【ガルパン】華のグルメ道~内のラーメン、外のラーメン~ (17)

お腹がすきました。
今の私は食事のことしか考えられないほどにお腹がすいています。

何故でしょう?きちんとお昼もおやつも食べたのですが……。

「いい匂い……。」

ふと気づいた煮干のような香りに顔を上げるとそこにはラーメンの文字。
普段なら1人でラーメン屋に入ることは勇気がなくてできませんが、今の私は違います。
近くに手頃なお店もありません。いざ。

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「らっしゃーい。」

店内には店長でしょうか、お父様と同世代に見えるおじ様がラーメンを茹でているのが見えました。
お客様は3人、いずれも男の方ばかりでそれぞれ新聞を読んだり煙草を吸っていたりしてラーメンが出来上がるのを待っているようです。
私は店内をざっと見渡し、他の方と離れたカウンター席を選んで座りました。
こういうお店では案内がないと教えてくれた優花里さんには感謝ですね。

「お嬢ちゃん、注文は?」

「醤油ラーメンの麺大盛、あとチャーハンをお願いします。」

「結構量あるけど食べれるんか?」

「はい、大丈夫です。」

「あいよー。」

やはり女子高生がこの量はおかしいのでしょうか?
行くお店行くお店で毎回聞かれるので困ってしまいます。
皆さんは気にすることないと言ってくださるのですが、少し気が引けてしまいますね。

「はい、餃子。生は今持ってくるから。」

先ほど新聞を読んでた方の前に餃子と生ビールが並びます。
その方はビールをゴクゴクと喉を鳴らすと、ぷはーと豪快に息を吐いてその余韻を楽しんでいらっしゃいました。
私はまだビールは飲めませんが、ああも美味しそうに飲まれるといつか絶対に飲んでやろうという気持ちになりますね。

そして餃子!ここからでは良く見えませんがあの表情を見るに美味しいのでしょう。私も今から頼みましょうか……。

「はい、ラーメン大盛ね。チャーハン今から作るから。」

「あっ、はい。」

餃子のことを考えていたらラーメンが出てきてしまいました。
よし、餃子のことはラーメンを食べてから決めましょう!まずは、このラーメンから!

「いただきます。」

通の方はまずスープをいただくと聞いたことがありますが、いかんせん私はラーメン初心者、ここは食欲に任せて麺をいただきましょう。
他の方に習って縮れた麺を啜ると、鼻の奥にスープの香りが抜けてきました。
それはお店に入る前に嗅いだ煮干の匂い。
それを楽しみながら麺を咀嚼します。
匂いもさることながら、味もまた良いですね。
さて、お腹が冷静さを取り戻したところでスープをいただきましょう。
……うん、美味しい。
すっきりとした味わいの醤油タレ、余韻を残す煮干と鶏ガラ、昔ながらというのでしょうか、昔を知らない私ですが、なんとなくそのような表現が合うような気がします。

「はい、チャーハンお待ち。」

麺を食べきったところにちょうどよくチャーハンが目の前に置かれました。
私にとってはこれ以上ないタイミングです。

「いただきます。」

2回目のいただきますをして、チャーハンをレンゲで掬います。
黄金に輝いたお米は見るからに健康に悪いですね。
うん、こちらも美味しいです。
昔お父様に連れていってもらった中華料理屋さんで食べた物とは違いますが、これはこれで有りですね。
ラーメンのスープとも良く合います。
角切りのチャーシューとかまぼこが口を楽しませてくれるのも嬉しいですね。

「ごちそうさまでした。」

満足です。
私は数時間ぶりの満腹感と幸福を味わってお店を出ました。
でも何か忘れているような……。

「あ!餃子!……まぁ、次に来る言い訳にしましょうか。」

「今から川原でラーメンを食べませんか?」

もうそろそろ帰ろうと考えていた矢先、優花里さんからラーメンのお誘いがありました。
昨日ラーメンを食べていたこともありお断りしようかとも思ったのですが、私のお腹は正直なようで、空腹に堪えきれないと悟った私はそのお誘いを了承したのでした。

「ではこのコンビニで買っていきましょうか。」

川原でラーメンとはカップ麺のことでしたか。
噂に聞いた屋台かと思っていましたが、これはこれでありですね。

「カップ麺なんて久しぶり!」

「じゃあ私のおすすめ教えてあげるね。」

「お、流石コンビニ通の西住殿!カップ麺のこともお見通しとは!」

「私は普通にカップヌードルだな。」

「ふふ、では私はこのスーパーカップにします。」

このスーパーカップというものはもちろんアイスのことではございません。
なんと通常のカップ麺よりもものすごく量があるカップ麺なのです。
前から1度食べてみたいの思っていたのでちょうど良かったですね。
しかし、みほさんが1瞬暗い顔をしたのは気のせいでしょうか……?

