモですか? ヘテロですか? バイですか?」
P「けっこうキワどいコト平気で訊きますね」
ちひろ「大事なことなんです。モバマスのアイドルは涼くん以外みんな女性です。
『女性にソソる』ヒトじゃないとモバマスえっちSSは厳しいと思います。
なぜなら、書くべきものは「あなたがソソる」モノだからです。
さぁ、ナニにそそるか参考資料で考えてみましょう!」
※ちひろ(男体化は私の守備範囲外なので割愛させていただきます)
※参考資料1
https://i.imgur.com/EUps2sC.jpg
https://i.imgur.com/GbkuRkR.jpg
https://i.imgur.com/QbQjVIo.jpg
P「おいちひろ、ソソっちゃイケない子を混ぜるんじゃねぇ」
ちひろ「3人とも実際にシたら違法ですよ。でも、SSを書くぶんには合法ですから!」
※参考資料2
https://i.imgur.com/2mVmRYK.jpg
https://i.imgur.com/PWFmuUA.jpg
https://i.imgur.com/Xq9SQDR.jpg
ちひろ「参考資料1は、おっぱいドン! おしりドン! みたいに直接的なものを……
参考資料2は、はだけた服やくつろいだ格好など、間接的にセックスを連想させるものを……
と適当に選んでみましたが、いかがですか? どれか『えっち! これはいけない!』とソソりました?」
P「えっ『これはいけない!』でイイんですか?」
ちひろ「えっちSSに『いけない!』はプラスです。『いけない! けどやっちゃう……』と、
『大丈夫だから、やっちゃえ!』と、どちらが欲望に流されてる感が出てますか? 前者でしょう。
だからダメ、って響き自体がえっちなんですよ。
※参考資料3
https://i.imgur.com/0HKmYiT.jpg
https://i.imgur.com/McNzqRO.jpg
https://i.imgur.com/AxLPBmm.jpg
書いちゃダメはダメじゃないんです。基本アリなんです。
例えば、一見セックスというか性的なものがほとんど関係ないような以下のカードからでも……」
https://i.imgur.com/bvH1rom.jpg
ちひろ「森久保乃々ちゃんですね。これからちょっとえっちなSSを書いてみましょう」
P「涙目なところとか、パンツが見えそうなところとかはソソる人もいるかもしれませんが、
それだけではちょっと書くのは辛いですね」
ちひろ「涙目! 目が潤んでいる! いいじゃないですか……コレだけで書けますよ!」
P「えっ」
ちひろ「例えば、目が潤んで顔が赤らんでるのは、そういうのを期待しているからだった……と思えば、どうです?
眉がゆがんでいるのは、そういうイヤらしい期待をしている彼女から自身への恐れ……と思えば……」
※参考資料4-1
机の下で、プロデューサーさんを見上げて、まともに視線がぶつかったこと。
その瞬間から、色々されるまでのこと。
プロデューサーさんの気配が背筋に走るたびに、それが思い出されて、
頭から離れなくなって……とっても、困ってるんですけど……。
プロデューサーさんは、私の……もっ、森久保の居場所なんて、
探さなくったって最初から分かってるはずなんです。
だって、森久保はあの日から、隠れるときは決まって机の下なんですから……。
森久保が逃げ出して、机に潜り込んで少し経つと、
いつも同じぐらいの時間で、プロデューサーが部屋に戻ってくるんです。
森久保は机の下で頭を抱えているんですけど、足音のリズムで分かってしまうんです……。
プロデューサーの気配が迫ってくると、心臓はうるさくなって、目は勝手に涙目になって、
背中にあたる冷たい机の感触が、もう逃げ場は無い、と言ってくるんです。
震える手足を身じろぎさせちゃうと、机の下の漫画とか、キノコとかが当たって、
音が少しでも立とうものなら、森久保は体がガチガチになります。
