【モバマス】楓「緑髪は人気が出ない?」 (10)
vipには初投稿の作品になります。
オリ設定注意。楓さんとPとちょっとだけ奈緒とかが出ます。
時期は6月頃くらいで考えて下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529491910
最近事務所のアイドル達の間で流行ってる「デレぽ」というものがあります。
本当に使い方が多様で、自分の近況報告や仲間集めに使ったり懺悔に使う子もいるみたいです。
私自身は機械にそれほど強くないのでどちらかというと見る専門なのですが…。
皆が喜んでくれるような駄洒落は考えつくのが難しいですし。
「撮影お疲れ様でしたー」
と終了を告げる声がスタジオに響きます。
今日は雑誌のグラビアの撮影でした。
何でも夏を先取りするコーデの紹介だとか。
ああ、今年も夏が来てしまうんですね。
今年は涼しさを増すために風鈴を買ってみようかしら。
…風鈴センスのいいプリンセス…ふふっ。
私もプリンセスになれるのかしら?
なんてことを考えながら控室に向かいます。
「失礼しまーす」
別に誰かいるわけでは無いですがそう言って入るのは習慣というべきなのでしょうか。
控室に戻り、明日の予定を確認します。
そして、一通り確認が終わったら次は携帯を取り出します。
最近は「デレぽ」で皆の日常を見るのが楽しくて、それが日課にもなっていたり。
思わぬ所に駄洒落のネタは転がってる事もありますし。
「…今日も飲み会があるのねぇ。今日はパスかしら」
撮影スタジオが少し事務所から遠い上、明日も早いので今日は皆さんの飲み会に参加できそうに無さそうです。残念です…。
「あら、奈緒ちゃんが何かシェアしてるみたいだわ」
「デレぽ」には他人の書き込みを自分のタイムライン上にシェアできる機能があって、どうやら奈緒ちゃんや比奈ちゃんがそのシェアされた内容について盛り上がっているみたいでした。
「『緑髪のヒロインは人気が出ない』…何だよこれ!別にこんなの個人の主観だろ!!」
「確かに、髪の色も要素ではありますが別にそれだけで人気が決まるほど大きな要素ではないッスよねぇ…」
どうやらアニメ?の内容について盛り上がってるみたいですね。
私も、シェアされている内容を見て一つ思い出しました。
…そういえば私、髪、緑色ですね。
やっぱり世間的には緑髪はダメなのかしら?
うーん、あまり髪を染めたくは無いのですが、もしそうならば一度プロデューサーさんの許可を取って髪を染める必要があるかもしれませんね。
そうなったら、何色にしようかしら。金髪にしてフランス人カエーデ=タカガキになるのも面白そうかもしれません。
…でもフレデリカさんと被るのは宜しく無いですね。
金髪はやめましょう。
髪の色…緑髪…茶髪…白髪…白髪ネギ…そうだ。
今日は白髪ネギでも買いましょうか。
…白髪ネギというのは、人間皆最後は白髪になるという事実を、我々に告げてくれるのかもしれません。
白髪ネギさんは和え物になって白髪が茶髪になっていました。髪の色は難しいです。
翌日、朝も比較的早く、私は事務所に向かいます。
涼しくて過ごしやすい朝で仕事も捗りそうです。わーくわーくしますね。
「楓さんおはようございます。今日は14時からインタビューがあるので早めに待機しておいて下さい」
プロデューサーさんは私よりも早く事務所に着いていたみたいです。
いつも早く来ているみたいだけど何時に着けば待つことが出来るのでしょう?
…話が逸れてしまいました。要件を思い出します。
「分かりました。ところであの…プロデューサーさん…」
「はい、どうしました?」
「実は相談なんですけども…」
「えぇ」
「髪を染めることって事務所的に問題ないですよね?」
「…はい?」
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしています。
何か変なことを言ったかしら。
「どうしたんですか楓さん…?」
「やっぱりアイドルとして髪の色も重要かなって、私思うんですよ」
「えぇ…?確かに外見に拘るアイドルはいますけどそんないきなり髪の色を変えたいだなんて…」
「だって、世間的には緑髪は宜しく無いのでしょう?」
と言って昨日奈緒ちゃん達が話題にしていた記事を差し出します。
「ふむふむ…奈緒ォ!!!」
「はいはい。プロデューサーさん、どうしたんだ?」
奈緒ちゃんが向こうの方から現れます。
この季節は髪が跳ねやすいとの事で苦労しているようです。
実は私も少し跳ねがこの季節は出やすいんですよね。彼女ほどのもふもふ感はありませんが。
「奈緒、別に責めるつもりは無いんだが、もう少しさ、アイドルなんだからさ、煽りに乗っちゃダメと言うかさ」
とプロデューサーさんはスマホを差し出します。
「あー…それは…私もカッカしていたんだな。うん。いやー…熱くなりすぎたなとは思っているよ」
そう言って奈緒ちゃんは照れたような顔を見せます。
「俺が見てなかったってとこはあるし…まぁ、とにかく以後気をつけること!いいな?」
「うん。気をつけるよ…ごめんな…」
バツが悪そうに奈緒ちゃんは元いた場所に戻っていきます。
どうやら話は済んだみたいです。
「あのですね、楓さん、別に髪の色を変える必要は全くないですからね?」
「え、そうなんですか?でも『緑髪は人気が出ない』って…」
「そんなわけ無いでしょう!あったとしてもアニメだけの話ですよ!」
横から「アニメでもそんなこと無いぞ!!」と聞こえてきます。
「そもそも、スカウトしている時点で私はアイドルとして十分素質があると見込んでスカウトしているんですよ?
わざわざ髪の色どうこうを今更言うことなんてある訳ないじゃないですか。今のままで楓さんはいいんですよ。十分トップを目指せます」
どうやら私の思い込みだったようです。
カエーデ=タカガキになる必要も無かったみたいです。
「じゃあ、プロデューサーさんは、緑色の髪の私が一番良いってことですよね?」
「えぇ。そのままが一番ですよ」
「…じゃあ、どんな髪の色の私だったとしても、プロデューサーさんは私を好きになってくれますか?」
「ん"っ!!?」
プロデューサーさん、顔が赤いですよ?
「ふふっ…勿論もう髪の色を変えるなんて事は言いませんよ。御免なさいね?」
と言ってお仕事の用意に向かいます。
それにしても、今日は夏にもなってない朝にしては随分暑いですね。
まだ時間もあるので、クールダウンしてくーる事にしましょうか。なんて。
以上になります。
お目汚し失礼しました。
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