「ところでなんで急にカップ麺なの?」

川原に歩いている途中、沙織さんが尋ねました。
そこは私も気になっていたところでしたので、いい質問です。沙織さん。

「お、いい質問ですね~。って五十鈴殿、どうして笑ってるんですか?」

「いえ、私もいい質問だな、と思っていたところでしたので。」

「ふふ、私もだよ~。」

どうやら私とみほさんは同じ気持ちだったようです。
突然の話でしたので気になるのは当然ですよね。

「え~、私だけ仲間はずれなんてズルーい!」

「安心しろ沙織、私は特に思ってないから。」

「それはそれでなんだかな……。で、結局どうしてなの?」

「いやー、昨日深夜にテレビを見ていたら女子高生がキャンプするアニメがやっていまして。そこで食べてたカレーメンが美味しそうだったんですよね~。」

なんと、深夜にもアニメがやっているんですね。
そんな時間まで起きている子どもがいるなんて、時代は変わりましたね。

「あ、だからゆかりんカレーメン買ったんだ!意外と影響受けやすいんだね~。」

「でもわかるなー。私もテレビで紹介されているものって食べたくなっちゃうもん。」

そんなことを話していると川原に到着しました。
川辺まで土手を下りると優花里さんが早速準備を始めます。
リュックから色々な道具が出てきて見ているだけでも面白いです。
こういうのをコッヘル?って言うんでしたっけ?これでお湯を沸かすんですよね。

「お、3分経ちましたね!食べましょう!」

「いただきます。」

優花里さんの号令でいざ、カップ麺!

「あら?みほさんたちはまだ食べないんですか?」

「私たちのは5分のやつだから。先に食べて。」

なんと、ものによっては待ち時間が変わるんですね!
全部3分だと思っていました。新しい発見です。

さて、それではお先に一口……ん?

「あ、やっぱりあんまり口に合わなかったかな?」

私の箸が1瞬止まったのをみほさんは見逃さなかったようです。

「やっぱり、というのは?」

「そのカップ麺ね、安くて大きいんだけど、その分味は微妙なんだ。なんて言うのかな……ジャンク?って感じで。」

「ジャンク、ですか。たしかにそのような言葉が合うような気がします。」

「ごめんね、華さんの嬉しそうな顔してたから言い出せなくって……。」

みほさんが申し訳なさそうに目を伏せてしまいました。
私はあなたにそんな顔をしてほしくないのに……。

「気にしないでください。選んだのは私ですから、みほさんの責任ではありませんよ。それにこのジャンクな感じ、嫌いではありません!」

「華さん……。」

「というかみぽりんその大きいのも食べたんだね。」

「流石コンビニマスターですね!」

「私なら半分も食べられないだろうな。」

「えへへ、なんか食べておかないとと思っちゃって。」

みなさん、ナイスです。
みほさんの笑顔を無事取り戻せました。チームワークの勝利ですね。

「あ、西住殿、そろそろ5分経つんじゃないですか?」

「本当だ!沙織さん、私たちも食べようか。」

「やっと食べられるよ~。」

こうやって川辺で適当な岩に座って、みんなでカップ麺を食べる。以前なら考えられませんでした。
皆さんといると色んな事にチャレンジできる。色んな事を知ることができる。
私、皆さんと出会えて本当に幸せです!

「ごちそうさまでした!」

以上です。

グルメものが流行ってるんで華さんでやってみました。
(服が破れる描写は)ないです。

次回こそエリーシャがみぽりんにノンナされる話を完成させます。
もしかしたら聖グロリアーナの話が先に出来上がるかもですが。。。

それと、今まで週1で投稿しようとがんばってたんですが、
9月のイベントに小説本を出そうと思っていまして、その作業を優先させるためにSSの投稿頻度が下がると思います。
誰も気にしてないでしょうが、書くのをやめたんじゃないよ、という意思表示だけしたかったので。。。

では、ここまで読んでいただきありがとうございました。

ヤマノススメ

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