プロデューサーさんは、森久保を探す素振り――いつも、そういうフリするんです――で、部屋を歩き回ります。
足の運びは不規則。おもむろに立ち止まって、意味ありげに足を止めてみたり、
書類を探すような手つきで、机の天板をさすります。まるで自分の背中を撫でられてる気がします。
森久保は、プロデューサーさんの物音だけで、じくじくと色んなものを削られていきます……。
プロデューサーさんは、こんな森久保に今度は何をさせるつもりなんでしょうか……。
エクトプラズム吐くほどの衣装を着せられるのでしょうか……。
歌詞を読むだけで眩暈がする歌を練習させられるのでしょうか……。
鏡で自分の姿を見られないようなダンスをさせられるんでしょうか……。
それとも、プロデューサーさんのを……。
プロデューサーさんに今までされてきたことが、
森久保の頭でぐるぐる回って渦巻いて、自分でその渦に飲まれていきます。
プロデューサーさんの足取りが机の前で止まりました。
ピシリと伸びたスーツに、黒光りする革靴。その足音が不意に止むと、たまらないんです。
森久保が距離感を読み間違えてやしないか、こんなに長い間足音が止むなんて、
ひょっとしたらプロデューサーさんは、この部屋を出て行っちゃったのでは……。
そうして、目を上げると、プロデューサーさんは立ち尽くしたままなんです。
きっと、森久保の心臓があんまり速く打つものだから、時間の感覚がおかしくなってたんです。
プロデューサーさんが目の前に立っていると思うだけで、森久保は金縛りにされてしまいます。
プロデューサーさんが、椅子に腰をおろします……。
無造作に、どっかと座って、椅子がギシリと鳴って、森久保の足のすぐそばに、
あの爪先のとんがった革靴が投げ出されます。森久保は必死で足を引きます。
反射的な動きで、足裏で床を擦ってズリズリ音を立ててしまって、自爆してしまいました……ば、万事休すですか……。
そう思うと、あれほど恐ろしく思えたプロデューサーさんのスーツ姿から、
森久保は目が離せなくなるんです。プロデューサーさんが机を覗きこんで、森久保を見つけた瞬間、
森久保はプロデューサーさんを見上げてなければいけない気がするんです。
前は、人と目なんか絶対に合わせられなかったんですけど……
いや今だって、まだまだキツイのに、どうしちゃったんでしょうね……。
※参考資料4-2(つづき)
いつ覗きこんでくるか待ってて、まばたきできないまま、目が痛くなってきたあたりで、
森久保はプロデューサーさんの右足踵がトントンと上下しているのに気づきました。
耳を澄ませると、かすかにプロデューサーさんの声もします――鼻歌、でしょうか?
プロデューサーさんは、森久保が出してしまった音に、何の反応もしません。
もしかすると、イヤホンで音楽でも聞いていて、森久保の音が聞こえなかったとか……。
え? それって、しばらくこのままってことですか……?
どうしましょう……これ、森久保は完全に閉じ込められてるんですけど……。
こういうの、生殺しっていうんじゃないんですか……?
プロデューサーさんの机は広いですから、森久保の体を縮こませれば、
プロデューサーさんの体に触らずここを抜け出すこともできます……物理的には。
それって、両肘両膝ついて、四足で床にへばりついて、音を立てないように、
いろいろな人の私物で溢れかえっているのを崩さないように、そーっと、そーっと……
できるわけないじゃないですか……見つかります。見つかった瞬間、無防備です。
この期に及んで逃げようとした、なんてプロデューサーさんに知られたら、森久保は何を……。
と、というか、このプロデューサーさんの鼻歌……どこかで聞いた記憶があるんですけど……。
あの……これ、ひょっとして、ホント、もしかして、いや、もしかしなくても。
それ、森久保の持ち歌なんですけど……。
これは、もう、絶対、ぜったいに気づいてますよね……?
プロデューサーさん、森久保が今ここで、膝を抱えてどうしようもなくなってるのを。
それを知ってて、鼻歌聞かせてるんですか……?
プロデューサーさんの、きちく、おに、あくま……ああ、そんなこと森久保が言ったから、
プロデューサーさん、開き直って、こんなヒドい森久保いぢめを……。
も、森久保ったら、いつもこうなんです……森久保が何かしたり、言ったりすると、
その分だけ、プロデューサーさんが、どんどんエスカレートしていくんです……。
こ、こんな思いをさせるなら、一思いに……してくれないと、
このままじゃ、森久保のせいで、プロデューサーさんの机、大惨事になるんですけど……。
そんなことになったら。
プロデューサーさんはどんな目で森久保を見てくるんでしょう……。
どんな声音でどんな言葉をかけてくるんでしょう……。
どんな手つきで、森久保に触ってくるんでしょう……。
今までの体験と、これからの想像が、からみ合って、頭から垂れ落ちて、
心臓に流れ込んで、ドキドキに煽られてあっちこっちに飛び火します。
肌の表面からすぐ裏側までをおぞおぞと這ってまわって、
自分自身に雁字搦めにされて、びっくりするぐらい体が熱いです。
※参考資料4-3(つづき)
ダメです……いつまでもこんなことシてたら、本当におかしくなります……。
プロデューサーさんの右足が、革靴の踵で刻まれるリズムが、速くなったり遅くなったりすると、
それに合わせて、森久保の内心もあっちへこっちへフラフラします。
森久保は見えないロープで吊るされて宙ぶらりんで、プロデューサーさんの足先一つで、
ぐわんぐわん体を振り回されてるんです……。
え……? プロデューサーさん、どこへ、行くんですか……?
プロデューサーさんの足が、立ち上がって、もっ、森久保の視界から外れてしまいます……。
立って、そのまま、机から、離れて……どこへ行くんですか、森久保は、ここにいるんですよ?
足音が、遠ざかります。まっすぐ、早歩きです。肌でべたつく汗が、一気に冷えます。
扉の開く音がして、そのまま、プロデューサーさんの気配が感じ取れなくなりました。
う、ウソですよね……森久保を、騙そうったって、そうはいかないんです。
きっと、森久保から見えない所に隠れて、待ち伏せしてるんです。
出て行った瞬間、飛んで火に入る夏の虫です。焼かれて焦がされてしまうんです。
で、でも、もしそうじゃなかったとしたら……?
これ以上、プロデューサーさんと一緒にいたら、森久保はこれ以上おかしくされてしまうんです。
何をされるかは想像もつきませんけど……どんなにおかしくされるかは、分かってしまうんです。
なのに、今、森久保は、おかしくされなかったらどうしよう、とか考えてしまったんです……。
前は、アイドルなんて辞めてしまおうと毎日思ってたのに。
プロデューサーさんが森久保から離れたら、アイドル辞めてしまえるのに。
こんな森久保をかまってくれて、ましてアイドルデビューさせようなんて世話焼き、
プロデューサーさんしかいないんだから……。
じゃあ、もうプロデューサーさんがここに居ない、としたら。
背中が、前のめりに傾きます。
手足が見えない糸に引っ張られて、変な動きしたから、机の荷物が何か落ちて床を叩きます。
森久保は床にへばりついて、主を失ったままの椅子に寄って、机から顔を出します。
「プロデューサー、さんっ」
「やっと自分から出てきてくれたか。嬉しいぞ、森久保」
森久保は机に頭をぶつけました。
あまり勢い良くぶつけて、目の前にちらちら星が散って、プロデューサーさんの顔に重なりました。
頭までジンジンしてしまいます……。
「さぁ、森久保。レッスンだ。今日は新しいコトを教えてあげよう」
「む、むーりぃ……です……」
耳から頭に絡みつく声。手を握られて、森久保の手汗がバレちゃってます……。
「楽しみだろう?」
「ぷ、プロデューサーさん……」
森久保は、訳もわからないのに、
ただ、プロデューサーさんがとても楽しそうに笑うものだから、
首を縦に振ってしまいます。
「森久保。本当に楽しみかな?」
プロデューサーさんは、森久保が声に出すまで、じっと森久保の手を握っていました。
また、森久保のどこかが、おかしくされてしまったんです。
だって、楽しみかどうかも考えられないぐらいドキドキしてるのに、
勝手に首が頷くんです。勝手に喉がしゃべるんです。
こうしてプロデューサーさんに変えられてしまったことが、一つ一つ積み重なって、
森久保のなかから離れなくなるんですけど……これが、プロデュース、なんでしょうか……?
そうだとしたら、森久保は……。
※参考資料4出典
モバP「彼女たちの屈折」
モバP「彼女たちの屈折」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417228664/)
●題材……書くべきものは「あなたがソソる」モノ・2
ちひろ「ね、どうです? セックスは出てきませんが、明らかにえっちでしょう!
子供に読ませたら怒られるやつでしょう!」
P「ま、まぁ、子供に読ませたら怒られるってのはわかりますが……」
ちひろ「じゃあえっちSSです。直接的なセックスが出てくるR18SSばかりがえっちSSではありません。
むしろ、直接的にセックスが出てこないにもかかわらずえっちな連想をさせる、
というSSは、直接出てこないからこそ、えっちさを強調されることがあります」
ちひろ「とにかく、あなたがソソったものを書けばいいんです。
そのためには、あなた自身がソソるものを、日頃から書き留めて自覚しておくのが早道です。
プロデューサーさん、アレのオカズはどんなものを使いますか?」
P「ちょっ、ちひろさん、下品ですよ!? これ一応、非R18で公開するブツですから!
ちひろさんにもイメージというものがありますし、放送禁止用語は使わないよう気をつけてください!」
ちひろ「オカズのなかのどのような要素にソソられたか、それを確認してください。
自分を興奮させる属性はナニか、自覚してください。それさえできれば、えっちなSSは書けます!
逆に言うと、そこに嫌悪感や苦手意識を持つ人は厳しいでしょうね……。
抜く人は書ける! これがえっちSSです」
●ストーリー……えっちする理由は適当で
P「でも……アレとセックスでは、同じようにいかないことがありますよ?」
ちひろ「同じようにいかないこととは?」
P「例えば……アレだったら、するのに特に理由はいりませんが……所詮一人遊びですし……
でも、セックスは相手がいることですから、そこに至るまでの理由が必要じゃありません?」
ちひろ「なるほど、プロデューサーさんって意外と乙女ちっくなんですね。
セックスにはムードが必要……いやぁムリヤリだったらまったく必要ないですし、
合意のもとでもお酒とかシチュエーションに流されるままってのは十分ありですよ。
もちろん理由があるセックスもえっちですけどね!」
※参考資料5
そうッスね。アタシはプロデューサーに迫られて、その……シちゃったことがあるッス。
アイドルとプロデューサーって関係なのに、信じられないッスよね。
でも、アタシはそれを受け入れてしまった。
そりゃ、アタシだって人並みに関心はあるし、プロデューサー相手なら一蓮托生だし、
……引きこもり半ニートだったアタシを社会復帰させてくれた恩人だし、
まぁ、誘われたら……という程度には好意を持ってて、それが半分ぐらい。
もう半分は、勢いでコトに及んでズルズルいっちゃうぐらい、アタシたちがだらしなかったというだけ。
※参考資料5出典
荒木比奈「絶対に許さないッス……」
荒木比奈「絶対に許さないッス……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1529729148/)
ちひろ「これ、実は絲山秋子さんの『ニート』のパk……オマージュなんですよ」
※参考資料6
キミと寝るのはちっとも嫌ではなかった。キミの部屋に最初に行ったのは私の方だったと思うけれど、
それからは結構頻繁に行き来して、でもどちらかがいきなり眠ってしまっても構わなかった。
キミのことは好きだと思っていたし、今でもとても好きだけれど、
セックスしたのはたまたま一緒に部屋にいて、二人ともだらしなかったからだ。
それ以上のことはどうでもよかった。
※参考資料6出典
絲山秋子『ニート』9~10p
ちひろ「芥川賞作家でさえ、
>セックスしたのはたまたま一緒に部屋にいて、二人ともだらしなかったからだ。
で片付けて良いんだから、セックスする理由をちゃんと考える必要はありませんよ」
P「絲山秋子さんの『ニート』は別に官能小説じゃないから、ただ枝葉末節として端折っただけでは?」
ちひろ「なんならセックスする理由を省いて、おっぱじめるところから書き出してもいいんですよ。
えっちならだいじょうぶ、というのがえっちSSなんですから」
ちひろ「えっちSSを『非えっちSSより格段に書きやすい』と主張する理由の一つがコレです。
えっちSSは、前戯→本番→事後だけで一本の話として成り立っているんです。
つまり、初め→中間ポイント→終わりが、序破急がハッキリしている」
P「まぁ、いきなり挿入して、ピロートークして、最後に愛撫なんて順序のセックスはないでしょうからねぇ……」
ちひろ「もちろん参考資料4のように、このセオリーから外れたって構いませんよ。
セオリーはあくまでセオリーです。痴漢とかだったら指だけでもありですし、
コスプレえっちなら初めの部分に小芝居を入れると盛り上がります」
●文章……えっちSSが書きやすい理由
ちひろ「それと、揉んだり、吸ったり、咥えたり、こすったり、舐めたり、入れたり、出したりとかの描写ありますよね」
P「あれの表現は難しいなぁと思うんですよ……他のSSではなかなか出てこないから……」
ちひろ「そういった表現は、他のえっちSSを読んで、借りてきてください」
P「コピペはまずいですよ!」
ちひろ「何もコピペしろと言っているわけではありません。でも、
揉んだり、
吸ったり、
咥えたり、
こすったり、
舐めたり、
入れたり、
出したり……
というのは、えっちSSならたいてい書かれていることです。気をつけないと、逆に似てしまいます。
自分の体験や記憶から絞り出すのも限界があります。
だから、他の人の表現を借りてアレンジするほうが、
よっぽど早くて書きやすいし、知らずに劣化コピーとなってしまうことを防げます。
それにプロデューサーさん、童貞ですよね? 他の人のを読まなきゃ書けないでしょ」
P「くそう……まぁ、殺人事件の推理小説を書くときに、殺人をする小説家はいませんしねぇ」
ちひろ「他の人のえっちSSを読むことが、えっちSSでは大事なんです。
もちろん官能小説でもジュブナイルポルノでもエロゲーでも構いません」
ちひろ「あとは、いっそ書き写してみるのもアリかもしれませんね。
下記のような意見もありますし……」
※参考資料7
ゼミナールの学生諸君や読者のみなさんだけでなく、プロともいうべき新聞記者や編集者からも、
よく、どうしたら文章がうまくなりますか、と訊かれます。
そういうときは、いつも「好きな作家の文章を、書き写すといいですよ」というのですが、
実際にやってみる人は少ないようです。
(中略)
「写す」ことの、一番の目的は「読む」ことです。
「読む」力をつけるには、書き写すのが一番いいのです。
ある文章を、正確に書き写すためには、かなり丁寧に読まなければならない。
文言はもちろん、漢字をどう仮名に開いているか、句読点をどう打つのか、といったことからはじまって、
文章の長短の配分やリズム、情報量のバランス、視点や時制のとり方、調子の変え方などといったことが、
実際に手をつかって書くことで、格段にわかりやすくなるのです。
※参考資料7出典
「福田和也の超実践的「文章教室」」p15
●えっちSSでしか書けないこと/おわりに
ちひろ「あとはまぁ、せっかくえっちSSを書くのであれば、
えっちSSでしか書けないコトについても、考えてもらいたいです」
P「えっちSSでしか書けないコト?」
ちひろ「いわばえっちSSの醍醐味ですね。
例えばえっちSSは、さきほど言ったとおりストーリーが単純なのに対し、表現できる幅は広くなります。
ふつうのSSだと、アイドルの肌の味、体温、鼓動、匂い……とかまでは、
なかなか踏み込んで書けないじゃないですか」
P「まぁ、ふつうのSSでそんなコトいきなり出てこないですよね」
ちひろ「与謝野晶子ふうに言えば、アイドル――の柔肌の熱き血潮――にSSという媒体で直に触れるには、
えっち要素がどうしても必要になります」
ちひろ「これをもっとゲスく言い換えると、えっちSSでしか釣れない読者がけっこういるんです。
あなた初心者ですよね? 手っ取り早く読者を獲得したいなら、えっちSSを書きましょう」
P「ホント一気にゲスくなりましたね!?」
ちひろ「もう一回見てくださいよ、アイドルの子たちを……」
https://i.imgur.com/Kq1Y9xi.jpg
https://i.imgur.com/LOGBGLf.jpg
https://i.imgur.com/YQcfiVt.jpg
https://i.imgur.com/6AVT7tv.jpg
https://i.imgur.com/oBPjH0o.jpg
https://i.imgur.com/Zf0NN7Q.jpg
https://i.imgur.com/F5SyKSH.jpg
ちひろ「アイドルの代表とも言うべきシンデレラガールが、こんなに、えっち!
こりゃあもう『えっち=アイドルとしての人気』といって過言ではないでしょう」
P「画像のチョイスが恣意的! えっち=人気はさすがに暴論ですよ!」
ちひろ「モバマスの薄い本で行列作ってるサークルの大半はえっちモノでしょうが」
P「SSと薄い本を一緒にしないでください……」
ちひろ「二次創作というくくりでは一緒じゃないですかー」
ちひろ「というわけで大雑把にですが、題材・ストーリー・文章・えっちSSでしか書けないことの4点で、
『えっちSSがいかに書きやすいか・書くべきか』について紹介してみました!
どうです? えっちSS書けそうですか? 書きましょう!」
P「……いや、まだちょっと……なにぶん、SS自体が初めてだし……」
ちひろ「じゃあ職務専念義務違反ということで」
P「書けます! 書きます! 書いてみせますちひろ様!」
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======
===
ちひろ「ではここでもう一度」
ちひろ「天は『SS書きの上にSS書きを作らず、SS書きの下にSS書きを造らず』と言いました。
しかしなぜえっちなSSを『書ける人』と、『書けないと言う人』がいるのでしょうか?
それは方法を知っているかどうかだけの話です。知れば書けます!
方法さえ知っていれば、えっちSSは非えっちSSより書きやすい、とさえ言えます!」
ちひろ「みなさんもえっちSSを書きましょう!」
(おしまい)
小ネタスレに書くのが怖いからこちらに書き逃げしてくよ!
>>2
ちひろ「ちなみに、『女性のことを知らないなら、私が教えて差し上げます』なんて展開はありませんからね」にこにこ
P「……ないの?」
ちひろ(唐突にこのひとは闇を抱えたイケメンキャラのような物悲しげな目でわたしを見た)
ちひろ(……えっ?)
ちひろ「えっ? えっ? あっえっ? なに、プロで、さん? ゅーいって?」
P「わざとらしくバグったふりしてないで教えてよちひろさん」
ちひろ(薮蛇だった)
ちひろ(それにふりじゃないんです。本当にバグっちゃったんです)
~翌日~
ちひろ(……………………)ぐったり
ちひろ(プロデューサーさんはいわゆる童貞ベッドヤクザでした)
ちひろ(ついでに処女だとばれてしまいました)
ちひろ(の……の……の……の……)の……の……の……の……
ちひろ(のの字を何度書いても恥ずかしさは薄れません)
ちひろ(だいたい理性が飛んできたところで自作曲を出してきて『これ歌いながらしてよ』ってなんなの)
ちひろ(~~~~~~~~~~~~)
ちひろ(歌っちゃいましたよ! 喘ぎながら!)
ちひろ(がらでもないふりっふりの胸キュンポップな歌を!)
ちひろ(~~~~~~~~~~~~)
ちひろ(鬼! 悪魔! プロデューサー!)
ちひろ(~~~~~~~~~~~~)ぐったり
ちひろ(草食プロデューサーの豹変に困惑してます!? ~挑発の代償は純潔でした~ / 千川書房)
ちひろ(これがティーンズラブ小説とかなら2章くらいかな……今)の……の……の……の……
ちひろ(されちゃうのかな……わたし……)の……の……の……の……
ちひろ(プロデューサーさんなしではいられない女にプロデュースされちゃうのかな……)の……の……の……の……
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